説明

5−アリール−1H−ピロロ[2,3B]ピリジン−3−カルボキサミド又は5−アリール−1H−ピロロ[2,3B]ピリジン−3−カルボン酸の新規な誘導体

本発明は、遊離塩基又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物としての式I:
【化1】


の新規化合物、その製造方法及び製造において使用される新規中間体、該治療活性化合物を含有する医薬組成物、並びに治療における該活性化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊離塩基又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物としての式Iの新規化合物、前記化合物を含有する医薬組成物、及び治療における前記化合物の使用に関する。本発明はさらに式Iの化合物の製造方法、及び製造において使用される新規中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)は、異なる遺伝子によりコード化されるが、触媒ドメイン内で高度に相同である2種のアイソフォーム(α及びβ)からなるセリン/スレオニンプロテインキナーゼである。GSK3は中枢及び末梢神経系で高度に発現する。GSK3はタウ、β−カテニン、グリコーゲンシンターゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ及び伸長開始因子2b(eIF2b)を含む幾つかの基質をリン酸化する。インシュリン及び成長因子はプロテインキナーゼBを活性化し、これはセリン9残基でGSK3をリン酸化し、それを不活性化する。
【0003】
アルツハイマー病(AD)痴呆及びタウパシー
ADは、認識衰退、コリン作動性障害及び神経細胞の死、神経原線維変化及びアミロイド−β沈着からなる老人斑を特徴とする。ADにおけるこれらの事象の順序は不明確であるが、関連があると考えられている。グリコーゲンシンターゼキナーゼ3β(GSK3β)又はタウ(τ)リン酸化キナーゼは、AD脳で高リン酸化される部位において神経細胞の微小管結合タンパク質τを選択的にリン酸化する。高リン酸化されたタンパク質τは、微小管への親和性が低く、そして対になったらせん状フィラメントとして蓄積し、これはAD脳における神経原線維のもつれ(neurofibrillary tangles)及び神経網糸を構成する主な成分である。このことは、微小管の脱重合を招き、これにより軸策の枯死及び神経症性ジストロフィーが引き起こされる。神経原線維のもつれは、AD、筋萎縮性側索硬化症、Guamのパーキンソン痴呆症候群、大脳皮質基底核変性症、ボクサー痴呆及び頭部外傷、ダウン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、進行性核上麻痺、ニーマン−ピック病及びピック病のような疾患で常に見られる。一次海馬培養物にアミロイド−βを加えると、τの高リン酸化及びGSK3β活性の誘導による対になったらせん状フィラメント様状態、次いで軸索輸送の阻害及び神経細胞の死が起こる(Imahori及びUchida、J. Biochem 121:179〜188(1997年))。GSK3βは神経原線維のもつれを優先的に標識し、AD脳のもつれ前(pre-tangle)の神経細胞において活性であることが示されている。また、AD患者の脳組織においてGSK3タンパク質濃度は50%まで増加している。さらに、GSK3βは解糖経路の鍵酵素であるピルビン酸デヒドロゲナーゼをリン酸化し、そしてピルビン酸のアセチル−Co−Aへの変換を防ぐ(Hoshiら、PNAS 93:2719〜2723(1996年))。アセチル−Co−Aは認知機能に関する神経伝達物質であるアセチルコリンの合成において重要である。したがって、GSK3βの阻害は、アルツハイマー病及び他の上記疾患に関する進行及び認知障害に有益な効果を示し得る。
【0004】
慢性及び急性の神経変性疾患
成長因子が関与するPI3K/Akt経路の活性化は、神経細胞の生存において主要な役割を果たすことが示されている。この経路の活性化はGSK3βの阻害をもたらす。最近の研究(BhatらのPNAS 97:11074〜11079(2000年))により、GSK3β活性は脳虚血又は成長因子欠乏後のような神経変性の細胞及び動物モデルにおいて増加することが示されている。例えば、活性部位のリン酸化は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側策硬化症、ハンチントン病、HIV痴呆、虚血性脳卒中及び頭部外傷のような慢性及び急性の神経変性疾患で起こると一般に考えられているタイプの細胞死であるアポトーシスを受けやすい神経細胞において増加した。リチウムは、細胞内及び脳内のアポトーシスの阻害においてGSK3βの阻害を引き起こす用量で神経を保護した。したがって、GSK3β阻害剤は神経変性疾患の進行を遅らせるのに有用である。
【0005】
双極性障害(BD)
双極性障害(BD)は、躁病エピソード及びうつ病エピソードを特徴とする。リチウムはその気分安定効果に基づいてBDの治療に使用されている。リチウムの不利点は、狭い治療ウィンドー及びリチウム中毒を引き起こし得る過剰投与の危険性である。リチウムがGSK3を治療的濃度で阻害するという最近の発見は、この酵素が脳におけるリチウムの作用の主要な標的である可能性を高めている(StambolicらのCurr. Biol. 6:1664〜1668(1996年);Klein及びMeltonのPNAS 93:8455〜8459(1996年))。したがって、GSK3βの阻害は、情動障害を有するAD患者及びBDの治療と治療的に関連がある。
【0006】
統合失調症
GSK3は多様な細胞過程、特に神経発生におけるシグナル伝達カスケードに関与する。Kozlovskyら(Am. J. Psychiatry;157(5):831〜3(2000年5月))は、統合失調症患者のGSK3β量が対照被験者に比べて41%低いことを見出した。この研究は統合失調症が神経発達上の病理に関与し、そして異常なGSK3調節が統合失調症に影響を与え得ることを示している。さらに、β−カテニン量の減少が統合失調症を示す患者で報告されている(CotterらのNeuroreport 9:1379〜1383(1998年))。
【0007】
糖尿病
インシュリンは骨格筋においてグリコーゲンシンターゼの脱リン酸化、すなわち活性化によりグリコーゲン合成を刺激する。静止状態下でGSK3は脱リン酸化によりグリコーゲンシンターゼをリン酸化し、不活性化する。GSK3はまた、II型糖尿病患者の筋肉内で過剰発現する(NikoulinaらのDiabetes;49(2):263〜71(2000年2月))。GSK3の阻害はグリコーゲンシンターゼの活性を増大させ、その結果グルコースのグリコーゲンへの変換によりグルコース量が減少する。したがって、GSK3阻害はI型及びII型糖尿病並びに糖尿病性神経障害の治療と治療的に関連がある。
【0008】
脱毛症
GSK3はβ−カテニンをリン酸化し、そして分解する。β−カテニンはケラトニン合成経路のエフェクターである。β−カテニンの安定化は、毛髪発生の増加を引き起こし得る。GSK3によりリン酸化された部位の突然変異により安定化したβ−カテニンを発現するマウスは、新毛髪形成に似たプロセスを経過する(GatらのCell;95(5):605〜14(1998年11月25日))。新しい毛包は、通常胚形成においてのみ確認される皮脂腺及び皮膚乳頭を形成した。したがって、GSK3阻害は禿頭症の治療を提供することができる。
【0009】
経口避妊薬
Vijajaraghavanら(Biol Reprod;62(6):1647〜54(2000年6月))は、不動性精子と比べて可動性精子のGSK3は高いことを報告している。免疫細胞化学により、GSK3が鞭毛及び精子頭部の前方部分に存在することが明らかになっている。これらのデータは、GSK3が精巣上体の運動開始及び成熟精子の機能調節の基礎をなす重要な要素であり得ることを示唆している。GSK3の阻害剤は男性の避妊薬として有用である。
【0010】
骨関連障害
GSK3阻害剤は、骨関連障害の治療のために使用することができることが示されている。これは、例えばTobiasら., Expert Opinion on Therapeutic Targets, pp 41〜56, (2002年2月)において論じられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、GSK3に対する選択的阻害作用を有し、且つ良好な生物学的利用能を有する化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本発明は、遊離塩基又は医薬として許容し得る塩、溶媒和物又はその塩の溶媒和物としての式I:
【化1】

