説明

CRACチャネル阻害剤としてのピラゾールおよびトリアゾ−ルカルボキサミド

本発明は、式(I)のアミド化合物、それらを調製するための方法、これらの方法で使用可能な中間体、これらの化合物を含む医薬組成物、および治療におけるそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミド化合物、それらを調製するための方法、これらの方法で使用可能な中間体、これらの化合物を含む医薬組成物、および治療におけるそれらの使用に関する。さらに詳細には、本発明は、ピラゾールまたはトリアゾールアミド誘導体、ならびに多くの疾患、状態または障害、例えばアレルギー性疾患、炎症性疾患および免疫系の障害の治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カルシウム放出活性化カルシウム(CRAC)チャネルは、細胞内カルシウムストアの枯渇に反応して開かれるストア感受性チャネル(SOC)のサブセットであり、肥満細胞やT細胞などのある細胞中へのカルシウム流入の臨界点を表す。
【0003】
2つのタンパク質、すなわち小胞体に限局されたカルシウムセンサーであるSTIM1(間質相互作用分子1)、およびSTIM1によってゲートで制御されるCRACチャネルの孔サブユニットであるORAI1がCRACチャネル機能のための必須成分として特定されている。
【0004】
CRACチャネル電流の小分子阻害剤(以下、ICRAC阻害剤)は、当該技術分野で公知であり、それらの同定および治療可能性は、Derlerらによって記載されている(Expert Opin.Drug Discovery;2008;Vol.3(7)pp.787−800)。米国特許6958339号は、アレルギー性、炎症性、または自己免疫疾患の治療に有用であると考えられるカルシウム放出活性化カルシウムチャネル阻害活性を有すると考えられている一連のピラゾール誘導体を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許6958339号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Expert Opin.Drug Discovery;2008;Vol.3(7)pp.787−800
【発明の概要】
【0007】
化合物の一種は、カルシウム放出活性化カルシウムチャネル(ICRAC)阻害剤であることが判明している。
【0008】
本発明の第1の態様において、式(I)の化合物またはその塩、さらに詳細には、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩が提供される。
【化1】

【0009】
本発明の第2の態様において、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩、および1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0010】
本発明の第3の態様において、治療において、特にICRAC阻害剤が使用される疾患または状態の治療において使用される、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩が提供される。
【0011】
本発明の第4の態様において、それを必要とする対象においてICRAC阻害剤が使用される疾患または状態を治療する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む方法が提供される。
【0012】
本発明の第5の態様において、ICRAC阻害剤が使用される疾患または状態の治療用医薬の製造における式(I)の化合物、またはその製薬上許容される塩の使用が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
したがって、本発明の第1の態様において、式(I)の化合物またはその塩が提供される。
【化2】

【0014】
(式中
Xは、CHまたはNであり;
は、式(a)の基であり
【化3】

【0015】
(式中、
1aは、−(CH−R基であり
(nは0、1、または2であり;そして
は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキルまたはアリールである);
2aおよびR3aは、独立して、H、ハロゲンまたはCFである)
は、式(b)の基であり
【化4】

【0016】
(式中
AはCHまたはNであり;
1bは、H、ハロゲンまたはC1−6アルコキシである))。
【0017】
一実施形態において、XはCHである。
【0018】
一実施形態において、R1aは、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、またはハロゲン、C1−6アルキルもしくはC1−6アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基、例えば2もしくは3個(同一または異なっていてもよい)で場合によって置換されたフェニルである。
【0019】
さらなる実施形態において、R1aは、−(CH−R基(式中、nは1であり、RはC3−7シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチルもしくはシクロペンチル)であるか、あるいはハロゲン(例えばフルオロもしくはクロロ)、C1−6アルキル(例えばメチル)またはC1−6アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシもしくはプロポキシ)からなる群から選択される1以上の置換基(例えば、2もしくは3個の同一もしくは異なっていてもよいもの)により場合によって置換されたフェニルである)。
【0020】
一実施形態において、R2aおよびR3aはどちらもHである。さらなる実施形態において、R2aはクロロであり、R3aはHである。
【0021】
一実施形態において、AはCHである。
【0022】
一実施形態において、R1bは、H、フルオロ、クロロまたはメトキシである。
【0023】
さらなる実施形態において、Rは、式(b)の基であり、式中、AはCHであり、R1bはフルオロである。
【0024】
各変数の実施形態を各変数について別々に一般的に前述したが、本発明はその塩を含む前述の実施形態のあらゆる組み合わせを包含することが意図される。
【0025】
本発明の具体的な化合物としては、本明細書中に記載される実施例1〜61またはその塩、例えば以下のものからなる群から選択される化合物が挙げられる:
1−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−({5−クロロ−2−[(2−メチルプロピル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−({5−クロロ−2−[(3−メチルブチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−{[2−(ブチルオキシ)−5−クロロフェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−({5−クロロ−2−[(シクロプロピルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−[(5−クロロ−2−{[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−{[5−クロロ−2−(プロピルオキシ)フェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−({5−クロロ−2−[(シクロブチルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−({2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−({2−[(2−メチルプロピル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−({2−[(シクロブチルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−({2−[(2−メチルブチル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−({2−[(3−メチル−2−ブテン−1−イル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−{[5−クロロ−2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−({5−ブロモ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−N−(3,5−ジフルオロ−4−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−N−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
2−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
2−({2−[(シクロブチルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
2−({5−クロロ−2−[(2−メチルプロピル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
2−{[2−(ブチルオキシ)−5−クロロフェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−{[(4−メチルフェニル)メチル]オキシ}フェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−({[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−({[4−(エチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;および
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−({[3−(エチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
またはその塩。
【0026】
本明細書全体にわたって、特に明記しない限り:
・「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素から選択される基を記載するために用いられる;
・「C1−6アルキル」という用語は、単独で、または別の基の一部として用いられるかどうかにかかわらず、1〜6個の炭素原子を含む直線状または分枝状アルキル基を含む基を記載するために用いられ;そのような基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチルまたはヘキシルが挙げられる;
・「C2−6アルケニル」という用語は、2〜6個の炭素原子を含み、少なくとも1個の炭素炭素二重結合を有する直線状または分枝状アルキル基を記載するために用いられ;そのような基の例としては、エテニル、プロペニルおよびブテニルが挙げられる;
・「C3−7シクロアルキル」という用語は、少なくとも3個、最高で7個までの炭素原子を含む非芳香族炭素環を記載するのに用いられる。C3−7シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されるものではない;
・用語「C1−6アルコキシ」という用語は、酸素原子が分子の残りおよび前述のC1−6アルキル基と結合する基または基の一部を記載するのに用いられる;そのような基の例としては、メトキシ(エトキシ)プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシまたはヘキソキシが挙げられる;
・「アリール」という用語は、芳香族炭化水素環、例えばフェニルとナフチルを記載するために用いられる。そのようなアリール基は、ハロゲン、C1−6アルキルまたはC1−6アルコキシからなる群から選択される1以上の置換基(例えば2もしくは3個、同一または異なっていてもよい)により場合によって置換されていてもよい。
【0027】
本発明が、遊離塩基として、およびその塩としての式(I)の化合物に及ぶことはいうまでもない。医療におけるそれらの潜在的用途のために、式(I)の化合物の塩は、望ましくは製薬上許容される。好適な製薬上許容される塩は、酸または塩基付加塩を含み得る。本明細書中で用いられる場合、「製薬上許容される塩」という用語は、(化学量論または非化学両論的形態の)の式(I)の化合物の任意の製薬上許容される塩を意味する。適切な塩類の総説については、Berge et al., J. Pharm. Sci., 66:1−19,(1977)を参照。典型的には、製薬上許容される塩は、必要に応じて所望の酸または塩基を用いて容易に調製することができる。結果として得られる塩は、溶液から沈殿し、濾過によって集められることができるか、または溶媒の蒸発によって回収することができる。
【0028】
製薬上許容される酸付加塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸、安息香酸塩、サリチル酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩(例えば2−ナフタレンスルホン酸塩)またはヘキサン酸塩が挙げられる。
【0029】
一実施形態において、式(I)の化合物は、遊離塩基の形態である。
【0030】
本発明は、式(I)の化合物のすべてのプロドラッグを含み、これは受容者に投与されると、式(I)の化合物、またはその活性代謝物もしくは残基を(直接的または間接的に)提供ことができる。そのようなプロドラッグは、必要以上の実験をすることなく当業者に認識可能である。それでも、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery, 5th Edition, Vol 1:Principles and Practiceの教唆(かかる教唆の範囲について参照することによって本明細書中に組み込まれる)、およびRautio et al(Nature Reviews;2008;Vol.7,p255−270が参照される。
【0031】
多くの有機化合物は、有機化合物がその中で反応するかまたは有機化合物がそこから沈殿もしくは結晶化する溶媒と複合体を形成することができると理解される。これらの複合体は、「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は、「水和物」として知られている。水、キシレン、N−メチルピロリジノン、メタノールおよびエタノールなどの、高沸点を有する、および/または水素結合を形成することができる溶媒を用いて、溶媒和物を形成することができる。溶媒和物の同定法としては、NMRおよび微量分析が挙げられるが、これらに限定されるものではない。式(I)の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲内に含まれる。
【0032】
式(I)の化合物は、結晶またはアモルファス形態であってよい。さらに、式(I)の化合物の結晶形のいくつかは、多形体として存在することができ、これは本発明の範囲内に含まれる。式(I)の化合物の多形体形態は、これらに限定されるものではないが、X線粉末回折(XRPD)パターン、赤外線の(IR)スペクトル、ラマンスペクトル、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)および固体核磁気共鳴(SSNMR)をはじめとする多くの従来型分析技術を用いて特性化し、識別することができる。
【0033】
本明細書中で記載されるある化合物は、1以上のキラル原子を含み得るので、光学異性体、例えばエナンチオマーまたはジアステレオ異性体が形成され得る。したがって、本発明は、他の異性体が実質的にない(すなわち純粋)など、単離された個々の異性体として、または混合物(すなわちラセミ化合物およびラセミ混合物)としてのいずれであるかによらず、式(I)の化合物の異性体を包含する。他の異性体が実質的にない(すなわち純粋)などの単離された個々の異性体は、例えば10%未満、特に約1%未満、例えば約0.1%未満の他の異性体が存在するように単離することができる。
【0034】
更に、本発明は、他の異性体が実質的にない(すなわち純粋)など、単離された個々の異性体として、またはその混合物としてのいずれであるかによらず、(例えばRがC2−6アルケニルである場合)シスおよびトランス構造を含む式(I)の化合物の幾何異性体を包含すると理解される。したがって、例えば、本発明は、10%未満、例えば1%未満または0.1%未満の他の異性体が存在するように、実質的に他の異性体がない(すなわち純粋)など単離された個々の異性体を包含する。
【0035】
異性体の分離は、当業者に知られている従来の技術、例えば分別結晶、クロマトグラフィーまたはHPLCによって、実施することができる。
【0036】
式(I)のある化合物はいくつかの互変異性体として存在し得る。個々の互変異性体として、またはそれらの混合物としてのいずれであるかにかかわらず、本発明は、式(I)の化合物のすべての互変異性体を含むことが理解されよう。
【0037】
前述の記載事項から、式(I)の化合物およびその塩の溶媒和物、異性体および多形体形態は本発明の範囲内に含まれることは理解されるであろう。
【0038】
本発明の化合物を、標準化学を含む種々の方法によって作製ことができる。先に定義した変数はいずれも引き続き、特に明記しない限り先に定義された意味を有する。例示的な一般的合成法を以下で記載し、本発明の具体的な化合物を実施例で調製する。
【0039】
さらなる態様において、本発明は式(I)の化合物を調製するための方法であって、(a)、(b)、(c)および(d)から選択される方法を提供する:
(a)式(II)
【化5】

【0040】
(式中、RおよびXは式(I)で定義した通りである)の化合物またはその活性化誘導体と式(III)
−NH (III)
(式中、Rは式(I)で定義した通りである)の化合物との反応を含む方法;
(b)式(IV)
【化6】

【0041】
(式中、R、R2a、R3aおよびXは式(I)で定義した通りである)と式(V)
Hal−(CH−R (V)
(式中、pは1または2であり、Rは式(I)においてと同様でありHalはハロゲン原子である)の化合物との反応を含む方法;
(c)式(VI)
【化7】

【0042】
(式中、RおよびXは式(I)において定義した通りである)の化合物と式(VII)
【化8】

【0043】
(式中、Rは式(I)において定義した通りであり、Halはハロゲン原子である)の化合物との反応を含む方法;
(d)式(VIII)
【化9】

【0044】
(式中、R、R2a、R3aおよびXは式(I)で定義した通りである)の化合物と式(IX)
HO−R (IX)
(式中、Rはアリールである)の化合物と反応させることを含む方法;
【0045】
方法(a)
反応は、典型的には、例えば塩化チオニルで処理することによって対応する酸から調製される酸塩化物などの式(II)の化合物の活性化誘導体を用いて実施する。式(II)の活性化化合物と式(III)の化合物との間の反応は、典型的には、不活性有機溶剤、例えばテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルムもしくはジクロロメタンまたは混合有機/水性系中、周囲温度または高温にて、場合によって好適な塩基、たとえば有機塩基(例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルアミン)、アルカリ金属炭酸塩(例えば炭酸カリウム)またはアルカリ金属炭酸水素塩(例えば炭酸水素ナトリウム)の存在下で実施される。
【0046】
式(II)の化合物は、以下に示す代表的なスキームによって調製することができる。
【化10】

