説明

Gタンパク質共役受容体を調節するための化合物および方法

本発明は、化合物、該化合物を含む医薬組成物、およびGタンパク質共役受容体関連または媒介、特にGタンパク質共役受容体120関連または媒介の疾患または障害を治療または予防するために該化合物を使用する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互引用
本願は、米国仮特許出願第61/075,094号(2008年6月24日出願)の35U.S.C.§119(e)に基づく優先権の利益を主張しており、その記載内容は、出典明示によりその全体として本明細書の一部を構成するものとする。
【0002】
発明の分野
本発明は、化合物、かかる化合物を含む医薬組成物、およびGタンパク質共役受容体関連または媒介の疾患または障害を治療または予防するためのかかる化合物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、細胞内でのシグナル伝達に関与する主要なタンパク質群を構成する。リガンドがGPCRの細胞外部分に結合すると、シグナルが細胞内で伝達され、それが結果的に細胞の生物学的または生理学的性質の変化をもたらす。GPCRは、Gタンパク質およびエフェクター(Gタンパク質によって調節される細胞内酵素およびチャネル)とともに、細胞内二次メッセンジャーの状態を細胞外インプットにつなげるモジュール式シグナル伝達系の成分である。
【0004】
GPCR遺伝子および遺伝子産物は、疾患の原因因子である可能性がある。例えば、ロドプシン遺伝子およびV2バソプレシン受容体遺伝子における特異的欠損が種々の形態の網膜色素変性症および腎性尿崩症を引き起こすことが示されている。これらの受容体は、中枢神経系および末梢生理学的過程の両方にとって重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、Gタンパク質共役受容体の有用なモジュレーターである化合物およびその医薬組成物を提供する。ある実施態様では、かかる化合物および医薬組成物は、Gタンパク質共役受容体120の有用なモジュレーターである。
【0006】
一の態様では、本発明は、式(I):
【化1】

[式中、
nは、0、1、2、3および4から選択され;
Aは、
【化2】

から選択され(ここで、
8は、Hであるか、または、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよいC1-4アルキルおよびフェニルから選択され;
9は、C1-6アルキル、ハロ置換C1-4アルキルおよび−X110から選択され;ここで、X1は、結合またはC1-4アルキレンであり;R10は、C3-8シクロアルキルである);
1は、−COOH、−SO3Hおよびテトラゾリルから選択され;
2は、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから選択され;
3、R4、R5、R6またはR7は、独立して、H、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ置換C1-4アルコキシ、X2OR11、−X2NR1213、−X211、−X2OX311および−X2OX3OR11から選択され;ここで、X2は、結合およびC1-4アルキレンから選択され;X3は、C1-4アルキレンであり;R11は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよい、C1-6アルキル、ヘテロアリールおよびアリールから選択され;R12およびR13は、独立して、HおよびC1-6アルキルから選択されるか;または
3とR4、またはR5とR6は、各々独立して、C1-4アルキルであり、それらが結合している炭素原子と一緒になってフェニル環を形成することができ(その結果、合わせた縮合二環式基はキノリニルとなる);ここで、R3とR4またはR5とR6を合わせたフェニルは、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよい]
で示される構造式を有するかかる化合物およびその医薬上許容される塩、医薬上許容される溶媒和物(例えば、水和物)、N−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、保護誘導体、個々の異性体および異性体混合物を提供する。
【0007】
ある実施態様では、上記化合物は、式(Ia):
【化3】

[式中、
nは、0、1、2、3および4から選択され;
8は、Hであるか、または、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよいC1-4アルキルおよびフェニルから選択され;
9は、C1-6アルキル、ハロ置換C1-4アルキルおよび−X110から選択され;ここで、X1は、結合またはC1-4アルキレンであり;R10は、C3-8シクロアルキルであり;
1は、−COOH、−SO3Hおよびテトラゾリルから選択され;
各R2は、独立して、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから選択され;
3、R4、R5、R6またはR7は、独立して、H、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ置換C1-4アルコキシ、X2OR11、−X2NR1213、−X211、−X2OX311および−X2OX3OR11から選択され;ここで、X2は、結合およびC1-4アルキレンから選択され;X3は、C1-4アルキレンであり;R11は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよい、C1-6アルキル、ヘテロアリールおよびアリールから選択され;R12およびR13は、独立して、HおよびC1-6アルキルから選択されるか;または
3とR4、またはR5とR6は、各々独立して、C1-4アルキルであり、それらが結合している炭素原子と一緒になってフェニル環を形成することができ;ここで、R3とR4またはR5とR6を合わせたフェニルは、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよい]
で示される構造を有する化合物またはその医薬上許容される塩である。
【0008】
ある実施態様では、上記化合物は、R8がHまたはC1-4アルキルである化合物である。
【0009】
上記化合物のある実施態様では、各R2は、独立して、ハロであるが、上記化合物の他の実施態様では、各R2は、独立して、フルオロおよびブロモから選択される。
【0010】
ある実施態様では、上記化合物は、式(Ib):
【化4】

