説明

CRF1受容体拮抗剤である化合物

本発明は、式Iの化合物、その立体異性体、その薬学的に許容できる塩またはそのプロドラッグに関する。本発明の化合物は、CRF受容体拮抗剤である。本発明の化合物は、温血動物において、特にほ乳類において、更に特にヒトにおいて、CRFまたはCRF受容体に関連した種々の障害、または、CRF受容体に対して拮抗作用を及ぼすことによって治療効果が生じる或いは治療が容易になる障害を治療する上で有効である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CRF受容体に結合する化合物全般に関連し、特にCRF受容体拮抗剤である新規化合物およびこれをCRFまたはCRF受容体に関連する障害の治療への使用に関する。
【背景技術】
【0002】
コルチコトロピン放出因子(CRF)とは、41個のアミノ酸からなるペプチドであり、脳下垂体前葉からのプロオピオメラノコルチン(POMC)由来のペプチド分泌を調節する主要な生理学的制御因子である[J.Rivierら,Proc.Natl.Acad.Sci(USA)
80:4851 (1983);W.Valeら,Science 213:1394
(1981)]。脳下垂体の内分泌を司る働きに加えて、CRFは、視床下部外の中枢神経系に広範囲に分布を有することが知られ、脳における神経伝達物質または神経調節物質と一致する幅広い自律的行動と生理的作用に寄与している[W.Valeら,Rec.Prog.Horm.Res.39:245
(1983);G.F.Koob,Persp.Behav.Med.2:39 (1985);E.B.De Souzaら,J.Neurosci.5:3189 (1985)]。CRFは、中枢神経系のCRF神経の機能障害に関係するようなうつ病、不安関連障害、摂食障害を含む精神障害および神経学的疾患において、並びに、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、進行性核上麻痺および筋萎縮性側索硬化症の病因および病態生理において、生理学的、心理学的および免疫学的ストレッサに対する免疫系反応を統合する上で、重要な働きを果たしていることを示す証拠がある[J.E.Blalock,Physiological
Reviews 69 :1 (1989);J.E.Morley,Life Sci.41:527 (1987);E.B.De
Souze,Hosp.Practice 23:59 (1988)]。
【0003】
CRFが気分障害においてある役割を果たしていることを示す証拠がある。気分障害は、情動障害としても知られているが、当技術分野においてはよく認知されており、大うつ病、単一エピソード性うつ病、再発性うつ病、児童虐待誘発性のうつ病および産後うつ病を含むうつ病;気分変調;双極性障害;並びに循環気質を含む。情動障害または大うつ病の患者では、脳脊髄液(CSF)中のCRF濃度が顕著にに増加していることが示されている[C.B.Nemeroffら,Science
226:1342 (1984);C.M.Bankiら, Am.J.Psychiatry 144:873 (1987);R.D.Franceら, Biol.Psychiatry
28:86 (1988);M.Aratoら, Biol.Psychiatry 25:355 (1989)]。また、自殺者の前頭皮質では、CRF受容体密度が大幅に減少しており、このことはCRFの過剰に分泌することとも合致している[C.B.Memeroffら,
Arch.Gen.Psychiatry
45:577 (1988)]。更に、うつ病患者では、アドレノコルチコトロピン(ACTH)の(静注による)CRFに対する反応が鈍いことが観察されている[P.W.Goldら,Am.J.Psychiatry
141:619 (1984);F.Holsboerら,Psychoneuroendocrinology 9:147 (1984);P.W.Goldら,New Engl.J.Med.314:1129 (1986)]。ラットおよびヒト以外の霊長類を用いた前臨床試験からも、CRFの分泌過剰がヒトのうつ病に見られる症状と関係しうるという仮説を裏づける追加的な証拠が得られている[R.M.Sapolsky,Arch.Gen.Psychiatry 46:1047 (1989)]。また、三環系抗うつ薬がCRF濃度に変化を及ぼすことにより、脳中の受容体数を調節することができることを示す予備的な証拠もある[Grigoriadisら,Neuropsychopharmacology 2:53 (1989)]。
【0004】
CRFは、また、不安関連障害の病因との関連性が示唆されている。不安障害は、当技術分野において認知されている一群の疾患であって、恐怖性障害、不安状態、外傷後ストレス障害、全般性不安障害、社会不安障害、併発するうつ病を伴う不安症、パニック障害、強迫性障害および非定型不安障害を含む[The Merck Manual of Diagnosis and Therapy,16th edition (1992)]。情緒的ストレスは、不安障害を進行させる因子である場合が多く、このような障害は、ストレスに対する反応を抑える薬物に反応するのが一般的である。CRFの過剰なレベルは、不安惹起性作用が生じることが動物モデルでは知られている[例えばBrittonら,1982;BerridgeおよびDunn,1986,1987を参照されたい]。ベンゾジアゼピン/非ベンゾジアゼピン系抗不安薬とCRFとの間の相互作用は、多くの行動学的不安モデルで実証されている[D.R.Brittonら,Life Sci.31:363 (1982);C.W.BerridgeおよびA.J.Dunn,Regul.Peptides 16:83 (1986)]。CRF受容体拮抗剤と推定されるヒツジα−ヘリカルCRF(9−41)を種々の行動学的パラダイムにおいて用いた研究によって、該拮抗剤はベンゾジアゼピン類と質的に類似した「抗不安薬様」作用を及ぼすことが示されている[C.W.BerridgeおよびA.J.Dunn,Horm.Behav.21:393 (1987),Brain Research Reviews 15:71 (1990);G.F.KoobおよびK.T.Britton,In :Corticotropin-Releasing Factor.Basic and Clinical Studies of a Neuropeptide,E.B.De SouzaおよびC.B.Nemeroff 編.,CRC Press p.221 (1990)]。神経化学、内分泌および受容体結合に関する研究は、全てCRFとベンゾジアゼピン抗不安薬との間に相互作用があることを示しており、これらの障害にCRFが関与していることを示す更なる証拠となっている。クロルジアゼポキシド、ラットにおけるコンフリクト実験[K.T.Brittonら,Psychopharmacology 86:170 (1985);K.T.Brittonら,Psychopharmacology 94:306 (1988)]および聴覚性驚愕試験(Acoustic Startle Test)[N.R.Swerdlowら,Psychopharmacology 88:147 (1986)] の両方においてCRFの「不安惹起性」作用を和らげる。ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤であるRo15−1788は、オペラント・コンフリクト実験において、行動活性のみを有していなかったが、CRFの作用を用量依存的に逆転させ、ベンゾジアゼピン逆作動薬であるFG7142は、CRFの作用を亢進した[K.T.Brittonら,Psychopharmacology 94:396 (1988)]。
【0005】
CRF拮抗剤のシンドロームXの治療のための使用は、EP1097709A2号に記載がある。
【0006】
CRF拮抗剤のうっ血性心疾患の治療のための使用は、米国特許第6,043,260号に記載がある。
【0007】
CRF拮抗剤は関節炎および炎症性障害[E.L.Websterら,J.Rheumatol 29:1252 (2002);E.P.Murphyら,Arthritis Rheum 44:782 (2001)];ストレス関連性消化器系障害[K.E.Gabryら,Molecular Psychiatry 7:474 (2002)];および皮膚障害[C.C.Zouboulisら,Proc.Natl.Acad.Sci.99:7148 (2002)]の治療に有用であることが示唆されている。
【0008】
動物モデルにおいて、慢性接触性皮膚炎のストレス誘発性増悪が選択的CRF拮抗剤によって抑制されることが最近になって示され、このことは、CRFが慢性接触性皮膚炎のストレス誘発性増悪に関与しており、CRF拮抗剤が該障害を治療する上において有用である可能性を示唆している[K.Kanekoら,Exp Dermatol,12:47 (2003)]。
【0009】
WO0160806号は、CRF受容体の拮抗剤である化合物を開示している。
【0010】
WO9735901号は、ハイ・ソリッド・コ−ティング材として使用する樹脂である化合物を開示している。以下の特許または特許出願は、ファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害化合物である化合物を開示している:WO9829119号、WO9736886号およびWO9736898号並びに米国特許第5872136号、5880140号および5883105号。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、新規化合物を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、新規CRF受容体拮抗剤を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、例えば不安障害、うつ病およびストレス関連性障害のように、CRFまたはCRF受容体に関連した障害または状態を治療するために用いる新規化合物を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、例えば不安関連障害、気分障害およびストレス関連性障害のように、CRFまたはCRF受容体に関連した障害または状態を治療する方法を提供することである。
【0015】
更に、本発明の他の目的は、例えば不安関連障害、気分障害およびストレス関連性障害のように、CRFまたはCRF受容体に関連した障害または状態を治療する上で有用な医薬組成物を提供することである。
【0016】
本発明のその他の目的は、本出願に係る明細書にある本特許の記載から明白または明確である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、式Iの化合物、
【化1】

