説明

C2置換ピロロベンゾジアゼピン類を調製するための主要な中間体としての11−ヒドロキシ−5H−ピロロ[2,1−c][1,4]ベンゾジアゼピン−5−オン誘導体

本発明者らは、C2置換PBDを製造するための主要な中間体を開発した。この中間体は、C2位に脱離基、N10位にカルバメート保護基、かつC11位に保護ヒドロキシ基を有する。第1の態様において、本発明は、式(I)を有する化合物を包含する。ただし、R10は、カルバメート系窒素保護基であり;R11は、酸素保護基であり;そしてR2は、活性脱離基である。さらなる態様において、本発明は、第1の態様に定義されるような式(I)で示される化合物から、式(III)で示される化合物またはその溶媒和物を合成する方法を包含する。ただし、R16は、O-R11(ここで、R11は、第1の態様に定義されるとおりである)もしくはOHのいずれかであり、またはR10およびR16は、一緒になって、N10とC11との間に二重結合を形成し;そしてR15は、Rである。他の置換基は、特許請求の範囲に定義されている。本発明のさらなる態様は、式(III)で示される化合物(その溶媒和物(R10およびR16がN10とC11との間に二重結合を形成する場合)およびその医薬塩を包含する)と、これらを含む医薬組成物と、増殖性疾患を治療するための医薬の製造におけるそれらの使用とに関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

で示される化合物、ならびにその塩、溶媒和物、および化学的保護形。ただし、上記式中、
R6およびR9は、独立して、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR'、ニトロ、Me3Sn、およびハロから選択され;
RおよびR'は、独立して、場合により置換されていてもよい、C1〜12アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、およびC5〜20アリール基から選択され;
R7およびR8は、独立して、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR'、ニトロ、Me3Sn、およびハロから選択され、
またはこの化合物は、二量体(各単量体は式(I)で示される)であり、各単量体のR7基もしくはR8基は、一緒になって、式-X-R"-X-(ここで、R"は、1個以上のヘテロ原子が鎖中に介在していてもよいC3〜12アルキレン基および/もしくは芳香環であり、そして各Xは、独立して、O、S、もしくはNHから選択される)を有する二量体架橋を形成して該単量体を連結し;
あるいはR6〜R9の隣接基の任意の対は、一緒になって、-O-(CH2)p-O-基(ここで、pは、1または2である)を形成し;
R10は、カルバメート系窒素保護基であり;
R11は、酸素保護基であり;そして
R2は、活性脱離基である。
【請求項2】
R9がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R6が、H、OH、OR、SH、NH2、ニトロ、およびハロから選択される、請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R10がTrocである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
R11がシリル酸素保護基またはTHPである、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
R2がトリフレートである、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
R7およびR8が、独立して、H、OH、OR、SH、NH2、NHR、NRR'、およびハロから選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物が二量体(各単量体は式(I)で示される)であり、各単量体のR7基またはR8基が、一緒になって、式-O-(CH2)n-O-を有する二量体架橋を形成して該単量体を連結し、nが3〜12である、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
nが3〜7である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
置換基R8が連結して二量体架橋を形成する、請求項8または請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
式III:
【化2】

