説明

ACジェネレータ

【課題】重くて高価なシールド及びコア用材料が必要なく、回転エネルギを電気エネルギに効率的に変換することのできるACジェネレータ構造を提供する。
【解決手段】ジェネレータの実施例は、高透磁率を有し、かつ、第1端及び第2端を有する管状の中空コア114であって、該中空コア114の半径方向外側表面から該中空コア114の半径方向内側表面まで通過する複数の渦電流低減スリット116を有する中空コア114と、該中空コア114の周囲を巻回する複数のループを有する連続する導線からなり、かつ、前記中空コア114の前記第1端及び前記第2端の間に配置されたコイル112とを備えてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、発電に使用するジェネレータに関する。特に、実施形態は、回転運動エネルギを電気エネルギに変換するよう構成されたACジェネレータに関する。
【背景技術】
【0002】
ACジェネレータは、例えば電力公共施設による発電等を含む多くの用途に使用される。加えて、ACジェネレータは、例えば家電機器、自動車等の、多くのより小さい規模の用途にも使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、多くの最新のジェネレータの構成は、これらのより小さい規模の用途での使用に適さない。例えば、最新の構成は、しばしば、著しい量の導電性かつ強磁性の材料(このような材料は高密度であり、ジェネレータの全体重量を増加させる)をシールド及びハウジング用材料として使用しており、分厚く、かつ、重い。加えて、発電効率を維持するため、そのような材料は中実又は実質的に中実で、積層されたコアにも使用され、やはりジェネレータの重量及び厚さを増大させる。さらにこれらの材料は、しばしば、比較的高価であり、ジェネレータの製造コストを増大させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本発明の実施形態は、重くて高価なシールド及びコア用材料が必要なく、回転エネルギを電気エネルギに効率的に変換することのできるACジェネレータ構造を提供する。特に、本発明の実施形態は、軽量で、かつ、製造が容易でありながらも、自己シールド特性を備えるよう構成されており、誘導渦電流等による損失を最小限に抑える等の効率的な発電プロセスを促進する中空コアを提供することができる。そのような実施形態は、パワー・ウォッシャおよび他の携帯デバイス等の、より小さい規模の用途での使用に適するが、大規模の用途のため製造してもよい。
【0005】
本発明の実施形態は、ジェネレータ用中空コアを提供する。該中空コアは、高透磁率を有し、かつ、第1端及び第2端を有する管状の中空コアであって、該中空コアの半径方向外側表面から該中空コアの半径方向内側表面まで通過する複数の渦電流低減スリットを有する中空コアと、該中空コアの周囲に巻回された複数周の連続する導線からなり、かつ、前記中空コアの前記第1端及び前記第2端の間に配置されたコイルとを備える。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記スリットは、前記中空コアの前記第1端から前記第2端に向かって、前記中空コアの長手軸方向に延びてよい。さらに、前記スリットは、実質的に前記コイルの全長に亘って延びてよい。
【0007】
中空コアの実施例は、前記中空コアの外側表面から前記中空コアの内側表面まで通過し、かつ、前記中空コアの前記第2端から前記中空コアの前記第1端に向かって、前記中空コアの長手軸方向に延びる複数の第2スリットをさらに備えてもよい。
【0008】
中空コアの実施例は、高透磁率を有し、かつ、前記中空コアから半径方向外側へ延び、さらに前記中空コアの前記第1端及び第2端の間に配置されたフランジをさらに備えてもよい。いくつかの実施形態において、前記フランジの半径は、少なくとも前記コイルの半径と同じ大きさを有してよい。
【0009】
さらに、いくつかの実施形態は、管状のボビンをさらに備え、前記コイルは前記ボビンを巻回しており、前記中空コアは前記ボビン及び前記コイルを長手方向に貫通してもよい。
【0010】
他の実施形態は、前述したような少なくとも1つの中空コアを含むジェネレータを提供してよい。そのようなジェネレータは、回転軸周りに回転するため取付けられたロータであって、回転軸に垂直な第1側面を少なくとももった平面形状のロータ本体を有するロータと、前記ロータに取付けられた複数の永久磁石であって、前記回転軸に平行に向いた磁極を有する永久磁石とを備え、前記中空コアは、前記ロータが回転すると、少なくとも1つの前記永久磁石が前記コイルの近傍を通過するよう、前記ロータ本体の第1側面に対して位置決めされてよい。ジェネレータのいくつかの実施例では、前記永久磁石の磁極が前記コイルのループの平面に対して実質的に垂直に整列するように、前記中空コアは位置決めされてよい。
【0011】
ジェネレータの実施形態では、前記永久磁石は、輪状に均一に配置され、かつ、各永久磁石は前記回転軸から等距離の位置に配置されてよい。そのような実施形態では、前記永久磁石が磁極を互い違いに向けて配置されてよい。
【0012】
そのような実施形態は、複数の中空コアを備え、前記中空コアは、輪状に均一に配置され、かつ、前記ロータ本体の第1側面に隣接して配置され、さらに該各中空コアは、前記ロータの回転軸からの距離が、前記永久磁石の前記ロータの回転軸からの距離と同一であってよい。中空コアの数が永久磁石の数と同一であってよい。
【0013】
他の実施形態は、複数の第2中空コアを備え、前記第2中空コアは、輪状に均一に配置され、かつ、前記ロータ本体の第2側面に隣接して配置され、さらに該各第2中空コアは、前記ロータの回転軸からの距離が、前記永久磁石の前記ロータの回転軸からの距離と同一であってよい。やはり、第2中空コアの数が永久磁石の数と同一であってよい。
【0014】
いくつかの実施形態は、非磁性のハウジングをさらに備え、前記ロータ及び前記中空コアが前記ハウジング内に取付けられてよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記コイルの少なくとも2つが直列に互いに接続されてよい。いくつかの実施形態では、前記コイルの少なくとも2つが並列に互いに接続されてよい。ジェネレータの実施例は、前記コイルの1つ以上に接続された出力装置をさらに備え、該出力装置は、前記コイル内に誘導された起電力を所望の周波数及び/又は振幅に一致させてよい。そのような実施形態では、前記出力装置はデジタルコントローラを含んでよい。