の化合物を提供するもので、
式中、
Pはフェニル、若しくはN、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−若しくは6−員へテロ芳香環であり、そして該フェニル若しくは5−又は6−員ヘテロ芳香環は、C、N、O又はSから選択される1又はそれ以上の原子を含有する5−又は6−員の飽和、部分飽和又は不飽和環と場合により縮合していてもよく;
QはC1-6アルキル、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルから独立して選択されるか、又はQは存在せず;
XはN又はOから独立して選択され、そしてXがOである場合、Q及びR4は存在せず;
Rは水素、CN、NO2、OH、NH2、COOH、CONH2、COCH3、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシから独立して選択され;
【0013】
1はC1-6アルキルC3-6シクロアルキル、OR5、SR5、NR67、CO25、COR5、(SO2)R5、(SO)R5、(SO2)NR67、NR8(SO2)R5、CONR67、NR8COR5、NR8CONR67、NR8CO25、(SO)NR67、NR8(SO)R5、C1-6アルキルOR5、C1-6アルキルSR5、C1-6アルキルNR67、C1-6アルキルCO25、C1-6アルキルCOR5、C1-6アルキル(SO2)R5、C1-6アルキル(SO)R5、C1-6アルキル(SO2)NR67、C1-6アルキルNR8(SO2)R5、C1-6アルキルCONR67、C1-6アルキルNR8COR5、C1-6アルキルNR8CONR67、C1-6アルキルNR8CO25、C1-6アルキル(SO)NR67又はC1-6アルキルNR8(SO)R5から独立して選択され;そして、ここで、該C1-6アルキル基は、1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
2は水素、C1-6アルキル、CN、ニトロ、ハロゲン、OR13、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシから独立して選択され;
3は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル及びC0-6アルキルC3
-6シクロアルキルから独立して選択され、ここで、該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル及びC0-6アルキルC3-6シクロアルキル基は、1又はそれ以上のAによ
り場合により置換され;
【0014】
4は水素、ハロゲン、ニトロ、CHO、CN、OC1-6アルキルCN、OR13、OC1-6アルキルOR13、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、NR1314、OC1-6アルキルNR1314、NR13OR14、CO213、OC1-6アルキルCO213、CONR1314、OC1-6アルキルCONR1314、OC1-6アルキルNR13(CO)R14、NR13(CO)R14、O(CO)NR1314、NR13(CO)OR14、NR13(CO)NR1314、O(CO)OR13、O(CO)R13、COR13、OC1-6アルキルCOR13、NR13(CO)(CO)R14、NR13(CO)(CO)NR1314、SR13、(SO2)NR1413、OC1-6アルキルNR13(SO2)R14、NR5(SO2)R13、OC0-6アルキル(SO2)NR1314、(SO)NR1314、OC1-6アルキル(SO)NR1314、SO313、NR5(SO2)NR1314、NR13(SO)R14、OC1-6アルキルNR13(SO)R14、OC0-6アルキルSO213、SO213、SOR13、C3-6シクロアルキル、アリール、N、O又はSから独立して選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員へテロ芳香環、N、O又はSから独立して選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環から独立して選択され、該複素環式基は飽和していても不飽和であってもよく、そして、ここで、任意の該C3-6シクロアルキル、アリール、5−又は6−員ヘテロ芳香環若しくは5−又は6−員複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換されるか、又はR4は存在せず;
5はC3-6シクロアルキル、C1-6アルキルC3-6シクロアルキル、C2-6アルキルNR910、C2-6アルキルOC2-6アルキルNR910、C2-6アルキル(SO2)NR910、C2-6アルキル(SO)NR910、C2-6アルキルNR11(SO)R12、C2-6アルキルNR9(SO2)R10、C2-6アルキル(SO2)C2-6アルキルNR910、C2-6アルキル(SO)C2-6アルキルNR910、C2-6アルキルSC2-6アルキルNR1112、C2-6アルキルCONR910、C2-6アルキルNR9COR10、ヘテロアリール又はC1-6アルキルヘテロアリールから独立して選択され、ここで、任意のC2-6アルキル又はヘテロアリールは1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
【0015】
6はC2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C1-6アルキルNR910、C1-6アルキルOC1-6アルキルNR910、C0-6アルキル(SO2)NR910、C1-6アルキル(SO)NR910、C1-6アルキルNR11(SO)R12、C1-6アルキルNR9(SO2)R10、C0-6アルキル(SO2)C1-6アルキルNR910、C1-6アルキル(SO)C1-6アルキルNR910、C2-6アルキルSC2-6アルキルNR1112、C1-6アルキルCONR910、C0-6アルキルNR9COR10、C1-6アルキルアリール又はC0-6アルキルヘテロアリールから独立して選択され、ここで、任意のC1-6アルキル、C26アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C1-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールは1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
7は水素及びC1-6アルキルから独立して選択され;
6及びR7は一緒になってN、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環を形成してもよく、ここで、該複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
【0016】
8は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキルから独立して選択され;
9はC1-6アルキル−B、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルキルC3-6シクロアルキル、アリール、C1-6アルキルアリール、ヘテロアリ
ール、C1-6アルキルヘテロアリールから独立して選択され、ここで、任意のC3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルキルC3-6シクロアルキル、アリール、C1-6アルキルアリール、ヘテロアリール、C1-6アルキルヘテロアリールは1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
10は水素及びC1-6アルキルから独立して選択され;
9及びR10は一緒になってN、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環を形成してもよく、ここで、該複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
【0017】
11及びR12は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルキルC3-6シクロアルキル、アリール、C1-6アルキルアリール、ヘテロアリール、C1-6アルキルヘテロアリールから独立して選択され、ここで、任意のC3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルキルC3-6シクロ
アルキル、アリール、C1-6アルキルアリール、ヘテロアリール、C1-6アルキルヘテロアリールは1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
11及びR12は一緒になってN、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環を形成してもよく、ここで、該複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
13及びR14は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルキルC3-6シクロアルキル、C1-6アルキルNR1516、アリール、C1-6アルキルアリール、ヘテロアリール、C1-6アルキルヘテロアリールから独立して選択され、ここで任意の該C3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルキルC3-6シクロアルキル、アリール、C1-6アルキルアリール、ヘテロアリール、C1-6アルキルヘテロアリールは1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
13及びR14は一緒になってN、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環を形成してもよく、ここで、該複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
【0018】
15及びR16は水素及びC16アルキルから独立して選択され;
15及びR16は一緒になって、N、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環を形成してもよく、ここで該複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
mは1であり;
nは1又は2であり;
【0019】
Aはハロゲン、ニトロ、オキソ(=O)、CHO、CN、OR15、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR1516、OC1-6アルキルNR1516、CO215、CONR1516、NR15(CO)R16、O(CO)R15、COR15、SR15、(SO2)NR1516、(SO)NR1516、SO315、SO215又はSOR15から選択され;
Bはニトロ、オキソ(=O)、CHO、CN、OR15、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR1516、OC1-6アルキルNR1516、CO215、CONR1516、NR15(CO)R16、O(CO)R15、COR15、SR15、(SO2)NR1516、(SO)NR1516、SO315、SO215又はSOR15である。
【0020】
本発明の別の態様において、Pがフェニルである式Iの化合物が提供される。
本発明の別の態様において、Rが水素、ハロゲン、C1-6アルキル、トリフルオロメチ
ル及びトリフルオロメトキシから選択される、式Iの化合物が提供される。この態様の1つの実施形態において、Rが水素及びトリフルオロメトキシから選択される、式Iの化合物が提供される。
本発明の更に別の態様において、R1がNR67、C1-6アルキルNR67、CONR67、(SO2)NR67及びOR5から選択される式Iの化合物が提供される。
本発明の更に別の態様において、R2が水素である式Iの化合物が提供される。
【0021】
本発明の更に別の態様において、R3が水素又はC1-6アルキルである式Iの化合物が提供される。この態様の1つの実施形態において、R3は水素である。
本発明の更に別の態様において、R4がOR13、NR1314、CN、SOR13、SO213、及びN、O又はSから独立して選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員へテロ芳香環又はN、O又はSから独立して選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環から独立して選択され、該複素環式基は飽和していても不飽和であってもよく、そして、ここで、該5−又は6−員ヘテロ芳香環若しくは該5−又は6−員複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換される式Iの化合物が提供される。この態様の1つの実施形態において、AがOR15及びSO215から選択される式Iの化合物が提供される。
【0022】
本発明の更に別の態様において、R13及びR14は一緒になってN、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環を形成し、ここで、該複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換されている、式Iの化合物が提供される。この態様の1つの実施形態において、AがC1-6アルキルから選択される式Iの化合物が提供される。
本発明の更に別の態様において、QはC1-6アルキルであるか又はQは存在しない式Iの化合物が提供される。
本発明の更に別の態様において、XがNである式Iの化合物が提供される。
【0023】
本発明の更に別の態様において、Rは水素及びトリフルオロメトキシから選択され;R1はNR67、C1-6アルキルNR67、CONR67、(SO2)NR67及びOR5から選択され;R2及びR3は水素であり;R4はOR13、NR1314、SO213、及びN、O又はSから独立して選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員へテロ芳香環、N、O又はSから独立して選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環(複素環式基は飽和していても不飽和であってもよい)から独立して選択され、そして、ここで、該5−又は6−員ヘテロ芳香環若しくは5−又は6−員複素環式環は、1又はそれ以上のAにより場合により置換され;R13及びR14は水素及びC1-6アルキルから独立して選択され;R13及びR14は一緒になってN、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環を形成し、ここで該複素環式環はAから選択される基により場合により置換され;R15はC1-6アルキルであり;QはC1-6アルキルであるか又はQは存在せず;AはC1-6アルキル、SO315又はOR15である、式Iの化合物が提供される。
【0024】
本発明の更に別の態様において、以下の化合物が提供される:
N−(3−メトキシプロピル)−5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−N−ピリジン−3−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(2−メトキシエチル)−5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(2−メトキシエチル)−5−[4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(3−メトキシプロピル)−5−[4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
【0025】
5−[4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−N−ピリジン−3−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−N−[2−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(2−メトキシエチル)−5−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(3−メトキシプロピル)−5−[4−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}−N−[2−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
【0026】
5−{4−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−N−ピリジン−3−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(3−メトキシプロピル)−5−[4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(3−メトキシプロピル)−5−{4−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(3−メトキシフェニル)−5−[4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(2−メトキシフェニル)−5−[4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;及び
5−{4−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
【0027】
5−[4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]−N−ピリジン−3−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−[2−(メチルスルホニル)エチル]−5−[4−(ピペリジン−1−イルスルホニル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
5−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−N−[2−(2−チエニル)エチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−メチル−5−[4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−メチル−5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
【0028】
N−メチル−5−[4−(ピペリジン−1−イルスルホニル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−5−(4−モルホリン−4−イルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−5−[4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
5−[4−(モルホリン−4−イルカルボニル)フェニル]−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;又は
5−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−N−ペンチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩。
【0029】
本発明の更に別の態様において、以下の化合物が提供される:
メチル 5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−[4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
【0030】
メチル 5−[4−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−[4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−{4−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−[4−(ピペリジン−1−イルスルホニル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
5−ブロモ−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド;
5−ブロモ−N−[2−(2−チエニル)エチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド;
5−ブロモ−N−メチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド;又は
5−ブロモ−N−ペンチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド。
【0031】
本発明の態様の1つの実施形態において、以下の化合物が提供される:
メチル 5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−[4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−[4−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
【0032】
メチル 5−[4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−{4−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;及び
メチル 5−[4−(ピペリジン−1−イルスルホニル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート。
【0033】
本発明を説明するために本明細書及び特許請求の範囲において使用される種々の用語の定義を、以下に挙げる。
本明細書において、用語「アルキル」は、直鎖状及び分枝鎖状の両方のアルキル基を包含する。用語C06アルキルは0〜6個の炭素原子を有し、そしてメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、t−ペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキシル又はi−ヘキシルであってよいがこれらに限定されない。用語C16アルキルは1〜6個の炭素原子を有し、そしてメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、t−ペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキシル又はi−ヘキシルであってよい。用語C2-6アルキルは2〜6個の炭素原子を有し、そしてエチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、t−ペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキシル又はi−ヘキシルであってよい。
【0034】
下付き文字が整数0(ゼロ)である場合、その下付き文字が指す基は存在していないことを示しており、すなわち基と基との間は直接結合である。
用語「シクロアルキル」は、場合により置換された、飽和環式炭化水素環系を意味する。用語「C3-6シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであってよいがこれらに限定されない。
用語「アルケニル」は、直鎖状又は分枝鎖状のアルケニル基を意味する。用語C2-6アルケニルは、2〜6個の炭素原子及び1個の二重結合を有し、そしてビニル、アリル、プロペニル、i−プロペニル、ブテニル、i−ブテニル、クロチル、ペンテニル、i−ペンテニル又はヘキセニルであってよいがこれらに限定されない。
【0035】
用語「アルキニル」は、直鎖状又は分枝鎖状のアルキニル基を意味する。用語C2-6アルキニルは2〜6個の炭素原子及び1個の三重結合を有し、そしてエチニル、プロパルギル、ブチニル、i−ブチニル、ペンチニル、i−ペンチニル又はヘキシニルであってよいがこれらに限定されない。
用語「C1-6アルコキシ」は直鎖状又は分枝鎖状であってよい。C1-6アルコキシはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、i−ペンチルオキシ、t−ペンチルオキシ、neo−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ又はi−ヘキシルオキシであってよいがこれらに限定されない。
【0036】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
用語「アリール」は、少なくとも1個の不飽和芳香環を含む、場合により置換された単環式又は二環式炭化水素環系を意味する。「アリール」はC5-7シクロアルキル環と縮合して、二環式炭化水素環系を形成してもよい。用語「アリール」の例及び適当な意味は、フェニル、ナフチル、インダニル又はテトラリニルである。
用語「ヘテロアリール」及び「N、O及びSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含む5又は6員ヘテロ芳香環」は、フリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、チアゾリル又はチエニルであってよいがこれらに限定されない。
【0037】
用語「N、O又はSから独立して選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含む5−又は6−員複素環式環」は、カルボニル官能基を場合により含んでよく、そしてイミダゾリジニル、イミダゾリニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、1−メチル−1,4−ジアゼパン、テトラヒドロピラニル又はチオモルホリニルであってよいがこれらに限定されない。該複素環式環がSから選択されるヘテロ原子を含む場合、これは場合によりSO及びSO2を包含する。
【0038】
用語「C、N、O又はSから選択される原子を含む5−又は6−員の飽和、部分飽和又は不飽和環」は、カルボニル官能基を場合により含んでよく、そしてイミダゾリジニル、イミダゾリニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、1−メチル−1,4−ジアゼパン、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、フリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、チアゾリル又はチエニルであってよいがこれらに限定されない。該複素環式環がSから選択されるヘテロ原子を含む場合、これは場合によりSO及びSO2を包含する。
当然ながら、nが1より大きい場合、R2基は同じであっても異なってもよい。
用語「塩酸塩」は、一塩酸塩、二塩酸塩、三塩酸塩及び四塩酸塩を包含する。
【0039】
本発明の化合物の医薬として許容し得る好適な塩は、例えば無機又は有機酸との酸付加塩である。更に、本発明の化合物の医薬として許容し得る好適な塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又は生理学的に許容し得るカチオンを生じる有機塩基との塩である。
式Iの化合物の幾つかは、キラル中心及び/又は幾何異性中心を有し得(E−及びZ−異性体)、そして当然ながら、本発明は全てのこのような光学異性体、ジアステレオ異性体及び幾何異性体を包含する。
【0040】
本発明は、上述の式Iの化合物の使用及びその塩に関する。医薬組成物に使用するための塩は医薬として許容し得る塩であるが、他の塩は、式Iの化合物の生成において有用であり得る。
当然ながら、本発明は式Iの化合物のあらゆる互変異性形態に関する。
本発明の目的は、治療的使用のための式Iの化合物、特に、ヒトを含む哺乳動物においてグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK3)が関係する身体状態の予防及び/又は治療に有用な化合物、特にGSK−3に選択的親和性を示す式Iの化合物を提供することである。
【0041】
製造方法
本発明の別の態様は、遊離塩基又は医薬として許容し得る塩としての式Iの化合物の製造方法を提供する。このような方法の以下の記載を通して、当然ながら、適切ならば、有機合成の当業者により容易に理解されるやり方で好適な保護基が種々の反応物質及び中間体に付加され、次いで除去される。このような保護基を使用するための慣用の手順及び適切な保護基の例は、例えば「Protective Groups in Organic Synthesis」 T.W. Green, P.G.M. Wuts, Wiley-Interscience, New York, 1999に記載されている。
【0042】
中間体の製造方法
中間体(式中、X、P、Q、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R1
0、R11、R12、R13、R14、R15、R16、A、B、m及びnは特定の記載のない限り式Iにおいて定義されたとおりである)の製造方法は、以下の工程を含む:
【化2】