またはその立体異性体、その薬学的に許容できる塩またはそのプロドラッグを提供するものであり、式I中、Arはアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールから選ばれ;
Vはヘテロアリールまたはフェニルであり、該ヘテロアリールおよびフェニルは1〜5のRによって置換されてもよく;
各Rはそれぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルから選ばれ、該アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルは、1つから5のRt、−Oアルキル、−S(O)mR、NR、オキソ(=O)、チオン(=S)、フェニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルによって置換されてもよく;
各Rは、それぞれ独立して、H、ハロゲン、−NO、−NH、−OH、−SH、−CN、−C(O)NH、−C(O)−NHアルキル、−C(O)Nアルキルアルキル、−Oアルキル、−Oハロアルキル、NHアルキル、Nアルキルアルキル、−S(O)アルキル、SONH、SONHアルキル、SONアルキルアルキル、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、フェニル、ベンジル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルから選ばれ;
mは0、1または2である。
【0018】
本発明は、その一態様において、式Iの化合物、その立体異性体、その薬学的に許容できる塩、そのプロドラッグまたはそのプロドラッグの薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を提供するものである。該組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ剤、小包剤(sachet)、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳濁液、溶液、シロップ剤、エアロゾルおよび軟膏など、任意の適切な剤型によっても、調製することができる。
【0019】
本発明の化合物は、CRF受容体拮抗剤である。従って、本発明は、他の態様において、CRF受容体に対してアンタゴナイズするのに有効な量の本発明の化合物を動物に対して投与することを含む、温血動物のCRF受容体に対してアンタゴナイズする方法を提供する。
【0020】
本発明は、他の態様において、CRF受容体に対するリガンドをスクリーニングする方法を提供するものであり、該方法は以下を含む:a)CRF受容体、検出可能な標識による標識化を行った式Iの化合物および候補のリガンドを用いて競合的結合アッセイを実施すること、並びに、b)該候補のリガンドが標識化を行った該化合物を置換する能力を測定すること。
【0021】
本発明は、他の態様において、a)検出可能な標識で標識化を行った式Iの化合物を、組織との結合が可能な条件下で組織と接触させること、およびb)該組織と結合した該標識化合物を検出することを含む、組織中のCRF受容体を検出する方法を提供する。
【0022】
本発明は、更に他の態様において、CRFがCRF受容体に対してインビトロで結合することを阻害する方法を提供するものであり、該方法は、CRF受容体を発現する細胞(例えばIMR32細胞など)を含む溶液に、本発明化合物を接触させることを含み、、該化合物は、CRFがCRF受容体に結合するのを阻害するのに十分な濃度で溶液中に存在する。
【0023】
本発明の化合物は、温血動物において、特にほ乳類において、更に特にヒトにおいて、CRFまたはCRF受容体に関連した種々の障害、または、CRF受容体にアンタゴナイズすることによって治療効果が生じる或いは治療が容易になる障害を治療する上で有用である。そのような障害の例としては、不安関連障害(例えば、不安状態、全般性不安障害、社会不安障害、併発する抑うつ性疾患を伴う不安症、パニック障害、強迫性障害、恐怖症障害、外傷後ストレス障害および非定型不安障害);情動障害としても知られる、気分障害(大うつ病、単一エピソード性うつ病、再発性うつ病、児童虐待誘発性のうつ病および産後うつ病を含むうつ病を含む、うつ病;気分変調;双極性障害;並びに循環気質);外傷後ストレス障害;核上性麻痺;免疫抑制;薬物またはアルコール離脱症状;薬物乱用障害(例えば、ニコチン、コカイン、エタノール、アヘンその他の薬物);炎症性障害(例えば、関節リウマチおよび骨関節炎);不妊症を含む妊娠問題;疼痛;喘息;乾癬およびアレルギー;恐怖症;ストレス誘発性の睡眠障害;疼痛知覚(例えば、線維筋痛症);気分変調障害;双極性障害;気分循環症;疲労症候群;ストレス性頭痛;ガン;ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症;神経変性疾患(例えばアルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチントン病);消化器系疾患(例えば、潰瘍、過敏性腸症候群、クローン病、痙性結腸、下痢および術後腸閉塞、および精神病理学的障害またはストレスに関連した結腸過敏症);摂食障害(拒食症、過食症その他の摂食に関連した障害);出血性ストレス;ストレス誘発性の精神病性挿間症;偽甲状腺機能低下症候群(Euthyroid sick syndrome);抗利尿ホルモン(ADH)異常症候群;肥満;頭部外傷;脊椎外傷;虚血性神経細胞障害(例えば、脳海馬虚血のような脳虚血);興奮毒性による神経細胞障害;てんかん;心血管系および心臓関連疾患(例えば、高血圧症、頻脈およびうっ血性心不全);脳卒中;ストレス誘発性免疫不全を含む免疫不全(例えば、ストレス誘発性の発熱、ブタストレス症候群、ウシの出荷熱(bovine shipping fever)、ウマの発作性細動、ニワトリの監禁誘発性機能不全(confinement dysfunction)、ヒツジの毛刈りストレス、イヌにおけるヒト−動物との触れ合いに関係するストレス);筋痙攣;尿失禁;アルツハイマー型老人性痴呆症;多発梗塞性痴呆;筋萎縮性側索硬化症;薬物依存症および中毒症(例えば、アルコール、コカイン、ヘロイン、ベンゾジアゼピンその他の薬物に対する依存症);骨粗鬆症;心理社会的小人症、低血糖症および皮膚障害(例えば、座瘡、乾癬、慢性接触性皮膚炎およびストレスで増悪する皮膚障害)が含まれる。これらの化合物は、禁煙の促進、体毛の成長促進および脱毛の治療にも有用である。
【0024】
このように、本発明は、別の態様において、温血動物における障害を治療する方法であって、該治療は、CRF受容体にアンタゴナイズすることにより作用が及ぶ或いは容易となる障害の治療であり、該方法はそれを必要とする患者に対して式Iの有効な量を投与することを含む、治療方法を提供する。特に具体的例において、本発明は、CRFの分泌過剰を示す障害を治療する方法を提供する。本発明の化合物によって治療することができる障害の例には、全般性不安障害;社会不安障害;不安症;強迫性障害;併発するうつ病を伴う不安症;パニック障害;および、大うつ病、単一エピソード性うつ病、再発性うつ病、児童虐待誘発性のうつ病、産後うつ病、脱毛および接触性皮膚炎を含む、うつ病などの気分障害が含まれる。該温血動物はほ乳類であることが好ましく、更に好ましくは、該動物はヒトである。
【0025】
本発明は、上記式Iの化合物を提供する。本発明の特定の化合物の具体例は、下記に記載する実施例1−26に示しており、各化合物は、化学名と構造式の両方により特定している。
【0026】
本発明の化合物は、以下のチャートに示す反応または、当業者に知られるその変法により、調製することができる。チャートAに示すように、アミノピラジン体A−IIは、適切な官能基を有するクロロピラジン体A−I(チャートCを参照のこと)を、遷移金属触媒[例えば、酢酸パラジウム(II)またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、塩基(例えば、ナトリウムtert−ブトキシドまたはカリウムtert−ブトキシド)]の存在下で適切なピロリジニルアミンと、溶媒中[例えば、トルエン、ジメチルホルムアミド(DMF)或いはジオキサンがあるが、これに限定されない]で反応させることによって、調製することができる(例えば、Buchwald,S.L.ら,J.Org.Chem.2000,65,1158を参照されたい)。A−IIのハロゲン化反応は、当業者にはよく知られた、多数の方法により実施することができ、その方法としては、N−クロロコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド、N−ヨウ化コハク酸イミド、臭素、ヨウ素、三臭化ピリジニウムのような試薬を、ジクロロメタン、酢酸、DMF等の溶媒中で用いることにより、ハロピラジン体A−IIIが得られる。クレームされた化合物Iの形成は、A−IIIと適切な金属アリール試薬とを用いた遷移金属触媒カップリング反応により合成することができ、該試薬には、例えばアリールボロン酸(例えば、Miyaura,N.らChem.Rev.1995,95,2457を参照されたい)、アリールスタンナン類(例えば、Mitchell,T.N.Synthesis
1992,803を参照されたい)またはアリールグリニャール試薬(例えば、Miller,J.A.Tetrahedron Lett.1998,39,7275を参照されたい)がある。或いは、A−Iに対して、上述した適切な金属アリール試薬によるカップリングを行って、アリールピラジン体A−IVを得ることもできる。立体的に障害が少ない窒素原子の酸化は、公知の多くの酸化剤(例えば、MCPBA、過酸化水素)により酸化を行うことができ、生成するN−オキシド化合物は、オキシ臭化リンで処理を行い、臭化ピラジン体A−Vを得ることができる。上述したハロゲン体とアミン体との反応により、A−VIIを得る。
【化2】

【0027】
本発明の化合物を調製する他の方法をチャートBに示す。ジアルキルジクロロピラジンB−I(チャートCを参照されたい)を出発化合物とし、塩素原子を適切なピロリジニルアミン(チャートAに記載)で順番に置換した後、適切な金属アリール試薬(チャートAに記載)によりビアリール化を行って、B−IIを得る。場合によっては、この順序を逆にして、すなわち、ビアリール化反応を行った後に、ピロリジニルアミンによる求核置換を行うこともありうる。
【化3】

【0028】
チャートCには、Ra置換基がアルキルおよび同等体である場合のモノおよびジクロロピラジンA−IおよびB−Iの調製方法を示す。以下に示す反応経路は、Chemical and
Pharmaceutical Bulletin of Japan,1979,27,2027に記載された方法に従ったものである。
【化4】

【0029】
2つの置換基が等価でない場合の、非対称な置換基を有するピラジンの調製方法をチャートDに示す。この合成方法は、当業者には公知である方法を用いて、適切な保護基を有するアミノ酸(例えばD−I)をN−保護アミノ酸(例えばD−II)とカップリングさせることにより開始する。D−IIIからN−保護基を外すことによって、D−IVが得られる。D−IVに環化反応を行ってD−Vとし、D−Vをクロロピラジンの位置異性体D−VIおよびD−VIIへの変換は、標準的な方法(Chemical
and Pharmaceutical Bulletin of Japan,1979,27,2027を参照されたい)により行われる。
【化5】

【0030】
チャートEにおいて、エポキシド体E−Iは、市販のオレフィン化合物(2,5−ジヒドロ−1H−ピロル−1−カルボン酸ベンジル)をMCPBAで処理することにより調製することができる。生成するエポキシド体は、Jacobsenらによるプロトコール (J.Org.Chem.1997,62,4197)
に従ってアジドにより不斉体として開環することができ、あるいは水酸化アンモニウム処理によりラセミ体として開環することができる。トランス体のアミノアルコールをシス体に変換することは、Jacobsenらによるプロトコール
(J.Org.Chem.1997,62,4197) によって行う。ピロリジンアミンを塩化ピラジニルとBuchwaldらのプロトコール(J.Org.Chem.2000,1158.)
により反応させて、目的のアニリン体を得る。NaHおよびヨウ化エチルのような求電子試薬によってアルキル化を行い、必要とされるエーテル体を得る。N−ヨードコハク酸イミド(NIS)によりハロゲン化を行って、ヨウ化化合物E−VIを得る。或いは、アミノアルコールE−IIIは、当業者によって、異なる保護基または異なる方法で調製することもできる。
【化6】

【0031】
本発明の化合物の別の調製方法をチャートFに開示する。F−Iと適切なアリールボロン酸またはハロゲン化アリールとに対してパラジウム触媒を用いた鈴木カップリングまたは根岸カップリングを行うことにより、ビアリール化合物F−IIを得る(Chem.Rev.1995,95,2457或いはTetrahedron
1998,54,263を参照されたい)。水素化反応、水素移動反応或いはルイス酸による処理によって、CBZ基を除き、アミン体F−IIIを得る。引き続いて、Buchwald、Hartwig或いはNolanのプロトコールに従いN−アリール化を行って、目的のヘテロアリール化合物F−IVを得た(J.Org.Chem.2000,1158、Org.Lett.2000,1423或いはJ.Org.Chem.2001,7729を参照されたい。)。
【化7】

