説明

AVデータの記録再生に適した記録方法と再生方法及び、その記録ドライブと再生ドライブ及び、情報記録システムと情報再生システム及び、情報記録媒体

【課題】従来の情報記録再生方法では、ディスク上の欠陥領域を物理的に離れた領域に代替処理を行うために時間がかかった。そのため、AVデータの記録再生時には、映像や音声が乱れる等の問題が発生する。
【解決手段】本発明では、記録時に検出された欠陥領域をスキップして後続の正常領域に記録するとともに、欠陥領域をファイル管理情報によって管理する。また、欠陥領域をファイル管理情報によって管理するために、記録時にスキップした欠陥領域の位置情報を格納しておき、記録後にファイル管理情報に登録する。
このことにより、記録再生時に欠陥領域が存在しても従来のように離れた代替領域にシークすることなく記録再生が可能なため、AVデータの記録再生のような実時間性が要求される用途にも使用可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体の記録再生方法に関するものであり、特に欠陥領域の存在する情報記録媒体において、映像・音声データを実時間記録再生可能とするものである。
【背景技術】
【0002】
セクタ構造を有する情報記録媒体の代表的なものは光ディスクであり、近年高密度化、大容量化が進んでおり、信頼性の確保が重要となっている。光ディスク装置では、ディスク上に記録再生できないセクタがある場合には、このセクタを使用しないようするために欠陥セクタとして登録し、替わりに他のセクタを代替することで、信頼性を確保している。このような光ディスク装置で行われる欠陥管理は、90mm光ディスクの国際標準化機構ISO/IEC10090(以下ISO規格と略す)に記載されており、以下、これに基づいて説明する。
【0003】
図25は一般的なディスク媒体構造図である。
円盤状のディスク媒体1には、同心円状またはスパイラル状に多数のトラック2が形成されており、各トラックには細かく分けられた多数のセクタ3が形成されている。
【0004】
ディスクの領域は、ディスク情報領域4とデータ記録領域5から構成される。ディスク情報領域4は、ディスクをアクセスするのに必要なパラメータなどが格納されており、ディスク媒体1の最内周側と最外周側に位置する。ディスク情報領域4はリードイン、リードアウトなどとも呼ばれる。
データの記録再生はデータ記録領域5に対して行われ、データ記録領域5の全セクタには物理セクタ番号(以下、PSNと称す)といわれる絶対番地が付加されている。
【0005】
図26は従来のディスク媒体のデータ構造2600を示す図である。ディスク媒体上には図27に示すように、ROOTディレクトリ下にDIR1ディレクトリが存在し、DIR1ディレクトリ下にFILE1及びFILE2の2つのファイルが存在する例を示している。
【0006】
データ構造2600は、未使用空間管理情報2601と、ディスク媒体1の論理空間データ構造(以下「論理空間」という)2602と、ディスク媒体1の物理空間データ構造2603と、欠陥管理情報2604を含む。物理空間データ構造2603は、ディスク媒体1を再生する装置のみが解釈する、制御データ領域2605、欠陥管理情報2606、未使用スペア領域2607等を含む。これらの領域は、論理空間2602には含まれない。
【0007】
これらの領域は、パーソナルコンピュータのような制御機器にはアクセス不可能で、光ディスクドライブのような物理的にディスクを再生する装置のみが参照する。
【0008】
図26に示すように、論理空間は論理ボリューム構造情報を格納するボリューム構造2608と、論理ボリューム空間のファイル構造及びファイルデータを格納する領域(パーティション空間2609)とに分割される。尚、論理空間は論理セクタ番号(以下、LSNと称す)といわれる連続的な番地によって管理されている。
【0009】
以下、パーティション空間2609に格納される内容について説明する。
【0010】
未使用空間管理情報2601はパーティション空間2609内の各セクタが使用されているか否かを示すビットマップである。ビットマップ上の各ビットは各セクタに対応し、ビットが1に設定されている場合は使用済みを、0に設定されている場合は未使用をそれぞれ示す。図26の例では、未使用空間管理情報2610及び、ROOTディレクトリファイル構造2611には常に0が設定されており、その他の領域は未使用領域2612を除いて全て使用済みを示す1が設定されている。
【0011】
ROOTディレクトリファイル構造2611は、ROOTディレクトリに存在するファイルやディレクトリに関する情報が格納されるROOTディレクトリファイルと、ROOTディレクトリファイル(図中、省略)が記録されている位置を特定するROOT ICB(図中、省略)を含む。
【0012】
DIR1ファイルエントリ2613は、ディレクトリ「DIR1」に含まれるディレクトリ及びファイルに関する情報が格納されるDIR1ディレクトリファイルの位置情報を含む。
【0013】
DIR1ディレクトリファイル2614は、ディレクトリ「DIR1」に格納されるファイル「FILE1」、「FILE2」に関する情報と、FILE1ファイルエントリ2615及びFILE2ファイルエントリ2616の格納位置情報を含む。
【0014】
FILE1ファイルエントリ2615及びFILE2ファイルエントリ2616は、それぞれファイル「FILE1」、「FILE2」のファイルデータが格納される位置情報等を含む。
【0015】
FILE1エクステント2617にはファイル「FILE1」のファイルデータが、FILE2エクステント2618にはファイル「FILE2」のファイルデータが格納されている。
【0016】
次に物理空間データ構造2603について、説明する。
【0017】
ディスクの物理空間は、ディスク情報領域2619、データ記録領域2620に大別される。ディスク情報領域2619は、ディスクを再生する再生装置のみが参照する制御情報を格納する。
【0018】
ディスク情報領域2619は制御データ領域2605と欠陥管理情報2606に大別される。制御データ領域2605は、ディスク判別情報や著作権保護情報等の制御情報が格納されている。欠陥管理情報2606にはディスク上の欠陥に関する情報が格納されている。欠陥管理情報2606については後に説明する。
【0019】
データ記録領域2620には、ファイル構造やファイルデータが記録されるユーザ領域2621と、ユーザ領域中に存在する欠陥領域を補填するためのスペア領域2622が含まれる。ユーザ領域2621中に含まれる欠陥領域2623は、スペア領域2622の代替領域2624によって代替される。同様にユーザ領域2621中に含まれる欠陥領域2625は、スペア領域2622中の代替領域2626によって代替される。
【0020】
次に論理空間2602と物理空間2603の関係について説明する。ディスクの物理空間2602内に欠陥領域が存在しない場合、各グループのユーザ領域2621が論理空間2602に対応する。図26では、ボリューム構造2608、未使用空間管理情報2610、ROOTディレクトリファイル構造2611、DIR1ファイルエントリ2613、DIR1ディレクトリファイル2614、FILE1ファイルエントリ2615、FILE2ファイルエントリ2616は、論理空間2602と物理空間2603とがそのまま対応している。しかしながら、物理空間2603に欠陥領域2623,2625を含む場合、欠陥領域2623,2625はスペア領域2622中の代替領域2624,2626でそれぞれ置き換えられる。図26では、物理空間2603おいてFILE1エクステント領域中に欠陥領域2623が存在する。欠陥領域2623は使用できないため、代替領域2624によって代替されることにより、論理空間2602に対してはエラーフリーな空間を提供する。その結果、論理空間2602おいてFILE1エクステント2617は、1つの連続的空間として割り当てられている。FILE2エクステントが記録されている物理空間2603中に含まれる欠陥領域2625に関しても同様である。
【0021】
前記欠陥領域2623、2625等及びその代替領域2624、2626等は、ディスク情報領域2619中の欠陥管理情報2606によって管理される。欠陥管理情報2604のディスク定義構造2627には、ディスクの欠陥管理方式やディスク属性等の情報が格納されている。また、1次欠陥リスト2628(Primary Defect List;以下、PDLと称す)は通常、ディスク製造者が行う初期化処理において検出された欠陥領域の位置情報が格納されている。ユーザーがディスク使用時に検出された欠陥領域は2次欠陥リストによって取り扱われる。2次欠陥リスト(Secondary Defect List;以下、SDLと称す)は、欠陥管理情報の更新回数を格納する2次欠陥リストヘッダ2629、リストに登録されている欠陥領域とその代替領域の組の数を示す2次欠陥リスト登録数2630(図26の例では2が設定される)、欠陥領域のPSNで昇順に並べられた欠陥領域のPSNとその代替領域のPSNのリスト2631、から成る。従って、ディスクの記録/再生装置は、ディスク挿入時の起動処理において欠陥管理情報2604を読出し、欠陥領域へのアクセス時にはアクセス先をその代替領域にしてディスクアクセスを行う。
【0022】
次に、従来の方法における、ディスクの記録処理について、図28のフローチャートを用いて説明する。記録処理は処理(2301)〜処理(2309)までのファイルデータの記録処理と、処理(2310)〜処理(2317)までのファイル構造の記録処理の、大きく2つのステップに分けられる。以下、図28に基づいて説明する。
【0023】
(1)ファイルデータの記録処理
ディスク記録装置(図中、省略)は、まずディスク上の未使用領域の中からファイルを記録する領域割当て処理(2301)を行う。領域割当ては、図26の未使用空間管理情報2601中の未使用領域(ビットマップのビットが0に設定)から選択される。本処理により、記録するディスク上の位置が決定される。この時、前記未使用空間管理情報2601はあらかじめディスク媒体から読み出されているものとする。
【0024】
次に、ディスク記録装置は、処理(2301)で決定した記録位置にファイルデータの記録を開始する(2302)。この時、ディスクへの書き込みを実行する際に、エラー判定(2303)によって、ディスク上に凸凹記録された位置識別情報である物理アドレスが正常に読み出せたかどうかをチェックする。これは、セクタへのデータ書き込み時には、はじめにセクタアドレスを読み出すことが必要であり、これがエラーである場合には位置を特定できないために記録ができないためである。エラー判定(2303)によって、アドレス読み出しエラー有りと判定された時には、エラーのあった領域を欠陥領域とし、交替処理(2308)を行う。
【0025】
次に書き込みが成功したかどうかを確認するためにベリファイ処理を行う(2304)。このベリファイ処理は、先ほど書き込みを行った領域からデータを読み出し、書き込みを行ったデータとの比較や、誤り訂正符号による演算などによって、書き込みが成功したかどうかを確認する処理である。
【0026】
ベリファイ処理後に、データに誤りがないかどうかを判定(2305)し、読み出しデータがエラーであった場合には、エラーの発生した領域を欠陥領域とし、交替処理(2309)を行う。エラー判定(2305)においてエラー無しと判定された時には、記録すべきデータを全て記録したか否かを判定(2306)し、終了していなければ、次の記録アドレスを設定(2307)し、データの書き込み(2302)、ベリファイ処理(2304)を行う。
【0027】
これを繰り返して、記録すべきデータを全てエラー無く記録した後、ファイル構造の記録処理を行う。
【0028】
ここで、交替処理(2308,2309)は、図26で示したスペア領域2622への交替処理である。
【0029】
図29に記録時の交替処理2308,2309の動作をフローチャートで示す。欠陥領域2623,2625を代替する代替領域2624,2626を図26で示したスペア領域2622より割当て(2401)、検出された欠陥領域2633,2625に記録されるはずであったデータを、この代替領域2624,2626に書き込む(2402)。このとき、図28で前述した処理(2303)と同様に物理アドレスが正常に読み出せたか否かのエラー判定を行う(2403)。エラーであったと判定された場合には処理(2401)、(2402)を行い新たな代替領域への記録を実行する。一方、正常終了であった場合には、読み出したデータと書き込んだデータの比較や誤り訂正符号の演算などによって書き込みが成功したか否かを確認するベリファイ処理行う(2404)。ベリファイ処理後にデータに誤りがあったか否かのエラー判定を行う(2405)。エラー判定の結果、エラーが発生したと判定された場合は再び(2401)の代替領域の割当て処理を行う。一方、正常に終了したと判定された場合は、SDLに欠陥領域のPSNと代替領域のPSNを登録すると共にSDLエントリ数を1だけ加算するSDL登録処理を行う(2406)。
【0030】
(2)ファイル構造の記録処理
(1)で述べたファイルデータの記録処理完了後に、ファイルデータの記録位置やサイズ情報が更新されたことに伴うファイル構造の記録処理を行う。この時の動作は、データの内容と記録領域が異なるものの、先に述べた処理(2301)〜処理(2309)の処理と同様である。すなわち、ファイル構造の書き込み(2310)、アドレス読み出しエラー判定(2311)、ベリファイ処理(2312)、ベリファイエラー判定(2313)を、次のアドレスを設定(2315)しながらファイル構造データの先頭から最後まで、データ終了判定(2314)で終了となるまで繰り返す。
【0031】
この時、エラー判定(2311,2313)でエラー有りと判定された場合に行われる交替処理(2316,2317)は、図29で示した交替処理と同一であり、先に述べた、ファイルデータの記録処理と同様である。
【0032】
(3)データの再生
次に、図28,図29で説明した記録方法によって記録されたデータを読み出す動作について、図30を参照しながら説明する。図30は、ディスクに記録されたファイルのファイルデータの一部である1つのエクステントを再生する動作を示すフローチャートである。以下、処理内容を順に説明する。
【0033】
ディスク再生装置(図中、省略)は再生に先立って先ず、ファイル構造情報を読み出す(2501)。次に、(2501)で読み出したファイル構造を解釈し、再生するファイルのファイルデータが記録されているディスク上のLSN及びサイズを得ることができる(2502)。その後LSNはPSNに変換され、読み出し位置として設定される(2503)。この時、PSNに変換した読み出し位置が欠陥管理情報2604内のSDLに欠陥領域PSNとして登録されているか否かを判定する(2504)。欠陥領域PSNとしてSDLに格納されていた場合、再生装置は欠陥領域に対応する代替領域PSNをSDLから算出し、代替領域からの再生処理を実行する(2506)。一方、読み出し位置がSDLに欠陥領域PSNとして登録されていない場合、再生装置はそのまま(2503)で変換されたPSNからデータの再生を行う(2505)。(2505)又は(2506)の再生処理後に、再生装置は再生中のエクステントの全データが再生完了したか否かを判定し(2507)、未完了の場合には(2503)の変換結果であるPSNに再生したサイズを加えたアドレスを次に再生するPSNとし(2508)、処理(2504)からの再生動作を繰り返す。一方、処理(2507)でエクステントの全データが再生完了したと判定した場合は、処理を終了する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
しかしながら上記の従来技術において、図26に示したようなデータ配置で、FILE1エクステント領域に欠陥領域2623が存在する場合、その代替領域はスペア領域2622から割り当てられるため、かなりの距離のシーク動作を伴うことになる。例えば、FILE1エクステントを連続的に全て再生する場合には、ユーザ領域2621中にあるFILE1エクステントを再生した後、欠陥領域2623に遭遇した時点でスペア領域2622へのシーク及び回転待ちの後に代替領域2624へのアクセスが可能となる。また、代替領域2624のアクセス後には同様に、代替領域2624から欠陥領域2623の後続領域へのシーク及び回転待ちを行った後でなければ、残りのFILE1エクステントにアクセスできない。また、FILE2エクステント中の欠陥領域2625に関しても同様である。
【0035】