で示される構造を有する化合物である。
【0011】
ある実施態様では、上記化合物は、式(Ic)または式(Id):
【化5】

で示される構造を有する化合物である。
【0012】
ある実施態様では、上記化合物は、
(Z)−4−(4−(3−シアノフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(3−エチル−5−メチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(3−フルオロフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(4−(3−ブロモフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(4−(2,5−ジクロロフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−フェノキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−N−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデン)−4−(2H−テトラゾール−5−イル)アニリン、
(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)−2,3−ジフルオロ安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)−2−フルオロ安息香酸、
(Z)−2−ブロモ−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−フェニル−3−プロピルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−イソプロピル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(3−ヒドロキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(2−ブロモ−5−ヒドロキシフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(3−(2−メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−(シクロプロピルメチル)−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−sec−ブチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−(2,2−ジフルオロエチル)−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−フェニル−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸、
(Z)−4−(4−(3−(ベンジルオキシ)フェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(3−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−メトキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(3−メトキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(4−(2−クロロフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(4−(3−クロロフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−メトキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(3−メトキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(2−クロロフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(3−クロロフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(4−(2,6−ジクロロフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(ナフタレン−1−イル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(ナフタレン−2−イル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(2−ブロモフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(2−アミノフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−ニトロフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−(メチルアミノ)フェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(2−(ジメチルアミノ)フェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(3−ブロモフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−ヒドロキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(3−シアノフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
3−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]安息香酸、
4−(3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)安息香酸、
3−(3−(3−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)安息香酸、
3−(1−(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)安息香酸、
3−(4−(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(5−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)安息香酸、
3−(4−p−トリル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(4−(4−クロロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(4−(2−フルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(4−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(4−(4−ブロモフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(1−(4−イソプロピルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)安息香酸、
3−(4−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−メトキシ安息香酸、
3−(4−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−フルオロ安息香酸、
3−(1−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)安息香酸、
5−(4−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−2−フルオロ安息香酸
および
3−(4−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−4−フルオロ安息香酸
から選択される化合物である。
【0013】
別の態様では、本発明は、上記化合物の治療上有効量および医薬上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0014】
ある実施態様では、該医薬組成物は、静脈内投与、筋肉内投与、経口投与、直腸投与、吸入、経鼻投与、局所投与、眼科投与または耳投与のために処方される。
【0015】
ある実施態様では、上記医薬組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、液剤、吸入剤、点鼻用液剤、坐剤、液剤、乳剤、軟膏剤、点眼剤および点耳剤から選択される剤形のものである。
【0016】
ある実施態様では、上記医薬組成物は、さらに、1種類以上のさらなる治療剤を含む。
【0017】
別の態様では、本発明は、上記のいずれかの化合物の治療上有効量を含む、GPR120の調節が関係する疾患または障害を治療するための薬剤を提供する。該薬剤のある実施態様では、該疾患または障害は、糖尿病、肥満症、真性糖尿病、脂質異常症、高脂血症、食欲不振、過食症、内分泌異常、トリグリセリド蓄積症、バルデ・ビードル症候群、ローレンス・ムーン症候群、プラダー・ウィリー症候群(Prader-Labhart-Willi syndrome)および悪液質から選択される。
【0018】
別の態様では、本発明は、GPR120の調節が関係する患者における疾患または障害を治療するための薬剤の製造における上記化合物の使用を提供する。
【0019】
別の態様では、本発明は、上記化合物もしくはその医薬上許容される塩または医薬組成物の治療上有効量を系または対象体に投与することを含む系または対象体におけるGPR120の調節方法であって、該化合物が系または対象体においてGPR120を調節することを特徴とする方法を提供する。該方法のある実施態様では、系または対象体は、細胞系もしくは組織系またはヒト対象体もしくは動物対象体である。該方法のある実施態様では、化合物は、GPR120のアゴニストである。
【0020】
別の態様では、本発明は、GPR120の調節が関係する疾患または障害の治療方法であって、該治療を必要とする系または対象体に上記化合物もしくはその医薬上許容される塩または医薬組成物の有効量を投与することにより該疾患または障害を治療することを含む方法を提供する。該方法のある実施態様では、系または対象体は、細胞系もしくは組織系またはヒト対象体もしくは動物対象体である。該方法のある実施態様では、該化合物は、GPR120のアゴニストである。該方法のある実施態様では、疾患または障害は、糖尿病、肥満症、真性糖尿病、脂質異常症、高脂血症、食欲不振、過食症、内分泌異常、トリグリセリド蓄積症、バルデ・ビードル症候群、ローレンス・ムーン症候群、プラダー・ウィリー症候群(Prader-Labhart-Willi syndrome)および悪液質から選択される。該方法のある実施態様では、該疾患または障害は、自己免疫疾患である。該方法のある実施態様では、自己免疫疾患は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、特発性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血または乾癬である。
【0021】
別の態様では、本発明は、GPR120の調節が関係する疾患または障害を治療するための医学的処置の方法に使用するための化合物であって、を提供する、該疾患または障害が糖尿病、肥満症、真性糖尿病、脂質異常症、高脂血症、食欲不振、過食症、内分泌異常、トリグリセリド蓄積症、バルデ・ビードル症候群、ローレンス・ムーン症候群、プラダー・ウィリー症候群(Prader-Labhart-Willi syndrome)、悪液質、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、特発性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血および乾癬から選択され、化合物が本発明の式(I)で示される化合物であることを特徴とする、
【発明を実施するための形態】
【0022】
定義
本明細書で使用される場合、用語「アルケニル」または「アルケン」とは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する部分的に不飽和の分枝鎖または直鎖炭化水素をいう。二重結合のまわりに配向された原子は、シス(Z)またはトランス(E)立体配座のものである。ある実施態様では、アルケニル基またはアルケン基は置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、用語「C2〜C3アルケニル」、「C2〜C4アルケニル」、「C2〜C5アルケニル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C7アルケニル」、および「C2〜C8アルケニル」とは、少なくとも2個、最大でそれぞれ3、4、5、6、7または8個の炭素原子を含有するアルケニル基をいう。本明細書で使用される場合、アルケニル基の非限定的な例としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニルおよびデセニルなどが挙げられる。本明細書で使用される場合、用語「C2〜C3アルケン」、「C2〜C4アルケン」、「C2〜C5アルケン」、「C2〜C6アルケン」、「C2〜C7アルケン」、および「C2〜C8アルケン」とは、少なくとも2個、最大でそれぞれ3、4、5、6、7または8個の炭素原子を含有するアルケン基をいう。アルケン基の非限定的な例としては、本明細書で使用される場合、エテン、プロペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネンおよびデセンなどが挙げられる。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語「アルケニレン」とは、アルケニル基由来の部分的に不飽和の分枝鎖または直鎖状の二価炭化水素基をいう。ある実施態様では、アルケニレン基は置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、用語「C2〜C3アルケニレン」、「C2〜C4アルケニレン」、「C2〜C5アルケニレン」、「C2〜C6アルケニレン」、「C2〜C7アルケニレン」、および「C2〜C8アルケニレン」とは、少なくとも2個、最大でそれぞれ3、4、5、6、7または8個の炭素原子を含有するアルケニレン基をいう。本明細書で使用される場合、アルケニレン基の非限定的な例としては、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン、ヘキセニレン、ヘプテニレン、オクテニレン、ノネニレンおよびデセニレンなどが挙げられる。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」とは、飽和分枝鎖または直鎖炭化水素をいう。ある実施態様では、アルキル基は置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、用語「C1〜C3アルキル」、「C1〜C4アルキル」、「C1〜C5アルキル」、「C1〜C6アルキル」、「C1〜C7アルキル」および「C1〜C8アルキル」とは、少なくとも1個、最大でそれぞれ3、4、5、6、7または8個の炭素原子を含有するアルキル基をいう。本明細書で使用される場合、アルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシルなどが挙げられる。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語「アルキレン」とは、アルキル基由来の飽和した分枝鎖または直鎖状の二価炭化水素基をいう。ある実施態様では、アルキレン基は置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、用語「C1〜C3アルキレン」、「C1〜C4アルキレン」、「C1〜C5アルキレン」、「C1〜C6アルキレン」、「C1〜C7アルキレン」および「C1〜C8アルキルアルキレン」とは、少なくとも1個、最大でそれぞれ3、4、5、6、7または8個の炭素原子を含有するアルキレン基をいう。本明細書で使用される場合、アルキレン基の非限定的な例としては、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、sec−ブチレン、t−ブチレン、n−ペンチレン、イソペンチレンおよびヘキシレンなどが挙げられる。
【0026】
本明細書で使用される場合、用語「アルキニル」または「アルキン」とは、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する部分的に不飽和の分枝鎖または直鎖炭化水素をいう。ある実施態様では、アルキニル基またはアルキン基は置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、用語「C2〜C3アルキニル」、「C2〜C4アルキニル」、「C2〜C5アルキニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C2〜C7アルキニル」および「C2〜C8アルキニル」とは、少なくとも2個、最大でそれぞれ3、4、5、6、7または8個の炭素原子を含有するアルキニル基をいう。本明細書で使用される場合、アルキニル基の非限定的な例としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニルおよびデシニルなどが挙げられる。本明細書で使用される場合、用語「C2〜C3アルキン」、「C2〜C4アルキン」、「C2〜C5アルキン」、「C2〜C6アルキン」、「C2〜C7アルキン」および「C2〜C8アルキン」とは、少なくとも2個、最大でそれぞれ3、4、5、6、7または8個の炭素原子を含有するアルキン基をいう。本明細書で使用される場合、アルキン基の非限定的な例としては、エチン、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、ヘプチン、オクチン、ノニンおよびデシンなどが挙げられる。
【0027】
本明細書で使用される場合、用語「アルキニレン」とは、アルキニル基由来の部分的に不飽和の分枝鎖または直鎖炭化水素基をいう。ある実施態様では、アルキニレン基は置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、用語「C2〜C3アルキニレン」、「C2〜C4アルキニレン」、「C2〜C5アルキニレン」、「C2〜C6アルキニレン」、「C2〜C7アルキニレン」、および「C2〜C8アルキニレン」とは、少なくとも2個、最大でそれぞれ3、4、5、6、7または8個の炭素原子を含有するアルキニレン基をいう。本明細書で使用される場合、アルキニレン基の非限定的な例としては、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン、ヘキシニレン、ヘプチニレン、オクチニレン、ノニニレンおよびデシニレンなどが挙げられる。
【0028】
本明細書で使用される場合、用語「アルコキシ」とは、基−ORaをいい、ここで、Raは本明細書で定義したアルキル基である。ある実施態様では、アルコキシ基は置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、用語「C1〜C3アルコキシ」、「C1〜C4アルコキシ」、「C1〜C5アルコキシ」、「C1〜C6アルコキシ」、「C1〜C7アルコキシ」および「C1〜C8アルキルアルコキシ」とは、アルキル部分が少なくとも1個、最大で3、4、5、6、7または8個の炭素原子を含有しているアルコキシ基をいう。本明細書で使用される場合、アルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシおよびデシルオキシなどが挙げられる。
【0029】
本明細書で使用される場合、用語「アリール」とは、系中の少なくとも1つの環が芳香族であり、系中の各環が3〜7個の環構成メンバーを含有している、合計5〜14個の環構成メンバーを有する単環式、二環式または三環式環系をいう。ある実施態様では、アリール基は、1つ以上の置換基で置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、アリール基の非限定的な例としては、フェニル、ナフチル、フルオレニル、インデニル、アズレニルおよびアントラセニルなどが挙げられる。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「アリーレン」とは、アリール基由来の二価の基をいう。ある実施態様では、アリーレン基は置換されていてもよい。
【0031】
本明細書で使用される場合、用語「シアノ」とは、−CN基をいう。
【0032】
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキル」とは、飽和もしくは部分不飽和の、単環式、縮合二環式、縮合三環式または架橋多環式環アセンブリをいう。本明細書で使用される場合、用語「C3〜C5シクロアルキル」、「C3〜C6シクロアルキル」、「C3〜C7シクロアルキル」、「C3〜C8シクロアルキル、「C3〜C9シクロアルキル」および「C3〜C10シクロアルキル」とは、飽和または部分不飽和の、単環式、縮合二環式または架橋多環式環アセンブリが少なくとも3個、最大で5、6、7、8、9または10個の炭素原子を含有しているシクロアルキル基をいう。ある実施態様では、シクロアルキル基は置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、シクロアルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、デカヒドロナフタレニルおよび2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−インデニルなどが挙げられる。
【0033】
本明細書で使用される場合、用語「ハロゲン」とは、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)をいう。
【0034】
本明細書で使用される場合、用語「ハロ」とは、ハロゲン基:フルオロ(−F)、クロロ(−Cl)、ブロモ(−Br)およびヨード(−I)をいう。
【0035】
本明細書で使用される場合、用語「ハロアルキル」または「ハロ置換アルキル」とは、同一または異なる1個以上のハロゲン基で置換されている、本明細書で定義したアルキル基をいう。ある実施態様では、ハロアルキル基は置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、該分枝鎖または直鎖ハロアルキル基の非限定的な例としては、同一または異なる1個以上のハロゲン基で置換されている、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチルおよびn−ブチルが挙げられ、トリフルオロメチルおよびペンタフルオロエチルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
本明細書で使用される場合、用語「ハロアルケニル」または「ハロ置換アルケニル」とは、同一または異なる1個以上のハロゲン基で置換されている、本明細書で定義したアルケニル基をいう。ある実施態様では、ハロアルケニル基は置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、該分枝鎖または直鎖ハロアルケニル基の非限定的な例としては、同一または異なる1個以上のハロゲン基で置換されている、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニルおよびデセニルが挙げられる。
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「ハロアルキニル」または「ハロ置換アルキニル」とは、同一または異なる1個以上のハロゲン基で置換されている、上記で定義したアルキニル基をいう。ある実施態様では、ハロアルキニル基は置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、該分枝鎖または直鎖ハロアルキニル基の非限定的な例としては、同一または異なる1個以上のハロゲン基で置換されている、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニルおよびデシニルなどが挙げられる。
【0038】
本明細書で使用される場合、用語「ハロアルコキシ」とは、同一または異なる1個以上のハロゲン基で置換されている、本明細書で定義したアルコキシ基をいう。ある実施態様では、ハロアルコキシ基は置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、該分枝鎖または直鎖ハロアルキニル基の非限定的な例としては、同一または異なる1個以上のハロゲン基で置換されている、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシおよびデシルオキシなどが挙げられる。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアルキル」とは、1個以上の炭素原子が1個以上の酸素、硫黄、窒素またはそれらの組み合わせによって置き換えられていてもよい、本明細書で定義したアルキル基をいう。
【0040】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリール」とは、系中の少なくとも1つの環が芳香族であり、系中の少なくとも1つの環が窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含有しており、系中の各環が3〜7個の環構成メンバーを含有している、合計5〜14個の環構成メンバーを有する、単環式、二環式および三環式環系をいう。ある実施態様では、ヘテロアリール基は、1個以上の置換基で置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、ヘテロアリール基の非限定的な例としては、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾアゼピニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、シンノリニル、フラザニル、フリル、フロピリジニル、イミダゾリル、インドリル、インドリジニル、インドリン−2−オン、インダゾリル、イソインドリル、イソキノリニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,8−ナフチリジニル、オキサゾリル、オキサインドリル、オキサジアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノキサリニル、キノリニル、キナゾリニル、4H−キノリジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、トリアジニル、トリアゾリルおよびテトラゾリルが挙げられる。
【0041】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロシクロアルキル」とは、1個以上の環炭素原子が−O−、−N=、−NR−、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)2−から選択される基によって置き換えられている(Rは水素、C1〜C4アルキルまたは窒素保護基である)、本明細書で定義したシクロアルキルをいう(ただし、該基の環は、2つの隣接するO原子またはS原子を含有しない)。ある実施態様では、ヘテロシクロアルキル基は置換されていてもよい。本明細書で使用される場合、ヘテロシクロアルキル基の非限定的な例としては、モルホリノ、ピロリジニル、ピロリジニル−2−オン、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニル−2−オン、ピペリジニル−3−オン、ピペリジニル−4−オン、1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカ−8−イル、2H−ピロリル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、1,3−ジオキソラニル、2−イミダゾリニル、イミダゾリジニル、2−ピラゾリニル、ピラゾリジニル、1,4−ジオキサニル、1,4−ジチアニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ヘキサヒドロ−1,4−ジアゼピニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオキサニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、オキセパニル、チエパニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、および3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニルが挙げられる。
【0042】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロ原子」とは、1個以上の酸素、硫黄、窒素、リンまたはケイ素をいう。
【0043】
本明細書で使用される場合、用語「ヒドロキシル」とは、基−OHをいう。
【0044】
本明細書で使用される場合、用語「ヒドロキシアルキル」とは、1個以上のヒドロキシル基で置換されている、本明細書で定義したアルキル基をいう。本明細書で使用される場合、分枝鎖または直鎖C1〜C6ヒドロキシアルキル基の非限定的な例としては、1個以上のヒドロキシル基で置換されている、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチルおよびn−ブチルが挙げられる。
【0045】
本明細書で使用される場合、用語「イソシアナト」とは、−N=C=O基をいう。
【0046】
本明細書で使用される場合、用語「イソチオシアナト」とは、−N=C=S基をいう。
【0047】
本明細書で使用される場合、用語「メルカプチル」とは、(アルキル)S−基をいう。
【0048】
本明細書で使用される場合、用語「置換されていてもよい」とは、言及されている基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、メルカプチル、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、パーハロアルキル、パーフルオロアルキル、およびアミノ(一置換および二置換アミノ基を含む)、ならびにそれらの保護誘導体から個々に独立して選択される1個以上のさらなる置換基で置換されていても置換されていなくてもよいことを意味する。任意の置換基の非限定的な例としては、ハロ、−CN、=O、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−OC(O)OR、−C(O)NHR、−C(O)NR2、−OC(O)NHR、−OC(O)NR2、−SR−、−S(O)R、−S(O)2R、−NHR、−N(R)2、−NHC(O)R、−NRC(O)R、−NHC(O)OR、−NRC(O)OR、S(O)2NHR、−S(O)2N(R)2、−NHS(O)2、−NRS(O)2、−NHS(O)2R、−NRS(O)2R、C1〜C8アルキルアルキル、C1〜C8アルキルアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロ置換C1〜C8アルキルアルキル、ハロ置換C1〜C8アルキルアルコキシが挙げられる(ここで、各Rは、独立して、H、ハロ、C1〜C8アルキルアルキル、C1〜C8アルキルアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロ置換C1〜C8アルキルアルキル、およびハロ置換C1〜C8アルキルアルコキシから選択される)。該置換基の配置および数は、十分に理解されている各基の結合価制限に従って行われ、例えば、=Oは、アルキル基に好適な置換基であるが、アリール基に対しては好適ではない。
【0049】
本明細書で使用される場合、用語「溶媒和物」とは、溶質(例えば、本発明の式(I)で示される化合物またはその塩)および溶媒によって形成される可変化学量の錯体をいう。溶媒和物の非限定的な例としては、水、アセトン、メタノール、エタノールおよび酢酸が挙げられる。
【0050】
本明細書で使用される場合、処方物、組成物または成分に関する「許容される」とは、処置される対象体の全体的健康に対して持続性の有害な効果を及ぼさないことを意味する。
【0051】
本明細書で使用される場合、対象化合物に関する用語「投与」または「投与すること」とは、処置を必要とする対象体に式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩、医薬上許容される溶媒和物またはプロドラッグを与えることを意味する。
【0052】
本明細書で使用される場合、用語「担体」とは、本発明の化合物の細胞または組織への取り込みを促進する化学物質または化学薬品をいう。
【0053】
本明細書で使用される場合、用語「共投与」または「併用投与」などは、単一の受動者への選択された複数の治療剤の投与を包含することを意図されており、これら複数の薬剤が必ずしも同一の投与経路によってまたは同時に投与されるわけではない治療計画を包含することを意図される。
【0054】
本明細書で使用される場合、用語「皮膚科障害」とは、皮膚障害をいう。該皮膚科障害としては、アトピー性皮膚炎、水疱性障害、膠原病、接触性皮膚炎、湿疹、川崎病、酒さ、シェーグレン・ラルソン症候群、日光角化症、基底細胞癌およびじんま疹のような皮膚の増殖性または炎症性障害が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
本明細書で使用される場合、用語「希釈剤」とは、送達の前に本発明の化合物を希釈するために使用する化学物質をいう。希釈剤はまた、本発明の化合物を安定化するために使用することもできる。
【0056】
本明細書で使用される場合、用語「有効量」または「治療上有効量」とは、処置される疾患または状態の症状1つ以上をある程度軽減する、本発明の化合物の十分な投与量をいう。結果は、徴候、症状、または疾患の原因の減少および/または軽減、または生物学的系の他の望ましい変化であり得る。例えば、治療的使用についての「有効量」とは、本発明の化合物を含む組成物の、疾患の症状の臨床的に有意な低下をもたらすのに必要な量である。個々の場合で適当な「有効」量は、用量漸増試験のような技術を使用して決定され得る。
【0057】
本明細書で使用される場合、用語「増強」または「増強すること」とは、所望の効果を効力または期間において増大または延長することを意味する。かくして、治療剤の効果を増強することに関しては、用語「増強すること」とは、系に対する他の治療剤の効果を効力または期間において増大または延長することができる能力をいう。本明細書で使用される場合、「増強に有効な量」とは、所望の系における別の治療剤の効果を増強するのに適切な量をいう。
【0058】
本明細書で使用される場合、用語「線維症」または「線維性障害」とは、急性または慢性の炎症のあとに続く、細胞および/またはコラーゲンの異常な蓄積を伴う状態をいい、心臓、腎臓、関節、肺または皮膚のような個々の臓器または組織の線維症が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、特発性肺線維症および原因不明の線維化性胞隔炎のような障害を含む。
【0059】
本明細書で使用される場合、用語「医原性」とは、医学療法または外科療法によって引き起こされるかまたは悪化される状態、障害または疾患を意味する。
【0060】
本明細書で使用される場合、用語「免疫学的に有効な量」とは、免疫学的疾患または障害の治療または予防に有効な、単回用量で、または一連の投与の一部として、個体へ投与する十分量を意味する。この量は、処置される個体の健康状態および体調、年齢、処置される個体の分類群(例えば、非ヒト霊長類、霊長類など)、個体の免疫系の抗体合成能、所望の保護の程度、ワクチンの処方、治療を行う医師による医学的状況の評価、ならびに他の関連要因に依存して変化する。この量は、ルーチン的な試行を介して決定され得る比較的広範囲のものになると考えられる。
【0061】
本明細書で使用される場合、用語「炎症性障害」とは、疼痛(有害物質の発生および神経の刺激による疼痛)、発熱(血管拡張による熱)、発赤(血管拡張および血流増加による発赤)、腫脹(体液の流入過剰または流出制限による腫)、および機能喪失(部分的または完全、一時的または永久的であり得る機能喪失)の徴候の1つ以上によって特徴付けられるこれらの疾患または状態をいう。炎症は多くの形態を取り、急性、癒着性、萎縮性、カタル性、慢性、硬化性、びまん性、播種性、滲出性、フィブリン性、線維化性、局所性、肉芽腫性、過形成性、肥大性、間質性、転移性、壊死性、閉塞性、実質性、形成性、増殖性、繁殖性、偽膜性、化膿性(purulent)、硬化性、漿液形成性、漿液性、単純性、特異的、亜急性、化膿性(suppurative)、中毒性、外傷性、および/または潰瘍性のうち1つ以上の炎症が挙げられるが、これらに限定されるものではない。炎症性障害としては、また、血管を冒すもの(多発性動脈炎、側頭動脈炎);関節を冒すもの(関節炎:結晶性関節炎、変形性関節症、乾癬性関節炎、反応性関節炎、関節リウマチ、ライター関節炎);消化管を冒すもの;皮膚を冒すもの(皮膚炎);または多臓器および組織を冒すもの(全身性エリテマトーデス)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0062】
本明細書で使用される場合、用語「調節する」とは、直接または間接的に標的と相互作用して標的の活性を変更することを意味し、一例に過ぎないが、標的の活性を増強すること、標的の活性を阻害すること、標的の活性を制限すること、または標的の活性を拡大することが挙げられる。
【0063】
本明細書で使用される場合、用語「モジュレーター」とは、標的と直接または間接的に相互作用する分子をいう。この相互作用としては、阻害剤またはエンハンサーの相互作用が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0064】
本明細書で使用される場合、用語「医薬上許容される」とは、本発明の化合物の生物学的活性または性質を抑制しない担体または希釈剤のような物質をいう。該物質は、望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、または、該物質を含有する組成物の成分のいずれとも有害に相互作用することなく、個体に投与される。
【0065】
本明細書で使用される場合、用語「医薬上許容される塩」とは、投与される生物に有意な刺激をもたらさず、本発明の化合物の生物学的活性および性質を抑制しない化合物の形成をいう。
【0066】
本明細書で使用される場合、用語「組み合わせ」または「医薬的組み合わせ」とは、生成物が2種類以上の活性成分の混合または組み合わせにより得られ、これらの活性成分の固定組み合わせおよび非固定組み合わせの両方を含むことを意味する。本明細書で使用される場合、用語「固定組み合わせ」とは、これらの活性成分、一例として、式(I)で示される化合物およびさらなる治療剤が、単一体または単回用量の形態で同時に患者に投与されることを意味する。本明細書で使用される場合、用語「非固定組み合わせ」とは、これらの活性成分、一例として、式(I)で示される化合物およびさらなる治療剤が別々の実体として、同時に(simultaneously)、同時に(concurrently)、または特別な制限時間なく連続して、患者に投与されること(該投与は、患者の身体中でこれら2つの化合物の治療上有効なレベルをもたらす)を意味する。後者は、また、カクテル療法、例えば3種類以上の活性成分の投与に適用される。
【0067】
本明細書で使用される場合、用語「組成物」または「医薬組成物」とは、本発明の式(I)で示される化合物の少なくとも1つと他の化学的成分(例えば、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤および/または賦形剤)との混合物をいう。
【0068】
本明細書で使用される場合、用語「プロドラッグ」とは、インビボで親薬物に変換される薬剤をいう。本発明の化合物のプロドラッグの非限定的な例は、細胞の内部ですぐに代謝によりカルボン酸である活性な実体に加水分解されるエステルとして投与される本発明の化合物である。プロドラッグのさらなる例は、酸の基と結合した短鎖ペプチドであり、該ペプチドが代謝されて活性な部分を露出させる。
【0069】
本明細書で使用される場合、用語「呼吸器疾患」とは、鼻、咽頭、喉頭、気管、気管支および肺のような呼吸に関与する臓器を冒している疾患をいう。呼吸器疾患としては、喘息、成人呼吸窮迫症候群およびアレルギー性(外因性)喘息、非アレルギー性(内因性)喘息、重症急性喘息、慢性喘息、臨床的喘息、夜間性喘息、アレルゲン誘発性喘息、アスピリン感受性喘息、運動誘発性喘息、等炭酸ガス性過換気症、小児発症喘息、成人発症喘息、咳喘息、職業性喘息、ステロイド抵抗性喘息、季節性喘息、季節性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎または慢性肺気腫を含む)、肺高血圧症、間質性肺線維症および/または気道炎症および嚢胞性線維症、および低酸素症が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0070】
本明細書で使用される場合、用語「対象体」または「患者」は、哺乳動物または非哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、ヒト、チンパンジー、類人猿、ウシ、ウマ、ヒドジ、ヤギ、ブタ;ウサギ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、およびモルモットなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。非哺乳動物の例としては、鳥類および魚類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
本明細書で使用される場合、用語「治療上有効量」とは、この量の投与を受けない対象体と比べて、疾患、障害または副作用の治療、治癒、予防または寛解を向上させるか、または疾患または障害の進行速度を低下させる化合物の量をいう。該用語は、また、その範囲内で通常の生理学的機能を増強するのに有効な量をも包含する。
【0072】
本明細書で使用される場合、用語「治療する」「治療すること」または「治療」とは、予防上および/または治療上、疾患または状態の症状を軽減、寛解(abating)または寛解(ameliorating)する方法、さらなる症状を予防する方法、症状の基礎代謝原因を寛解または予防する方法、疾患または状態を抑制する方法、疾患または状態の発症を停止する方法、疾患または状態を緩和する方法、疾患または状態の後退をもたらす方法、疾患または状態によって引き起こされた状態を緩和する方法、または疾患または状態の症状を停止する方法をいう。
【0073】
本発明の化合物名は、ChemDraw Ultra 10.0(CambridgeSoft(登録商標))またはJChem version 5.0.3(ChemAxon)を使用して得られた。
【0074】
以下の詳細な説明により、本発明の方法、組成物および組み合わせの他の目的、特徴および利点が明らかになるであろう。しかしながら、当然のことながら、詳細な説明および特定の実施例は、特定の実施態様を示しているが、例示に過ぎない。
【0075】
化合物
本発明は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)のモジュレーターである化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体を提供する。ある実施態様では、該化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体は、Gタンパク質共役受容体のアゴニストである。ある実施態様では、該化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体は、Gタンパク質共役受容体120(GPR120)のモジュレーターである。ある実施態様では、該化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体は、Gタンパク質共役受容体120(GPR120)のアゴニストである。
【0076】
さらに、本発明は、Gタンパク質共役受容体に関連する疾患および/または障害の治療および/または予防のための、化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、ならびにその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体を含む医薬組成物を提供する。ある実施態様では、該化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、ならびにその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体を含む医薬組成物は、Gタンパク質共役受容体120(GPR120)に関連する疾患およびまたは。障害の治療および/または予防のためのものである。ある実施態様では、このGタンパク質共役受容体120(GPR120)に関連する疾患および/または障害としては、代謝性の疾患および/または障害ならびに摂食障害が挙げられるが、これらに限定されるものではない。この代謝性の疾患および/または障害ならびに摂食障害としては、肥満症、糖尿病、過食症、内分泌異常、トリグリセリド蓄積症、バルデ・ビードル症候群、ローレンス・ムーン症候群、プラダー・ウィリー症候群(Prader-Labhart-Willi syndrome)、食欲不振および悪液質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ある実施態様では、該化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、ならびにその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体を含む医薬組成物は、食欲および/または体重増加を制御する。
【0077】
また、本発明は、Gタンパク質共役受容体に関連する疾患および/または障害の治療および/または予防の方法を提供する。ある実施態様では、該方法は、Gタンパク質共役受容体120(GPR120)に関連する疾患および/または障害の治療および/または予防のためのものである。ある実施態様では、このGタンパク質共役受容体120(GPR120)に関連する疾患および/または障害としては、代謝性の疾患および/または障害ならびに摂食障害が挙げられるが、これらに限定されるものではない。この代謝性の疾患および/または障害ならびに摂食障害としては、肥満症、糖尿病、過食症、内分泌異常、トリグリセリド蓄積症、バルデ・ビードル症候群、ローレンス・ムーン症候群、プラダー・ウィリー症候群(Prader-Labhart-Willi syndrome)、食欲不振および悪液質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ある実施態様では、該方法は、食欲を制御するために用いられる。ある実施態様では、該方法は、体重増加を制御するために用いられる。ある実施態様では、該方法は、体重減少を制御するために用いられる。
【0078】
上記化合物ならびにその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体は、
【化6】

