説明

3輪自転車

【課題】 本発明は、市販の3輪自転車のスイング機構をそのまま利用するが、その横揺れによる乗車時や走行時の不安定を全く解消して、高齢者や婦人でも、安心して乗車して、安全に走行でき、過疎地、交通不便地の通院車、買物車等の利用に最適で、必要に応じ、もとの市販の3輪自転車に迅速容易に復帰できる高齢者や婦人向きの3輪自転車を提供する。
【解決手段】 市販の3輪自転車のスイング機構を設けていない後車体2のリアキャリアフレームIに、低く跨いで安定して腰かけられ、体格に応じてペダル踏みができる腰かけ装置30を取りつけると共に、乗者が腰かけたとき、ハンドルバー10を後方に伸ばして安全にハンドル操作ができるように装置した高齢者や婦人向きの3輪自転車。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前車体にスイング機構を設けている3輪自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
3輪自転車は、2輪自転車に比べて、重量があり、駐車に若干場所をとる欠点があるが、走行が比較的安定して転倒しにくい。それにも拘わらず、高齢者や女性等に余り普及せず、いわゆる電動アシスト3輪車が出現したが、価格の点を無視しても、高齢者や女性等に余り魅力を感じさせることがなかった。その理由の一つとして、2輪自転車と同様に、自転車用サドルを採用し、跨るのに最低高さ約72センチメートル程度あり、その上、スイング機構を停止していないときは、サドルが揺動するので乗りにくく、さらに乗車しても股間が窮屈で走行停止中でもサドルが揺動するので乗車が不安定になり、また、走行中は、スイング機構が作動しているときは、徐行やスイング角度を大きくして旋回走行する場合に転落する恐れがあった。
そこで、本発明者は、市販の3輪自転車において、スイング機構を有する前車体に設けていたサドルに乗車することなく、スイング機構を設けていない後車体に腰かけ装置を設けて、乗者がこれに腰かければ、手腕だけのスイング操作で操縦できることを見いだし、これに対応したハンドル装置の改良と腰かけ装置の改良により安定した乗車と走行を確保し、スイング機構を設けた3輪自転車の問題点を解決することにに成功した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−55514号
【特許文献2】特開2005−199754号
【特許文献3】特開2005−53420号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の3輪自転車に取りつけられているスイング機構をそのまま使用して、これによる乗車と走行の不安定を解消できるようにした3輪自転車を提供するものである。
また、本発明は、高齢者や婦人等が、安心して気軽に乗車して安全走行ができるようにした3輪自転車を提供するものである。
また、本発明は、過疎地、交通不便地における通院車や買物車等の利用や、省エネルギー、環境衛生に沿った旅行車や営業車等の多用途にも使用できるようにした3輪自転車を提供するものである。
また、本発明は、費用が安く、誰でも、容易に、現在、市販されている3輪自転車から一部部品の取りはずし、新規な本発明部品の取りつけが簡単容易にできるようにした3輪自転車を提供するものである。
さらに、本発明は、もとの3輪自転車にいつでも迅速簡単に復帰できるようにした3輪自転車を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1の発明は、上記課題を達成するため、図示するように、1個の前輪(A)と2個の後輪(H)とペダル(E)を備え、前車体(1)にスイング機構を設け、前記前車体(1)にハンドルバー(10)、ハンドルバーステム、シートパイプ(F)、シートピラー(F1)及びサドル(F2)などを設け、前記スイング機構を設けていない後車体(2)にバスケットを取りつけたリアキャリヤフレーム(I)などを設け、前記サドル(F2)に乗者が腰かけたとき、ハンドル操作ができるように形成した3輪形自転車(ペダルの踏力に応じてモーターを駆動して走行できるようにした電動アシスト3輪自転車、及び、ペダルを備えると共にペダルの回転と無関係にモーターを駆動して走行できるようにした電動3輪自転車を含む。以下、同じ)において、前記ハンドルバーステムを着脱可能に取りはずして、後記腰かけ装置(30)に乗者が腰かけたとき、ハンドル操作ができるように、前記ハンドルバー(10)を後方位置に配置できる長さの突出部(110)を有するハンドルバーステム(11)(以下、長突出部付きステムという。)