説明

CXCR2アンタゴニストとしての5−スルファニルメチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−A]ピリミジン−7−オール

本発明は、式(I)の化合物、および、例えば、CXCR2受容体仲介状態もしくは疾患を予防もしくは処置することにおける、医薬としてのこれらの化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリアゾロピリミジン、例えば、式(I)の化合物およびその使用に関する。
【発明の概要】
【0002】
1つの局面では、本発明は、式
【化1】

[式中、
R1およびR2は、独立して、水素、(C1-8)アルキル、(C3-8)シクロアルキル、(C1-8)アルキルチオ、(C6-18)アリール、(C1-8)アルキル(C6-18)アリール、(C6-18)アリール(C1-8)アルキル、5から6環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルであり、
R3は、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の(C1-6)アルキル、ハロ(C1-6)アルキル、ハロゲン、ハロ(C1-6)アルコキシ、シアノ、非置換もしくは置換されたフェニル、5から6環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルで置換された、(C6-18)アリールまたは5から6環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルである]
で示される化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0003】
他の局面では、本発明は、
R1およびR2が、独立して、水素、(C1-4)アルキル、(C3-6)シクロアルキル、(C1-4)アルキルチオ、フェニル、フェニル(C1-4)アルキル、5から6環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルであり、
R3が、非置換であるか、または1もしく3個の(C1-4)アルキル、ハロゲン、ハロ(C1-4)アルキル、ハロ(C1-4)アルコキシ、シアノ、フェニル、5から6環員およびN、O、Sから選択される1から2個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルで置換された、フェニル、ナフチルまたは6環員およびN、O、Sから選択される1から2個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルである、
式(I)の化合物を提供する。
【0004】
他の局面では、本発明は、
R1が、水素、メチル、エチル、i-プロピル、シクロプロピル、シクロヘキシル、メチルチオ、フェニル、ベンジル、フェネチルであり、
R2が、水素であり、
R3が、非置換ナフチルもしくはフェニル、1から3個のメチル、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル、フェノキシ、4-メチルフェニルで置換されたフェニル、非置換ナフチル、トリフルオロメチルで置換されたピリジニルまたは2-5-ジメチルフラン-3−イルである、
式(I)の化合物を提供する。
【0005】
式(I)の化合物で、R1は、好ましくは、水素、メチル、エチル、i-プロピル、シクロプロピル、シクロヘキシル、メチルチオ、フェニル、ベンジル、フェネチルである。
【0006】
式(I)の化合物で、R2は、好ましくは、水素である。
【0007】
式(I)の化合物で、R3は、好ましくは、非置換ナフチルもしくはフェニル、1から3個のメチル、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル、フェノキシ、4-メチルフェニルで置換されたフェニル、非置換ナフチル、トリフルオロメチルで置換されたピリジニルまたは2-5-ジメチルフラン-3−イルである。
【0008】
式Iの化合物で、各々単一の定義された置換基は、例えば、定義されたそれぞれ他の置換基と独立して、好ましい置換基であり得る。
【0009】
他に記載がなければ、
-アルキルは、非置換もしくは置換アルキル、例えば、有機化学で慣用的な基、例えば、ハロゲン、OH、NH2またはハロ(C1-6)アルキルで置換されたアルキルを含む、直鎖もしくは分岐鎖(C1-8)アルキル、例えば、(C1-6)アルキルまたは(C1-4)アルキル、例えば、(C1-2)アルキルを含み、例えば、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、ブチルであり;
-シクロアルキルは、(C3-8)シクロアルキル、例えば、(C3-6)シクロアルキルを含み、例えば、シクロプロピル、シクロヘキシルであり;
-ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードを含み、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、好ましくは、フルオロまたはクロロであり;
-アルコキシは、(C1-4)アルコキシ、例えば、(C1-2)アルコキシを含み、例えば、メトキシであり;
-アルキルチオは、(C1-8)アルキルチオ、例えば、(C1-4)アルキルチオを含み、例えば、メチルチオであり;
-アリールは、非置換であるか、または1もしくはそれ以上、例えば、1から3個の有機化学で慣用的な置換基、例えば、ハロゲン、例えば、クロロまたはフルオロ、(C1-6)アルキル、例えば、メチル、またはハロ(C1-6)アルキル、例えば、トリフルオロメチルで置換された、(C6-18)アリール、例えば、フェニル、ナフチル、および(C6-18)アリール(C1-8)アルキル、例えば、ベンジル、フェネチルを含み; 所望により、5から6環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルと縮環(annelated)しており;
-ヘテロシクリルは、非置換であるか、または置換された、例えば、メチルで置換された、5から6環員およびN、O、S、好ましくは、N、Oから選択される1から4個のヘテロ原子を有するヘテロシクリル、例えば、脂環式および芳香族性ヘテロシクリル、例えば、6環員およびN、O、Sから選択される1から2個のヘテロ原子を有するヘテロシクリル、例えば、ピリジニル、フラニルを含む。
【0010】
他の局面では、本発明は、
