説明

7−カルボキシ置換ステロイドの製造方法

本発明は、式(I)の7−カルボキシ置換ステロイド化合物の製造方法に関する[式中、Rは、HまたはCORから選択され;Rは、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシであり;Rは、C−Cアルキルであり;Zは、−CH−または式(II)であり、ここでO−CORはα配置にあり;Zは、−CH−であり;あるいはZとZは一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;Qは式(III)である]。これらの中間体は7−カルボキシ置換ステロイド化合物の製造に有用であり、本発明は特に9,11−α−エポキシ−17−α−ヒドロキシ−3−オキソプレグン−4−エン−α−7−21−ジカルボン酸・γ−ラクトン・メチルエステル(エプレレノン;エポキシメクスレノン)を製造するための新規かつ有利な方法に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
一定の7−カルボキシ置換ステロイド、たとえばエプレレノン(eplerenone)は、それらのアルドステロンアンタゴニスト活性について周知であり、したがって循環系の疾患の治療および予防に有用である。USP4,559,332および5,981,744ならびに国際特許出願公開WO98/25948には、エプレレノンおよび関連化合物を製造するための多数の方法が記載されている。しかし、エプレレノンの新しい拡大された臨床用途の出現により、このステロイドおよび他の関連ステロイドの製造のための改良法が求められている。エプレレノンおよび関連ステロイド化合物の効率的な合成に対する主な障害は、C−7位のカルボキシ基の導入である。現在の合成法は、C−7位のカルボキシ基の導入のために、有毒なシアン化物試薬の使用を伴う。
【特許文献1】米国特許第4,559,332号
【特許文献2】米国特許第5,981,744号
【特許文献3】WO98/25948
【0002】
発明の要旨
本発明は、式Iの7−カルボキシ置換ステロイド化合物の製造方法に関する:
【0003】
【化1】

【0004】
(式中:
は、HまたはCORから選択され;
は、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシであり;
は、C−Cアルキルであり;
は、−CH−または
【0005】
【化2】

【0006】
であり、ここでO−CORはα配置にあり;
は、−CH−であり;
あるいはZとZは一緒になって炭素−炭素二重結合を形成し;
Qは、
【0007】
【化3】

【0008】
である。)。
これらの中間体は、7−カルボキシ置換ステロイド化合物の製造に有用であり、本発明は特に9,11−α−エポキシ−17−α−ヒドロキシ−3−オキソプレグン−4−エン−α−7−21−ジカルボン酸・γ−ラクトン・メチルエステル(エプレレノン;エポキシメクスレノン(epoxymexrenone))を製造するための新規かつ有利な方法に関する。本発明の方法におけるの重要な工程は、式IIのステロイド中間体:
【0009】
【化4】

【0010】
[式中:
およびRは、独立してHまたはCORであり;
、Z、RおよびQは、式Iのものと同じである]
と、一酸化炭素とを、アルコール、塩基、およびパラジウム触媒の存在下で反応させて、効率的にC−7にカルボキシル基を挿入し、すなわちC−7位を”カルボニル化”し、式Iのステロイド化合物を得る工程である。
【0011】
本発明の他の中間体は、式IIIAのものである:
【0012】
【化5】

【0013】
式中:
、R、ZおよびZは、式IIのものと同じである
’カルボニル化’反応を利用したこの新規な合成反応経路を発明の態様の記載において詳述する。
【0014】
発明の態様の記載
定義
詳細な記述に際して、下記の定義を用いる。それ自体または置換基の一部としての用語”アルキル”は、別途記載しない限り、直鎖もしくは分枝鎖もしくは環式の炭化水素基、またはその組み合わせを意味する。飽和炭化水素基の例には、例えば下記の基が含まれるが、これらに限定されない:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)エチル、シクロプロピルメチル、たとえばn−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどの同族体および異性体。
【0015】
単独で、または他の用語と組み合わせて(たとえばアリールオキシ、アリールチオキシ、アラルキル)用いる用語”アリール”(Ar)は、別途記載しない限り、芳香族置換基を意味し、これらは単環であるか、または互いに縮合もしくは共有連結した多環(最高三環)であってよい。
【0016】
反応経路の概要
反応経路I〜IVに、本発明方法の例の模式的な流れ図を示す。
【0017】
【化6】

【0018】
【化7】

【0019】
【化8】

【0020】
【化9】

【0021】
反応経路I〜IIIについての出発物質1(3β,7β,11α−トリヒドロキシ−5−アンドロステン−17−オン)は、5−アンドロステン−3β−オール−17−オンをアブシディア・ケルレア(Absidia coerulea)ATCC 6647(アブシディア・オルヒディス(Absidia orchidis)と同義)の10L発酵規模での深部培養により生物変換することによって得ることができる(実施例17参照)。反応経路IVの出発物質は、3β−ヒドロキシアンドロスタ−5,9(11)−ジエン−17−オン(I)をジプロディア・ゴシピナ(Diplodia gossypina)ATCC 20571(ボツリオジプロディア・テオブロメ(Botryodiplodia theobromae)IFO6469と同義)の10L発酵規模での深部培養により3β,7β−ジヒドロキシ−5−アンドロスタ−5,9(11)−ジエン−17−オンに生物変換することによって得ることができる(実施例16参照)。
【0022】
工程I−A、II−E、III−DおよびIV−D: 17−オキソ中間体へのアセチレンの付加
17−オキソ中間体を文献に記載の方法に従ってアセチレンと反応させて、対応する付加化合物を得る(たとえば下記を参照:
【0023】
【化10】

