説明

8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン誘導体及びモノアミン神経伝達物質再取込阻害剤としてのそれらの使用

本発明は、モノアミン神経伝達物質再取込阻害剤として有用な新規8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン誘導体に関する。他の態様では、本発明は、治療法におけるこれらの化合物の使用、及び本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノアミン神経伝達物質再取込阻害剤として有用な新規8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン誘導体に関する。
【0002】
他の態様では、本発明は、治療法におけるこれらの化合物の使用、及び本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
国際公開第02/30405号(NeuroSearch A/S)には、ニコチン性再取込阻害剤、及びモノアミン作動薬又はモノアミン拮抗薬又はモノアミン再取込阻害剤の二重活性を有する8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン誘導体のグループについて記載されている。開示されている化合物の一つは、ラセミ体の(±)−3−(2−ベンゾチエニル)−8H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン(化合物1D1、方法D、16頁)である。
【0004】
国際公開第2006/064031号(NeuroSearch A/S)には、特に、セロトニン再取込み活性対ノルアドレナリン及びドーパミン再取込み活性の比などの、モノアミン神経伝達物質であるセロトニン、ドーパミン及びノルアドレナリンの再取込みについての活性レベルに関する、モノアミン再取込阻害剤としての薬理学的プロファイルを有する(±)−3−(2−ベンゾチエニル)−8H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エンなどの8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン誘導体のエナンチオマーについて記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、モノアミン神経伝達物質再取込阻害剤として活性を示す新規な化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本発明は、式(I)
【化1】


の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を提供する(式中、R及びRは、以下の定義の通りである)。
【0007】
別の態様では、本発明は、治療有効量の本発明の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、添加剤、又は賦形剤と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0008】
別の態様では、本発明は、その疾患、障害又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和する医薬組成物を製造するための本発明の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0009】
別の態様では、本発明は、その障害、疾患又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む生きている動物の体の疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和するための方法であって、それを必要とするこのような生きている動物の体に、治療有効量の本発明の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む方法に関する。
【0010】
本発明の他の目的は、以下の詳細な記述及び実施例から、当業者には明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一態様では、本発明は、式(I)
【化2】


の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を提供する(式中、
は水素又はC1〜6−アルキルを表し、及び
はヒドロキシ又はC1〜6−アルコキシを表す)。
【0012】
本発明の一実施形態では、式(I)中、Rは水素を表す。別の実施形態では、RはC1〜6−アルキル、例えば、メチル、エチル又はプロピルを表す。
【0013】
本発明の別の実施形態では、式(I)中、Rはヒドロキシを表す。別の実施形態では、RはC1〜6−アルコキシ、例えば、メトキシ又はエトキシを表す。
【0014】
本発明の別の実施形態では、式(I)中、Rは水素を表し、及びRはヒドロキシを表す。別の実施形態では、Rは水素を表し、及びRはメトキシを表す。別の実施形態では、Rは水素を表し、及びRはエトキシを表す。
【0015】
本発明の別の実施形態では、式(I)中、Rはメチルを表し、及びRはヒドロキシを表す。別の実施形態では、Rはメチルを表し、及びRはメトキシを表す。別の実施形態では、Rはメチルを表し、及びRはエトキシを表す。
【0016】
本発明の別の実施形態では、式(I)中、Rは水素を表し、及びRは5−ヒドロキシを表す。別の実施形態では、Rは水素を表し、及びRは5−メトキシを表す。
【0017】
本発明の別の実施形態では、本発明の化合物は、
(±)−3−(5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン、(±)−2−(8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−3−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−5−オール、又は
それらの薬学的に許容される塩である。
【0018】
別の態様では、本発明は、治療有効量の本発明の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、添加剤、又は賦形剤と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0019】
別の態様では、本発明は、治療有効量の式(I)の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩(式中、Rは水素を表し、及びRはヒドロキシ又はC1〜6−アルコキシを表す)を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、添加剤、又は賦形剤と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0020】
別の態様では、本発明は、治療有効量の3−(5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、添加剤、又は賦形剤と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0021】
