説明

ERβ−選択性物質のプロドラッグ、それらを製造する方法およびこれらの化合物を含んでなる医薬組成物

本発明は、基Zがステロイドに結合されている一般式 (I):
の9α-置換エストラトリエンのプロドラッグ、それらを製造する方法、これらの化合物を含んでなる医薬組成物およびそれらの使用を利用可能とする。
本発明による一般式 (I) の化合物はエストロゲンレセプターαおよび/またはβに結合しない。それらはカルボアンヒドラーゼに結合し、そしてこれらの酵素を阻害する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式 (I):
【化1】

【0002】
のERβ-選択性物質のプロドラッグ、それらを製造する方法、これらの化合物を含んでなる医薬組成物および薬剤を製造するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
エストロゲンは両方の性における体において重要な役割を演ずる。成熟する体において、エストロゲンは性の特性の付与に関係する。両方の性において、エストロゲンは青春期間の体における変化、例えば、突然の生長増加および引き続く骨の生長の終了を制御する。生命のすべての期において、両方の性における骨の代謝においてエストロゲンは中心的役割を演ずる (1、4)。エストロゲンの喪失は骨の組織の崩壊に導き、そして骨のもろさの増加の危険性を含む。
【0004】
女性において、卵巣から分泌されるエストロゲンは体において優位を占める。妊娠において、胎盤は大量のエストロゲンを生成する。男性において、エストロゲンはテストステロンの芳香化または種々の末端器官、例えば、CNS、骨または腸管上皮における副腎アンドロゲンの芳香化により、主として 「末梢的に」 生成される。この調節は、血液中の非常に低いエストラジオールレベルにおいて、男性におけるエストロゲンの生理学的作用を可能とする。アロマターゼまたはエストロゲンレセプターの遺伝的欠陥を有する男性および女性において、骨は生長および維持に関して量的に混乱される (2)。
【0005】
天然エストロゲンについて経口投与 (10) はそれらの経口生物学的利用能が低いために問題となるが、生物学的利用能が改良された普通の化学的に変性されたエストロゲン (例えば、エチニルエストラジオール) は、肝臓において顕著に増加したエストロゲン作用を引き起こすという利点をしばしば有する (3、9、10)。この肝臓のエストロゲン性は、多数の機能、例えば、輸送タンパク質、脂質代謝、血圧の調節および凝固因子に関係する (5、7、11、12、14)。筋系および骨の維持のために特に重要であるIGF-Iの分泌 (8) は、また、エストロゲンの肝臓的作用により悪影響を受ける (12、13、6)。
【0006】
WO 01/77139には、新規な8β-置換エストラトリエンが記載されており、ここで8β置換基は直鎖状または分枝鎖状の、必要に応じて部分的または完全にハロゲン化された5個までの炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル、エチニルまたはプロピン-1-イル基であることができ、これらは薬学的に活性な化合物としてラットの子宮のエストロゲンレセプター調製物に対してよりもラットの前立腺のエストロゲンレセプター調製物に対してより高いin vitroアフィニティーを示し、そして子宮に比較して骨に対して優先的な作用をin vivoにおいて示し、および/または5HT2aレセプターおよびトランスポーターの発現の刺激に関して顕著な作用をin vivoにおいて示す。好ましくは、これらの化合物はエストロゲン欠乏により引き起こされる疾患の治療に使用することができる。
【0007】
WO 03/104253には、新規な9α-置換エストラトリエンが記載されており、これらは直鎖状または分枝鎖状の、必要に応じて部分的または完全にハロゲン化された6個までの炭素原子を有するアルケニル、エチニルまたはプロピン-1-イル基を位置9αに有し、同様にラットの子宮のエストロゲンレセプター調製物に対してよりもラットの前立腺のエストロゲンレセプター調製物に対してより高いin vitroアフィニティーを示し、そしてin vivoにおいて子宮に比較して卵巣に対して優先的な作用を好ましくは示す。好ましくは、これらの化合物はエストロゲン欠乏により引き起こされる疾患の治療に使用することができる。
【0008】
WO 01/91797から、基-SO2NR1R2を介して赤血球に結合しかつそこに蓄積するステロイド化合物が知られている。赤血球と血漿との間の化合物の濃度比は10〜1000:1、優先的には30〜1000:1であり、こうして我々は赤血球中の貯蔵所の形成と言うことができる。赤血球に対する化合物の結合は強いために、肝臓の通過が回避される。不都合なことには、示した投与量を使用するとき代謝が減少するにもかかわらず、療法に関係する活性化合物のレベルは記載されていない。
【発明の開示】
【0009】
したがって、本発明の目的は、ERβ-選択性化合物を経口投与により生物学的に利用可能とする、ERβ-選択性化合物のプロドラッグを利用可能とすることである。
この目的は、解放すべきステロイドに基Zが結合している、一般式 (I) の9α-置換エストラトリエンのスルファモイル化合物およびそれらの薬学上許容される塩により達成される:
【0010】
【化2】

【0011】
式中、
nは数0〜4であり、
R1は基-SO2NH2または-NHSO2NH2であり、ここでR2、R3およびX、X1は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5アルキル基、CpF2p+1基 (p = 1〜3)、基OC(O)-R20、COOR20、OR20、C(O)NHR20またはOC(O)NH-R21であり、ここでR20およびR21はC1-5アルキル基、C3-8シクロアルキル基、アリール基、C1-4アルキレンアリール基、C1-4アルキレン- C3-8シクロアルキル基またはC3-8シクロアルキレン-C1-4アルキル基であり、そしてR20はその上水素であることができるか、あるいは
【0012】
R2は基-SO2NH2または-NHSO2NH2であり、ここでR1、R3およびX、X1は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5アルキル基、CpF2p+1基 (p = 1〜3)、基OC(O)-R20、COOR20、OR20、C(O)NHR20またはOC(O)NH-R21であり、ここでR20およびR21はC1-5アルキル基、C3-8シクロアルキル基、アリール基、C1-4アルキレンアリール基、C1-4アルキレン- C3-8シクロアルキル基またはC3-8シクロアルキレン-C1-4アルキル基であり、そしてR20はその上水素であることができるか、あるいは
【0013】
