説明

3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸誘導体および気道疾患処置用上皮性ナトリウムチャネルブロッカーとしてのその使用

遊離または塩または溶媒和物形態の式(I)


〔式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは明細書に定義した意味を有する。〕
の化合物は、上皮性ナトリウムチャネルの遮断に応答する疾患の処置に有用である。該化合物を含む医薬組成物および該化合物の製造方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機化合物、その製造および医薬としてのその使用に関する。
【発明の概要】
【0002】
一局面において、本発明は、式I:
【化1】

〔式中、
はハロゲンであり;
、R、RおよびRは各々独立してHおよびC−Cアルキル;
は−(C−Cアルキレン)−R10から選択され、ここで、該アルキレンリンカーは、場合によりC−Cアルキル、ハロおよびOHから選択される1個以上の基で置換されていてよく、該アルキレンリンカーが存在しないならば、R10はH以外であり;
はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルおよび−(C−Cアルキレン)−アリールから選択され、ここで、該シクロアルキル基およびアリール基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および式A−Bの基から選択され、ここで、該アリール基、ヘテロアリール基およびヘテロシクリル基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、4−10員含窒素ヘテロ環基を形成し、これは、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;または
およびRは、それらが結合している原子と一体となって、4−10員含窒素ヘテロ環基を形成し、これは、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
Aは結合、−C(=NH)NH−、−(CH)−D−(CH)−または−C(=NH)NH−(CH)−D−(CH)−であり;
BはH、C−Cアルキル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−アリール、−(C−Cアルキレン)−ヘテロアリールおよび−(C−Cアルキレン)−ヘテロシクリルから選択され、ここで、該アリール基、ヘテロアリール基およびヘテロシクリル基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
Dは結合、−O−、−C(O)−、−C(O)NH−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NHC(=N)NH−、−S(O)−、−S(O)NH−、−NHC(O)−、−NHC(O)O−、−OC(O)NH−、−NHS(O)−、−NHC(O)NH−および−NH−から選択され;
dは1、2または3であり;
bは0、1、2または3であり;
yは1、2または3であり;
【0003】
はHまたはC−Cアルキルであるか;または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基または4−10員ヘテロシクリル基を形成し、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
10はH、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、NR1112、C(O)NR1314、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよび式P−(CH)−Qの基から選択され、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
Pは結合、−O−、−C(O)−、−C(O)NH−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NHC(=N)NH−、−S(O)−、−S(O)NH−、−NHC(O)−、−NHC(O)O−、−OC(O)NH−、−NHS(O)−、−NHC(O)NH−および−NH−から選択され;
QはH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択され、ここで、該アリール基、ヘテロアリール基およびヘテロシクリル基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
mは0、1、2または3であり;
11はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニルおよび−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルから選択され;
12はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、−C(O)C−Cアルキル、−C(O)C−C10シクロアルキル、−C(O)(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、−C(O)(CH)アリール、−C(O)(CH)ヘテロアリール、−C(O)(CH)ヘテロシクリル、−C(O)Oアルキル、C(O)Oアリール、(CH)アリール、(CH)ヘテロアリールおよび−(CH)ヘテロシクリルから選択され、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
【0004】
13はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニルおよび−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルから選択され;
14はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、−(CH)アリール、(CH)ヘテロアリールおよび(CH)ヘテロシクリルから選択され、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
xは0、1、2または3であり;
zは0、1、2または3であり;
Zは独立してOH、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ベンジル、場合により1個以上のハロゲン原子またはOH基で置換されていてよいC−Cアルキル、場合により1個以上のハロゲン原子またはOH基で置換されていてよいC−Cアルコキシ、−Oアリール、−Oベンジル、−O(CH)C(O)E、NR15(SO)R17、(SO)NR1516、(SO)R17、NR15C(O)R17、C(O)NR1517、NR15C(O)NR1617、NR15C(O)OR17、OC(O)NR1517、NR1517、C(O)OR15、OC(O)R15、C(O)R17、SR15、CN、NO、およびハロゲン;
aは0、1、2、3または4であり、ここで、該アルキレン基は、aが1、2、3または4であるとき場合によりOHまたはNHで置換されていてよく;
EはNR1517またはOR17であり;
各R15およびR16は独立してH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニルおよび−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルから選択され;そして
各R17はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルから選択され、ここで、各環系は、場合によりOH、ハロ、C−CアルキルおよびC−Cアルコキシで置換されていてよい。
ただし、R、RおよびRが全て水素であるときRはベンジルではない。〕
の化合物、またはその溶媒和物、水和物または薬学的に許容される塩を提供する。
【0005】
本発明の一態様において、式(Ia):
【化2】