[式中、
nは、0、1、2、3および4から選択され;
Aは、
【化7】

から選択され(ここで、
8は、Hであるか、または、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよいC1-4アルキルおよびフェニルから選択され;
9は、C1-6アルキル、ハロ置換C1-4アルキルおよび−X110から選択され;ここで、X1は、結合またはC1-4アルキレンであり;R10は、C3-8シクロアルキルである);
1は、−COOH、−SO3Hおよびテトラゾリルから選択され;
2は、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから選択され;
3、R4、R5、R6またはR7は、独立して、H、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ置換C1-4アルコキシ、X2OR11、−X2NR1213、−X211および−X2OX3OR11から選択され;ここで、X2は、結合およびC1-4アルキレンから選択され;X3は、C1-4アルキレンであり;R11は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよい、C1-6アルキルおよびアリールから選択され;R12およびR13は、独立して、HおよびC1-6アルキルから選択されるか;または
3とR4、またはR5とR6は、それらが結合している炭素原子と一緒になってフェニル環を形成することができ(その結果、合わせた縮合二官式基はキノリニルとなる);ここで、R3とR4またはR5とR6を合わせたフェニルは、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよい]
で示される構造を有する化合物またはその医薬上許容される塩である。
【0079】
上記化合物のある実施態様は、式(Ia):
【化8】

[式中、
nは、0、1、2、3および4から選択され;
8は、Hであるか、または、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよいC1-4アルキルおよびフェニルから選択され;
9は、C1-6アルキル、ハロ置換C1-4アルキルおよび−X110から選択され;ここで、X1は、結合またはC1-4アルキレンであり;R10は、C3-8シクロアルキルであり;
1は、−COOH、−SO3Hおよびテトラゾリルから選択され;
各R2は、独立して、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから選択され;
3、R4、R5、R6またはR7は、独立して、H、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ置換C1-4アルコキシ、X2OR11、−X2NR1213、−X211、−X2OX311および−X2OX3OR11から選択され;ここで、X2は、結合およびC1-4アルキレンから選択され;X3は、C1-4アルキレンであり;R11は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよい、C1-6アルキル、ヘテロアリールおよびアリールから選択され;R12およびR13は、独立して、HおよびC1-6アルキルから選択されるか;または
3とR4、またはR5とR6は、各々独立して、C1-4アルキルであり、それらが結合している炭素原子と一緒になってフェニル環を形成することができ;ここで、R3とR4またはR5とR6を合わせたフェニルは、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよい]
で示される構造を有する化合物またはその医薬上許容される塩である。
【0080】
ある実施態様では、上記化合物は、R8がHまたはC1-4アルキルである化合物である。
【0081】
上記化合物のある実施態様では、各R2はも独立して、ハロであるが、上記化合物の他の実施態様では、各R2は、独立して、フルオロおよびブロモから選択される。
【0082】
ある実施態様では、上記化合物は、式(Ib):
【化9】

で示される構造を有する化合物である。
【0083】
ある実施態様では、上記化合物は、式(Ic)または式(Id):
【化10】

で示される構造を有する化合物である。
【0084】
本発明で提供される式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)および(Id)で示される化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、ならびに医薬組成物は、また、該化合物およびその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、ならびに医薬組成物の全ての好適な同位体変種を包含する。本発明の化合物またはその医薬上許容される塩の同位体変種は、少なくとも1つの原子が同一の原子番号をもち、通常自然界に見られる原子質量とは異なる原子質量を有する原子と置き換えられているものであると定義される。本発明の化合物およびその医薬上許容される塩に取り込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素および酸素の同位体、例えば、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、35S、18F、36Clおよび123Iが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の化合物およびその医薬上許容される塩のある種の同位体変種、例えば、3Hまたは14Cのような放射性同位体を取り込んだものは、薬物および/または基質の組織分布研究において有用である。特定の例では、3Hおよび14C同位体は、それらの製造の容易さおよび検出能のために使用され得る。他の例では、2Hのような同位体での置換は、インビボ半減期の増加または必要用量の減少のような大きな代謝安定性によりもたらされるある種の治療上の利点を与える。本発明により提供される化合物およびその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体の同位体変種、ならびに医薬組成物は、適切な試薬の適当な同位体変種を使用して慣用の方法によって調製される。
【0085】
式(I)で示される化合物の製造方法
式(I)で示される化合物の一般的な製造方法は、下記実施例に記載される。記載される反応において、反応性官能基、例えば、ヒドロキシル、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基は、これらが最終生成物において望まれる場合、保護されて、反応におけるそれらの望ましくない関与を回避することができる。標準的なプラクティス(例えば、一例に過ぎないが、T.W. Greene and P. G. M. Wuts in “Protective Groups in Organic Chemistry,” John Wiley and Sons, 1991を参照)に従って慣用の保護基を用いることができる。
【0086】
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物は、式(I)で示される化合物の遊離塩基形態を医薬上許容される有機酸または無機酸と反応させることによって医薬上許容される酸付加塩として製造される。他の実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩基付加塩は、式(I)で示される化合物の遊離酸形態を医薬上許容される有機塩基または無機塩基と反応させることによって製造される。別法として、本発明の式(I)で示される化合物の塩形態は、出発物質または中間体の塩を使用して製造される。ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物は、シュウ酸塩およびトリフルオロ酢酸塩を包含するがこれらに限定されるものではない他の塩の形態のものである。ある実施態様では、酸および塩基のヘミ塩、例えば、ヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩が形成される。
【0087】
式(I)で示される化合物の該医薬上許容される酸付加塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アジピン酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、プロピオン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩(例えば、2−ナフタレンスルホン酸塩)、ヘキサン酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、サイクラミン酸塩、エジシル酸塩、ベシル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、サッカラート、ステアリン酸塩、タンニン酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩およびキシナホ酸塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0088】
式(I)で示される化合物のある種の医薬上許容される酸付加塩を形成するために使用される有機酸または無機酸としては、臭化水素酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、コハク酸、マレイン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、安息香酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(例えば、2−ナフタレンスルホン酸)またはヘキサン酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0089】
式(I)で示される化合物の該医薬上許容される塩基付加塩としては、アルミニウム塩、アルギニン塩、ベンザチン塩、カルシウム塩、コリン塩、ジエチルアミン塩、ジオールアミン塩、グリシン塩、リジン塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、オラミン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩および亜鉛塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0090】
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物の遊離酸形態または遊離塩基形態は、それぞれ、対応する塩基付加塩形態または酸付加塩形態から調製される。例えば、式(I)で示される化合物の酸付加塩の形態は、適切な塩基(一例に過ぎないが、水酸化アンモニウム溶液および水酸化ナトリウムなど)で処理することによって対応する遊離塩基に変換される。例えば、式(I)で示される化合物の塩基付加塩の形態は、適切な酸(一例に過ぎないが、塩酸)で処理することによって、対応する遊離酸に変換される。
【0091】
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物の酸化されていない形態は、適切な不活性有機溶媒(一例に過ぎないが、アセトニトリル、エタノールまたは水性ジオキサンなど)中、0〜80℃にて、還元剤(一例に過ぎないが、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、三塩化リンまたは三臭化物など)で処理することによって、式(I)で示される化合物のN−オキシドから製造される
【0092】
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者に公知の方法を使用して製造される(例えば、一例に過ぎないが、さらに詳しくは、Saulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985を参照)。例えば、適当なプロドラッグは、式(I)で示される非誘導体化化合物を適切なカルバミル化剤(一例に過ぎないが、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリデートまたはパラ−ニトロフェニルカーボネートなど)と反応させることによって製造される。
【0093】
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物は、当業者に公知の方法を使用して保護誘導体として製造される。保護基の創造およびそれらの除去に適用できる技術の詳細な説明は、T. W. Greene, “Protecting Groups in Organic Chemistry,” 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999に見ることができる。
【0094】
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物は、溶媒和物(例えば、一例に過ぎないが、水和物)として製造まはた形成される。ある実施態様では、式(I)で示される化合物の水和物は、ジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールのような有機溶媒を使用して、水性/有機溶媒混合物から再結晶することによって製造される。
【0095】
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物は、それらの個々の立体異性体として製造される。他の実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物は、化合物のラセミ混合物を光学的に活性な分割剤と反応させて一組のジアステレオ異性性化合物を形成し、これらのジアステレオ異性体を分離し、光学的に純粋なエナンチオマーを回収することによって、それらの個々の立体異性体として製造される。ある実施態様では、エナンチオマーの分割は、式(I)で示される化合物の共有結合ジアステレオ異性性誘導体を使用して、または、解離性複合体(例えば、一例に過ぎないが、結晶性ジアステレオ異性性塩)を使用して、行われる。ジアステレオマーは、別々の物理学的性質(たとえば、一例に過ぎないが、融点、沸点、溶解度、反応性など)を有しており、これらの相違点を利用して容易に分離される。ある実施態様では、ジアステレレオマーは、クロマトグラフィーによって、または溶解度の差異に基づく分離/分割技術によって、分離される。光学的に純粋なエナンチオマーは、次いで、分割剤と共に、ラセミ化を引き起こさない実用的手段によって、回収される。化合物の立体異性体をそれらのラセミ混合物から分割するのに適用できる技術のさらに詳細な説明は、Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolutions,” John Wiley And Sons, Inc., 1981に見ることができる。
【0096】
式(I)で示される化合物は、本明細書に記載のプロセスによって、実施例に例示されているように、製造される。ある実施態様では、式(I)で示される化合物は、
(a)所望により本発明の化合物を医薬上許容される塩に変換させること;
(b)所望により本発明の化合物の塩形態を非塩形態に変換すること;
(c)所望により本発明の化合物の酸化されていない形態を医薬上許容されるN−オキシドに変換すること;
(d)所望により本発明の化合物のN−オキシド形態をその酸化されていない形態に変換すること;
(e)所望により本発明の化合物の個々の異性体を異性体混合物から分割すること;
(f)所望により本発明の非誘導体化化合物を医薬上許容されるプロドラッグ誘導体に変換すること;および
(g)所望により本発明の化合物のプロドラッグ誘導体をその非誘導体化形態に変換すること
によって製造される。
【0097】
本発明の式(I)で示される化合物を製造するのに使用される合成スキームの非限定的な例を反応スキーム(I)から(IV)に例示する(ここで、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R7およびR9は、本明細書において定義したとおりである)。
【0098】
反応スキーム(I)は、式(Ia)で示される構造を有する置換チアゾールの合成を例示する。
【0099】
【化11】

【0100】
反応スキーム(I)において、式(Ia)で示される化合物は、まず適切な溶媒の存在下にてイソチオシアネート(I−1)をアミン(I−2)と反応させ、加熱してチオ尿素(I−3)を得ることによって製造される。かかる反応で使用した溶媒としては、アセトニトリル(ACN)が挙げられるが、これに限定されるものではない。次いで、チオ尿素(I−3)を適切な溶媒の存在下にてハロ誘導体(I−4)と反応させ、加熱して式(Ia)で示される化合物を得る。かかる反応において使用される溶媒としては、メタノールが挙げられるが、これに限定されるものではない。ある実施態様では、Kasmi, Souad; Hamelin, Jack; Benhaoua, Hadj, Microwave-assisted solvent-free synthesis of iminothiazolines, Tetrahedron Letters (1998), 39(44), 8093-8096;Korohoda, Maria Jolanta;Bojarska, Aleksandra Barbara, Introduction of selenium to heterocyclic compounds. Part IV, Structure of 2-imino-4-thiazoline derivatives, Polish Journal of Chemistry (1984), 58(4-5-6), 447-53;および Singh, Harjit; Ahuja, A. S.; Malhotra, N, Reactions of N,N-dialkyl-N'-arylthioureas with α-halo ketones and of 2-substituted imino-1,3-oxathioles with heterocumulenes, Indian Journal of Chemistry, Section B: Organic Chemistry Including Medicinal Chemistry(1980), 19B(12),1019-22 によって提供される合成方法を本発明の化合物の合成に合わせて変更した。
【0101】
反応スキーム(II)は、式(Ib)で示される構造を有する置換オキサジアゾールの合成を例示する。
【0102】
【化12】