R3は基-SO2NH2または-NHSO2NH2であり、ここでR1、R2およびX、X1は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5アルキル基、CpF2p+1基 (p = 1〜3)、基OC(O)-R20、COOR20、OR20、C(O)NHR20またはOC(O)NH-R21であり、ここでR20およびR21はC1-5アルキル基、C3-8シクロアルキル基、アリール基、C1-4アルキレンアリール基、C1-4アルキレン- C3-8シクロアルキル基またはC3-8シクロアルキレン-C1-4アルキル基であり、そしてR20はその上水素であることができ、そして
【0014】
STEROIDは式 (A) のステロイドのABCD環系であり:
【化3】

【0015】
式中、
基R7、R9、R16およびR17は下記の意味を有する:
R3はZであり、そして
R16はOH基、トリ(C1-4アルキル)シリルオキシ基または基OC(O)-R20であるか、あるいは
R3はOH、OMe、トリ(C1-4アルキル)シリルオキシ基、基OC(O)-R20であり、そして
R16はZであり、そして
R7は水素原子またはフッ素原子、メチル基またはエチル基であり、
R9は分枝鎖状または直鎖状の、必要に応じて部分的または完全にハロゲン化された3個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニルまたはアルキニル基であり、
【0016】
R17は水素原子またはハロゲン原子であり、
ここで置換基R7、R16およびR17は各場合において両方共α-位置またはβ-位置に存在することができる。
さらに、本発明は、薬学的に活性な化合物として新規な化合物、それらの製造方法、それらの療法的用途および新規な物質を含有する薬理学的投与形態に関する。
本発明は、エストロゲンレセプターそれら自体に結合することができず、そして含有される親エストロゲンがそれから体中に解放されるエストロゲン誘導体、それらの製造方法およびこれらの化合物を含んでなる医薬組成物に関する。
【0017】
本発明による化合物は、エステル基Zの加水分解後にERβ-選択性エストロゲン (親エストロゲン) を解放するプロドラッグである。
ERαに対する作用が絶対的にかつ比較的強く減衰した結果、子宮、乳腺および肝臓に対する古典的エストロゲン療法の望ましくないエストロゲン作用は、非解離エストロゲンに典型的であるように、回避される。本発明による化合物は、特に中枢神経系、循環系および骨において、ERβにより仲介される場合、療法的に好適なエストロゲン活性を有する。
【0018】
本発明による物質は、経口的療法のために使用されることが好ましい。それらの親エストロゲンに比較して、本発明による化合物は顕著に増加した経口的生物学的利用能および増加した全身的エストロゲン性を有するが、概して肝臓的エストロゲン性が減少している。必要なホルモン作用と不必要なホルモン作用とが分離した結果、先行技術に比較して療法的にいっそう効能があると同時により許容可能である薬剤が可能となる。
【0019】
本発明による物質は体中で酵素的または加水分解的に切断され、例えば、エストラジオール3-スルファメートの切断のために、ステロイドスルファターゼ (STS) は不必要である。こうして、エストラジオール3-スルファメートに典型的なステロイドスルファターゼの阻害を回避し、かつヒトにおけるエストロゲンスルファメートに典型的である、強いエストロゲン作用を達成するための欠点をまた回避することができる。天然エストロゲン (エストラジオール、エストロゲンバレレート、硫酸エストロゲン、複合エストロゲン) を使用する経口的療法の場合において、またエストロゲンスルファメートを使用する経口的療法の場合において、高いレベルのエストロンが血液中で優位を占める (10)。このサイクル以外において、血液中のエストラジオール濃度はエストロン濃度よりも低い。したがって、エストロンはエストラジオールよりも活性がいっそう弱いエストロゲンであるので、これは不都合である。
【0020】
先行技術における物質に比較して本発明による物質の利点は、不活性エストロゲン誘導体、例えば、9α-エチルエストラ-3,16α-ジオール、9α-メチルエストラ-3,16α-ジオール9α-ビニルエストラ-3,16α-ジオールおよび9α-ジフルオロビニルエストラ-3,16α-ジオールおよびそれらの17β-フッ素化アナローグの代わりに、それぞれの親エストロゲンの解放が好ましいことである。
【0021】
本発明による一般式 (I) の化合物またはそれらの薬学上許容される塩は、製剤中において個々の成分としてまたは組合わせで、特に抗エストロゲンまたはゲスタゲンと組合わせて使用できる。ERβ-選択性抗エストロゲンとの組合わせ、または末梢的に選択的に活性である、すなわち、血液脳関門を横切らない抗エストロゲンとの組合わせは特に好ましい。
【0022】
閉経付近(perimenopausal) および閉経後の症状の選択的エストロゲン療法のための、エストロゲンと、同時に、順次にまたは別々に使用する純粋な抗エストロゲンとを含んでなる医薬生成物は、EP-A 0 346 014に既に記載されている。
【0023】
前記物質およびそれらを含んでなる医薬は、閉経付近および閉経後の病訴、特に顔面紅潮、睡眠障害、過敏、気分変動、尿失禁、膣萎縮、ホルモン欠乏に関係する情動混乱の治療に特に適する。同様に、前記物質はホルモン置換に適し、そして外科的、薬剤的にまたは他の方法で引き起こされる卵巣機能障害の場合におけるホルモン欠乏に関係する病訴の療法に適する。また、これは、閉経後の女性およびアンドロポーズの (andropausal) 男性、子宮摘出した女性またはLHRHアンタゴニストまたはアゴニストで治療された女性における骨量の喪失の予防を包含する。
【0024】
ERβ-選択性アゴニストの本発明によるプロドラッグは、エストロゲンの欠如を回避するためにまたはその作用を減少するために、前立腺過形成の治療に、単独でまたは抗エストロゲン、アロマターゼインヒビターまたは選択的エストロゲンレセプターモジューレーター (SERM) と組合わせて使用することができる。
使用する抗エストロゲンは、好ましくは7α-[9-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル)スルフィニル]ノニル]エストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール (フルベストラント) である。
【0025】
使用すべき考えられるアロマターゼは次の通りである: アナストロゾール、アタメスタン、ファドロゾール、ホルメスタンおよびレトロゾール。
考えられるSERMは下記のグループから選択される化合物である:ラロキシフェン、タモキシフェンまたは5-(4-{5-[(RS)-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル)スルフィニル]ペンチル}フェニル)-6-フェニル-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプテン-2-オール (WO 00/03979)。
【0026】
また、前記化合物は、アンドロポーズおよび閉経期の症状の軽減、すなわち、男性および女性のホルモン置換療法 (HRT)、すなわち、予防および治療の両方に適し、さらに月経困難症を伴う症状の治療およびアクネの治療に適する。
