説明

C−METの阻害剤として有用なアミドフェノキシインダゾール

本発明は、癌の治療に有用なアミドフェノキシインダゾール化合物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
c−Metは、チロシンキナーゼ増殖因子受容体ファミリーのメンバーである。c−Met発現は、内皮、上皮、および間葉細胞で生じる。内因性リガンド、肝細胞増殖因子(HGF)のc−Metに対する結合は、細胞移動、増殖、および浸潤を促進する。
【背景技術】
【0002】
c−METは特定の腫瘍の進行に関与する。c−Metの過剰発現は、結腸、乳房、腎臓、肺、血管腫、扁平細胞骨髄性白血病、黒色腫、膠芽細胞腫、および星状細胞腫を含む、多くの腫瘍型において示されている。腫瘍細胞c−Met受容体の活性化は、腫瘍細胞増殖、浸潤/転移、ならびにアポトーシスおよび細胞障害性療法に対する抵抗性を向上させる。
【0003】
様々なアミドフェノキシヘテロアリールc−Met阻害剤が報告されている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4を参照のこと。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0288290号
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0211695号
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/0004006号
【特許文献4】国際公開第2007103308号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、c−Metを阻害するさらなる化合物についての必要性が依然として存在する。本発明は、c−Metを阻害することによって癌を治療するための臨床用途を有すると考えられる新規のアミドフェノキシインダゾール化合物を提供する。本発明の好ましい化合物はまた、当該技術分野において見出される特定の他のc−Met阻害化合物よりも有効性の向上を提供すると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、式Iの化合物:
以下の式の化合物:
【化1】

(式中、
は、Hまたはメチルであり、
は、アミノ、ジメチルアミノ、フルオロ、シクロプロピル、アミノ置換基もしくは1〜2のメチル置換基で必要に応じて置換されたピリジル、2つのメチル置換基で必要に応じて置換されたピラゾリル、2−メトキシ−ピリミジン−5−イル、4−メチルスルホニルフェニル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ、(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノカルボニル、またはモルホリン−4−イル置換基
【化2】

(式中、R、RおよびRは、Hまたはメチルから独立して選択される)
であり、
は、HまたはFであり、
は、H、メチル、ピペリジン−1−イルメチル、モルホリン−4−イルメチル、またはピラゾール−1−イルメチルであり、
は、HまたはFであり、
Xは、CH=N、CH=CH、CH=C(CH)、C(CH)=CH、C(CH)=N、N(CH)またはC(モルホリン−4イルメチル)=CHである)
またはその薬理学的に許容可能な塩を提供する。
【0007】
本発明は、哺乳動物における肺癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、膵臓癌、頭部癌、頸部癌、遺伝性乳頭状腎細胞癌、小児肝細胞癌、および胃癌からなる群より選択される癌を治療する方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に、式Iの化合物またはその薬理学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0008】
本発明はまた、式Iの化合物またはその薬理学的に許容可能な塩を含む医薬組成物、および薬理学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を提供する。
【0009】
本発明はまた、医薬として使用するための式Iの化合物またはその薬理学的に許容可能な塩を提供する。さらに、本発明は、癌を治療するための医薬の製造における式Iの化合物の使用またはその薬理学的に許容可能な塩を提供する。特にこれらの癌は、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、膵臓癌、頭部癌、頸部癌、遺伝性乳頭状腎細胞癌、小児肝細胞癌、および胃癌からなる群より選択される。さらに、本発明は、活性成分として式Iの化合物またはその薬理学的に許容可能な塩を含む、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、膵臓癌、頭部癌、頸部癌、遺伝性乳頭状腎細胞癌、小児肝細胞癌、および胃癌からなる群より選択される癌を治療するための医薬組成物を提供する。
【0010】
本発明の化合物のほとんどまたは全ては塩を形成できることは当業者によって理解されるだろう。本発明の化合物はアミンであり、従って任意の多くの無機酸および有機酸と反応して、薬理学的に許容可能な酸付加塩を形成する。そのような薬理学的に許容可能な酸付加塩およびそれらを調製するための一般的な方法論は当該技術分野において周知である。例えば、P.Stahlら,HANDBOOK OF PHARMACEUTICAL SALTS:PROPERTIES,SELECTION AND USE,(VCHA/Wiley−VCH,2002);L.D.Bighley,S.M.Berge,D.C.Monkhouse,「Encyclopedia of Pharmaceutical Technology」.Eds.J.SwarbrickおよびJ.C.Boylan,Vol.13,Marcel Dekker,Inc.,New York,Basel,Hong Kong 1995,pp.453−499;S.M.Bergeら,「Pharmaceutical Salts」,Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol 66,No.1,1977年1月を参照のこと。本発明の化合物の好ましい薬理学的に許容可能な塩はメタンスルホン酸塩である。
【0011】
式Iの化合物
(式中、
(a)RはHであり、
(b)Rはメチルであり、
(c)Rはアミノ、ジメチルアミノ、シクロプロピル、6−メチル−ピリジン−3−イル、ピラゾール−4−イル、または式
【化3】

のモルホリン−4−イルであり、
(d)Rはアミノ、ジメチルアミノ、ピラゾール−4−イル、またはモルホリン−4−イルであり、
(e)Rはピラゾ−4−イルであり、
(f)Rはメチルであり、Rはピラゾール−4−イルであり、
(g)RはFであり、
(h)Rはメチルであり、Rはピラゾール−4−イルであり、RはFであり、
(i)RはH、メチル、またはモルホリン−4−イルメチルであり、
(j)RはHであり、
(k)Rはメチルであり、Rはピラゾール−4−イルであり、RはFであり、RはHであり、
(l)RはHであり、
(m)RはFであり、
(n)Rはメチルであり、Rはピラゾール−4−イルであり、RはFであり、RはHであり、RはHであり、
(o)Rはメチルであり、Rはピラゾール−4−イルであり、RはFであり、RはHであり、RはFであり、
(p)XはCH=CHまたはCH=C(CH)であり、
(q)Rはメチルであり、Rはピラゾール−4−イルであり、RはFであり、RはHであり、RはHであり、XはCH=CHまたはCH=C(CH)であり、
(r)Rはメチルであり、Rはピラゾール−4−イルであり、RはFであり、RはHであり、RはFであり、XはCH=CHまたはCH=C(CH)であり、
(s)Rはメチルであり、Rはピラゾール−4−イルであり、RはFであり、RはHであり、RはHまたはFであり、XはCH=C(CH)であり、
(t)Rはメチルであり、Rはピラゾール−4−イルであり、RはFであり、RはHであり、RはHであり、XはCH=C(CH)であり、
(u)Rはメチルであり、Rはピラゾール−4−イルであり、RはFであり、RはHであり、RはFであり、XはCH=C(CH)である)
が好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の化合物は、当該技術分野において周知かつ理解されている方法による以下の合成スキームに従って調製され得る。これらのスキームの工程についての適切な反応条件は当該技術分野において周知であり、溶媒および共試薬の適切な置換基は当該技術分野の技術の範囲内である。同様に、合成中間体が、必要または所望される種々の周知技術によって分離および/または精製され得ること、ならびに頻繁に、後の合成工程において、ほとんどまたは全く精製せずに、種々の中間体を直接使用することが可能であることは、当業者によって理解されるだろう。さらに、当業者は、一部の状況において、部分が導入される順序は重要ではないことを理解するだろう。本発明の化合物を生成するのに必要とされる工程の特定の順序は、熟練した化学者によって十分に理解されるように、合成される特定の化合物、出発化合物、および置換部分の相対的性質に依存する。他に示されない限り、全ての置換基は上記に定義した通りであり、全ての試薬は当該技術分野において周知かつ理解される。
【0013】
本発明の化合物は以下のスキームIに示すように合成することができ、式中、X、R、RおよびRは上記に定義した通りであり、R1’およびR2’は、RおよびRと同等であるか、またはRおよびRの前駆体である。
【化4】

【0014】
本発明の化合物は、当業者に周知の標準的なペプチドカップリング条件によって作製できる。適切に置換された式(a)のインダゾールアニリンは、ジクロロメタン(DCM)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはテトラヒドロフラン(THF)などの適切な溶媒中で、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)などのペプチドカップリング試薬、N−メチルモルホリン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、またはトリエチルアミン(TEA)などの適切な塩基の存在下で、式(b)の酸化合物と反応されて、本発明の所望のアミドを得る。R1’が、テトラヒドロピラン(THP)などの適切な窒素保護基である場合、またはR2’が、窒素保護基によって保護される官能基である場合、脱保護工程が、本発明の所望の化合物を得るために必要とされる。
【化5】

【0015】
式(a)の化合物はスキームIIに示すように調製でき、R1’、R2’、およびRは上記の定義の通りである。
【0016】
式(f)の化合物は、DMFなどの適切な溶媒中で、炭酸水素ナトリウムなどの適切な塩基の存在下で、高温にて適切に置換された式(g)の化合物と反応されて、式(e)の化合物を得ることができる。式(e)の化合物は、カリウムtert−ブトキシドなどの適切な塩基とともに、THFなどの適切な溶媒中で、ヨウ化メチルなどの適切なメチル化試薬でメチル化されて、R1’がメチルである式(d)の化合物を得ることができる。式(e)の化合物はまた、CHSOHなどの酸の存在下で、THFなどの適切な溶媒中で、2,3−ジヒドロピラン(DHP)などの適切な保護試薬を用いて保護されて、2−テトラヒドロピラニルなどのR1’が保護基である式(d)の化合物を得ることができる。[保護基を導入または除去するための方法は当該技術分野において周知である;例えば、Greene and Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,John Wiley and Sons,New York,(1999)を参照のこと。]
【0017】
式(d)の化合物は、種々の遷移金属により促進されるカップリング条件下で反応して、上記の定義のように適切に置換されたR2’を有する式(c)の所望の化合物を得ることができる。より具体的には、それが炭素−炭素カップリングである場合、式(c)の化合物は、高温にて、1,4−ジオキサンなどの適切な溶媒中で、適切なボロン酸、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド(PdCl(dppf))などの適切な触媒、およびCsFなどの適切な塩基を用いてSuzukiカップリングなどの条件下で作製されることができる。それが炭素−窒素カップリングである場合、式(c)の化合物は、高温にて、tert−ブタノールなどの適切な溶媒中で、モルホリンなどの適切な窒素含有反応物、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−メチルビフェニルなどの適切なリガンド、KOHなどの塩基、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)(Pd(dba))などの触媒を用いてBuchwald−Hartwigカップリングなどのカップリング条件下で作製されることができる。カップリング反応は、従来の加熱条件下または当業者に周知であるマイクロ波反応条件下で実施できる。
【0018】
式(c)の化合物は、当業者に周知である種々の還元条件下でアミノ化合物に還元できる。より具体的には、式(c)の化合物は、高温にて、酢酸エチル(EtOAc)/エタノール(EtOH)などの適切な溶媒中で塩化第一スズと反応して、所望の式(a)の化合物を得ることができる。R1’が、2−テトロヒドロピラニルなどの窒素保護基である場合、保護基は開裂される。R1’は還元後、プロトンになる。
【0019】
式(c)の化合物はまた、メタノール(MeOH)などの適切な溶媒中でN,N−ジメチルヒドラジンおよびFeCl、またはEtOHなどの適切な溶媒中でH/パラジウム炭素(Pd/C)と反応することによって還元できる。両方の還元条件は、ニトロ基をアミノ基に還元するだけであり、窒素保護基、R1’はそのままの状態である。
【0020】
インダゾール化合物などの一部の窒素含有複素環の窒素上の反応は、互変異性体を生成できることは当業者に周知である。互変異性体の割合は、反応を実施する様式および異なる条件に本質的に依存する。THPなどの窒素保護基とともに本発明に開示される中間体は、位置異性体として存在できる。本発明の化合物において、Rがプロトンである場合、それは、スキームIIIに示すように一対の迅速に変換する互変異性体として存在できる。
【化6】