(i)式IIの化合物(式中、Haloはハロゲン、例えば塩素又は臭素である)をアシル化して式IIIの化合物を得ることは、トリクロロアセチルクロリドのような適切なアシル化剤及び塩化アルミニウムのような適切なルイス酸と、ジクロロメタン、クロロホルム又は二硫化炭素のような適切な溶媒又はその溶媒混合物中で、+20℃〜+60℃の範囲の温度で反応させ、次いで、適切な塩基、例えば水性水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム又は炭酸水素ナトリウムを用いて、適切な溶媒、例えばメタノール、エタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、ベンゼン、ジオキサン中で、室温〜+80℃の範囲の温度で加水分解することにより行うことができる。
【化3】

【0043】
(ii)式IIIの化合物(式中、Haloはハロゲン、例えば塩素又は臭素である)をエステル化して式IVの化合物(式中、R3は上述のとおりである)を得ることは、以下により行うことができる:
a)適切なエステルを用いるエステル交換による。エステルは、例えば適切なハロゲン化アシル、例えばアセチルクロリド又はアセチルブロミド及び適切なアルコール、例えばメタノール又はエタノールから形成することができる。反応は、室温〜+80℃の範囲の温度で行うことができる。
b)適切なアルコール、例えばメタノール又はエタノール及び触媒、例えば硫酸又はp−トルエンスルホン酸を用いることによる。この反応は室温〜+80℃の範囲の温度で行うことができる。溶媒としてアルコールを用いるか、又は生成した水を除去することにより反応を促進して完了させる。
c)化合物IIIを適切な無機酸ハロゲン化物、例えば塩化チオニル、五塩化リン、三塩化リン、オキシ塩化リンで処理するか、又は塩化オキサリルで処理し(触媒量のN,N−ジメチルホルムアミドを用いるか又は用いずに)、次いで形成されたハロゲン化アシルのメタノール又はエタノールのような適切なアルコールでの処理によるアルコール分解を介して。この反応は、0℃〜+110℃の温度で行うことができる。
【化4】

【0044】
(iii)式IVの化合物(式中、Haloはハロゲンであり、そしてR3は上述のとおりである)の、適切なアリール化合物種との脱ハロゲンカップリングにより式Vの化合物を得ることは、以下の方法により行うことができる:
a)適切なアリールボロン酸又はアリールボロン酸エステルとの反応。この反応は、適切なリガンド、例えばP(tert−ブチル)3又は2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニルと共に、適切なパラジウム触媒、例えばPd(PPh34、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリドジクロロメタン、Pd(OAc)2又はPd2(dba)3を用いて行うことができる。適切な塩基、例えばアルキルアミン、例えばトリエチルアミン又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム又はフッ化セシウムを反応に用いることができ、これは油浴又はマイクロ波オーブンを用いて+20℃〜+160℃の温度で、適切な溶媒又は溶媒混合物、例えばトルエン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン/水、N,N−ジメチルホルムアミド又はジオキサン中で行う。
ボロン酸又はボロン酸エステルは、対応するハロゲン化アリール、例えば臭化アリールを、アルキルリチウム試薬、例えばブチルリチウム及び適切なホウ素化合物、例えばトリメチルボレート、トリブチルボレート又はトリイソプロピルボレートと反応させることにより、インサイチュで形成することができる。この反応は、非プロトン性溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はヘキサン中で−78℃〜+20℃の温度で行うことができる;
【化5】

【0045】
(iv)式VIIの化合物を得るための式VIの化合物のアルキル化(式中、Haloはハロゲン、例えば臭素又は塩素である)は、式VIの化合物を、適切なハロゲン化アルキル、例えばアルキルブロミド、アルキルクロリド又はアルキルヨージドと、適切な溶媒、例えばメタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルアミド又はアセトニトリル中で、適切な塩基、例えばトリアルキルアミン塩基、例えばトリエチルアミン又は他の適切な塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は炭酸カリウムを用いるか又は用いずに、そして+20℃〜還流温度で反応させることにより行うことができる。
【化6】

【0046】
(v)式VIIIの化合物を得るための式IVの化合物のアミド化は、式IVの化合物を、適切なアミン、R4QNH2で処理することにより行うことができる。この反応は、溶媒なし(neat)で又は適切な溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム又は酢酸エチルを用いて、−25℃〜+150℃の温度で行うことができる。反応は、塩基、例えば炭酸カリウム、トリエチルアミン又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン又は酸、例えばトリメチルアルミニウム又はp−トルエンスルホン酸を用いることにより促進することができる。
【0047】
目的生成物の製造方法
本発明の別の目的は、一般式Iの化合物(式中、X、P、Q、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R1516、A、B、m及びnは特記しない限り式Iにおいて定義されたとおりである)の製造方法であり、これは以下の工程からなる:
【化7】

【0048】

式Iの化合物を得るための式Vの化合物のアミド化は、式Vの化合物を適切なアミン、HN(R3)QR4で処理することにより行うことができる。この反応は、溶媒なしで、又はベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン又は酢酸エチルのような溶媒から選択される適切な溶媒混合物又は溶媒を用いて、−25℃〜+150℃の温度で行うことができる。この反応は、塩基、例えば炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、又は酸、例えばトリメチルアルミニウム又はp−トルエンスルホン酸を用いることにより促進することができる。
【0049】
したがって、本発明の1つの態様において、式Iの化合物(式中、X、P、Q、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、A、m及びnは特記しない限り式Iにおいて定義されるとおりである)の製造方法であって:
【化8】

溶媒なしで又は適切な溶媒を用いて予め形成したアミンHN(R3)QR4を用いて、場合により塩基又は酸を加えて、式Vの化合物を処理することにより式Vの化合物をアミド化して式Iの化合物を得ることからなる方法が提供される。
【0050】

式Iの化合物を得るための式VIIIの化合物の適切なアリール化合物種による脱ハロゲンカップリング、ここで、R4及びQは、反応中の特定の物質に影響を受けやすいものではない置換基である:
【化9】

すなわち、方法Bによる脱ハロゲンカップリングは、式VIIIの化合物と、適切なアリールボロン酸又はボロン酸エステルとのカップリングにより行うことができる:
【0051】
この反応は、適切なパラジウム触媒、例えばPd(PPh34、Pd(OAc)2又は[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリドジクロロメタンを用いて、適切なリガンド、例えばP(tert−ブチル)3又は2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニルを用いるか又は用いずに、行うことができる。適切な塩基、例えばアルキルアミン、例えばトリエチルアミン又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム又はフッ化セシウムを反応に用いることができ、これは油浴を用いるか又はマイクロ波オーブン中で+20℃〜+160℃の温度で、適切な溶媒又は溶媒混合物、例えばトルエン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン/水又はN,N−ジメチルホルムアミド中で行うことができる。
【0052】
ボロン酸又はボロン酸エステルは、対応するハロゲン化アリール、例えば臭化アリール、例えば式VIIの化合物を、アルキルリチウム試薬、例えばブチルリチウム及び適切なホウ素化合物、例えばトリメチルボレート、トリブチルボレート又はトリイソプロピルボレートと反応させることにより、インサイチュで形成することができる。この反応は、非プロトン性溶媒、例えばテトラヒドロフラン又はヘキサン中で−78℃〜+20℃の温度で行うことができる。
したがって、本発明の1つの態様において、式Iの化合物(式中、X、P、Q、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R1516、A、m及びnは特記しない限り式Iにおいて定義されるとおりである)の製造方法であって:
【化10】