その上、前記物質は、ホルモン欠乏に関係する骨量の喪失およびオステオポローシスの予防、心臓血管の疾患、特に血管の疾患、例えばアテローム性動脈硬化症の予防、動脈の平滑筋細胞の増殖の抑制、および一次性肺高血圧症の治療に使用することができる。
【0027】
さらに、前記物質は炎症性疾患および免疫系の疾患、特に自己免疫性疾患、例えば、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病または子宮内膜症の治療に使用することができる。
前記化合物は、特にエストロゲン欠乏に導く治療後、例えばアロマターゼインヒビターまたはGnRHアンタゴニストまたはアゴニストを使用する処置後における関節の症状の治療に使用することができる。
【0028】
その上、前記化合物は雄の受精能および前立腺疾患の治療に使用することができる。本発明による化合物は前立腺癌のエストロゲン治療に適する。
また、化合物は、天然ビタミンD3または骨形成のためのカルシトリオール類似体と組合わせて、あるいは骨量の喪失を引き起こす療法 (例えば、グルココルチコイド、アロマターゼインヒビター、GnRHアゴニストまたはアンタゴニストを使用する療法、または化学療法) のための支持的療法として使用することができる。
【0029】
最後に、一般式 (I) の化合物は、プロゲステロンレセプターモジューレーター、例えばメソプロゲスチン、例えばアソプリスニルと組合わせて、すなわち特にホルモン置換療法および婦人科の障害の治療に使用することができる。
その上、一般式 (I) に記載する本発明による化合物は、例えば、化学療法により引き起こされる脱毛症の治療に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
「C1-5アルキル基」 は、本発明の意味において分枝鎖状または直鎖状の5までの炭素原子を有するアルキル基であるとして理解され、アルキル基は、例えば、ハロゲン、例えばフッ素、塩素または臭素、OHまたはCNで置換されることができる。列挙することができる例は、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、tert-ブチルまたはn-ペンチルである。
【0031】
前述の 「C3-8シクロアルキル基」 は、本発明よれば、一環または二環の基であり、これは、例えば、ハロゲン、例えばフッ素、塩素または臭素、OHまたはCNで置換されることができ、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはヒドロキシシクロヘキシル基である。
用語 「アリール基」 は、本発明の意味において置換または非置換の6〜15個の炭素原子を有するアリール基であるとして理解され、例えば、フェニル基、置換フェニル基、例えばハロフェニル基またはニトロフェニル基、またはナフチル基である。
【0032】
用語 「C1-4アルキレンアリール基」 は、本発明の意味において少なくとも1つのアリール基により置換された2置換アルキル基であるとして理解される。両方の基は一緒に7〜15個の炭素原子を有し、ここでアリール基はさらに構成成分、例えばハロゲン原子を担持することができる。例はベンジル基またはハロベンジル基である。
【0033】
用語 「C1-4アルキレン-C3-8シクロアルキル基」 は、本発明の意味において少なくとも1つのC3-8シクロアルキル基により置換された2置換アルキル基であるとして理解される。両方の基は一緒に4〜12個の炭素原子を有し、ここでシクロアルキル基はさらに置換基、例えば、ハロゲン原子を担持することができる。例はシクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチルまたはシクロヘキシルエチル基である。
【0034】
用語 「C3-8シクロアルキレン- C1-4アルキル基」 は、本発明の意味において少なくとも1つのC1-4アルキル基により置換された2置換C3-8シクロアルキレン基であるとして理解される。両方の基は一緒に4〜12個の炭素原子を有し、ここでこの基はさらに置換基、例えば、ハロゲン原子を担持することができる。例はプロピルシクロヘキシルまたはブチルシクロヘキシル基である。
【0035】
トリアルキルシリルオキシ基は、例えば、トリメチルシリルオキシまたはt-ブチルジメチルシリルオキシ基である。
用語 「ハロゲン原子」 は、本発明の意味においてフッ素、塩素、臭素またはヨウ素であるとして理解される。フッ素、塩素および臭素は好ましい。
数 「n」 は好ましくは0、1または2である。
【0036】
R1は好ましくは基-SO2NH2であり、ここでR2、R3、X1およびXは互いに独立して好ましくはH、FまたはCl原子、OH基またはメトキシ基である。
R2は好ましくは基-SO2NH2であり、ここでR1、R3、X1およびXは互いに独立して好ましくはH、FまたはCl原子、OH基またはメトキシ基である。
R3は好ましくは基-SO2NH2であり、ここでR1、R2、X1およびXは互いに独立して好ましくはH、FまたはCl原子、OH基またはメトキシ基である。
【0037】
R1は好ましくはH原子である。
R7は水素またはフッ素原子またはメチル基である。
R9は好ましくはメチル、エチル、ビニルまたはジフルオロビニル、エチニルまたはプロプ-1-イニルである。
エチル、ビニルまたはジフルオロビニルはR9のために特に好ましい。
R3は好ましくはOH、OMe、トリメチルシリルオキシまたはt-ブチルジメチルシリルオキシ基、ベンゾエート、バレレート、ブトシクレートまたはシクロペンチルプロピオネート基である。
【0038】
本発明の意味において特に好ましい化合物を下に列挙する:
1) 3-ヒドロキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
2) 3-ヒドロキシ-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
3) 3-ヒドロキシ-7α-メチル-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
4) 3-ヒドロキシ-7α-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
5) 3-アセトキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
【0039】
6) 3-アセトキシ-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
7) 3-アセトキシ-7α-メチル-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
8) 3-アセトキシ-7α-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
9) 3-ヒドロキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