このように、ユーザー領域2621中に欠陥領域2623,2625が存在する場合には、記録時・再生時共に著しい遅延が発生する。従来のコンピュータ用途における大容量記憶媒体としてディスクを使用する場合には前述の遅延は致命的な問題とはならない。しかしながら、ディジタル映像・音声データ(以下、AVデータと称す)を含むデータを実時間記録する場合や、滑らかに再生するためには前記の遅延は致命的な問題となる。すなわち、AVデータの一部が欠落する、ノイズが発生する、滑らかな再生ができない、といった不具合が発生する。
【0036】
本発明は上記問題点に鑑み、物理的に離れたスペア領域へのシーク動作を行わないことにより、欠陥領域による遅延を最小限とし、AVデータの実時間記録・再生を実現するディスク媒体のデータ構造とデータ記録再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0037】
本発明に係る情報記録媒体は、セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに、記録された該データがファイルとしてファイル構造を用いて管理される情報記録媒体であって、前記ファイル構造は、使用済み領域及び未使用領域を識別するための未使用空間管理情報を含み、記録したデータが正しく再生できない前記情報記録媒体上の領域である欠陥領域の少なくとも一部が、前記未使用空間管理情報において該未使用領域として登録され、そのことにより上記目的が達成される。
【0038】
前記欠陥領域は、前記媒体上の位置情報が記録されている物理アドレス部を正しく読み出せない領域であってもよい。
【0039】
前記欠陥領域は、前記データの記録動作に続いて行われる検証動作において、該データが正しく記録されていないと判定された領域であってもよい。
【0040】
前記情報記録媒体は、誤り訂正処理を行う単位であるECCブロックを含み、該ECCブロックは、複数の前記セクタから構成され、前記欠陥領域は、該ECCブロック単位で管理されてもよい。
【0041】
本発明に係る他の情報記録媒体は、セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに、誤り訂正処理を行う単位であるECCブロックが複数のセクタから構成された情報記録媒体であって、データが記録された1つ以上の該セクタが、エクステントとして管理され、1つ以上の該エクステントが、ファイルとしてファイル構造を用いて管理され、前記ECCブロックに満たない半端データが該ファイル中に存在する場合に、前記半端データを含む該ECCブロックの未使用領域を、該ファイルの一部として割当て済み且つ未使用領域であることを意味するパディングエクステントとして管理し、そのことにより上記目的が達成される。
【0042】
前記パディングエクステントを識別するための識別情報であるエクステントタイプが、前記エクステントに一対一に対応してファイル管理情報に登録されていてもよい。
【0043】
本発明に係るさらに他の情報記録媒体は、セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに、記録された該データがファイルとしてファイル構造を用いて管理される情報記録媒体であって、前記ファイル構造は、映像又は音声情報を含むAVファイルであるか否かを識別するための識別情報であるAVフラグをファイル毎に有し、そのことにより上記目的が達成される。
【0044】
本発明に係る情報記録方法は、セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに、記録された該データがファイルとしてファイル構造を用いて管理される情報記録媒体にデータを記録する情報記録方法であって、該データを記録するための記録領域を割当てる記録領域割当てステップと、前記記録領域割当てステップにおいて割当てられた該記録領域の欠陥領域をスキップしながら該データを記録するスキップ記録ステップと、前記スキップ記録ステップにおいて、スキップすることなくデータを記録した領域をファイル管理情報にエクステントとして登録するとともに、該領域を使用済み領域として未使用空間管理情報に登録し、欠陥領域と判定してスキップされた領域を未使用領域として該未使用空間
管理情報に登録するファイル管理情報作成ステップとを包含し、そのことにより上記目的が達成される。
【0045】
前記情報記録方法は、記録する前記ファイルのデータ属性を判別するファイルデータ属性判別ステップと、前記記録領域割当てステップにおいて割当てられた前記領域の欠陥領域を別の良好領域で代替しながらデータを記録する代替記録ステップとをさらに包含し、前記ファイルデータ属性判別ステップは、記録する前記ファイルの前記データ属性が映像又は音声データを含むAVファイルと判定した場合には前記スキップ記録ステップにおいて前記データの記録を行い、映像又は音声データを含まない非AVファイルと判定した場合には前記代替記録ステップにおいて前記データの記録を行ってもよい。
【0046】
前記スキップ記録ステップは、記録した前記データが正しく記録されたか否かを検査するデータ検査ステップを包含し、前記欠陥領域は前記データ検査ステップにおいてエラーと判定された領域を包含してもよい。
【0047】
前記情報記録媒体では、誤り訂正処理を行う単位であるECCブロックが複数のセクタから構成され、前記スキップ記録ステップは、前記欠陥領域を前記ECCブロック単位でスキップし、前記ファイル管理情報作成ステップは、前記欠陥領域を前記ECCブロック単位で前記未使用空間管理情報に登録してもよい。
【0048】
前記記録領域割当てステップは、割当てた前記領域内に全データが記録可能な最大のスキップ数を算出するスキップ可能数算出ステップを包含し、前記スキップ記録ステップは、前記記録領域割当てステップで割り当てられた前記記録領域の位置情報及びスキップ可能数を設定して記録開始を指示するスキップ記録指示ステップを包含し、前記ファイル管理情報作成ステップは、前記スキップ記録ステップにおいて前記データがスキップすることなく記録された領域の位置を決定するための情報を転送する記録位置情報転送ステップを包含し、前記ファイル管理情報作成ステップは、前記記録位置情報転送ステップで転送された記録位置情報をもとにファイル管理情報を作成してもよい。
【0049】
前記スキップ記録ステップは、前記記録領域割当てステップで割り当てられた記録領域を設定する記録領域設定ステップと、前記記録領域に対して記録するデータを分割して記録する分割記録ステップとを包含し、前記ファイル管理情報作成ステップは、前記スキップ記録ステップにおいて前記データがスキップすることなく記録された領域の位置を決定するための情報を転送する記録位置情報転送ステップを包含し、前記ファイル管理情報作成ステップは、前記記録位置情報転送ステップで転送された記録位置情報をもとにファイル管理情報を登録してもよい。
【0050】
前記スキップ記録ステップは、前記記録領域割当てステップで割り当てられた記録領域を設定する記録領域設定ステップと、前記記録領域に対して記録するデータを分割して記録する分割記録ステップと、記録中の位置情報及び記録状態を取得する記録状態確認ステップとを包含してもよい。
【0051】
本発明に係る他の情報記録方法は、セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに、誤り訂正処理を行う単位であるECCブロックが複数のセクタから構成され、データが記録された1つ以上の前記セクタがエクステントとして管理され、1つ以上の該エクステントがファイルとしてファイル構造を用いて管理される情報記録媒体に情報を記録する情報記録方法であって、データを記録するための記録領域を割当てる記録領域割当てステップと、前記記録領域割当てステップにおいて割当てられた前記記録領域の欠陥領域をスキップしながら前記データを記録するスキップ記録ステップと、前記スキップ記録ステップにおいて、データを記録した領域をファイル管理情報にエクステントとして登録するとともに、該領域を使用済み領域として未使用領域管理情報に登録し、欠陥領域と判定された領域を未使用領域として未使用管理情報に登録するファイル管理情報作成ステップとを包含し、前記ファイル管理情報作成ステップは、エクステント終端がECCブロック途中に存在する場合には前記ECCブロック内の残りの領域を、ファイルの一部であるが未使用領域であることを意味するパディングエクステントとしてファイル管理情報に登録するパディングエクステント登録ステップを包含し、そのことにより上記目的が達成される。
【0052】
本発明に係るさらに他の情報記録方法は、セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに、前記データが記録された1つ以上の前記セクタがエクステントとして管理され、1つ以上のエクステントがファイルとしてファイル構造を用いて管理される情報記録媒体に情報を記録する情報記録方法であって、前記データを記録するための記録領域を割当てる記録領域割当てステップと、前記記録領域割当てステップにおいて割当てられた領域の欠陥領域をスキップしながら前記データを記録するスキップ記録ステップと、前記スキップ記録ステップにおいて、前記データを記録した領域をファイル管理情報にエクステントとして登録するとともに該領域を使用済み領域として未使用空間管理情報に登録し、欠陥領域と判定された領域を未使用領域として未使用空間管理情報に登録するファイル管理情報作成ステップとを包含し、前記ファイル管理情報作成ステップは、記録されたファイルが映像又は音声情報を含むAVファイルであれば、前記AVファイルを識別するためのファイル属性情報をファイル管理情報に登録するAVファイル属性登録ステップを包含し、そのことにより上記目的が達成される。
【0053】
本発明に係るディスク記録ドライブは、セクタ単位で記録・再生を行うディスクに前記データを記録するディスク記録ドライブであり、処理命令を処理する命令処理手段と、前記命令処理手段からの要求に応じてディスクへの記録処理を制御するディスク記録制御手段とを備え、前記命令処理手段は、記録開始位置および記録長およびスキップ許容数を含むスキップ記録命令を受領して前記ディスク記録制御手段に記録要求を行うスキップ記録命令処理手段と、前記ディスク記録制御手段から記録したデータの記録位置情報を受領して報告する記録位置要求命令処理手段とを包含し、前記ディスク記録制御手段は、前記スキップ記録命令処理手段が、スキップ記録命令の受領時に記録開始位置および記録長およびスキップ許容数を含む記録制御情報を格納する記録制御情報メモリと、記録動作中にディスク上の欠陥領域を検出する欠陥領域検出手段と、前記記録制御情報メモリに格納された記録制御情報に従って記録動作を開始し、記録動作中に前記欠陥領域検出手段が欠陥領域を検出した場合に、欠陥領域数が前記スキップ許容数以内であれば該欠陥領域への記録を中止して該欠陥領域に記録すべきデータを含む残りのデータを後続領域に記録し、欠陥領域数が前記スキップ許容数より大きければ記録動作を停止して前記スキップ記録命令処理手段にエラーを報告するスキップ記録制御手段と、前記スキップ記録制御手段がスキップを行った欠陥領域の位置情報を格納するための欠陥領域記録位置格納メモリとを包含し、そのことにより上記目的が達成される。
【0054】
前記前記ディスク記録制御手段は、記録を行った領域のデータを読出して検査するデータ検査手段をさらに包含し、前記欠陥領域は、前記データ検査手段においてエラーと判定された領域を包含してもよい。
【0055】
前記スキップ記録制御手段は、誤り訂正処理を行う単位であるECCブロックが複数のセクタから構成される情報記録媒体に記録を行う場合には、前記欠陥領域をECCブロック単位で判定してもよい。
【0056】
本発明に係る他のディスク記録ドライブは、セクタ単位で記録・再生を行うディスクにデータを記録するディスク記録ドライブであって、処理要求命令を処理する命令処理手段と、前記命令処理手段からの要求に応じてディスクへの記録処理を制御するディスク記録制御手段とを包含し、前記命令処理手段は、記録可能領域の位置情報を指定する記録領域指示命令を処理する記録領域指示命令処理手段と、前記記録領域指示命令によって指定された領域へ記録するデータを分割して転送する分割記録命令を処理する分割記録命令処理手段と、記録したデータの記録位置情報を報告する記録位置要求命令処理手段とを包含し、前記ディスク記録制御手段は、前記記録領域指示命令処理手段から指定される記録領域の位置情報を記録制御情報として格納する記録制御情報メモリと、記録動作中にディスク上の欠陥領域を検出する欠陥領域検出手段と、前記記録制御情報メモリに格納された記録制御情報に従って記録動作を開始し、記録動作中に前記欠陥領域検出手段が欠陥領域を検出した場合に、前記記録制御情報メモリに格納された記録領域内であれば該欠陥領域への記録を中止して該欠陥領域に記録すべきデータを含む残りのデータを後続領域に記録し、記録領域を越えたなら記録動作を停止して前記分割記録命令処理手段にエラーを報告するスキップ記録制御手段と、前記スキップ記録制御手段がスキップを行った欠陥領域の位置情報を格納するための欠陥領域記録位置格納メモリとを包含し、そのことにより上記目的が達成される。
【0057】
前記記録制御手段は、記録を行った領域のデータを読出して検査するデータ検査手段を包含し、前記欠陥領域は、前記データ検査手段においてエラーと判定された領域を包含してもよい。
【0058】
前記スキップ記録制御手段は、誤り訂正処理を行う単位であるECCブロックが複数のセクタから構成される情報記録媒体に記録を行う場合には、前記欠陥領域を含むECCブロックを欠陥領域として取り扱ってもよい。
【0059】
前記命令処理手段は、記録状態報告要求命令を受領して、現在の記録位置及び記録状態を報告する記録状態報告要求命令処理手段をさらに包含してもよい。
【0060】
本発明に係るさらに他のデータ記録方法は、セクタ単位で記録・再生を行うディスクにデータを記録するデータ記録方法であって、処理要求命令を処理する命令処理ステップと、ディスクへの記録処理を制御するディスク記録制御ステップとを包含し、前記命令処理ステップは、記録可能領域の位置情報を指定する記録領域指示命令を処理する記録領域指示命令処理ステップと、前記記録領域指示命令によって指定された領域へ記録するデータを分割して転送する分割記録命令を処理する分割記録命令処理ステップと、記録したデータの記録位置情報を報告する記録位置要求命令処理ステップとを包含し、前記ディスク記録制御ステップは、前記記録領域指示命令処理ステップで指定される記録領域の位置情報を記録制御情報として格納する記録制御情報格納ステップと、記録動作中にディスク上の欠陥領域を検出する欠陥領域検出ステップと、前記記録制御情報に従って記録動作を開始し、記録動作中に前記欠陥領域検出ステップで欠陥領域を検出した場合に、前記記録制御情報が格納された記録領域内であれば該欠陥領域への記録を中止して該欠陥領域に記録すべきデータを含む残りのデータを後続領域に記録し、記録領域を越えたなら記録動作を停止するスキップ記録制御ステップと、前記スキップ記録制御ステップでスキップを行った欠陥領域の位置情報を格納する欠陥領域記録位置格納ステップとを包含し、そのことにより上記目的が達成される。
【0061】
前記記録制御ステップは、記録を行った領域のデータを読出して検査するデータ検査ステップを包含し、前記欠陥領域は、前記データ検査ステップにおいてエラーと判定された領域を包含してもよい。
【0062】
前記スキップ記録制御ステップは、誤り訂正処理を行う単位であるECCブロックが複数のセクタから構成される情報記録媒体に記録を行う場合には、前記欠陥領域を含むECCブロックを欠陥領域として取り扱ってもよい。
【0063】
前記命令処理ステップは、記録状態報告要求命令を受領して、現在の記録位置及び記録状態を報告する記録状態報告要求命令処理ステップをさらに包含してもよい。
【0064】
本発明に係る情報記録システムは、上位制御装置と本発明に係るディスク記録ドライブを備える情報記録システムであって、前記上位制御装置は、前記ディスク記録ドライブに対して命令を発行する命令発行手段と、記録を行う領域を選択する記録領域割当て手段と、ディスク上に記録されたファイルを管理するためのファイル管理情報を作成するファイル管理情報作成手段とを備え、前記命令発行手段は、前記記録領域割当て手段によって選択されたディスク上の記録領域に対して、記録中に検出した欠陥領域をスキップしながら記録を行うスキップ記録命令を発行するスキップ記録命令発行手段と、記録した領域の位置を決定する記録位置情報の転送を要求する記録位置要求命令を発行する記録位置要求命令発行手段とを包含し、前記記録位置要求命令発行手段が前記ディスク記録ドライブから受領した記録位置情報を元に、前記フィル管理情報作成手段がファイル管理情報を作成し、そのことにより上記目的が達成される。
【0065】
前記ファイル管理情報作成手段は、記録したファイルが映像または音声情報を含むAVファイルの場合には、AVファイルの識別情報をファイル属性に登録してもよい。
