説明

CO2スノー/結晶用ノズル

【課題】
本発明は、CO2スノー及び圧縮空気を所定の方向に噴出するためのノズル1に関する。
【解決手段】
該ノズル1の中央領域5には、CO2スノーからなるコアジェット2を超音速で生成できる第1排出口6が備えられる。中央領域5は、該第1排出口6の周りに配置された複数個の第2排出口8を備えた周辺領域7によって取り囲まれ、該第2排出口8は、空気、好ましくは圧縮空気からなり、コアジェット2を取り囲むマントルジェット3を、コアジェット2の流れより低速で生成するように構成される。マントルジェット3はコアジェット2と同じ方向に移動する。本発明はまた、コーティングすべき部品をCO2スノーで処理、特に、洗浄する方法に関する。該方法においては、コアジェット2が、200m/sより速い速度で、マントルジェット3とともに、部品上に所定の方向で噴出される。マントルジェット3は、コアジェット2より遅い速度で移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CO2スノー(CO2 Snow)用ノズルに関する。更に詳しくは、本発明は、特に部品洗浄用に、CO2スノーを所定の方向に噴出するためのノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
部品をコーティングする前には、通常、部品を洗浄して汚れを取り除いておく。CO2スノーまたは結晶をジェット流にし、洗浄剤として使用する方法は、以前にも考えられていた。
【0003】
DE19926119 C2には、マイクロシステム或いは精密工学部品を洗浄するための、CO2スノージェット生成用ジェット装置が開示されている。このジェット装置においては、毛細管の中でCO2スノーが作られ、超音速の支持ジェットと混合される。こうして作られたジェットは、CO2粒子を含み、マイクロチップなどのハードウェア洗浄用に用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この最先端のジェット装置を以てしても、コーティング装置中に置かれた部品を広範囲に洗浄することはできない。特に、毛細管を利用する方法では、CO2スノーの生成量が非常に少なく、このため、広範な産業上の用途に用いるには適していない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に鑑み、本発明は、CO2スノーと空気を用いて産業規模で洗浄を行うことのできるノズルを提供することを、目的の一つとする。本発明のもう一つの目的は、コーティングされる部品を、特に洗浄を目的として、CO2スノーで処理する方法を提供することにある。
【0006】
上記目的は、CO2スノー及び圧縮空気を所定の方向に噴出するためのノズルによって達成することができる。該ノズルの中央領域には、少なくとも、コアCO2スノージェットを超音速で生成できるように構成された第1排出口が1個備えられる。該ノズルの中央領域は、(好ましくは対称的に)第1排出口の周りに配置された複数個の第2排出口を備えた周辺領域によって取り囲まれ、該第2排出口は、空気、好ましくは圧縮空気からなり、コアジェット(core jet)を取り囲むマントルジェット(mantle jet)を、コアジェットの流れより低速で生成するように構成される。マントルジェットはコアジェットと同じ方向に移動する。このようなノズルにより、コアジェットを取り囲む空気または圧縮空気からなるマントルジェットを伴い、より一層広い表面領域を効果的に洗浄するのに十分な大きさを持った洗浄ジェットを作用領域に向けて噴射することのできる、CO2スノーからなるコアジェットを生成することができる。コアジェットの生成方法としては、CO2の気化によってCO2スノーが形成され、さらに、CO2ピストル内部の圧縮空気の作用によって、ノズルの外に出る時には高速のCO2と圧縮空気の混合ジェットとなっているようにして、コアジェットが生成されるのが好ましい。圧縮空気の代わりに、他の気体を使用してもよい。このようにして生成されたコアジェットは、CO2スノーと空気または圧縮空気との混合ジェットとなる。該コアジェットは、コアジェットを外の影響から遮蔽する純粋な空気からなるマントルジェットによって取り囲まれる。第2排出口は、第2排出口上に空気が吸い込まれ、第2排出口によって、コアジェットを取り囲むマントルジェットが生成されるように、形成されるのが特に好ましい。このマントルジェットは、ノズルから出てきたコアジェットによって第2排出口上の空気が引かれることによって、生成できる。このために周囲空気を使用することが、特に好ましい。つまり、第2排出口に外端部を設けることが好ましい。これにより、周囲空気がこれらのスリットを通して引かれ、加速されて、コアジェットの周りに均一に分布するようにするとよい。ベンチュリ管を取り付けることによって、この効果を更に増大させてもよい。さらに、ノズル出口を標的として周囲空気を供給することにより、ノズルの先に着氷するのを防ぐことができる。または、第2排出口の外端部に、圧縮空気を接続してもよい。以上のようにして、部品のコーティング段階の前に、移送装置によって、このノズルを備えたCO2ピストルを通過して短距離移動させられる部品の洗浄を、行うことが可能となる。