【0021】
以下の調製物および実施例は、ChemDraw(登録商標)Ultraヴァージョン10.0を用いて命名される。
【0022】
調製物1
N−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)アセトアミド
4−メトキシ−2−メチルアニリン(120g,0.88mol)入りのDCM溶液(400mL)に、無水酢酸(120mL,1.2mol)を滴下する。反応混合物を室温(RT)にて3時間撹拌する。石油エーテル(PE)(1.6L)を加えた後、スラリーをさらに1時間撹拌する。沈殿物を濾過により回収し、PEで洗浄してピンク色の固体として生成物(130g,82%収率)を得る。MS(m/z):180.0(M+H)。
【0023】
調製物2
N−(5−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルフェニル)アセトアミド
N−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)アセトアミド(130g,0.73mol)入りの酢酸溶液(800mL)に、臭素(42mL,0.8mol)を0℃にて滴下する。添加後、得られた混合物を一晩、室温にて撹拌する。飽和NaHSO水溶液を、透明な溶液が得られるまで加え、次いで、多量の水(2.0L)を加えて沈殿物を形成させる。沈殿した固体を回収し、水で洗浄して、粗生成物(薄層クロマトグラフィー(TLC)溶媒:DCM:EtOAc=10:1)を得る。固体を最少量の還流しているDCMに溶解し、次いでPE(約10〜20%容量のDCMが使用される)を加える。得られた溶液を室温まで冷却する。2時間後、沈殿した固体を回収し、PEで洗浄して、白色の生成物(108g,57%収率)を得る。MS(m/z):260.0(M+H)。
【0024】
調製物3
5−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルアニリン
N−(5−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルフェニル)アセトアミド(108g,0.42mol)入りのMeOH溶液(400mL)に、濃HCl(160mL,2mol)を加える。一晩、還流にて加熱した後、混合物をNaHCO水溶液で中和し、EtOAc(1200mL)で抽出する。有機相を乾燥させ、濃縮して、生成物(76g,84%収率)を得る。MS(m/z):216.0(M+H)。
【0025】
調製物4
1−(5−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルフェニル)ジアゾニウムテトラフルオロボラート
5−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルアニリン(76g,0.35mol)入りのHBF(48%wt,140mL)およびHO(280mL)の溶液に、NaNO(27.6g,0.4mol)入りのHO溶液(60mL)を0℃にて加える。添加が完了した後、反応混合物を30分(min)間、0℃にて攪拌する。沈殿物を濾過し、少量の氷水で数回洗浄し、乾燥させて、生成物(110g,99%収率)を得る。MS(m/z):229.0(M+H)。
【0026】
調製物5
6−ブロモ−5−メトキシ−1H−インダゾール
1−(5−ブロモ−4−メトキシ−2−メチルフェニル)ジアゾニウムテトラフルオロボラート(110g,0.35mol)を、CHCl(800mL)中のKOAc(140.5g,1.43mol)および18−クラウン−6−エーテル(9.3g,0.035mol)の撹拌した混合物に1度に加え、室温にて一晩、撹拌する。混合物を濾過し、固体をDCMで洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1)により精製して、生成物(10g)を得る。ケーキをTHF(1600mL)に加え、混合物を室温にて1時間、撹拌する。混合物を濾過し、濾液を濃縮して、10gの粗生成物(全収率88%)を得る。MS(m/z):229.0(M+H)。
【0027】
調製物6
6−ブロモ−5−ヒドロキシ−1H−インダゾール
6−ブロモ−5−メトキシ−1H−インダゾール(60g,0.265mol)入りDCM溶液(1300mL)に、BBr(105g,0.42mol)入りDCM溶液(200mL)を0℃にて加える。反応混合物を室温まで温め、一晩攪拌する。次いで、反応溶液を0℃にてMeOHで急冷する。溶媒を真空下で除去し、残留物をNaHCO固体で中和する。混合物を、水(1500mL)およびEtOAc(1500mL)によって分離する。水層をEtOAc(1500mL)で2回抽出する。合わせた有機層を乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:THF=2:1)によって精製して、所望の生成物(42.5g,75%収率)を得る。MS(m/z):215.0(M+H)。
【0028】
調製物7
6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1H−インダゾール
DMF(100mL)中の6−ブロモ−5−ヒドロキシ−1H−インダゾール(7.0g,33.0mmol)、3,4−ジフルオロニトロベンゼン(4.98g,31.0mmol)、NaHCO(2.5g,31.0mmol)の混合物を、80℃にて4時間攪拌する。次いで、LiCl(10%水溶液)を加え、溶液をEtOAcで抽出する。有機相を無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮する。残留物をPE:DCM(1:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物(5.5g,46.6%収率)を得る。MS(m/z):354.0(M+H)。
【0029】
以下の化合物を、調製物7の方法によって実質的に調製する。
【0030】
【表1】

【0031】
調製物9
6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール
6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1H−インダゾール(5.0g,14.2mmol)入りのTHF溶液(50mL)に、DHP(2.4g,28.5mmol)およびCHSOH(1.0g,10.4mmol)を加える。得られた混合物を室温にて1時間攪拌する。次いで、EtOAcおよびNaHCO水溶液を加える。有機相を分離し、無水MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮する。残留物を、PE:EtOAc(5:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物(5.5g,89.0%収率)を得る。MS(m/z):436.0(M+H)。
【0032】
以下の化合物を、調製物9の方法によって実質的に調製する。
【0033】
【表2】

【0034】
調製物11
6−ブロモ−1−メチル−5−(4−ニトロフェノキシ)−1H−インダゾール
氷水浴で冷却したアセトン(100mL)中の6−ブロモ−5−(4−ニトロフェノキシ)−1H−インダゾール(2.68g,8.02mmol)およびKOH(600mg,10.69mmol)の混合物に、ヨウ化メチル(0.55mL,8.83mmol)を滴下する。反応混合物を0℃にて2時間攪拌した後、それを室温にて一晩攪拌する。溶媒を除去し、残留物を、PE:EtOAc(3:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物を得る(1.50g,53.7%収率)。MS(m/z):348.0(M+H)。
【0035】
以下の化合物を、調製物11の方法によって実質的に調製する。
【0036】
【表3】

【0037】
代替として、6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール(調製物12)をまた、以下の3段階プロセスにおいて調製してもよい。
【0038】
2,4−ジブロモ−5−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド(50g,178.6mmol)、1,2−ジフルオロ−4−ニトロベンゼン(28.4g,178.6mmol)および炭酸カリウム(49.0g,357.2mmol)を、60℃にて2時間、DMF(500mL)中で攪拌する。反応物を水(1000mL)で急冷し、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)(2×500mL)で抽出する。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、黄色の固体を得る。粗固体を、EtOAc/PE(1:5)中で再結晶させて、2,4−ジブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)ベンズアルデヒドを黄色の固体(52.8g,70.6%収率)として得る。
【0039】
2,4−ジブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)ベンズアルデヒド(13.0g,31.0mmol)を、2時間、THF(130mL)中のメチルヒドラジン(4.3g,93mmol)とともに還流する。反応物を水(150mL)で急冷し、MTBE(2×150mL)で抽出する。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(2×150mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、固体を得る。粗固体を、EtOAc/ヘキサン中で再結晶させて、1−(2,4−ジブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)ベンジリデン)−2−メチルヒドラジンを黄色の固体(10.6g,76.7%収率)として得る。MS(m/z):447.9(M+H)。
【0040】
1−(2,4−ジブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)ベンジリデン)−2−メチルヒドラジン(1.0g,2.2mmol)、塩化第一銅(22mg,0.2mmol)、炭酸カリウム(0.638g,7.2mmmol)、DMF(10mL)、および攪拌バーを、窒素下で圧力チューブ中で混合する。キャップで密閉し、チューブを攪拌しながら油浴中に置く。浴を30分にわたって100℃まで加熱し、6時間、100℃に維持し、次いで室温まで冷却する。反応混合物を、MTBE(10mL)および水(10mL)を含む分液漏斗に注ぐ。層を分離し、水層を、追加量のMTBE(10mL)で抽出する。有機層を合わせ、水、続いて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、0.70gの粗生成物を得る。粗固体をDCMおよびヘプタンに溶解し、次いで濃縮して、DCMを除去し、スラリーの形成を生じさせる。生成物を濾過により回収し、真空下で乾燥させて、6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾールを固体(0.65g,79%収率)として得る。MS(m/z):367.8(M+H)。
【0041】
調製物13
6−ブロモ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール−5−オール
6−ブロモ−5−ヒドロキシ−1H−インダゾール(725.0g,3.4mol)入りのTHF溶液(10.2L)に、DHP(336.5mL,3.57mol)およびCHSOH(65.4g,0.68mol)を室温にて加える。得られた混合物を室温にて22時間攪拌する。反応混合物を希釈水(6L)で急冷し、EtOAc(6L)で抽出する。飽和NaHCO水溶液(1100mL)を加えて、pHを8に調整する。相を分離した後、有機相を水(4L)、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液(3L)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、生成物を固体(1.64kg,99.3%収率)として得る。MS(m/z):299.0(M+H)。
【0042】
調製物14
6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール
6−ブロモ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール−5−オール(1.475kg,4.96mol)入りのDMF(5.3L)溶液に、3,4−ジフルオロニトロベンゼン(1.18kg,7.45mol)およびNaHCO(625.5g,7.45mol)を室温にて加える。反応混合物を70℃にて10時間加熱し、次いで20℃未満まで冷却する。脱イオン(DI)水(7.9L)を溶液にゆっくりと加え、得られたスラリーを15℃にて1時間攪拌する。固体を真空濾過により回収し、固体ケーキを水(8L)で洗浄する。次いで、それをフィルター上で真空下で空気乾燥させ、2時間、還流条件にてメチルMTBE(18.6L)で粉末にする。次いで、スラリーを室温まで冷却し、固体を真空濾過によって回収する。固体ケーキをMTBE(4L×2)で洗浄し、35℃にて真空オーブン中で乾燥させて、所望の生成物(1.405kg,64.9%収率)を得る。MS(m/z):436.0(M+H)。
【0043】
調製物15
5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−(ピリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール
1,4−ジオキサン(100mL)中の6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(5.0g,11.5mmol)、4−ピリジンボロン酸(3.0g,24.3mmol)、PdCl(dppf)(1.8g,2.25mmol)およびCsF(5.0g,33.0mmol)の混合物を、110℃にて一晩攪拌する。次いで、NHCl水溶液およびEtOAcを加える。有機相を分離し、無水MgSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:EtOAc(3:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物(2.8g,56%収率)を得る。MS(m/z):435.1(M+H)。
【0044】
以下の化合物を、調製物15の方法によって実質的に調製する。
【0045】
【表4−1】

【表4−2】

:反応を、95℃にて約90分間、マイクロ波条件下で実施する。
【0046】
調製物28
6−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロピラン−2−イル)−1H−インダゾール
6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロピラン−2−イル)−1H−インダゾール(1.31g,3.0mmol)入りの1,4−ジオキサン溶液(20mL)に、N下でビス(ピナコラト)ジボロン(0.91g,3.6mmol)、Pd(dba)(0.14g,0.2mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.1g,0.4mmol)、酢酸カリウム(KOAc)(0.59g,6.0mmol)を加える。反応混合物を、N下で3時間、還流まで加熱した後、室温まで冷却する。4−ブロモ−2,6−ジメチルピリジン臭化水素酸塩(0.8g,3.0mmol)、PdCl(dppf)(0.16g,0.2mmol)、CsF(1.38g,9.0mmol)を、N下で加える。得られた混合物をN下で一晩、還流にて加熱する。固体を濾過し、濾液を濃縮する。残留物を、PE:EtOAc(5:1〜1:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物(0.67g,48.3%収率)を得る。MS(m/z):463.1(M+H)。
【0047】
調製物29
4−(5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)モルホリン
tert−ブタノール(150mL)およびHO(3.2mL)中の6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−1−(テトラヒドロピラン−2−イル)−1H−インダゾール(8.0g,18mmol)の溶液に、N下で、Pd(dba)(320mg,0.35mmol)、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−メチルビフェニル(480mg,1.54mmol)、KOH(3.2g,57mmol)およびモルホリン(3.2g,36.7mmol)を加える。混合物を、N雰囲気下で70℃にて2時間攪拌した後、それを濾過し、濾液を濃縮する。残留物を、EtOAc(100mL)と飽和NHCl水溶液(30mL)との間に分離する。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:EtOAc(3:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物(4.5g,56.5%収率)を得る。MS(m/z):443.1(M+H)。
【0048】
以下の化合物を、調製物29の方法によって実質的に調製する。
【0049】
【表5】

【0050】
調製物32
4−(5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール−6−イル)−2−メチルモルホリン(ラセミ体)
25mLマイクロ波バイアルに、6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール(0.8g,1.8mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(98mg,165μmol)およびPd(dba)(50mg,55μmol)を加える。混合物をトルエン(12mL,113mmol)に懸濁し、次いで2−メチルモルホリン塩酸塩(278mg,2.02mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(454mg,4.58mmol)を加える。反応混合物を、マイクロ波反応器中で150℃にて25分間、加熱する。次いで、反応混合物を濃縮し、残留物を、ヘキサン(A)およびEtOAc(B)、60分以上、90%(A):10%(B)〜60%(A):40%(B)、次いで20分間、50%(A):50%(B)の勾配で溶出するシリカゲルカラムで精製して、橙色の固体を所望の生成物(410mg,39%収率)として得る。MS(m/z):457(M+H)。
【0051】
以下の化合物を、調製物32の方法によって実質的に調製する。
【0052】
【表6】