10) 3-ヒドロキシ-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
【0040】
11) 3-ヒドロキシ-7α-メチル-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
12) 3-ヒドロキシ-7α-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
13) 3-アセトキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
14) 3-アセトキシ-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
15) 3-アセトキシ-7α-メチル-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
【0041】
16) 3-アセトキシ-7α-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
17) 3-ヒドロキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート、
18) 3-ヒドロキシ-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート、
19) 3-ヒドロキシ-7α-メチル-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート、
20) 3-ヒドロキシ-7α-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート、
【0042】
21) 3-アセトキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート、
22) 3-アセトキシ-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート、
23) 3-アセトキシ-7α-メチル-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート、
24) 3-アセトキシ-7α-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート。
【0043】
in vitro実験
a) 血液-血漿濃度比 - 試験原理および実験の説明:
本発明による物質のSO2-NH2基は、カルボアンヒドラーゼに対する結合の結果として、赤血球中のある濃度に導くことができる。
【0044】
試験原理:
ラットから新しく得られたヘパリン添加血液を、規定量の活性化合物で処理する。それから得られる血漿中の活性化合物濃度を、スパイクド (既知の活性化合物濃度で) 血漿の検量線に対して測定する。測定した濃度および理論濃度から、血液-血漿比を計算する。
【0045】
WO 01/91797に発表された結果と対照的に、赤血球と血漿との間の本発明による化合物の濃度比は10〜1000:1の範囲ではなく、<10:1の範囲である。化合物17β-フルオロ-3-ヒドロキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエートは、ラットの赤血球においてほぼ3.7およびヒトの赤血球において1.2の血液/血漿比で蓄積する。
【0046】
b) カルボアンヒドラーゼの阻害 - 試験原理および実験の説明:
無色から黄色への色変化を伴う酢酸ニトロフェニルの酵素的転化の助けによる、マイクロタイタープレート上のスルホンアミドまたはスルファメートによるヒトカルボアンヒドラーゼIまたはIIの阻害の測光的決定。
【表1】

【0047】
低い血液-血漿濃度比にかかわらず、すべての場合において2つのイソ酵素カルボアンヒドラーゼCA IおよびCA IIに対する結合 (阻害) を赤血球において示すことができる。カルボアンヒドラーゼに対するアフィニティーにより誘導される赤血球に対する結合は、エストロゲンとしての性質に対して重要性を有する。最初の肝臓通過において経口的に投与された物質の抽出を減少するために、この結合は必須である。赤血球のカルボアンヒドラーゼに対する高いまたは低いアフィニティー、この貯蔵所からのいっそう急速なまたは遅延した解放および引き続く加水分解は、本発明による物質の療法的使用可能性を決定する。こうして、本発明による化合物は、等モル物質投与に対して、より高い短い持続性またはいっそう均一な低いおよびより長い持続性のホルモンレベルを達成する可能性を開く。こうして、効力および作用期間は変化し、そして生物に対して調整された療法は可能となる。
【0048】
in vivo実験
静脈内/経口的薬物速度論
薬物速度論的性質およびパラメーターを研究するために、ラットに静脈内および経口的に投与し、そして血液試料を種々の投与時点において測定のために採取した。
【0049】
試験原理:
物質が示す時間プロファイルにより、そして適当な薬理学的ソフトウェアの助けにより、種々の薬物速度論的パラメーターを決定することができる。血清または血漿の試料中の被検物質の濃度を、HPLC-UVまたはLCMS/MSにより決定した。
物質の回収/時点により、生物中の活性化合物の分解を示すことができる。分解速度は個々の薬物速度論的パラメーターの計算に役立つ。
【0050】
ラットに対する静脈内/経口的速度論の研究において、プロドラッグ17β-フルオロ-3-ヒドロキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエートからの解放後、17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,16α-ジオールの生物学的利用率は17%であることが示された。 「親エストロゲン」 17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,16α-ジオールの投与後、わずかに6%の検出が可能であった。
【0051】
これらの試験結果により、本発明による一般式 (I) の化合物は男性および女性のためのホルモン置換療法 (HRT) およびホルモンに関係する疾患において使用できることが明らかである。
したがって、また、本発明は、少なくとも1種の一般式 (I) の化合物と、必要に応じて薬学上許容される賦形剤および担体とを含んでなる医薬組成物に関する。
【0052】
それらの親エストロゲンに比較して、本発明による物質は薬力学的および薬物速度論的に改良された性質を有し、これらは解放されたエストロゲンの肝臓抽出の減少およびいっそう均一なより長く持続する血液レベルに基づく。
【0053】
投与量
本発明に従い使用するために、一般式 (I) のERβ-選択性化合物は経口的に投与される。
閉経付近および閉経後の症状、ホルモン欠乏に関係する症状、婦人科の障害、例えば卵巣機能障害および子宮内膜症、男性および女性の受精能障害、ホルモンに関係する腫瘍症の治療に対して、および男性および女性のホルモン置換療法に使用するために適当な本発明による化合物の投与量は、適応症、患者の年齢および体質に依存して、5μg〜2000 mg/日であり、ここで必要な1日量は単一のまたは反復したデリバリーにより投与することができる。