【0024】
所望により、工程I−Aのトリヒドロキシ化合物1を単離せずにトリメチルシリル化してからアセチレンの付加をすることができる。シリル化は、ヘキサメチルジシラザンおよび緩和な酸触媒、たとえばトリメチルシリルクロリドまたはサッカリンにより達成される。アセチレンの付加後、緩和な鉱酸、酢酸、リン酸、フッ化テトラアルキルアンモニウムなどを用いて反応の仕上げ処理をする際に、トリメチルシリル基は除去される。
【0025】
工程I−B、II−A、III−AおよびIV−A: ヒドロキシのアシル化
ヒドロキシ中間体を、当技術分野で周知の方法により第三級有機塩基の存在下にアシル化剤でアシル化する。アシル化剤には、低級アルカン酸無水物、低級アルカン酸クロリド、低級アルキルカルボニルクロリド、低級アルキルカルボン酸無水物などが含まれる。適切な第三級有機塩基には、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジンN−オキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどが含まれる。あるいは、第三級有機塩基の存在下でアルコキシカルボニルオキシベンゾトリアゾールとの反応により、混合カーボネート(RO−CO−O−)の製造を達成できる;公表された方法(Harada, T., et al., J.Carbohydrate Chem., (1995), 14,165)において、反応溶媒としての塩化メチレンの代わりに、極性溶媒、たとえばピリジン、ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルを用いる点を変更したものに従う。
【0026】
工程I−C、II−F、III−EおよびIV−E: アセチレン付加物のヒドロホルミル化
ラクトール中間体の形成は、触媒量のロジウム触媒およびロジウム配位性配位子の存在下に、一酸化炭素および水素でヒドロホルミル化することにより達成される;文献に記載の方法による(Wuts,P.G.M., et al., J.Org.Chem. 1989, 54,5180; Botteghi,C., et al., Tetrahedron, 2001, 57,1631)。この反応は、14〜500psi、好ましくは100〜200psiの圧力で実施される。水素と一酸化炭素の比率は、1/5〜5/1、好ましくは1/1である。適切なロジウム触媒には、酢酸ロジウム、塩化ロジウム、ヒドリドロジウムトリストリフェニルホスフィンおよびジカルボニルアセチルアセトナトロジウムIIが含まれる。適切な配位子には、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスフェート、二座ホスフィン、たとえばキサントホス(xantphos)、二座ホスファイトなどが含まれる。
【0027】
工程I−D、II−G、III−FおよびIV−F: ラクトールからラクトンへの酸化
ラクトールからラクトンへの酸化は、多様な標準酸化試薬により達成できる。適切な酸化剤の例には下記のものが含まれる:ヨードスクシンイミド/ヨウ化テトラブチルアンモニウム(Krays,George A. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (2000), 10(9), 895-897; Barrett,A.G.M., et al., J.Org.Chem. (1989), 54(14), 3221);ジョーンズ試薬(アセトン中のクロム酸)(Panda,J., et al., Tetrahedron Letters, (1999), 40, 6693; Tomioka,K., et al., J.Org.Chem. (1988), 53(17),4094);炭酸銀(Chow,T.J., et al., J.Chem.Soc., Perkin Transactions 1, (1999), 1847);クロロクロム酸ピリジニウム(Uchiyama,M., et al., Tetrahedron Letters, (2000), 41(51), 10013; Vanderiei, J.M.de L., Sythetic Communications (1998), 28(16),3047; Kassou,M., et al., Journal of Organic Chemistry (1997), 62,3696; Rehnberg,N., et al., J. Org. Chem. (1990), 55(14),4340-9);RuO/テトラアルキルアンモニウム塩/第三級アミンN−オキシド(Jeewoo,K., et al., Chem.Lett. (1995), (4),299);2クロム酸ピリジニウム(Paquette.L.A., et al., J.Am.Chem.Soc., (1995), 117(4), 1455-6);次亜塩素酸ナトリウム/第三級アミンN−オキシド(Waldermar,A., et al.,Chem.Rev., (2001), 101,3499);アルミニウムアルコキシド/アセトン(Ooi,T., et al., Synthesis (2002), 279; Djerassi,C., et al., Org.React. (1951), 6,207);トリアセトキシペルヨードインダン(Martin,J.C., et al., J.Am.Chem.Soc., (1991), 113,7277)。
【0028】
工程I−E、II−B、III−BおよびIV−B: C−7位のカルボニル化
ステロイド系△−エン−7−アシレート(式2)のカルボニル化は、アルコール類、塩基、たとえばアミン、パラジウム触媒、および所望により補助溶媒の存在下で一酸化炭素と反応させて式Iのステロイド化合物を得ることにより達成される。一般にパラジウム触媒には、配位パラジウム錯体、たとえば少なくとも1個のPd原子にハライドおよび/または有機配位子が配位したものが含まれる。これらは式II中のC−7−OR基から式Iの望みの−C(O)OR基への変換を促進する。適切なパラジウム触媒には、酢酸パラジウム、アセチルアセトナトパラジウム(II)、パラジウム(0)ビス(ジベンジリデンアセトン)(Pd(dba))、パラジウム1,3−ジフェニルホスフィノプロパンジブロミド、(Pd(dppp)Br)、ジメチル−2−(ジメチルホスフィノ)エチルホスフィンパラジウム、およびビストリフェニルホスフィンパラジウムジブロミド(Pd(PhP)Brが含まれるが、これらに限定されない。適切な塩基には、N−メチルモルホリン(NMM)、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)などが含まれるが、これらに限定されない。アルコールの例には、ベンジルアルコールまたは式C−Cアルキル−OHの化合物、たとえばメタノール、エタノール、2−ブタノールおよびイソプロパノールが含まれるが、これらに限定されない。適切なアルコール類の他の例には、−OH官能基を含み、COと一緒にステロイドC−7位に望みのエステルを形成するいかなる反応体も含めることができる。たとえばアルコール類は第一級または第二級炭化水素反応体であってよい。反応はアルコール中で約20〜約150℃の温度および約500 〜約2000psi(約3,447k〜13,790kPa)のCO圧力において約5〜約24時間で実施できる。たとえば本発明の化合物は、50〜90℃、たとえば70〜80℃の温度、および800〜1500psi(約5,516k〜10,342kPa)、たとえば1200〜1400psi(約8,274k〜9,653kPa)のCO圧力を用い、メタノール中、10〜12時間で製造できる。反応混合物は、所望により臭化物、たとえば臭化リチウムを含有する。多様な条件下でのカルボニル化の結果を表1にまとめる。これから分かるように、生成物の収率は条件に依存する。この反応の具体的な条件を実施例中に示す。
【0029】
【表1】

【0030】
すべての反応は、70〜80℃および一酸化炭素1200〜1400psiで、メタノール中において10〜12時間で実施した;
DMPE=ジメチル−2−(ジメチルホスフィノ)エチルホスフィン;DIPEA=ジイソプロピルエチルアミン;NMM=N−メチルモルホリン;IPA=イソプロピルアルコール;Pd(dppp)Br=ビスジフェニルホスフィノプロパンパラジウムジブロミド;Pd(dba)−CHCl=パラジウム(0)ビス(ジベンジリデンアセトン)。
【0031】
工程I−F、I−H、II−D、III−CおよびIV−C: アシル基の加水分解
3および/または11アシルヒドロキシ中間体の加水分解は、アルカリ土類水酸化物、炭酸水素塩または炭酸塩、たとえば水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化セシウム、炭酸水素リチウムなどにより、溶媒としてのメタノールを所望により補助溶媒と共に用いて達成される。カーボネートは、ヨウ化トリメチルシリルまたは臭化トリメチルシリルなどの試薬を用い、予め調製した試薬またはその場で生成させた試薬により、アセトニトリルまたは塩化メチレンなどの溶媒中で加水分解することもできる。
【0032】
工程I−G、II−F、III−FおよびIV−F: 3−ヒドロキシ−△−エン中間体の酸化
3−ヒドロキシ−△−エン中間体7から△−エンオン8への酸化は、工程I−Cに記載した試薬により達成される。
【0033】
工程I−G、II−F、III−FおよびIV−Fの酸化により非共役5−6二重結合が生じる場合、熱力学的により安定なC4−5位への二重結合の移動は、8などの中間体を不活性有機溶媒または水性溶媒混合物中、0〜80℃の温度で有機酸または無機酸と接触させることにより達成される。適切な有機酸にはトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、トリクロロ酢酸などが含まれるが、これらに限定されない。適切な無機酸には塩酸、臭化水素酸、リン酸、過塩素酸などが含まれるが、これらに限定されない。また、触媒は第三級有機塩基、たとえばトリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)など、または無機塩基、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどであってもよい。二重結合の移動は、(Bakshi, et al., USP5,237,064;Pollack, et al., J.Am. Chem. Soc., 1987, 109,5048; Tsubuki, et al. J.Org.Chem., 1992, 57, 2930; Zeng, et al., J.Am. Chem. Soc., 1991, 113,3838)に記載されている。
【0034】
工程I−H
8の加水分解は、工程I−Fに示した方法により達成される。
工程I−IおよびI−J
既知の中間体9から10(エプレレノン)への変換は、USP4,559,332および5,981,744に記載されている。
【実施例】
【0035】
実施例1
17−オキソ中間体へのアセチレン付加:
【0036】
【化11】