【0053】
調製物35
4−(5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール−6−イル)−2,2−ジメチルモルホリン
6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール(1.5g,3.4mmol)を、50mLのGenevac Carousel(登録商標)チューブに加え、アミレン水和物(10mL,91.4mmol)に懸濁し、Nを懸濁液中で泡立てる。混合物に、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−2’−メチルビフェニル(97.7mg,309μmol)、Pd(dba)(94.5mg,103μmol)およびDI水(0.3mL)を加え、Nによる泡立てを10分間、継続する。この混合物に、2,2−ジメチルモルホリン塩酸塩(1.04g,6.9mmol)および0.3mLの蒸留水に溶解したKOH溶液(617mg,11.0mmol)を加える。反応混合物を80℃にて2時間加熱し、次いで室温まで冷却する。次いで、混合物をEtOAc(300mL)に注ぎ、蒸留水(1×100mL)、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄する。合わせた水層をEtOAc(100mL)で抽出する。合わせた有機溶液をNaSOで乾燥させ、濾過し、乾燥するまで濃縮して、金色の固体を得る。固体を、ヘキサン(A)およびEtOAc(B)、70分以上、95%(A):5%(B)〜75%(A):25%(B)の勾配で溶出するシリカゲルカラムで精製して、淡黄色の固体を所望の生成物(410mg,25%収率)として得る。MS(m/z):470.8(M+H)。
【0054】
調製物36
5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−(ピリジン−4−イル)−1H−インダゾール
5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−(ピリジン−4−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(2.8g,6.45mmol)入りのEtOH溶液(30mL)に、HCl(濃い、5.0mL)を加える。混合物を80℃にて2時間攪拌する。次いで、NaHCO水溶液およびEtOAcを加える。有機相を無水MgSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:EtOAc(3:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.95g,86.0%収率)を得る。MS(m/z):351.0(M+H)。
【0055】
調製物37
3−フルオロ−4−(6−(ピリジン−4−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)アニリン
EtOAc/EtOH(200mL/10mL)中の5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−(ピリジン−4−イル)−1H−インダゾール(1.95g,4.5mmol)およびSnCl・2HO(10.2g,45.3mmol)の混合物を、80℃にて2時間攪拌する。次いで、NaHCO水溶液およびEtOAcを加える。有機相を無水MgSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:EtOAc(2:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.10g,61.0%収率)を得る。MS(m/z):321.0(M+H)。
【0056】
調製物38
3−フルオロ−4−(6−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)アニリン
5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(320mg,0.63mmol)入りのEtOAc溶液(50mL)に、Pd/C(10%,100mg)を加える。得られた混合物を、排気することにより脱気し、Hで3回埋め戻す。それを、室温にて一晩、Hの雰囲気下で攪拌する。固体を濾過によって除去し、濾液を濃縮する。残留物を、DCM:MeOH(20:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物(250mg,83%収率)を得る。MS(m/z):482.1(M+H)。
【0057】
以下の化合物を、調製物38の方法によって実質的に調製する。
【0058】
【表7】

【0059】
調製物41
4−(6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)−3−フルオロアニリン
5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1−(テトラヒドロピラン−2−イル)−1H−インダゾール(900mg,2.13mmol)および4−[5−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−1−(テトラヒドロピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル]−ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(3.1g,5.92mmol)入りのEtOAc/EtOH(75mL/75mL)の溶液に、塩化第一スズ二水和物(10g,52.74mmol)を加える。反応混合物を還流にて一晩、攪拌する。それを冷却し、飽和NaHCO水溶液でpH8〜9に塩基性にした後、混合物をEtOAc(100mL)で抽出する。有機相を分離し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、最初にPE:EtOAc(1:1)、次にEtOAcで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(1.75g,71.0%収率)を得る。MS(m/z):310.0(M+H)。
【0060】
以下の化合物を、調製物41の方法によって実質的に調製する。
【0061】
【表8】

【0062】
調製物53
4−(6−シクロプロピル−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イルオキシ)−3−フルオロアニリン
25mLのガラスバイアルに、6−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール(395mg,994μmol)およびMeOH(20mL,494mmol)を加える。懸濁液に、N,N−ジメチルヒドラジン(756μL,9.94mmol)およびFeCl(163mg,994μmol)を加える。バイアルにキャップをし、60℃まで加熱し、2時間攪拌し、次いで50℃にて一晩攪拌する。混合物をブフナー漏斗上で濾過し、固体をMeOH(100mL)で洗浄する。濾液を回収し、濃縮して、茶色/橙色の固体を得る。残留物を、DCM(A)およびDCM溶液中の10%MeOH(B)、50分にわたって100%(A)〜85%(A):15%(B)の勾配で溶出するシリカゲルカラムで精製して、黄色の固体を標題化合物(358mg,98%収率)として得る。MS(m/z):368(M+H)。
【0063】
以下の化合物を、調製物53の方法によって実質的に調製する。
【0064】
【表9】