〔式中、
は−(C−Cアルキレン)−R10であり、ここで、該アルキレンリンカーは、場合によりC−Cアルキル、ハロおよびOHから選択される1個以上の基で置換されていてよく、該アルキレンリンカーが存在しないならば、R10はH以外であり;
はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルおよび−(C−Cアルキレン)−アリールから選択され、ここで、該シクロアルキル基およびアリール基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および式A−Bの基から選択され、ここで、該アリール基、ヘテロアリール基およびヘテロシクリル基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、4−10員含窒素ヘテロ環基を形成し、これは、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;または
およびRは、それらが結合している原子と一体となって、4−10員含窒素ヘテロ環基を形成し、これは、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
Aは結合、−C(=NH)NH−、−(CH)−D−(CH)−または−C(=NH)NH−(CH)−D−(CH)−であり;
BはH、C−Cアルキル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−アリール、−(C−Cアルキレン)−ヘテロアリールおよび−(C−Cアルキレン)−ヘテロシクリルから選択され、ここで、該アリール基、ヘテロアリール基およびヘテロシクリル基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
Dは結合、−O−、−C(O)−、−C(O)NH−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NHC(=N)NH−、−S(O)−、−S(O)NH−、−NHC(O)−、−NHC(O)O−、−OC(O)NH−、−NHS(O)−、−NHC(O)NH−および−NH−から選択され;
dは1、2または3であり;
bは0、1、2または3であり;
yは1、2または3であり;
【0006】
はHまたはC−Cアルキルであるか;または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基または4−10員ヘテロシクリル基を形成し、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
10はH、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、NR1112、C(O)NR1314、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよび式P−(CH)−Qの基から選択され、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
Pは結合、−O−、−C(O)−、−C(O)NH−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NHC(=N)NH−、−S(O)−、−S(O)NH−、−NHC(O)−、−NHC(O)O−、−OC(O)NH−、−NHS(O)−、−NHC(O)NH−および−NH−から選択され;
QはH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択され、ここで、該アリール基、ヘテロアリール基およびヘテロシクリル基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
mは0、1、2または3であり;
11はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニルおよび−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルから選択され;
12はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、−C(O)C−Cアルキル、−C(O)C−C10シクロアルキル、−C(O)(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、−C(O)(CH)アリール、−C(O)(CH)ヘテロアリール、−C(O)(CH)ヘテロシクリル、−C(O)Oアルキル、C(O)Oアリール、(CH)アリール、(CH)ヘテロアリールおよび−(CH)ヘテロシクリルから選択され、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
【0007】
13はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニルおよび−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルから選択され;
14はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、−(CH)アリール、(CH)ヘテロアリールおよび(CH)ヘテロシクリルから選択され、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
xは0、1、2または3であり;
zは0、1、2または3であり;
Zは独立してOH、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ベンジル、場合により1個以上のハロゲン原子またはOH基で置換されていてよいC−Cアルキル、場合により1個以上のハロゲン原子またはOH基で置換されていてよいC−Cアルコキシ、−Oアリール、−Oベンジル、−O(CH)C(O)E、NR15(SO)R17、(SO)NR1516、(SO)R17、NR15C(O)R17、C(O)NR1517、NR15C(O)NR1617、NR15C(O)OR17、OC(O)NR1517、NR1517、C(O)OR15、OC(O)R15、C(O)R17、SR15、CN、NO、およびハロゲンから選択され;
aは0、1、2、3または4であり、ここで、該アルキレン基は、aが1、2、3または4であるとき場合によりOHまたはNHで置換されていてよく;
EはNR1517またはOR17であり;
各R15およびR16は独立してH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニルおよび−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルから選択され;そして
各R17はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルから選択され、ここで、各環系は、場合によりOH、ハロ、C−CアルキルおよびC−Cアルコキシで置換されていてよい。
ただし、R、RおよびRが全て水素であるときRはベンジルではない。〕
の化合物、またはその溶媒和物、水和物または薬学的に許容される塩が提供される。
【0008】
上記のどこかに定義する本発明のさらに別の態様において、RはHである。
さらなる態様において、Aは結合、−C(=NH)NH−または−(CH)−D−(CH)−である。
【0009】
上記のどこかに定義する本発明のさらに別の態様において、RはHまたはC−Cアルキルであり;そして
はHであるか;または
およびRは、それらが結合している原子と一体となって5または6員含窒素ヘテロ環基を形成し、これは、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよい。
【0010】
上記のどこかに定義する本発明のさらなる態様において、R10はH、NHR12、C(O)NHR14、フェニルまたはC−Cシクロアルキル基であり;
12はH、C−Cアルキル、−C(O)C−Cアルキル、−C(O)(CH)フェニルおよび(CH)フェニルから選択され、ここで、該フェニル基の各々は、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
14はH、C−Cアルキルおよび−(CH)アリールから選択され、ここで、該フェニル基の各々は、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
xは0、1、2または3であり;そして
zは0、1、2または3である。
【0011】
場合により、RがMeであるならば、RはMe以外である。好適には、RがMeであるとき、RはHまたはMe以外である。
【0012】
上記のどこかに定義する本発明のさらに別の態様において、次のものから選択される式(I)の化合物が提供される:
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−1−エチル−ピロリジン−2−イルメチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸[2−アミノ−5−(4−メトキシ−フェニル)−ペンチル]−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸[5−[4−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−フェニル]−2−(2,4−ジメトキシ−ベンジルアミノ)−ペンチル]−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−3−シクロヘキシル−プロピル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−3−メチル−ブチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−4−メチル−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−1−ピロリジン−2−イルメチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−1−ピペリジン−2−イルメチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸(1−アミノ−シクロペンチルメチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−アミノ−6−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−ヘキシル}−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ヘキシル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−ブチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−プロピル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ブチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−プロピル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−1−ピペリジン−2−イルメチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−1−ピロリジン−2−イルメチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−3−メチル−ブチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−アミノ−6−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−ヘキシル}−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−グアニジノ−ブチル)−アミド、
【0013】
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−グアニジノ−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−グアニジノ−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−3−シクロヘキシル−2−グアニジノ−プロピル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピルアミノ]−ペンチル}−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−6−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−2−グアニジノ−ヘキシル}−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−{N−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−グアニジノ}−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−{N−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−グアニジノ}−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸[(S)−2−(N−{3−[4−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−フェニル]−プロピル}−グアニジノ)−ペンチル]−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−{N’−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−グアニジノ}−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−[N’−(4−メトキシ−ベンジル)−グアニジノ]−ペンチル}−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(R)−2−[N’−(4−メトキシ−ベンジル)−グアニジノ]−ペンチル}−アミドおよび
その薬学的に許容される塩。
【0014】
定義
本明細書で使用する用語は、次の意味を有する:
“場合により置換されていてよい”は、述べられている基がその前に列記された基の任意の1個または任意の組合せで1個所以上を置換され得ることを意味する。
【0015】
“場合により1個以上のZ基で置換されていてよい”は、述べられている基が各々Zで表される基から独立して選択される1個以上の置換基を含み得ることを意味する。それ故に、2個以上のZ置換基が存在するとき、これらは同一でも異なってもよい。
【0016】
ここで使用する“ハロ”または“ハロゲン”はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり得る。
ここで使用する“C−C−アルキル”は、1−6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキルを意味する。異なる炭素原子数、例えばCまたはCが特定されているならば、この定義をそれに応じて改めるべきである。
【0017】
ここで使用する“C−C−アルコキシ”は、1−6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルコキシを意味する。異なる炭素原子数、例えばCまたはCが特定されているならば、この定義をそれに応じて改めるべきである。
用語“アルキレン”は、適切な数の炭素原子を含む直線状または分枝状飽和炭化水素鎖を意味する。
【0018】
用語“−(C−Cアルキレン)−”または“−(C−Cアルキレン)−”は、適切な数の炭素原子を含む炭化水素架橋基を意味する。
【0019】
ここで使用する“C−C10−炭素環基”または“C−C10シクロアルキル”は、飽和されている、3−10個の環炭素原子を有する炭素環基を意味する。場合により、本環系は3−6個の炭素原子を含んでよく、すなわちC−CシクロアルキルまたはC−C炭素環基である。C−C10−炭素環基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルまたは二環基、例えばビシクロオクチル、インダニルを含むビシクロノニルおよびビシクロデシルを含み、これらに限定されない。異なる炭素原子数、例えばCが特定されているならば、この定義をそれに応じて改めるべきである。
【0020】
ここで使用する“C−C10シクロアルケニル”は、1個以上の炭素−炭素二重結合を含む、5−10個の環炭素原子を有する非芳香族性炭素環基を意味する。場合により、本環系は5または6個の炭素原子、すなわちC−Cシクロアルケニルを含む。
【0021】
ここで使用する用語“アリール”および“C−C15−芳香族性炭素環基”は、6−15個の環炭素原子を有する芳香族基を意味する。C−C15−芳香族性炭素環基の例は、フェニル、フェニレン、ベンゼントリイル、ナフチル、ナフチレン、ナフタレントリイルまたはアントリレンを含み、これらに限定されない。異なる炭素原子数、例えばC10(例えばC−C10アリール基)が特定されているならば、この定義をそれに応じて改めるべきである。特定の態様において、アリールはフェニルまたはナフチレニルである。さらなる態様において、アリールはフェニルである。
【0022】
用語“ヘテロ環基”および“4−10員ヘテロ環基”は、少なくとも1個の環窒素、酸素および硫黄から成る群から選択されるへテロ原子を含む4−10員ヘテロ環式環を意味し、これは飽和されていても一部飽和されていてもよい。かかるヘテロ環基の例はピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジノン、モルホリン、テトラヒドロ(hyro)フラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンおよび1,4−オキサチアンを含み、これらに限定されない。好適には、本ヘテロ環基は5−6員基であり得る。
【0023】
用語“ヘテロアリール基”および“ヘテロ芳香族基”は、少なくとも1個の環窒素、酸素および硫黄から成る群から選択されるへテロ原子を含む5−10員芳香族性ヘテロ環式環を意味する。かかるヘテロアリール基の例は、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、インドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンゾイミダゾール、プリン、キノリジン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、フタラジン、プテリジン、アクリジン、フェナジンおよびフェナントロリンを含み、これらに限定されない。好適には、本ヘテロアリール基は5−6員基であり得る。
【0024】
本発明の任意のおよび全ての態様は、任意の他の態様を組み合わせて、本発明のさらなる態様を言うことは理解されるべきである。さらに、ある態様の任意の要素は、任意の態様の任意のおよび全ての要素と組み合わせることができ、さらなる態様を言うことを意図する。当業者には、不可能な置換基の組合せは本発明の局面ではないことは理解される。
【0025】
本発明の第二の局面は、炎症性またはアレルギー性状態、特に炎症性または閉塞性気道疾患の処置または粘膜水和のための医薬製造のための、遊離または薬学的に許容される塩形態の、上記態様のいずれかの式(I)の化合物の使用を提供する。
【0026】
本発明の一態様は、嚢胞性線維症、原発性線毛機能不全、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、喘息、呼吸器感染症、肺癌腫、口内乾燥および乾性角結膜炎(keratoconjunctivitis sire)から選択される炎症性またはアレルギー性状態の処置用医薬製造のための、遊離または薬学的に許容される塩形態の、上記態様のいずれかの式(I)の化合物の使用を提供する。
【0027】
本明細書および添付する特許請求の範囲を通して、文脈から他の解釈が必要でない限り、用語“含む”、またはその変形、例えば“含み”または“含んで”は、記載する整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を包含するが、全ての他の整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を除外しないことを意図することは理解されよう。
【0028】
特に好ましい具体的な式(I)の化合物は実施例に後記するものである。
【0029】
塩基性中心を含む式(I)の化合物は、酸付加塩、特に薬学的に許容される酸付加塩を形成できる。式(I)の化合物の薬学的に許容される酸付加塩は無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸、例えばフッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸;および有機酸、例えば脂肪族モノカルボン酸、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸および酪酸、カプリル酸、ジクロロ酢酸、馬尿酸、脂肪族ヒドロキシ酸、例えば乳酸、クエン酸、酒石酸またはリンゴ酸、グルコン酸、マンデル酸、ジカルボン酸、例えばマレイン酸またはコハク酸、アジピン酸、アスパラギン酸、フマル酸、グルタミン酸、マロン酸、セバシン酸、芳香族性カルボン酸、例えば安息香酸、p−クロロ−安息香酸、ニコチン酸、ジフェニル酢酸またはトリフェニル酢酸、芳香族性ヒドロキシ酸、例えばo−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸または3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸、およびスルホン酸、例えばメタンスルホン酸またはベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、(+)カンファー−10−スルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸のものを含む。これらの塩は、式(I)の化合物から既知の塩形成法により製造し得る。薬学的に許容される溶媒和物は一般に水和物である。
【0030】
酸性基、例えばカルボキシル基を含む式(I)の化合物はまた塩基、特に薬学的に許容される塩基、例えば当分野で既知のものと塩を形成できる;適当なかかる塩は金属塩、特にアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩またはカルシウム塩、またはアンモニアまたは薬学的に許容される有機アミン類またはヘテロ環式塩基、例えばエタノールアミン類、ベンジルアミン類またはピリジン、アルギニン、ベネタミン、ベンザチン、ジエタノールアミン、4−(2−ヒドロキシ−エチル)モルホリン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、N−メチルグルタミン、ピペラジン、トリエタノール−アミンまたはトロメタミンとの塩を含む。これらの塩は、式(I)の化合物から既知の塩形成法により製造し得る。酸性基、例えばカルボキシル基を含む式(I)の化合物はまた、第4級アンモニウム中心と双性イオンとしても存在し得る。
【0031】
本発明に従う薬学的に許容される溶媒和物は、結晶化に使用する溶媒が同位体置換されている、例えばDO、d−アセトンまたはd−DMSOであるものを含む。
【0032】
遊離形の式(I)の化合物は、慣用法で塩形態に変換でき、そして逆も可能である。遊離または塩形態の本化合物は、水和物または結晶化に使用した溶媒を含む溶媒和物の形で得られ得る。式(I)の化合物は、慣用法により反応混合物から回収し、そして精製できる。異性体、例えば鏡像体を、慣用法で、例えば分別結晶または対応して不斉に置換された例えば光学活性、出発物質からの不斉合成により得ることができる。
【0033】
いくつかの本発明の化合物は、少なくとも1個の不斉炭素原子を有し、それ故に、個々の光学活性異性形態またはそれらの混合物として、例えばラセミ混合物として存在する。さらに不斉中心が存在するいくつかの場合、本発明はまた個々の光学活性異性体ならびにその混合物、例えばジアステレオマー混合物の両方を包含する。
【0034】
本発明はすべてのかかる形態、特に純粋な異性形態を包含する。異なる異性形態は慣用法により互いに分離または分割してよく、または何らかのある異性体を慣用の合成法によりまたは;立体特異的または不斉合成により得てよい。本発明の化合物は医薬組成物において使用することが意図されているため、それらは各々好ましくは実質的に純粋な形態で、例えば少なくとも60%純粋、より好適には少なくとも75%純粋、そして好ましくは少なくとも85%、特に少なくとも98%純粋な形態で提供されることは理解されよう(%は重量対重量に基づく)。本化合物の不純な調製物を医薬組成物に使用するより純粋な形態の正常に使用してよい;これらのあまり純粋ではない本化合物の調製物は、少なくとも1%、より好適には少なくとも5%、そして好ましくは10〜59%の本発明の化合物を含むべきである。
【0035】
本発明は、1個以上の原子が同じ原子数を有するが、原子質量または質量数が天然で通常見られる原子質量または質量数と異なる原子で置換されている全ての薬学的に許容される同位体標識された式(I)の化合物を含む。本発明の化合物に包含するのに適当な同位体の例は、水素、例えばHおよびH、炭素、例えば11C、13Cおよび14C、塩素、例えば36Cl、フッ素、例えば18F、ヨウ素、例えば123Iおよび125I、窒素、例えば13Nおよび15N、酸素、例えば15O、17Oおよび18O、および硫黄、例えば35Sを含む。
【0036】
ある種の同位体標識された式(I)の化合物、例えば放射性同位体を含む化合物は、薬物および/または基質の組織分布試験に有用である。放射性同位体トリチウム(H)および炭素−14(14C)が、その取り込みの容易さおよび簡便な検出手段の点から、この目的で特に有用である。より重い同位体、例えば重水素(H)への置換は、大きな代謝安定性に起因するある種の治療的利点、例えばインビボ半減期の延長または必要投与量削減をもたらし得て、それ故にある状況下では好ましいことがある。陽電子放出同位体、例えば11C、18F、15O、および13Nへの置換は、基質受容体占拠試験のためのポジトロン放出断層撮影(Positron Emission Topography)(PET)試験に有用であり得る。
【0037】
同位体標識された式(I)の化合物は、一般に当業者に既知の慣用の技術により、または、添付する実施例に記載した方法に準じて、適当な同位体標識された反応材を先に使用した非標識反応材に代えて使用して製造できる。
【0038】
式(I)の化合物のいくつかは異なる互変異性形態で存在し得る。互変異性は当業者に周知であり、当業者は容易にどこ基が互変異性して異なる互変異性形態を形成することができるか容易に認識する。本発明は、式(I)の化合物の全ての互変異性形態を包含する。
【0039】
合成
一般に、式(I)の化合物は、スキーム1および実施例に記載する経路により合成できる。
例えば、中間体1を中間体2と適当なカップリング剤および有機塩基の存在下、有機溶媒中で反応させて、遊離塩基の式(I)の化合物を得ることができる。この遊離塩基を次いで、適当な酸での処理により塩形態に変換できる。
中間体は当業者が既知の方法により製造できるか、または市販されている。
【0040】
【化3】