【0037】
ヘキサメチルジシラザン(HMDS)(100ml)を、塩化メチレン400ml中における50.0gのトリオールの撹拌スラリーに添加する。サッカリン(0.57g)を添加し、混合物を3時間、加熱還流すると、その間にスラリーは徐々に溶解して透明な黄褐色溶液になる。水(5ml)を添加して、過剰のHMDSをクエンチングする。5分間の還流後、混合物を、350mlの粗いフリットフィルターろうと上のCHCl湿潤した32.6gのマグネソール(magnesol)層を通して濾過する。濾液は透明でほとんど無色でなければならない。フィルターケークを100mlのCHClで2回洗浄する。濾液を合わせて減圧濃縮し、テトラヒドロフラン(THF)500mlずつと共に2回蒸発させることにより残留塩化メチレンを除去し、それぞれの添加後に濃縮乾固して、白色固体を得る。
【0038】
カリウムt−ブトキシド(42.0g)の、THF 500ml中における懸濁液を、氷/メタノール浴で−9±5℃に冷却する。中程度に撹拌しながら少なくとも1時間、混合物の表面直下にアセチレンを吹き込む。反応温度を0±5℃に維持しながら、THF(400ml)中の前記で得たシリル化ステロイド中間体を30分間かけて添加する。添加後、混合物を5±5℃でさらに1時間撹拌する。水(100ml)をゆっくり添加して、反応混合物を15±5℃にする。125mlの10%HClをゆっくり添加して、pHを2.5〜3に低下させる。pHを2.5〜3に維持するために必要に応じて少量の5%HClを添加しながら、pH2.5〜3、20±5℃で1〜2時間、混合物を撹拌する。加水分解が終了した時点で、半飽和NaHCO溶液を添加してpHを5.5〜6にする。混合物を酢酸エチル(500ml)で希釈し、相を分離する。水相を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル相を合わせて水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、付加生成物を得る。
【0039】
【化12】

【0040】
実施例2
ヒドロキシのアセチル化
【0041】
【化13】

【0042】
ピリジン(150ml)に溶解したテトラオール(50.00g,144mmol)の混合物を、氷浴内で10℃より低く冷却する。ジメチルアミノピリジン(DMAP)(1.7g,14mmol)を添加し、続いて溶液の温度を10℃未満に維持する速度で無水酢酸(41.4ml,439mmol)をゆっくり添加する。添加後、反応混合物を室温に温める。混合物を酢酸エチル(75ml)および水(50ml)で希釈し、5分間撹拌し、層を分離する。有機層を10%HCl(25ml,4回)、続いて水(50ml,2回)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。生成物をトルエン(100ml)から再結晶する。
【0043】
【化14】

【0044】
実施例3
アセチレン付加物のヒドロホルミル化
【0045】
【化15】

【0046】
トリアセテート(25.4g,54mmol)、PPh(2.13g,8.1mmol)およびRh(OAc)(716mg,1.62mmol)の、酢酸エチル(200ml)中における溶液を、水素/一酸化炭素の1/1混合物の下で170psi(約1,272kPa)の圧力で12時間、80℃で加熱する。混合物を減圧濃縮し、生成物をカラムクロマトグラフィー(70/30 EtOAc/Hex、および500gのシリカ)により精製する。ラクトール異性体のためNMRスペクトルの質が良くないので、一般に粗生成物を特性解析しなかった。それをそのまま酸化に用いた。
【0047】
実施例4A
ラクトールからラクトンへの酸化
【0048】
【化16】

【0049】
ラクトール4a(25g,50mmol)、塩化メチレン(250ml)、水(38ml)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)(156mg,1mmol)、KBr(595mg,5mmol)、およびNaHCO(5.5g,65mmol)の混合物を、氷浴内で10℃以下に冷却する。1.1M次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)溶液(50ml,55mmol)をゆっくり添加する。混合物を室温に温め、水(50ml)で希釈する。層を分離し、有機層をブライン(50ml,2回)で洗浄する。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過および濃縮して、5aを灰白色泡状物として得る。
【0050】
【化17】

【0051】
実施例4B
ラクトールからラクトンへの酸化
【0052】
【化18】

【0053】
ラクトール4b(1.0g)の、CHCl 25mlおよびHO 9ml中における溶液を、300mgのNaHCO、142mgのKBr、15mgのTEMPOで処理し、5℃に冷却した。次いで2.4mlのNaOClをゆっくり添加した。反応終了時に、生成物をEtOAcで単離し、EtOAc/Hexから結晶化して、876mgのラクトン5bを得た。
【0054】
【化19】

【0055】
実施例5
C−7位のカルボニル化
【0056】
【化20】

【0057】
メタノール20ml中のトリアセテート(2.0g)、Pd(dppp)Br(126mg)、ジイソプロピルアミン(0.78mL)、EtNBr(260mg)、NaBr(1.09g)を、COで1200psi(約8,274kPa)に加圧し、次いで65℃で12時間加熱した。溶液を冷却および濃縮し、残留物をシリカゲル上で40〜75%酢酸エチル/ヘキサンによりクロマトグラフィー処理して、メチルエステルを得る。
【0058】
【化21】

【0059】
実施例6
C−3位におけるアシル基の加水分解
【0060】
【化22】

【0061】
メタノール中の0.15N炭酸カリウム(50ml)中におけるジアセチルエステル(5.01g)の溶液を、室温で撹拌し、反応をTLCによりモニターする。出発物質がもはや検出されなくなり、混合物を水(200ml)で希釈し、酢酸エチル(200ml,3回)で抽出する。抽出液を合わせて水(100ml)、ブライン(100ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮乾固する。残留物をシリカゲル上で酢酸エチル/ヘキサンによりクロマトグラフィー処理して、3−ヒドロキシ化合物を得る。
【0062】
【化23】

【0063】
実施例7
3−ヒドロキシステロイドの酸化
【0064】
【化24】

【0065】
ジオール(300mg,0.72mmol)、14mgのKBr、130mgのNaHCO、4mgのTEMPOの、CHCl 6mLおよびHO 2mL中における溶液を、18℃に冷却し、0.73mL(1.1M)のNaOClでゆっくり処理した。TLCが反応終了を示した時点で、NaHSOを添加して過剰の次亜塩素酸塩を失活させた。生成物をEtOAcで単離し、EtOAcから結晶化して、230mgの脱共役エノンを得た。
【0066】
【化25】

【0067】
EtOAc溶液中で放置すると、二重結合がゆっくりと共役位置に異性化した。
実施例8
トリカーボネートの製造
【0068】
【化26】

【0069】
9.97gのテトロールの、ピリジン80mLおよびトリエチルアミン15mL中における溶液を、33.6gのN−メトキシカルボニルオキシベンゾトリアゾールおよび360mgのDMAPにより室温で一夜処理する。混合物を水(150ml)で希釈し、生成した沈殿を濾過し、乾燥させる。酢酸エチル−メタノールから再結晶してトリカーボネートを得る。TLC(100%EtOAc)rf=0.94。
【0070】
実施例9
トリカーボネートのヒドロホルミル化
【0071】
【化27】

【0072】
9.95gの、18mgのRh(OAc)および430mgのトリフェニルホスフィンの、酢酸エチル100mL中における溶液を、一酸化炭素/水素(1:1)で190psi(約1,310kPa)に加圧し、80℃で一夜加熱する。反応混合物を温時濾過する。冷却すると生成物が結晶化し、これを濾過により採集する。TLC(75%EtOAc/Hex)rf=0.96。
【0073】
実施例10
トリカーボネートのカルボニル化
【0074】
【化28】

【0075】
トリカーボネート18(20.00g)、ジイソプロピルエチルアミン(7.1ml)、Pd(dppp)Br(582mg)の、MeOH(300ml)中における混合物を、COで加圧し(1200psi、約8,274kPa)、70℃で18時間加熱する。冷却した反応混合物をマグネソールで濾過し、濃縮する。残留物を酢酸エチルに溶解し、水(2回)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過および濃縮する。残留物をメタノールから再結晶して19を得る。
【0076】
【化29】

【0077】
実施例11
ジカーボネートのカルボニル化
【0078】
【化30】

【0079】
EtOH(10ml)中のジカーボネート25(521mg,1.25mmol)、ジイソプロピルアミン(.219ml,1.25mmol)、BrPd(PPh(18mg,.063mmol)およびNaBr(26mg,.25mmol)を、1300psi(約8,963kPa)の一酸化炭素下で80℃に12時間加熱した。冷却した反応混合物を濃縮し、50/50 EtOAc/ヘキサンおよびシリカゲル100gを用いてクロマトグラフィー処理して、エステル14を得た。
【0080】
【化31】