【0047】
式(II)の他の化合物および式(III)の化合物は、本明細書中で記載される方法によって、類似の方法によって調製すれることができるか、または商業的供給源から得ることができる。
【0048】
方法(b)
式(V)の化合物について、好適なHal基は、臭素またはヨウ素である。
【0049】
式(IV)および(V)の化合物間の反応は、ジメチルホルムアミドなどの不活性有機溶剤中、周囲温度または高温で、場合によって炭酸カリウムもしくはセシウムなどの好適な塩基または水素化ナトリウムなどの強塩基の存在下で実施することができる。
【0050】
例えば、式(IV)の化合物は、木炭上パラジウム上で標準的方法を用いた式(I)の化合物(式中、R1aはベンジルである)の水素化分解によって調製することができる。
【0051】
式(IV)の他の化合物および式(V)の化合物は、本明細書中で記載される方法によって、またはそれに類似した方法によって調製することができるか、または商業的供給源から得ることができる。
【0052】
方法(c)
式(VII)の化合物について、好適なHal基は、臭素またはヨウ素である。
【0053】
式(VI)および(VII)の化合物間のアルキル化反応は、ジメチルホルムアミドなどの不活性有機溶剤中、周囲温度または高温で、場合によって炭酸カリウムまたはセシウムなどの好適な塩基またはナトリウムtertブトキシドなどの強塩基の存在下で実施することができる。
【0054】
式(IV)および(V)の化合物は、本明細書中で記載される方法によって、もしくはそれに類似した方法によって調製されるか、または商業的供給源から得ることができる。
【0055】
方法(d
式(VIII)および(IX)の化合物の間の反応は、ジメチルスルホキシドなどの有機溶剤中、好適な銅触媒、たとえば臭化銅(I)、好適な塩基、例えば炭酸カリウムまたはセシウム、ならびにトルエン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびジメチルスルホキシドをはじめとする種々の溶媒中エチル−2−シクロヘキサノンカルボキシレートなどのリガンドの存在下で、60〜160℃の範囲の温度、さらに典型的には110℃にて実施される。
【0056】
式(VIII)および(IX)の化合物は、本明細書中で記載される方法、もしくはそれに類似した方法によって調製されるか、または商業的な供給源から得ることができる。
【0057】
前述の経路(a)〜(d)のいずれかにおいて、さまざまな基および部分が分子中に導入される合成ステップの正確な順序は変わり得ることは理解されるであろう。方法の一段階で導入される基または部分がその後の変換および反応により影響を受けないことを確実にすること、およびそれに応じて合成ステップの順序を選択することは、当業者の技術範囲内であろう。数例において、1以上の基または部分間の反応を防止するために保護基を使用することが適切であり得る。そのような手順は当業者には周知である(“Protective groups in organic synthesis” by T.W. Greene and P.G.M. Wuts(John Wiley & sons 1999)または “Protecting Groups” by P.J. Kocienski(Georg Thieme Verlag 1994)を参照)。
【0058】
本明細書中で記載される新しい中間体は、本発明の別の態様を形成することが更に認められるであろう。
【0059】
式(I)の化合物およびその塩は、カルシウム放出活性化カルシウムチャネル阻害剤であり、したがって、そのような化合物が使用される疾患または状態、特に炎症性および/またはアレルギー性疾患において潜在的に有用であると考えられている。
【0060】
本発明は、したがって、治療において用いられる式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を提供する。
【0061】
したがって、本発明は、ICRAC阻害剤が使用される疾患または状態の治療において用いられる、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を提供する。
【0062】
ICRAC阻害剤が使用される疾患または状態の治療用医薬の製造における式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩の使用も提供する。
【0063】
それを必要とする対象においてICRAC阻害剤が使用される疾患または状態を治療する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む方法も提供する。
【0064】
好適には、それを必要とする対象は、哺乳類、例えばヒトである。
【0065】
本明細書中で用いられる場合、「有効量」という用語は、例えば、研究者または臨床医によって調査されている組織、系、哺乳類またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する薬剤または医薬品の量を意味する。さらに、「治療有効量」という用語は、そのような量を投与されなかった対応する対象と比較すると、疾患、障害または副作用の改善された治療、治癒、予防、もしくは改善、または疾患もしくは障害の進行速度の低下をもたらす任意の量を意味する。この用語は、正常な生理学的機能を増強するために有効な量をその範囲内に含む。
【0066】
カルシウム放出活性化カルシウムチャネル阻害剤(すなわちICRAC阻害剤)は、ヒトなどの哺乳類における種々の疾患、状態または障害の治療および/または予防で使用されると考えられる。これらには、アレルギー性疾患、炎症性疾患、免疫系の障害および抗血小板物質または抗血栓活性が有用な状態が含まれる。
【0067】
アレルギー性疾患の例としては:鼻炎(例えばアレルギー性鼻炎)、副鼻腔炎、鼻副鼻腔炎、慢性または再発性中耳炎、薬物反応、昆虫刺傷反応、ラテックスアレルギー、結膜炎、じんま疹、アナフィラキシーおよびアナフィラキシー様反応、アトピー性皮膚炎および食物アレルギーが挙げられる。
【0068】
炎症性疾患の例としては:炎症性肺疾患(例えば喘息、急性呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、気管支拡張症および嚢胞性線維症);関節の慢性炎症性疾患(例えば関節炎、関節リウマチ、骨関節炎および増加した骨吸収を伴う骨疾患);炎症性腸疾患(例えばバレット食道、回腸炎、潰瘍性大腸炎およびクローン病);眼の炎症性疾患(例えば角膜ジストロフィ、トラコーマ、ブドウ膜炎、交感性眼炎および眼内炎);腎臓の炎症性疾患(例えば糸球体腎炎、ネフローゼ、腎炎症候群およびIgA腎症);皮膚の炎症性疾患(例えば乾癬および湿疹);中枢神経系の炎症性疾患(例えば神経系の慢性脱髄疾患、多発性硬化症、AIDS関連神経変性およびアルツハイマー病、感染性髄膜炎、脳脊髄炎、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症ならびにウイルス性または自己免疫脳炎);心臓の炎症性疾患(例えば心筋炎および心筋症、虚血性心疾患ならびにアテローム性動脈硬化症);重要な炎症性成分を有する他の疾患、例えば結核;ハンセン病;移植片の拒絶;子癇前症;慢性肝不全;脳および脊髄外傷ならびに癌;ならびに身体の全身性炎症が存在し得る状態(例えば敗血症性ショック、出血性もしくは過敏症ショックまたは癌化学療法によって誘発されるショック)が挙げられる。
【0069】
免疫系の障害の例としては:中枢および末梢神経系の自己免疫疾患(例えば多発性硬化症、重症筋無力症、イートン・ランバート筋無力症症候群);自己免疫ニューロパシー(neurophathies)(ギラン−バレーなど);眼の自己免疫疾患(例えば自己免疫ブドウ膜炎);血液の自己免疫疾患(例えば自己免疫溶血性貧血、悪性貧血、および自己免疫血小板減少、例えば特発性血小板減少性紫斑病));血管系の自己免疫疾患(例えば側頭動脈炎、抗リン脂質抗体症候群、脈管炎、例えばヴェゲナー肉芽腫症およびベーチェット病);皮膚の自己免疫疾患(例えば円形脱毛、乾癬、疱疹状皮膚炎、尋常天疱瘡、水疱性類天疱瘡および白斑);胃腸管の自己免疫疾患(例えば小児脂肪便症、クローン病、潰瘍性大腸炎、原発性胆汁性肝硬変症および自己免疫肝炎);内分泌腺の自己免疫不全(例えば1型真性糖尿病、自己免疫甲状腺炎、バセドウ病、橋本病、自己免疫性卵巣炎と精巣炎);副腎の自己免疫不全(例えばアジソン病);ならびに多系統自己免疫疾患(multi system autoimmune diseases)、例えば結合組織および筋骨格系疾患(例えば関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発筋炎、皮膚筋炎)、脊椎関節症(例えば強直性脊椎炎および乾癬性関節炎)が挙げられる。
【0070】
抗血小板または抗血栓活性が治療および/または予防に役立つ状態の例としては:虚血性心疾患、心筋梗塞、脳血管発作(脳卒中)ならびに血管血栓症(静脈、動脈性および心臓内)が挙げられる。
【0071】
本発明の化合物によって治療することができる更なる疾患または状態としては、肥満細胞および好塩基球が病状に寄与する状態、例えば肥満細胞白血病、肥満細胞症、子宮内膜症および好塩基性白血病が挙げられる。
【0072】
「ICRACが使用される疾患または状態」という用語は、前記疾患状態のそれぞれまたはすべてを包含することが意図される。
【0073】
ICRAC抑制活性を有する式(I)の化合物は、肥満細胞脱顆粒および/またはT細胞活性化を阻害し得ると考えられる。そのような活性を有している化合物は、多くの疾患および状態、例えば喘息および鼻炎の治療に特に好適であり得る。
【0074】
一実施形態において、ICRAC阻害剤が使用される疾患または状態は、喘息である。
【0075】
更なる実施形態において、ICRAC阻害剤が使用される疾患または状態は、鼻炎である。
【0076】
治療において式(I)の化合物ならびにその製薬上許容される塩を原料化学物質として投与することができるが、1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む好適な組成物に処方するのが典型的である。そのような組成物は、標準的手順を使いて調製することができる。
【0077】
したがって、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩および1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0078】
したがって、ICRAC阻害剤が使用される疾患または状態を治療するための、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
【0079】
好適には周囲温度、大気圧での混合によって調製することができる、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含む組成物は、局所投与(経皮、吸入、鼻腔内もしくは眼投与を包含する)、腸内投与(経口もしくは直腸投与を包含する)または非経口投与(例えば注射または注入による)に好適であり得る。局所投与に好適であり、鼻腔内投与に特に好適な、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物が興味深い。
【0080】
一般的に、組成物は、投与経路によって必要とされるように溶液または懸濁液(水性もしくは非水性)、錠剤、カプセル、経口液体製剤、粉末、顆粒、ロゼンジ、ローション、クリーム、軟膏、ゲル、フォーム、再構成可能な粉末または坐剤の形であり得る。
【0081】
一般的に、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含む組成物は、投与経路によって、約0.1%〜99%(w/w)、例えば約10〜60%(w/w)(組成物の全重量に基づく)の式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含み得る。前述の疾患の治療で使用される化合物の用量は、疾患の重篤度、患者の体重、および他の類似の因子で通常どおりに変化するであろう。しかし、一般的な指針として、好適な単位用量は、約0.05〜1000mg、例えば約0.05〜200mgであり得、そのような単位用量を、1日につき2回以上、例えば1日2もしくは3回または必要に応じて投与することができる。そのような治療は、数週間または数ヶ月におよぶ可能性がある。
【0082】
ICRAC阻害剤が使用される疾患または状態を治療するための医薬組成物であって、式(I)の化合物もしくはそのプロドラッグ、またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物がさらに提供される。一実施形態において、アレルギー性疾患(例えば鼻炎)または炎症性疾患(例えば喘息)の治療のための、式(I)の化合物もしくはそのプロドラッグまたはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物が提供される。
【0083】
したがって、0.05〜1000mgの式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩ならびに0.1〜2gの1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤および/または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0084】
局所組成物中の式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩の割合は、調製される組成物の正確な種類および特定の投与経路に依存するが、一般的には、組成物の全重量に基づいて、0.001〜10%(w/w)の範囲内である。しかし一般的に、製剤のほとんどの種類について、使用される割合は、組成物の全重量に基づいて、約0.005〜1%(w/w)、例えば約0.01〜1%(w/w)、例えば約0.01〜0.5%(w/w)の範囲内である。しかし、吸入用の粉末において、使用される割合は、一般的に組成物の全重量に基づいて、約0.1〜5%(w/w)の範囲内である。
【0085】
一般に、鼻腔内または吸入投与に適した組成物は、場合によって1種以上の製薬上許容される担体および/または賦形剤、例えば水性もしくは非水性ビヒクル、増粘剤、等張性調節剤、抗酸化剤および/または防腐剤を含むエアゾール、溶液、懸濁液、点滴薬、ゲルまたは乾燥粉末として都合よく処方することができる。
【0086】
鼻腔内または吸入投与に適した医薬組成物について、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩は、典型的には粒径を縮小した形態であり得、従来技術、例えば、微粒子化および粉砕によって調製することができる。一般的に、粒径を縮小した(例えば、微粒子化された)式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩は、約0.5〜10ミクロン、例えば約2〜4ミクロンのD50値(例えば、レーザー回折を使用して測定)によって規定され得る。
【0087】
一態様において、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物は、鼻腔内投与に適している。式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含む鼻腔内組成物は、化合物が鼻腔のすべての領域(標的組織)に送達されることを可能にし、更に化合物がより長い期間、標的組織と接触した状態でいることを可能にする。鼻腔内組成物に適した投薬レジメは、鼻腔を清浄化した後に患者が鼻からゆっくりと吸い込むことである。吸入中、組成物を一方の鼻孔に投与し、その間、もう一方の鼻孔を手で押さえる。この手順を次いでもう一方の鼻孔について繰り返す。典型的には、前記手順によって1日2または3回まで、理想的には1日1回、鼻孔あたり1、2回のスプレーを投与する。1日1回の投与に適した鼻腔内組成物が特に興味深い。
【0088】
鼻腔内組成物は、所望により1種以上の懸濁剤、1種以上の防腐剤、1種以上の湿潤剤および/または1種以上の等張性調節剤を場合によって含むことができる。鼻腔内投与に適した組成物は、他の賦形剤、例えば抗酸化剤(例えばメタ重亜硫酸ナトリウム)、味覚マスキング剤(例えばメントール)および甘味料(例えばデキストロース、グリセロール、サッカリンおよび/またはソルビトール)を場合によって更に含むことができる。
【0089】
懸濁剤は、もし含まれるならば、組成物の全重量に基づいて、典型的には約0.1〜5%(w/w)、例えば約1.5%〜2.4%(w/w))の量で鼻腔内組成物中に存在する。懸濁剤の例としては、Avicel(登録商標)、カルボキシメチルセルロース、ビーガム(veegum)、トラガカント、ベントナイト、メチルセルロースおよびポリエチレングリコール、例えば微結晶性セルロースまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。必要に応じて、懸濁剤を、吸入、眼および経口投与に適した組成物中に含めることもできる。
【0090】
安定性のために、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含む鼻腔内組成物は、防腐剤を含めることよって、微生物または菌類の汚染および増殖から保護することができる。製薬上許容される抗菌剤または防腐剤の例としては、第四アンモニウム化合物(例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミドおよび塩化セチルピリジニウム)、水銀剤(例えば硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀およびチメロサール)、アルコール剤(例えばクロロブタノール、フェニルエチルアルコールおよびベンジルアルコール)、抗菌エステル(例えばパラヒドロキシ安息香酸のエステル)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)二ナトリウムなどのキレート化剤、ならびにクロルヘキシジン、クロロクレゾール、ソルビン酸およびその塩(例えばソルビン酸カリウム)ならびにポリミキシンなどの他の抗菌剤を挙げることができる。製薬上許容される抗真菌剤または防腐剤の例としては、安息香酸ナトリウムを挙げることができる。防腐剤は、もし含まれるならば、組成物の全重量に基づいて、約0.001〜1%(w/w)、例えば約0.015%(w/w))の量で存在し得る。必要に応じて、防腐剤を他の投与経路に適した組成物中に含めることができる。
【0091】
懸濁された薬物を含む組成物は、組成物の水性相中にその分散を促進するために薬物の粒子を濡らす働きをする製薬上許容される湿潤剤を含むことができる。典型的には、使用される湿潤剤の量は、混合中に分散液の発泡を引き起こさない。湿潤剤の例としては、脂肪アルコール、エステルおよびエーテル、例えばポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)が挙げられる湿潤剤は、組成物の全重量に基づいて、約0.001〜0.05%(w/w)、例えば約0.025%(w/w))の量で鼻腔内組成物中に存在し得る。湿潤剤は、必要に応じて、他の投与経路、例えば、吸入および/または眼投与に適した組成物中に含めることができる。
【0092】
等張性調節剤は、鼻腔の液体などの体液との等張性を達成し、その結果、刺激のレベルを低下させるために含めることができる。等張性調節剤の例としては、塩化ナトリウム、デキストロース、キシリトールおよび塩化カルシウムが挙げられる。等張性調節剤は、組成物の全重量に基づいて、約0.1〜10%(w/w)の量、例えば5.0%(w/w)で鼻腔内組成物中に含まれ得る。等張性調節剤は、必要に応じて、他の投与経路に適した組成物中、例えば、吸入、眼、経口液体および非経口的投与に適した組成物中にも含まれ得る。
【0093】
さらに、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含む鼻腔内組成物は、好適な緩衝剤、例えばクエン酸ナトリウム、クエン酸、リン酸二ナトリウム(例えば12水和物、7水化物、2水和物および無水形態)またはリン酸ナトリウムなどのリン酸塩ならびにそれらの混合物の添加によって緩衝され得る。緩衝剤は、必要に応じて他の投与経路に適した組成物中に含めることもできる。
【0094】
例えば、鼻炎の治療のために鼻または肺に局所的投与される組成物としては、加圧ポンプによって鼻腔に送達される加圧エアゾール組成物および水性組成物が挙げられる。非加圧で、鼻腔に局所投与に適した組成物が特に興味深い。好適な組成物は、この目的のための希釈剤または担体として水を含む。肺または鼻への投与のための水性組成物は、緩衝剤、張性修飾剤などの従来の賦形剤を含む場合もある。水性組成物は、噴霧化によって鼻に投与することもできる。
【0095】
流体ディスペンサは、典型的には、鼻腔に流体組成物を送達するために使用することができる。流体組成物は水性または非水性であり得るが、典型的には水性であり得る。そのような流体ディスペンサは、分配ノズルまたは分配開口部を有し得、流体ディスペンサのポンプ機構にユーザーが力を加えると、それを通して計量された量の流体組成物が分配される。そのような流体ディスペンサは、一般的に複数の計量された量の流体組成物のリザーバーを備え、ポンプを連続して作動させると用量を分配することができる。分配ノズルまたは開口部は、鼻腔中へ流体組成物を噴霧分配するために、ユーザーの鼻孔中へ挿入するための構成にすることができる。前記種類の流体ディスペンサは、その全内容が本明細書中で参照することによって本明細書中に組み込まれるWO05/044354で記載され例示されている。ディスペンサは、流体組成物を入れるための容器に取り付けられた圧縮ポンプを有する流体排出装置を収容するハウジングを有する。ハウジングは、少なくとも1つの指で操作可能なサイドレバーを有し、これは、ハウジングに関して内側に移動可能であって、ハウジング中で容器をカム運動により上方に動かして、ポンプを加圧し、計量された量の組成物をポンプによってポンプ基部からハウジングの鼻ノズルを通って外へ送り出す。一実施形態において、流体ディスペンサは、WO05/044354の図30〜40に図示される一般的種類のものである。
【0096】
一態様において、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含む鼻腔内組成物が提供される。別の態様において、そのような鼻腔内組成物は塩化ベンザルコニウムを含まない。
【0097】
吸入投与は、例えばエアゾールまたは乾燥粉末組成物による肺への局所投与を含む。
【0098】
吸入投与に適したエアゾール組成物は、化合物の製薬上許容される水性または非水性溶媒中溶液または微細懸濁液を含み得る。吸入に適したエアゾール組成物は、懸濁液または溶液のいずれかであり得、一般的に式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩および好適なプロペラント、たとえばフルオロカーボンもしくは水素含有クロロフルオロカーボンまたはそれらの混合物、たとえばヒドロフルオロアルカン、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンまたはそれらの混合物を含み得る。エアゾール組成物は、当該技術分野で周知のさらなる賦形剤、例えば界面活性剤または共溶媒を場合によって含むことができる。界面活性剤の例としては、これらに限定されるものではないが、オレイン酸、レシチン、オリゴ乳酸または誘導体、たとえばWO94/21229およびWO98/34596で記載されるものが挙げられる。共溶媒の例にはエタノールが含まれるが、これに限定されるものではない。エアゾール組成物は、霧化装置または吸入器と併用するためのカートリッジまたはリフィルの形態をとってもよい密封容器中無菌形態中で単回または複数回投与量で提供することがでる。別法として、密封容器は、容器の内容物を使い切ったら捨てられる、単回投与鼻吸入器または計量バルブを取り付けたエアゾールディスペンサ(定量吸入器)などの一体型分配装置であってよい。
【0099】
乾燥粉末の吸入可能な組成物は、例えば、例えば吸入器もしくは注入器中で使用するための、ゼラチンのカプセルおよびカートリッジ、または積層アルミホイルのブリスターの形態にすることができる。そのような組成物は、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩および適切な粉末基剤、例えばラクトースまたは澱粉の粉末混合物を含むよう処方することができる。
【0100】
場合によって、乾燥粉末の吸入可能な組成物に関して、吸入投与に適した組成物は、好適な吸入装置内部にストリップまたはリボンで縦方向に取り付けられた複数の密閉された用量容器(例えば、乾燥粉末組成物を含む)に組み入れることができる。容器は、要求に応じて破ることができるかまたは剥がして開けることができ、例えば乾燥粉末組成物の用量は、GlaxoSmithKlineによって市販されるDISKUS(商標)装置などの装置により吸入することによって投与することができる。DISKUS(商標)吸入装置は、例えばGB2242134Aで記載され、そのような装置においては、粉末の形態の組成物用の少なくとも1つの容器(この容器は、例えば、ストリップまたはリボンで縦方向に取り付けられた複数の密封用量容器であり得る)は、互いに剥離可能に固定された2つの部材間に規定され;この装置は:前記容器の開封ステーションを規定する手段;開封ステーションで部材を剥がして容器を開封するための手段;そして、開封された容器に連通するアウトレットであって、これを通してユーザーは開封された容器から粉末形態の組成物を吸入することができるアウトレットを含む。
【0101】
エアゾール組成物は、典型的には、エアゾールのそれぞれの計量された量または「パフ」が、約20μg〜2000μg、特に約20μg〜500μgの式(I)の化合物のまたはその製薬上許容される塩を含むように配置される。投与は1日1回または1日数回、例えば2、3、4または8回であってよく、例えば各回1、2または3用量を投与する。エアゾールを用いた全体的な1日量は、約100μg〜10mgの範囲内、例えば約200μg〜2000μgであろう。全体的な1日量および吸入器または注入器中のカプセルおよびカートリッジによって送達される計量された量は、一般的に、エアゾール組成物に関する量の2倍である。
【0102】
別の態様において、経皮投与に適した、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物が提供される。患部、例えば皮膚に1日当たり1回以上の塗布によって塗布される経皮組成物は、例えば、軟膏、クリーム、エマルジョン、ローション、フォーム、スプレー、水性ゲルまたはマイクロエマルジョンの形であってよい。そのような組成物は、場合によって1種以上の可溶化剤、皮膚透過増強剤、界面活性剤、芳香剤、防腐剤または乳化剤を含んでもよい。
【0103】
軟膏、クリームおよびゲルは、例えば、好適な増粘剤および/またはゲル化剤および/または溶媒を添加した水性または油性基剤を配合することができる。したがって、そのような基剤としては、例えば水および/または流動パラフィンまたは落花生油もしくはヒマシ油などの植物油などの油、あるいはポリエチレングリコールなどの溶媒を挙げることができる。基剤の性質に応じて使用することができる増粘剤およびゲル化剤としては、軟パラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、羊毛脂、ミツロウ、カルボキシポリメチレンならびにセルロース誘導体および/またはグリセリルモノステアレートおよび/または非イオン性乳化剤が挙げられる。ローションは水性または油性基剤を配合することができ、一般的に、1種以上の乳化剤、安定剤、分散助剤、懸濁剤または増粘剤も含む。
【0104】
別の態様において、眼投与に適切した、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物が提供される。そのような組成物は、1種以上の懸濁剤、1種以上の防腐剤、1種以上の湿潤剤/潤滑剤および/または1種以上の等張性調節剤を場合によって含んでもよい。眼用湿潤剤/潤滑剤の例としては、セルロース誘導体、デキストラン70、ゼラチン、液体ポリオール、ポリビニルアルコールおよびポビドン、例えばセルロース誘導体およびポリオールを挙げることができる。
【0105】
別の態様において、経口投与に適した、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物が提供される。経口投与用錠剤およびカプセル剤は、単位投与形態であってよく、通常の賦形剤、例えば結合剤、フィラー、錠剤化用潤滑剤、崩壊剤および許容される湿潤剤を含むことができる。錠剤は、通常の薬務で周知の方法によってコーティングすることができる。
【0106】
経口液体製剤は、例えば、水性もしくは油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であり得るか、あるいは使用前に水または他の好適なビヒクルで再構成される乾燥製品の形態であってもよい。そのような液体製剤は、通常の添加剤、例えば懸濁剤、乳化剤、非水性ビヒクル(食用油を含み得る)、防腐剤、および必要に応じて、通常の香味料または着色剤を含んでもよい。
【0107】
別の態様において、非経口投与に適した、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含む医薬組成物が提供される。非経口投与に適した流体単位投与の形態は、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩および水性もしくは油性であり得る無菌のビヒクルを利用して調製することができる。化合物は、使用されるビヒクルおよび濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁することができるかまたは溶解することができるかのいずれかである。溶液を調製する際に、化合物を、注射用に溶解させ、濾過滅菌した後に、好適なバイアルまたはアンプル中に充填し、密封することができる。場合によって、局部麻酔薬、防腐剤および緩衝薬などのアジュバントをビヒクル中に溶解させることができる。安定性を増強するために、組成物をバイアル中に充填した後に凍結し、真空下で水を除去することができる。凍結乾燥された非経口組成物は、投与直前に好適な溶媒で再構成することができる。非経口懸濁液は、化合物をビヒクル中に溶解する代わりに懸濁させ、そして、滅菌を濾過によって行うことができない以外は、実質的に同様にして調製することができる。化合物は、無菌ビヒクル中に懸濁する前にエチレンオキシドへ暴露することよって殺菌することができる。化合物の均一な分布を促進するために、界面活性剤または湿潤剤を組成物に含めることができる。
【0108】
本発明の化合物および医薬組成物は、例えば抗炎症薬、抗コリン作用薬(特にM/M/M受容体拮抗剤)、β−アドレナリン受容体アゴニスト、抗感染薬、例えば抗生物質もしくは抗ウイルス薬、または抗ヒスタミン剤から選択される1種以上の他の治療薬と併用することができるかまたは含むことができる。したがって、発明は、更なる態様において、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を、例えば抗炎症薬、例えばコルチコステロイドもしくはNSAID、抗コリン作用薬、β−アドレナリン受容体アゴニスト、抗感染薬、例えば抗生物質もしくは抗ウイルス薬、または抗ヒスタミン剤から選択される1種以上の他の治療的に活性な薬剤と共に含む組み合わせを提供する。本発明の一実施形態は、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を、β−アドレナリン受容体アゴニスト、および/または抗コリン薬、および/またはPDE−4阻害剤、および/または抗ヒスタミン剤と併せて含む組み合わせを包含する。
【0109】
本発明の一実施形態は、1または2の他の治療薬を含む組み合わせを包含する。
【0110】
必要に応じて、他の治療成分を、塩の形態で、例えばアルカリ金属もしくはアミン塩または酸付加塩として、またはプロドラッグ、またはエステル、たとえば低級アルキルエステルとして、または溶媒和物、たとえば水和物として使用して、治療成分の活性および/または安定性および/または物理的特性、たとえば溶解性を最適化することができることは当業者には明らかであろう。必要に応じて、治療成分を光学的に純粋な形態で使用できることも明らかであろう。
【0111】
したがって、本発明は別の態様において、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩をβ−アドレナリン受容体アゴニストと共に含む組み合わせを提供する。
【0112】
β−アドレナリン受容体アゴニストの例としては、サルメテロール(ラセミ化合物またはR−エナンチオマーなどの1つのエナンチオマーであり得る)、サルブタモール(ラセミ化合物またはR−エナンチオマーなどの1つのエナンチオマーであり得る)、ホルモテロール(ラセミ化合物またはR,R−ジアステレオマーなどの1つのジアステレオマーであり得る)、サルメファモール、フェノテロール、カルモテロール、エタンテロール、ナミンテロール、クレンブテロール、ピルブテロール、フレルブテロール(flerbuterol)、レプロテロール、バンブテロール、インダカテロール、テルブタリンおよびその塩、例えばサルメテロールのキシナホ酸(1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸)塩、サルブタモールの硫酸塩もしくは遊離塩基またはホルモテロールのフマル酸塩が挙げられる。一実施形態において、β−アドレナリン受容体アゴニストは、長時間作用性β−アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、約12時間以上有効な気管支拡張をもたらす化合物である。β−アドレナリン受容体アゴニストのさらなる例は、化合物4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチオキシ]エトキシ基}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシエチル)フェノールトリフェニルアセテート(Vilanterol Trifenatate)である。
【0113】
他のβ−アドレナリン受容体アゴニストとしては、WO02/066422、WO02/070490、WO02/076933、WO03/024439、WO03/072539、WO03/091204、WO04/016578、WO04/022547、WO04/037807、WO04/037773、WO04/037768、WO04/039762、WO04/039766、WO01/42193およびWO03/042160で開示されているものが挙げられる。
【0114】
