説明

ADSLのTTRオフセット調整装置及びその方法

【課題】ADSL装置とTCM−ISDN装置とが整合されてサービスされるときに発生するNEXTまたはFEXTのノイズをTTRのオフセット調整を通じて除去することのできるADSLのTTRオフセット調整装置及びその方法を提供する。
【解決手段】TTRcに同期された第1及び第2クロックを相互に同期化し、前記同期化された第2クロックを一定の大きさの第3クロックに分周し、前記TTRcを前記分周された第3クロックを用いてハイクロック及びロウクロックに区分して各々カウントし、オフセット調整値の分だけ前記カウントされたハイクロック及びロウクロックを各々オフセット補正し、補正された第4クロック及び前記第1及び第2クロックを前記ADSL装置に提供するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非対称デジタル加入者ライン(Asymmetric Digital Subscriber Line:以下、ADSLという)のTTR(TCM-ISDN Timing Reference)オフセット調整装置及びその方法に関し、特に、ADSLとTCM−ISDN(Time-Compression Multiplexing Integrated Service Digital Network)とが整合(matching)されてサービスされるときに発生するNEXT(Near End Crosstalk)またはFEXT(Far End Crosstalk)のノイズを、TTRのオフセット調整を通じて除去できるようにしたADSLのTTRオフセット調整装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ADSLは、電話線や電話機をそのまま使用しながらも、高速のデータ通信が可能なだけでなく、データ通信及び一般電話サービス(POTS:Plain Old Telephone Service)を同時に利用できることに特徴がある。ADSLの伝送速度は、下向きデータが8Mbps、上向きデータが640Kbpsまで可能である。
【0003】
しかしながら、電話ネットワークにおいて、電気的エネルギーが銅線を介して伝送される際、変調された信号は、同じケーブル内にて隣接する銅線にエネルギーを放出する。このような電磁気的エネルギーとのクロスカップリングを、クロストーク(漏話現象)という。
【0004】
通常の電話ネットワークにおいて、絶縁された一対の銅線は、ケーブルバインダーと呼ばれるケーブルと共に結束されている。このようなケーブルバインダーで同じ周波数帯域内の情報を送受信する場合、隣接するシステムは、無視することのできないクロストーク干渉が発生するようになる。その結果、本来伝送される波形とは異なる波形の信号が銅線を介して伝送されることになる。
【0005】
クロストークは、2つのタイプに分類される。一般的に、近端クロストークと呼ばれるNEXT(Near End Crosstalk)は、隣接するシステムからの高いエネルギー信号が、元の信号に非常に大きなクロストークを誘発するため非常に重要である。すなわち、NEXTは、通信に使用される同じ終端に設けられた2つ装置間におけるクロストークノイズの重要なバロメータである。
【0006】
他のクロストークのタイプは、遠端クロストークと呼ばれるFEXT(Far End Crosstalk)である。FEXTは、チャネルの一端から一対の銅線にテスト信号を送信し、他の銅線の遠端のかく乱を測ることによって測定される。したがって、FEXTは、銅線の終端の通信装置とのデータ通信においてクロストークノイズを測定する。遠端干渉信号は銅線を介して伝送されている間に減衰されるので、一般的に、FEXTは、NEXTに比べて小さい。
【0007】
ここで、TCM−ISDNが配置された環境では、NEXT及びFEXTノイズソースをTCM−ISDN干渉という。TCM−ISDNシステムは、TCMタイミングレファレンス(TCM Timing Reference:TTR)と呼ばれる周期の間、データのアップストリーム及びダウンストリーム伝送を交互に行う。TTRの第1半周期の間、ISDN中央局がISDN遠隔端末機にデータを伝送し、残りの半周期の間、ISDN遠隔端末機がISDN中央局にデータを伝送する。
【0008】
このようなTCM−ISDN環境で、ADSLのデータ通信を円滑に行うために、ADSL送受信機は、FEXT区間の間に多量のデータを伝送し、NEXT区間の間は少量のデータを送信したり、または送信しない方式を用いる。
【0009】
NEXT干渉を最小化するための方法には、FEXT/NEXT区間によって異なるビットマップを使用する二重ビットマップ(Dual Bit Map)方式と、クロストークの干渉が少ないFEXT区間にのみデータを伝送する単一ビットマップ(Single Bit-Map)方式と、この2つの方式を組み合わせたSNR方式などが挙げられる。TCM−ISDN環境においてADSLサービスを提供するとき、全ての帯域にわたってNEXT干渉量がFEXT干渉量よりも大きいので、ADSLとTCM−ISDNサービスとの間に正確なネットワークタイム同期を行い、二重ビットマップ方式でデータを伝送することによって、データの伝送量を最大に高めることができる。
【0010】
