説明

AV信号の伝送装置、通信機、および伝送方法

【課題】 AV信号のみを伝送する装置と比較して発光素子や受光素子の増設を要せずに、AV信号の伝送とこれと逆方向に送信されるデータ通信とを実現するAV信号の伝送装置ならびに伝送方法を提供する。
【解決手段】 AV信号を送信する第1通信機10には、AV信号を受けてLED11の駆動信号を生成する駆動回路12と、LED11からの受信信号を入力するAND回路15とを設け、クロック信号CLKによりLED11の駆動電圧の供給・非供給を切り替えるとともに駆動電圧が非供給状態のときにAND回路15にLED11からの信号を通過させるように構成する。また、AV信号を受信する第2通信機20には、受光手段としてLED21を採用するとともに、LED21の受信信号からクロック信号CLKの周波数成分を除去してAV信号を抽出させる一方、受信信号がない期間に送信データに基づいてLED21を駆動して発光がなされるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、映像信号や音声信号を光信号で伝送するAV信号の伝送装置ならびにAV信号の伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以前より、AV(audiovisual)信号を赤外線などにより離れたところの装置に伝送する技術について種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、LED(発光ダイオード)の発光によりAV信号を送信してフォトダイオードにより受信する装置において、複数のLEDの中から一番効率の良い方向を向いているLEDを見つけ出してこのLEDに発光信号を送信させる技術が開示されている。また、特許文献2には、映像信号や音声信号をSWFM方式で変調し、それを光信号に変換して光ケーブルを介して伝送する技術が開示されている。また、特許文献3には、周波数分割多重により複数の映像信号を重畳して1本の光ケーブルで伝送する技術が開示されている。また、特許文献4には、映像信号とデータ信号とを異なる周波数領域の搬送波で合成してLEDの発光により送信しフォトダイオードにより受信する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平9−214432号公報
【特許文献2】特開平6−224881号公報
【特許文献3】特開平6−46034号公報
【特許文献4】特開2002−158980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
映像信号や音声信号を光信号で伝送する伝送装置を用いて映像音声の視聴を行う場合、ユーザは光信号の受け側において映像音声の視聴を行い、チューナ装置やビデオ装置などの映像信号や音声信号を出力するAV装置は光信号の送信側に離れて設置されるのが通常である。
【0005】
このような装置配置において、ユーザがリモコン(リモートコントローラ)等でAV装置を遠隔操作するような場合、ユーザは信号の受け側に居るため、遠くにあるAV装置にリモコンを向けてボタン操作を行うよりも、近くにある伝送装置の受信機にリモコンを向けてボタン操作をしたほうが楽な姿勢で操作を行えると考えられる。従って、AV信号を伝送する伝送装置においてその受け側から送り側へリモコン信号などのデータ送信を行えるようにすると利便性が増す。
【0006】
しかしながら、リモコン信号の送受信のためだけに発光素子や受光素子ならびに伝送装置の回路を大きな割合で増設したのでは、機能の向上に比べて製品コストが大きく高騰してしまうという課題が生じる。
【0007】
この発明の目的は、簡単な回路構成および少ない部品点数で低コストにAV信号の伝送とリモコン信号などのデータ通信を可能とするAV信号の伝送装置および伝送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、映像信号又は音声信号を光信号により伝送する第1通信機と第2通信機とを有するAV信号の伝送装置であって、前記第1通信機は、発光して光信号を出力するとともに外部から光を受光して電気信号に変換する第1発光ダイオードと、アナログの映像信号又は音声信号を受けてこの信号振幅に応じた前記第1発光ダイオードの駆動信号を生成する駆動回路と、前記アナログの映像信号又は音声信号の周波数帯域の上限周波数を上回る第1周波数のパルス信号を生成