【0065】
調製物59
N−(ジフェニルメチレン)−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1−メチル−1H−インダゾール−6−アミン
10mLのマイクロ波バイアルに、6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール(500mg,1.37mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(73mg,123μmol)およびPd(dba)(38mg,41μmol)を加える。混合物を、トルエン(5mL,47mmol)に懸濁し、ベンゾフェノンイミン(272mg,1.5mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(203mg,2.05mmol)を加える。混合物を、マイクロ波反応器において150℃にて20分間、加熱する。冷却後、反応溶液を濃縮して、茶色のオイルを得、それをDCM(150mL)に溶解し、飽和塩化ナトリウム水溶液(2×50mL)で洗浄する。水層を合わせ、DCM(1×50mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、茶色の残留物を得る。残留物を、ヘキサン(A)およびEtOAc(B)、50分にわたって85%(A):15%(B)〜50%(A):50%(B)の勾配で溶出するシリカゲルカラムで精製して、黄色の固体の物質を標題化合物(574mg,90.1%収率)として得る。MS(m/z):467.2(M+H)。
【0066】
調製物60
5−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−N−ベンズヒドリル−1−メチル−1H−インダゾール−6−アミン
100mLの丸底フラスコに、N−(ジフェニルメチレン)−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−アミン(424mg,909μmol)およびEtOH(35mL,601mmol)を加える。混合物にギ酸アンモニウム(1000mg,15.9mmol)を加え、続いて10%Pd/C(300mg,141μmol)を加え、反応混合物を室温にて1時間攪拌し、45℃にて15分間加熱する。溶媒を除去し、残留物をDCM(150mL)および蒸留水(100mL)に溶解する。有機層を蒸留水(1×100mL)で洗浄し、合わせた水層をDCM(1×50mL)で抽出する。合わせた有機溶液をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗物質を、ヘキサン(A)およびEtOAc(B)、90分以上、90%(A)10%(B)〜40%(A):60%(B)の勾配で溶出するシリカゲルカラムで精製して、オフホワイトの固体物質を標題化合物(204mg,51%収率)として得る。MS(m/z):438.8(M+H)。
【0067】
調製物61
1−アセチル−6−ブロモ−1H−インダゾール−5−イルアセテート
無水酢酸(75mL)中の6−ブロモ−5−ヒドロキシ−1H−インダゾール(25g,117mmol)の混合物を、2時間攪拌しながら110℃にて加熱する。それを冷却後、ジエチルエーテル(100mL)を加える。沈殿物を濾過により回収し、ジエチルエーテル(30mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、生成物(34g,98%収率)を得る。MS(m/z):297.0(M+H)。
【0068】
調製物62
エチル5−ヒドロキシ−1H−インダゾール−6−カルボキシレート
オートクレーブに、1−アセチル−6−ブロモ−1H−インダゾール−5−イルアセテート(25g,84mmol)、TEA(25g,252mmol)、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(Pd(PhCN)Cl)(1.6g,4.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)(4.7g,8.4mmol)およびEtOH(500mL)を入れ、8時間、COの雰囲気下で130℃にて攪拌する。反応混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(15.5g,90%収率)を得る。MS(m/z):207.0(M+H)。
【0069】
調製物63
エチル5−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキシレート
メタンスルホン酸(721mg,7.5mmol)を含むDCM(100mL)およびTHF(100mL)中のエチル5−ヒドロキシ−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(15.5g,75mmol)の溶液に、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(6.6g,79mmol)入りのDCM溶液(20mL)を室温にて滴下する。得られた溶液を室温にて一晩攪拌する。溶媒を除去した後、EtOAc(500mL)、飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)およびNaHCO(5g)を加える。有機層を分離し、乾燥させ、濃縮する。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物(16.8g,77%収率)を得る。MS(m/z):291.1(M+H)。
【0070】
調製物64
エチル−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキシレート
エチル5−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(10.8g,37mmol)、1,2−ジフルオロ−4−ニトロベンゼン(7.1g,44mmol)、NaHCO(7.4g,88mmol)およびDMF(100mL)の混合物を、80℃にて2時間攪拌する。それを室温まで冷却した後、水(400mL)およびPE(50mL)を加え、混合物を20分間攪拌する。沈殿物を回収し、真空下で50℃にて乾燥させて、生成物(15g,95%収率)を得る。MS(m/z):430.1(M+H)。
【0071】
調製物65
5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸
THF(60mL)およびMeOH(60mL)およびHO(10mL)中のエチル−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(22g,51.2mmol)の溶液に、LiOH(3g,125mmol)を加える。得られた溶液を室温にて1.5時間攪拌し、有機溶媒を除去する。水性残留物を冷えた6N HClでpH2まで酸性化して、EtOAc(150mL)で抽出する。有機相を分離し、乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:EtOAc:酢酸(100:100:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物(19.5g,95%収率)を得る。MS(m/z):402.1(M+H)。
【0072】
調製物66
tert−ブチル5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イルカルバメート
tert−ブタノール(40mL)中の5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸(590mg,1.47mmol)、ジフェニルホスホリルアジド(485mg,1.76mmol)、TEA(179mg,1.76mmol)、4Å分子篩(3g)の混合物を、80℃にて一晩攪拌する。混合物を濾過し、濾液を濃縮する。残留物を、PE/EtOAc(10:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(400mg,65%収率)を得る。MS(m/z):473.1(M+H)。
【0073】
調製物67
tert−ブチル5−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イルカルバメート
tert−ブチル5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イルカルバメート(400mg,0.85mmol)入りのEtOAc溶液(50mL)に、Pd/C(10%,50mg)を加える。得られた混合物を排気することにより脱気し、Hで3回埋め合わせる。混合物を、Hの雰囲気下で室温にて一晩攪拌する。固体を濾過により除去し、濾液を濃縮する。残留物を、DCM:MeOH(10:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(300mg,80%収率)を得る。MS(m/z):443.2(M+H)。
【0074】
調製物68
5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキシアミド
5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−カルボン酸(0.5g,1.25mmol)、テトラヒドロピラン−4−イルアミン(0.13g,1.25mmol)、EDCI(0.24g,1.25mmol)、HOBT(0.17g,1.25mmol)、N−メチルモルホリン(0.5mL)入りのDMF溶液(5mL)を、室温にて一晩攪拌する。次いで反応混合物を飽和NHCl水溶液(20mL)とEtOAc(50mL)との間に分離する。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:EtOAc(1:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(0.49g,81.2%収率)を得る。MS(m/z):485.1(M+H)。
【0075】
調製物69
5−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキシアミド
5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキシアミド(0.49g,1.0mmol)入りのMeOH溶液(50mL)に、N下でPd/C(100mg,10%wt)を加える。得られた混合物を排気により脱気し、窒素で埋め合わせる。次いで反応混合物をH雰囲気下で室温にて一晩攪拌する。固体を濾過により除去し、濾液を濃縮して、粗生成物(0.42g,91.4%収率)を得る。MS(m/z):455.1(M+H)。
【0076】
調製物70
5−(ベンジルオキシ)−6−ブロモ−1H−インダゾール
6−ブロモ−5−ヒドロキシ−1H−インダゾール(5g,23.5mmol)入りのTHF溶液(50mL)に、ベンジルアルコール(3.05g,28.2mmol)、PPh(7.39g,28.2mmol)およびジエチルアゾジカルボキシレート(4.46mL,28.2mmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩攪拌した後、EtOAc(50mL)および飽和NHCl水溶液(30mL)を加える。有機相を分離し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:EtOAc(4:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(5.0g,70.2%収率)を得る。MS(m/z):303.0(M+H)。
【0077】
調製物71
5−(ベンジルオキシ)−6−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール
THF(30mL)およびDCM(30mL)中の5−(ベンジルオキシ)−6−ブロモ−1H−インダゾール(5g,16.5mmol)の溶液に、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(3mL,32.8mmol)およびメタンスルホン酸(1mL,15.3mmol)を加える。反応混合物を室温にて2時間攪拌した後、EtOAc(50mL)および飽和NaHCO水溶液を加える。有機相を分離し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:EtOAc(4:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(2.7g,42.2%収率)を得る。MS(m/z):387.0(M+H)。
【0078】
調製物72
5−(ベンジルオキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−インダゾール−6−アミン
5−(ベンジルオキシ)−6−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(2g,5.16mmol)入りのトルエン溶液(30mL)に、テトラヒドロピラン−4−イルアミン(800mg,7.91mmol)、酢酸パラジウム(60mg,267μmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(200mg,508μmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(700mg,7.28mmol)をN下で加える。反応物を、N下で100℃にて1時間攪拌した後、EtOAc(30mL)を加え、反応混合物を濾過する。濾液を濃縮し、残留物を、最初にEtOAc:PE(1/1)、次いでEtOAcで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物(1.87g,88.8%収率)を得る。MS(m/z):408.2(M+H)。
【0079】
調製物73
N−(5−(ベンジルオキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセトアミド
5−(ベンジルオキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−インダゾール−6−アミン(1.87g,4.59mmol)入りのTHF溶液(30mL)に、塩化アセチル(0.39mL,5.48mmol)およびKCO(760mg,5.50mmol)を加える。反応混合物を30分間、還流まで加熱した後、HO(20mL)およびEtOAc(30mL)を加える。有機相を分離し、飽和NHCl水溶液で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、生成物(1.7g,82.4%収率)を得る。MS(m/z):450.2(M+H)。
【0080】
調製物74
N−(5−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセトアミド
EtOH(100mL)およびEtOAc(100mL)中のN−(5−(ベンジルオキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセトアミド(1.7g,3.78mmol)の溶液に、Pd/C(1g,10%wt)を加える。反応混合物を、H下で室温にて一晩攪拌した後、それを濾過し、濾液を濃縮する。残留物を、最初にPE:EtOAc(1:1)、次いでEtOAcで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(1.2g,88.2%収率)を得る。MS(m/z):360.2(M+H)。
【0081】
調製物75
N−(5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセトアミド
N−(5−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセトアミド(1.2g,3.34mmol)入りのDMF溶液(30mL)に、1,2−ジフルオロ−4−ニトロベンゼン(0.64g,4.02mmol)およびCsCO(1.63g,5.00mmol)を加える。反応混合物を100℃にて2時間攪拌した後、EtOAc(60mL)および飽和NHCl水溶液を加える。有機相を分離し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、最初にPE:EtOAc(1:1)、次いでEtOAcで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(1.44g,86.5%収率)を得る。MS(m/z):499.2(M+H)。
【0082】
調製物76
5−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−1H−インダゾール−6−アミン
標題化合物を、調製物41の方法によって実質的に調製する。MS(m/z):343.1(M+H)。
【0083】
調製物77
5−(ベンジルオキシ)−6−(6−メチルピリジン−3−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール
5−(ベンジルオキシ)−6−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(4g,10.3mmol)入りの1,4−ジオキサン溶液(25mL)に、ビス(ピナコラト)ジボロン(3g,11.8mmol)、dppf(0.3g,541μmol)、PdCl(dppf)(0.42g,514μmol)およびKOAc(2g,20.4mmol)をN下で加える。反応混合物を還流にて5時間攪拌した後、5−ブロモ−2−メチルピリジン(2.1g,12.2mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh)(0.6g,519μmol)およびCsCO(4g,12.3mmol)を加え、混合物を還流にて一晩攪拌する。反応混合物を冷却し、濾過し、濾液を濃縮する。残留物を、PE:EtOAc(2:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(1.9g,46.0%収率)を得る。MS(m/z):400.1(M+H)。
【0084】
調製物78
6−(6−メチルピリジン−3−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−オール
EtOH(50mL)およびEtOAc(50mL)中の5−(ベンジルオキシ)−6−(6−メチルピリジン−3−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(1.44g,3.60mmol)の溶液に、Pd/C(500mg,10%wt)をN下で加える。得られた混合物を排気により脱気し、窒素で埋め合わせる。次いで反応混合物を、H雰囲気下で室温にて一晩攪拌する。反応混合物を濾過する。濾液を濃縮して、生成物(982mg,88.0%収率)を得る。MS(m/z):310.1(M+H)。
【0085】
調製物79
5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−6−(6−メチルピリジン−3−イル)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール
標題化合物を、調製物75の同様の方法により実質的に作製する。MS(m/z):449.2(M+H)。
【0086】
調製物80
3−フルオロ−4−(6−(6−メチルピリジン−3−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)アニリン
標題化合物を、調製物41の方法により実質的に調製する。MS(m/z):335.1(M+H)。
【0087】
調製物81
1−(4−ブロモ−2−フルオロフェノキシ)−2−フルオロ−5−メチル−4−ニトロベンゼン
標題化合物を、調製物75の同様の方法により実質的に調製する。H NMR(d−ジメチルスルホキシド(DMSO))δ8.20(d,1H),7.80(d,1H),7.42(d,1H),7.30(d,1H),7.10(d,1H)。
【0088】
調製物82
4−(4−ブロモ−2−フルオロフェノキシ)−5−フルオロ−2−メチルアニリン
標題化合物を、調製物53の方法によって実質的に調製する。MS(m/z):315.8(M+H)。
【0089】
調製物83
5−(4−ブロモ−2−フルオロフェノキシ)−6−フルオロ−1H−インダゾール
水(100mL)中の4−(4−ブロモ−2−フルオロフェノキシ)−5−フルオロ−2−メチルアニリン(5.2g,16.6mmol)の懸濁液に、ホウフッ化水素酸(6.06g,33.1mmol)を室温にて加える。溶液を0℃まで冷却し、NaNO(1.71g,24.8mmol)入りの水(2mL)を加える。反応物を0℃にて40分間攪拌する。CHCl(200mL)を加える。有機相を分離し、NaSOで乾燥させ、濾過する。濾液にKOAc(7.31g,74.5mmol)および18−クラウン−6−エーテル(0.218g,0.82mmol)を加える。反応物を室温にて1時間攪拌する。反応混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物をDCMで洗浄し、濾過して、所望の生成物を淡黄色の固体として得る。濾液を、DCM、次いでEtOAc:ヘキサン(1:1)で溶出するクロマトグラフィーにより精製して、さらなる所望の生成物を得る。両方の固体の部分を合わせて、所望の生成物(3.2g,59%収率)を得る。MS(m/z):324.8(M+H)。
【0090】
調製物84
5−(4−ブロモ−2−フルオロフェノキシ)−6−フルオロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール
標題化合物を、調製物9の方法によって実質的に調製する。MS(m/z):410.8(M+H)。
【0091】
調製物85
N−(ジフェニルメチレン)−3−フルオロ−4−(6−フルオロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)アニリン
1,4−ジオキサン(20mL)中の5−(4−ブロモ−2−フルオロフェノキシ)−6−フルオロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(0.97g,2.37mmol)、ベンゾフェノンイミン(0.64g,3.56mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.10g,0.075mol)、CsCO(1.16g,3.56mmol)、Pd(dba)(0.11g,0.12mmol)の混合物を、窒素でパージし、100℃まで加熱し、一晩攪拌する。反応混合物を室温まで冷却し、EtOAcで抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮(1.45g)する。MS(m/z):510(M+H)。
【0092】
調製物86
3−フルオロ−4−(6−フルオロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)アニリン
THF(30mL)および水(5mL)中のN−(ジフェニルメチレン)−3−フルオロ−4−(6−フルオロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)アニリン(1.45g,2.85mmol)の溶液に、1NのHCl水溶液(5.69mL,5.69mmol)を加える。反応物を室温にて2時間攪拌する。EtOAcを加え、混合物を、飽和NaHCO水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物を、DCM、次いでEtOAc:ヘキサン(1:1)で溶出するクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物を淡いゲル(0.53g,54%収率)として得る。MS(m/z):346(M+H)。
【0093】
調製物87
エチル5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキシレート
標題化合物を、調製物75の同様の方法によって本質的に作製する。MS(m/z):430.1(M+H)。
【0094】
調製物88
エチル5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1H−インダゾール−6−カルボキシレート
エチル5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(15g,35mmol)入りのDCM(300mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(TFA)(30mL)を加え、室温にて一晩攪拌する。DCMを蒸発させる。残留物を、EtOAc(800mL)と5%NaHCO水溶液(400mL)との間に分離する。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:アセトン(5:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(10.4g,86%収率)を得る。MS(m/z):346.1(M+H)。
【0095】
調製物89
エチル5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−カルボキシレート
標題化合物を、調製物11の方法によって実質的に調製する。MS(m/z):360.1(M+H)。
【0096】
調製物90
5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−カルボン酸
エチル5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−カルボキシレート(1.19g,3.5mmol)入りのTHF/HO溶液(15mL/5mL)に、LiOH(0.2g,8.3mmol)を加える。反応物を室温にて2時間撹拌した後、溶媒を除去する。残留物を2NのHClでpH5に酸性化し、EtOAc(50mL)で抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、生成物(1.1g,100%収率)を得る。MS(m/z):332.0(M+H)。
【0097】
調製物91
tert−ブチル5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−イルカルバメート
tert−ブタノール(50mL)中の5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−カルボン酸(1.1g,3.3mmol)、ジフェニルホスホリルアジド(0.91g,3.3mmol)、TEA(0.33g,3.3mmol)、および4Å分子篩(2.5g)の懸濁液を、還流にて一晩加熱する。次いで固体を濾過し、濾液を濃縮する。残留物を、飽和塩化ナトリウム水溶液(40mL)とEtOAc(100mL)との間に分離する。有機相を分離し、乾燥させ、濃縮し、残留物を、PE:アセトン(4:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物(0.64g,47.9%収率)を得る。MS(m/z):403.1(M+H)。
【0098】
調製物92
tert−ブチル5−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−イルカルバメート
標題化合物を、調製物38の方法によって実質的に調製する。MS(m/z):373.1(M+H)。
【0099】
調製物93
5−(5−(ベンジルオキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)ピリジン−2−アミン
5−(ベンジルオキシ)−6−ブロモ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(1.5g,3.87mmol)入りの1,4−ジオキサン溶液(50mL)に、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミン(1g,4.54mmol)、Pd(PPh(200mg,173μmol)およびCsCO(5g,10.6mmol)を加える。反応混合物を還流にて一晩撹拌した後、それを、EtOAc(100mL)と飽和NHCl水溶液(50mL)との間に分離する。有機相を分離し、乾燥させ、濃縮する。残留物を、DCM:MeOH(15:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(0.80g,51.5%収率)を得る。MS(m/z):401.1(M+H)。
【0100】
調製物94
tert−ブチル5−(5−(ベンジルオキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)ピリジン−2−イルカルバメート
5−(5−(ベンジルオキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)ピリジン−2−アミン(310mg,774μmol)入りのTHF溶液(20mL)に、二炭酸ジ−tert−ブチル(250mg,1.13mmol)およびTEA(1mL,7.17mmol)を加える。反応混合物を室温にて3時間撹拌した後、それを、EtOAc(50mL)と飽和NHCl水溶液(20mL)との間に分離する。有機相を分離し、乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:EtOAc(3:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(260mg,67.1%収率)を得る。MS(m/z):501.2(M+H)。
【0101】
調製物95
tert−ブチル5−(5−ヒドロキシ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)ピリジン−2−イルカルバメート
EtOH(25mL)およびEtOAc(25mL)中のtert−ブチル5−(5−(ベンジルオキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)ピリジン−2−イルカルバメート(260mg,519μmol)の溶液に、N下でPd/C(100mg,10%wt)を加える。得られた混合物を排気により脱気し、窒素で埋め合わせる。次いで、反応混合物をH雰囲気下で室温にて6時間撹拌する。反応混合物を濾過する。濾液を濃縮して、生成物(200mg,93.8%収率)を得る。MS(m/z):411.1(M+H)。
【0102】
調製物96
tert−ブチル5−(5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)ピリジン−2−イルカルバメート
標題化合物を、調製物75の同様の方法によって実質的に作製する。MS(m/z):550.2(M+H)。
【0103】
調製物97
tert−ブチル5−(5−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−6−イル)ピリジン−2−イルカルバメート
標題化合物を、調製物38の方法によって実質的に調製する。MS(m/z):520.2(M+H)。
【0104】
調製物98
tert−ブチル4−(5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート
DCM(15.6mL)中の5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール(1.56g,4.42mmol)に、二炭酸ジ−tert−ブチル(1.09mL,4.83mmol)を加える。混合物を30分間撹拌する。HPLCにより、反応が完了することが示される。溶媒を減圧下で除去する。次いでMTBE(5mL)を加える。溶液を氷水浴で冷却し、15分間撹拌し、次いで濾過して、標題化合物を固体(0.764g,48.9%)として得る。
【0105】
調製物99
6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1H−インダゾール
3000mLのフラスコに、6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロノフェキシ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール(250g,573.1mmol)、続いてMeOH(1000mL)およびMeSOH(112.71mL,1.72mol)を加え、50℃まで14時間加熱する。固体を溶液から結晶化させる。次いで混合物を室温まで冷却する。反応混合物を乾燥するまで45℃にて真空下で濃縮して、固体を得る。固体をDCM(2000mL)で希釈し、pHが8〜9になるまで水(1000mL)および5NのNaOH(約350mL)で処理する。有機層を分離し、溶媒を除去して、続いてトルエンと共沸して、195.6gの黄色の固体物質を得る。MS(m/z):354.0(M+H)。
【0106】
調製物100
6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロノフェキシ)−1−メチル−1H−インダゾール
4000mLのフラスコに、6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1H−インダゾール(230g,653.2mmol)、DMF(3000mL)、およびKCO(135.41g,979.78mmol)を加える。反応混合物を、氷浴で4.5℃に冷却する。混合物に、ヨウ化メチル(92.71g,653.19mmol)を加え、反応物を同じ温度にて20分間撹拌する。反応物を室温まで温め、13時間撹拌する。反応混合物を、液体クロマトグラフィー質量分析によりモニターする。さらなるヨウ化メチル(50g)およびNaHCO(33g)を加え、反応が完了するまで、反応混合物を室温にて撹拌する。反応混合物を、2部の標識した(A)および(B)に分け、各々の1部を水(1L)で急冷し、続いてEtOAc(1L)で抽出して、いくらかの固体を形成させる。(A)および(B)からの混合した固体を真空濾過によって収集し、約90%の6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール(これは所望の異性体である)および8%の6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−メチル−2H−インダゾール異性体を有する70gの粗物質の重量を得る。次いで固体を、1000mLのDCMおよび750mLのMeOHで一晩(約14時間)粉砕する。固体を濾過により収集し、新しいDCM(100mL)でリンスして、55.5gの標識した所望の物質(C)を得る。母液を濃縮し、標識(D)する。(A)および(B)からの有機層を分離し、濃縮する。(A)および(B)からの残留物を合わせて、185gの粗物質を標識した橙色の固体(E)として得る。粗化合物(E)をMeOHおよびDCMに溶解し、次いで溶液を3部に分ける。600gのシリカゲルを溶液の各部とともに混合し、次いでシリカゲル混合物を7つの270gサイズの空のカートリッジに入れる。7つの1.5kgのISCO(登録商標)カラムを、ヘキサン中の25%EtOAcで開始する溶媒系とともに使用し、次いでそれをヘキサン中の50%EtOAcに切り替えて、62gの所望の化合物を標識した黄色の粉末(F)として得る。7回の操作後、6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾールおよび6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−2−メチル−2H−インダゾール異性体のいくらかの混合した画分が存在する。画分を合わせ、上記の手順からの母液(D)と合わせて、17gの混合物を得る。混合物を、MeOHおよびDCMに溶解し、溶液中の170gのシリカと混合し、1.5kgのカラムにかけて、10gの黄色の粉末を標識した所望の生成物(G)として得る。全収量(55.5g(C)、62g(F)、および10g(G))は127.5gである。
【0107】
調製物101
tert−ブチル4−(5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート
オーバーヘッド撹拌器、サーモカップル、加熱マントル、凝縮器、および表面下窒素スパージを備えた12Lの丸底フラスコに、1,4−ジオキサン(7.44L)および水(1.67L)を加える。溶液をN(注入管)でパージする。次に6−ブロモ−5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール(595g,1.63mol)を加え、溶液を再びNでパージする。tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート(717.02g,2.44mol)、三塩基性リン酸カリウムN−水和物(689.8g,3.25mol)、および1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン(7.71g,16.25mmol)を加える。最後に、Pd(dba)(7.44g,8.13mmol)を加える。溶液を15分間パージし、次いで60℃にて12時間加熱する。反応は完了せず、さらにPd(dba)(7.44g,8.13mmol)を加える。溶液を、さらに3時間60℃にて再び加熱し、反応を完了する。次いで1,4−ジオキサンを除去(Buchi(登録商標)浴温度60℃)し、残留物を10容量(6L)のDCMに再溶解する。水(3L)を加え、次いで層を分離する。有機溶液をNaSOで乾燥させ、濾過し、暗色のオイル(835g)まで濃縮する。その物質を精製せずに、次の工程に進める。その物質は約60%の所望の生成物、および約40%の5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾールである。得た粗物質を次の工程において再保護する。50%の粗生成物は5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾールであると推定される。
【0108】
オーバーヘッド撹拌器、サーモカップル、1Lの添加漏斗、Nパージ、および冷却浴を備えた22Lの丸底フラスコに、粗5−(2−フルオロ−4−ニトロ−フェノキシ)−1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール(835g,1.18mol)入りのDCM溶液(6L)を加え、DCM(350mL)に溶解した二炭酸ジ−tert−ブチル(283.69g,1.30mol)を添加漏斗に加える。溶液を48分にわたって滴下する。反応が完了した後、DCMをロータリーエバポレーションにより除去して、暗色のオイルを得る。暗色のオイルにMTBE(2.5L)を加え、オイル状の溶液を約0〜5℃まで冷却する。溶液を調製物98で得た物質で種晶する。種晶後、結晶化を観測し、得られたスラリーを30〜40分間撹拌する。淡黄色のスラリーをポリプロピレンパッド上で濾過し、ケーキを冷(0〜5℃)MTBE(1.5L)で洗浄する。固体を40℃の真空オーブン中で一晩乾燥させて、所望の生成物(443g,60%の粗物質の収率)を得る。MS(m/z):354.0(M+H)。その物質は、HPLCにより約93〜95%純粋であることが示されたので、次に進める。
【0109】
調製物102
tert−ブチル4−(5−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート
3つのガロンタンクに、tert−ブチル4−(5−(2−フルオロ−4−ニトロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート(433.0g,952.8mmol)、続いてTHF(6.5L)およびPd/C(21.65g,10%Pd/Cおよび21.65g,5%Pd/C)を加える。混合物を2時間、水素ガス下で35℃まで加熱する。次いで反応物を室温まで冷却し、水素ガス下で一晩撹拌し、次いで7時間、水素ガス下で40℃まで加熱する。さらに2gのPd/C(1g,10%Pd/Cおよび1g,5%Pd/C)を加え、さらに1時間、水素ガス下で撹拌し、室温まで冷却する。混合物を水素ガス下で一晩再び撹拌し、反応を完了する。混合物を、GFF(登録商標)およびWatman(登録商標)紙の組み合わせで濾過する。濾液を、わずかに黄色の固体まで濃縮する(446g,110%回収)。
【0110】
調製物103
メチル2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート
フラスコに、2−ヒドロキシニコチン酸(10g,72mmol)、濃HSO(2mL)およびMeOH(400mL)、続いてトルエン(80mL)を加える。反応混合物を、ディーンスタークトラップ(Dean−Stark trap)を用いて一晩還流まで加熱する。室温まで冷却後、混合物を濾過し、濾液を濃縮する。残留物をDCM(200mL)に溶解し、飽和NaHCO水溶液でpH7に中性にし、DCM(200mL)で3回抽出する。合わせた有機相を乾燥させ、濃縮して、所望の生成物(8.2g,74%収率)を得る。MS(m/z):153.9(M+H)。
【0111】
調製物104
メチル1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート
DCM(300mL)中のメチル2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート(6.0g,39mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(16.3g,116mmol)、酢酸銅(14g,78mmol)およびピリジン(12g,0.156mol)の混合物に、4Å分子篩(5g)を加える。反応混合物を、空気に解放して室温にて一晩攪拌する。固体を濾過した後、水で洗浄し、濾液をDCM(100mL)で抽出する。有機層をMgSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:DCM(2:1〜0:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(9.6g,100%収率)を得る。MS(m/z):248.0(M+H)。
【0112】
調製物105
エチル2−(4−フルオロフェニル)ヒドラジンカルボキシレート
4−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩(2g,12.05mmol)入りのTHF溶液(60mL)に、DIPEA(6mL,34.40mmol)、クロロギ酸エチル(1.2mL,12.55mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(0.16g,1.31mmol)を加える。混合物を室温にて4時間攪拌する。反応物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、DCM、次いでDCM:MeOH(80:1)で溶出する、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(1.92g,80.5%収率)を得る。MS(m/z):199(M+H)。
【0113】
調製物106
1−(4−フルオロフェニル)−2−メチルヒドラジン
THF(15mL)中のLiAlH(1.1g)の混合物に、エチル2−(4−フルオロフェニル)ヒドラジンカルボキシレート(1.9g,9.59mmol)入りのTHF溶液(10mL)を、氷塩浴中で窒素下で滴下する。添加後、氷浴を除去し、混合物を60℃まで一晩加熱する。反応物を冷却し、水で急冷する。沈殿物を濾過し、EtOAcで洗浄する。有機相を分離し、NaSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:EtOAc(80:1〜60:1)で溶出する、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(1g,74%収率)を得る。MS(m/z):141(M+H)。
【0114】
調製物107
エチル2−(4−フルオロフェニル)−1,5−ジメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
水(15mL)中の1−(4−フルオロフェニル)−2−メチルヒドラジン(0.6g,4.28mmol)、ジエチル2−アセチルマロネート(0.96g,4.75mmol)、および酢酸(0.51g,8.49mmol)の混合物を、115℃にて3時間加熱する。反応物を冷却し、EtOAcで2回抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、DCM:MeOH(150:1〜60:1)で溶出する、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物(0.59g,49.5%収率)を得る。MS(m/z):279(M+H)。
【0115】
調製物108
(E)−2−(2−(4−フルオロフェニル)ヒドラゾノ)アセトアルデヒド
4−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩(1g,6mmol)入りのTHF溶液(20mL)を、DIPEA(3mL,18mmol)で処理する。次いで、THF(10mL)中のオキサルアルデヒド(水中に40%,0.89g,6.0mmol)を、氷浴中に滴下する。添加後、混合物を室温にて30分間攪拌し、水で急冷し、EtOAcで抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、標題の粗化合物(0.97g,97%収率)を得る。MS(m/z):167(M+H)。
【0116】
調製物109
エチル2−(4−フルオロフェニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロピリダジン−4−カルボキシレート
粗(E)−2−(2−(4−フルオロフェニル)ヒドラゾノ)アセトアルデヒド(0.97g,5.8mmol)をEtOH(50mL)に溶解し、マロン酸ジエチル(0.93g,5.8mmol)およびピペリジン(0.2mL,2.0mmol)を加える。混合物を還流にて一晩加熱する。次いで反応混合物を冷却し、濃縮する。残留物を水で希釈し、EtOAcで2回抽出する。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:EtOAc(3:1〜1:1)で溶出する、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物(0.26g,2工程の17%の収率)を得る。MS(m/z):263(M+H)。
【0117】
調製物110
メチル3−(4−フルオロフェニルアミノ)−3−オキソプロパノエート
4−フルオロアニリン(4.4mL,45mmol)入りのアセトン溶液に、TEA(8.5mL,67mmol)およびメチルマロニルクロリド(7.2mL,67mmol)を加える。混合物を室温にて5時間攪拌し、次いで濃縮する。水(20mL)を加えた後、残留物を濃HClでpH3に酸性化する。沈殿物を濾過により収集し、PEで洗浄して、生成物(14.1g,100%収率)を得る。MS(m/z):212.1(M+H)。
【0118】
以下の化合物を、調製物110の方法によって実質的に調製する。
【0119】
【表10】