【0081】
実施例12
ジカーボネートの製造
【0082】
【化32】

【0083】
トリオール(2.0g)の、ピリジン5mL中における溶液を、0℃に冷却し、CHCl 5mL中におけるクロロギ酸メチル(3.4mL)の溶液で処理する。混合物をゆっくりと室温に温め、次いで水およびCHClのそれぞれ50mlを添加する。相を分離し、水相を20mLのCHClで3回抽出する。有機層を合わせて20mLの水で洗浄し、濃縮する。50%EtOAc/Hexによりシリカゲルクロマトグラフィー処理して、ジカーボネート12を得る。
【0084】
【化33】

【0085】
実施例13
カーボネートの加水分解
【0086】
【化34】

【0087】
MeOH(10mL)中のジカーボネート18(0.86g)および炭酸カリウム(1.49g)を、室温で12時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチル(50ml)で希釈し、水(50ml,2回)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮すると無色透明の油になる。加水分解すると、C7エステルが異性化する。このカーボネートをさらにシリカゲル上、30%アセトン/CHClで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製して、19をC7位におけるαおよびβ異性体の混合物として得る。HPLC:Phenomenex Nucleosil C18,65:35 ACN:HO,t=4.17分,t=4.60分。
【0088】
実施例14
3−ヒドロキシ−△−エンの酸化
【0089】
【化35】

【0090】
アルコール(6.0g)、CHCl(40mL)、水(9.0mL)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)(38mg)、KBr(142mg)、および炭酸水素ナトリウム(4.0g)の混合物を、5℃に冷却する。この混合物に14.1mlの1.1M NaOClをゆっくりと添加する。添加後、混合物をさらに1時間撹拌し、希HClで酸性にする。生成物をCHClで単離する。
【0091】
【化36】

【0092】
実施例15
11−ヒドロキシ中間体の脱水
【0093】
【化37】

【0094】
PCl(1.08g)を、THF中の上記アルコールの溶液に−51℃で添加すると、温度が−48℃に上昇した。2時間後、混合物をNaHCO水に注入し、EtOAcで抽出し、濃縮した。この物質をシリカゲル上、EtOAc/ヘキサンによりクロマトグラフィー処理して、ジエン25を得る。
【0095】
【化38】

【0096】
実施例16:3β−ヒドロキシアンドロスタ−5,9(11)−ジエン−17−オンから3β,7β−ジヒドロキシ−5−アンドロスタ−5,9(11)−ジエン−17−オンへの生物変換
3β−ヒドロキシアンドロスタ−5,9(11)−ジエン−17−オン(I)から3β,7β−ジヒドロキシアンドロスタ−5,9(11)−ジエン−17−オンへの生物変換を、ジプロディア・ゴシピナ(Diplodia gossypina)ATCC 20571(ボツリオジプロディア・テオブロメ(Botryodiplodia theobromae)IFO 6469と同義)の10L発酵規模での深部培養を用いて実施する。
【0097】
(A)一次接種段階
凍結したジプロディア・ゴシピナ(ATCC 20571)栄養期細胞を解凍し、バレイショ−デキストロース−寒天平板(PDA)に移植し、28℃で72時間インキュベートする。単一菌糸プラグ(直径6〜7mm)を用いて、一次接種培地100mLを含有するシリコーン処理スティップルド(stippled)振とうフラスコに接種する。一次接種培地は下記よりなる(リットル当たり):デキストリン50g;大豆粉35g;セレロース(cerelose)5g;塩化コバルト・6水和物2mg;シリコーン系消泡剤(SAG 471)0.5mL。水酸化ナトリウム(2N)により殺菌前pHを7.0〜7.2に調整する。発酵培地を殺菌し、ジプロディア・ゴシピナATCC 20571を接種し、280rpmに設定した制御環境インキュベーター−振とう器(1”軌道運動)を用いて28°で48時間インキュベートする。
【0098】
(B)二次接種段階
10Lの二次接種発酵培地に栄養一次接種培養物(1.2mL;0.012%(v/v)の接種率)を接種する。二次接種培地は下記を含有する(RO水のリットル当たり):セレロース60g;大豆粉25g;大豆油30mL;マグネシウム・7水和物1g;リン酸二水素カリウム0.74g;モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン2mL;シリコーン系消泡剤(SAG 471)0.5mL。濃硫酸により殺菌前pHを3.95〜4.00に調整する。二次接種培地を含有する発酵槽を121°で20分間、ジャケットと注入スチームの両方を用いて殺菌する。殺菌中の撹拌速度は200RPMである。殺菌後、無菌硫酸(5%)を用いて培地pHを4.0に調整する。ジプロディア・ゴシピナATCC 20571を28°で下記の初期パラメーターを用いてインキュベートする:撹拌、100RPM;逆圧=5psig(約34kPaゲージ);空気流=2.5SLM(0.25VVM);低DO設定点30%;pH制御なし。DOが最初に30%に低下した時、空気流を5SLM(0.5VVM)に高める。培養物が再び低DOに達した場合、撹拌制御を用いて30%のDOを維持する。接種後、約60時間で二次接種培養物を収穫する。この時点でOURは約10〜約15mM/L/時である。
【0099】
(C)ステロイドの生物変換
10Lのステロイド生物変換培養物を調製する。接種後、約24時間目に、微紛化した3β−ヒドロキシアンドロスタ−5,9(11)−ジエン−17−オン120gを最小容量のモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(0.2%)中に懸濁したものを10Lの発酵物に添加する。
【0100】
生物変換培養物を3β,7β−ジヒドロキシ−5−アンドロスタ−5,9(11)−ジエン−17−オンについて毎日ベースでアッセイする。3β−ヒドロキシアンドロスタ−5,9(11)−ジエン−17−オンから3β,7β−ヒドロキシアンドロスタ−5,9(11)−ジエン−17−オンへの生物変換は、接種後、約3日間で完了する。
【0101】
実施例17:5−アンドロステン−3β−オール−17−オンから5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンへの生物変換
5−アンドロステン−3β−オール−17−オンから5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンへの生物変換を、アブシディア・ケルレア(Absidia coerulea)ATCC 6647(アブシディア・オルヒディス(Absidia orchidis)と同義)の10L発酵規模での深部培養を用いて実施する。
【0102】
(A)一次接種段階
実施例16中でジプロディア・ゴシピナATCC 20571について記載したように、アブシディア・ケルレアATCC 6647の一次接種培養物を調製する。
【0103】
(B)二次接種段階
10Lの二次接種発酵培地に休止期一次接種培養物1.2mL(0.012%[v/v]の接種率)を接種する。二次接種培地は下記を含有する(RO水のリットル当たり):デキストリン50g;大豆粉35g;セレロース5g;塩化コバルト・6水和物2mg;シリコーン系消泡剤(SAG 471)0.5mL;濃硫酸により殺菌前pHを4.95〜5.00に調整する。二次接種培地を含有する発酵槽を121°で20分間、ジャケットと注入スチームの両方を用いて殺菌する。殺菌中の撹拌速度は200rpmである。殺菌後、殺菌硫酸(5%)を用いて培地pHを5.0に調整する。アブシディア・ケルレアATCC 6647を28℃で下記の初期パラメーターを用いてインキュベートする:撹拌、100rpm;逆圧=5psig(約34kPaゲージ);空気流=2.5SLM(0.25VVM);低DO設定点50%;pH制御なし。DOが最初に30%に低下した時、空気流を5SLM(0.5VVM)に高める。培養物が再び低DOに達した場合、撹拌制御を用いて30%のDOを維持する。接種後、約76時間で二次接種培養物を収穫する。この時点でOURは約4〜約7mM/L/時である。
【0104】
(C)ステロイドの生物変換
10Lのステロイド生物変換発酵培地に、栄養二次接種培養物500mL(5%[v/v]の接種率)を接種する。ステロイド生物変換培地は下記を含有する(RO水のリットル当たり):デキストリン50g;大豆粉35g;セレロース20g;シリコーン系消泡剤(SAG 471)0.5mL。濃硫酸により殺菌前pHを2.95〜3.00に調整する。殺菌条件は二次接種培地について記載したものと同様である。殺菌後、殺菌硫酸(5%)を用いた培地pHを3.0に調整する。アブシディア・ケルレアATCC 6647を28°で、二次接種培養に用いたものと同じ初期パラメーターを用いてインキュベートする。接種後、約17時間目に、200gの微紛化した5−アンドロステン−3β−オール−17−オンを最小容量の0.2%オクチルフェノキシポリエトキシエタノールに懸濁したものを10Lの発酵培養物に添加する。
【0105】
生物変換培養物を5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンについてTLCを用いて毎日ベースでアッセイする。1mlの未加工のビールを10mLのメタノールで抽出する。細胞を水−メタノール混合物から遠心により分離し(3,000×gで10分間)、数μLをTLCプレートに付す。TLCプレートをシクロヘキサン:酢酸エチル:メタノール(90:60:15)中で展開し、TLCに50%硫酸を噴霧し、続いてオーブン内で炭化させることにより、生成物を視覚化する。50%硫酸を噴霧すると青色に変化する信頼できる標準品と生成物を比較する。5−アンドロステン−3β−オール−17−オンから5−アンドロステン−3β,7β−ジオール−17−オンへの生物変換は、接種後、約4日間で完了する。
【0106】
5−アンドロステン−3β−オール−17−オンから5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンへの生物変換は、接種後、約6〜7日間で完了する。
(D)単離操作
未加工ビール固形分を遠心分離により回収する。液体を廃棄する。濃厚な(rich)固体を10Lの85%アセトン−15%水を用いて45〜50℃で抽出し、温抽出液を濾過により透明にする。蒸留によりアセトンを除去して濃厚な濾液を濃縮すると、粗製結晶の水性スラリーが得られる。この結晶スラリーを濾過し、母液を廃棄する。水−湿潤結晶を600mlの塩化メチレンで摩砕処理して不純物を除去し、700mlのメタノールに溶解し(55℃に加熱することにより)、次いで5gのDarco G-60カーボンで脱色する。濾過してカーボンを除去した後、濾液を濃縮して生成物を結晶化する。300mLの酢酸n−ブチルを添加して濃縮することによりメタノールをさらに除去し、濃厚な結晶スラリーにする。結晶を濾過し、酢酸n−ブチルで洗浄し、乾燥させて、75.5gの粗製結晶質5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンを得る。
【0107】
この粗製結晶を600mlの塩化メチレンで摩砕処理してさらに不純物を除去し、700mlのメタノールに溶解し(55℃に加熱することにより)、次いで5gのDarco G-60カーボンで脱色する。濾過してカーボンを除去した後、濾液を濃縮して生成物を結晶化する。300mLの酢酸n−ブチルを添加して濃縮することによりメタノールをさらに除去し、濃厚な結晶スラリーにする。結晶を濾過し、酢酸n−ブチルで洗浄し、乾燥させて、42.1gの精製した結晶質5−アンドロステン−3β,7β,11α−トリオール−17−オンを得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】