β−アドレナリン受容体アゴニストの例としては以下のものが挙げられる:
3−(4−{[6−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}ブチル)ベンゼンスルホンアミド;
3−(3−{[7−({(2R)−2−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}−アミノ)ヘプチル]オキシ}プロピル)ベンゼンスルホンアミド;
4−{(1R)−2−[(6−{2−[(2,6−ジクロロベンジル)オキシ]エトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール;
4−{(1R)−2−[(6−{4−[3−(シクロペンチルスルホニル)フェニル]ブトキシ}ヘキシル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール;
N−[2−ヒドロキシル−5−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−[[2−4−[[(2R)−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル]アミノ]フェニル]エチル]アミノ]エチル]フェニル]ホルムアミド;
N−2{2−[4−(3−フェニル−4−メトキシフェニル)アミノフェニル]エチル}−2−ヒドロキシ−2−(8−ヒドロキシ−2(1H)−キノリノン−5−イル)エチルアミン;および
5−[(R)−2−(2−{4−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロポキシ)−フェニルアミノ]−フェニル}−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン。
【0115】
β−アドレナリン受容体アゴニストは、硫酸、塩酸、フマル酸、ヒドロキシナフトエ酸(例えば1−または3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)、桂皮酸、置換桂皮酸、トリフェニル酢酸、スルファミン酸、スルファニル酸、ナフタレンアクリル酸、安息香酸、4−メトキシ安息香酸、2−もしくは4−ヒドロキシ安息香酸、4−クロロ安息香酸および4−フェニル安息香酸から選択される製薬上許容される酸と形成される塩の形態であってよい。
【0116】
したがって、発明は、別の態様で、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩をコルチコステロイドと共に含む組み合わせを提供する。
【0117】
好適な抗炎症剤にはコルチコステロイドが含まれる。本発明の化合物と組み合わせて使用することができるコルチコステロイドの例は、抗炎症活性を有するそれらの経口および吸入コルチコステロイドならびにそれらのプロドラッグである。例としては、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、フルチカゾンプロピオネート、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−17α−[(4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボニル)オキシ]−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステル、6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステル(フルチカゾンフロエート)、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)エステル、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−(2,2,3,3−テトラメチシクロプロピルカルボニル)オキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−シアノメチルエステルおよび6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−17α−(1−メチシクロプロピルカルボニル)オキシ−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステル、ベクロメタゾンエステル(たとえば17−プロピオン酸エステルまたは17,21−ジプロピオン酸エステル)、ブデソニド、フルニソリド、モメタゾンエステル(たとえばモメタゾンフロエート)、トリアムシノロンアセトニド、ロフレポニド、シクレソニド(16α,17−[[(R)−シクロヘキシルメチレン]ビス(オキシ)]−11β,21−ジヒドロキシ−プレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン)、ブチキソコルトプロピオネート、RPR−106541、およびST−126が挙げられる。一実施形態において、コルチコステロイドとしては、フルチカゾンプロピオネート、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−17α−[(4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボニル)オキシ]−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステル、6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステル、6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−(2,2,3,3−テトラメチシクロプロピルカルボニル)オキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−シアノメチルエステルおよび6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−17α−(1−メチシクロプロピルカルボニル)オキシ−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステルが挙げられる。一実施形態において、コルチコステロイドは、6α,9α−ジフルオロ−17α−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−カルボチオ酸S−フルオロメチルエステルである。
【0118】
コルチコステロイドのさらなる例には、WO02/088167、WO02/100879、WO02/12265、WO02/12266、WO05/005451、WO05/005452、WO06/072599およびWO06/072600で開示されているものが含まれる。
【0119】
転写活性化よりも転写抑制に対する選択性を有し得、併用療法で有用であり得る、グルココルチコイド作動性を有する非ステロイド系化合物には、以下の公開された特許出願および特許が対象とするものが含まれる:WO03/082827、WO98/54159、WO04/005229、WO04/009017、WO04/018429、WO03/104195、WO03/082787、WO03/082280、WO03/059899、WO03/101932、WO02/02565、WO01/16128、WO00/66590、WO03/086294、WO04/026248、WO03/061651、WO03/08277、WO06/000401、WO06/000398、WO06/015870、WO06/108699、WO07/000334およびWO07/054294。
【0120】
抗炎症薬の例には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が含まれる。
【0121】
NSAIDの例としては、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミルナトリウム、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤(たとえば、テオフィリン、PDE4阻害剤または混合PDE3/PDE4阻害剤)、ロイコトリエン拮抗物質、ロイコトリエン合成の阻害剤(たとえばモンテルカスト)、iNOS阻害剤、トリプターゼおよびエステラーゼ阻害剤、ベータ−2インテグリン拮抗物質およびアデノシン受容体アゴニストまたは拮抗物質(例えばアデノシン2aアゴニスト)、サイトカイン拮抗物質(たとえばCCR3拮抗物質などのケモカイン拮抗物質)もしくはサイトカイン合成の阻害剤、または5−リポキシゲナーゼ阻害剤が挙げられる。iNOS(誘導型一酸化窒素合成酵素阻害剤)は、好ましくは経口投与用である。iNOS阻害剤の例としては、WO93/13055、WO98/30537、WO02/50021、WO95/34534およびWO99/62875で開示されているものが挙げられる。CCR3阻害剤の例としては、WO02/26722で開示されているものが挙げられる。
【0122】
本発明は、したがって、別の態様において、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩をPDE4阻害剤とともに含む組み合わせを提供する。
【0123】
一実施形態において、本発明は、特に吸入に適した処方の場合の、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩の、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤と組み合わせた使用を提供する。本発明のこの態様において有用なPDE4特異的阻害剤は、PDE4酵素を阻害することが知られているか、もしくはPDE4阻害剤として作用することが判明しており、PDE4のみの阻害剤である任意の化合物であって、PDEファミリーの他のメンバー、例えばPDE3およびPDE5をPDE4と同様に阻害する化合物ではない。
【0124】
化合物には、シス−4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オンおよびシス−[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール]が含まれる。また、1996年9月3日に発行された米国特許第5,552,438号に記載される、シス−4−シアノ−4−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]シクロヘキサン−1−カルボン酸(シロミラストとしても知られる)およびその塩、エステル、プロドラッグまたは物理的形態も含まれ、この特許およびこれが開示する化合物は全て参照することによって本明細書中に組み込まれる。
【0125】
他の化合物としては、Elbionから得られるAWD−12−281(Hofgen, N. et al. 15th EFMC Int Symp Med Chem(Sept 6−10, Edinburgh)1998, Abst P.98;CAS参照番号247584020−9);NCS−613と称する9−ベンジルアデニン誘導体(INSERM);Chiroscience and Schering−Ploughから得られるD−4418;CI−1018(PD−168787)と特定され、Pfizerに帰属するベンゾジアゼピンPDE4阻害剤;WO99/16766でKyowa Hakkoにより開示されたベンゾジオキソール誘導体;Kyowa Hakkoから得られるK−34;Nappから得られるV−11294A(Landells, L.J. et al. Eur Resp J[Annu Cong Eur Resp Soc(Sept 19−23, Geneva)1998]1998, 12(Suppl.28):Abst P2393);Byk−Guldenから得られるロフルミラスト(CAS参照番号162401−32−3)およびフタラジノン(pthalazinone)(WO99/47505、その開示は参照することによって本明細書中に組み込まれる);プマフェントリン,(−)−p−[(4aR,10bS)−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[c][1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンズアミド(Byk−Gulden(現在はAltana)により調製され、公開された混合PDE3/PDE4阻害剤);Almirall−Prodesfarmaにより開発中のアロフィリン;Vernalisから得られるVM554/UM565;またはT−440(Tanabe Seiyaku;Fuji, K. et al. J Pharmacol Exp Ther,1998, 284(1):162)、およびT2585が挙げられる。
【0126】
さらなる化合物は、公開された国際特許出願WO04/024728(Glaxo Group Ltd)、WO04/056823(Glaxo Group Ltd)およびWO04/103998(Glaxo Group Ltd)で開示されている。
【0127】
したがって、本発明は、別の態様において、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を抗コリン薬と共に含む組み合わせを提供する。
【0128】
抗コリン作用薬の例は、ムスカリン受容体で拮抗物質として作用する化合物、特にMもしくはM受容体の拮抗物質、M/MもしくはM/M受容体の二重拮抗物質、またはM/M/M受容体のパンアンタゴニストである。吸入による投与用の例示的化合物としては、イプラトロピウム(たとえば、臭化物として、CAS22254−24−6、Atroventの名称で販売)、オキシトロピウム(たとえば、臭化物として、CAS30286−75−0)およびチオトロピウム(たとえば、臭化物として、CAS136310−93−5、Spirivaの名称で販売)が挙げられる。レバトロペート(たとえば、臭化水素酸塩として、CAS262586−79−8)およびLAS−34273(WO01/04118で開示)も興味深い。経口投与用の例示的化合物としては、ピレンゼプチン(CAS28797−61−7)、ダリフェナシン(CAS133099−04−4、または臭化水素酸塩についてはCAS133099−07−7、Enablexの名称で販売)、オキシブチニン(CAS5633−20−5、Ditropanの名称で販売)、テロジリン(CAS15793−40−5)、トルテロジン(CAS124937−51−5、または酒石酸塩についてはCAS124937−52−6、Detrolの名称で販売)、オチロニウム(たとえば、臭化物として、CAS26095−59−0、Spasmomenの名称で販売)、塩化トロスピウム(CAS10405−02−4)およびソリフェナシン(CAS242478−37−1、またはYM−905としても知られるコハク酸塩についてはCAS242478−38−2、Vesicareの名称で販売)が挙げられる。
【0129】
他の抗コリン作用薬には、例えば、以下のものをはじめとする米国特許出願第60/487981号で開示される化合物が含まれる:
(3−endo)−3−(2,2−ジ−2−チエニルエテニル)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−endo)−3−(2,2−ジフェニルエテニル)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(3−endo)−3−(2,2−ジフェニルエテニル)−8,8−ジメチル−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタン4−メチルベンゼンスルホネート;
(3−endo)−8,8−ジメチル−3−[2−フェニル−2−(2−チエニル)エテニル]−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;および/または
(3−endo)−8,8−ジメチル−3−[2−フェニル−2−(2−ピリジニル)エテニル]−8−アゾニアビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド。
【0130】
更なる抗コリン作用薬には、例えば、以下のものをはじめとする米国特許出願第60/511009号で開示される化合物が含まれる:
(endo)−3−(2−メトキシ−2,2−ジ−チオフェン−2−イル−エチル)−8,8−ジメチル−8−アゾニア−ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド;
3−((endo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2,2−ジフェニル−プロピオニトリル;
(endo)−8−メチル−3−(2,2,2−トリフェニル−エチル)−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン;
3−((endo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2,2−ジフェニル−プロピオンアミド;
3−((endo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2,2−ジフェニル−プロピオン酸;
(endo)−3−(2−シアノ−2,2−ジフェニル−エチル)−8,8−ジメチル−8−アゾニア−ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド;
(endo)−3−(2−シアノ−2,2−ジフェニル−エチル)−8,8−ジメチル−8−アゾニア−ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
3−((endo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2,2−ジフェニル−プロパン−1−オール;
N−ベンジル−3−((endo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2,2−ジフェニル−プロピオンアミド;
(endo)−3−(2−カルバモイル−2,2−ジフェニル−エチル)−8,8−ジメチル−8−アゾニア−ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド;
1−ベンジル−3−[3−((endo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2,2−ジフェニル−プロピル]−ウレア;
1−エチル−3−[3−((endo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2,2−ジフェニル−プロピル]−ウレア;
N−[3−((endo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2,2−ジフェニル−プロピル]−アセトアミド;
N−[3−((endo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2,2−ジフェニル−プロピル]−ベンズアミド;
3−((endo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2,2−ジ−チオフェン−2−イル−プロピオニトリル;
(endo)−3−(2−シアノ−2,2−ジ−チオフェン−2−イル−エチル)−8,8−ジメチル−8−アゾニア−ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド;
N−[3−((endo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2,2−ジフェニル−プロピル]−ベンゼンスルホンアミド;
[3−((endo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2,2−ジフェニル−プロピル]−ウレア;
N−[3−((endo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル)−2,2−ジフェニル−プロピル]−メタンスルホンアミド;および/または
(endo)−3−{2,2−ジフェニル−3−[(1−フェニル−メタノイル)−アミノ]−プロピル}−8,8−ジメチル−8−アゾニア−ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド。
【0131】
さらなる化合物としては:
(endo)−3−(2−メトキシ−2,2−ジ−チオフェン−2−イル−エチル)−8,8−ジメチル−8−アゾニア−ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド;
(endo)−3−(2−シアノ−2,2−ジフェニル−エチル)−8,8−ジメチル−8−アゾニア−ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド;
(endo)−3−(2−シアノ−2,2−ジフェニル−エチル)−8,8−ジメチル−8−アゾニア−ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミド;
(endo)−3−(2−カルバモイル−2,2−ジフェニル−エチル)−8,8−ジメチル−8−アゾニア−ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド;
(endo)−3−(2−シアノ−2,2−ジ−チオフェン−2−イル−エチル)−8,8−ジメチル−8−アゾニア−ビシクロ[3.2.1]オクタンヨージド;および/または
(endo)−3−{2,2−ジフェニル−3−[(1−フェニル−メタノイル)−アミノ]−プロピル}−8,8−ジメチル−8−アゾニア−ビシクロ[3.2.1]オクタンブロミドが挙げられる。
【0132】
したがって、本発明は別の態様において、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を抗ヒスタミン剤と共に含む組み合わせを提供する。
【0133】
一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩をH1拮抗薬と共に含む組み合わせを提供する。H1拮抗薬の例としては、アメレキサノクス(amelexanox)、アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、アクリバスチン、ブロムフェニラミン、セチリジン、レボセチリジン、エフレチリジン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シクリジン、カレバスチン、シプロヘプタジン、カルビノキサミン、デスカルボエトキシロラタジン、ドキシラミン、ジメチンデン、エバスチン、エピナスチン、エフレチリジン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ケトチフェン、ロラタジン、レボカバスチン、ミゾラスチン、メキタジン、ミアンセリン、ノベラスチン、メクリジン、ノルアステミゾール、オロパタジン、ピクマスト、ピリラミン、プロメタジン、テルフェナジン、トリペレナミン、テメラスチン、トリメプラジンおよびトリプロリジン、特にセチリジン、レボセチリジン、エフレチリジンおよびフェキソフェナジンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。更なる実施形態において、本発明は、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩をH3拮抗薬(および/または逆アゴニスト)と共に含む組み合わせを提供する。H3拮抗薬の例としては、例えば、WO2004/035556およびWO2006/045416で開示される化合物が挙げられる。式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩と組み合わせて使用することができる他のヒスタミン受容体拮抗剤には、H4受容体、例えば、Jablonowski et al., J. Med. Chem. 46:3957−3960 (2003)で開示される化合物の拮抗薬(および/または逆アゴニスト)が含まれる。
【0134】
したがって、本発明は、別の態様において、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を別のカルシウム放出活性化カルシウムチャネル阻害剤と共に含む組み合わせを提供する。
【0135】
したがって、本発明は、更なる態様において、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を抗コリン薬およびPDE−4阻害剤と共に含む組み合わせを提供する。
【0136】
そのような組み合わせの個々の化合物は、連続して、または別個のもしくは複合医薬組成物で同時に投与することができる。一実施形態において、個々の化合物は、複合医薬組成物で同時に投与される。公知治療薬の適切な用量は、当業者によって容易に理解されるであろう。
【0137】
前記組み合わせを医薬組成物の形態で使用するために都合よく提供することができ、したがって、前記定義の組み合わせを製薬上許容される希釈剤または担体と共に含む医薬組成物は、本発明の更なる態様である。
【0138】
そのような組み合わせの個々の化合物は、別々の医薬組成物で連続して、また複合医薬組成物で同時に投与することもできる。さらなる治療的に活性な成分を、式(I)の化合物と共に組成物の中に懸濁することができる。公知治療薬の適当な用量は、当業者によって容易に理解されるであろう。
【0139】
本発明の化合物は、以下の方法によるか、または同様の方法によって調製することができる。したがって、以下の中間体および実施例は、本発明の化合物の調製を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものとみなすべきではない。
【実施例】
【0140】
概要
質量分析計直結型自動分取(Mass directed autopreparative)HPLCは、以下の条件で実施した。UV検出は210nm〜350nmの波長からの平均シグナルであり、質量スペクトルをオルタネートスキャンポジティブおよびネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を使用する質量分析計で記録した。
【0141】
方法A:
方法Aは、Supelcosil ABZ+Plusカラム(典型的には150mm×30mm i.d.5μm充填直径)上で周囲温度にて実施した。使用した溶媒は次のとおりであった:
A=ギ酸の水中0.1%v/v溶液
B=MeCN:水95:5+0.05%ギ酸
【0142】
方法B
方法Bは、Sunfire C18カラム(典型的に150mm×30mm i.d.5μm充填直径)上で周囲温度にて実施した。使用した溶媒は次のとおりであった:
A=水中ギ酸の0.1%v/v溶液
B=アセトニトリル中ギ酸の0.1%v/v溶液。
【0143】
方法C
方法Cは、Sunfire C18カラム(典型的に150mm×30mm i.d.5μm充填直径)上で周囲温度にて実施した。使用した溶媒は次のとおりであった:
A=水中トリフルオロ酢酸の0.1%v/v溶液
B=アセトニトリル中トリフルオロ酢酸の0.1%v/v溶液。
【0144】
方法D:
方法Dは、Sunfire C18カラム(典型的に100mm×19mm i.d.5μm充填直径)上で周囲温度にて実施した。使用した溶媒は次のとおりであった:
A=水中トリフルオロ酢酸の0.1%v/v溶液
B=アセトニトリル中トリフルオロ酢酸の0.1%v/v溶液。
【0145】
方法E
方法Eは、XBridge C18カラム(典型的に150mm×19mm i.d.5μm充填直径)上で周囲温度にて実施した。使用した溶媒は次のとおりであった:
A=アンモニア溶液でpH10に調節した10mMの水性重炭酸アンモニウム。
B=アセトニトリル。
【0146】
実験の詳細
本明細書中で引用されるLC−MSシステム1〜8の実験的な詳細は、以下の通りである:
システム1
カラム:Supelco(登録商標)から得られる3.3cm×4.6mm ID、3μm ABZ+PLUS
流速:3mL/分
温度:室温
UV検出範囲:215〜330nm
質量スペクトル:オルタネートスキャンポジティブおよびネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を用いて質量分析計で記録。
溶媒:A:0.1%ギ酸+10mM酢酸アンモニウム
B:95%アセトニトリル+0.05%ギ酸
勾配:時間(分) A% B%
0 100 0
0.7 100 0
4.2 0 100
4.6 0 100
4.8 100 0
【0147】
システム2
カラム:50mm×2.1mm ID、1.7μm Acquity UPLC BEH C18
流速:1mL/分
温度:40℃
UV検出範囲:220〜330nm
質量スペクトル:オルタネートスキャンポジティブおよびネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を用いて質量分析計で記録。
溶媒:A:0.1%ギ酸+10mM酢酸アンモニウム
B:95%アセトニトリル+0.05%ギ酸
勾配:時間(分) A% B%
0 97 3
0.1 97 3
1.4 0 100
1.9 0 100
2 97 3
【0148】
システム3
カラム:50mm×2.1mm ID、1.7μm Acquity UPLC BEH C18
流速:1mL/分
温度:40℃
UV検出範囲:210〜350nm
質量スペクトル:オルタネートスキャンポジティブおよびネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を用いて質量分析計で記録。
溶媒:A:0.1%v/v水中ギ酸
B:0.1%v/vアセトニトリル中ギ酸
勾配:時間(分) A% B%
0 97 3
1.5 0 100
1.9 0 100
2.0 97 3
【0149】
システム4
カラム:30mm×4.6mm ID、3.5μm Sunfire C18 カラム
流速:3mL/分
温度:30℃
UV検出範囲:210〜350nm
質量スペクトル:オルタネートスキャンポジティブおよびネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を用いて質量分析計で記録。
溶媒:A:水中ギ酸の0.1%v/v溶液
B:アセトニトリル中ギ酸の0.1%v/v溶液
勾配:時間(分) A% B%
0 97 3
0.1 97 3
4.2 0 100
4.8 0 100
4.9 97 3
5.0 97 3
【0150】
システム5
カラム:50mm×2.1mm ID、1.7μm Acquity UPLC BEH C18
流速:1mL/分
温度:40℃
UV検出範囲:220〜330nm
質量スペクトル:オルタネートスキャンポジティブおよびネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を用いて質量分析計で記録。
溶媒:A:水中トリフルオロ酢酸の0.1%v/v溶液
B:アセトニトリル中トリフルオロ酢酸の0.1%v/v溶液
勾配:時間(分) A% B%
0 97 3
1.5 0 100
1.9 0 100
2.0 97 3
【0151】
システム6
カラム:30mm×4.6mm ID、3.5μm Sunfire C18 カラム
流速:3mL/分
温度:30℃
UV検出範囲:210〜350nm
質量スペクトル:オルタネートスキャンポジティブおよびネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を用いて質量分析計で記録。
溶媒:A:水中トリフルオロ酢酸の0.1%v/v溶液
B:アセトニトリル中トリフルオロ酢酸の0.1%v/v溶液
勾配:時間(分) A% B%
0 97 3
0.1 97 3
4.2 0 100
4.8 0 100
4.9 97 3
5.0 97 3
【0152】
システム7
カラム:50mm×2.1mm ID、1.7μm Acquity UPLC BEH C18
流速:1mL/分
温度:40℃
UV検出範囲:220〜350nm
質量スペクトル:オルタネートスキャンポジティブおよびネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を用いて質量分析計で記録。
溶媒:A:アンモニア溶液でpH10に調節された10mMの水中重炭酸アンモニウム
B:アセトニトリル
勾配:時間(分) A% B%
0 99 1
1.5 3 97
1.9 3 97
2.0 0 100
【0153】
システム8
カラム:50mm×4.6mm ID、3.5μm XBridge C18カラム
流速:3mL/分
温度:30℃
UV検出範囲:210〜350nm
質量スペクトル:オルタネートスキャンポジティブおよびネガティブモードエレクトロスプレーイオン化を用いて質量分析計で記録。
溶媒:A:アンモニア溶液でpH10に調節された10mMの水中重炭酸アンモニウム
B:アセトニトリル
勾配:時間(分) A% B%
0 99 1
0.1 99 1
4.0 3 97
5.0 3 97
【0154】
略語:
以下のリストは、本明細書中で用いられるある略語の定義を提供する。リストが網羅的ではなく、本明細書中以下で定義されない略語の意味は当業者には容易に明らかであることは言うまでもない。
【0155】
Ac(アセチル);
Bu(ブチル);
nBu(n−ブチル);
tBu(t−ブチル);
DCM(ジクロロメタン);
DMF(N,N−ジメチルホルムアミド);
DMSO(ジメチルスルホキシド);
Et(エチル);
EtOAc(酢酸エチル);
g(グラム);
h(時間)
HCl(塩酸)
hr(時間);
Hz(ヘルツ);
L(リットル);
LDA(リチウムジイソプロピルアミド);
M(モル濃度);
MDAP(質量特異的自動分収HPLC);
Me(メチル);
MeOH(メタノール);
mg(ミリグラム);
MHz(メガヘルツ);
min(分);
ml(ミリリットル);
μl(マイクロリットル);
mM(ミリモル濃度);
mmol(ミリモル);
mol(モル);
Ph(フェニル);
Pr(イソプロピル);
Si(シリカ)
SPE(固相抽出);
TBTU(O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート);
TEA(トリエチルアミン);
TFA(トリフルオロ酢酸);
THF(テトラヒドロフラン);
TLC(薄層クロマトグラフィー);
TMS(トリメチルシリル);
エーテルに対する全ての言及はジエチルエーテルであり、食塩水とはNaClの飽和水溶液を指す。
【0156】
中間体1:1−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチル
【化11】

