説明

EP2受容体サブタイプ選択性のプロスタグランジンE2アゴニストによる骨格障害の予防と治療

【課題】ヒトを含めた哺乳動物における骨格障害の、予防および治療方法の提供。
【解決手段】治療上有効量のEP2受容体サブタイプアゴニストを哺乳動物に投与することによってEP2受容体サブタイプの作用を阻害することを含む、低骨量を示す疾患または骨格障害に罹っている哺乳動物を治療する(たとえば、骨損失を予防する)ための、あるいは骨折の治癒を促進するための方法。また、EP2受容体サブタイプアゴニストを低骨量状態の哺乳動物に投与することによって、EP2受容体サブタイプを選択的に作動させて哺乳動物を治療することもできる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の背景
本発明は、ヒトを含めた哺乳動物における骨格障害の予防と治療を含めて、骨量を増大させるためにEP2受容体サブタイプ選択性のプロスタグランジンE2アゴニストを使用することに関する。
【0002】
骨粗鬆症は、低い骨量と骨組織の劣化を特徴とする全身性の骨格障害であり、必然的に骨のもろさが増大し、骨が折れやすくなる。米国では、この障害が2500万人以上の人々を襲っており、毎年130万件以上の骨折(毎年の500,000件の脊椎骨折、250,000件の大腿骨頸部(hip)骨折、および240,000件の手首骨折を含む)を引き起こしている。大腿骨頸部の骨折が最も深刻であって、患者の5〜20%が1年以内に死亡しており、また生存者の50%以上が寝たきりとなっている。
【0003】
年配者は骨粗鬆症の危険性が極めて高く、したがって個体群の老化と共にこの問題がかなり大きくなっていくものと推定される。世界中の骨折発生は、次の60年にわたって3倍に増大すると予測されており、ある研究によれば、2050年には世界中で450万件の大腿骨頸部骨折が起こるものと推定されている。
【0004】
女性は男性より骨粗鬆症の危険性がはるかに高い。女性は、閉経後の5年間に骨の損失が急激に加速される。危険性を高める他の因子としては、喫煙、アルコールの飲み過ぎ、定坐性のライフスタイル、および低いカルシウム摂取などが挙げられる。
【0005】
米国での約250,000件/年に達する大腿骨頸部骨折に加えて、約2000〜2500万人の女性と男性(増大中)が検知しうる椎骨骨折を起こしている。大腿骨頸部骨折を起こすと、最初の2年以内の死亡率が12%あり、または患者の30%が、骨折後に看護施設でのケアを必要とする。このこと自体が既にゆゆしきことであるが、こうした骨折の治癒が遅くて且つ不充分であるがために、一般的な高齢化によって回復に対する経済上・医療上の深刻さが増大するものと思われる。
【0006】
骨粗鬆症と骨折の治療に対しては現在、2つの主要なタイプの薬剤治療法がある。第1のタイプは、骨組織の吸収を抑えるために、したがって骨の損失を予防して骨折の発生を少なくするために、抗吸収性の化合物を使用するという治療法である。
【0007】
エストロゲンは抗吸収性薬剤の1つの例である。公知のように、エストロゲンは閉経後の骨損失を予防し、骨折の発生を少なくする。しかしながら、エストロゲンは、骨粗鬆症に罹った骨格に対しては骨を回復させることはできない。さらに、長期にわたるエストロゲン療法は、子宮ガン、子宮内膜ガン、および恐らくは乳ガンの危険性増大を含めて種々の障害と関係するようになり、したがって女性の多くはこうした治療法を避けている。エストロゲン療法に関係した望ましくない影響が深刻なために、骨粗鬆症に対してはこれに代わる治療法の開発が必要である。
【0008】
骨粗鬆症と骨折を治療するための第2のタイプの薬剤治療法は、骨の形成を促進し、骨量を増やすための同化促進性薬剤を使用するという治療法である。このクラスの薬剤は、骨粗鬆症に罹った骨格に対して骨を回復させると考えられている。骨格の代謝に関与している種々の天然プロスタグランジン(例えば、PGE、PGO、およびPGF)がある。PGE2は、局所的もしくは全身的に投与したときに、動物モデルの骨粗鬆症において、骨の形成を刺激し、骨量と骨強度を増大させると報告されている。しかしながら、PGE2に関連した重い副作用(たとえば、下痢、胃腸の出血、食欲減退、脱水症、体重減少、および身体的活動の低下)がある。したがって、PGE2は、これらの副作用のためにヒトに対して広く使用されてはいない。
【0009】
最近、PGE2受容体の4種の異なったサブタイプ(EP1、EP2、EP3、及びEP4)がクローニングされた(Funk,C.D.らによる Cloning and Expression of a cDNA for the Human Prostaglandin E Receptor EP1 Subtype, Journal of Biological Chemistry, vol.268, No.35, pp.26767-26772, 1993; Regan,J.W.らによる Cloning of a Novel Human Prostaglandin Receptor with Characteristics of Pharmacologically Defined EP2 Subtype, Molecular Pharmacology, vol.46, pp.213-220, 1994; Yangらによる Cloning and Expression of the EP3-Subtype of Human Receptors for Prostaglandin E2, Biochemical Biophysical Research Communication, vol.198, pp.999-1006, 1994; Bastien,L.らによる Cloning, Functional Expression and Characterization of the Human Prostaglandin E2 Receptor EP2 Subtype, Journal Biological Chemistry, vol.269, pp.11873-11877, 1994)。J.Bone Miner. Res. 1996, 11(supp.):S174 は、異なったサブタイプのPGE2受容体について説明している。しかしながら、これらPGE2受容体サブタイプの1種以上がPGE2の骨同化作用と選択的に関係しているかどうかについては明らかではない。
【0010】
骨格障害は、栄養不足、性ステロイド不足、老化、外傷、または他の因子が原因の極めて広くみられる疾患である。カルシトニン、エストロゲン置き換え療法、ビスホスホネート、およびエストロゲンアゴニストを含めて、全ての認可された療法および臨床的に進んだ有望な療法は、骨の吸収を抑制することによって骨損失を防ぐように作用するが、これらの薬剤は骨量を回復させることはできない。したがって、骨粗鬆症に罹った患者、骨折した患者、および他の骨格障害患者において、骨量と骨強度を臨界閾値より高く増大させる同化促進性薬剤が医療上強く求められている。
【0011】
発明の概説
本発明は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを哺乳動物に投与することによってE受容体サブタイプのうちの1種(すなわちEP2受容体サブタイプ)を選択的に作動することを含む、ヒトを含めた哺乳動物において骨量を増大させるための、および骨損失を防止するための方法に関する。
【0012】
本発明はさらに、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを低骨量状態の哺乳動物に投与することによってEP2受容体サブタイプを選択的作動することを含む、低骨量状態の哺乳動物を治療する(たとえば予防する)ための方法に関する。
【0013】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを、骨粗鬆症、骨折、骨切り術(osteotomy)、歯周炎に関連した骨損失、補綴内方成長(prosthetic ingrowth)、または椎骨癒合症に罹った哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物において骨粗鬆症、骨折、骨切り術、歯周炎に関連した骨損失、補綴内方成長、または誘発性椎骨癒合症を治療する(たとえば予防する)ための方法に関する。
【0014】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを骨粗鬆症に罹っている哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物における骨粗鬆症を治療する(たとえば予防する)方法に関する。
【0015】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを骨切り術による骨損失に罹った哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物における骨切り術による骨損失を治療する(たとえば予防する)ための方法に関する。
【0016】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを歯槽骨損失に罹っている哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物における歯槽骨損失を治療する(たとえば予防する)ための方法に関する。
【0017】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを歯周炎に関連した骨損失に罹っている哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物における歯周炎に関連した骨損失を治療する(たとえば予防する)ための方法に関する。
【0018】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを小児期特発性の骨損失に罹っている子供に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、子供における小児期特発性の骨損失を治療する(たとえば予防する)ための方法に関する。
【0019】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを“二次的骨粗鬆症(secondary osteoporosis)”に罹っている哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、哺乳動物において糖質コルチコイドにより誘発される骨粗鬆症、甲状腺亢進症により誘発される骨粗鬆症、不動化(immobilization)により誘発される骨粗鬆症、ヘパリンにより誘発される骨粗鬆症、または免疫抑制薬により誘発される骨粗鬆症を引き起こす“二次的骨粗鬆症”を治療する(たとえば予防する)ための方法に関する。
【0020】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを糖質コルチコイドにより誘発された骨粗鬆症に罹っている哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物における糖質コルチコイドにより誘発された骨粗鬆症を治療する(たとえば予防する)ための方法に関する。
【0021】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを甲状腺亢進症により誘発された骨粗鬆症に罹っている哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物における甲状腺亢進症により誘発された骨粗鬆症を治療する(たとえば予防する)ための方法に関する。
【0022】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを不動化により誘発された骨粗鬆症に罹っている哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物における不動化により誘発された骨粗鬆症を治療する(たとえば予防する)ための方法に関する。
【0023】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストをヘパリンにより誘発された骨粗鬆症に罹っている哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物におけるヘパリンにより誘発された骨粗鬆症を治療する(たとえば予防する)ための方法に関する。
【0024】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを免疫抑制薬により誘発された骨粗鬆症に罹っている哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物における免疫抑制薬により誘発された骨粗鬆症を治療する(たとえば予防する)ための方法に関する。
【0025】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを骨折に罹っている哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物における骨折の治癒を高めるための方法に関する。本発明の1つの態様においては、アゴニストは骨折の部位に局所的に施用される。
【0026】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを、顔面再構成または上顎骨再構成または下顎骨再構成をうけた哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物における顔面再構成または上顎骨再構成または下顎骨再構成の後の骨治癒を促進するための方法に関する。本発明の1つの態様においては、アゴニストは骨再構成の部位に局所的に施用される。
【0027】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを補綴内方成長に罹っている哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物における補綴内方成長を治療するための方法に関する。
【0028】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを、椎骨癒合症に対する外科手術を受けている哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物における椎骨癒合症を治療するための方法に関する。
【0029】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを、不充分な大きさの長骨という障害に罹っている哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物における長骨の伸張を促進するための方法に関する。
【0030】
本発明のさらに他の態様は、治療上有効量の選択性EP2受容体サブタイプアゴニストを、骨の移植を受けている哺乳動物に投与することによりEP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、ヒトを含めた哺乳動物における骨移植を治療するための方法に関する。本発明の1つの態様においては、アゴニストは骨移植の部位に局所的に施用される。
【0031】
閉経後の女性および60才を越えた男性を治療するのが好ましい。
好ましい態様においては、EP2アゴニストは、EP1受容体サブタイプ、EP3受容体サブタイプ、およびEP4受容体サブタイプより、EP2受容体サブタイプに対して少なくとも10倍の選択性を有する。
【0032】
好ましい態様においては、EP2アゴニストは、EP1受容体サブタイプ、EP3受容体サブタイプ、およびEP4受容体サブタイプより、EP2受容体サブタイプに対して少なくとも25倍の選択性を有する。
【0033】
好ましい態様においては、EP2アゴニストは、EP1受容体サブタイプ、EP3受容体サブタイプ、およびEP4受容体サブタイプより、EP2受容体サブタイプに対して少なくとも50倍の選択性を有する。
【0034】
好ましい態様においては、EP2アゴニストは、EP1受容体サブタイプ、EP3受容体サブタイプ、およびEP4受容体サブタイプより、EP2受容体サブタイプに対して少なくとも75倍の選択性を有する。
【0035】
特に好ましい態様においては、EP2アゴニストは、EP1受容体サブタイプ、EP3受容体サブタイプ、およびEP4受容体サブタイプより、EP2受容体サブタイプに対して少なくとも100倍の選択性を有する。
【0036】
特に好ましい態様においては、EP2アゴニストは、EP1受容体サブタイプ、EP3受容体サブタイプ、およびEP4受容体サブタイプより、EP2受容体サブタイプに対して少なくとも150倍の選択性を有する。
【0037】
特に好ましい態様においては、EP2アゴニストは、EP1受容体サブタイプ、EP3受容体サブタイプ、およびEP4受容体サブタイプより、EP2受容体サブタイプに対して少なくとも200倍の選択性を有する。
【0038】
特に好ましい態様においては、EP2アゴニストは、EP1受容体サブタイプ、EP3受容体サブタイプ、およびEP4受容体サブタイプより、EP2受容体サブタイプに対して少なくとも250倍の選択性を有する。
【0039】
特に好ましい態様においては、EP2アゴニストは、EP1受容体サブタイプ、EP3受容体サブタイプ、およびEP4受容体サブタイプより、EP2受容体サブタイプに対して少なくとも300倍の選択性を有する。
【0040】
選択性EP2アゴニストの好ましい用量は、一日当たり、体重1kg当たり約0.001〜100mgである。EP2アゴニストの好ましい用量は、一日当たり、体重1kg当たり約 0.01〜50mgである。
【0041】
好ましい選択性EP2アゴニストは、式I
【0042】
【化1】