【0032】
本明細書中で示した化合物は一つ以上の不斉中心または不斉面を持ち得、該化合物のあらゆるキラル体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびラセミ体は本発明に含まれると解さるべきである。オレフィン、C=N二重結合およびその類似体の多くの幾何異性体も、本化合物中に存在することができ、そのような安定な異性体は、すべて本発明において意図されている。本発明の化合物は、ラセミ体の形でも、また、光学的に純粋な形でも分離することができ、例えば、分割剤の存在下で結晶化を行う方法或いは例えばキラルHPLCカラムを用いたクロマトグラフィー法などの通常の方法によってラセミ体の分割を行うことにより得られ、あるいは一方のエナンチオマーが多く含まれる物質の調製が可能な不斉合成反応経路によって合成することができる。本発明は、式Iで表される化合物のあらゆる可能な互変異性体を含む。
【0033】
本発明は、また、式Iの化合物の薬学的に許容できる塩を含む。薬学的に許容できる塩の例には、無機或いは有機酸から調製する塩があり、例えば、アミンのような塩基性残基の無機或いは有機酸や、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、バルビツール酸、p−トルエンスルホン酸およびその類似物がある。また、該塩の例には、カルボン酸のような酸性残基のアルカリ或いは有機塩があり、例えば、以下の塩基からできるアルカリ金属或いはアルカリ土類金属塩がある:水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、アンモニア、トリメチルアンモニア、トリエチルアンモニア、エチレンジアミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、n−ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウム、およびその類似物。
【0034】
本発明の化合物の薬学的に許容できる塩は、従来の化学的方法により調製できる。一般的には、そのような塩は、例えば、これらの化合物のフリーの酸または塩基と、水または有機溶媒或いはその両者の混合物中で化学量論的な量の適切な塩または酸とを反応させて調製する。一般的には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール或いはアセトニトリルのような非水系溶媒が好ましい。適切な塩の一覧は、第17版のRemington's
Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company,Easton,PA,1985,p.1418)にあり、この記載は、参照により本明細書中に含める。
【0035】
本発明は、他の態様において、式Iの化合物のプロドラッグを提供する。該プロドラッグは、化学的安定性の向上、患者の受け入れやすさおよびコンプライアンスの向上、バイオアベイラビリティの向上、作用時間の延長、臓器選択性の向上(脳への浸透性向上を含む。)、製剤化の向上(例えば、水溶性の向上)、および/または副作用の減少(例えば、毒性)を目的として作られる。例えば、T.HiguchiおよびV.Stella,"Prodrugs
as Novel Delivery Systems",Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series;Bioreversible
Carriers in Drug Design,Edward B.Roche編,American Pharmaceutical
Association and Pergamon Press,(1987)を参照されたい。プロドラッグには、式Iの化合物から導出される化合物であって、式中に水酸基、アミン基或いはスルフヒドリル基が存在する場合には、対象に投与した際に、それぞれフリーな水酸基、アミノ基またはスルフヒドリル基となるように結合が切れるような任意の基に結合した化合物を含むが、これに限定されない。選択例としては、アルコールおよびアミン官能基の生分解性を有するアミド類および生分解性を有するエステル類および生分解性を有するカルバメート類、炭酸塩、酢酸、ギ酸および安息香酸誘導体が含まれるが、これに限定されない。
【0036】
プロドラッグは、式Iの化合物から、当技術分野で公知の方法を用いて容易に調製することができる。例えば、Notari,R.E.,"Theory
and Practice of Prodrug Kinetics,"Methods in Enzymology,112:309-323 (1985);Bodor,N.,"Novel
Approaches in Prodrug Design,"Drugs of the Future,6 (3):165-182 (1981);およびBundgaard,H.,"Design
of Prodrugs:Bioreversible-Derivatives for Various Functional Groups and
Chemical Entities,"in Design of Prodrugs (H.Bundgaard,ed.),Elsevier,N.Y.(1985);Burger's
Medicinal Chemistry and Drug Chemistry,Fifth Ed.,Vol.1,pp.172-178,949-982 (1995)を参照されたい。例えば、式Iの化合物は、一つ以上の水酸基或いはカルボキシ基をエステルに変換することによってプロドラッグに変えることができる。
【0037】
本発明には、同位元素で標識した化合物も含まれるが、該化合物は、一つ以上の原子が、原子量または質量数が自然界で通常見られる原子量または質量数とは異なる原子によって置き換わったこと以外は、式Iで表される化合物と同一であるものである。本発明の化合物に含むことができる同位元素の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、ヨウ素および塩素の同位元素が含まれ、例えば、H、11C、14C、18Fおよび123Iおよび125Iがある。上述の同位元素および/または他の元素の同位元素を含む式Iの化合物は、本発明の範囲内である。同位元素により標識化した本発明の化合物、例えば、Hおよび14Cのような放射性同位元素を含むものは、薬物および/または基質の組織内分布を調べる際に有用である。三重水素、すなわちHおよび炭素14、すなわち14C同位元素は、特にPET(陽電子放射断層撮影法)において有用であり、125Iは特にSPECT(単一光子放射型コンピュータ断層撮影法)において有用であり、全て脳の画像撮影に有用である。更に、重水素、すなわちHなどのように重い同位元素で置換を行うことにより、代謝安定性が高くなり、それによって、例えば、インビボ半減期が長くなったり投与量を低くすることができるという一定の治療上の利点が得られ、場合によっては好ましいことがある。同位元素で標識化した式Iの本発明の化合物は、一般的には同位元素によって標識化した試薬を同位元素で標識化していない試薬の代わりに用いて合成反応を行うことによって、調製することができる。
【0038】
式Iの化合物は、CRF受容体の拮抗剤であり、CRFがCRF受容体に特異的に結合するのを阻害し、CRF受容体に関連した拮抗作用を及ぼすことができる。化合物のCRF受容体拮抗剤としての有効性は、種々のアッセイ法により測定することができる。式Iの化合物によるCRF拮抗剤としての活性は、この目的のために一般的に受け入れられている一つ以上のアッセイによって測定することができ、その方法には、DeSouzaら(J.Neuroscience
7:88,1987)およびBattagliaら(Synapse 1:572,1987)による方法があるが、これに限定されない。CRF受容体に対する親和性は、化合物が、放射標識したCRF(例えば、[125I]チロシン−CFR)のその受容体(例えば、ラットの大脳皮質の細胞膜から調製した受容体)への結合を阻害する能力を測定する結合実験により測定することができる。DeSouzaら(上述、1987)による放射性リガンド結合アッセイは、化合物のCRF受容体に対する親和性を測定するアッセイ方法を提供する。このような活性は、放射標識したリガンドが受容体に結合するのを50%阻害するために必要な化合物濃度であるIC50値から計算するのが一般的であり、「Ki値」として記録する。IC50値およびKi値は、当技術分野で公知の標準的な方法により計算し、非線型曲線適合プログラムであるGraphPad Prism(GraphPad Software、サンディエゴ、CA)などにより行う。Ki値がおよそ10マイクロモル(μM)未満である場合に、化合物にはCRF受容体を阻害する活性があると考えられる。Ki値で表す式Iの化合物の結合親和性は、一般的にはおよそ0.5ナノモルからおよそ10ミクロモルの範囲にある。好ましい式Iの化合物では、Ki値が1ミクロモル以下であり、より好ましい式Iの化合物では、Ki値が100ナノモル未満であり、更に好ましい式Iの化合物では、Ki値が10ナノモル未満である。
【0039】
CRF受容体の結合を阻害することに加えて、化合物のCRF受容体拮抗剤としての活性は、CRFに関連した活性に対して拮抗する能力によって表すことができる。例えば、CRFは、種々の生化学的反応を刺激することが知られており、その中にはアデニル酸シクラーゼ活性がある。従って、CRF拮抗剤としての能力は、例えばcAMP濃度を測定するなどの方法により、CRF作用によるアデニル酸シクラーゼ活性に対して拮抗する能力として評価することができる。Battagliaら(上述、1987)によるCRF作用性アデニル酸シクラーゼ活性アッセイは、CRF活性に拮抗する能力を測定する方法を提供する。或いは、アデニル酸シクラーゼ活性またはcAMP産生は、Applied Biosystems(ベッドフォード、MA)によるcAMP競合的ELISAシステムを用いた96/384−ウェルフォーマットによって、提供されるプロトコールに従って測定できる。手短に述べるならば、阻害剤を加え、或いは加えないでCRFにより活性化した細胞由来の検体を入れた96或いは386ウェルプレートに、希釈したcAMP−アルカリホスファターゼ(cAMP−AP)複合体を一定量加える。抗cAMP抗体を混合物に加えて、1時間インキュべーションを行う。洗浄過程を連続して行った後、化学発光基質/促進剤水溶液を加えることにより、Packard TopCountなどのマイクロプレートシンチレーションカウンタを用いて、検出できる光信号が生じる。細胞によって生成したcAMPが抗体由来のcAMP−AP複合体を置換し、検出できる信号が減少する。CRFで刺激されたアデニル酸シクラーゼ活性アッセイの例を下記の実施例Cに示す。
【0040】
このように、本発明は、他の態様において、CRF受容体をアンタゴナイズするのに有効な量の本発明の化合物を動物に対して投与することを含む、温血動物のCRF受容体にアンタゴナイズする方法を提供する。該温血動物は、ほ乳類であることが好ましく、更に好ましくはヒトである。
【0041】
本発明は、別の態様において、温血動物における障害を治療する方法であって、該障害はCRFの分泌過剰を示し、或いは、CRF受容体にアンタゴナイズすることにより、該障害の治療に効果がある或いは治療が容易となる障害の治療において、それを必要とする動物に対して本発明の化合物の治療的に有効な量を投与することを含む、治療方法を提供する。該温血動物はほ乳類であることが好ましく、更に好ましくはヒトである。
【0042】
本発明は、他の態様において、CRF受容体に対するリガンドをスクリーニングする方法を提供するものであり、該方法は以下を含む:a)CRF受容体、検出可能な標識による標識化を行った式Iの化合物および候補のリガンドを用いて競合的結合アッセイを実施すること、並びに、b)該候補のリガンドが標識化を行った該化合物を置換する能力を測定すること。競合的結合アッセイに対するアッセイ手順は、当技術分野において公知であり、実施例Aに具体例を示す。
【0043】
本発明は、他の態様において、a)検出可能な標識で標識化を行った式Iの化合物を、組織との結合が可能な条件下で組織と接触させること、およびb)該組織と結合した該標識化合物を検出することを含む、組織中のCRF受容体を検出する方法を提供する。組織中の受容体を検知するアッセイ手順は、当技術分野において公知である。
【0044】
本発明は、他の態様において、CRF受容体を発現する細胞を含む溶液に対して、本発明の化合物を接触させることを含む、CRFがCRF受容体に対して結合することを阻害する方法を提供する。ここで、該化合物は該溶液中に、CRFがCRF受容体への結合を阻害するのに十分な濃度で存在する。CRF受容体を発現し、インビトロアッセイにおいて使用することができる細胞系の例としては、IMR32細胞が当技術分野において知られている。
【0045】
式Iの化合物、或いはその立体異性体、薬学的に許容できる塩またはプロドラッグは、温血動物におけるCRFの分泌過剰を示す障害の治療、或いは、CRF受容体にアンタゴナイズすることにより該障害の治療に効果がある、或いは治療が容易となるような障害の治療に有用である。そのような障害の例は、本明細書中に上述してある。これらの化合物は、禁煙の促進または体毛の成長促進にも有用である。
【0046】
従って、本発明は、更に他の態様において、治療的に有効な量の本発明の化合物を温血動物に対して投与することを含む、本明細書中に上述した障害を治療する方法を提供する。該温血動物は、ほ乳類、特にヒトであることが好ましい。
【0047】
本発明の方法によって治療することができる特定の障害は、好ましくは、以下を含む:不安関連障害、例えば、全般性不安障害、社会不安障害、併発する抑うつ性疾患を伴う不安症、強迫性障害、パニック障害、不安状態、恐怖性障害、併発する抑うつ性疾患を伴う不安症、強迫性障害、外傷後ストレス障害および非定型不安障害;気分障害、例えば、うつ病(大うつ病、単一エピソード性うつ病、再発性うつ病、児童虐待誘発性のうつ病および産後うつ病を含む)、双極性障害、外傷後ストレス障害、気分変調、および循環気質;薬物中毒障害(例えば、ニコチン、コカイン、エタノール、アヘンその他の薬物);例えば、関節リウマチおよび骨関節炎のような炎症性障害;消化器系疾患(例えば、過敏性腸症候群、潰瘍、クローン病、痙性結腸、下痢および術後腸閉塞および精神病理学的障害またはストレスに関連した結腸過敏症);並びに、例えば、座瘡、乾癬および慢性接触性皮膚炎のような皮膚障害。
【0048】
本発明の方法によって治療することができる特定の障害は、より好ましくは、以下を含む:不安関連障害、気分障害、炎症性障害、および慢性接触性皮膚炎。
【0049】
本発明の方法によって治療することができる特定の障害は、より更に好ましくは、不安関連障害、特に、全般性不安障害および気分障害を含み、特に、大うつ病を含む。
【0050】
温血動物において上述した疾患または障害を治療する際に、治療的に有効な本発明の化合物の量は、当業者には公知の種々の方法により決定することができ、例えば、特定の症状がある動物に対して特定の薬剤の種々の量を投与して、該動物に対する作用を決定する方法がある。一般的には、本発明の化合物の治療的に有効な量としては、有効成分として体重当たり0.002から200mg/kg含む投与量を毎日経口で投与することができる。通常の場合には、0.01から10mg/kgの投与量を1日1回から4回に分けて投与したり、或いは、目的とする薬学的効果を得るために持続放出製剤として投与することは有効であろう。しかしながら、特定の患者に対する特定の投与量は、用いる特定の化合物の活性、年齢、体重、全般的な健康、性別、食事、投与する時刻、投与経路、排泄率、薬物の組合せおよび特定の疾患の重症度が含まれる種々の要因に依存する。投与頻度についても、用いる化合物および治療する特定の疾患によって変わる。しかし、ほとんどのCNS障害の治療に際しては、1日当たり4回以下の投与レジメンが好ましい。しかし、ストレスおよびうつ病の治療に際しては、1日当たり1回または2回の投与レジメンが特に好ましい。
【0051】
上記障害を治療するに当たり、本発明の化合物は、活性薬剤がほ乳類体内の作用部位に接触するような方法、例えば、経口投与、局所投与、経皮投与、非経口的投与或いは直腸投与、適切な投与剤型による吸入または噴霧によって投与することができる。本明細書において用いる「非経口的」投与という用語は、皮下注射、静脈注射、筋肉注射、胸骨注射または注入法を含む。該化合物は、単独で投与することも可能であるが、薬学的に許容できる担体、希釈剤或いは賦形剤と共に投与するのが一般的である。
【0052】
このように、本発明は、更にその一態様において、式Iの化合物、その立体異性体、その薬学的に許容できる塩、そのプロドラッグまたはそのプロドラッグの薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物を提供するものである。一実施形態において、該医薬組成物は、更に、薬学的に許容できる担体、希釈剤或いは賦形剤を含む。「薬学的に許容できる担体、希釈剤或いは賦形剤」は、生物活性薬剤をほ乳類、例えばヒトに送達するために当技術分野において一般的に許容できる媒体である。そのような担体は、一般的に、決定し、説明する当業者の権限の範囲内の多くの要因に従って製剤化される。そのような要因には、以下が含まれるが、これらに限定されるものではない:調合する活性薬剤の種類および性質、該薬剤を含む組成物を投与する対象、該組成物を投与する上で意図する経路、および目的とする治療的効能。薬学的に許容できる担体および賦形剤には、水溶性および非水溶性液体媒体が含まれる他、多くの固形および半固形の剤型を含む。このような担体には、活性薬剤の他に多数の異なる成分および添加物を含むことができ、このような追加成分は、当業者によく知られる種々の理由、例えば、活性薬剤の安定化により製剤中に含まれる。薬学的に許容できる適切な担体およびその選択に際しての要因に関する記載は、例えば、第17版のRemington's
Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Company,Easton,PA,1985年)などの種々の容易に入手可能な資料中に見ることができ、この内容は、参照により本明細書中に含める。
【0053】
経口投与を意図した組成物は、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性或いは油性懸濁液、分散性粉末或いは顆粒、エマルジョン、硬或いは軟カプセル剤、シロップ剤、エリキシル剤の剤型で用いられ、当技術分野に公知の方法により調製することができる。このような組成物には、薬剤学的に上品で口当たりの良い製剤とするために、甘味料、香味料、着色料および保存料からなる群から選ばれる一つ以上の物質を含んでもよい。
【0054】
錠剤は、錠剤の調製に適した、無毒性の薬学的に許容できる賦形剤を有効成分とともに含む。このような賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような不活性の希釈剤;コーンスターチまたはアルギン酸のような顆粒化剤・崩壊剤;デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴムのような結合剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクのような滑沢剤を含んでもよい。錠剤には、コーティングを施さなくてもよいし、既知の技法によってコーティングを施して、崩壊および消化管における吸収を遅らせることもある。モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンのような遅延剤を用いてもよい。
【0055】
経口投与用製剤は、硬ゼラチンカプセルとして調製してもよい。ここで、有効成分は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンのような不活性な固体希釈剤と混ぜ合わせる。または、軟ゼラチンカプセルとして調製してもよい。ここで、有効成分は、水またはピーナツ油、流動パラフィンまたはオリーブ油のような油性の媒体と混合する。
【0056】
水性懸濁液には、水性懸濁液の調製に適した賦形剤との混合物中に有効成分を含む。そのような賦形剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアラビアゴムのような懸濁剤;分散剤或いは湿潤剤は天然に生成するリン脂質であってもよく(例えば、レシチン)、或いは、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、或いはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、或いはエチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシタールから得られた部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)、或いは、エチレンオキシドと、脂肪酸と無水ヘキシトールから得られた部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート)であってもよい。水性懸濁液は、一つ以上の保存剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチル或いはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル、一つ以上の着色料、一つ以上の甘味料、例えばショ糖またはサッカリンをも含んでもよい。
【0057】
油性懸濁液は、有効成分を例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、大豆油、ゴマ油またはココナツ油のような植物油若しくは流動パラフィンのような鉱物油に懸濁させて調合してもよい。油性懸濁液には、密ろう、固形パラフィンまたはセチルアルコールのような増粘剤を含んでもよい。上述したような甘味料および香味料は、口当たりの良い経口製剤とするために加えてもよい。このような組成物には、アスコルビン酸のような抗酸化剤を加えて保存ができるようにしてもよい。
【0058】
水を加えることにより水性懸濁液を調製するのに適した分散性粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤および一つ以上の保存剤と混合した有効成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁剤は、上述したところによって、既に例示してある。更に追加する賦形剤として、例えば、甘味料、香味料および着色料が加えられてもよい。
【0059】
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態であってもよい。油相は、植物油、例えばオリーブ油またはラッカセイ油でも、流動パラフィンのような鉱物油でも、若しくはこれらの混合物であってもよい。適切な乳化剤は、アラビアゴムまたはトラガカントガムのような天然のガム、大豆およびレシチンのような天然のリン脂質、脂肪酸とヘキシトール無水物から得られるエステル或いは部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、該部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであってもよい。該エマルジョンは、甘味料および香味料を含んでもよい。
【0060】
シロップ剤およびエリキシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはショ糖のような甘味料と共に調合してもよい。このような製剤には、粘滑剤、保存料、香味料および着色料を含んでもよい。
【0061】
本発明の化合物の直腸投与を行うための坐薬は、該化合物を適切な非刺激性添加物とを混ぜ合わせて調製するが、該添加物は通常の温度では固体であるが、直腸内温度においては液体となって直腸内で溶解し、薬物を放出する。そのような化合物の例としては、カカオ脂およびポリエチレングリコールがある。
【0062】
医薬組成物は、滅菌済みの水性または油性懸濁液注射剤型であってもよい。この懸濁液は、既知の手法により、適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁剤を用いて調製してもよく、これらについては既に上述してある。滅菌済みの注射溶液または懸濁液は、無毒性の非経口的に許容できる希釈液または溶媒により調製してもよく、例えば、1,3−ブタンジオールによる溶液としてもよい。許容できる媒体または溶媒として用いてもよいものには、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液がある。更に、通常、滅菌した不揮発性油を溶媒または懸濁媒体として用いることができる。この目的に関しては、刺激性のない不揮発性油であれば、いかなるものであっても用いることができ、合成モノまたはジグリセリドが含まれる。更に、オレイン酸のような脂肪酸は、注射剤の調製に使用する。
【0063】
投与に適した剤型には、1つの単位当たり約1mgから約100mgの有効成分を含むのが一般的である。このような医薬組成物の場合、組成物の全重量に基づいて約0.5から95重量%の量の有効成分を含むのが通例である。本発明の化合物の投与剤型の例としては、以下を含む:(1)カプセル剤。標準の一対型硬ゼラチン・カプセルにそれぞれ100mgの粉体有効成分、150mgの乳糖、50mgのセルロースおよび6mgのステアリン酸マグネシウムを充填することによって、多数の単位カプセルを調製する;(2)軟ゼラチン・カプセル。有効成分をダイズ油、綿実油、オリーブ油などの食用油に混合し、容積移送によりゼラチン中に注入して、有効成分100mgを含む軟ゼラチン・カプセルを調製する。カプセルを洗浄し、乾燥する;(3)錠剤。投与単位は有効成分が100mg、コロイド状二酸化ケイ素が0.2mg、ステアリン酸マグネシウムが5mg、微結晶セルロースが275mg、デンプンが11mgおよび乳糖が98.8mgにより、慣用方法を用いて多数の錠剤が製造される。口当たりを改善したり、吸着を遅延するために、適切なコーティングを施してもよい。
【0064】
本発明は、更に他の態様において、以下を含む製品を提供する:a)包装材料;b)該包装材料に入った本発明の化合物を含む医薬品;およびc)該医薬品が上述の障害を治療するために使用することができる旨を示すラベルまたは添付文書。
(定義および慣例表記)
【0065】
本特許出願全体を通して、特段の定めがない限り、以下の定義を用いている。
【0066】
「ハロゲン」という用語は、−F、−Cl、−BrおよびIから選ばれる基を意味する。
【0067】
「アルキル」という用語は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐炭化水素部分を意味し、1つ以上の二重結合或いは三重結合を含んでもよい。
【0068】
「シクロアルキル」という用語は、3〜10個の炭素原子を有する単環式或いは二環式非芳香族炭化水素部分を意味し、1〜2個の二重結合を含んでもよい。
【0069】
「ハロアルキル」という用語は、1〜(2v+1)個の独立して選ばれるハロゲン置換基を持つアルキル部分であり、vは該部分中の炭素原子数である。
【0070】
「アリール」という用語は、フェニルまたはナフチルのいずれかを意味する。
【0071】
「置換アリール」という用語は、ハロゲン、−NO、−CN,−R,−OR、−S(O)、−NR、−C(O)NR、−C(S)NR、−S(O)NR、−NRS(O)、−NRC(O)OR、−OC(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(S)NR、−C(O)OR、−C(S)ORおよびOC(O)ORから独立して選ばれる1〜5の置換基で置換されたアリール基を意味する。
【0072】
「ヘテロアリール」という用語は、5または6個の環式原子を含み、炭素と、ペルオキシドではないO、SおよびNからなる群よりそれぞれ選ばれる1〜4個のヘテロ原子からなり、適切な結合により原子価の要求を満たす単環式芳香族化合物の基を意味する。ここで、環中の炭素またはNが環中に存在する場合には環中のNを介して結合してもよい。また、「ヘテロアリール」という用語は、8〜10個の環式原子を含み、炭素と、ペルオキシドではないO、SおよびNからなる群よりそれぞれ選ばれる1〜6個のヘテロ原子からなり、適切な結合により原子価の要求を満たす縮合二環式ヘテロ芳香族化合物の基を意味する。ここで、環中の炭素またはNが環中に存在する場合には環中のNを介して結合してもよい。ヘテロアリールの例には、チエニル、ベンゾチエニル、ピリジル、チアゾリル、キノリル、ピラジニル、ピリミジル、イミダゾリル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、ピロリル、イソキノリニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピドリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プリニル、オキサジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフトリジニルおよびフロピリジニルが含まれる。
【0073】
「置換ヘテロアリール」という用語は、ハロゲン、−NO、−CN,−R,−OR、−S(O)、−NR、−C(O)NR、−C(S)NR、−S(O)NR、−NRS(O)、−NRC(O)OR、−OC(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(S)NR、−C(O)OR、−C(S)ORおよびOC(O)ORから独立して選ばれる1〜5個の置換基を有するヘテロアリール基を意味する。
【0074】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、4員から8員の非芳香族単環或いは二環系環状基であって、少なくとも1個の炭素原子が酸素、窒素、−NH−或いは−S(O)−から選ばれるヘテロメンバーによって置き換えられており、mが0、1あるいは2であって、環が炭素或いは窒素原子で結合している基を意味する。ヘテロシクロアルキルは、1〜3個の二重結合を有していてもよい。ヘテロシクロアルキルの例には、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、[2.2.1]−アザビシクロ環、[2.2.2]−アザビシクロ環、[3.3.1]−アザビシクロ環、キヌクリジニル、アゼチジニル、アゼチジノニル、オキシインドリル、ジヒドロイミダゾリルおよびピロリジノニルが含まれる。
【0075】
「置換ヘテロシクロアルキル」という用語は、ハロゲン、−NO、−CN、オキソ(=O)、チオン(=S)、−R、−OR、−S(O)、−NR、−C(O)NR、−C(S)NR、−S(O)NR、−NRS(O)、−NRC(O)OR、−OC(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(S)NR、−C(O)OR、−C(S)ORおよびOC(O)ORから独立して選ばれる1〜5個の置換基を有するヘテロシクロアルキル基を意味する。
【0076】
「薬学的に許容できる」という用語は、特段の定めがない限り、ヒトおよび動物の組織と接触して使用することに適しており、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応またはその他の問題または合併症を引き起こすことなく、妥当な利益/リスク比を有すると健全な医学的見識の範囲内で判断される、化合物、化合物、組成物および/または剤型を意味する。
【0077】
「薬学的に許容できる塩」という用語は、本発明の化合物の生物学的有効性および特性を保持し、かつ生物学的またはその他の見地から見て望ましくないものではない、塩を意味する。
【0078】
「立体異性体」という用語は、同じ結合により結合した同じ原子からなる化合物であって、互換性のない異なる三次元構造を有する化合物を意味する。三次元構造は、形態とも呼ばれる。本明細書において用いる「エナンチオマー」という用語は、分子が互いに重ね合わせることができない鏡像関係にある2つの立体異性体を意味する。「不斉中心」とは、異なる4つの基が結合した炭素原子を言う。本明細書において用いる「ジアステレオマー」という用語は、エナンチオマーではない立体異性体を意味する。更に、1つの不斉中心のみにおいて異なる形態を有する2つのジアステレオマーは、本明細書において「エピマー」と云う。「ラセミ化合物」或いは「ラセミ混合物」という用語は、エナンチオマーの当量混合物を意味する。
【0079】
「プロドラッグ」という用語は、インビボで式Iの化合物に変化する化合物を意味する。この変化は、例えば血液中での加水分解によるなど、種々の機序により起こりうる。
【0080】
「治療的に有効な量」、「有効な量」、「治療量」或いは「有効投与量」という用語は、目的とする薬理学的或いは治療的作用を生じるのに十分な量であって、疾患の予防或いは治療に有効な量を意味する。
【0081】
「本発明の化合物」、「提示された本発明の化合物」、「提示された本発明の複数の化合物」「式Iによる化合物」および類似の用語は、式Iの化合物、その立体異性体、その薬学的に許容できる塩、そのプロドラッグまたは式Iの化合物のプロドラッグの薬学的に許容できる塩を意味する。
【0082】
「治療」、「治療する」、「治療的」および類似の用語は、障害の進行を遅らせることまたは逆転することの両方を含む他、障害を治癒することを含む。これらの用語はまた、たとえ、該障害または状態を実際に除かなくとも、また、たとえ該障害または状態の進行それ自体が遅くなったり逆転しなくても、障害または状態の1つ以上の症状を、緩和すること、改善すること、和らげること、除くことまたは低減することを含む。。「治療」および類似の用語は、更に、予防的(例えば、阻害的)および緩和的治療を含む。疾患の予防は、疾患の症状の発現を引き延ばす或いは遅延することによって明白になる。
【実施例】
【0083】
更に説明を加えずとも、当業者であれば、これまでの記載を用いて、本発明をその最大限実施することができると考えられる。以下の実施例は、本発明を例示するために提示するものであり、本発明の範囲または精神を、実施例中に記載した特定の方法に限定するものと考えてはならない。数字の連番をつけた調製例および実施例は、本発明の化合物の調製法を例示するために提示しており、実施例A−Dは、本発明の化合物の生物学的特性を測定するために用いることができる生物学的アッセイ法を例示するために提示している。当業者であれば、これらの例に記載した方法に対する適切な変法を瞬時にして思いつくことができよう。
(調製例1)
6−オキサ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸ベンジルの調製
【化8】