するパルス生成回路と、受光に基づく前記第1発光ダイオードの受信信号を内部に取り込む入力回路とを備え、前記パルス信号により前記発光ダイオードの駆動のオン・オフが切り替えられ、オン状態のときに前記発光ダイオードが駆動されて前記駆動信号に応じた発光がなされる一方、オフ状態のときに前記発光ダイオードの受信信号が前記入力回路に取り込まれるように構成され、前記第2通信機は、外部から光を受光して電気信号に変換するとともに発光して光信号を出力する第2発光ダイオードと、該第2発光ダイオードの受信信号から前記第1周波数の帯域成分を除去するフィルタ回路と、送信信号を受けてこの信号と前記第2発光ダイオードの受信信号とに応じて前記第2発光ダイオードを駆動する論理回路とを備え、前記論理回路は、前記第2発光ダイオードの受信信号の大きさが閾値以下のときに前記送信信号に応じて前記第2発光ダイオードを駆動する一方、前記第2発光ダイオードの受信信号の大きさが閾値以上のときに前記第2発光ダイオードを駆動しない構成とした。
【0009】
このような構成によれば、AV信号の伝送に使用される発光素子と受光素子とが、例えばリモコン信号などを逆方向に送信するときの発光素子と受光素子として兼用されるのでそれにより部品点数の削減および部品コストの低減を図ることが出来る。また、AV信号の送信を短いパルスでオン・オフすることで信号の送信期間と受信期間とを切り替える構成なので、回路構成も複雑にならず製造コストの低減を図ることが出来る。
【0010】
望ましくは、前記第1発光ダイオードと前記第2発光ダイオードとは同一素子構造の部品とすると良い。この部品の共通化により部品コストをさらに低減できるという効果が得られる。
【0011】
具体的には、前記送信信号は、前記第1周波数と同一周波数又はそれより低い周波数に相当するビットレートのデジタル信号とすることが出来る。このような信号であれば、AV信号の受信信号に基づいて送信タイミングが切り替えられる構成であっても精度高く信号の送信を行うことが出来る。
【0012】
さらに具体的には、前記送信信号は、リモートコントローラのコントロール信号とすることが出来る。このような構成により、本発明の伝送装置を用いて、例えば映像再生装置から離れた箇所のテレビ受像装置まで映像信号を伝送するような場合に、テレビ受像装置側にリモコン受光器を置いてその信号を伝送装置を介して映像再生装置へ送ることが出来る。すなわち、ユーザは近くの受光器にリモコンを向けて楽な姿勢でボタン操作を行うことが出来るという効果が得られる。
【0013】
また、本発明は、上記目的を達成するため、光信号により映像信号又は音声信号を伝送するAV信号の伝送方法であって、映像信号又は音声信号の送信側において、アナログの映像信号又は音声信号を受けてこの信号振幅に応じて変化する駆動信号を生成し、前記アナログの映像信号又は音声信号の周波数帯域の上限周波数を上回る第1周波数のパルス信号を生成し、前記パルス信号により発光ダイオードの駆動のオン・オフを切り替え、オン状態のときに前記駆動信号により発光ダイオードを駆動する一方、オフ状態のときに当該発光ダイオードの受光に基づく受信信号を入力し、映像信号又は音声信号の受信側において、発光ダイオードから受光に基づく受信信号を入力し、この受信信号から前記第1周波数の帯域成分を除去して前記アナログの映像信号又は音声信号を抽出する一方、前記受信信号の大きさが閾値以下のときに送信信号に基づき前記発光ダイオードを駆動して当該送信信号を光出力するものとした。
【0014】
このような構成により、AV信号の受信側と送信側とでそれぞれ一個の発光ダイオードを用いてAV信号の伝送を行うとともに、これと並行して例えばリモコン信号などの送信データを逆方向に送信させることが可能となる。また、AV信号の送信を短いパルスでオン・オフすることで信号の送信と受信とを切り替える構成なので回路構成も複雑にならず、AV信号の伝送とそれと逆方向の通信とを低コストに実現することが出来る。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明に従うと、AV信号の受信側と送信側とでそれぞれ一個の発光ダイオードを用いてAV信号の伝送を行うことが出来るとともに、それと並行して例えばリモコン信号などのデータ通信を逆方向に行わせることも可能となる。また、AV信号の伝送のみを行う伝送装置と比較して、回路構成も複雑にならず発光素子や受光素子の増設も必要ないので、このような機能を低コストに実現できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、この実施の形態のAV信号の伝送装置を示す回路図、図2は、第1通信機と第2通信機の各部の信号を示した信号波形図である。