遊離形の式(I)の化合物は、慣用法で塩形態に変換でき、そして逆も可能である。遊離または塩形態の本化合物は、水和物または結晶化に使用した溶媒を含む溶媒和物の形で得られ得る。式(I)の化合物は、慣用法により反応混合物から回収し、そして精製できる。異性体、例えば鏡像体を、慣用法で、例えば分別結晶または対応して不斉に置換された例えば光学活性、出発物質からの不斉合成により得ることができる。
【0041】
式(I)の化合物は、例えば、以下におよび実施例に記載する反応および技術を使用して製造できる。反応は、用いる試薬および物質に適切であり、行う変換に適している溶媒中で行ってよい。有機合成の分野の当業者には、本分子上に存在する官能基を、目的とする変換に適合させるべきであることは理解される。これは、所望の本発明の化合物を得るための合成工程の順番の改変または他の工程からの特定の工程スキームの選択の判断を必要とすることがある。
【0042】
以下の反応スキームに示す合成中間体および最終生成物上の種々の置換基は、その完全に同化された形態で、当業者には理解されるとおり必要な場合には適当な保護基を備えて、または当業者に周知の方法により最終形態に後の同化できる前駆形態で存在できる。置換基を一連の合成の適当な段階でまたは一連の合成完了後に付加もできる。多くの場合、共通して仕様される官能基操作を使用して中間体を別の中間体に、または一つの式(I)の化合物を別の式(I)の化合物に変換できる。かかる操作の例は、エステルまたはケトンのアルコールへの変換;エステルのケトンへの変換;エステル類、酸類およびアミド類の相互変換;アルコール類およびアミン類のアルキル化、アシル化およびスルホニル化;および多くのその他のものである。置換基はまた一般的な反応、例えばアルキル化、アシル化、ハロゲン化または酸化を使用して添加もできる。かかる操作は当分野で周知であり、多くの参考書がかかる操作のための工程および方法を要約している。多くの官能基操作についての有機合成の初級文献についての例および言及ならびに有機合成の分野で一般的に使用されている他の変換を示すいくつかの参考書は、March's Organic Chemistry, 5th Edition, Wiley and Chichester, Eds. (2001); Comprehensive Organic Transformations, Larock, Ed., VCH (1989); Comprehensive Organic Functional Group Transformations, Katritzky et al. (series editors), Pergamon (1995); and Comprehensive Organic Synthesis, Trost and Fleming (series editors), Pergamon (1991)である。この分野での全ての合成経路の計画における他の大事な懸念事項は、本発明に記載する化合物に存在する反応性官能基の保護に使用するための保護基の賢明な選択であることも認識されよう。同じ分子内の複数の保護基を、望む結果によって、これらの保護基の各々が同じ分子内の他の保護基が除去されないように、または数個の保護基を同じ反応工程を使用して除去できるように、選択できる。訓練された実施者への多くの選択肢を記載する信頼すべき説明は、Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley and Sons (1999)である。
【0043】
薬理学的活性
上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)の遮断の点から、遊離または薬学的に許容される塩形態の式(I)の化合物(以後、代替的に“本発明の薬剤”と呼ぶ)は、上皮性ナトリウムチャネルの遮断に応答する状態、特に粘膜水和により利益を受ける状態の処置に有用である。
【0044】
上皮性ナトリウムチャネルの遮断により処置可能な疾患は、上皮性膜を超える体液量の制御と関連する疾患を含む。例えば、気道表面液体の量は、粘膜毛様体クリアランスおよび肺の健康維持に重要な制御因子である。上皮性ナトリウムチャネルの遮断は体液の気道上皮の粘膜側への蓄積を促し、それにより粘液クリアランスを促進し、粘液および痰の呼吸器組織(肺気道を含む)への蓄積を阻止する。かかる疾患は、呼吸器疾患、例えば嚢胞性線維症、原発性線毛機能不全、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、呼吸器感染(急性および慢性;ウイルス性および細菌性)および肺癌腫を含む。上皮性ナトリウムチャネルの遮断により処置可能な疾患はまた、上皮を通過する体液の異常な制御と関連する呼吸器疾患以外の、恐らくその表面上の保護性の表面液体の異常な生理学が関与する疾患、例えば、口内乾燥(口渇)または乾性角結膜炎(keratoconjunctivitis sire)(ドライ・アイ)も含む。さらに、腎臓における上皮性ナトリウムチャネルの遮断は利尿を促進し、故に血圧低下効果を誘発する。
【0045】
本発明による処置は対症的でも予防的でもよい。
喘息は、内因性(非アレルギー性)喘息および外因性(アレルギー性)喘息両方の、軽度喘息、中程度喘息、重度喘息、気管支喘息、運動誘発性喘息、職業性喘息および細菌感染後に誘発される喘息を含む。喘息の処置は、大きな医学的関心を持たれている確立された患者群であり、現在、多くは初期または早期相喘息と判定され、喘鳴症状を示し、“喘鳴幼児”と診断されまたは診断可能な、例えば4歳または5歳未満の患者の処置も包含すると理解すべきである。(便宜上、この特定の喘息状態を“幼児喘鳴(wheezy-infant)症候群”と呼ぶ。)
【0046】
喘息の処置における予防的効果は、症状発作、例えば急性喘息発作または気管支収縮発作の頻度または重症度の減少、肺機能改善または気道反応性亢進改善により証明される。それは、さらに、他の、対症的治療、すなわち症状発作が起こったときそれを限定するかまたは中断させるためのまたはそれを意図した治療、例えば抗炎症剤(例えばコルチコステロイド)または気管支拡張剤の必要性の減少により証明され得る。喘息の予防的利点は、特に“早朝悪化(morning dipping)”の傾向のある患者において明白である。“早朝悪化”は、認識された喘息症候群であり、喘息患者の相当な割合に共通し、例えばおおよそ午前4〜6時、すなわち通常前回の何らかの対症的喘息治療剤の投与から相当離れた時間の喘息発作により特徴付けられる。
【0047】
慢性閉塞性肺疾患は、慢性気管支炎またはそれに伴う呼吸困難、気腫、ならびに他の薬物療法、特に他の吸入薬治療の結果の気道反応性亢進の増悪を含む。本発明はまた、例えば、急性、アラキジン性(arachidic)、カタル性、クループ性(croupus)、慢性または結核様(phthinoid)気管支炎を含む、どんなタイプであれ、起源であれ、気管支炎の処置に適用される。
【0048】
上皮性ナトリウムチャネルブロッカーの粘膜水和により利益を受ける疾患の処置剤としての適性は、Hirsh et al., J Pharm Exp Ther (2004)に記載された方法を使用した、適当な単離された細胞またはコンフルエントな上皮におけるイオンチャネル/イオン輸送機能に対する上皮性ナトリウムチャネルブロッカーの阻害効果を測定することにより試験し得る。
【0049】
式(I)の化合物を含む上皮性ナトリウムチャネルブロッカーは、他の薬物、例えば抗炎症性、気管支拡張性、抗ヒスタミンまたは鎮咳薬物と組み合わせて使用するための併用治療剤として、特に、前記のような嚢胞性線維症または閉塞性または炎症性気道疾患の処置において、例えば、かかる薬剤の治療活性の増強剤として、またはかかる薬剤の投与量または可能性のある副作用を減らす手段としても有用である。
【0050】
上皮性ナトリウムチャネルブロッカーを、固定医薬組成物において他の薬物と混合してよく、または、それを他の薬物と別々に、前に、同時にまたは後に投与してよい。
【0051】
従って、本発明は、さらなる局面として、上皮性ナトリウムチャネルブロッカーと他の浸透圧剤(高張食塩水、デキストラン、マンニトール、キシリトール)+野生型および変異体両方のCFTR機能モディファイヤー(中和因子+増強因子)、例えば、WO2007/021982、WO2006/099256、WO2006/127588、WO2004/080972、WO2005/026137、WO2005/035514、WO2005/075435、WO2004/111014、WO2006/101740、WO2004/110352、WO2005/120497およびUS2005/0176761に記載されたもの、抗炎症性、気管支拡張性、抗ヒスタミン、鎮咳、抗生物質またはDNase薬物の組み合わせを含み、該上皮性ナトリウムチャネルブロッカーおよび該薬物は同じまたは異なる医薬組成物にある。
【0052】
適当な抗生物質は、マクロライド抗生物質、例えば、トブラマイシン(TOBITM)を含む。
適当なDNase薬物は、DNAを選択的に開裂し、組み換えヒトデオキシリボヌクレアーゼI(rhDNase)の高純度溶液であるドルナーゼアルファ(PulmozymeTM)を含む。ドルナーゼアルファを使用して嚢胞性線維症を処置する。
【0053】
上皮性ナトリウムチャネルブロッカーと抗炎症剤の他の有用な組み合わせは、ケモカイン受容体のアンタゴニスト、例えば、CCR−1、CCR−2、CCR−3、CCR−4、CCR−5、CCR−6、CCR−7、CCR−8、CCR−9およびCCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、特にCCR−5アンタゴニスト、例えばSchering-PloughアンタゴニストSC−351125、SCH−55700およびSCH−D;武田アンタゴニスト、例えばN−[[4−[[[6,7−ジヒドロ−2−(4−メチル−フェニル)−5H−ベンゾ−シクロヘプテン−8−イル]カルボニル]アミノ]フェニル]−メチル]テトラヒドロ−N,N−ジメチル−2H−ピラン−4−アミニウムクロライド(TAK−770);およびUSP6,166,037(特に請求項18および19)、WO00/66558(特に請求項8)、WO00/66559(特に請求項9)、WO04/018425およびWO04/026873に記載されたCCR−5アンタゴニストのものである。
【0054】
適当な抗炎症剤は、ステロイド、特に、グルココルチコステロイド、例えばブデソニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(beclamethasone)、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニドまたはフロン酸モメタゾン、またはWO02/88167、WO02/12266、WO02/100879、WO02/00679(特に実施例3、11、14、17、19、26、34、37、39、51、60、67、72、73、90、99および101のもの)、WO03/35668、WO03/48181、WO03/62259、WO03/64445、WO03/72592、WO04/39827およびWO04/66920に記載されたステロイド;非ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニスト、例えばDE10261874、WO00/00531、WO02/10143、WO03/82280、WO03/82787、WO03/86294、WO03/104195、WO03/101932、WO04/05229、WO04/18429、WO04/19935およびWO04/26248に記載されたもの;LTD4アンタゴニスト、例えばモンテルカストおよびザフィルカスト;PDE4阻害剤、例えばシロミラスト(Ariflo(登録商標) GlaxoSmithKline)、ロフルミラスト(Byk Gulden)、V−11294A(Napp)、BAY19−8004(Bayer)、SCH−351591(Schering-Plough)、アロフィリン(Almirall Prodesfarma)、PD189659/PD168787(Parke-Davis)、AWD−12−281(Asta Medica)、CDC−801(Celgene)、SelCID(TM)CC−10004(Celgene)、VM554/UM565(Vernalis)、T−440(田辺)、KW−4490(協和発酵工業)、およびWO92/19594、WO93/19749、WO93/19750、WO93/19751、WO98/18796、WO99/16766、WO01/13953、WO03/104204、WO03/104205、WO03/39544、WO04/000814、WO04/000839、WO04/005258、WO04/018450、WO04/018451、WO04/018457、WO04/018465、WO04/018431、WO04/018449、WO04/018450、WO04/018451、WO04/018457、WO04/018465、WO04/019944、WO04/019945、WO04/045607およびWO04/037805に記載のもの;アデノシンA2B受容体アンタゴニスト、例えばWO02/42298に9記載のもの;およびベータ−2アドレナリン受容体アゴニスト、例えばアルブテロール(サルブタモール)、メタプロテレノール、テルブタリン、サルメテロールフェノテロール、プロカテロール、および特に、フォルモテロール、カルモテロールおよびその薬学的に許容される塩、および、引用により本明細書に包含させるWO0075114の式(I)の化合物(遊離または塩または溶媒和物形態)、好ましくはその実施例の化合物、特にインダカテロールに対応する式:
【化4】