【0016】
ジェネレータのいくつかの実施例は、回転軸周りに回転するため取付けられ、かつ、複数の第2永久磁石を含む第2ロータをさらに備える。
【0017】
加えて、ジェネレータのいくつかの実施例は、前記コイルに接続された出力装置をさらに備え、該出力装置は、前記コイル内に誘導された起電力から単相出力を生成する。また、ジェネレータのいくつかの実施例では、該出力装置は、前記コイル内に誘導された起電力から多相出力を生成する。
【0018】
さらにいくつかの実施形態は、空洞コアと、外側表面から内側表面に通過する少なくとも1つの渦電流低減スリットとを有する、磁界を集中させるための集中要素;前記集中要素を包囲し、かつ、誘導起電力を受ける伝導要素;回転軸周りに回転するため取付けられた回転要素;および、前記回転手段に取付けられた、磁界を生じるための複数の磁界発生要素を備え、前記集中要素は、前記回転要素が前記回転軸周りに回転すると、少なくとも1つの前記磁界発生要素が前記伝導要素の近傍を通過するよう、前記回転要素に対して位置決めされたジェネレータを提供することができる。
【0019】
また、いくつかの実施形態は変化する磁界を発生させるステップと、外側表面から内側表面へ通過する少なくとも1つの渦電流低減スリットを有する空洞中空コアを用いて、磁界を集中させるステップと、前記中空コアを包囲する導体内で誘導起電力を受けるステップと、出力装置を用いて、誘導起電力を調整して出力信号にするステップと、出力信号を供給するステップとを含む、電気信号を発生させる方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の或る実施形態に従うジェネレータの実施例を示す。
【図2】本発明の或る実施形態に従うロータの実施例を示す。
【図3】本発明の或る実施形態に従うステータ要素の実施例を示す。
【図4】本発明の或る実施形態に従う、図3のステータ要素の実施例の或る構造を示す。
【図5】本発明の他の実施形態に従うジェネレータの実施例を示す。
【図6】本発明の他の実施形態に従うジェネレータの実施例を示す。
【図7】本発明の他の実施形態に従うジェネレータの実施例を示す。
【図8】本発明の実施形態に従うジェネレータの実施例の回路図を示す。
【図9】本発明の実施形態に従うジェネレータの実施例の回路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、添付の図面を参照した実施形態の詳細な説明から、より容易に理解される。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態は、ロータ上に配置された1つ以上の永久磁石と、作動の間に起電力(EMF)が誘導されるコイルを含む1つ以上のステータ要素とを含むACジェネレータを提供する。そのような実施形態には、伝統的なACジェネレータの構成に対する多数の利点がある。例えば、これらの実施形態において、ステータ要素は、中空コアの構成とともに構築され、該中空コア構成は、コア自体が固有のシールド機能を有するため、渦電流を最小化する等の効率的発電を可能とするとともに、軽量なハウジング材料の使用も可能とする。加えて、これら実施形態では、ジェネレータの出力を調整して、ジェネレータが一定でない速度で回転する場合でも安定特性をもった出力を与え、それにより、複雑な物理的変速機の必要をなくす。その結果、本発明の実施形態によれば、コンパクトかつ軽量なジェネレータをコスト効率よく提供することができる一方、効率及び信頼性を維持することができる。
【0023】
本発明の第1実施態様に従うACジェネレータ100を図1に示す。ジェネレータ100は、ロータ101を含む。ロータ101は、実質的に、ディスク又はホイールの形状に形成されてもよく、ディスク平面内で、回転軸101aの周りを、ジェネレータ100のその他の部品に対し、回転するよう構成されてもよい。
【0024】
図2は、ロータ101の実施例を詳細に示す。図示のとおり、ロータ101は、略ディスク形状のロータ本体102を含んでもよい。複数の永久磁石103がロータ本体102に取付けられてもよい。図2の図示したロータ101は、ロータ本体102を貫通する多数の開口103aを有してもよい(図示したロータには、8つの開口が記載されている)。図示した実施形態においては、永久磁石103が各開口103aに挿入される。永久磁石103は、ネオジム鉄ホウ素磁石若しくはサマリウムコバルト磁石又はその他の強磁性材料若しくはフェリ磁性材料からなる永久磁石等の、任意の適した種類であってもよい。いくつかの実施例で使用する各永久磁石103は、例えば、1つおきに同一のサイズ、形状、成分等を有することにより、1つおきの磁石103が類似する磁界を生じてもよい。磁石103は、任意の適した形状を有してよい。例えば、磁石103は、ディスク形状であってもよく、又は実質的に長方形若しくは台形等であってもよい。以下の説明において、ジェネレータ100の実施例は、ロータ101上に配置された磁石103と、ステータ要素111上に配置されたコイル112とを有するものとして説明することに留意されたい。しかしながら、他の実施形態における実施例においては、要素の位置は逆であってもよく、その場合、ステータ磁石とロータ上に配置されたコイルとなる。
【0025】
永久磁石103は、ロータ本体102の一方の側面103bから他方の側面103cへ貫通した状態でロータ本体102に形成された開口103a内に取付けられてもよい。図示した磁石103は、ロータ101の回転軸101aの付近を中心とする輪に沿って均一に離間してもよい。図示した磁石103は、各磁石103のN極及びS極がロータ101の平面に対し垂直に向くように配置され、したがって、各磁石103のN極は、ロータ101の一方の側から垂直に離れる方向に向く一方で、S側は、他方の側から離れる方向に向く。図示した磁石103の極は、互い違いに配置される。例えば、図示したとおり、磁石103をそのN極がロータ101の第1の表面から離れる方向に向くよう配置する場合には、その磁石に隣接する磁石103は、S極が同じ表面から出る方向に向くよう配置する。その結果、ロータ101の反対側の表面を見た場合、類似の互い違いのパターンが自然に生じる。加えて、そのような円形のパターンを得るため、偶数個の永久磁石103を使用する。