【0066】
前記ファイル管理情報作成手段は、記録動作中に検出された欠陥領域をファイル管理情報内の未使用領域管理情報に未使用領域として登録してもよい。
【0067】
本発明に係る他の情報記録システムは、上位制御装置と本発明に係るディスク記録ドライブとを備える情報記録システムであって、前記上位制御装置は、前記ディスク記録ドライブに対して命令を発行する命令発行手段と、記録を行う領域を選択する記録領域割当て手段と、ディスク上に記録されたファイルを管理するための管理情報を作成するファイル管理情報作成手段とを備え、前記命令発行手段は、ディスクへの記録動作に先立ち、前記記録領域割当て手段によって割り当てられたディスク上の記録領域を指示する命令を発行する記録領域指示命令発行手段と、前記記録領域指示命令発行手段によって指定した領域に記録するデータを分割して転送するとともに記録することを前記ディスク記録ドライブに要求する分割記録命令発行手段と、前記ディスク記録ドライブによって記録された領域の位置を決定する記録位置情報の転送を報告を要求する記録位置要求命令を発行する記録位置要求命令発行手段とを包含し、前記記録位置要求命令発行手段が前記ディスク記録ドライブから受領した記録位置情報を元に、前記ファイル管理情報作成手段がファイル管理情報を作成し、そのことにより上記目的が達成される。
【0068】
前記ファイル管理情報作成手段は、記録したファイルが映像または音声情報を含むAVファイルの場合には、AVファイルの識別情報をファイル属性に登録してもよい。
【0069】
前記ファイル管理情報作成手段は、記録動作中に検出された欠陥領域をファイル管理情報内の未使用領域管理情報に未使用領域として登録してもよい。
【0070】
本発明に係るさらに他の情報再生方法は、セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに、記録された前記データがファイルとしてファイル構造を用いて管理される情報記録媒体からデータを再生する情報再生方法であって、ファイルの再生に先立って、再生を行う1つ以上の再生領域の位置情報を設定する再生位置設定ステップと、前記再生位置設定ステップにおいて設定された再生領域の再生動作を実行するとともに、再生中にエラーを検出した場合も後続の再生動作を継続する連続再生ステップと、前記再生位置設定ステップにおいて指定された領域の再生データを転送する再生データ転送ステップ、とを包含し、そのことにより上記目的が達成される。
【0071】
本発明に係るさらに他のディスク再生ドライブは、セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに記録された前記データがファイル構造を用いて管理される情報記録媒体からデータを再生するディスク再生ドライブであって、処理命令を受領して処理を行う命令処理手段と、ディスクからデータを連続的に読出し、読出したデータの転送を行う再生制御手段とを包含し、前記命令処理手段は、再生動作に先立って1つ以上の読出し領域の位置情報を指定する読出し領域設定命令を処理する再生領域設定命令処理手段と、読み出したデータの転送を要求する読出しデータ転送要求命令を処理する読出しデータ転送命令処理手段とを包含し、前記再生制御手段は、前記読出し領域設定命令処理手段が受領した読出し領域の位置情報を格納する読出し領域情報格納メモリと、読み出したデータを一時的に格納する読出しデータ格納メモリと、前記読出し領域情報格納メモリに格納した読出し領域の位置情報に従って、ディスクからのデータをあらかじめ読出して前記読出しデータ格納メモリに格納する先読み処理を実行するとともに、データの読出し動作にエラーが発生しても先読み動作を停止せずに後続領域の読出し動作を続行する連続先読み処理手段とを包含し、前記読出しデータ転送命令処理手段は、読出しデータ転送命令を受領すると、前記読み出しデータ格納メモリに格納された読出しデータのデータ転送処理を実行し、そのことにより上記目的が達成される。
【0072】
本発明に係るさらに他の情報再生システムは、セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに、記録された前記データがファイルとしてファイル構造を用いて管理される情報記録媒体からデータを再生する情報再生システムであって、上位制御装置と請求項35記載のディスク再生ドライブとを備え、前記上位制御装置は、ディスクに記録されているファイル管理情報からファイルの位置情報及び属性情報を解釈するファイル管理情報解釈手段と、前記ディスク再生ドライブに対して、処理の要求を行う命令を発行する命令発行手段を有し、前記命令発行手段は、前記ファイルシステム解釈手段によって判定されるファイルデータの記録位置情報をもとに再生領域設定命令を発行する再生領域設定命令発行手段と、前記再生領域設定命令によって指示された領域のデータ転送を要求する読み出しデータ転送命令を発行して読出しデータを受領する読出しデータ転送命令発行手段とを包含し、そのことにより上記目的が達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施例におけるディスク媒体のデータ構造100を示すものである。本図では、ROOTディレクトリ下にDIR1ディレクトリがあり、DIR1ディレクトリ下にAVデータを格納するファイル”AV_FILE”と、コンピュータデータを格納する”PC_FILE”の2つのファイルが存在する場合の例を示している。ここでは従来の技術において、図26を用いて既に説明した内容については説明を省略し、本発明の特徴となる部分についてのみ説明する。
【0074】
論理空間102では、AV_FILEエクステント105、AV_FILEエクステント106、AV_FILEパディングエクステント107の3つのエクステントから成るAV_FILE108と、PC_FILEエクステント109から成るPC_FILE110が、ROOTディレクトリ下のDIR1ディレクトリに存在することを示している。
【0075】
ここで、図1は、AV_FILEエクステント105とAV_FILEエクステント106の間に欠陥領域112が存在することを示している。欠陥領域112はAV_FILE105、106を記録中に検出された欠陥領域である。ここで欠陥領域は、複数セクタが1つのエラー訂正単位(ECCブロック)を構成する場合には、セクタ単位ではなくECCブロック単位で判定される。図26において説明した従来の情報記録ディスクの場合、記録中に検出された欠陥領域は全てスペア領域内の代替領域によって代替処理される。しかしながら、図1の実施例に示されるように、本発明の情報記録ディスクは、AVデータの記録中に検出された欠陥領域をスキップすることによって、物理的に離れたスペア領域へのシークすることによる遅延を防止している。また、図1において、AV_FILEの終端は、AV_FILEパディングエクステントという通常とは異なる属性のエクステントが存在することを示している。本AV_FILEパディングエクステント領域は、ファイルデータは記録されていないが、ファイルの一部として管理される。本パディングエクステントはDVD−RAM(Digital Versatile Disc Random Access Memory)のように複数セクタによって一つのエラー訂正単位(以下、ECCブロックと称す)が存在する場合、AVデータを含むファイルとPCデータを含むファイルが同一ECCブロックに混在することを防止するためにECCブロックの残りの領域が登録されたものである。これは、AVファイルが実時間記録を実現するためにデータの検査処理を実行せずに信頼性を犠牲にして記録された場合にも、PCファイルを別のECCブロックに分離することで、PCファイルの信頼性を確保するためである。従って、AVファイルに比較して極めて高い信頼性が要求されるPCファイルの記録を可能とする。
【0076】
ファイル管理情報として記録されている未使用空間管理情報101はパーティション空間111内の全セクタと一対一に対応するビットマップである。図1に示すように、ファイルエントリやエクステントが記録されている領域には使用済みを意味する1が設定されている。一方、未使用領域や未使用空間管理情報自身を示す領域には、未使用を示す0が設定されている。ここで、論理空間102上に存在する欠陥領域112は、未使用であることを示す0が設定されている。このことにより、実時間性の求められるAVデータの記録には用いることができない欠陥領域も、従来の方式で述べた代替処理を行うPCデータの記録には使用することができる。また、複数セクタ単位でECCブロックを構成する情報記録ディスクの欠陥領域は、ECCブロック単位で登録される。すなわち、DVD−RAMの場合には16セクタでECCブロックを構成するため、一つの欠陥領域は少なくとも16セクタが使用済み領域として設定される。
【0077】
物理空間103上には、欠陥領域113と欠陥領域114の2つの欠陥領域が存在している。これらのうち、欠陥領域113は論理空間102の説明で述べたように、AVファイル記録時に検出された欠陥であり、論理空間102内においてファイル管理情報によって管理されている。一方、欠陥領域114は従来の情報記録ディスクと同様にスペア領域115中の代替領域116に代替処理が行われている。代替領域116は、PCファイルを記録中に検出された欠陥領域114に対応する。PCファイル記録中に検出された欠陥領域114は、従来の欠陥管理処理で取り扱うことにより、従来の環境との互換性が確保される。
【0078】
欠陥管理情報104において代替処理が行われている領域は欠陥領域114のみである。従って、SDL登録数117は1に設定されると共に、欠陥領域114の先頭PSN及びその代替領域である代替領域116の先頭PSNが登録されている。
【0079】
図2はAV_FILEファイルエントリ118のデータ構造を示している。AV_FILEファイルエントリ118はファイルの属性情報やファイルの記録位置情報を含んでいる。記述子タグ201はファイルエントリの開始を識別するための識別情報であり、固有の値が記録されている。ICBタグ202はファイルの属性情報が記録される。割付記述子203には、AV_FILEを構成するエクステントの位置情報が記録される。
【0080】
ICBタグ202には、既に記録されているエクステントのエントリ数を示す既記録直接エントリ数204や、ファイルの属性情報を示すフラグ領域205が含まれる。フラグ領域205には更に、割付記述子の種別を識別する割付記述子タイプ206や、AVファイルか否かを識別するAVフラグ207が記録されている。ここで、AV_FILE108はAVデータを含むファイルであるため、本AVフラグ207は1に設定されている。従って、本フラグを用いることにより、ファイルがAVファイルであるかPCファイルであるかを識別することが可能である。
【0081】
割付記述子203には、各エクステントに対応して、エクステントの属性情報を示すエクステントタイプ、エクステントのサイズ情報を示すエクステント長、エクステントの記録されている位置情報を示すエクステント位置が記録されている。AV_FILEエクステント105の割付記述子208のエクステントタイプ209は、通常のエクステントを示す0が設定されている。ここで、通常のエクステントとは、ファイルデータが記録されているエクステントを意味する。一方、AV_FILEパディングエクステント107の割付け識別子210のエクステントタイプ211は、パディングエクステントであることを示す1が設定されている。エクステントタイプが1の場合、前述のようにファイルの一部として管理されているが、ファイルデータが記録されていないことを示す。
【0082】
図3はPC_FILEファイルエントリ119のデータ構造を示している。データ構造は図2において説明したAV_FILEファイルエントリ118と同様である。AV_FILEファイルエントリ118とPC_FILEファイルエントリ119とで異なる点は、AVフラグ301が0である点である。これは、PC_FILEはAVデータを含まないファイルであることを意味する。また、AVデータを含まないPC_FILE110は、ECCブロックの残り領域をパディングエクステントとすることは無いため、パディングエクステントは存在しない。従って、PC_FILEエクステンの割付記述子302中のエクステントタイプ303は、パディングエクステントで無いことを示す0が設定される。
【0083】
以上で本発明の情報記録ディスクの実施例の説明を終わる。
【0084】
以上のように本実施例の情報記録ディスクは、欠陥領域113に従来の代替処理を行わないために、代替処理に伴う遅延を伴わずにデータの記録再生が可能となる。従って、従来の欠陥管理方法が論理空間2602としてエラーフリーな空間を提供するために物理空間2603内で遅延の発生する代替処理を行っていたのに対し、欠陥領域112をスキップするのみの高速な欠陥管理を可能とする。加えて、実時間性を要求されるAVデータの記録中に検出された欠陥セクタを未使用領域として登録することで、従来通りの交替処理を行うPCデータの記録には使用可能となる。
【0085】
また、本実施例の情報記録ディスクは、複数セクタから成るECCブロックを有する情報記録ディスクを使用する場合に、欠陥領域をECCブロック単位で登録することにより、情報記録ディスクの信頼性を確保することを可能とする。
【0086】
また、本実施例の情報記録ディスクは、複数セクタから成るECCブロックを有する情報記録ディスクを使用する場合に、AVデータが記録されたECCブロックにPCデータが混在することを防止するパディングエクステントが登録されると共に、その識別情報をエクステント毎に有することで、同一ディスク上にAVデータとPCデータが共存する場合でもPCデータの信頼性を確保することが可能である。
【0087】
また、本実施例の情報記録ディスクは、ファイル属性としてAVファイルか非AVファイルかを識別する識別情報を有するため、AVファイル再生時には信頼性より実時間性を優先するといった、ファイル属性に応じた再生方法の使い分けが可能となる。
【0088】
次に、図1に示したディスク媒体を記録・再生する情報記録再生装置の第1の実施例について、その構成及び動作について図面を参照しながら説明する。
【0089】
図4は、本発明の一実施例における情報記録再生システム400の構成を示すブロック図である。図4に示されるように情報記録再生システム400は、システム全体の制御を行う上位制御装置410と、上位制御装置410からの命令に応じて書換え型ディスク(図中、省略)の記録再生制御を行うディスク記録再生ドライブ420と、磁気ディスク装置450と、ディジタルAVデータをアナログ映像・音声信号に変換して出力するAVデータ出力部460と、入力されたアナログAV信号をディジタルAVデータに変換するAVデータ入力部470と、データや制御情報を送受信するI/Oバス480とから構成される。
【0090】
上位制御装置410は、制御プログラムや演算用メモリを含むマイクロプロセッサで構成される。上位制御装置410はさらに、記録時に記録領域の割当てを行う記録領域割当て手段411と、記録したファイルのファイル管理情報を作成するファイル管理情報作成手段412と、ファイル管理情報からファイルの記録位置の算出や属性情報の判別を行うファイル管理情報解釈手段413と、一時的にデータを格納するデータバッファメモリ414と、ディスク記録再生ドライブ420に命令を発行する命令発行手段415から構成される。命令発行手段415はさらに、欠陥領域をスキップしながら記録を行うことを要求するスキップ記録命令を発行するスキップ記録命令発行手段416と、記録後にデータが記録された領域を決定する情報の返送を要求する記録位置要求命令を発行する記録位置要求命令発行手段417と、再生に先立って再生する領域を指定する再生領域設定命令発行手段418と、読出したデータの転送を要求する読出しデータ転送命令を発行する読出しデータ転送命令発行手段419から構成される。
【0091】