- 2-ベンジル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-メチル-5-(4-クロロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-メチル-5-(4-メチルフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-メチル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-エチル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-イソプロピル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-シクロプロピル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-メチルチオ-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-フェネチル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-フェニル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-シクロヘキシル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-フェニルスルファニルメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(3,4-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(5-トリフルオロメチル-ピリジン-2−イル-スルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(2,3-ジクロロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(3-トリフルオロメチル-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(ナフタレン-2−イル-スルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(3,4-ジクロロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(3,5-ジクロロ-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(2,4-ジクロロ-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(3-トリフルオロメトキシ-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(4-クロロ-2,5-ジメチル-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(4-フェノキシ-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(2,5-ジフルオロ-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(4'-メチル-ビフェニル-3−イルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(3-フルオロ-4-メチル-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、および
- 2-ベンジル-5-(2,5-ジメチル-フラン-3−イルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール
からなる群から選択される化合物を提供する。
【0011】
遊離または薬学的に許容される塩形での式Iの化合物は、以下では代替的に本発明の化合物と記載する。
【0012】
本発明の化合物は、異性体およびその混合物(例えば、光学異性体、ジアステレオ異性体、シス/トランス異性体)の形態で存在し得る。本発明の化合物は、例えば、不斉炭素原子を含んでよく、したがって、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびその混合物、例えば、ラセミ体の形態で存在し得る。あらゆる不斉炭素原子上の置換基は、(R)-、(S)-または(R,S)-配置で、好ましくは、(R)-または(S)-配置で存在し得る。例えば、シス/トランス異性体は、脂肪族二重結合が本発明の化合物中に存在するときに、存在できる。異性体混合物は、例えば、純粋異性体を取得するための慣用的な方法にしたがい、例えば、それらと同様にして、適当に分離し得る。本発明は、あらゆる異性体形の、およびあらゆる異性体混合物での本発明の化合物を含む。
【0013】
本発明はまた、本発明の化合物の互変異性体を含み、例えば、本発明の化合物は、下記の形態で存在し得る:
【化2】

【0014】
本明細書に記載したあらゆる化合物、例えば、本発明の化合物は、慣用的な方法、例えば、本明細書に記載した方法にしたがい、例えば、それらと同様にして、適当に製造し得る。出発物質は、既知であるか、または慣用的なもしくは本明細書に記載した方法にしたがい、例えば、それらと同様にして、製造し得る。
【0015】
他の局面では、本発明は、式
【化3】

[式中、
R1は、上記したとおりである]
の化合物を、式
【化4】

[式中、
R2およびR3は、上記したとおりである]
の化合物と、適当な条件下、例えば、酢酸の存在下、100℃で16時間、反応させ、本発明の式(I)の化合物を得ることを含む、本発明の化合物の製造法を提供する。
【0016】
そのようにして得た式Iの化合物は、式Iの他の化合物に変換してよく、例えば、または、遊離形で得られた式Iの化合物は、式Iの化合物の塩に変換し得る(逆もまた然り)。
【0017】
本発明の化合物は、医薬として有用である。
【0018】
したがって、本発明はまた、医薬としての使用のための置換基が上記したとおりである、遊離または薬学的に許容される塩形での式(I)の化合物を提供する。
【0019】
他の局面では、本発明は、置換基が上記したとおりである、式(I)の化合物の医薬としての使用を提供する。
【0020】
他の局面では、本発明は、置換基が上記したとおりである、式(I)の化合物の医薬の製造における使用を提供する。
【0021】
本発明の化合物は、CXCR2受容体アンタゴニストとして作用し、それにより、炎症性細胞、特に、好中球、単球およびCD8+T細胞ならびに慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関与するメディエーターの浸潤および活性化を阻害する。したがって、本発明の化合物は、症状軽減を提供し、疾患の進行を緩和する。
【0022】
COPDを患う患者の気道は、主に、好中性の炎症性応答を示す。気道がタバコの煙に曝されると、マクロファージ、CD8+T細胞および上皮性細胞が活性化され、炎症促進性メディエーター、酸化因子、サイトカインならびに好中球走化性因子、IL-8、GROα、ENA-78およびロイコトリエンを放出する。IL-8、GROαおよびENA-78は、選択的な好中球走化性因子である。ヒト好中球では、IL-8が、2個の異なる受容体、CXCR1およびCXCR2に、同様の親和性で結合する。GROα、β、γ、NAP-2およびENA-78を含む、密接に関連するケモカインは、CXCR2にのみ結合する。したがって、好中球動員を阻害することは、いくつかの肺疾患を処置するための認識された治療戦略である。IL-8、GROαおよびENA-78のケモカイン受容体CXCR2への結合の妨害は、重要な炎症性細胞の浸潤および活性化を抑制し、それにより、次の組織損傷、粘液分泌、気道閉塞および疾患進行を軽減することにより、COPDを患う患者に有益な効果を提供し得る。
【0023】
本発明の化合物のIL-8およびGROαケモカイン阻害特性は、下記のアッセイで証明し得る:
受容体結合アッセイ
[125I] IL-8 (ヒト組み換え)は、Amersham Pharmacia Biotechから入手され、2000 Ci/mmolの特異的活性を有する。全ての他の薬品は、分析グレードである。チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO-K1)に発現させたヒト組み換えCXCR2受容体は、Euroscreenから購入する。チャイニーズハムスター卵巣膜は、Euroscreenにより提供されたプロトコールにしたがって調製する。膜タンパク質濃度は、Bio-Radタンパク質アッセイを用いて決定する。アッセイは、White, et al., J Biol Chem., 1998, 273, 10095)に記載された方法にしたがい、96ウェルマイクロプレート様式で行う。各反応混合物は、1.2 mM MgSO4、0.1 mM EDTA、25 mM NaClおよび0.03% CHAPSを含む20 mM Bis-Tris-プロパン、pH 8.0中、0.05 mg/mlのCXCR2膜タンパク質を含む。さらに、10 μMから0.0005 μM (DMSO 2 % (v/v)の最終濃度)の最終濃度に到達するように、ジメチルスルホキシド(DMSO)に前もって溶解させた興味のある化合物を加える。結合は、0.02 nMの125I-IL-8の添加により開始される。室温で2時間後、プレートを、1% ポリエチレンイミン + 0.5% BSAでブロックしたガラスファイバーフィルタープレート(GF/c)に、Brandel(商標)96ウェルharvesterを用いて収集し、25 mM NaCl、10 mM TrisHCl、1 mM MgSO4、0.5 mM EDTA、0.03% CHAPS、pH 7.4で3回洗浄する。フィルターを、50℃で一晩、乾燥させる。バックシールをプレートに適用し、50 μlの液体シンチレーション液を加える。総数は、Packard Topcount(商標)シンチレーションカウンターで測定する。
【0024】
SPA技術を用いたヒトCXCR2受容体のための[35S]-GTPγS結合アッセイ
[35S]-GTPγS (1082 Ci/mmolの特定の活性を有する)および小麦コムギ胚芽凝集素ポリビニルトルエンシンチレーション近接ビーズは、Amersham Pharmacia Biotechから購入する。ヒトCXCR2受容体を発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO-K1)膜は、Biosignal Packard Inc.から購入する。全ての他の薬品は、分析グレードである。白色非結合表面96ウェルOptiplat(商標)マイクロプレートは、Packardから購入する。組み換えヒトIL-8は、以前記載されたとおり、合成し、クローン化し、大腸菌に発現させる(Lindley I, et al., Proc. Natl. Acad. Sci., 1988, 85(23):9199)。
【0025】
アッセイは、96ウェルOptiplate(商標)マイクロプレートを用いて、ウェルあたり250 μlの最終容量で、2回行う。化合物を、DMSOで希釈し(0.5%の最終濃度)、ウェルあたり10 mM MgCl2、100 mM NaCl、1 mM EDTA + 100 nM IL-8、50 μM GDPおよび500 pM [35S]GTPγSを含む、20 mM HEPESバッファー、pH 7.4で、インキュベートする。SPAビーズ(1 mg/ウェルの最終濃度)は、アッセイバッファー: 10 mM MgCl2、100 mM NaCl、1 mM EDTAを含む20 mM HEPESバッファー、pH 7.4で、前もって、膜(10 μg/ウェルの最終濃度)と混合した。ビーズ膜混合物を、各ウェルに加え、プレートをシールし、室温で60分間、インキュベートする。プレートを遠心分離し、Packard TopCount(商標)シンチレーションカウンターのプログラム[35S dpm]で、1分間/ウェル、読み出す。データは、100 nM IL-8 - 基底値に対する応答%として示す。
【0026】
走化性アッセイ
これらの化合物のインビトロ阻害特性は、好中球走化性アッセイで決定する。アッセイは、以前公開された方法(Frevert C W, et al., J Immunolog. Methods, 1998, 213, 41)にしたがい、96ウェル様式で行う。96ウェル走化性チャンバー5 μmは、Neuro Probeから入手し、すべての細胞バッファーは、Invitrogen Paisley, UKから入手し、dextran -T500およびFicoll-Paque Plus(商標)密度勾配遠心分離培地は、Pharmacia Biotech Buckinghamshire, UKから入手する。Calcein-AM染料は、Molecular Probesから入手する。好中球は、以前記載されたとおり、単離する(Haslett, C., et al. Am J Path., 1985, 119:101)。クエン酸処理した全血を、4% (w/v) dextran-T500と混合し、30分間氷上に立て、赤血球を除去する。顆粒球(PMN)を、15 mlのFicoll-Paque PLUS密度勾配上で、15 mlの細胞懸濁液を重層し、250 xgで25分間、遠心分離することにより、末梢血単核細胞から分離する。遠心分離後、PMNペレットのすべての赤血球混入は、10 mlの氷冷エンドトキシンフリー滅菌水を50秒間用いた低張ショック溶解により除去され、10 mlの冷2xリン酸緩衝生理食塩水で中和する。単離した好中球(1 x 107)を、1 mlの全量で、蛍光色素calcein-AM (5 μg)で標識し、37℃で30分間、インキュベートする。標識細胞を、フェノールレッド + 0.1% ウシ血清アルブミンなしのRPMIで洗浄し、使用前に細胞を数え、5 x 106細胞/mlの最終濃度に調整する。標識好中球を、次いで、DMSO (0.1%最終濃度)で希釈した試験化合物(0.001-1000 nM)と混合し、室温で10分間、インキュベートする。走化性因子(29 μl)を、(0.1-5 nM)の濃度で、96ウェル走化性チャンバーの下のチャンバー(bottom chamber)に入れる。ポリカーボネートフィルター(5 μm)を、プレートの上に載せ、細胞(25 μl)を、一番上のフィルターに載せる。細胞を、5% CO2の加湿インキュベーターで、37℃で90分間、移動させる。インキュベーションの最後に、移動した細胞を、マルチウェル蛍光プレートリーダー(Fluroskan II(商標), Labsystems)を用いて定量する(485 nmでの励起および538 nmでの放出)。各化合物は、4つの異なるドナーを用いて、4回試験する。ポジティブコントロール細胞、すなわち、化合物で処理されていない細胞は、下のウェルに加える。これらは、細胞の最大走化性応答を示す。ネガティブコントロール細胞、すなわち、走化性因子で刺激されていない細胞は、下のチャンバーに加える。ポジティブコントロールとネガティブコントロールの差異は、細胞の走化性活性を示す。
【0027】
本明細書の下記の実施例の化合物は、一般に、[35S]-GTPγS結合アッセイで、10 μM以下のIC50値を有する。例えば、実施例1および4の化合物は、それぞれ、0.3および2.4 μMのIC50値を有する。