一般的に、ADSLとTCM−ISDNとが整合(matching)されてサービスされるとき、ADSL装置は、TCM−ISDN装置からFEXT及びNEXTノイズを受けるようになる。このクロストークノイズを避けるために、TTRc(ADSL装置に入る基準クロック)がADSL装置に供給され、相対的にノイズが大きいNEXTのときにはデータを少なく伝送し、FEXTのときにはデータを多く伝送するようにする(IU−T G.992.1 ANNEX C規格)。しかしながら、TTR及びNTRの供給源装置とADSL装置との間の距離による伝搬遅延及び当該装置のシステム遅延により、TTRとTTRcとのオフセットが発生するようになる(ITU−T 992.1明細に従ってTTRとTTRcとのオフセットをMax49.819μsと定義)。
【0011】
仮に、このオフセットを補正しない場合、データを多く伝送するFEXTノイズ区間がNEXTノイズ区間と重なり、ADSL装置でデータを伝送中に、データが破損したり、多量のCRCが発生したり、ADSLリンクダウン及びSNRマージンダウンなどの多くの問題が発生する。
【0012】
【特許文献1】大韓民国特許出願公開第2001−0042976号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、TTRとTTRcとのオフセットをADSLチップクロックとPLL及びPLDを使用してプログラマブルに補正し、データを多く伝送するFEXTノイズ区間がNEXTノイズ区間と重なることを防止し、運用者の操作を通じてプログラマブルにオフセット調整を可能にして、クロストークノイズを防止し、安定したデータサービスを可能にしたADSLのTTRオフセット調整装置及びその方法を提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、ADSL SELT(ITU−T G.992.1 Spec)のTDR(Time Domain Reflectometry)機能を用いてTTRクロック源と現システムとの伝搬遅延を求め、求められた伝搬遅延値をPLDチップのプログラムを使用して遅延分だけのオフセットを補正し、データを多く伝送するFEXTノイズ区間がNEXTノイズ区間と重なることを防止し、安定したデータサービスを可能にしたADSLのTTRオフセット調整装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を達成するために、本発明の第1に係るADSL装置のTTRオフセット調整方法は、ADSL装置とTCM−ISDN装置との整合時におけるADSL装置のTTRオフセット調整方法であって、前記ADSL装置に入力される基準クロックであるTTRcに同期された第1クロック及び第2クロックを相互に同期化するステップと、前記同期化された第2クロックを、一定の大きさの第3クロックに分周するステップと、前記TTRcを、前記分周された第3クロックを用いてハイクロック及びロウクロックに区分して各々カウントするステップと、予め設定されたオフセット調整値の分だけ前記カウントされたハイクロック及びロウクロックを各々オフセット補正し、補正された第4クロック及び前記第1クロックと第2クロックを前記ADSL装置に提供するステップと、を備えることができる。
【0016】
前記第1クロックは、NTRクロックであり、前記第2クロックは、ADSL DSPクロックであり、前記第4クロックは、ADSL装置に提供されるTTRpクロックである。
【0017】
前記オフセット調整値は、ユーザが予めディップスイッチを通じて設定したビット値であるか、又は、前記ADSL装置が備えるSELT機能のTDRを用いて求められる伝搬遅延値である。
【0018】
また、本発明の第2に係るADSL装置のTTRオフセット調整方法は、ADSL装置とTCM−ISDN装置との整合時におけるADSL装置のTTRオフセット調整方法であって、前記ADSL装置に入力される基準クロックであるTTRcに同期されたNTRクロック及びADSL DSPクロックを相互に同期化するステップと、前記同期化されたADSL DSPクロックを、一定の大きさのクロックに分周するステップと、前記TTRcを、前記分周されたクロックを用いてハイクロック及びロウクロックに区分して各々カウントするステップと、前記カウントされたハイクロック及びロウクロックを、予めユーザが選択により設定したオフセット調整値によって各々オフセット補正し、補正されたTTRpクロック及び前記NTRクロックとADSL DSPクロックを前記ADSL装置に提供するステップと、を備えることができる。
【0019】
前記ユーザが設定したオフセット値は、調整可能な範囲内で設定した任意のビットを有するディップスイッチを通じて設定されている。
【0020】
前記NTRクロックは、8KHzであり、前記ADSL DSPクロックは、32.328MHzであり、前記TTRcクロックは、400Hzであり、前記分周されたクロックは、276KHzである。
【0021】
前記カウントをするステップにおいて、ハイクロック及びロウクロックのカウントは、各々9ビットカウンタを用いて、前記分周されたクロックでカウントする。
【0022】