ディスク記録再生ドライブ420は、制御プログラムと演算用メモリを含むマイクロプロセッサと、前記マイクロプロセッサで制御される機構部や信号処理回路で構成され、上位制御装置410からの命令を処理する命令処理手段421と、書換え型ディスクへの記録時の制御を行う記録制御手段430と、書換型ディスクからの再生時の制御を行う再生制御手段440を機能的に備えている。命令処理手段421はさらに、スキップ記録命令の処理を行うスキップ記録命令処理手段422、記録位置要求命令の処理を行う記録位置要求命令処理手段423、再生領域設定命令の処理を行う再生領域設定命令処理手段424、読出しデータ転送命令処理手段425から成る。記録制御手段430はさらに、記録時に欠陥領域を検出する欠陥領域検出手段431、記録時に検出した欠陥領域をスキップしながら記録するスキップ記録制御手段432、データを記録した位置に関する情報を格納する記録位置格納メモリ433、記録後に記録したデータを読出すことにより正常に記録されているか否かを検査するデータ検査手段434、記録開始位置や記録長等の記録に必要となる制御情報を格納する記録制御情報メモリ435、上位制御装置410から受領した記録データを一時的に格納する記録データ格納メモリ436から構成される。再生制御手段440はさらに、再生に先立って上位制御装置410から指定される再生領域の位置情報を格納する読出し領域情報格納メモリ441、書換型ディスクから読出したデータを一時的に格納する読出しデータ格納メモリ442、あらかじめ設定された読出し領域情報にしたがってデータの先読み処理を実行すると共に読出し処理においてエラーが発生しても停止することなく先読み処理を続行する連続先読み処理手段443から構成される。
【0092】
次に、図4に示した情報記録再生システム400でAVデータを含むファイルを記録する場合の記録方法について、図5に示す全体制御処理に従いながら説明する。また制御手順の説明において、上位制御装置410からディスク記録再生ドライブ420に発行する命令及び通信データのデータ構造について図6、図7、図8を用いて説明する。また、ディスク記録再生ドライブ420の詳細な記録手順について、図9に示したフローチャートに従って説明する。なお、図5の全体フローチャートにおいて、書換型ディスク上に記録されたファイルのファイル管理情報はディスク挿入時に読み出され、既にファイル管理情報解釈手段413が解釈を行った後、管理情報を内部に保持しているものとする。また、図5において、全体制御処理は、上位制御装置410が行う処理521、ディスク記録再生ドライブ420が行う処理523、その間のI/Fプロトコルにおける命令、データ、処理結果の流れ522を、それぞれ示している。
【0093】
(501)上位制御装置410は、AVデータ入力部470を制御して、AVデータの受信動作を開始する。この時、AVデータ入力部470から入力されたAVデータは、AVデータ入力部470においてディジタルデータに変換された後、I/Oバス480を介して転送され、データバッファメモリ414に格納される。
【0094】
(502)上位制御装置410の記録領域割当て手段411は、AVデータの記録に先立って、ファイル管理情報解釈手段413から書換型ディスクの空き領域情報を取得して、記録領域を割り当てる。ここで、記録領域割当て手段411は、再生時にAVデータが滑らかな再生が可能となるように、割当てる領域のサイズ及び領域間の物理的な距離を考慮して、領域割当てを行う。
【0095】
(503)上位制御装置410のスキップ記録命令発行手段416は、記録領域割当て手段411が割り当てた領域の位置情報を取得し、ディスク記録再生ドライブ420に対してスキップ記録命令である”SKIP WRITE”コマンドを発行する。この時スキップ記録命令発行手段416は、”SKIP WRITE”コマンドのパラメータとして記録領域割当て手段411によって割り当てられた領域の位置情報と記録するサイズ情報と欠陥検出時のスキップ許容数とを指定する。さらに、”SKIP WRITE”コマンドに続いて、本コマンドで指定したサイズのデータがデータバッファメモリ414からディスク記録再生ドライブ420に転送される。図6は”SKIP WRITE”コマンドのコマンドとして転送されるデータ構造であるコマンド制御ブロックを示している。”SKIP WRITE”コマンドのコマンド制御ブロック長は12バイトであり、バイト0に”SKIP WRITE”コマンドであることを識別可能な固有の命令コードが、バイト2からバイト5の4バイトに記録を開始するセクタのLSN(位置情報)が、バイト6に記録動作実行中に欠陥領域を検出した場合のスキップ許容数を表すECCブロック数を、バイト7及びバイト8の2バイトに転送するデータのセクタ数(サイズ情報)を含んでいる。
【0096】
(504)上位制御装置410から発行された”SKIP WRITE”コマンドを受取ったディスク記録再生ドライブ420のスキップ記録命令処理手段422は、書換型ディスク上の指定された開始LSNから、転送されたデータの記録処理を実行するよう、スキップ記録制御手段432に要求する。以下、この時のディスク記録再生ドライブ420の動作を、図9に示すフローチャートに従って説明する。
【0097】
スキップ記録命令処理手段422は、上位制御装置410から発行された”SKIP WRITE”コマンド及び記録データを受領する。この時、スキップ記録命令処理手段422はコマンドと同時にコマンド実行に必要なパラメータとして、開始LSNを示すパラメータ”ADR”と、記録を行うデータのセクタ数を示すパラメータ”LEN”と、欠陥領域検出時に実行するスキップ動作の最大許容数を示すパラメータ”MAX_SKP”を受領し、記録制御情報メモリ435に格納する。ただし、スキップ動作の最大許容数を表すパラメータ”MAX_SKP ”は、欠陥領域をスキップすることにより書換型ディスク上の記録位置が後方にずれこむことによって後続の既に使用中の領域を破壊することを防止するために、上位制御装置410の記録領域割当て手段411によって算出される変数である(901)。”SKIP WRITE”コマンドを受け取ったディスク記録再生ドライブ420は、記録制御情報メモリ435中の、記録中にスキップしたECCブロック数を格納するための領域及び、記録が完了したサイズを格納する領域を共に0に初期化する(902)。その後、スキップ記録命令処理手段422は、書換型ディスクへ記録するデータを受領し、記録データ格納メモリ436に格納する(903)。所定量の記録データが記録データ格納メモリ436に格納された後、スキップ記録制御手段432は書換型ディスクへの記録動作を開始する(904)。記録動作において、欠陥領域検出手段431は、記録中の領域が欠陥領域か否かの判定を行う(905)。
【0098】
ここで欠陥領域検出手段431は次の2点の要因を元に欠陥領域であるか否かを判定する。一つは、書換型ディスクの位置情報でありセクタ毎に付与されている物理アドレスが正しく読み出せたか否かであり、読み出せなかった場合はそのセクタを含むECCブロックを欠陥領域と判定する。もう一つは、記録時に書換型ディスクから反射する光量の振幅を監視し、振幅が所定以上乱れていた領域を検出した場合には、そのセクタを含むECCブロックを欠陥領域と判定する。いずれの場合も欠陥領域と判定された場合には処理(910)に分岐する。記録処理が正常に終了した場合、データ検査手段434は、記録を行った領域のデータを読み出すことによってデータが正常に記録されているか否かを判定する(906、907)。検査の結果データ検査手段434がエラーと判定した場合は、処理(910)に分岐する。一方、正常と判定された場合は、記録完了ブロック数に記録したセクタ数を加算する(908)。
【0099】
その後スキップ記録制御手段432は、記録完了ブロック数が記録制御情報メモリ435に格納されている変数”LEN”に等しいか否かを判定する(909)。記録完了ブロック数が変数”LEN”に等しいと判定した場合には指定されたデータを全て記録したと判定し処理を終了する。一方、記録完了ブロック数が変数”LEN”に満たない場合には、処理(904)に分岐し、残りのデータの記録処理を行う。ここで、処理(905)又は処理(907)においてエラーと判定された場合、記録制御情報メモリ435に格納されている記録中スキップ数と変数”MAX_SKIP”とを比較する(910)。ここで記録中スキップ数が変数”MAX_SKIP”と一致していた場合には、”SKIP WRITE”コマンドで指定された最大スキップ許容数を越えたと判定してエラー終了する。記録中スキップ数が変数”MAX_SKIP”未満であった場合には、検出された欠陥領域をスキップするためにスキップ数に1を加算する(911)。さらに、記録位置格納用メモリ433にスキップ欠陥領域の先頭LSNを格納する(912)。その後スキップ記録制御手段432は、次に記録する書換型ディスク上の位置情報を欠陥領域の次の領域に設定する(913)。なお、図9のフローチャート中は省略しているが、欠陥領域に記録を行ったデータを欠陥領域のスキップ後にその後続領域から記録可能なように、記録データ格納メモリ436の位置情報も更新される。その後、処理(904)に分岐し、再び後続領域への記録が実行される。以上のように、スキップ記録制御手段432は、記録中に検出された欠陥領域をスキップするとともに、その位置情報を格納しながら、全てのデータが正常に記録するまで続行する。
【0100】
再び図5を参照して、(505)スキップ記録処理を実行したディスク記録再生ドライブ420は、終了ステータスを上位制御装置410に返送する。
【0101】
(506)上位制御装置410の記録位置要求命令発行手段417は、処理(504)のスキップ記録処理においてスキップされた欠陥領域の位置情報を問い合わせる”READ SKIPPED ADDRESS”コマンドをディスク記録再生ドライブ420に発行する。
【0102】
図7は”READ SKIPPED ADDRESS”コマンドのコマンド制御ブロックを示している。以下、”READ SKIPPED ADDRESS”コマンドのコマンド制御ブロックのデータ構造について、図7を参照しながら説明する。”READ SKIPPED ADDRESS”コマンドのコマンド制御ブロックは12バイト長であり、バイト0に”READ SKIPPED ADDRESS”コマンドであることを識別するための固有な値が、バイト7からバイト8の2バイトに割当て長が、それぞれ指定される。ここで割当て長は、上位制御装置410が返送されるスキップアドレスデータを格納するために用意しているメモリサイズを示している。ディスク記録再生ドライブ420は、返送データが指定された割当て長よりも大きい場合にはまるめ処理を実行し、割当て長より大きいサイズのデータを返送することはない。
【0103】
(507)” 再び図5を参照して、READ SKIPPED ADDRESS”コマンドを受領したディスク記録再生ドライブ420の記録位置要求命令処理手段423は、処理(504)におけるスキップ記録処理中に記録位置格納メモリ433に格納された欠陥領域の位置情報をスキップアドレスデータとして返送する。スキップアドレスデータのフォーマットを図8に示し、各フィールドの意味について以下に説明する。スキップアドレスデータは、スキップアドレス数801と昇順に並べられたスキップアドレスのリスト802から成る。バイト0及びバイト1の2バイトはスキップアドレス数801であり、返送するスキップアドレスの数が設定される。バイト2以降は、スキップしたECCブロックの先頭セクタのLSNのリスト802が返送される。スキップアドレス数801が0の場合には、後続のスキップアドレスのリスト802は返送されない。また、スキップアドレスはECCブロック単位で返送されるため、複数セクタでECCブロックを構成する書換型ディスクの場合、スキップアドレス数が1である場合はECCブロックを構成するセクタ数の欠陥セクタが存在することを意味する。
【0104】
(508)図1,図2,図5を参照して、スキップアドレスデータを受領した上位制御装置410のファイル管理情報作成手段412は、ファイル管理情報を作成する。ここで、ファイル管理情報作成手段412は、スキップアドレスデータでスキップした領域以外の領域に転送したサイズのデータが記録されたと判定してAVファイルのファイルエントリ118(図1,図2)を作成し、ファイルエントリ118の割付け記述子203で指定されるエクステント105,106に対応した未使用空間管理情報101のビットを1(使用済み)に設定する。さらに、処理(507)で返送されたスキップアドレスデータからスキップ領域を判定し、スキップ領域中の全てのセクタを欠陥領域と判定して未使用空間管理情報101の対応するビットを0(未使用)に設定する。また、ファイル管理情報作成手段412は、ファイルのエクステント106等の終端がECCブロック途中となっている場合は、該ECCブロックの残りの領域をパディングエクステント107等として登録する。この時、パディングエクステント107等のエクステントタイプ211をパディングエクステントを意味する1に設定する。その後、ファイル管理情報作成手段412は、作成されたファイル管理情報を書換型ディスクに記録するために、データバッファメモリ414に格納する。
【0105】
(509)上位制御装置410はデータバッファメモリ414に格納したファイル管理情報を記録するためにディスク記録再生ドライブ420に従来の記録方法で記録することを要求する”WRITE”コマンドを発行する。ここで、”WRITE”コマンドにはパラメータとして記録を開始するLSNと記録するセクタ数が指定される。
【0106】
(510)ディスク記録再生ドライブ420は”WRITE”コマンドを受領し、図28で述べた従来の記録方法におけるファイル構造の記録動作と同様の処理を行う。また、”WRITE”コマンドによる記録動作において検出された欠陥領域は、図29に示した従来の代替方法によって代替処理が行われる。
【0107】
(511)ディスク記録再生ドライブ420は、従来の記録方法によって”WRITE”コマンドで指定された全てのデータ記録が完了すれば、終了ステータスを上位制御装置410に返送する。以上により、図1に示したようなデータ構造を有する書換型ディスクを作成することが可能となる。
【0108】
以上で本発明の第1の実施例の情報記録方法の説明を終わる。
【0109】
次に、本発明の第1の実施例におけるAVファイルの再生方法について、図10に示す全体制御処理に従いながら説明する。また説明において、図4に示す情報記録再生システムのブロック図、図11、図12、図13に示す上位制御装置410とディスク記録再生ドライブ420間のコマンド及びデータのデータ構造図を適宜参照して説明する。なお、図10において、全体制御処理は上位制御装置410が行う処理1021、ディスク記録再生ドライブ420が行う処理1023、上位制御装置410とディスク記録ドライブ420間で転送されるコマンド及びデータの流れ1022を示している。
【0110】
(1001)上位制御装置410のファイル管理情報解釈手段413は、書換型ディスク上のファイル構造を解釈し、再生するファイルがAVファイルであるかを判定する。再生するファイルがAVファイルであると判定したファイル管理情報解釈手段413は、再生するAVファイルのファイルデータ記録位置及び読み出しサイズを算出して、再生領域設定命令発行手段418に通知する。
【0111】
(1002)上位制御装置410の読出しデータ転送命令発行手段419は、読出し済みサイズをカウントするためのカウンタを0に初期化する。
【0112】
(1003)上位制御装置410の再生領域設定命令発行手段418は、ファイル管理情報解釈手段413が算出したファイルデータ記録位置及び読出しサイズをディスク記録再生ドライブ420に設定する命令”SET READ AV
AREA”コマンドを発行する。”SET READ AV AREA”コマンドは、AVファイルの再生に先だって、ファイルデータが記録された1つ以上の連続領域を設定する命令である。
【0113】
図11は、”SET READ AV AREA”コマンドのコマンド制御ブロックのデータ構造を示している。”SET READ AV AREA”コマンド制御ブロックは、12バイトのデータから成る。バイト0は”SET READ AV AREA”コマンドを識別できる固有の命令コードが設定される。バイト7及びバイト8の2バイトは、転送する領域データ長がバイト単位で指定される。
【0114】
再生領域設定命令発行手段418は本コマンド制御ブロックを転送した後、転送データ長で指定したサイズの領域データをディスク記録再生ドライブ420に転送する。図12は転送される領域データであるSET READ AV AREAデータフォーマットを示す。領域データは、設定する連続領域数を示すAVエリア数と、それに続く各AVエリアの開始アドレス(LSN)と終了アドレス(LSN)の組1202からなるリスト1203を含んでいる。AVエリア数が0の場合には、領域の開始LSN及び終了LSNは転送されない。バイト2以降は、設定を行うAVエリアの開始LSN及び終了LSNが再生を行う順に設定される。
【0115】
(1004)”SET READ AV AREA”コマンドを受領したディスク記録再生ドライブ420の再生領域設定命令処理手段424は、上位制御装置410から受領した再生領域データを、読出し領域情報格納メモリ441に格納する。
【0116】