【0026】
しかしながら、他の実施例では、異なる配置を使用してもよい。例えば、磁石103を、極を回転軸101aから半径方向外側へ整列させつつ、ロータ101の端部に沿って整列させてもよい。他の実施形態では、極の整列は、個々の磁石103毎に互い違いにする必要はない。例えば、極の向きは、2個の磁石毎に切り替わるようにしてもよい。加えて、磁石103は、個別の部品である必要はない。むしろ、いくつかの実施形態では、磁石103の集合体を使用してもよい。加えて、永久磁石103は、ディスク形状である必要はない。いくつかの実施形態では、図示したように全ての磁石103がロータ本体102の外側端部近傍に整列する必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、内輪及び外輪等の、磁石103の多重の輪を採用してもよい。任意の他の適当な形態を使用してもよい。
【0027】
図示したロータ101は、ロータ101をその回転軸101aに沿って貫通するシャフト104を収容するよう形成される。シャフト104は、ロータ101を回転させるためロータ本体102に一体的に固定される。シャフト104は、任意の適当な方法で、ロータ101に取付けられてよい。例えば、シャフト104は、ロータ101に溶接されたロータ101の一体的部分として形成されてよく、又は図示したとおり、シャフト104は、ロータ101の開口を貫通してロータ101に金物類で固定されてもよい。例えば、シャフト104は、ロータ本体102上に形成されたカラー201を貫通して、1つ以上の位置決めねじ202を用いて所定位置に固定されてもよい。加えて、シャフト104は、ねじ山が付けられて、ナット203を用いて所定位置に固定されてもよい。ロータ101は、トルクがシャフト104に適用された際に高速で円滑に回転するようバランスがとられるべきである。
【0028】
図1に戻ると、ロータアセンブリは、ハウジング121の内側に適合してよい。例えば、ハウジング121は、任意の適した形状をなしてよく、ロータ101が内部に適合する一方で自由に回転することができるのに十分な広さの内部空洞を有してよい。例えば、図示したとおり、ハウジング121は、シャフト104が貫通し得る2つの側面を有する、実質的に長方形の断面形状を有してよい。例えば、2つの側面は、ディスク、長方形等の形状であってよく、シャフト104がハウジング121を貫通することを可能とし、かつ、ロータ101をハウジング内に支持する形状の開口をそれぞれ含んでよい。シャフト104が最小の摩擦で安定して回転することを可能とするよう構成したベアリング122を開口の内側に配置してもよい。
【0029】
ハウジング121は、オペレーションの間、回転を防止される。したがって、ハウジング121は、任意の適当な構造を使用して所定の位置に固定されてよい。例えば、図示したように、ハウジング121は、面124上に置くことのできるベース123を含む。代替的に、ハウジング121は、ジェネレータ100を内部で使用する機械の本体等の回転しない構造物に取付けてもよい取付け点を有してもよい。
【0030】
以下により詳しく説明するとおり、本発明の実施形態において採用したステータ要素111の構成から、ハウジング121は、いかなる特別な材料からなる必要もない。むしろ、ハウジング121は、適した強度、重量又は他の物性を有する任意の材料から製造されてよい。例えば、いくつかの実施形態において、ハウジング121は、アルミニウム、鉄、プラスチック等から製造されてよい。これらの材料には、強磁性体でなく、電磁エネルギの顕著なシールドを与えないものもあることに留意されたい。
【0031】
他の実施形態では、ハウジング121を設ける必要がないことに留意されたい。そのような実施形態では、以下に説明するステータ要素111を支持して、このステータ要素111を回転するロータ101に対して安定した位置に保持するフレーム又は他の構造を単に設けてもよい。加えて、任意の設けたハウジング121を、完全に閉鎖する必要はない。さらには、ハウジング121は、ジェネレータ100に典型的に使用される他の特徴を組み込んでもよい。例えば、ハウジング121は、冷却システム、メンテナンスパネル等を組み込んでもよい。
【0032】
ハウジング121には、複数の間隔を空けた各ステータ要素111の取付け点も設けてよい。例えば、一実施形態において、ハウジング121は、ハウジング121の側面上に取付け点を設けてもよく、この取付け点は、2つのステータ要素111のため、図1に示すとおり、ロータ101の平面に対し、平行に、しかし間隔を空けられて配置される。任意の数のステータ要素111のための取付け点を設けてよい。例えば、設ける取付け点の数は、ロータ101の永久磁石103の数と等しくてもよいが、異なる数の取付け点及びステータ要素111を設けてもよい。加えて、取付け点は、ロータ101上に永久磁石103を配置するのと同様にハウジング121上に配置することで、ロータ101がハウジング121内で回転する際、永久磁石103が、取付け点にそれぞれ固定されたステータ要素111の近傍を通過するが、接触しないようにしてもよい。実施態様において、磁石103がステータ要素111の正面に配置されるようにロータ101を配置した際、他の各磁石103がそれぞれのステータ要素111の正面に配置されるように、配列してよい。
【0033】
ステータ要素111は、ハウジング121に、任意の適した構成を使用して取付けてよい。例えば、ステータ要素111は、ハウジング121に形成された開口に挿入されてよく、又はハウジング121にボルト留め、リベット留め、接着、はんだ付け、溶接等してもよい。ステータ要素111の実施例を図3−4に示す。図示のとおり、ステータ要素111は、コイル112を含んでよい。コイル112は、繰り返しループ状に巻いた導電性導線からなってよい。任意の種類の導線を使用してよく、例えば、伝統的なモータ及びジェネレータのコイルに使用されている任意の標準的な導線を使用してよい。コイル112は、導線を任意の適した物体の周囲に巻くことによって形成されてよい。例えば、図示したように、導線はボビン113の周囲に巻いてよく、ボビン113は、コイル112のための安定した構造を与えてその形状を維持する。あるいは、導線は、以下により十分に説明するとおり、中空コア114の周囲に直接巻いてもよい。ボビン113は、例えば、絶縁材料から製造されてよく、導線が周囲に巻かれ、コイル112の滑落を防止するフランジを一端にもった円筒状コアを有してよい。加えて、ボビン113は、ボビン113を円筒の長手方向軸に沿って貫通したボアを有してよく、このボアは、以下に説明するとおり、中空コア114の表面に適合したサイズであってよい。加えて、ボビン113は、コイル112をジェネレータ100の残りの部分に接続することを容易にする。例えば、フランジは、コイル112の導線(リード線)の両端がアセンブリから出ることを可能とする1つ以上の孔を含んでよい。