【0157】
2−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−[(フェニルメチル)オキシ]ベンゼン(3.71g、11.9ミリモル、WO200606696にしたがって合成)のDMF(25ml)中溶液に、2H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(1.5g、11.9ミリモル、ChemCollect GmbH)を添加し、次いで炭酸カリウム(4.18g、30.2ミリモル)を添加した。懸濁液を周囲温度で一晩撹拌した。懸濁液を水(150ml)と酢酸エチル(150ml)との間で分配した。相を分離し、水性相を酢酸エチル(100ml)で洗浄した。合した有機抽出物を食塩水で洗浄し(2×50ml)、乾燥し(MgSO)濾過し、溶媒を真空中で除去すると、油状物が残った。残留物をジクロロメタン中にロードし、シリカ(Si)2×100g上、0〜50%酢酸エチル−シクロヘキサンを用いて精製した。適切なフラクションを合し、真空中で蒸発させて、標記化合物を無色油状物(2.27g)として得た;LCMS:(システム1)MH=357、tRET=3.61分。
【0158】
中間体2:1−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸
【化12】

【0159】
1−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチル(2.23g、6.25ミリモル)のエタノール(25ml)中溶液に、2Mの水性水酸化ナトリウム(7.5ml、15.0ミリモル)を添加した。溶液をドライシン(drysyn)ブロック中で一晩90℃まで加熱(還流)した。溶媒を真空中で除去し、水性残留物を酢酸エチル(180ml)と水(100ml)との間で分配した。二相混合物に2Mの水性HCl(20ml)を慎重に添加し、相を分離した。水性相を酢酸エチル(70ml)で抽出した。合した有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、そして溶媒を真空中で除去して、標記化合物を白色固体(2.39g)として得た;LCMS:(システム1)MH=343、tRET=3.30分。
【0160】
中間体3:1−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化13】

【0161】
1−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(0.640g、1.41ミリモル)の酢酸エチル(60ml)中溶液を、H−cube(設定:周囲、1バール、流速1ml/分)および5%Pd/C CatCart30を触媒として使用して水素化した。溶媒を真空中で除去して、標記化合物を白色固体(0.515g)として得た;LCMS:(システム1)MH=364、tRET=3.17分。
【0162】
中間体4:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化14】

【0163】
N,N−ジメチルホルムアミド(60ml)中1H−ピラゾール−3−カルボン酸(5g、44.6ミリモル、Manchester Organics Ltd)にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(15.5ml、89ミリモル、Apollo Scientific)、続いてTBTU(14.32g、44.6ミリモル)を添加し、混合物を室温で15分間撹拌した。この混合物に、2,6−ジフルオロアニリン(4.8ml、44.6ミリモル、Aldrich)を添加し、混合物を75℃で週末にかけて撹拌した。反応混合物を水(30ml)に添加し、EtOAcで抽出した(3×250ml)。合した抽出物を、飽和重炭酸ナトリウム溶液、塩化リチウム溶液および飽和食塩溶液で2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、乾燥剤を濾過し、濾液を蒸発乾固させると、粗生成物が残った。残留物をDCMで摩砕し、固体を濾過し、DCMで洗浄し、真空中で乾燥すると、標記化合物がピンクがかった固体(5.5g)として残った。第2のバッチを前述の濾液から得、摩砕すると、標記化合物が白色固体(275mg)として残った;LCMS:(システム4)MH=224、tRET=1.49分。
【0164】
中間体5:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化15】

【0165】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−({2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(0.355g、0.846ミリモル)およびギ酸アンモニウム(0.352g、5.58ミリモル、Fluka)のエタノール(10ml)中溶液に、10%炭素上パラジウム(0.045g、0.423ミリモル、Aldrich)を添加した。反応を1時間窒素下で周囲温度にて撹拌した。反応混合物を、セライトSPEカートリッジを通して濾過し、溶媒を真空中で除去した。残留物を酢酸エチル(30ml)と2MのHCl(20ml)との間で分配した。相を分離し、有機抽出物を食塩水(50ml)で洗浄した。有機相を真空中で蒸発させると、標記化合物が灰白色固体(0.290g)として残った;LCMS:(システム4)MH=330、tRET=2.43分
中間体6:2−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−ヨードベンゼンおよび1−ブロモ−2−(ブロモメチル)−4−クロロベンゼンの2:1混合物
【化16】

【0166】
N−ブロモスクシンイミド(6.34g、35.6ミリモル)をフラスコ中に秤取し、四塩化炭素(200ml)、続いて4−クロロ−1−ヨード−2−メチルベンゼン(8.57g、33.9ミリモル、Fluorochem Ltd)を添加した。反応混合物を撹拌し、過酸化ジベンゾイル(0.822g、3.39ミリモル)を一度に添加した。装置を次いで窒素で3回フラッシュし、激しく撹拌しながら還流加熱した。還流温度で約46時間後、反応を室温まで冷却した。反応混合物を濾過して不溶物を除去し、亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。四塩化炭素層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、粗生成物を淡黄色油状物として得、これを静置すると結晶化した。粗生成物をシクロヘキサンで摩砕した。白色不溶物(1.30g)を保持した。可溶性物質を次いで50gのシリカSPE(シクロヘキサンでプレコンディショニング)上にロードし、そしてシクロヘキサンで溶出させた。この精製から2つの生成物バッチが得られた。ゆっくり流出する物質は透明な液体として得られ、これを静置すると結晶化して、標記化合物を2−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−ヨードベンゼンと1−ブロモ−2−(ブロモメチル)−4−クロロベンゼンとの2:1混合物(1.99g)として得た。速く流出する物質(2.07g)を摩砕した物質(1.30g)と合し、前述と全く同様にして50gのシリカSPE上で再精製し、シクロヘキサンで溶出させた。標記化合物の第2のバッチを、ここでも2−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−ヨードベンゼンと1−ブロモ−2−(ブロモメチル)−4−クロロベンゼン(2.38g)との2:1混合物として得た;LCMS:(システム2)tRET=1.37分(イオンは検出されなかった)。
【0167】
中間体7:1−[(5−クロロ−2−ヨードフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化17】

【0168】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(350mg、1.57ミリモル)、2−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−ヨードベンゼンおよび1−ブロモ−2−(ブロモメチル)−4−クロロベンゼン(495mg、1.57ミリモル)の2:1混合物ならびに炭酸カリウム(433mg、3.14ミリモル)をフラスコ中に秤取した。DMF(15ml)を次いで添加し、反応を周囲温度、窒素下で撹拌した。
【0169】
16時間後、反応混合物をDCM(100ml)と水(100ml)との間で分配した。層を分離し、水性層をさらなるDCM(50ml)で抽出した。合したDCM抽出物を乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させて、粗生成物を油状物として得た。この生成物をDCM中に再溶解させ、シクロヘキサンであらかじめ平衡化させた50gのシリカSPE上にロードした。生成物を次いで、0〜50%酢酸エチル−シクロヘキサン勾配を用いて精製して、白色固体(ヨウ化物と臭化物との2:1混合物)を得た。
【0170】
200mgの生成物混合物をMDAPによって精製した(2×100mgバッチ)。各試料を1:1MeOH:DMSO(1ml)中に溶解させ、精製し(supelcosil ABZ+Plusカラム)(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。
【0171】
各実施からの最初の溶出生成物を合し、NaHCO(aq)とDCMとの間で分配した。層を分離し、水性層を第2のDCMで抽出した。DCM抽出物を乾燥し(NaSO)、蒸発させて、1−[(2−ブロモ−5−クロロフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミドを無色油状物(45mg)として得た;LCMS:(システム2)MH=426、428および430(Cl、Br同位体)、tRET=1.22分。
【0172】
各実施からの第2の溶出生成物を合し、NaHCO(aq)とDCMとの間で分配した。層を分離し、水性層を第2のDCMで抽出した。DCM抽出物を乾燥し(NaSO)、蒸発させて、標記化合物を無色油状物(121mg)として得た;LCMS:(システム2)MH=474および476(Cl同位体)tRET=1.25分。
【0173】
中間体8:[2−(ブチルオキシ)フェニル]メタノール
【化18】