【0043】
〔式中、
(i)
BはNであり;
Aは、(C〜C)アルキルスルホニル、(C〜C)シクロアルキルスルホニル、または(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルスルホニルであって、このとき前記A部分は、所望により、炭素上がヒドロキシ、(C〜C)アルキル、またはハロで、独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Qは、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン、このとき前記−(C〜C)アルキレンは、フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換されており、
−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−X−
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−W−(C〜C)アルキレン−、このとき前記2つのWは互いに独立しており、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−(C〜 C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エチニレン−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−エチニレン−X−(C〜C)アルキレンであり;
Wは、オキシ、チオ、スルフィノ、スルホニル、アミノスルホニル、−モノ−N−(C〜C)アルキレンアミノスルホニル、スルホニルアミノ、N−(C〜C)アルキレンスルホニルアミノ、カルボキサミド、N−(C〜C)アルキレンカルボキサミド、カルボキサミドオキシ、N−(C〜C)アルキレンカルボキサミドオキシ、カルバモイル、−モノ−N−(C〜C)アルキレンカルバモイル、カルバモイルオキシ、または−モノ−N−(C〜C)アルキレンカルバモイルオキシであって、このとき前記Wアルキル基は、所望により、炭素上が1〜3個のフッ素で置換されており;
Xは、酸素、窒素、およびイオウから独立的に選ばれる1つもしくは2つのヘテロ原子を所望により有する5員または6員の芳香環であって;このとき前記環は所望により、ハロ、(C〜C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、またはカルバモイルで独立的にモノ置換またはジ置換されており;
Zは、カルボキシル、(C〜C)アルコキシカルボニル、テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、(C〜C)アルキルスルホニルカルバモイル、またはフェニルスルホニルカルバモイルであり;
Kは、直接結合、(C〜C)アルキレン、チオ(C〜C)アルキレン、またはオキシ(C〜C)アルキレンであって、このとき前記(C〜C)アルキレンは所望によりモノ不飽和であり、Kは所望により、フルオロ、メチル、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Mは、−Ar、−Ar−V−Ar、−Ar−S−Ar、または
−Ar−O−Arであって、このときAr、Ar、およびArは互いに独立的に、酸素、イオウ、および窒素から独立的に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を所望により有する部分飽和(partially saturated)、完全飽和(fully saturated)、もしくは完全不飽和(fully unsaturated)の5〜8員環、または窒素、イオウ、および酸素から独立的に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を所望により有する、独立した2つ部分飽和、完全飽和、もしくは完全不飽和の5または6員環が縮合して形成される二環式の環であり;
前記Ar、Ar、およびAr部分は、R、R、およびRから独立的に選ばれる最大3個までの置換基で、前記部分が単環式の場合は一方の環において、また前記部分が二環式の場合は一方もしくは両方の環において炭素上が所望により置換されていて、このときR、R、およびRは、ヒドロキシ、ニトロ、ハロ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜 C)アルカノイル、ホルミル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルカノイル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルアミノ、(C〜C)アルコキシカルボニルアミノ、スルホンアミド、(C〜C)アルキルスルホンアミド、アミノ、モノ−N−(C〜C)アルキルアミノ、ジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノ、カルバモイル、モノ−N−(C〜C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−(C〜C)アルキルカルバモイル、シアノ、チオール、(C〜C)アルキルチオ、(C〜C)アルキルスルフィニル、(C〜C)アルキルスルホニル、モノ−N−(C〜C)アルキルアミノスルフィニル、またはジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノスルフィニルであり;
、R、およびRは、所望により、炭素上がハロまたはヒドロキシで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
Vは、直接結合、あるいはヒドロキシまたはフルオロで独立的に所望によりモノ置換もしくはジ置換された(C〜C)アルキレンであり;
但し、Kが(C〜C)アルキレンであって、MがArであって、そしてArがシクロペント−1−イル、シクロヘクス−1−イル、シクロヘプト−1−イル、またはシクロオクト−1−イルであるとき、前記(C〜C)シクロアルキル置換基はその1−位置がヒドロキシで置換されておらず;
あるいは(ii)
BはNであり;
Aは、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記A部分は、所望により、炭素上がヒドロキシまたはハロで、独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Qは、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン、このとき前記−(C〜C)アルキレンは、フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換されており、
−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−X−
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−W−(C〜C)アルキレン−、このとき前記2つのWは互いに独立しており、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−(C〜 C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エチニレン−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−エチニレン−X−(C〜C)アルキレンであり;
Wは、オキシ、チオ、スルフィノ、スルホニル、アミノスルホニル、−モノ−N−(C〜C)アルキレンアミノスルホニル、スルホニルアミノ、N−(C〜C)アルキレンスルホニルアミノ、カルボキサミド、N−(C〜C)アルキレンカルボキサミド、カルボキサミドオキシ、N−(C〜C)アルキレンカルボキサミドオキシ、カルバモイル、−モノ−N−(C〜C)アルキレンカルバモイル、カルバモイルオキシ、または−モノ−N−(C〜C)アルキレンカルバモイルオキシであって、このとき前記Wアルキル基は、所望により、炭素上が1〜3個のフッ素で置換されており;
Xは、酸素、窒素、およびイオウから独立的に選ばれる1つもしくは2つのヘテロ原子を所望により有する5員または6員の芳香環であって;このとき前記環は所望により、ハロ、(C〜C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、またはカルバモイルで独立的にモノ置換またはジ置換されており;
Zは、カルボキシル、(C〜C)アルコキシカルボニル、テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、(C〜C)アルキルスルホニルカルバモイル、またはフェニルスルホニルカルバモイルであり;
Kは、(C〜C)アルキレン、チオ(C〜C)アルキレン、またはオキシ(C〜C)アルキレンであって、このとき前記(C〜C)アルキレンは所望によりモノ不飽和であり、Kは所望により、フルオロ、メチル、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Mは、−Ar、−Ar−V−Ar、−Ar−S−Ar、または
−Ar−O−Arであって、このときAr、Ar、およびArは互いに独立的に、酸素、イオウ、および窒素から独立的に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を所望により有する部分飽和、完全飽和、もしくは完全不飽和の5〜8員環、または窒素、イオウ、および酸素から独立的に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を所望により有する、独立した2つの部分飽和、完全飽和、もしくは完全不飽和の5または6員環が縮合して形成される二環式の環であり;
前記Ar、Ar、およびAr部分は、R、R、およびRから独立的に選ばれる最大3個までの置換基で、前記部分が単環式の場合は一方の環において、また前記部分が二環式の場合は一方もしくは両方の環において炭素上が所望により置換されていて、このときR、R、およびRは、H、ヒドロキシ、ニトロ、ハロ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルカノイル、ホルミル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルカノイル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルアミノ、(C〜C)アルコキシカルボニルアミノ、スルホンアミド、(C〜C)アルキルスルホンアミド、アミノ、モノ−N−(C〜C)アルキルアミノ、ジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノ、カルバモイル、モノ−N−(C〜C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−(C〜C)アルキルカルバモイル、シアノ、チオール、(C〜C)アルキルチオ、(C〜C)アルキルスルフィニル、(C〜C)アルキルスルホニル、モノ−N−(C〜C)アルキルアミノスルフィニル、またはジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノスルフィニルであり;
、R、およびRは、所望により、炭素上がハロまたはヒドロキシで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
Vは、直接結合、あるいはヒドロキシまたはフルオロで独立的に所望によりモノ置換もしくはジ置換された(C〜C)アルキレンであり;
但し、Kが(C〜C)アルキレンであって、MがArであって、そしてArがシクロペント−1−イル、シクロヘクス−1−イル、シクロヘプト−1−イル、またはシクロオクト−1−イルであるとき、前記(C〜C)シクロアルキル置換基はその1−位置がヒドロキシで置換されておらず;
但し、6−[(3−フェニル−プロピル)−(2−プロピル−ペンタノイル)−アミノ]−ヘキサン酸とそのエチルエステルは含まれず;
あるいは(iii)
BはC(H)であり;
Aは、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記A部分は、所望により、炭素上がヒドロキシまたはハロで、独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Qは、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン、このとき前記−(C〜C)アルキレンは、フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換されており、
−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−X−
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−W−(C〜C)アルキレン−、このとき前記2つのWは互いに独立しており、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−(C〜 C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エチニレン−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−エチニレン−X−(C〜C)アルキレンであり;
Wは、オキシ、チオ、スルフィノ、スルホニル、アミノスルホニル、−モノ−N−(C〜C)アルキレンアミノスルホニル、スルホニルアミノ、N−(C〜 C)アルキレンスルホニルアミノ、カルボキサミド、N−(C〜C)アルキレンカルボキサミド、カルボキサミドオキシ、N−(C〜C)アルキレンカルボキサミドオキシ、カルバモイル、−モノ−N−(C〜C)アルキレンカルバモイル、カルバモイルオキシ、または−モノ−N−(C〜C)アルキレンカルバモイルオキシであって、このとき前記Wアルキル基は、所望により、炭素上が1〜3個のフッ素で置換されており;
Xは、酸素、窒素、およびイオウから独立的に選ばれる1つもしくは2つのヘテロ原子を所望により有する5員または6員の芳香環であって;このとき前記環は所望により、ハロ、(C〜C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、またはカルバモイルで独立的にモノ置換またはジ置換されており;
Zは、カルボキシル、(C〜C)アルコキシカルボニル、テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、(C〜C)アルキルスルホニルカルバモイル、またはフェニルスルホニルカルバモイルであり;
Kは、直接結合、(C〜C)アルキレン、チオ(C〜C)アルキレン、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキレン、またはオキシ(C〜C)アルキレンであって、このとき前記(C〜C)アルキレンは所望によりモノ不飽和であり、Kは所望により、フルオロ、メチル、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Mは、−Ar、−Ar−V−Ar、−Ar−S−Ar、または
−Ar−O−Arであって、このときAr、Ar、およびArは互いに独立的に、酸素、イオウ、および窒素から独立的に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を所望により有する部分飽和、完全飽和、もしくは完全不飽和の5〜8員環、または窒素、イオウ、および酸素から独立的に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を所望により有する、独立した2つの部分飽和、完全飽和、もしくは完全不飽和の5または6員環が縮合して形成される二環式の環であり;
前記Ar、Ar、およびAr部分は、R、R、およびRから独立的に選ばれる最大3個までの置換基で、前記部分が単環式の場合は一方の環において、また前記部分が二環式の場合は一方もしくは両方の環において炭素上が所望により置換されていて、このときR、R、およびRは、H、ヒドロキシ、ニトロ、ハロ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルカノイル、ホルミル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルカノイル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルアミノ、(C〜C)アルコキシカルボニルアミノ、スルホンアミド、(C〜C)アルキルスルホンアミド、アミノ、モノ−N−(C〜C)アルキルアミノ、ジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノ、カルバモイル、モノ−N−(C〜C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−(C〜C)アルキルカルバモイル、シアノ、チオール、(C〜C)アルキルチオ、(C〜C)アルキルスルフィニル、(C〜C)アルキルスルホニル、モノ−N−(C〜C)アルキルアミノスルフィニル、またはジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノスルフィニルであり;
、R、およびRは、所望により、炭素上がハロまたはヒドロキシで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
Vは、直接結合、あるいはヒドロキシまたはフルオロで独立的に所望によりモノ置換もしくはジ置換された(C〜C)アルキレンであり;
但し、Kが(C〜C)アルキレンであって、MがArであって、そしてArがシクロペント−1−イル、シクロヘクス−1−イル、シクロヘプト−1−イル、またはシクロオクト−1−イルであるとき、前記(C〜C)シクロアルキル置換基はその1−位置がヒドロキシで置換されていない〕
のいずれかで示される化合物、または前記化合物の医薬用として許容しうる塩もしくはプロドラッグである。
【0044】
好ましい化合物群(A群として表示)は、
BがNであり;
Aが、(C〜C)アルキルスルホニル、(C〜C)シクロアルキルスルホニル、または(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルスルホニルであって、このとき前記A部分は、所望により、炭素上がフルオロでモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Xが、フェニル、チエニル、またはチアゾリルであって、このとき前記のフェニル、チエニル、またはチアゾリルは、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、またはトリフルオロメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されており;
Wが、オキシ、チオ、またはスルホニルであり;
Zが、カルボキシル、(C〜C)アルコキシカルボニル、またはテトラゾリルであり;
Kがメチレンまたはエチレンであり;
Ar、Ar、およびArが互いに独立的に、(C〜C)シクロアルキル、フェニル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、オキサゾリル、フラニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、またはピラゾリルであり;
が、ハロ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、または(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルであって、このとき前記の(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、または(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルが、所望により、ヒドロキシ、フルオロ、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
とRが、クロロ、フルオロ、メチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、またはトリフルオロメチルである;
という場合の、前記式Iを有する化合物を含む。
【0045】
A群の化合物の中の好ましい化合物群(B群として表示)は、
Aが(C〜C)アルキルスルホニルであり;
Qが、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−、このとき前記−(C〜C)アルキレン−は、所望により、フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で置換されており、
−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−X−、
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−であり;
Mが−Ar−V−Arまたは−Ar−O−Arであって、このときArとArは、互いに独立的にフェニル、ピリジル、またはチエニルであり;
Vが直接結合または(C〜C)アルキレンであり;
が、クロロ、フルオロ、(C〜C)アルキル、または(C〜C)アルコキシであって、このとき前記の(C〜C)アルキルと(C〜C)アルコキシは、所望により、ヒドロキシまたはフルオロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
とRが互いに独立的にクロロまたはフルオロである;
という場合の化合物を含む。
【0046】
B群の化合物の中の特に好ましい化合物は、7−[(2'−ヒドロキシメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−メタンスルホニル−アミノ]−ヘプタン酸、7−{[4−(3−ヒドロキシメチル−チオフェン−2−イル)−ベンジル]−メタンスルホニル−アミノ}−ヘプタン酸、および7−[(2'−クロロ−ビフェニル−4−イルメチル)−メタンスルホニル−アミノ]−ヘプタン酸である。
【0047】
B群の化合物の中の特に好ましい化合物は、
a. Aがメチルスルホニルであり;
Qがn−ヘキシレンであり;
Zがカルボキシルであり;
Kがメチレンであり;そして
Mが4−(2−ヒドロキシメチルフェニル)フェニルである;
という場合の化合物、
b. Aがメチルスルホニルであり;
Qがn−ヘキシレンであり;
Zがカルボキシルであり;
Kがメチレンであり;そして
Mが4−(3−ヒドロキシメチルチエン−2−イル)フェニルである;
という場合の化合物、および
c. Aがメチルスルホニルであり;
Qがn−ヘキシレンであり;
Zがカルボキシルであり;
Kがメチレンであり;そして
Mが4−(2−クロロフェニル)フェニルである;
という場合の化合物である。
【0048】
好ましい化合物群(C群として表示)は、
BがNであり;
Aが、(C〜C)アルキルスルホニル、(C〜C)シクロアルキルスルホニル、または(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルスルホニルであり;
Xが、フェニル、チエニル、またはチアゾリルであって、このとき前記のフェニル、チエニル、またはチアゾリルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、またはトリフルオロメチルオキシで独立的にモノ置換またはジ置換されており;
Wが、オキシ、チオ、またはスルホニルであり;
Zが、カルボキシル、(C〜C)アルコキシカルボニル、またはテトラゾリルであり;
Kが、(C〜C)アルキレンまたはオキシ(C〜C)アルキレンであって、このとき前記(C〜C)アルキレンは所望によりモノ不飽和であり、Kは、所望により、メチル、フルオロ、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Mが−Arであって、このとき前記−Arが、フェニル、チエニル、ピリジル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフタレニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、インダニル、フラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソオキサゾリル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ピラゾリル、ピリミジル、イミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インドリル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチル、シクロヘプチル、またはクロマニルであり;
が、ハロ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルカノイル、または(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルであって、このとき前記の(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルカノイル、または(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルは、所望により、ヒドロキシ、フルオロ、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
とRが互いに独立的に、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルカノイル、シアノ、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、ホルミル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、またはカルバモイルである;
という場合の、前記式Iを有する化合物を含む。
【0049】
C群の化合物の場合、Kが所望により、メチル、フルオロ、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されていないのが特に好ましい。
C群の化合物の中の好ましい化合物群(D群として表示)は、
Kがメチレンであり;
Aが(C〜C)アルキルスルホニルであり;
Mが−Arであって、このとき前記−Arがフェニル、チアゾリル、ピリジル、チエニル、オキサゾリル、フラニル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり、−Arが少なくともRで置換されており;
が(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルコキシであって、このとき前記の(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルコキシが、所望により、ヒドロキシまたはフルオロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
とRが互いに独立的に、クロロ、フルオロ、メチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、またはトリフルオロメチルである;
という場合の化合物を含む。
【0050】
D群の化合物の中で特に好ましいのは、
7−{[4−(1−ヒドロキシ−ヘキシル)−ベンジル]−メタンスルホニル−アミノ]−ヘプタン酸、7−[(4−ブチルベンジル)−メタンスルホニル−アミノ]−ヘプタン酸、7−{[5−(1−ヒドロキシ−ヘキシル)−チオフェン−2−イルメチル]−メタンスルホニル−アミノ}−ヘプタン酸、および(3−{[(4−ブチル−ベンジル)−メタンスルホニル−アミノ]−メチル}−フェニル)−酢酸である。
【0051】
D群の化合物の中の好ましい化合物群(E群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレンであり;そして
Wがオキシである;
という場合の化合物を含む。
【0052】
D群の化合物の中の好ましい化合物群(F群として表示)は、Qが−(C〜C)アルキレン−であって、このとき前記−(C〜C)アルキレン−が、所望により1〜4個のフッ素で置換されている場合の化合物を含む。
【0053】
F群の化合物の中の特に好ましい化合物は、
a. Aがメチルスルホニルであり;
Qがn−ヘキシレンであり;
Zがカルボキシルであり;
Kがメチレンであり;そして
Mが4−(1−ヒドロキシ−n−ヘキシレン−1-イル)フェニルである;
という場合の化合物、
b. Aがメチルスルホニルであり;
Qがn−ヘキシレンであり;
Zがカルボキシルであり;
Kがメチレンであり;そして
Mが4−(n−ブチレン−1−イル)フェニルである;
という場合の化合物、および
c. Aがメチルスルホニルであり;
Qがn−ヘキシレンであり;
Zがカルボキシルであり;
Kがメチレンであり;そして
Mが5−(1−ヒドロキシ−n−ヘキシレン−1-イル)チエン−2−イルである;
という場合の化合物である。
【0054】
D群の化合物の中の好ましい化合物群(G群として表示)は、
Qが−X−(C〜C)アルキレンであり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0055】
D群の化合物の中の好ましい化合物群(H群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−X−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0056】
D群の化合物の中の好ましい化合物群(I群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0057】
I群の化合物の中の特に好ましい化合物は、
Aがメチルスルホニルであり;
Qが3−メチレンフェニルメチルであり;
Zがカルボキシルであり;
Kがメチレンであり;そして
Mが4−(n−ブチレン−1−イル)フェニルである;
という場合の化合物である。
【0058】
D群の化合物の中の好ましい化合物群(J群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−であり;
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されており;そして
Wがオキシである;
という場合の化合物を含む。
【0059】
D群の化合物の中の好ましい化合物群(K群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−であり;
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されており;そして
Wがオキシである;
という場合の化合物を含む。
【0060】
D群の化合物の中の好ましい化合物群(L群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−W−X−W−(C〜C)アルキレン−であり;
Wがオキシであり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0061】
D群の化合物の中の好ましい化合物群(M群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Mが−Arであって、このとき前記−Arがフェニル、チアゾリル、ピリジル、またはチエニルである;
という場合の化合物を含む。
【0062】
D群の化合物の中の好ましい化合物群(N群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0063】
D群の化合物の中の好ましい化合物群(O群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−であり;
Wがオキシであり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0064】
D群の化合物の中の好ましい化合物群(P群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−である;
という場合の化合物を含む。
【0065】
D群の化合物の中の好ましい化合物群(Q群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エテニレン−X−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0066】
C群の化合物の中の好ましい化合物群(R群として表示)は、
Aが(C〜C)アルキルスルホニルであり;
Kが(C〜C)アルキレンであり;
−Arが、フェニル、チアゾリル、ピリジル、チエニル、ベンゾフラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾ[b]チオフェニル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;そして
、R、およびRが、互いに独立的にヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)アルキルである;
という場合の化合物を含む。
【0067】
R群の化合物の中の好ましい化合物は、7−{[3−(3−クロロ−フェニル)−プロピル]−メタンスルホニル−アミノ}−ヘプタン酸、7−{[3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−プロピル]−メタンスルホニル−アミノ}−ヘプタン酸、および5−(3−{[3−(3−クロロ−フェニル)−プロピル]−メタンスルホニル−アミノ}−プロピル)−チオフェン−2−カルボン酸である。
【0068】
R群の化合物の中の好ましい化合物群(S群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレンであり;そして
Wがオキシである;
という場合の化合物を含む。
【0069】
R群の化合物の中の好ましい化合物群(T群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−であって、このとき前記−(C〜C)アルキレン−が、所望により1〜4個のフッ素で置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0070】
T群の中の特に好ましい化合物は、
a. Aがメチルスルホニルであり;
Qがn−ヘキシレンであり;
Zがカルボキシルであり;
Kがプロピレンであり;そして
Mが3−クロロフェニルである;
という場合の化合物、および
b. Aがメチルスルホニルであり;
Qがn−ヘキシレンであり;
Zがカルボキシルであり;
Kがプロピレンであり;そして
Mが3,5−ジクロロフェニルである;
という場合の化合物を含む。
【0071】
R群の化合物の中の好ましい化合物群(U群として表示)は、
Qが−X−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0072】
R群の化合物の中の好ましい化合物群(V群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−X−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0073】
V群の中の特に好ましい化合物は、
Aがメチルスルホニルであり;
Q−Zが3−(2−カルボキシルチエン−5−イル)−n−プロピレンであり;
Kがプロピレンであり;そして
Mが3−クロロフェニルである;
という場合の化合物である。
【0074】
R群の化合物の中の好ましい化合物群(W群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレンであり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0075】
R群の化合物の中の好ましい化合物群(X群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−であり;
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されており;そして
Wがオキシである;
という場合の化合物を含む。
【0076】
R群の化合物の中の好ましい化合物群(Y群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−であり;
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されており;そして
Wがオキシである;
という場合の化合物を含む。
【0077】
R群の化合物の中の好ましい化合物群(Z群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−W−X−W−(C〜C)アルキレン−であり;
Wがオキシであり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0078】
R群の化合物の中の好ましい化合物群(A1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Mが−Arであって、このとき前記−Arがフェニル、チアゾリル、ピリジル、またはチエニルである;
という場合の化合物を含む。
【0079】
R群の化合物の中の好ましい化合物群(B1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0080】
R群の化合物の中の好ましい化合物群(C1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−であり;
Wがオキシであり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0081】
R群の化合物の中の好ましい化合物群(D1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エチニレン−(C〜C)アルキレン−である;
という場合の化合物を含む。
【0082】
R群の化合物の中の好ましい化合物群(E1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エチニレン−X−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0083】
R群の化合物の中の好ましい化合物群(F1群として表示)は、
Aが(C〜C)アルキルスルホニルであり;
Kがオキシ(C〜C)アルキレンであり;
−Arが、フェニル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;そして
、R、およびRが、互いに独立的にヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)アルキルである;
という場合の化合物を含む。
【0084】
F1群の中の特に好ましい化合物は、7−{[2−(3,5−ジクロロ−フェノキシ)−エチル]−メタンスルホニル−アミノ}−ヘプタン酸、5−(3−{[2−(3,5−ジクロロ−フェノキシ)−エチル]−メタンスルホニル−アミノ}−プロピル)−チオフェン−2−カルボン酸、およびN−[2−(3,5−ジクロロ−フェノキシ)−エチル]−N−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−メタンスルホンアミドである。
【0085】
F1群の化合物の中の好ましい化合物群(G1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Wがオキシである;
という場合の化合物を含む。
【0086】
F1群の化合物の中の好ましい化合物群(H1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−であって、このとき前記−(C〜C)アルキレン−が、所望により1〜4個のフッ素で置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0087】
H1群の化合物の中の特に好ましい化合物は、
Aがメチルスルホニルであり;
Qがn−ヘキシレンであり;
Zがカルボキシルであり;
Kがオキシエチレンであり;そして
Mが3,5−ジクロロフェニルである;
という場合の化合物である。
【0088】
F1群の化合物の中の好ましい化合物群(I1群として表示)は、
Qが−X−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0089】
F1群の化合物の中の好ましい化合物群(J1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−X−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0090】
J1群の中の特に好ましい化合物は、
Aがメチルスルホニルであり;
Q−Zが3−(2−カルボキシルチエン−5−イル)−n−プロピレンであり;
Kがオキシエチレンであり;そして
Mが3,5−ジクロロフェニルである;
という場合の化合物である。
【0091】
F1群の化合物の中の好ましい化合物群(K1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0092】
F1群の化合物の中の好ましい化合物群(L1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−であり;
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されており;そして
Wがオキシである;
という場合の化合物を含む。
【0093】
F1群の化合物の中の好ましい化合物群(M1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−であり;
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されており;そして
Wがオキシである;
という場合の化合物を含む。
【0094】
F1群の化合物の中の好ましい化合物群(N1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−W−X−W−(C〜C)アルキレン−であり; Wがオキシであり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0095】
F1群の化合物の中の好ましい化合物群(O1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Mが−Arであって、このとき前記−Arがフェニル、チアゾリル、ピリジル、またはチエニルである;
という場合の化合物を含む。
【0096】
F1群の化合物の中の好ましい化合物群(P1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0097】
F1群の化合物の中の好ましい化合物群(Q1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−であり;
Wがオキシであり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0098】
F1群の化合物の中の好ましい化合物群(R1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エチニレン−(C〜C)アルキレン−である;
という場合の化合物を含む。
【0099】
F1群の化合物の中の好ましい化合物群(S1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エチニレン−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0100】
C1群の化合物の中の好ましい化合物群(T1群として表示)は、
Aが(C〜C)アルキルスルホニルであり;
Kが(C〜C)アルキレンであって、このとき前記(C〜C)アルキレンがモノ不飽和であり;
−Arが、フェニル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;そして
、R、およびRが、互いに独立的にヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)アルキルである;
という場合の化合物を含む。
【0101】
T1群の中の特に好ましい化合物は、トランス−(4−{[3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−アリル]−メタンスルホニル−アミノ}−ブトキシ)−酢酸、トランス−N−[3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−アリル]−N−[6−(1H−テトラゾリル−5−イル)−ヘキシル]−メタンスルホンアミド、トランス−5−(3−{[3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−アリル]−メタンスルホニル−アミノ}−プロピル)−チオフェン−2−カルボン酸、およびトランス−[3−({[3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−アリル]−メタンスルホニル−アミノ}−メチル)−フェニル]−酢酸である。