【0103】
反応スキーム(II)において、式(Ib)で示される化合物は、適切な溶媒および1,1'−カルボニルジイミダゾールの存在下にてカルボン酸(II−1)をヒドロキシルアミン(II−2)と反応させることによって製造される。かかる反応において使用される溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)が挙げられるが、これに限定されるものではない。ある実施態様では、Ooi, Ngan Sim; Wilson, David A., Formation and thermal reaction of O-(N-acetylbenzimidoyl)benzamidoxime: comparison with the formation of 3,5-disubstituted 1,2,4-oxadiazoles from O-acetylarylamidoximes and O-aroylacetamidoximes, Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 2: Physical Organic Chemistry (1972-1999), (1980), (12), 1792-9 および Lloyd, John; Schmidt, Joan B.; Rovnyak, George; Ahmad, Saleem; Atwal, Karnail S.; Bisaha, Sharon N.; Doweyko, Lidia M.; Stein, Philip D.; Traeger, Sarah C.; Mathur, Arvind; Conder, Mary Lee; DiMarco, John; Harper, Timothy W.; Jenkins-West, Tonya; Levesque, Paul C.; Normandin, Diane E.; Russell, Anita D.; Serafino, Randolph P.; Smith, Mark A.; Lodge, Nicholas J., Design and synthesis of 4-substituted benzamides as potent, selective, and orally bioavailable IKs blockers, Journal of Medicinal Chemistry (2001), 44(23), 3764-3767 によって提供される合成方法を本発明の化合物の合成に合わせて変更した。
【0104】
反応スキーム(III)は、式(Id)で示される構造を有する置換トリアゾールの合成を例示する。
【0105】
【化13】

【0106】
反応スキーム(III)において、式(Id)で示される化合物は、適切な溶媒、銅触媒および酸化剤の存在下にてアジド(III−1)をアルキン(III−2)と反応させるクリック化学を使用して製造される。かかる反応において使用される溶媒としては、ジメチルスルホキシドおよび水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ある実施態様では、Hirose T, Sunazuka T, Noguchi Y, et al., Rapid 'SAR' via click chemistry: an alkyne-bearing spiramycin is fused with diverse azides to yield new triazole-antibacterial candidates, Heterocycles. 2006; 69:55-61;Rostovtsev VV, Green LG, Fokin VV, Sharpless KB., A stepwise Huisgen cycloaddition process: copper(I)-catalyzed regioselective “ligation” of azides and terminal alkynes, Angew. Chem., Int. Ed. 2002; 41(14): 2596-2599、および Wang Q, Chan TR, Hilgraf R, Fokin VV, Sharpless KB, Finn MG., Bioconjugation by copper(I)-catalyzed azide-alkyne [3 + 2] cycloaddition, J. Am. Chem. Soc. 2003; 125(11): 3192-3193 によって提供される合成方法を本発明の化合物の合成に合わせて変更した。
【0107】
反応スキーム(IV)は、式(Ic)で示される構造を有する置換トリアゾールの合成を例示する。
【0108】
【化14】