【0174】
2−(ヒドロキシメチル)フェノール(1.24g、10ミリモル、Aldrich)および1−ブロモブタン(1.18ml、11ミリモル、Acros)のエタノール(5ml)(合計体積〜7ml)中溶液を、フローリアクター(Vapourtec R4、30mlのPFAチューブ、110℃)中で水性NaOH(2N、5ml、10ミリモル)の水(2ml)中溶液と混合した。試薬をそれぞれ0.5ml/分)でポンプにより供給して、反応時間を30分とした。30mlのリアクターの後、溶液を第2の「冷却」リアクター(5ml)に50℃で通過させた。リアクターアウトプットで、250psiの背圧レギュレータを使用した。出発溶液が全て消費された後、系を追加の70mlの溶媒(1:1、エタノール:水)でパージした。集めた物質を真空中で濃縮した。残留物を水とEtOAcとの間で分配し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で処理した。水性物をさらにEtOAcで抽出し、合した有機抽出物を乾燥し(疎水性フリット)、真空中で濃縮した。残留物を、0〜100%酢酸エチル−シクロヘキサン勾配を用いてシリカ(100g)上で40分にわたって精製した。適切なフラクションを合し、真空中で濃縮して、標記化合物(1.4g)を得た;LCMS:(システム4)tRET=2.51分、MHは検出されなかった。
【0175】
中間体9:1−(ブロモメチル)−2−(ブチルオキシ)ベンゼン
【化19】

【0176】
2−(ブチルオキシ)フェニル]メタノール(6g、33.3ミリモル)のDCM(30ml)中溶液(合計溶液体積34ml)を、フローリアクター(Vapourtec R4、35mlのPFAチューブリアクター、25℃に維持)中で、三臭化リンのDCM中溶液(1モル濃度、33.6ml、33.6ミリモル、Aldrich)と混合した。溶液をそれぞれ0.58ml/分)でポンプにより供給して、反応時間を30分とした。生成物を水の撹拌フラスコ中に集め、これを続いて水性重炭酸ナトリウム(100ml)で処理した。水性層をDCMで抽出し(×2)、そして合した有機抽出物を乾燥し(疎水性フリット)、真空中で濃縮して、標記化合物を不透明黄色油状物(6.8g、84%)として得た。
【0177】
1H NMR(DMSO−d6)7.38(1H, dd, J 7.5, 2 Hz), 7.29(1H, ddd, J 9, 7.5, 2 Hz), 7.00(1H, d, J 9 Hz), 6.90(1H, td, J 7.5, 1 Hz), 4.63(2H, s), 4.03(2H, t, J 6.5 Hz), 1.78−1.66(2H, m), 1.56−1.44(2H, m), 0.94(3H, t, J 7.5Hz)。
【0178】
中間体10:5−クロロ−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
【化20】

【0179】
4−クロロ−2−ヒドロキシ安息香酸(2.0g、11.6ミリモル、Aldrich)のTHF(50ml)中溶液に、1MのTHF中ボラン(20.9ml、20.86ミリモル)を滴加した。懸濁液を周囲温度で30分間撹拌した。混合物を80℃で2.5時間還流させた。溶媒を真空中で除去した。残留物をジクロロメタン中にロードし、0〜100%酢酸エチル/シクロヘキサンを用いてシリカ(Si)100g上で精製した。適切なフラクションを合し、真空中で蒸発させて、標記化合物を白色固体(1.51g)として得た;LCMS:(システム1)(M−H)=157、tRET=2.44分。
【0180】
中間体11:{4−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メタノール
【化21】

【0181】
5−クロロ−2−(ヒドロキシメチル)フェノール(1.51g、9.54ミリモル)のエタノール(20ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(5.25ml、10.5ミリモル)を添加した。混合物に、臭化ベンジル(1.14ml、9.54ミリモル、Aldrich)のエタノール(30ml)中溶液を滴加した。反応を窒素下で一晩周囲温度にて撹拌した。溶媒を真空中で除去すると、水性懸濁液が残った。懸濁液を水(50ml)およびジクロロメタン(40ml)で希釈した。相を分離し、水性相をジクロロメタン(30ml)で抽出した。合した有機抽出物を飽和水性炭酸水素ナトリウム(20ml)で洗浄し、溶媒を真空中で除去すると、白色固体(1.52g)が残った。残留物をジクロロメタン中にロードし、0〜50%酢酸エチル−シクロヘキサンを用いてシリカ(Si)100g上で精製した。適切なフラクションを合し、真空中で蒸発させて、標記化合物を白色固体(1.32g)として得た;
LCMS:(システム2)(M−H)=247、tRET=1.17分。
【0182】
中間体12:1−[(2−ブロモフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化22】

【0183】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(300mg、1.34ミリモル)と炭酸カリウム(374mg、2.71ミリモル)との混合物に、DMF(6ml)中1−ブロモ−2−(ブロモメチル)ベンゼン(373mg、1.49ミリモル、Aldrich)を添加した。反応を窒素下、周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を水(80ml)および酢酸エチル(80ml)で希釈した。相を分離し、有機相を水(80ml)で洗浄した。有機抽出物を乾燥し(MgSO)、溶媒を真空中で除去した。試料をジクロロメタン中にロードし、0〜50%酢酸エチル−シクロヘキサンを用いてシリカ(Si)100g上で精製した。適切なフラクションを合し、真空中で蒸発させて、標記化合物を白色固体(0.36g)として得た;LCMS:(システム1)MH=394、tRET=3.27分。
【0184】
中間体13:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−ヨードフェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化23】

【0185】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(0.5g、2.24ミリモル)、1−(ブロモメチル)−2−ヨードベンゼン(665mg、2.24ミリモル、ABCR)および炭酸カリウム(0.374g、2.71ミリモル)の混合物に、DMF(10ml)を添加した。反応混合物を一晩、窒素下、周囲温度で撹拌した。反応混合物を水(80ml)および酢酸エチル(80ml)で希釈した。相を分離し、有機相を水(80ml)で洗浄した。有機抽出物を乾燥し(MgSO)、溶媒を真空中で除去した。残留物をジクロロメタン中にロードし、0〜50%酢酸エチル−シクロヘキサンを用いてシリカ(Si)100g上で精製した。適切なフラクションを合し、真空中で蒸発させて、標記化合物を白色固体(0.794g)として得た;LCMS:(システム1)MH=440、tRET=3.40分。
【0186】
中間体14:1−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル
【化24】

【0187】
窒素下でDMF(10ml)中1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル(1.05g、75ミリモル、ChemCollect GmbH)に、水素化ナトリウム(315mg、7.88ミリモル)を添加し、混合物を室温で10分間撹拌した。この混合物に、1−(ブロモメチル)−2−(フェニルオキシ)ベンゼン(1.97g、7.5ミリモル、Maybridge)を添加し、混合物を室温で1時間放置した。反応を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した(3×)。合した抽出物を〜10%の水中塩化リチウム溶液で洗浄し(3×)、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、乾燥剤を濾過し、濾液を蒸発乾固させると、油状物(2.55g)が残った。これをシリカSPE(100g)カートリッジにかけ、DCM/EtOAc0〜50%で60分にわたって溶出させた。純粋なフラクションを合し、蒸発乾固させると、標記化合物が暗色油状物(2.1g)として残った;LCMS:(システム4)MH=323、tRET=3.08分。
【0188】
中間体15:1−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボン酸
【化25】

【0189】
メタノール(40ml)中1−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル(6.45g、20.0ミリモル)に、10Nの水酸化ナトリウム(100ml)を添加し、混合物を還流温度で90分間撹拌した。混合物を冷却させ、蒸発乾固させ、残留物を水(600ml)中に懸濁し、混合物を2NのHCl溶液で酸性化した。水性相を酢酸エチルで抽出し(2×)、合した抽出物を飽和食塩溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥した。乾燥剤を濾過し、濾液を蒸発乾固させると、標記化合物が白色固体(5.25g)として残った;LCMS:(システム4)MH=295、tRET=2.52分。
【0190】
中間体16:1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル
【化26】

【0191】
1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル(1.74g、12.4ミリモル、ChemCollect GmbH)および炭酸カリウム(3.43g、24.8ミリモル)に、1−(ブロモメチル)−2−(ブチルオキシ)ベンゼン(3.0g、12.3ミリモル)をDMF中溶液として添加し、さらなるDMFで洗い流して、合計体積35mlを得た。混合物を窒素下、周囲温度で撹拌した。24時間後、反応を真空中で濃縮した。残留物をEtOAcと水との間で分配した(それぞれ約100ml)。層を分離し、水性物をさらなるEtOAcで抽出した(2×50ml)。合した有機抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮して、淡黄色油状物を得、これを静置すると部分的に凝固した。物質をジクロロメタン中にロードし、0〜100%酢酸エチル−シクロヘキサンを用いてシリカ(Si)100g上で精製した。適切なフラクションを合し、真空中で濃縮して、標記化合物(2.07g)を得た;LCMS:(システム4)MH=303、tRET=3.27分。
【0192】
中間体17:1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボン酸
【化27】

【0193】
1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル(2.06g、6.81ミリモル)をメタノール(10ml)中に撹拌しながら溶解させた。溶液を2Mの水性水酸化ナトリウム(10ml、20.0ミリモル)で処理し、混合物を還流加熱した(100℃の加熱ブロック)。2.5時間後、反応を冷却させた。反応混合物を真空中で濃縮した。残留物を水(20ml)で希釈し、次いで2MのHClを撹拌しながら徐々に添加して処理した。この混合物を、ジエチルエーテル(約50ml)、次いでDCM(2×50ml)で抽出した。有機抽出物を食塩水で洗浄し、合し、乾燥し(MgSO)、そして濃縮して、標記化合物を無色結晶性固体(1.85g)として得た;LCMS:(システム4)MH=275、tRET=2.66分。
【0194】
中間体18:2−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル
【化28】

【0195】
1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(0.277g、1.96ミリモル、Chemgenx)および2−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−[(フェニルメチル)オキシ]ベンゼン(0.617g、1.98ミリモル、WO200606696に従って合成)のDMF(5ml)中溶液に、炭酸カリウム(0.682g、4.93ミリモル)を添加した。懸濁液を周囲温度で窒素下、一晩撹拌した。懸濁液を酢酸エチル(50ml)と水(50ml)との間で分配した。相を分離し、水性相を酢酸エチル(50ml)で洗浄した。合した有機抽出物を食塩水(25ml)で洗浄し、溶媒を真空中で除去した。残留物をジクロロメタン中にロードし、0〜50%酢酸エチル−シクロヘキサンを用いてシリカ(Si)100g上で精製した。適切なフラクションを合し、真空中で蒸発させて、標記化合物をワックス状固体(0.232g)として得た;LCMS:(システム1)MH=372、tRET=3.69分。
【0196】
中間体19:2−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸
【化29】

【0197】
2−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル(0.228g、0.613ミリモル)のエタノール(3ml)中溶液に、水酸化ナトリウム(0.74ml、1.47ミリモル)を添加した。混合物を周囲温度で2.5時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残留物をジクロロメタン(10ml)と水(10ml)との間で分配した。2Mの水性HCl(2ml)を用いて二相混合物を酸性化した。疎水性フリットを用いて相を分離し、水性相をジクロロメタンで洗浄した(2×10ml)。合した有機抽出物を真空中で濃縮すると、標記化合物が無色ガム状物(210mg)として残った;LCMS:(システム1)(M−H)=342、tRET=3.40分。
【0198】
中間体20:{2−[(シクロプロピルメチル)オキシ]フェニル}メタノール
【化30】

【0199】
2−(ヒドロキシメチル)フェノール(2g、16.1ミリモル、Aldrich)、(ブロモメチル)シクロプロパン(2.18g、16.1ミリモル、Aldrich)、および炭酸カリウム(4.45g、32.2ミリモル)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中混合物を80℃で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、真空中で蒸発させた。残留物を水(40ml)との間と酢酸エチル(40ml)との間で分配した。水性相をさらなる酢酸エチル(40ml)で抽出し、合した有機抽出物を真空中で蒸発させた。残留物をDCMで希釈し、シリカプラグを通してフラッシュし、シクロヘキサン:EtOAc10:1、5:1、2:1(それぞれ600ml)で溶出させた。生成物を含むフラクションを合し、真空中で蒸発させて、標記化合物を淡黄色油状物(2.37g)として得た;LCMS:(システム4)tRET=2.26分、強力なMHまたは(M−H)はなかった;TLC:R=0.57(シクロヘキサン:EtOAc2:1)。
【0200】
中間体21:1−(ブロモメチル)−2−[(シクロプロピルメチル)オキシ]ベンゼン
【化31】

【0201】
{2−[(シクロプロピルメチル)オキシ]フェニル}メタノール(0.5g、2.81ミリモル)の無水ジクロロメタン(DCM)(5ml)中溶液を、窒素下で5℃まで冷却した。三臭化リン(0.267ml、2.83ミリモル)の無水DCM(2ml)中溶液を滴加し、反応混合物を窒素下で撹拌して、室温まで1時間暖めた。反応混合物を次いで氷/水(40ml)と飽和水性重炭酸ナトリウム(15ml)との混合物上に滴加し、氷がとけたら、混合物をDCMで抽出した(2×30ml)。合したDCM抽出物を真空中で蒸発させて、標記化合物を淡褐色油状物(605mg)として得た;LCMS:(システム4)tRET=3.28分、強力なMHまたは(M−H)はなかった;TLC:R=0.86(シクロヘキサン:EtOAc4:1)。
【0202】
中間体22:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化32】

【0203】
1.6Mのヘキサン中ブチルリチウム(62.8ml、100ミリモル)を、2,6−ジフルオロアニリン(10.8ml、100ミリモル、Fluorochem)の乾燥テトラヒドロフラン(90ml)中溶液に、−78℃、窒素下で滴加した。結果として得られた懸濁液を−78℃で15分間撹拌し、次いで0℃まで温めて、透明溶液を得た。1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル(4.726g、33.5ミリモル、Chemgenx)の乾燥テトラヒドロフラン(40ml)中溶液を、反応混合物に0℃で添加し、結果として得られた混合物を室温まで温めた。室温で2時間後、エタノール(5ml)を窒素下で注意深く添加し、反応混合物を蒸発乾固させて、油状残留物を得た。残留物を水(30ml)で処理し、2M塩酸でpHを約8に調節した。結果として得られた溶液をクロロホルム:エタノール(5:1、4×120ml)で抽出した。抽出から得られた水溶液(約70mlの合計体積で、これは無機不純物を含む)を、6gのOasisカートリッジ(カートリッジあたり5mlの水性溶液を含む4つのカートリッジを平行して実施した)を通過させることにより、5mlアリコートで精製した。各カートリッジをまずエタノール(2カラム体積)、続いて水(2カラム体積)で洗浄した。水性溶液(5ml)を次に適用し、カートリッジを水(1.5カラム体積)、続いてエタノール(2カラム体積)で溶出させた。所望の生成物(254nMでのUV吸収により判定)を含むフラクションを合し、蒸発させて、標記化合物を白色固体(5.34g)として得た;LCMS:(システム3)MH=225、tRET=0.61分。
【0204】
中間体23:{2−[(シクロブチルメチル)オキシ]フェニル}メタノール
【化33】

【0205】
2−(ヒドロキシメチル)フェノール(1g、8.06ミリモル、Aldrich)、(ブロモメチル)シクロブタン(2.40g、16.1ミリモル、Aldrich)、炭酸カリウム(2.23g、16.1ミリモル)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(10ml)中混合物を室温で週末にかけて撹拌し、次いで80℃で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、真空中で蒸発させた。残留物を水(20ml)と酢酸エチル(20ml)との間で分配した。水性相をさらなる酢酸エチル(20ml)で抽出し、合した酢酸エチル抽出物を真空中で蒸発させた。試料をジクロロメタン中にロードし、0〜50%酢酸エチル/シクロヘキサンを用いてシリカ(Si)(70g)上SPEによって精製した。適切なフラクションを合し、真空中で蒸発させて、標記化合物を無色油状物(1.54g)として得た;LCMS:(システム3)tRET=1.21分、強力なMHまたは(M−H)はなかった;TLC:R=0.64(シクロヘキサン:EtOAc 2:1)。
【0206】
中間体24:1−(ブロモメチル)−2−[(シクロブチルメチル)オキシ]ベンゼン
【化34】

【0207】
{2−[(シクロブチルメチル)オキシ]フェニル}メタノール(0.5g、2.60ミリモル)の無水ジクロロメタン(5ml)中溶液を、窒素下で5℃まで冷却した。三臭化リン(0.248ml、2.63ミリモル)の無水DCM(2ml)中溶液を滴加した。反応混合物を撹拌して、室温まで1.5時間温めた。反応混合物を次いで氷/水(40ml)と飽和水性重炭酸ナトリウム(15ml)との混合物上に注いだ。DCM(30ml)を添加し、層を分離した。水性物をDCM(20ml)で抽出した。合したDCM抽出物を乾燥し(NaSO)、真空中で蒸発させて、標記化合物を淡黄色油状物(500mg)として得た;LCMS:(システム4)tRET=3.61分、強力なMHまたは(M−H)はなかった;R=0.91(シクロヘキサン:EtOAc4:1中)。
【0208】
中間体25:2−[(2−ヨードフェニル)メチル]−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル
【化35】

【0209】
1−(ブロモメチル)−2−ヨードベンゼン(4.21g、14.17ミリモル、Aldrich)の乾燥ジメチルホルムアミド(10ml)中溶液を1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル(2g、14.17ミリモル、Chemgenx)の乾燥ジメチルホルムアミド(25ml)中撹拌溶液に室温で添加した。炭酸カリウム(3.92g、28.3ミリモル)を結果として得られた溶液に添加し、結果として得られた懸濁液を次いで室温で4時間撹拌した。反応混合物を、疎水性フリットを通して濾過し、DMF(5ml)を用いてフリットを洗浄した。濾液を蒸発させて残留油状物を得、これをジクロロメタン(300ml)中に溶解させ、水で洗浄した(30ml)。相の分離後、有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、淡黄色油状物(5.78g)を得た。油状物をジクロロメタン(15ml)中に溶解させ、3つの100gシリカSPEカートリッジにかけた。カートリッジを、50%のシクロヘキサン中酢酸エチルの勾配を用いて溶出させた。適切なフラクションを合し、蒸発させて、標記化合物を無色油状物(1.20g)として得た;LCMS:(システム3)MH=358、tRET=1.16分。
【0210】
中間体26:2−[(2−ヨードフェニル)メチル]−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸
【化36】

【0211】
2Mの水酸化ナトリウム水溶液(1.97ml、3.94ミリモル)を、2−[(2−ヨードフェニル)メチル]−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸エチル(1.174g、3.29ミリモル)のエタノール(15ml)および水(1ml)中撹拌混合物に添加し、結果として得られた透明溶液を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をほぼ乾固するまで蒸発させ、残留油状物を水(20ml)中に溶解させ、2Mの水性塩酸で〜pH3まで酸性化した。結果として得られた混合物をジクロロメタンで抽出した(100ml+2×50ml)。合した有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、標記化合物を白色固体(1.02g)として得た;LCMS:(システム3)MH=330、tRET=0.90分。
【0212】
中間体27:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−[(2−ヨードフェニル)メチル]−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化37】