【0007】
本発明の更に他の効果的な実施形態として、圧縮空気からなるマントルジェットおよび/またはCO2スノーからなるコアジェットの温度を調節するための温度調節装置が備えられてもよい。特にマントルジェットの温度を調節することにより、コアジェットの形状に影響を与えることができる。マントルジェットの温度は、10℃未満が好ましく、4℃未満が特に好ましい。
【0008】
本発明の更に他の効果的な実施形態として、圧縮空気からなるマントルジェットおよび/またはCO2スノーからなるコアジェットの速度を設定するための調節装置が、好ましくは互いに独立に、備えられてもよい。マントルジェットの速度を設定することによっても、コアジェットの形状、ひいてはコアジェットの焦点と作用領域を変化させることができる。
【0009】
本発明の更に他の効果的な実施形態として、コアジェット用の第1排出口を、ラバルノズルとして形成してもよい。ラバルノズルを採用することにより、CO2スノーが、非常に高速に、特に好ましくは超音速に加速されて、ノズルから出ることが可能となる。このようにコアジェットを非常に高速にする一方で、コアジェットを取り囲む圧縮空気からなるマントルジェットによって、コアジェットへの破壊的影響を防ぐことにより、コアジェットを、洗浄すべき部品の作用領域上で使用することが、より長距離にわたって可能となる。これにより、切り抜かれた部品や、三次元的な物を洗浄することも可能となる。
【0010】
本発明の更に他の効果的な実施形態として、ノズル内の排出口の前の部分に、CO2スノー用供給手段と平行に設けられた、圧縮空気用の供給手段を備えてもよい。このような構成により、ノズル全体の高さを低くすることが可能となる。また、理想的には、この力がノズル内で吸収され、2つのジェットの排出方向にそろえられることが好ましい。
【0011】
上記目的はまた、本発明のノズルを少なくとも一つ取り付けるための、カルーセル(carrousel)によっても達成することができる。該カルーセルは、少なくとも一つのノズルが作用領域の上を回転しながら動くことができるように形成された、回転装置からなる。例えば、使用分野は異なるがやはり本出願人による実用新案DE 29814293 U1に記載されたように、カルーセルを使用することによって、特にアンダーカット部のある部品の洗浄でも、より一層効果的に実施することができる。そのようなカルーセルにおいては、回転装置が回転したときに、洗浄ジェットによって作用領域上の平面に円または楕円が描かれるように、少なくとも一つのノズルが回転台上に配置されることが好ましい。ノズルは、ジェットが空間内で単なる円筒ではなく回転装置の回転方向に沿った円錐曲線を描き、アンダーカット部も洗浄できるような角度に設定すると特に好ましい。各ノズルをこのように角度をつけて配置することにより、部品は、正面を洗浄されるだけではなく、アンダーカット領域の側方からも洗浄される。特に好ましい実施形態として、回転装置は、ノズルから出るジェットの反跳力によって駆動されてもよい。このようにすれば、回転装置用の追加の駆動装置を省略することができる。また、特別な形状を特に効果的に洗浄できるように、回転装置用の調節装置によって、回転装置に特別な速度或いは速度パターンを与えることも可能であり、また効果的である。特に好ましい実施形態として、複数個のノズル(特に好ましくは3個のノズル)を、カルーセルまたは回転装置上に設けるとよい。また、回転装置またはカルーセルを、加工される部品の搬送方向の横方向に繰り返し移動可能なように形成し、カルーセルまたは回転装置が、搬送方向、例えば部品が置かれるベルトコンベヤの方向と垂直または一定の角度で往復できるようにすると効果的である。このようにすると、全く完璧な作用領域を描くことができる。カルーセルの各ノズルの設定角度は、本実施形態では、異なっていることが好ましい。これにより、各ノズルの回転移動とカルーセル全体の横方向移動との組み合せで、広い作用領域を、隈なく均一に覆うことができる。
【0012】
上記目的はまた、コーティングされる部品を、CO2スノーで処理、特に、洗浄する方法によって達成される。該方法においては、CO2スノーからなるコアジェットが、200m/sより速い速度で、コアジェットを取り囲む、空気、好ましくは圧縮空気からなるマントルジェットとともに、部品上に所定の方向で噴出される。マントルジェットは、コアジェットより遅い速度で移動する。CO2スノーからなる高速のコアジェットを、圧縮空気からなるより低速のマントルジェットで更に取り囲むという方法により、コアジェットの境界が非常に良好に保たれ、長い距離にわたって、一定のコアジェットを部品上に当てることが可能となる。圧縮空気からなる、より低速のマントルジェットを組み合わせることによって、コアジェットの形状を変えるような破壊的影響が全て排除される。このようにして、長い距離にわたって一定のパラメータを持つ、CO2スノーからなる明確な境界を持つコアジェットを生成することができ、従って、大きなアンダーカット部を有する部品や、洗浄ノズルからの距離の異なる部品に対しても、コアジェットを、予測可能に当てることができる。
