説明

FRP製の流体搬送用パイプ

【課題】耐薬品性及び耐水圧性を兼ね備えるとともに、耐久性に優れたFRP製の流体搬送用パイプを提供する。
【解決手段】FRP製の流体搬送用パイプ10は、最内周側に形成された耐薬品性の熱可塑性樹脂を含有する第1の熱可塑性樹脂層1と、この第1の熱可塑性樹脂層1の外周側に密着して形成されたスチレン系熱可塑性樹脂を含有する第2の熱可塑性樹脂層2と、この第2の熱可塑性樹脂層2の外周側に密着して形成された強化繊維と熱硬化性樹脂からなるFRP層3と、このFRP層3の外周側に密着して形成された熱可塑性樹脂を含有する被覆層4と、を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐薬品性及び耐水圧性を備えたFRP製の流体搬送用パイプに関し、特に、耐久性に優れたFRP製の流体搬送用パイプに関する。
【背景技術】
【0002】
流体搬送用パイプは、農業用水などの流体を搬送するためのものであり、例えば、ビニールハウスの温室ハウス用の灌水管などに広く利用されている。このような流体搬送用パイプとしては、PVC(ポリ塩化ビニル)を素材としたもの(以下「PVC製パイプ」という。)が主流であり、よく知られている。しかし、PVC製パイプは、温度変化により変形しやすいので、散水方向がずれやすく、ひび割れが生じやすい。また、PVC製パイプは、曲げ剛性が低いので、吊り子などによる支持点の間隔が広い場合には、自重によりたわみやすく、特に長期にわたる静的荷重により永久変化して、修復が困難となってしまうこともある。
【0003】
一方、流体搬送用パイプとして、繊維強化熱硬化性樹脂(Fiber Reinforced Plastics:以下「FRP」という。)を素材としたもの(以下「FRP製パイプ」という。)も知られている(例えば、特許文献1参照)。図3はその一例である。
【0004】
同図に示すFRP製パイプ30は、三層構造であり、最内周側に形成されたABS樹脂からなる熱可塑性樹脂層11と、この熱可塑性樹脂層11の外周側に密着して形成されたFRP層12と、このFRP層12の外周側に密着して形成されたABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)からなる被覆層13と、を備えて構成されている。
【0005】
このような構造からなるFRP製パイプ30は、PVC製パイプが抱える前述のような問題が少ない上、その外表面にはABS樹脂が露出しているので、例えば、トルエンやキシレン、MEKなどを溶剤とする接着剤になじみやすく、配管も容易である。さらに、このFRP製パイプ30は、FRPにより軽量化が図られているので、運搬や取り扱いも便利であり、他の優れた特性も兼ね備えている。なお、FRP製パイプ30の市販品としては、例えば、UMシャワー(宇部日東化成株式会社製(商品名))などがある。
【0006】
ところで、温室ハウスなどにおいては、前記のFRP製パイプを水だけでなく、有機溶媒を含む農薬や、殺虫剤や消臭剤などを含んだ流体を搬送に用いたいという要望も多い。しかし、従来のFRP製パイプ30は、その最内層である熱可塑性樹脂層11が耐薬品性のないABS樹脂で形成されているので、このような用途には利用できない。このような用途にも利用できるようにするためには、耐薬品性のある樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂により熱可塑性樹脂層11を形成する必要がある。ところが、耐薬品性のある樹脂では、一般的に熱可塑性樹脂層11とFRP層12との接着性を確保することが困難である。
【0007】
そこで、従来、繊維強化熱可塑性樹脂を用いて中芯を多層化するとともに、ブレンド樹脂層を介したアンカー接着により、この中芯とFRP層12との接着性を確保する技術がある(例えば、特許文献2参照)。かかるFRP製パイプにあっては、FRP層12が最内層に接着しているので、農薬搬送に対する耐薬品性が得られる。
【特許文献1】特開平10−178942号公報
【特許文献2】特開2002−130544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記のアンカー接着では、内圧疲労に対して弱いので、高圧にて噴霧を行う細霧冷房用途において界面剥離が発生しやすく、耐久性が低いという問題があった。
【0009】