の化合物、およびその薬学的に許容される塩、ならびにWO04/16601の式(I)の化合物(遊離または塩または溶媒和物形態)、およびまたEP1440966、JP05025045、WO93/18007、WO99/64035、USP2002/0055651、WO01/42193、WO01/83462、WO02/66422、WO02/70490、WO02/76933、WO03/24439、WO03/42160、WO03/42164、WO03/72539、WO03/91204、WO03/99764、WO04/16578、WO04/22547、WO04/32921、WO04/33412、WO04/37768、WO04/37773、WO04/37807、WO04/39762、WO04/39766、WO04/45618、WO04/46083、WO04/80964、WO04/108765およびWO04/108676の化合物を含む。
【0055】
適当な気管支拡張剤は、抗コリンまたは抗ムスカリン剤、特に、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、チオトロピウム塩およびCHF 4226(Chiesi)、およびグリコピロレート、およびまたEP424021、USP3,714,357、USP5,171,744、WO01/04118、WO02/00652、WO02/51841、WO02/53564、WO03/00840、WO03/33495、WO03/53966、WO03/87094、WO04/018422およびWO04/05285に記載のものを含む。
【0056】
適当なデュアル抗炎症性および気管支拡張剤は、デュアルベータ−2アドレナリン受容体アゴニスト/ムスカリンアンタゴニスト、例えばUSP2004/0167167、WO04/74246およびWO04/74812に記載のものを含む。
【0057】
適当な抗ヒスタミン薬物は、セチリジンヒドロクロライド、アセトアミノフェン、フマル酸クレマスチン、プロメタジン、ロラタジン(loratidine)、デスロラタジン(loratidine)、ジフェンヒドラミンおよびフェキソフェナジンヒドロクロライド、アクティバスチン(activastine)、アステミゾール、アゼラスチン、エバスチン、エピナスチン、ミゾラスチンおよびテルフェナジン(tefenadine)、ならびにJP2004107299、WO03/099807およびWO04/026841に記載のものを含む。
【0058】
前記によって、本発明はまた他の局面として、上皮性ナトリウムチャネルの遮断に応答する状態、例えば、上皮性膜を通過する体液量の調節と関連する疾患、特に閉塞性気道疾患の処置方法であって、それを必要とする対象、特にヒト対象に、遊離形または薬学的に許容される塩の形態の式(I)の化合物を投与することを含む、方法を提供する。
【0059】
他の局面において、本発明は、上皮性ナトリウムチャネルの遮断に応答する状態、特に閉塞性気道疾患、例えば、嚢胞性線維症およびCOPDの処置用医薬の製造に使用するための、遊離形または薬学的に許容される塩の形態の式(I)の化合物を提供する。
【0060】
本発明の薬剤は、任意の適当な経路で、例えば経口的に、例えば、錠剤またはカプセル剤の形で;非経腸的に、例えば、静脈内に;例えば、閉塞性気道疾患の処置のために吸入により;例えば、アレルギー性鼻炎の処置に経鼻的に;皮膚に局所的に;または直腸に投与してよい。さらなる局面において、本発明はまた、遊離形または薬学的に許容される塩の形態の式(I)の化合物を、所望により薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物を提供する。本組成物は共治療剤、例えば前記の抗炎症剤、気管支拡張剤、抗ヒスタミン剤または鎮咳剤を含み得る。かかる組成物は、ガレヌス分野で既知の慣用の希釈剤または賦形剤および技術を使用して製造し得る。故に、経口投与形態は、錠剤およびカプセル剤を含む。局所投与用製剤は、クリーム、軟膏、ゲルまたは経皮送達系、例えば、パッチの形を取る。吸入用組成物は、エアロゾルまたは他の噴霧可能製剤または乾燥粉末製剤を含む。組成物がエアロゾル製剤を構成するとき、それは好ましくは、例えば、ヒドロ−フルオロ−アルカン(HFA)噴射剤、例えばHFA134aまたはHFA227またはこれらの混合物を含み、1種以上の当分野で既知の共溶媒、例えばエタノール(20重量%まで)および/または1種以上の界面活性剤、例えばオレイン酸またはソルビタントリオレエートおよび/または1個以上の増量剤、例えばラクトースを含み得る。本組成物が乾燥粉末製剤を構成するとき、それは、好ましくは、例えば、10ミクロンまでの粒子径を有する式(I)の化合物を、所望により、望む粒子分布の希釈剤または担体、例えばラクトースおよび湿気による製品性能悪化からの保護を助ける化合物、例えば、ステアリン酸マグネシウムと共に含む。本組成物が霧散可能製剤を構成するとき、それは好ましくは、例えば、水、共溶媒、例えばエタノールまたはプロピレングリコールおよび界面活性剤であり得る安定化剤を含む媒体に溶解または懸濁した式(I)の化合物を含む。
【0061】
さらに本発明の局面は:
(a)吸入可能形態、例えばエアロゾルまたは他の噴霧可能組成物、または吸入可能粒子、例えば微粉化された形態の式(I)の化合物;
(b)吸入可能形態の式(I)の化合物を含む、吸入可能薬物;
(c)吸入可能形態の式(I)の化合物を吸入デバイスと組み合わせて含む、医薬品;および
(d)吸入可能形態の式(I)の化合物を含む、吸入デバイス
を提供する。
【0062】
本発明の実施に際して用いる式(I)の化合物の投与量は、例えば、処置する特定の状態、望む効果および投与方式によって当然に変わる。一般に、適当な吸入により投与するための適当な1日投与量は0.005−10mgであり、経口投与に適当な1日量は0.05−100mgの程度である。
【0063】
医薬使用およびアッセイ
式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩(以後、代替的に“本発明の薬剤”と呼ぶ)は医薬として有用である。特に、本化合物は良好なENaCブロッカー活性を示し、次のアッセイで試験し得る。
【0064】
細胞培養
ヒト気管支上皮性細胞(HBEC)(Cambrex)を、空気−液体界面条件下に培養し、十分に分化した粘膜毛様体表現型を提供した。
HBECを、Grayおよび同僚(Gray et al., 1996)により記載の方法を使用して培養した。細胞をプラスチックT−162フラスコに播種し、ウシ下垂体抽出物(52μg/mL)、ヒドロコルチゾン(0.5μg/mL)、ヒト組み換え上皮細胞増殖因子(0.5ng/mL)、エピネフリン(0.5μg/mL)、トランスフェリン(10μg/mL)、インスリン(5μg/mL)、レチノイン酸(0.1μg/mL)、トリヨードチロニン(6.5μg/mL)、ゲンタマイシン(50μg/mL)およびアンホテリシンB(50ng/mL)を添加した気管支上皮性細胞増殖培地(BEGM;Cambrex)で増殖させた。細胞が90%コンフルエントになるまで培地を48時間毎に交換した。次いで、細胞を継代し、トリヨードチロニンがなく、最終レチノイン酸含量50nM(全transレチノイン酸)である以外上記と同じ添加物を含むBEGM中の50%DMEMを含む種々の培地中、ポリカーボネートSnapwellインサート(Costar)上に播種した(8.25×10細胞/インサート)。細胞を、培養の最初の7日間沈めたままにし、その後、それを培養の残りの期間先端空気界面に曝した。この時点で、培地を培養の残りについて2%v/v Ultroser Gを含むDMEM:F12培地に代えた。アンホテリシンBを、Ussingチャンバーにおいて使用するための全培地3フィードから除いた。細胞を、先端−空気界面確立後7〜21日の間に使用した。培養の全段階において、細胞を、空気インキュベーター中、37℃で5%COに維持した。
【0065】
短回路電流(ISC)測定
SnapwellインサートをVertical Diffusion Chambers(Costar)にマウントし、37℃で(mMで):120 NaCl、25 NaHCO、3.3 KHPO、0.8 KHPO、1.2 CaCl、1.2 MgCl、および10 グルコースを含む連続的にガス化したリンゲル液(O中5%CO;pH7.4)でバッチ化した。溶液浸透圧は、使用した全生理食塩水で280〜300mOsmol/kg HOであった。細胞を0mV(モデルEVC4000; WPI)でクランプした。RTを1または2mVパルスを30秒間隔で適用することにより測定し、オームの法則によりRTを計算した。データをPowerLab workstation(ADInstruments)を使用して記録した。
【0066】
試験化合物を、DMSO(95%)中10mM貯蔵溶液として調製した。連続3倍希釈を、適当な媒体(蒸留HOまたはリンゲル液)で新たに調製した。最初の濃度を先端チャンバーに5μLの1000倍濃度として適用し、Ussingチャンバーの5mL体積の1倍濃度を得た。化合物のその後の添加を、3.3μL体積の1000倍連続希釈貯蔵溶液に添加した。濃度−応答曲線完了時、アミロライド(10μM)を先端チャンバーに添加して、全アミロライド感受性電流の測定を可能にした。アミロライドコントロールIC50を、各実験開始時に確立した。
【0067】
結果を、アミロライド感受性ISCの平均阻害%として示す。濃度−応答曲線をプロットし、IC50値をGraphPad Prism 3.02を使用して作製した。細胞インサートは典型的にデュプリケートで行い、IC50を平均阻害%データから計算した。
【0068】
以下に記載する実施例の化合物は、一般に上記の方法で測定して、10μM未満のIC50値を有する。例えば、実施例4、9、11、12、21、24、26、27、29、31および32の化合物は、各々0.29μM、2.74μM、5.90μM、0.032μM、0.064μM、0.045μM、0.060μM、0.20μM、0.005μM、0.049μMおよび0.006μMのIC50値を有する。
本発明を次の実施例により説明する。
【実施例】
【0069】
本発明の化合物の実施例化合物は、以下の表1に示す式(Ia)の化合物を含む。その製造方法は後記する。
【0070】
【表1】

【表2】

【0071】
【表3】

【表4】

【0072】
【表5】

【0073】
次の実施例に関して、好ましい態様の化合物をここに記載する方法、または当分野で既知の他の方法を使用して合成する。
【0074】
好ましい態様に従う有機化合物は互変異性の現象を示し得ることは理解されるべきである。本明細書中の化学構造式が可能性のある1個の互変異性形態しか示すことができないが、好ましい態様は記載した構造の全ての互変異性形態を包含すると理解されるべきである。
【0075】
本発明は説明のためにここに示す態様に限定されず、むしろ、上記開示の範囲内に入るその全ての形態を包含することは理解されるべきである。
【0076】
一般的条件:
マススペクトルは、LCMS系でエレクトロスプレーイオン化を使用して行う。これはAgilent 1100 HPLC/Micromass Platform Mass分光計の組合せまたはWaters Acquity UPLCとSQD Mass分光計のいずれかである。[M+H]はモノアイソトピック分子量を意味する。
【0077】
好ましい態様の種々の出発物質、中間体、および化合物は、適当であれば、慣用技術、例えば沈殿、濾過、結晶化、蒸発、蒸留、およびクロマトグラフィーを使用して単離および精製してよい。特にことわらない限り、全ての出発物質は商業的供給源から得て、さらに精製せずに使用する。塩は、化合物から既知の塩形成法により製造し得る。
【0078】
さらに、種々の市販試薬および材料を利用している。かかる試薬および材料は:IsoluteTM(Biotageから入手可能)およびCelite(登録商標)(Aldrichから入手可能)を含み、示す供給源から容易に入手できる。
【0079】
次の実施例ならびに本明細書を通して、以下の略語は以下の意味を有する。定義されていないならば、その用語はその一般に受け入れられている意味を有する。
【0080】
略語:
【表6】