【0018】
この実施の形態のAV信号の伝送装置は、発光手段および受光手段として機能するLED11,21をそれぞれ1個ずつ備えた第1通信機10と第2通信機20とから構成され、第1通信機10から第2通信機20へアナログの画像信号(例えばコンポジット信号)を伝送し、第2通信機20から第1通信機10へデジタルデータ(例えばリモコンの操作信号)を送信するものである。
【0019】
第1通信機10は、発光手段および受光手段として機能するLED11と、アナログ画像信号を受けてLED11の駆動電流を生成する駆動回路12と、クロック信号CLKを受けてLED11の駆動電圧の供給・非供給を切り替えるインバータ13と、クロック信号CLKに応じて駆動回路12とLED11との接続を切り替えるスイッチ回路14と、クロック信号CLKとLED11からの受信信号を入力して第2通信機20から送られてきた送信データを取り込む入力回路としてのAND回路15とを備え、LED11のカソードがスイッチ回路14を介して駆動回路12の出力端子とAND回路15の入力端子とに接続され、LED11のアノードがインバータ13の出力端子に接続された構成となっている。図示省略しているが、内部にはクロック信号CLKを生成している回路が設けられ、これによりパルス生成回路が構成されている。
【0020】
クロック信号CLKは、画像信号の周波数帯域の上限周波数の2倍以上の周波数(例えば十数MHz)のパルス信号であり、第1通信機10において送信期間と受信期間とを切り替えるように作用する。すなわち、クロック信号CLKがロウレベルのときが第1通信機の送信期間、クロック信号CLKがハイレベルのときが第1通信機の受信期間とされる。
【0021】
スイッチ回路14は、例えばバイポーラトランジスタやFETなどから構成され、クロック信号CLKがロウレベルのときに駆動回路12とLED11との接続をオンとし、ハイレベルのときに接続をオフとする。
【0022】
このような構成により、図2(A)〜(D)の信号波形に示すように、クロック信号CLKがロウレベルのときには、インバータ13からLED11のアノードに駆動電圧が供給されるとともに、駆動回路12からアナログ画像信号の振幅に応じた駆動電流が引き込まれ、それによりLED11からアナログ画像信号の振幅に応じた強度の発光がなされるようになっている。一方、クロック信号CLKがハイレベルのときには、インバータ13からLED11へ駆動電圧が供給されずにLED11の発光が停止するようになっている。
【0023】
また、クロック信号CLKがハイレベルの期間には、スイッチ回路14がオフにされてLED11は無バイアス状態となり、外部からの光の入射によりLED11で発生する起電力(受信信号)がAND回路15に入力されて、この受信信号がAND回路15から内部回路に送られるようになっている。一方、クロック信号CLKがロウレベルのときには、このクロック信号CLKによりLED11側からの信号がAND回路15において遮断されて内部に送られないようになっている。なお、LED11の受信信号が小さい場合には、LED11とAND回路15との間にプリアンプを設け、プリアンプによりLED11の受信信号を増幅してAND回路15に入力されるようにすれば良い。
【0024】
第2通信機20は、発光手段および受光手段として機能するLED21と、LED21の受信信号から上記クロック信号CLKの周波数成分を除去するローパスフィルタ22と、ローパスフィルタ22の出力を増幅するビデオアンプ23と、LED21の受信信号を受けてパルス信号を生成するインバータ25と、このパルス信号と送信データとを入力して論理出力するNAND回路24と、NAND回路24の出力に応じてLED21の駆動電圧を出力するインバータ25と、NAND回路24の出力に応じてLED21とグランド端子との接続をオン・オフするスイッチ回路27とを備え、LED21のアノードにインバータ26の出力端子が、LED21のカソードにスイッチ回路27、ローパスフィルタ22、インバータ25の入力端子が接続された構成となっている。
【0025】