また、本発明のさらに第3に係るADSL装置のTTRオフセット調整方法は、ADSL装置とTCM−ISDN装置との整合時におけるADSL装置のTTRオフセット調整方法であって、前記ADSL装置に入力される基準クロックであるTTRcに同期されたNTRクロック及びADSL DSPクロックを相互に同期化するステップと、前記同期化されたADSL DSPクロックを、一定の大きさのクロックに分周するステップと、前記TTRcを、前記分周されたクロックを用いてハイクロック及びロウクロックに区分して各々カウントするステップと、前記カウントされたハイクロック及びロウクロックを、前記ADSL装置から提供される伝搬遅延値によって各々オフセット補正し、補正されたTTRpクロック及び前記NTRクロックとADSL DSPクロックを前記ADSL装置に提供するステップと、を備えることができる。
【0023】
前記伝搬遅延値は、前記ADSL装置が備えるSELT機能のTDRを用いて求めた値である。
【0024】
前記NTRクロックは、8KHzであり、前記ADSL DSPクロックは、32.328MHzであり、前記TTRcクロックは、400Hzであり、前記分周されたクロックは、1.1MHzである。
【0025】
前記カウントをするステップにおいて、ハイクロック及びロウクロックのカウントは、各々11ビットカウンタを用いて、前記分周されたクロックでカウントする。
【0026】
また、本発明のさらに第4に係るADSL装置のTTRオフセット調整装置は、ADSL装置とTCM−ISDN装置との整合時におけるADSL装置のTTRオフセット調整装置であって、前記ADSL装置に入力される基準クロックであるTTRcクロックに同期された第1クロック及び第2クロックを相互に同期化する同期化部と、前記同期化部で同期化されて出力される第2クロックを、一定の大きさの第3クロックに分周し、前記TTRcを、前記分周された第3クロックを用いてハイクロック及びロウクロックに区分して各々カウントし、予め設定されたオフセット調整値の分だけ前記カウントされたハイクロック及びロウクロックを各々オフセット補正し、補正された第4クロック及び前記第1クロックと第2クロックを前記ADSL装置に提供するオフセット補正部と、を備えることができる。
【0027】
ユーザが選択したオフセット調整値を、前記オフセット補正部に提供するオフセット調整値選択部をさらに備える。
【0028】
前記オフセット調整値選択部は、ユーザが任意に設定可能なビットを有するディップスイッチであるか、又は、前記ADSL装置が備えるSELT機能のTDRを用いて求められる伝搬遅延値である。
【0029】
また、本発明のさらに第5に係るADSL装置のTTRオフセット調整装置は、ADSL装置とTCM−ISDN装置との整合時におけるADSL装置のTTRオフセット調整装置であって、前記ADSL装置に入力される基準クロックであるTTRcに同期されたNTRクロック及びADSL DSPクロックを相互に同期化する同期化部と、前記同期化部で同期化されたADSL DSPクロックを、一定の大きさのクロックに分周し、前記TTRcを、前記分周されたクロックを用いてハイクロック及びロウクロックに区分して各々カウントし、前記カウントされたハイクロック及びロウクロックを、オフセット調整値によって各々オフセット補正し、補正されたTTRpクロック及び前記NTRクロックとADSL DSPクロックを前記ADSL装置に提供するオフセット補正部と、ユーザが選択するオフセット調整値を、前記オフセット補正部に提供するオフセット調整値提供部と、を備えることができる。
【0030】
前記オフセット調整値提供部は、ユーザが選択可能な任意のビットを有するディップスイッチである。
【0031】
前記NTRクロックは、8KHzであり、前記ADSL DSPクロックは、32.328MHzであり、前記TTRcクロックは、400Hzであり、前記分周されたクロックは、276KHzである。
【0032】
前記オフセット補正部は、前記ハイクロック及びロウクロックを前記分周されたクロックで各々カウントするカウンタを備える。
【0033】
また、本発明のさらに第6に係るADSL装置のTTRオフセット調整装置は、ADSL装置とTCM−ISDN装置との整合時におけるADSL装置のTTRオフセット調整装置であって、前記ADSL装置に入力される基準クロックであるTTRcに同期されたNTRクロック及びADSL DSPクロックを相互に同期化する同期化部と、前記同期化部で同期化されたADSL DSPクロックを、一定の大きさのクロックに分周し、前記TTRcを、前記分周されたクロックを用いてハイクロック及びロウクロックに区分して各々カウントし、前記カウントされたハイクロック及びロウクロックを、前記ADSL装置から提供される伝搬遅延値によって各々オフセット補正し、補正されたTTRpクロック及び前記NTRクロック及びADSL DSPクロックを前記ADSL装置に提供するオフセット補正部と、を備えることができる。
【0034】
前記伝搬遅延値は、前記ADSL装置が備えるSELT機能のTDRを用いて求めた値である。
【0035】
前記NTRクロックは、8KHzであり、前記ADSL DSPクロックは、32.328MHzであり、前記TTRcクロックは、400Hzであり、前記分周されたクロックは、1.1MHzである。
【0036】
前記オフセット補正部は、前記ハイクロック及びロウクロックを、前記分周されたクロックで各々カウントするカウンタを備える。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、TTRとTTRcとのオフセットをADSLチップクロックとPLL及びPLDを使用してプログラマブルに補正し、データを多く伝送するFEXTノイズ区間がNEXTノイズ区間と重なることを防止することができ、運用者の操作を通じてプログラマブルにオフセット調整を可能にして、クロストークノイズを防止することができ、これにより安定したデータサービスを可能にすることができる。