[式中:
は、HまたはCORから選択され;
は、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシであり;
は、C−Cアルキルであり;
は、−CH−または
【化2】

であり、ここでO−CORはα配置にあり;
は、−CH−であり;
あるいはZとZは一緒になって二重結合を形成し;
Qは、
【化3】

である]。
【請求項2】
がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式Iの7−カルボキシ置換ステロイドの製造方法であって:
【化4】

[式中:
は、独立してHまたはC(O)Rから選択され;
は、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシであり;
は、C−Cアルキルであり;
は、−CH−または
【化5】

であり、ここでORはα配置にあり;
は、−CH−であり;
あるいはZとZは一緒になって二重結合を形成し;
Qは、
【化6】

である]、
式IIのステロイド中間体:
【化7】

[式中:
およびRは、独立してHまたはC(O)Rから選択され;
、ZおよびQは、式Iのものと同じである]
と一酸化炭素とを、アルコール類、アミン、およびパラジウム触媒の存在下で反応させることを含む方法。
【請求項4】
アルコールがC−Cアルキル−OHまたはベンジルアルコールである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
アルコールがメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、イソプロパノール、またはベンジルアルコールから選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
アルコールがメタノール、プロパノール、ブタノール、またはエタノールである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
アルコールがメタノールである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
一酸化炭素の圧力が約500〜約2000psiである、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
一酸化炭素の圧力が約800〜約1500psiである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
一酸化炭素の圧力が約1200〜約1400psiである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
パラジウム触媒が、酢酸パラジウム、アセチルアセトナトパラジウム(II)、パラジウム(0)ビス(ジベンジリデンアセトン)(Pd(dba))、パラジウム1,3−ジフェニルホスフィノプロパンジブロミド、(Pd(dppp)Br)、ジメチル−2−(ジメチルホスフィノ)エチルホスフィンパラジウム、およびビストリフェニルホスフィンパラジウムジブロミド(Pd(PhP)Brから選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
パラジウム触媒がPd(dba)、BrPd(PPh、(dppe)PdBr、Pd(OAc)から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
パラジウム触媒がBrPd(PPhである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
パラジウム触媒がPd(dba)である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
さらに臭化物を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
アミンが第三級アミンである、請求項3に記載の方法。
【請求項17】
塩基がN−メチルモルホリン、トリエチルアミン、およびジイソプロピルエチルアミンから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
反応が約20〜約150℃の温度で実施される、請求項3に記載の方法。
【請求項19】
反応が約70〜約80℃の温度で実施される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
a)式IIIの17−ケトステロイド:
【化8】

とトリメチルシリルクロリド、ヘキサメチルジシラザンを、サッカリンの存在下で反応させて、シリル化17−ケトステロイドを形成し;
b)工程a)で形成されたシリル化17−ケトステロイドとアセチレンを、適切な塩基の存在下で反応させ;
c)工程b)の生成物を酸またはフッ化物イオンの存在下で単離して、式IVの17−アセチレン系アルコール:
【化9】

を得る工程をさらに含む、エプレレノンを製造するための請求項3に記載の方法。
【請求項21】
式IVの17−アセチレン系トリアルコールとアシル化剤とを、塩基の存在下で反応させて、式Vのトリアシル化合物:
【化10】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−、C−Cアルキル−OCO−またはフェニル−CHO−CO−である)を得ることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
式Vのトリアシル化合物と一酸化炭素とを、ロジウム触媒および水素および一酸化炭素の存在下で反応させて、式VIの17−ラクトール:
【化11】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−、C−Cアルキル−OCO−またはフェニル−CHO−CO−である)を得ることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
式VIのラクトールを酸化して、式VIIのラクトン:
【化12】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−、C−Cアルキル−OCO−またはフェニル−CHO−CO−である)にすることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
式VIIのラクトンと一酸化炭素とを、メタノール、第三級有機塩基およびパラジウム触媒の存在下に、500〜1500psiの圧力および25〜150℃の温度で反応させて、式VIIIのエステルジアシル化合物:
【化13】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−、C−Cアルキル−OCO−またはフェニル−CHO−CO−である)を得ることをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
式VIIIのアシル化合物をメタノールまたは水性溶媒および塩基の存在下で加水分解して、式IXの3−アルコール:
【化14】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−、C−Cアルキル−OCO−またはフェニル−CHO−CO−である)を得ることをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
式Iの化合物を用いてエプレレノンを製造することをさらに含み、式IXのアルコールを酸化して式Xのケトン:
【化15】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−、C−Cアルキル−OCO−またはフェニル−CHO−CO−である)を得ることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項27】
式Xの化合物の11−アシル基をメタノールにより塩基の存在下で加水分解して、式XIの11−ヒドロキシ化合物:
【化16】