【0081】
最終化合物の製造
実施例1
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−1−エチル−ピロリジン−2−イルメチル)−アミドトリフルオロアセテート
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸(0.20g、1.06mmol)およびHATU(0.404g、1.06mmol)のDMF(5mL)溶液に、N−メチルモルホリン(0.466mL、4.25mmol)、続いて(R)−(+)−2−アミノメチル−1−エチルピロリジン(0.136g、1.06mmol)を添加し、反応混合物をRTで一夜撹拌する。溶媒を真空で除去し、粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(IsoluteTM C18、0−100%アセトニトリルの0.1%TFA水溶液)で精製して、表題化合物を得る。[M+H]+ 299. 1H NMR (400 MHz, MeOD-d4) δ 3.81 (1H, dd), 3.75-3.66 (2H, m), 3.62-3.54 (2H, m), 3.21-3.12 (2H, m), 2.29-1.94 (4H, m), 1.41 (3H, t)。
【0082】
実施例2
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸[2−アミノ−5−(4−メトキシ−フェニル)−ペンチル]−アミドトリフルオロアセテート
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸(0.21g、1.09mmol)およびHATU(0.42g、1.09mmol)のDMF(10mL)溶液にN−メチルモルホリン(0.48mL、4.40mmol)、続いて2−(tert−ブトキシメチル−アミノ)−5−(4−メトキシ−フェニル)−ペンタン酸アミド(中間体A)(0.35g、1.09mmol)を添加し、混合物をRTで一夜撹拌する。反応混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮する。残留物を水(2×15mL)で摩砕し、得られた固体をMeOH(20mL)に取り込み、懸濁液を0.5時間加熱還流する。この後固体不純物を濾過により除去する。濾液にDCM(10mL)およびTFA(2mL)を添加し、反応をRTで1時間撹拌し、その後反応混合物を真空で濃縮する。得られた残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(IsoluteTM C18、0−100%アセトニトリルの0.1%TFA水溶液)で精製して、表題化合物をラセミ混合物として得る。[M+H]+ 379. 1H NMR (400 MHz, MeOD-d4) δ 7.12 (2H, d), 6.82 (2H, d), 3.75 (3H, s), 3.47-3.37 (2H, m), 3.39-3.31 (1H, m), 2.64 (2H, t), 1.81-1.52 (4H, m)。
【0083】
実施例3
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸[5−[4−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−フェニル]−2−(2,4−ジメトキシ−ベンジルアミノ)−ペンチル]−アミド
工程1:2−(2,4−ジメトキシ−ベンジルアミノ)−5−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−ペンタンニトリル:
2−アミノ−5−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−ペンタンニトリル(中間体B)(480mg、1.6mmol)のDCM(13mL)溶液に2,4−ジメトキシベンズアルデヒド(319mg、1.92mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(529mg、2.49mmol)を添加し、反応をRTで15時間撹拌する。この後飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)を添加し、反応をRTで0.5時間撹拌する。DCM(20mL)を添加し、層を分離する。有機相を塩水(20mL)で洗浄し、次いでNaSOで乾燥させ、溶媒を真空で除去する。クロマトグラフィー(SiO、EtOAc:イソヘキサン2:3)により、表題化合物を無色油状物として得る。
【0084】
工程2:−(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−5−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−ペンタン−1,2−ジアミン:
2−(2,4−ジメトキシ−ベンジルアミノ)−5−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−ペンタンニトリル(513mg、1.12mmol)のジエチルエーテル(15mL)溶液に、アルゴン下、リチウムアルミニウムハイドライド(2.25mLのジエチルエーテル中1.0M溶液、2.25mmol)をゆっくり添加する。得られた反応混合物をRTで3時間撹拌し、次いでRTで一夜静置する。水(0.1mL)、続いて水酸化ナトリウム(0.2mLの15%水性溶液)およびさらに水(0.1mL)を注意深く添加する。反応混合物をジエチルエーテル(5mL)で希釈し、次いでMgSOで乾燥させ、溶媒を真空で濃縮して、表題化合物を薄黄色油状物として得て、それをさらに精製せずに使用する。[M+H]+ 459。
【0085】
工程3:3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{2−(2,4−ジメトキシ−ベンジルアミノ)−5−[4−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−ペンチル}−アミド:
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸(161mg、0.86mmol)およびHATU(325mg、0.86mmol)のDMF(10mL)溶液に、N−メチルモルホリン(0.38mL、3.42mmol)、続いてN−(2,4−ジメトキシ−ベンジル)−5−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−ペンタン−1,2−ジアミン(391mg、0.86mmol)を添加し、混合物をRTで一夜撹拌する。溶媒を真空で除去する。粗残留物に水(10mL)を添加し、それを、次いで傾捨し、オレンジ色固体を残し、それをジエチルエーテル(10mL)で洗浄し、真空で50℃で乾燥させて、表題化合物を得る。[M+H]+ 629。
【0086】
工程4:3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸[5−[4−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−フェニル]−2−(2,4−ジメトキシ−ベンジルアミノ)−ペンチル]−アミド:
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{2−(2,4−ジメトキシ−ベンジルアミノ)−5−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−ペンチル}−アミド(391mg、0.62mmol)のDCM(3mL)溶液にTFA(3mL)を添加し、反応をRTで72時間撹拌する。溶媒を真空で除去し、残留物を水(20mL)およびEtOAc(20mL)で希釈する。層を分離し、水性相を水性水酸化ナトリウムで中和し、次いでEtOAc(2×20mL)で抽出する。EtOAc抽出物を合わせ、乾燥させ(MgSO)、濾過し、溶媒を真空で除去する。クロマトグラフィー(SiO、MeOH:DCM、1:9)により表題化合物を無色固体としてジアステレオ異性体の混合物として得る。[M+H]+ 589. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.63 (1H, br), 7.05および7.04 (1H, 2×d), 6.98および6.97 (2H, 2×d), 6.73および6.71 (2H 2×d), 6.36および6.35 (1H, 2×d), 6.34および6.30 (1H, 2×s), 5.15 (2H, br), 4.08-3.59 (8H, m), 3.71 (3H, s), 3.65 (3H, s), 3.50-3.41 (2H, m) 2.55および2.49 (2H, 2×t), 1.80-1.29 (4H, m)。
【0087】
実施例4
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ペンチル)−アミドヒドロクロライド
工程1:[(S)−1−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル:
フタルイミド(1.43g、9.72mmol)、((S)−1−ヒドロキシメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(US2007/0032433の232頁に記載の方法により製造)(1.97g、9.69mmol)およびトリフェニルホスフィン(2.55g、9.72mmol)のDCM(25mL)中の混合物に、0℃で、DEAD(1.6mL、10.2mmol)を滴下する。反応混合物をRTで一夜撹拌する。反応混合物をSiOに吸着させ、クロマトグラフィー(SiO、EtOAc/イソヘキサン、0−15%EtOAcの勾配)で精製して、表題化合物を白色固体として得る。[M+H]+ 233。
【0088】
工程2:((S)−1−アミノメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル:
[(S)−1−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2.80g、8.42mmol)およびヒドラジン一水和物(3.0mL、60.0mmol)のEtOH(50mL)およびDCM(75mL)の混合物をRTで48時間撹拌する。沈殿した固体を濾過により回収し、DCMで洗浄して、粗生成物を白色固体として得て、それをさらに精製せずに使用する。
【0089】
工程3:((S)−1−{[(3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−メチル}−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル:
((S)−1−アミノメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.70g、8.40mmol)、3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸(1.59g、8.43mmol)、N−メチルモルホリン(3.8mL、34.5mmol)およびHATU(3.2g、8.42mmol)の無水DMF(50mL)中の混合物をRTで16時間撹拌する。反応混合物を真空で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(塩基性アルミナ、MeOH:DCM)で精製して、表題化合物を黄色固体として得る。[M+H]+ 333。
【0090】
工程4:3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ペンチル)−アミドヒドロクロライド:
((S)−1−{[(3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−メチル}−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.30g、3.49mmol)の1,4−ジオキサン(20mL)溶液に、HCl(50mLの1,4−ジオキサン中4M溶液、200mmol)を添加し、反応混合物をRTで16時間撹拌する。反応混合物を真空で濃縮し、得られた黄色固体をジエチルエーテルで摩砕する;ジエチルエーテル層を傾捨し、生成物を最少量のMeOHに溶解し、ジエチルエーテルの添加により沈殿させる。溶媒を傾捨し、得られた固体を真空下乾燥させて、表題化合物を得る。[M+H]+ 233. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.16 (1H, t), 7.89 (2H, br), 7.07 (4H, br), 3.42-3.38 (2H, m), 3.27-3.18 (1H, m), 1.54-1.47 (2H, m), 1.44-1.35 (2H, m), 0.89 (3H, t)。
【0091】
実施例5
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−ペンチル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−ヒドロキシメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程1で((R)−1−ヒドロキシメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(WO1998/050029、638頁に記載する方法に従い製造)に置き換えて製造する。[M+H]+ 233。
【0092】
実施例6
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−3−シクロヘキシル−プロピル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−アミノメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程3で((S)−1−アミノメチル−2−シクロヘキシル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(WO2007/070201、177頁に記載する方法に従い製造)に置き換えて製造する。[M+H]+ 327。
【0093】
実施例7
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−3−メチル−ブチル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−ヒドロキシメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程1でN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−バリノールに置き換えて製造する。[M+H]+ 273。
【0094】
実施例8
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−4−メチル−ペンチル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−アミノメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程3で((S)−1−アミノメチル−3−メチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換えて製造する。[M+H]+ 287。
【0095】
実施例9
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−1−ピロリジン−2−イルメチル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−アミノメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程3で(S)−2−アミノメチル−1−N−Boc−ピロリジンに置き換えて製造する。[M+H]+ 271。
【0096】
実施例10
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−1−ピペリジン−2−イルメチル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−アミノメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程3で(R)−2−アミノメチル−1−N−Boc−ピペリジンに置き換えて製造する。[M+H]+ 285。
【0097】
実施例11
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸(1−アミノ−シクロペンチルメチル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−アミノメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程3で(1−アミノメチル−シクロペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換えて製造する。[M+H]+ 285。
【0098】
実施例12
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−アミノ−6−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ヘキシル}−アミドトリフルオロ(trifluroro)アセテート
工程1:((S)−5−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−1−{[(3,5−ジアミノ−6−クロロ−
ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−メチル}−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
4−ベンジルオキシ−フェニル−酢酸(39mg、0.16mmol)およびHATU(61mg、0.16mmol)のDMF(3mL)溶液にN−メチルモルホリン(64mg、0.64mmol)、続いて((S)−5−アミノ−1−{[(3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−メチル}−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(中間体C)(64mg、0.16mmol)のDMF(2mL)を添加する。得られた混合物をRTで17時間撹拌する。溶媒を真空で除去して、表題化合物を得て、それを次工程にさらに精製せずに使用する。[M+H]+ 626。
【0099】
工程2:3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−アミノ−6−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ヘキシル}−アミドトリフルオロアセテート:
((S)−5−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−1−{[(3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−メチル}−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.1g、0.16mmol)のDCM(3mL)およびTFA(1mL)溶液をRTで6時間撹拌する。溶媒を真空で除去し、得られた残留物をDMSOに溶解し、逆相カラムクロマトグラフィー(IsoluteTM C18、0−100%アセトニトリルの水−0.1%TFA溶液)で精製して、表題化合物を得る。[M+H]+ 526. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.16 (1H, t), 8.05 (1H, t), 7.94 (4H, br), 7.42 (2H, d), 7.37 (2H, dd), 7.31 (1H, dd), 7.16 (2H, d), 7.04 (2H, br), 6.92 (2H, d), 5.05 (2H, s), 3.38 (2H, m), 3.31 (2H, s), 3.18 (1H, m), 3.02 (2H, m), 1.52 (2H, m), 1.38 (4H, m)。
【0100】
実施例13
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ヘキシル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−ヒドロキシメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程1で((S)−1−ヒドロキシメチル−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換えて製造する。[M+H]+ 287。((S)−1−ヒドロキシメチル−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを、2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペント−4−エン酸(中間体A、工程1)に準じ、アリルグリシンを(S)−(+)−2−アミノ−1−ヘキサノールに置き換えて製造する。
【0101】
実施例14
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−ブチル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−ヒドロキシメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程1で((R)−1−ヒドロキシメチル−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換えて製造する。[M+H]+ 259。
【0102】
実施例15
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−プロピル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−ヒドロキシメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程1で((R)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換えて製造する。[M+H]+ 245。
【0103】
実施例16
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ブチル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−ヒドロキシメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程1で((S)−1−ヒドロキシメチル−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換えて製造する。[M+H]+ 259。