【0054】
婦人科の障害、例えば卵巣機能障害および子宮内膜症のために0.5〜100 mgの投与量、男性および女性の受精障害の治療のために5μg〜50 mg、ホルモンに関係する腫瘍症のために、5〜500 mgおよび男性または女性のホルモン置換療法のために、5μg〜100 mgが可能である。
通例の賦形剤および/または希釈剤に加えて、医薬組成物は少なくとも1種の一般式 (I) の化合物を含んでなる。また、本発明による物質はゲスタゲン、抗ゲスタゲンまたはメソプロゲスチンと組合わせて療法的に使用できる。好ましくは、本発明による物質は製剤中の活性化合物として個々に投与される。
【0055】
本発明の薬剤は、既知の方法において適当な投与量で通例の固体または液体の賦形剤または希釈剤および通例使用される薬学上の賦形剤を必要な投与形態に従い使用して調製される。好ましい製剤は経口投与に適する投与形態から成る。このような投与形態は、例えば、錠剤、薄膜被覆錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、丸剤、粉剤、溶液または懸濁液または選択的にデポー剤の形態である。
【0056】
適当な錠剤は、例えば、活性化合物を既知の賦形剤、例えば不活性希釈剤、例えばデキシトロース、糖、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン、崩壊剤、例えばトウモロコシ澱粉またはアルギン酸、結合剤、例えば澱粉またはゼラチン、滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムまたはタルクおよび/または貯蔵作用を達成する物質、例えばカルボキシポリエチレン、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースまたはポリ酢酸ビニルと混合することによって製造することができる。また、錠剤は多数の層から成ることができる。
【0057】
相応して、被覆錠剤は、被覆錠剤の被膜に通常使用される物質、例えばポリビニルピロリドンまたはシェラック、アラビアゴム、タルク、酸化チタンまたは糖を使用して、錠剤と同様に製造されたコアを被覆することによって製造することができる。ここで、被覆された錠剤の外殻は、また、多数の層から成ることができ、ここで錠剤の場合において前述の賦形剤を使用できる。
【0058】
本発明による一般式 (I) の化合物を使用する溶液または懸濁液は、味覚増強剤、例えばサッカリン、シクラメートまたは糖およびまた、例えば、香味剤、例えばバニリンまたはオレンジ抽出物をさらに含むことができる。その上、それらは懸濁賦形剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロースまたは保存剤、例えばp-ヒドロキシベンゾエートを含むことができる。
【0059】
一般式 (I) の化合物を含んでなるカプセル剤は、例えば、少なくとも1種の一般式 (I) の化合物を不活性担体、例えばラクトースまたはソルビトールと混合し、それらをゼラチンカプセル中に封入することによって製造することができる。
【実施例】
【0060】
下記の実施例により本発明を例示するが、これらの実施例により本発明は限定されない。
実施例13-ヒドロキシ-9-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート
段階1
3,16α-ビス(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン
1.0 g (3.35ミリモル) の9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,16α-ジオールおよび2.1 g (13.4ミリモル) のtert-ブチルジメチルクロロシランを最初に25 mlのジメチルホルムアミドに導入し、室温において攪拌しながら1.8 g (26.8ミリモル) のイミダゾールで少しずつ処理する。約30分後、白色懸濁液が得られる。この反応溶液を激しく攪拌しながら氷水中に注ぐ。沈殿した生成物を吸引濾過し、水で洗浄し、乾燥する。1.62 g (理論値の92%) の3,16α-ビス(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエンが得られる。
【0061】
段階2
3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-オール
0.8 g (1.52ミリモル) の3,16α-ビス(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエンを最初に40 mlの無水エタノール中に導入し、室温において攪拌しかつ湿気を排除しながら1.0 ml (8.0ミリモル) の三フッ化ホウ素エーテレートで処理する。約60分後、炭酸水素ナトリウム溶液の添加により反応を停止させる。エタノールを反応混合物から蒸留除去し、反応生成物を酢酸エチルで抽出する。シリカゲル60のカラムクロマトグラフィーにより3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-オールを精製し、単離する。0.59 g (理論値の94%) が得られる。
【0062】
段階3
3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート
0.3 g (0.73ミリモル) の3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-オールを、2 mlのピリジンおよび2 mlの塩化メチレン中に溶解する。0.3 ml (2ミリモル) の3-クロロスルホニルベンゾイルクロライドを-20℃において攪拌しながら反応混合物に添加する。引き続いて、この混合物を温室に加温し、15分間攪拌する。25 mlの濃アンモニア溶液を反応溶液に添加し、それを15分間強く攪拌する。10%強度の塩酸で、pHを5に調節する。有機溶媒を最大の可能な程度に蒸留除去する。沈殿した物質を吸引濾過し、水で洗浄する。420 mgの3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエートが粗生成物として得られる。
【0063】
段階4
3-ヒドロキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート
420 mgの段階3からの粗生成物を10 mlのテトラヒドロフラン中に溶解する。420 mg (1.3ミリモル) のテトラ-n-ブチルアンモニウムフルオライド3水和物を室温において攪拌しながら添加する。1時間後、40 mlの水を攪拌しながら入れ、テトラヒドロフランを蒸留除去し、反応生成物を酢酸エチルで抽出する。酢酸エチルを蒸留除去して反応生成物を単離した後、粗生成物をシリカゲル60のクロマトグラフィーにより精製する。295 mgの3-ヒドロキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート (3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-オールに基づいて理論値の84%) が得られる。