【0213】
塩化チオニル(10ml、137ミリモル)を2−[(2−ヨードフェニル)メチル]−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸(1.01g、3.06ミリモル)に添加し、結果として得られた混合物を穏やかな還流下(浴温90℃)、窒素下で30分間加熱した。反応混合物を蒸発乾固させて、2−[(2−ヨードフェニル)メチル]−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボニルクロリドを淡黄色油状物(1.11g)として得た。2−[(2−ヨードフェニル)メチル]−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボニルクロリド(1.06g、推定3.06ミリモル)を乾燥ジクロロメタン(10ml)中に溶解させ、10分にわたって2,6−ジフルオロアニリン(0.494ml、4.59ミリモル、Fluorochem)およびトリエチルアミン(1.71ml、12.24ミリモル)の乾燥ジクロロメタン(15ml)中撹拌溶液に、室温で1時間滴加した。反応混合物を還流加熱し(浴温53℃)、次いで室温まで冷却し、蒸発させると、油状物が残った。この油状物を乾燥アセトニトリル(20ml)中に溶解させ、2,6−ジフルオロアニリン(2.47ml、23ミリモル)およびトリエチルアミン(1.71ml、12.2ミリモル)で処理した。結果として得られた溶液を還流下(浴温95℃)で138時間加熱した。反応混合物を蒸発乾固させ、残留油状物をジクロロメタン(150ml)と0.5Mの塩酸(25ml)との間で分配した。相を分離し、水性相をさらなるジクロロメタン(50ml)で抽出した。合した有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させると、淡褐色油状物(4.38g)が残った。この油状物をジクロロメタン(10ml)中に溶解させ、2つの100gのシリカSPEカートリッジに等しくかけた。カートリッジを、0〜25%シクロヘキサン中酢酸エチルの勾配を用いて溶出させた。適切なフラクションを合し、蒸発させて、標記化合物を淡褐色固体(489mg)として得た;LCMS:(システム3)MH=441、tRET=1.14分。
【0214】
中間体28:2−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化38】

【0215】
2−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(0.539g、1.185ミリモル)を酢酸エチル(59ml)中に溶解させ、20℃、1バール、流速1ml/分の設定のH−cubeおよび5%Pd/C CatCart30を触媒として使用して水素化した。反応混合物を蒸発乾固させ、次いで酢酸エチル(25ml)中に溶解させ、5%炭素上パラジウム(50mg)触媒上で7時間、通常どおり水素化した。反応混合物を、10gのセライトカートリッジを通してろ過し、セライトカートリッジを酢酸エチル(25ml)で洗浄した。濾液および洗浄液を合し、蒸発させて、標記化合物を白色泡状物(468mg)として得た;LCMS:(システム3)MH=365、367、tRET=1.01分。
【0216】
中間体29:2−(ヒドロキシメチル)−4−(トリフルオロメチル)フェノール
【化39】

【0217】
0℃、窒素下で、2−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)安息香酸(Synthesis 2001、No.15、2259−2262に従って合成、3.13g、20.1ミリモル)の無水THF(65ml)中溶液に、1.0MのTHF中ボラン(36ml、36ミリモル、Aldrich)を2分かけて滴加した。混合物を20℃まで温め、週末にかけて撹拌した。混合物に、水(75ml)、次いで2Mの水性HCl(75ml)をゆっくりと添加した。混合物を酢酸エチル(150ml)で希釈した。水性相を酢酸エチルでさらに抽出した。合した有機抽出物を乾燥し(NaSO)、真空中で濃縮すると、油状物が残った。残留物を、0〜100%のDCM−酢酸エチル勾配を40分にわたって用いてシリカ(100g)上で精製した。適切なフラクションを合し、溶媒を真空中で除去して、標記化合物を白色固体(1.33g)として得た;LCMS:(システム4)(M−H)−=191、tRET=1.97分。
【0218】
中間体30:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化40】

【0219】
2−(ヒドロキシメチル)−4−(トリフルオロメチル)フェノール(2.19g、11.4ミリモル)のアセトン(50ml)中溶液に、炭酸カリウム(1.91g、13.8ミリモル)、次いで臭化ベンジル(1.49g、12.5ミリモル、Aldrich)を添加した。混合物を一晩周囲温度で撹拌した。混合物を水(200ml)と酢酸エチル(200ml)との間で分配した。相を分離し、水性相を酢酸エチル(200ml)で洗浄した。合した有機抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、そして溶媒を真空中で除去すると、2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノールが白色固体(3.23g、100%)として残った。
【0220】
周囲温度の2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール(3.23g、11.4ミリモル)のジクロロメタン(60ml)中撹拌溶液に、トリフェニルホスフィン(3.63g、13.8ミリモル、Aldrich)を添加した。溶液に、四臭化炭素(4.59g、13.8ミリモル、Aldrich)を、周囲温度を超えた温度上昇を<10℃に維持しながら、数回に分けて添加した。混合物を1.5時間撹拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、残留物を、0〜50%シクロヘキサン−DCM勾配を用いてシリカ(100g)上で40分間精製した。適切なフラクションを合し、溶媒を真空中で除去して、2−(ブロモメチル)−1−[(フェニルメチル)オキシ]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンを無色油状物(2.57g)として得た。
【0221】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(0.679g、3.04ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(20ml)中溶液に、炭酸カリウム(0.608g、4.40ミリモル)、次いで2−(ブロモメチル)−1−[(フェニルメチル)オキシ]−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(990mg、2.87ミリモル)を周囲温度で添加した。懸濁液を一晩撹拌した。混合物を水(150ml)とDCM勾配(150ml)との間で分配した。水性相をジクロロメタン(15ml)で洗浄した。合した有機抽出物を乾燥し(NaSO)、溶媒真空中で蒸発させると、無色油状物が残った。残留物をジクロロメタン中にロードし、0〜50%シクロヘキサン−酢酸エチルを用いてシリカ(Si)100g上で精製した。適切なフラクションを合し、溶媒を真空中で除去すると、無色油状物が残った。半粗生成物を酢酸エチル(100ml)中に溶解させ、水で洗浄した(3×50ml)。有機抽出物を乾燥し(NaSO)、ろ過し、溶媒を真空中で除去した。残留物をDCM中に溶解させ、溶媒を真空中で2回除去して、標記化合物を白色泡状物(1.20g)として得た;LCMS:(システム4)MH=488、tRET=3.38分。
【0222】
中間体31:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化41】

【0223】
真空下で10%炭素上パラジウム(149mg)に、N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−[(フェニルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(1.17g、2.41ミリモル)の酢酸エチル(20ml)中溶液を添加した。懸濁液を周囲温度で3時間水素化した。セライトカートリッジ(10g)を通して懸濁液をろ過し、残留物を酢酸エチル(70ml)で洗浄した。溶媒を真空中で除去し、残留物をメタノール中に溶解させた。溶媒を真空中で除去して、標記化合物を白色粉末(0.902g)として得た;LCMS:(システム4)MH=398、tRET=2.72分。
【0224】
実施例1:1−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化42】

【0225】
1−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(0.767g、2.24ミリモル)に、塩化チオニル(6ml、82ミリモル、Aldrich)を添加した。懸濁液を2時間還流加熱した(95℃のドライシンブロック)。還流加熱すると出発物質は溶解した。溶媒を真空中で除去し、真空ポンプマニホールド上で乾燥して、1−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボニルクロリドを無色ガム状物(0.870g)として得た。周囲温度で1−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボニルクロリド(0.7g、1.94ミリモル)のDCM(8ml)中溶液に、トリエチルアミン(0.270ml、1.94ミリモル、Aldrich)、次いで2,6−ジフルオロアニリン(0.3ml、0.383g、2.97ミリモル、Aldrich)を添加した。溶液を周囲温度で一晩撹拌した。結果として得られた懸濁液を、ジクロロメタン(50ml)と飽和水性炭酸水素ナトリウム(50ml)との間で分配した。相を分離し、水性抽出物をジクロロメタン(25ml)で洗浄した。合した有機抽出物を飽和水性炭酸水素ナトリウム(25ml)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、溶媒を真空中で除去した。残留物をジクロロメタン中にロードし、0〜50%酢酸エチル−シクロヘキサンを用いてシリカ(Si)70g上で精製した。適切なフラクションを合し、真空中で蒸発させて、標記化合物を白色固体(0.791g)として得た;LCMS:(システム1)MH=454、tRET=3.60分。
【0226】
同様に以下のものを調製した:
【表1】

【0227】
実施例2:1−({5−クロロ−2−[(2−メチルプロピル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化43】

【0228】
1−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30mg、0.082ミリモル)のDMF(1ml)中溶液に、炭酸カリウム(12〜14mg、0.087ミリモル)を添加した。懸濁液に、1−ブロモ−2−メチル−プロパン(0.012ml、0.107ミリモル、Aldrich)を添加した。懸濁液を周囲温度で一晩撹拌した。さらなる量の炭酸カリウム(12〜14mg、0.087ミリモル)、次いで1−ブロモ−2−メチル−プロパン(0.024ml、0.21ミリモル)を懸濁液に添加した。混合物を一晩撹拌した。懸濁液を10gの逆相C18カートリッジ(メタノールで予洗)にかけ、少量のメタノール(0.5ml)を使用して化合物をロードした。カートリッジを10%水中メタノール(2カラム体積)、次いでメタノール(2カラム体積)で洗浄した。メタノールフラクションを真空中で濃縮した。残留物を1:1のMeOH:DMSO(1ml)中に溶解させ、MDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を淡褐色固体(10mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=420、tRET=3.65分。
【0229】
実施例3:1−({5−クロロ−2−[(3−メチルブチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化44】

【0230】
1−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30mg、0.082ミリモル)のDMF(0.5ml)中溶液に、炭酸カリウム(13−16mg、0.094ミリモル)を添加した。懸濁液に、1−ブロモ−3−メチルブタン(0.015ml、0.124ミリモル、Aldrich)を添加し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。懸濁液をメタノール(0.5ml)で希釈し、パスツールピペット中のコットンウールプラグを通してMDAPバイアル中に直接濾過した。濾液をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物(18mg)を得た;LCMS:(システム1)MH=434、tRET=3.75分。
【0231】
実施例4:1−{[2−(ブチルオキシ)−5−クロロフェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化45】

【0232】
1−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30mg、0.082ミリモル)のDMF(0.5ml)中溶液に、炭酸カリウム(13〜16mg、0.094ミリモル)を添加した。懸濁液に、1−ブロモブタン(0.013ml、0.124ミリモル、Acros)を添加し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。懸濁液をメタノール(0.5ml)で希釈し、パスツールピペット中のコットンウールプラグを通してMDAPバイアル中に直接濾過した。濾液をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を白色固体(20mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=420、tRET=3.66分。
【0233】
実施例5:1−({5−クロロ−2−[(シクロプロピルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化46】

【0234】
1−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30mg、0.082ミリモル)のDMF(0.5ml)中溶液に、炭酸カリウム(13〜16mg、0.094ミリモル)を添加した。懸濁液に、(ブロモメチル)シクロプロパン(0.011ml、0.124ミリモル、Alfa Aesar)を添加し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。さらなる量の炭酸カリウム(13−16mg、0.094ミリモル)、次いで(ブロモメチル)シクロプロパン(0.011ml、0.124ミリモル、Alfa Aesar)を懸濁液に添加した。懸濁液を週末にかけて周囲温度で撹拌した。懸濁液をメタノール(0.5ml)で希釈し、パスツールピペット中のコットンウールプラグを通してMDAPバイアル中に直接濾過した。濾液をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を白色固体(18.6mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=418、tRET=3.54分。
【0235】
実施例6:1−[(5−クロロ−2−{[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化47】

【0236】
1−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30mg、0.082ミリモル)の無水DMF(1ml)中溶液に、炭酸カリウム(13mg、0.094ミリモル)を添加した。懸濁液に、2,6−ジフルオロベンジルブロミド(23mg、0.111ミリモル、Aldrich)を添加した。懸濁液を一晩周囲温度で撹拌した。懸濁液を10gの逆相C18カートリッジ(メタノールで予洗)にかけ、少量のメタノール(0.5ml)を使用して化合物をロードした。カートリッジを10%水中メタノール(2カラム体積)、次いでメタノール(2カラム体積)で洗浄した。メタノールフラクションを真空中で濃縮した。残留物を1:1のMeOH:DMSO(1ml)中に溶解させ、MDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を白色固体(22mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=490、tRET=3.62分。
【0237】
実施例7:1−{[5−クロロ−2−(プロピルオキシ)フェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化48】

【0238】
1−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30mg、0.082ミリモル)のDMF(0.5ml)中溶液に、炭酸カリウム(13〜16mg、0.094ミリモル)を添加した。懸濁液に、1−ブロモプロパン(0.014ml、0.124ミリモル、Aldrich)を添加し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。懸濁液をメタノール(0.5ml)で希釈し、パスツールピペット中のコットンウールプラグを通してMDAPバイアル中に直接濾過した。濾液をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を白色固体(14.8mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=406、tRET=3.55分。
【0239】
実施例8:1−({5−クロロ−2−[(シクロブチルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化49】

【0240】
1−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(41mg、0.113ミリモル)、および炭酸カリウム(25mg、0.181ミリモル)のDMF(0.5ml)中混合物に、(ブロモメチル)シクロブタン(0.016ml、0.143ミリモル、Acros)を添加した。反応混合物を、一晩、周囲温度にて窒素下で撹拌した。反応混合物に、さらなる量の(ブロモメチル)シクロブタン(0.016ml、0.143ミリモル、Acros)を添加し、反応を4時間撹拌した。疎水性フリットを用いて反応混合物を濾過し、濾液をMeOH(0.5ml)中に溶解させた。濾液をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を黄色ガム状物(24.6mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=432、tRET=3.80分。
【0241】
実施例9:1−[(5−クロロ−2−{[(2−クロロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化50】

【0242】
1−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30mg、0.082ミリモル)の無水DMF(1ml)中溶液に炭酸カリウム(13mg、0.094ミリモル)を添加した。懸濁液に、2−クロロベンジルブロミド(0.014ml、0.107ミリモル、Acros)を添加した。懸濁液を一晩周囲温度で撹拌した。懸濁液を10gの逆相C18カートリッジ(メタノールで予洗)にかけ、少量のメタノール(0.5ml)を使用して化合物をロードした。カートリッジを水中10%メタノール(2カラム体積)、次いでメタノール(2カラム体積)で洗浄した。メタノールフラクションを真空中で濃縮した。残留物を1:1のMeOH:DMSO(1ml)中に溶解させ、MDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を白色固体(20mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=488、tRET=3.74分。
【0243】
実施例10:1−{[5−クロロ−2−(シクロブチルオキシ)フェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化51】

【0244】
1−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(41.5mg、0.114ミリモル)および炭酸カリウム(21.4mg、0.155ミリモル)のDMF(0.5ml)中混合物に、ブロモシクロブタン(0.014ml、0.148ミリモル、Aldrich)を添加した。反応物を一晩、窒素下、周囲温度で撹拌した。反応物に、さらなる量のブロモシクロブタン(0.028ml、0.296ミリモル、Aldrich)および炭酸カリウム(21mg、0.152ミリモル)を添加した。反応をさらに48時間、窒素下、周囲温度で撹拌した。疎水性フリットを用いて反応混合物を濾過し、濾液をMeOH(0.5ml)中に溶解させた。濾液をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を褐色固体(3.6mg)として得た;LCMS:(システム4)MH=418、tRET=3.38分。
【0245】
実施例11:1−({5−クロロ−2−[(1−メチルエチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化52】

【0246】
1−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30mg、0.082ミリモル)のDMF(1ml)中溶液に、炭酸カリウム(12〜14mg、0.087ミリモル)を添加した。懸濁液に、2−ブロモプロパン(10μl、0.107ミリモル、Aldrich)を添加した。懸濁液を周囲温度で一晩撹拌した。さらなる量の炭酸カリウム(12〜14mg、0.087ミリモル)、次いで2−ブロモプロパン(20μl、0.21ミリモル、Aldrich)を懸濁液に添加した。混合物を一晩撹拌した。懸濁液を10gの逆相C18カートリッジ(メタノールで予洗)にかけ、少量のメタノール(0.5ml)を使用して化合物をロードした。カートリッジを水中10%メタノール(2カラム体積)、次いでメタノール(2カラム体積)で洗浄した。メタノールフラクションを真空中で濃縮した。残留物を1:1のMeOH:DMSO(1ml)中に溶解させ、MDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を淡褐色固体(7.6mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=406、tRET=3.49分。
【0247】
実施例12:1−({5−クロロ−2−[(シクロヘキシルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化53】

【0248】
1−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30mg、0.082ミリモル)のDMF(0.5ml)中溶液に炭酸カリウム(13〜16mg、0.094ミリモル)を添加した。懸濁液に、(ブロモメチル)シクロヘキサン(0.017ml、0.124ミリモル、Aldrich)を添加し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。さらなる量の(ブロモメチル)シクロヘキサン(0.017ml、0.124ミリモル、Aldrich)、次いで炭酸カリウム(13〜16mg、0.094ミリモル)を懸濁液に添加した。混合物を週末にかけて撹拌した。懸濁液をメタノール(0.5ml)で希釈し、パスツールピペット中のコットンウールプラグを通して濾過した。濾液をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を無色ガム状物(5.2mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=460、tRET=3.90分。
【0249】
実施例13:1−{[5−クロロ−2−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化54】

【0250】
1−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(20mg、0.055ミリモル)のDMF(1ml)中溶液に、炭酸カリウム(12.6mg、0.091ミリモル)を添加し、次いでヨウ化メチル(5.3μl、0.085ミリモル、Aldrich)を添加した。懸濁液を一晩撹拌した。微懸濁液をメタノール(1ml)で希釈し、次いでMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を黄色ガム状物(13mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=378、tRET=3.30分。
【0251】
実施例14:1−({5−クロロ−2−[(2−フェニルエチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化55】

【0252】
1−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30mg、0.082ミリモル)のDMF(0.5ml)中溶液に、炭酸カリウム(13〜16mg、0.094ミリモル)を添加した。懸濁液に、(2−ブロモエチル)ベンゼン(0.017ml、0.124ミリモル、Aldrich)を添加し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した。さらなる量の(2−ブロモエチル)ベンゼン(0.017ml、0.124ミリモル、Aldrich)、次いで炭酸カリウム(13−16mg、0.094ミリモル)を懸濁液に添加した。混合物を週末にかけて撹拌した。懸濁液をメタノール(0.5ml)で希釈し、パスツールピペット中のコットンウールプラグを通して濾過した。濾液を、MDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を白色固体(3.8mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=468、tRET=3.69分。
【0253】
実施例15:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−({2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化56】