【0104】
実施例17
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−プロピル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−ヒドロキシメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程1で((S)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換えて製造する。[M+H]+ 245。
【0105】
実施例18
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−1−ピペリジン−2−イルメチル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−アミノメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程3で(S)−2−アミノメチル−1−N−Boc−ピペリジンに置き換えて製造する。[M+H]+ 285。
【0106】
実施例19
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−1−ピロリジン−2−イルメチル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−アミノメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程3で(R)−2−アミノメチル−1−N−Boc−ピロリジンに置き換えて製造する。[M+H]+ 271。
【0107】
実施例20
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−3−メチル−ブチル)−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例4に準じる方法で、((S)−1−ヒドロキシメチル−ブチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを工程1で((R)−1−ヒドロキシメチル−2−メチル−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルに置き換えて製造する。[M+H]+ 273。
【0108】
実施例21
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−アミノ−6−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−ヘキシル}−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例12に準じる方法で、4−ベンジルオキシ−フェニル−酢酸を工程1で3−(4−ベンジルオキシフェニル)プロピオン酸に置き換えて製造する。[M+H]+ 540。
【0109】
実施例22
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−グアニジノ−ブチル)−アミドトリフルオロアセテート
N,N’−ジ−Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン(211mg、0.68mmol)、3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−ブチル)−アミド(実施例14)(200mg、0.68mmol)およびトリエチルアミン(0.20ml、1.43mmol)のDMF(10ml)溶液をRTで2日間撹拌する。この後反応混合物を真空で濃縮し、残留物をEtOAcおよび飽和炭酸水素ナトリウム溶液に分配する。有機相を水、飽和水性NaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空で濃縮する。粗物質をDCM(30mL)に溶解し、過剰のTFAで処理し、RTで4日間撹拌する。溶媒を真空で除去し、残留物を逆相カラムクロマトグラフィー(IsoluteTM C18、0−100%アセトニトリルの水−0.1%TFA溶液)で精製して、表題化合物を得る。[M+H]+ 301. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.04 (1H, t), 7.44 (1H, d), 7.37 (3H, br), 7.06 (2H, br), 6.81 (2H, br), 3.52-3.42 (1H, m), 3.40-3.31 (1H, m), 3.25-3.19 (1H, m), 1.64-1.53 (1H, m), 1.44-1.33 (1H, m), 0.89 (3H, t)。
【0110】
実施例23
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−グアニジノ−ペンチル)−アミドトリフルオロアセテート
表題化合物を、実施例23に準じる方法で、3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−ブチル)−アミド(実施例14)を3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ペンチル)−アミドヒドロクロライド(実施例4)に置き換えて製造する。[M+H]+ 315。
【0111】
実施例24
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−グアニジノ−ペンチル)−アミドトリフルオロアセテート
表題化合物を、実施例23に準じる方法で、3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−ブチル)−アミド(実施例14)を3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−ペンチル)−アミドヒドロクロライド(実施例5)に置き換えて製造する。[M+H]+ 315。
【0112】
実施例25
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−3−シクロヘキシル−2−グアニジノ−プロピル)−アミドトリフルオロアセテート
表題化合物を、実施例23に準じる方法で、3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−ブチル)−アミド(実施例14)を3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−3−シクロヘキシル−プロピル)−アミドヒドロクロライド(実施例6)に置き換えて製造する。[M+H]+ 369。
【0113】
実施例26
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピルアミノ]−ペンチル}−アミドヒドロクロライド
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ペンチル)−アミドヒドロクロライド(実施例4)(400mg、1.467mmol)、3−(4−メトキシフェニル)プロピオンアルデヒド(181mg、1.103mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(467mg、2.205mmol)のDCM(150mL)溶液を一夜加熱還流する。反応混合物を冷却し、1N NaOH溶液(50mL)およびDCM(50mL)を添加する。有機相を分離し、水性相をを1回DCMで抽出する。合わせた有機相を飽和水性NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮して、黄色固体を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、MeOH:DCM、勾配2−10%+0.1%TEA)での精製により、表題化合物を得る。[M+H]+ 421. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.69 (2H, br), 8.23 (1H, t), 7.25 (4H, br), 7.11 (2H, d), 6.84 (2H, d), 3.72 (3H, s), 3.55-3.45 (2H, m), 3.25-3.15 (1H, m), 3.03-2.92 (2H, m), 2.58 (2H, t), 1.85-1.73 (2H, m), 1.65-1.27 (4H, m), 0.89 (3H, t)。
【0114】
実施例27
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−6−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−2−グアニジノ−ヘキシル}−アミドトリフルオロアセテート
表題化合物を、実施例23に準じる方法で、3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−ブチル)−アミド(実施例14)を3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−アミノ−6−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−ヘキシル}−アミド(実施例22)に置き換えて製造する。[M+H]+ 568。
【0115】
実施例28
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−{N−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−グアニジノ}−ペンチル)−アミドヒドロクロライド
N,N’−ジ−Boc−チオウレア(342mg、1.237mmol)の無水DCM(50mL)溶液に3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピルアミノ]−ペンチル}−アミドヒドロクロライド(実施例27)(347mg、0.824mmol)およびポリマー支持CDI(1.74g、2.473mmol)を添加する。反応混合物をRTで6時間撹拌する。樹脂を濾過により除去し、DCM(20mL)で洗浄する。合わせた濾液にポリマー支持トリスアミン(602mg、1.65mmol)を添加し、反応をRTで1時間撹拌する。濾過により樹脂を除去し、それをDCM(10mL)で洗浄する。合わせた濾液を真空で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、2%MeOHのDCM溶液)で精製して、薄黄色油状物を得る。油状物をDCM(200mL)に溶解し、1,4−ジオキサン中4M HCl(10mL)を添加し、溶液をRTで一夜撹拌する。反応混合物を真空で濃縮し、逆相カラムクロマトグラフィー(IsoluteTM C18、0−100%アセトニトリルの水−0.1%TFA溶液)で精製して、表題化合物を得る。[M+H]+ 463. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.04 (1H, br), 7.44 (4H, br), 7.34-6.88 (4H, br), 7.11 (2H, d), 6.83 (2H, d), 6.10-4.30 (3H, br), 3.92 (1H, m), 3.71 (3H, s), 3.49-3.48 (1H, m), 3.42-3.3.14 (3H, m), 2.55-2.48 (2H, m), 1.80-1.61 (2H, m), 1.51-1.48 (2H, m), 1.27-1.1.15 (2H, m), 0.84 (3H, t)。
【0116】
実施例29
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−{N−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−グアニジノ}−ペンチル)−アミドトリフルオロアセテート
表題化合物を、実施例29に準じる方法で、3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピルアミノ]−ペンチル}−アミドヒドロクロライド(実施例27)を3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(R)−2−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピルアミノ]−ペンチル}−アミドヒドロクロライド(中間体D)に置き換えて製造する。[M+H]+ 463。
【0117】
実施例30
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸[(S)−2−(N−{3−[4−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−フェニル]−プロピル}−グアニジノ)−ペンチル]−アミドヒドロクロライド
工程1:3−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオンアルデヒド:
(3−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロパン−1−オール(中間体B、工程2)(1.18g、4.42mmol)のDCM(150mL)溶液に、デス・マーチンペルヨージナン(1.88g、4.42mmol)を添加する。反応混合物をRTで3時間撹拌し、次いで1N NaOH溶液(50mL)で処理し、RTで1時間撹拌する。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で濃縮して、透明油状物を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc:イソヘキサン、勾配17−25%)での精製により、表題化合物を得る。[M+H]+ 265。
【0118】
工程2:3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−{3−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−lメトキシ)−フェニル]−プロピルアミノ}−ペンチル)−アミド:
表題化合物を、実施例27に準じる方法で、3−(4−メトキシフェニル)プロピオンアルデヒドを3−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピオンアルデヒドに置き換えて製造する。[M+H]+ 521。
【0119】
工程3:3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸[(S)−2−(N−{3−[4−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−フェニル]−プロピル}−グアニジノ)−ペンチル]−アミドヒドロクロライド:
表題化合物を、実施例29に準じる方法で、3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピルアミノ]−ペンチル}−アミドヒドロクロライド(実施例27)を3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−{3−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−lメトキシ)−フェニル]−プロピルアミノ}−ペンチル)−アミドに置き換えて製造する。[M+H]+ 523. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.04 (1H, t), 7.36 (2H, br), 7.34 (2H, s), 7.11 (2H, d), 7.05 (2H, br), 6.84 (2H, d), 5.78 (3H, br), 3.97-3.91 (2H, m), 3.83-3.74 (2H, m), 3.49-3.34 (3H, m), 3.35-3.10 (3H, m), 2.51 (2H, t), 1.81-1.58 (2H, m), 1.51-1.48 (2H, m), 1.25-1.10 (2H, m), 0.85 (3H, t)。
【0120】
実施例31
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−{N’−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−グアニジノ}−ペンチル)−アミド
工程1:(S,E)−tert−ブチル1−(3,5−ジアミノ−6−クロロピラジン−2−イル)−7−(3−(4−メトキシフェニル)プロピル)−10,10−ジメチル−1,8−ジオキソ−4−プロピル−9−オキサ−2,5,7−トリアザウンデカン−6−イリデンカルバメート:
撹拌している3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ペンチル)−アミドヒドロクロライド(実施例4)(0.2g、0.73mmol)のDMF(3mL)溶液に、トリエチルアミン(0.22mL、1.54mmol)、続いて{[(Z)−tert−ブトキシカルボニルイミノ]−ピラゾール−1−イル−メチル}−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(中間体E)を添加し、得られた深黄色溶液をRTで3日間撹拌する。反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(100mL)で抽出する。有機相を水(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空で除去して、黄色油状物を得る。クロマトグラフィー(SiO、EtOAc:イソヘキサン、勾配0−100%)により(S,E)−tert−ブチル1−(3,5−ジアミノ−6−クロロピラジン−2−イル)−7−(3−(4−メトキシフェニル)プロピル)−10,10−ジメチル−1,8−ジオキソ−4−プロピル−9−オキサ−2,5,7−トリアザウンデカン−6−イリデンカルバメートを無色油状物として得る。[M+H]+ 663。
【0121】
工程2:3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−{N’−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−グアニジノ}−ペンチル)−アミド:
1,4−ジオキサン中4N HCl(5mL)溶液を、(S,E)−tert−ブチル1−(3,5−ジアミノ−6−クロロピラジン−2−イル)−7−(3−(4−メトキシフェニル)プロピル)−10,10−ジメチル−1,8−ジオキソ−4−プロピル−9−オキサ−2,5,7−トリアザウンデカン−6−イリデンカルバメート(0.14g、0.21mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)溶液に添加し、得られた黄色溶液をRTで一夜撹拌する。ジエチルエーテル(20mL)を添加し、オレンジ色ガム状物が溶液から析出する。溶媒を傾捨し、ガム状物をジエチルエーテル(2×15mL)で洗浄し、真空で40℃で乾燥させる。固体を2N NaOHとEtOAcの1:1混合物に溶解する。有機相を分離し、MgSOで乾燥させ、溶媒を真空で除去して、黄色油状物を得る。EtO(10mL)を添加し、溶媒を真空で除去して、黄色泡状物を得て、それを真空で40℃で15時間乾燥させて、表題化合物を得る。[M+H]+ 463. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.10 (2H, d), 7.00 (2H, br s), 6.82 (2H, d), 3.71 (3H, s), 3.55-3.45 (1H, m), 3.45-3.10 (2H, m), 3.03 (2H, t), 2.54 (2H, m), 1.72 (2H, t), 1.50-1.20 (4H, m), 0.85 (3H, t)。
【0122】
実施例32
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−[N’−(4−メトキシ−ベンジル)−グアニジノ]−ペンチル}−アミド
表題化合物を、実施例32に準じる方法で、{[(Z)−tert−ブトキシカルボニルイミノ]−ピラゾール−1−イル−メチル}−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(中間体E)を工程1で{[(E)−tert−ブトキシカルボニルイミノ]−ピラゾール−1−イル−メチル}−(4−メトキシ−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(中間体F)に置き換えて製造する。[M+H]+ 435。
【0123】
実施例33
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(R)−2−[N’−(4−メトキシ−ベンジル)−グアニジノ]−ペンチル}−アミド
表題化合物を、実施例33に準じる方法で、3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ペンチル)−アミドヒドロクロライド(実施例4)を工程1で3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−ペンチル)−アミドヒドロクロライド(実施例5)に置き換えて製造する。[M+H]+ 435。
【0124】
中間体化合物の製造:
中間体A
2−(tert−ブトキシメチル−アミノ)−5−(4−メトキシ−フェニル)−ペンタン酸アミド:
工程1:2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペント−4−エン酸:
アリルグリシン(5.0g、43.4mmol)の乾燥DCM(60mL)懸濁液をトリエチルアミン(9mL、69.4mmol)で処理し、0℃に冷却する。この混合物にジ−tert−ブチルジカーボネート(12.3g、56.7mmol)の乾燥DCM(30mL)中の冷溶液を添加し、得られた混合物をRTに温め、3日間撹拌する。混合物を2回2M HCl(水性)で洗浄し、有機部分を分離し、乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮して、表題化合物を明緑色油状物として得て、それを次工程にさらに精製せずに使用する。
【0125】
工程2:2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペント−4−エン酸メチルエステル:
2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペント−4−エン酸(9.3g、43.3mmol)のアセトン(70mL)溶液を固体炭酸カリウム(11.9g、86.6mmol)、続いてメチルアイオダイド(5.4mL、86.6mmol)で処理する。得られた混合物を4時間加熱還流し、次いでRTに冷却する。溶媒を真空で除去し、粗残留物をEtOAcに溶解し、水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮する。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、イソヘキサン:EtOAc7:3)で精製して、表題化合物を明黄色油状物として得る。