式VIIIの化合物を、適切な溶媒中で適切なアリール化合物種を用いて脱ハロゲンカップリングして式Iの化合物を得ることからなる方法が提供される。
式Iの化合物の塩酸塩は、式Iの化合物から、0℃〜+25℃の温度で、適切な溶媒、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はジクロロメタン/メタノール混合物中で、塩酸で処理することにより得ることができる。
【実施例】
【0053】
以下に、多くの本発明の化合物の非限定的な実施例を記載する。出発物質は商業的に入手できるか又は文献において既知である。
実施例1
メチル 5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート
ジクロロメタン (12mL)中の5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(0.200g、1.01mmol; Mazeas, D.ら, Heterocycles 1999, 50, 1065-1080に記載される)の溶液を、ジクロロメタン(5mL)中の塩化アルミニウム(0.704g、5.28mmol)の懸濁液に窒素雰囲気下で加えた。得られた混合物を室温で40分間撹拌して、茶色がかった溶液を得た。トリクロロアセチルクロリド(0.56mL、5.0mmol)を加え、そして混合物を室温で17時間撹拌した。メタノール(10mL)を加え、そして溶媒を真空下で蒸発させた。残留物を水性水酸化カリウム(3M、10mL)及びメタノール(5mL)で処理し、そして60℃で1時間15分加熱した。混合物を室温に冷まし、そして水性塩酸(2M)を用いてpHを1〜2に調整した。水相を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして溶媒を蒸発させて褐色の残留物を得た。アセチルクロリド(10mL)を冷メタノール(0℃、20mL)に滴下して加えた。得られた溶液を室温のメタノール(10mL)中の褐色残留物の溶液に加え、そして得られた混合物を還流温度で3時間加熱した。混合物を室温に冷まし、そして溶媒を蒸発させて黄色固体を得た。粗製生成物を、溶離剤として酢酸エチル/ヘプタン混合物(10、20、30、40、50% 酢酸エチル)のグラジエントを用いて、シリカゲルカラム上で精製して、淡桃色固体として表題化合物0.165g(収率64%)を得た:1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ12.80(br s, 1 H), 8.41(s, 2 H), 8.30(d, J = 3.0 Hz, 1 H), 3.83(s, 3 H);13C NMR(DMSO-d6, 75 MHz) δ 163.9, 147.0, 144.1, 134.5, 130.5, 119.6, 113.1, 105.0, 51.1;MS(ES)m/z 255及び257(M++1).
【0054】
実施例2
メチル 5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート
n-ブチルリチウム(4mL、ヘキサン中1.6M、6.4mmol)を、テトラヒドロフラン(20mL)中の1-[(4-ブロモフェニル)スルホニル]-4-メチルピペラジン(0.651g、2.04mmol)及びトリブチルボレート(1.65mL、6.14mmol)の冷溶液(-70℃)に窒素雰囲気下で15分か
けて滴下して加え、そして得られた混合物を-70℃で1時間撹拌した。混合物を室温に温め、そして塩酸水溶液(3.5mL、3M、10.5mmol)を加え、次いで炭酸ナトリウム(2.16g、20.4mmol)を加えた。テトラヒドロフラン(20mL)中のメチル 5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(0.372g、1.46mmol)の懸濁液を加え、次いで [1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリドジクロロメタン付加化合物(0.166g、0.20mmol)を加え、そして得られた混合物を65℃で21時間加熱した。混合物を室温に冷まし、そして溶媒を真空下で蒸発させた。残留物をジクロロメタン/メタノール(1:1、200mL)で希釈し、シリカ(5g)を加え、そして溶媒を蒸発させた。溶離剤としてジクロロメタン/メタノール混合物(1、2、3、4、5、6、8% メタノール、250mL/濃度)のグラジエントを用いて、シリカゲルカラム上で精製し、橙色固体として表題化合物0.52g(収率86%)を得た:1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz) δ 12.72(br s, 1 H), 8.71(d, J = 2.1 Hz, 1 H), 8.58(d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.32(s, 1 H), 8.02(d, J = 8.1 Hz, 2 H), 7.84(d, J = 7.8 Hz, 2 H), 3.86(s, 3 H), 2.94(m, 4 H), 2.38(m, 4 H), 2.14(s, 3 H);MS(ES)m/z 415 (M++1).
実施例3〜4を、実施例2について記載したようにして合成した。
【0055】
実施例3
メチル 5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル}-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート
出発物質:1-{[4-ブロモ-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]スルホニル}-4-メチルピペラジン及びメチル 5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート、収率 70%:1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz) δ 12.77(br s, 1 H), 8.73(d, J = 2.1 Hz, 1 H), 8.59(d, J = 2.1 Hz, 1 H), 8.34(s, 1 H), 8.01(m, 2 H), 7.89(s, 1 H), 3.85(s, 3 H), 3.12(m, 4 H), 2.37(m, 4 H), 2.17(s, 3 H);MS(ES)m/z 499(M++1).
【0056】
実施例4
メチル 5-[4-(モルホリン-4-イルメチル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート
出発物質:4-(4-ブロモベンジル)モルホリン及びメチル 5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート、収率 37%:1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 12.61(s,
1 H), 8.61(d, J = 2.1 Hz, 1 H), 8.47(d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.27(d, J = 2.4 Hz, 1 H), 7.68(d, J = 8.1 Hz, 2 H), 7.44(d, J = 8.1 Hz, 2 H), 3.85(s, 3 H), 3.59(m, 4 H), 3.52(s, 2 H), 2.39(m, 4 H).
【0057】
実施例5
メチル 5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート
t-ブチルリチウム(2.4mL、ヘキサン中1.7M、4.08mmol)を、無水テトラヒドロフラン(10mL)中の1-(4-ブロモベンジル)-4-メチルピペラジン(0.500g、1.86mmol; Organ M. G.ら J. Comb. Chem. 2001, 3, 473に記載される)の冷溶液(-70℃)に、15分間かけて滴下して加え、次いでトリブチルボレート(1.2mL、4.47mmol)を窒素雰囲気下で5分かけて加えた。得られた黄色溶液を-70℃で1時間撹拌し、次いで室温に温めた。塩酸(3mL、3M水溶液)を加え、次いで炭酸ナトリウム(2.0g、18.9mmol)を加えた。10分間撹拌した後、テトラヒドロフラン(15mL)中のメチル 5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(0.331g、1.30mmol)の懸濁液を加え、次いで[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリドジクロロメタン付加化合物(0.147g、0.18mmol)を加え、そして得られた混合物を65℃で17時間撹拌した。混合物を室温に冷まし、そして水酸化カリウム水溶液(1.2mL、3M)を用いてpHを9に調整し、そして追加の[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリドジクロロメタン付加化合物(0.147g、0.18mmol)を加え、そして混合物を65℃で2日間加熱した。溶媒を真空下で蒸発させた。メタノール、ジクロロメタン及びシリカを加え、そして溶媒を蒸発させた。得られた残留物を、溶離剤としてメタノール/ジクロロメタン混合物(2、5、7、10%メタノール及び1% NH3(aq))のグラジエントを用いてシリカゲルカラム上で精製した。表題化合物を単離し、酢酸エチルで洗浄し、濾過し、そして真空下で乾燥させて0.051g (収率11%)を得た:1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 12.59(s, 1 H), 8.61(d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.47(d, J = 2.1 Hz, 1 H), 8.27(s, 1 H), 7.67(d, J = 8.1 Hz, 2 H), 7.42(d, J = 8.1 Hz, 2 H), 3.85(s, 3 H), 3.51(s, 2 H), 2.39(m, 4 H), 2.33(m, 4 H), 2.15(s, 3 H);MS(ES)m/z 365(M++1).
【0058】
実施例6
メチル 5-[4-(ピペリジン-1-イルメチル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート
表題化合物を、実施例5について記載したようにして、1-(4-ブロモベンジル)ピペリジン及びメチル 5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレートを用いて合成した。収率 11%。分取HPLC (カラム:Xterra C8;溶離剤:アセトニトリル中0.05M NH4Ac(aq)(20〜60%アセトニトリル)):1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 8.61(d, J = 2.4 Hz, 1 H), 8.47(d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.27(s, 1 H), 7.66(d, J = 8.1 Hz, 2 H), 7.41(d, J = 8.1 Hz, 2 H), 3.85(s, 3 H), 3.47(s, 2 H), 2.35(m, 4 H), 1.50(m, 4 H), 1.41(m, 2 H);MS(ES)m/z 350(M++1).
【0059】
実施例7
メチル 5-[4-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート
トリイソプロピルボレート(0.39mL、1.7mmol)を、無水テトラヒドロフラン(4mL)中の4-[2-(4-ブロモフェノキシ)エチル]モルホリン(0.163g, 0.57mmol; Lednicer, D.,ら, J. Med. Chem. 1965, 8, 52-57に記載される)の撹拌溶液に加えた。得られた溶液を-70℃に冷却し、そしてn-ブチルリチウム(1.1mL、ヘキサン中1.6M、1.76mmol)を滴下して加えた。混合物を-70℃で1時間撹拌し、そして次いで室温に温めた。塩酸(水溶液 2.85mL、1M、2.85mmol)を加え、そして混合物を2分間撹拌し、次いで炭酸ナトリウム (0.604g、5.7mmol)を加えた。更に2分間撹拌した後、メチル 5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(0.100g、0.4mmol)及び[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリドジクロロメタン付加化合物(0.047g、0.057mmol)を加え、そして得られた混合物を65℃で一晩加熱した。溶媒を蒸発させ、そして残留物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(95:5)を用いてシリカゲルカラム上で精製した。アセトニトリルから再結晶化し、結晶として表題化合物0.048g (収率31%)を得た:
1H NMR(CDCl3, 400 MHz)δ 10.06(m, 1 H), 8.57(m, 2 H), 8.06(s, 1 H),
7.58(m, 2 H), 7.02(m, 2 H), 4.29(m, 2 H), 3.94(s, 3 H), 3.85(m, 4
H), 2.99(m, 2 H), 2.77(m, 4 H).
実施例8〜9は、実施例7について記載したようにして合成した。
【0060】
実施例8
メチル 5-{4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート
出発物質:1-[2-(4-ブロモフェノキシ)エチル]-4-メチルピペラジン(Ide,ら, J. Am. Chem. Soc., 1954, 76, 1122-1125に記載される)及びメチル 5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート、収率 56%:1H NMR(CDCl3, 400 MHz)δ 10.61(br s, 1 H), 8.58(m, 2 H), 8.08(s, 1 H), 7.57(m, 2 H), 7.02(m, 2 H), 4.17(m, 2 H), 3.94(s, 3 H), 2.87(m, 2 H), 2.70(m, 4 H), 2.56(m, 4 H), 2.34(s, 3 H);MS(ES)m/z 395 (M++1).
【0061】
実施例9
メチル 5-[4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート
出発物質:1-[(4-ブロモフェニル)スルホニル]ピペリジン及びメチル 5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート、収率 81%:1H NMR(CDCl3, 400 MHz)δ
8.71(s, 1 H), 8.63(m, 1 H), 8.09(s, 1 H), 7.88(d J = 8.3 Hz, 2 H), 7.80(d, J = 8.3 Hz, 2 H), 3.96(s, 3 H), 3.06(m, 4 H), 1.67(m, 4 H), 1.45(m,
3 H);MS(TSP)m/z 400 (M++1).
【0062】
実施例10
N-(3-メトキシプロピル)-5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
3-メトキシプロピルアミン(0.021g、0.24mmol)を、窒素雰囲気下でベンゼン(5mL)中のメチル 5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(0.047g、0.11mmol)の冷溶液(0℃)に加え、次いでトリメチルアルミニウム(0.3mL、トルエン中2.0M、0.6mmol)を加えた。得られた混合物を2時間還流した。混合物を室温に冷まし、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(10mL)を加え、そして得られた混合物を30分間撹拌した。混合物を水(10mL)で希釈した。水相をクロロホルム/メタノール(95:5、3(10mL)の混合物で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。得られた残留物を分取HPLC(カラム:Xterra C8;溶離剤:アセトニトリル中0.05M NH4Ac(aq)(10〜60%アセトニトリル))により精製し、塩基0.025gを得た。この塩基をクロロホルム(1mL)及びメタノール(0.5mL)中に溶解し、そして塩酸(ジエチルエーテル中1M、0.1mL)を加え、次いで沈殿が生じるまでジエチルエーテルを加えた。固体を濾過により回収し、そして真空下で乾燥させて、淡黄色固体として表題化合物25mg (収率43%)を得た:1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 12.30(s, 1 H), 10.57(m, 1 H), 8.77(d, J = 2.4 Hz, 1 H), 8.68(d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.24(d, J = 3.0 Hz, 1 H), 8.14(m, 1 H), 8.06(d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.89(d, J = 8.4 Hz, 2 H), 3.83(m, 2 H), 3.47(m, 2 H), 3.40(m, 4 H), 3.32(m, 2 H), 3.25(s, 3 H), 2.75(m, 5 H), 1.78(m, 2 H);MS(ES)m/z 472 (M++1).
実施例11〜18は、実施例10について記載したようにして合成した。
【0063】
実施例11
5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-N-ピリジン-3-イル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:3-アミノピリジン及びメチル 5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート、収率 38%:
クロロホルムで抽出した後、大量の生成物がまだ水相中に存在しており、これを凍結乾燥した。合一した残留物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール (2〜14% メタノール)のグラジエントを用いて、シリカゲルカラム上で精製した:1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 12.73(m, 1 H), 11.28(s, 1 H), 10.67(m, 1 H), 9.52(m, 1 H), 8.96(d, J = 2.7 Hz, 1 H), 8.88(d, J = 9.3 Hz, 1 H), 8.83(d, J = 2.1 Hz, 1 H), 8.77(d, J = 2.4 Hz, 1 H), 8.60(d, J = 5.4 Hz, 1 H), 8.09(d, J = 8.5 Hz, 2 H), 8.01(dd, J = 8.6, 5.6 Hz, 1 H), 7.91(d, J = 8.5 Hz, 2 H), 3.84(m, 2 H), 3.47(m, 2 H), 3.17(m, 2 H), 2.75(s, 3 H), 2.74(m, 2 H);MS(ES)m/z 477(M++1).
【0064】
実施例12
N-(2-メトキシエチル)-5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:2-メトキシエチルアミン及びメチル 5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート、収率 58%:1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 12.37(s, 1 H), 11.21(m, 1 H), 8.79(d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.69(d, J = 2.1 Hz, 1 H), 8.31(m, 2 H), 8.05(d, J = 8.1 Hz, 2 H), 7.89(d, J = 8.4 Hz, 2 H), 3.82(m, 2 H), 3.46(m, 6 H), 3.28(s, 3 H), 3.16(m, 2 H), 2.82(m, 2 H), 2.73(m, 3 H);MS(ES)m/z 458 (M++1).