別の態様では、本発明は、治療有効量の2−(8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−3−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−5−オール、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、添加剤、又は賦形剤と一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0022】
別の態様では、本発明は、治療有効量の本発明の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、添加剤、又は賦形剤と一緒に含む医薬組成物であって、経口投与用途である組成物を提供する。
【0023】
別の態様では、本発明は、本発明の、治療有効量の式(I)の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩(式中、Rは水素を表し、及びRはヒドロキシ又はC1〜6−アルコキシを表す)、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、添加剤、又は賦形剤と一緒に含む医薬組成物であって、経口投与用途である組成物を提供する。
【0024】
別の態様では、本発明は、治療有効量の3−(5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、添加剤、又は賦形剤と一緒に含む医薬組成物であって、経口投与用途である組成物を提供する。
【0025】
別の態様では、本発明は、治療有効量の2−(8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−3−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−5−オール、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、添加剤、又は賦形剤と一緒に含む医薬組成物であって、経口投与用途である組成物を提供する。
【0026】
別の態様では、本発明は、医薬組成物を製造するための本発明の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0027】
別の態様では、本発明は、医薬組成物を製造するための式(I)の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩(式中、Rは水素を表し、及びRはヒドロキシ又はC1〜6−アルコキシを表す)、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0028】
別の態様では、本発明は、医薬組成物を製造するための3−(5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0029】
別の態様では、本発明は、医薬組成物を製造するための2−(8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−3−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−5−オール、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0030】
別の態様では、本発明は、その疾患、障害又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和する医薬組成物を製造するための本発明の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0031】
別の態様では、本発明は、その疾患、障害又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和する医薬組成物を製造するための式(I)の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩(式中、Rは水素を表し、及びRはヒドロキシ又はC1〜6−アルコキシを表す)の使用を提供する。
【0032】
別の態様では、本発明は、その疾患、障害又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和する医薬組成物を製造するための3−(5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0033】
別の態様では、本発明は、その疾患、障害又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和する医薬組成物を製造するための2−(8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−3−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−5−オール、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0034】
別の態様では、本発明は、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に続発するうつ病、又は大うつ障害である疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和する医薬組成物を製造するための本発明の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0035】
別の態様では、本発明は、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に続発するうつ病、又は大うつ障害である疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和する医薬組成物を製造するための式(I)の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩(式中、Rは水素を表し、及びRはヒドロキシ又はC1〜6−アルコキシを表す)の使用を提供する。
【0036】
別の態様では、本発明は、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に続発するうつ病、又は大うつ障害である疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和する医薬組成物を製造するための3−(5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0037】
別の態様では、本発明は、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に続発するうつ病、又は大うつ障害である疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和する医薬組成物を製造するための2−(8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−3−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−5−オール、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0038】