【0254】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(0.510g、2.29ミリモル)および炭酸カリウム(0.70g、5.06ミリモル)のDMF(20ml)中混合物に、2−ベンジルオキシベンジルブロミド(0.635g、2.29ミリモル、Tiger)を添加した。反応を窒素下、周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を水(150ml)と酢酸エチル(100ml)との間で分配した。相を分離し、水性相を酢酸エチル(100ml)で抽出した。合した有機相を乾燥し(MgSO)、濾過し、そして溶媒を真空中で除去すると、黄色油状物(2.32g)が残った。残留物をジクロロメタン中にロードし、0〜100%酢酸エチル−シクロヘキサンを用いてシリカ(Si)100g上で精製した。適切なフラクションを合し、真空中で蒸発させて、標記化合物を無色ガム状物(0.879g)として得た;LCMS:(システム1)MH=420、tRET=3.46分。
【0255】
実施例16:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−({2−[(2−メチルプロピル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化57】

【0256】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(32.4mg、0.098ミリモル)および炭酸カリウム(17.2mg、0.124ミリモル)のDMF(0.5ml)中混合物に、1−ブロモ−2−メチルプロパン(0.014ml、0.128ミリモル、Aldrich)を添加した。反応を窒素下、周囲温度で一晩撹拌した。疎水性フリットを用いて反応混合物を濾過し、濾液をMeOH(1ml)中に溶解させた。濾液をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を透明ガム状物(6.6mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=386、tRET=3.72分。
【0257】
実施例17:1−({2−[(シクロブチルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化58】

【0258】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(35.4mg、0.108ミリモル)および炭酸カリウム(42.1mg、0.305ミリモル)のDMF(0.5ml)中混合物に、(ブロモメチル)シクロブタン(0.016ml、0.140ミリモル、Acros)を添加した。反応を一晩窒素下、周囲温度で撹拌した。反応混合物に、さらなる量の(ブロモメチル)シクロブタン(0.016ml、0.140ミリモル、Acros)および炭酸カリウム(18.3mg、0.133ミリモル)を添加した。反応を窒素下、周囲温度で一晩撹拌した。疎水性フリットを用いて反応混合物を濾過し、濾液をMeOH(0.5ml)中に溶解させた。濾液をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて標記化合物を透明ガム状物(22.2mg)として得た;
LCMS:(システム4)MH=398、tRET=3.40分。
【0259】
実施例18:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−({2−[(2−メチルブチル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化59】

【0260】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(48mg、0.146ミリモル)および炭酸カリウム(29mg、0.210ミリモル)のDMF(0.5ml)中混合物に、1−ブロモ−2−メチルブタン(0.023ml、0.189ミリモル、Friton Laboratories)を添加した。反応を窒素下、周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物に、さらに1−ブロモ−2−メチルブタン(0.023ml、0.189ミリモル)および炭酸カリウム(29mg、0.224ミリモル)を添加した。反応を50℃まで加熱し、5時間窒素下で撹拌した。周囲温度まで冷却した後、反応混合物に、さらに1−ブロモ−2−メチルブタン(0.023ml、0.189ミリモル)を添加した。反応を一晩、窒素下で撹拌した。疎水性フリットを用いて反応混合物を濾過し、濾液をMeOH(0.5ml)中に溶解させた。濾液をMDAP(Sunfire C18カラム)によって精製した(方法B)。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を白色ガム状物(15.3mg)として得た;LCMS:(システム4)MH=400、tRET=3.50分。
【0261】
実施例19:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−({2−[(3−メチル−2−ブテン−1−イル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化60】

【0262】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30.7mg、0.093ミリモル)および炭酸カリウム(19.5mg、0.141ミリモル)のDMF(0.5ml)中混合物に、4−ブロモ−2−メチル−2−ブテン(0.014ml、0.121ミリモル、Aldrich)を添加した。反応を窒素下、周囲温度で一晩撹拌した。疎水性フリットを用いて反応混合物を濾過し、濾液をMeOH(1ml)中に溶解させた。濾液をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて標記化合物を褐色ガム状物(18.1mg);LCMSとして得た:(システム1)MH=398、tRET=3.47分。
【0263】
実施例20:1−{[2−(シクロペンチルオキシ)フェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化61】

【0264】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(34mg、0.103ミリモル)および炭酸カリウム(21mg、0.152ミリモル)のDMF(0.5ml)中混合物に、シクロペンチルヨージド(0.016ml、0.138ミリモル、Aldrich)を添加した。反応混合物を一晩、窒素下、周囲温度で撹拌した。反応混合物に、炭酸カリウム(18.2mg、0.132ミリモル)およびシクロペンチルヨージド(0.016ml、0.138ミリモル、Aldrich)を添加した。反応を窒素下、周囲温度で一晩撹拌した。疎水性フリットを用いて反応混合物を濾過し、濾液をMeOH(0.5ml)中に溶解させた。濾液をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物をピンク色固体(21.3mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=398、tRET=3.49分。
【0265】
実施例21:1−{[2−(シクロヘキシルオキシ)フェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化62】

【0266】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(47mg、0.143ミリモル)および炭酸カリウム(28mg、0.20ミリモル)のDMF(0.5ml)中混合物に、ヨードシクロヘキサン(0.024ml、0.186ミリモル、ABCR)を添加した。反応を一晩、周囲温度、窒素下で撹拌した。反応混合物に、さらなる量のヨードシクロヘキサン(0.024ml、0.186ミリモル、ABCR)および炭酸カリウム(26mg、0.200ミリモル)を添加した。反応を50℃まで加熱し、一晩、窒素下で撹拌した。疎水性フリットを用いて反応混合物を濾過し、濾液をMeOH(0.5ml)中に溶解させた。濾液をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を灰白色ガム状物(4.1mg)として得た;LCMS:(システム4)MH=412、tRET=3.50分。
【0267】
実施例22:1−{[5−クロロ−2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化63】

【0268】
1−[(5−クロロ−2−ヨードフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30mg、0.063ミリモル)、臭化銅(I)(0.91mg、6.33マイクロモル)、炭酸セシウム(43.3mg、0.133ミリモル)およびフェノール(7.2mg、0.076ミリモル、Aldrich)を小さな試験管中に秤取した。この混合物に、DMSO(200μL)、続いて2−オキソシクロヘキサンカルボン酸エチル(2.0μl、0.013ミリモル、Aldrich)を添加した。試験管を温室装置中に入れ、内容物を撹拌し、窒素下で70℃まで加熱した。20時間後、反応溶液を冷却し、次いでコットンウールの小さなプラグを通過させ、1:1DMSO:MeOH溶液で0.5mlにした。この試料を次いでMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。生成物を含有するフラクションを、ポリマー担持重炭酸塩カートリッジを通過させ、蒸発乾固させて、標記化合物を白色固体(7.6mg)として得た;LCMS:(システム2)MH=440および442(Cl同位体)、tRET=1.33分。
【0269】
実施例23:1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化64】

【0270】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(45mg、0.202ミリモル)、炭酸カリウム(42mg、0.304ミリモル)および1−(ブロモメチル)−2−(ブチルオキシ)ベンゼン(57mg、0.234ミリモル)をスターラー付バイアル中に秤取した。DMF(0.5ml)を添加し、バイアルにキャップをし、混合物を室温で26時間撹拌した。混合物を、コットンウールを通して濾過し、MeOHで洗浄して、合計体積1mlを得た。この溶液をMDAP(Sunfireカラム)によって精製した(方法B)。適切なフラクションを真空中、次いで窒素流下で濃縮して、標記化合物を無色ガム状物(23mg)として得た;LCMS:(システム4)MH=386、tRET=3.31分。
【0271】
実施例24:1−({5−ブロモ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化65】

【0272】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(22.3mg、0.1ミリモル)のジメチルホルムアミド(0.4ml)中溶液に、カリウムt−ブトキシド(11.2mg、0.1ミリモル)を添加し、そして結果として得られた溶液を10分間静置した。この溶液を、4−ブロモ−2−(ブロモメチル)フェニルフェニルメチルエーテル(0.1ミリモル、WO2005040128A1にしたがって合成)のアセトニトリル(0.2ml)中溶液に添加した。結果として得られた溶液を室温で16時間静置した。溶媒を真空中で除去し、1:1メタノール:ジメチルスルホキシドの溶液(0.6ml)を添加し、溶液をSUNFIRE C18カラム上MDAPにより精製した(方法D)。適切なフラクションを真空中、次いで窒素流下で濃縮して、標記化合物(18.9mg)を得た;LCMS:(システム1)MH=498、tRET=3.76分。
【0273】
同様に以下のものを調製した:
【表2】

【0274】
実施例27:1−({4−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化66】

【0275】
−10〜−15℃、窒素下で、{4−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メタノール(0.501g、2.02ミリモル)のDCM(10ml)中溶液に、三臭化リン(0.190ml、2.02ミリモル、Aldrich)のDCM(5ml)中溶液を滴加した。溶液を周囲温度まで温め、4.5時間撹拌した。氷水浴中の反応混合物に、飽和炭酸水素ナトリウム(5ml)を滴加した。混合物を水(45ml)およびジクロロメタン(55ml)で希釈した。相を分離し、水性相をDCM(30ml)で洗浄した。合した有機抽出物を水(10ml)で洗浄した。有機抽出物を乾燥し(MgSO)、濾過し、そして溶媒を真空中で除去して、1−(ブロモメチル)−4−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]ベンゼンを無色ガム状物(0.505g)として得た。
【0276】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(50.9mg、0.228ミリモル)および炭酸カリウム(63.7mg、0.461ミリモル)の混合物に、1−(ブロモメチル)−4−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]ベンゼン(71.5mg、0.229ミリモル)のDMF(1ml)中溶液を添加した。反応を窒素下、周囲温度で一晩撹拌した。疎水性フリットを用いて懸濁液を濾過し、残留物をメタノール(1ml)で洗浄した。濾液をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を淡褐色ガム状物(60mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=454、tRET=3.70分。
【0277】
実施例28:1−({2−[(3−クロロフェニル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化67】

【0278】
1−[(2−ブロモフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(29mg、0.074ミリモル)、3−クロロフェノール(9.93μl、0.096ミリモル、ABCR)、炭酸セシウム(50mg、0.153ミリモル、Aldrich)、エチル−2−シクロヘキサノン−カルボキシレート(4.7μl、0.030ミリモル、Aldrich)のDMSO(0.5ml)中混合物に、臭化銅(I)−ジメチルスルフィド複合体(2.5mg、0.012ミリモル、Aldrich)を添加した。反応混合物を120℃まで加熱し、窒素下で一晩撹拌した。疎水性フリットを用いて反応混合物を濾過し、濾液をMeOH(0.5ml)中に溶解させた。試料をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を褐色固体(8.9mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=439.9、tRET=3.62分
実施例29:1−({2−[(4−クロロフェニル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化68】

【0279】
1−[(2−ブロモフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30mg、0.076ミリモル)、4−クロロフェノール(12mg、0.093ミリモル、Aldrich)、炭酸セシウム(53mg、0.163ミリモル、Aldrich)、エチル−2−シクロヘキサノン−カルボキシレート(4.9μl、0.031ミリモル、Aldrich)のDMSO(0.5ml)中混合物に、臭化銅(I)−ジメチルスルフィド複合体(3.5mg、0.017ミリモル、Aldrich)を添加した。反応を120℃まで加熱し、一晩窒素下で撹拌した。疎水性フリットを用いて反応混合物を濾過し、濾液をMeOH(0.5ml)中に溶解させた。試料をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を褐色固体(6.8mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=439.9、tRET=3.63分。
【0280】
実施例30:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−({2−[(4−フルオロフェニル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化69】

【0281】
1−[(2−ブロモフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(29mg、0.074ミリモル)、4−フルオロフェノール(11mg、0.098ミリモル、Aldrich)、炭酸セシウム(54mg、0.166ミリモル、Aldrich)およびエチル−2−シクロヘキサノン−カルボキシレート(4.7μl、0.030ミリモル、Aldrich)のDMSO(0.5ml)中混合物に、臭化銅(I)−ジメチルスルフィド複合体(4mg、0.019ミリモル、Aldrich)を添加した。反応混合物を120℃まで加熱し、窒素下で一晩撹拌した。疎水性フリットを用いて反応混合物を濾過し、濾液をMeOH(0.5ml)中に溶解させた。試料をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を褐色固体(6.1mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=424、tRET=3.50分。
【0282】
実施例31:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−{[3−(メチルオキシ)フェニル]オキシ}フェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化70】

【0283】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−ヨードフェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(39mg、0.089ミリモル)、3−メトキシフェノール(12.7μl、0.115ミリモル、Aldrich)、炭酸セシウム(67mg、0.206ミリモル、Aldrich)、エチル−2−シクロヘキサノン−カルボキシレート(5.8μl、0.036ミリモル、Aldrich)のDMSO(0.5ml)中混合物に、臭化銅(I)−ジメチルスルフィド複合体(6mg、0.029ミリモル、Aldrich)を添加した。反応物を120℃まで加熱し、一晩、窒素下で撹拌した。疎水性フリットを用いて反応混合物を濾過し、濾液をMeOH(0.5ml)中に溶解させた。試料をMDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を褐色固体(10.4mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=436、tRET=3.48分。
【0284】
実施例32:N−(3,5−ジフルオロ−4−ピリジニル)−1−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化71】

【0285】
1−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(0.76g、2.58ミリモル)に塩化チオニル(10ml、137ミリモル、Aldrich)を添加し、撹拌混合物を90℃まで窒素下で4時間加熱した。反応を冷却させ、真空中で濃縮して、粗1−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボニルクロリドを明橙色ガム状物(837mg)として得た。
【0286】
3,5−ジフルオロ−4−ピリジンアミン(6.5mg、0.05ミリモル、Apollo)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.1ml)中溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.035ml)、続いてクロロホルム(0.1ml)中1−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボニルクロリド(15.6mg、0.05ミリモル)を添加した。結果として得られた溶液を10分間振とうし、次いで室温でさらに20分間静置した。ジメチルスルホキシド(0.6ml)を添加し、溶液をSUNFIRE C18カラム上MDAPにより精製した(方法D)。適切なフラクションを真空中、次いで窒素流下で濃縮して、標記化合物(1.2mg)を得た;LCMS:(システム3)MH=407、tRET=1.15分。
【0287】
同様に以下のものを調製した:
【表3】

【0288】
実施例34:N−(2−フルオロフェニル)−1−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化72】

【0289】
1−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(550mg、1.87ミリモル)を塩化チオニル(5ml、68.5ミリモル、Aldrich)およびDMF(0.01ml、0.13ミリモル)で処理した。混合物を周囲温度、窒素下で23時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、次いでDCM中に再溶解させ、再濃縮(×2)して、1−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボニルクロリドを非常に薄い黄色のガム状物(579mg)として得た。
【0290】
2−フルオロアニリン(22.2mg、0.2ミリモル、Aldrich)のクロロホルム(0.2ml)中溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.034ml、0.2ミリモル)およびジメチルアミノピリジン(2mg、0.016ミリモル)、続いてクロロホルム(0.2ml)中1−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボニルクロリド(0.1ミリモル)を添加した。結果として得られた溶液を撹拌し、70℃で還流下、2時間加熱し、その後、蒸発によりクロロホルムを除去した。ジメチルスルホキシド(0.6ml)を添加し、溶液をSUNFIRE C18カラム上MDAPにより精製した(方法D)。適切なフラクションを真空中、次いで窒素流下で濃縮して、標記化合物を無色固体として得た;LCMS:(システム3)MH=388、tRET=1.36分。
【0291】
同様に以下のものを調製した:
【表4】

【0292】
実施例36:1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−N−(3,5−ジフルオロ−4−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化73】

【0293】
1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(0.61g、2.22ミリモル)に、塩化チオニル(10ml、137ミリモル)、次いでN,N−ジメチルホルムアミド(0.2ml、2.58ミリモル)を添加した。反応を周囲温度、窒素下で撹拌した。2時間後、反応を真空中で濃縮し、真空中で一晩乾燥し、次いでクロロホルム中に再溶解させ、再濃縮し(×2)、真空中で再度乾燥して、1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボニルクロリド(748mg、2.55ミリモル)を得た。3,5−ジフルオロ−4−ピリジンアミン(6.5mg、0.05ミリモル、Apollo)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.1ml)中溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.035ml)、続いてクロロホルム(0.1ml)中1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボニルクロリド(14.6mg、0.05ミリモル)を添加した。結果として得られた溶液を10分間振とうし、次いで室温でさらに20分間静置した。ジメチルスルホキシド(0.6ml)を添加し、溶液をSUNFIRE C18カラム上MDAPにより精製した(方法D)。適切なフラクションを真空中、次いで窒素流下で濃縮して、標記化合物を無色固体(2.8mg)として得た;LCMS:(システム3)MH=387、tRET=1.2分。
【0294】
同様に以下のものを調製した:
【表5】

【0295】
実施例39:1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−N−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化74】

【0296】
1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(0.558g、2.03ミリモル)に、塩化チオニル(5ml、68.5ミリモル)を添加し、続いてN,N−ジメチルホルムアミド(0.01ml、0.129ミリモル)を添加した。反応物を周囲温度、窒素下で22時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、次いでDCM中に再溶解させ、再濃縮(×2)して、1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボニルクロリドを非常に薄いオレンジ色のガム状物として得、これは静置すると凝固した(611mg)。2−クロロ−6−フルオロアニリン(29.1mg、0.2ミリモル、Avacardo research chemicals)のクロロホルム(0.2ml)中溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.034ml、0.2ミリモル)およびジメチルアミノピリジン(2mg、0.016ミリモル)を添加した。クロロホルム(0.2ml)中1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボニルクロリド(29.2mg、0.1ミリモル)を次いで添加し、結果として得られた溶液を撹拌し、70℃、2時間還流下で加熱した。溶媒を窒素流下で除去し、次いでジメチルスルホキシド(0.6ml)を添加した。反応混合物をSUNFIRE C18カラム上MDAPにより精製した(方法D)。適切なフラクションを真空中、次いで窒素流下で濃縮して、標記化合物(9.8mg)を得た;LCMS:(システム3)MH=402、tRET=1.33分。
【0297】
実施例40:2−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化75】

【0298】
2−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸(100mg、0.291ミリモル)の塩化チオニル(1ml、13.7ミリモル、Aldrich)中懸濁液を、90℃まで2.5時間加熱した。溶媒を真空中で除去し、真空下で1時間乾燥した。残留物をDCM(1ml)中に溶解させた。溶液に、トリエチルアミン(0.041ml、0.291ミリモル)、次いで2,6−ジフルオロアニリン(0.044ml、0.436ミリモル、Fluorochem)を添加した。溶液を周囲温度で一晩撹拌した。懸濁液をメタノールで希釈し、10gのSCXカートリッジ(メタノールで予洗)にかけた。カートリッジをメタノール(2カラム体積)で洗浄し、メタノールフラクションを真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタン中にロードし、シリカ(Si)20g上、0〜50%酢酸エチル−シクロヘキサンを用いて精製した。適切なフラクションを合し、真空中で蒸発させた。残留物を1:1のMeOH:DMSO(1ml)中に溶解させ、MDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム)により精製し(方法A)、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出させた。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物をガム(34mg)として得た;LCMS:(システム1)MH=455、tRET=3.59分。
【0299】
実施例41:2−({2−[(シクロプロピルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化76】