【0065】
実施例13
N-(2-メトキシエチル)-5-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:2-メトキシエチルアミン及びメチル 5-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。還流温度で5時間加熱を続けた。収率 58%:1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 12.37(s, 1 H), 10.67(m, 1 H), 8.74(m, 2 H), 8.29(m, 1 H), 8.23(m, 1H), 8.05(m, 2 H), 7.93(s, 1 H), 3.85(m, 2 H), 3.47(m, 6 H), 3.28 (s, 3 H), 3.11(m, 4 H), 2.78(m, 3 H);MS(ES)m/z 542 (M++1).
【0066】
実施例14
N-(3-メトキシプロピル)-5-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:3-メトキシプロピルアミン及びメチル 5-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。還流温度で6時間加熱を続けた。溶媒を真空下で蒸発させ、そして得られた残留物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール (1〜10% メタノール)のグラジエントを用いてシリカゲルカラム上で精製した。収率 51%:1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 12.37(s, 1 H), 10.65(m, 1 H), 8.73(m, 2 H), 8.25(m, 1 H), 8.15(m, 1 H), 8.05(m, 2 H), 7.93(s, 1 H), 3.86(m, 2 H), 3.50(m, 2 H), 3.40(m, 2 H), 3.32(m, 2 H), 3.25(s, 3 H), 3.09(m, 4 H), 2.79(br s, 3 H), 1.78(5重項, J = 6.6 Hz, 2 H);MS(ES)m/z 556 (M++1).
【0067】
実施例15
5-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-N-ピリジン-3-イル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:3-アミノピリジン及びメチル 5-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。収率 53%。還流温度で5時間加熱を続けた。溶媒を真空下で蒸発させ、そして得られた残留物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(1〜12% メタノール)のグラジエントを用いてシリカゲルカラム上で精製した。収率 53%:1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 12.79(m, 1 H), 11.26(s, 1 H), 10.97(m, 1 H), 9.50(m, 1 H), 8.97(d, J = 2.4 Hz, 1 H), 8.83(m, 3 H), 8.59(d, J = 5.1 Hz, 1 H), 8.02(m, 4 H), 3.87(m, 2 H), 3.48(m, 2 H), 3.12(m, 4 H), 2.78(s, 3 H);MS(ES)m/z 561 (M++1).
【0068】
実施例16
5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-N-[2-(メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:2-(メチルスルホニル)フェニルアミン塩酸塩及びメチル 5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。還流温度で5時間加熱を続けた。溶媒を真空下で蒸発させ、そして得られた残留
物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(1〜10% メタノール)のグラジエントを用いてシリカゲルカラム上で精製した。収率 16%:1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 12.72(m, 1 H), 10.14(s, 1 H), 10.04(m, 1 H), 8.79(m, 2 H), 8.34(d, J = 8.1 Hz, 1 H), 8.29(d, J = 2.7 Hz, 1 H), 8.11(d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.96(m, 1 H), 7.91(d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.78(m, 1 H), 7.43(m, 1 H), 3.84(m, 2 H), 3.48(m, 2 H), 3.33(s, 3 H), 2.77(m, 3 H), 2.67(m, 2 H);MS(ES)m/z 554 (M++1).
【0069】
実施例17
N-(2-メトキシエチル)-5-[4-(モルホリン-4-イルメチル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:2-メトキシエチルアミン及びメチル 5-[4-(モルホリン-4-イルメチル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。溶媒を蒸発させ、そして残留物を、溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(2〜10% メタノール)のグラジエントを用いて、シリカゲルカラム上で精製した。収率 47%:1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 12.22(s, 1 H), 10.82(m, 1 H), 8.71(d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.61(d, J = 2.4 Hz, 1 H), 8.24(d, J = 3.0 Hz, 1 H), 8.17(m, 1 H), 7.83(d, J = 8.1 Hz, 2 H), 7.70(d, J = 8.1 Hz, 2 H), 4.40(m, 2 H), 3.94(m, 4 H), 3.76(m, 2 H), 3.46(m, 4 H), 3.29(s, 3 H), 3.14(m, 2 H).
【0070】
実施例18
N-(3-メトキシプロピル)-5-[4-(ピペリジン-1-イルメチル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:3-メトキシプロピルアミン及びメチル 5-[4-(ピペリジン-1-イルメチル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。収率 21%:MS(ES)m/z 407 (M++1).
【0071】
実施例19
5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル}-N-[2-(メチルスルホニル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
2-(メチルスルホニル)フェニルアミン塩酸塩(0.103g、0.50mmol)及びジイソプロピルエチルアミン (0.17mL、0.98mmol)を、窒素雰囲気下でベンゼン (5mL)中のメチル 5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(0.060g、0.16mmol)の撹拌懸濁液に加え、そして得られた混合物を室温で15分間撹拌した。混合物を冷却し(0℃)、トリメチルアルミニウム (0.8mL、トルエン中2.0M、1.6mmol)を加え、そして黄色溶液を還流温度で5時間加熱した。混合物を室温に冷却し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(5mL)を加え、そして得られた混合物を1時間30分撹拌した。混合物を水 (5mL)で希釈し、そして真空下で濃縮した。残留物を、溶離剤としてメタノール/ジクロロメタン混合物(2〜12% メタノール及び1% NH3(aq))のグラジエントを用いてシリカゲルカラム上で精製し、次いで分取HPLC (カラム:Xterra C8;溶離剤:アセトニトリル中の0.05M NH4Ac(aq)(20〜60%アセトニトリル))により精製し、塩基0.025gを得た。この塩基をクロロホルム(1.5mL)及びメタノール(0.5mL)中に溶解し、そして塩酸(ジエチルエーテル中1M、0.1mL)を加え、次いで沈殿するまでジエチルエーテルを加えた。固体を濾過により回収し、そして真空下で85℃で乾燥させ、表題化合物0.026g(収率28%)を得た:1H NMR(DMSO-d6, 300 MHz)δ 12.62(s, 1 H), 10.12(s, 1 H), 8.69(d, J = 3.0 Hz, 2 H), 8.36(d, J = 8.1 Hz, 1 H), 8.25(d, J = 2.4 Hz, 1 H), 7.96(d, J = 7.5 Hz, 1 H), 7.78(m, 3 H), 7.58(m, 2 H), 7.42(m, 1 H), 3.45(m, 8 H), 3.14(m, 4 H), 2.78(m, 4 H);MS(ES)m/z 504(M++1).
【0072】
実施例20
5-{4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]フェニル}-N-ピリジン-3-イル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
3-アミノピリジン(0.018g、0.19mmol)を、アルゴン雰囲気下でトルエン (4mL)中のメチル 5-{4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(0.025g、0.06mmol)の撹拌溶液に加えた。得られた混合物を0℃で冷却し、そしてトリメチルアルミニウム(0.3mL、トルエン中2M、0.6mmol)を滴下して加えた。混合物を0℃で5分間撹拌し、冷却を止め、そして反応混合物を110℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、そして炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(2mL)を加えた。得られた混合物を30分間撹拌し、次いで水(2mL)で希釈し、そして撹拌を更に40分間続けた。混合物を遠心分離し、溶媒を除去し、得られた残留物をトルエンで洗浄し、混合物を遠心分離し、そしてトルエンを除去した。得られた固体をメタノールで処理し、そして得られた懸濁液を45分間撹拌し、遠心分離し、そしてメタノールを除去した。クロロホルムを加え、そして溶解していない物質を濾過により除いた。溶液を塩酸(ジエチルエーテル中4M)で処理し、得られた沈殿を濾過により除き、そして60℃で真空下で乾燥させて、固体として表題化合物6mg(収率20%)を得た:MS(ES) m/z 457
(M++1).
実施例21〜25は、実施例20について記載したようにして合成した。
【0073】
実施例21
N-(3-メトキシプロピル)-5-[4-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:3-メトキシプロピルアミン及びメチル 5-[4-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。収率 56%:1H NMR(D2O, 400 MHz)δ 8.35(s, 2 H), 7.91(s, 1 H), 7.55(m, 2 H), 7.07(m, 2 H), 4.43(m, 2 H), 4.12(m, 2 H), 3.92(m, 2 H), 3.68(m, 2 H), 3.62(m, 2 H), 3.55(m, 4 H), 3.39(m, 2 H), 3.33(s, 3 H), 1.85(m, 2 H);MS(TSP) m/z 439(M++1).
【0074】
実施例22
N-(3-メトキシプロピル)-5-{4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:3-メトキシプロピルアミン及びメチル 5-{4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。収率 32%:1H NMR(D2O, 400 MHz)δ 8.57(m, 1 H), 8.45(m, 1 H), 7.99(s, 1 H), 7.62(m, 2 H), 7.13(m, 2 H), 4.44(m, 2 H), 3.64(m, 8 H), 3.56(m, 4 H), 3.42(m, 2 H), 3.34(s, 3 H), 3.02(s, 3 H), 1.88(m, 2 H);MS(TSP)m/z 452(M++1).
【0075】
実施例23
N-(3-メトキシフェニル)-5-[4-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:(3-メトキシフェニル)アミン及びメチル 5-[4-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。塩酸塩をジエチルエーテルを用いて摩砕し、そして遠心分離により回収した。収率 34%:1H NMR(DMSO-d6,
400 MHz)δ 12.33(d, J = 2.5 Hz, 1 H), 10.51(m, 1 H), 9.84(s, 1 H), 8.65(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.57(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.49(d, J = 3.0 Hz, 1 H), 7.69(m, 2 H), 7.49(m, 1 H), 7.34(m, 1 H), 7.23(t, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.15(m, 2 H), 6.63(m, 1 H), 4.45(m, 2 H), 3.98(m, 2 H), 3.77(m, 2 H), 3.76(s, 3 H), 3.59(m, 2 H), 3.53(m, 2 H), 3.23(m, 2 H);MS(ES)m/z 473 (M+
+1).
【0076】
実施例24
N-(2-メトキシフェニル)-5-[4-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:(2-メトキシフェニル)アミン及びメチル 5-[4-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。収率 19%:MS(ES)m/z 473 (M++1).
【0077】
実施例25
5-{4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]フェニル}-N-(2-モルホリン-4-イルエチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:4-(2-アミノエチル)モルホリン及びメチル 5-{4-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。収率 17%:1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz)δ 12.24(d, J = 2.5 Hz, 1 H), 11.07(m, 1 H),
8.63(m, 1 H), 8.61(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.53(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.38(d, J = 2.8 Hz, 1 H), 8.31(s, 2 H), 7.66(m, 2 H), 7.14(m, 2 H), 4.45(m, 2 H), 3.97(m, 2 H), 3.85(m, 4 H), 3.70(m, 4 H), 3.31(m, 2 H), 3.16(s, 3 H), 3.13(m, 2 H), 2.82(m, 2 H);MS(ES)m/z 493 (M++1).
【0078】
実施例26
1-(4-ブロモベンジル)ピペリジン
エタノール (100mL)中の4-ブロモベンジル ブロミド(7.49g、30mmol)の溶液に、ピペリジン(3.3mL、33mmol)及び炭酸カリウム(16.5g、119mmol)を加え、そして混合物を還流温度で5時間撹拌した。混合物を濾過し、そして溶媒を真空下で蒸発させた。粗製物質をジエチルエーテルで処理し、そして混合物を濾過した。溶媒を真空下で蒸発させて、黄色油状物質として表題化合物6.57g (収率86%)を得た:1H NMR(CDCl3, 300 MHz)δ 7.41(d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.19(d, J = 8.4 Hz, 2 H), 3.40(s, 2 H), 2.33(m, 4 H), 1.56(m, 4 H), 1.50-1.38(m, 2 H).
【0079】
実施例27
メチル 5-[4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート
表題化合物を実施例7について記載したようにして合成した。出発物質:1-[(4-ブロモフェニル)スルホニル]ピペリジン及びメチル 5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。収率 81%:1H NMR(CDCl3, 400 MHz)δ 8.71(s, 1 H), 8.63(m,
1 H), 8.09(s, 1 H), 7.88(d, J = 8.3 Hz, 2 H), 7.80(d, J = 8.3 Hz, 2 H), 3.96(s, 3 H), 3.06(m, 4 H), 1.67(m, 4 H), 1.45(m, 3 H);MS(TSP)m/z 400
(M++1).
【0080】
実施例28
5-[4-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)フェニル]-N-ピリジン-3-イル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
トリメチルアルミニウム(0.3mL、トルエン中2.0M、0.6mmol)を、ピリジン-3-アミン (0.019g、0.19mmol)及びメチル 5-[4-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(0.025g、0.06mmol)の冷混合物(0℃)に窒素雰囲気下で加えた。得られた混合物を2時間還流した。混合物を室温に冷まし、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2mL)を加え、そして得られた混合物を30分間撹拌した。混合物を遠心分離し、溶媒を除去し、得られた残留物をトルエンで洗浄し、混合物を遠心分離し、そしてトルエンを除去した。得られた固体をメタノールで処理し、そして得られた懸濁液を45分間撹拌し、遠心分離し、そしてメタノール相を蒸発させた。クロロホルムを加え、そして溶解していない物質を濾過により除いた。溶液を塩酸 (ジエチルエーテル中4M)で処理し、得られた沈殿を濾過により除き、そして70℃で真空下で乾燥させて、不純な塩酸塩を得た。塩酸塩を水酸化ナトリウム水溶液(2M)及びジクロロメタンの間に分配し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして溶媒を蒸発させた。得られた塩基を、溶離剤としてメタノールを用いてシリカゲルカラム上で精製し、そして溶媒を蒸発させた。クロロホルムを加え、そして溶液を塩酸 (ジエチルエーテル中4M)で処理し、得られた沈殿を濾過により除き、そして70℃で真空下で乾燥させた。メタノールから再結晶化し、固体として表題化合物1mg(収率3.4%)を得た:MS(ES)m/z 444(M++1).