別の態様では、本発明は、うつ病を処置する医薬組成物を製造するための本発明の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0039】
別の態様では、本発明は、うつ病を処置する医薬組成物を製造するための式(I)の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩(式中、Rは水素を表し、及びRはヒドロキシ又はC1〜6−アルコキシを表す)の使用を提供する。
【0040】
別の態様では、本発明は、うつ病を処置する医薬組成物を製造するための3−(5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0041】
別の態様では、本発明は、うつ病を処置する医薬組成物を製造するための2−(8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−3−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−5−オール、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0042】
別の態様では、本発明は、その障害、疾患又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む生きている動物の体の疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和するための方法であって、それを必要とするこのような生きている動物の体に、治療有効量の本発明の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む方法に関する。
【0043】
別の態様では、本発明は、その障害、疾患又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む生きている動物の体の疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和するための方法であって、それを必要とするこのような生きている動物の体に、治療有効量の式(I)の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩(式中、Rは水素を表し、及びRはヒドロキシ又はC1〜6−アルコキシを表す)を投与するステップを含む方法に関する。
【0044】
別の態様では、本発明は、その障害、疾患又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む生きている動物の体の疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和するための方法であって、それを必要とするこのような生きている動物の体に、治療有効量の3−(5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む方法に関する。
【0045】
別の態様では、本発明は、その障害、疾患又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む生きている動物の体の疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和するための方法であって、それを必要とするこのような生きている動物の体に、治療有効量の2−(8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−3−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−5−オール、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む方法に関する。
【0046】
上記のように、2つ以上の実施形態の任意の組合せが、本発明の範囲内で考えられる。
【0047】
置換基の定義
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体を通して使用されるように、以下の用語は示された意味を有する。
【0048】
本明細書で使用される「C1〜6−アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有する飽和の、分岐又は直鎖の炭化水素基、例えば、C1〜3−アルキル、C1〜4−アルキル、C1〜6−アルキル、C2〜6−アルキル、C3〜6−アルキルなどを意味する。代表的な例は、メチル、エチル、プロピル(例えば、プロパ−1−イル、プロパ−2−イル(又はイソ−プロピル))、ブチル(例えば、2−メチルプロパ−2−イル(又はtert−ブチル)、ブタ−1−イル、ブタ−2−イル)、ペンチル(例えば、ペンタ−1−イル、ペンタ−2−イル、ペンタ−3−イル)、2−メチルブタ−1−イル、3−メチルブタ−1−イル、ヘキシル(例えば、ヘキサ−1−イル)などである。
【0049】
「ヒドロキシ」という用語は、−OH基を意味するものとする。
【0050】
本明細書で使用される「C1〜6−アルコキシ」という用語は、C1〜6−アルキル−O−基を言う。代表的な例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、1−プロポキシ、2−プロポキシ)、ブトキシ(例えば、1−ブトキシ、2−ブトキシ、2−メチル−2−プロポキシ)、ペントキシ(1−ペントキシ、2−ペントキシ)、ヘキソキシ(1−ヘキソキシ、3−ヘキソキシ)などである。
【0051】
定義した用語のいくつかは、構造式中に、2度以上現れる場合があり、又、このようなことが起こる場合、各用語は、別の用語と独立に定義されるものとする。
【0052】
本明細書で使用される「処置」という用語は、疾患、障害又は状態と闘う目的で、患者を管理する、及び看護することを意味する。該用語は、疾患、障害若しくは状態の進行を遅らせる、症状及び合併症を緩和する、若しくは軽減する、及び/又は疾患、障害若しくは状態を治療する若しくは排除することを含む。処置されるべき患者は、好ましくは、哺乳動物、とりわけヒトである。
【0053】
本明細書で使用される「疾患」、「状態」及び「障害」という用語は、ヒトの正常な生理的状態にない患者の状態を明記するために、相互交換的に使用される。
【0054】
本明細書で使用される「薬剤」という用語は、医薬的に活性な化合物を患者に投与するために適した医薬組成物を意味する。
【0055】
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、通常の医薬的な適用に適している、すなわち、患者などに有害事象が起こらない、ということを意味する。
【0056】
本明細書で使用される「有効な量」という用語は、未処置と比較して、患者の処置に有効となるために十分な投与量を意味する。
【0057】