で示される化合物、ならびにその塩、溶媒和物、化学的保護形、およびプロドラッグ。ただし、上記式中、
R6およびR9は、独立して、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR'、ニトロ、Me3Sn、およびハロから選択され;
RおよびR'は、独立して、場合により置換されていてもよい、C1〜12アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、およびC5〜20アリール基から選択され;
R7およびR8は、独立して、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR'、ニトロ、Me3Sn、およびハロから選択され、
またはこの化合物は、二量体(各単量体は式(I)で示される)であり、各単量体のR7基もしくはR8基は、一緒になって、式-X-R"-X-(ここで、R"は、1個以上のヘテロ原子が鎖中に介在していてもよいC3〜12アルキレン基および/もしくは芳香環であり、そして各Xは、独立して、O、S、もしくはNHから選択される)を有する二量体架橋を形成して該単量体を連結し;
あるいはR6〜R9の隣接基の任意の対は、一緒になって、-O-(CH2)p-O-基(ここで、pは、1または2である)を形成し;
R10は、カルバメート系窒素保護基であり;かつ
R16は、いずれかのO-R11(ここで、R11は酸素保護基であるかもしくはO-R11はOHである)であり;または
R10およびR16は、一緒になって、N10とC11との間に二重結合を形成し;
R15は、Rであり;
さらに、
R7およびR8がOMeである場合、R6およびR9はHであり、R10およびR16が一緒になってN10とC11との間に二重結合を形成する場合、R15は、フェニル、4-メチルフェニル、2-メチルフェニル、4-エチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、4-メトキシフェニル、4-tert-ブチルフェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、2-ナフチル、2-チオフェニルのいずれでもない。
【請求項12】
R7およびR8がOMeであり、R6およびR9はHであり、かつR15がRであり、Rが、3-メトキシフェニル、4-ビフェニル、4-フェノキシフェニル、3,4-メチレンジオキシフェニル、trans-2-(4-メチルフェニル)ビニル、trans-プロペニル、4-ジメチルアミノフェニル、4-メチルチオフェニル、4-ビニルフェニル、3,4-ジクロロフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、4-イソプロピルフェニル、4-シアノフェニル、3-ピリジニル、4-ピリジニル、4-ホルミルフェニル、4-カルボキシルフェニル、2,6-ジメトキシフェニル、4-アセトアニリド、4-アミノフェニル、1-ナフチル、5-インドール、3-アミノフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、1-ピレニル、4-ヒドロキシフェニル、およびtrans-ヘキセニルから選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
R7およびR8がOMeであり、R6およびR9がHであり、かつR15がRであり、Rが、窒素環原子を有するC3〜20ヘテロシクリル基、窒素含有置換基を有するC5〜20アリール基、または窒素環原子もしくは窒素含有置換基を有するC5〜20ヘテロアリール基から選択される、請求項11または請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物が二量体(各単量体は式(I)で示される)であり、各単量体のR7基またはR8基が、一緒になって、式-O-(CH2)n-O-を有する二量体架橋を形成して該単量体を連結し、nが3〜12である、請求項11に記載の化合物。
【請求項15】
nが3〜7である、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
置換基R8が連結して二量体架橋を形成する、請求項14または請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
R15が、
(i)場合により置換されていてもよいC5〜20アリール基;
(ii)置換C2アルキル基;および
(iii)場合により置換されていてもよいC3〜7アルキル基;
から選択される、請求項14〜16のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
R10およびR16が、一緒になって、N10とC11との間に二重結合を形成する、請求項11〜17のいずれかに記載の化合物。
【請求項19】
R9がHである、請求項11〜18のいずれかに記載の化合物。
【請求項20】
R7およびR8が、独立して、H、OH、OR、SH、NH2、NHR、NRR'、およびハロから選択される、請求項11〜19のいずれかに記載の化合物。
【請求項21】
治療法に使用するための、請求項11〜20のいずれかに記載の化合物。
【請求項22】
請求項11〜20のいずれかに記載の化合物と製薬上許容される担体または希釈剤とを含有する医薬組成物。
【請求項23】
増殖性疾患を治療するための医薬の製造における、請求項11〜20のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項24】
治療を必要とする被験者に治療上有効な量の請求項11〜20のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、増殖性疾患の治療方法。
【請求項25】
式I:
【化3】