【0102】
T1群の化合物の中の好ましい化合物群(U1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Wがオキシである;
という場合の化合物を含む。
【0103】
U1群の中の特に好ましい化合物は、
Aがメチルスルホニルであり;
Qがメチルオキシ−n−ブチレンであり;
Zがカルボキシルであり;
Kがトランス−2−n−プロペニレンであり;そして
Mが3,5−ジクロロフェニルである;
という場合の化合物である。
【0104】
T1群の化合物の中の好ましい化合物群(V1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−であって、このとき前記−(C〜C)アルキレン−が、所望により1〜4個のフッ素で置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0105】
V1群の化合物の中の好ましい化合物は、
Aがメチルスルホニルであり;
Qがn−ヘキシレンであり;
Zが5−(1H−テトラゾリル)であり;
Kがトランス−2−n−プロペニレンであり;そして
Mが3,5−ジクロロフェニルである;
という場合の化合物である。
【0106】
T1群の化合物の中の好ましい化合物群(W1群として表示)は、
Qが−X−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0107】
T1群の化合物の中の好ましい化合物群(X1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−X−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0108】
X1群の中の好ましい化合物は、
Aがメチルスルホニルであり;
Q−Zが3−(2−カルボキシルチエン−5−イル)−n−プロピレンであり;
Kがトランス−2−n−プロペニレンであり;そして
Mが3,5−ジクロロフェニルである;
という場合の化合物である。
【0109】
T1群の化合物の中の好ましい化合物群(Y1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0110】
T1群の化合物の中の好ましい化合物群(Z1群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−であり;
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されており;そして
Wがオキシである;
という場合の化合物を含む。
【0111】
T1群の化合物の中の好ましい化合物群(A2群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−であり;
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されており;そして
Wがオキシである;
という場合の化合物を含む。
【0112】
T1群の化合物の中の好ましい化合物群(B2群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−W−X−W−(C〜C)アルキレン−であり;
Wがオキシであり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0113】
T1群の化合物の中の好ましい化合物群(C2群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Mが−Arであって、このとき前記−Arがフェニル、チアゾリル、ピリジル、またはチエニルである;
という場合の化合物を含む。
【0114】
T1群の化合物の中の好ましい化合物群(D21群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0115】
T1群の化合物の中の好ましい化合物群(E2群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−であり;
Wがオキシであり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0116】
T1群の化合物の中の好ましい化合物群(F2群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エチニレン−(C〜C)アルキレン−である;
という場合の化合物を含む。
【0117】
T1群の化合物の中の好ましい化合物群(G2群として表示)は、
Qが−(C〜C)アルキレン−エチニレン−X−(C〜C)アルキレン−であり;そして
Xがチエニルまたはフェニルであって、このとき前記フェニルとチエニルが、所望により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、またはメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されている;
という場合の化合物を含む。
【0118】
H2群として表示される好ましい化合物群は、
BがNであり;
Aが(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記A部分が、所望により、ヒドロキシまたはハロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Xが、フェニル、チエニル、またはチアゾリルであって、このとき前記のフェニル、チエニル、またはチアゾリルが、所望によりフルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、またはトリフルオロメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されており;
Wが、オキシ、チオ、またはスルホニルであり;
Zが、カルボキシル、(C〜C)アルコキシカルボニル、またはテトラゾリルであり;
Kが(C〜C)アルキレンまたはオキシ(C〜C)アルキレンであって、このとき前記(C〜C)アルキレンが所望によりモノ不飽和であり、Kが所望により、メチル、フルオロ、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Arが、(C〜C)シクロアルキル、フェニル、チエニル、ピリジル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフタレニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、インダニル、フラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ピラゾリル、ピリミジル、ピラジニル、イミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インドリル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、またはクロマニルであり;
ArとArが、互いに独立的に(C〜C)シクロアルキル、フェニル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、オキサゾリル、フラニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、またはピラゾリルであり;
が、ハロ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルカノイル、または(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルであって、このとき前記の(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルカノイル、または(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルは、所望により、ヒドロキシ、フルオロ、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
とRが、互いに独立的にヒドロキシ、ハロ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルカノイル、シアノ、(C〜C)シクロアルキル、(C〜 C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、ホルミル、又はカルバモイルである;
という場合の、前記式Iを有する化合物を含む。
【0119】
H2群の場合、Kが、所望によりメチル、フルオロ、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されていないのが特に好ましい。
H2群の化合物の中の好ましい化合物群(I2群として表示)は、
Aが(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記(C〜C)アルカノイルの炭素上が、所望により、ハロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Qが、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン−、
フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換された−(C〜C)アルキレン、
−X−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン−X−、
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレンであり;
Kがメチレンまたはエチレンであり;
Mが−Ar−V−Arまたは−Ar−O−Arであって、このとき前記のArとArが、互いに独立的にフェニル、ピリジル、またはチエニルであり;
Vが直接結合または(C〜C)アルキレンであり;
が、クロロ、フルオロ、(C〜C)アルキル、または(C〜C)アルコキシであって、このとき前記の(C〜C)アルキルと(C〜C)アルコキシは、所望により、ヒドロキシまたはフルオロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
とRが、互いに独立的にクロロまたはフルオロである;
という場合の化合物を含む。
【0120】
H2群の化合物の中の好ましい化合物群(J2群として表示)は、
Aが(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記(C〜C)アルカノイルの炭素上が、所望により、ヒドロキシまたはハロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Kがメチレンであり;
Qが、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン−、
フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換された−(C〜C)アルキレン、
−X−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン−X−、
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレンであり;
Mが−Arであって、このとき前記−Arがフェニル、チアゾリル、ピリジル、チエニル、オキサゾリル、フラニル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり、−Arが少なくともRで置換されており;
が(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルコキシであって、このとき前記の(C〜C)アルキルと(C〜C)アルコキシは、所望により、ヒドロキシまたはフルオロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
とRが、互いに独立的にクロロ、フルオロである、メチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、またはトリフルオロメチルである;
という場合の化合物を含む。
【0121】
H2群の化合物の中の好ましい化合物群(K2群として表示)は、
Aが(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記(C〜C)アルカノイルの炭素上が、所望により、ハロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Kが(C〜C)アルキレンであり;
Qが、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン−、
フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換された−(C〜C)アルキレン、
−X−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン−X−、
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレンであり;
Mが−Arであって、このとき前記−Arがフェニル、チエニル、ベンゾフラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾ[b]チオフェニル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;そして
、R、およびRが、互いに独立的にヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)アルキルである;
という場合の化合物を含む。
【0122】
H2群の化合物の中の好ましい化合物群(L2群として表示)は、
Aが(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記(C〜C)アルカノイルの炭素上が、所望により、ハロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Kがオキシ(C〜C)アルキレンであり;
Qが、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン−、
フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換された−(C〜C)アルキレン、
−X−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン−X−、
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレンであり;
Mが−Arであって、このとき前記−Arがフェニル、チエニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;
、R、およびRが、互いに独立的にヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)アルキルである;
という場合の化合物を含む。
【0123】
H2群の化合物の中の好ましい化合物群(M2群として表示)は、
Aが(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記(C〜C)アルカノイルの炭素上が、所望により、ハロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Kが(C〜C)アルキレンであって、このとき前記(C〜C)アルキレンがモノ不飽和であり;
Qが、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン−、
フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換された−(C〜C)アルキレン、
−X−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン−X−、
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレンであり;
Mが−Arであって、このとき前記−Arがフェニル、チエニル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;そして
、R、およびRが、互いに独立的にヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)アルキルである;
という場合の化合物を含む。
【0124】
N2群で表示される好ましい化合物群は、
BがC(H)であり;
Aが(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記A部分が、所望により、ヒドロキシまたはハロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Xが、フェニル、チエニル、またはチアゾリルであって、このとき前記のフェニル、チエニル、またはチアゾリルが、所望によりフルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシ、ジフルオロメトキシ、またはトリフルオロメトキシで独立的にモノ置換またはジ置換されており;
Wが、オキシ、チオ、またはスルホニルであり;
Zが、カルボキシル、(C〜C)アルコキシカルボニル、またはテトラゾリルであり;
Kが(C〜C)アルキレンまたはオキシ(C〜C)アルキレンであって、このとき前記(C〜C)アルキレンが所望によりモノ不飽和であり、Kが所望により、ヒドロキシ、フルオロ、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Arが、(C〜C)シクロアルキル、フェニル、チエニル、ピリジル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフタレニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、インダニル、フラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ピラゾリル、ピリミジル、ピラジニル、イミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インドリル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、またはクロマニルであり;
ArとArが、互いに独立的に(C〜C)シクロアルキル、フェニル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、ピリミジル、オキサゾリル、フラニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、またはピラゾリルであり;
が、ハロ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルカノイル、または(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルであって、このとき前記の(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルカノイル、または(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルは、所望により、ヒドロキシ、フルオロ、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
とRが、互いに独立的にヒドロキシ、ハロ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルカノイル、シアノ、(C〜C)シクロアルキル、(C〜 C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、ホルミル、又はカルバモイルである;
という場合の、前記式Iを有する化合物を含む。
【0125】
N2群の場合、Kが、所望によりメチル、フルオロ、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されていないのが特に好ましい。
N2群の化合物の中の好ましい化合物群(O2群として表示)は、
Aが(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記Aの炭素上が、所望により、ハロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Qが、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン−、
フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換された−(C〜C)アルキレン、
−X−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン−X−、
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレンであり;
Kがメチレンまたはエチレンであり;
Mが−Ar−V−Arまたは−Ar−O−Arであって、このとき前記 ArとArが、互いに独立的にフェニル、ピリジル、またはチエニルであり;
Vが直接結合または(C〜C)アルキレンであり;
が、クロロ、フルオロ、(C〜C)アルキル、または(C〜C)アルコキシであって、このとき前記の(C〜C)アルキルと(C〜C)アルコキシは、所望により、ヒドロキシまたはフルオロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
とRは、互いに独立的にクロロまたはフルオロである;
という場合の化合物を含む。
【0126】
N2群の化合物の中の好ましい化合物群(P2群として表示)は、
Aが(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記Aの炭素上が、所望により、ヒドロキシまたはハロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Kがメチレンであり;
Qが、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン−、
フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換された−(C〜C)アルキレン、
−X−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン−X−、
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレンであり;
Mが−Arであって、このとき前記−Arがフェニル、チアゾリル、ピリジル、チエニル、オキサゾリル、フラニル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり、−Arが少なくともRで置換されており;
が(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルコキシであって、このとき前記の(C〜C)アルキルまたは(C〜C)アルコキシは、所望により、ヒドロキシまたはフルオロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
とRは、互いに独立的にクロロ、フルオロ、メチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、またはトリフルオロメチルである;
という場合の化合物を含む。
【0127】
N2群の化合物の中の好ましい化合物群(Q2群として表示)は、
Aが(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記Aの炭素上が、所望により、ハロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Kが(C〜C)アルキレンであり;
Qが、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン−、
フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換された−(C〜C)アルキレン、
−X−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン−X−、
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレンであり;
Mが−Arであって、このとき前記−Arがフェニル、チエニル、ベンゾフラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾ[b]チオフェニル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;そして
、R、およびRが、互いに独立的にヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)アルキルである;
という場合の化合物を含む。
【0128】
N2群の化合物の中の好ましい化合物群(R2群として表示)は、
Aが(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記Aの炭素上が、所望により、ハロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Kがオキシ(C〜C)アルキレンであり;
Qが、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン−、
フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換された−(C〜C)アルキレン、
−X−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン−X−、
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレンであり;
Mが−Arであって、このとき前記−Arがフェニル、チエニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;そして
、R、およびRは、互いに独立的にヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)アルキルである;
という場合の化合物を含む。
【0129】
N2群の化合物の中の好ましい化合物群(S2群として表示)は、
Aが(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記Aの炭素上が、所望により、ハロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Kが(C〜C)アルキレンであって、このとき前記(C〜C)アルキレンがモノ不飽和であり;
Qが、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン−、
フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換された−(C〜C)アルキレン、
−X−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン−X−、
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレンであり;
Mが−Arであって、このとき前記−Arがフェニル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであり;そして
、R、およびRが、互いに独立的にヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C〜C)アルコキシ、または(C〜C)アルキルである;
という場合の化合物を含む。
【0130】
J2群の化合物の中の特に好ましい化合物は、
Aがプロパノイルであり;
Qがn−ヘキシレンであり;
Zがカルボキシルであり;
Kがメチレンであり;そして
Mが4−(n−1−ヒドロキシヘキシル)フェニルである;
という場合の化合物である。
【0131】
H1群の化合物の中の特に好ましい化合物は、
Aがメチルスルホニルであり;
Qがn−ヘキシレンであり;
Zが5−(1H−テトラゾリル)であり;
Kがオキシエチルであり;そして
Mが3,5−ジクロロフェニルである;
という場合の化合物である。
【0132】
Y1群の化合物の中の特に好ましい化合物は、
Aがメチルスルホニルであり;
Qが3−メチレンフェニルメチルであり;
Zがカルボキシルであり;
Kがトランス−2−n−プロペニレンであり;そして
Mが3,5−ジクロロフェニルである;
という場合の化合物である。
【0133】
特に好ましい化合物群は、
(3−{[(4−ブチル−ベンジル)−メタンスルホニル−アミノ]−メチル}−フェニル)−酢酸;
7−{[4−(1−ヒドロキシ−ヘキシル)−ベンジル]−メタンスルホニル−アミノ}−ヘプタン酸;
7−[(4−ヒドロキシ−ノニル)−メタンスルホニル−アミノ]−ヘプタン酸;
7−[(2'−ヒドロキシメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−メタンスルホニル−アミノ]−ヘプタン酸;
7−[(4−ブチル−ベンジル)−メタンスルホニル−アミノ}−ヘプタン酸;
7−{[2−(3,5−ジクロロ−フェノキシ)−エチル]−メタンスルホニル−アミノ}−ヘプタン酸;
5−(3−{[3−(3−クロロ−フェニル)−プロピル]−メタンスルホニル−アミノ}−プロピル)−チオフェン−2−カルボン酸;
トランス−[3−({[3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−アリル]−メタンスルホニル−アミノ}−メチル)−フェニル]−酢酸;または
N−[2−(3,5−ジクロロ−フェノキシ)−エチル]−N−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−メタンスルホンアミド;
である。
【0134】
好ましい用量は、式Iの化合物が一日当たり体重1kg当たり約0.001〜100mgである。特に好ましい用量は、式Iの化合物が一日当たり体重1kg当たり約0.01〜50mgである。
EP2受容体サブタイプを選択的に作動するとは、EP1、EP3、およびEP4より優先的に(少なくとも5倍)選択的にEP2受容体サブタイプに結合し、そしてEP2受容体と相互作用してその結果、環状AMPの生成が増大する、ということを意味している。
【0135】
選択性EP2アゴニストとは、EP1、EP3、およびEP4より優先的に(少なくとも5倍)EP2受容体に結合する化合物を意味している。選択性EP2アゴニストはさらに、EP2受容体と結合して相互作用する結果、環状AMPの生成が増大する。
【0136】
“低い骨量を示す疾患”とは、骨量のレベルが、世界保健機構による標準 〔"Assessment of Fracture Risk and its Application to Screening for Postmenopausal Osteoporosis (1994). Report of a World Health Organization Study Group. World Health Oaganization Technical Series 843"〕に記載の、年齢に特異的な通常の量より低いという疾患を意味している。“低い骨量を示す疾患”には、一次的骨粗鬆症と二次的骨粗鬆症が含まれる。二次的骨粗鬆症としては、糖質コルチコイドにより誘発される骨粗鬆症、甲状腺亢進症により誘発される骨粗鬆症、不動化により誘発される骨粗鬆症、ヘパリンにより誘発される骨粗鬆症、および免疫抑制薬により誘発される骨粗鬆症がある。さらに、歯周病、歯槽骨損失、骨切り術による骨損失、及び小児期特発性の骨損失も含まれる。“低い骨量を示す疾患”はさらに、長期にわたる骨粗鬆症の複雑化(たとえば、脊椎の湾曲、高さの低下、および補綴外科手術など)も含む。
【0137】
“低い骨量を示す疾患”とはさらに、骨粗鬆症を含めた上記のような疾患を発現することが平均よりかなり高いことが明らかな哺乳動物(たとえば、閉経後の女性や60才以上の男)を表している。
【0138】
骨量を増大させたり骨を増強させることの他の効果としては、骨折の治癒速度の増大、骨接合速度の増大、顔面再構成もしくは上顎骨再構成もしくは下顎骨再構成後の骨治癒、補綴内方成長、椎骨癒合症、または長骨の伸長などがある。
【0139】
当業者にとっては周知のことであるが、骨量という用語は、実際には単位面積当たりの骨量〔しばしば骨ミネラル密度(bone mineral density)と呼ばれる(厳密には正しくはない)〕を表している。
【0140】
本明細書で使用している“治療すること(treating)”、“治療する(treat)”、または“治療(treatment)”という用語は、防止的処置(たとえば予防的処置)および緩和的処置も含む。
【0141】
“医薬用として許容しうる”とは、キャリヤー、希釈剤、賦形剤、および/または塩が、製剤の他の成分に対して相容性でなければならないということ、そしてレシピエントにとって有害であってはならないということを意味している。
【0142】
“プロドラッグ”とは、投与後に、幾らかの化学的もしくは生理学的プロセスを経てインビボにて薬物を放出する薬物前駆体であるような化合物を表している(たとえば、プロドラッグは、生理学的pHに調節すると、所望の薬物形態に転化される)。代表的なプロドラッグは、開裂すると対応する遊離酸を生成する。式Iの化合物のこのような加水分解可能なエステル形成性残基としては、Z部分が独立的にカルボキシルであって、遊離の水素(free hydrogen)が、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5から8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル(例えば、b−ジメチルアミノエチル)、カルバモイル−(C〜C)アルキル、N,N−ジ(C〜C)アルキルカルバモイル−(C〜C)アルキル、ピペリジノ(C〜C)アルキル、ピロリジノ(C〜C)アルキル、またはモルホリノ(C〜C)アルキルで置き換えられているという場合の置換基があるが、これらに限定されない。
【0143】
アルキレンとは、末端炭素のそれぞれから1つの水素原子が取り除かれている状態の直鎖または枝分かれ鎖の飽和炭化水素(たとえば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、およびヘプチレンなど)を意味している。
【0144】
ハロとは、クロロ、ブロモ、ヨード、またはフルオロを意味している。
アルキルとは、直鎖の飽和炭化水素または枝分かれ鎖の飽和炭化水素を意味している。このようなアルキル基の代表的なもの(下記の長さは特定の例を含んでいると仮定して)は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、およびオクチルである。
【0145】
アルコキシとは、オキシを介して結合した直鎖飽和アルキルもしくは枝分かれ鎖飽和アルキルを意味している。このようなアルコキシ基の代表的なもの(下記の長さは特定の例を含んでいると仮定して)は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、tert−ペントキシ、ヘキソキシ、イソヘキソキシ、ヘプトキシ、およびオクトキシである。
【0146】
本明細書で使用しているモノ−N−もしくはジ−N,N−(C〜C)アルキル...とは、ジ−N,N−(C〜C)アルキル...であるときに独立的にみなされる(C〜C)アルキル部分を表している(xは整数を表す)。
【0147】
特に明記しない限り、前記“M”部分は所望により置換されている(例えば、従属クレームにおいてR等の置換基を単に列挙しても、M部分がRで置換されていると記載されていなければ、Mが常にR部分で置換されているということを意味しているわけではない)。
【0148】
理解しておかなければならないことは、炭素環式または複素環式部分を、特定の結合箇所を示すことなく異なった環原子を介して所定の支持体(a designated substrate)に結合できる場合は、炭素原子を介してであろうと、あるいはたとえば三価の窒素原子を介してであろうと、全ての可能な箇所が意図されているということである。たとえば、“ピリジル”とは、2−、3−、または4−ピリジルを意味しており、“チエニル”とは、2−または3−チエニルを意味している等々。
【0149】
“医薬用として許容しうる塩”という用語は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、重硫酸イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、マレイン酸イオン、フマール酸イオン、シュウ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、クエン酸イオン、グルコン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、および4−トルエン−スルホン酸イオン等のアニオン(これらに限定されない)を含有する無毒性のアニオン性塩を表している。この用語はさらに、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオン、あるいはプロトン化されたベンザチン(N,N'−ジベンジルエチレンジアミン)、コリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグラミン(N−メチル−グルカミン)、ベネタミン(N−ベンジルフェネチルアミン)、ピペラジン、もしくはトロメタミン(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)等のカチオン(これらに限定されない)を含有する無毒性のカチオン性塩も表している。
【0150】
本明細書で使用している“反応に対して不活性な溶媒”および“不活性溶媒”とは、出発物質、試剤、中間体、または生成物と、所望する生成物の収率に悪影響を及ぼすような仕方で相互作用しないような溶媒を表している。
【0151】
化合物の命名中に使用されている挿入的な正または負の記号は、平面偏光の方向が特定の立体異性体によって回転されるということを示している。
当化学技術者にとっては周知のことであるが、本発明の特定の化合物は、ある特定の立体化学的または幾何学的配置をとっている1つ以上の原子を含んでおり、したがって立体異性体および立体配置異性体(configurational isomers)が生じる。全てのこのような異性体およびこれら異性体の混合物も本発明に含まれる。本発明の化合物の水和物も本発明に含まれる。
【0152】
当化学技術者にとっては周知のことであるが、本発明において列挙されているヘテロ原子含有置換基の特定の組合せが、生理学的な条件下でやや不安定であるような化合物をもたらす〔たとえば、アセタール結合もしくはアミナール結合(aminal linkage)を有する化合物〕。したがって、このような化合物はあまり好ましくない。
【0153】
DTTはジチオトレイトールを意味している。DMSOはジメチルスルホキシドを意味している。EDTAはエチレンジアミン四酢酸を意味している。
本発明の方法を使用することにより骨が形成され、その結果骨折の割合が低下する。本発明は、骨の形成を増大させて、その結果、骨粗鬆症とこれに関連した骨障害を予防、進行遅延、および/または緩解できるような化合物と方法を提供することによって、当業界に多大の寄与を果たす。
【0154】
本発明の他の特徴と利点は、以下の説明および請求の範囲から明らかとなろう。
発明の詳細な説明
EP2受容体サブタイプ選択性のプロスタグランジンE2アゴニストは、本発明の活性化合物として使用することができる。選択性のEP2アゴニストとは、EP1受容体、EP3受容体、およびEP4受容体よりEP2受容体のほうに優先的に(少なくとも5倍)結合するような化合物を意味している。選択性のEP2アゴニストはさらに、EP2受容体と結合し、相互作用して、この結果、環状AMPの生成が増大する(たとえば、後記のEP2結合アッセイと環状AMPアッセイを参照)。
【0155】
一般には、本発明のEP2選択性化合物は、化学業界によく知られている方法によって製造することができる。
特に、発明の総括に記載の式Iの化合物は、下記の説明にしたがって製造することができる。
【0156】
ある種の置換基(たとえばカルボキシル)は、合成シーケンスにおける後の時点にて別の官能基(たとえばカルボキシルに対しては、ヒドロキシルまたはカルボキサルデヒド)の転化により製造するのが最もよいと思われる。
【0157】
一般には、Bが窒素である場合の式Iの化合物は、2種の適切なハロゲン化アルキルもしくはスルホン酸アルキルによるスルホンアミドまたはアミドの逐次的なアルキル化によって; あるいは必要な酸官能価(適切に保護されている)を有するアミンをアルデヒドで還元アミノ化し、次いでアシル化剤または塩化スルホニルと反応させ、次いで加水分解させることによって製造することができる。
【0158】
一般には、式Iの化合物〔BがN(窒素)であって、A、K、M、およびQが発明の総括に記載のものである場合〕は、後記のスキーム1と2に記載の方法にしたがって製造することができる。一般には、シーケンスは、2種の適切なハロゲン化アルキルまたはスルホン酸アルキルによる、式Iの適切なスルホンアミドまたはアミドの逐次的なアルキル化を含む。スキーム1と2は、単に2種のアルキル化剤を加える順序が異なるだけである、という点に留意しておかなければならない。アルキル化の順序は通常、親電子性側鎖の反応性に応じて選択する。第1のアルキル化工程において起こるジアルキル化の量を少なくするために、通常はより反応性の低い親電子性の側鎖を最初に導入する。アルキル化剤のうちの1種は通常、適切な保護基で適切にマスクされたカルボン酸もしくは立体化学の同じ酸(acid isostere)を含有する。スキーム1と2においては、式3の酸前駆体はカルボン酸エステルであり、このときRは、直鎖の低級アルキル基(好ましくは、メチルまたはエチル)、tert−ブチル基、またはフェニル基である。当業者に公知の方法を使用して、これらのスキームに適切に修正を加えることによって、他の立体化学の同じ酸も使用することができる(たとえば、テトラゾールの製造を説明しているスキーム6を参照)。典型的なアルキル化剤は、一級、二級、ベンジル、またはアリル化合物であって、好ましくは臭化アルキルまたはヨウ化アルキルである。
【0159】
非プロトン性溶媒〔たとえば、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン(THF)、またはジメチルホルムアミド/ベンゼンなど〕中にて約−78℃〜約100℃の温度で、強塩基〔たとえば、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、またはカリウムtert−ブトキシドなど〕を使用して、式Iのスルホンアミドまたはアミドをそのアニオンに転化させる。こうして得られるアニオンを、式2または3の適切なハロゲン化アルキル又はスルホン化アルキル(式中、X'はハロゲン化物またはスルホン酸塩である)により約0℃〜約100℃の温度でアルキル化して、対応するアルキル化された式4または5の化合物を得る。幾つかのケースでは、アミドまたはスルホンアミドのジアルキル化から種々の量の副生物が生成するが、こうした副生物は、クロマトグラフィー法を使用して(好ましくはフラッシュクロマトグラフィーによって)除去することができる(W.C.Still, M.Kahn, A.Mitra, J. Org. Chem. 43, 2923, 1978)。非プロトン性溶媒(たとえば、ジメチルホルムアミド、THF、ジメチルホルムアミド/ベンゼン、またはアセトンなど)中にて約−78℃〜約100℃の温度で、適切な塩基〔たとえば、水素化ナトリウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムtert−ブトキシド、または炭酸カリウムなど〕を使用して、式4または5の化合物を再びアニオンに転化させる。適切な第2のハロゲン化アルキルまたはスルホン酸アルキル(式3または2の化合物)を使用するアルキル化(前述)により、対応する式6のエステルを得る。希薄塩基性水溶液(好ましくは、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの水性メタノール溶液もしくは水性エタノール溶液、水酸化リチウムの水性アルコール性溶液、水性テトラヒドロフラン)を使用して約0℃〜約80℃の温度で、あるいは「"Protecting Groups in Organic Synthesis", 第2版, T.W.GreeneとP.G.M.Wuts, John Wiley and Sons, Inc., 1991」に記載の方法を使用することによって、式6のエステルを対応する式Iの酸(Rがメチルまたはエチルである場合)に加水分解させる。
【0160】
【化2】