本明細書で使用される化合物の「治療有効量」という用語は、所与の疾患及びその合併症の臨床的徴候を治療する、緩和する、又は部分的に抑えるための十分な量を意味する。これを達成するための適量は、「治療有効量」として定義される。各目的のための有効な量は、疾患又は傷害の重症度、並びに対象の体重及び一般的状態に依存するであろう。適切な投与量の決定には、値のマトリックスを構築し、且つマトリックス内の異なる点を試験することによって、型通りの実験を利用して達成することができ、これはすべて、熟練の医師又は獣医師の普通の技能の範囲内であることが理解されよう。
【0058】
薬学的に許容される塩
本発明の化合物は、所期の投与に適した任意の形態で提供されてよい。適切な形態は、薬学的に(すなわち、生理的に)許容される塩、及び本発明の化合物のプレ又はプロドラッグの形態を含む。
【0059】
薬学的に許容される付加塩の例は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩などの無毒性の無機酸及び有機酸の付加塩を含むが、それらに限定されない。このような塩は当分野において周知であり、且つ記載されている手順によって形成され得る。
【0060】
本発明の化合物の薬学的に許容される陽イオン性の塩の例は、陰イオン性基を含有する本発明の化合物の、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、リチウム塩、コリン塩、リシン塩、及びアンモニウム塩などを含むが、それらに限定されない。このような陽イオン性の塩は、当分野において周知であり、且つ記載されている手順によって形成され得る。
【0061】
本発明の文脈では、N含有化合物の「オニウム塩」とは、薬学的に許容される塩としても考えられる。好ましい「オニウム塩」は、アルキル−オニウム塩、シクロアルキル−オニウム塩、及びシクロアルキルアルキル−オニウム塩を含む。
【0062】
本発明の化合物のプレ又はプロドラッグの例は、本発明による物質の適切なプロドラッグの例を含み、親化合物が1種又は複数の反応性又は誘導体化可能な基で修飾されている化合物を含む。カルボキシル基、ヒドロキシル基、又はアミノ基で修飾されている化合物が、特に興味深い。適切な誘導体の例は、エステル又はアミドである。
【0063】
本発明の化合物は、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒と一緒に、可溶な形態、又は不溶な形態で提供されてよい。可溶な形態は又、一水和物、二水和物、半水和物、三水和物、四水和物などの水和物形態も含むことができる。一般に、可溶な形態は、本発明の目的において、不溶な形態と等価と見なされる。
【0064】
立体異性体
本発明の化合物は、エナンチオマー、ジアステレオマー、又はシス−トランス異性体を含む、異なる立体異性体の形態で存在し得ることは、当業者により理解されよう。
【0065】
本発明は、このような異性体のすべて、及びラセミ体混合物を含むそれらの任意の混合物を含む。
【0066】
ラセミ体の形態は、公知の方法及び技術によって、光学対掌体に分割できる。エナンチオマー性化合物(エナンチオマー性中間体を含む)を分割する一つの方法は、化合物がキラルな酸の場合、光学活性なアミンを使用し、且つ酸で処理することによって、ジアステレオマー性の分割された塩を遊離させることによるものがある。ラセミ体を光学対掌体に分割する別の方法は、光学活性なマトリックス上でのクロマトグラフィーに基づくものである。したがって、例えば、本発明のラセミ体化合物は、例えば、D−又はL−(酒石酸、マンデル酸、又はカンファースルホン酸の)塩の分別結晶化によって、それらの光学対掌体に分割され得る。
【0067】
本発明の化合物は、本発明の化合物を、(+)若しくは(−)フェニルアラニン、(+)若しくは(−)フェニルグリシン、(+)若しくは(−)カンファン酸から誘導される酸などの光学活性な活性化カルボン酸と反応させることによるジアステレオマー性のアミドを形成することによって、又は、本発明の化合物を光学活性なクロロフォルメート又は同様のものと反応させることによるジアステレオマー性のカーバメートを形成することによっても分割され得る。
【0068】
光学異性体を分割するためのさらなる方法は、当分野において公知である。このような方法は、Jaques J、Collet A、及びWilen Sによる「Enantiomers, Racemates, and Resolutions」、John Wiley and Sons、New York(1981)に記載されている方法を含む。
【0069】
光学活性な化合物は、光学活性な出発物質から調製することもできる。
【0070】
標識化合物
本発明の化合物は、それらの標識又は非標識の形態で使用され得る。本発明の文脈では、標識化合物は、天然に通常見出される原子質量、又は原子質量数とは異なる原子質量、又は原子質量数を有する原子によって置換されている1種又は複数の原子を有する。標識化は、前記化合物の定量的な検出を容易にすることになる。
【0071】
本発明の標識化合物は、種々の診断的方法において、及びインビボにおける受容体イメージングのための診断的な手段、放射性トレーサー、又はモニター剤として有用となり得る。
【0072】
本発明の標識異性体は、標識として、少なくとも1種の放射性核種を好ましくは含有する。陽電子放出放射性核種は、使用のすべての候補である。本発明の文脈では、放射性核種は、H(ジュウテリウム)、H(トリチウム)、11C、13C、14C、131I、125I、123I及び18Fから好ましくは選択される。
【0073】
本発明の標識異性体を検出するための物理的方法は、ポジション放射断層撮影法(PET)、シングルフォトン造影コンピューター断層撮影法(Single Photon Imaging Computed Tomography)(SPECT)、磁気共鳴分光法(MRS)、磁気共鳴画像法(MRI)、及びコンピューター体軸X線断層撮影法(Computed Axial X−ray Tomography)(CAT)、又はそれらの組合せから選択されてよい。
【0074】
調製方法
本発明の化合物は化学合成のための従来の方法、例えば実施例に記載の方法によって調製することができる。本明細書に記載されている方法のための出発物質は公知であるか、又は市販の化学品から従来の方法により容易に調製することができる。
【0075】
又、本発明の一化合物は、従来の方法を用いて、本発明の別の化合物に変換することができる。
【0076】
本明細書に記載されている反応の最終生成物は、従来の技法によって、例えば抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーなどによって単離することができる。
【0077】
生物的活性
本発明の化合物は、例えば国際公開第97/30997号(NeuroSearch A/S)に記載されているなどのシナプトソームにおけるモノアミンドーパミン、ノルアドレナリン及びセロトニンの再取込みを阻害するそれらの能力について試験することができる。これらの試験で観測される均衡のとれた活性に基づくと、本発明の化合物は、その疾患、障害又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和に有用であると考えられる。
【0078】