【0028】
CXCR2の結合のそれらの阻害に関連して、本発明の化合物は、CXCR2が介在する状態もしくは疾患、例えば、炎症性またはアレルギー性状態もしくは疾患、特に、付随する慢性気管支炎またはそれに付随する呼吸困難を含む慢性閉塞性気道もしくは肺疾患(COPD、COADまたはCOLD)、肺気腫、閉塞性細気管支炎症候群および重篤な喘息の処置において有用である。
【0029】
本発明の化合物は、さらに、さまざまな疾患、例えば、癌、例えば、卵巣癌、前立腺癌、転移性黒色腫を含む黒色腫、肺癌、例えば、非小細胞肺癌、腎細胞癌; 腫瘍血管形成、虚血/再かん流損傷、移植片機能遅延、骨関節症、骨髄化生を伴う骨髄線維症、線筋症、接触過敏症(皮膚)および創傷治癒の処置において有用である。
【0030】
本発明による処置は、対症的であるか、または予防的であり得る。
【0031】
慢性気管支炎またはCOPDの処置における予防的な効果は、減少した頻度もしくは重篤度により示され、症状軽減および減少した疾患進行、肺機能の改善を提供する。それは、さらに、他の対症療法、すなわち、症候性発作を、それが起きたときに制限するか停止するための、またはそれを意図する療法(例えば、抗炎症性(例えば、コルチコステロイド)または気管支拡張性)の減少した必要性により示され得る。
【0032】
本発明が適用可能な他の炎症性もしくは閉塞性気道疾患および状態は、急性肺損傷(ALI)、成人/急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、特発性肺線維症、線維性肺、気道過敏症、呼吸困難、肺線維症、アレルギー性気道炎症、小気道疾患、肺癌、鎌状赤血球病および肺高血圧を患う患者での急性胸部症候群、ならびに他の薬剤療法、特に、他の吸入薬剤療法により生じる気道過敏症の悪化を含む。本発明はまた、例えば、急性、アラキジン性、カタル性、クループ性、慢性または結核様気管支炎を含む、あらゆる型もしくは起源の気管支炎の処置に適用可能である。さらに、本発明が適用可能な炎症性もしくは閉塞性気道疾患は、あらゆる型もしくは起源の塵肺症(慢性もしくは急性の気道閉塞をしばしば伴い、粉塵を繰り返し吸入することにより引き起こされる、炎症性の一般的に職業性の肺疾患)を含み、それは、例えば、アルミニウム肺症、炭粉沈着症、石綿肺症、石肺症、ダチョウ塵肺症、鉄沈着症、珪肺症、タバコ症および綿肺症を含む。
【0033】
本発明の化合物はまた、根底にある慢性状態、例えば、喘息、慢性気管支炎、COPD、中耳炎、および副鼻腔炎を悪化させる、呼吸器ウイルス感染を処置するのに有用である。処置される呼吸器ウイルス感染は、二次細菌感染、例えば、中耳炎、副鼻腔炎または肺炎に関連し得る。
【0034】
本発明の化合物はまた、皮膚の炎症性状態、例えば、乾癬、アトピー性皮膚炎、エリテマトーデス、および皮膚の他の炎症性もしくはアレルギー性状態の処置において有用である。
【0035】
本発明の化合物はまた、他の疾患もしくは状態、特に、炎症性要素を有する疾患もしくは状態、例えば、アレルギー性鼻炎を含む鼻に影響を与える疾患、例えば、萎縮性、慢性、もしくは季節性鼻炎、胃腸管の炎症性状態、例えば、炎症性腸疾患、例えば、潰瘍性大腸炎およびクローン病、リウマチ性関節炎、乾癬性関節を含む骨および関節の疾患、および他の疾患、例えば、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、ならびに、例えば、心臓、腎臓、肝臓、肺または骨髄の移植後の急性および慢性同種移植片拒絶反応の処置のために使用され得る。
【0036】
本発明の化合物はまた、エンドトキシンショック、糸球体腎炎、脳および心虚血、アルツハイマー病、嚢胞性線維症、ウイルス感染およびそれらに関連する増悪、後天性免疫不全症候群(AIDS)、多発性硬化症(MS)、ヘリコバクターピロリ菌関連胃炎、ならびに癌、特に、卵巣癌の増殖の処置において有用である。
【0037】
本発明の化合物はまた、ヒトでのウイルス感染により引き起こされる症状(ヒトライノウイルス、他のエンテロウイルス、コロナウイルス、ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルスまたはアデノウイルスにより引き起こされる症状)を処置するのに有用である。
【0038】
本発明の化合物はまた、疾患、例えば、膵炎、ベーチェット病および反応性細胆管(reactive bile ductule)を伴う肝胆汁性疾患、例えば、慢性ウイルス肝炎、肝硬変、敗血症、肝外胆管閉塞、劇症型肝炎、原発性胆汁性肝硬変および原発性硬化性胆管炎を処置するのに有用である。
【0039】
炎症性状態、例えば、炎症性気道疾患を阻害する本発明の化合物の効果は、気道炎症もしくは他の炎症性状態の動物モデルで、例えば、マウス、ラットまたはウサギモデルで、例えば、Wada et al, J. Exp. Med (1994) 180:1135-40; Sekido et al, Nature (1993) 365:654-57; Modelska et al., Am. J. Respir. Crit. Care. Med (1999) 160:1450-56; およびLaffon et al (1999) Am. J. Respir. Crit. Care Med. 160:1443-49に記載されたとおり、証明し得る。
【0040】
本発明の化合物はまた、他の薬剤物質、例えば、抗炎症性、気管支拡張性、抗ヒスタミン性もしくは抗咳性薬剤物質と組合わせて使用するための共薬剤化合物として、特に、閉塞性もしくは炎症性気道疾患、例えば、上記したものの処置において、例えば、該薬剤の治療活性の増強剤として、または該薬剤の必要とされる用量もしくは潜在的な副作用を減少させる手段として有用である。本発明の化合物は、固定医薬組成物中に、他の薬剤物質と共に混合でき、またはそれは、他の薬剤物質の前に、同時に、もしくは後に、別々に投与できる。したがって、本発明は、上記した本発明の化合物と抗炎症性、気管支拡張性、抗ヒスタミン性または抗咳性薬剤物質の組合わせを含み、該本発明の化合物と該薬剤物質は、同じであるか、または異なる医薬組成物中に存在する。
【0041】
適当な抗炎症剤は、ステロイド、特に、グルココルチコステロイド、例えば、ブデソニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニドもしくはフロン酸モメタゾン、またはWO 02/88167、WO 02/12266、WO 02/100879、WO 02/00679 (とりわけ、実施例3、11、14、17、19、26、34、37、39、51、60、67、72、73、90、99および101のそれら)、WO 03/35668、WO 03/48181、WO 03/62259、WO 03/64445、WO 03/72592、WO 04/39827およびWO 04/66920に記載されたステロイド; 非ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニスト、例えば、DE 10261874、WO 00/00531、WO 02/10143、WO 03/82280、WO 03/82787、WO 03/86294、WO 03/104195、WO 03/101932、WO 04/05229、WO 