(1005)ディスク記録再生ドライブ420の連続先読み処理手段443は、再生領域設定命令処理手段424から再生領域データを受領したことを通知されると、読出し領域情報格納メモリ441に格納された再生領域の位置情報を参照しながら先読み処理を開始する。ここで先読み処理とは、後にデータ転送の要求が発生することを予期して、事前に書換型ディスクからのデータ読出し処理を行って読出しデータ格納メモリ442に格納する処理を示す。通常、データ読出し動作では読出しエラーの生じた領域は、リトライ処理によってエラー回復処理を試みた上で、エラー回復処理によっても回復できないエラーが発生した場合には読出し処理を停止してエラー終了する。しかしながら、連続先読み処理手段443は、”SET READ AV AREA”コマンドを伴う先読み処理において、エラーが発生してもリトライ処理は行わず、後続領域の先読み処理を続行する。これは、リトライ処理によってデータの読出し速度が著しく低下することによって、AVデータの再生時には再生映像が乱れるなどといった致命的状態に陥ることを防止するためである。また、ディスク記録再生ドライブ420は上位制御装置410にもエラーステータスの報告は行わない。そこで連続先読み処理手段443は、AVデータ出力部460がエラーを含むデータを受領することによって誤動作することを防止するために、返送するデータ中の所定位置に含まれるエラーフラグを1に設定することでエラーを報告する。ここで、上位制御装置410に転送するデータの構造に関しては、処理(1010)の説明において説明する。
【0117】
(1006)ディスク記録再生ドライブ420の再生領域設定命令処理手段424は、受領したデータの格納及び連続先読み処理手段443への通知を終えると、”SET READ AV AREA”コマンドが正常終了したことを意味する終了ステータスを上位制御装置410に返送する。
【0118】
(1007)上位制御装置410は、AVデータ出力部460の起動処理を行う。起動されたAVデータ出力部460は、再生データの入力待ち状態に遷移する。この状態においてAVデータ出力部460は、再生データが転送されたことを検出すると、転送されたデータをアナログ映像/音声信号に変換して出力する。
【0119】
(1008)上位制御装置410の読出しデータ転送命令発行手段419は、ディスク記録再生ドライブ420に書換型ディスクから読出したデータの転送を要求する”READ AV”コマンドを発行する。図13は、”READ AV”コマンドのコマンド制御ブロックのデータ構造を示している。”READ AV”コマンドのコマンド制御ブロックは12バイトで構成される。バイト0は”READ AV”コマンドを識別できる固有の命令コードが設定される。バイト2からバイト5までの4バイトは、読出しデータの転送を要求する領域の先頭LSNを指定する。また、バイト7及びバイト8の2バイトは転送長を示しており、転送を要求するデータ長をセクタ数で指定する。
【0120】
(1009)ディスク記録再生ドライブ420の読出しデータ転送命令処理手段425は、”READ AV”コマンドを受領し、”READ AV”コマンドのパラメータで指定された領域のAVデータが読出しデータ格納メモリ442に既に格納されているか否かを確認する。読み出しデータ転送命令処理手段425は、指定領域から読出したAVデータが既に読出しデータ格納メモリ442に格納されていると判定すれば、直ちに上位制御装置410にAVデータの転送を行う。一方、未格納の場合には、連続先読み処理手段443によってAVデータが格納された後に転送を行う。
【0121】
(1010)ディスク記録再生ドライブ420の読出しデータ転送命令処理手段425によって転送されたAVデータは、読出しデータ転送命令発行手段419によって受領された後、データバッファメモリ414に格納される。この時返送されるAVデータには、処理(1005)で述べたように、エラーを含むAVデータが返送される可能性がある。図14は、ディスク記録再生ドライブ420から上位制御装置410へ転送される読出しデータのデータ構造1400を示している。読出しデータは1セクタあたり2048バイトであり、”READ AV”コマンドの転送長で指定されたセクタ数分のデータが転送される。各セクタ2048バイトのデータは、AVデータではパック1401と呼ばれる単位に相当する。パック1401はさらに、14バイトからなるパックヘッダ1402と、2034バイトからなるパックデータ1403とに分類される。パックヘッダ1402は、パックの開始を示す固有コードが格納されるパック開始コード1404や、パックデータ中にエラーが含まれるか否かを示すエラーフラグ1405を含んでいる。図14に示すように、返送する読出しデータが正常に読出せたデータ1401の場合には、前記エラーフラグ1405は0(正常データを意味する)に設定される。一方、読出しエラーが発生したデータ1401Aでは、エラーフラグ1405Aは1(エラーを含む可能性がある)に設定される。本エラーフラグよって、AVデータ出力部460は、エラーを含むデータの再生は行わず、前後のデータから補完するといったリカバリ処理が可能となる。
【0122】
(1011)上位制御装置410は、データバッファメモリ414に格納した読出しデータを、AVデータ出力部460に転送する。AV出力部460は既に処理(1007)において起動されているため、再生データが入力されれば随時、アナログ映像/音声信号に変換して出力する。
【0123】
(1012)上位制御装置410の読出しデータ転送命令発行手段419は、ディスク記録再生ドライブ420から受領したAVデータのサイズを読出し済みサイズに加算する。
【0124】
(1013)上位制御装置410の読出しデータ転送命令発行手段419は、読み出し済みサイズと再生中のファイルサイズとを比較し、読出し済みサイズとファイルサイズが一致すればAVファイルが全て読み出せたと判断して処理を終了する。一方、一致しなかった場合には、残りのAVデータを再生するために、処理(1008)に分岐し、再生動作を続行する。
【0125】
以上で、第1の実施例における再生方法の説明を終わる。
【0126】
以上のように、本実施例の情報記録方法によれば、記録中に検出された欠陥領域をスキップして記録するために、従来の代替処理に生ずる記録再生時の遅延を大幅に削減し、AVデータの実時間記録・再生が可能となる。
【0127】
また、本実施例の情報記録方法によれば、欠陥領域をファイル管理情報において未使用領域として管理するために、欠陥領域と判定されたLSNに対して従来の交替方法を用いるPCデータの記録を行うことが可能となる。
【0128】
また、本実施例の情報記録方法によれば、データ検査処理を行うために、磁気ディスク装置450に格納されたAVデータを記録するといった、記録時には実時間性を要求されず且つ再生時に実時間性が要求される用途において、信頼性を確保することが可能となる。
【0129】
また、スキップ記録処理においてスキップ可能数を設定するために、多数の欠陥領域をスキップした場合においても、後続の他のファイルデータが記録されている領域を破壊することを防止することが可能となる。
【0130】
また、本実施例の情報記録方法によれば、AVファイルのエクステント終端がECCブロック途中である場合に、該ECCブロックの残りの領域をパディングエクステントとして登録するため、同一ECCブロックに他のファイルが記録されることを防止する。したがって、実時間記録のためにデータ検証を行わずに記録したAVデータが存在する場合に、同一ECCブロックにAVデータとPCデータが混在することが防止可能となり、PCデータの信頼性が確保される。
【0131】
また、本実施例の情報記録方法によれば、AVデータか否かを識別するための識別情報をファイル管理情報に登録するため、再生時にリアルタイム性が求められるデータか否かを識別することが可能となる。したがって、AVデータの再生時には、PCデータ再生時とは異なる本実施例に示した高速な再生方法を用いることが可能となる。
【0132】
また、本実施例の情報再生方法によれば、再生に先立って1つ以上の再生領域を設定することによって、複数の領域をあらかじめ読み出す先読み処理が可能となり、より高速な再生が可能となる。したがって、AVデータの再生時には、映像・音声情報を途切れなく再生することが可能となる。
【0133】
尚、本実施例の情報記録方法では、記録データをデータ検査手段434で検査するとしたが、高い転送レートでAVデータが入力される場合など、より実時間性の求められる用途に対しては、データを検査せずに記録しても良いことは言うまでもない。
【0134】
尚、本実施例の情報記録方法では、スキップ記録時に検出された欠陥領域はスキップした未使用領域としてファイル管理情報に登録するとしている。この時、ディスク記録再生ドライブ420は交替先を未割当ての状態でSDLに登録しておくことで次のPCデータ記録時に交替先割当て及び交替処理を行っても良い。
【0135】
尚、本実施例の情報記録方法では、データ記録時に検出された欠陥領域をスキップするとしたが、既に検出されてSDLに登録されている全ての欠陥領域もスキップ記録の対象としてもよいことは言うまでもない。
【0136】
尚、本実施例の情報再生方法において、再生領域設定命令は領域の開始LSNと終了LSNで指定するとしたが、領域が特定されればよいのであって、開始LSNと領域長等であっても良いことはいうまでもない。
【0137】
尚、本実施例の情報再生方法において、AVデータ再生時に連続先読み処理手段443は、リアルタイム性を保証するために適したシーク動作などを行っても良い。
【0138】
尚、本実施例の情報再生方法において、再生領域設定命令発行手段418は再生処理に先立ってファイルの全ての再生領域を設定するとしたが、読み出し領域情報格納メモリ441の容量が小さいシステムの場合などは、ファイルの途中までの領域を指定して再生処理を行った後、後続の領域指定を再設定するというような分割した再生を行っても良いことは言うまでもない。
【0139】
尚、本実施例の情報記録再生システム400では、上位制御装置410とディスク記録再生ドライブ420間で記録位置要求命令、再生領域設定命令などによって情報の送受信を行っているが、上位制御装置410とディスク記録再生ドライブ420が共にアクセス可能な共通のメモリ領域などを保持するシステムの場合には、上記のような命令を使用せずとも互いに該メモリ領域に書き込み・読み出しを行うことによって同様な処理を実現可能であることは言うまでもない。
(実施の形態2)
次に、図1に示したディスク媒体を記録・再生する情報記録再生システムの第2の実施例について、その構成及び動作について図面を参照しながら説明する。
【0140】
図15は、本発明の第2の実施例の情報記録再生システム1500の構成を示すブロック図である。以下、情報記録再生システム1500の各構成要素について説明する。ただし、図4で示した情報記録再生システム400と同一の要素については、説明を省略する。
【0141】
図15に示されるように情報記録再生システム1500は、上位制御装置1510と、ディスク記録再生ドライブ1520と、磁気ディスク装置450と、AVデータ出力部460と、AVデータ入力部470と、I/Oバス480とから構成される。
【0142】
上位制御装置1510は、制御プログラムや演算用メモリを含むマイクロプロセッサで構成され、記録領域割当て手段411と、ファイル管理情報作成手段412と、ファイル管理情報解釈手段413と、データバッファメモリ414と、ディスク記録再生ドライブ1520に命令を発行する命令発行手段1511から構成される。命令発行手段1511はさらに、記録動作に先立って記録領域を指示する記録領域指示命令を発行する記録領域指示命令発行手段1512と、記録領域に対する記録要求及びデータ転送を分割して行う分割記録命令を発行する分割記録命令発行手段1513と、記録後にファイルを記録した位置情報の報告を要求する記録位置要求命令発行手段417と、再生動作に先立ってあらかじめ再生する領域を指定する再生領域設定命令発行手段418と、読出したデータの転送を要求する読出しデータ転送命令発行手段419から構成される。
【0143】
ディスク記録再生ドライブ1520は、上位制御装置1510からの命令を受領して処理を行う命令処理手段1521と、書換型ディスク(図中、省略)への記録制御を行う記録制御手段430と、書換型ディスクからの再生制御を行う再生制御手段440とから構成される。命令処理手段1521はさらに、記録領域指示命令を受領して処理を行う記録領域指示命令処理手段1522と、分割記録命令を受領して処理する分割記録命令処理手段1523と、記録位置要求命令処理手段423と、再生領域設定命令処理手段424と、読出しデータ転送命令処理手段425とから構成される。なお、記録制御手段430と再生制御手段440の構成は、第1の実施例の情報記録再生システムと同様であるので、説明を省略する。
【0144】
次に、本実施例の情報記録再生システム1500におけるAVデータの記録方法について、図16に示す全体制御処理に示した手順にしたがって説明する。また説明において、図15の情報記録再生装置のブロック図、図17のディスク記録再生ドライブ1520の再生処理手順の説明図、図18及び図19に示すI/Fコマンドのデータ構造図、をそれぞれ参照する。なお、図16の全体制御処理において、書換型ディスク上に記録されたファイルのファイル構造情報はディスク挿入時に読み出され、ファイル管理情報解釈手段413によって解釈及び保持されているものとする。また、図16において、全体制御処理は、上位制御装置1510の処理1621、ディスク記録再生ドライブ1520の処理1623、上位制御装置1510とディスク記録再生ドライブ1520間でやりとりされる命令プロトコルの流れ1622、をそれぞれ示している。
【0145】
(1601)AVデータ入力部470は、入力信号を検出すると、AVデータの受領動作を開始する。このとき、AVデータ入力部470は、受領したアナログ映像・音声信号をディジタルAVデータに変換し、上位制御装置1510のデータバッファメモリ414に転送する。
【0146】
(1602)上位制御装置1510の記録領域割当て手段411は、AVデータの記録前に、ファイル管理情報解釈手段413から書換型ディスク上の空き領域情報を取得し、AVファイルを記録する領域を割り当てる。ここで記録領域割当て手段411は、AVファイルの割付けに際して、割付ける領域のサイズ及び領域間の距離を考慮して、再生時の読出しレートを保証するように領域割付けを行う。また、記録領域割当て手段411は、記録領域中に欠陥領域が存在してスキップされることを想定し、実際の記録サイズよりも大きい領域を記録領域として割当てる。
【0147】
(1603)上位制御装置1510の記録領域指示命令発行手段1512は、ディスク記録再生ドライブ1520に記録領域を指示する命令である”SET RECORD AREA”コマンドを発行し、処理(1602)で割り付けられた記録領域の位置情報を指定する。図18は”SET RECORD AREA”コマンドのコマンド制御ブロックのデータ構造1800を示している。”SET RECORD AREA”コマンドのコマンド制御ブロックは12バイトからなる。バイト0は”SET RECORD AREA”コマンドであることを識別可能な固有の命令コード1801が設定される。バイト2からバイト5の4バイトは記録領域の先頭セクタのLSN1802を、バイト6からバイト9の4バイトは記録領域の最終セクタのLSN1803を、それぞれ示している。従って本コマンドにより、記録領域先頭LSNと最終LSNの間の領域が、記録領域として指定される。
【0148】
(1604)ディスク記録再生ドライブ1520の記録領域指示命令処理手段1522は、処理(1603)において上位制御装置1510から発行された”SET RECORD AREA”コマンドを受け取り、記録領域の位置情報を記録制御情報メモリ435に格納する。
【0149】
(1605)ディスク記録再生ドライブ1520の記録領域指示命令処理手段1522は、命令処理を終了したことを示す終了ステータスを上位制御装置1510に返送する。
【0150】
(1606)上位制御装置1510の分割記録命令発行手段1513は、処理(1602)で割り付けた領域に記録するデータを分割して転送すると共に書換型ディスクへの記録を要求する命令である”WRITE AV”コマンドを発行する。本コマンドのコマンド制御ブロックを転送した後、分割記録命令発行手段1513は指定したサイズのデータを転送する。図19は分割記録命令である”WRITE AV”コマンドのコマンド制御ブロックのデータ構造1900を示している。”WRITE AV”コマンドのコマンド制御ブロックは12バイトから成る。バイト0には、”WRITE AV”コマンドであることを識別するための固有なコード1901が設定される。バイト7及び8の2バイトには転送長1902がセクタ数で指定される。なお、”WRITE AV”コマンドは、既に”SET RECORD AREA”コマンドで指定された領域に対してデータを記録することを要求するコマンドであるため、記録する位置を指定するパラメータは存在しない。