【0038】
また、本発明によれば、ADSL SELT(ITU−T G.992.1 Spec)のTDR(Time Domain Reflectometry)機能を用いてTTRクロック源と現システムとの伝搬遅延を求め、求められた伝搬遅延値に基づきPLDチップのプログラムを使用して遅延分だけオフセットを補正することによって、データを多く伝送するFEXTノイズ区間がNEXTノイズ区間と重なることを防止することができ、安定したデータサービスを可能にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態に係るADSLのTTRオフセット調整装置及びその方法を詳細に説明する。
【0040】
(第1実施例)
図1は、本発明の第1実施形態に係る、ディップスイッチを用いたADSLのTTRオフセット調整装置の内部ブロック構成を示す図である。
【0041】
図1に示すように、本実施形態に係るADSLのオフセット調整装置100は、ADSL装置200に連結されている。このオフセット調整装置100は、局部発振器(local oscillator)110と、位相同期回路である位相ロックループ(PLL;Phase Lock Loop)120と、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)130と、ディップスイッチ(DIP Switch)140とを備えることができる。
【0042】
まず、PLL120は、局部発振器110から供給される16.384MHzの発振周波数を用いてTTRcに同期されて入力される8KHzのNTRクロックの位相を補償してADSL DSPに供給される32.328MHzのADSL DSPクロックに同期化させ、それからPLD130に供給する。また、PLL120は、TTRcに同期化されて入力された8KHzのNTRクロックをもPLD130に供給する。
【0043】
PLD130は、400HzのTTRcクロック,PLL120から供給されるTTRcに同期化された8KHz及び35.328MHzのクロックを、ディップスイッチ140の調整値に従うプログラマブルロジックを用いることによってTTRpクロック、TTRpに同期された35.328MHz及び8KHzのクロックに変換し、これらをADSL装置200のDSP(不図示)に供給する。
【0044】
ディップスイッチ140は、0〜15まで表示可能な4ビットのディップスイッチ(微細調整を所望する場合にはビット数を増やして調整可能)を使用するものであり、ディップスイッチ140が1増加する毎に略3.6μsのオフセットが補正される。すなわち、規格(ITU−T 992.1明細に従ってTTRとTTRcとのオフセットをMax49.819μsと定義)にMaxオフセットが略50μsと定義されているので、4ビットスイッチである場合、3.6μs×15=54μsで充分である。このディップスイッチ140は、外部からプログラマブルに調整することが可能なものである。
【0045】
このような構成を有する第1実施形態に係るADSLのTTRオフセット調整装置の動作について具体的に説明する。
【0046】
まず、図1に示すように、PLL120は、局部発振器110から供給される16.384MHzの発振周波数を用いてTTRcに同期されて入力される8KHzのNTRクロックの位相を補償してADSL DSPに供給される32.328MHzのADSL DSPクロックに同期化させ、それからPLD130に供給する。また、PLL120は、TTRcに同期化されて入力された8KHzのNTRクロックをもPLD130に供給する。
【0047】
PLD130は、400HzのTTRcクロック,PLL120から供給されるTTRcに同期化された8KHz及び35.328MHzのクロックを、ディップスイッチ140の調整値に従うプログラマブルロジックを用いることによってTTRpクロック、TTRpに同期された35.328MHz及び8KHzのクロックに変換し、これらをADSL装置200のDSP(不図示)に供給する。
【0048】
前記PLD130がディップスイッチ140のスイッチング調整値に従ってオフセットを調整するための具体的なプログラマブルロジックについて、図2及び図3を参照しながら段階的に説明する。
【0049】
図2は、図1に示すPLDの内部処理動作を示すフローチャートであり、図3は、TTRcに対してオフセットが補正されて出力されるTTRpクロックのタイミング図である。
【0050】
図2に示すように、まず、PLD130は、PLL120からTTRcに同期された35.328MHzのADSL DSPクロックが入力されると(ステップS101)、入力された35.328MHzのADSL DSPクロックを分周ロジック(division logic)により276KHzのクロックに変換する(ステップS102)。すなわち、35.328MHzのADSL DSPクロックを分周し、1サイクル当たり略3.623μsを有する276KHzのクロックを生成する。
【0051】