実施例29〜32は、実施例28について記載したようにして合成した。
【0081】
実施例29
N-[2-(メチルスルホニル)エチル]-5-[4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:2-(メチルスルホニル)エタンアミン及びメチル 5-[4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。メタノール相を蒸発させ、そして溶離剤としてジクロロメタン/メタノール(0〜5% メタノール)のグラジエントを用いてシリカゲルカラム上で精製した。合一した画分を蒸発させ、そして80℃で真空下で乾燥させた。クロロホルムを加え、そして溶液を塩酸(ジエチルエーテル中4M)で処理し、得られた沈殿を濾過により除き、そして80℃で真空下で乾燥させて、固体として表題化合物1.3mg(収率2.4%)を得た:MS(DI/EI)m/z 491(M+
【0082】
実施例30
5-[4-(モルホリン-4-イルメチル)フェニル]-N-[2-(2-チエニル)エチル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:2-(2-チエニル)エタンアミン及びメチル 5-[4-(モルホリン-4-イルメチル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。収率 43%:1H NMR(CD3OD, 400 MHz)δ 9.07(d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.73(d, J = 1.8 Hz, 1 H), 8.20(s, 1 H), 7.91(d. J = 8.3 Hz, 2 H), 7.73(d, J = 8.1 Hz, 2 H), 7.21(dd, J = 4.8, 1.5 Hz, 1 H), 6.94(m, 2 H), 4.47(s, 2 H), 4.08(dd, J = 13.0, 3.2 Hz, 2 H), 3.78(m, 2 H), 3.68(t, J = 7.2 Hz, 2 H), 3.44(d, J = 12.9 Hz, 2 H), 3.27(d, J = 3.3 Hz, 2 H), 3.19(t, J = 7.1 Hz, 2 H).
【0083】
実施例31
N-メチル-5-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:メタンアミン及びメチル 5-[4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート収率33%: 1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz)δ 12.36(d, J = 2.0 Hz, 1 H), 11.00(s, 1 H), 8.76(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.70(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.21(d, J = 2.8 Hz, 1 H), 8.12(d, J = 4.3 Hz, 1 H), 8.04(m, 2 H), 7.93(s, 1 H), 3.86(d, J = 9.5 Hz, 2 H), 3.49(m, 2 H), 3.12(m, 4 H), 2.80(d, J = 4.5 Hz, 3 H), 2.77(s, 3 H).
【0084】
実施例32
N-メチル-5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:メタンアミン及びメチル 5-{4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。収率 43%:1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz)δ 12.30(d, J = 2.0 Hz, 1 H), 10.58(s, 1 H), 8.77(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.68(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.19(d, J = 2.8 Hz, 1 H), 8.09(m, 1 H), 8.06(d, J = 8.3 Hz, 2 H), 7.98(d, J = 8.3 Hz, 2 H), 3.83(d, J = 12.3 Hz, 2 H), 3.48(m, DMSO中の水とオーバーラップ), 3.17(m, 2 H), 2.80(d, J = 3.5 Hz, 3 H), 2.73(m, 5 H).
【0085】
実施例33
5-ブロモ-N-(2-モルホリン-4-イルエチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
トリメチルアルミニウム(1.8mL、トルエン中2.0M、3.9mmol)を、2-モルホリン-4-イルエタンアミン(0.255g、1.96mmol)及びメチル 5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート(0.100g、0.39mmol)の冷混合物(0℃)にアルゴン雰囲気下で加えた。得られた混合物を30分間還流した。混合物を5℃に冷却し、次いでアセトニトリル(4mL)を加え、次いでメタノール(3mL)を加えることにより撹拌下でクエンチした。15分後、混合物を遠心分離し、溶媒を蒸発させた。残留物を、溶離剤としてクロロホルム/メタノール(85:15)を用いてシリカゲルカラム上で精製し、表題化合物90mg (収率65%)を得た:1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz)δ 12.32(br s, 1 H), 8.58(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.34(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.17(s, 1 H), 8.01(t, J = 5.7 Hz, 1 H), 3.58(t, J = 4.7 Hz, 4 H), 3.38(q, J =6.6 Hz, 2 H), 2.46(t, J = 7.1 Hz, 2 H), 2.42(m, 4 H).
実施例34〜36は、実施例33について記載したようにして合成した。
【0086】
実施例34
5-ブロモ-N-[2-(2-チエニル)エチル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
出発物質:2-(2-チエニル)エタンアミン及びメチル 5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。収率 37%:1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz) δ 8.57(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.334(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.25(t, J = 5.6, 1 H), 8.18(s, 1 H), 7.33(dd, J = 5.2, 1.1 Hz, 1 H), 6.96(m, 1 H), 6.92(m, 1 H), 3.50(q, J = 6.7 Hz, 2 H), 3.07(t, J = 7.2 Hz, 2 H).
【0087】
実施例35
5-ブロモ-N-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
出発物質:メタンアミン及びメチル 5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。収率 37%:1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz)δ 12.30(s, 1 H), 8.58(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.34(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.14(s, 1 H), 8.03(d, J = 4.6 Hz, 1 H), 2.78(d, J = 4.6 Hz, 3 H).
【0088】
実施例36
5-ブロモ-N-ペンチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド
出発物質:ペンタン-1-アミン及びメチル 5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキシレート。収率 37%:1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz)δ 12.29(s, 1 H), 8.58(d, J
= 2.3 Hz, 1 H), 8.33(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.19(s, 1 H), 8.04(t, J = 5.7 Hz, 1 H), 3.24(m, 2 H), 1.52(p, J =7.1 Hz, 2 H), 1.31(m, 4 H), 0.88(m, 3 H).
【0089】
実施例37
N-メチル-5-[4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
無水N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中の[4-(ピペリジン-1-イルスルホニル)フェニル]ボロン酸(0.061g、0.23mmol)、5-ブロモ-N-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド、(0.040g、0.16mmol)、水性炭酸ナトリウム(水溶液 0.23mL、2M、0.46mmol)及び[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリドジクロロメタン付加化合物(0.026g、0.032mmol)の混合物を、マイクロ波反応器中で140℃で10分間加熱した。混合物を蒸発させ、そして60℃で真空下で乾燥させた。残留物を、溶離剤としてクロロホルム/メタノール(85:15)を用いてシリカゲルカラム上で精製した。残留物をクロロホルム/メタノール (9:1)中に溶解し、そして溶液を塩酸(ジエチルエーテル中4M) で処理した。得られた沈殿を濾過により除き、そして60℃で真空下で乾燥させ、固体として表題化合物35mg (収率50%)を得た:1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz)δ 12.27(s, 1 H), 8.75(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.66(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.17(d, J = 2.8 Hz, 1 H), 8.06(m, 1 H), 7.99(d, J = 8.3 Hz, 2 H), 7.83(d, J = 8.3 Hz, 2 H), 2.94(t, J = 5.3 Hz, 4 H), 2.80(d, J = 3.5 Hz, 3 H), 1.55(m, 4 H), 1.38(m, 2 H).
実施例38〜41は、実施例37について記載したようにして合成した。
【0090】
実施例38
N-(2-モルホリン-4-イルエチル)-5-(4-モルホリン-4-イルフェニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:(4-モルホリン-4-イルフェニル)ボロン酸及び5-ブロモ-N-(2-モルホリン-4-イルエチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド。収率 30%:塩基についての1H NMR(CDCl3, 400 MHz)δ 9.48(br s, 1 H), 8.59(d, J = 2.0 Hz, 1 H), 8.49(s, 1 H), 7.95(s, 1 H), 7.59(d, J = 8.8 Hz, 2 H), 7.03(d, J = 8.6
Hz, 2 H), 3.91(t, J = 4.8 Hz, 4 H), 3.76(br s, 4 H), 3.65(m, 2 H), 3.24(t, J = 4.9 Hz, 4 H), 2.70(m, 2 H), 2.60 (m, 4 H).
【0091】
実施例39
N-(2-モルホリン-4-イルエチル)-5-[4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)フェニル]-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:[4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)フェニル]ボロン酸及び5-ブロモ-N-(2-モルホリン-4-イルエチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド。収率 47%:1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz)δ 12.33(d, J = 2.5 Hz, 1 H), 10.50(br s, 1 H), 8.71(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.64(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.54(t, J = 5.6 Hz, 1 H), 8.34(d, J = 2.8 Hz, 1 H), 7.78(d, J = 8.3 Hz, 2 H), 7.66(d, J = 8.3 Hz, 2 H), 4.00 (d, J = 11.1 Hz, 2 H), 3.80(t, J = 11.6 Hz, 2 H), 3.70(q, J = 5.8 Hz, 2 H), 3.58(d, J = 12.1 Hz, 2 H), 3.49(m, DMSO中の水とオーバーラップ), 3.34(m, 2 H), 3.16(m, 2 H), 1.87(m, 4 H).
【0092】
実施例40
5-[4-(モルホリン-4-イルカルボニル)フェニル]-N-(2-モルホリン-4-イルエチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:[4-(モルホリン-4-イルカルボニル)フェニル]ボロン酸及び5-ブロモ-N-(2-モルホリン-4-イルエチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド。収率 52%:1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz)δ 12.33(d, J = 2.5 Hz, 1 H), 10.53(br s, 1 H), 8.70(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.63(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.54(t, J = 5.6 Hz, 1 H), 8.34(d, J = 2.8 Hz, 1 H), 7.79(d, J = 8.3 Hz, 2 H), 7.55(d, J = 8.3 Hz, 2 H), 3.99(d, J = 10.9 Hz, 2 H), 3.79(t, J = 11.5 Hz, 2 H), 3.69(m, 2 H), 3.59(m, DMSO中の水とオーバーラップ), 3.33(q, J = 5.9 Hz, 2 H), 3.14(m, 2 H).
【0093】
実施例41
5-[4-(モルホリン-4-イルメチル)フェニル]-N-ペンチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド塩酸塩
出発物質:4-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル]モルホリン及び5-ブロモ-N-ペンチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボキサミド。収率 13%:1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz)δ 12.19(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 10.73(s, 1 H), 8.70(d, J = 2.0 Hz, 1 H), 8.61(d, J = 2.3 Hz, 1 H), 8.20(d, J = 2.8 Hz, 1 H), 8.06(t, J = 5.6 Hz, 1 H), 7.83(d, J = 8.1 Hz, 2 H), 7.70(d, J
= 8.3 Hz, 2 H), 4.40(d, J = 5.0 Hz, 2 H), 3.96(d, J = 12.1 Hz, 2 H), 3.27(m, 4 H), 3.13(m, 2 H), 1.54(p, J = 7.1 Hz, 2 H), 1.32(m, 4 H), 0.89(t,
J = 6.8 Hz, 3 H).
【0094】
医薬組成物
本発明の一態様によれば、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3が関与する身体状態の予防及び/又は治療に使用される遊離塩基又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくはその塩の溶媒和物としての式Iの化合物を含有する医薬組成物が提供される。
【0095】
本組成物は経口投与に適した形態、例えば錠剤であり、注射剤の場合は無菌の液剤又は懸濁剤である。一般に、上記組成物は薬用担体又は希釈剤を使用して慣用の方法で製造することができる。ヒトを含む哺乳動物の治療における式Iの化合物の適切な1日量は経口投与では約0.01〜250mg/kg体重であり、そして非経口投与では約0.001〜250mg/kg体重である。活性成分の典型的な1日量は広い範囲内で変動し、そして関連する兆候、投与経路、患者の年齢、体重及び性別のような様々な因子に応じて決まり、そして医師により決定され得る。
【0096】
式Iの化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物はそのままで使用することができるが、通常は、式Iの化合物/塩/溶媒和物(活性成分)を医薬として許容し得る賦形剤、希釈剤又は担体と一緒に含有する医薬組成物の形態で投与される。投与方法に応じて、医薬組成物は0.05〜99質量%、例えば0.10〜50質量%の活性成分を含有するが、全ての質量百分率は全組成物に基づく。
賦形剤、希釈剤又は担体としては、水、水性ポリエチレングリコール、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖(例えばラクトース)、ペクチン、デキストリン、デンプン、トラガカント、微結晶性セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース又はカカオ脂が挙げられる。
【0097】
本発明の組成物は、錠剤又は注射剤の形態であってよい。錠剤はさらに崩壊剤を含有してもよく、そして/又は被覆されていてもよい(例えば腸溶コーティングで、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなコーティング剤で被覆することができる)。
本発明は、さらに、上述の式Iの化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物を医薬として許容し得る賦形剤、希釈剤又は担体と混合することからなる本発明の医薬組成物の製造方法を提供する。
本発明の医薬組成物の例は、上述の本発明の化合物、又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物及び滅菌水、及び必要ならば最終組成物のpHを約pH5にする水酸化ナトリウム又は塩酸、及び場合により溶解を補助する界面活性剤を含有する注射液剤である。
【0098】
水に溶解した式Iの化合物又はその塩を含有する液剤:
【表1】