【0109】
反応スキーム(IV)において、式(Ic)で示される化合物は、適切な溶媒、銅触媒および酸化剤の存在下にてアジド(IV−1)をアルキン(IV−2)と反応させるクリック化学を使用して製造される。かかる反応において使用される溶媒としては、ジメチルスルホキシドおよび水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0110】
式(I)で示される化合物の合成の詳細例は、下記実施例に見ることができる。
【0111】
薬理および有用性
Gタンパク質共役受容体120(GPR120)は、腸において豊富に発現され、不飽和長鎖遊離脂肪酸(FFA)に対して受容体として機能する、オーファンGタンパク質共役受容体である。FFAによるGPR120の刺激は、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)の分泌を促進し、血中インスリンを増加させ、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)カスケードを活性化させることが報告されている。末梢性では、GLP−1は腸運動性に影響を及ぼし、胃酸およびグルカゴン分泌を阻害する。中枢神経系においては、GLP−1は満腹を誘発し、体重増加を抑制する。膵臓においては、GLP−1は、グルコース刺激インスリン分泌の増加に加えて、インスリン分泌β細胞塊の拡張を誘発する。Hirasawa A, Tsumaya K, Awaji T, Katsuma S, Adachi T, Yamada M, Sugimoto Y, Miyazaki S, Tsujimoto G., 'Free fatty acids regulate gut incretin glucagon-like peptide-1 secretion through GPR120, Nat Med. 2005 Jan; 11(1): 90-4;Briscoe CP, Peat AJ, McKeown SC, Corbett DF, Goetz AS, Littleton TR, McCoy DC, Kenakin TP, Andrews JL, Ammala C, Fornwald JA, Ignar DM, Jenkinson S., Pharmacological regulation of insulin secretion in MIN6 cells through the fatty acid receptor GPR40: identification of agonist and antagonist small molecules, Br J Pharmacol. 2006 Jul; 148(5): 619-28;Katsuma S, Hatae N, Yano T, Ruike Y, Kimura M, Hirasawa A, Tsujimoto G., Free fatty acids inhibit serum deprivation-induced apoptosis through GPR120 in a murine enteroendocrine cell line STC-1, J. Biol Chem. 2005 May 20; 280(20): 19507-15;Gotoh C, Hong YH, Iga T, Hishikawa D, Suzuki Y, Song SH, Choi KC, Adachi T,Hirasawa A, Tsujimoto G, Sasaki S, Roh SG., The regulation of adipogenesis through GPR120, Biochem Biophys Res Commun. 2007 Mar 9; 354(2): 591-7;Rayasam GV, Tulasi VK, Davis JA, Bansal VS., Fatty acid receptors as new therapeutic targets for diabetes, Expert Opin Ther Targets. 2007 May; 11(5): 661-71;Tanaka T, Katsuma S, Adachi T, Koshimizu TA, Hirasawa A, Tsujimoto G., Free fatty acids induce cholecystokinin secretion through GPR120, Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol. 2007 Oct 31, and Matsumura S, Mizushige T, Yoneda T, Iwanaga T, Tsuzuki S, Inoue K, Fushiki T., GPR expression in the rat taste bud relating to fatty acid sensing, Biomed Res. 2007 Feb; 28(1): 49-55 を参照。
【0112】
強力なインスリン分泌性インクレチンとして食欲および摂食制御におけるGLP−1の重要性から、GPR120は糖尿病、肥満症および他の摂食障害の処置のための有望な標的である。薬剤作用および開発のための標的としてのGPCRの重要性のために、GPCR機能を調節する薬剤の開発の必要性が残っている。
【0113】
本発明の化合物は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)の調節に有用である。ある実施態様では、かかる化合物は、Gタンパク質共役受容体120(GPR120)の調節に有用である。ある実施態様では、かかる化合物は、GPR120アゴニストとして有用である。
【0114】
本発明の化合物は、糖尿病(例えば、一例に過ぎないが、真性糖尿病)および脂質異常症(例えば、一例に過ぎないが、高脂血症、肥満症および食欲不振)を包含するがこれらに限定されるものではない、GPR120によって媒介される状態の治療に有用である。
【0115】
本発明の化合物は、Gタンパク質共役受容体を調節し、それ自体として、GPCRが疾患および/または障害の病態および/または症候に関与している疾患または障害の治療に有用である。ある実施態様では、本発明の化合物は、Gタンパク質共役受容体120(GPR120)によって媒介される状態を予防、寛解または治療するために用いられる。GPR120により媒介される状態としては、肥満症、糖尿病、過食症、内分泌異常、トリグリセリド蓄積症、バルデ・ビードル症候群、ローレンス・ムーン症候群、プラダー・ウィリー症候群(Prader-Labhart-Willi syndrome)、食欲不振および悪液質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0116】
肥満症は、体格指数(BMI)が30kg/m2以上であると定義される(National Institute of Health, Clinical Guidelines on the Identification, Evaluation, and Treatment of Overweight and Obesity in Adults (1998))。ある実施態様では、本発明の化合物は、体格指数(BMI)が25kg/m2以上、26kg/m2以上、27kg/m2以上、28kg/m2以上、29kg/m2以上、29.5kg/m2以上、または29.9kg/m2以上である(これらはすべて典型的に体重過多といわれる(National Institute of Health, Clinical Guidelines on the Identification, Evaluation, and Treatment of Overweight and Obesity in Adults (1998)))ことによって特徴付けられる状態の予防、寛解または治療のために使用される。
【0117】
他の実施態様では、本発明の化合物は、脂肪細胞からのグリセロールの生産を調節するための薬剤、血中グリセロールを調節するための薬剤、脂肪分解を調節するための薬剤、インスリン抵抗性調節剤、ストレス調節剤、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌を調節するための薬剤、成長ホルモン分泌を調節するための薬剤、およびグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)分泌を調節するための薬剤として有用である。
【0118】
他の実施態様では、GPR120アゴニストであるかまたは遊離脂肪酸のGPR120への結合親和性を増強する本発明の化合物は、脂肪細胞からのグルセロール生産を抑制するための薬剤、血中グリセロールを低下させるための薬剤、脂肪分解を抑制するための薬剤、インスリン抵抗性を抑制するための薬剤、ストレス調節剤、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌抑制剤、成長ホルモン分泌抑制剤およびグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)分泌促進剤として有用である。
【0119】
ある実施態様では、GPR120アゴニストである本発明の化合物は、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌抑制剤として有用であり、ACTH産生腫瘍、クッシング病、感染症、続発性副腎皮質機能低下症、消化性潰瘍、真性糖尿病、精神障害、白内障、緑内障、結核性疾患、高血圧症、クッシング症候群、中心性肥満症、浮腫、高血圧症、月経障害、広範囲の皮膚線条、多毛症、満月顔、骨粗鬆症、出血性素因、うつ病、不安症、筋萎縮症、筋力の喪失、低カリウム血症、高コレステロール血症、耐糖能障害、白血球増加症、および副腎皮質萎縮症のような関連疾患の予防/治療に有用である。
【0120】
ある実施態様では、本発明の化合物は、GPR120アンタゴニストであるか、または、遊離脂肪酸のGPR120への結合親和性を低下させ、脂肪細胞からのグリセロール生産を促進するための薬剤、血中グリセロールを増加させるための薬剤、脂肪分解を促進するための薬剤、インスリン抵抗性を促進するための薬剤、ストレス調節剤、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌を促進するための薬剤、成長ホルモン分泌を促進するための薬剤およびグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)分泌を抑制するための薬剤として有用である。ある実施態様では、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌を促進するための薬剤として有用なかかるGPR120アンタゴニストは、結合組織疾患、腎疾患、呼吸器疾患、消化器系疾患、神経筋疾患、血液疾患、内分泌性代謝性疾患、皮膚疾患およびアナフィラキシーショックの予防/治療に有用である。該結合組織疾患としては、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、リウマチ熱および強皮症が挙げられるが、これらに限定されるものではない。該腎疾患としては、ネフローゼが挙げられるが、これに限定されるものではない。該呼吸器疾患としては、気管支喘息、肺結核性胸膜炎、サルコイドーシスおよびびまん性間質性肺炎が挙げられるが、これらに限定されるものではない。該消化器系疾患としては、潰瘍性大腸炎、急性胆汁うっ帯性肝炎、劇症肝炎、慢性肝炎および肝硬変が挙げられるが、これらに限定されるものではない。該神経筋疾患としては、脳脊髄炎、末梢神経炎、多発性硬化症、重症筋無力症および顔面神経麻痺が挙げられるが、これらに限定されるものではない。該血液疾患としては、溶血性貧血、無顆粒球症、紫斑病、再生不良性貧血、白血病および悪性リンパ腫が挙げられるが、これらに限定されるものではない。該内分泌性代謝性疾患としては、急性または慢性副腎皮質機能不全、副腎性器症候群、甲状腺疾患に起因する悪性眼球突出症、およびACTH単独欠損症が挙げられるが、これらに限定されるものではない。該皮膚疾患としては、じんま疹、湿疹、皮膚炎、帯状疱疹、乾癬および薬物アレルギーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0121】
他の実施態様では、本発明の化合物は、真性糖尿病、耐糖能障害、ケトン症、アシドーシス、糖尿病性ニューロパチー、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、高脂血症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、性機能障害、肥満症、下垂体機能不全(例えば、一例に過ぎないが、下垂体機能低下症、下垂耐性低身長症、尿崩症、先端巨大症、クッシング病、高プロラクチン血症、および抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)、癌(例えば、一例に過ぎないが、結腸直腸癌)、記憶および学習の欠損、膵性疲労、低血糖、インスリンアレルギー、脂肪毒性、脂肪萎縮症、癌性悪液質、高インスリン血症、高血糖症、高FFAフラックスに起因する障害、高トリグリセリド血症、脂肪肝、熱産生の機能不全、胆石症、摂食障害、食欲不振、腸ホルモン(例えば、一例に過ぎないが、コレシストキニン(CCK)、胃抑制ペプチド(GIP)、ガストリン、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、ソマトスタチン、ガストリン放出ペプチド、セクレチン、血管作用性小腸ペプチド、モチリン、サブスタンスP、ニューロテンシン、ガラニン、ニューロペプチドY、エンケファリン、およびペプチドYY)の分泌障害または循環疾患を予防/治療するための薬剤として有用である。
【0122】
ある実施態様では、本発明の化合物は、GPR120アゴニストであり、真性糖尿病、高脂血症、動脈硬化症、狭心症または心筋梗塞の予防および/または治療に有用であるが、一方、他の実施態様では、本発明の化合物は、GPR120アンタゴニストであり、食欲不振および肥満症(内臓脂肪蓄積を伴う肥満症を含む)の予防および/または治療に有用である。
【0123】
他の実施態様では、本発明の化合物は、動脈硬化症、動脈硬化性疾患およびそれらの二次疾患(例えば、一例に過ぎないが、急性冠動脈症候群、アテローム性動脈硬化症、末梢動脈疾患、急性心筋梗塞、不安定狭心症、虚血性心疾患、経皮経管冠動脈形成術(PTCA)後の再狭窄、心筋梗塞、狭心症、動脈硬化症(血管石灰沈着を含む)、間欠性跛行、脳卒中、脳梗塞、脳塞栓症、脳出血、ラクナ梗塞、脳血管性認知症、壊疽、糸球体硬化症、腎症およびタンジール病)、アテローム性動脈硬化症およびそれらの二次疾患(例えば、一例に過ぎないが、冠動脈心疾患(CHD)および脳虚血)における血管病変、ならびに脂質代謝異常およびこの二次疾患を包含するがこれらに限定されるものではない疾患を予防および/または治療するための薬剤として有用である。
【0124】
該自己免疫媒介障害としては、関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、溶血性貧血、狼瘡、原発性胆汁性肝硬変(PBC)および特発性血小板減少性紫斑病(ITP)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0125】
呼吸器疾患としては、喘息、鼻炎、COPD、喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、運動誘発性喘息、薬物誘発性喘息(アスピリン誘発性およびNSAID誘発性を含む)およびダスト誘発性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD);気管支炎、急性および慢性鼻炎(薬物性鼻炎および血管運動性鼻炎を含む);通年性および季節性アレルギー性鼻炎(神経性鼻炎(花粉症)を含む)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0126】
皮膚科疾患および/または障害としては、皮膚炎および湿疹(例えば、一例に過ぎないが、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎(頭部粃糠疹、新生児頭部皮膚炎)、おむつ皮膚炎、ウルシオール誘発性接触性皮膚炎、接触性皮膚炎、紅皮症、慢性単純性苔癬、結節性痒疹、掻痒、肛門掻痒症、貨幣状皮膚炎、発汗障害および白色粃糠疹が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0127】
Gタンパク質共役受容体関連および/または媒介疾患の治療
本発明の式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、医薬組成物、ならびに併用療法は、Gタンパク質共役受容体のモジュレーターであり、Gタンパク質共役受容体関連または媒介の疾患および/または障害の治療および/または予防に使用される。本発明の式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、医薬組成物、ならびに併用療法は、Gタンパク質共役受容体120のモジュレーターであり、Gタンパク質共役受容体120関連または媒介の疾患および/または障害の治療および/または予防に使用される。該疾患および/または障害としては、本明細書に記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0128】
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、医薬組成物、ならびに併用療法は、Gタンパク質共役受容体のアゴニストであり、Gタンパク質共役受容体関連または媒介の疾患および/または障害の治療および/または予防に使用される。ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、医薬組成物、ならびに併用療法は、Gタンパク質共役受容体120のアゴニストであり、Gタンパク質共役受容体120関連または媒介の疾患および/または障害の治療および/または予防に使用される。該疾患および/または障害としては、本明細書に記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0129】
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、医薬組成物、ならびに併用療法は、Gタンパク質共役受容体のアンタゴニストであり、Gタンパク質共役受容体関連または媒介の疾患および/または障害の治療および/または予防に使用される。ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、医薬組成物、ならびに併用療法は、Gタンパク質共役受容体120のアンタゴニストであり、Gタンパク質共役受容体120関連または媒介の疾患および/または障害の治療および/または予防に使用される。該疾患および/または障害としては、本明細書に記載のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0130】
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、医薬組成物、および/または組み合わせは、呼吸器疾患、および/または喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、運動誘発性喘息、薬物誘発性喘息(アスピリン誘発性およびNSAID誘発性を含む)およびダスト誘発性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD);気管支炎、急性および慢性鼻炎(薬物性鼻炎および血管運動性鼻炎を含む);通年性および季節性アレルギー性鼻炎(神経性鼻炎(花粉症)を含む)を包含するがこれらに限定されるものではない障害の治療および/または予防に使用される。
【0131】
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、医薬組成物、および/または組み合わせは、乾癬、皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、ウルシオール誘発性接触性皮膚炎、湿疹性皮膚炎、および遅延型過敏反応;植物性および紫外皮膚炎;脂漏性皮膚炎、ヘルペス状皮膚炎、慢性単純性苔癬、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、円板状エリテマトーデス、おむつ皮膚炎、紅皮症、結節性痒疹、掻痒、肛門掻痒症、貨幣状皮膚炎、発汗障害および白色粃糠疹を包含するがこれらに限定されるものではない皮膚科障害の治療および/または予防に使用される。
【0132】
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、医薬組成物、ならびに併用療法は、関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、全身性エリテマトーデス(SLE)、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)、溶血性貧血および移植片拒絶を治療および/または予防するための免疫抑制剤として使用される。
【0133】
本発明の式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、医薬組成物、ならびに併用療法は、Gタンパク質共役受容体関連または媒介の疾患および/または障害の治療および/または予防のために対象体(ヒトまたは他の哺乳動物)においてGタンパク質共役受容体を調節する方法に使用される。ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物、その医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、医薬組成物、ならびに併用療法は、Gタンパク質共役受容体120関連または媒介の疾患および/または障害の治療および/または予防のために対象体(ヒトまたは他の哺乳動物)においてGタンパク質共役受容体120を調節する方法に使用される。ある実施態様では、該方法は、対象体に、式(I)で示される化合物、または式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物を有効量で投与することにより対象体においてGタンパク質共役受容体(Gタンパク質共役受容体120を含む)を調節することを含む。
【0134】
ある実施態様では、Gタンパク質共役受容体(Gタンパク質共役受容体120を含む)関連または媒介の疾患および/または障害に罹患している対象体の治療方法は、該対象体に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物の有効量を単独でまたは本発明の医薬組成物の一部として投与することを含む。
【0135】
ある実施態様では、Gタンパク質共役受容体(Gタンパク質共役受容体120を含む)の調節が関係する疾患または障害の治療方法であって、かかる治療を必要とする系または対象体に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは医薬組成物の有効量を投与することによって本明細書に記載の疾患および/または障害を包含するがこれらに限定されるものではない疾患または障害を治療することを含む方法である。
【0136】
ある実施態様では、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物は、Gタンパク質共役受容体関連または媒介の疾患または障害の治療のための薬剤の製造において使用される。ある実施態様では、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物は、Gタンパク質共役受容体120関連または媒介の疾患または障害の治療のための薬剤の製造において使用される。
【0137】
ある実施態様では、本発明の方法に使用される系または対象体は、細胞または組織系である。ある実施態様では、本発明の方法に使用される系または対象体は、ヒト対象体または動物対象体である。
【0138】
上記によると、本発明は、上記のいずれかの疾患または障害の状態の予防、治療および/または寛解を必要とする対象体における該予防、治療および/または寛解の方法であって、該対象体に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩の治療上有効量を投与することを含む方法を提供する。本発明の方法および使用について、必要用量は、投与形態、処置される特定の状態、および所望の効果に依存して変化する。
【0139】
投与経路および医薬組成物
本発明の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体の治療用途について、かかる化合物は、その治療上有効量が、単独でまたは医薬組成物の一部として投与される。したがって、少なくとも1つの式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグもしくは異性体、および1種類以上の医薬上許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物が提供される。さらに、かかる化合物および組成物は、単一で、または1種類以上のさらなる治療剤と組み合わせて投与される。式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグもしくは異性体、および少なくとも1つの式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグもしくは異性体を含有する医薬組成物の投与経路としては、経口投与、硝子体内投与、直腸投与、非経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、吸入、経粘膜投与、肺投与、腸管投与、皮下投与、髄内投与、クモ膜下腔内投与、直接脳室内投与、鼻腔内投与、局所投与、眼科投与または耳投与が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0140】
ある実施態様では、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、または少なくとも1つの式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグもしくは異性体を含有する医薬組成物は局所投与されるが、他の実施態様では、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、または少なくとも1つの式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグもしくは異性体を含有する医薬組成物は、全身投与される。局所投与としては、所望によりデポーまたは徐放性製剤での、臓器への投与が挙げられるが、これに限定されるものではない。全身投与としては、経口投与または静脈内投与が挙げられるが、これらに限定されるものではない。他の実施態様では、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、または少なくとも1つの式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグもしくは異性体を含有する医薬組成物は、標的薬物送達システムで、例えば、一例に過ぎないが、臓器特異的抗体で被覆したリポソームで投与される。該リポソームは、臓器を標的としており、該臓器に選択的に取り込まれる。他の実施態様では、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、または少なくとも1つの式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグもしくは異性体を含有する医薬組成物は、急速放出製剤の剤形で投与されるが、他方、他の実施態様では、それらは、持続放出製剤の剤形で投与される。他の実施態様では、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグおよび異性体、または少なくとも1つの式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物、N−オキシド、プロドラッグもしくは異性体を含有する医薬組成物は、中等度の放出の製剤の剤形で投与される。
【0141】
治療上有効量は、とりわけ、示された疾患、該疾患の重篤度、対象体の年齢および相対的な健康状態、投与される化合物の効力、投与経路および所望の処置に依存して変わる。ある実施態様では、満足のいく結果は、体重1kgにつき約0.01〜2.5mgの式(I)で示される化合物の一日用量で得られることが示される。ある実施態様では、経口投与される式(I)で示される化合物の一日用量は、体重1kgにつき約0.01〜50mgの範囲である。一例に過ぎないが、式(I)で示される化合物(活性成分として)は、高脂血症の患者に、1日あたり体重1kgにつき約0.01〜約30mg;他の例では、1日あたり体重1kgにつき約0.1〜約20mg;さらに別の例では、1日あたり体重1kgにつき約1〜約20mg、1日1回または数回に分けて投与される。
【0142】
ある実施態様では、局所投与される式(I)で示される化合物の一日用量は、体重1kgにつき0.05μg〜100μgの範囲である。他の実施態様では、非経口投与される式(I)で示される化合物の一日用量は、体重1kgにつき0.05μg〜100mgの範囲である。ある実施態様では、筋肉内投与される式(I)で示される化合物の一日用量は、体重1kgにつき0.05μg〜100μgの範囲である。大型哺乳動物(例えば、ヒト)において示される一日用量は、式(I)で示される化合物約0.01mg/kg〜約100mg/kgの範囲であり、好都合には例えば1日4回までの分割用量または制御放出剤形で投与される。ある酒の実施態様では、経口投与用の単位投与形態は、式(I)で示される化合物約1〜50mgを含む。
【0143】
本発明は、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物の調製方法を提供する。ある実施態様では、かかる方法は、式(I)で示される化合物を1種類以上の医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合することを含む。ある実施態様では、該医薬組成物は、遊離形態または医薬上許容される塩もしくは溶媒和物形態の式(I)で示される化合物を含む。ある実施態様では、遊離形態または医薬上許容される塩もしくは溶媒和物形態の式(I)で示される化合物を少なくとも1つの医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤と一緒に含む医薬組成物は、混合、溶解、造粒、糖衣錠化、均質混合物化、乳化、カプセル化、封入または圧縮プロセスおよび/または被覆法により製造される。他の実施態様では、かかる組成物は、所望により、賦形剤または補助剤、例えば保存剤、安定剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調節のための塩および/またはバッファーを含有する。他の実施態様では、かかる組成物は、滅菌される。
【0144】
経口投与剤形
ある実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物は、分離している投与剤形として経口投与され、かかる投与剤形としては、カプセル剤、ゼラチンカプセル剤、カプレット剤、錠剤、チュアブル剤、散剤、丸剤、糖衣錠、顆粒剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、風味付シロップ剤、エリキシル剤、スラリー剤、水性もしくは非水性液体中溶液または懸濁液、食用フォーム剤もしくはホイップ剤、および水中油型液体エマルションもしくは油中水型液体エマルションが挙げられるが、これらに限定されるものではない。少なくとも1つの式(I)で示される化合物の経口投与に使用されるカプセル剤、ゼラチンカプセル剤、カプレット剤、錠剤、チュアブル剤、散剤または顆粒剤は、慣用の製薬技術を用いて、少なくとも1つの式(I)で示される化合物(活性成分)を少なくとも1種類の賦形剤と一緒に混合することにより調製される。本明細書に記載の経口投与剤形において使用される賦形剤の非限定的な例としては、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、吸収剤、着色剤、フレーバー剤、保存剤および甘味剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0145】