を前記ハンドルバー(10)に走行方向と反対向きに着脱可能に取りつけて、ヘッドチューブ(B)に着脱可能に挿入して固着することにより、前記ハンドルバー(10)のグリップ(1020)を握ることができるようにすると共に、後車体(2)に設けたリアキャリヤフレーム(I)から、前記バスケットを着脱可能に取りはずして、前記リアキャリヤフレーム(I)上に、腰かけ装置(30)であって、シート座面(311)の高さが、跨いで腰かけ、乗者の乗車している靴底が地面に踏面できるように、サドル(F2)の最低高さより低い位置に形成されると共に、前記シート座面(311)前端がシートパイプ(F)頂部に近接して乗車できるように形成され、跨いで腰かけたのちは、腰かけたシート座面(311)が乗者の腰かけた臀部の位置を前後にずらして乗者のペタル(E)踏みを調整できるように形成されたシート(31)を設けたものを、前記リアキャリヤフレーム(I)上に着脱可能に取りつけたフレーム板(33)を介して、着脱可能に取りつけてなり、乗者の乗車と走行を容易かつ安定にした3輪自転車である。
また、本発明の請求項2の発明は、上記課題を達成するため、図示するように、前記3輪形自転車において、前記3輪形自転車において、前記リアキャリヤフレーム(I)から前記バスケットをそれぞれ着脱可能に取りはずして、前記リアキャリヤフレーム(I)上に、前記腰かけ装置(30)を着脱可能に取りつけ、前記ハンドルバー(10)と前記ハンドルバーステムとを着脱可能に取りはずして、ハンドルバーのクランプ位置を中心にハンドルバーを回動させて乗者のグリップ位置を後方に伸ばせるように、ハンドルバーの中心から両グリップエンドを結ぶ線までの距離(d)の長いハンドルバー(10B)又は(10C)(以下、長手ハンドルバー(10B)又は(10C)という。)とこれに嵌着するハンドルバーステム(11B)又は(11C)に着脱可能に取り替えて、前記ハンドルバー(10B)又は(10C)のクランプ(111B)又は(111C)まわりの回動と、前記ハンドルバーステム(11B)又は(11C)のクイル(112B)又は(112C)のヘッドチューブ(B)への挿入加減により、前記腰かけ装置(30)に乗者が腰かけたとき、ハンドルの操作ができるようにしてなり、乗者の乗車と走行を容易かつ安定にした3輪自転車である。
また、本発明の請求項3の発明は、上記課題を達成するため、図示するように、前記3輪形自転車において、前記フレーム板(33)が、前端及び後端に着脱可能に嵌着されるコ字状板331と、これに挿入止着されるボルトナット3310を介して、前記リアキャリヤフレーム(I)に着脱可能に取りつけられる3輪自転車である。
本発明において、スイング機構を設けた前車体(1)は、1個の前輪(A)と、ハンドルバー(10A)、サドル(F2)、シートピラー(F1)及びシートパイプ(F)等を支持するヘッドチューブ(B)、ダウンチューブ(D)及びメインチューブ(J)等を含むものからなり、2個の後輪(H)と、これを支持する回転軸、リアキャリヤフレーム(I)等からなるスイング機構を設けていない後車体(2)に対し、左右両側に揺動可能になっており、旋回走行等を円滑に行うことができる公知の機構である。
また、本発明において、長突出部付きステム(11)は、図1−1−1、図1−1−2、図1−2、図1−3、図1−4及び図1−5に示すように、長い突出部(約120ミリメートル乃至約160ミリメートル程度)(110)を設けると共に、好ましくは、前記突出部(110)をクイル(112)に対し約15°以上に上向き角度aに形成したハンドルバーステムであって、3輪自転車のハンドルバー10のグリップ位置を後方に延ばすために使用される。さらに、この際、突出部(110)は走行方向と反対向きに取りつけられる。また、長突出部付きステムは、図1−3及び図1−4又は図1−5に示すように、一体型ステム(11)のクイル(112)に相当するステムアダプター(11a)と、突出部(110)に相当するアヘッドステム(11b)又は(11c)に分離されたものも含まれる。
また、本発明において、使用される長手ハンドルバー(10A)又は(10B)は、後車体(2)に腰かけ装置(30)を着脱可能に取りつけたので、ハンドルバー(10)のグリップ位置(102)を後方に延ばす必要が生じたために使用されるものである。