【0084】
オレフィン(10.0g、49mmol)のCHCl(250ml、0.2M)溶液にMCPBA(22g、2.0当量)を加えた。反応混合液を48時間撹拌し、飽和チオ硫酸ナトリウム200mlを加えた。20分後に層を分離し、有機層を2NのNaOHで洗浄した(2×100ml)。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、表題化合物を油状物質(10.79g、99%)として得た。 1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 7.35,5.13,3.93−3.84,3.71,3.43−3.38;IR(液体)2209(w),2068(w),1958(w),1706(s),1455,1448,1428(s),1397(s),1364,1327(s),1214,1206,1107(s),848(s),699,cm−1, C1213NOについて算出した理論値:C,65.74;H,5.98;N,6.39、実測値:C,65.45;H,6.07;N,5.99。
(調製例2)
(3R,4R)−3−(アジド)−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製
【化9】

【0085】
6−オキサ−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸ベンジル(10.4g、48mmol)にTMSN(6.65ml、1.05当量)および1S,2S−(−)−[1,2−シクロヘキサンジアミノ−N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチルサリチリデン)]塩化クロム(III)(STREM24−0851)(904mg,0.03当量)を加えた。反応混合液をN下で18時間撹拌した。赤色油状物質は、そのままで次の段階に用いた。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.18(m,5H),4.98(s,2H),3.99(m,1H),3.69(m,1H),3.61−3.51(m,2H),3.31−3.05(m,2H)。
(調製例3)
(3R,4R)−3−アミノ−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製
【化10】