【0013】
本発明の更に他の効果的な方法として、マントルジェットの速度を、コアジェットの速度の80%未満、好ましくは75%未満、特に好ましくは50%未満にするとよい。驚くべきことに、マントルジェットは、コアジェットより明らかに遅い速度でも、破壊的影響に対して高い遮蔽効果を生じ、コアジェットの安定化に寄与することがわかった。このため、この場合もやはり、コアジェットは破壊の影響をあまり受けずに、部品上に作用することができる。
【0014】
本発明の更に他の効果的な方法として、コアジェットの速度に対するマントルジェットの速度の比を調節可能とするとよい。コアジェットの形状は、コアジェットの速度に対するマントルジェットの速度の比を選択することによって影響される。この方法によって、コアジェットのジェット形状を決めることができる。
【0015】
本発明の更に他の効果的な方法として、コアジェットの速度を、333m/sよりも速くするとよい。コアジェットの速度に超音速領域を採用することにより、特に高い洗浄効果を得ることができる。
【0016】
本発明の更に他の効果的な方法として、コアジェットの直径を、30mmにするとよい。30mmの直径は、特に好ましくは、ノズルの端から約80mm後方に生成され、更に200から300mmにわたってこの直径が一定に保たれるようにする。ジェット焦点の直径を変更するには、例えば、マントルジェットの速度の変更および/またはマントル流とコア流との間の温度勾配の選択を行えばよい。
【0017】
本発明の更に他の効果的な方法としては、マントルジェットの速度を変更することによって、コアジェットの形状を調節可能にするとよい。
【0018】
本発明の更に他の効果的な方法としては、マントルジェットの外径は、コアジェットの直径の約200〜250%にするとよい。
【0019】
本発明の更に他の効果的な方法としては、圧縮空気からなるマントルジェットの温度を、CO2スノーからなるコアジェットの温度より高温にするとよい。
【0020】
本発明の更に他の効果的な方法としては、このような処理を行った後に、部品にコーティングを行うとよい。
【0021】
効果的構成および更に追加の実施例を、添付図面に示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明のノズルを図2のA−A線に沿って切断した、A−A断面図を示している。ノズル1には、CO2スノーを移送するための中央移送領域が、矢印方向に設けられている。このダクトは、ノズル1の中央領域5内に位置する第1排出口6に向けて開口している。この中央領域5も、第1排出口6と同様に、円形である。これに隣接して、ノズル1の周辺領域7が、ノズル1の中央領域5を円形に取り囲むように配置されている。この周辺領域7には、圧縮空気を移送できるように、複数個のスリット状の第2排出口8が備えられている。圧縮空気用の供給管は、ノズル中央部に、CO2スノー用中央移送領域と平行に設けられている。
【0023】
動作を説明すると、CO2スノーは、図中の矢印の方向に移送され、図中にラバルノズルとして示された第1排出口6を通り、ノズルの中央領域5において、超音速でノズル1から出される。圧縮空気は、ノズル1の周辺領域7から、複数個のスリット8を通って移送され、こうして中央領域5から出るコアジェットの周りにマントルジェットが形成される。
【0024】
図2には、図1に示したノズル1の全体を模式的に示している。図2では、特に、ノズルの周辺領域7にあるスリット形の第2排出口8が、ノズルの中央領域5にある第1排出口6の周りに配置されているのを見ることができる。これらのスリット形排出口8によって、コアジェットを均一に取り囲むマントルジェットが生成され、これにより、CO2スノーのコアジェットを完全に取り囲み、外からの影響を遮断することができる。
【0025】
図3には、本発明のノズルの第2実施例を4つの視点から見た図が示されている。本実施例のノズルにおいても、周辺領域7はスリット形排出口8によって形成されているが、本実施例では、図1、図2のノズルの場合とは異なり、マントルジェット空気を形成するための排出口8の外端部は、直接周囲空気と接触するようになっている。この形式のノズルでは、マントルジェット用空気は、周囲空気からスリット形排出口8を通して吸い込まれ、第1排出口6から出るコアジェットによって引かれることになる。こうして、コアジェットの周りにマントルジェットが形成される。本実施例のノズル1は、ノズルの第1排出口6またはノズルの中央領域5の周りに星状に配置された8個のスリット形排出口8を備えることが好ましい。本実施例では、第1排出口6は、コアジェットの境を明確にするため、ラバルノズルを備えていることが好ましい。
【0026】
図4には、本発明のノズルの第3実施例を4つの視点から見た図が示されている。本実施例では、第2排出口8用のダクトを備えた構成を採用している。本実施例では、第2排出口8は、第1排出口6を対称に取り囲み、第1排出口6に向かって26度の角度で傾斜したダクトとして構成されている。この傾斜角度は、5度から40度の間であることが好ましく、特に、20度から30度の間であることが好ましい。本実施例では、8本のダクトが備えられていることが好ましい。特に好ましくは、単なるダクトの代わりに、ダクトまたはダクトと同等のものの間に、図3のノズルに示すようなスリットをさらに設けることができるとよい(図示せず)。