例えば、図2−2又は図2−3に示すU字状又はV字状ハンドルバー(10A)又は(10B)のように、中心(101B)又は(101C)と両グリップエンド(102B)又は(102C)との間の距離dが、30〜45センチメートルあって、ハンドルバー(10A)又は(10B)を図2−1−1及び図2−1−2に示すように、クランプ(111B)又は(111C)を介して回動すると共に、クイル(112B)又は(112C)をヘッドチューブBに挿入加減することにより、乗者が後車体(2)の腰かけ装置(30)に腰かけたときグリップの操作が容易にできるものとなる。
なお、この際、U字状又はV字状ハンドルバー等の長手のハンドルバー(10A)又は(10B)に着脱可能に嵌着するハンドルバーステムの突出部(110B)又は(110C)は、図2−1−1及び図2−1−2に示すように、走行方向と逆向きに取りつけることが好ましい。
腰かけ装置(30)は、従来の自転車用サドル(F2)と異なり、シート部分は、座面(311)高さが約61センチメートル乃至約67センチメートル程度で、従来のサドル(F2)の最低高さ約72センチメートルに比べて跨いで腰かけやすく、実証的に、日本人の多くの乗者が乗車している靴底が地面に踏面できることが判明したので、乗者に対し安定感による安心感が大きく、また、前端がシートパイプに近接して乗車できるようにした、前部が先細の、後部が広巾で長い座面が設けられ、座面は、平面座面で、水平座面、漸高座面、腰あて又は背あて付き座面等が含まれ、乗者の腰かけた臀部(しりの部分)の位置を体格に合わせて前後に移動してペダル踏みが容易に調整できるように形成され、高齢者、婦人等が、安心して気楽に腰かけやすく、乗降しやすく形成されるものである。シートの座面高さは、シートを支持するボックス(32)の高さを変えることにより行うこともできる。
また、腰かけ装置(30)は、スイング機構と無関係なスイングしない後車体に据え付けられるもので、乗者はスイング機構が行われる前車体の影響を、ハンドル操作に必要な手腕以外には全く受けることがないので、安定した乗車性と操縦性を確保できるように形成される。
さらに、腰かけ装置(30)は、リアキャリヤフレーム(I)に着脱可能に取りつけられるフレーム板(33)に着脱可能かつ配置可能に取りつけられる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、乗者は、前車体に設けたスイング機構をそのまま利用しても、スイングしない後車体に設けた腰かけ装置に乗車しているので、操縦する手腕以外はスイング機構の影響を受けない。また、腰かけが平面座席のため、腰かけた臀部の位置をずらしてペダル踏みを調整できるので、座り具合が安定し、高齢者や婦人等が安心して気楽に乗車でき、乗車後は安定して操縦しやすく、安全に走行できる。
また、現在市販の3輪自転車に装着されている着脱可能な一部部品を迅速簡単に取りはずして、新規な本発明部品を簡単容易かつ迅速に着脱可能に取りつけて現在市販の3輪自転車をそのまま利用することができ、費用も安価につく利点がある。
また、市販されているいわゆる電動アシスト3輪自転車を一部部品を着脱可能に取りはずし、本発明部品を着脱可能に取りつけて使用すれば、過疎地、交通不便地における高齢者、婦人等の通院車や買物車等として過疎地自治体等によるレンタル制などにより広く普及させることができ、実用価値が高い。また、リチウム電池、太陽電池等の技術向上により、省エネルギーや環境衛生に沿った長距離走行も可能となり、旅行車や営業車等の用途開発も期待される。
さらに、本発明3輪自転車は、もとの市販された状態の3輪自転車にいつでも迅速簡単に復帰して使用できるので利用価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1−1−1】本発明実施例1の全体概略説明図である。
【図1−1−2】本発明実施例1の別の全体概略説明図である。
【図1−2】図1−1−1に使用したハンドルバーステムの説明図である。
【図1−3】図1−1−1に使用されるハンドルバーステムの別例の説明図である。
【図1−4】図1−1−1に使用されるハンドルバーステムの別例の説明図である。
【図1−5】図1−1−1に使用されるハンドルバーステムのさらに別例の説明図である。
【図1−6】図1−1−1に使用した腰かけ装置の説明図である。
【図1−7】図1−1−1に使用した腰かけ装置の別の説明図である。
【図1−8】図1−1−1に使用した腰かけ装置のシートの斜視図である。
【図1−9】図1−1−2に使用した腰かけ装置に乗車するときの説明図である。
【図1−10】図1−1−2に使用した腰かけ装置に乗車するときの別の説明図である。
【図1−11】図1−1−2に使用した腰かけ装置に乗車するときのさらに別の説明図である。