一実施形態では、本発明の化合物は、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に続発するうつ病、大うつ障害、気分変調性障害、双極性障害、双極性I型障害、双極性II型障害、気分循環性障害、全般的医療症状による気分障害、物質誘発性気分障害、仮性認知症、ガンザー症候群、強迫性障害、パニック障害、広場恐怖症を伴わないパニック障害、広場恐怖症を伴うパニック障害、パニック障害の既往歴がない広場恐怖症、パニック発作、記憶欠損、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満症、不安症、全般性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、認知症、加齢による認知症、老人性認知症、アルツハイマー病、ダウン症候群、後天性免疫不全症候群認知症複合、加齢における記憶機能不全、特異性恐怖症、社会恐怖症、社会不安性障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、薬物依存症、薬物乱用症、薬物乱用傾向、コカイン乱用症、ニコチン乱用症、タバコ乱用症、アルコール依存症、アルコール症、盗癖、依存物質の使用断ちにより引き起こされる禁断症状、疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、偏頭痛、緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、うつ症状を伴う疼痛、線維筋痛症、関節炎、変形性関節炎、リューマチ性関節炎、背痛、がん疼痛、過敏性腸疼痛、過敏性腸症候群、術後疼痛、乳房切除後疼痛症候群(PMPS)、発作後疼痛、薬物誘発性神経障害、糖尿病性神経障害、交感神経依存性疼痛、三叉神経痛、歯痛、顔面筋疼痛、幻肢痛、過食症、月経前症候群、月経前不快気分障害、後期黄体期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、遷延性植物状態、尿失禁、緊張性尿失禁、切迫性尿失禁、夜行性尿失禁、性機能障害、早漏、勃起困難症、勃起機能不全、早発性女性オルガズム、不隠下肢症候群、周期性四肢運動障害、摂食障害、神経性食欲不振症、睡眠障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー障害、レット障害、小児期崩壊性障害、学習障害、運動技能障害、無言症、抜毛癖、ナルコレプシー、脳卒中後うつ症、発作誘発性脳損傷、脳卒中誘発性神経損傷、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット病、耳鳴、チック障害、身体醜形障害、反抗挑戦性障害又は脳卒中後障害の処置、予防、又は緩和に有用と考えられる。別の実施形態では、該化合物は、うつ病の処置、予防又は緩和に有用であると考えられる。
【0079】
活性医薬成分(API)の適切な投与量は、1日あたり約0.1mgから約1000mgのAPI、より好ましくは1日あたり約10mgから約500mgのAPI、最も好ましくは、1日あたり約30mgから約100mgのAPIの範囲内であるが、正確な投与形式、投与される形態、考慮すべき指示、対象及び特に関与する対象の体重、並びに、さらに、担当の医師又は獣医師の選択及び経験に依存することが、現時点において考えられる。
【0080】
本発明の好ましい化合物は、準マイクロモル及びマイクロモル範囲、すなわち1μM未満から約100μMの範囲において、生物的活性を示す。
【0081】
医薬組成物
別の態様では、本発明は、治療有効量の本発明の化合物を含む新規医薬組成物を提供する。
【0082】
治療に使用するための本発明の化合物は、未加工の化学化合物の形態で投与してもよいが、活性成分を、任意選択で生理学的に許容される塩の形態で、1種又は複数のアジュバント、添加剤、担体、緩衝剤、賦形剤、及び/又はその他の慣用的な医薬補助剤と一緒に、医薬組成物中に導入することが好ましい。
【0083】
一実施形態では、本発明の化合物、又は薬学的に許容される塩若しくはその誘導体を、1種又は複数の薬学的に許容される担体、並びに任意選択で、当分野において公知であり、且つ使用されている別の治療的及び/又は予防的成分と一緒に含む医薬組成物を提供する。担体(単数又は複数)は、製剤中の他の成分と適合し、且つそのレシピエントにとって有害ではないという意味において、「許容される」ものでなければならない。
【0084】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、気管支、鼻、肺、局所(口腔及び舌下を含む)、経皮、膣又は非経口(皮膚、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、動脈内、脳内、眼内の注射又は注入を含む)投与に適するもの、或いは吸入又は吹送による投与(粉末及び液体エアゾール投与を含む)に適した形態のもの、或いは持続性放出系による投与に適するものとすることができる。持続性放出系の適切な例は、本発明の化合物を含有する固形疎水性ポリマーの半透過性マトリックスを含み、このマトリックスは成形体、例えばフィルム又はマイクロカプセルの形態とすることができる。
【0085】
したがって、本発明の化合物は、慣用的なアジュバント、担体、又は賦形剤と一緒に、医薬組成物及びその単位投与量の形態に入れることができる。このような形態は、経口使用用の固体、並びに特に錠剤、充填したカプセル剤、粉末及びペレット形態、並びに液体剤、特に水性又は非水性溶液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤及びそれを充填したカプセル剤のすべて、直腸投与用の坐剤、並びに非経口使用用の無菌注射溶液剤を含む。このような医薬組成物及びその単位剤形は、追加の活性化合物又は成分(principles)と一緒に、又は無しに、従来の割合で従来の成分を含んでもよく、又、このような単位剤形は、使用されるべき所期の1日投与量範囲に相応する、任意の適切な有効量の活性成分を含有してよい。
【0086】
本発明の化合物は、幅広い種々の経口及び非経口の剤形で投与することができる。以下の剤形が、本発明の化合物又は本発明の化合物の薬学的に許容される塩のいずれか一方を、活性成分として含んでよいことは当業者にとって明白であろう。
【0087】
本発明の化合物から医薬組成物を調製するために、薬学的に許容される担体は固体又は液体のいずれか一方とすることができる。固体形態の調製物は散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤及び分散性顆粒剤を含む。固体の担体は、賦形剤、香味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、又はカプセル形成物質としても作用することができる1種又は複数の物質とすることができる。
【0088】
散剤の場合、担体は微粉砕状固体であり、微粉砕されている活性成分との混合物で存在する。
【0089】
錠剤の場合、活性成分は必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。
【0090】
散剤及び錠剤は、5%又は10%から約70%の活性化合物を含有してよい。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオ脂などである。
【0091】
「調製物(preparation)」という用語は、その中に活性成分が、担体と一緒に又は無しに、担体によって取り囲まれ、したがって、担体と一体になるカプセルを提供する担体としてのカプセル形成物質と活性化合物の製剤を含むものと意図される。同様に、カシェ剤及びロゼンジ剤が含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤及びロゼンジ剤は経口投与に適する固体形態として使用することができる。