で示される化合物を式IIa:
【化4】

で示される化合物から合成する方法。ただし、上記式中、
R6およびR9は、独立して、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR'、ニトロ、Me3Sn、およびハロから選択され;
RおよびR'は、独立して、場合により置換されていてもよい、C1〜12アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、およびC5〜20アリール基から選択され;
R7およびR8は、独立して、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR'、ニトロ、Me3Sn、およびハロから選択され、
またはこの化合物は、二量体(各単量体は式(I)で示される)であり、各単量体のR7基もしくはR8基は、一緒になって、式-X-R"-X-(ここで、R"は、1個以上のヘテロ原子が鎖中に介在していてもよいC3〜12アルキレン基および/もしくは芳香環であり、そして各Xは、独立して、O、S、もしくはNHから選択される)を有する二量体架橋を形成して該単量体を連結し;
あるいはR6〜R9の隣接基の任意の対は、一緒になって、-O-(CH2)p-O-基(ここで、pは、1または2である)を形成し;
R10は、カルバメート系窒素保護基であり;
R11は、酸素保護基であり;
R2は、活性脱離基であり;そして
R12およびR13は、一緒になって、=Oを形成する。
【請求項26】
式IIaで示される化合物が式IIb:
【化5】

で示される化合物から合成され、式IIbで示される該化合物が、請求項25に定義されるR6、R7、R8、R9、R10、およびR11を有し、式IIbで示される該化合物に関して、
R12がO-R14であり、かつR13がHであり;そして
R14が、R11に対してオルトゴナルな酸素保護基である、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
式IIaで示される化合物が、Swern条件下で行われる酸化反応またはTRAP試薬もしくはDess Martin試薬が関与する方法を用いて合成される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
式Iで示される化合物中のR2が-OSO2CH3、-OSO2(CnF2n+1)(ここで、n=0、1、もしくは4)、または-OSO2RS(ここで、RSは場合により置換されていてもよいフェニル基である)である場合、式Iで示される該化合物が、適切なR2無水物による処理工程を用いることにより合成される、請求項25〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
式Iで示される化合物中のR2が-Iまたは-Brである場合、式Iで示される該化合物が、ヒドラジンとヨウ素または臭素とが関与する反応工程を用いることにより合成される、請求項25〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
式Iで示される化合物中のR2が-Clである場合、式Iで示される該化合物が、オキシ塩化リンが関与する反応工程を用いることにより合成される、請求項25〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
式III:
【化6】

で示される化合物を式I:
【化7】

で示される化合物から合成する方法。ただし、上記式中、
R6およびR9は、独立して、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR'、ニトロ、Me3Sn、およびハロから選択され;
RおよびR'は、独立して、場合により置換されていてもよい、C1〜12アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、およびC5〜20アリール基から選択され;
R7およびR8は、独立して、H、R、OH、OR、SH、SR、NH2、NHR、NRR'、ニトロ、Me3Sn、およびハロから選択され、
またはこの化合物は、二量体(各単量体は式(I)で示される)であり、各単量体のR7基もしくはR8基は、一緒になって、式-X-R"-X-(ここで、R"は、1個以上のヘテロ原子が鎖中に介在していてもよいC3〜12アルキレン基および/もしくは芳香環であり、そして各Xは、独立して、O、S、もしくはNHから選択される)を有する二量体架橋を形成して該単量体を連結し;
あるいはR6〜R9の隣接基の任意の対は、一緒になって、-O-(CH2)p-O-基(ここで、pは、1または2である)を形成し;
R10は、カルバメート系窒素保護基であり;
R2は、活性脱離基であり;
R16は、O-R11(ここで、R11は酸素保護基である)もしくはOHのいずれかであり、またはR10およびR16は、一緒になって、N10とC11との間に二重結合を形成し;そして
R15は、Rである。
【請求項32】
式IIIで示される前記化合物の合成がパラジウム触媒カップリング工程を使用する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記パラジウム触媒が、Pd(PPh3)4、Pd(OCOCH3)2、PdCl2、またはPd(dba)3である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記カップリング反応がマイクロ波条件下で行われる、請求項32または請求項33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記パラジウム触媒が固体担持型である、請求項32〜34のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2007−525535(P2007−525535A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501340(P2007−501340)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000768
【国際公開番号】WO2005/085251
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(505171975)スピロゲン リミティッド (8)
【Fターム(参考)】