【0120】
調製物113
エチル1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート
メチル3−(4−フルオロフェニルアミノ)−3−オキソプロパノエート(10.1g,48mmol)入りのEtOH溶液(100mL)に、trans−4−メトキシ−3−ブテン−2−オン(5.7g,57mmol)およびCHONa(3.1g,57mmol)を加える。混合物を還流にて一晩加熱し、次いで濃縮する。残留物を、PE:EtOAC(5:1〜2:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(2.1g,16%収率)を得る。MS(m/z):276.1(M+H)。
【0121】
以下の化合物を、調製物113の方法によって実質的に調製する。
【0122】
【表11】

【0123】
調製物116
(Z)−4−アミノペント−3−エン−2−オン
2,4−ペンタンジオン(20.0g,0.2mol)入りの水溶液(20mL)に、25%のアンモニア水溶液(13.2mL,0.2mol)を室温にて滴下する。混合物を室温にて2時間攪拌する。次いで溶媒を除去して、生成物(20.0g,100%収率)を固体として得る。1H NMR(アセトン−d,300MHz):1.88(s,3H),1.88(s,3H),2.8(br s,1H),6.54(br s,1H),9.7(br s,1H)。
【0124】
調製物117
エチル4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート
(Z)−4−アミノペント−3−エン−2−オン(20.0g,0.2mol)入りの乾燥THF溶液(20mL)を、シアノ酢酸エチル(22.6g,0.2mol)およびTEA(20.2g,0.2mol)入りの乾燥THF溶液(200mL)に加える。反応混合物を還流にて56時間加熱し、次いで濃縮する。残留物を、室温にて5時間静置し続け、沈殿物を濾過し、EtOAcで洗浄して、標題化合物(7.3g,19.9%収率)を得る。MS(m/z):196.0(M+H)。
【0125】
調製物118
エチル1−(4−フルオロフェニル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート
1,4−ジオキサン(80mL)中のエチル4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート(5.0g,0.025mol)、4−フルオロフェニルボロン酸(10.7g,0.077mol)、酢酸銅(1.33g,0.007mol)、ピリジン(6.86mL)、および4Å分子篩(5.0g)の懸濁液を、80℃にて68時間加熱する。固体を濾過し、濾液を濃縮する。残留物をEtOAc(50mL)と2NのHCl(70mL)との間に分離する。沈殿した固体を濾過により収集し、EtOAcで洗浄して、標題の生成物(1.2g)を得る。EtOAcの濾液を分離し、乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:EtOAc:MeOH(40:20:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、さらなる部の生成物(0.12g)(全体で1.32g,17.8%収率)を得る。MS(m/z):290.1(M+H)。
【0126】
調製物119
エチル4,6−ジメチル−2−オキソ−1−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート
1,4−ジオキサン(80mL)中のエチル4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート(7.5g,0.038mol)、フェニルボロン酸(14.1g,0.115mol)、酢酸銅(1.38g,0.008mol)、ピリジン(7.5mL)の懸濁液を、80℃にて96時間加熱する。固体を濾過し、濾液を濃縮する。残留物を、EtOAc(50mL)と2NのHCl(70mL)との間に分離し、沈殿物を濾過により収集し、EtOAcで洗浄して、標題の生成物(2.95g)を得る。EtOAc溶液を分離し、乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:アセトン(2:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、さらなる部(0.3g)を得る。(3.25g,31.2%収率)。MS(m/z):272.0(M+H)。
【0127】
調製物120
エチル5−(ブロモメチル)−2−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
エチル2−(4−フルオロフェニル)−1,5−ジメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.2g,4.3mmol)およびアゾビシソブチロニトリル(AIBN)(0.09g,0.06mmol)入りのDCM溶液に、N−ブロモスクシンイミド(NBS)(0.9g,4.3mmol)を、室温にて3回に分けて加える。得られた反応混合物を室温にて一晩撹拌する。混合物を濃縮し、残留物を、PE:EtOAc(4:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物を白色固体(1.3g,84%収率)として得る。MS(m/z)357.0(M+H)。
【0128】
調製物121
エチル5−((1H−ピラゾール−1−イル)メチル)−2−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート
氷水浴で冷却したTHF(50mL)およびHO(1mL)中のエチル5−(ブロモメチル)−2−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.3g,3.6mmol)および1H−ピラゾール(0.25g,3.6mmol)の溶液に、固体のKOH(0.2g,3.6mmol)を3回に分けて加える。反応混合物を室温にて一晩撹拌した後、溶媒を除去する。残留物を、PE:EtOAc(4:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物(0.87g,70%収率)を得る。MS(m/z):345.1(M+H)。
【0129】
以下の化合物を、調製物121の方法によって実質的に調製する。
【0130】
【表12】