【0151】
再び図16を参照して、(1607)ディスク記録再生ドライブ1520の分割記録命令処理手段1523は、分割記録命令”WRITE AV”コマンドで指定されれたサイズの記録データを受領し、記録データ格納メモリ436に格納する。その後分割記録命令処理手段1523は、記録制御手段430のスキップ記録制御手段432に、記録要求を受け取ったことを通知して、スキップ記録動作の開始を要求する。このときのディスク記録再生ドライブ1520の処理に関しては、図17を用いて後に詳しく説明する。
【0152】
(1608)分割記録命令処理手段1523は、スキップ記録制御手段432に記録開始を指示した後、分割記録命令発行手段1513に処理の終了を意味する終了ステータスを返送する。
【0153】
(1609)上位制御装置1510の分割記録命令発行手段1513は、分割記録命令”WRITE AV”コマンドが終了すると、処理(1602)で割り当てられた記録領域に記録するデータを全て転送したか否かを判定する。分割記録命令発行手段1513は、未転送のデータが存在すると判定した場合には処理(1606)に分岐し、再び分割記録命令”WRITE AV”コマンドを発行する。一方、割当て領域に記録するデータを全て転送したと判定した場合には、分割記録処理を終了して、処理(1610)に分岐する。
【0154】
(1610)上位制御装置1510は、AVデータ入力部470から入力されたAVデータを全て記録完了したか否かを判定し、完了していないと判定した場合には処理(1602)に分岐して新規の記録領域を再割り当てを実行する。一方、ファイルの全てのデータが記録完了したと判定した場合には、処理(506)に分岐し、ファイル管理情報の作成処理に移行する。
【0155】
なお、処理(506)〜(511)は既に第1の実施例において、図5を用いて説明した処理と同様であるため、ここでは省略する。
【0156】
次に、ディスク記録再生ドライブ1520におけるスキップ記録処理及び分割記録処理について、図17の手順にしたがって説明する。ここで、ディスク記録再生ドライブ1520は既に、記録領域指示命令”SET RECORD AREA”コマンドを受領して、記録制御情報メモリ435に格納しているものとする。
【0157】
(1701)スキップ記録制御手段432は、記録制御情報メモリ435に格納されている記録領域の位置情報を参照し、記録位置を記録領域の先頭位置に設定する。
【0158】
(1702)ディスク記録再生ドライブ1520の命令処理手段1521は上位制御装置1510からのコマンドが発行されるのを待つ。
【0159】
(1703)分割記録命令処理手段1523は、分割して記録データを転送するコマンド”WRITE AV”コマンドを受領すると、受領した記録データを記録データ格納メモリ436に格納すると共に、スキップ記録制御手段432にデータの記録を要求する。
【0160】
(1704)データ記録要求を受け取ったスキップ記録制御手段432は、記録データ格納メモリ436に格納されたデータを書換型ディスクの記録位置から記録を開始する。
【0161】
(1705)欠陥領域検出手段431は記録中に、記録するセクタの位置情報であるアドレスが読み出せない、又は書換型ディスクからの反射光が乱れているといった要因から欠陥領域を検出する。ここで、欠陥領域検出手段431が欠陥領域を検出した場合には、処理(1706)に分岐する。
【0162】
(1706)スキップ記録制御手段432は、欠陥領域検出手段431から欠陥領域を検出したという通知を受けた場合、記録した領域とスキップする領域を記録後に区別するために、欠陥領域の先頭LSNを記録位置格納メモリ433に格納する。
【0163】
(1707)欠陥領域検出手段431が記録中に欠陥領域を検出しなかった場合、データ検査手段434は、記録したデータを読み出すことで検査を行う。この時、読出したデータにエラー訂正処理を施し、エラー訂正が不可能であったり、訂正数が所定数より多かった場合には欠陥領域と判定し、処理(1706)に分岐する。
【0164】
(1708)データ検査手段434によってエラーが検出された領域は、処理(1706)にて欠陥領域として取り扱い、エラーが検出されなかった場合には正常に記録されたと判定する。
【0165】
(1709)正常に記録が終了した場合、スキップ記録制御手段431は、記録データ格納メモリ436に記録が未完了のデータが残っているか否かを判定する。スキップ記録制御手段431は、全てのデータを記録完了していると判断した場合には処理(1702)のコマンド待ちへ分岐して、上位制御装置1510からのコマンド待ちに移行する。一方、未記録のデータが残っている場合には処理(1710)に分岐する。
【0166】
(1710)スキップ記録制御手段431は、記録未完了のデータを記録するために、記録位置を記録が完了した次の位置に設定する。
【0167】
(1711)スキップ記録制御手段431は、処理(1710)で設定した記録位置と、記録制御情報メモリ435に格納した記録領域の最終LSNを比較する。比較の結果、記録位置が最終LSNを越えている場合には、指定された領域内で記録が行えなかったとしてエラー終了する。一方、記録位置が最終LSNを越えなかった場合には、記録位置から残りのデータを記録するために処理(1704)に分岐する。
【0168】
(1712)命令処理手段1521は、処理(1703)のコマンド待ちで受領した命令が記録位置要求命令”READ SKIPPED ADDRESS”コマンドか否かを判定する。もし受領したコマンドが、”READ SKIPPED ADDRESS”コマンドでなければ、命令処理手段1521は分割記録処理中に不適当なコマンドが発行されたと判定して、上位制御装置1510にエラーを返送して処理を終了する。一方、命令処理手段423が記録位置要求命令”READ SKIPPED ADDRESS”コマンドを受領した場合、処理(1713)に分岐する。
【0169】
(1713)記録位置要求命令”READ SKIPPED ADDRESS”コマンドを受領したことを検出した記録位置要求命令処理手段423は、スキップ記録処理において記録位置格納メモリ433に格納されたスキップ領域の位置情報を上位制御装置1510に返送する。尚、ここで返送されるスキップ領域の位置情報は、図7に示すデータ構造を有し、第1の実施例において説明したので、ここでは説明を省略する。また、本コマンドを受領したディスク記録再生ドライブ1520は、分割記録処理が終了したと判断し、記録処理を終了する。
【0170】
以上で、第2の実施例の情報記録方法の説明を終わる。
【0171】
また、本発明の情報記録再生システムの第2の実施例における情報再生方法は、第1の実施例と同様であるので、説明は省略する。
【0172】
以上のように、本実施例の情報記録方法によれば、第1の実施例における情報記録方法の効果に加えて、あらかじめ記録領域を設定した後に記録を分割して行うことにより、大きな記録領域に対してデータバッファメモリ414の容量が小さい情報記録再生システムであっても、AVデータの記録が可能となる。さらに、分割記録命令を繰り返し行うことにより、上位制御装置1510とディスク記録再生ドライブ1520間のI/Oバス480を長時間にわたって占有する必要が無くなり、磁気ディスク装置450へのアクセスが必要な用途への応用が可能となる。
【0173】
尚、本実施例の情報記録方法において、記録領域指定命令は記録領域の先頭LSNと最終LSNを指定するとしたが、記録領域が特定されれば良いのであって、記録領域の先頭LSNと領域長などであっても良いのは言うまでもない。
【0174】
尚、本実施例の情報記録方法において、分割記録命令処理手段1523は、書換型ディスクに分割記録を要求された領域を記録完了してから、上位制御装置1510に終了ステータスを返送するとしたが、記録データ格納メモリ436に記録データが格納された時点で終了ステータスを返した後に書換型ディスクへの記録を行っても良いことは言うまでもない。
【0175】
尚、本実施例の情報記録方法では、記録データをデータ検査手段434で検査するとしたが、高い転送レートでAVデータが入力される場合など、より実時間性の求められる用途に対しては、データを検査せずに記録しても良いことは言うまでもない。
【0176】
尚、本実施例の情報記録方法では、スキップ記録時に検出された欠陥領域はスキップした未使用領域としてファイル管理情報に登録するとしている。この時、ディスク記録再生ドライブ420は交替先を未割当ての状態でSDLに登録しておくことで次のPCデータ記録時に交替先割当て及び交替処理を行っても良い。
【0177】
尚、本実施例の情報記録方法では、データ記録時に検出された欠陥領域をスキップするとしたが、既に検出されてSDLに登録されている全ての欠陥領域もスキップ記録の対象としてもよいことは言うまでもない。
【0178】
尚、本実施例の情報記録再生システム1500では、上位制御装置1510とディスク記録再生ドライブ1520間で記録位置要求命令、再生領域設定命令などによって情報の送受信を行っているが、上位制御装置1510とディスク記録再生ドライブ1520が共にアクセス可能な共通のメモリ領域などを保持するシステムの場合には、上記のような命令を使用せずとも互いに該メモリ領域に書き込み・読み出しを行うことによって同様な処理を実現可能であることは言うまでもない。
(実施の形態3)
次に、図1に示したディスク媒体を記録・再生する情報記録再生システムの第3の実施の形態について、その構成及び動作について図面を参照しながら説明する。
【0179】
図20は、本発明の第3の実施の形態における情報記録再生システム3000の構成を示すブロック図である。以下、情報記録再生システム3000の各構成要素について説明する。ただし、図4で示した情報記録再生システム400と同一の要素については、説明を省略する。
【0180】
図20に示されるように情報記録再生システム3000は、上位制御装置3010と、ディスク記録再生ドライブ3030と、磁気ディスク装置450と、AVデータ出力部460と、AVデータ入力部470と、I/Oバス480とから構成される。
【0181】
上位制御装置3010は、制御プログラムや演算用メモリを含むマイクロプロセッサで構成され、記録領域割当て手段3011と、ファイル管理情報作成手段3012と、ファイル管理情報解釈手段413と、データバッファメモリ414と、不揮発メモリであるファイル管理情報一時格納用メモリ3015と、ディスク記録再生ドライブ3030に命令を発行する命令発行手段3020とから構成される。
【0182】
命令発行手段3020はさらに、記録動作に先立って記録領域を指示する記録領域指示命令を発行する記録領域指示命令発行手段1512と、記録領域に対する記録要求及びデータ転送を分割して行う分割記録命令を発行する分割記録命令発行手段1513と、記録後にファイルを記録した位置情報の報告を要求する記録位置要求命令発行手段417と、再生動作に先立ってあらかじめ再生する領域を指定する再生領域設定命令発行手段418と、読出したデータの転送を要求する読出しデータ転送命令発行手段419と、記録中に記録状態の報告を要求する記録状態報告命令を発行する記録状態報告命令発行手段3021とから成る。
【0183】
ディスク記録再生ドライブ3030は、上位制御装置3010からの命令を受領して命令に応じた処理を実行する命令処理手段3040と、書換型ディスク(図中、省略)への記録制御を行う記録制御手段430と、書換型ディスクからの再生制御を行う再生制御手段440とから構成される。
【0184】
命令処理手段3040はさらに、記録領域指示命令を受領して処理を行う記録領域指示命令処理手段1522と、分割記録命令を受領して処理する分割記録命令処理手段1523と、記録位置要求命令処理手段423と、再生領域設定命令処理手段424と、読出しデータ転送命令処理手段425と、記録状態報告命令を受領して記録状態報告処理を実行する記録状態報告命令処理手段3041とから構成される。なお、記録制御手段430と再生制御手段440の構成は、第1の実施例の情報記録再生システムと同様であるので、説明を省略する。
【0185】
次に、第3の実施の形態における記録手順の概要を図21を用いて説明する。なお、詳細な記録手順は図22を参照して後に説明する。
【0186】
図21は書換型ディスクの論理空間のデータレイアウトを示す。図21(a)は、AVファイル記録前の論理空間のデータレイアウトを示しており、1つのPCファイルがディレクトリDIR1に存在する。尚、ボリューム構造、ROOTディレクトリファイル構造、DIR1ファイルエントリ、DIR1ディレクトリファイル、PC_FILEファイルエントリの内容については、既に図1、図2、図3によって説明したため、ここでは省略する。図21(b)は、記録前の論理空間中の未使用領域にAVファイルが記録されたことを示す。上位制御手段3010は記録に先立ち、論理空間内の未使用領域をAVファイルの記録領域として使用するように領域予約を行う。この時、図21(a)の未使用領域2101の一部がAV予約領域2102(未使用領域2101のAV予約領域2102に使用されない領域は、AVファイルのファイル管理情報であるファイルエントリ記録用領域として予約される)として、未使用領域2103がAV予約領域2104として、未使用領域2105がAV予約領域2106として、それぞれ予約される。これらの3つのAV予約領域2102,2104,2106は、記録を実行する前に、上位制御装置3010からディスク記録再生ドライブ3030に記録領域として指示される。その後、上位制御装置3010は、ディスク記録再生ドライブ3030に分割記録命令を発行して記録データを転送する。上位制御装置3010は記録データを全て転送し終わるまで分割記録命令を繰り返し発行する。ディスク記録再生ドライブ3030は、分割記録命令によって転送された記録データを受領し、前もって記録領域として指定された領域に記録を開始する。この時使用される記録領域は、上位制御装置3010から指定された順に使用する。図21では、最初に指定されたAV予約領域2102の先頭から記録が開始される。ディスク記録再生ドライブ3030は分割記録命令によって上位制御装置3010から転送された記録データを記録中に、一つの記録領域に記録を完了した場合は次に指定された記録領域への記録動作を自動的に実行する。図21では、AV予約領域2102に記録を完了した後にディスク記録再生ドライブ3030は、自動的にPC_FILEエクステント2107の領域を避けてAV予約領域2104への記録を開始する。ディスク記録再生ドライブ3030は、記録中に検出された欠陥領域3100をスキップし、欠陥領域3100に記録しようとした記録データを後続の領域に記録する。また、ディスク記録再生ドライブ3030は、AV予約領域2104の全ての領域に記録完了しても記録データが存在する場合に、PC_FILEエクステント2109をスキップしてAV予約領域2106への記録を実行する。また、欠陥領域3100と同様に、AV予約領域2106中の欠陥領域3101もスキップされて、記録データは後続の領域に記録する。以上のようにして全ての記録データの記録が完了すると、上位制御装置3010は、AVデータを記録した領域のうち、連続な領域をエクステントとして登録する。上位制御装置3010は、PC_FILEのエクステントや欠陥領域によって分割されたAVデータ記録領域をそれぞれ、AVエクステント2112、AVエクステント2113、AVエクステント2108、AVエクステント2114、AVエクステント2110としてファイルエントリ情報を作成し、AV_FILEファイルエントリを作成し、未使用領域2101中に予約していたAV予約領域2102に記録する。
【0187】
次に、以上に説明した図21に示される記録手順について、図22のフローチャートを参照しながら、より詳細な記録手順について説明する。
【0188】
(3201)AVデータ入力部470は、入力信号を検出すると、AVデータの受領動作を開始する。このとき、AVデータ入力部470は、受領したアナログ映像・音声信号をディジタルAVデータに変換し、上位制御装置3010のデータバッファメモリ414に転送する。
【0189】
(3202)上位制御装置3010の記録領域割当て手段3011は、AVデータの記録前に、ファイル管理情報解釈手段413から書換型ディスク上の空き領域情報を取得し、AVファイルを記録する領域を割り当てる。ここで記録領域割当て手段3011は、AVファイルの割付けに際して、割付ける領域のサイズ及び領域間の距離を考慮して、再生時の読出しレートを保証するように領域割付けを行う。また、記録領域割当て手段3011は、複数の連続領域を記録領域として割当てる。図21(a)の場合、AV予約領域#1、AV予約領域#2、AV予約領域#3が記録領域として割り当てられる。