一方、PLD130は、400HzのTTRcクロックを、分周ロジックにより生成された前記276KHzのクロックを使用して、ハイクロック及びロウクロックを各々カウントする。詳しくは、400Hzのクロックのハイ(High)区間の9ビットカウンタ1と、ロウ(Low)区間の9ビットカウンタ2に変換する(ステップS103)。すなわち、400HzのTTRcクロックを、ハイ区間及びロウ区間に分けて276KHzでカウンタを駆動させる。このとき、2個の9ビットカウンタで344までカウントすることができ、345は“0”となる。
【0052】
したがって、このようなカウンタを用いてオフセットが調整されたTTRpを出力するようになるが、このとき、ディップスイッチ140の調整値が“0”である場合には(ステップS104)、すなわちディップスイッチ140の調整がなされていない場合には、入力される400HzのTTRcを、TTRpの出力ポートに連結し、当該400HzのクロックをTTRp値としてADSL装置200のDSPに出力する(ステップS105、S106)。すなわち、このような場合は、ディップスイッチ140の調整がなされていないのであるから、オフセットが調整されることなくTTRcとTTRpが通常通りADSL装置200のDSPに出力される。
【0053】
しかしながら、ディップスイッチ140の調整値が“0”ではなく“N(例えば1〜15)”である場合(ステップS107)、3.623×N(μs)だけ補正され、TTRp値として出力する。すなわち、図3に示すように、カウンタ2は、TTRpの344−Nだけをハイに補正し、344−Nだけをロウに補正し、400HzのTTRpクロックをADSL装置200のDSPに出力する(ステップS108、S106)。
【0054】
前述のような第1実施形態を要約すると、PLL120によってTTRcに同期されたクロックが、PLD130によってディップスイッチ140の設定値の分だけオフセットが補正され、TTRpクロックに変換されてADSL装置200に供給される。
【0055】
PLD130の内部ロジックを見れば、PLL120から入力されるTTRcに同期された35.328MHzのADSL DSPクロックを、分周ロジックによって276KHzのクロックに変換すると共に、入力される400Hzのハイ区間及びロウ区間に276KHzのクロックを用いてカウンタを駆動させる。ここで、カウンタは、2個の9ビットカウンタを用いて344までカウントを行い、345は“0”にカウントする。
【0056】
このような2個のカウンタを用いて、ディップスイッチ140のオフセット設定値(つまり調整値)に従ってTTRとTTRcとのオフセットを補正したTTRpクロックを、ADSL装置200のDSPに出力するようになる。すなわち、ディップスイッチ140の設定変更を通じて、ユーザが望むだけのオフセット補正が可能となる。
【0057】
その結果、本発明の第1実施形態によれば、ディップスイッチ140の設定値に従うハイ及びロウカウンタを用いてTTRとTTRcとのオフセットを補正したTTRpクロックを、ADSL装置200のDSPに出力することが可能であり、しかも、ディップスイッチ140の設定変更を通じて、ユーザが望むだけのオフセットの補正が可能である。
【0058】
(第2実施例)
図4は、本発明の第2実施形態に係るADSLのTTRオフセット調整装置を示すものであり、ADSL装置から提供される伝搬遅延値を利用したADSLのTTRオフセット調整装置に対するブロック構成を示す図である。
【0059】
図4に示すように、第2実施形態に係るオフセット調整装置100は、ADSL装置200に連結されている。このオフセット調整装置100は、局部発振器(local oscillator)110と、位相同期回路である位相ロックループ(PLL;Phase Lock Loop)120と、プログラマブルロジックデバイス(PLD;Programmable Logic Device)130と、を備えることができる。
【0060】
まず、PLL120は、局部発振器110から供給される16.384MHzの発振周波数を用いてTTRcに同期されて入力される8KHzのNTRクロックの位相を補償してADSL DSPに供給される32.328MHzのADSL DSPクロックに同期化させ、それからPLD130に供給する。また、PLL120は、TTRcに同期化されて入力された8KHzのNTRクロックをもPLD130に供給する。
【0061】
PLD130は、400HzのTTRcクロック,PLL120から供給されるTTRcに同期化された8KHz及び35.328MHzのクロックを、ADSL装置200のSELT TDRを通じて得られる伝搬遅延値に従うプログラマブルロジックを用いることによってTTRpクロック、TTRpに同期された35.328MHz及び8KHzのクロックに変換し、これらをADSL装置200のDSP(不図示)に供給する。
【0062】
このような構成を有する第2実施形態に係るADSLのTTRオフセット調整装置の動作について具体的に説明する。
【0063】
まず、図4に示すように、局部発振器110は、16.384MHzの発振周波数を生成してPLL120に供給する。PLL120は、局部発振器110から供給される16.384MHzの発振周波数を用いてTTRcに同期されて入力される8KHzのNTRクロックの位相を補償してADSL DSPに供給される32.328MHzのADSL DSPクロックに同期化させ、それからPLD130に供給する。また、PLL120は、TTRcに同期化されて入力された8KHzのNTRクロックをもPLD130に供給する。
【0064】