【0099】
医学的用途
驚くべきことに、遊離塩基又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物としての本発明で定義された化合物は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK3)を阻害するのに適していることがわかった。したがって、本発明の化合物は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3活性が関与する身体状態の予防及び/又は治療において有用であると考えられ、すなわち本化合物はこのような予防及び/又は治療の必要なヒトを含む哺乳動物でGSK3の阻害効果を引き起こすために使用することができる。
【0100】
GSK3は、中枢及び末梢神経系並びに他の組織で高度に発現する。したがって、本発明の化合物は中枢及び末梢神経系のグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3が関与する身体状態の予防及び/又は治療に適していると考えられる。特に、本発明の化合物は、とりわけ痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭型痴呆パーキンソン型、Guamのパーキンソン痴呆複合、HIV痴呆、神経原線維もつれと関連する疾患及びボクサー痴呆と関連する身体状態の予防及び/又は治療に適していると考えられる。
【0101】
他の身体状態は、筋委縮性側索硬化症、大脳皮質基底核変性症、ダウン症候群、ハンチントン病、脳炎後パーキンソン症候群、進行性核上麻痺、ピック病、ニーマン−ピック病、卒中、頭部外傷及び他の慢性神経変性疾患、双極性疾患、情動障害、うつ病、統合失調症、認知障害、脱毛症、避妊薬適用からなる群より選択される。
さらに、他の身体状態は、前痴呆状態、軽度の認知障害、加齢による記憶障害、加齢による認識力低下、非痴呆性認知障害、軽度の認識力低下、軽度の神経認識力低下、高齢期の健忘症、記憶障害及び認知障害、血管性痴呆、レビー小体痴呆、前頭側頭認知症、及びアンドロゲン性脱毛症、及びI型及びII型糖尿病、糖尿病性神経障害、並びに糖尿病関連障害からなる群より選択される。
本発明の1つの実施態様は、痴呆及びアルツハイマー病の予防及び/又は治療に関する。
【0102】
本発明の別の実施態様は、骨関連障害の予防及び/又は治療に関する。
特定の疾患の治療的又は予防的処置に必要な用量は、必然的に、治療する患者、投与経路及び治療する病気の重篤度に応じて変化する。
本発明は、また、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3が関与する身体状態を予防及び/又は治療するための医薬の製造における上述の式Iの化合物の使用に関する。
本明細書において、特にそれに反する記載がなければ、「治療」なる用語は「予防」もまた包含する。「治療的」及び「治療的に」なる用語は適宜に解釈される。
本発明はまた、治療有効量の上述の式Iの化合物を治療及び/又は予防の必要なヒトを含む哺乳動物に投与することからなる、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3が関与する身体状態を治療及び/又は予防する方法を提供する。
【0103】
非医学的用途
治療用薬剤におけるそれらの使用の他に、遊離塩基又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物若しくは塩の溶媒和物としての式Iの化合物はまた、新規治療剤を探す一環として、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラット及びマウスのような実験動物において、GSK3に関連する活性の阻害効果を評価するためのインビトロ及びインビボ試験系の開発及び標準化における薬理学的ツールとして有用である。
【0104】
薬理試験
シンチレーション近接GSK3βアッセイによるATP競合の測定
GSK3βシンチレーション近接アッセイ
競合実験は、底が透明なマイクロタイタープレート(Wallac社製、フィンランド)において10種の異なる濃度の阻害剤を使用して二連で行なった。1mUの組換えヒトGSK3β(Dundee University、英国)、12mMのモルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)、pH7.0、0.3mMのEDTA、0.01%β−メルカプトエタノール、0.004%Brij35(天然界面活性剤)、0.5%グリセロール及び0.5μgのBSAを含有するアッセイ緩衝液(25μl)にビオチン化ペプチド基質であるビオチン-Ala-Ala-Glu-Glu-Leu-Asp-Ser-Arg-Ala-Gly-Ser(PO3H2)-Pro-Gln-Leu(AstraZeneca、Lund)を1μMの終濃度で加えた。0.04μCiの[γ-33P]ATP(Amersham、英国)及び非標識ATPを1μMの終濃度及び25μlのアッセイ体積で加えて反応を開始した。室温で20分間インキュベートした後、5mMのEDTA、50μMのATP、0.1% Triton X-100及び0.25mgのストレプトアビジン被覆シンチレーション近接アッセイ(SPA)ビーズ(Amersham、英国)を含有する停止溶液25μlを加えることにより各反応を終了させた。6時間後、放射活性を液体シンチレーションカウンター(1450 MicroBeta Trilux、Wallac)で測定した。GraphPad Prism(米国)を使用して、阻害曲線を非線形回帰により分析した。種々の化合物の阻害定数(Ki)を計算するために使用したGSK3βに対するATPのKm値は20μMであった。
【0105】
次の略語を使用した:
MOPS モルホリンプロパンスルホン酸
EDTA エチレンジアミン四酢酸
BSA ウシ血清アルブミン
ATP アデノシントリホスフェート
SPA シンチレーション近接アッセイ
GSK3 グリコーゲンシンターゼキナーゼ3
【0106】
結果
本発明の化合物の典型的なKi値は、約0.001〜約10.000nMの範囲である。他のKi値は約0.001〜約1000nMの範囲である。さらにKi値は約0.001nM〜約300nMの範囲である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離塩基又は医薬として許容し得る塩、溶媒和物又は塩の溶媒和物としての式I:
【化1】