を得ることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
式XIの11−ヒドロキシ化合物と五塩化リンを反応させて式XIIのジエンオン:
【化17】

を得ることをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
式XIIのジエンオンを酸化してエプレレノン:
【化18】

を形成することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
a)式IIIのケトステロイドとクロロギ酸C−Cアルキルまたはクロロギ酸ベンジルまたは式MのN−ヒドロキシメチルカーボネート:
【化19】

(式中、Zは1−ベンゾトリアゾリル、N−スクシンイミドまたはN−フタルイミドから選択され、RはC−Cまたはベンジルから選択される)とを、第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XIVのジカーボネート:
【化20】

(式中、RはC−Cアルキルまたはベンジルである)を得る工程をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項31】
式XIVのジアシル化合物と一酸化炭素とを、パラジウム触媒、メタノールおよび第三級有機塩基の存在下に、250〜1500psiの圧力および25〜150℃の温度で反応させて、式XVのジアシルエステル化合物:
【化21】

を得ることをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
式XVの化合物を脱水して式XVIの化合物:
【化22】

を得ることをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
式XVIのジアシルエステル化合物を塩基およびメタノールの存在下で加水分解して、式XVIIのヒドロキシエステル:
【化23】

を得ることをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
式XVIIの化合物とアセチレンとを、強塩基の存在下で反応させて、式XVIIIのアセチレン系化合物:
【化24】

を得ることをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
式XVIIIのアセチレン系化合物と一酸化炭素および水素とを、ロジウム触媒および第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XIXのラクトール:
【化25】

(式中、RはHである)を得ることをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
式XIXのラクトールを酸化して式XIIのラクトン:
【化26】

を得ることをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
式XIIの化合物を酸化して式XIIIのエプレレノン:
【化27】

を得ることをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
a)式IIIのケトステロイドと無水酢酸とを、第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XXのトリアセテート:
【化28】

を得て;
b)式XVIIIのジアシル化合物と一酸化炭素とを、パラジウム触媒、メタノールおよび第三級有機塩基の存在下に、250〜1500psiの圧力および25〜150℃の温度で反応させて、式XXIの化合物:
【化29】

を得て;
c)式XXIのジアセテートを加水分解して式XXIIのジヒドロキシ化合物:
【化30】

を得て;
d)式XXIIの化合物とアセチレンとを、強塩基の存在下で反応させて、式XXIIIのアセチレン系化合物:
【化31】

を得て;
e)式XXIのアセチレン系化合物と一酸化炭素および水素とを、ロジウム触媒および第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XXIVのラクトール:
【化32】

を得て;
f)式XXIIのラクトール(式中、RはHである)を酸化して、式XIのラクトン:
【化33】

を得て;
g)式XIIの化合物を脱水して、式XIIの化合物:
【化34】

を得て;
h)式XIIのジエンオンを酸化して、エプレレノン(式XIII):
【化35】

を得る
工程を含む、エプレレノンの製造方法。
【請求項39】
a)式XXVのジオール:
【化36】

とクロロギ酸C−Cアルキルとを、第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XXVIのジカーボネート:
【化37】

(式中、RはC−Cアルキルである)を得て;
b)式XXVIのジアシル化合物と一酸化炭素とを、パラジウム触媒、メタノールおよび第三級有機塩基の存在下に、250〜1500psiの圧力および25〜150℃の温度で反応させて、式XVIIの化合物:
【化38】

を得て;
c)式XVIIの化合物とアセチレンとを、強塩基の存在下で反応させて、式XVIIIのアセチレン系化合物:
【化39】

を得て;
d)式XVIIIのアセチレン系化合物と一酸化炭素および水素とを、ロジウム触媒および第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XIXのラクトール:
【化40】

(式中、RはHである)を得て;
e)式XIXのラクトールを酸化して、式XIIのラクトン:
【化41】

を得て;
f)式XIIの化合物を酸化して、式XIIIのエプレレノン:
【化42】

を得る
工程を含む、エプレレノンの製造方法。
【請求項40】
式IIのステロイド中間体:
【化43】

[式中:
およびRは、独立してHまたはCORから選択され;
は、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシであり;
は、C−Cアルキルであり;
は、−CH−または
【化44】

であり、ここでORはα配置にあり;
は、−CH−であり;
あるいはZとZは一緒になって二重結合を形成し;
Qは、
【化45】

である]、
と一酸化炭素とを、アルコール、塩基、およびパラジウム触媒の存在下で反応させることを含む方法により製造された生成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】

[式中:
は、CORであり;
は、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシであり;
は、C−Cアルキルであり;
は、−CH−または
【化2】

であり、ここでO−CORはα配置にあり;
は、−CH−であり;
あるいはZとZは一緒になって二重結合を形成し;
Qは、
【化3】

である]。
【請求項2】
式Iの7−カルボキシ置換ステロイドの製造方法であって:
【化4】

[式中:
は、独立してHまたはC(O)Rから選択され;
は、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシであり;
は、C−Cアルキルであり;
は、−CH−または
【化5】

であり、ここでOCORはα配置にあり;
は、−CH−であり;
あるいはZとZは一緒になって二重結合を形成し;
Qは、
【化6】

である]、
式IIのステロイド中間体:
【化7】

[式中:
およびRは、独立してHまたはC(O)Rから選択され;
、Z、ZおよびQは、式Iのものと同じである]
と一酸化炭素とを、アルコール、アミン、およびパラジウム触媒の存在下で反応させることを含む方法。
【請求項3】
アルコールがC−Cアルキル−OHまたはベンジルアルコールである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
アルコールがメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、イソプロパノール、またはベンジルアルコールから選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
アルコールがメタノール、プロパノール、ブタノール、またはエタノールである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
アルコールがメタノールである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
一酸化炭素の圧力が約500〜約2000psiである、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
一酸化炭素の圧力が約800〜約1500psiである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
一酸化炭素の圧力が約1200〜約1400psiである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
パラジウム触媒が、酢酸パラジウム、アセチルアセトナトパラジウム(II)、パラジウム(0)ビス(ジベンジリデンアセトン)(Pd(dba))、パラジウム1,3−ジフェニルホスフィノプロパンジブロミド、(Pd(dppp)Br)、ジメチル−2−(ジメチルホスフィノ)エチルホスフィンパラジウム、およびビストリフェニルホスフィンパラジウムジブロミド(Pd(PhP)Brから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
パラジウム触媒がPd(dba)、BrPd(PPh、(dppp)PdBr、Pd(OAc)から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
パラジウム触媒がBrPd(PPhである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
パラジウム触媒がPd(dba)である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
追加の臭化物塩の存在下で実施される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
アミンが第三級アミンである、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
第三級アミンがN−メチルモルホリン、トリエチルアミン、およびジイソプロピルエチルアミンから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
反応が約20〜約150℃の温度で実施される、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
反応が約70〜約80℃の温度で実施される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
式VIIのラクトン:
【化8】

と一酸化炭素とを、メタノール、第三級有機塩基およびパラジウム触媒の存在下に、500〜1500psiの圧力および25〜150℃の温度で反応させて、式VIIIのエステルジアシル化合物:
【化9】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−またはC−Cアルキル−OCO−である)を得ることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項20】
式VIのラクトール:
【化10】

を酸化して、式VIIのラクトン:
【化11】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−またはC−Cアルキル−OCO−である)にすることをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
式Vのトリアシル化合物:
【化12】

と一酸化炭素とを、ロジウム触媒および水素および一酸化炭素の存在下で反応させて、式VIの17−ラクトール:
【化13】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−またはC−Cアルキル−OCO−である)を得ることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
式IVの17−アセチレン系トリアルコール:
【化14】