PLD130は、400HzのTTRcクロック,PLL120から供給されるTTRcに同期化された8KHz及び35.328MHzのクロックを、ADSL装置200のSELT TDRを通じて得られる伝搬遅延値に従うプログラマブルロジックを用いることによってTTRpクロック、TTRpに同期された35.328MHz及び8KHzのクロックに変換し、これらをADSL装置200のDSP(不図示)に供給する。
【0065】
前記PLD130がADSL装置200から提供される伝搬遅延値に従ってオフセットを調整するための具体的なプログラマブルロジックについて、図5及び図6を参照しながら段階的に説明する。
【0066】
図5は、図4に示すPLDの内部処理動作を示すフローチャートであり、図6は、TTRcに対してADSL装置の伝搬遅延値に従ってオフセットが補正されて出力されるTTRpクロックのタイミング図である。
【0067】
まず、ADSL装置200は、SELT TDR機能を用いて、加入者端末に連結したケーブルに従う伝搬遅延値を求める。こうして求めた伝搬遅延値は、オフセット調整装置100のPLD130に提供される。
【0068】
PLD130は、TTRcに同期された35.328MHzのADSL DSPクロックと、装置伝搬遅延値Tとが、PLL120及びADSL装置200からそれぞれ入力されると(ステップS201)、入力された35.328MHzのADSL DSPクロックを分周ロジックにより分周し、1サイクル当たり略0.91μsを有する1.1MHzのクロックを生成する(ステップS202)。
【0069】
そして、PLD130は、400HzのTTRcクロックを、分周ロジックにより生成された前記1.1MHzのクロックを使用して、400Hzのクロックのハイ(High)区間の11ビットカウンタ1と、ロウ(Low)区間の11ビットカウンタ2に変換する(ステップS203)。すなわち、400HzのTTRcクロックを、ハイ区間及びロウ区間に分けて1.1MHzでカウンタを駆動させる。このとき、2個の11ビットカウンタで1374までカウントをすることができ、1375は“0”となる。
【0070】
したがって、このようなカウンタを用いてオフセットが調整されたTTRpを出力するようになるが、このとき、ADSL装置200から提供される伝搬遅延値Tが“0”である場合には(ステップS204)、入力される400HzのTTRcを、TTRpの出力ポートに連結し、当該400HzのクロックをTTRp値としてADSL装置200のDSPに出力する(ステップS205、S206)。すなわち、このような場合は、ADSL装置200での伝搬遅延が発生しないから、オフセットが調整されることなく、TTRcとTTRpが通常通りADSL装置200のDSPに出力される。
【0071】
しかしながら、ADSL装置200から供給される伝搬遅延値Tが“0”ではなく“N”である場合(ステップS207)、0.91×N(μs)だけ補正され、TTRp値として出力する。すなわち、図6に示すように、カウンタ1は、TTRpの1374−Nだけをハイに補正し、1374−Nだけをロウに補正し、400HzのTTRpクロックをADSL装置200のDSPに出力するようになる(ステップS208、S206)。
【0072】
前述のような第2実施形態を要約すると、PLL120によってTTRcに同期されたクロックが、PLD130によってADSL装置200から提供される伝搬遅延値の分だけオフセットが補正され、TTRpクロックに変換されてADSL装置200に供給される。
【0073】
PLD130の内部ロジックを見れば、PLL120から入力されるTTRcに同期された35.328MHzのADSL DSPクロックを、分周ロジックによって1.1MHzのクロックに変換すると共に、入力される400Hzのハイ区間及びロウ区間に1.1MHzのクロックを用いてカウンタを駆動させる。ここで、カウンタは、1−1374までカウントすることができる2個のカウンタを用い、1375は“0”にカウントする。
【0074】
このような2個のカウンタを用いて、TTRとTTRcとのオフセットを補正したTTRpクロックを出力する。ここで、補正されるオフセット値は、ADSL装置200の固有機能であるSELT機能のTDRを用いて求められ、求めたオフセット値、すなわち伝搬遅延値がPLD130に供給される。
【0075】
これにより、本発明の第2実施形態によれば、ADSL装置200でSELT TDRにより得た加入者端末間の伝搬遅延値に従ってTTRとTTRcとのオフセットを補正したTTRpクロックを、ADSL装置200のDSPに出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1実施形態に係るADSLのTTRオフセット調整装置のブロック構成図である。
【図2】図1に示したPLD(Programmable Logic Device)の内部動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態に従い、TTRcに対してディップスイッチによりオフセットが補正されて出力されるTTRpクロックのタイミング図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るADSLのTTRオフセット調整装置のブロック構成図である。