【0161】
【化3】

【0162】
式Iの化合物(例えば、Bは窒素であり、A、K、M、Q及びZは概説中に定義されている通りの式13または14の化合物)は、アミンから製造することも可能である(例えばスキーム3〜4を参照せよ)。一般的には、適当なアミン開始材料(式9及び10の化合物)は市販で入手することもできるし、または、当業者には既知の方法を用いて製造することもできる(S.Patai編、「アミノ、ニトロソ及びニトロ化合物とそれらの誘導体の化学」”The Chemistry of Amino,Nitroso and Nitro Compounds and their Derivatives,” J.Wiley,New York,1982)。例えば、スキーム3及び4によれば、アミン開始材料は、対応する式7または8のニトリルから製造することができる。ニトリルは市販の供給源から入手することもできるし、または、当業者には既知の方法を用いて製造することもできる(Rappaport「シアノ基の化学」”The Chemistry of the Cyano Group,”Interscience,New York,1970、または、PataiとRappaport「官能基の化学」"The Chemistry of Functional Troups,"pt.2,Wiley,New York,1983)。式7または8のニトリルは、還元剤、例えばボラン−テトラヒドロフラン複合体、ボラン−メチルスルフィド複合体、リチウムアルミニウムヒドリドによって、または、ラネーニッケルもしくは白金もしくはパラジウム触媒存在下の水素化によって、メタノールもしくはエタノールのようなプロトン性溶媒中、約0℃〜約50℃の温度で還元される。結果として得られる式9または10のアミンは、酸クロリドもしくはスルホニルクロリドで処理(アシル化)することにより、弱塩基、例えばトリエチルアミン、ピリジン、もしくは4−メチルモルホリンの存在下で、非プロトン性溶媒、例えば塩化メチレンもしくはジエチルエーテル中、約−20℃〜約50℃の温度で、式11または12のスルホンアミドまたはアミドのいずれかに転換される。あるいは、式9または10のアミンのカルボン酸とのカップリングは、不活性溶媒、例えばジクロロメタンもしくはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中、カップリング試薬、例えば1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)もしくは1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)により、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT)の存在下で、都合よく実行し、式11または12の化合物を生成することができる。アミンが塩酸塩として存在している場合には、1当量の適当な塩基、例えばトリエチルアミンを、反応混合物に添加することが望ましい。あるいは、このカップリングは、カップリング試薬、例えばベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(BOP)によって、不活性溶媒、例えばメタノール中で、果たすことができる。このようなカップリング反応は、一般的には約−30℃〜約80℃の温度、望ましくは0℃〜約25℃で行われる。ペプチドカップリングに使用される他の条件の考察については、E.Wunsch編Houben-Weyl, Vol.XV,partII, Geroge Theime Verlag, 1974,Stuttgartを参照せよ。式11または式12の化合物を、スキーム1及び2に説明されているアルキル化及び、もし望ましければ脱保護することにより、対応する酸である式13及び14の化合物を得る。
【0163】
式9及び10のアミンは、式15及び16のアミドの還元によって製造することもできる。この還元は、試薬、例えばボランーテトラヒドロフラン複合体、ボランーメチルスルフィド複合体、もしくはジイソブチルアルミニウムヒドリドを用い、非プロトン性溶媒、例えばテトラヒドロフランもしくはジエチルエーテル中、約−78℃〜約60℃の温度で行うことができる。
【0164】
式9及び10のアミンはまた、対応するニトロ前駆体から、還元剤、例えば亜鉛/塩酸を用いたニトロ基の還元、ラネーニッケル、パラジウム、もしくは白金触媒存在下での水素化、及びP.N.Rylanderが「水素化方法」("Hydrogenation Methods,"Academic Press,New York,1985)中に記述した他の試薬によって、獲得され得る。
【0165】
【化4】

【0166】
【化5】

【0167】
上記の合成に有用な他のアミン及びアルキル化試薬の説明及び製造は、製造と題した以下セクションで説明される。
式Iの化合物(式中、Bは窒素であり、A、K、M及びQは概説に説明されている通りである)の製造に当たり、上述したアルキル化の化学に代わる方法は、必要な酸としての機能性(適切に保護されている)を有するアミンとアルデヒドとの還元アミノ化を含んでおり、スキーム5に示されている。あるいは、アルデヒドがアミンとカップリングするための酸としての機能性を有していてもよい。
【0168】
還元アミノ化は、一般的には、還元剤、例えばシアノヒドリドホウ酸ナトリウムまたはトリアセトキシヒドリドホウ酸ナトリウムにより、好ましくはpH6〜8の間で行われる。反応は、通常、プロトン性溶媒、例えばメタノールまたはエタノール中で、約−78℃〜約40℃の温度で行われる(主要な参考文献としては、A.Abdel-Magid, C.Maryanoff, K.Carson, Tetrahedron Lett.Lett, 39, 5595-5598, 1990を参照せよ)。他の条件には、チタニウムイソプロポキシド及びシアノヒドリドホウ酸ナトリウムの使用(R.J.Mattson et al, J.Org.Chem. 1990, 55, 2552-4)、または脱水条件下におけるイミンの前形成とその後の還元が含まれる。結果として得られる式42、42Aのアミンは、スキーム3及び4に説明するように、酸クロリド、スルホニルクロリド、もしくはカルボン酸とカップリングすることによって、望ましいスルホンアミドまたはアミドに変換される。もし望ましければ、加水分解によって対応する酸が与えられる。
【0169】
【化6】

【0170】
上記スキーム5の中で有用なアルデヒドの説明及び使用は、製造セクションに記述される。
あるいは、特定の式Iの化合物(即ち、式中、Bは窒素であり、A、K、M、及びQは上述の通りである式60のテトラゾール)のもう一つの製造方法がスキーム6に説明されている。開始物である式4のスルホンアミドまたはアミドは、適当なハロゲン化アルキルまたはスルホン酸塩(式中、X'はハロゲン化物またはスルホン酸塩である)、好ましくは、第一級、第二級、ベンジルもしくはアリルアルキル臭化物、ヨウ化物、またはニトリルを含むスルホン酸塩によって式59の化合物にアルキル化される。アルキル化は、式59の化合物を、非プロトン性溶媒、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド/ベンゼン、またはアセトン中で、塩基、例えば水素化ナトリウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムt−ブトキシド、または炭酸カリウムで処理することによって行われる。アルキル化は、約−78℃〜約100℃の温度で起こる。結果として得られるニトリルを式60のテトラゾールに転換する好ましい条件には、トルエン中、還流下のジブチルスズオキシド及びトリメチルシリルアジドによる処理を含む(S.J.WittenbergerとB.G.Donner, J.Org.Chem.1993, 58, 4139-4141, 1993)。テトラゾールのその他の製造法を概観するには、以下を参照せよ。R.N.Butler,Tetrazoles,In Comprehensive Heterocyclic Chemistry,Potts,K.T.編;Pergamon Press:Oxford,1984,Vol.5,pp791-838)
【0171】
【化7】