【0126】
工程3:2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−(4−メトキシ−フェニル)−ペンタン酸メチルエステル:
冷却した(0℃)2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペント−4−エン酸メチルエステル(4.0g、17.46mmol)の乾燥THF(60mL)を含む混合物に、アルゴンの不活性雰囲気下、9−BBN(70mLのTHF中0.5M溶液、35.0mmol)を添加する。反応をRTで2時間撹拌する。この混合物に脱気DMF(50mL)、続いてカリウムホスフェートの水性溶液(12mLの3M水性溶液、36mmol)を添加する。4−ヨードアニソール(4.3g、18.8mmol)を直ぐに添加し、続いてPdCl(dppf)(0.63g、0.86mmol)を添加し、混合物をRTで一夜撹拌する。溶媒を真空で除去し、粗残留物をEtOAcに溶解し、セライト(登録商標)(濾材)を通して濾過する。濾液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水(x3)、塩水で洗浄し、次いで乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮する。粗生成物のフラッシュクロマトグラフィー(SiO、イソヘキサン:EtOAc、9:1)による精製により、表題化合物を明褐色油状物として得る。
【0127】
工程4:[1−カルバモイル−4−(4−メトキシ−フェニル)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル:
2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−(4−メトキシ−フェニル)−ペンタン酸メチルエステル(5.6g、16.6mmol)のMeOH(100mL)溶液を水性アンモニア溶液(100mLの28%水溶液、28mmol)で処理し、RTで一夜撹拌する。有機溶媒を真空で除去し、残った水性部分をEtOAc(x3)で抽出する。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、次いで乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮して、表題化合物を黄色油状物として得る。
【0128】
工程5:[1−アミノメチル−4−(4−メトキシ−フェニル)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル:
[1−カルバモイル−4−(4−メトキシ−フェニル)−ブチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.5g、1.48mmol)のTHF(15mL)溶液を、1M ボラン−THF錯体(4.47mL、4.47mmol)の滴下により処理し、次いで2時間加熱還流する。RTに冷却後、MeOH(20mL)を添加し、混合物を再び2時間加熱還流する。溶媒を真空で除去し、得られた油状物をDCM(10mL)に溶解し、セライト(登録商標)(濾材)を通して濾過する。濾液を真空で濃縮して、表題化合物を無色油状物として得る。[M+H]+ 308。
【0129】
中間体B
2−アミノ−5−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−ペンタンニトリル
工程1:(S)−3−[4−(3−ヒドロキシ−プロピル)−フェノキシ]−プロパン−1,2−ジオール:
3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−プロパノール(10.0g、66.0mmol)および炭酸カリウム(13.5g、100mmol)のアセトン(200mL)溶液に、(S)−グリシドール(6.5mL、100mmol)を添加する。混合物を18時間加熱還流する。RTに冷却後、溶媒を真空で除去し、残留物をEtOAcおよび水に分配する。水性層をさらに2回EtOAcで抽出し、合わせた有機部分を水、塩水で洗浄し、次いで乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で濃縮する。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc:イソヘキサン、1:1)で精製して、表題化合物を白色固体として得る。
【0130】
工程2:(3−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロパン−1−オール:
(S)−3−[4−(3−ヒドロキシ−プロピル)−フェノキシ]−プロパン−1,2−ジオール(11.5g、50.9mmol)の乾燥DMF(150mL)溶液に、ピリジニウムp−トルエンスルホネート(1.28g、5.0mmol)および2,2−ジメトキシプロパン(31mL、250mmol)を添加する。混合物をRTで18時間撹拌し、次いで溶媒を真空で除去する。残留物をEtOAc(150mL)に溶解し、水、飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液、塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮する。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc:イソヘキサン、勾配20%から50%EtOAc)で精製して、表題化合物を無色油状物として得る。
【0131】
工程3:メタンスルホン酸3−[4−((R)−2,2−ジメチル[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピルエステル:
(3−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロパン−1−オール(12.2g、46mmol)の乾燥ジエチルエーテル(150mL)溶液にトリエチルアミン(12.8mL、92mmol)を添加する。混合物を0℃に冷却し、メタンスルホニルクロライド(5.3mL、69mmol)の滴下により処理する。反応混合物をRTに温め、次いで撹拌を3時間続ける。得られた混合物を水(2×100mL)、飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液、塩水で洗浄し、次いで乾燥させ(MgSO)、真空で濃縮して、表題化合物を白色固体として得る。
【0132】
工程4:(R)−4−[4−(3−ブロモ−プロピル)−フェノキシメチル]−2,2−ジメチル(dimethl)−[1,3]ジオキソラン:
メタンスルホン酸3−[4−((R)−2,2−ジメチル[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−プロピルエステル(11.8g、34.2mmol)のアセトン(200mL)溶液をリチウムブロマイド(8.9g、100mmol)で処理し、次いで5時間加熱還流する。RTに冷却後混合物を真空で濃縮する。得られた残留物をEtOAc(150mL)に溶解し、水(2×50mL)、塩水で洗浄し、次いで乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で濃縮して、油状物を得る。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、イソヘキサン:EtOAc、4:1)での精製により表題化合物を無色油状物として得て、それは静置により固化する。
【0133】
工程5:2−(ベンズヒドリリデン−アミノ)−5−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]ペンタンニトリル:
N−(ジフェニルメチレン)アミノアセトニトリル(5.14g、23.4mmol)のDCM(12mL)の溶液を(R)−4−[4−(3−ブロモ−プロピル)−フェノキシメチル]−2,2−ジメチル(dimethl)−[1,3]ジオキソラン(8.1g、24mmol)のDCM(12mL)溶液で処理し、0℃に冷却する。水性NaOH(20mLの48%水性溶液)、続いてベンジルトリエチル塩化アンモニウム(530mg、2.4mmol)を添加し、得られた混合物をRTに温める。4時間激しく撹拌後混合物をDCM(100mL)で希釈し、水性部分を除去する。有機層を水(2×50mL)、塩水で洗浄し、次いで乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で濃縮する。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、イソヘキサン:ジエチルエーテル)で精製して、表題化合物を黄色油状物として、ジアステレオ異性体の混合物として得る。
【0134】
工程6:2−アミノ−5−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]−ペンタンニトリル:
2−(ベンズヒドリリデン−アミノ)−5−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−フェニル]ペンタンニトリル(7.2g、15.5mmol)のTHF(50mL)溶液に、水性HCl(5mLの2M溶液)を添加する。溶液を40℃で4時間加熱し、次いでRTに冷却する。飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液を使用してpHを9−10に調節し、有機溶媒を真空で除去する。粗残留物をEtOAc(100mL)に溶解し、水、塩水で洗浄し、次いで乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空で濃縮する。得られた残留物をクロマトグラフィー(SiO、イソヘキサン:EtOAcと1%トリエチルアミン)で精製して、表題化合物を無色油状物として得て、それは静置によりジアステレオ異性体の混合物として固化する。[M+H]+ 305。
【0135】
中間体C
((S)−5−アミノ−1−{[(3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−メチル}−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
工程1:((S)−5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−{[(3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−メチル}−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸(386mg、2.05mmol)およびHATU(781mg、2.05mmol)のDMF(10mL)溶液に、N−メチルモルホリン(831mg、8.22mmol)、続いて((S)−1−アミノメチル−5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(W01997/01204、20頁に記載する方法に従い製造)(750mg、2.05mmol)を添加する。得られた溶液をRTで18時間撹拌し、次いで真空で濃縮して、オレンジ色油状物を得る。油状物をMeOH(10mL)に溶解し、RTにし、その後クリーム色沈殿が形成され、それを濾過により回収し、真空下で乾燥させて、表題化合物を得る。[M+H]+ 536。
【0136】
工程2:((S)−5−アミノ−1−{[(3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−メチル}−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
((S)−5−ベンジルオキシカルボニルアミノ−1−{[(3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボニル)−アミノ]−メチル}−ペンチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(680mg、1.27mmol)のEtOH(20mL)懸濁液を、Nの不活性雰囲気下、活性化パラジウム炭(10%)で処理する。次いで反応混合物を水素の陽圧下に置き、RTで撹拌する。3時間後、混合物をNでパージし、触媒をセライト(登録商標)(濾材)を通す濾過により除去する。濾液を真空で濃縮し、得られた無色油状物をMeOH(10mL)に溶解し、RTで一夜静置する。形成したクリーム色沈殿を濾過により除去し、溶液を真空で濃縮する。得られた粗生成物を逆相カラムクロマトグラフィー(IsoluteTM C18、0−100%アセトニトリルの0.1%NH含有水溶液)で精製して、表題化合物を得る。[M+H]+ 402。
【0137】
中間体D
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(R)−2−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピルアミノ]−ペンチル}−アミドヒドロクロライド
表題化合物を、実施例27に準じる方法で、3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ペンチル)−アミドヒドロクロライド(実施例4)を3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−ペンチル)−アミドヒドロクロライド(実施例5)に置き換えて製造する。[M+H]+ 421。
【0138】
中間体E
{[(Z)−tert−ブトキシカルボニルイミノ]−ピラゾール−1−イル−メチル}−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
PS−トリフェニルホスフィン(6.40g、12.03mmol)を、3−(4−メトキシフェニル)−1−プロパノール(1.00g、6.02mmol)のDCM(300mL)溶液に添加し、続いてN,N’−ジ−Boc−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン(1.87g、6.02mmol)を添加する。反応混合物を4℃に冷却し、ジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレート(1.39g、6.02mmol)を少しずつ添加する。反応を5分間4℃で撹拌し、次いでRTに温める。得られた黄色懸濁液をRTで一夜撹拌する。反応を濾過してPS−トリフェニルホスフィンを除去し、それをMeOH(20mL)で濯ぐ。合わせた濾液を真空で濃縮して、無色油状物を得る。イソヘキサン(50mL)を添加し、細かいクリーム色固体が溶液から析出し、それを濾過により除去する。濾液を真空で濃縮し、得られた白色固体をイソヘキサン(50mL)で洗浄する。イソヘキサンを真空で濃縮し、得られた薄黄色油状物をクロマトグラフィー(SiO、EtOAcのイソヘキサン溶液、0%−25%)で精製して、表題化合物を粗製で無色油状物として得る。油状物をさらに精製せずにさらに反応に使用する。[M+H]+ 459。
【0139】
中間体F
{[(E)−tert−ブトキシカルボニルイミノ]−ピラゾール−1−イル−メチル}−(4−メトキシ−ベンジル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
表題化合物を中間体Eに準じる方法で、3−(4−メトキシフェニル)−1−プロパノールを4−メトキシベンジルアルコールに置き換えて製造する。[M+H]+ 431。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、
はハロゲンであり;
、R、RおよびRは各々独立してHおよびC−Cアルキルから選択され;
は−(C−Cアルキレン)−R10であり、ここで、該アルキレンリンカーは、場合によりC−Cアルキル、ハロおよびOHから選択される1個以上の基で置換されていてよく、該アルキレンリンカーが存在しないならば、R10はH以外であり;
はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルおよび−(C−Cアルキレン)−アリールから選択され、ここで、該シクロアルキル基およびアリール基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および式A−Bの基から選択され、ここで、該アリール基、ヘテロアリール基およびヘテロシクリル基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、4−10員含窒素ヘテロ環基を形成し、これは、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;または
およびRは、それらが結合している原子と一体となって、4−10員含窒素ヘテロ環基を形成し、これは、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
Aは結合、−C(=NH)NH−、−(CH)−D−(CH)−または−C(=NH)NH−(CH)−D−(CH)−であり;
BはH、C−Cアルキル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−アリール、−(C−Cアルキレン)−ヘテロアリールおよび−(C−Cアルキレン)−ヘテロシクリルから選択され、ここで、該アリール基、ヘテロアリール基およびヘテロシクリル基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
Dは結合、−O−、−C(O)−、−C(O)NH−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NHC(=N)NH−、−S(O)−、−S(O)NH−、−NHC(O)−、−NHC(O)O−、−OC(O)NH−、−NHS(O)−、−NHC(O)NH−および−NH−から選択され;
dは1、2または3であり;
bは0、1、2または3であり;
yは1、2または3であり;
はHまたはC−Cアルキルであるか;または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基または4−10員ヘテロシクリル基を形成し、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
10はH、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、NR1112、C(O)NR1314、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよび式P−(CH)−Qの基から選択され、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
Pは結合、−O−、−C(O)−、−C(O)NH−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NHC(=N)NH−、−S(O)−、−S(O)NH−、−NHC(O)−、−NHC(O)O−、−OC(O)NH−、−NHS(O)−、−NHC(O)NH−および−NH−から選択され;
QはH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択され、ここで、該アリール基、ヘテロアリール基およびヘテロシクリル基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
mは0、1、2または3であり;
11はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニルおよび−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルから選択され;
12はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、−C(O)C−Cアルキル、−C(O)C−C10シクロアルキル、−C(O)(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、−C(O)(CH)アリール、−C(O)(CH)ヘテロアリール、−C(O)(CH)ヘテロシクリル、−C(O)Oアルキル、C(O)Oアリール、(CH)アリール、(CH)ヘテロアリールおよび−(CH)ヘテロシクリルから選択され、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
13はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニルおよび−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルから選択され;
14はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、−(CH)アリール、(CH)ヘテロアリールおよび(CH)ヘテロシクリルから選択され、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
xは0、1、2または3であり;
zは0、1、2または3であり;
Zは独立してOH、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ベンジル、場合により1個以上のハロゲン原子またはOH基で置換されていてよいC−Cアルキル、場合により1個以上のハロゲン原子またはOH基で置換されていてよいC−Cアルコキシ、−Oアリール、−Oベンジル、−O(CH)C(O)E、NR15(SO)R17、(SO)NR1516、(SO)R17、NR15C(O)R17、C(O)NR1517、NR15C(O)NR1617、NR15C(O)OR17、OC(O)NR1517、NR1517、C(O)OR15、OC(O)R15、C(O)R17、SR15、CN、NO、およびハロゲンから選択され;
aは0、1、2、3または4であり、ここで、該アルキレン基は、aが1、2、3または4であるとき場合によりOHまたはNHで置換されていてよく;
EはNR1517またはOR17であり;
各R15およびR16は独立してH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニルおよび−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルから選択され;そして
各R17はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルから選択され、ここで、各環系は、場合によりOH、ハロ、C−CアルキルおよびC−Cアルコキシで置換されていてよい。
ただし、R、RおよびRが全て水素であるときRはベンジルではない。〕
の化合物、またはその溶媒和物、水和物または薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式Ia
【化2】