【0034】
中空コア114を、各コイル112に対して設けてもよい。図示したとおり、中空コア114は、略円筒形状を有してもよく、円筒の軸に沿って延びるボアを有してもよい。中空コア114は、適した磁気的及び電気的特性を有する任意の材料からなってよい。好ましくは、中空コアは、高透磁率、低磁気ヒステリシス及び場合によっては高電気抵抗を有する材料から製造されてよい。適した材料は、鉄、鉄の合金を含み、この合金は例えばシリコン、フェライト等を含有するものである。中空コア114は、円筒から半径方向外方へ延び、かつ、円筒の長さ方向に沿って分ける部分に配置されたフランジ115を有してよい。フランジ115は、中空コア114の残りの部分と同じ材料から構成した中空コア114の一体的な部分としてよく、又は別体的に形成して中空コア114のボディに任意の適した方法で取付けてもよい。フランジ115は、ボビン113及びコイル112のアセンブリの裏当てとしての役割を果たしてよく、ボビン113のために適した支持を与え、かつ、シールドとして機能するのに、十分な半径及び厚さを有してよい。
【0035】
一方の方向にフランジ115から離れて延びる、中空コア114の円筒117は、ボビン113の空洞コアにスライドさせつつ挿入されるサイズとしてもよく、中空コア114の円筒117は、ボビン113の長さを実質的に拡張してもよく、代替的に、コイルを中空コアの周囲に直接巻き付けてもよい。したがって、中空コア114のこの部分は、コイル112の中央を通じて延びることで、コイル112のための磁気コアを与えてよい。1つ以上のスリット116を、中空コア114に形成してよい。例えば、図示したとおり、3つのスリット116等の複数のスリット116を、中空コア114の先端から内側に向けて長手方向に沿って形成してよい。これらスロット116は、機能上特に、ジェネレータ100がオペレーション下にある際、中空コア114に誘導される渦電流を制限する。渦電流の最小化は、そのような電流はジェネレータ100の効率を低減するため、重要である。
【0036】
他方の方向にフランジ115から離れて延びる、中空コア114のシリンダ117aは、同一のサイズ又は形状等である必要はない。例えば、図示したとおり、中空コア114のこの側は、やはり略円筒形状であってもよいが、中空コア114のボビン113側端部よりも大きい半径を有してよい。中空コア114のこの側は、取付け点でハウジング121内に適合する形状であってよく、例えば、ハウジング121に形成された開口を通じてスライドさせつつ挿入される。中空コアのハウジング側117aにも、スリット116を形成してよく、これもやはりジェネレータ100がオペレーション下にある際、中空コア114に誘導される渦電流を制限する。
【0037】
中空コア114の実施例がジェネレータに設置されているのを図1に見ることができる。図は、2つのステータ要素111内の2つの中空コア114を示している。中空コア114の円筒部の、図示したコイル112及びボビン113を通じて長手方向に延びる輪郭を破線で示している。前述のとおり、中空コア114のハウジング側端部は、ハウジング121内へ延びてよく、又はハウジングに他の方法で取り付けられてもよい。図1ではハウジングは中実のものとして示しており、したがって、中空コアがハウジング121内へ延びているか否かを見ることができない。しかしながら、図5に示すとおり、中空コア114がハウジング121の開口内へ延びてよいことは、明らかである。図1からも理解されるとおり、中空コア114は、フランジ115を含んでよい。図示されるとおり、フランジ115は、中空コア114の輪郭を取囲むディスクとして記載されている。前述のとおり、フランジ115は、中空コア114と一体的に形成されてよく、又は別体品であってもよい。
【0038】
前述したもののような中空コア114を利用することで、ジェネレータ100の実施例は効率的に発電することができる一方、経済性を維持する。例えば、前述の中空コア114は、中空の円筒状の構成により、利用する材料が伝統的なコアよりも少ない。加えて、前述のスリット116を設けることで、中空コア114に物理的に分離した部分を与えて、そうしない場合に中空コア114の材料の内部に誘導されることになる電流を制限することにより、渦電流の発生を最小限に維持してもよい。渦電流はコア材料の過熱を通じたエネルギ損失の原因となるため、渦電流を低減させることで、より効率的な発電が可能になる。加えて、固有のシールド効果を与える、中空コア114上のフランジ115を設けることで、ジェネレータ100の実施例は、シールド材料を組み込んだ高価でかさばるハウジング121の必要性を伴うことなく製造されてよい。組み立てられる際、図1を参照すれば、各中空コア114及びボビン‐コイルアセンブリの長手方向軸150は、ロータ101の回転平面152に垂直に配置されてよい。よって、ロータ101が回転する際、磁石103は、ボビン113の端部を横切って通過してよい。したがって、ロータ101が回転する際、コイル112を貫く磁束は、連続的に変化して、コイル112のEMFを誘導する。磁石103は磁極を互い違いにしつつロータを囲むように配置されているため、誘導されるEMFも交互に起こる。例えば、第1の磁石103がコイル112を横切って通過する際にロータ101が当初所定の角速度で回転している場合、EMFはコイル112に第1の方向へ誘導され、第1の磁石103と反対に極が向いた次の磁石103がコイル112を横切って通過する際、EMFは反対方向に誘導される。よって、EMFは絶え間なく変化している。
【0039】