【0027】
図5には、噴出されるコアジェット2と、これを取り囲むマントルジェット3が、長さLにわたって模式的に示されている。CO2スノーと圧縮空気を混合したものが、コアジェット2として、中央の太い矢印の方向に、ノズル1から第1排出口6を通り超音速で出される。第2排出口8からは、コアジェット2より速度の遅い圧縮空気が出され、コアジェット2の周りにマントルジェット3が形成される。こうして、圧縮空気により、コアジェット2と平行なマントルジェット3が形成される。ノズルのヘッドから距離A(約80mmが好ましい)の所から、長さLにわたって、コアジェット2の直径が長い間一定に保たれながらコアジェット2がマントルジェット3に取り囲まれるような領域が形成される。マントルジェット3は、コアジェット2よりも速度が遅い。長さLは、好ましくは約200mmから500mmであり、特に好ましくは、約200mmから300mmである。
【0028】
コアジェット2に対するマントルジェット3の速度比を適宜選択することによっても、コアジェット2の温度に対するマントルジェット3の温度を適宜選択するのと全く同様に、コアジェット2の形状に変化を与えることができる。
【0029】
図6には、本発明のノズル1が3個取り付けられた、本発明のカルーセル(carrousel)20が示されている。
【0030】
回転用駆動モータは、駆動装置22からなり、駆動装置22の駆動力は、Vベルトを介して回転管24に伝達される。3個のノズル1.1〜1.3は、圧縮空気及び液体CO2用の回転式トランスミッションリードスルー(Rotary transmission leadthrough)と回転管24とを介して、圧縮空気及び液体CO2の供給を受けることができる。
【0031】
ノズル1.1〜1.3は、上部に圧縮空気用入口27とCO2用入口28を備えたCO2スノージェットピストル29からなる。ここでは、2つの入口は、調整弁とともに図示されている。ジェットの方向設定を再現できるように、目盛り付きのピストル台26が備えられている。
【0032】
回転管24、ひいてはカルーセル全体が、駆動装置22によって回転し、これにより、3個のノズル1.1〜1.3も、回転管24の回転軸を中心に回転する。ノズルから出るジェットを設定することにより、部品上の処理すべき領域が最適に覆われるように、ピストルケーシング26によってジェットの方向を、好ましい方向に設定することができる。回転速度は、駆動モータ22と回転管24との間に設けられたVベルトによって、駆動モータ22で直接調節する。基本速度だけが駆動モータによって設定され、それ以外の速度成分はノズルから出るジェットの反跳によって与えられるように組み合わせることも考えられる。特に好ましい実施形態として、例えば、カルーセル全体をさらに、矢印で示すように、部品の上を横方向に動かしたり、部品の方向に動かしたりしてもよい。カルーセルを回転させるのに加えて、例えば、部品の上を行き来するような横方向の動きおよび/または部品に対して近づいたり遠ざかったりするような動きを生じさせることにより、3個の回転洗浄ジェットを、より均一に、また全体的に、部品の処理領域に広がるように、部品に当てることができる。
【0033】
このようにして、本発明により、部品洗浄用にCO2スノーと圧縮空気を所定の方向に噴出するためのノズルおよびその方法を提供することができ、これにより、好ましくは、コーティング装置中に置かれた部品の前処理を目的として、一定の作用領域に対し、高レベルの洗浄性能を、産業規模で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のノズルの実施例の断面図である。
【図2】本発明のノズルの実施例の外観図である。
【図3】本発明のノズルの第2実施例を4つの視点から見た図である。
【図4】本発明のノズルの第3実施例を4つの視点から見た図である。
【図5】本発明のノズルから出たコアジェットおよびマントルジェットを模式的に表した図である。
【図6】本発明のカルーセルを、本発明のノズルとともに表した図である。
【符号の説明】
【0035】
1・・・ノズル 2・・・コアジェット
3・・・マントルジェット 5・・・ノズルの中央領域
6・・・第1排出口 7・・・ノズルの周辺領域
8・・・第2排出口 10・・・温度調節装置
12・・・速度調節装置 20・・・カルーセル
22・・・駆動装置 24・・・供給管用の回転管
25・・・回転式トランスミッションリードスルー
26・・・ピストルケーシング 27・・・圧縮空気入口
28・・・CO2入口 29・・・CO2スノージェットピストル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CO2スノーおよび圧縮空気を所定の方向に噴出するためのノズル(1)であって、
該ノズル(1)の中央領域(5)には、CO2スノーからなるコアジェット(2)を超音速で生成するように構成された第1排出口(6)が少なくとも1個備えられ、