なお、FRP製パイプの耐水圧性能を向上させるために、中芯の外周にガラスロービングをフィラメントワインディングする技術がある(例えば、特開2004−330559号公報参照)。しかし、かかる技術を用いたとしても、前記のアンカー接着の場合、流体から繰返して受ける内圧疲労に対しては弱いので、同様の問題があった。
【0010】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされてものであり、その目的は、耐薬品性及び耐水圧性を兼ね備えるとともに、耐久性に優れたFRP製の流体搬送用パイプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のFRP製の流体搬送用パイプは、最内周側に形成された耐薬品性の熱可塑性樹脂を含有する第1の熱可塑性樹脂層と、この第1の熱可塑性樹脂層の外周側に密着して形成されたスチレン系熱可塑性樹脂を含有する第2の熱可塑性樹脂層と、この第2の熱可塑性樹脂層の外周側に密着して形成された強化繊維及び熱硬化性樹脂からなるFRP層と、このFRP層の外周側に密着して形成された熱可塑性樹脂からなる被覆層と、を備えて構成されることを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、耐薬品性を兼ね備えた第1の熱可塑性樹脂層と、スチレン系熱可塑性樹脂からなる第2の熱可塑性樹脂層とが相互に化学的親和力によって密着して形成されるので、流体から繰返して受ける内圧疲労に対して耐え得るようになるという作用効果を奏する。
【0013】
また、本発明において、前記第2の熱可塑性樹脂層は、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン樹脂)や、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリル−スチレン樹脂)などのスチレン系熱可塑性樹脂で形成されていることが好ましい。特に、かかるスチレン系熱可塑性樹脂は、エチレン成分を含有するものが好ましい。かかる場合には、PBT樹脂などとの密着力が増すことになる。
【0014】
また、本発明において、前記第1の熱可塑性樹脂層は、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)や、PEN樹脂(ポリエチレンナフタレート樹脂)などのPEP樹脂(ポリエステル系エンジニアリングプラスチック樹脂)からなる熱可塑性樹脂で形成されていることが好ましい。かかる構成によれば、PEP樹脂は有機溶剤に対する耐薬品性が良好であ、キシレン等を含む流体を搬送してもFRPパイプ内面が侵されることがないので、流体の影響を受けて耐水圧性能が低下するといったことが発生しない。
【0015】
また、本発明において、前記第1の熱可塑性樹脂層は、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタラート樹脂)からなる熱可塑性樹脂で形成されていることが好ましい。かかる構成によれば、PBT樹脂はキシレン等の有機溶剤に対する耐薬品性が良好であり、キシレン等を含む流体を搬送してもFRPパイプ内面が侵されることがないので、流体の影響を受けて耐水圧性能が低下するといったことが発生しない。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、耐薬品性及び耐水圧性を兼ね備えるとともに、耐久性に優れたFRP製の流体搬送用パイプを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る流体搬送用パイプについて説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る流体搬送用パイプを示す概略構成図である。同図に示す流体搬送用パイプ10は、FRP製パイプの一種であり、最内周側に形成された第1の熱可塑性樹脂層1と、この第1の熱可塑性樹脂層1の外周側に密着して形成された第2の熱可塑性樹脂層2と、この第2の熱可塑性樹脂層2の外周側に密着して形成されたFRP層3と、このFRP層3の外周側に密着して形成された被覆層4と、を備えて構成されている。
【0019】