【0064】
1H NMR (400 MHz、DMSO-d6、TMS):
9.00 (s、3-OH); 8.39 (s、1H); 8.16 (m、1H); 8.08 (m、1H); 7.73 (m、1H); 7.55 (s、2H、NH2); 7.00 (d、J = 8.6 Hz、H-1); 6.53 (dd、J = 8.6/2.7 Hz、H-2); 6.43 (d、J = 2.7 Hz、H-4); 6.28 (dd、J = 17.2/10.5 Hz、-CH=CH2); 5.44 (m、1H、H-16β); 5.02 (dd、J = 10.5/1.9 Hz、-CH=CH2); 4.48 (dd、J = 17.2/1.9 Hz、-CH=CH2); 0.82 (s、3H、H-18)。
【0065】
実施例23-ヒドロキシ-17β-フルオロ-9-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-イル3’-スルファモイルベンゾエート
段階1
3,16α-ビス(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン
1.0 g (3.16ミリモル) の9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,16α-ジオールおよび2.1 g (13.4ミリモル) のtert-ブチルジメチルクロロシランを最初に25 mlのジメチルホルムアミドに導入し、室温において攪拌しながら1.8 g (26.8ミリモル) のイミダゾールで少しずつ処理する。約30分後、白色懸濁液が得られる。この反応溶液を激しく攪拌しながら氷水中に注ぐ。沈殿した生成物を吸引濾過し、水で洗浄し、乾燥する。1.53 g (理論値の87%) の3,16α-ビス(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエンが得られる。
【0066】
段階2
3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-オール
1.53 g (2.81ミリモル) の3,16α-ビス(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエンを最初に40 mlの無水エタノール中に導入し、室温において攪拌しかつ湿気を排除しながら1.8 ml (14.8ミリモル) の三フッ化ホウ素エーテレートで処理する。約60分後、炭酸水素ナトリウム溶液の添加により反応を停止させる。エタノールを反応混合物から蒸留除去し、反応生成物を酢酸エチルで抽出する。シリカゲル60のカラムクロマトグラフィーにより3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-オールを精製し、溶離液の蒸留除去により単離する。1.21 g (理論値の91%) が得られる。
【0067】
段階3
3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート
1.21 g (2.81ミリモル) の3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-オールを、8 mlのピリジンおよび8 mlの塩化メチレン中に溶解する。1.2 ml (0.8ミリモル) の3-クロロスルホニルベンゾイルクロライドを-20℃において攪拌しながら反応混合物に添加する。引き続いて、この混合物を温室に加温し、15分間攪拌する。25 mlの濃アンモニア溶液を反応溶液に添加し、それを15分間強く攪拌する。10%強度の塩酸で、pHを5に調節する。有機溶媒を最大の可能な程度に蒸留除去する。分離後、沈殿した物質を水で洗浄する。1.62 gの3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエートが油状粗生成物として得られる。
【0068】
段階4
3-ヒドロキシ-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート
1.62 gの段階3からの粗生成物を30 mlのテトラヒドロフラン中に溶解する。1.62 g (5.0ミリモル) のテトラ-n-ブチルアンモニウムフルオライド3水和物を室温において攪拌しながら添加する。1時間後、40 mlの水を攪拌しながら入れ、テトラヒドロフランを蒸留除去し、反応生成物を酢酸エチルで抽出する。酢酸エチルを蒸留除去して反応生成物を単離した後、粗生成物をシリカゲル60のクロマトグラフィーにより精製する。1.14 gの3-ヒドロキシ-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17α-イル3’-スルファモイルベンゾエート (3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-17β-オールに基づいて理論値の81%) が得られる。
【0069】
1H NMR (400 MHz、DMSO-d6、TMS):
9.07 (s、3-OH); 8.42 (s、1H); 8.22 (d、J = 7.8 Hz、1H); 8.09 (d、J = 7.8 Hz、1H); 7.76 (t、J = 7.8 Hz、1H); 7.56 (s、2H、NH2); 7.00 (d、J = 8.6 Hz、H-1); 6.52 (dd、J = 8.6/2.7 Hz、H-2); 6.42 (d、J = 2.4 Hz、H-1); 6.29 (dd、J = 17.2/10.7 Hz、-CH=CH2); 5.39 (m、1H、H-16β); 5.03 (dd、J = 10.7/1.9 Hz、-CH=CH2); 4.95 (dd、J = 54.3/5.1 Hz、H-17α); 4.45 (dd、J = 17.2/1.9 Hz、-CH=CH2); 0.92 (d、J = 1.0 Hz、3H、H-18)。
【0070】
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【0074】
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式 (I) の9α-置換エストラトリエンのスルファモイル化合物およびそれらの薬学上許容される塩:
【化1】

式中、
nは数0〜4であり、
R1は基-SO2NH2または-NHSO2NH2であり、ここでR2、R3およびX、X1は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5アルキル基、CpF2p+1基 (p = 1〜3)、基OC(O)-R20、COOR20、OR20、C(O)NHR20またはOC(O)NH-R21であり、ここでR20およびR21はC1-5アルキル基、C3-8シクロアルキル基、アリール基、C1-4アルキレンアリール基、C1-4アルキレン- C3-8シクロアルキル基またはC3-8シクロアルキレン-C1-4アルキル基であり、そしてR20はその上水素であることができるか、あるいは