LED21は、第1通信機10のLED11と同一素子構造の同一部品であり、フォトダイオードと同様に第1通信機10からの出射光を受光してその光量に応じた起電力を発生させることで電気信号に変換する。LEDはフォトダイオードと比較して受信感度は低くなるものの、例えば、高輝度LEDを数十センチ離して光信号の送受信を行わせた場合、受信側のLEDにおいて数百mVの電気信号を発生させることが出来る。このようなLED21により、図2(E)に示すように、第1通信機10から送られた光信号とほぼ同波形の信号を得ることが出来る。
【0026】
そして、この受信信号がローパスフィルタ22に入力されてクロック信号CLKの周波数成分が除去され、ビデオアンプ23でゲイン調整されることでアナログの画像信号が復元される。上述のように、クロック信号CLKの周波数はアナログ画像信号の周波数帯域の上限周波数の2倍以上の周波数であるため、ローパスフィルタ22の作用により画像信号の波形をほぼ劣化なく抽出することが出来る。
【0027】
また、図2(F)に示すように、LED21からの受信信号はインバータ25に入力されることで、該インバータ25により第1送信機10のクロック信号CLKと同調したパルス信号が生成される。インバータ25の閾値電圧は、第1通信機10のLED11が発光強度が弱いときにもその発光時にターンオフするように低く設定されている。なお、LED21の受信信号が小さすぎるときには、受信信号を増幅するプリアンプを設けて、該プリアンプにより増幅された信号がインバータ25に入力するように構成しても良い。
【0028】
インバータ25から出力されるパルス信号は、第2通信機20の送信期間と受信期間とを切り替えるように作用し、すなわち、パルス信号がハイレベルの期間が送信期間に、ロウレベルの期間が受信期間とされる。
【0029】
そして、図2(G),(H)に示すように、データの送信期間には、NAND回路24の一方の入力端子に入力されたデジタルの送信データがインバータ26に出力されて、送信データがハイレベルのときにLED21に駆動電圧が出力される。さらに、これと同時にスイッチ回路27がオンされてLED21に駆動電流が流れ、LED21が発光するようになっている。ここで、送信データは、例えば、リモコンの操作内容を表わすコマンドコードなどであり、そのビットレートはクロック信号CLKの周波数に相当するビットレートと比べて小さなものである。一方、送信データがロウレベルのときにはLED21に駆動電圧は供給されずにLED21から発光は行われないようになっている。
【0030】
そして、図2(H)に示すような第2光信号が、第1通信機10のLED11に受信されて第1通信機10の受信期間にAND回路15を介して内部回路に送られるようになっている。
【0031】
以上のように、この実施の形態のAV信号の伝送装置によれば、例えば、互いに離れたところに設置されているビデオ装置とテレビ受像装置にそれぞれ第1通信機10と第2通信機20とを接続して、ビデオ装置からテレビ受像装置へ画像信号を送って視聴を行うとともに、第2通信機20にビデオ装置のリモコン受光器を接続して、リモコン信号を第2通信機20と第1通信機10を介してビデオ装置に送るようにすることが出来る。これにより、ユーザは画像の視聴を行っているテレビ受像装置の側でリモコンを近くの受光機に向けて楽な姿勢で操作することが出来るという効果が奏される。
【0032】
また、このような画像信号の伝送と、リモコン信号等のデータ送信とを、第1および第2通信機10,20にそれぞれ1個ずつ設けられたLED11,21の発光と受光とにより行う構成なので、AV信号の伝送のみを行う伝送装置と比較して、伝送装置全体の部品点数や部品コストをさほど増加させることがなく、また、クロック信号CLKにより第1通信機10と第2通信機20の送信期間と受信期間とを切り替える構成なので、回路構成も複雑にならず、製品コストの低減を図ることが出来る。
【0033】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記の実施の形態では、伝送されるAV信号としてコンポジット信号などの画像信号を例示したが、例えばアナログの音声信号を伝送したり、映像信号と音声信号とを独自の方式で重畳したアナログ信号を伝送することも出来る。また、AV信号と逆方向に送られる送信データもリモコン信号に限られず、例えば、テレビ受像装置からAV装置を制御するためのコマンドコードなど、種々の信号を送ることも出来る。
【0034】