かかる結合剤の非限定的な例としては、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、デンプン糊、アルファ化デンプン、または他のデンプン、糖、ゼラチン、天然および合成ガム、例えばアカシア、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、トラガカント、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(一例に過ぎないが、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび微結晶性セルロース)、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、ポリビニルピロリドンおよびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0146】
かかる充填剤の非限定的な例としては、タルク、炭酸カルシウム(例えば、一例に過ぎないが、顆粒または粉末)、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ある実施態様では、本発明の医薬組成物における結合剤または充填剤は、医薬組成物または投与剤形の約50〜約99重量%存在する。
【0147】
かかる崩壊剤の非限定的な例としては、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、クレー、他のアルギン、他のセルロース、ガム、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ある実施態様では、本発明の医薬組成物中で使用される崩壊剤の量は、崩壊剤の約0.5〜約15重量%であるが、他の実施態様では、その量は、崩壊剤の約1〜約5重量%である。
【0148】
かかる滑沢剤の非限定的な例としては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(一例に過ぎないが、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、シリカ、Syloidシリカゲル(AEROSIL 200、メリーランド州バルチモアのW.R.Grace Co.製)、合成シリカの凝固エアゾール(テキサス州プラノのDegussa Co.によって販売)、CAB−O−SIL(マサチューセッツ州ボストンのCabot Co.によって販売されている発熱性二酸化ケイ素)およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ある実施態様では、本発明の医薬組成物中で使用される滑沢剤の量は、医薬組成物または投与剤形の約1重量%未満の量である。
【0149】
かかる希釈剤の非限定的な例としては、ラクトース、デキストロース、シュークロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、グリシンまたはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0150】
ある実施態様では、錠剤およびカプセル剤は、少なくとも1つの式(I)で示される化合物(活性成分)を液体担体、微粉固体担体、またはその両方と均一に混合し、必要な場合には、次いで、該生成物を所望の形態に造形することによって調製される。ある実施態様では、錠剤は、圧縮により調製される。他の実施態様では、錠剤は、成形によって調製される。
【0151】
ある実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物は、徐放性投与形態として経口投与される。該投与形態は、1種類以上の式(I)で示される化合物の持続放出または制御放出をもたらすために使用される。制御放出は、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過性の膜、浸透圧系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア、またはそれらの組み合わせを使用して得られる。ある実施態様では、制御放出投与形態は、式(I)で示される化合物の活性を延長するため、投与回数を減らすため、および患者コンプライアンスを向上させるために使用される。
【0152】
式(I)で示される化合物の液剤、シロップ剤およびエリキシル剤のような経口流体としての投与は、所定量の液剤、シロップ剤またはエリキシル剤が予め決められた量の式(I)で示される化合物を含有するような単位投与剤形で調製される。シロップ剤は、好適には風味付けされた水性溶液に該化合物を溶解することにより調製され、一方、エリキシル剤は、無毒性アルコール性ビヒクルの使用により調製される。懸濁剤は、無毒性ビヒクルに該化合物を分散させることにより調製される。経口投与のための経口流体として使用される賦形剤の非限定的な例としては、可溶化剤、乳化剤、フレーバー剤、保存剤および着色剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。可溶化剤および乳化剤の非限定的な例としては、水、グリコール、油、アルコール、エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルがせ挙げられるが、これらに限定されるものではない。保存剤の非限定的な例としては、安息香酸ナトリウムが挙げられるが、これに限定されるものではない。フレーバー剤の非限定的な例としては、ペパーミント油または天然甘味料またはサッカリンもしくは他の人工甘味料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0153】
非経口投与剤形
ある実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物は、皮下、静脈内(ボーラス注射を含む)、筋肉内、および動脈内を包含するがこれらに限定されるものではない種々の経路により非経口投与される。
【0154】
該非経口投与剤形は、滅菌または滅菌可能な注射液剤、水性等張性液剤、懸濁剤、医薬上許容される注射用ビヒクル(復元用散剤)およびエマルションに溶解または懸濁させるのが容易な乾燥および/または凍結乾燥製剤の剤形で投与される。該投与剤形にしようされるビヒクルとしては、米国薬局方注射用蒸留水;水性ビヒクル、例えば、塩化ナトリウム注射液、生理食塩水緩衝液、リンゲル注射液、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射液、ならびに乳酸加リンゲル注射液(これらに限定されるものではない);水混和性ビヒクル、例えば、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコール(これらに限定されるものではない);および非水性ビヒクル、例えば、コーン油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、および安息香酸ベンジル(これらに限定されるものではない)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0155】
ある実施態様では、式(I)で示される化合物、または1種類以上の式(I)で示される化合物を含有する組成物は、ボーラス注射により非経口投与される。他の実施態様では、式(I)で示される化合物、または1種類以上の式(I)で示される化合物を含有する組成物は、持続注入により非経口投与される。注射用製剤は、単位投与剤形で、一例に過ぎないが、アンプル剤で調製されるか、または、注射用製剤は、保存剤を添加して複数回投与容器にて提供される。該組成物は、油性または水性ビヒクルによる懸濁液、溶液またはエマルションのような形態をとり得、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤のような製剤用薬剤を含有することができる。
【0156】
経皮投与
ある実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物は、経皮投与される。該経皮投与形態としては、式(I)で示される化合物の所望量の浸透を可能にする一定期間、皮膚または傷に適用される「リザーバー型」または「マトリックス型」パッチ剤が挙げられる。一例に過ぎないが、該経皮デバイスは、バッキング材、化合物を任意であるが担体と一緒に収容しているリザーバー、任意であるが長時間にわたって制御された予め決められた速度で宿主の皮膚に化合物を送達するための速度制御バリヤー、およびデバイスを皮膚へ固定する手段を含む絆創膏の形態である。他の実施態様では、マトリックス経皮製剤が使用される。ある実施態様では、経皮投与は、式(I)で示される化合物の制御された量の継続的な注入をもたらすために使用され、一方、他の実施態様では、経皮投与は、式(I)で示される化合物の制御された量の不連続的な注入をもたらすために使用される。
【0157】
ある実施態様では、速度制御膜を使用することによって、または、ポリマーマトリックスまたはゲル内に化合物をトラップすることによって、吸収速度を遅くする。ある実施態様では、経皮送達は、経皮用パッチ剤による。
【0158】
式(I)で示される化合物の経皮デリバリーのための製剤は、式(I)で示される化合物の有効量、担体および任意の希釈剤を含む。担体としては、宿主の皮膚の通過を助ける吸収性の薬理学上許容される溶媒、例えば、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、およびそれらの組み合わせをが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0159】
ある実施態様では、該経皮送達システムは、1種類以上の式(I)で示される化合物の組織への送達を助けるために浸透増強剤を含む。該浸透増強剤としては、アセトン;種々のアルコール、例えば、エタノール、オレイル、およびテトラヒドロフリル;アルキルスルホキシド、例えば、ジメチルスルホキシド;ジメチルアセトアミド;ジメチルホルムアミド;ポリエチレングリコール;ピロリドン、例えば、ポリビニルピロリドン;Kollidon級(ポビドン、ポリビドン);尿素;および種々の水溶性または不溶性糖エステル、例えば、Tween 80(ポリソルベート80)およびSpan 60(モノステアリン酸ソルビタン)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0160】
他の実施態様では、このような経皮医薬組成物または投与剤形のpH、または医薬組成物または投与剤形が適用される組織のpHは、1種類以上の式(I)で示される化合物の送達を向上させるように調整される。他の実施態様では、溶媒担体の極性、そのイオン強度、または浸透圧は、送達を向上させるように調整される。他の実施態様では、1種類以上の式(I)で示される化合物の親水性または親油性を有利に変更して送達を向上させるためにステアレートのような化合物が添加される。ある実施態様では、該ステアレートは、製剤のための脂質ビヒクルとして、乳化剤または界面活性剤として、および送達向上剤または浸透圧増強剤としての役割を果たす。他の実施態様では、得られる組成物の性質をさらに調整するために式(I)で示される化合物の様々な塩、水和物または溶媒和物が使用される。
【0161】
他の実施態様では、式(I)で示される化合物の経皮送達は、イオントフォレーシスパッチ剤および同類のものによって行われる。
【0162】
局所投与剤形
ある実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物は、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含有する、ローション剤、ゲル剤、軟膏剤、液剤、乳剤、水性溶液剤、懸濁剤またはクリーム剤の剤形の医薬組成物の皮膚または眼への局所適用により投与される。皮膚への局所適用に好適な製剤は、水性溶液剤、軟膏剤、クリーム剤またはゲル剤であり、一方、眼科投与用の製剤は、水性溶液剤である。該製剤は、所望により、可溶化剤、安定剤、浸透圧増強剤、緩衝剤および保存剤を含有する。
【0163】
該局所製剤は、少なくとも1つの担体、および任意の少なくとも1つの希釈剤を含む。該担体および希釈剤としては、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0164】
ある実施態様では、該局所製剤は、1種類以上の式(I)で示される化合物の組織への送達を助けるための浸透圧蔵相剤を含む。該浸透圧増強剤としては、アセトン;種々のアルコール、例えば、エタノール、オレイル、およびテトラヒドロフリル;アルキルスルホキシド、例えば、ジメチルスルホキシド;ジメチルアセトアミド;ジメチルホルムアミド;ポリエチレングリコール;ピロリドン、例えば、ポリビニルピロリドン;Kollidon級(ポビドン、ポリビドン);尿素;および種々の水溶性または不溶性糖エステル、例えば、Tween 80(ポリソルベート80)およびSpan 60(モノステアリン酸ソルビタン)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0165】
肺投与
ある実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物は、吸入により投与される。吸入投与のための投与剤形は、エアゾール剤または乾燥散剤として製剤化される。吸入投与のためのエアゾール製剤は、少なくとも1つの式(I)で示される化合物の医薬上許容される水性または非水性溶媒中溶液または微細懸濁液を含む。さらに、該医薬組成物は、所望により、ラクトース、グルコース、トレハロース、マンニトールまたはデンプンのような粉末基剤、および任意ではあるがL−ロイシンまたは別のアミノ酸のような性能変更剤、および/またはステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウムのようなステアリン酸の金属塩を含む。
【0166】
ある実施態様では、式(I)で示される化合物は、適切な低沸点噴射剤(例えば、一例に過ぎないが、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切なガス)が入っているキャニスタを利用する定量噴霧式吸入器(「MDI」)、またはガスのバーストを使用して容器内に乾燥粉末の雲を生じさせて患者に吸入されるようにするドライパウダー吸入器(DPI)を使用して吸入により肺へ直接投与される。ある実施態様では、式(I)で示される化合物およびラクトースまたはデンプンのような粉末基剤の粉末混合物を含有する、吸入器または吹送器において用いるためのゼラチンのカプセル剤およびカートリッジが製剤化される。ある実施態様では、式(I)で示される化合物は、極小ノズルーホールを使用して液体薬物製剤をエアゾール化して直接肺へ吸入され得るようにする液体スプレー装置を使用して肺へ送達される。他の実施態様では、式(I)で示される化合物は、容易に吸入され得る微粒子を形成させるために超音波エネルギーを使用して液体薬物製剤のエアゾールを生じさせるネブライザー装置を使用して肺へ送達される。他の実施態様では、式(I)で示される化合物は、電気エネルギーを使用して液体薬物溶液または懸濁液をエアゾール化する電気流体力学(「EHD」)エアゾール装置を使用して肺へ送達される。
【0167】
ある実施態様では、本発明の少なくとも1つの式(I)で示される化合物または医薬上許容される塩および溶媒和物を含む医薬組成物は、また、1種類以上の吸収増強剤を含有する。ある実施態様では、該吸収増強剤としては、グリココール酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、N−ラウリル−β−D−マルトピラノシド、EDTA、および混合ミセルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0168】
ある実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物は、経鼻投与される。経鼻投与用の投与剤形は、エアゾール剤、液剤、滴剤、ゲル剤または乾燥散剤として製剤化される。
【0169】
直腸投与
ある実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物は、坐剤、浣腸剤、維持浣腸軟膏剤、クリーム剤、直腸フォーム剤または直腸ゲル剤の剤形で直腸投与される。ある実施態様では、該坐剤は、脂肪エマルションまたは懸濁剤、カカオバターまたは他のグリセリドから調製される。
【0170】
デポー投与
ある実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物は、デポー製剤として製剤化される。該長時間作用型製剤は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉注射により投与される。ある実施態様では、該製剤は、高分子または疎水性物質(例えば、許容される油中の乳化剤として)またはイオン交換樹脂、または難溶性誘導体、例えば、難溶性塩を含む。
【0171】
ある実施態様では、注射用デポー剤形は、生分解性ポリマー中で式(I)で示される化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することにより調製される。式(I)で示される化合物の放出速度は、ポリマーに対する式(I)で示される化合物の割合および使用される特定のポリマーの性質を変更することによって制御される。他の実施態様では、デポー注射用製剤は、式(I)で示される化合物をリポソームまたはマイクロエマルション中にエントラップすることにより調製される。
【0172】
眼科投与
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物または医薬組成物は、眼へ眼科投与される。眼への投与は、一般的に、薬剤と角膜との直接接触をもたらし、投与した薬剤の少なくとも一部が角膜を通過する。ある実施態様では、該式(I)で示される化合物または医薬組成物は、約2時間〜約24時間の眼中有効滞留時間を有する。ある実施態様では、該式(I)で示される化合物または医薬組成物は、約4時間〜約24時間の眼中有効滞留時間を有する。ある実施態様では、該式(I)で示される化合物または医薬組成物は、約6時間〜約24時間の眼中有効滞留時間を有する。
【0173】
本明細書で使用される場合、眼科投与としては、局所投与、眼内注射、網膜下注射、硝子体注射、眼周囲投与、結膜下注射、眼球後注射、前眼房内注射(前眼房または硝子体腔中へを含む)、テノン嚢下注射または移植、眼用液剤、眼用懸濁剤、眼用軟膏剤、眼球移植および眼球挿入、眼球内液剤、イオントフォレーシスの使用、外科的洗浄溶液への配合、およびパック(一例に過ぎないが、円蓋に挿入された含浸綿球)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物または医薬組成物は、眼科組成物として製剤化され、眼へ局所的に投与される。該局所投与される眼科組成物としては、液剤、懸濁剤、ゲル剤または軟膏剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0174】
ある実施態様では、眼科投与に使用される本発明の少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物は、該組成物が溶液、懸濁液またはその両方に存在する液体の形態をとる。いくつかの実施態様では、液体組成物は、ゲル製剤を包含する。他の実施態様では、該液体組成物は、水性である。他の実施態様では、該液体組成物は、軟膏の形態をとる。ある実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物は、可溶化剤、安定剤、浸透圧増強剤、緩衝剤および保存剤を含有していてもよい水性溶液として製剤化される点眼剤として眼科投与される。所望の投与量は、眼への既知の数の液滴により投与される。一例に過ぎないが、1滴の量が25μlである場合、1〜6滴の投与は、組成物25〜150μlを送達する。ある実施態様では、水性組成物は、約0.01%〜約50%重量/容量の式(I)で示される化合物を含有する。他の実施態様では、水性組成物は、約0.1%〜約20%重量/容量の式(I)で示される化合物を含有する。さらに別の実施態様では、水性組成物は、約0.2%〜約10%重量/容量の式(I)で示される化合物を含有する。ある実施態様では、水性組成物は、約0.5%〜約5%重量/容量の式(I)で示される化合物を含有する。
【0175】
ある実施態様では、該水性組成物は、眼科的に許容されるpHおよび浸透圧を有する。ある実施態様では、該水性組成物は、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸および塩酸のような酸;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウムおよびトリス−ヒドロキシメチルアミノメタンのような塩基;およびシトレート/デキストロース、重炭酸ナトリウムおよび塩化アンモニウムのような緩衝剤を包含する1種類以上の眼科的に許容されるpH調節剤または緩衝剤を含む。該酸、塩基および緩衝剤は、組成物のpHを眼科的に許容される範囲に維持するのに必要な量で含まれる。
【0176】
ある実施態様では、組成物は、また、組成物の浸透圧を眼科的に許容される範囲にするのに必要な量の1種類以上の眼科的に許容される塩を含む。該塩としては、ナトリウム陽イオン、カリウム陽イオンまたはアンモニウム陽イオン、および塩素陰イオン、クエン酸陰イオン、アスコルビン酸陰イオン、ホウ酸陰イオン、リン酸陰イオン、重炭酸陰イオン、硫酸陰イオン、チオ硫酸陰イオンまたは重亜硫酸陰イオンを有するものが挙げられ;適切な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0177】
ある実施態様では、水性組成物は、また、懸濁化剤として1種類以上のポリマーを含有する。該ポリマーとしては、水溶性ポリマー、例えば、本明細書に記載のセルロースポリマー(一例に過ぎないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、および本明細書に記載の水不溶性ポリマー(一例に過ぎないが、架橋結合カルボキシル含有ポリマー)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ある実施態様では、水性組成物は、また、例えばカルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/アクリル酸ブチルコポリマー、アルギン酸ナトリウムおよびデキストランから選択される眼科的に許容される粘膜付着性ポリマーを含む。
【0178】
ある実施態様では、該組成物は、また、式(I)で示される化合物の溶解性を助けるための眼科的に許容される可溶化剤を含む。本明細書で使用される場合、用語「可溶化剤」は、一般に、薬剤のミセル溶液または真の溶液の形成をもたらす薬剤を含む。ある実施態様では、ポリソルベート80を包含するがこれに限定されるものではない眼科的に許容される非イオン性界面活性剤は、可溶化剤として使用される。他の実施態様では、ポリグリコール、ポリエチレングリコール400およびグリコールエーテルを包含するがこれらに限定されるものではない眼科的に許容されるグリコールは、可溶化剤として使用される。
【0179】
ある実施態様では、該組成物は、また、物理的安定性を増強するため、または、他の目的で、1種類以上の眼科的に許容される界面活性剤を含む。該非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび植物油(一例に過ぎないが、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油)およびポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびアルキルフェニルエーテル(一例に過ぎないが、オクトキシノール10およびオクトキシノール40)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0180】
ある実施態様では、該組成物は、また、微生物活性を阻害するために1種類以上の眼科的に許容される保存剤を含む。該保存剤としては、水銀含有物質、例えば、メルフェンおよびチオメルサール;安定化二酸化塩素;および4級アンモニウム化合物、例えば、塩化ベンザルコニウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミドおよびセチルピリジニウムクロリドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0181】
ある実施態様では、該組成物は、また、必要な場合に化学的安定性を増強するために1種類以上の抗酸化剤を含む。該抗酸化剤としては、アスコルビン酸およびメタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0182】
ある実施態様では、本発明の水性組成物は、単回投与用の再密閉不能容器中に充填されるが、一方、他の実施態様では、本発明の水性組成物は、該組成物中に保存剤が含まれる複数回投与用の再密閉可能な容器中に充填される。
【0183】
耳投与
ある実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物は、点耳剤として局所投与される。該製剤は、所望により可溶化剤、安定剤、浸透圧増強剤、緩衝剤および保存剤を含有する水性溶液である。
【0184】
さらなる実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物は、代謝疾患および/または障害の治療のための経口投与に適している。さらなる実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物は、糖尿病の治療のための経口投与に適している。さらなる実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物は、肥満症の治療のための経口投与に適している。さらなる実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物は、全身性エリテマトーデス(SLE)の治療のための経口投与に適している。
【0185】
さらなる実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物は、呼吸器疾患の治療のための経口投与に適している。さらなる実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物は、喘息の治療のための経口投与に適している。さらなる実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物は、鼻炎の治療のための経口投与に適している。さらなる実施態様では、少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含む医薬組成物は、COPDの治療のための経口投与に適している。
【0186】
併用療法
本発明の式(I)で示される化合物は、本明細書に記載の投与経路のいずれかにより、その治療上有効量が単独でまたは1種類以上の治療薬と組み合わせて投与される。ある実施態様では、式(I)で示される化合物は、固定医薬組成物中で他の治療剤と混合されるか、または、他の治療剤の前、同時、または後に、別々に投与される。
【0187】
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物、または少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物は、本明細書に記載のGタンパク質共役受容体120(GPR120)関連または媒介の1種類以上の疾患および/または障害の予防および/または治療のために単独で(さらなる治療薬を伴わずに)投与される。
【0188】
他の実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物、または少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物は、1種類以上のさらなる治療剤と組み合わせて製剤化され、本明細書に記載のGタンパク質共役受容体120(GPR120)関連または媒介の1種類以上の疾患および/または障害の予防および/または治療のために投与される。
【0189】
他の実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物、または少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物は、本明細書に記載のGタンパク質共役受容体120(GPR120)関連または媒介の1種類以上の疾患および/または障害の予防および/または治療のための1種類以上のさらなる治療薬と組み合わせて投与される。
【0190】
他の実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物、または少なくとも1つの式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物は、本明細書に記載のGタンパク質共役受容体120(GPR120)関連または媒介の1種類以上の疾患および/または障害の予防および/または治療のための1種類以上のさらなる治療薬と連続して投与される。
【0191】
他の実施態様では、本発明の併用療法は、本明細書に記載のGタンパク質共役受容体120(GPR120)関連または媒介の1種類以上の疾患および/または障害の予防および/または治療のための1種類以上のさらなる治療薬の投与の前の本発明の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物、または式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物の投与を含む。
【0192】
他の実施態様では、本発明の併用療法は、本明細書に記載のGタンパク質共役受容体120(GPR120)関連または媒介の1種類以上の疾患および/または障害の予防および/または治療のための1種類以上のさらなる治療薬の投与の後の本発明の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物、または式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物の投与を含む。
【0193】
ある実施態様では、本発明の併用療法は、本明細書に記載のGタンパク質共役受容体120(GPR120)関連または媒介の1種類以上の疾患および/または障害の予防および/または治療のための1種類以上のさらなる治療薬と同時の本発明の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物、または式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物の投与を含む。
【0194】
本発明の併用療法のある実施態様では、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物は、Gタンパク質共役受容体のモジュレーターである。本発明の併用療法のある実施態様では、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物は、Gタンパク質共役受容体120のモジュレーターである。本発明の併用療法のある実施態様では、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物は、Gタンパク質共役受容体のアゴニストである。本発明の併用療法のある実施態様では、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物は、Gタンパク質共役受容体120のアゴニストである。本発明の併用療法のある実施態様では、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物は、Gタンパク質共役受容体のアンタゴニストである。本発明の併用療法のある実施態様では、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物は、Gタンパク質共役受容体120のアンタゴニストである。