【図2−1−1】本発明実施例2の全体概略説明図である。
【図2−1−2】本発明実施例2の別の全体概略説明図である。
【図2−2】図2−1−1に使用したハンドルバーの説明図である。
【図2−3】図2−1−1に使用したハンドルバーの別例の説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明3輪自転車の最良の形態が実施例1及び実施例2に記載される。
【実施例1】
【0009】
本発明3輪自転車の実施例1が、図1−1−1に示されている。
本発明実施例の3輪自転車は、前輪A1個、後輪H2個とペダルEを備え、前車体1にスイング機構(図示しない)を設け、前記前車体1にハンドルバー10、ハンドルバーステム(図示しない)、シートパイプ(F)、シートピラー(F1)、サドル(F2)及びバッテリー(G)を取りつけ、前記スイング機構を設けていない後車体(2)にバスケット(図示しない)を着脱可能に取りつけたリアキャリヤフレーム(I)を設け、前記サドル(F2)に乗者が腰かけたとき、ハンドル操作ができるように形成した市販周知のいわゆる電動アシスト3輪自転車から、前記ハンドルバーステムを着脱可能に取りはずし、ハンドルバー(10)に、図1−2に示すように、約120ミリメートル乃至約160ミリメートルの長い突出部(110)を設けると共に、突出部(110)をクイル(112)に対し約15°上向き角度aに形成したハンドルバーステム(11)を、クランプ(111)を介して、走行方向と反対向きに、ハンドルバー(10)に嵌着し、ハンドルバー(10)のグリップエンド(102)の位置を乗者が後記腰かけ装置(30)に腰かけたときグリップ(1020)が握れる位置まで延ばせるように、クランプ(111)及びクイル(112)を介してハンドルバー(10)の回動加減とヘッドチューブへの挿入加減を調整する。
また、ハンドルバーステムには、図1−2に示す一体形(11)のほかに、図1−3、図1−4及び図1−5に示すように、ステムアダプター11aとアヘッドステム(11b)又は(11c)とに分けられた部品があり、アヘッドステム(11b)又は(11c)の突出長さは約120ミリメートル乃至約160ミリメートルのものを使用する。なお、図1−5に示すアヘッドステム(11c)は、挿入されるステムアダプター(11a)に対し角度を0°〜60°程度に変更できる可動部(12c)を設けている。使用法は一体形のハンドルバーステム(11)と同様であるので、詳細説明は省略する。
次に、図1−6及び図1−7に示すように、前記バスケットを着脱可能に取りはずし、腰かけ装置(30)を、リアキャリヤフレーム(I)に着脱可能に固着する。
腰かけ装置(30)は、シート(31)とボックス(32)とフレーム板(33)とからなる。
シート(31)は、座面が、図1−8に示すように、幅約21センチメートルで前端幅約8センチメートル、長さ約41センチメートル、高さ約10センチメートルのクッション体のものである。
ボックス(32)は、上面板(321)、両側面板(322)及び(322)、前面板(323)、後面板(324)及び底面板(325)からなる高さ21.5〜26.0センチメートル、幅約16センチメートル程度の箱形のもので、上面板(321)は、シート(31)を着脱可能に取りつける。フレーム板(33)は、ボックス(32)の底面板(325)を載置して着脱可能に取りつけられる。
また、フレーム板(33)は、前端及び後端のリアキャリヤフレームのパイプフレーム(I)に嵌着されるコ字状板331と、これに挿入止着されるボルトナット3310によって着脱可能にリアキャリヤフレーム(I)に取りつけられる。
腰かけ装置(30)は、シート座面(311)が地面からの高さ約61乃至67センチメートルで、通常の3輪車のサドルの地上からの高さが約73センチメートルに比べて、跨いで腰かけて乗者の着用した靴底が地面に踏面して乗車しやすく、また、シート座面(311)の前端が、シートパイプ(F)頂部に近接し、乗車の際は、前記サドル(F2)にあてた手を介して、容易に跨いで腰かけられる。この際、サドル(F2)は、前傾したり、反対向きにしたり、シートピラー(F1)を上下したりして調整することもできる。跨いで腰かけたのちは、腰かけたシート座面(311)が平面座面のため、乗者が腰かけた臀部の位置を前後にずらして、乗車時のペタル(E)踏みが体格に応じ調整できるので、乗者の乗車が容易かつ安定することになる。
なお、シート座面(311)の地面からの高さは、ボックス(32)の高さを変えることにより調整できる。また、シート座面(311)のシートパイプ(F)の頂部への近接度は、ボックス(32)の底面板(325)のリアキャリヤフレーム(I)上の載置位置の変更により行うこともできる。