04/18429、WO 04/19935およびWO 04/26248に記載されたもの; LTD4 アンタゴニスト、例えば、モンテルカストおよびザフィルカスト; PDE4 阻害剤、例えば、シロミラスト(Ariflo(登録商標) GlaxoSmithKline)、ロフルミラスト(Byk Gulden)、V-11294A (Napp)、BAY19-8004 (Bayer)、SCH-351591 (Schering-Plough)、Arofylline (Almirall Prodesfarma)、PD189659 / PD168787 (Parke-Davis)、AWD-12-281 (Asta Medica)、CDC-801 (Celgene)、SelCID(TM) CC-10004 (Celgene)、VM554/UM565 (Vernalis)、T-440 (Tanabe)、KW-4490 (Kyowa Hakko Kogyo)、およびWO 92/19594、WO 93/19749、WO 93/19750、WO 93/19751、WO 98/18796、WO 99/16766、WO 01/13953、WO 03/104204、WO 03/104205、WO 03/39544、WO 04/000814、WO 04/000839、WO 04/005258、WO 04/018450、WO 04/018451、WO 04/018457、WO 04/018465、WO 04/018431、WO 04/018449、WO 04/018450、WO 04/018451、WO 04/018457、WO 04/018465、WO 04/019944、WO 04/019945、WO 04/045607およびWO 04/037805に記載されたもの; A2A アゴニスト、例えば、EP 1052264、EP 1241176、EP 409595A2、WO 94/17090、WO 96/02543、WO 96/02553、WO 98/28319、WO 99/24449、WO 99/24450、WO 99/24451、WO 99/38877、WO 99/41267、WO 99/67263、WO 99/67264、WO 99/67265、WO 99/67266、WO 00/23457、WO 00/77018、WO 00/78774、WO 01/23399、WO 01/27130、WO 01/27131、WO 01/60835、WO 01/94368、WO 02/00676、WO 02/22630、WO 02/96462、およびWO 03/086408に記載されたもの; ならびにA2B アンタゴニスト、例えば、WO 02/42298に記載されたものを含む。
【0042】
適当な気管支拡張剤は、抗コリン性もしくは抗ムスカリン性化合物、特に、臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、チオトロピウム塩およびCHF 4226 (Chiesi)、ならびにグリコピロレート、およびEP 424021、US 3714357、US 5171744、WO 01/04118、WO 02/00652、WO 02/51841、WO 02/53564、WO 03/00840、WO 03/33495、WO 03/53966、WO 03/87094、WO 04/018422およびWO 04/05285に記載されたもの; ならびにベータ-2アドレナリン受容体アゴニスト、例えば、アルブテロール(サルブタモール)、メタプロテレノール、テルブタリン、サルメテロールフェノテロール、プロカテロール、および、とりわけ、フォルモテロール、カルモテロール、および薬学的に許容されるその塩、ならびにWO 00/75114(引用により、本明細書の一部とする)の式Iの化合物(遊離もしくは塩もしくは溶媒和物形)、好ましくは、その実施例の化合物、とりわけ、式
【化5】

の化合物および薬学的に許容されるその塩、ならびにWO 04/16601の式Iの化合物(遊離もしくは塩もしくは溶媒和物形)、ならびにまた、EP 1440966、JP 05025045、WO 93/18007、WO 99/64035、US 2002/0055651、WO 01/42193、WO 01/83462、WO 02/66422、WO 02/ 70490、WO 02/76933、WO 03/24439、WO 03/42160、WO 03/42164、WO 03/72539、WO 03/91204、WO 03/99764、WO 04/16578、WO 04/22547、WO 04/32921、WO 04/33412、WO 04/37768、WO 04/37773、WO 04/37807、WO 04/39762、WO 04/39766、WO 04/45618 WO 04/46083およびWO 04/80964の化合物を含む。
【0043】
そのような抗ヒスタミン性薬剤物質は、塩酸セチリジン、アセトアミノフェン、フマル酸クレマスチン、プロメタジン、ロラチジン、デスロラチジン、ジフェンヒドラミンおよび塩酸フェキソフェナジンを含む。
【0044】
本発明の化合物と抗コリン性もしくは抗ムスカリン性化合物、ステロイド、ベータ-2アゴニスト、PDE4阻害剤、ドーパミン受容体アゴニスト、LTD4アンタゴニストまたはLTB4アンタゴニストの組合わせもまた使用し得る。本発明の化合物と抗炎症剤の他の有用な組合わせは、他のケモカイン受容体、例えば、CCR-1、CCR-3、CCR-4、CCR-5、CCR-6、CCR-7、CCR-8、CCR-9およびCCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5のアンタゴニスト、特に、CCR-5アンタゴニスト、例えば、Schering-PloughのアンタゴニストSC-351125、SCH-55700およびSCH-D、Takedaのアンタゴニスト、例えば、N-[[4-[[[6,7-ジヒドロ-2-(4-メチルフェニル)-5H-ベンゾシクロヘプテン-8−イル]カルボニル]アミノ]フェニル]-メチル]-テトラヒドロ-N,N-ジメチル-2H-ピラン-4-塩化アミニウム(TAK-770)、US 6166037 (特に、請求項18および19)、WO 0066558 (特に、請求項8)、およびWO 0066559 (特に、請求項9)に記載されたCCR-5アンタゴニストとの組合わせである。
【0045】
上記にしたがって、本発明はまた、CXCR2が介在する状態もしくは疾患、例えば、炎症性もしくはアレルギー性状態、特に、炎症性もしくは閉塞性気道疾患の処置法を提供し、それは、対象、特に、それを必要とするヒト対象に、上記したとおりの、遊離形または薬学的に許容される塩形での式Iの化合物の有効量を投与することを含む。他の局面では、本発明は、CXCR2が介在する状態もしくは疾患、例えば、炎症性もしくはアレルギー性状態、特に、炎症性もしくは閉塞性気道疾患の処置用医薬の製造のための、上記したとおりの、遊離形または薬学的に許容される塩形での式Iの化合物の使用を提供する。
【0046】
本発明の薬剤は、あらゆる適当な経路で、例えば、経口的に、例えば、錠剤またはカプセルの形態で; 非経腸的に、例えば、静脈内で; 例えば、炎症性もしくは閉塞性気道疾患の処置において、吸入で; 例えば、アレルギー性鼻炎の処置において、鼻腔内で; 例えば、アトピー性皮膚炎の処置において、皮膚に対して局所的に; または例えば、炎症性腸疾患の処置において、直腸内で投与し得る。