の化合物。
式中、
Pはフェニル、若しくはN、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員へテロ芳香環であり、そして該フェニル若しくは5−又は6−員ヘテロ芳香環は、C、N、O又はSから選択される1又はそれ以上の原子を含有する5−又は6−員の飽和、部分飽和又は不飽和環と場合により縮合していてもよく;
QはC1-6アルキル、C2-6アルケニル又はC2-6アルキニルから独立して選択されるか、又はQは存在せず;
XはN又はOから独立して選択され、そしてXがOである場合、Q及びR4は存在せず;
Rは水素、CN、NO2、OH、NH2、COOH、CONH2、COCH3、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシから独立して選択され;
1はC1-6アルキルC3-6シクロアルキル、OR5、SR5、NR67、CO25、COR5、(SO2)R5、(SO)R5、(SO2)NR67、NR8(SO2)R5、CONR67、NR8COR5、NR8CONR67、NR8CO25、(SO)NR67、NR8(SO)R5、C1-6アルキルOR5、C1-6アルキルSR5、C1-6アルキルNR67、C1-6アルキルCO25、C1-6アルキルCOR5、C1-6アルキル(SO2)R5、C1-6アルキル(SO)R5、C1-6アルキル(SO2)NR67、C1-6アルキルNR8(SO2)R5、C1-6アルキルCONR67、C1-6アルキルNR8COR5、C1-6アルキルNR8CONR67、C1-6アルキルNR8CO25、C1-6アルキル(SO)NR67又はC1-6アルキルNR8(SO)R5から独立して選択され;そして、ここで、該C1-6アルキル基は、1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
2は水素、C1-6アルキル、CN、ニトロ、ハロゲン、OR13、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシから独立して選択され;
3は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル及びC0-6アルキルC3-6シクロアルキルから独立して選択され、ここで、該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル及びC0-6アルキルC3-6シクロアルキル基は、1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
4は水素、ハロゲン、ニトロ、CHO、CN、OC1-6アルキルCN、OR13、OC1-6アルキルOR13、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、NR1314、OC1-6アルキルNR1314、NR13OR14、CO213、OC1-6アルキルCO213、CONR1314、OC1-6アルキルCONR1314、OC1-6アルキルNR13(CO)R14、NR13(CO)R14、O(CO)NR1314、NR13(CO)OR14、NR13(CO)NR1314、O(CO)OR13、O(CO)R13、COR13、OC1-6アルキルCOR13、NR13(CO)(CO)R14、NR13(CO)(CO)NR1314、SR13、(SO2)NR1413、OC1-6アルキルNR13(SO2)R14、NR5(SO2)R13、OC0-6アルキル(SO2)NR1314、(SO)NR1314、OC1-6アルキル(SO)NR1314、SO313、NR5(SO2)NR1314、NR13(SO)R14、OC1-6アルキルNR13(SO)R14、OC0-6アルキルSO213、SO213、SOR13、C3-6シクロアルキル、アリール、N、O又はSから独立して選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員へテロ芳香環、N、O又はSから独立して選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環から独立して選択され、該複素環式基は飽和していても不飽和であってもよく、又はR4は存在しなくてもよく、そして、ここで、任意の該C3-6シクロアルキル、アリール、5−又は6−員ヘテロ芳香環又は5−又は6−員複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換されるか、又はR4は存在しなくてもよく;
5はC3-6シクロアルキル、C1-6アルキルC3-6シクロアルキル、C2-6アルキルNR910、C2-6アルキルOC2-6アルキルNR910、C2-6アルキル(SO2)NR910、C2-6アルキル(SO)NR910、C2-6アルキルNR11(SO)R12、C2-6アルキルNR9(SO2)R10、C2-6アルキル(SO2)C2-6アルキルNR910、C2-6アルキル(SO)C2-6アルキルNR910、C2-6アルキルSC2-6アルキルNR1112、C2-6アルキルCONR910、C2-6アルキルNR9COR10、ヘテロアリール又はC1-6アルキルヘテロアリールから独立して選択され、ここで、任意のC2-6アルキル又はヘテロアリールは1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
6はC2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C1-6アルキルNR910、C1-6アルキルOC1-6アルキルNR910、C0-6アルキル(SO2)NR910、C1-6アルキル(SO)NR910、C1-6アルキルNR11(SO)R12、C1-6アルキルNR9(SO2)R10、C0-6アルキル(SO2)C1-6アルキルNR910、C1-6アルキル(SO)C1-6アルキルNR910、C2-6アルキルSC2-6アルキルNR1112、C1-6アルキルCONR910、C0-6アルキルNR9COR10、C1-6アルキルアリール又はC0-6アルキルヘテロアリールから独立して選択され、ここで、任意のC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C1-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールは1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
7は水素及びC1-6アルキルから独立して選択され;
6及びR7は一緒になってN、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環を形成してもよく、ここで、該複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
8は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキルから独立して選択され;
9はC1-6アルキル−B、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルキルC3-6シクロアルキル、アリール、C1-6アルキルアリール、ヘテロアリール、C1-6アルキルヘテロアリールから独立して選択され、ここで、任意のC3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルキルC3-6シクロアルキル、アリール、C1-6アルキルアリール、ヘテロアリール、C1-6アルキルヘテロアリールは1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
10は水素及びC1-6アルキルから独立して選択され;
9及びR10は一緒になってN、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環を形成してもよく、ここで、該複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
11及びR12は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルキルC3-6シクロアルキル、アリール、C1-6アルキルアリール、ヘテロアリール、C1-6アルキルヘテロアリールから独立して選択され、ここで、任意の
3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルキルC3-6シクロアルキル、アリール、C1-6アルキルアリール、ヘテロアリール、C1-6アルキルヘテロアリールは1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
11及びR12は一緒になってN、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環を形成してもよく、ここで、該複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
13及びR14は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルキルC3-6シクロアルキル、C1-6アルキルNR1516、アリール、C1-6アルキルアリール、ヘテロアリール、C1-6アルキルヘテロアリールから独立して選択され、ここで任意の該C3-6シクロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルキルC3-6シクロアルキル、アリール、C1-6アルキルアリール、ヘテロアリール、C1-6アルキルヘテロアリールは1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
13及びR14は一緒になってN、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環を形成してもよく、ここで、該複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
15及びR16は水素及びC16アルキルから独立して選択され;
15及びR16は一緒になって、N、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環を形成してもよく、ここで該複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換され;
mは1であり;
nは1又は2であり;
Aはハロゲン、ニトロ、オキソ(=O)、CHO、CN、OR15、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR1516、OC1-6アルキルNR1516、CO215、CONR1516、NR15(CO)R16、O(CO)R15、COR15、SR15、(SO2)NR1516、(SO)NR1516、SO315、SO215又はSOR15から選択され;
Bはニトロ、オキソ(=O)、CHO、CN、OR15、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR1516、OC1-6アルキルNR1516、CO215、CONR1516、NR15(CO)R16、O(CO)R15、COR15、SR15、(SO2)NR1516、(SO)NR1516、SO315、SO215又はSOR15である。
【請求項2】
Pがフェニルである請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Rが水素、ハロゲン、C1-6アルキル、トリフルオロメチル及びトリフルオロメトキシから選択される請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
Rが水素及びトリフルオロメトキシから選択される請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
1がNR67、C1-6アルキルNR67、CONR67、(SO2)NR67及びOR5から選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
2が水素である請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
3が水素又はC1-6アルキルである請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
3は水素である請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
4がOR13、NR1314、CN、SOR13、SO213、及びN、O又はSから独立して選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員へテロ芳香環、又はN、O又はSから独立して選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環から独立して選択され、該複素環式基は飽和していても不飽和であってもよく、そして、ここで、該5−又は6−員ヘテロ芳香環又は該5−又は6−員複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
13及びR14は一緒になってN、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環を形成し、ここで、該複素環式環は1又はそれ以上のAにより場合により置換されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
AがC1-6アルキル、OR15及びSO215から選択される請求項9又は10に記載の化合物。
【請求項12】
QはC1-6アルキルであるか又はQは存在しない請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
XがNである請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
Rは水素及びトリフルオロメトキシから選択され;R1はNR67、C1-6アルキルNR67、CONR67、(SO2)NR67及びOR5から選択され;R2及びR3は水素であり;R4はOR13、NR1314、SO213、及びN、O又はSから独立して選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員へテロ芳香環、N、O又はSから独立して選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環(複素環式基は飽和していても不飽和であってもよい)から独立して選択され、そして、ここで、該5−又は6−員ヘテロ芳香環若しくは5−又は6−員複素環式環は、1又はそれ以上のAにより場合により置換され;R13及びR14は水素及びC1-6アルキルから独立して選択され;R13及びR14は一緒になってN、O又はSから選択される1又はそれ以上のヘテロ原子を含有する5−又は6−員複素環式環を形成し、ここで該複素環式環はAから選択される基により場合により置換され;R15はC1-6アルキルであり;QはC1-6アルキルであるか又はQは存在せず;AはC1-6アルキル、SO315又はOR15である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
以下の化合物:
N−(3−メトキシプロピル)−5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−N−ピリジン−3−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(2−メトキシエチル)−5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(2−メトキシエチル)−5−[4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(3−メトキシプロピル)−5−[4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
5−[4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−N−ピリジン−3−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−N−[2−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(2−メトキシエチル)−5−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(3−メトキシプロピル)−5−[4−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}−N−[2−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
5−{4−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−N−ピリジン−3−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(3−メトキシプロピル)−5−[4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(3−メトキシプロピル)−5−{4−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(3−メトキシフェニル)−5−[4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(2−メトキシフェニル)−5−[4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
5−{4−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
5−[4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]−N−ピリジン−3−イル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−[2−(メチルスルホニル)エチル]−5−[4−(ピペリジン−1−イルスルホニル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
5−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−N−[2−(2−チエニル)エチル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−メチル−5−[4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−メチル−5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−メチル−5−[4−(ピペリジン−1−イルスルホニル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−5−(4−モルホリン−4−イルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−5−[4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;
5−[4−(モルホリン−4−イルカルボニル)フェニル]−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩;又は
5−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−N−ペンチル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキサミド塩酸塩。
【請求項16】
以下の化合物:
メチル 5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−[4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]−3−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)メチル]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−[4−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−[4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;
メチル 5−{4−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート;又は
メチル 5−[4−(ピペリジン−1−イルスルホニル)フェニル]−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボキシレート。
【請求項17】
活性成分として治療有効量の請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物を医薬として許容し得る賦形剤、担体又は希釈剤と共に含有する医薬製剤。
【請求項18】
グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3が関与する身体状態の予防及び/又は治療に使用するための請求項17に記載の医薬製剤。
【請求項19】
治療に使用するための請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3が関与する身体状態の予防及び/又は治療のための医薬の製造における、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項21】
痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭型認知症パーキンソン型、Guamのパーキンソン痴呆症候群、HIV痴呆、神経原線維のもつれと関係がある病理及びボクサー痴呆の予防及び/又は治療のための医薬の製造における請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項22】
疾患がアルツハイマー病である請求項21に記載の化合物の使用。
【請求項23】
筋萎縮性側索硬化症、大脳皮質基底核変性症、ダウン症候群、ハンチントン病、脳炎後パーキンソン症候群、進行性核上麻痺、ピック病、ニーマン−ピック病、卒中、頭部外傷及び他の慢性神経変性疾患、双極性疾患、情動障害、うつ病、統合失調症、認知障害、脱毛症及び避妊薬適用の予防及び/又は治療のための医薬の製造における、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項24】
前痴呆状態、軽度の認知障害、加齢に伴う記憶障害、加齢に関連する認識力低下、非痴呆性認知障害、軽度の認識力低下、軽度の神経認識力低下、高齢期の健忘症、記憶障害及び認知障害、血管性痴呆、レビー小体痴呆、前頭側頭認知症及びアンドロゲン性脱毛症及びI型及びII型糖尿病、糖尿病性神経障害及び糖尿病関連障害の予防及び/又は治療のための医薬の製造における、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項25】
骨関連障害の予防及び/又は治療のための医薬の製造における、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項26】
グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3が関与する身体状態の予防及び/又は治療の必要なヒトを含む哺乳動物に、治療有効量の請求項1〜16のいずれか1項に記載の式Iの化合物を投与することからなる、該身体状態を予防及び/又は治療する方法。
【請求項27】
痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭型認知症パーキンソン型、Guamのパーキンソン痴呆症候群、HIV痴呆、神経原線維のもつれと関係がある疾患及びボクサー痴呆の予防及び/又は治療の必要なヒトを含む哺乳動物に、治療有効量の請求項1〜16のいずれか1項に記載の式Iの化合物を投与することからなる、該疾患を予防及び/又は治療する方法。
【請求項28】
疾患はアルツハイマー病である請求項27に記載の方法。
【請求項29】
筋萎縮性側索硬化症、大脳皮質基底核変性症、ダウン症候群、ハンチントン病、脳炎後パーキンソン症候群、進行性核上麻痺、ピック病、ニーマン−ピック病、卒中、頭部外傷及び他の慢性神経変性疾患、双極性疾患、情動障害、うつ病、統合失調症、認知障害、脱毛症及び避妊薬適用の予防及び/又は治療の必要なヒトを含む哺乳動物に、治療有効量の請求項1〜16のいずれか1項に記載の式Iの化合物を投与することからなる、該疾患を予防及び/又は治療する方法。
【請求項30】
前痴呆状態、軽度の認知障害、加齢に伴う記憶障害、加齢に関連する認識力低下、非痴呆性認知障害、軽度の認識力低下、軽度の神経認識力低下、高齢期の健忘症、記憶障害及び認知障害、血管性痴呆、レビー小体痴呆、前頭側頭認知症及びアンドロゲン性脱毛症及びI型及びII型糖尿病、糖尿病性神経障害及び糖尿病関連障害の予防及び/又は治療の必要なヒトを含む哺乳動物に、治療有効量の請求項1〜16のいずれか1項に記載の式Iの化合物を投与することからなる、該疾患を予防及び/又は治療する方法。
【請求項31】
骨関連障害の予防及び/又は治療の必要なヒトを含む哺乳動物に、治療有効量の請求項1〜16のいずれか1項に記載の式Iの化合物を投与することからなる、骨関連障害を予防及び/又は治療する方法。
【請求項32】
式Iの化合物(式中、X、P、Q、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、A、m及びnは特に記載のない限り式Iにおいて定義されるとおりである)の製造方法であって:
【化2】

溶媒なしで又は適切な溶媒を用いて予め形成したアミン、HN(R3)QR4を用いて、場合により塩基又は酸を加えて、式Vの化合物を処理することにより式Vの化合物をアミド化して式Iの化合物を得ることからなる上記方法。
【請求項33】
式Iの化合物(式中、X、P、Q、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R
9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、A、m及びnは特定の記載のない限り式Iにおいて定義されるとおりである)の製造方法であって:
【化3】

式VIIIの化合物を、適切な溶媒中で適切なアリール化合物種を用いて脱ハロゲンカップリングして式Iの化合物を得ることからなる上記方法。

【公表番号】特表2008−503575(P2008−503575A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518004(P2007−518004)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000955
【国際公開番号】WO2006/001754
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】