次に、図1−1−2に示すように、前記シートピラー(F1)及び前記サドル(F2)を取りはずした状態で乗車するときは、図1−9に示すように、前記ハンドルバー(10)の各グリップ(1020)を両手で握った横向きの腰かけ姿勢から、図1−10及び図1−11に示すように、片足を前記シート座面(311)前端上に当接しながら跨げば、シートパイプ(F)をのり越えて容易に跨ぎ腰かけることができ、跨いで腰かけたのちは、腰かけたシート座面(311)は、乗者が腰かけた臀部の位置を前後にずらして、乗車のペタル(E)踏みを体格に応じ調整できるので、乗者の乗車が容易かつ安定することになる。
従って、乗者は、腰かけ装置(30)に腰かけてペダル(E)を踏み、スイングの影響を受けずに安定して走行できると共に、安全に運転することができる。
【実施例2】
【0010】
本発明3輪自転車の実施例2が、図2−1−1、図2−1−2、図2−2及び図2−3に示されている。
本発明実施例の3輪自転車は、前輪A1個、後輪H2個とペダルEを備え、前車体1にスイング機構(図示しない)を設け、前記前車体1にハンドルバー(図示しない)、ハンドルバーステム(図示しない)、シートパイプ(F)、シートピラー(F1)、サドル(F2)及びバッテリーGを取りつけ、前記スイング機構を設けていない後車体2にバスケット(図示しない)を着脱可能に取りつけたリアキャリヤフレーム(I)を設け、前記サドル(F2)に乗者が腰かけたとき、ハンドル操作ができるように形成した市販周知のいわゆる電動アシスト3輪自転車から、前記ハンドルバー、前記ハンドルバーステムを着脱可能に取りはずし、図2−2又は図2−3に示すように、ハンドルバーの中心(クランプ(111B)又は(111C)位置)からにハンドルバーを回動させて乗者のグリップを後方に伸ばせるように変えるため、ハンドルバーの中心(101B)又は(101C)から両グリップエンド位置(102B)又は(102C)を結んだ線までの距離dが約300ミリメートル乃至約450ミリメートルの長手ハンドルバー(10B)又は(10C)と、これに嵌着するハンドルバーステム(11B)又は(11C)とに着脱可能に取り替えて、前記腰かけ装置(30)に乗者が腰かけたとき、ハンドル操作ができるように、ハンドルバー(10B)又は(10C)の傾き加減と、ハンドルバーステム(11B)又は(11C)のクイルのヘッドチューブ(B)に対する挿入加減を調整する。
次に、前記バスケットを着脱可能に取りはずし、腰かけ装置30を、リアキャリヤフレームIに着脱可能に固着する。
腰かけ装置(30)は、実施例1と同じであるので、詳細説明は省略する。
また、図2−1−2に示すように、シートピラー(F1)及びサドル(F2)を取りはずした場合も、実施例1と同様であるので詳細説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明3輪自転車部品は、製作容易で安価に量産できる。
【符号の説明】
【0012】
1 前車体
A 前輪
B ヘッドチューブ
E ペダル
F シートパイプ
F1 シートピラー
F2 サドル
H 後輪
I リアキャリヤフレーム
10 ハンドルバー
10B U形状ハンドルバー
10C V字状ハンドルバー
11 ハンドルバーステム
110 突出部
2 後車体
30 腰かけ装置
31 シート
311 シート座面
d ハンドルバーの中心から両グリップエンドを結ぶ線までの距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個の前輪(A)と2個の後輪(H)とペダル(E)を備え、前車体(1)にスイング機構を設け、前記前車体(1)にハンドルバー(10)、ハンドルバーステム、シートパイプ(F)、シートピラー(F1)及びサドル(F2)などを設け、前記スイング機構を設けていない後車体(2)にバスケットを取りつけたリアキャリヤフレーム(I)などを設け、前記サドル(F2)に乗者が腰かけたとき、ハンドル操作ができるように形成した3輪形自転車(ペダルの踏力に応じてモーターを駆動して走行できるようにした電動アシスト3輪自転車、及び、ペダルを備えると共にペダルの回転と無関係にモーターを駆動して走行できるようにした電動3輪自転車を含む。以下、同じ)において、前記ハンドルバーステムを着脱可能に取りはずして、後記腰かけ装置(30)に乗者が腰かけたとき、ハンドル操作ができるように、前記ハンドルバー(10)を後方位置に配置できる長さの突出部(110)を有するハンドルバーステム(11)(以下、長突出部付きステムという。)