【0047】
さらなる局面では、本発明はまた、遊離形または薬学的に許容される塩形での式(I)の化合物を、所望により、薬学的に許容される希釈剤もしくは担体と共に含む、医薬組成物を提供する。組成物は、上記した共治療剤、例えば、抗炎症剤、気管支拡張剤または抗ヒスタミン剤を含み得る。該組成物は、慣用的な希釈剤もしくは賦形剤および製剤分野で既知の技術を用いて製造し得る。したがって、経口用量形は、錠剤およびカプセルを含み得る。局所投与のための製剤は、クリーム、軟膏、ゲルまたは経皮送達系、例えば、パッチの形態を取り得る。吸入のための組成物は、エアロゾルもしくは他の噴霧可能製剤または乾燥粉末製剤を含み得る。
【0048】
組成物がエアロゾル製剤を構成するとき、それは、好ましくは、例えば、ヒドロ-フルオロ-アルカン(HFA)噴射剤、例えば、HFA134aまたはHFA227またはこれらの混合物を含み、当分野で既知の1個またはそれ以上の共溶媒、例えば、エタノール(重量で20%まで)、および/または1個またはそれ以上の界面活性剤、例えば、オレイン酸またはソルビタントリオレエート、および/または1個またはそれ以上の増量剤、例えば、ラクトースを含み得る。組成物が乾燥粉末製剤を構成するとき、それは、好ましくは、例えば、10ミクロンまでの粒子径を有する式Iの化合物を、所望により、望む粒子サイズ分布の希釈剤または担体、例えば、ラクトースおよび湿気による製品性能の劣化に対する保護を助ける化合物、例えば、ステアリン酸マグネシウムと共に含む。組成物が、ネブライザー製剤を構成するとき、それは、好ましくは、例えば、水、共溶媒、例えば、エタノールまたはプロピレングリコールを含むビヒクルおよび界面活性剤であり得る安定化剤に、溶解されたか、もしくは懸濁された式Iの化合物を含む。
【0049】
本発明は、(A) 吸入可能形、例えば、エアロゾルもしくは他の噴霧可能組成物で、または吸入可能微粒子、例えば、微粒形での本発明の化合物、(B) 吸入可能形での本発明の化合物を含む、吸入可能医薬; (C) 吸入装置と共に吸入可能形での本発明の化合物を含む、医薬製品; および(D) 吸入可能形での本発明の化合物を含む、吸入装置を含む。
【0050】
本発明の実施において使用される本発明の化合物の用量は、当然に、例えば、処置される特定の状態、望む効果および投与形態に依存して変わる。一般に、吸入での投与のために適当な1日用量は、1日あたり0.01から1 mg/kgのオーダーであり、経口投与のために適当な1日用量は、0.005から100 mg/全体重kgのオーダーである。1日の非経腸用量レジメンは、約0.001から約80 mg/全体重kgである。1日の局所用量レジメンは、好ましくは、0.1 mgから150 mgであり、1日に1から4回、好ましくは、2または3回投与される。
【0051】
他の局面では、本発明は、式
【化6】

[式中、
R1およびR2は、独立して、水素、(C1-8)アルキル、(C3-8)シクロアルキル、(C1-8)アルキルチオ、(C6-18)アリール、(C1-8)アルキル(C6-18)アリールであり、
R3は、非置換(C6-18)アリール、5から6環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子を有する非置換ヘテロシクリル、または1個もしくはそれ以上の(C1-6)アルキル、ハロゲン、ハロ(C1-6)アルコキシ、シアノ、フェニル、5から6環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルで置換された、(C6-18)アリールまたは5から6環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルである]
で示される化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0052】
下記の実施例では、すべての温度が、セルシウス度(℃)である。
【0053】
例示化合物の特性化データのための一般的な条件:
マススペクトルは、エレクトロスプレーイオン化を用いた、オープンアクセスWaters 600/ZQ HPLC/Mass Spectrometerシステムで行う。[M+H]+は、モノアイソトピック分子量を意味する。
【0054】
下記の略称を、実施例で使用する:
【表1】

【実施例】
【0055】
実施例:
実施例1:
2-ベンジル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール
0.675 gの4-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニル)-3-オキソ-酪酸メチルエステルおよび0.451 gの5-ベンジル-2H-[1,2,4]トリアゾロ-3−イルアミンを、10 nlのAcOHに溶解し、100℃で5時間、撹拌する。冷却して、得られた混合物を、20 mlのEtOAcで希釈し、20 mlのH2O/塩水で2回洗浄し、乾燥させる。得られた残渣をろ過し、溶媒を蒸発させる。得られた生成物を、室温で16時間、Et2Oと共に撹拌する。得られた沈殿をろ過し、乾燥させる。2-ベンジル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オールを得る。[M+H]+: 385/386。
【0056】
実施例2から17は、適当な出発物質を用いて、実施例1と同様に製造する。
【表2】

【0057】
【表3】

【0058】
【表4】

【0059】
実施例18:
2-ベンジル-5-(3,4-ジメチル-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール
1 mlのMeCN中、50 mgの2-ベンジル-5-クロロメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール(中間体C)の溶液を、28 mgのDBUおよび25 mgの3,4-ジメチル-ベンゼンチオールで処理する。得られた反応混合物を、室温で16時間、撹拌し、1 mlの1M HClおよび2 mlのDCMで希釈する。得られた有機部分を、相分離カートリッジを用いて単離し、H2Oで洗浄し、溶媒を蒸発させる。得られた粗残渣を、Et2Oでトリチュレートし、得られた沈殿を、ろ過で収集し、得られたろ液を、乾燥させる。2-ベンジル-5-(3,4-ジメチル-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オールを得る。
【0060】
実施例19から27は、適当な出発物質を用いて、実施例18と同様に製造する。
【表5】

【0061】
【表6】

【0062】
中間体の製造
中間体A: 4-(2,3-ジフルオロ-フェニルスルファニル)-3-オキソ-酪酸メチルエステル
308 mgの固体Naを、アルゴンの不活性雰囲気下、室温で、20 mlの無水MeOHに少しずつ加える。すべてのNaを溶解させた後、得られた反応混合物を、0℃まで冷却する。2.22 gの4-クロロアセトアセテートおよび1.96 gの2,3-ジフルオロ-ベンゼンチオール(中間体B)を加える。得られた反応混合物を、室温まで温め、一晩、撹拌する。溶媒を蒸発させ、得られた蒸発残渣を、EtOAcに溶解させ、飽和NH4Cl溶液で洗浄し、乾燥させ、ろ過し、濃縮する。EtOAc:イソヘキサン(10-30%)を用いて、シリカカラムクロマトグラフィーによる精製を実施し得る。4-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニル)-3-オキソ-酪酸メチルエステルを得る。