第1の熱可塑性樹脂層1は、耐薬品性の熱可塑性樹脂を含有する。かかる耐薬品性の熱可塑性樹脂としては、例えば、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタラート樹脂)、PEP樹脂(ポリエステル系エンジニアリングプラスチック樹脂)、オレフィン系熱可塑性樹脂(例えば、PP樹脂やPE樹脂)、フッソ樹脂などがあるが、好ましくは、PBT樹脂、PEP樹脂、オレフィン系熱可塑性樹脂、フッソ樹脂であり、より好ましくは、PBT樹脂である。
【0020】
第2の熱可塑性樹脂層2は、スチレン系熱可塑性樹脂を含有する。かかるスチレン系熱可塑性樹脂としては、例えば、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリル−スチレン樹脂)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン樹脂)、PS樹脂(ポリスチレン樹脂)などがあるが、好ましくは、AES樹脂やAAS樹脂などのエチレン成分を含んだ樹脂である。
【0021】
FRP層3は、強化繊維と熱硬化性樹脂からなる。強化繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などがあるが、特に限定されるものではない。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂などがあるが、特に限定されるものではない。
【0022】
被覆層4は、熱可塑性樹脂からなる。かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、ABS、AAS、AES、PS樹脂、AS樹脂、PSF樹脂、PC樹脂、PPE樹脂、PVC樹脂などがあるが、特に限定されるものではない。
【0023】
以上の構成によれば、第1の熱可塑性樹脂層が耐薬品性を有し、第2の熱可塑性樹脂層と良好な密着性を備えており、また、第2の熱可塑性樹脂層ならびに被覆層4がFRP層3と密着して形成されているので、本発明の効果、すなわち耐薬品性及び耐水圧性を備えるとともに、耐久性に優れた効果を奏することとなる。なお、中芯5の外周に前述のフィラメントワインディング(FW)を施しておくことが好ましい。かかる場合には、FRP製パイプ10の耐水圧性能も向上するので、耐薬品性及び耐水圧性を兼ね備えるとともに、よりいっそう耐久性に優れたFRP製パイプが得られる。
【0024】
次に、本発明の効果を確認すべく確認試験を実施した。すなわち、図2に示す実施例1及び2並びに比較例1〜3の各FRP製パイプについて、耐薬品性及び耐水圧性を調べた。
【0025】
具体的には、各FRP製パイプを50cmにカットし、塩ビキャップ並びにバルブソケットを取り付けた後、これにキシレンを含有する農薬(スミチオン・マラソン混合殺虫剤)であるサンケイ化学株式会社製スミチオン乳剤(商品名)をそれぞれ50倍、100倍、200倍に希釈して充填し、バルブソケットをシリコン栓で封止した。これを常温にて一ヶ月放置した後、パイプ内面及び耐水圧強度の変化を測定した。耐水圧試験では、まずFRP製パイプの内面を水で洗浄し、常温にて24時間放置した。その後、手動で水圧を上げて破壊試験(キョウワ水圧テスター、T−300Nを使用)を行い、破壊時の水圧を読み取った。その結果を表1に示す。なお、同表中における「耐水圧強度保持率」とは、農薬を入れない場合に対する強度保持率を示す。
【0026】
<実施例1>
まず、実施例1として、図2(a)に示すような側面構造のFRP製パイプ(外径18.0mm,内径12.6mm)を作成した。同図に示すFRP製パイプは、最内周側に形成されたPBT樹脂からなる第1の熱可塑性樹脂層1(層の厚さ;0.2mm)と、この第1の熱可塑性樹脂層1の外周側に密着して形成されたAES樹脂からなる第2の熱可塑性樹脂層2(層の厚さ;0.9mm)と、この第2の熱可塑性樹脂層2の外周側に密着して形成されたFRP層3(層の厚さ;0.95mm)と、このFRP層3の外周側に密着して形成された被覆層4(層の厚さ;0.65mm)と、を備えて構成されている。
【0027】
中芯5は、第1の熱可塑性樹脂層1と第2の熱可塑性樹脂層2とで構成された二重層構造を有しており、外径14.8mm、内径12.6mmである。
【0028】