【0131】
調製物124
エチル1−(4−フルオロフェニル)−5−(モルホリノメチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート
CCl(20mL)中のエチル1−(4−フルオロフェニル)−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート(0.275g,1mmol)、NBS(0.2g,1.1mmol)、AIBN(40mg,0.2mmol)の混合物を、還流にて3時間加熱する。反応物を冷やした後、モルホリン(0.088mL,1mmol)およびKCO(0.14g,1mmol)を加える。反応物を室温にてさらに2時間撹拌する。溶媒を除去し、残留物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(20mL)で2回抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させ、濃縮する。残留物を、DCM:MeOH(100:1〜50:1、MeOH中の0.5% 2NのNHを含む)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(0.17g,47%収率)を得る。MS(m/z):361.1(M+H)。
【0132】
調製物125
エチル2−(4−フルオロフェニルカルバモイル)−3−メチルブト−2−エノエート
ジエチルイソプロピリデンマロネート(10g,50mmol)中の4−フルオロアニリン(2g,18mmol)の溶液に、1H−イミダゾール(0.25g,3.67mmol)を加える。反応混合物を200℃にてN下で3時間撹拌する。反応物を冷やした後、シリカゲルを加える。混合物をシリカゲルカラムに充填し、最初にPEで溶出し、次いでPE:EtOAc(3:1)で溶出して、生成物(1.85g,39%収率)を得る。MS(m/z):266.1(M+H)。
【0133】
調製物126
エチル1−(4−フルオロフェニル)−4−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート
エチル2−(4−フルオロフェニルカルバモイル)−3−メチルブト−2−エノエート(1.85g,6.97mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(5mL,37.45mmol)の混合物を、90℃にて90分間撹拌する。反応物を冷やした後、EtOAc(30mL)および飽和NHCl溶液(20mL)を加える。有機相を分離し、乾燥させ、濃縮する。残留物を、DCM:MeOH(10:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。生成物を含む画分を濃縮し、残留物をエーテルと混合して、1.2gの黄色の固体を得、それを濾過し、捨てる。濾液を濃縮し、DCM:MeOH(20:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(500mg,26%収率)を得る。MS(m/z):276.1(N+H)。
【0134】
調製物127
エチル2−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロピリダジン−4−カルボキシレート
THF(50mL)中の1−トリフェニルホスホラニリデン−2−プロパノン(3.18g,9.99mmol)の懸濁液に、ケトマロン酸ジエチル(1.74g,9.99mmol)を加える。得られた混合物を室温にて30分間撹拌して、透明溶液を得る。次いでこの溶液を、4−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩(1.62g,9.96mmol)入りのEtOH:HO(30mL:30mL)溶液に加える。得られた混合物を1時間還流した後、TEA(3mL)を加え、混合物を還流にてさらに1時間撹拌する。次いでそれを濃縮し、残留物を飽和NHCl水溶液(30mL)とEtOAc(30mL)との間に分離する。有機相を分離し、乾燥させ、濃縮する。残留物を、PE:EtOAc(3:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(1.20g,43%収率)を得る。MS(m/z):277.1(M+H)。
【0135】
調製物128
1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸
MeOH(150mL)および水(50mL)中のメチル1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート(10.0g,0.04mol)の溶液に、LiOH(1.9g,0.08mol)を加える。得られた反応混合物を室温にて0.5時間撹拌する。大部分のMeOHを除去した後、白色固体が沈殿するまで、混合物を濃HCl水溶液で酸性化する。固体を濾過により収集し、水(5mL)で洗浄して、所望の生成物(8.7g,93%収率)を得る。MS(m/z):234.0(M+H)。
【0136】
以下の化合物を、調製物128の方法によって実質的に調製する。
【0137】
【表13】

*:KOHを塩基として使用する。
**:NaOHを塩基として使用する。
【0138】
調製物142
6−メチル−2−オキソ−1−フェニル−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸
ナトリウムエトキシド入りのEtOH溶液(EtOH(40mL)に溶解したナトリウム(0.5g,21.75mmol)から調製した)に、エチル3−オキソ−3−(フェニルアミノ)プロパノエート(4g,19.30mmol)およびtrans−4−メトキシ−3−ブテン−2−オン(2g,19.98mmol)を加える。反応を還流にて一晩撹拌した後、混合物を濃縮する。残留物をHO(50mL)とEtOAc(50mL)との間に分離する。水層を濃HClでpH3〜4に酸性化し、次いでそれをEtOAcで抽出する。有機抽出物を乾燥させ、濃縮する。残留物を、DCM:MeOH(25:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(1.20g,27%収率)を得る。MS(m/z):230.0(M+H)。
【0139】
調製物143
1,5−ジメチル−3−オキソ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−カルボン酸
75℃にて、水(100mL)中の1,5−ジメチル−3−オキソ−2−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(2g,9.25mmol)の混合物に、KMnO(1.5g,9.49mmol)入りの水溶液(200mL)をゆっくりと加える。添加が完了した後、反応混合物を75℃にてさらに1時間撹拌する。固体のKOHを加えてアルカリ性にし、混合物が熱い間に濾過する。濾液にEtOH(10mL)およびEtOAc(50mL)を加える。有機相を分離し、捨てる。水相を濃HClでpH5に酸性化し、EtOAc(60mL)およびDCM(60mL)で抽出する。有機相を合わせ、乾燥させ、濃縮して、標題の生成物(1.9g,88.46%収率)を得る。MS(m/z):233.1(M+H)。
【0140】
調製物144
エチル3−(4−フルオロフェニルアミノ)−3−オキソプロパノエート
4つ口の10L丸底フラスコに、DCM(5000mL)、4−フルオロアニリン(111g,1.0mol)およびTEA(166mL,1.2mol)を加える。DCM(500mL)中のエチルマロニルクロリド(196g,1.3mol)を、4時間の間、0〜5℃(氷浴下)にてN下で滴下する。添加後、混合物をこの温度で30分間撹拌する。水(2L)をこの温度で撹拌しながら混合物に加える。有機相を飽和NaHCO、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥させる。水相をEtOAc(2×1L)で抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥させる。濾過後、合わせた有機溶液を、減圧下で乾燥するまで濃縮する。残留物をPE(1L)で洗浄して、エチル3−(4−フルオロフェニルアミノ)−3−オキソプロパノエート(230g,粗収率102%)を黄色の固体として得る。MS(m/z):226.1(M+H)。
【0141】
調製物145
1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸
4つ口の3L丸底フラスコに、EtOH(1500mL)、エチル3−(4−フルオロフェニルアミノ)−3−オキソプロパノエート(139g,617mmol)、ナトリウムエトキシド(65.6g,925mmol)および4−メトキシ−3−ブテン−2−オン(103g,925mmol)を加える。混合物を3時間還流する。溶液を室温まで冷却した後、反応混合物を減圧下で濃縮して、EtOHを除去する。残留物をDCM(700mL)および1MのHCl(1500mL)で希釈する。水相をDCM(3×500mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム水溶液(1000mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮する。残留物を室温(10〜15℃)にて1時間EtOAc(150mL)で粉砕する。濾過後、EtOAc(50mL)で洗浄し、1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸を、黄色の固体(85.3g,56%収率)として得る。MS(m/z):248(M+H)。
【実施例】
【0142】
実施例1
N−(3−フルオロ−4−(1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)フェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド
【化7】

tert−ブチル4−(5−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート(1.43g,3.38mmol)、1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(1.25g,5.07mmol)、EDCI(1.48g,7.6mmol)、および、HOBt(776mg,5.07mmol)を、100mL丸底フラスコに加え、その後、DMF(15mL,193.99mmol)を加え、そして、DIPEA(1.47mL,8.44mmol)を加える。混合物を室温にて一晩攪拌する。反応混合物をEtOAc(300mL)に希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液(5×100mL)で洗浄する。合わせた水溶液を、EtOAc(1×100mL)で抽出し、そして、合わせた有機溶液をNaSOで乾燥させ、濾過し、乾燥するまで濃縮する。固体を、DCM(A)および10%MeOH入りDCM溶液(B)で100%(A)から80%(A):20%(B)の勾配にて70分以上溶出するシリカゲルカラム上で精製して、tert−ブチル4−(5−(2−フルオロ−4−(1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド)フェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレートを、金色固体(2.20g,87%収率)として得る。MS(m/z):653.(M+H),675(M+Na)。
【0143】
tert−ブチル4−(5−(2−フルオロ−4−(1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド)フェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート(1.92g,2.94mmol)およびDCM(50mL)を丸底フラスコに加え、その後、トリエチルシラン(1.88mL,11.77mmol)およびTFA(17.8mL,235.35mmol)を加える。反応混合物を室温にて1.5時間攪拌する。溶媒を除去し、DCM(150mL)に希釈し、飽和NaHCO水溶液(2×100mL)で洗浄する。有機溶液をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮して、固体物質を得る。固体を、DCM(A)および10%MeOH入りDCM溶液(B)で100%(A)から75%(A):25%(B)の勾配にて70分以上溶出するシリカゲルカラム上で精製して、この75:25の比率にて15分間保つことで、標題化合物をオフホワイト固体として得る。固体を熱いEtOH(50mL)に溶解し、その後、滅菌水(250mL)を少量ずつ加えて、白色固体を沈殿させる。固体をブフナー漏斗を通して濾過し、滅菌水(3×15mL)で洗浄し、空気乾燥させ、60℃にて15時間真空乾燥させて、標題化合物をオフホワイト固体として得る(1.27g,78%収率)。MS(m/z):552.8(M+H)。
【0144】
実施例2
N−(3−フルオロ−4−(1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)フェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド
【化8】

12L丸底フラスコは、オーバーヘッド攪拌機、サーモカップル、および、Nパージを備える。tert−ブチル4−(5−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート(404g,954.08mmol)をDMF(2L)に溶解し、フラスコに入れる。DMF(1L)を、フラスコをリンスするために使用する。1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(259.46g,1.05mol)およびEDCI(228.63g,1.19mol)を加え、DMF(500mL)でリンスする。次いで、HOBt(189.94g,1.24mol)を加え、DMF(500mL)で再度リンスする。最後に、DIPEAをゆっくりと加える(184.97g,1.43mol)。暗色溶液を室温にて週末の間攪拌する。DI水(3L)およびDCM(5L)を20Lプラント用ドレイン付きフラスコに加える。反応混合物を注ぎ、DCM(1L)でリンスする。有機層を分離し、DI水(3×3L)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、固体をDCMでリンスし、濾液を濃縮する。EtOAc(2L)を残留物に加え、溶液を1時間攪拌する。生成物を結晶化させる。混合物を濃縮する。EtOAc(2L)を更に一部加え、濃縮し、DCMを全て除去する。EtOAc(650mL)およびMTBE(3L)を残留物に加え、溶液を氷浴内で1時間攪拌する。黄褐色スラリーを、ポリプロピレンパッドを用いて濾過する。ケーキをMTBE(2×500mL)でリンスする。明るい黄褐色固体を、一晩40℃にて真空オーブン内で乾燥させて、粗生成物(553g)を得る。粗生成物を、50%EtOAc(50%):35%DCM(35%):n−ヘプタン(15%)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、精製された所望の生成物tert−ブチル4−(5−(2−フルオロ−4−(1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド)フェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート(424g,68%)を得る。MS(m/z):651.0(M−H)。
【0145】
tert−ブチル4−(5−(2−フルオロ−4−(1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド)フェノキシ)−1−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−1H−ピラゾール−1−カルボキシレート(423.9g,649.50mmol)を、DCM(4.24L)に溶解する。HCl入りMeOH(5.74N,799.99mL,4.59mol)を加え、溶液を30℃にて1時間加熱する。次いで反応混合物を45℃まで加熱し、DCM(1.5L)を加える。2時間後、溶液を50℃まで加熱し、DCM(2L)を加える。3時間後、DCM(2L)を加え、その後HCl入りMeOH(4.5N,721.67mL,3.25mol)を加える。更に45分後、DCM(1L)とHCl入りMeOH(4.5N,288.67mL,1.30mol)とMeOH(1.5L)を加える。次いで反応溶液を60℃まで加熱する。4時間後、MeOH(2L)を加え、10分後、DCM(1L)を加え、その後、HCl入りMeOH(4.5N,200mL)を加える。5時間後、反応が終了する。反応混合物を約1/3量まで濃縮する。MeOH(2L)を加え、溶液を厚いスラリーまで濃縮する。再度、MeOH(2L)を加え、混合物を厚いスラリーまで濃縮する。スラリーを約10〜15℃まで冷却し、その後濾過する。固体をMeOHで洗浄する。固体を55℃の真空オーブン内に2日間置いて、所望の生成物N−(3−フルオロ−4−(1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)フェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(377g,92.8%)を得る。MS(m/z):551.0(M−H)。
【0146】
攪拌機を備える22L丸底フラスコに窒素下にてN−(3−フルオロ−4−(1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)フェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド塩酸塩(367g,0.62mol)を加え、その後DCM(7.34L)および水(7.34L)を加える。NaCO(181.6g,1.71mol)を加え、混合物を室温にて30分攪拌する。pHを約9.4になるまで確認する。混合物を、ポリプロピレンを通して濾過する。固体を収集し、5L丸底フラスコ内に置く。20%水/MeOH溶液(2.6L)を加え、スラリーを30分間攪拌する。スラリーを濾過し、固体を20%水/MeOH(600mL)で洗浄する。固体を真空オーブン内に35℃で一晩置く。最初の計量は、394g(理論収率324.8g,約121%の質量回収率)を示す。TGA(熱重量分析)/DSC(示差走査熱量測定)は、融解時に約17wt%の遊離水および10〜11wt%の揮発減量を示す。固体をNスイープを備える真空オーブン内で55℃にて3.5時間乾燥させる(354.7g,約109%の質量回収率、NMRでは約9.3wt%のDCMを示す)。TGA/DSCによれば遊離水は存在しない。物質は製粉するために送られる。
【0147】
グローブバック中のジェットミル(Aljet(商標)0101)は、フード内のウォークを内部に備えており、当該ウォークは1001bヘッダへのNに接続されている。インレットプッシャーノズルを最大ドローに調節し、最大窒素フローをミル内に導入する。圧力値は、プッシャーノズルにおいて90psi、両方の粉砕ノズルにおいて85psiを示す。出発物質(353.4g)をミルインレットにゆっくりと供給し、レシーバソックを空にするために随時止める。粉砕時間の合計は、22分と25秒である。計算された供給率は、15.8g/分(22.42分で割った353.4グラム)。粉砕された物質(335.7g,95%)を17.7gの損失とともに得る。粉砕された物質の分子サイズ分析結果は、4.6ミクロンのd90である。
【0148】
TGA/DSCは、融解時に約11.4wt%の揮発性物質を示し、NMR(DMSO)は、約9.3wt%DCMを示す。H NMR(DMSO)δ12.94(br s,1H),11.88(s,1H),8.44(d,J=7.47Hz,1H),8.12(br s,1H),8.00(br s,1H),7.96(s,1H),7.94(d,J=2.2Hz,1H),7.91(d,J=2.6Hz,1H),7.87(s,1H),7.47−7.37(m,5H),6.82(t,J=9.26Hz,8.82Hz,1H),6.65(d,J=7.49Hz,1H),4.04(s,3H),2.03(s,3H)。LC/MS:(M+H)553.1。
【0149】
無水結晶形態の調製
10mLのEtOHに対して120mgの上記化合物を20mLバイアル内に加える。サンプルを70℃まで攪拌しながら加熱する。初めに、固体が溶解し始め、次いで、懸濁液を形成し、その後、白色沈殿物を形成する。サンプルを攪拌しながら室温まで冷やす。スラリーの小さいサンプルをピペットで取得し、空気乾燥させる。この物質は、結晶性が高く、TGAによりエタノール溶媒和物であることが判明する。残りの懸濁液に、10mLのヘプタンを加え、次いで沸騰するまで加熱する。測定温度を70.8℃にて、容量が10mLに減るまでモニターする。温度が上昇し始めた時に、加熱を止め、スラリーを室温にて一晩攪拌する。固体を真空濾過により単離し、真空オーブン内で45℃にて3時間乾燥させ、77%回収する。結晶形態は、TGAにより25〜238℃から0.17%の重量損失を示す。形態の融解開始は、247.8℃である。
【0150】
実施例3
N−(3−フルオロ−4−(1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)フェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミドメタンスルホネート
【化9】