【0195】
本発明の併用療法のある実施態様では、本明細書に記載の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物およびさらなる治療薬は、付加的に作用する。本発明の併用療法のある実施態様では、本明細書に記載の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物およびさらなる治療薬は、相乗的に作用する。
【0196】
他の実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物、または式(I)で示される化合物を含有する医薬組成物は、以前にさらなる治療薬による治療を受けていないかまたは現在受けていない患者へ投与される。
【0197】
ある実施態様では、本発明の式(I)で示される化合物は、糖尿病、糖尿病性合併症、脂質異常症、高脂血症を治療するための治療薬、降圧薬、抗肥満症薬、利尿薬、化学療法薬、免疫療法薬、免疫調節薬、抗炎症薬、抗血栓薬、骨粗鬆症治療薬、抗菌剤、抗真菌剤、抗原虫剤、抗生物質、鎮咳薬および去痰薬、鎮静薬、麻酔薬、抗潰瘍薬、トランキライザー、統合失調症治療薬、抗腫瘍薬、筋肉弛緩薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、抗アレルギー剤、強心剤、抗不整脈薬、血管拡張薬、血管収縮薬、麻薬拮抗薬、ビタミン、ビタミン誘導体、抗喘息剤、抗認知症薬、頻尿または尿失禁の治療薬、排尿障害治療薬、アトピー性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、昇圧薬、エンドトキシンアンタゴニストまたは抗体、シグナル伝達阻害剤、炎症メデイエーター効果抑制剤、炎症メディエーター効果抑制性抗体、抗炎症メディエーター効果抑制剤、抗炎症メディエーター効果抑制性抗体などののような他の治療物質と併用される。
【0198】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される糖尿病治療薬としては、インスリン製剤(例えば、一例に過ぎないが、ウシまたはブタの膵臓から抽出される動物インスリン製剤;一般に大腸菌または酵母を使用して合成されるヒトインスリン製剤;亜鉛インスリン;プロタミン亜鉛インスリン;インスリンのフラグメントまたは誘導体(例えば、一例に過ぎないが、INS−1)、経口インスリン製剤など)、インスリンシンセサイザー(例えば、一例に過ぎないが、ピオグリタゾンまたはその塩(塩酸塩を含む)、トログリタゾン、ロシグリタゾンまたはその塩(マレイン酸塩を含む)、Reglixane(JTT−501)、Netoglitazone(MCC−555)、YM−440、GI−262570、KRP−297、FK−614、CS−011、(E)− −[[[4−[(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリル)メトキシ]フェニル]メトキシ]イミノ]ベンゼンブタン酸など、PCT国際公開WO99/58510に記載の化合物(例えば、一例に過ぎないが、(E)−4−[4−(5−メチル−2−フェニル−4−オキサゾリルメトキシ)−ベンジルオキシイミノ]−4−フェニル酪酸)、PCT国際公開WO01/38325に記載の化合物、Tesaglitazar(AZ−242)、Ragaglitazar(NN−622)、BMS−298585、ONO−5816、BM−13−1258、LM−4156、MBX−102、LY−519818、MX−6054、LY−510929、Balaglitazone(NN−2344)、T−131またはその塩、THR−0921)、−グルコシダーゼ阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、ボグリボース、アカルボース、ミグリトールおよびエミグリテート)、ビグアニド(例えば、一例に過ぎないが、フェンホルミン、メトホルミン、ブホルミン)、インスリン分泌促進物質(スルホニル尿素(例えば、一例に過ぎないが、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロロプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミドおよびグリメピリド)、リパグリニド、セナグリニド、ミチグリニドまたはそのカルシウム塩水和物およびナテグリニドを含む)、GLP−1受容体アゴニスト(例えば、一例に過ぎないが、GLP−1、GLP−1MR剤、NN−2211、AC−2993(エキセンディン−4)、BIM−51077、Aib(8,35)hGLP−1(7,37)NH2、CJC−1131)、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、NVP−DPP−278、PT−100、P32/98、P93/01、NVP−DPP−728、LAF237およびTS−021)、ベータ−3−アゴニスト(例えば、一例に過ぎないが、CL−316243、SR−58611−A、UL−TG−307、AJ−9677およびAZ40140)、アミリンアゴニスト(例えば、一例に過ぎないが、プラムリンチド)、ホスホチロシンホスファターゼ阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、バナジン酸)、糖新生阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害物質、グルコース−6−ホスファターゼ阻害物質、グルカゴンアンタゴニスト)、SGLT(ナトリウム−グルコース共輸送体)阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、T−1095)、11−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、BVT−3498)、アジポネクチンまたはそのアゴニスト、IKK阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、AS−2868)、レプチン抵抗性改善薬、ソマトスタチン受容体アゴニスト(PCT国際公開WO01/25228、WO03/42204に記載の化合物、PCT国際公開WO98/44921、WO98/45285、WO99/22735などに記載の化合物)、グルコキナーゼアクチベータ(例えば、一例に過ぎないが、Ro−28−1675)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0199】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される糖尿病性合併症治療薬としては、アルドースレダクターゼ阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、フィダレスタット(SNK−860)、ミナルレスタット(ARI−509)およびCT−112)、神経栄養因子およびその増加薬(例えば、一例に過ぎないが、NGF、NT−3、BDNF、PCT国際公開WO01/14372に記載のニューロトロフィン生産−分泌プロモーター(例えば、一例に過ぎないが、4−(4−クロロフェニル)−2−(2−メチル−1−イミダゾリル)−5−[3−(2−メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾールなど)、プロテインキナーゼC(PKC)阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、LY−333531)、AGE阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、ALT−945、ピマゲジン、ピラトキサンチン、N−フェナシルチアゾリウムブロミド(ALT−766)、EXO−226、ALT−711、PyridorinおよびPyridoxamine、活性酸素スカベンジャー(例えば、一例に過ぎないが、チオクト酸)、脳血管拡張薬(例えば、一例に過ぎないが、チアプリド)、ソマトスタチン受容体アゴニスト(BIM23190)、アポトーシスシグナル調節キナーゼ−1(ASK−1)阻害物質などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0200】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される高脂血症治療薬としては、コレステロール合成阻害物質であるスタチン化合物(例えば、一例に過ぎないが、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチンまたはその塩(例えば、一例に過ぎないが、ナトリウム塩)、スクアレンシンターゼ阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、PCT国際公開WO97/10224に記載の化合物、例えば、N−[[(3R,5S)−1−(3−アセトキシ−2,2−ジメチルプロピル)−7−クロロ−5−(2,3−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−1,2,3,5−テトラヒドロ−4,1−ベンゾキサゼピン−3−イル]アセチル]ピペリジン−4−酢酸など)、フィブラート化合物(例えば、一例に過ぎないが、ベンザフィブラート、クロフィブラート、シンフィブラートおよびクリノフィブラート)、抗酸化剤(例えば、一例に過ぎないが、リポ酸およびプロブコール)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0201】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される降圧剤としては、アンギオテンシン交換酵素阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、カプトプリル、エナラプリルおよびデラプリル)、アンギオテンシンIIアンタゴニスト(例えば、一例に過ぎないが、ロサルタン、カンデサルタン、シレキセチル、エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタンおよび1−[[2'−(2,5−ジヒドロ−5−オキソ−4H−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−2−エトキシ−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸)、カルシウムアンタゴニスト(例えば、一例に過ぎないが、マニジピン、ニフェジピン、アムロジピン、エホニジピンおよびニカルジピン)、クロニジピンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0202】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される抗肥満症薬としては、中枢神経に作用する抗肥満症薬(例えば、一例に過ぎないが、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デクスアンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックス;MCH受容体アンタゴニスト(例えば、一例に過ぎないが、SB−568849;SNAP−7941;PCT国際公開WO01/82925およびWO01/87834に含まれる化合物);ニューロペプチドYアンタゴニスト(例えば、一例に過ぎないが、CP−422935);カンナビノイド受容体アンタゴニスト(例えば、一例に過ぎないが、SR−141716およびSR−147778);グレリンアンタゴニスト;11−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、BVT−3498)など)、膵リパーゼ阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、オルリスタットおよびATL−962)、ベータ−3−アゴニスト(例えば、一例に過ぎないが、CL−316243、SR−58611−A、UL−TG−307、AJ−9677およびAZ40140)、ペプチド食欲抑制剤(例えば、一例に過ぎないが、リプチンおよびCiliary Neurotropic Factor(CNTF))、コレシストキニンアゴニスト(例えば、一例に過ぎないが、リンチトリプト(lintitript)およびFPL−15849)、摂食抑制物質(例えば、一例に過ぎないが、P−57)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0203】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される利尿剤としては、キサンチン誘導体(例えば、一例に過ぎないが、サリチル酸ナトリウムテオブロミンおよびサリチル酸カルシウムテオブロミン)、チアジド製剤(例えば、一例に過ぎないが、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロロメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ペンフルチアジド、ポリチアジドおよびメチクロチアジド)、抗アルドステロン製剤(例えば、一例に過ぎないが、スピロノラクトンおよびトリアムテレン)、炭酸脱水酵素阻害物質(例えば、一例に過ぎないが、アセタゾラミドなど)、クロロベンゼンスルホンアミド製剤(例えば、一例に過ぎないが、クロルタリドン、メフルシドおよびインダパミド)、アゾセミド、リソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0204】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される化学療法薬または他の抗増殖薬としては、アルキル化剤(例えば、一例に過ぎないが、シクロホスファミドおよびイホスファミド)、代謝拮抗物質(例えば、一例に過ぎないが、メトトレキセートおよび5−フルオロウラシル)、抗腫瘍抗体(例えば、一例に過ぎないが、マイトマイシンおよびアドリアマイシン)、植物由来抗腫瘍剤(例えば、一例に過ぎないが、ビンクリスチン、ビンデシンおよびTaxol)、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0205】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される他の化学療法剤または他の抗増殖剤としては、外科手術、放射線療法(ガンマ線照射、中性子ビーム放射線療法、電子ビーム放射線療法、陽子線療法、ブラキセラピー、および全身性放射性同位元素)、内分泌療法、生物学的応答調節物質(インターフェロン、インターロイキン、および腫瘍壊死因子(TNF))、温熱療法および寒冷療法、副作用を弱める薬剤(例えば、制吐薬)、および他の認可された化学療法薬(アルキル化剤(メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、イホスファミド)、代謝拮抗剤(メトトレキサート)、プリンアンタゴニストおよびピリミジンアンタゴニスト(6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン)、紡錘体毒(ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル)、ポドフィロトキシン(Eエトポシド、イリノテカン、トポテカン)、抗生物質(ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン)、ニトロソ尿素系(カルムスチン、ロムスチン)、無機イオン(シスプラチン、カルボプラチン)、酵素(アスパラギナーゼ)、およびホルモン(タモキシフェン、リュープロリド、フルタミド、およびメゲストロール)、GLEEVECTM、アドリアマイシン、デキサメタゾン、およびシクロホスファミドを包含するがこれらに限定されるものではない)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0206】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される免疫療法薬としては、微生物または細菌成分(例えば、一例に過ぎないが、ムラミルジペプチド誘導体およびピシバニール)、免疫増強活性を有する多糖類(例えば、一例に過ぎないが、レンチナン、シゾフィランおよびクレスチン)、遺伝子工学技術により得られるサイトカイン(例えば、一例に過ぎないが、インターフェロンおよびインターロイキン(IL)(IL−1、IL−2、IL−12などを含む)、コロニー刺激因子(例えば、一例に過ぎないが、顆粒球コロニー刺激因子およびエリスロポエチン)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0207】
本発明の少なくとも1つの式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物と併用される免疫調節薬としては、アザチオプリン、タクロリムス、シクロスポリン、抗マラリア薬、メトトレキサート、レフルノミド、コルチコステロイド、シクロホスファミド、シクロスポリンA、シクロスポリンG、ミコフェノール酸モフェチル、アスコマイシン、ラバマイシン(シロリムス)、FK−506、ミゾリビン、15−デオキシスパガリン、ブレキナル、ミコフェノール酸、マロノニトリロアミド(例えば、一例に過ぎないが、レフルナミド)、CTLA41g、T細胞受容体モジュレーター、およびサイトカイン受容体モジュレーター、ペプチド模倣薬、および抗体(例えば、一例に過ぎないが、ヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fvs、ScFvs、FabまたはF(ab)2フラグメントまたはエピトープ結合フラグメント)、核酸分子(例えば、一例に過ぎないが、アンチセンス核酸分子および三重らせん体)小分子、有機化合物、および無機化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。モノクローナル抗体の例としては、一例に過ぎないがMHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD25、CD28、B7、CD45、CD58またはそれらのリガンドのような白血球受容体に対するモノクローナル抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。T細胞受容体モジュレーターの例としては、抗T細胞受容体抗体(例えば、一例に過ぎないが、抗CD4抗体(例えば、一例に過ぎないが、cM−T412(Boehringer)、IDEC−CE9.1TM(IDECおよびSKB)、mAB 4162W94、オルソクローンおよびOKTcdr4a(Janssen−Cilag))、抗CD3抗体(例えば、一例に過ぎないが、Nuvion(Product Design Labs)、OKT3(Johnson & Johnson)、またはRituxan(IDEC))、抗CD5抗体(例えば、一例に過ぎないが、抗CD5リシン結合免疫複合体)、抗CD7抗体(例えば、一例に過ぎないが、CHH−380(Novartis))、抗CD8抗体、抗CD40リガンドモノクローナル抗体(例えば、一例に過ぎないが、IDEC−131(IDEC))、抗CD52抗体(例えば、一例に過ぎないが、CAMPATH 1H(Ilex))、抗CD2抗体、抗CD11a抗体(例えば、一例に過ぎないが、Xanelim(Genentech))、抗B7抗体(例えば、一例に過ぎないが、IDEC−114(IDEC))、CTLA4−イムノグロブリン、Toll様受容体(TLR)モジュレーターが挙げられるが、これらに限定されるものではない。サイトカイン受容体モジュレーターの例としては、可溶性サイトカイン受容体(例えば、一例に過ぎないが、TNF−α受容体の細胞外ドメインまたはそのフラグント、IL−1β受容体の細胞外ドメインまたはそのフラグメント、およびIL−6受容体の細胞外ドメインまたはそのフラグメント)、サイトカインまたはそのフラグメント(例えば、一例に過ぎないが、インターロイキン(IL)−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−15、TNF−α、インターフェロン(IFN)−α、IFN−β、IFN−γ、およびGM−CSF)、抗サイトカイン受容体抗体(例えば、一例に過ぎないが、抗IFN受容体抗体、抗IL−2受容体抗体(例えば、一例に過ぎないが、Zenapax(Protein Design Labs))、抗IL−4受容体抗体、抗IL−6受容体抗体、抗IL−10受容体抗体、および抗IL−12受容体抗体)、抗サイトカイン抗体(例えば、一例に過ぎないが、抗IFN抗体、抗TNF−α抗体、抗IL−1β抗体、抗IL−6抗体、抗IL−8抗体(例えば、一例に過ぎないが、ABX−IL−8(Abgenix))、および抗IL−12抗体)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0208】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される抗炎症剤としては、非ステロイド系抗炎症剤(例えば、一例に過ぎないが、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、ジフルニサル、サルサラート、オルサラジン、スルファサラジン、アセトアミノフェン、インドメタシン、スリンダク、エトドラク、メフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、ドロキシカム、ピボキシカム、テノキシカム、ナブメトン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、アンチピリン、アミノピリン、アパゾンおよびニメスリド);ロイコトリエンアンタゴニスト(ジロートン、オーロチオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウムおよびオーラノフィンがあげられるが、これらに限定されるものではない);ステロイド(ジプロピオン酸アルクロメタゾン、アムシノニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、安息香酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、ピバル酸クロコルトロン、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン誘導体、デソニド、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、フルニソリド、フルコキシノリド、フルランドレノライド、ハルシノシド、メドリゾン、メチルプレドニゾロン、酢酸メトプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、フロ酸モメタゾン、酢酸パラメタゾン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、テブト酸プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、二酢酸トリアムシノロン、およびトリアムシノロンヘキサセトニドが挙げられるが、これらに限定されるものではない)および他の抗炎症剤(メトトレキサート、コルヒチン、アロプリノール、プロベネシド、サリドマイドまたはその誘導体、5−アミノサリチル酸、レチノイド、ジトラノールまたはカルシポトリオール、スルフィンピラゾンおよびベンズブロマロンが挙げられるが、これらに限定されるものではない)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0209】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される抗血栓剤としては、ヘパリン(例えば、一例に過ぎないが、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウムおよびダルテパリンナトリウム)、ワルファリン(例えば、一例に過ぎないが、ワルファリンカリウム)、アンチトロンビン薬(例えば、一例に過ぎないが、アルガトロバン)、血栓溶解剤(例えば、一例に過ぎないが、ウロキナーゼ、チソキナーゼ、アルテプラーゼ、ナテプラーゼ、モンテプラーゼおよびパミテプラーゼ)、血小板凝集抑制剤(例えば、一例に過ぎないが、塩酸チクロピジン、シロスタゾール、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウムおよび塩酸サルポグレラート)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0210】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される骨粗鬆症治療薬としては、アルファカルシドール、カルシトリオール、エルカトニン、サケカルシトニン、エストリオール、イプリフラボン、パミドロン酸二ナトリウム、アレンドロン酸ナトリウム水和物、インカドロン酸二ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0211】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用されるビタミンとしては、ビタミンB1、ビタミンB12などおよびその誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0212】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される抗認知症薬としては、タクリン、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0213】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される頻尿症または尿失禁治療薬としては、塩酸フラボキサート、塩酸オキシブチニン、塩酸プロピベリンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0214】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される排尿障害治療薬としては、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(例えば、一例に過ぎないが、ジスチグミン)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0215】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用される動物モデルおよび臨床症状における悪液質改善効果を有する治療薬としては、シクロオキシゲナーゼ阻害薬(例えば、一例に過ぎないが、インドメタシン)、プロゲステロン誘導体(例えば、一例に過ぎないが、酢酸メゲストロール)、グルコステロイド(例えば、一例に過ぎないが、デキサメタゾン)、メトクロプラミド剤、テトラヒドロカンナビノール剤、脂肪代謝改善薬(例えば、一例に過ぎないが、エイコサペンタン酸)、成長ホルモン、IGF−1、またはTNF−、LIF、IL−6、オンコスタチンMなどのような悪液質誘発因子に対する抗体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0216】
少なくとも1つの式(I)で示される化合物と併用されるグリコシル化阻害剤としては、ALT−711、神経再生促進剤(例えば、一例に過ぎないが、Y−128、VX853およびプロサプチド(prosaptide))、抗うつ薬(例えば、一例に過ぎないが、デシプラミン、アミトリプチリンおよびイミプラミン)、抗てんかん薬(例えば、一例に過ぎないが、ラモトリギン、トリレプタル、ケプラ、Zonegran、プレガバリン、ハルコセライドおよびカルバマゼピン)、抗不整脈薬(例えば、一例に過ぎないが、メキシレチン)、アセチルコリン受容体リガンド(例えば、一例に過ぎないが、ABT−594)、エンドセリン受容体アンタゴニスト(例えば、一例に過ぎないが、ABT−627)、モノアミン取り込み阻害薬(例えば、一例に過ぎないが、トラマドール)、麻薬性鎮痛薬(例えば、一例に過ぎないが、モルヒネ)、GABA受容体アゴニスト(例えば、一例に過ぎないが、ガバペンチン、ガバペンチンMR製剤)、2受容体アゴニスト(例えば、一例に過ぎないが、クロニジン)、局所鎮痛薬(例えば、一例に過ぎないが、カプサイシン)、抗不安薬(例えば、一例に過ぎないが、ベンゾジアゼピン)、ホスホシセエステラーゼ阻害剤(例えば、一例に過ぎないが、シリデナフィル)、ドパミン受容体アゴニスト(例えば、一例に過ぎないが、アポモルヒネ)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0217】
ある実施態様では、本発明の併用療法で使用されるさらなる治療薬としては、腫瘍壊死因子α(TNF−α)阻害剤(例えば、抗TNFモノクローナル抗体(一例に過ぎないが、レミケード、CDP−870およびアダリムマブ)およびTNF受容体イムノグロブリン分子(一例に過ぎないが、エンブレル、レミケードおよびヒュミラ));非選択シクロ−オキシゲナーゼCOX−l/COX−2阻害剤(一例に過ぎないが、ピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸類、例えば、ナプロキセン、フルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェン、フェナム酸類、例えば、メフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アザプロパゾン、ピラゾロン、例えば、フェニルブタゾン、サリチル酸類、例えば、アスピリン)、COX−2阻害剤(一例に過ぎないが、メロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ルマロコキシブ、パレコキシブおよびエトリコキシブ);グルココルチコステロイド;メトトレキサート、レフノミド;ヒドロキシクロロキン、d−ペニシラミン、オーラノフィンまたは他の非経口または経口金製剤のような薬剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0218】
キット
本発明は、a)式I(式(Ia)、(Ib)、(Ic)または(Id))で示される化合物を遊離形態または医薬上許容される塩形態で含む第1の薬剤、およびb)少なくとも1つの共治療薬を含む、医薬的組み合わせのキットを提供する。ある実施態様では、該キットは、さらに、医薬組成物の投与についての説明書を含む。
【0219】
他の態様では、本発明は、Gタンパク質共役受容体関連または媒介の疾患または障害の治療または予防に有用な式(I)で示される化合物が入っている1つ以上の容器を含む医薬的パックまたはキットを提供する。他の実施態様では、該医薬的パックまたはキットは、Gタンパク質共役受容体関連または媒介の疾患または障害の治療または予防に有用な式(I)で示される化合物が入っている1つ以上の容器およびさらなる治療薬(上記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない)が入っている1つ以上の容器を含む。ある実施態様では、該医薬的パックまたはキットは、所望により式(I)で示される化合物の投与についての説明書を含む。
【実施例】
【0220】
以下の実施例は、本発明の式(I)で示される化合物および該化合物の製造を例示するためのものであり、これを限定するものではない。
【0221】
実施例1
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−メトキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸
【化15】