【0086】
(3R,4R)−3−(2λ〜5〜−トリアザ−1,2−ジエニル)−4−[(トリメチルシリル)オキシ]ピロリジン−1−カルボン酸ベンジル(23.6g)のMeOH(250ml、0.3M)溶液をトリフルオロ酢酸(TFA)(15μl)で1.5時間処理した。リンドラー触媒(10g)を1気圧のH下で加えた。6日間撹拌を行った。(リンドラー触媒を更に5g4日目に加えた。)該Pd触媒をセライトで濾過した。濾液を濃縮し、EtO(250ml)と1NのHCl(250ml)で希釈した。分離した1NのHCl層をNaOH(固体)でアルカリ性にしてpH12とし、CHCl:iPrOH(9:1混合物、4×300ml)およびEtOAc(3×300ml)で抽出し、乾燥して(MgSO)そのまま用いた。H NMR(CDCl)δ 3.22(m,1H),3.38(m,2H),3.78(m,2H),4.02(m,1H),5.15(s,2H),7.37(m,5H)。
(調製例4)
(3R,4S)−3−アミノ−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製
【化11】

【0087】
オーブン乾燥を行った50ml丸底フラスコに(3R,4R)−3−アミノ−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジル(4.235g、17.93mmol)を入れ、60mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解した。無水トリフルオロ酢酸(2.54ml、17.93mmol)およびTEA(3ml、21.52mmol)を0℃で順次加えた。反応液を室温にし、一晩撹拌を行った。反応液をHO(250ml)で希釈し、250mlのCHCl:iPrOH混合液(9:1、x4)で抽出して、乾燥し(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。
【0088】
この粗製物のトリフルオロアミド生成物(LC−MSにより確認)を90mlのCHCl(0.2M)に溶解し、N下で0℃に冷却した後、TEA(21.52mmol、3ml)およびMsCl(1.63ml、19.72mol)を加えた。反応液を0℃で15分、室温で1時間撹拌してから、DBU(5.39ml、53.79mmol)を加えた後、一晩撹拌した。反応混合物をシリカで濾過し、800ml(EtOAcを80%含むヘプタン)で洗浄した。濾液を集めて濃縮した。
【0089】
オキサゾリンに80mlのMeOH/40mlのHO中のKCO(14.87g)を加えて、18時間加水分解を行った。容量を減らし、200ml(CHCl:iPrOHが9:1)で5回抽出した。有機溶媒を合わせて、乾燥し(KCO)、濾過し、濃縮し、バイオタージクロマトグラフィー(1%から5%のMeOHのCHCl溶液、0.5%NHOH)で精製して表題化合物を固体として得た。H NMR(CDCl)δ 3.22(m,1H),3.38(m,2H),3.79(m,2H),4.02(m,1H),5.15(s,2H),7.40(m,5H);IR(拡散反射法)3374,2949,2316(w),1966(w),1947(w),1686(s),1450(s),1423(s),1354,1321,1144,1096,1084,765,695,cm−1;HRMS(FAB):C1216+Hについて算出した理論値237.1239、実測値237.1236。比旋光度(25 C D)=−17(c 0.97、クロロホルム)。
(調製例5)
(3R,4S)−3−[(3,6−ジエチルピラジン−2−イル)アミノ]−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製
【化12】

【0090】
250ml丸底フラスコに(3R,4S)−3−アミノ−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジル(4.9714g、21.04mmol)、塩化物(3.949g、23.15mmol)、Pd(dba)(10mol%、1.926g)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(20mol%、1.656g)およびDME(110ml)を順次加えた。次にCsCO(9.57g)を加えて、反応混合物を80℃で20時間撹拌した。冷却し、EtO(100ml)で希釈し、NaHCO(80ml)に注ぎ、CHCl(150ml×3)で抽出し、乾燥し(MgSO)、濃縮した。バイオタージクロマトグラフィー(ヘプタン中35%EtOAc)により精製して、表題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ 1.28(m,6H),2.65(m,4H),3.36(m,1H),3.63(m,1H),3.73(m,1H),4.00(m,1H),4.51(m,1H),4.64(m,1H),4.80(m,1H),5.18(s,2H),7.38(m,6H),7.74(d,1H);IR(液体)2969,2344(w),1996(w),1952(w),1703(s),1691(s),1546,1499(s),1449(s),1426(s),1395,1359(s),1175,1133,1095,cm−1:HRMS(FAB)C2026+Hについて算出した理論値371.2083、実測値371.2089。
(調製例6)
(3R,4S)−3−[(3,6−ジエチルピラジン−2−イル)アミノ]−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製
【化13】

【0091】
(3R,4S)−3−[(3,6−ジエチルピラジン−2−イル)アミノ]−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジル(17.70g、47.8mmol)のDMF(0.3M)溶液にN下0℃でNaH(2.48g、1.3当量)を数回に分けて加えた。15分後にヨウ化エチル(4.93ml、1.3当量)を滴下した。2時間後に、反応混合液にブライン(200ml)を加えてクエンチングし、2×200mlの酢酸エチルで抽出し、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した。真空クロマトグラフィー(vacuum chromatography)を1Lガラス・ロートにて行い、20−40%の酢酸エチル/ヘプタンで溶出して、油状物質14.64g(77%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.68,7.37,5.19,5.08,4.72,4.06,3.98,3.74−3.56,3.45,3.26,2.63,1.34−1.22;IR(液体)2971(s),2936,2340(w),1950(w),1709(s),1546(s),1499(s),1464(s),1448(s),1422(s),1395(s),1350(s),1173,1129(s),1097(s)cm−1;HRMS(ESI)C2230+Hについて算出した理論値399.2396、実測値399.2392。比旋光度(25 C D)=−50(c 0.55,0.1N HCl)。
(調製例7)
(3R,4S)−3−[(3,6−ジエチル−5−ヨードピラジン−2−イル)アミノ]−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製
【化14】

【0092】
(3R,4S)−3−[(3,6−ジエチル−5−ヨードピラジン−2−イル)アミノ]−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸メチルの製造方法に従い、替わりに(3R,4S)−3−[(3,6−ジエチルピラジン−2−イル)アミノ]−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルを用いることによって、油状の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)7.30−7.25,5.06,4.96,4.53,3.96,3.86,3.64−3.47,3.35,3.25−3.13,2.68,2.51,1.20−1.12;IR(液体)2972,2338(w),1949(w),1708(s),1554(s),1537(s),1475(s),1456(s),1447(s),1421(s),1394(s),1351(s),1165,1126,1097(s)cm−1;HRMS(ESI)C22H29N4O3I+H1に対する理論値525.1364、実測値525.1359。C2229INに対する理論値:C,50.39;H,5.57;N,10.68、実測値:C,50.48;H,5.60;N,10.44。
(調製例8)
(3R,4S)−3−({5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−3、6−ジエチルピラジン−2−イル}アミノ)−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製
【化15】

【0093】
(3R,4S)−3−[(3,6−ジエチル−5−ヨードピラジン−2−イル)アミノ]−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジル(1.93g)のエチレングリコールジメチルエーテル(18.4ml)溶液に、2−ジメチルアミノ−4−メチル−5−ピリジルボロン酸(1.32g、2当量)およびテトラキスパラジウム化合物(425mg、0.1当量)と2N炭酸ナトリウム(3.7ml)を加えた。反応混合液を80℃で18時間加熱し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)に注ぎ、100ml酢酸エチルで2回抽出し、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した。バイオタージMPLCにより、20−70%酢酸エチル/ヘプタンで溶出して精製し、表題化合物を油状物質(760mg、39%)として得た。 H NMR(400MHz,CDCl)δ)7.98,7.40−7.34,6.45,5.18−5.06,4.74,4.09,3.97,3.76−3.30,3.12,2.68,2.53,2.11,1.31−1.24,1.14;IR(拡散反射法)2971,2932,2453(w),2340(w),1949(w),1708(s),1605(s),1566,1490(s),1445(s),1418(s),1395(s),1350(s),1127,1095cm−1;HRMS(ESI)C3040+Hについて算出した理論値533.3240、実測値533.3240。
(調製例9)
(3R,4S)−3−{[5−(2,4−ジクロロフェニル)−3,6−ジエチルピラジン−2−イル]アミノ}−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製
【化16】

【0094】
(3R,4S)−3−({5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−イル}アミノ)−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製方法に従い、替わりに2,4−ジクロロフェニルボロン酸を代用し、軽度の変更を用いることによって、油状の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)7.49,7.40−7.25,5.20−5.13,4.76,4.11,3.98,3.73−3.60,3.51−3.31,2.70,2.47,1.31−1.24,1.15;IR(液体)2972,2342(w),1948(w),1709(s),1567,1552,1498(s),1470(s),1449(s),1420(s),1397(s),1350,1126,1100(s),1080,cm−1
(調製例10)
(3R,4S)−3−{[5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチルピラジン−2−イル]アミノ}−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製
【化17】

【0095】
(3R,4S)−3−({5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−3、6−ジエチルピラジン−2−イル}アミノ)−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製方法に従い、替わりに2−クロロ−4−メトキシフェニルボロン酸を代用し、軽度の変更を用いることによって、油状の表題化合物を得た。H NMR(DMSO−d)δ)1.04,1.16,2.38,2.68,3.34,3.40,3.54,3.70,3.82,4.18,4.62,5.10,5.95,6.98,7.10,7.26,7.38;IR(拡散反射法)2971,2934,2350(w),2338(w),2063(w),1949(w),1710(s),1568,1482(s),1419(s),1397(s),1348,1287,1228,1096,cm−1;HRMS(FAB)C2935ClN+Hについて算出した理論値539.2425、実測値539.2436。C2935ClNについて算出した理論値:C,64.61;H,6.54;N,10.39;Cl,6.58、実測値:C,64.30;H,6.56;N,10.26。
(調製例11)
(3R,4S)−3−{[3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−イル]アミノ}−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製
【化18】

【0096】
(3R,4S)−3−({5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−イル}アミノ)−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製方法に従い、替わりに6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イルボロン酸を用いることによって、油状の表題化合物を得た。1H NMR(400MHz,CDCl)δ)7.41−7.36,6.64,5.17−5.15,4.78,4.11,4.02−3.97,3.73−3.35,2.70,2.46,2.28,1.32−1.21,1.13;IR(液体)2236(w),2018(w),1949(w),1709(s),1596,1565,1499,1474(s),1420(s),1396,1360,1350,1304(s),1126,1097cm−1;HRMS(ESI)C2937+Hについて算出した理論値 520.2924、実測値520.2924。
(調製例12)
(3R,4S)−3−{[3,6−ジエチル−5−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)ピラジン−2−イル]アミノ}−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製
【化19】

【0097】
(3R,4S)−3−({5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−イル}アミノ)−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製方法に従い、替わりに2−メチル−4−メトキシ−フェニルボロン酸を用いることによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ 1.04,1.21,2.04,2.40,2.65,3.22−3.26,3.41,3.52−3.68,3.75,3.94,4.03,4.68,5.08,6.70,6.74,7.02,7.28−7.32;IR(液体)2971(s),2339(w),2166(w),2082(w),1957(w),1708(s),1564(s),1482(s),1420(s),1395(s),1349(s),1242(s),1169(s),1125(s),1096(s)cm−1;HRMS(ESI)C3038+Hについて算出した理論値519.2971、実測値519.2974。
(調製例13)
6−メトキシ−3−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)ピリジンの調製
【化20】

【0098】
2−クロロ−6−メトキシ−3−ニトロピリジン(5g)をCuI(6.05g)、KF(無水物、3.0g)、2−クロロ−2,2−ジフルオロ酢酸メチル(6.8ml)と共にDMF(28ml)中で130℃で8時間加熱した。冷却した後、1:9のNHOH/NHCl混合液(100ml)中に注ぎ、均一になるまで撹拌し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、ブラインで洗い、乾燥した(MgSO)。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン中に1−3%EtOAc)により、3.90g(65%)を得た。H NMR(CDCl)δ 4.02,6.96,8.10;IR(液体)2389(w),2254(w),2196(w),2163(w),2017(w),1605(s),1586(s),1538(s),1482(s),1340(s),1290(s),1261(s),1205(s),1180(s),1155(s)cm−1;Cについて算出した理論値:C,37.85;H,2.27;N,12.61;F,25.66、実測値:C,37.68;H,2.29;N,12.30。
(調製例14)
6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−アミンの調製
【化21】

【0099】
6−メトキシ−3−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(3.61g)の95%エチルアルコール溶液(162ml)に塩化スズ(II)二水和物を加え、70℃で3時間加熱した。室温まで冷却した後、氷水に注ぎ、2NのNaOHでpHを11に調節した。酢酸エチルを加えてよく撹拌し、セライトで濾過した。有機層を分離して、ブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン中に3−8%EtOAc)によって、表題化合物を得た(2.20g、71%)。H NMR(CDCl)δ 3.81,6.70,7.05;19F NMR(CDCl)δ 65.73;IR(液体)2434(w),2389,2272,2229,2174,1488(s),1436(s),1426(s),1276(s),1170(s),1102(s,b),1050(s),1024(s),740(s),658(s)cm−1;HRMS(ESI)COF+Hについて算出した理論値193.0589、実測値193.0581。COについて算出した理論値:C,43.76;H,3.67;N,14.58;F,29.66、実測値:C,43.61;H,3.49;N,14.49。
(調製例15)
3−ヨード−6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジンの調製
【化22】