【0172】
あるいは、特定の式Iの化合物(Bは窒素であり、A、Q及びMは概説に説明されている通りである)のもう一つの製造方法は、スキーム7に説明されている。式46のエステルは先に説明した手順を用いて製造することができる(スキーム1及び2を見よ)。続いてこの中間体の、アリールハロゲン化物(好ましくはアリール臭化物もしくはアリールヨウ化物)、アリールトリフレート(triflate)、またはビニル臭化物、ヨウ化物、もしくはトリフレートを有する環化合物へのヘックカップリングは、トリアルキルアミン、例えばトリエチルアミンの存在下で、パラジウム触媒、例えば酢酸パラジウムもしくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)によって行われる。場合によっては、トリアリールホスフィンを反応に添加してもよい。この反応は、通常、非プロトン性溶媒、例えばジメチルホルムアミドまたはアセトニトリル中、約0℃〜約150℃の温度で行われる(R.RHeck in Comp.Org.Syn.,Vol.4,Ch.4.3,p.833またはDavesとHallberg, Chem.Rev.1989, 89, 1433参照)。もし望ましければ、式47の化合物は、対応する酸に加水分解することができる。あるいは、式47の化合物は水素化することができ、そして、もし望ましければ、さらに対応する式49の酸に加水分解され得る。水素化の好ましい条件は、パラジウムまたは白金触媒の、アルコール性溶媒、例えばエタノールまたはメタノール中、温度約0℃〜約50℃での使用を含む。Mが部分飽和の環化合物を表す場合は、水素化によって飽和環状化合物が生成されるだろう。
【0173】
【化8】

【0174】
あるいは、特定の式Iの化合物(式中、Bは窒素であり、A、Q、K及びMは概説に説明される通りであり、そしてRはスキーム1及び2に説明される通りである)のもう一つの製造方法がスキーム8に説明されている。式51の化合物は、スキーム1及び2に説明されているように、式5の化合物のアルキル化を、次のアルデヒドへの変換のために環Mに適当な機能性を有する式2の求電子試薬で行うことによって製造され得る。例えば、式2の求電子試薬(スキーム2)は、保護されたアルコールを環Mに有していてもよく、そのアルコールがアルキル化の後に当業者には既知の試薬を用いて脱保護され酸化されてアルデヒドになり、式51の化合物を生成する。もう一つの方法は、Mがビニル基を有する式2の求電子試薬を用いてアルキル化することである。アルキル化の後に、二重結合の酸化的開裂によって望ましい式51のアルデヒドを得る。酸化的開裂は、触媒オスミウムテトロキシド及びN−メチルモルホリンで二重結合を1,2−ジオールに変換し、次に過ヨウ素酸ナトリウムを用いてアルデヒドに酸化的開裂することによって行われる。あるいは、オゾン分解による酸化的開裂の次に試薬、例えばメチルスルフィド、トリフェニルホスフィン、亜鉛/酢酸、またはチオ尿素を用いて還元することによって、望ましい式51のアルデヒドが生成するであろう。LMetalを(LMetalはいずれかの有機金属試薬、例えば有機リチウムまたはグリニャール試薬を表している)、非プロトン性溶媒、例えばジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン中、温度約−78℃〜約80℃で添加し、次に上述のごとくエステルを加水分解することにより、望ましい式50の化合物を得る。
【0175】
【化9】

【0176】
あるいは、特定の式Iの化合物(式中、Bは窒素であり、A、K、及びQは概説に説明されている通りである)のもう一つの製造方法はスキーム9に説明されている。適当な式5のスルホンアミドまたはアミドは、スキーム1及び2に記述されている条件を用いて、芳香族臭化物もしくはヨウ化物を有する求電子試薬、またはビニル臭化物もしくはヨウ化物を有する環化合物(Ar1)によってアルキル化され、式53の化合物を与える。アリールホウ酸(Ar2)による式53の化合物のスズキ型カップリングによって式53aの化合物が得られる(スズキ反応の概観については、A.R.MartinとY.Yang、Acta Chem. Scand. 1993, 47, 221を参照せよ)。このカップリング反応は、約2当量の塩基、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化タリウム、リン酸カリウム、もしくはナトリウムメトキシドを用いて、パラジウム触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(O)、もしくは〔1,4−ビス(ジフェニルホスフィン)ブタン〕パラジウム(O)の存在下で行われる。この反応は水溶性アルコール溶媒(メタノールもしくはエタノール)、テトラヒドロフラン水溶液、アセトン水溶液、グリコールジメチルエーテル水溶液、またはベンゼン水溶液中で、約0℃〜約120℃の温度範囲で行うことができる。Ar1が部分飽和環を表す場合は、もし適切であれば、この時点で、環の還元を行い飽和環化合物を生成することもできる。この変換を達成する条件には、アルコール溶媒(エタノールもしくはメタノール)及び/または酢酸エチル中、触媒、例えばパラジウムまたは白金存在下における水素化が含まれる。式53aの化合物のエステル加水分解により、もし望ましければ、対応する酸が与えられる。結果として得られる酸は、いずれかの環(Ar1またはAr2)上に、当業者に既知の方法を用いて修飾可能な官能基を有していてもよい。そのような修飾の例をスキーム10に示す。
【0177】
【化10】

【0178】
アルデヒド官能基を有する式54の化合物はスキーム8及び9に説明される方法を用いて製造することができる。スキーム10によれば、式54の化合物の処理を、適当な有機金属試薬(LMetal)、例えば有機リチウムまたはグリニャール試薬で、非プロトン性溶媒、例えばジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン中、約−78℃〜約80℃の温度で行った後に、エステルを加水分解することにより、式56の化合物(式中、Bは窒素であり、A、Q、及びKは概説に説明される通りであり、Ar1及びAr2はスキーム9に説明される通りである)が与えられる。あるいは、アルデヒドの還元とその後の加水分解により、式55の化合物が与えられる。
【0179】
【化11】

【0180】
あるいは、特定の式Iの化合物(即ち、式中、Bは窒素であり、A、K、及びQは概説に説明される通りであり、そしてRはスキーム1及び2に説明される通りであり、従って対応する酸である)のもう一つの製造方法はスキーム11に説明される。式58の開始アルコールはスキーム1及び2に説明される方法を用いて製造することができる。中間体58は、様々なアリールアルコール(Mは芳香環を表す)と、ミツノブ条件を用いて結合する(概観するには、O.Mitsunobu,Synthesis,1,1981を参照せよ)。一般的には、カップリングは、カップリング試薬、例えばトリフェニルホスフィン及びジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)またはジイソプロピルアゾジカルボキシレートの添加により、不活性溶媒、例えば塩化メチレンまたはテトラヒドロフラン中、約0℃〜約80℃の温度で行われる。もし望ましければ、続けて加水分解することにより対応する酸が与えられる。
【0181】
【化12】

【0182】
あるいは、特定の式Iの化合物(即ち、式中、Bは窒素であり、A、K、及びMは概説に説明されている通りであり、Rはスキーム1及び2に説明されている通りであり、従って対応する酸である式106の化合物)のもう一つの製造方法がスキーム12に説明されている。式102の化合物を式105の化合物(式中、Xは芳香環、例えばベンゼン環またはチオフェン環である)に、ルイス酸、例えばチタニウムテトラクロリドまたは無機酸、例えば塩酸の存在下で添加する。
【0183】
もし望ましければ、式106のエステルは加水分解または脱保護により対応する酸に転換することができる。
【0184】
【化13】

【0185】
あるいは、特定の式Iの化合物(即ち、式中、Bは窒素であり、A及びQは概説に説明されている通りであり、従って対応する酸である式107または式108の化合物)のもう一つの製造方法はスキーム13に説明されている。式104のクロロメチル化合物は、適当な置換された芳香環化合物M、例えば4−エトキシベンゼンまたはチオフェンによって、ルイス酸、例えばチタニウムテトラクロリドまたは無機酸、例えば塩酸の存在下で、非プロトン性溶媒、例えばクロロホルム中、約0℃〜約80℃の温度で処理され、式107の化合物を生じ、この化合物を続いて上述のように加水分解または脱保護して対応する酸を得ることができる。あるいは、式104のクロロメチル化合物は、ルイス酸、例えばチタニウムテトラクロリド及び適当に置換されたビニルシランによって、非プロトン性溶媒、例えば塩化メチレン中、約−50℃から約50℃の温度で処理されて式108の化合物を与えることができ、この化合物を続いて上述のように加水分解または脱保護して対応する酸を得ることができる。もし望ましければ、スキーム7に説明されている条件を用いて、二重結合の還元を行うことができる。
【0186】
【化14】

【0187】
あるいは、特定の式Iの化合物(即ち、式中、Bは窒素であり、A、Q、R及びMは上述の通りであり、従って対応する酸である式109の化合物)のもう一つの製造方法がスキーム14に説明されている。式104のクロロメチル化合物をルイス酸、例えばチタニウムテトラクロリド及び適当に置換されたアリルシランによって、非プロトン性溶媒、例えばクロロホルム中、約0℃から約80℃の温度で処理することにより、式109の化合物が得られ、この化合物を続いて上述のように加水分解または脱保護することができる。
【0188】
【化15】

【0189】
あるいは、特定の式Iの化合物(即ち、式中、Bは窒素であり、A、Q、R及びMは上述の通りであり、従って対応する酸である式112の化合物)のもう一つの製造方法はスキーム15に説明されている。式104のクロロメチル化合物は、式111のスルフィン酸によって、塩基、例えばトリエチルアミンの存在下で、非プロトン性溶媒、例えばクロロホルム中、約−30℃〜約50℃の温度で処理されて式112の化合物を与え、この化合物を続いて上述のように加水分解または脱保護して対応する酸を得ることができる。
【0190】
【化16】

【0191】
式Iの化合物(式中、BはC(H)であり、Q、M及びKは概説に説明されている通りであり、R'は小鎖アルキル基であり、そしてR1は概説に説明されている通りA上のアルキル基を表している)は、スキーム16によって製造することができる。式113のベーターケトエステルは、逐次的に、式114の化合物によりアルキル化され、その後式116の化合物がアルキル化されることにより、式117の化合物を与える(J.Med.Chem.26,1993,p335-41)。アルキル化は、適当な溶媒、例えばDMF、THF、エーテル、またはベンゼン中で、適当な塩基、例えば水素化ナトリウム、LDA、または炭酸カリウムを用いて、約−78℃〜約80℃の温度で行うことができる。結果として得られる式117の二置換されたケトエステルは、塩基水溶液、例えば水酸化ナトリウムを用いてエステルを加水分解し、その後酸性クエンチ、例えば塩酸水溶液によって脱炭酸を果たすことにより、加水分解及び脱炭酸されて対応する式118の化合物を与える。
【0192】
【化17】

【0193】
あるいは、式Iの化合物(式中、BはC(H)であり、Q、M、及びKは概説に説明されている通りであり、R'は上述の通りであり、そしてR1は概説に説明されている通りA上のアルキル基を表している)は、スキーム17によって製造することができる。式119のマロン酸塩誘導体の逐次的なアルキル化は、式121のジアルキル化種を与える。エステル基の脱保護を、強い酸、例えばTFAまたはHClの処理により、エタノール中、約−20℃〜約50℃の温度で行うと、式122の脱炭酸された生成物を生じる。この酸を、塩化チオニルもしくは塩化オキザリルを用い、非プロトン性溶媒中、約−78℃〜約50℃の温度で酸クロリドへ変換すること、または、メトキシメチルアミンを用い、適当なカップリング試薬、例えばDCCもしくはDECの存在下、非プロトン性溶媒中、約−30℃〜約50℃でワインレブ(Weinreb)アミドに変換することにより、式123の化合物が与えられる。式123は様々な有機金属種(例えば、グリニャール試薬、有機カドミウム試薬)の添加にふさわしい基質であり、末端エステルの加水分解後に式118のケト酸化合物を与える。
【0194】
あるいは、式118の化合物は、一つまたは両方の側鎖が付加後さらに官能基化されている前述の方法(スキーム7、8、9、10及び11参照)によって製造することができる。
【0195】
【化18】

【0196】
製造
アミン、アミド、及びスルホンアミド 式21、22、及び23(式中、W及びZは概説に説明されている通りであり、X及びMは芳香環または飽和環化合物である)によって説明されている特定のアミンは、スキーム18によって製造することができる。式25、26、及び27のアルキニルアミンは、式24のアルキニルスルホンアミドまたはアミドを、芳香族またはビニルハロゲン化物、好ましくは芳香族またはビニル臭化物またはヨウ化物(式中、W及びZは先に定義された通りであり、X及びMは芳香環または部分飽和環化合物である)に、カップリングすることにより製造される。このカップリングは、一般的には、ヨウ化銅、パラジウム触媒、例えば塩化パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、またはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)、及びアミン、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、またはブチルアミンの存在下で、非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル中、約0℃〜約100℃の温度で行われる。結果として得られる式25、26、及び27のアルキンは、水素化によって対応する式21、22または23のアルカンに変換することができ、この水素化は、パラジウムまたは白金触媒の存在下、溶媒例えば、メタノール、エタノール、及び/もしくは酢酸エチル中、約0℃〜約50℃で行われる。あるいは、リンドラー触媒(Pd−CaCO3−PbO)を用いてアルキンをシス−アルケンに変換することができる。Mが部分飽和環化合物を表す場合は、水素化によりMは完全飽和環化合物に変換されるであろう。スキーム1及び2に説明されているアルキル化及び脱保護により、対応する式Iの化合物が得られる。
【0197】
【化19】

【0198】
スキーム19によって、式33の化合物(式中、A及びXは概説に説明されている通りである)を、適当な式32のアミン(例えばメトキシアリールアルキルアミン)から製造することができる。式32のアミンは、市販で入手可能または当業者には既知の方法で製造することが可能であり(例えば、スキーム4を参照せよ)、例えばスキーム3及び4に説明されている方法を用いて、式31のスルホンアミドまたはアミドに変換される。結果として得られる式31の芳香族メチルエーテルは、試薬、例えば三臭化ホウ素、ピリジニウム塩酸塩、臭化水素/酢酸、またはT.W.GreeneとR.G.M.Wuts「有機合成における保護基」("Protecting Groups in Organic Synthesis,"Second Edition, John Wiley and Sons, Inc., 1991)に記述されている他の試薬によって、脱保護される。温和な塩基、例えば炭酸カリウムを用い、非プロトン性溶媒、例えばジメチルホルムアミドまたはアセトン中、約0℃〜約100℃の温度で行われる、ブロモアルキルエステルによるアルキル化によって、望ましい式33のアミドまたはスルホンアミドが生成される。
【0199】
【化20】

【0200】
アルキル化試薬
上記手順中に用いられる望ましいアルキル化試薬の合成には、数多くの方法が存在し、当業者に知られている(S.Patai編「炭素−ハロゲン結合の化学」"The Chemistry of the Carbon-Halogen Bond,"J.Wiley,New York,1973及びS.PataiとZ.Rappaport編「ハロゲン化物、偽ハロゲン化物、及びアジ化物の化学」"The Chemistry of Halides, Pseudo-Halides, and Azides, "J.Wiley, New York, 1983を参照せよ)。いくつかの例がスキーム20〜26に示されている。スキーム20に示される通り、トリルまたはアリール基質は、ハロゲン化を経てベンジルまたはアリル臭化物に変換することができる(式中、M、X、W、及びZは概説に説明される通りである)。この反応は、一般的には、N−ブロモコハク酸イミド(NBS)を用いて、ラジカル開始剤、例えばAIBNまたは過酸化物、好ましくは過酸化ベンゾイルの存在下で行われる。あるいは、この反応は光によって開始することもできる。この反応は不活性溶媒、例えば四塩化炭素またはクロロホルム中、約50℃〜約100℃の温度で行われる。
【0201】
【化21】

【0202】
スキーム21は、Mがバイアリールまたはアリール環基である式Iの化合物の製造に有用なアルキル化試薬の合成を説明している。アリールヨウ化物または臭化物、またはビニル臭化物もしくはヨウ化物(Ar2)とメチルアリールホウ酸(Ar1)を有する環化合物の、スキーム9に説明される条件を用いたスズキ型カップリングは、式34の化合物を与える。ビニル臭化物またはヨウ化物が用いられる場合は、式34の化合物を還元して、完全飽和環を生成することができる。この還元は、パラジウムまたは白金触媒の存在下、プロトン性溶媒(メタノールまたはエタノール)、テトラヒドロフラン、または酢酸エチル中の水素化によって行われる。スキーム20に説明されている試薬及び条件を用いたメチル基のハロゲン化は、式35のアルキル化試薬を与える。
【0203】
【化22】

【0204】
ハロゲン化アルキルを得るもう一つの一般的な方法は、アルコールまたはアルコール誘導体のハロゲン化である。アルコールは市販供給源から獲得するか、または当業者には既知の方法で製造することができる。例えば、スキーム22では、試薬、例えば水素化ホウ素ナトリウム、リチウムアルミニウムヒドリド、ボラン−テトラヒドロフラン複合体、ボラン−メチルスルフィド複合体、等の試薬を用いて、カルボン酸またはエステルをアルコールに還元している。対応する塩化アルキルは、一般的には、試薬、例えば塩化水素、塩化チオニル、五塩化リン、オキシ塩化リン、またはトリフェニルホスフィン/四塩化炭素を用いて、アルコールから製造される。臭化アルキルの製造には、アルコールは一般的に、試薬、例えば臭化水素、三臭化リン、トリフェニルホスフィン/臭素、またはカルボニルジイミダゾール/臭化アリールで処理される(Kamijo, T., Harada, H., Iizuka, K. Chem.Pharm.Bull. 1983, 38, 4189)。ヨウ化アルキルを得るためには、一般的には、アルコールを試薬、例えばトリフェニルホスフィン/ヨウ素/イミダゾールまたはヨウ化水素と反応させる。塩化アルキルは、無機塩、例えば臭化ナトリウム、臭化リチウム、ヨウ化ナトリウム、またはヨウ化カリウムにより、溶媒、例えばアセトンまたはメチルエチルケトン中で処理することによって、さらに反応性の高い臭化アルキルまたはヨウ化アルキルに変換することができる。アルキルスルホン酸塩は、求電子剤としても使用することができ、またハロゲン化アルキルに変換することもできる。スルホン酸塩は、温和な塩基、例えばトリエチルアミンまたはピリジン及び不活性溶媒、例えば塩化メチレンもしくはジエチルエーテル中の塩化スルホニルを用いて、アルコールから製造される。ハロゲン化物への変換は、無機ハロゲン化物(ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化リチウム、臭化リチウム、等)またはテトラブチルアンモニウムハロゲン化物による処理によって行われる。
【0205】
【化23】