【0300】
1−(ブロモメチル)−2−[(シクロプロピルメチル)オキシ]ベンゼン(134mg、0.558ミリモル)、N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(125mg、0.558ミリモル)および炭酸カリウム(154mg、1.115ミリモル)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(2.5ml)中混合物を、室温で窒素下、一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、真空中で蒸発させた。試料をDMSO中に溶解させ(3×1ml)、Sunfire C18カラム上Mass Directed AutoPrepにより、ギ酸修飾剤を含むアセトニトリル水を用いて精製した(方法B)。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を白色固体(15mg)として得た;LCMS:(システム4)MH=385、tRET=3.00分。
【0301】
実施例42:2−({2−[(シクロブチルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化77】

【0302】
1−(ブロモメチル)−2−[(シクロブチルメチル)オキシ]ベンゼン(142mg、0.558ミリモル)、N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(125mg、0.558ミリモル)および炭酸カリウム(154mg、1.115ミリモル)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(2.5ml)中混合物を室温で窒素下、一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、真空中で蒸発させた。試料をDMSO中に溶解させ(3×1ml)、Sunfire C18カラム上MDAPにより、ギ酸修飾剤を含むアセトニトリル水を用いて精製した(方法B)。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を無色ガム状物(27mg)として得た;LCMS:(システム4)MH=399、tRET=3.26分。
【0303】
実施例43:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化78】

【0304】
乾燥ジメチルスルホキシド(0.5ml)を三口フラスコ中、臭化銅(I)(2.3mg、0.016ミリモル)、炭酸セシウム(109mg、0.334ミリモル)および2−シクロヘキサノンカルボン酸エチル(5.1μl、0.032ミリモル、Aldrich)の混合物に室温、窒素下で添加した。この混合物を室温で30分間撹拌した。N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−[(2−ヨードフェニル)メチル]−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(70mg、0.159ミリモル)およびフェノール(18mg、0.191ミリモル、Acros)の乾燥ジメチルスルホキシド(0.5ml)中溶液をシリンジによって反応混合物に添加し、これを80℃、窒素下で21時間維持した。フィルターチューブを通して反応混合物を濾過し、濾液をジメチルスルホキシド−メタノール(1:1)で2mlの体積に希釈した。この溶液を、2回注入し、MDAP(supelcosil ABZ+Plusカラム(方法A)により、溶媒A/B(A:水+0.1%ギ酸、B:MeCN:水95:5+0.05%ギ酸)で溶出して精製した。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物(17mg)を淡黄色油状物として得た;LCMS:(システム3)MH=407、tRET=1.22分。
【0305】
実施例44:2−({5−クロロ−2−[(2−メチルプロピル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化79】

【0306】
水素化ナトリウムの油中60%分散液(24.2mg、0.605ミリモル)を数回に分けて5分にわたり、2−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(210mg、0.576ミリモル)の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中撹拌溶液に室温、窒素下で添加した。結果として得られた混合物を室温で10分間撹拌した。臭化イソブチル(0.069ml、0.633ミリモル、Aldrich)を反応混合物に添加し、これを室温、窒素下で23時間維持した。反応混合物を50℃で5時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却させ、次いでテトラブチルアンモニウムヨージド(10mg)で処理した。室温で17時間撹拌した後、さらなる量の臭化イソブチル(0.069ml、0.633ミリモル、Aldrich)を反応混合物に添加し、撹拌を室温で7時間続けた。さらなる量の臭化イソブチル(0.069ml、0.633ミリモル)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。臭化イソブチル(0.40ml、3.68ミリモル)を反応混合物に添加した。3.5時間後、臭化イソブチル(0.40ml、3.68ミリモル)を反応混合物に添加した。2時間後、臭化イソブチル(0.40ml、3.68ミリモル)を反応混合物に添加し、そして2時間後、さらなる量の臭化イソブチル(0.40ml、3.68mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩静置した。反応混合物を水(10ml)で慎重に処理し、2M塩酸でpH〜3に酸性化し、ジクロロメタンで抽出した(3×25ml)。合した有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、淡黄色油状物(302mg)を得た。油状物をジクロロメタン(3ml)中に溶解させ、20gのシリカSPEカートリッジにかけた。カートリッジを、0〜50%シクロヘキサン中酢酸エチルの勾配を用いて溶出させた。適切なフラクションを合し、蒸発させて、標記化合物を透明ガム状物(79mg)として得た;LCMS:(システム3)MH=421、423、tRET=1.33分。
【0307】
実施例45:2−{[2−(ブチルオキシ)−5−クロロフェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
【化80】

【0308】
水素化ナトリウムの油中60%分散液(33mg、0.825ミリモル、Aldrich)を数回に分けて5分にわたり、2−[(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(300mg、0.823ミリモル)の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(6ml)中撹拌溶液に室温、窒素下で添加した。結果として得られた混合物を室温で10分間撹拌した。1−ブロモブタン(0.098ml、0.905ミリモル、Acros)を反応混合物に添加し、これを室温、窒素下で22時間維持した。反応混合物を水(10ml)で慎重に処理し、2M塩酸で酸性化してpH約3にし、ジクロロメタンで抽出した(3×25ml)。合した有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させて、淡黄色油状物(392mg)を得た。油状物をジクロロメタン(5ml)中に溶解させ、50gのシリカSPEカートリッジにかけた。カートリッジを、0〜50%シクロヘキサン中酢酸エチルの勾配を用いて溶出させた。適切なフラクションを合し、蒸発させて、無色油状物(110mg)を得た。油状物をジクロロメタン(2ml)中に溶解させ、20gのシリカSPEカートリッジにかけた。カートリッジを、0〜25%シクロヘキサン中酢酸エチルの勾配を用いて溶出させた。適切なフラクションを合し、蒸発させて、標記化合物を無色油状物として得、これをゆっくりと結晶化させて、白色結晶性固体(105mg)を得た;LCMS:(システム3)MH=421、423、tRET=1.32分。
【0309】
実施例46:1−{[2−[(シクロブチルメチル)オキシ]−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化81】

【0310】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−ヒドロキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(75mg、0.189ミリモル)のジメチルスルホキシド(1ml)中溶液に、炭酸カリウム(52mg、0.376ミリモル)を添加し、次に(ブロモメチル)シクロブタン(0.030ml、0.268ミリモル、Aldrich)を添加した。混合物を周囲温度で窒素下2時間撹拌した。疎水性フリットを用いて溶液を濾過し、メタノール(1ml)で希釈した。混合物を、Sunfire C18カラム上MDAPにより、ギ酸修飾剤を含むアセトニトリル水を用いて精製した(方法B)。溶媒を真空中で蒸発させて、標記化合物を無色ガム状物(53mg)として得た;LCMS:(システム4)MH=466、tRET=3.47分。
【0311】
実施例47:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(エチルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化82】

【0312】
氷水浴中、窒素下で冷却した2−(エチルオキシ)フェニル]メタノール(0.315g、2.07ミリモル、Acros)のDCM(8ml)中溶液に、ジクロロメタン(2ml)中三臭化リン(0.196ml、2.08ミリモル、Aldrich)を滴加した。混合物を周囲温度まで一晩温めた。反応を氷水浴中で再冷却し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム溶液(10ml)でクエンチした。相を分離し、水性相をDCMで2回抽出した。疎水性フリットを用いて合した有機抽出物を乾燥し、溶媒を真空中で除去した。粗物質をジクロロメタン中にロードし、10%シクロヘキサン中酢酸エチル(100ml)、続いて25%シクロヘキサン中酢酸エチルを用いてシリカ(Si)100g上で精製した。適切なフラクションを合し、真空中で蒸発させて、1−(ブロモメチル)−2−(エチルオキシ)ベンゼンを無色油状物(0.393g)として得た。N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(45mg、0.202ミリモル)および炭酸カリウム(56mg、0.405ミリモル)の混合物に、1−(ブロモメチル)−2−(エチルオキシ)ベンゼンのDMF(0.5ml)中溶液を添加した。混合物を一晩周囲温度で撹拌した。ウールプラグを通して懸濁液を濾過し、濾液をメタノール(1ml)で希釈した。濾液をSunfire C18カラム(方法B)上MDAPにより、ギ酸修飾剤を含むアセトニトリル水を用いて精製した。窒素流を用いて溶媒を蒸発させて、標記化合物を白色固体(44mg)として得た;LCMS:(システム4)MH=358、tRET=2.99分。
【0313】
実施例49:1−{[2−({[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化83】

【0314】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(33mg、0.1ミリモル)および炭酸セシウム(33mg、0.1ミリモル)のDMF(0.4ml)中溶液に、3,5−ジ−t−ブチルベンジルブロミド(28mg、0.1ミリモル、Aldrich)のDMF(0.1ml)中溶液を添加した。反応容器を密封し、初期150Wを用いてマイクロ波中で100℃まで10分間加熱した。反応混合物をDMSO(0.5ml)中に溶解させ、TFA修飾剤を含むアセトニトリル−水を用いてSunfire C18カラム上MDAP(方法D)によって精製した。Genevacを用いて真空中で溶媒を蒸発させて標記化合物(18mg)を得た;LCMS:(システム3)MH=532、tRET=1.54分。
【0315】
同様に以下のものを調製した:
【表6】

【0316】
実施例52:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−{[(4−メチルフェニル)メチル]オキシ}フェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化84】

【0317】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30mg、0.09ミリモル)および炭酸セシウム(33mg、0.1ミリモル)のDMF(1ml)中混合物に、1−(ブロモメチル)−4−メチルベンゼン(19mg、0.1ミリモル、Alfa Aesar)を添加した。混合物を周囲温度で3時間撹拌した。反応混合物をDCM(5ml)および水(5ml)で希釈した。相を分離し、水性層をDCM(5ml)でさらに抽出した。合した有機抽出物を疎水性フリットに通して乾燥し、窒素流下で濃縮した。試料を1:1のMeOH:DMSO(1ml)中に溶解させ、アセトニトリル−水とギ酸修飾剤を用いてSunfire C18カラム上MDAP(方法B)によって精製した。溶媒を窒素流下で除去して、標記化合物をガム状物(32mg)として得た;LCMS:(システム3)MH=434、tRET=1.32分。
【0318】
同様に以下のものを調製した:
【表7】

【0319】
実施例58:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−({[2−(エチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化85】

【0320】
周囲温度のN−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(30mg、0.09ミリモル)、トリフェニルホスフィン(29mg、0.11ミリモル、Aldrich)および2−(エチルオキシ)フェニル]メタノール(17mg、0.1ミリモル、Acros)のテトラヒドロフラン(3ml)中溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(0.027ml、0.14ミリモル、Aldrich)を添加した。結果として得られた混合物を周囲温度で3時間撹拌した。反応混合物をDCM(5ml)および水(5ml)で希釈した。相を分離し、水性層をDCM(5ml)でさらに抽出した。合した有機層を疎水性フリットに通して乾燥し、窒素流下で濃縮した。試料を1:1のMeOH:DMSO(1ml)中に溶解させ、アセトニトリル−水とギ酸修飾剤を用いてSunfire C18カラム上MDAP(方法B)によって精製した。溶媒を真空中で蒸発させて標記化合物(34mg)を得た;LCMS:(システム3)MH=464、tRET=1.32分。
【0321】
同様に以下のものを調製した:
【表8】

【0322】
実施例61:N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−({[3−(プロピルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
【化86】

【0323】
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−{[(3−ヨードフェニル)メチル]オキシ}フェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド(16mg、0.03ミリモル)、炭酸セシウム(20mg、0.06ミリモル)、ヨウ化銅(I)(1.1mg、6マイクロモル、Alfa Aesar)およびトランス−9,10−ジヒドロ−9,10−エタノアントラセン−11,12−ジメタノール(1.6mg、6マイクロモル、Aldrich)の混合物に、1−プロパノール(0.5ml)を添加した。反応容器を密封し、マイクロ波中(初期は非常に高い)を用いて150℃まで25分間加熱した。冷却後、反応混合物を水(3ml)とDCM(5ml)との間で分配した。疎水性フリットを用いて相を分離し、有機相を真空中で濃縮すると、粗生成物(18mg)が残った。試料を1:1のMeOH:DMSO(1ml)中に溶解させ、アセトニトリル−水とギ酸修飾剤を用いてSunfire C18カラム上MDAP(方法B)によって精製した。溶媒を窒素流下で乾燥して、標記化合物をガム状物(3.2mg)として得た;LCMS:(システム3)MH=478、tRET=1.38分。
【0324】
生物実験
化合物は、以下の手順または同様の手順によって試験することができる。
【0325】
このICRACアッセイは、SERCA阻害剤タプシガルジンを使用して、カルシウム枯渇を引き起こし、ICRAC電流を活性化する。細胞はカルシウムを含まない環境インキュベートし、したがって、カルシウムを添加して、次いで開放チャネルを経て細胞中に入るまで、イオン運動は起こらない。細胞内カルシウムレベルの変化は、カルシウム感受性蛍光色素Fluo−4を含め、FLIPR検出システムを使用することにより測定される。ICRACの阻害剤は、カルシウムを添加することによりカルシウム流入を減少させ、したがって、蛍光シグナルは減少すると予想される。
【0326】
ジャーカット(Jurkat)E6−1は、機能的なICRAC電流を発現させることがすでに示されている確立した不死化Tリンパ球細胞系である。懸濁液中で成長させたジャーカット細胞を、T175フラスコ中で37℃/5%COに維持されたDMEM+10%のFBS中で培養し、1:10〜1:20のいずれかで分割して1週間に2回二次培養する。1コンフルエントT175により、ほぼ2x10細胞/mlの100mlを得る。
【0327】
ローディング緩衝液は;NaCl(145mM)、KCl(2.5mM)、HEPES(10mM)、グルコース(10mM)、MgCl(1.2mM)を含み、水を足し、次いでNaOH(1M)を用いてpH7.4に調節する。最後に、Fluo−4AM&ブリリアントブラックを添加して、それぞれ2μMおよび250μMの最終アッセイ濃度を得る。
【0328】
試験緩衝液はタプシガルジン(最終アッセイ濃度5μM)、および試験ICRAC阻害剤(最終アッセイ濃度15μM〜14pM)を含む。pIC50<4.8の場合、本発明の化合物を50μMまたは150μMのいずれかの最大濃度でスクリーニングすることができる。
【0329】
384プレートに必要な播種密度は、1ウェルあたり20,000細胞である。細胞を384ウェルプレート上に播種し、ローディング緩衝液を添加した後、室温で2.5時間インキュベートする。続いて、試験緩衝液を細胞プレートに添加し、室温でさらに10分間インキュベートする。プレートを次にFLIPRに移し、FLIPRはまずベースライン蛍光を測定し、続いて6mM(1.2mMのFAC)カルシウム溶液のオンライン添加によって起こる蛍光の増加を測定する。
【0330】
ICRAC阻害剤の非存在下での蛍光は、100%最大シグナルを与え、ICRAC阻害剤の濃度が増加すると、最大シグナルの阻害率(%)として表した蛍光シグナルが減少する。濃度−反応の関係から、最大シグナルの50%阻害をもたらす濃度(pIC50)を次に決定することができる。
【0331】
前記アッセイにおいて、以下の実施例の化合物はpIC50≧6.0を有することが判明した。
1〜8、15〜19、22、24、25、36、39、40、42〜45、52、54、55、59および60
【0332】
前記アッセイにおいて、以下の実施例の化合物は、pIC50≧5.3かつ<6.0を有することが判明した。
9〜14、20、21、23、27〜35、37、38、41、46、51、53、56、58および61
【0333】
前記アッセイにおいて、以下の実施例の化合物は、pIC50<5.3を有することが判明した。
26、47〜50および57
【0334】
本明細書中で言及する特許および特許出願を包含するが、これらに限定されないすべての刊行物は、それぞれの刊行物が具体的かつ個別に表示されているかのように参照することによって本明細書中に組み込まれ、あたかも完全に記載されているかのように参照することによって本明細書中に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

[式中、
Xは、CHまたはNであり;
は、式(a)の基
【化2】

(式中、
1aは、−(CH−R基であり
nは0、1、または2であり;かつ
は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−7シクロアルキルまたはアリールであり;
2aおよびR3aは、独立して、H、ハロゲンまたはCFである)
であり;
は、式(b)の基
【化3】

(式中、
AはCHまたはNであり;
1bは、H、ハロゲンまたはC1−6アルコキシである)
である]、またはその塩。
【請求項2】
XがCHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2aがクロロであり、R3aがHである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
2aおよびR3aがいずれもHである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
1bがH、フルオロ、クロロまたはメトキシである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
が式(b)の基であり、AがCHであり、R1bがフルオロである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
1−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−({5−クロロ−2−[(2−メチルプロピル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−({5−クロロ−2−[(3−メチルブチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−{[2−(ブチルオキシ)−5−クロロフェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−({5−クロロ−2−[(シクロプロピルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−[(5−クロロ−2−{[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)メチル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−{[5−クロロ−2−(プロピルオキシ)フェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−({5−クロロ−2−[(シクロブチルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−({2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−({2−[(2−メチルプロピル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−({2−[(シクロブチルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−({2−[(2−メチルブチル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−({2−[(3−メチル−2−ブテン−1−イル)オキシ]フェニル}メチル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−{[5−クロロ−2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−({5−ブロモ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−N−(3,5−ジフルオロ−4−ピリジニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
1−{[2−(ブチルオキシ)フェニル]メチル}−N−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
2−({5−クロロ−2−[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
2−({2−[(シクロブチルメチル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−{[2−(フェニルオキシ)フェニル]メチル}−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
2−({5−クロロ−2−[(2−メチルプロピル)オキシ]フェニル}メチル)−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
2−{[2−(ブチルオキシ)−5−クロロフェニル]メチル}−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[(2−{[(4−メチルフェニル)メチル]オキシ}フェニル)メチル]−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−({[3−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−({[4−(エチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド;および
N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−{[2−({[3−(エチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)フェニル]メチル}−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド
からなる群から選択される化合物、またはその塩。
【請求項8】
治療に用いるための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項9】
ICRAC阻害剤が使用される疾患または状態の治療に用いるための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項10】
喘息または鼻炎の治療に用いるための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩および1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項12】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩および1種以上の他の治療化合物を含む組み合わせ。
【請求項13】
ICRAC阻害剤が使用される疾患または状態を治療するための医薬の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩の使用。
【請求項14】
治療を必要とする対象にICRAC阻害剤が使用される疾患または状態を治療する方法であって、治療有効量の請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を投与することを含む、前記方法。

【公表番号】特表2012−524754(P2012−524754A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506492(P2012−506492)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055318
【国際公開番号】WO2010/122088
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】