3−フルオロ−4−(1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)アニリン(300mg,927.8μmol)および1−(4−フルオロフェニル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(300mg,1.15mmol)入りのDMF(5mL)の溶液に、HOBt(130mg,0.962mmol)、EDCI(180mg,0.939mmol)およびN−メチルモルホリン(0.5mL)を加える。反応混合物を60Cにて一晩攪拌後、EtOAc(50mL)と飽和NHCl水溶液(30mL)との間に分離する。有機層を分離し、乾燥させ、濃縮する。残留物をEtOAc(5mL)で粉末にし、固体を濾過により収集し、N−(3−フルオロ−4−(1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)フェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミドを所望の生成物として得る(230mg,43.7%収率)。MS(m/z):567.2(M+H)。
【0151】
N−(3−フルオロ−4−(1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)フェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド(230mg,0.406mmol)入りアセトン(10mL)の溶液に、MeSOH(39mg,0.406mmol)を加える。反応物を室温にて0.5時間攪拌後、濃縮する。残留物をエーテルで洗浄し、乾燥させて、N−(3−フルオロ−4−(1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)フェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミドメタンスルホネート(250mg,92.9%収率)を得る。MS(m/z):567.2(M+H)。
【0152】
以下の化合物を、遊離塩基が生成され、塩が生成されない特定の場合を除き、実質的に実施例3の方法により調製する。
【0153】
【表14−1】

【表14−2】

【表14−3】

【表14−4】

【表14−5】

【表14−6】

【表14−7】

【表14−8】

【表14−9】

【表14−10】

【0154】
実施例48
N−(4−(6−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−5−イルオキシ)−3−フルオロフェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミドメタンスルホネート
【化10】

10mLスクリューキャップバイアルに、5−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−N−ベンズヒドリル−1−メチル−1H−インダゾール−6−アミン(91mg,208μmol)、1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(66.7mg,269.78μmol)、EDCI(90.9mg,466.9μmol)およびHOBt(47.7mg,311.3μmol)を加え、その後、DMF(2mL,25.9mmol)を加える。混合物にDIPEA(90.5μL,518.8μmol)を加え、混合物を室温にて12時間攪拌する。EDCI(50mg)、HOBt(25mg)、DIPEA(0.02mL)、および1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(40mg)を更に加え、混合物を更に24時間攪拌する。反応物をEtOAc(100mL)に希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液(3×25mL)で洗浄する。合わせた水溶液をEtOAc(1×25mL)で抽出する。合わせた有機溶液をNaSOで乾燥させ、濾過し、乾燥するまで濃縮する。残留物を、DCM(A)および10%MeOH入りDCM溶液(B)で100%(A)から90%(A):10%(B)の勾配にて60分以上溶出するシリカゲルカラム上で精製して、透明なろう状物質を所望の生成物(114mg,82%収率)として得る。MS(m/z)667.8(M+H)。
【0155】
25mL丸底フラスコにN−(4−(6−(ベンズヒドリルアミノ)−1−メチル−1H−インダゾール−5−イルオキシ)−3−フルオロフェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド(100mg,149.7μmol)およびDCM(15mL,15.6mmol)を加え、その後、トリエチルシラン(0.3mL,1.8mmol)およびTFA(2mL,26.9mmol)を加える。反応混合物を室温にて3時間攪拌する。溶媒を除去し、次いで残留物をDCM(50mL)に希釈し、飽和NaHCO溶液(1×25mL)で洗浄する。水層をDCM(1×25mL)で抽出し、合わせた有機溶液をNaSOで乾燥させ、濾過し濃縮する。残留物をDCM(A)および10%MeOH入りDCM溶液(B)で100%(A)から80%(A):20%(B)の勾配にて50分以上溶出するシリカゲルカラム上で精製して、80:20の比率で5分間保ち、次いで5分間以上70%(A):30%(B)にて勾配することで、白色固体物質を所望の生成物(67mg,90%収率)として得る。MS(m/z):501.8(M+H)。
【0156】
丸底フラスコに、N−(4−(6−アミノ−1−メチル−1H−インダゾール−5−イルオキシ)−3−フルオロフェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド(47.5mg,94.7μmol)入りDCM(2mL,31.2mmol)およびMeOH(2mL,49.4mmol)を加える。MeSOH(6.2μL,94.7μmol)入りMeOHを加える。溶液を濃縮して、明るい黄色の固体(54mg,96%収率)を得る。MS(m/z):501.8(M+H)。
【0157】
以下の化合物を、実質的に実施例48の方法により調製する。
【0158】
【表15】

【0159】
実施例50
N−(4−(6−アミノ−1H−インダゾール−5−イルオキシ)−3−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミドメタンスルホネート
【化11】

tert−ブチル5−(4−アミノ−2−フルオロフェノキシ)−1H−インダゾール−6−イルカルバメート(170mg,474μmol)および6−メチル−2−オキソ−1−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(120mg,0.52mmol)入りDMF溶液(5mL)に、HOBt(60mg,0.44mmol)、EDCI(90mg,0.47mmol)およびN−メチルモルホリン(0.5mL)を加える。反応混合物を60Cにて一晩攪拌後、EtOAc(50mL)と飽和NHCl水溶液(30mL)と間に分離する。有機相を分離し、乾燥させ、濃縮し、そして、残留物をPE:EtOAc(1:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、生成物(65mg,24.1%収率)を得る。MS(m/z):570.2[M+H]。
【0160】
tert−ブチル5−(2−フルオロ−4−(6−メチル−2−オキソ−1−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド)フェノキシ)−1H−インダゾール−6−イルカルバメート(65mg,0.114mmol)入りDCM溶液(10mL)に、TFA(1mL,13.5mmol)を加える。反応物を室温にて一晩攪拌後、濃縮する。残留物を飽和NaHCO水溶液(30mL)およびDCM(50mL)で分離し、有機相を分離し、乾燥させ、濃縮する。残留物を、DCM:MeOH(20:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物(35mg,65.3%収率)を得る。MS(m/z):470.1(M+H)。
【0161】
N−(4−(6−アミノ−1H−インダゾール−5−イルオキシ)−3−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド(35mg,74.6μmol)入りアセトン溶液(10mL)に、MeSOH(7.16mg,74.6μmol)を加える。反応混合物を室温にて0.5時間攪拌後、濃縮する。残留物をエーテルで洗浄し、乾燥させて、N−(4−(6−アミノ−1H−インダゾール−5−イルオキシ)−3−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミドメタンスルホネート(39mg,92.5%収率)を得る。MS(m/z):470.1(M+H)。
【0162】
以下の化合物を、実質的に実施例50の方法により調製する。
【0163】
【表16】

【0164】
実施例55
N−(3−フルオロ−4−(6−(2−メチルモルホリノ)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)フェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド
【化12】

3−フルオロ−4−(6−(2−メチルモルホリノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イルオキシ)アニリン(44mg,103.17μmol)、1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(42mg,0.18mmol)、EDCI(45.177mg,232.13μmol)、HOBT(23.699mg,154.75μmol)を、10mLスクリューキャップバイアルに加え、その後、DMF(5mL,64.66mmol)およびDIPEA(44.980μL,257.92μmol)を加える。反応混合物を室温にて一晩攪拌する。反応物をEtOAc(50mL)に希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液(5×25mL)で洗浄する。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、乾燥するまで濃縮する。残留物を、ヘキサン(A)およびEtOAc(B)で80%(A):20%(B)から30%(A):70%(B)までの勾配にて40分以上溶出するシリカゲルカラム上で精製して、30:70の比率で15分間保つことで、黄色固体として所望の生成物N−(3−フルオロ−4−(6−(2−メチルモルホリノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イルオキシ)フェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド(70mg,99%収率)を得る。MS(m/z):641.8(M+H)。
【0165】
丸底フラスコに、N−(3−フルオロ−4−(6−(2−メチルモルホリノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール−5−イルオキシ)フェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミド(66mg,102.86μmol)およびMeOH(5mL,123.54mmol)を加える。得られた混合物にMeSOH(20.229μL,308.57μmol)を加え、反応混合物を40Cまで6時間加熱する。反応混合物を濃縮し、DCM(100mL)に溶解する。溶液を、飽和塩化ナトリウム水溶液(20mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1×20mL)の混合物で洗浄する。有機溶液をDCM(1×25mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮する。残留物を、DCM(A)および10%MeOH入りDCM溶液(B)で100%(A)から70%(A):30%(B)の勾配にて60分以上溶出するシリカゲルカラム上で精製して、明るい黄色の固体を所望の生成物(40mg,62%収率)として得る。MS(m/z):557.8(M+H)。
【0166】
以下の化合物を、実質的に実施例55の方法により調製する。
【0167】
【表17】