【0092】
坐剤を調製するために、脂肪酸グリセリド又はカカオ脂の混合物などの低融点ワックスを先ず融解し、且つ活性成分を、例えば撹拌によって、その中に均一に分散させる。次いで、融解した均一混合物を都合のよいサイズの型に注入し、冷却させて、且つこれにより固化させる。
【0093】
膣投与に適した組成物は、活性成分に加えて、当技術において適切であることが公知であるような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤又はスプレー剤として提供されてよい。
【0094】
液体の調製物は、溶液、懸濁液及び乳液、例えば水又は水−プロピレングリコール溶液を含む。例えば、非経口の注射液体調製物は水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液として製剤化することができる。
【0095】
したがって、本発明による化合物は、非経口投与(例えば、注射による、例えばボーラス注射又は連続注入によって)用に製剤化してもよく、又、アンプル、予め充填されている注射器、少容量の注入液、又は添加保存剤を含む多回用量容器の単位用量形態で提供されてよい。組成物は油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液又は乳液のような形態としてよく、且つ懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散化剤などの製剤化剤を含有してもよい。或いは、活性成分は使用前に、適当なビヒクル、例えば発熱性物質を含有しない無菌の水で構成するための、無菌固体の無菌的単離によって、又は溶液からの凍結乾燥によって得られる、粉末形態であってよい。
【0096】
経口用途に適する水溶液は、活性成分を水に溶解し、且つ、所望に応じて、適切な着色剤、香味剤、安定化剤及び増粘剤を添加することによって調製することができる。
【0097】
経口用途に適する水性懸濁液は、天然若しくは合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はその他の周知の懸濁化剤などの粘性物質と共に、微粉砕した活性成分を水中に分散させることによって作製することができる。
【0098】
又、使用直前に、経口投与用の液体形態の調製物に変換することを意図した固体形態の調製物をも含む。このような液体形態は溶液、懸濁液及び乳液を含む。このような調製物は、活性成分に加えて、着色剤、香味剤、安定化剤、緩衝剤、合成及び天然甘味剤、分散化剤、増粘剤、可溶化剤などを含んでよい。
【0099】
表皮への局所投与のために、本発明の化合物は、軟膏剤、クリーム剤若しくはローション剤として、又は経皮貼布剤として製剤化し得る。軟膏剤及びクリーム剤は、例えば適当な増粘剤及び/又はゲル化剤を添加した水性又は油性基剤を用いて製剤化することができる。ローションは水性又は油性基剤を用いて製剤化することができ、且つ、一般に、1種又は複数の乳化剤、安定化剤、分散化剤、懸濁化剤、増粘剤又は着色剤をも含有することになる。
【0100】
口腔内への局所投与に適する組成物は、着香性基剤、通常、スクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性剤を含むロゼンジ剤、ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアなどの不活性基剤中に活性成分を含むパステル剤、及び適切な液体担体中に活性成分を含む口腔洗浄剤を含む。
【0101】
溶液又は懸濁液は、従来の手段、例えば滴下器具、ピペット又はスプレーによって、直接、鼻腔に適用される。該組成物は単回又は多回用量形態で提供されてよい。滴下器具、又はピペットによる後者の場合、これは、溶液又は懸濁液の適切な所与の容量を、患者が投与することによって達成され得る。スプレーの場合、これは、例えば、定量噴霧スプレーポンプによって達成され得る。
【0102】
呼吸器官への投与は、又、活性成分が、クロロフルオロカーボン(CFC)(例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、又はジクロロテトラフルオロエタン)、二酸化炭素又はその他の適当なガスなどの適切な噴射剤を含む加圧パックで提供されるエアゾール製剤によっても達成され得る。エアゾールは、又、レシチンなどの界面活性剤を都合よく含有してもよい。薬物の用量は、計量バルブを備えることによって制御し得る。
【0103】
或いは、活性成分は、乾燥粉末、例えば、ラクトース、デンプン、デンプン誘導体(ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)及びポリビニルピロリドン(PVP)などの適切な粉末基剤中の該化合物の粉末混合物の形態で提供されてよい。好都合には、粉末担体は鼻腔内でゲルを形成することになる。粉末組成物は、単位用量形態で、例えば、(例えばゼラチンの)カプセル若しくはカートリッジで、又は該粉末が、そこから吸入器によって投与され得るブリスターパックで提供されてよい。
【0104】
鼻腔用組成物を含む呼吸器官への投与を意図する組成物の場合、化合物は一般に、例えば5ミクロン以下程度の小さい粒径を有することになる。このような粒径は、当分野で公知の手段、例えばミクロン化によって得ることができる。
【0105】
所望の場合、活性成分の持続的な放出を与えるようになされた組成物を使用してよい。
【0106】
医薬調製物は、好ましくは、単位剤形である。このような形態において、調製物は適量の活性成分を含有する単位用量に小分けされる。単位剤形は、パッケージされた調製物とすることができ、このパッケージはバイアル又はアンプル内にパッケージされている錠剤、カプセル剤及び散剤などの個別の量の調製物を含有する。又、この単位剤形はカプセル剤、錠剤、カシェ剤若しくはロゼンジ剤そのものとすることができ、又は、パッケージ形態で、これらの任意の適切な数とすることができる。
【0107】
一実施形態では、本発明は、経口投与用の錠剤又はカプセル剤を提供する。別の実施形態では、本発明は、経口投与用の錠剤を提供する。別の実施形態では、本発明は経口投与用のカプセル剤を提供する。
【0108】
別の実施形態では、本発明は、静脈投与及び連続注入用の液体を提供する。
【0109】
製剤及び投与のための技法に関するさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences (Maack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版に見出すことができる。
【0110】
治療上有効な用量は、症状又は状態を改善する活性成分の量のことを言う。治療効力及び毒性、例えばED50及びLD50は、細胞培養又は実験動物における標準的な薬理学的手順によって決定することができる。治療効果及び毒性効果間の用量比は治療指数であり、且つLD50/ED50の比によって表すことができる。大きい治療指数を示す医薬組成物が好ましい。
【0111】
投与される用量は、処置される個人の年齢、体重及び状態、並びに投与経路、剤形及びレジメン、並びに望まれる結果に依存して、注意深く調節されなければならないことは勿論のことであり、且つ正確な投与量は、専門家により決定されるべきことは勿論のことである。