【図5】図3に示したPLD(Programmable Logic Device)の内部動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に従い、TTRcに対してADSL装置から提供される伝搬遅延値によりオフセットが補正されて出力されるTTRpクロックのタイミング図である。
【符号の説明】
【0077】
100 オフセット調整装置
200 ADSL装置
110 局部発振器
120 PLL
130 PLD
140 ディップスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ADSL装置とTCM−ISDN装置との整合時におけるADSL装置のTTRオフセット調整方法であって、
前記ADSL装置に入力される基準クロックであるTTRcに同期された第1クロック及び第2クロックを相互に同期化するステップと、
前記同期化された第2クロックを、一定の大きさの第3クロックに分周するステップと、
前記TTRcを、前記分周された第3クロックを用いてハイクロック及びロウクロックに区分して各々カウントするステップと、
予め設定されたオフセット調整値の分だけ前記カウントされたハイクロック及びロウクロックを各々オフセット補正し、補正された第4クロック及び前記第1クロックと第2クロックを前記ADSL装置に提供するステップと、を備えることを特徴とするADSL装置のTTRオフセット調整方法。
【請求項2】
前記第1クロックは、NTRクロックであり、前記第2クロックは、ADSL DSPクロックであり、前記第4クロックは、ADSL装置に提供されるTTRpクロックであることを特徴とする請求項1に記載のADSL装置のTTRオフセット調整方法。
【請求項3】
前記オフセット調整値は、ユーザが予めディップスイッチを通じて設定したビット値であることを特徴とする請求項1に記載のADSL装置のTTRオフセット調整方法。
【請求項4】
前記オフセット調整値は、前記ADSL装置が備えるSELT機能のTDRを用いて求められる伝搬遅延値であることを特徴とする請求項1に記載のADSL装置のTTRオフセット調整方法。
【請求項5】
ADSL装置とTCM−ISDN装置との整合時におけるADSL装置のTTRオフセット調整方法であって、
前記ADSL装置に入力される基準クロックであるTTRcに同期されたNTRクロック及びADSL DSPクロックを相互に同期化するステップと、
前記同期化されたADSL DSPクロックを、一定の大きさのクロックに分周するステップと、
前記TTRcを、前記分周されたクロックを用いてハイクロック及びロウクロックに区分して各々カウントするステップと、
前記カウントされたハイクロック及びロウクロックを、予めユーザが選択により設定したオフセット調整値によって各々オフセット補正し、補正されたTTRpクロック及び前記NTRクロックとADSL DSPクロックを前記ADSL装置に提供するステップと、を備えることを特徴とするADSL装置のTTRオフセット調整方法。
【請求項6】
前記ユーザが設定したオフセット値は、調整可能な範囲内で設定した任意のビットを有するディップスイッチを通じて設定されていることを特徴とする請求項5に記載のADSL装置のTTRオフセット調整方法。
【請求項7】
前記NTRクロックは、8KHzであり、前記ADSL DSPクロックは、32.328MHzであり、前記TTRcクロックは、400Hzであり、前記分周されたクロックは、276KHzであることを特徴とする請求項5に記載のADSL装置のTTRオフセット調整方法。
【請求項8】
前記カウントをするステップにおいて、ハイクロック及びロウクロックのカウントは、各々9ビットカウンタを用いて、前記分周されたクロックでカウントすることを特徴とする請求項5に記載のADSL装置のTTRオフセット調整方法。
【請求項9】
ADSL装置とTCM−ISDN装置との整合時におけるADSL装置のTTRオフセット調整方法であって、
前記ADSL装置に入力される基準クロックであるTTRcに同期されたNTRクロック及びADSL DSPクロックを相互に同期化するステップと、
前記同期化されたADSL DSPクロックを、一定の大きさのクロックに分周するステップと、
前記TTRcを、前記分周されたクロックを用いてハイクロック及びロウクロックに区分して各々カウントするステップと、
前記カウントされたハイクロック及びロウクロックを、前記ADSL装置から提供される伝搬遅延値によって各々オフセット補正し、補正されたTTRpクロック及び前記NTRクロックとADSL DSPクロックを前記ADSL装置に提供するステップと、を備えることを特徴とするADSL装置のTTRオフセット調整方法。
【請求項10】
前記伝搬遅延値は、前記ADSL装置が備えるSELT機能のTDRを用いて求めた値であることを特徴とする請求項9に記載のADSL装置のTTRオフセット調整方法。
【請求項11】
前記NTRクロックは、8KHzであり、前記ADSL DSPクロックは、32.328MHzであり、前記TTRcクロックは、400Hzであり、前記分周されたクロックは、1.1MHzであることを特徴とする請求項9に記載のADSL装置のTTRオフセット調整方法。
【請求項12】
前記カウントをするステップにおいて、ハイクロック及びロウクロックのカウントは、各々11ビットカウンタを用いて、前記分周されたクロックでカウントすることを特徴とする請求項9に記載のADSL装置のTTRオフセット調整方法。
【請求項13】
ADSL装置とTCM−ISDN装置との整合時におけるADSL装置のTTRオフセット調整装置であって、