また、第1通信機10と第2通信機20において、それぞれ受信期間にLED11,21が無バイアスになるようにして光受信を行う構成としているが、これらの期間にLED11,21に逆バイアスが印加されるようにしても良いし、LED11,21で発生された起電力を電圧に変換する回路を設けてこの電圧を受信信号とするようにしても良い。また、第1通信機10の駆動回路12として、LED11から電流を引き込む回路を例示したが、例えば、画像信号の振幅にほぼ比例した駆動電圧を生成してこの駆動電圧によりLED11に画像信号の振幅に応じた駆動電流が流れるように構成しても良い。その他、実施の形態で示した細部構造等は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態のAV信号の伝送装置を示す回路構成図である。
【図2】各部の信号を説明する信号波形図である。
【符号の説明】
【0036】
10 第1通信機
11 LED
12 駆動回路
13 インバータ
14 スイッチ回路
15 AND回路
20 第2通信機
21 LED
22 ローパスフィルタ
23 ビデオアンプ
24 NAND回路
25,26 インバータ
27 スイッチ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号又は音声信号を光信号により伝送する第1通信機と第2通信機とを有するAV信号の伝送装置であって、
前記第1通信機は、
発光して光信号を出力するとともに外部から光を受光して電気信号に変換する第1発光ダイオードと、
アナログの映像信号又は音声信号を受けてこの信号振幅に応じた前記発光手段の駆動信号を生成する駆動回路と、
前記アナログの映像信号又は音声信号の周波数帯域の上限周波数を上回る第1周波数のパルス信号を生成するパルス生成回路と、
受光に基づく前記第1発光ダイオードの受信信号を内部に取り込む入力回路とを備え、
前記パルス信号により前記発光ダイオードの駆動のオン・オフが切り替えられ、オン状態のときに前記発光ダイオードが駆動されて前記駆動信号に応じた発光がなされる一方、オフ状態のときに前記発光ダイオードの受信信号が前記入力回路に取り込まれるように構成され、
前記第2通信機は、
外部から光を受光して電気信号に変換するとともに発光して光信号を出力する前記第1発光ダイオードと同一素子構造の第2発光ダイオードと、
該第2発光ダイオードの受信信号から前記第1周波数の帯域成分を除去するフィルタ回路と、
前記第1周波数と同一周波数又はそれより低い周波数に相当するビットレートのデジタル送信信号を受けてこの信号と前記第2発光ダイオードの受信信号とに基づいて前記第2発光ダイオードを駆動する論理回路とを備え、
前記論理回路は、前記第2発光ダイオードの受信信号の大きさが閾値以下のときに前記デジタル送信信号に応じて前記第2発光ダイオードを駆動する一方、前記第2発光ダイオードの受信信号の大きさが閾値以上のときに前記第2発光ダイオードを駆動しないように構成されていることを特長とするAV信号の伝送装置。
【請求項2】
映像信号又は音声信号を光信号により伝送する第1通信機と第2通信機とを有するAV信号の伝送装置であって、
前記第1通信機は、
発光して光信号を出力するとともに外部から光を受光して電気信号に変換する第1発光ダイオードと、
アナログの映像信号又は音声信号を受けてこの信号振幅に応じた前記第1発光ダイオードの駆動信号を生成する駆動回路と、
前記アナログの映像信号又は音声信号の周波数帯域の上限周波数を上回る第1周波数のパルス信号を生成するパルス生成回路と、
受光に基づく前記第1発光ダイオードの受信信号を内部に取り込む入力回路とを備え、
前記パルス信号により前記発光ダイオードの駆動のオン・オフが切り替えられ、オン状態のときに前記発光ダイオードが駆動されて前記駆動信号に応じた発光がなされる一方、オフ状態のときに前記発光ダイオードの受信信号が前記入力回路に取り込まれるように構成され、
前記第2通信機は、
外部から光を受光して電気信号に変換するとともに発光して光信号を出力する第2発光ダイオードと、
該第2発光ダイオードの受信信号から前記第1周波数の帯域成分を除去するフィルタ回路と、
送信信号を受けてこの信号と前記第2発光ダイオードの受信信号とに応じて前記第2発光ダイオードを駆動する論理回路とを備え、
前記論理回路は、前記第2発光ダイオードの受信信号の大きさが閾値以下のときに前記送信信号に応じて前記第2発光ダイオードを駆動する一方、前記第2発光ダイオードの受信信号の大きさが閾値以上のときに前記第2発光ダイオードを駆動しないように構成されていることを特長とするAV信号の伝送装置。