【0112】
実際の投与量は、処置される疾患の性質及び重症度に依存し、且つ医師の判断内にあり、又、所望の治療効果が生じるように、本発明の特定の状況に対する投与量を滴定することによって変わり得る。しかし、個々の用量あたり約0.1mgから約500mg、好ましくは約1mgから約100mg、最も好ましくは約1mgから約10mgの活性成分を含有する医薬組成物が、治療処置に適すると現時点では考えられる。
【0113】
活性成分は1日あたり1回又は数回の用量で投与することができる。満足すべき結果は、或る場合、0.1μg/kg i.v.及び1μg/kg p.o.という低投与量で得ることができる。投与量範囲の上限は、約10mg/kg i.v.及び100mg/kg p.o.であると現時点では考えられる。範囲は約0.1μg/kgから約10mg/kg/日 i.v.及び約1μg/kgから約100mg/kg/日 p.o.である。
【0114】
治療方法
別の態様では、本発明は、その疾患、障害又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む生きている動物の体の疾患又は障害又は状態を処置、予防又は緩和するための方法であって、それを必要とするヒトを含むこのような生きている動物の体に、治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む方法を提供する。
【0115】
適切な投与量の範囲は、正確な投与形式、投与される形態、投与が行われる指示、参加する対象及び参加する対象の体重、並びにさらに担当の医師又は獣医師の選択及び経験に応じて、1日あたり0.1ミリグラムから1000ミリグラム、1日あたり10〜500ミリグラム、及び特に1日あたり30〜100ミリグラムであると、現時点において考えられる。
【実施例】
【0116】
以下の実施例及び一般的手順は、本明細書で定義された一般式(I)に対する中間化合物及び最終生成物について述べる。本発明の一般式(I)の化合物の調製は、以下の実施例を用いて、詳細に記載される。時として、反応は、本発明の開示範囲内に含まれる各化合物に記載されているように、適用することができない場合がある。これが起こる化合物は、当業者によって容易に理解されるであろう。これらの場合、反応は、当業者に公知の従来の変更によって、首尾よく実施することができ、その変更は、阻害する基の適切な保護による、他の従来の試剤に変更することによる、又は反応条件の型通りの変更によるものである。或いは、本明細書に開示された他の反応、又はそうではない場合、従来の反応が、本発明の対応する化合物の調製に適用されることになる。すべての調製法において、出発物質はすべて公知、又は公知の出発物質から容易に調製され得る。
【0117】
空気に敏感な試剤又は中間体を含むすべての反応は、窒素下及び無水溶媒中で実施される。後処理(workup)手順において、硫酸マグネシウムが乾燥剤として使用され、又、溶媒は減圧下で蒸発させる。
【0118】
(例1)
3−(5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン(中間化合物)
5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン(3.20g、19.5mmol)をジエチルエーテル(50ml)に溶解した。n−BuLi(8.58ml、21.45mmol)を、20℃未満の温度で混合物に加えた。除冷し、及び混合物を30分間撹拌させた。混合物を−70℃に冷却した。ジエチルエーテル(50ml)に溶解したトロピノン(2.71g、19.5mmol)を20分間かけて添加した。温度を−60℃未満に維持した。沈殿が起こった。混合物を2時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液(20ml、1M)を加えた。混合物を10分間撹拌した。固体の中間生成物(エンド/エキソ−3−(5−メトキシ−ベンゾ−[b]チオフェン−2−イル)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オール)をろ過し、並びに、水及びジエチルエーテルで洗浄した。収量3.97g(67%)。中間生成物を酢酸(20ml)及び塩酸(7ml)と混合した。混合物を1時間還流して撹拌した。混合物を氷上に注いだ。アンモニアを添加することにより、混合物をアルカリ性にして、且つジクロロメタンで抽出、且つ水で洗浄した。粗製の混合物をジクロロメタン、メタノール、及びアンモニア水の混合物(6:1:1%)を用いたカラムクロマトグラフィーによって精製した。収量2.28g(61%)。
【0119】
(例2)
3−(5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン塩酸塩(化合物2.1)
3−(5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン(2.28g、7.99mmol)をトルエン(25ml)に溶解した。1−クロロエチルクロロフォルメート(2.28g、15.97mmol)を室温で加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで15時間還流して撹拌した。メタノール(20ml)を加えた後、2時間還流した。混合物を氷浴で冷却した。生成物が結晶化し、又エタノール及びジエチルエーテルで洗浄した。生成物を、エタノールから塩酸塩として再結晶し、収量は0.37g(15%)であった。母液は、蒸発させてアンモニア水を添加することにより遊離塩基に変換し、又ジクロロメタンで抽出した後、ジクロロメタン、メタノール、及びアンモニア水(9:1+1%)を用いたクロマトグラフィー精製を行った。収量0.30g(14%)。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、272.1098Daを示す。計算値272.11091Da、偏差−4.1ppm。
【0120】
(例3)
2−(8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−3−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−5−オール塩酸塩(化合物3.1)
3−(5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン(0.30g、1.105mmol)をジクロロメタン(25ml)に溶解し、及び氷浴で冷却した。三臭化ホウ素(1M、2.21ml、2.21mmol)を冷却下で滴下した後、室温で15時間撹拌した。水(40ml)を加え、又、アンモニア水を加えることによって、混合物をアルカリ性にした。生成物をろ過し、又エタノール(25ml、96%)及び塩酸のエタノール溶液(0.5ml、3M)で再結晶した。収量0.15g(46%)。
[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、258.0939Daを示す。計算値258.09526Da、偏差−5.3ppm。
【0121】
インビトロでの阻害活性
国際公開第97/16451号(NeuroSearch A/S)に記載されているように、シナプトソームにおいて、モノアミン神経伝達物質であるドーパミン(DA)、ノルアドレナリン(NA)、及びセロトニン(5−HT)の取込みを阻害するそれらの能力について、化合物を試験した。