前記ADSL装置に入力される基準クロックであるTTRcクロックに同期された第1クロック及び第2クロックを相互に同期化する同期化部と、
前記同期化部で同期化されて出力される第2クロックを、一定の大きさの第3クロックに分周し、前記TTRcを、前記分周された第3クロックを用いてハイクロック及びロウクロックに区分して各々カウントし、予め設定されたオフセット調整値の分だけ前記カウントされたハイクロック及びロウクロックを各々オフセット補正し、補正された第4クロック及び前記第1クロックと第2クロックを前記ADSL装置に提供するオフセット補正部と、を備えることを特徴とするADSL装置のTTRオフセット調整装置。
【請求項14】
前記第1クロックは、NTRクロックであり、前記第2クロックは、ADSL DSPクロックであり、前記第4クロックは、ADSL装置に提供されるTTRpクロックであることを特徴する請求項13に記載のADSL装置のTTRオフセット調整装置。
【請求項15】
ユーザが選択したオフセット調整値を、前記オフセット補正部に提供するオフセット調整値選択部をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載のADSL装置のTTRオフセット調整装置。
【請求項16】
前記オフセット調整値選択部は、ユーザが任意に設定可能なビットを有するディップスイッチであることを特徴とする請求項15に記載のADSL装置のTTRオフセット調整装置。
【請求項17】
前記オフセット調整値は、前記ADSL装置が備えるSELT機能のTDRを用いて求められる伝搬遅延値であることを特徴とする請求項13に記載のADSL装置のTTRオフセット調整装置。
【請求項18】
ADSL装置とTCM−ISDN装置との整合時におけるADSL装置のTTRオフセット調整装置であって、
前記ADSL装置に入力される基準クロックであるTTRcに同期されたNTRクロック及びADSL DSPクロックを相互に同期化する同期化部と、
前記同期化部で同期化されたADSL DSPクロックを、一定の大きさのクロックに分周し、前記TTRcを、前記分周されたクロックを用いてハイクロック及びロウクロックに区分して各々カウントし、前記カウントされたハイクロック及びロウクロックを、オフセット調整値によって各々オフセット補正し、補正されたTTRpクロック及び前記NTRクロックとADSL DSPクロックを前記ADSL装置に提供するオフセット補正部と、
ユーザが選択するオフセット調整値を、前記オフセット補正部に提供するオフセット調整値提供部と、を備えることを特徴とするADSL装置のTTRオフセット調整装置。
【請求項19】
前記オフセット調整値提供部は、ユーザが選択可能な任意のビットを有するディップスイッチであることを特徴とする請求項18に記載のADSL装置のオフセット調整装置。
【請求項20】
前記NTRクロックは、8KHzであり、前記ADSL DSPクロックは、32.328MHzであり、前記TTRcクロックは、400Hzであり、前記分周されたクロックは、276KHzであることを特徴とする請求項18に記載のADSL装置のTTRオフセット調整装置。
【請求項21】
前記オフセット補正部は、前記ハイクロック及びロウクロックを前記分周されたクロックで各々カウントするカウンタを備えることを特徴とする請求項18に記載のADSL装置のTTRオフセット調整装置。
【請求項22】
ADSL装置とTCM−ISDN装置との整合時におけるADSL装置のTTRオフセット調整装置であって、
前記ADSL装置に入力される基準クロックであるTTRcに同期されたNTRクロック及びADSL DSPクロックを相互に同期化する同期化部と、
前記同期化部で同期化されたADSL DSPクロックを、一定の大きさのクロックに分周し、前記TTRcを、前記分周されたクロックを用いてハイクロック及びロウクロックに区分して各々カウントし、前記カウントされたハイクロック及びロウクロックを、前記ADSL装置から提供される伝搬遅延値によって各々オフセット補正し、補正されたTTRpクロック及び前記NTRクロック及びADSL DSPクロックを前記ADSL装置に提供するオフセット補正部と、を備えることを特徴とするADSL装置のTTRオフセット調整装置。
【請求項23】
前記伝搬遅延値は、前記ADSL装置が備えるSELT機能のTDRを用いて求めた値であることを特徴とする請求項22に記載のADSL装置のTTRオフセット調整装置。
【請求項24】
前記NTRクロックは、8KHzであり、前記ADSL DSPクロックは、32.328MHzであり、前記TTRcクロックは、400Hzであり、前記分周されたクロックは、1.1MHzであることを特徴とする請求項22に記載のADSL装置のTTRオフセット調整装置。
【請求項25】
前記オフセット補正部は、前記ハイクロック及びロウクロックを、前記分周されたクロックで各々カウントするカウンタを備えることを特徴とする請求項22に記載のADSL装置のオフセット調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−208970(P2007−208970A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−7002(P2007−7002)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】