【0206】
桂皮酸またはエステルは市販供給源から入手可能であり、以下のように式37または38のアルキル化試薬に変換することができる(スキーム23を参照せよ)。桂皮酸またはエステル誘導体は、パラジウムまたは白金触媒の存在下、一般的にはプロトン性溶媒(例えばメタノールもしくはエタノール)、テトラヒドロフラン、または酢酸エチル中で、水素化によって還元される。スキーム22に説明されているハロゲン化アルキルまたはスルホン酸塩への還元及び変換は、式38を与える。それが適当な場合は、桂皮酸またはエステルは、試薬、例えばリチウムアルミニウムヒドリドの処理によって、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフランまたはジエチルエーテル中で、直接式39のアルコールに変換される。あるいは、桂皮酸またはエステルは、試薬、例えばリチウムアルミニウムヒドリド/塩化アルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリドまたは水素化ホウ素リチウムを用いて、式40のアリルアルコールに還元することができる。スキーム22に説明されているハロゲン化アリルまたはスルホン酸塩への変換は、式37の試薬を与える。
【0207】
【化24】

【0208】
式41のアルキル化試薬(式中、W及びMは上述の概説に説明されている通りである)の製造は、スキーム24に説明されている。式42の化合物は、様々な塩基によってアルキル化され、その塩基の選択はW及びMの性質に依存する。いくつかの好ましい塩基は、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド及びカリウムt−ブトキシド等である。結果として得られるアニオンを様々なハロゲン化ジアルキルで処理することにより、望ましい式41のアルキル化試薬が生成される。Wは酸素を表しMは芳香環である化合物を製造するための好ましい条件には、水酸化ナトリウム続いてジハロアルカン、例えばジブロモアルカンの添加によるアルコキシドアニオンの形成が含まれる。
この反応は、通常は水中で約75℃〜約125℃で行われる。
【0209】
【化25】

【0210】
スキーム5に説明されている化学に有用なアルデヒドは、市販供給源から入手可能であり、または入手可能な中間体から当業者には既知の方法を用いて製造することができる。スキーム25は、式43のヒドロキシアルデヒドの製造に用いられる方法例を説明している(スキーム5において、Mは水酸基を置換したアルキル基を有する)。アルデヒドの一つが式44のアセタールのように保護されている(式中、OR基はアセタール保護基において用いられる従来の置換基である)ジアルデヒドの処理により、有機金属試薬(LMetal)、好ましくは有機リチウムまたはグリニャール試薬を用い、不活性溶媒、例えばテトラヒドロフランまたはジエチルエーテル中で、式45の化合物が与えられる。続いてアセタールの加水分解を、温和な酸性条件、例えば希塩酸、アンバーリスト−15樹脂(Amberlyst-15 resin)、シリカゲル、またはT.W.GreeneとP.G.M.Wuts「有機合成における保護基」("Protecting Groups in Organic Synthesis,"Second Edition, John Wiley and Sons, Inc., 1991)に記述されている他の試薬を用いて行うことにより、望ましい式43のヒドロキシアルデヒドが得られる。
【0211】
【化26】

【0212】
塩化メチル中間体
塩化メチル中間体化合物は、スキーム26及び27に説明されているように製造することができる。一般的には、適当な式101または103のスルホンアミドまたはカルボキサミドを、ホルムアルデヒド当量、例えばパラホルムアルデヒドにより、不活性溶媒、例えば塩化メチレンまたはクロロホルム中、適当な触媒、例えばHCl、塩化亜鉛または塩化トリメチルシリルを用いて、約0℃〜約60℃の温度範囲で処理することによって、式102及び104の塩化メチル誘導体がそれぞれ得られる。
【0213】
【化27】