前述のとおり、いくつかの実施形態において、ロータ101の構成は、実質的に対称性を有してよく、対象性を有する場合、例えば、磁石103が均一な間隔をもって輪状に配置され、類似の磁界を生じる。そのような対象性の実施例では、コイル112に所定の回転速度で誘導されるEMFは、略正弦関数をなし、連続する各磁石103の磁場効果がそのコイル112に対して支配的となった時方向を変える。以下にさらに説明するとおり、周波数等の誘導EMFが変化する速度は、ロータ101の角速度、ロータ101上の磁石103の数等に依存し、AC電源システムにおいて広く使用されている標準的な周波数でなくともよく、一定である必要さえもないことに留意されたい。この誘導EMFは、以下により十分説明するデジタルコントローラ等の、コイルのリード線が接続されてよい出力装置等に与えられてもよい。
【0040】
説明したとおり、実施形態は複数のステータ要素111を含んでよい。例えば、実施形態は、図1に示したとおり、ロータ101の一側面に面して輪状に配置されたステータ要素111を、各磁石103に対して1つずつ含んでよい。そのような実施形態においては、ロータ101が回転する際、起電力の変化が各コイル中に誘導される。ロータ101及びステータアセンブリ111が対象性を有するように製造され、配置される場合、各コイル112に誘導されるEMFは、類似の特性を有してよく、例えば、同一の周波数で変化する。そのような実施形態において、コイル112は、配置されたとおり、又は他の任意の順序で、互いに直列に接続されてよい。この方法において、各コイル112に誘導されたEMFは、残りのコイル112に同時に誘導されたEMFに加算されて、ジェネレータ100の出力を増大させる。ここで、コイル112は、各コイル112に誘導されたEMFが、そのコイル112が接続されるコイル112と互いに同相となるように互いに接続されなければならず、例えば、コイル112のリード線は適切な順序で接続されなければならないことに留意されたい。そのような実施形態において、接続されたステータコイル112は、出力システムに接続されてよい2つの出力リード線に終端する。
【0041】
いくつかの実施形態において、ステータ要素111を、図5に示すとおり、ロータ101の両側面上に設けてもよい。そのような場合においては、中空コア114、ボビン113、コイル112等を、ロータ101の第1の側面上の各ステータアセンブリ111の真向かいに設けてよい。よって、ロータ101は、2セットのステータアセンブリ111の間で回転し、各磁石103がロータ101の一側面上のステータ要素111を横切って通過するため、各磁石103はまた、ロータ101の反対側の側面上のステータ要素111を横切って通過する。よって、各磁石103のN及びS極の双方は、ステータコイル112を横切って通過してよい。
【0042】
この第2の1セットのステータコイル112は、互いに、かつ、ロータ101の反対側の側面上のステータコイル112と、接続してよく、ジェネレータ100の発電をさらに増大させる。対象性を維持する場合、例えばコイルが同一構造を有し、ステータ要素111が類似の形態で配置される場合には、第2の1セットのステータコイル112に誘導されるEMFは、第1の1セットのステータコイル112に誘導されるEMFと同一の周波数等を有することに留意されたい。ここで、各ステータ要素111は、直列に接続される必要はないことに留意されたい。例えば、ロータ101の各側面でのコイル112は、直列に互いに接続されてよいが、そのようにして得られた2つのアセンブリは並列に互いに接続されてもよい。所望の出力に基づいて、任意の適した接続の組合せを、使用してよい。加えて、各コイル112のリード線は、直接接続する必要はない。むしろ、ジェネレータ100には、任意の適した接続構造を設けてよい。例えば、コイルのリード線は、接続を容易にすることができるコネクタ要素、バス、回路基板等に接続してよい。
【0043】
加えて、シャフト104に取り付けられるよう構成されてよい複数のロータ101を設けてもよい。図6は、複数のロータ、ここでは2つのロータを含むジェネレータの実施例を示す。図示したとおり、ジェネレータは、第2の1セットの永久磁石103'を有する追加的なロータ101'を含んでよい。第2のロータ101'に取付けた磁石103'の量は、第1のロータ101の量と同一であってよく、磁石103'は同様に整列してよい。
【0044】
第2のロータ101'は、第1のロータ101と同一のシャフト104により回転してよく、したがって、第1のロータ101に対するその向きを維持してよい。加えて、第2のロータ101'を、第2のロータ101'上の磁石103'が第1のロータ101上の磁石103に対向して整列するように、シャフト104上に取付けてよい。さらに、第2のロータ101'を、磁石103'の極がロータ101上の対応する磁石103と同一の方向を向くように取付けてよい。すなわち、第1のロータ101上の磁石103が第2のロータ101'上の磁石103'に対向して整列する場合、一方の磁石のN極は、他方の磁石のS極に面することになる。
【0045】
単一のロータの実施形態におけるとおり、複数のロータの実施形態は、各ロータの一側面上のステータ要素111、各ロータの両側面上のステータ要素111、又は任意の考えられる組合せのステータ要素111を含んでよい。例えば、図示したとおり、単一の1セットのステータ要素111を、2つのロータ101及び101'の間に設ける。そのようなステータ要素111は、任意の適した方法で所定の位置に保持されてよい。例えば、ステータ要素111は、ラックに取付けられてよく、ハウジング121にポール又は他の構成等を介して取付けられてよい。ステータ要素111はやはり、前述したような中空コア114を含んでよい。しかしながら、図におけるとおり、ステータ要素111を2つのロータの間に設ける場合には、中空コア114は、図示のとおりフランジ115を含む必要はない。加えて、ステータ要素111は、任意の適した態様で配置した1つ以上のコイルを含んでよい。例えば、図示したとおり、中空コア114の一端付近の位置から中空コア114の他端付近の位置まで延びてよい単一の大きなコイル112が、中空コア114を包囲してもよい。他の実施形態において、ステータ要素111は、第1のコイルを第1のロータ101により近く配置し、第2のコイルを第2のロータ101'により近く配置した2つ以上のコイル(ボビン113を使用する場合はボビン113も)を含んでよい。これらのステータ要素111上のコイルは、互いに、及び採用される任意の他のコイルに、誘導EMF又は誘導電流が適切に段階化された任意の適した方法で接続されてよい。