該ノズル(1)の中央領域(5)は、前記コアジェット(2)を取り囲む該コアジェット(2)より低速の空気からなるマントルジェット(3)を生成するように構成された前記第1排出口(6)の周りに配置された複数個の第2排出口(8)を備えた周辺領域(7)で取り囲まれ、
前記マントルジェット(3)が前記コアジェット(2)と同じ方向に移動することを特徴とするノズル(1)。
【請求項2】
空気からなる前記マントルジェット(3)および/またはCO2スノーからなる前記コアジェット(2)の温度を調節するための温度調節装置(10)を備えたことを特徴とする、請求項1に記載のノズル(1)。
【請求項3】
空気からなる前記マントルジェット(3)および/またはCO2スノーからなる前記コアジェット(2)の速度を設定するための調節装置(12)を、特に互いに独立に、備えたことを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のノズル(1)。
【請求項4】
前記第1排出口(6)が、ラバルノズルとして形成されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のノズル(1)。
【請求項5】
前記空気用供給手段が、前記ノズル(1)内の前記第2排出口の前の部分に、CO2スノー用供給手段と平行に設けられることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のノズル(1)。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のノズル(1)を少なくとも一つ取り付けるための、少なくとも一つの該ノズルが作用領域の上で回転移動可能なように形成された回転装置からなるカルーセル。
【請求項7】
コーティングされる部品を、CO2スノーで処理、特に洗浄する方法であって、CO2スノーからなるコアジェット(2)が、該コアジェット(2)を取り囲む空気からなるマントルジェット(3)とともに200m/sより速い速度で部品上に所定の方向で噴出され、
該マントルジェット(3)が該コアジェット(2)より遅い速度で移動することを特徴とする方法。
【請求項8】
前記マントルジェット(3)の速度が、前記コアジェット(2)の速度の80%未満、好ましくは75%未満、特に好ましくは50%未満であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コアジェット(2)の速度に対する前記マントルジェット(3)の速度の比が調節可能であることを特徴とする、請求項7または8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記コアジェット(2)の速度が333m/sより速いことを特徴とする、請求項7乃至9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記コアジェット(2)の直径が30mmであることを特徴とする、請求項7乃至10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記マントルジェット(3)の外径が前記コアジェット(2)の直径の200%から250%であることを特徴とする、請求項7乃至11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記マントルジェット(3)の速度を変えることによって、前記コアジェット(2)の形状が調節されることを特徴とする、請求項7乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
空気からなる前記マントルジェット(3)の温度が、CO2スノーからなる前記コアジェット(2)の温度より高いことを特徴とする、請求項7乃至13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記処理後に部品のコーティングが行われることを特徴とする、請求項7乃至14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
請求項7乃至請求項15のいずれかに記載の方法を実施するための、請求項1乃至5のいずれかに記載のノズル(1)の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−514394(P2008−514394A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532847(P2007−532847)
【出願日】平成17年9月23日(2005.9.23)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010328
【国際公開番号】WO2006/034824
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(507096618)ヴェンヤーコップ マシネンバオ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】