とアシル化剤とを、塩基の存在下で反応させて、式Vのトリアシル化合物:
【化15】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−またはC−Cアルキル−OCO−である)を得ることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
a)式IIIの17−ケトステロイド:
【化16】

とヘキサメチルジシラザンを、サッカリンまたはトリメチルシリルクロリドの存在下で反応させて、シリル化17−ケトステロイドを形成し;
b)工程a)で形成されたシリル化17−ケトステロイドとアセチレンとを、適切な塩基の存在下で反応させ;
c)工程b)の生成物を酸またはフッ化物イオンの存在下で単離して、式IVの17−アセチレン系アルコール:
【化17】

を得る
工程をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
式VIIIのアシル化合物をメタノールまたは水性溶媒および塩基の存在下で加水分解して、式IXの3−アルコール:
【化18】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−またはC−Cアルキル−OCO−である)を得ることをさらに含む、請求項19〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
式Iの化合物を用いてエプレレノンを製造することをさらに含み、式IXのアルコールを酸化して式Xのケトン:
【化19】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−またはC−Cアルキル−OCO−である)を得ることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項26】
式Xの化合物の11−アシル基をメタノールにより塩基の存在下で加水分解して、式XIの11−ヒドロキシ化合物:
【化20】

を得ることをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
式XIの11−ヒドロキシ化合物と五塩化リンを反応させて式XIIのジエンオン:
【化21】

を得ることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
式XIIのジエンオンを酸化してエプレレノン:
【化22】

を形成することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
a)式IIIのケトステロイドとクロロギ酸C−Cアルキルまたはクロロギ酸ベンジルまたは式MのN−ヒドロキシメチルカーボネート:
【化23】

(式中、Zは1−ベンゾトリアゾリル、N−スクシンイミドまたはN−フタルイミドから選択され、RはC−Cアルキルである)とを、第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XIVのジカーボネート:
【化24】

(式中、RはC−Cアルキルである)を得る
工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項30】
式XIVのジアシル化合物と一酸化炭素とを、パラジウム触媒、メタノールおよび第三級有機塩基の存在下に、250〜1500psiの圧力および25〜150℃の温度で反応させて、式XVのジアシルエステル化合物:
【化25】

を得ることをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
式XVの化合物を脱水して式XVIの化合物:
【化26】

を得ることをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
式XVIのジアシルエステル化合物を塩基およびメタノールの存在下で加水分解して、式XVIIのヒドロキシエステル:
【化27】

を得ることをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
式XVIIの化合物とアセチレンとを、強塩基の存在下で反応させて、式XVIIIのアセチレン系化合物:
【化28】

を得ることをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
式XVIIIのアセチレン系化合物と一酸化炭素および水素とを、ロジウム触媒および第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XIXのラクトール:
【化29】

を得ることをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
式XIXのラクトールを酸化して式XIIのラクトン:
【化30】

を得ることをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
式XIIの化合物を酸化して式XIIIのエプレレノン:
【化31】

を得ることをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
a)式IIIのケトステロイドと無水酢酸とを、第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XXのトリアセテート:
【化32】

を得て;
b)式XXのトリアセテートと一酸化炭素とを、パラジウム触媒、メタノールおよび第三級有機塩基の存在下に、250〜1500psiの圧力および25〜150℃の温度で反応させて、式XXIの化合物:
【化33】

を得て;
c)式XXIのジアセテートを加水分解して式XXIIのジヒドロキシ化合物:
【化34】

を得て;
d)式XXIIの化合物とアセチレンとを、強塩基の存在下で反応させて、式XXIIIのアセチレン系化合物:
【化35】

を得て;
e)式XXIIIのアセチレン系化合物と一酸化炭素および水素とを、ロジウム触媒および第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XXIVのラクトール:
【化36】

を得て;
f)式XXIVのラクトールを酸化して、式XIのラクトン:
【化37】

を得て;
g)式XIの化合物を脱水して、式XIIの化合物:
【化38】

を得て;
h)式XIIのジエンオンを酸化して、エプレレノン(式XIII):
【化39】

を得る
工程を含む、エプレレノンを製造するための請求項2に記載の方法。
【請求項38】
a)式XXVのジオール:
【化40】

とクロロギ酸C−Cアルキルとを、第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XXVIのジカーボネート:
【化41】

(式中、RはC−Cアルキルである)を得て;
b)式XXVIのジアシル化合物と一酸化炭素とを、パラジウム触媒、メタノールおよび第三級有機塩基の存在下に、250〜1500psiの圧力および25〜150℃の温度で反応させて、式XVIIの化合物:
【化42】

を得て;
c)式XVIIの化合物とアセチレンとを、強塩基の存在下で反応させて、式XVIIIのアセチレン系化合物:
【化43】

を得て;
d)式XVIIIのアセチレン系化合物と一酸化炭素および水素とを、ロジウム触媒および第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XIXのラクトール:
【化44】

を得て;
e)式XIXのラクトールを酸化して、式XIIのラクトン:
【化45】

を得て;
f)式XIIの化合物を酸化して、式XIIIのエプレレノン:
【化46】

を得る
工程を含む、エプレレノンを製造するための請求項2に記載の方法。
【請求項39】
式IIのステロイド中間体:
【化47】

[式中:
は、−CORであり;
は、独立してHまたはCORから選択され;
は、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシであり;
は、−CH−または
【化48】

であり、ここでO−CORはα配置にあり;
は、−CH−であり;
あるいはZとZは一緒になって二重結合を形成し;
Qは、
【化49】

である]、
と一酸化炭素とを、アルコール、塩基、およびパラジウム触媒の存在下で反応させることを含む方法により製造された生成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】

[式中:
は、CORであり;
は、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシであり;
は、C−Cアルキルであり;
は、−CH−、−CH(OH)−または
【化2】

であり、ここでO−CORはα配置にあり;
は、−CH−であり;
あるいはZとZは一緒になって二重結合を形成し;
Qは、
【化3】

である]。
【請求項2】
式IAの7−カルボキシ置換ステロイドの製造方法であって:
【化4】

[式中:
は、独立してHまたはC(O)Rから選択され;
は、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシであり;
は、C−Cアルキルであり;
は、−CH−、−CH(OH)−または
【化5】

であり、ここでOCORはα配置にあり;
は、−CH−であり;
あるいはZとZは一緒になって二重結合を形成し;
Qは、
【化6】

である]、
式IIのステロイド中間体:
【化7】

[式中:
は、HまたはC(O)Rから選択され;
は、C(O)Rであり;
、Z、ZおよびQは、式IAのものと同じである]
と一酸化炭素とを、アルコール、アミン、およびパラジウム触媒の存在下で反応させることを含む方法。
【請求項3】
アルコールがC−Cアルキル−OHまたはベンジルアルコールである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
アルコールがメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、イソプロパノール、またはベンジルアルコールから選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
アルコールがメタノール、プロパノール、ブタノール、またはエタノールである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
アルコールがメタノールである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
一酸化炭素の圧力が500〜2000psiである、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
一酸化炭素の圧力が800〜1500psiである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
一酸化炭素の圧力が1200〜1400psiである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
パラジウム触媒が、酢酸パラジウム、アセチルアセトナトパラジウム(II)、パラジウム(0)ビス(ジベンジリデンアセトン)(Pd(dba))、パラジウム1,3−ジフェニルホスフィノプロパンジブロミド、(Pd(dppp)Br)、ジメチル−2−(ジメチルホスフィノ)エチルホスフィンパラジウム、およびビストリフェニルホスフィンパラジウムジブロミド(Pd(PhP)Brから選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
パラジウム触媒がPd(dba)、BrPd(PPh、(dppp)PdBr、Pd(OAc)から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
パラジウム触媒がBrPd(PPhである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
パラジウム触媒がPd(dba)である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
追加の臭化物塩の存在下で実施される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
アミンが第三級アミンである、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
第三級アミンがN−メチルモルホリン、トリエチルアミン、およびジイソプロピルエチルアミンから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
反応が20〜150℃の温度で実施される、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
反応が70〜80℃の温度で実施される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
式VIIのラクトン:
【化8】