【0100】
6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−アミン(1g)をHSO(3ml)に溶解し、HO(3ml)中の亜硝酸ナトリウム(718mg)を0℃で反応混合液に滴下した。0℃で2時間撹拌した後、室温にもどした。HO(3ml)中のヨウ化カリウム(1.73g)を反応混合液に滴下し、60℃で3時間加熱した。酢酸エチルで抽出し、チオ硫酸ナトリウム水溶液(飽和)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、ヘプタン中に1−5%EtOAc)によって、表題化合物を得た(3.47g、67%)。H NMR(CDCl)δ 3.97,6.68,8.08;19F NMR(CDCl) δ 66.16;IR(液体)2478(w),2364(w),2230(w),2173(w),2026(w),1585(s),1471(s),1422(s),1396(s),1338(s),1280(s),1238(s),1200(s),1180,1140(s)cm−1;CINOについて算出した理論値:C,27.75;H,1.66;N,4.62;F,18.81、実測値:C,27.93;H,1.80;N,4.62。
(調製例16)
(3R,4S)−3−({3,6−ジエチル−5−[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)ピラジン−2−イル}アミノ)−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製
【化23】

【0101】
3−ヨード−6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(162mg、3当量)および塩化亜鉛(0.5M THF、9当量)のTHF(2.67ml)溶液にN下−78℃でt−ブチルリチウム(9当量)を加えた。5分後に、反応混合液を室温に加温し、(3R,4S)−3−[(3,6−ジエチル−5−ヨードピラジン−2−イル)アミノ]−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジル(120mg)およびテトラキスパラジウム(31mg)を入れたフラスコにカニューレで移した。反応混合液を16時間加熱還流し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)に注ぎ、50mlのCHClで3回抽出し、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した。MPLCクロマトグラフィーにより、20−45%酢酸エチル/ヘプタンで溶出して精製し、表題化合物をアモルファス固体(63mg、53%)として得た。H NMR(CDCl)δ 1.05,1.18,2.34,2.63,3.21−3.32,3.38,3.57,3.65,3.90,3.95,4.03,4.66,5.08,5.15,6.88,7.28−7.32,7.46;IR(液体)2346(w),2178(w),2026(w),1951(w),1709(s),1480(s),1421(s),1400(s),1344(s),1279(s),1239(s),1192(s),1176(s),1137(s),1097(s)cm−1;HRMS(ESI)C2934+Hについて算出した理論値574.2641、実測値574.2644。C2934について算出した理論値:C,60.72;H,5.97;N,12.21;F,9.94、実測値:C,60.88;H,6.12;N,12.01。
(調製例17)
(3R,4S)−3−{[5−(2,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−3,6−ジエチルピラジン−2−イル]アミノ}−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製
【化24】

【0102】
(3R,4S)−3−({5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−イル}アミノ)−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルの調製方法に従い、替わりに2,6−ジメトキシピリジン−3−イルボロン酸を用いることによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)7.53,7.40−7.28,6.42,5.17,5.07,4.76,4.15,4.01,3.87,3.92,3.76−3.64,3.50−3.33,2.70,2.51,1.32−1.24,1.18;IR(拡散反射法)2416(w),2349(w),2325(w),2265(w),2184(w),1709(s),1602(s),1579(s),1475(s),1458(s),1419(s),1397(s),1376(s),1312(s),1101(s)cm−1;HRMS(ESI)C2937+Hについて算出した理論値536.2873、実測値536.2867。C2937について算出した理論値:C,65.03;H,6.96;N,13.07、実測値:C,64.71;H,7.03;N,12.82。
(調製例18)
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化25】

【0103】
(3R,4S)−3−{[5−(2,4−ジクロロフェニル)−3,6−ジエチルピラジン−2−イル]アミノ}−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジル(8.60g、15.8mmol)のCHCl(0.1M、158ml)溶液に、N下で塩化パラジウム(279mg、1.58mmol)およびトリエチルアミン(3.29ml、1.5当量)を加えた。トリエチルシラン(3.78ml、1.5当量)を15分かけて滴下した。1時間後に、トリエチルシランを更に8.74ml滴下した。更に2時間後、反応混合液をセライトで濾過した。トリフルオロ酢酸(8ml)を加え、反応混合液を30分間撹拌した。2NのNaOHでpHを10にしてクエンチングし、300mlのCHClで3回抽出し、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した。真空クロマトグラフィーを1Lガラスロートで、0.5%NHOHを含む5−15%のMeOH/CHClにて行い、油状の化合物5.95g(92%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)7.49,7.33−7.26,5.38,4.54,4.07,3.68,3.52,3.22,2.95,2.71,2.46,1.29,1.15;HRMS(FAB)C2026ClO+Hについて算出した理論値409.1562、実測値409.1567。C2026ClOについて算出した理論値:C,58.68;H,6.40;N,13.69、実測値:C,58.42;H,6.43;N,13.50。
(調製例19)
5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化26】

【0104】
(5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに(3R,4S)−3−{[5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−3,6−ジエチルピラジン−2−イル]アミノ}−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルを用い、軽度の変更を加えることによって、油状の表題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.15,1.22−1.34,2.45,2.71,2.89,3.06,3.22,3.41,3.51,3.65,3.85,4.51,5.32,6.88,7.02,7.24;IR(液体)2971(s),2935,2496(w),2446,2402(w),2261(w),2072(w),1605,1566(s),1483(s),1441,1395,1287(s),1230(s),1045(s)cm−1;HRMS(ESI)C2129Cl+Hについて算出した理論値405.2057、実測値405.2044。
(調製例20)
N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製
【化27】

【0105】
(3R,4S)−3−{[3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−イル]アミノ}−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジル(1.35g)のエタノール(26ml)溶液に1,4シクロヘキサジエン(2.45ml、10当量)および10%Pd/C(1.5g)を加えた。反応混合液を2時間撹拌し、セライトで濾過し、濃縮した。MPLCクロマトグラフィーにより、0.5%水酸化アンモニウムを含む2−6%メタノール/CHClで溶出して精製し、表題化合物を琥珀色の油状物質(870mg、87%)として得た。1H NMR(400MHz,CDCl)δ)7.41,6.64,5.34−5.32,4.52,4.05,3.97,3.68,3.53,3.43,3.22,3.15,2.92,2.70,2.46,2.29,1.32−1.25,1.14;IR(液体)2972,2935,2408(w),2238(w),2019(w),1971(w),1596,1563(s),1499,1474(s),1426,1394,1304(s),1251,1042cm−1;HRMS(ESI)C2131+Hについて算出した理論値386.2556、実測値386.2544。
(調製例21)
5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化28】

【0106】
N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに(3R,4S)−3−({5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−3、6−ジエチルピラジン−2−イル}アミノ)−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルを用いることによって、油状の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)7.98,6.45,5.30,4.51,4.04,3.67,3.52,3.43,3.19,3.12,2.92,2.69,2.51,2.11,1.32−1.25,1.15;IR(液体)2971(s),2933(s),2873(s),2345(b),1946(w),1607(s),1565(s),1516(s),1490(s),1395(s),1373,1207,1163,1125,1080cm−1;HRMS(ESI)C2234O+Hについて算出した理論値399.2872、実測値399.2877。
(調製例22)
N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)ピラジン−2−アミンの調製
【化29】

【0107】
N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに(3R,4S)−3−{[3,6−ジエチル−5−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)ピラジン−2−イル]アミノ}−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルを用いることによって、琥珀色油状の表題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.12,1.30,2.12,2.46,2.72,2.92−3.14,3.36,3.52,3.63−3.82,3.84,4.18−4.24,4.71−4.86,5.11−5.22,6.78,6.83,7.09;IR(拡散反射法)2970(s),2933(s),2875,2835,2493(b),2467(b),2439(b),2353,2338(w),1568(s),1563,1482(s),1397(s),1393,1242(s)cm−1;HRMS(ESI)C22H32N4O2+H1について算出した理論値385.2603、実測値385.2603。
(調製例23)
N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]ピラジン−2−アミンの調製
【化30】

【0108】
N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに(3R,4S)−3−({3,6−ジエチル−5−[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルを用いることによって、琥珀色油状の表題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.13,1.28,2.41,2.69,3.14,3.37,3.51,3.66−3.75,4.04,4.16,4.69,5.29,6.96,7.54;IR(液体)2975(s),2417(b),2177(b),2029(w),1923(w),1609(s),1565(s),1479(s),1400(s),1341(s),1278(s),1239(s),1192(s),1177(s),1138(s)cm−1
(調製例24)
5−(2,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化31】

【0109】
N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに(3R,4S)−3−{[5−(2,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−3,6−ジエチルピラジン−2−イル]アミノ}−4−エトキシピロリジン−1−カルボン酸ベンジルを用いることによって、琥珀色油状の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)7.53,6.42,5.29,4.52,4.04,3.98,3.92,3.66,3.51,3.40,3.21,3.12,2.91,2.72,2.48,1.28,1.18;IR(液体)2972,2418(w),2184(w),2036(w),1993(w),1603,1581(s),1564,1477(s),1423,1395,1376(s),1313(s),1233,1022cm−1;HRMS(ESI)C21H31N5O3+H1について算出した理論値402.2505、実測値402.2516。
(実施例1)
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル]ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化32】

【0110】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン(120mg)のエチレングリコールジメチルエーテル(0.586ml)溶液に、2−ブロモ−1,3−チアゾール(0.040ml、1.5当量)、炭酸セシウム(144mg、1.5当量)、N−[2’−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル−2−イル]−N,N−ジメチルアミン(16mg,0.14当量)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(19mg、0.7当量)を加えた。反応混合液を100℃で16時間加熱し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)に注ぎ、50mlのCHClで2回抽出し、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した。MPLCクロマトグラフィーにより、10−30%酢酸エチル/ヘプタンで溶出して精製し、表題化合物をアモルファス固体(77mg、50%)として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)7.50,7.34,7.28−7.23,6.53,5.30,4.92,4.27,4.02,3.82−3.72,3.55,3.46,2.72,2.48,1.33−1.27,1.16;IR(液体)2972(s),2934,2335(w),1564(s),1539(s),1494(s),1470(s),1396(s),1357,1350,1201,1141,1121(s),1101,610cm−1;HRMS(ESI)C2327OSCl+Hについて算出した理論値492.1391、実測値492.1378。
(実施例2)
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化33】

【0111】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、2−ブロモピリジンを代用することによって、表題化合物をアモルファス固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl)δ)8.20,7.50,7.32,7.28,6.69,6.53,5.33,4.92,4.28,4.05,3.92−3.78,3.58,3.42,2.73,2.50,1.33−1.25,1.16;HRMS(ESI)C2529OCl+Hについて算出した理論値486.1827、実測値486.1827。
(実施例3)
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−3−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化34】

【0112】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに3−ブロモピリジンを用いることによって、表題化合物をアモルファス固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)7.97,7.51,7.46,7.33−7.28,7.11,5.31,4.92,4.31,3.92,3.85,3.78−3.33,2.73,2.49,1.35−1.29,1.16;HRMS(ESI)C2529OCl+Hについて算出した理論値486.1827、実測値486.1834。
(実施例4)
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−4−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化35】

【0113】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに4−ブロモピリジンを用いることによって、表題化合物をアモルファス固体として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)8.23,7.50,7.35,7.28,6.50,5.30,4.90,4.29,3.95,3.76,3.65−3.58,3.42,2.73,2.49,1.35−1.27,1.16;IR(拡散反射法)2971(s),2497(w),2388(w),2350(w),2338(w),2328(w),1596(s),1569,1550(s),1516,1508,1499(s),1467(s),1397(s),1393(s)cm−1;HRMS(ESI)C2529OCl+Hについて算出した理論値486.1827、実測値486.1810。
(実施例5)
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化36】

【0114】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに2−ブロモピリミジンを用いることによって、表題化合物をアモルファス固体として得た。1H NMR(400MHz,CDCl)δ)8.38,7.50,7.32,7.26,6.56,5.30,4.91,4.25,3.94,3.76,3.55,2.73,2.47,1.33−1.26,1.16;HRMS(ESI)C2428OCl+Hについて算出した理論値487.1780、実測値487.1770。
(実施例6)
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製
【化37】