なお、実施例1のFRP製パイプは、次のようにして製造した。まず、第1の熱可塑性樹脂層1を形成するPBT樹脂(ポリプラスチック株式会社600JP(商品名))と、第2の熱可塑性樹脂層2を形成するAES樹脂(テクノポリマー株式会社AW270(商品名))と、をそれぞれ最内層側からこの順に積層されるように所定の二層共押出装置により押出し成形するとともに、真空サイジングによる外径サイジングを行うことにより所定寸法の中芯5を作成した。次に、この中芯5にFRP層3となる不飽和ポリエステル樹脂を含浸したガラス繊維を所定厚みで円環状に被覆し、これをクロスヘッドダイスに通してABS樹脂(UMG ABS株式会社製GSE450(商品名))で被覆した。そして、これらのガラス繊維及びABS樹脂を冷却した後、95〜100℃の熱湯で硬化させて、FRP層3及び被覆層4を形成した。これにより、実施例1に示すFRP製パイプが得られた。
【0029】
<実施例2>
また、実施例2として、図2(b)に示すような側面構造のFRP製パイプ(外径18.0mm,内径12.6mm)を作成した。同図に示すFRP製パイプは、最内周側に形成されたPET樹脂からなる第1の熱可塑性樹脂層1(層の厚さ;0.2mm)と、この第1の熱可塑性樹脂層1の外周側に密着して形成されたAES樹脂からなる第2の熱可塑性樹脂層2(層の厚さ;0.9mm)と、この第2の熱可塑性樹脂層2の外周側に密着して形成されたFRP層3(層の厚さ;0.95mm)と、このFRP層3の外周側に密着して形成された被覆層4(層の厚さ;0.65mm)と、を備えて構成されている。
【0030】
中芯5は、第1の熱可塑性樹脂層1と第2の熱可塑性樹脂層2とで構成された二重層構造を有しており、外径14.8mm、内径12.6mmである。
【0031】
なお、実施例1のFRP製パイプは、次のようにして製造した。まず、第1の熱可塑性樹脂層1を形成するPET樹脂(ユニチカポリエステル樹脂SA-1346P(商品名))と、第2の熱可塑性樹脂層2を形成するAES樹脂(テクノポリマー株式会社AW270(商品名))と、をそれぞれ最内層側からこの順に積層されるように所定の二層共押出装置により押出し成形するとともに、真空サイジングによる外径サイジングを行うことにより所定寸法の中芯5を作成した。次に、この中芯5にFRP層3となる不飽和ポリエステル樹脂を含浸したガラス繊維を所定厚みで円環状に被覆し、これをクロスヘッドダイスに通してABS樹脂(UMG ABS株式会社製GSE450(商品名))で被覆した。そして、これらのガラス繊維及びABS樹脂を冷却した後、95〜100℃の熱湯で硬化させて、FRP層3及び被覆層4を形成した。これにより、実施例2に示すFRP製パイプが得られた。
【0032】
<比較例1>
一方、比較例1として、図2(c)に示すような側面構造のFRP製パイプを作成した。すなわち、ABS樹脂(東レ株式会社T600(商品名))のみを用いて単層構造の中芯を形成した後、この中芯の外周側にFRP層3及び被覆層4を外周側から順に形成した。このFRP製パイプは、実施例1と同様、外径18.0mm、内径13.0mmとし、中芯の肉厚を0.9mmとした。なお、中芯の製造は、単層ダイスで押し出し、マンドレルによる内径サイジングを行った。FRP層3及び被覆層4については、実施例1と同様の方法で形成した。
【0033】
<比較例2>
比較例2として、図2(d)に示すような側面構造のFRP製パイプを作成した。すなわち、耐薬品性を有するAAS樹脂(テクノポリマー株式会社製AE77(商品名))のみを用いて単層構造の中芯を形成した後、この中芯の外周側にFRP層3及び被覆層4を外周側から順に形成した。このFRP製パイプは、実施例1と同様、外径18.0mm、内径13.0mmとし、中芯の肉厚を0.9mmとした。なお、中芯の製造は、単層ダイスで押し出し、マンドレルによる内径サイジングを行った。FRP層3及び被覆層4については、実施例1と同様の方法で形成した。
【0034】
<比較例3>
比較例3として、図2(e)に示すような側面構造のFRP製パイプを作成した。すなわち、PBT樹脂(ポリプラスチック株式会社600JP(商品名))のみを用いて単層構造の中芯を形成した後、この中芯の外周側にFRP層3及び被覆層4を外周側から順に形成した。このFRP製パイプは、実施例1と同様、外径18.0mm、内径13.0mmとし、中芯の肉厚を0.9mmとした。なお、中芯の製造は、単層ダイスで押し出し、真空サイジングによる外径サイジングを行った。FRP層3及び被覆層4については、実施例1と同様の方法で形成した。
【0035】

【0036】