【0046】
図7に示すとおり、他の実施形態は、1つ以上のロータ101、101'の両側面上に配置されたステータ要素111を含んでよい。例えば、図は、ロータ101、101'の間に配置された1つのステータ要素111、及び各ロータ101、101'の他方の側面上に配置された2つのステータ要素111からなる、3セットのステータ要素111を示している。そのような場合において、全てのステータ要素111が同一の構成を有する必要はない。例えば、ロータ101、101'の間に配置されたステータ要素111において使用される中空コア114は、フランジ115を含んでいなくてもよく、中空コア114の長さ方向の実質的な部分に沿って延びるコイル112を含んでもよい一方で、いずれかの側面上に配置されたステータ要素111において使用される中空コア114は、フランジ115を含み、したがって、アセンブリのためのシールドを与えてよく、ロータ101、101'の近傍に配置された中空コア114の一端からフランジ115の近傍位置までだけに延びるコイル112を含んでよい。
【0047】
採用したロータの数は、同様に、用途により要求されるロータの任意の数を含むように拡張してよい。加えて、各ロータと関連するコイルは、そのコイルと残りのコイルとの間で任意の適切に段階化された組合せで互いに接続されてよい。加えて、それらコイルは、最終的には単一の出力装置又は所望の多重的な出力装置に接続されてよい。複数のロータを採用することで、ジェネレータの実施例を、必要な規模に調整してよい。
【0048】
加えて、ジェネレータのコイルの間の接続は、所望の電気的特性を有するジェネレータを作り出すために成されてよい。例えば、図8及び9は、2つのジェネレータの実施例の回路図を示す。両図は、3つのコイル112の2セットを有するジェネレータ100を示す。例えば、コイル112の1セットは、ロータ101のいずれかの側面上に配置されてよい。しかしながら、2セットへの分割は、図示のためのみになされており、コイル112の物理的配置と一致する必要はない。
【0049】
図8に示すとおり、各コイル112は直列に互いに接続される。前述のとおり、そのようなコイル112内に誘導されたEMFは、そのように接続された他の各コイル112内に誘導されたEMFと同相である必要がある。この方法で接続する場合、コイル112内に誘導されたEMFの振幅は、他の各コイル112のそれに加算され、大きな振幅の信号を生成する結果となる。加えて、図示のとおり、1セットのコイル112も、同様の方法で直列に接続されてよく、同じ結果が得られる。複数のロータジェネレータ100においてさえ、各ロータ101のコイル112は、そのような接続が可能であり、すなわち、ロータ101が同一速度で駆動される場合、例えばロータ101が同一のシャフト104上にあり、かつ、ロータ101及びステータ要素111の構造が実質的に対称性を有する場合には、各コイル112内に誘導されたEMFは他の各コイル112内に誘導されたEMFと同相であることに留意されたい。
【0050】
他の実施態様において、コイル112の間の接続は、同様の方法でなす必要はない。例えば、いくつかのジェネレータ100では、全て又はいくつかのコイル112を、並列に接続してもよい。例えば、図9に示すとおり、コイル112を直列に接続して1セットとする一方で、各セットを他のすべてのセットに並列に接続してもよい。そのような方法では、セットが互いに接続された場合に、セット内に誘導されたEMFの振幅は互いに加算されない。しかしながら、接続されたコイルは、直列での構成に比べ、より大きい電流を与えることができる。接続の任意の組合せを要求に応じ使用してよい。加えて、コイル112は、最終的に、ジェネレータ100の出力を使用のために調整する1つ以上の出力装置801に接続されてよい。
【0051】
前述のとおり、コイル112内に誘導されたEMFの特性は、多数の要因に依存し、時間の経過に伴って変化してよい。例えば、誘導EMFの周波数は、磁石103及びコイル112の数及び構成、ロータ101の回転速度等に依存する。この周波数は、電力システムが通常採用する50又は60Hz等 よりも高くても、又は低くてもよく、一定でなくてもよい。例えば、図2に示すとおり8つの磁石103を有するロータ101の場合、ステータコイル112内に誘導されたEMFは、ロータ101が900RPMの速度で回転している時、60Hz で振動する。しかしながら、ロータ101がより速く、又は遅く回転している場合は、周波数はより高く、又は低い。回転速度が一定でない場合、例えば、シャフト104を可変の動力で駆動する場合には、誘導EMFの周波数もまた、時間の経過に伴って変化し、ロータ101の回転速度が変化すと、変化する。加えて、誘導EMFの振幅もまた、ロータ101の回転速度、及び磁石103の磁場強度、コイル112の巻数等のジェネレータ100の構成上の特性によって決定され、周波数と同様に、有用な規格に一致する必要はない。さらには、いくつかの実施形態において、ジェネレータ100は、変化するが正弦関数状にではない出力を生じる構成としてもよい。
【0052】
したがって、実施形態は、コイル112内に誘導されたEMFを消費するため調整するよう構成された出力装置801を含んでもよい。コイル112は、多数のコンポーネントを含んでよい出力装置801に接続される。例えば、出力装置801は、ジェネレータ100の出力を調整するよう構成されたデジタルコントローラ802を含むことができる。そのようなデジタルコントローラ802は、コイル112内に誘導されたEMFの電気的特性を、110V、60Hz 、又は220V、50Hz 等の有用な規格に一致させてよい。
【0053】