【0063】
中間体B: 2,3-ジフルオロ-ベンゼンチオール
a) ジメチル-チオカルバミン酸 O-(2,3-ジフルオロ-フェニル)エステル
100 mlの無水DMF中、8.39 gの2,3-ジフルオロフェノールの溶液を、アルゴンの不活性条件下、14.45 gのDABCOおよび12 gのジメチルチオカルバモイル(carbomyl)クロライドで処理する。得られた反応混合物を、35℃で30分、および75℃で4時間、加熱する。得られた反応混合物を、室温まで冷却し、200 mlのH2Oで希釈し、室温で48時間、撹拌する。得られた沈殿を、ろ過により収集し、得られたろ液を、H2Oで洗浄し、溶媒を蒸発させる。ジメチル-チオカルバミン酸 O-(2,3-ジフルオロ-フェニル)エステルを得る。
【0064】
b) ジメチル-カルバミン酸 S-(2,3-ジフルオロ-フェニル)エステル
5.55 gのジメチル-カルバミン酸 O-(2,3-ジフルオロ-フェニル)エステル、20 mlのdowtherm(登録商標)A (25.6% ジフェニル + 73.5% ジフェニルオキシドの共融混合物)および70 mgのK2CO3を、共に混合し、250℃で3.5時間、加熱する。室温まで冷却後、得られた反応混合物を、dowtherm(登録商標)を除去するために、最初に、イソヘキサンで溶出し、次いで、イソヘキサン:EtOAc (3:1)まで勾配を増大させて、シリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。適当なフラクションを合わせ、濃縮し、乾燥させる。表題化合物が得られる。
【0065】
c) 2,3-ジフルオロ-ベンゼンチオール
620 mgの固体Naを、アルゴンの不活性雰囲気下、90 mlの無水MeOHに部分的に加え、NaOMeの溶液を得る。得られた溶液を、9 mlのMeOH中、3.8 gのジメチル-カルバミン酸 S-(2,3-ジフルオロ-フェニル)エステルで処理し、得られた反応混合物を、還流で3時間、加熱する。室温まで冷却後、得られた反応混合物を、一晩で16時間、撹拌し、溶媒を蒸発させ、得られた残渣を、Et2Oで希釈し、2M HClで2回、洗浄する。得られた有機残渣を乾燥させ、ろ過し、得られた残渣を濃縮する。表題化合物を得る。
【0066】
したがって、さまざまなベンゼンチオールを、適当な出発物質を用いて製造し得る。
【0067】
中間体C: 2-ベンジル-5-クロロメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール
60 mlのAcOH中、2 gの4-クロロアセトアセテートおよび3.45 gの5-ベンジル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-アミンの溶液を、80℃で20時間、加熱する。室温まで冷却して、得られた反応混合物を、EtOAcおよびH2Oで希釈し、有機部分を分離し、乾燥させ、ろ過し、濃縮する。得られた残渣を、Et2Oでトリチュレートし、ろ過し、乾燥させる。表題化合物が得られる。[M+H]+ 274。
【0068】
中間体D: 5-モルホリン-4−イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ-3−イルアミン
a) メチル N-シアノモルホリン-4-カルボイミドチオエート
4 mlのDCM中、500 mgのN-シアノジチオカーボンイミデートの溶液を、326.7 mgのモルホリンで処理し、得られた反応混合物を、室温で30分間、撹拌する。得られた反応混合物を、DCMで希釈し、H2Oで洗浄し、得られた有機部分を乾燥させ、ろ過し、濃縮する。表題化合物が得られる。
【0069】
b) 5-モルホリン-4−イル-4H-[1,2,4]トリアゾロ-3−イルアミン
4 mlのMeCN中、490 mgのメチル N-シアノモルホリン-4-カルボイミドチオエートおよび188 mgのヒドラジン一水和物の溶液を、マイクロ波照射を用いて、150℃で10分間、加熱し、得られた反応混合物を、濃縮する。表題化合物が得られる。[M+H]+170。
【0070】
中間体E: N*5*,N*5*-ジメチル-1H-[1,2,4]トリアゾール-3,5-ジアミン
a) メチル N'-シアノ-N,N-ジメチルカルバイミドチオエート
8 mlのDCM中、500 mgのN-シアノジチオカーボンイミデートの溶液を、4 mlのDCMでの溶液として、THF中、216 mgの2M ジメチルアミンで処理し、得られた反応混合物を、50℃で1時間、加熱する。室温まで冷却後、得られた反応混合物を、DCMで希釈し、1M HClで洗浄し、水性層を中和し、DCMで抽出する。得られた合わせた有機部分を乾燥させ、ろ過し、濃縮する。EtOAc:イソヘキサン(20%から50% EtOAc)で溶出する、シリカフラッシュクロマトグラフィーによる粗残渣の精製を、実施し得る。表題化合物が得られる。
【0071】
b) N*5*,N*5*-ジメチル-1H-[1,2,4]トリアゾール-3,5-ジアミン
この化合物は、適当な出発物質を用いて、中間体D、工程bと同様に製造する。
【0072】
中間体F: N-シクロヘキシル-N-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾール-3,5-ジアミン
a) メチル N'-シアノ-N-シクロヘキシル-N-メチルカルバイミドチオエート
この化合物は、適当な出発物質を用いて、中間体D、工程1と同様に製造する。
【0073】
b) N-シクロヘキシル-N-メチル-4H-[1,2,4]トリアゾール-3,5-ジアミン
40 mlのMeCN中、1.44 gのメチル N'-シアノ-N-シクロヘキシル-N-メチルカルバイミドチオエートおよび375 mgのヒドラジン一水和物の溶液を、100℃で5時間、加熱する。室温まで冷却後、得られた反応混合物を、真空で濃縮し、粗残渣を、MeOH:CHCl3 (7%から10% MeOH)で溶出して、シリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。適当なフラクションを合わせ、溶媒を蒸発させ、生じた残渣を、MeCN:イソヘキサンでトリチュレートする。表題化合物が得られる。[M+H]+196。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、
R1およびR2は、独立して、水素、(C1-8)アルキル、(C3-8)シクロアルキル、(C1-8)アルキルチオ、(C6-18)アリール、(C1-8)アルキル(C6-18)アリール、(C6-18)アリール(C1-8)アルキル、5から6環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルであり、