【0122】
試験値は、IC50H−DA、H−NA又はH−5−HTの特異的結合を50%阻害する試験物質の濃度(μM))として与えられる。
【0123】
本発明の化合物を試験することによって得られた試験結果は、以下の表から見られる。
【表1】

【0124】
前記から、本発明の特定の実施形態は、実例を目的として本明細書に記載されるが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の変更がなされてよい。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】


の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩(式中、
は水素又はC1〜6−アルキルを表し、及び
はヒドロキシ又はC1〜6−アルコキシを表す)。
【請求項2】
が水素を表す、請求項1に記載の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
がメトキシを表す、請求項1又は2に記載の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項4】
がヒドロキシを表す、請求項1又は2に記載の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項5】
(±)3−(5−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン、
(±)2−(8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン−3−イル)−ベンゾ[b]チオフェン−5−オール、又は
薬学的に許容されるその塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
医薬組成物として使用するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項7】
その疾患、障害又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態の処置又は緩和に使用するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項8】
治療有効量の請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、添加剤又は賦形剤と一緒に含む医薬組成物。
【請求項9】
医薬組成物を製造するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、その任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩の使用。
【請求項10】
その疾患、障害又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む哺乳動物の疾患又は障害又は状態の処置又は緩和のための医薬組成物を製造するための、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
疾患、障害、又は状態が、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に続発するうつ病、大うつ障害、気分変調性障害、双極性障害、双極性I型障害、双極性II型障害、気分循環性障害、全般的医療症状による気分障害、物質誘発性気分障害、仮性認知症、ガンザー症候群、強迫性障害、パニック障害、広場恐怖症を伴わないパニック障害、広場恐怖症を伴うパニック障害、パニック障害の既往歴がない広場恐怖症、パニック発作、記憶欠損、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満症、不安症、全般性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、認知症、加齢による認知症、老人性認知症、アルツハイマー病、ダウン症候群、後天性免疫不全症候群認知症複合、加齢における記憶機能不全、特異性恐怖症、社会恐怖症、社会不安性障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、薬物依存症、薬物乱用症、薬物乱用傾向、コカイン乱用症、ニコチン乱用症、タバコ乱用症、アルコール依存症、アルコール症、盗癖、依存物質の使用断ちにより引き起こされる禁断症状、疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、偏頭痛、緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、うつ症状を伴う疼痛、線維筋痛症、関節炎、変形性関節炎、リューマチ性関節炎、背痛、がん疼痛、過敏性腸疼痛、過敏性腸症候群、術後疼痛、乳房切除後疼痛症候群(PMPS)、発作後疼痛、薬物誘発性神経障害、糖尿病性神経障害、交感神経依存性疼痛、三叉神経痛、歯痛、顔面筋疼痛、幻肢痛、過食症、月経前症候群、月経前不快気分障害、後期黄体期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、遷延性植物状態、尿失禁、緊張性尿失禁、切迫性尿失禁、夜行性尿失禁、性機能障害、早漏、勃起困難症、勃起機能不全、早発性女性オルガズム、不隠下肢症候群、周期性四肢運動障害、摂食障害、神経性食欲不振症、睡眠障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー障害、レット障害、小児期崩壊性障害、学習障害、運動技能障害、無言症、抜毛癖、ナルコレプシー、脳卒中後うつ症、発作誘発性脳損傷、脳卒中誘発性神経損傷、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット病、耳鳴、チック障害、身体醜形障害、反抗挑戦性障害又は脳卒中後障害である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
疾患、障害、又は状態がうつ病である、請求項10に記載の使用。
【請求項13】
その障害、疾患又は状態が、中枢神経系においてモノアミン神経伝達物質再取込みの阻害に応答する、ヒトを含む生きている動物の体の疾患又は障害又は状態を処置又は緩和するための方法であって、それを必要とするこのような生きている動物の体に、治療有効量の請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、又はその任意のエナンチオマー若しくはそのエナンチオマーの任意の混合物、又は薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む上記方法。

【公表番号】特表2012−509354(P2012−509354A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543758(P2011−543758)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065220
【国際公開番号】WO2010/057848
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】