デジタルコントローラ802は、任意の適した構成であってよく、プロセッサ、メモリ等を含んでよい。そのようなコントローラ802は、例えば、シャフト104がロータ101を規格外だが一定の速度で回転させる場合や、及びシャフトの回転が時間の経過にともなって可変である場合にジェネレータ100の出力を調整するよう機能する。いくつかの実施態様では、デジタルコントローラ802は、誘導されたEMFを、主に2ステップで、出力に適した形態に変換するよう構成してよい。まず、デジタルコントローラ802は、コイル112内に誘導されたEMFを、整流器803を使用するなどして整流し、その結果、実質的に直流信号を生じることができる。デジタルコントローラ802は、実質的に一定であるDC信号波形とすることができるようフィルタを適用してもよい。いくつかの実施形態は、この波形を出力するDCジェネレータを提供してよいことに留意されたい。
【0054】
しかしながら、他の実施形態において、デジタルコントローラ802は、その後、DC信号からAC出力を生成してもよい。例えば、デジタルコントローラ802は、ジェネレータ100の出力が使用されるシステムの標準周波数に一致するAC出力を生成するインバータ804を採用してよい。例えば、ジェネレータ100は、120V、60Hz のAC出力を提供してよく、この出力は、米国内で標準的負荷を駆動するため使用されてよい。デジタルコントローラ802は、一定の出力、すなわち、たとえロータ101の回転速度が変化した場合でも、変化しない特性を有する出力を生成するよう構成されてよい。よって、実施形態では、シャフトを確実に一定速度で駆動する複雑な駆動減速器を有する必要はない。
【0055】
図示したとおり、インバータ804は、単相又は多相インバータ804であってよい。一例として、インバータ804は、例えば標準的な120V、60Hz の出力を与えるため、その入力を単相AC出力に変換するよう構成した単相インバータ804であってよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、インバータ804は、多相出力を与えることのできる多相インバータ804であってよい。例えば、インバータ804は、3相を含む出力を与えるよう構成されてよい。そのような場合には、出力コンダクタは、同相ではない。むしろ、インバータ804は、波形は類似するもののそれぞれその他の出力と120°位相がずれた3つの区別可能な出力を供給する。例えば、出力装置801は、120/208V又は277/480V標準等の典型的な3相標準に従う出力を与えるよう構成されてよい。他の実施形態では、出力装置801は、要求に応じ、任意の数の相を用いた出力を発生させるよう構成してもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、ジェネレータ100の出力を設定可能としてよい。例えば、デジタルコントローラは、120V、60Hz のAC出力、又は220V、50若しくは60Hz のAC出力等の多重出力を生成するよう設定してよい。出力装置801は、単相出力及び多相出力等を与えるよう設定してもよい。ジェネレータ100には、スイッチ、ダイヤル、インタラクティブディスプレイパネル等の、ユーザが所望の出力を選択することを可能にするユーザインタフェースを与えてもよい。
【0057】
出力装置は、ハウジング121に取付けられた1つ以上のコネクタ805に接続してよい。コネクタ805は、プラグ、ピン等の、ジェネレータ100を負荷に接続することを可能とする任意の適した形態であってよい。加えて、コネクタ805は、出力装置801が生成した特定の出力を供給するため、必要に応じて異なる形態としてもよく、例えば、120V、60Hz 単相システムで使用される二又の電源コンセントや、3相電源システムに適したコネクタであってよい。
【0058】
加えて、本発明の実施形態は、前述したジェネレータ100の任意の実施例を使用して電気信号を発生させるための手法も提供する。例えば、実施形態は、中空コア114を使用して電気信号を生成するための手法を含んでよい。そのような手法の実施例では、変化する磁界を発生させてよい。これは、例えば、ロータ101及び磁石103を使用して、又は他のいくつかの発生技術を使用してなされる。次に、本明細書で説明したタイプの、1つ以上の渦電流低減スリットを含む中空コア114を用いて、磁界を集中させてよい。集中させた磁界は、中空コア114を包囲する導体内に電流を誘導してよい。この誘導電流を、例えば前述の出力装置801を用いて調整してよく、使用のため供給してよい。
【0059】
本明細書では、本発明はその特定の実施形態を参照し説明した。しかしながら、それに対して種々の修正及び変更が、本発明のより広い思想及び目的から逸脱することなくなされてよいことは明らかである。したがって、本発明の詳細な説明及び図面は、限定を意図するものでなく、例示を意図するものとみなされるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジェネレータ用中空コアにおいて、
高透磁率を有し、かつ、第1端及び第2端を有する管状の中空コアであって、該中空コアの半径方向外側表面から該中空コアの半径方向内側表面まで通過する複数の渦電流低減スリットを有する中空コアと、
該中空コアの周囲を巻回する複数のループを有する連続する導線からなり、かつ、前記中空コアの前記第1端及び前記第2端の間に配置されたコイルと
を備える中空コア。
【請求項2】
請求項1に記載の中空コアであって、
前記コイルは、前記中空コアの前記第2端よりも前記第1端の方に近い位置に配置された中空コア。
【請求項3】
請求項2に記載の中空コアであって、
前記スリットは、前記中空コアの前記第1端から前記第2端に向かって、前記中空コアの長手軸方向に延びる中空コア。
【請求項4】
請求項3に記載の中空コアであって、
少なくとも1つの前記スリットが、実質的に前記コイルの全長に亘って延びる中空コア。
【請求項5】
請求項3に記載の中空コアであって、
前記中空コアの外側表面から前記中空コアの内側表面まで通過し、かつ、前記中空コアの前記第2端から前記中空コアの前記第1端に向かって、前記中空コアの長手軸方向に延びる複数の第2スリットをさらに備える中空コア。
【請求項6】
請求項1に記載の中空コアであって、
高透磁率を有し、かつ、前記中空コアから半径方向外側へ延び、さらに前記中空コアの前記第1端及び第2端の間に配置されたフランジをさらに備える中空コア。
【請求項7】
請求項6に記載の中空コアであって、
前記フランジの半径が、少なくとも前記コイルの半径と同じ大きさを有する中空コア。
【請求項8】
請求項1に記載の中空コアであって、
管状のボビンをさらに備え、