R3は、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の(C1-6)アルキル、ハロ(C1-6)アルキル、ハロゲン、ハロ(C1-6)アルコキシ、シアノ、フェニル、5から6環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルで置換された、(C6-18)アリールまたは5から6環員およびN、O、Sから選択される1から4個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルである]
で示される化合物または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
R1が、水素、メチル、エチル、i-プロピル、シクロプロピル、シクロヘキシル、メチルチオ、フェニル、ベンジル、フェネチルであり、
R2が、水素であり、
R3が、非置換ナフチルもしくはフェニル、1から3個のメチル、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニル、フェノキシ、4-メチルフェニルで置換されたフェニル、非置換ナフチル、トリフルオロメチルで置換されたピリジニル、2,5-ジメチルフラン-3−イルである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
- 2-ベンジル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-メチル-5-(4-クロロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-メチル-5-(4-メチルフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-メチル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-エチル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-イソプロピル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-シクロプロピル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-メチルチオ-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-フェネチル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-フェニル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-シクロヘキシル-5-(2,3-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-フェニルスルファニルメチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(3,4-ジフルオロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(5-トリフルオロメチル-ピリジン-2−イル-スルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(2,3-ジクロロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(3-トリフルオロメチル-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(ナフタレン-2−イル-スルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(3,4-ジクロロフェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(3,5-ジクロロ-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(2,4-ジクロロ-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(3-トリフルオロメトキシ-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(4-クロロ-2,5-ジメチル-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(4-フェノキシ-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(2,5-ジフルオロ-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(4'-メチル-ビフェニル-3−イルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、
- 2-ベンジル-5-(3-フルオロ-4-メチル-フェニルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール、および
- 2-ベンジル-5-(2,5-ジメチル-フラン-3−イルスルファニルメチル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7−オール
からなる群から選択される式(I)の化合物。
【請求項4】
医薬として使用するための、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
CXCR2受容体仲介状態もしくは疾患の処置用医薬の製造における使用のための、請求項1から3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
炎症性もしくはアレルギー性状態または疾患、特に、炎症性もしくは閉塞性気道疾患の処置用医薬の製造のための、請求項1から3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の少なくとも1個の化合物の有効量を、処置を必要とする対象に投与することを含む、CXCR2受容体仲介状態もしくは疾患の予防または処置のための方法。
【請求項8】
該状態もしくは疾患が、炎症性もしくはアレルギー性状態、特に、炎症性もしくは閉塞性気道疾患である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
有効成分として、遊離または薬学的に許容される塩形での請求項1から3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物を、所望により、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項10】
少なくとも1個のさらなる薬学的に活性な化合物と一緒の、請求項9に記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2010−510268(P2010−510268A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537541(P2009−537541)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010098
【国際公開番号】WO2008/061741
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】