R2は基-SO2NH2または-NHSO2NH2であり、ここでR1、R3およびX、X1は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5アルキル基、CpF2p+1基 (p = 1〜3)、基OC(O)-R20、COOR20、OR20、C(O)NHR20またはOC(O)NH-R21であり、ここでR20およびR21はC1-5アルキル基、C3-8シクロアルキル基、アリール基、C1-4アルキレンアリール基、C1-4アルキレン- C3-8シクロアルキル基またはC3-8シクロアルキレン-C1-4アルキル基であり、そしてR20はその上水素であることができるか、あるいは
R3は基-SO2NH2または-NHSO2NH2であり、ここでR1、R2およびX、X1は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、ニトロ基、C1-5アルキル基、CpF2p+1基 (p = 1〜3)、基OC(O)-R20、COOR20、OR20、C(O)NHR20またはOC(O)NH-R21であり、ここでR20およびR21はC1-5アルキル基、C3-8シクロアルキル基、アリール基、C1-4アルキレンアリール基、C1-4アルキレン- C3-8シクロアルキル基またはC3-8シクロアルキレン-C1-4アルキル基であり、そしてR20はその上水素であることができ、そして
STEROIDは式 (A) のステロイドのABCD環系であり:
【化2】

式中、
基R7、R9、R16およびR17は下記の意味を有する:
R3はZであり、そして
R16はOH基、トリ(C1-4アルキル)シリルオキシ基または基OC(O)-R20であるか、あるいは
R3はOH、OMe、トリ(C1-4アルキル)シリルオキシ基、基OC(O)-R20であり、そして
R16はZであり、そして
R7は水素原子またはフッ素原子、メチル基またはエチル基であり、
R9は分枝鎖状または直鎖状の、必要に応じて部分的または完全にハロゲン化された3個までの炭素原子を有するアルキル、アルケニルまたはアルキニル基であり、
R17は水素原子またはハロゲン原子であり、
ここで置換基R7、R16およびR17は各場合において両方共α-位置またはβ-位置に存在することができる。
【請求項2】
nが0、1または2であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
各場合において1つの基R1、R2またはR3が基-SO2NH2であることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
R1が基-SO2NH2または-NHSO2NH2であることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
R1が基-SO2NH2であることを特徴とする、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
基R1、R2、R3の1つが基-SO2NH2または-NHSO2NH2ではない場合、R1、R2、R3およびXおよびX1の他の2つの基が各場合において互いに独立して水素、フッ素または塩素原子、またはヒドロキシルまたはメトキシ基であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
R6がメチル、エチル、ビニルまたはジフルオロビニル基であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
下記の化合物であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の化合物:
1) 3-ヒドロキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
2) 3-ヒドロキシ-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
3) 3-ヒドロキシ-7α-メチル-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
4) 3-ヒドロキシ-7α-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
5) 3-アセトキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
6) 3-アセトキシ-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
7) 3-アセトキシ-7α-メチル-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
8) 3-アセトキシ-7α-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル3’-スルファモイルベンゾエート、
9) 3-ヒドロキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
10) 3-ヒドロキシ-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
11) 3-ヒドロキシ-7α-メチル-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
12) 3-ヒドロキシ-7α-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
13) 3-アセトキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
14) 3-アセトキシ-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
15) 3-アセトキシ-7α-メチル-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
16) 3-アセトキシ-7α-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル2’-クロロ-5’-スルファモイルベンゾエート、
17) 3-ヒドロキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート、
18) 3-ヒドロキシ-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート、
19) 3-ヒドロキシ-7α-メチル-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート、
20) 3-ヒドロキシ-7α-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート、