前記コイルは前記ボビンの周囲を巻回しており、
前記中空コアは前記ボビン及び前記コイルを長手方向に貫通した中空コア。
【請求項9】
ジェネレータであって、
高透磁率を有し、かつ、第1端及び第2端を有する管状の中空コアであって、該中空コアの半径方向外側表面から該中空コアの半径方向内側表面まで通過する複数の渦電流低減スリットを有する中空コアと、
該中空コアの周囲を巻回する複数のループを有する連続する導線からなり、かつ、前記中空コアの前記第1端及び前記第2端の間に配置されたコイルと、
回転軸周りに回転するため取付けられたロータであって、回転軸に垂直な第1側面を少なくとももった平面形状のロータ本体を有するロータと、
前記ロータに取付けられた複数の永久磁石であって、前記回転軸に平行に向いた磁極を有する永久磁石とを備え、
前記中空コアは、前記ロータが回転すると、少なくとも1つの前記永久磁石が前記コイルの近傍を通過するよう、前記ロータ本体の第1側面に対して位置決めされたジェネレータ。
【請求項10】
請求項9に記載のジェネレータであって、
前記永久磁石の磁極が前記コイルのループの平面に対して実質的に垂直に整列するように、前記中空コアは位置決めされるジェネレータ。
【請求項11】
請求項9に記載のジェネレータであって、
前記永久磁石は、輪状に均一に配置され、かつ、各永久磁石は前記回転軸から等距離の位置に配置されたジェネレータ。
【請求項12】
請求項11に記載のジェネレータであって、
前記永久磁石が磁極を互い違いに向けて配置されたジェネレータ。
【請求項13】
請求項9に記載のジェネレータであって、
前記永久磁石は、前記ロータ本体を前記第1側面から第2側面に貫通する開口を介して、前記ロータ本体に取付けられたジェネレータ。
【請求項14】
請求項12に記載のジェネレータであって、
該ジェネレータは複数の中空コアを備え、
該各中空コアはコイルを有し、
前記中空コアは、輪状に均一に配置され、かつ、前記ロータ本体の第1側面に対して平行で非接触となるよう配置され、さらに該各中空コアは、前記ロータの回転軸からの距離が、前記永久磁石の前記ロータの回転軸からの距離と同一であるジェネレータ。
【請求項15】
請求項14に記載のジェネレータであって、
中空コアの数が永久磁石の数と同一であるジェネレータ。
【請求項16】
請求項14に記載のジェネレータであって、
該ジェネレータは、複数の、かつ、それぞれコイルを有する第2中空コアを備え、
前記第2中空コアは、輪状に均一に配置され、かつ、前記ロータ本体の第2側面に対して平行で非接触となるよう配置され、さらに該各第2中空コアは、前記ロータの回転軸からの距離が、前記永久磁石の前記ロータの回転軸からの距離と同一であるジェネレータ。
【請求項17】
請求項16に記載のジェネレータであって、
第2中空コアの数が永久磁石の数と同一であるジェネレータ。
【請求項18】
請求項9に記載のジェネレータであって、
非磁性のハウジングをさらに備え、
前記ロータ及び前記中空コアが前記ハウジング内に取付けられたジェネレータ。
【請求項19】
請求項14に記載のジェネレータであって、
少なくとも2セットのコイルが直列に互いに接続され、各セットは少なくとも1つのコイルを有するジェネレータ。
【請求項20】
請求項14に記載のジェネレータであって、
少なくとも2セットのコイルが並列に互いに接続され、各セットは少なくとも1つのコイルを有するジェネレータ。
【請求項21】
請求項9に記載のジェネレータであって、
前記コイルに接続された出力装置をさらに備え、
該出力装置は、前記コイル内に誘導された起電力を所望の周波数に一致させるジェネレータ。
【請求項22】
請求項21に記載のジェネレータであって、
前記コイルに接続された出力装置をさらに備え、
該出力装置は、前記コイル内に誘導された起電力を所望の振幅に一致させるジェネレータ。
【請求項23】
請求項21に記載のジェネレータであって、
前記出力装置はデジタルコントローラを含むジェネレータ。
【請求項24】
請求項9に記載のジェネレータであって、
回転軸周りに回転するため取付けられ、かつ、複数の第2永久磁石を含む第2ロータをさらに備えるジェネレータ。
【請求項25】
請求項9に記載のジェネレータであって、
前記コイルに接続された出力装置をさらに備え、
該出力装置は、前記コイル内に誘導された起電力から単相出力を生成するジェネレータ。
【請求項26】
請求項9に記載のジェネレータであって、
前記コイルに接続された出力装置をさらに備え、
該出力装置は、前記コイル内に誘導された起電力から多相出力を生成するジェネレータ。
【請求項27】
ジェネレータであって、該ジェネレータは、
空洞コアと、外側表面から内側表面に通過する少なくとも1つの渦電流低減スリットとを有する、磁界を集中させるための集中手段と、
前記集中手段を包囲し、かつ、誘導起電力を受ける伝導手段と、
回転軸周りに回転するため取付けられた回転手段と、
前記回転手段に取付けられた、磁界を生じるための複数の磁界発生手段とを備え、
前記集中手段は、前記回転手段が前記回転軸周りに回転すると、少なくとも1つの前記磁界発生手段が前記伝導手段の近傍を通過するよう、前記回転手段に対して位置決めされたジェネレータ。
【請求項28】
電気信号を発生させる方法であって、
変化する磁界を発生させるステップと、
外側表面から内側表面へ通過する少なくとも1つの渦電流低減スリットを有する空洞中空コアを用いて、磁界を集中させるステップと、
前記中空コアを包囲する導体内で誘導起電力を受けるステップと、
出力装置を用いて、誘導起電力を調整して出力信号にするステップと、
出力信号を供給するステップとを含む方法。

【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−130654(P2011−130654A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−166180(P2010−166180)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(510202123)ジープラス パワーテク リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】G+ Powertec Ltd.
【Fターム(参考)】