〔式中、
は−(C−Cアルキレン)−R10であり、ここで、該アルキレンリンカーは、場合によりC−Cアルキル、ハロおよびOHから選択される1個以上の基で置換されていてよく、該アルキレンリンカーが存在しないならば、R10はH以外であり;
はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルおよび−(C−Cアルキレン)−アリールから選択され、ここで、該シクロアルキル基およびアリール基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、および式A−Bの基から選択され、ここで、該アリール基、ヘテロアリール基およびヘテロシクリル基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、4−10員含窒素ヘテロ環基を形成し、これは、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;または
およびRは、それらが結合している原子と一体となって、4−10員含窒素ヘテロ環基を形成し、これは、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
Aは結合、−C(=NH)NH−、−(CH)−D−(CH)−または−C(=NH)NH−(CH)−D−(CH)−であり;
BはH、C−Cアルキル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−アリール、−(C−Cアルキレン)−ヘテロアリールおよび−(C−Cアルキレン)−ヘテロシクリルから選択され、ここで、該アリール基、ヘテロアリール基およびヘテロシクリル基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
Dは結合、−O−、−C(O)−、−C(O)NH−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NHC(=N)NH−、−S(O)−、−S(O)NH−、−NHC(O)−、−NHC(O)O−、−OC(O)NH−、−NHS(O)−、−NHC(O)NH−および−NH−から選択され;
dは1、2または3であり;
bは0、1、2または3であり;
yは1、2または3であり;
はHまたはC−Cアルキルであるか;または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、C−C10シクロアルキル基、C−C10シクロアルケニル基または4−10員ヘテロシクリル基を形成し、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
10はH、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、NR1112、C(O)NR1314、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよび式P−(CH)−Qの基から選択され、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
Pは結合、−O−、−C(O)−、−C(O)NH−、−C(O)O−、−OC(O)−、−NHC(=N)NH−、−S(O)−、−S(O)NH−、−NHC(O)−、−NHC(O)O−、−OC(O)NH−、−NHS(O)−、−NHC(O)NH−および−NH−から選択され;
QはH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルから選択され、ここで、該アリール基、ヘテロアリール基およびヘテロシクリル基は、各々、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
mは0、1、2または3であり;
11はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニルおよび−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルから選択され;
12はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、−C(O)C−Cアルキル、−C(O)C−C10シクロアルキル、−C(O)(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、−C(O)(CH)アリール、−C(O)(CH)ヘテロアリール、−C(O)(CH)ヘテロシクリル、−C(O)Oアルキル、C(O)Oアリール、(CH)アリール、(CH)ヘテロアリールおよび−(CH)ヘテロシクリルから選択され、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
13はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニルおよび−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルから選択され;
14はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、−(CH)アリール、(CH)ヘテロアリールおよび(CH)ヘテロシクリルから選択され、ここで、これらの環系の各々は場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
xは0、1、2または3であり;
zは0、1、2または3であり;
Zは独立してOH、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ベンジル、場合により1個以上のハロゲン原子またはOH基で置換されていてよいC−Cアルキル、場合により1個以上のハロゲン原子またはOH基で置換されていてよいC−Cアルコキシ、−Oアリール、−Oベンジル、−O(CH)C(O)E、NR15(SO)R17、(SO)NR1516、(SO)R17、NR15C(O)R17、C(O)NR1517、NR15C(O)NR1617、NR15C(O)OR17、OC(O)NR1517、NR1517、C(O)OR15、OC(O)R15、C(O)R17、SR15、CN、NO、およびハロゲンから選択され;
aは0、1、2、3または4であり、ここで、該アルキレン基は、aが1、2、3または4であるとき場合によりOHまたはNHで置換されていてよく;
EはNR1517またはOR17であり;
各R15およびR16は独立してH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニルおよび−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキルから選択され;そして
各R17はH、C−Cアルキル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、−(C−Cアルキレン)−C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルから選択され、ここで、各環系は、場合によりOH、ハロ、C−CアルキルおよびC−Cアルコキシで置換されていてよい。
ただし、R、RおよびRが全て水素であるときRはベンジルではない。〕
の化合物、またはその溶媒和物、水和物または薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がHである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
がHまたはC−Cアルキルであり;そして
がHであるか;または
およびRが、それらが結合している原子と一体となって5または6員含窒素ヘテロ環基を形成し、これは、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよい、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
10がH、−NHR12、−C(O)NHR14、フェニルまたはC−Cシクロアルキル基であり;
12がH、C−Cアルキル、−C(O)C−Cアルキル、−C(O)(CH)フェニルおよび−(CH)フェニルから選択され、ここで、該フェニル基の各々は、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
14がH、C−Cアルキルおよび−(CH)アリールから選択され、ここで、該フェニル基の各々は、場合によりZで表される置換基から選択される1個以上の置換基で置換されていてよく;
xが0、1、2または3であり;そして
zが0、1、2または3である、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
次のものから選択される、請求項1に記載の化合物:
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−1−エチル−ピロリジン−2−イルメチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸[2−アミノ−5−(4−メトキシ−フェニル)−ペンチル]−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸[5−[4−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−フェニル]−2−(2,4−ジメトキシ−ベンジルアミノ)−ペンチル]−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−3−シクロヘキシル−プロピル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−3−メチル−ブチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−4−メチル−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−1−ピロリジン−2−イルメチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−1−ピペリジン−2−イルメチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸(1−アミノ−シクロペンチルメチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−アミノ−6−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−ヘキシル}−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ヘキシル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−ブチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−プロピル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−ブチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−アミノ−プロピル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−1−ピペリジン−2−イルメチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−1−ピロリジン−2−イルメチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−アミノ−3−メチル−ブチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−アミノ−6−[3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−プロピオニルアミノ]−ヘキシル}−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−グアニジノ−ブチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−グアニジノ−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−グアニジノ−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−3−シクロヘキシル−2−グアニジノ−プロピル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピルアミノ]−ペンチル}−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−6−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−アセチルアミノ]−2−グアニジノ−ヘキシル}−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−{N−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−グアニジノ}−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((R)−2−{N−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−グアニジノ}−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸[(S)−2−(N−{3−[4−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−フェニル]−プロピル}−グアニジノ)−ペンチル]−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸((S)−2−{N’−[3−(4−メトキシ−フェニル)−プロピル]−グアニジノ}−ペンチル)−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(S)−2−[N’−(4−メトキシ−ベンジル)−グアニジノ]−ペンチル}−アミド、
3,5−ジアミノ−6−クロロ−ピラジン−2−カルボン酸{(R)−2−[N’−(4−メトキシ−ベンジル)−グアニジノ]−ペンチル}−アミド、および
その薬学的に許容される塩。
【請求項7】
医薬として使用するための請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物を1種以上の医薬賦形剤と共に含む、医薬組成物。
【請求項9】
上皮性ナトリウムチャネルにより処置可能な疾患の処置用医薬の製造のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項10】
炎症性またはアレルギー性状態、特に炎症性または閉塞性気道疾患の処置用医薬の製造のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
嚢胞性線維症、原発性線毛機能不全、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、喘息、呼吸器感染症、肺癌腫、口内乾燥、および乾性角結膜炎(keratoconjunctivitis sire)から選択される炎症性またはアレルギー性状態の処置用医薬の製造のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項12】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物と抗炎症剤、気管支拡張剤、抗ヒスタミン剤または鎮咳剤医薬物質を含む、組合せ剤。
【請求項13】
式(I):
【化3】

の化合物の製造方法であって、式1:
【化4】

の化合物と式2:
【化5】

の化合物を塩基の存在下で反応させることを含む、方法
(式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは請求項1で定義した通りである。)。

【公表番号】特表2011−520831(P2011−520831A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508884(P2011−508884)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055657
【国際公開番号】WO2009/138378
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】