【請求項3】
前記第1発光ダイオードと前記第2発光ダイオードとは同一素子構造の部品であることを特徴とする請求項2記載のAV信号の伝送装置。
【請求項4】
前記送信信号は、前記第1周波数と同一周波数又はそれより低い周波数に相当するビットレートのデジタル信号であることを特徴とする請求項2又は3に記載のAV信号の伝送装置。
【請求項5】
前記送信信号は、リモートコントローラのコントロール信号であることを特徴とする請求項4に記載のAV信号の伝送装置。
【請求項6】
映像信号又は音声信号を光信号により伝送するAV信号の通信機であって、
発光して光信号を出力するとともに外部から光を受光して電気信号に変換する第1発光ダイオードと、
アナログの映像信号又は音声信号を受けてこの信号振幅に応じた前記発光手段の駆動信号を生成する駆動回路と、
前記アナログの映像信号又は音声信号の周波数帯域の上限周波数を上回る第1周波数のパルス信号を生成するパルス生成回路と、
受光に基づく前記第1発光ダイオードの受信信号を内部に取り込む入力回路とを備え、
前記パルス信号により前記発光ダイオードの駆動のオン・オフが切り替えられ、オン状態のときに前記発光ダイオードが駆動されて前記駆動信号に応じた発光がなされる一方、オフ状態のときに前記発光ダイオードの受信信号が前記入力回路に取り込まれるように構成されていることを特徴とするAV信号の通信機。
【請求項7】
発光して光信号を出力するとともに外部から光を受光して電気信号に変換する第1発光ダイオードと、アナログの映像信号又は音声信号を受けてこの信号振幅に応じた前記発光手段の駆動信号を生成する駆動回路と、前記アナログの映像信号又は音声信号の周波数帯域の上限周波数を上回る第1周波数のパルス信号を生成するパルス生成回路と、受光に基づく前記第1発光ダイオードの受信信号を内部に取り込む入力回路とを備え、前記パルス信号により前記発光ダイオードの駆動のオン・オフが切り替えられ、オン状態のときに前記発光ダイオードが駆動されて前記駆動信号に応じた発光がなされる一方、オフ状態のときに前記発光ダイオードの受信信号が前記入力回路に取り込まれるように構成された第1通信機から出力される光信号を受けて映像信号又は音声信号を復調するAV信号の通信機であって、
外部から光を受光して電気信号に変換するとともに発光して光信号を出力する第2発光ダイオードと、
該第2発光ダイオードの受信信号から前記第1周波数の帯域成分を除去するフィルタ回路と、
送信信号を受けてこの信号と前記第2発光ダイオードの受信信号とに応じて前記第2発光ダイオードを駆動する論理回路とを備え、
前記論理回路は、前記第2発光ダイオードの受信信号の大きさが閾値以下のときに前記送信信号に応じて前記第2発光ダイオードを駆動する一方、前記第2発光ダイオードの受信信号の大きさが閾値以上のときに前記第2発光ダイオードを駆動しないように構成されていることを特長とするAV信号の通信機。
【請求項8】
光信号により映像信号又は音声信号を伝送するAV信号の伝送方法であって、
映像信号又は音声信号の送信側において、
アナログの映像信号又は音声信号を受けてこの信号振幅に応じて変化する駆動信号を生成し、
前記アナログの映像信号又は音声信号の周波数帯域の上限周波数を上回る第1周波数のパルス信号を生成し、
前記パルス信号により発光ダイオードの駆動のオン・オフを切り替え、オン状態のときに前記駆動信号により発光ダイオードを駆動する一方、オフ状態のときに当該発光ダイオードの受光に基づく受信信号を入力し、
映像信号又は音声信号の受信側において、
発光ダイオードから受光に基づく受信信号を入力し、
この受信信号から前記第1周波数の帯域成分を除去して前記アナログの映像信号又は音声信号を抽出する一方、
前記受信信号の大きさが閾値以下のときに送信信号に基づき前記発光ダイオードを駆動して当該送信信号を光出力することを特長とするAV信号の伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−332846(P2006−332846A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−150821(P2005−150821)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】