【0115】
N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミン(112mg)のジオキサン(1.45ml)溶液に、2−ブロモピリミジン(69mg、1.5当量)、1,3ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリウムクロリド(20mg,0.16当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(21mg、0.8当量)、およびカリウムt−ブトキシド(49mg、1.5当量)を加えた。反応混合液を100℃で16時間加熱し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)に注ぎ、50mlのCHClで2回抽出し、MgSOで乾燥し、濾過、濃縮した。MPLCクロマトグラフィーにより、20−50%酢酸エチル/ヘプタンで溶出して精製し、表題化合物をアモルファス固体(70mg、52%)として得た。1H NMR(400MHz,CDCl)δ)8.36,7.42,6.63,6.54,5.24,4.90,4.24,3.97,3.92,3.81−3.74,3.57−3.46,2.71,2.47,2.29,1.33−1.26,1.15;IR(液体)2972,2397(w),2307(w),2214(w),2019(w),1945(w),1585(s),1565(s),1548(s),1510(s),1474(s),1395,1384,1304(s),1042cm−1;HRMS(ESI)C2533+Hについて算出した理論値464.2774、実測値464.2766。
(実施例7)
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製
【化38】

【0116】
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに2−ブロモピリジンを用いることによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。1H NMR(400MHz,CDCl)δ)8.20,7.50,7.42,6.65,6.60,6.43,5.28,4.90,4.26,4.04,3.97,3.79−3.75,3.56,3.41,2.73,2.48,2.29,1.33−1.26,1.15;IR(拡散反射法)2358(w),2018(w),1933(w),1598(s),1561,1494,1472(s),1443,1392,1360,1303,1250,1122,1041,769cm−1;HRMS(ESI)C2634+Hについて算出した理論値463.2821、実測値463.2816。
(実施例8)
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製
【化39】

【0117】
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに2−ブロモ−1,3−チアゾールを用いることによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。1H NMR(400MHz,CDCl)δ)7.42,7.25,6.65,6.54,5.24,4.92,4.27,4.02,3.97,3.88−3.79,3.56−3.46,2.70,2.48,2.29,1.33−1.27,1.15;IR(液体)2972,2410(w),2237(w),2019(w),1972(w),1596(s),1563(s),1540(s),1493(s),1474(s),1426,1395(s),1304(s),1251,1042cm−1;HRMS(ESI)C2432S+Hについて算出した理論値469.2386、実測値469.2375。
(実施例9)
5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化40】

【0118】
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに2−ブロモピリジンおよび5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンを用いることによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)8.19,7.99,7.47,6.58,6.46,6.41,5.25,4.90,4.25,4.02,3.80−3.72,3.55,3.40,3.13,2.70,2.54,2.12,1.29,1.16;IR(液体)2969,2930,2871,2414(w),1941(w),1602(s),1558(s),1490(s),1474(s),1443(s),1395(s),1374,1166,1124,770cm−1;HRMS(ESI)C2737O+Hについて算出した理論値476.3138、実測値476.3134。
(実施例10)
5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化41】

【0119】
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンを用いることによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)8.36,7.99,6.53,6.46,5.19,4.91,4.22,3.95,3.73,3.58−3.44,3.13,2.71,2.54,2.12,1.32−1.26,1.16;IR(拡散反射法)2969,2931,2403(w),2351(w),2306(w),2212(w),2168(w),1606(s),1583(s),1568(b),1547(s),1508(s),1474(s),1393(s),798cm−1;HRMS(ESI)C2636O+Hについて算出した理論値477.3090、実測値477.3113。
(実施例11)
5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化42】

【0120】
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに2−ブロモ−1,3−チアゾールおよび5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンを用いることによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)7.99,7.23,6.53,6.46,5.20,4.92,4.29,4.02,3.78,3.58,3.42,3.13,2.71,2.53,2.12,1.33−1.27,1.16;IR(拡散反射法)2970,2931,2872,2350(w),1606(s),1537(s),1489(s),1393(s),1372,1360,1347,1343,1338,1210,1122cm−1;HRMS(ESI)C2535OS+Hについて算出した理論値482.2702、実測値482.2699。
(実施例12)
5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(4−メトキシピリミジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化43】

【0121】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンおよび2−クロロ−4−メトキシピリミジンを用いることによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)8.03,7.25,7.02,6.90,6.02,5.25,4.88,4.22,3.92−3.78,3.55,2.74,2.50,1.33−1.26,1.16;IR(拡散反射法)2972,2475(w),2350(w),2310(w),2183(w),2069(w),1585(s),1568(s),1516(s),1482(s),1466(s),1397,1393,1292,1231cm−1;HRMS(ESI)C2633Cl+Hについて算出した理論値513.2380、実測値513.2356。
(実施例13)
5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(4−メトキシピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン塩酸塩の調製
【化44】

【0122】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンおよび2−クロロ−4−メトキシピリジンを用いることによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.6,8.08,7.22,7.12,7.05,6.90,6.40,5.92,5.40,5.00,4.32,4.20−4.10,3.95,3.86,3.52,2.81,2.60,1.33,1.26,1.18;IR(拡散反射法)2966,2934,2685(b),2036(w),1974(w),1657,1607(s),1493,1463,1442,1404,1293,1265,1232,826cm−1;HRMS(ESI)C2734Cl+Hについて算出した理論値512.2429、実測値512.2417。
(実施例14)
5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化45】

【0123】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに2−ブロモピリミジンを用い、開始化合物として5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンを用いることによって、表題化合物をアモルファス固体として得た。H NMR(CDCl)δ 1.17,1.26−1.34,2.51,2.76,3.54,3.78,3.86,3.97,4.27,4.91,5.25,6.61,6.90,7.02,7.25,8.40;IR(拡散反射法)2971,2392(w),2352(w),2307(w),2265(w),2170(w),1583(s),1569,1549(s),1508(s),1481(s),1475(s),1397,1392,1384cm−1;HRMS(EI)C25H31ClN6O2について算出した理論値482.2197、実測値482.2192。
(実施例15)
5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化46】

【0124】
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに2−ブロモピリジンおよびテトラフルオロホウ酸1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−イミダゾリウムを用い、開始化合物として5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンを用いることによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ1.17,1.24−1.34,2.51,2.76,3.56,3.76,3.86,3.99,4.25,4.91,5.25,6.61,6.90,7.02,7.25,8.41;IR(拡散反射法)2352(w),2340(w),2062(w),1940(w),1906(w),1600(s),1567,1559,1555,1482(s),1474(s),1441(s),1392,1287,1229cm−1;HRMS(ESI)C2632Cl+Hについて算出した理論値482.2322、実測値482.2332。
(実施例16)
5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−3−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化47】

【0125】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに3−ブロモピリジンを用い、開始化合物として5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンを用いることによって、表題化合物をアモルファス固体として得た。H NMR(CDCl)δ 1.17,1.26−1.33,2.51,2.73,3.39,3.57,3.76,3.78,3.86,3.93,4.31,4.91,5.26,6.89,7.04,7.25,8.00;IR(拡散反射法)2970,2430(w),2054(w),1914(w),1603,1584,1566(s),1481(s),1434,1396,1372,1287,1228,1122,1044cm−1;HRMS(ESI)C2632Cl+Hについて算出した理論値482.2322、実測値482.2311。
(実施例17)
5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化48】

【0126】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、開始化合物として5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンを使用することによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ 1.17,1.25−1.35,2.50,2.72,3.45,3.58,3.75,3.86,4.04,4.27,4.93,5.26,6.55,6.90,7.02,7.24;IR(拡散反射法)2970,2351(w),2337(w),2063(w),1604,1568,1549(s),1537(s),1482(s),1397,1359,1286,1228,1199,1043cm−1;HRMS(ESI)C2430SCl+Hについて算出した理論値488.1887、実測値488.1880。
(実施例18)
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)ピラジン−2−アミンの調製
【化49】

【0127】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル}−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに2−ブロモピリミジンを用い、開始化合物としてN−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)ピラジン−2−アミンを使用することによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ 1.15,1.28,2.13,2.48,2.74,3.51,3.77,3.85,3.98,4.25,4.90,5.20,6.56,6.81,7.12,8.37;IR(拡散反射法)2970,2402(w),2350(w),2307(w),2212(w),2169(w),1583(s),1568,1548(s),1508(s),1475(s),1393,1383,1242,798cm−1;HRMS(ESI)C2634+Hについて算出した理論値463.2821、実測値463.2816。
(実施例19)
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)ピラジン−2−アミンの調製
【化50】

【0128】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル}−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに2−ブロモピリジンを用い、開始化合物としてN−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)ピラジン−2−アミンを用いることによって、表題化合物をアモルファス固体として得た。H NMR(CDCl)δ 1.15,1.31,2.14,2.49,2.71,3.42,3.54,3.78,3.85,4.07,4.28,4.92,5.21,6.50−6.66,6.79,6.84,7.12,8.20;IR(拡散反射法)2969,2405(w),2351(w),2337(w),2212(w),2015(w),1599(s),1560,1482(s),1474(s),1442(s),1392,1385,1242,769cm−1;HRMS(ESI)C2735+Hについて算出した理論値462.2869、実測値462.2859。
(実施例20)
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)ピラジン−2−アミンの調製
【化51】

【0129】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル}−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、開始化合物としてN−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)ピラジン−2−アミンを使用することによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ 1.15,1.31,2.13,2.47,2.71,3.45−3.59,3.77,3.85,4.03,4.28,4.93,5.21,6.54,6.81,6.83,7.11,7.26;IR(拡散反射法)2970,2932,2403(w),2350(w),2334(w),2212(w),1965(w),1608,1537(s),1482(s),1393,1294,1242,1200,1165cm−1;HRMS(ESI)C2533S+Hについて算出した理論値468.2433、実測値468.2416。
(実施例21)
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]ピラジン−2−アミンの調製
【化52】

【0130】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル}−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに2−ブロモピリミジンを用い、開始化合物としてN−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]ピラジン−2−アミンを使用することによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ 1.15,1.30,2.43,2.69,3.53,3.78,3.87,3.99,4.04,4.27,4.91,5.27,6.61,6.97,7.56,8.41;IR(拡散反射法)2398(w),2352(w),2307(w),2214(w),2173(w),1584(s),1569,1549(s),1508(s),1476(s),1397,1341,1277,1175,1137(s)cm−1;HRMS(ESI)C2530+Hについて算出した理論値518.2491、実測値518.2479。
(実施例22)
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]ピラジン−2−アミンの調製
【化53】

【0131】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル}−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに2−ブロモピリジンを用い、開始化合物としてN−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]ピラジン−2−アミンを使用することによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ 1.15,1.30,2.44,2.70,3.43,3.58,3.75−3.85,4.05,4.27,4.90,5.32,6.46,6.62,6.97,7.52,7.56,8.20;IR(拡散反射法)2352(w),2338(w),2257(w),2175(w),2025(w),1600(s),1559,1475(s),1443(s),1397,1339,1277,1239,1174,1137(s)cm−1;HRMS(ESI)C2631+Hについて算出した理論値517.2538、実測値517.2533。
(実施例23)
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]ピラジン−2−アミンの調製
【化54】

【0132】
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル}−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製方法に従い、開始化合物としてN−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]ピラジン−2−アミンを用いることによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(CDCl)δ 1.15,1.30,2.45,2.68,3.48−3.58,3.77,3.88,4.04,4.29,4.94,5.29,6.56,6.98,7.56;IR(拡散反射法)2974,2350(w),2337(w),1921(w),1607,1568,1538(s),1477(s),1397,1342,1278(s),1239,1192,1175,1137(s)cm−1;HRMS(ESI)C2429SF+Hについて算出した理論値523.2103、実測値523.2108。
(実施例24)
5−(2,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン塩酸塩の調製
【化55】

【0133】
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに2−ブロモピリジンを用い、出発化合物として5−(2,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンを用いることによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)8.22,7.81,7.54,6.83,6.74,6.43,5.19,4.95,4.33,4.15,4.97,3.93,3.82,3.57,3.48,2.72,2.53,1.34−1.26,1.17;IR(拡散反射法)2972,2340(w),2022(w),1930(w),1646,1602(s),1576,1481,1466,1401,1376,1314,1240,1022,765cm−1;HRMS(ESI)C2634+Hについて算出した理論値479.2770、実測値479.2765。C2634.HClについて算出した理論値:C,60.63;H,6.85;N,16.32;Cl,6.88、実測値:C,60.66;H,6.91;N,16.03。
(実施例25)
5−(2,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化56】

【0134】
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに2−ブロモチアゾールを用い、出発化合物として5−(2,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンを用いることによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ)7.54,7.23,6.52,6.43,5.21,4.92,4.25,4.00,3.97,3.93,3.80−3.73,3.54,3.44,2.72,2.52,1.33−1.26,1.18;IR(拡散反射法)2963,2327(w),2187(w),2056(w),1997(w),1604,1580,1567,1538(s),1474(s),1397,1377,1311,1235,1031cm−1;HRMS(ESI)C2432S+Hについて算出した理論値485.2335、実測値485.2333。
(実施例26)
5−(2,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンの調製
【化57】