と一酸化炭素とを、メタノール、第三級有機塩基およびパラジウム触媒の存在下に、500〜1500psiの圧力および25〜150℃の温度で反応させて、式VIIIのエステルジアシル化合物:
【化9】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−またはC−Cアルキル−OCO−である)を得る、請求項2に記載の方法。
【請求項20】
式VIのラクトール:
【化10】

を酸化して、式VIIのラクトン:
【化11】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−またはC−Cアルキル−OCO−である)にすることをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
式Vのトリアシル化合物:
【化12】

と一酸化炭素とを、ロジウム触媒および水素および一酸化炭素の存在下で反応させて、式VIの17−ラクトール:
【化13】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−またはC−Cアルキル−OCO−である)を得ることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
式IVの17−アセチレン系トリアルコール:
【化14】

とアシル化剤とを、塩基の存在下で反応させて、式Vのトリアシル化合物:
【化15】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−またはC−Cアルキル−OCO−である)を得ることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
a)式IIIの17−ケトステロイド:
【化16】

とヘキサメチルジシラザンを、サッカリンまたはトリメチルシリルクロリドの存在下で反応させて、シリル化17−ケトステロイドを形成し;
b)工程a)で形成されたシリル化17−ケトステロイドとアセチレンとを、適切な塩基の存在下で反応させ;
c)工程b)の生成物を酸またはフッ化物イオンの存在下で単離して、式IVの17−アセチレン系アルコール:
【化17】

を得る
工程をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
式VIIIのアシル化合物をメタノールまたは水性溶媒および塩基の存在下で加水分解して、式IXの3−アルコール:
【化18】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−またはC−Cアルキル−OCO−である)を得ることをさらに含む、請求項19〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法を行って式IXのアルコールを得、そして当該アルコールを酸化することを含む、式Xのケトン:
【化19】

(式中、RはC−Cアルキル−CO−またはC−Cアルキル−OCO−である)の製造方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法を行って式Xの化合物を得、そして式Xの化合物の11−アシル基をメタノールにより塩基の存在下で加水分解することを含む、式XIの11−ヒドロキシ化合物:
【化20】

の製造方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法を行って式XIの11−ヒドロキシ化合物を得、そして当該11−ヒドロキシ化合物と五塩化リンを反応させることを含む、式XIIのジエンオン:
【化21】

の製造方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法を行って式XIIのジエンオンを得、そして当該ジエンオンを酸化することを含む、エプレレノン:
【化22】

の製造方法。
【請求項29】
式XIVのジアシル化合物:
【化23】

(式中、RはC−Cアルキルである)と一酸化炭素とを、パラジウム触媒、メタノールおよび第三級有機塩基の存在下に、250〜1500psiの圧力および25〜150℃の温度で反応させて、式XVのジアシルエステル化合物:
【化24】

(式中、RはC−Cアルキルである)を得る、請求項2に記載の方法。
【請求項30】
a)式IIIのケトステロイドとクロロギ酸C−Cアルキルまたはクロロギ酸ベンジルまたは式MのN−ヒドロキシメチルカーボネート:
【化25A】

(式中、Zは1−ベンゾトリアゾリル、N−スクシンイミドまたはN−フタルイミドから選択され、RはC−Cアルキルである)とを、第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XIVのジカーボネート:
【化25B】

(式中、RはC−Cアルキルである)を得る
工程をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
請求項29又は30に記載の方法を行って式XVの化合物を得、そして式XVの化合物を脱水することを含む、式XVIの化合物:
【化26】

の製造方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法を行って式XVIのジアシルエステル化合物を得、そして当該ジアシルエステル化合物を塩基およびメタノールの存在下で加水分解することを含む、式XVIIのヒドロキシエステル:
【化27】

の製造方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法を行って式XVIIの化合物を得、そして式XVIIの化合物とアセチレンとを、強塩基の存在下で反応させることを含む、式XVIIIのアセチレン系化合物:
【化28】

の製造方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法を行って式XVIIIのアセチレン系化合物を得、当該アセチレン系化合物と一酸化炭素および水素とを、ロジウム触媒および第三級有機塩基の存在下で反応させることを含む、式XIXのラクトール:
【化29】

の製造方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法を行って式XIXのラクトールを得、そして当該ラクトールを酸化することを含む、式XIIのラクトン:
【化30】

の製造方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法を行って式XIIの化合物を得、そして式XIIの化合物を酸化することを含む、式XIIIのエプレレノン:
【化31A】

の製造方法。
【請求項37】
式XIIIのエプレレノン:
【化31B】

の製造方法であって、
a)式IIIのケトステロイドと無水酢酸とを、第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XXのトリアセテート:
【化32】

を得て;
b)式XXのトリアセテートと一酸化炭素とを、パラジウム触媒、メタノールおよび第三級有機塩基の存在下に、250〜1500psiの圧力および25〜150℃の温度で反応させて、式XXIの化合物:
【化33】

を得て;
c)式XXIのジアセテートを加水分解して式XXIIのジヒドロキシ化合物:
【化34】

を得て;
d)式XXIIの化合物とアセチレンとを、強塩基の存在下で反応させて、式XXIIIのアセチレン系化合物:
【化35】

を得て;
e)式XXIIIのアセチレン系化合物と一酸化炭素および水素とを、ロジウム触媒および第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XXIVのラクトール:
【化36】

を得て;
f)式XXIVのラクトールを酸化して、式XIのラクトン:
【化37】

を得て;
g)式XIの化合物を脱水して、式XIIの化合物:
【化38】

を得て;
h)式XIIのジエンオンを酸化して、エプレレノン(式XIII):
【化39A】

を得る
工程を含む方法。
【請求項38】
エプレレノン(式XIII):
【化39B】

を製造するための方法であって、
a)式XXVのジオール:
【化40】

とクロロギ酸C−Cアルキルとを、第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XXVIのジカーボネート:
【化41】

(式中、RはC−Cアルキルである)を得て;
b)式XXVIのジアシル化合物と一酸化炭素とを、パラジウム触媒、メタノールおよび第三級有機塩基の存在下に、250〜1500psiの圧力および25〜150℃の温度で反応させて、式XVIIの化合物:
【化42】

を得て;
c)式XVIIの化合物とアセチレンとを、強塩基の存在下で反応させて、式XVIIIのアセチレン系化合物:
【化43】

を得て;
d)式XVIIIのアセチレン系化合物と一酸化炭素および水素とを、ロジウム触媒および第三級有機塩基の存在下で反応させて、式XIXのラクトール:
【化44】

を得て;
e)式XIXのラクトールを酸化して、式XIIのラクトン:
【化45】

を得て;
f)式XIIの化合物を酸化して、式XIIIのエプレレノン:
【化46】

を得る
工程を含む方法。
【請求項39】
式IIのステロイド中間体:
【化47】

[式中:
は、−CORであり;
は、CORであり;
は、C−CアルキルまたはC−Cアルコキシであり;
は、−CH−、−CH(OH)−または
【化48】

であり、ここでO−CORはα配置にあり;
は、−CH−であり;
あるいはZとZは一緒になって二重結合を形成し;
Qは、
【化49】

である]、
と一酸化炭素とを、アルコール、塩基、およびパラジウム触媒の存在下で反応させることを含む方法により製造された、式IB:
【化50】

(式中、R、Z、ZおよびQは、式IIのものと同じであり;
は、C−Cアルキルである)の生成物。

【公表番号】特表2006−513163(P2006−513163A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551390(P2004−551390)
【出願日】平成15年3月21日(2003.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2003/007285
【国際公開番号】WO2004/043987
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】