21) 3-アセトキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート、
22) 3-アセトキシ-17β-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート、
23) 3-アセトキシ-7α-メチル-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート、
24) 3-アセトキシ-7α-フルオロ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16α-イル4’-スルファモイルベンゾエート。
【請求項9】
少なくとも1種の請求項1〜8のいずれかに記載の化合物と、薬学上許容可能な担体とを含んでなる医薬組成物。
【請求項10】
少なくとも1種のそれ以上のステロイド化合物が存在することを特徴とする、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
それ以上のステロイド化合物がゲスタゲン、抗ゲスタゲンまたはメソプロゲスチンであることを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
ゲスタゲンがドロスピレノン、ジエノジェスト、ノレチステロンまたはレボノルゲストレルであり、そして抗ゲスタゲンがオナプリストンまたはミフェプリストンであるか、あるいはメソプロゲスチンがアソプリスニルである、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
薬剤を製造するための請求項1〜8のいずれかに記載の本発明の化合物の使用。
【請求項14】
エストロゲン欠乏により引き起こされる女性および男性における疾患および症状を治療するための請求項13に記載の使用。
【請求項15】
ペリアンドロポウズ (periandropausal) およびポストアンドロポウズ (postandropausal) の症状を治療するための請求項13に記載の使用。
【請求項16】
男性の不妊症をin vitro治療するための請求項13に記載の使用。
【請求項17】
男性の不妊症をin vivo治療するための請求項13に記載の使用。
【請求項18】
女性の不妊症をin vitro治療するための請求項13に記載の使用。
【請求項19】
女性の不妊症をin vivo治療するための請求項13に記載の使用。
【請求項20】
外科的、薬剤的にまたは他の方法で引き起こされる卵巣機能障害におけるホルモン欠乏に関係する症状の療法における請求項13に記載の使用。
【請求項21】
ホルモン置換療法 (HRT) のための請求項13に記載の使用。
【請求項22】
選択的エストロゲンレセプターモジュレーター (SERM)、例えばラロキシフェンと組合わせた請求項20に記載の使用。
【請求項23】
骨量のホルモンに関係する喪失を予防および治療するための請求項13に記載の使用。
【請求項24】
オステオポローシスを予防および治療するための請求項13に記載の使用。
【請求項25】
天然ビタミンD3または骨形成のためのカルシトリオール類似体と組合わせて、または骨量の喪失を引き起こす療法 (例えば、グルココルチコイド、アロマターゼインヒビター、GnRHアゴニストまたはアンタゴニストを使用する療法、または化学療法) のための支持的療法としての請求項23に記載の使用。
【請求項26】
心臓血管の疾患を予防および治療するための請求項13に記載の使用。
【請求項27】
免疫病および免疫系の疾患を治療するための請求項13に記載の使用。
【請求項28】
慢性関節リウマチを治療するための請求項27に記載の使用。
【請求項29】
多発性硬化症、クローン病または子宮内膜症を治療するための請求項27に記載の使用。
【請求項30】
良性前立腺過形成 (BPH) を予防および治療するための請求項13に記載の使用。
【請求項31】
良性前立腺過形成 (BPH) を予防および治療するための抗エストロゲンおよび選択性エストロゲンレセプターモジュレーターと組合わせた請求項30に記載の使用。
【請求項32】
使用する抗エストロゲンが7α-[9-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル)スルフィニル]ノニル]エストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール (フルベストラント) であり、そして使用するSERMがラロキシフェン、タモキシフェンまたは5-(4-{5-[(RS)-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル)スルフィニル]ペンチル}フェニル)-6-フェニル-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプテン-2-オールである、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
エストロゲンの欠如に導く療法後、特にアロマターゼインヒビターまたはGnRHアンタゴニストまたはアゴニストを使用する処置後における関節の症状を治療するための請求項13に記載の使用。
【請求項34】
カルボアンヒドラーゼ活性の阻害により積極的に影響を受けることがある疾患を治療する薬剤を製造するための請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項35】
脱毛症を治療する薬剤を製造するための請求項1〜8のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項36】
前記請求項13〜35のいずれかに記載の3-ヒドロキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16β-イル3’-スルファモイルベンゾエート、3-アセトキシ-9α-ビニルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-16β-イル3’-スルファモイルベンゾエートの使用。
【請求項37】
式 (A) に記載する9α-置換エストラトリエンを適当なスルファモイルフェニルカルボン酸またはそれらの誘導体と反応させるか、あるいは適当な化合物をスルファミド、塩化スルファモイルまたはアミノスルホニルイソシアネートと反応させることによる、請求項1〜8のいずれかに記載の一般式 (I):
【化3】

の化合物を製造する方法。

【公表番号】特表2009−517427(P2009−517427A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−542681(P2008−542681)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/011729
【国際公開番号】WO2007/062877
【国際公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】