表1に示すように、実施例1、2の場合には、比較例1、2の場合と比べると、耐水圧性能保持率が高く、しかも内面(中芯)の外観変化が起こりにくかった。従って、実施例1、2に係るFRP製パイプは、耐薬品性及び耐水圧性を有するとともに、耐久性に優れることが確認できた。
【0037】
なお、比較例1の場合には、農薬に含まれるキシレンによって最内層(ABS層)が侵食されて、溶解あるいは軟化しており、耐水圧性能も200倍に希釈した農薬を充填した場合でも耐水圧性能保持率は74%しかなかった。
【0038】
一方、比較例2の場合、農薬に含まれるキシレンによって最内層(AAS層)が侵食される程度は、比較例1に対して軟化程度と軽微ではあるが、耐水圧性能は50倍に希釈した農薬を充填した場合では耐水圧性能保持率は80%しかなかった。
【0039】
ところで、比較例3の場合には、内面(中芯)の外観変化が起こりにくかったが、PBTで形成されている中芯5とFRP層3との接着が不十分であった。そのため、耐水圧試験時に中芯5とFRP層3の界面に水走りが発生し、低圧で破壊に至ってしまい、流体搬送用パイプとしては不適切であった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態におけるFRP製パイプの一例を示す図である。
【図2】本発明の実施例におけるFRP製パイプを示す図である。
【図3】従来のFRP製パイプの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 第1の熱可塑性樹脂層
2 第2の熱可塑性樹脂層
3 FRP層
4 被覆層
5 中芯
10 FRP製の流体搬送用パイプ(FRP製パイプ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最内周側に形成された耐薬品性の熱可塑性樹脂を含有する第1の熱可塑性樹脂層と、この第1の熱可塑性樹脂層の外周側に密着して形成されたスチレン系熱可塑性樹脂を含有する第2の熱可塑性樹脂層と、この第2の熱可塑性樹脂層の外周側に密着して形成された強化繊維及び熱硬化性樹脂からなるFRP層と、このFRP層の外周側に密着して形成された熱可塑性樹脂を含有する被覆層と、を備えて構成されることを特徴とするFRP製の流体搬送用パイプ。
【請求項2】
請求項1に記載のFRP製の流体搬送用パイプであって、
前記第2の熱可塑性樹脂層は、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン樹脂)や、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリル−スチレン樹脂)などのスチレン系熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とするFRP製の流体搬送用パイプ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のFRP製の流体搬送用パイプであって、
前記第1の熱可塑性樹脂層は、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)や、PEN樹脂(ポリエチレンナフタレート樹脂)などのPEP樹脂(ポリエステル系エンジニアリングプラスチック樹脂)からなる熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とするFRP製の流体搬送用パイプ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のFRP製の流体搬送用パイプであって、
前記第1の熱可塑性樹脂層は、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタラート樹脂)からなる熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とするFRP製の流体搬送用パイプ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−296774(P2007−296774A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−127559(P2006−127559)
【出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【出願人】(000120010)宇部日東化成株式会社 (203)
【Fターム(参考)】