【0190】
(3203〜3205)上位制御装置3010の記録領域指示命令発行手段1512は、ディスク記録再生ドライブ3030に記録領域を指示する命令である”SET RECORD AREA”コマンドを発行し、処理(3202)で割り付けられた記録領域の位置情報を割り付けた順に指定する(SET RECORD AREAコマンドについては、既に図18を用いて説明したため、ここでは説明を省略する)。ディスク記録再生ドライブ3030の記録領域指示命令処理手段1522は、上位制御装置3020から発行された”SET RECORD AREA”コマンドを受け取り、記録領域の位置情報を記録制御情報メモリ435に格納する。この時、記録領域の位置情報は受領した記録領域順に各領域の先頭LSNと最終LSNが格納される。また、後の記録動作において、記録領域は格納された順に使用される。
【0191】
(3206)上位制御装置3010の分割記録命令発行手段1513は、処理(3202)で割り付けた領域に記録するデータを分割して転送すると共に、書換型ディスクへの記録を要求する命令である”WRITE AV”コマンドを発行する(本コマンドについては図19を用いて既に説明したため、ここでは説明を省略する)。なお、本コマンドを受領したディスク記録再生ドライブ3030の分割記録命令処理手段1523は、コマンド制御ブロックで指定されたサイズのデータを記録データ格納メモリ436に格納すると、上位制御装置3010に対して終了ステータスを返送する。受領したデータは終了ステータスの報告後に書換型ディスクに記録される。このような動作は通常、ライト・バック・キャッシュと呼ばれる。
【0192】
(3207)上位制御装置3010の記録位置要求命令発行手段423は、実際に書換型ディスクに記録された部分までの記録位置を取得するために、”READ SKIPPED ADDRESS”コマンドを発行する(本コマンドについては、図7及び図8を用いて既に説明したため、ここでは説明を省略する)。ディスク記録再生ドライブ3030の記録位置要求命令処理手段423は、記録位置格納メモリ433に格納されたスキップアドレス情報を参照し、上位制御装置3010に未報告のスキップアドレス情報を返送する。また、返送されたスキップアドレス情報は記録位置格納メモリ433上で報告済みに設定されるため、以降の”READ SKIPPED ADDRESS”コマンドでは返送されない。
【0193】
(3208)上位制御装置3010の記録状態報告命令発行手段3021は、”SEND RECORDING STATUS”コマンドを発行し、現在の記録状態の報告を要求する。”SEND RECORDING STATUS”コマンドのコマンド制御ブロックの構成2300を図23に示す。バイト0はSEND RECORDING STATUS命令コード領域2301であり、SEND RECORDING STATUS命令であることを識別可能な一意な値が設定される。バイト1〜バイト7は予約であり、将来に命令定義を拡張する場合などに使用する。割当長領域は本コマンドによって返送されるRecording Statusデータのために上位制御手段が3010が割当てたメモリサイズが指示される。割当長2302が16未満の場合、ディスク記録再生ドライブ3030は返送データのうち、割当長2302分のデータのみを返送する。バイト10〜バイト11は予約である。”SEND RECORDING STATUS”コマンドを受領したディスク記録再生ドライブ3030の記録状態報告命令処理手段3041は、記録制御手段430のスキップ記録制御手段432から現在の記録状態を受領して、Recording Statusデータを生成し、上位制御装置3010に返送する。Recording Statusデータのデータ構造2400を図24(a)に示す。バイト0〜1はRecording Statusデータのデータ長2401が格納される。本領域のデータ長には、Recoriding Statusデータ長領域自身は含まれないため、14(バイト)が設定される。Recording Statusコード領域2402には、現在の記録状態が図24(b)に示されるような1バイトのコードで格納される。図24(b)に示されるように、本領域2402が00hの時は記録領域が全て使用された(又は全く設定されていない)ことを、01hの時は記録領域が設定されているが記録すべきデータが存在しないことを、02hの時は記録動作が実行中であることをそれぞれ示す。図24(a)のRecording Statusデータフォーマットのバイト4〜バイト7の記録中LSN領域2403には、現在記録中のLSNが格納される。本領域によって上位制御手段3010は記録の進捗度合いを確認することが可能となる。バイト8〜バイト9の未報告スキップアドレス数領域2404には、欠陥の発生によってスキップしたブロックの内、上位制御手段3010に未報告なスキップアドレスの数が設定される。バイト10〜バイト11の有効記録領域数領域2405には、上位制御装置3010から”SET RECORD AREA”コマンドで指定された領域の内、有効な領域の数が設定される。例えば、3つの記録領域が指定された後、データの記録を行い、第1の記録領域と第2の記録領域の途中まで行った場合、本領行きには第2及び第3の2つの記録領域を指す2が設定される。バイト12〜バイト13の受領済み未記録データ長領域2406には、上位制御装置3010から、”WRITE AV”コマンドで転送されたデータのうち、まだ記録を行っていないデータサイズが、2048バイトの倍数で設定される。
【0194】
(3209)上位制御装置3010のファイル管理情報作成手段3012は、処理(3207)及び処理(3208)において取得した記録情報を元に、その時点までのファイル管理情報を作成し、ファイル管理情報一時格納メモリ3015に格納する。
【0195】
(3210)上位制御装置3010の分割記録命令発行手段1513は、データバッファメモリ414に格納されているAVデータが全て記録できたか否かを判定する。分割記録命令発行手段1513は、未転送のデータが存在すると判定した場合には処理(3206)に分岐し、再び分割記録命令”WRITE AV”コマンドを発行する。一方、記録するデータを全て転送したと判定した場合には、処理(3211)に分岐する。
【0196】
(3211)上位制御装置3010のファイル管理情報作成手段3012は、処理(3208)で取得したRecording Statusデータを参照して、記録状態が記録データ無し状態か否かを判定する。記録データ無し状態と判定した場合には、処理(3212)に分岐して最終的なAVファイルのファイル管理情報を更新する。一方、記録データ無し状態以外の状態であれば処理(3207)に移行して記録データ無し状態となるのを待つ。
【0197】
(3212)上位制御装置3010のファイル管理情報作成手段3012は記録が完了したAVファイルのファイルエントリ情報を作成するとともに、未使用空間管理情報等の管理情報を作成し、通常の”WRITE”コマンドを用いてディスク記録再生ドライブ3030に記録を要求する。
【0198】
以上で、AVデータの記録手順の説明を終わる。
【0199】
また、本発明の情報記録再生システムの第3の実施例における情報再生方法は、第1の実施例と同様であるので、説明は省略する。
【0200】
以上のように、本実施の形態における情報記録方法によれば、ステップ3209において現在の記録状態を確認してファイル管理情報をファイル管理情報一時メモリ3015に格納するため、AVデータの記録中に停電が発生した場合等でも、記録した位置までのファイル管理情報を復元することが可能となる。
【0201】
尚、本実施例の情報記録方法において、記録領域指定命令は記録領域の先頭LSNと最終LSNを指定するとしたが、記録領域が特定されれば良いのであって、記録領域の先頭LSNと領域長などであっても良いのは言うまでもない。
【0202】
尚、本実施例の情報記録方法では、データ記録時に検出された欠陥領域をスキップするとしたが、既に検出されてSDLに登録されている全ての欠陥領域もスキップ記録の対象としてもよいことは言うまでもない。
【0203】
尚、本実施例の情報記録方法では、”READ SKIPPED ADDRESS”コマンドと”SEND RECORDING STATUS”コマンドを別々に定義したが、これら2つのコマンドの返送データを連結して返送する一つのコマンドとして定義しても良いことは言うまでもない。
【0204】
尚、本実施例の情報記録方法では、”WRITE AV”コマンドを発行する度に処理(3207)〜処理(3209)を実行しているが、これらの処理は所定間隔以内で実行されれば良いことは言うまでもない。
【0205】
尚、処理(3209)において、ファイル管理情報を更新するとしたが、ファイル管理情報に限らず、特殊再生用の管理情報用ファイルの更新等も行っても同様な効果が得られる。
【0206】
本発明の情報記録媒体によれば、ファイル管理情報によって管理する論理空間内に存在する欠陥領域をスキップして記録再生することを可能としている。したがって、従来の欠陥管理方法が論理空間としてエラーフリーな空間を提供するために遅延の発生する物理空間内での代替処理を行っていたのに対し、欠陥領域をスキップするのみの高速な欠陥管理方法を可能とする。
【0207】
また、本発明の情報記録媒体によれば、複数セクタから成るECCブロックを有する情報記録ディスクを使用する場合に、欠陥領域をECCブロック単位で登録することにより、情報記録ディスクの信頼性を確保することを可能となる。
【0208】
また、本発明の情報記録媒体によれば、複数セクタから成るECCブロックを有する情報記録ディスクを使用する場合に、AVデータが記録されたECCブロックにPCデータが混在することを防止するパディングエクステントが登録されると共に、その識別情報をエクステント毎に設定することが可能となる。したがって、記録時に実時間性が必要なためにデータの検証処理を行わずに記録されたAVデータと信頼性が必要なPCデータが同一媒体上に記録された場合でも、AVデータとPCデータが同一ECCブロックに混在されないため、PCデータの信頼性を確保することが可能となる。
【0209】
また、本発明の情報記録媒体によれば、AVファイルか非AVファイルかを識別する識別情報を有するため、AVファイル再生時には本発明の再生方法のような高速な再生方法を使用するといった、ファイル属性に応じた再生方法の使い分けが可能となる。
【0210】
また、本発明の情報記録方法によれば、記録中に検出された欠陥領域をスキップして記録するために、従来の代替処理に生ずる記録再生時の遅延を大幅に削減し、AVデータの実時間記録・再生が可能となる。
【0211】
また、本発明の情報記録方法によれば、欠陥領域をファイル管理情報に未使用領域として登録するために、欠陥領域として判定されたLSNに対して従来の交替処理を伴う記録方法でPCデータを記録することが可能となる。
【0212】
また、本発明の情報記録方法によれば、記録したデータに対してデータ検査処理を行うために、磁気ディスク装置に格納されたAVデータを記録するといった、記録時には実時間性を要求されない用途において、信頼性を確保することが可能となる。また、スキップ記録処理においてスキップ可能数を設定するために、多数の欠陥領域をスキップした場合においても、後続の他のファイルデータが記録されている領域を破壊することを防止することが可能となる。
【0213】
また、本発明の情報記録方法によれば、AVファイルのエクステント終端がECCブロック途中である場合に、該ECCブロックの残りの領域をパディングエクステントとして登録するため、同一ECCブロックに他のファイルが記録されることを防止する。したがって、同一ECCブロックにデータ検査処理の施されていないAVデータと信頼性が要求されるPCデータが混在することが防止可能となり、PCデータの信頼性が確保される。
【0214】
また、本発明の情報記録方法によれば、AVデータか否かを識別するための識別情報をファイル管理情報に登録するため、再生時にリアルタイム性が求められるデータか否かを識別することが可能となる。
【0215】
また、本発明の情報記録方法によれば、あらかじめ記録領域を設定した後に記録を分割して行うことにより、大きな記録領域に対してデータバッファメモリの容量が小さい情報記録再生システムであっても、AVデータの記録が可能となる。さらに、分割記録命令を繰り返し行うことにより、上位制御装置とディスク記録再生ドライブ間のバスを長時間にわたって占有する必要が無くなり、磁気ディスク装置へのアクセスが必要な用途への応用が可能となる。
【0216】
また、本発明の情報記録方法によれば、AVデータの記録中にもファイル管理情報を定期的に最新の状態に更新して不揮発メモリに格納することで、AVデータ記録の連続性を阻害することなく、予期せぬ停電等の障害からの復旧手段を講じることが可能となる。
【0217】
また、本発明の情報再生方法によれば、再生に先立って1つ以上の再生領域を設定することによって、複数の領域の先読み処理が可能となり、より高速な再生が可能となる。したがって、AVデータの再生時には、映像・音声情報を途切れなく再生することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0218】
【図1】本発明の実施の形態1における、情報記録ディスクのデータ構造図。
【図2】本発明の実施の形態1における、AVデータを含むファイルのファイルエントリのデータ構造図。
【図3】本発明の実施の形態1における、AVデータを含まないファイルのファイルエントリのデータ構造図。
【図4】本発明の実施の形態1における、情報記録再生システムの構成図。
【図5】本発明の実施の形態1における、情報記録再生システムのAVデータ記録方法の説明図。
【図6】本発明の実施の形態1における、スキップ記録コマンドのコマンド制御ブロックのデータ構造図。
【図7】本発明の実施の形態1における、スキップ位置報告要求コマンドのコマンドブロック構造図。
【図8】本発明の実施の形態1における、スキップ位置報告要求コマンドの返送データ構造図。
【図9】本発明の実施の形態1における、スキップ記録コマンドの動作の説明図。
【図10】本発明の実施の形態1における、AVデータを含むファイルの再生方法の説明図。
【図11】本発明の実施の形態1における、AVデータの再生位置設定コマンドのコマンドブロック構造図。
【図12】本発明の実施の形態1における、AVデータの再生位置設定コマンドで転送される再生位置情報データのデータ構造図。
【図13】本発明の実施の形態1における、AVデータの再生要求コマンドのコマンドブロック構造図。
【図14】本発明の実施の形態1における、AVデータの再生エラー時の返送データの説明図。
【図15】本発明の実施の形態2における、情報記録再生システムの構成図。
【図16】本発明の実施の形態2における、情報記録再生システムのAVデータ記録方法の説明図。
【図17】本発明の実施の形態2における、ディスク記録再生ドライブの記録方法の説明図。
【図18】本発明の実施の形態2における、記録領域設定コマンドのコマンド制御ブロックのデータ構造を示す構造図。
【図19】本発明の実施の形態2における、分割記録コマンドのコマンド制御ブロックのデータ構造を示す構造図。
【図20】本発明の実施の形態3における、情報記録再生システムの構成図。
【図21】本発明の実施の形態3における、書換型ディスク上のデータレイアウトを説明するための説明図。
【図22】本発明の実施の形態3における、AVデータ記録方法を示す説明図。
【図23】本発明の実施の形態3における、記録状態報告命令のコマンド制御ブロックのデータ構造図。
【図24】本発明の実施の形態3における、記録状態報告命令の返送データのデータ構造図。
【図25】一般的な、ディスク媒体構造図。
【図26】従来の情報記録ディスクにおける、データ構造図。
【図27】一般的なファイル構造を説明するための説明図。
【図28】従来の情報記録方法を説明するための説明図。
【図29】従来の情報記録方法における、代替処理方法を説明するための説明図。
【図30】従来の情報再生方法を説明するための説明図。
【符号の説明】
【0219】
1 ディスク媒体
2 トラック
3 セクタ
4 ディスク情報領域
5 データ記録領域
400、1500、3000 情報記録再生システム
410、1510、3010 上位制御装置
411、3011 記録領域割当て手段
412、3012 ファイル管理情報作成手段
413 ファイル管理情報解釈手段
414 データバッファメモリ
415、1511、3020 命令発行手段
416 スキップ記録命令発行手段
417 記録位置要求命令発行手段