【表18−1】

【表18−2】

*:メタンスルホン酸塩を、実施例3における塩生成ステップと実質的に同じ方法により調製する。
【0168】
以下のアッセイは、本発明の特定化合物が細胞におけるc−Metリン酸化反応を潜在的に阻害し、インビボでc−Metを潜在的に阻害することを実証し、そして、特定異種移植モデルにおける用量依存性抗腫瘍活性を実証する。
【0169】
c−Metタンパク質発現および精製
ヒトc−Metのキナーゼドメイン(KD)(Gly966からSer1390,NCBI NM_000245)を、pFastBac(登録商標)HTベクター(Invitrogen,Carlsbad,CA)内にクローニングする。His−c−Met KD構築物を、Bac−to−Bac(登録商標)システム(Invitrogen)を用いてバキュロウイルスDNAに置き換える。SF9細胞を組み換えバキュロウイルスでインフェクトする。インフェクトされた細胞を、遠心分離により収菌し、細胞ペレットを収集し、−80℃にて保存する。細胞をバッファーA(40mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)、pH7.5、500mMのNaCl、20%グリセロール、および10mMのイミダゾール)に溶解する。細胞溶解物をホモジナイズし、遠心分離する。懸濁物を、ニッケル−ニトロ三酢酸(Ni−NTA)樹脂とともにインキュベートし、カラムにロードする。タンパク質を、バッファーB(バッファーAプラス0.3Mのイミダゾール)で溶出し、c−Met含有フラクションを一緒にプールし、Superdex(登録商標)200カラム(Amershan Bioscience,Piscataway,NJ)にロードし、バッファーC(40mMのTris、pH7.5、250mMのNaCl、および10%グリセロール)で溶出する。
【0170】
HGF誘導Met(pY1349)NCI−H460細胞ベースのELISA
NCI−H460細胞(ATCCから購入)を、10%ウシ胎仔血清(FBS)で補充されたRPMI1640培地(Invitrogen)内で培養し、96−ウェル平底プレート内に(70%密集する前に)、80L容量において1ウェルあたり20,000細胞の密度にてプレートする。次いで、細胞を、細胞培養インキュベーター(5%CO、95%相対湿度(RH)および37℃)内で一晩インキュベートし、プレートに取り付ける。次の朝、細胞を、2容量の減少された血清培地(Reduced Serum Media)(RSM)(0.5%FBSで補充されたRPMI1640培地)で洗浄する。最後の洗浄物を除去した後、80μLのRSMを、細胞プレートの各ウェルに加える。細胞プレートを細胞培養インキュベーター内で2.5時間インキュベートし、次いで、化合物を投与する。化合物阻害剤をまず、10mMにて100%DMSOに可溶化し、次いで、100μMまで2%DMSO RSMで希釈する。続いて、化合物の連続希釈物(1:3)を100μMから0.005μMの範囲にわたって調製する。細胞に更なる20Lの化合物ストックを投与して、0.4%の最終DMSO濃度、ならびに、20および0.001μMの間の最終化合物濃度投与範囲にする。化合物を投与後、細胞プレートをやさしく攪拌して混合し、次いで、細胞培養インキュベーター内で30分間インキュベートする。投与終了後、細胞を、RSM中100ng/mLの最終濃度にて更なる1ウェルあたり20μLの肝細胞増殖因子(HGF)で誘導する(MINウェルを除いて全てのウェルを誘導し、MINウェルに20μLのRSMを投与する)。細胞培養インキュベーター内で10分インキュベートした後、細胞プレートウェルから液体を除去し、細胞を、ホスファターゼIとIIおよびプロテアーゼ阻害剤(Sigma,St.Louis,MO)で補充された、50μLの氷冷メソスケールディスカバリー(Meso Scale Discovery)(登録商標)(MSD,Gaithersburg,Maryland)1×溶解バッファー(150mMのNaCl,20mMのTris、pH7.5、1mMのEDTA、1mMのエチレングリコール三酢酸、および、1%TRITON(登録商標)X−100)の追加により、溶解する。室温にて30分溶解後、溶解物を、BSAブロックされた(1×Tris洗浄バッファー中の30mg/mLブロックAにて)、MSD(登録商標)マルチ−スポット96ウェル4スポットの蛍光Metプレートに移して、当該プレート上で捕捉し、その後、Tris洗浄バッファーで1回洗浄する。2時間捕捉した後(室温にて)、溶解物をMSD(登録商標)プレートから除去し、プレートを1×Tris洗浄バッファーで洗浄する。ブロッティングした後、25μLの5nMのスルフォ−タグ抗体−全Met抗体(検出抗体であり、10mg/mLのBSAおよび0.1%ブロッカーD−R(MSD(登録商標))で補充された1×Tris洗浄バッファー内で調製されたMSD(登録商標))を、MSD(登録商標)プレートのウェルに加える。1時間捕捉した後(室温にて)、MSD(登録商標)プレートウェルを、1×Tris洗浄バッファーで洗浄し、その後150μLの1×リードバッファーT(界面活性化剤を含む、MSD(登録商標))を加える。リードバッファーを加えた後すぐに、プレートを、SECTOR 6000 MSD(登録商標)イメージャプレートリーダーで分析する。相対IC50値をMSD単位活性を用いて決定する。当該MSD単位活性は、プレート上の「最小」および「最大」コントロールに対する阻害パーセントを計算し、その後、阻害パーセント値および10点投与反応データを4パラメータロジスティック方程式にフィッティングする。このアッセイは、2.06の最小有意率(MSR)を有する。例示された全ての化合物について、IC50値は、0.2μM未満である。例えば、このアッセイにおける実施例1の平均(n=6)IC50値(50%阻害濃度)は、0.0352μMであり、細胞内のc−Metリン酸化反応を潜在的に阻害することを示す。
【0171】
c−Metインビボ標的阻害アッセイ
S114細胞(PHSからライセンスを受けており、ヒトHGFおよびヒトc−Metの両方とも過剰発現する)を、10%ウシ胎仔血清で補充された増殖培地(ダルベッコ改変イーグル培地)内で培養し、拡張する。細胞を収集し、リン酸緩衝生理食塩水で2回洗浄し、2×10細胞を等量のBDマトリゲル(商標)マトリックス(BD Bioscience,Franklin,NJ)と混合し、ヌードマウス(Harlan,Indianapolis,INからの無胸腺ヌードマウス)の脇腹に皮下注射する。注入の8日後、(10%アカシアまたは1%カルボキシメチルセルロース/0.5%ラウリル硫酸ナトリウム/0.05%消泡剤において懸濁液として調製された)化合物を、50mg/kgにて経口チューブにより動物に投与する。動物を投与の2時間後に屠殺し、腫瘍を回収し、必要時まで凍結保存する。
【0172】
凍結された腫瘍をモーターパステル(motar−pastel)を用いて粉砕する。粉砕された組織を、溶解マトリックスDビーズ(MP Biomedicals,Solon,OH)、および、600μL溶解バッファー(Boston Bioproductsからの、50mMのTris−HCl、pH7.4、150mMのNaCl、1%NP−40、0.5%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%SDSを含有する、RIPAバッファー)を含む、チューブに移す。FastPrep(登録商標)細胞破壊器(MP Biomedicals)を用いて組織を破壊し、細胞を溶解させる。溶解物を20ゲージ針を通して、無菌チューブに移す。タンパク質濃度をブラッドフォード法により決定する。
【0173】
腫瘍溶解物を、MSD(登録商標)蛍光物質−MetELISAプレート上にロードし、蛍光−c−MetレベルをH460細胞ベースELISAと同じプロトコルを用いて決定する。例示された全化合物について、S114インビボ阻害値は、50mg/kgの投与にて50%以上である。例えば、実施例1は、c−Metリン酸化反応の潜在的な阻害剤であり、当該阻害剤は、2.9mg/kgの腫瘍において50%の阻害をもたらし、インビボにおける潜在的なc−Met阻害剤であることを示す、ED50値(投与量)を有する。
【0174】
異種移植腫瘍モデル
ヒトグリア芽腫細胞U87MG、ヒト胃癌細胞MKN45、ヒト非小細胞肺癌細胞H441、およびヒト腎癌細胞Caki−1を、培地内で拡張し、収集し、無胸腺ヌードマウスの臀部側面に皮下注射する。試験化合物を、適切なビヒクル内で調製し、腫瘍が定着するとき(注射の7〜21日後)に経口チューブにより投与する。腫瘍反応を、治療期間中に週に2度行う腫瘍量測定により決定する。腫瘍量阻害(成長阻害%)を、治療群とビヒクルコントロール群とを比較して計算する。体重を、一般的な毒性測定としてとる。実施例1の化合物は、これらのモデルにおいて素晴らしい用量依存性抗腫瘍活性を実証する。例えば、1.3mg/kg(経口(PO)、隔日(BID)×35)にて投与された場合、実施例1は、U87MG腫瘍の59%の成長阻害をもたらすことが可能である。4mg/kg投与(PO、BID×35)にて82%の成長阻害を達成する。12mg/kg投与(PO,BID×35)にて92%の成長阻害まで達する。
【0175】
c−Met関連腫瘍および異種移植モデル
c−Met過剰発現は、肺、胸、結腸直腸、胃、腎臓、脾臓、頭および首を含む多くのヒト腫瘍において共通の特徴である(1,2)。キナーゼドメインにおけるc−Met活性化変異は、例えば、遺伝性乳頭状腎細胞癌、小児肝細胞癌、および胃癌等のいくつかの腫瘍の原因として関与する(3〜7)。Pfizerからのc−Met阻害剤は、U87MG、GTL16、H441、Caki−1およびPC3を含む多くのヒト異種移植腫瘍における抗腫瘍効能を実証した(8)。
【0176】
1.Christinsen,JG.,Burrows,J.,and Salgia,R.Cancer Letters 225:1−26,2005.
2.Birchmeier,C.,Birchmeier,W.,Gherardi,E.,and Vande Woude,GF.Nat Rev Mol Cell Biol4:915−925,2003.
3.Di Renzo,MF.,Olivero,M.,Martone,T.Et al.Oncogene 19:1547−1555,2000.
4.Lee,JH.,Han,SU,Cho,H.et al.Oncogene 19:4947−4953,2000.
5.Ma,PC.,Kijima,T.,Maulik,G.et al.Cancer Res 63:6272−6281,2003.
6.Park,WS.,Dong,SM.,Kim,SY.et al.Cancer Res 59:307−310,1999.
7.Schmidt,L.,Duh,FM.,Chen,F.,et al.Nat Genet 16:68−73,1997.
8.Zou,Hyli,Qiuhua.,Lee,JH.,et al.Cancer Res 67:4408−4417,2007.
【0177】
本発明の化合物は、好ましくは、種々の経路により投与される医薬組成物として処方される。最も好ましくは、このような組成物は、経口投与用である。このような医薬組成物およびそれらを調製するプロセスは、当該技術分野において周知である。例えば、REMINGTON: THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY(A.Gennaro,et al.,eds.,19thed.,Mack Publishing Co.,1995)を参照のこと。
【0178】
式1の化合物は、広い投与範囲にわたって一般的に有効である。例えば、1日あたりの投与量は、通常、約1mgから約200mgの合計の範囲内にある一日用量であり、好ましくは、1mgから150mgの合計の範囲内にある一日用量であり、より好ましくは、1mgから50mgの合計の範囲内にある一日用量である。場合によっては、投与レベルは、上述の範囲の制限より下回ることが適切であり得、一方で、別の場合では、より大きな投与範囲が用いられ得る。上述の投与範囲は、いずれにせよ本発明の範囲を限定することを意図しない。当然ながら、実際に投与される化合物の量は、治療される状態、選択された投与経路、投与された実際の化合物または化合物群、個々の患者の年齢、体重、および、反応、ならびに、患者の症候群の重篤度を含む、関連する状況を考慮して、診察者によって決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式の化合物
【化1】

(式中、
は、Hまたはメチルであり、
は、アミノ、ジメチルアミノ、フルオロ、シクロプロピル、必要に応じてアミノ置換基もしくは1〜2のメチル置換基で置換されたピリジル、必要に応じて2つのメチル置換基で置換されたピラゾリル、2−メトキシ−ピリミジン−5−イル、4−メチルスルホニルフェニル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ、(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノカルボニル、またはモルホリン−4−イル置換基
【化2】

(式中、R、RおよびRは、Hまたはメチルから独立して選択される)
であり、
は、HまたはFであり、
は、H、メチル、ピペリジン−1−イルメチル、モルホリン−4−イルメチル、またはピラゾール−1−イルメチルであり、
は、HまたはFであり、
Xは、CH=N、CH=CH、CH=C(CH)、C(CH)=CH、C(CH)=N、N(CH)、またはC(モルホリン−4イルメチル)=CHである)
またはその薬理学的に許容可能な塩。
【請求項2】
は、アミノ、ジメチルアミノ、シクロプロピル、必要に応じてアミノ置換基もしくは1〜2のメチル置換基で置換されたピリジル、ピラゾール−4−イル、またはモルホリン−4−イルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬理学的に許容可能な塩。
【請求項3】
は、アミノ、ジメチルアミノ、ピラゾール−4−イル、またはモルホリン−4−イルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬理学的に許容可能な塩。
【請求項4】
は、ピラゾール−4−イルである、請求項1に記載の化合物、またはその薬理学的に許容可能な塩。
【請求項5】
は、H、メチル、またはモルホリン−4−イルメチルである、請求項1〜4に記載の化合物、またはその薬理学的に許容可能な塩。
【請求項6】
は、Hである、請求項1〜4に記載の化合物、またはその薬理学的に許容可能な塩。
【請求項7】
Xは、CH=CHまたはCH=C(CH)である、請求項1〜6に記載の化合物、またはその薬理学的に許容可能な塩。
【請求項8】
N−(3−フルオロ−4−(1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)フェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミドである、請求項1に記載の化合物、またはその薬理学的に許容可能な塩。
【請求項9】
N−(3−フルオロ−4−(1−メチル−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−1H−インダゾール−5−イルオキシ)フェニル)−6−メチル−2−オキソ−1−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキシアミドである、請求項1に記載の化合物またはその薬理学的に許容可能な塩。
【請求項10】
前記薬理学的に許容可能な塩は、メタンスルホン酸塩である、請求項1〜9に記載の化合物。
【請求項11】
前記粒子サイズは、10ミクロン未満である、請求項1〜10に記載の化合物。
【請求項12】
請求項1〜11に記載の化合物またはその薬理学的に許容可能な塩、および薬理学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項13】
哺乳動物における肺癌、乳癌、結腸直腸癌、腎臓癌、膵臓癌、頭部癌、頸部癌、遺伝性乳頭状腎細胞癌、小児肝細胞癌、および胃癌からなる群より選択される癌を治療する方法であって、当該方法は、そのような治療を必要とする哺乳動物に、請求項1〜11のいずれかの化合物またはその薬理学的に許容可能な塩の有効量を投与することを含む、方法。
【請求項14】
医薬として使用するための請求項1〜11のいずれかに記載の化合物またはその薬理学的に許容可能な塩。
【請求項15】
癌の治療に使用するための請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容可能な塩。

【公表番号】特表2011−529054(P2011−529054A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520095(P2011−520095)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/050640
【国際公開番号】WO2010/011538
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(594197872)イーライ リリー アンド カンパニー (301)
【Fターム(参考)】