【0214】
【化28】

【0215】
ここで説明されている化合物の製造に有用な製造方法のいくつかは、遠隔の官能基(例えば第一級アミン、第二級アミン、式I前駆体中のカルボン酸)の保護を必要とするかもしれない。そのような保護の必要性は、遠隔の官能基の性質及び製造方法の条件に依存して変化するであろう。そのような保護の必要性は、当業者には容易に判断される。そのような保護/脱保護方法の使用もまた当該分野の技術範囲内である。保護基及びそれらの使用に関する一般的な説明については、T.W.Greene「有機合成における保護基」("Protective Groups in Organic Synthesis, "John Wiley & Sons, New York, 1991)を参照せよ。
以上で説明された化合物のための開始材料及び試薬はまた、容易に入手可能であり、または、当業者により有機合成の従来の方法を用いて簡単に合成することができる。例えば、そこで使用される化合物の多くは、自然界に見出される化合物に関係しているか、または由来しており、その自然界においては、大きな科学的興味と商業的需要があって、そのためそのような化合物の多くは市販で入手可能、または文献に報告されており、または文献中に報告されている方法によって一般に入手可能な他の物質から簡単に製造される。そのような化合物には、例えばプロスタグランジンが含まれる。
【0216】
本発明に属する化合物のいくつかは不斉炭素を有し、それゆえエナンチオマーまたはジアステレオマーである。ジアステレオマーの混合物は、それらの物理化学的違いに基づき、それ自体知られている方法、例えばクロマトグラフィー及び/または分別結晶によって、個々のジアステレオマーに分離することができる。
【0217】
エナンチオマーは、適当な光学的活性化合物(例えばアルコール)を用いた反応により、エナンチオマーの混合物をジアステレオマーの混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、そして個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換(例えば加水分解)することにより分離される。ジアステレオマー、エナンチオマー、及びそれらの混合物を含むすべてのそのような異性体は、本発明に属すると考えられる。
【0218】
本発明の化合物の多くは酸性であり、製薬上許容できるカチオンと塩を形成する。本発明の化合物のいくつかは塩基性であり、製薬上許容できるアニオンと塩を形成する。そのような塩はすべて本発明の範囲内にあり、従来の方法によって製造することができる。例えば、それらは、酸性及び塩基性実存物を、通常は定比で、水性、非水性、または部分水性のいずれかの適当な溶媒中で、単に接触させることによって製造することができる。これらの塩は、濾過、非溶媒により沈殿させた後に濾過、溶媒の蒸発、または、水溶液の場合は凍結乾燥のいずれか適当な手法によって回収される。
【0219】
さらに、本発明の化合物が水和物または溶媒和物を形成する場合は、それらもまた本発明の範囲内にある。
本発明の化合物はすべて、哺乳類、特にヒトにおいて、骨形成を促進し、骨量を増加させ骨損失を防ぐ薬として、治療用に適用される。骨形成は骨粗鬆症の進行及び骨関連疾患と密接に関係しているため、これらの化合物は、その骨に対する効果によって、骨粗鬆症を予防し、抑制し、及び/または緩解させる。
【0220】
本発明の化合物の、哺乳類(例えばヒト、特に女性)の低骨量に伴う状態(例えば骨粗鬆症)の治療における医療薬としての有用性は、in vivoアッセイ、EP2選択的レセプター結合アッセイ、cAMPアッセイ、及び骨折治癒アッセイ(これらはすべて以下に説明される)における、本発明の化合物の活性によって説明される。このようなアッセイはまた、本発明の化合物の活性を互いに比較し、他の既知化合物の活性と比較する方法を提供する。これらの比較の結果は、そのような疾患に対する、ヒトを含む哺乳類における投薬量の決定に有用である。
【0221】
In vivoアッセイ
骨形成促進及び骨量増加における骨同化作用薬の活性は、完全な雄または雌ラット、性ホルモン欠損の雄(睾丸摘出)または雌(卵巣摘出)ラットを用いて試験することができる。
【0222】
この試験には、異なる年齢(例えば3月齢)の雄または雌ラットを使用することができる。ラットは、完全または去勢(卵巣摘出もしくは睾丸摘出)されており、異なる投与量(例えば、1、3、または10mg/kg/日)のEP2アゴニストを30日間、皮下注射または胃管経由で投与する。去勢ラットにおいては、処置の開始は、手術翌日(骨減少の予防を目的とする)または骨減少が既に起こった時点(骨量回復を目的とする)とする。試験中、全ラットには水及びペレット状の市販飼料(Teklad Rodent Diet#8064,Harian Teklad,Madison,WI)(カルシウム1.46%、リン0.99%、及びビタミンD34.96IU/g含有)を自由に摂取させる。全ラットには、屠殺の12日前と2日前にカルセイン10mg/kgを皮下注射する。ラットを屠殺する。下記の終点を測定する。
【0223】
大腿骨ミネラルの測定:
解剖において各ラットの右大腿骨を摘出し、「局所高解像度走査」ソフトウェア("Regional High Resolution Scan,"Hologic Inc.,Waltham,MA)を装備した二重エネルギーX線吸光光度計(dual energy x-ray absorptiometry, DXA, QDR1000/W, Hologic Inc., Waltham, MA)で走査する。走査範囲サイズは5.08×1.902cm、解像度は0.0254×0.0127cm、走査速度は7.25mm/秒である。大腿骨の走査像を解析し、骨面積、骨ミネラル含量(BMC)、及び全大腿骨(WF)の骨ミネラル密度、遠位大腿骨幹端(DFM)、大腿骨幹(FS)、及び近位大腿骨(PF)を測定する。
【0224】
脛骨組織計測分析:
解剖において右脛骨を摘出し、筋肉を取り除き、3部分に切り分ける。近位脛骨および脛骨幹を70%エタノール中で処理し、段階的濃度のエタノール中で脱水し、アセトン中で脱脂し、そしてメチルメタクリル酸塩(Eastman Organic Chemicals,Rochester,NY)中に固定する。
【0225】
近位脛骨幹端の前部切片を、厚さ4μm及び10μmで、ライヒャート−ユング ポリカット S ミクロトーム(Reichert-Jung Polycut Smicrotome)を用いて切断する。4μm切片はメイソンのトリクローム染色液(Masson's Trichrome stain)の応用法で染色し、10μm切片は染色しないでおく。各ラットから4μm切片及び10μm切片の1片ずつを海綿状骨組織形態計測に用いる。
【0226】
脛骨幹の断面部を厚さ10μmで、ライヒャート−ユング ポリカット Sミクロトームを用いて切断する。これらの切片を皮質骨組織形態計測分析に用いる。
海綿状骨組織形態計測
バイオクワント OS/2 組織形態計測システム(Bioquant OS/2 histomorphometry system, R & M biometrics, Inc., Nashville, TN)を使用して、成長板−骨端の接合部から遠位1.2〜3.6mmの間の、近位脛骨幹端2次海綿の静的及び動的組織形態計測の測定を行う。脛骨幹端部位の最初の1.2mmは、測定を2次海綿に限定するために、削除する必要がある。4μm切片は、骨体積、骨構造、及び骨吸収に関係する指標の測定に使用し、10μm切片は、骨形成及び骨代謝回転に関係する指標の測定に使用する。
【0227】
I)小柱骨体積及び構造に関係する測定及び計算
(1)全骨幹端面積(TV、mm2):成長板−骨端の接合部から遠位1.2〜3.6mmの間の骨幹端面積。(2)小柱骨面積(BV、mm2):TV中の小柱の全面積。(3)小柱骨周囲長(BS、mm):小柱の全周囲の長さ。(4)小柱骨体積(BV/TV、%):BV/TV×100。(5)小柱骨数(TBN、#/mm):1.199/2×BS/TV。(6)小柱骨厚(TBT、μm):(2000/1.199)×(BV/BS)。(7)小柱骨分離(TBS、μm):(2000×1.199)×(TV−BV)。
【0228】
II)骨吸収に関係する測定及び計算
(1)破骨細胞数(OCN、#):全骨幹端面積中の破骨細胞の数。(2)破骨細胞周囲長(OCP、mm):破骨細胞に覆われている小柱周囲の長さ。(3)破骨細胞数/mm(OCN/mm、#/mm):OCN/BS。(4)破骨細胞周囲パーセント(%OCP、%):OCP/BS×100。
【0229】
III)骨形成及び代謝回転に関係する測定及び計算
(1)単カルセイン標識周囲(SLS、mm):1個のカルセインラベルで標識される小柱周囲の全長。(2)二重カルセイン標識周囲(DLS、mm):2個のカルセインラベルで標識される小柱周囲の全長。(3)標識間幅(ILW、μm):2個のカルセインラベル間の平均距離。(4)鉱化周囲パーセント(PMS、%):(SLS/2+DLS)/BS×100。(5)ミネラル付着速度(MAR、μm/日):ILW/標識間隔。(6)骨形成速度/表面参照(BFR/BS、μm2/d/μm):(SLS/2+DLS)×MAR/BS。(7)骨代謝回転速度(BTR、%/y):(SLS/2+DLS)×MAR/BV×100。
【0230】
皮質骨組織形態計測
バイオクワント OS/2 組織形態計測システム(R & M biometrics, Inc., NashviUe, TN)を用いて、脛骨幹皮質骨の静的及び動的組織形態計測測定を行う。全組織面積、骨髄腔面積、骨膜周囲、内皮質周囲、単標識周囲、二重標識周囲、及び骨膜と内皮質表面の両方における標識間幅を測定し、皮質骨面積(全組織面積−骨髄腔面積)、皮質骨面積パーセント(皮質面積/全組織面積×100)、骨髄面積パーセント(骨髄腔面積/全組織面積×100)、骨膜及び内皮質標識周囲パーセント[(単標識周囲/2+二重標識周囲)/全周囲×100]、ミネラル付着速度(標識間幅/間隔)、及び骨形成速度[ミネラル付着速度×(単標識周囲/2+二重標識周囲)/全周囲]を計算する。
【0231】
統計値
統計値はスタットビュー4.0パッケージ(StatView 4.0 packages,Abacus Concepts, Inc., Berkeley, CA)を用いて計算することができる。分散分析(analysis of variance, ANOVA)試験、次にフィッシャーのPLSD(Fisher's PLSD)を用いて群間の違いを比較する。
【0232】
組換え型ヒトEP2及びEP4レセプターを持続的に過剰発現している293‐S細胞株におけるcAMP亢進の評価
ヒトEP2及びEP4レセプターの完全なオープンリーディングフレームをコードするcDNAを、公表されている配列(1、2)に基づくオリゴヌクレオチドプライマー及び初代ヒト腎細胞(EP2)または初代ヒト肺細胞(EP4)からのRNAを鋳型として、逆転写ポリメラーゼ直鎖反応により作製する。cDNAをpcDNA3(Invitrogen)のマルチプルクローニング部位中へクローン化し、リン酸カルシウム共沈殿による293‐Sヒト胚腎細胞へのトランスフェクションに用いる。G418抵抗性コロニーを拡大し、[3-H]PGE2に対する特異的結合を調べる。[3−H]PGE2に高レベルの特異的結合を示すトランスフェクタントを、スキャッチャード分析によってPGE2に対するBmax及びKdを決定することにより、さらに特性を調べる。化合物のスクリーニングのために選択された系は、PGE2(EP2)に対して、1細胞当たり約338,400個のレセプター及びKd=12nMを有し、PGE2(EP4)に対して、1細胞当たり約256,400個のレセプター及びKd=2.9nMを有する。293−S親細胞における両レセプターの構成性発現は無視できる。細胞は、ウシ胎児血清(最終10%)及びG418(最終700μg/mL)を補充したRPMI中で維持する。
【0233】
293−S/EP2及び293−S/EP4株におけるcAMP応答は、1mLのCa++及びMg++欠損PBSを加え精力的に叩いて培養フラスコから脱離し、無血清RPMIを最終濃度1×106cells/mLになるように添加し、さらに3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)を最終濃度1mMになるように添加した細胞により、評価する。1mLの細胞懸濁液を、直ちに個別のねじぶた式2mL容マイクロ遠心機中に入れ、フタを外して、37℃、5%CO2、相対湿度95%で10分間インキュベートする。試験する化合物を、細胞に1:100希釈で添加し、最終DMSOまたはエタノール濃度が1%になるようにする。化合物添加後、直ちに試験管にフタをし、2回反転することにより混合し、37℃で12分間インキュベートする。その後サンプルを100℃で10分間インキュベートして溶解し、直ちに氷上で5分間冷却する。細胞破片を1000×gで5分間遠心してペレット状にし、清澄な溶解物を新しい試験管に移す。cAMP濃度を、市販のcAMPラジオイムノアッセイキット(NEK-033、NEN/DuPont)を用いて、清澄な溶解物をcAMP RIAアッセイ緩衝液で1:10希釈した後に、測定する。通常、1対数増分範囲内で6〜8濃度の試験化合物を処理する。EC50の計算は、ヒューレットパッカード(Hewlett Packard)32SIIハンディー計算機で、投与量応答曲線の直線部分についての直線回帰分析を用いて行う。
【0234】
参考文献
1. Regan,J.W.,Bailey,T.J.,Pepperl,D.J.,Pierce,K.L.,Bogardus,A. M., Donello, J.E., Fairbairn, C.E., Kedzie, K.M., Woodward, D.F., Gil, D.W 1994「薬理学的に定義されるEP2サブタイプ特性を有する新規なヒト プロスタグランジンレセプターのクローニング」"Cloning of a Novel Human Prostagland in Receptor with Characteristics of the Pharmacologically Defined EP2 Subtype, "Mol. Phamacology 46:213-220.
2. Bastien, L., Sawyer, N., Grygorczyk, R., Metters, K., Adam, M. 1994 「ヒトプロスタグランジンE2レセプターEP2サブタイプのクローニング、 機能発現、及び特徴付け」"Cloning, Functional Expression,and Characterization of the Human Prostaglandin E2 Receptor EP2 Subtype," J. Biol. Chem. Vol 269, 16:11873-11877.
プロスタグランジンE2レセプターに対する結合アッセイ
膜調製
全操作は4℃で行う。プロスタグランジンE2 1型レセプター(EP1)、2型(EP2)、3型(EP3)または4型(EP4)レセプターを発現するトランスフェクト細胞を採収し、200万cells/mLになるように緩衝液A [50mM Tris-HCl (pH7.4), 10mM MgCl2, 1mM EDTA, 1mMペファブロック(Pefabloc)ペプチド(Sigma,St.Lous,MO), 10μMホスホラミドン(Phosphoramidon)ペプチド(Sigma, St.Lous, MO),1μMペプスタチンA(Pepstatin A)ペプチド(Sigma, St. Lous,MO),10μMエラスタチナル(Elastatinal)ペプチド(Sigma,St. Lous, MO),100μMアンチパイン(Antipain)ペプチド(Sigma, St. Lous, MO)]で懸濁する。これらはブランソン超音波器(Branson Sonifier Model#250, Branson Ultrasonics Corporation, Danbury, CT)を用い、2回の15秒間バースト超音波破砕を行って溶解する。不溶性の細胞及び破片は、100×g、10分間の遠心により除去する。その後45,000×g、30分間の遠心により膜を採収する。ペレット状の膜を、蛋白質濃度をブラッドフォルド法[Bradford,M., Ana1, Biochem., 72, 248 (1976)]により測定して、3〜10mg蛋白質/mLに再懸濁する。再懸濁した膜は使用時まで−80℃で凍結保存する。
【0235】
結合アッセイ
上述のように調製された凍結膜を解凍し、緩衝液Aで1mg蛋白質/mLに希釈する。膜調製物を、試験化合物または緩衝液、及び緩衝液Aに溶解した3nM 3H−プロスタグランジンE2(#TRK431, Amersham, Arhngton Heights, IL)と、体積比1:0.05:1で混合する。混合物(全量205μL)を25℃で1時間インキュベートする。次に、膜を、トマテック採収器(Tomatec harvester, Model Mach II/96, Tomatec, Orange, CT)を用い、GF/C型ガラス繊維濾紙(#1205-401, Wallac, Gaithersburg, MD)を通して濾過することにより、回収する。3H‐プロスタグランジンE2が結合した膜は濾紙にトラップされ、緩衝液及び非結合3H−プロスタグランジンE2は濾紙を素通りして廃液中に入る。次に各サンプルを、3mLの[50mM Tris-HCl (pH7.4), 10mMMgCl2, 1mM EDTA]で、3回洗浄する。次に濾紙を電子レンジ内で加熱乾燥する。膜に結合した3H−プロスタグランジン量を測定するため、乾燥した濾紙をシンチレーション液と共にプラスチック袋に入れて、LKB1205ベータプレートリーダー(Betaplate reader, Wallac, Gaithersburg, MD)中で計数する。特異的に結合した3H−プロスタグランジンE2の50%を置換するのに必要な試験化合物濃度から、IC50を決定する。
【0236】
骨折治癒
全身性投与後の骨折治癒に対する影響のアッセイ
骨折方法
3月齢のスプレイジードウレイ(Sprage-Dawley)ラットにケタミンで麻酔をかける。右脛骨または大腿骨の近位部分の前内側面を、1cm切開する。以下に脛骨手術の技術を説明する。切開は骨まで達するように行い、脛骨粗面の遠位面から4mm近位、前方隆線から2mm中央に、1mmの孔を穿つ。骨髄内釘固定法を、0.8mmステンレススチール管(骨と同条件下での試験において、最大負荷36.3N、最大硬度61.8N/mm)を用いて行う。骨髄腔の拡大は行わない。標準化された閉鎖骨折を、脛腓接合部の2mm上方で、特別に設計された調節可能な太いあご部を有する鉗子を用いて3点で折り曲げることにより、作製する。柔組織の損傷を最小にするため、骨折を転置しないように注意を払う。単繊維のナイロン糸で皮膚を縫合する。手術は無菌条件下で行う。釘固定法の直後に全骨折のX線写真を撮影し、特定の骨幹領域以外での骨折または釘の転置を伴う動物は除外する。残りの動物は、骨折治癒試験のため、各小群当たり10〜12匹になるよう、無作為に以下の群に分ける。第一群には、毎日胃管栄養法により賦形剤(水:100% エタノール=95:5)を1mL/ラット与え、他の群には、毎日胃管栄養法により0.01〜100mg/kg/日の試験化合物(1mL/ラット)を10、20、40、及び80日間与える。
【0237】
第10、20、40、及び80日に、各群から10〜12匹のラットにケタミンで麻酔をかけ、全採血により剖検を行う。脛腓両骨を切開により摘出し、すべての柔組織を取り除く。各群5〜6匹のラットからの骨は、組織学的分析のため70%エタノール中に保存し、各群他の5〜6匹のラットからの骨は、X線写真及び実施される生体力学試験のため、緩衝されたリンガーの溶液(Ringer solution、+4℃、pH7.4)中に保存する。
【0238】
組織学的分析
破裂した骨の組織学的分析方法は、既にMosekildeとBakにより公表されている(「ラットにおける骨折治癒に対する成長ホルモンの影響:組織学的一説明」“The Effects of Growth Hormone on Fracture Healing in Rats: A Histological Description, "Bone, 14: 19-27, 1993)。要約すると、骨折部を、骨折線の各側に8mmの部分で切断し、脱石灰せずにメチメタクリレート中に固定し、そして前部切片をライヒャート−ユング ポリカット ミクロトーム上で切断する(厚さ8μm)。メイソンートリクローム染色した中央−前部切片(脛骨及び大腿骨両方を含む)を、無治療の場合及び治療を伴う場合の骨折治癒に対する細胞及び組織応答の明視化に使用する。シリウス−レッド(Sirius red)染色した切片を、仮骨構造の特徴を説明し、骨折部位の網状骨と層板骨を区別するために使用する。以下の測定を行う:(1)骨折間隙−骨折における皮質骨末端間の最短距離で測定される、(2)仮骨長及び仮骨直径、(3)仮骨の全骨体積面積、(4)仮骨面積内の組織面積当たりの骨組織、(5)仮骨中の繊維組織、(6)仮骨中の軟骨面積。
【0239】
生体力学分析
生体力学的分析方法は、既にBakとAnderassenにより公表されている(「ラットにおける骨折治癒に対する加齢の影響」"The Effects of Aging on Fracture Heasling in Rats,"Calcif Tissue Int 45: 292-297, 1989)。要約すると、生体力学的試験に先立って全骨折のX線写真を撮影する。治癒中骨折の力学的特性を、破壊的な3点または4点折り曲げ処置により分析する。最大負荷、硬度、最大負荷時のエネルギー、最大負荷時のたわみ、及び最大圧力を決定する。
【0240】
局所性投与後の骨折治癒に対する影響のアッセイ
骨折方法
約2歳の雌または雄ビーグル犬をこの試験に用いる。Lenehanらが記述した、緩やかな持続的3点折り曲げ負荷(Lenehan, T.M. :BaUigarnd, M.; Nunmaker, D.M.; Wood,RE.:「犬における骨折治癒に対するEHDPの影響」Effects of EHDP on Fracture Heahngin Dogs.J Orthop Res 3:499.507;1985)により横撓骨骨折を作成する。完全な解剖学的骨破裂を確保するため、骨折部位にワイヤーを引っ張り通す。その後、EP2アゴニストの骨折部位への局所的投与を、ゲルまたはマトリクス中での化合物注射投与による化合物の緩やかな放出、緩やかに放出するペレット、またはアルゼット ミニポンプ(Alzet minipumps)により、10、15、または20週間行う。
【0241】
組織学的分析
破裂した骨の組織学的分析方法は、既にPeterら(Peter, C.R; Cook, WO.; Nunamaker, D.M.; Provost, M.T.; Seedeor, J.G.; Rodan, G.A. 「犬における骨折治癒及び骨再造形に対するアレンドロネートの影響」“Effects of Alendronate on Fracture Healing and Bone Remodeling in Dogs,”J. Orthop. Res. 14: 70.74, 1996)及びMosekildeとBak(「ラットにおける骨折治癒に対する加齢の影響」”The Effects of Aging on Fracture Heasling in Rats,”Calcif Tissue Int45: 292-297, 1989)により公表されている。要約すると、骨折部を、骨折線の各側に3cmの部分で切断し、脱石灰せずにメチメタクリレート中に固定し、そして前部切片をライヒャート−ユング ポリカット ミクロトーム上で切断する(厚さ8μm)。メイソンートリクローム染色した中央−前部切片(脛骨及び大腿骨両方を含む)を、無治療の場合及び治療を伴う場合の骨折治癒に対する細胞及び組織応答の明視化に使用する。シリウス−レッド(Sirius red)染色した切片を、仮骨構造の特徴を説明し、骨折部位の網状骨と層板骨を区別するために使用する。以下の測定を行う:(1)骨折間隙−骨折における皮質骨末端間の最短距離で測定される、(2)仮骨長及び仮骨直径、(3)仮骨の全骨体積面積、(4)仮骨面積内の組織面積当たりの骨組織、(5)仮骨中の繊維組織、(6)仮骨中の軟骨面積。
【0242】
生体力学分析
生体力学的分析方法は、既にBakとAnderassen(「ラットにおける骨折治癒に対する加齢の影響」"The Effects of Agingon Fracture Heasling in Rats, "Calcif Tissue Int 45: 292-297, 1989)及びPeterら(Peter, C.P.; Cook, WO.; Nunamaker, D.M.: Provost, M.T.; Seedeor, J.G.; Rodan, G.A.「犬における骨折治癒及び骨再造形に対するアレンドロネートの影響」“Effects of Alendronate on Fracture Heahng and Bone Remodeling in Dogs, "J. Orthop. Res. 14:70-74, 1996)により公表されている。要約すると、生体力学的試験に先立って全骨折のX線写真を撮影する。治癒中骨折の力学的特性を、破壊的な3点または4点折り曲げ処置により分析する。最大負荷、硬度、最大負荷時のエネルギー、最大負荷時のたわみ、及び最大圧力を決定する。
【0243】
実施例1(EP2アゴニスト)
以上のプロトコールにより、以下の化合物の、プロスタグランジンEレセプター(EP)との選択的結合を試験した(上述のプロトコールを見よ)。さらに、これらの化合物の、cAMP産生促進(上述のプロトコールを見よ)、及びin vivoの骨形成促進(上述のプロトコールを見よ)能力についても試験した。
【0244】
I.(3−{[(4−ブチル−ベンジル)−メタンスルホニル−アミノ]−メチル}−フェニル)−酢酸
II.7−{[4−(1−ヒドロキシ−ヘキシル)−ベンジル]−メタンスルホニル−アミノ}−ヘプタン酸
III.7−[(4−ヒドロキシ−ノニル)−メタンスルホニル−アミノ]−ヘプタン酸
IV.7−[(2'−ヒドロキシメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−メタンスルホニル−アミノ]−ヘプタン酸
V.7−[(4−ブチル−ベンジル)−メタンスルホニル−アミノ]−ヘプタン酸
VI.7−{[2−(3,5−ジクロロ−フェノキシ)−エチル]−メタンスルホニル−アミノ}−ヘプタン酸
VII.5−(3−{[3−(3−クロローフェニル)−プロピル]−メタンスルホニル-アミノ}−プロピル)−チオフェン−2−カルボン酸
VIII.[3−({[3−(3,5−ジクロローフェニル)−アリル]−メタンスルホニル-アミノ}−メチル)−フェニル]-酢酸
IX.N−[2−(3,5−ジクロロ−フェノキシ)−エチル]−N−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−メタンスルホンアミド
上記リストの化合物は、EP2レセプターサブタイプに対し、EP1、EP3、及びEP4レセプターサブタイプとの比較において5倍以上の選択性を有していた。上記リストの化合物はまた、cAMP産生を増加させ、上述の骨粗鬆症動物モデルにおいてin vivoでの骨形成及び骨ミネラル密度を顕著に増加させた。
【0245】
本発明の化合物の投与は、本発明の化合物を全身的及び/または局所的に分配するいかなる方法(例えば、骨折部位における骨切り術または整形外科手術)を経由してもよい。これらの方法は、経口、非経口、十二指腸内経路、等を含む。
【0246】
一般的には、本発明の化合物は経口投与されるが、非経口投与(例えば、静脈内投与、筋内投与、皮下投与または骨折部位における骨髄内投与)も、例えば切迫した標的には経口投与が不適当な場合、または患者が薬を摂取するのが不可能な場合には、利用することができる。
【0247】
これらの化合物は、骨折及び骨切り術の治療及び治癒促進のために、本発明の化合物またはそれらによる構成物の局所適用(例えば骨切り術による骨折部位に対して)によって、用いられる。本発明の化合物は骨折または骨切り術部位に適用され、例えば、適当な溶媒(例えば落花生油のような油性溶媒)中の化合物の軟骨成長板への注入によって、または開腹手術の場合は、適当な担体、例えば骨ワックス、無機質成分を除去した骨バウダー、重合骨セメント、骨シーラント等の中のそれら化合物の同様な部位への局所適用のいずれかによって適用される。
【0248】
あるいは、局所適用は、適当な担体中に化合物を溶解もしくは分散させ、表面に塗布すること、または、整形外科手術で通常使用される固体もしくは半固体のインプラント、例えばダクロン−メッシュ、ゲル−フォーム及びキール骨、もしくはプロテーゼ中に挿入することによって、行うことができる。
【0249】
本発明に属する二つの異なる化合物を、同時もしくは任意の順番で逐次的に投与することも可能であるし、または、例えば上述のような式Iの化合物及び上述のような第2の化合物を、製薬上許容できる担体中に含有する一つの製薬構成物を投与することも可能である。
【0250】
もちろん、いかなる場合も、投与される化合物の量及びタイミングは、治療される対象、苦痛の程度、投与方法、及び処方する医師の判断に依存する。このように、患者は一人一人多様であるから、以下に示す投与量は一つのガイドラインであり、医師は、医師が患者にとって適当と考える治療(例えば、骨量増加または骨損失の予防)を行うために、投与量を加減することができる。望ましい治療の程度を考える際には、医師は、様々な要因、例えば開始時の骨量レベル、患者の年齢、既往症の存在、他の疾患(例えば心臓血管疾患)の存在、の釣り合いを取らなければならない。
【0251】
一般には、本発明の化合物は、骨量を骨折限界(既にここに引用した世界保健機構の研究中に詳述されている)以上のレベルに増加させるために充分な量を使用する。
一般的には、上述のEP2選択的薬剤の効果的な投与量は、0.001〜100mg/kg/日の範囲にあり、好ましくは0.01〜50mg/kg/日である。
【0252】
本発明の化合物は、一般的には、少なくとも一つの本発明の化合物を、製薬上許容できる賦形剤または希釈剤と共に有する医薬組成物の形で投与される。従って、本発明の化合物は、個々に、または一緒に、あらゆる従来の経口、非経口、直腸もしくは経皮の投与形態で、投与することができる。
【0253】
経口投与においては、医薬組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、丸剤、カプセル剤、粉剤、及びその他の剤型をとることができる。錠剤は、様々な賦形剤、例えばクエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、及びリン酸カルシウムを含有し、様々な崩壊剤、例えばデンプン、好ましくはイモもしくはタピオカデンプン及びある種の珪酸塩複合体、さらには結合剤、例えばポリビニルピロリドン、蔗糖、ゼラチン及びアラビアゴムと共に用いられる。さらに、潤沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びタルクは、錠剤成型目的に、しばしば非常に有用である。同様な型の固体組成物は、柔及び硬充填ゼラチンカプセルにおける充填剤としても用いられる。この接合に好まれる材料には、ラクトースもしくは乳糖及び高分子量ポリエチレングリコールが含まれる。経口投与に際して水溶性懸濁剤及び/またはエリキシル剤が望ましい場合は、本発明の化合物は、様々な甘味料、香料、着色剤、乳化剤及び/または懸濁化剤、希釈剤、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、及びこれらの様々な組み合わせと、組み合わせることができる。
【0254】
非経口投与目的の場合は、ゴマもしくは落花生油または水溶性プロピレングリコール中の溶液、及び対応する水溶性塩の無菌水溶液を用いることができる。そのような水溶液は、必要であれば適当に緩衝し、液状希釈剤は先に充分な食塩またはブドウ糖で等張にする。これらの水溶液は、静脈、筋肉、皮下、及び腹膜注射目的に、特に適している。これに関しては、用いられる無菌水溶性媒体は、当業者にはよく知られた標準技術により、すべて容易に調製できるものである。
【0255】
経皮(例えば局所的な)投与目的の場合は、希薄な無菌水溶性もしくは部分水溶性溶液(通常約0.1〜0.5%の濃度)、または上述の非経口溶液と同様な溶液を調製する。
いくらかの量の活性成分を含有する様々な医薬組成物の製造方法は、当業者にはよく知られており、または本公開に照らして明らかであろう。医薬組成物製造方法の例は、「レミントンの製薬科学」(”Remington's Pharmaceutical Sciences, ”Mack Publishing Company, Easter, Pa., 15th Edition, 1975)を参照せよ。
【0256】
本発明による医薬組成物は、本発明の化合物(単数または複数)を0.1%〜95%、好ましくは1%〜70%含有してよい。いかなる場合も、投与される組成物または配合物は、本発明による化合物(単数または複数)を、治療する対象の疾患/状態、例えば骨疾患を治療するのに充分な量含有するであろう。
【0257】
本発明の化合物は、単独で、または互いの組み合わせ、もしくは他の化合物との組み合わせのいずれかによって、便利な剤型で一般的に投与されるであろう。
以下の製剤例は、単なる実例であり、本発明の範囲を制限する意図はない。
【0258】
以下の製剤において、「活性成分」は、本発明の化合物を意味する。
調合1:ゼラチンカプセル剤 硬ゼラチンカプセル剤は以下を用いて製造される:
【0259】
【表1】

【0260】
錠剤の製剤は以下の成分を用いて製造される:
調合2:錠剤
【0261】
【表2】

【0262】
成分を混和し、圧縮して錠剤を成型する。
あるいは、各々0.25〜100mgの活性成分を含有する錠剤は、以下のように製造される。
調合3:錠剤
【0263】
【表3】

【0264】
活性成分、デンプン、及びセルロースはNo.45メッシュU.S.ふるいを通し、よく混合する。ポリビニルピロリドンの溶液を、結果として得られた粉末と混合し、その後No.14メッシュU.S.ふるいを通す。このように作製された粒子を50〜60℃で乾燥させ、No.18メッシュU.S.ふるいを通す。次に、あらかじめNo.60メッシュU.S.ふるいを通したカルボキシメチルナトリウムデンプン、ステアリン酸マグネシウム、及びタルクを粒子に添加し、混合後、錠剤器で圧縮して錠剤を作製する。
【0265】
5mL投与当たり各々0.25〜100mgの活性成分を含有する懸濁剤は、以下のように製造される:
調合4:懸濁剤
【0266】
【表4】