【0135】
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミンの調製方法に従い、替わりに2−ブロモピリミジンを用い、出発化合物として5−(2,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミンを用いることによって、アモルファス固体の表題化合物を得た。H NMR(400Hz,CDCl)δ)8.35,7.53,6.52,6.42,5.18,4.90,4.20,3.97,3.93,3.89,3.77,3.52,2.72,2.52,1.33−1.25,1.18;IR(拡散反射法)2402(w),2347(w),2307(w),2264(w),2194(w),1601,1582(s),1566,1547(s),1510(s),1474(s),1395,1377(s),1312(s),1022cm−1;HRMS(ESI)C2533+Hについて算出した理論値480.2723、実測値480.2715。
(実施例A)
生物学的活性評価のためのインビトロCRF受容体結合アッセイ
【0136】
以下は、被験化合物のCRF受容体に対する生物学的活性を評価するための、標準的なインビトロ結合アッセイの記載である。これは、DeSouza(De
Souza,1987)によって記載された修正プロトコールに基づく。
【0137】
結合アッセイには、一般的にはラット由来の脳の細胞膜を用いる。脳細胞膜を結合アッセイ用に調製するために、ラットの前頭皮質を氷冷した10mLの組織緩衝液(pH7.0の50mM HEPES緩衝液に10mMのMgCl、2mMのEGTA、1μg/mLアプロチニン、1μg/mLロイペプチンおよび1μg/mLペプスタチンを含む)にてホモジナイズする。ホモジネートは、48,000×gで10分間遠心分離を行い、生じた沈殿を10mLの組織緩衝液にて再びホモジナイズする。再び48,000×gで10分間遠心分離を行い、生じた沈殿をタンパク質濃度が300μg/mLになるように再懸濁する。
【0138】
96ウェルプレートを用い最終量が300μLとなるようにして、結合アッセイを行う。アッセイは、150μL細胞膜懸濁液を、125I−ヒツジ−CRF(最終濃度は150pM)および種々の濃度の阻害剤を含む150μLのアッセイ緩衝液に加えて行う。アッセイ緩衝液は、上述の細胞膜調製液に0.1%卵白アルブミンおよび0.15mMのバシトラシンを加えたものと同じである。放射性リガンドによる結合は、室温にて2時間経過した後に、Packard社製GF/Cユニフィルタ・プレート(事前に0.3%ポリエチレンイミンに浸しておいたもの)により、Packard社のセルハーベスタを用いて濾過して停止した。フィルタは、氷冷したpHが7.0で0.01%のTriton X−100を含むリン酸緩衝液生理食塩水によって3回洗浄を行った。フィルタは、Packard社製TopCountで放射能測定を行った。
【0139】
或いは、IMR−32ヒト神経芽腫細胞(ATCC、Hoggら,1996)のような、CRF受容体を自然に発現する組織および細胞を、上述したアッセイ法に類似した結合アッセイ法に用いることができる。
【0140】
CRF阻害に関しKi値がおよそ10μM未満である場合に、化合物には活性があると考えられる。非特異的結合については、過剰な(10μM)α−ヘリカルCRFの存在下で測定する。
(実施例B)
生物学的活性評価のためのエクスビボCRF受容体結合アッセイ
【0141】
以下に、被験化合物のCRF受容体に対する生物学的活性を評価するための、典型的なエクスビボCRF受容体結合アッセイを記載した。
【0142】
絶食させたHarlen社製の雄Sprague−Dawleyラット(170−210g)に対して、午後0:30から午後2:00の間の胃洗浄を経て、被験化合物或いは溶媒を経口投与した。化合物は、溶媒(通例では、蒸留水中に10%ダイズ油と5%ポリソルベート80)により調製した。薬物投与から2時間後に、ラットを断頭により致死させ、前頭皮質をすばやく摘出し、ドライアイス上に置き、アッセイまで−80℃で冷凍した。大動脈血をヘパリン処理した試験管に収集し、遠心分離(2500RPMで20分間)により血漿を分離し、−20℃で冷凍した。
【0143】
結合アッセイの当日、組織サンプルの重量を測り、氷冷した50mMのHepes緩衝液(10mMのMgCl、2mMのEGTA、1μg/mLのアプロチニン、1μg/mLのロイペプチンヘミ硫酸塩、1μg/mLのペプスタチンA、0.15mMのバシトラシンおよび0.1%卵白アルブミンを含む。23℃におけるpH=7.0)中で解凍した後、Kinematica社のPolytronで設定を5にして30秒ホモジナイズした。ホモジネートをアッセイ緩衝液(上述)またはDMP−904(10μM)の存在下で、[125I]CRF(0.15nM、NEN)と共にインキュべートした(23℃で2時間、暗所)。濾過(Packard社FilterMate、GF/Cフィルタープレート)により、アッセイを停止し、プレートをPackard社TopCount液体シンチレーションカウンタ(LSC)により測定した。総fmoleおよび非特異的fmoleをDPMから計算した。データは、溶媒対照に対するパーセント(結合した特異的fmole)として表した。統計的有意性は、スチューデントのt検定を用いて評価を行った。
(実施例C)
CRFで刺激されたアデニル酸シクラーゼ活性 の阻害
【0144】
CRF作用性アデニル酸シクラーゼ活性の阻害アッセイは、既述の方法で行うことができる[G.Battagliaら,Synapse 1:572
(1987)]。簡明に述べるならば、アッセイは、37℃で10分間、100mMのTris−HCl(37℃でpH7.4)、10mMのMgCl、0.4mMのEGTA、0.1%BSA、1mMのイソブチルメチルキサンチン(IBMX)、250単位/mLのホスホクレアチン・キナーゼ、5mMのリン酸クレアチン、100mMのグアノシン5’−三リン酸塩、100nMのo−CRF、拮抗ペプチド(種々の濃度)およびもともとの湿重量で0.8mgの組織(およそ40−60mgタンパク質)を含む200mLの緩衝液中で行う。反応は、1mMのATP/[32P]ATP(試験管当たりおよそ2−4mCi)を添加して開始し、50mMTris−HCl、45mMのATPおよび2%ドデシル硫酸ナトリウムを含む100mL液を添加して、停止する。1mLの[H]cAMP(およそ40,000dpm)を分離前に各試験管に添加して、cAMPの回復をモニターする。Dowexおよびアルミナカラムで連続的に溶出を行うことにより、[32P]cAMPの[32P]ATPからの分離が起こる。
【0145】
或いは、アデニル酸シクラーゼ活性は、NEN Life Sciences社のAdenylyl Cyclase Activation FlashPlate Assayを用いた96−ウェルフォーマットによって、提供されたプロトコールに従って測定できる。簡明に述べるならば、放射性標識したcAMPの一定量を、抗cAMP抗体をコーティングした96−ウェルプレートに加える。阻害化合物の存在下、或いは存在していない状態で、細胞または組織を加えて、活性化する。細胞が生産する未標識cAMPは、抗体と結合した放射性標識cAMPと置き換わる。結合した放射性標識cAMPは、Packard TopCountのようなマイクロプレートシンチレーションカウンタで検出可能な光信号を発生する。非標識化cAMPの量が増えることにより、設定したインキュべーション時間(2−24時間)に亘って、検出可能な信号が低下する。
(実施例D)
インビボ生物学的アッセイ
【0146】
本発明の化合物のインビボ活性は、当技術分野において認められている利用可能な生物学的アッセイを用いて評価できる。このような試験の例としては、聴覚性驚愕反射アッセイ(Acoustic Startle Assay)、階段登行試験(Stair Climbing Test)および慢性投与アッセイ(Chronic Administration Assay)が含まれる。これらの方法およびその他の方法であって、本発明の化合物のアッセイを行うために有用なアッセイ法は、C.W.BerridgeおよびA.J.Dunnによる
Brain Research Reviews 15:71 (1990)に概要が示されている。齧歯類または小ほ乳類のいかなる種においても、化合物のアッセイを行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、
【化1】

またはその立体異性体、その薬学的に許容できる塩またはそのプロドラッグ。
[式I中、
Arはアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールから選ばれ;
Vはヘテロアリールまたはフェニルであり、該ヘテロアリールおよびフェニルは1〜5のRによって置換されてもよく;
はそれぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルから選ばれ、該アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルは、1〜5のR、−Oアルキル、−S(O)、NR、オキソ(=O)、チオン(=S)、フェニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルによって置換されてもよく;
は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、−NO、−NH、−OH、−SH、−CN、−C(O)NH、−C(O)−NHアルキル、−C(O)Nアルキルアルキル、−Oアルキル、−Oハロアルキル、NHアルキル、Nアルキルアルキル、−S(O)アルキル、SONH、SONHアルキル、SONアルキルアルキル、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、フェニル、ベンジル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルから選ばれ;
mは0、1または2である。]
【請求項2】
以下からなる群から選ばれる請求項1に記載の化合物:
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン、
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン、
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−3−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン、
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−4−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン、
5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン、
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミン、
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミン、
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)ピラジン−2−アミン、
5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン、
5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン、
5−[6−(ジメチルアミノ)−4−メチルピリジン−3−イル]−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン、
5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(4−メトキシピリミジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン、
5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(4−メトキシピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン塩酸塩、
5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン、
5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン、
5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−3−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン、
5−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン、
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)ピラジン−2−アミン、
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)ピラジン−2−アミン、
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)ピラジン−2−アミン、
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]ピラジン−2−アミン、
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]ピラジン−2−アミン、
N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチル−5−[6−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]ピラジン−2−アミン、
5−(2,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン塩酸塩、
5−(2,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−(1,3−チアゾール−2−イル)ピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン、および
5−(2,6−ジメトキシピリジン−3−イル)−N−[(3R,4S)−4−エトキシ−1−ピリミジン−2−イルピロリジン−3−イル]−3,6−ジエチルピラジン−2−アミン。
【請求項3】
請求項1または2に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項4】
CRFがCRF受容体に対してインビトロにおいて結合することを阻害する方法であって、CRFの存在下で請求項1または2に記載の化合物を含む溶液をCRF受容体を発現する細胞と接触させることを含み、該化合物が該溶液中に、CRFがインビトロにおいて細胞と結合するレベルを阻害するのに十分な濃度で存在することを特徴とする方法。
【請求項5】
ほ乳類においてCRF受容体にアンタゴナイズする方法であって、該ほ乳類に対して請求項1または2に記載の化合物の治療的に有効な量を投与することを特徴とする方法。
【請求項6】
CRF受容体に対するリガンドをスクリーニングする方法であって:a)CRF受容体、検出可能な標識で標識化された請求項1または2に記載の化合物および候補のリガンドを用いて競合的結合アッセイを実施すること、並びに、b)該候補のリガンドが標識化された該化合物を置換する能力を測定することを含む方法。
【請求項7】
ほ乳類において障害を治療する方法であって、該障害の治療は、CRFに拮抗することによって該障害の治療効果が生じる或いは治療が容易になる方法。
【請求項8】
前記障害がCRFの分泌過剰を示す、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、該ほ乳類がヒトであり、かつ該障害が不安関連障害;気分障害;外傷後ストレス障害;核上麻痺;免疫抑制;薬物またはアルコール離脱症状;炎症性障害;疼痛;喘息;乾癬およびアレルギー;恐怖症;ストレス誘発性の睡眠障害;線維筋痛症;気分変調;双極性障害;循環気質;疲労症候群;ストレス性頭痛;ガン;ヒト免疫不全ウイルス感染症;神経変性疾患;消化器系疾患;摂食障害;出血性ストレス;ストレス誘発性の精神病性エピソード;偽甲状腺機能低下症候群;抗利尿ホルモン異常症候群;肥満;不妊;頭部外傷;脊椎外傷;虚血性神経細胞障害;興奮毒性による神経細胞障害;てんかん;心血管系および心臓関連疾患;免疫不全;筋痙攣;尿失禁;アルツハイマー型老人性痴呆症;多発梗塞性痴呆;筋萎縮性側索硬化症;薬物依存症および中毒症;心理社会的小人症、低血糖症および皮膚障害;並びに脱毛から選ばれる、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、該障害が不安関連障害;気分障害;双極性障害;外傷後ストレス障害;炎症性障害;薬物依存症および中毒症;消化器系障害;および皮膚障害から選ばれることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、該障害が不安関連障害または気分障害から選ばれ、かつ該不安関連障害が全般性不安症であり、該気分障害がうつ病であることを特徴とする方法。
【請求項12】
ヒトにおいて体毛の成長を促進する方法であって、その必要があるヒトに対して、請求項1または2の化合物の治療的に有効な量を投与することを特徴とする方法。
【請求項13】
ヒトにおいて禁煙を促進する方法であって、その必要があるヒトに対して、請求項1または2の化合物の治療的に有効な量を投与することを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1または2の化合物であって、標準的インビトロCRF受容体結合アッセイにおいて該化合物が1ミクロモル以下のKi値を示すことを特徴とする化合物。
【請求項15】
請求項14の化合物であって、該化合物が100ナノモル以下のKi値を示すことを特徴とする化合物。

【公表番号】特表2006−525993(P2006−525993A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506620(P2006−506620)
【出願日】平成16年5月5日(2004.5.5)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001553
【国際公開番号】WO2004/099201
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】