を前記ハンドルバー(10)に走行方向と反対向きに着脱可能に取りつけて、ヘッドチューブ(B)に着脱可能に挿入して固着することにより、前記ハンドルバー(10)のグリップ(1020)を握ることができるようにすると共に、後車体(2)に設けたリアキャリヤフレーム(I)から、前記バスケットを着脱可能に取りはずして、前記リアキャリヤフレーム(I)上に、腰かけ装置(30)であって、シート座面(311)の高さが、跨いで腰かけ、乗者の乗車している靴底が地面に踏面できるように、サドル(F2)の最低高さより低い位置に形成されると共に、前記シート座面(311)前端がシートパイプ(F)頂部に近接して乗車できるように形成され、跨いで腰かけたのちは、腰かけたシート座面(311)が乗者の腰かけた臀部の位置を前後にずらして乗者のペタル(E)踏みを調整できるように形成されたシート(31)を設けたものを、前記リアキャリヤフレーム(I)上に着脱可能に取りつけたフレーム板(33)を介して、着脱可能に取りつけてなり、乗者の乗車と走行を容易かつ安定にしたことを特徴とした3輪自転車。
【請求項2】
前記3輪形自転車において、前記リアキャリヤフレーム(I)から前記バスケットをそれぞれ着脱可能に取りはずして、前記リアキャリヤフレーム(I)上に、前記腰かけ装置(30)を着脱可能に取りつけ、前記ハンドルバー(10)と前記ハンドルバーステムとを着脱可能に取りはずして、ハンドルバーのクランプ位置を中心にハンドルバーを回動させて乗者のグリップ位置を後方に伸ばせるように、ハンドルバーの中心から両グリップエンドを結ぶ線までの距離(d)の長いハンドルバー(10B)又は(10C)(以下、長手ハンドルバー(10B)又は(10C)という。)とこれに嵌着するハンドルバーステム(11B)又は(11C)に着脱可能に取り替えて、前記ハンドルバー(10B)又は(10C)のクランプ(111B)又は(111C)まわりの回動と、前記ハンドルバーステム(11B)又は(11C)のクイル(112B)又は(112C)のヘッドチューブ(B)への挿入加減により、前記腰かけ装置(30)に乗者が腰かけたとき、ハンドルの操作ができるようにしてなり、乗者の乗車と走行を容易かつ安定にしたことを特徴とした3輪自転車。
【請求項3】
前記フレーム板(33)が、前端及び後端に着脱可能に嵌着されるコ字状板331と、これに挿入止着されるボルトナット3310を介して、前記リアキャリヤフレーム(I)に着脱可能に取りつけられることを特徴とした請求項1又は2記載の3輪自転車。

【図1−1−1】
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【図1−1−2】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図1−5】
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【図1−6】
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【図1−7】
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【図1−8】
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【図1−9】
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【図1−10】
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【図1−11】
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【図2−1−1】
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【図2−1−2】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【公開番号】特開2011−93511(P2011−93511A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7221(P2010−7221)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(391042232)ワタナベ株式会社 (41)
【Fターム(参考)】