【0267】
活性成分はNo.45メッシュU.S.ふるいを通し、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びシロップと混合して滑らかなペースト状にする。安息香酸溶液、香料、着色料を少量の水で希釈して、攪拌しながら添加する。次に充分量の水を添加して、必要量を作製する。エアロゾル液剤は、以下の成分を用いて製造される:
調合5:エアロゾル
【0268】
【表5】

【0269】
活性成分をエタノールと混合し、混合物をプロペラント22の一部に添加し、30℃まで冷却し、充填器に移す。次に、必要量をステンレススチール容器に注入し、残りのプロペラントで希釈する。次にバルブユニットを容器に取り付ける。坐剤は以下のように製造される:
調合6:坐剤
【0270】
【表6】

【0271】
活性成分は、No.60メッシュU.S.ふるいを通し、あらかじめ最小限の加熱により溶解させた飽和脂肪酸グリセリド中に懸濁する。次に、この混合物を公称2g容量の坐薬型に流し込み、冷却する。
【0272】
静脈注射剤の調合は以下のように製造する:
調合7:静脈注射剤用溶液
【0273】
【表7】

【0274】
上記成分の溶液を、患者に対し約1mL/分の速度で静脈注射により投与する。
以上の活性成分は、成分を組み合わせたものでもよい。
本発明は、ここに説明される特定の実施例に限定されるものではないが、以下の請求項によって定義されるこの新規な概念の趣旨と範囲から逸脱することなく、様々な変化及び応用が可能であることは、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療上有効量の選択性のEP2受容体サブタイプアゴニストを哺乳動物に投与することによってEP2受容体サブタイプを選択的に作動することを含む、哺乳動物における骨損失を防止し、骨量を増大させるための方法。
【請求項2】
治療上有効量の選択性のEP2受容体サブタイプアゴニストを低骨量状態の哺乳動物に投与することによってEP2受容体サブタイプを選択的に作動することを含む、低骨量を示す疾患に罹っている哺乳動物を治療するための方法。
【請求項3】
骨粗鬆症、骨切り術、小児期特発性の骨損失、または歯周炎に関連した骨損失を治療する、請求項2記載の方法。
【請求項4】
骨粗鬆症を治療する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記哺乳動物がヒトである、請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記ヒトが、60才を越える年齢の男性または閉経後の女性である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記EP2アゴニストが、EP1受容体サブタイプ、EP3受容体サブタイプ、およびEP4受容体サブタイプより、EP2受容体サブタイプに対して少なくとも10倍の選択性を有する、請求項2記載の方法。
【請求項8】
前記EP2アゴニストが、EP1受容体サブタイプ、EP3受容体サブタイプ、およびEP4受容体サブタイプより、EP2受容体サブタイプに対して少なくとも100倍の選択性を有する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
約0.001〜100mg/kg/日の選択性EP2アゴニストを投与する、請求項2記載の方法。
【請求項10】
約0.01〜50mg/kg/日のEP2アゴニストを投与する、請求項2記載の方法。
【請求項11】
前記選択性EP2アゴニストが、式I
【化1】

〔式中、
(i)
BはNであり;
Aは、(C〜C)アルキルスルホニル、(C〜C)シクロアルキルスルホニル、または(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキルスルホニルであって、このとき前記A部分は、所望により、炭素上がヒドロキシ、(C〜C)アルキル、またはハロで、独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Qは、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン、このとき前記−(C〜C)アルキレンは、フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換されており、
−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−X−、
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−W−(C〜C)アルキレン−、このとき前記2つのWは互いに独立しており、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エチニレン−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−エチニレン−X−(C〜C)アルキレンであり;
Wは、オキシ、チオ、スルフィノ、スルホニル、アミノスルホニル、−モノ−N−(C〜C)アルキレンアミノスルホニル、スルホニルアミノ、N−(C〜C)アルキレンスルホニルアミノ、カルボキサミド、N−(C〜C)アルキレンカルボキサミド、カルボキサミドオキシ、N−(C〜C)アルキレンカルボキサミドオキシ、カルバモイル、−モノ−N−(C〜C)アルキレンカルバモイル、カルバモイルオキシ、または−モノ−N−(C〜C)アルキレンカルバモイルオキシであって、このとき前記Wアルキル基は、所望により、炭素上が1〜3個のフッ素で置換されており;
Xは、酸素、窒素、およびイオウから独立的に選ばれる1つもしくは2つのヘテロ原子を所望により有する5員または6員の芳香環であって;このとき前記環は所望により、ハロ、(C〜C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、またはカルバモイルで独立的にモノ置換またはジ置換されており;
Zは、カルボキシル、(C〜C)アルコキシカルボニル、テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、(C〜C)アルキルスルホニルカルバモイル、またはフェニルスルホニルカルバモイルであり;
Kは、直接結合、(C〜C)アルキレン、チオ(C〜C)アルキレン、またはオキシ(C〜C)アルキレンであって、このとき前記(C〜C)アルキレンは所望によりモノ不飽和であり、Kは所望により、フルオロ、メチル、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Mは、−Ar、−Ar−V−Ar、−Ar−S−Ar、または
−Ar−O−Arであって、このときAr、Ar、およびArは互いに独立的に、酸素、イオウ、および窒素から独立的に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を所望により有する部分飽和、完全飽和、もしくは完全不飽和の5〜8員環、または窒素、イオウ、および酸素から独立的に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を所望により有する、独立した2つ部分飽和、完全飽和、もしくは完全不飽和の5または6員環が縮合して形成される二環式の環であり;
前記Ar、Ar、およびAr部分は、R、R、およびRから独立的に選ばれる最大3個までの置換基で、前記部分が単環式の場合は一方の環において、また前記部分が二環式の場合は一方もしくは両方の環において炭素上が所望により置換されていて、このときR、R、およびRは、ヒドロキシ、ニトロ、ハロ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルカノイル、ホルミル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルカノイル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルアミノ、(C〜C)アルコキシカルボニルアミノ、スルホンアミド、(C〜C)アルキルスルホンアミド、アミノ、モノ−N−(C〜C)アルキルアミノ、ジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノ、カルバモイル、モノ−N−(C〜C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−(C〜C)アルキルカルバモイル、シアノ、チオール、(C〜C)アルキルチオ、(C〜C)アルキルスルフィニル、(C〜C)アルキルスルホニル、モノ−N−(C〜C)アルキルアミノスルフィニル、またはジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノスルフィニルであり;
、R、およびRは、所望により、炭素上がハロまたはヒドロキシで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
Vは、直接結合、あるいはヒドロキシまたはフルオロで独立的に所望によりモノ置換もしくはジ置換された(C〜C)アルキレンであり;
但し、Kが(C〜C)アルキレンであって、MがArであって、そしてArがシクロペント−1−イル、シクロヘクス−1−イル、シクロヘプト−1−イル、またはシクロオクト−1−イルであるとき、前記(C〜C)シクロアルキル置換基はその1−位置がヒドロキシで置換されておらず;
あるいは(ii)
BはNであり;
Aは、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記A部分は、所望により、炭素上がヒドロキシまたはハロで、独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Qは、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン、このとき前記−(C〜C)アルキレンは、フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換されており、
−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−X−、
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−W−(C〜C)アルキレン−、このとき前記2つのWは互いに独立しており、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−(C〜 C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エチニレン−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−エチニレン−X−(C〜C)アルキレンであり;
Wは、オキシ、チオ、スルフィノ、スルホニル、アミノスルホニル、−モノ−N−(C〜C)アルキレンアミノスルホニル、スルホニルアミノ、N−(C〜C)アルキレンスルホニルアミノ、カルボキサミド、N−(C〜C)アルキレンカルボキサミド、カルボキサミドオキシ、N−(C〜C)アルキレンカルボキサミドオキシ、カルバモイル、−モノ−N−(C〜C)アルキレンカルバモイル、カルバモイルオキシ、または−モノ−N−(C〜C)アルキレンカルバモイルオキシであって、このとき前記Wアルキル基は、所望により、炭素上が1〜3個のフッ素で置換されており;
Xは、酸素、窒素、およびイオウから独立的に選ばれる1つもしくは2つのヘテロ原子を所望により有する5員または6員の芳香環であって;このとき前記環は所望により、ハロ、(C〜C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、またはカルバモイルで独立的にモノ置換またはジ置換されており;
Zは、カルボキシル、(C〜C)アルコキシカルボニル、テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、(C〜C)アルキルスルホニルカルバモイル、またはフェニルスルホニルカルバモイルであり;
Kは、(C〜C)アルキレン、チオ(C〜C)アルキレン、またはオキシ(C〜C)アルキレンであって、このとき前記(C〜C)アルキレンは所望によりモノ不飽和であり、Kは所望により、フルオロ、メチル、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Mは、−Ar、−Ar−V−Ar、−Ar−S−Ar、または
−Ar−O−Arであって、このときAr、Ar、およびArは互いに独立的に、酸素、イオウ、および窒素から独立的に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を所望により有する部分飽和、完全飽和、もしくは完全不飽和の5〜8員環、または窒素、イオウ、および酸素から独立的に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を所望により有する、独立した2つの部分飽和、完全飽和、もしくは完全不飽和の5または6員環が縮合して形成される二環式の環であり;
前記Ar、Ar、およびAr部分は、R、R、およびRから独立的に選ばれる最大3個までの置換基で、前記部分が単環式の場合は一方の環において、また前記部分が二環式の場合は一方もしくは両方の環において炭素上が所望により置換されていて、このときR、R、およびRは、H、ヒドロキシ、ニトロ、ハロ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルカノイル、ホルミル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルカノイル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルアミノ、(C〜C)アルコキシカルボニルアミノ、スルホンアミド、(C〜C)アルキルスルホンアミド、アミノ、モノ−N−(C〜C)アルキルアミノ、ジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノ、カルバモイル、モノ−N−(C〜C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−(C〜C)アルキルカルバモイル、シアノ、チオール、(C〜C)アルキルチオ、(C〜C)アルキルスルフィニル、(C〜C)アルキルスルホニル、モノ−N−(C〜C)アルキルアミノスルフィニル、またはジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノスルフィニルであり;
、R、およびRは、所望により、炭素上がハロまたはヒドロキシで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
Vは、直接結合、あるいはヒドロキシまたはフルオロで独立的に所望によりモノ置換もしくはジ置換された(C〜C)アルキレンであり;
但し、Kが(C〜C)アルキレンであって、MがArであって、そしてArがシクロペント−1−イル、シクロヘクス−1−イル、シクロヘプト−1−イル、またはシクロオクト−1−イルであるとき、前記(C〜C)シクロアルキル置換基はその1−位置がヒドロキシで置換されておらず;
但し、6−[(3−フェニル−プロピル)−(2−プロピル−ペンタノイル)−アミノ]−ヘキサン酸とそのエチルエステルは含まれず;
あるいは(iii)
BはC(H)であり;
Aは、(C〜C)アルカノイルまたは(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルカノイルであって、このとき前記A部分は、所望により、炭素上がヒドロキシまたはハロで、独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Qは、
−(C〜C)アルキレン−W−(C〜C)アルキレン、
−(C〜C)アルキレン、このとき前記−(C〜C)アルキレンは、フルオロまたは(C〜C)アルキルから独立的に選ばれる最大4個までの置換基で所望により置換されており、
−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−X−、
−(C〜C)アルキレン−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−W−X−W−(C〜C)アルキレン−、このとき前記2つのWは互いに独立しており、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−(C〜 C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エテニレン−(C〜C)アルキレン−X−W−(C〜C)アルキレン−、
−(C〜C)アルキレン−エチニレン−(C〜C)アルキレン−、または
−(C〜C)アルキレン−エチニレン−X−(C〜C)アルキレンであり;
Wは、オキシ、チオ、スルフィノ、スルホニル、アミノスルホニル、−モノ−N−(C〜C)アルキレンアミノスルホニル、スルホニルアミノ、N−(C〜 C)アルキレンスルホニルアミノ、カルボキサミド、N−(C〜C)アルキレンカルボキサミド、カルボキサミドオキシ、N−(C〜C)アルキレンカルボキサミドオキシ、カルバモイル、−モノ−N−(C〜C)アルキレンカルバモイル、カルバモイルオキシ、または−モノ−N−(C〜C)アルキレンカルバモイルオキシであって、このとき前記Wアルキル基は、所望により、炭素上が1〜3個のフッ素で置換されており;
Xは、酸素、窒素、およびイオウから独立的に選ばれる1つもしくは2つのヘテロ原子を所望により有する5員または6員の芳香環であって;このとき前記環は所望により、ハロ、(C〜C)アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルオキシ、ジフルオロメチルオキシ、ヒドロキシル、(C〜C)アルコキシ、またはカルバモイルで独立的にモノ置換またはジ置換されており;
Zは、カルボキシル、(C〜C)アルコキシカルボニル、テトラゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾリル、(C〜C)アルキルスルホニルカルバモイル、またはフェニルスルホニルカルバモイルであり;
Kは、直接結合、(C〜C)アルキレン、チオ(C〜C)アルキレン、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキレン、またはオキシ(C〜C)アルキレンであって、このとき前記(C〜C)アルキレンは所望によりモノ不飽和であり、Kは所望により、フルオロ、メチル、またはクロロで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;
Mは、−Ar、−Ar−V−Ar、−Ar−S−Ar、または
−Ar−O−Arであって、このときAr、Ar、およびArは互いに独立的に、酸素、イオウ、および窒素から独立的に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を所望により有する部分飽和、完全飽和、もしくは完全不飽和の5〜8員環、または窒素、イオウ、および酸素から独立的に選ばれる1〜4個のヘテロ原子を所望により有する、独立した2つの部分飽和、完全飽和、もしくは完全不飽和の5または6員環が縮合して形成される二環式の環であり;
前記Ar、Ar、およびAr部分は、R、R、およびRから独立的に選ばれる最大3個までの置換基で、前記部分が単環式の場合は一方の環において、また前記部分が二環式の場合は一方もしくは両方の環において炭素上が所望により置換されていて、このときR、R、およびRは、H、ヒドロキシ、ニトロ、ハロ、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル(C〜C)アルカノイル、ホルミル、(C〜C)アルカノイル、(C〜C)アルカノイル(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルアミノ、(C〜C)アルコキシカルボニルアミノ、スルホンアミド、(C〜C)アルキルスルホンアミド、アミノ、モノ−N−(C〜C)アルキルアミノ、ジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノ、カルバモイル、モノ−N−(C〜C)アルキルカルバモイル、ジ−N,N−(C〜C)アルキルカルバモイル、シアノ、チオール、(C〜C)アルキルチオ、(C〜C)アルキルスルフィニル、(C〜C)アルキルスルホニル、モノ−N−(C〜C)アルキルアミノスルフィニル、またはジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノスルフィニルであり;
、R、およびRは、所望により、炭素上がハロまたはヒドロキシで独立的にモノ置換、ジ置換、またはトリ置換されており;そして
Vは、直接結合、あるいはヒドロキシまたはフルオロで独立的に所望によりモノ置換もしくはジ置換された(C〜C)アルキレンであり;
但し、Kが(C〜C)アルキレンであって、MがArであって、そしてArがシクロペント−1−イル、シクロヘクス−1−イル、シクロヘプト−1−イル、またはシクロオクト−1−イルであるとき、前記(C〜C)シクロアルキル置換基はその1−位置がヒドロキシで置換されていない〕
のいずれかで示される化合物、または前記化合物の医薬用として許容しうる塩もしくはプロドラッグである、請求項2記載の方法。
【請求項12】
前記EP2アゴニストが、
(3−{[(4−ブチル−ベンジル)−メタンスルホニル−アミノ]−メチル}−フェニル)−酢酸、
7−{[4−(1−ヒドロキシ−ヘキシル)−ベンジル]−メタンスルホニル−アミノ]−ヘプタン酸、
7−[(4−ヒドロキシ−ノニル)−メタンスルホニル−アミノ]−ヘプタン酸;
7−[(2'−ヒドロキシメチル−ビフェニル−4−イルメチル)−メタンスルホニル−アミノ]−ヘプタン酸、
7−[(4−ブチルベンジル)−メタンスルホニル−アミノ]−ヘプタン酸;
7−{[2−(3,5−ジクロロ−フェノキシ)−エチル]−メタンスルホニル−アミノ}−ヘプタン酸、
5−(3−{[3−クロロ−フェニル)−プロピル]−メタンスルホニル−アミノ}−プロピル)−チオフェン−2−カルボン酸、
トランス−[3−({[3−(3,5−ジクロロ−フェニル)−アリル]−メタンスルホニル−アミノ}−メチル)−フェニル]−酢酸、または
N−[2−(3,5−ジクロロ−フェノキシ)−エチル]−N−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−メタンスルホンアミド
である、請求項2記載の方法。
【請求項13】
二次的骨粗鬆症を治療する、請求項2記載の方法。
【請求項14】
糖質コルチコイドにより誘発される骨粗鬆症、甲状腺亢進症により誘発される骨粗鬆症、不動化により誘発される骨粗鬆症、ヘパリンにより誘発される骨粗鬆症、または免疫抑制薬により誘発される骨粗鬆症を治療する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
骨折に罹っている哺乳動物に、治療上有効量の選択性のEP2受容体サブタイプアゴニストを投与することにより、EP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって哺乳動物における骨折を治療するための方法。
【請求項16】
EP2選択性アゴニストを骨折の部位に局所的に施用する、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記哺乳動物がヒトである、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記EP2アゴニストが、EP1受容体サブタイプ、EP3受容体サブタイプ、およびEP4受容体サブタイプより、EP2受容体サブタイプに対して少なくとも10倍の選択性を有する、請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記EP2アゴニストが、EP1受容体サブタイプ、EP3受容体サブタイプ、およびEP4受容体サブタイプより、EP2受容体サブタイプに対して少なくとも100倍の選択性を有する、請求項15記載の方法。
【請求項20】
約0.01〜10mg/kg/日のEP2アゴニストを投与する、請求項15記載の方法。
【請求項21】
治療上有効量の選択性のEP2受容体サブタイプアゴニストを哺乳動物に投与することにより、EP2受容体サブタイプを選択的に作動することによって、哺乳動物における、顔面再構成、上顎骨再構成もしくは下顎骨再構成後の骨治癒を増進させるための、長骨の伸長を増進させるための、骨接合の治癒速度を増進させるための、補綴内方成長を増進させるための、あるいは椎骨の癒合を促すための方法。

【公開番号】特開2006−290895(P2006−290895A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141297(P2006−141297)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【分割の表示】特願平10−528575の分割
【原出願日】平成9年11月27日(1997.11.27)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】