418 再生領域設定命令発行手段
419 読出しデータ転送命令発行手段
420、1520、3030 ディスク記録再生ドライブ
421、1521、3040 命令処理手段
422 スキップ記録命令処理手段
423 記録位置要求命令処理手段
424 再生領域設定命令処理手段
425 読出しデータ転送命令処理手段
430 記録制御手段
431 欠陥領域検出手段
432 スキップ記録制御手段
433 記録位置格納メモリ
434 データ検査手段
435 記録制御情報メモリ
436 記録データ格納メモリ
440 再生制御手段
441 読出し領域情報格納メモリ
442 読出しデータ格納メモリ
443 連続先読み処理手段
450 磁気ディスク装置
460 AVデータ出力部
470 AVデータ入力部
480 I/Oバス
1512 記録領域指示命令発行手段
1513 分割記録命令発行手段
3100,3101 欠陥領域
3015 ファイル管理情報一時格納用メモリ
3021 記録状態報告命令発行手段
3041 記録状態報告命令処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セクタ単位で記録・再生を行うディスクにデータを記録するディスク記録ドライブであって、
処理要求命令を処理する命令処理手段と、
前記命令処理手段からの要求に応じてディスクへの記録処理を制御するディスク記録制御手段とを包含し、
前記命令処理手段は、記録可能領域の位置情報を指定する記録領域指示命令を処理する記録領域指示命令処理手段と、
前記記録領域指示命令によって指定された領域へ記録するデータを分割して転送する分割記録命令を処理する分割記録命令処理手段と、
記録したデータの記録位置情報を報告する記録位置要求命令処理手段とを包含し、
前記ディスク記録制御手段は、前記記録領域指示命令処理手段から指定される記録領域の位置情報を記録制御情報として格納する記録制御情報メモリと、
記録動作中にディスク上の欠陥領域を検出する欠陥領域検出手段と、
前記記録制御情報メモリに格納された記録制御情報に従って記録動作を開始し、記録動作中に前記欠陥領域検出手段が欠陥領域を検出した場合に、前記記録制御情報メモリに格納された記録領域内であれば該欠陥領域への記録を中止して該欠陥領域に記録すべきデータを含む残りのデータを後続領域に記録し、記録領域を越えたなら記録動作を停止して前記分割記録命令処理手段にエラーを報告するスキップ記録制御手段と、
前記スキップ記録制御手段がスキップを行った欠陥領域の位置情報を格納するための欠陥領域記録位置格納メモリとを包含するディスク記録ドライブ。
【請求項2】
前記記録制御手段は、記録を行った領域のデータを読出して検査するデータ検査手段を包含し、
前記欠陥領域は、前記データ検査手段においてエラーと判定された領域を包含する、請求項記載のディスク記録ドライブ。
【請求項3】
前記スキップ記録制御手段は、誤り訂正処理を行う単位であるECCブロックが複数のセクタから構成される情報記録媒体に記録を行う場合には、前記欠陥領域を含むECCブロックを欠陥領域として取り扱う、請求項記載のディスク記録ドライブ。
【請求項4】
前記命令処理手段は、記録状態報告要求命令を受領して、現在の記録位置及び記録状態を報告する記録状態報告要求命令処理手段をさらに包含する、請求項記載のディスク記録ドライブ。
【請求項5】
上位制御装置と請求項記載のディスク記録ドライブとを備える情報記録システムであって、
前記上位制御装置は、前記ディスク記録ドライブに対して命令を発行する命令発行手段と、
記録を行う領域を選択する記録領域割当て手段と、
ディスク上に記録されたファイルを管理するための管理情報を作成するファイル管理情報作成手段とを備え、
前記命令発行手段は、ディスクへの記録動作に先立ち、前記記録領域割当て手段によって割り当てられたディスク上の記録領域を指示する命令を発行する記録領域指示命令発行手段と、
前記記録領域指示命令発行手段によって指定した領域に記録するデータを分割して転送するとともに記録することを前記ディスク記録ドライブに要求する分割
記録命令発行手段と、
前記ディスク記録ドライブによって記録された領域の位置を決定する記録位置情報の転送を報告を要求する記録位置要求命令を発行する記録位置要求命令発行手段とを包含し、
前記記録位置要求命令発行手段が前記ディスク記録ドライブから受領した記録位置情報を元に、前記ファイル管理情報作成手段がファイル管理情報を作成する情報記録システム。
【請求項6】
前記ファイル管理情報作成手段は、記録したファイルが映像または音声情報を含むAVファイルの場合には、AVファイルの識別情報をファイル属性に登録する、請求項記載の情報記録システム。
【請求項7】
前記ファイル管理情報作成手段は、記録動作中に検出された欠陥領域をファイル管理情報内の未使用領域管理情報に未使用領域として登録する、請求項記載の情報記録システム。
【請求項8】
セクタ単位で記録・再生を行うディスクにデータを記録するデータ記録方法であって、
処理要求命令を処理する命令処理ステップと、
ディスクへの記録処理を制御するディスク記録制御ステップとを包含し、
前記命令処理ステップは、記録可能領域の位置情報を指定する記録領域指示命令を処理する記録領域指示命令処理ステップと、
前記記録領域指示命令によって指定された領域へ記録するデータを分割して転
送する分割記録命令を処理する分割記録命令処理ステップと、
記録したデータの記録位置情報を報告する記録位置要求命令処理ステップとを包含し、
前記ディスク記録制御ステップは、前記記録領域指示命令処理ステップで指定される記録領域の位置情報を記録制御情報として格納する記録制御情報格納ステップと、
記録動作中にディスク上の欠陥領域を検出する欠陥領域検出ステップと、
前記記録制御情報に従って記録動作を開始し、記録動作中に前記欠陥領域検出ステップで欠陥領域を検出した場合に、前記記録制御情報が格納された記録領域内であれば該欠陥領域への記録を中止して該欠陥領域に記録すべきデータを含む残りのデータを後続領域に記録し、記録領域を越えたなら記録動作を停止するスキップ記録制御ステップと、
前記スキップ記録制御ステップでスキップを行った欠陥領域の位置情報を格納する欠陥領域記録位置格納ステップとを包含するデータ記録方法。
【請求項9】
前記記録制御ステップは、記録を行った領域のデータを読出して検査するデータ検査ステップを包含し、
前記欠陥領域は、前記データ検査ステップにおいてエラーと判定された領域を包含する、請求項記載のデータ記録方法。
【請求項10】
前記スキップ記録制御ステップは、誤り訂正処理を行う単位であるECCブロックが複数のセクタから構成される情報記録媒体に記録を行う場合には、前記欠陥領域を含むECCブロックを欠陥領域として取り扱う、請求項記載のデータ記録方法。
【請求項11】
前記命令処理ステップは、記録状態報告要求命令を受領して、現在の記録位置及び記録状態を報告する記録状態報告要求命令処理ステップをさらに包含する、請求項記載のデータ記録方法。
【請求項12】
セクタ単位で記録・再生を行うディスクに前記データを記録するディスク記録ドライブであり、
処理命令を処理する命令処理手段と、
前記命令処理手段からの要求に応じてディスクへの記録処理を制御するディスク記録制御手段とを備え、
前記命令処理手段は、記録開始位置および記録長およびスキップ許容数を含むスキップ記録命令を受領して前記ディスク記録制御手段に記録要求を行うスキップ記録命令処理手段と、
前記ディスク記録制御手段から記録したデータの記録位置情報を受領して報告する記録位置要求命令処理手段とを包含し、
前記ディスク記録制御手段は、前記スキップ記録命令処理手段が、スキップ記録命令の受領時に記録開始位置および記録長およびスキップ許容数を含む記録制
御情報を格納する記録制御情報メモリと、
記録動作中にディスク上の欠陥領域を検出する欠陥領域検出手段と、
前記記録制御情報メモリに格納された記録制御情報に従って記録動作を開始し、記録動作中に前記欠陥領域検出手段が欠陥領域を検出した場合に、欠陥領域数が前記スキップ許容数以内であれば該欠陥領域への記録を中止して該欠陥領域に記録すべきデータを含む残りのデータを後続領域に記録し、欠陥領域数が前記スキップ許容数より大きければ記録動作を停止して前記スキップ記録命令処理手段にエラーを報告するスキップ記録制御手段と、
前記スキップ記録制御手段がスキップを行った欠陥領域の位置情報を格納するための欠陥領域記録位置格納メモリとを包含するディスク記録ドライブ。
【請求項13】
前記前記ディスク記録制御手段は、記録を行った領域のデータを読出して検査するデータ検査手段をさらに包含し、
前記欠陥領域は、前記データ検査手段においてエラーと判定された領域を包含する、請求項12記載のディスク記録ドライブ。
【請求項14】
前記スキップ記録制御手段は、誤り訂正処理を行う単位であるECCブロックが複数のセクタから構成される情報記録媒体に記録を行う場合には、前記欠陥領域をECCブロック単位で判定する、請求項12記載のディスク記録ドライブ。
【請求項15】
上位制御装置と請求項12記載のディスク記録ドライブを備える情報記録システムであって、
前記上位制御装置は、前記ディスク記録ドライブに対して命令を発行する命令発行手段と、
記録を行う領域を選択する記録領域割当て手段と、
ディスク上に記録されたファイルを管理するためのファイル管理情報を作成するファイル管理情報作成手段とを備え、
前記命令発行手段は、前記記録領域割当て手段によって選択されたディスク上の記録領域に対して、記録中に検出した欠陥領域をスキップしながら記録を行うスキップ記録命令を発行するスキップ記録命令発行手段と、
記録した領域の位置を決定する記録位置情報の転送を要求する記録位置要求命令を発行する記録位置要求命令発行手段とを包含し、
前記記録位置要求命令発行手段が前記ディスク記録ドライブから受領した記録位置情報を元に、前記フィル管理情報作成手段がファイル管理情報を作成する情報記録システム。
【請求項16】
前記ファイル管理情報作成手段は、記録したファイルが映像または音声情報を含むAVファイルの場合には、AVファイルの識別情報をファイル属性に登録する、請求項15記載の情報記録システム。
【請求項17】
前記ファイル管理情報作成手段は、記録動作中に検出された欠陥領域をファイル管理情報内の未使用領域管理情報に未使用領域として登録する、請求項15記載の情報記録システム。
【請求項18】
セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに、誤り訂正処理を行う単位であるECCブロックが複数のセクタから構成された情報記録媒体であって、
データが記録された1つ以上の該セクタが、エクステントとして管理され、
1つ以上の該エクステントが、ファイルとしてファイル構造を用いて管理され、
前記ECCブロックに満たない半端データが該ファイル中に存在する場合に、前記半端データを含む該ECCブロックの未使用領域を、該ファイルの一部として割当て済み且つ未使用領域であることを意味するパディングエクステントとして管理する情報記録媒体。
【請求項19】
前記パディングエクステントを識別するための識別情報であるエクステントタイプが、前記エクステントに一対一に対応してファイル管理情報に登録されている、請求項18記載の情報記録媒体。
【請求項20】
セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに、誤り訂正処理を行う単位であるECCブロックが複数のセクタから構成され、データが記録された1つ以上の前記セクタがエクステントとして管理され、1つ以上の該エクステントがファイルとしてファイル構造を用いて管理される情報記録媒体に情報を記録する情報記録方法であって、
エクステント終端がECCブロック途中に存在する場合には前記ECCブロック内の残りの領域を、ファイルの一部であるが未使用領域であることを意味するパディングエクステントとしてファイル管理情報に登録するパディングエクステント登録ステップを包含する情報記録方法。
【請求項21】
セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに、記録された該データがファイルとしてファイル構造を用いて管理される情報記録媒体であって、
前記ファイル構造は、映像又は音声情報を含むAVファイルであるか否かを識別するための識別情報であるAVフラグをファイル毎に有する、情報記録媒体。
【請求項22】
セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに、前記データが記録された1つ以上の前記セクタがエクステントとして管理され、1つ以上のエクステントがファイルとしてファイル構造を用いて管理される情報記録媒体に情報を記録する情報記録方法であって、
記録されたファイルが映像又は音声情報を含むAVファイルであれば、前記AVファイルを識別するためのファイル属性情報をファイル管理情報に登録するAVファイル属性登録ステップを包含する情報記録方法。
【請求項23】
セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに、記録された前記データがファイルとしてファイル構造を用いて管理される情報記録媒体からデータを再生する情報再生方法であって、
ファイルの再生に先立って、再生を行う1つ以上の再生領域の位置情報を設定する再生位置設定ステップと、
前記再生位置設定ステップにおいて設定された再生領域の再生動作を実行するとともに、再生中にエラーを検出した場合も後続の再生動作を継続する連続再生ステップと、
前記再生位置設定ステップにおいて指定された領域の再生データを転送する再生データ転送ステップ、
とを包含することを特徴とする情報再生方法。
【請求項24】
セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに記録された前記データがファイル構造を用いて管理される情報記録媒体からデータを再生するディスク再生ドライブであって、
処理命令を受領して処理を行う命令処理手段と、
ディスクからデータを連続的に読出し、読出したデータの転送を行う再生制御
手段とを包含し、
前記命令処理手段は、再生動作に先立って1つ以上の読出し領域の位置情報を指定する読出し領域設定命令を処理する再生領域設定命令処理手段と、
読み出したデータの転送を要求する読出しデータ転送要求命令を処理する読出しデータ転送命令処理手段とを包含し、
前記再生制御手段は、前記読出し領域設定命令処理手段が受領した読出し領域の位置情報を格納する読出し領域情報格納メモリと、
読み出したデータを一時的に格納する読出しデータ格納メモリと、
前記読出し領域情報格納メモリに格納した読出し領域の位置情報に従って、ディスクからのデータをあらかじめ読出して前記読出しデータ格納メモリに格納する先読み処理を実行するとともに、データの読出し動作にエラーが発生しても先読み動作を停止せずに後続領域の読出し動作を続行する連続先読み処理手段とを包含し、
前記読出しデータ転送命令処理手段は、読出しデータ転送命令を受領すると、前記読み出しデータ格納メモリに格納された読出しデータのデータ転送処理を実行するディスク再生ドライブ。
【請求項25】
セクタ単位でデータの記録・再生が行われるとともに、記録された前記データがファイルとしてファイル構造を用いて管理される情報記録媒体からデータを再生する情報再生システムであって、
上位制御装置と請求項24記載のディスク再生ドライブとを備え、
前記上位制御装置は、ディスクに記録されているファイル管理情報からファイルの位置情報及び属性情報を解釈するファイル管理情報解釈手段と、
前記ディスク再生ドライブに対して、処理の要求を行う命令を発行する命令発行手段を有し、
前記命令発行手段は、前記ファイルシステム解釈手段によって判定されるファイルデータの記録位置情報をもとに再生領域設定命令を発行する再生領域設定命令発行手段と、
前記再生領域設定命令によって指示された領域のデータ転送を要求する読み出しデータ転送命令を発行して読出しデータを受領する読出しデータ転送命令発行
手段とを包含する情報再生システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate


【公開番号】特開2008−305548(P2008−305548A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−204825(P2008−204825)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【分割の表示】特願2000−18094(P2000−18094)の分割
【原出願日】平成12年1月26日(2000.1.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】