(Z)−4−(3−エチル−4−(2−メトキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸(1−5)は、反応スキーム1に示される3つの工程で合成される。
【0222】
【化16】

【0223】
実施例1a: 1−エチル−3−フェニルチオ尿素(1−3)
【化17】

イソチオシアン酸エチル(1−1)(652mg、7.5ミリモル)およびアニリン(1−2)(465mg、5.0ミリモル)のアセトニトリル(5mL)中溶液を80℃に14時間加熱する。室温に冷却後、該混合物を水(50mL)に注ぎ、酢酸エチル(EtOAc)(3×50mL)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4を使用して乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、溶媒を真空除去する。次いで、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、0%〜40%)により精製して、1−エチル−3−フェニルチオ尿素(1−3)を白色粉末として得る。HPLC−MS:C9122S(M+H+)についての計算値:181.1、測定値:181.1。
【0224】
実施例1b: 4−(3−エチルチオウレイド)ベンゼンスルホン酸(1−4)
【化18】

クロロスルファン酸の溶液(3mL)を0℃に冷却し、次いで、1−エチル−3−フェニルチオ尿素(360mg、2.0ミリモル)を5分間にわたって添加し、得られた混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、水(10mL)を添加すると沈殿物が生じる。EtOAcを添加して沈殿物を溶解し、該混合物を抽出する(5×15mL)。合わせた有機層を濃縮し、ジオキサンおよび水の混合物(12mL、1:1)に溶解する。得られた混合物を80℃に2時間加熱し、濃縮して、4−(3−エチルチオウレイド)ベンゼンスルホン酸(1−4)をオフホワイト色の固体として得る。HPLC−MS:C912232(M+H+)についての計算値:261.0、測定値:261.0。
【0225】
実施例1c: (Z)−4−(3−エチル−4−(2−メトキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸(1−5)
【化19】

4−(3−エチルチオウレイド)ベンゼンスルホン酸(1−4)(50mg、0.19ミリモル)および2−ブロモ−1−(2−メトキシフェニル)エタノン(30mg、0.13ミリモル)のMeOH(1mL)中溶液を80℃に1時間加熱し、次いで、室温に冷却し、濃縮する。残留物を分取LC/MSにより精製して、(Z)−4−(3−エチル−4−(2−メトキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸(1−5)を白色固体として得る。HPLC−MS:C1818242(M+H+)についての計算値:391.1、測定値:391.1。
【0226】
実施例2
(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸
【化20】

(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸(2−5)は、反応スキーム2に示される3つの工程で合成される。
【0227】
【化21】

【0228】
実施例2a: 4−(3−エチルチオウレイド)安息香酸メチル(2−3)
【化22】

4−アミノ安息香酸メチル(2−2)(30.2mg、0.20ミリモル)の無水アセトニトリル(0.4mL)中溶液にイソチオシアン酸エチル(2−1)(17.52μL、0.20ミリモル)を添加し、反応混合物を80℃で一夜加熱する。室温に冷却後、該混合物を水(50mL)に注ぎ、酢酸エチル(EtOAc)(3×50mL)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4を使用して乾燥させる。乾燥剤を濾過により除去し、溶媒を真空除去する。次いで、得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、0%〜40%)により精製して、4−(3−エチルチオウレイド)安息香酸メチル(2−3)を得る。
【0229】
実施例2b: (Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸メチル(2−4)
【化23】

4−(3−エチルチオウレイド)安息香酸メチル(2−3)(50mg、0.19ミリモル)および2−ブロモアセトフェノン(39.8mg、0.20ミリモル)のMeOH(1mL)中溶液を80℃に2時間加熱し、次いで、室温に冷却し、濃縮して、(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸メチル(2−4)を得る。
【0230】
実施例2c: (Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸(2−5)
【化24】

(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸メチル(2−4)(50mg、0.19ミリモル)のMeOH(1mL)中溶液にNaOHの溶液(1N水溶液1.0mL、1.0ミリモル)およびMeOH(0.5mL)を添加する。該混合物を80℃で1時間加熱し、溶媒を除去する。残留物を分取LC/MSにより精製して、(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸(2−5)を得る。HPLC−MS:C181622S(M+H+)についての計算値:325.1、測定値:325.1。
【0231】
実施例3
3−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]安息香酸
【化25】

(3−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]安息香酸(3−4)は、反応スキーム3において示される2つの工程で合成される。
【0232】
【化26】

【0233】
実施例3a: 3−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2−4−オキサジアゾール−5−イル]安息香酸メチル(3−3)
【化27】

室温にて3−(メトキシカルボニル)安息香酸(3−1)(113mg、0.625ミリモル)のN,N−ジメチルアセトアミド(1mL)中溶液に1,1'−カルボニルジイミダゾール(122mg、0.75ミリモル)を添加する。得られた混合物をさらに室温で30分間撹拌し、次いで、N'−ヒドロキシ−4−メトキシベンズイミダミド(3−2)(83mg、0.5ミリモル)を添加する。次いで、反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、150℃で4時間撹拌する。室温に冷却した後、得られた混合物を酢酸エチル(50mL)に溶解し、水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物をシリカゲルで精製して(ヘキサン中0〜50%酢酸エチル)、3−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2−4−オキサジアゾール−5−イル]安息香酸メチル(3−3)を白色固体として得る。
【0234】
実施例3b: 3−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]安息香酸(3−4)
【化28】

3−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2−4−オキサジアゾール−5−イル]安息香酸メチル(3−3)(30mg、0.097ミリモル)、LiOH(46mg、20当量)、ジオキサン(1mL)および水(1mL)の混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、1M HCl 2mLを添加し、次いで、白色固体が沈殿する。該沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、3−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]安息香酸を白色固体として得る。1H NMR(DMSO−d6)d(ppm)8.67(dd,J=1.6,1.6Hz,1H)、8.41(ddd,J=8.4,1.6、1.2Hz,1H)、8.26(ddd,J=8.0,1.6,1.2Hz,1H)、8.06(dm,J=8.8Hz,2H)、7.81(dd,J=8.0,7.6Hz,1H)、7.15(dm,J=8.8Hz,2H)、3.86(s,3H)。HPLC−MS:C161224(M+H+)についての計算値:297.08、測定値:297.00。
【0235】
実施例4
3−[3−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル]安息香酸
【化29】

3−[3−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル]安息香酸(4−4)は、反応スキーム4に示される2つの工程で合成される。
【0236】
【化30】

【0237】
実施例4a: 3−[4−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル]安息香酸エチル(4−3)
【化31】

3−ヨード安息香酸エチル(4−1)(138mg、0.5ミリモル)、アジ化ナトリウム(34mg、0.52ミリモル)、1−エチル−4−エチニルベンゼン(4−2)(65mg、0.5ミリモル)、CuI(10mg)、MeNHCH2CH2NHMe(11μL)、アスコルビン酸ナトリウム(10mg)、DMSO−H2O(v/v 5:1、1.5mL)の混合物を室温で2時間撹拌する。次いで、該反応混合物を酢酸エチル(50mL)中に注ぎ、水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物をシリカゲルで精製して(ヘキサン中0〜33%酢酸エチル)、3−[4−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル]安息香酸エチルを白色固体として得る。
【0238】
実施例4b: 3−[3−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル]安息香酸(4−4)
【化32】

3−[4−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル]安息香酸エチル(4−3)(25mg、0.078ミリモル)、LiOH(38mg、20当量)、ジオキサン(1mL)および水(1mL)の混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、1M HCl 2mLを添加すると、白色固体が沈殿する。該沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させて、3−[3−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル]安息香酸(4−4)を白色固体として得る。1H NMR(DMSO−d6)d(ppm)9.43(s,1H)、8.48(dd,J=2.0,1.6Hz,1H)、8.23(ddd,J=8.0,2.4,0.8Hz,1H)、8.06(ddd,J=8.0,1.6,1.2Hz,1H)、7.88(dm,J=8.4Hz,2H)、7.77(dd,J=8.0,7.6Hz,1H)、7.35(dm,J=8.4Hz,2H)、2.66(q,J=7.6Hz,2H)、1.22(t,J=7.6Hz,3H)。HPLC−MS:C171532(M+H+)についての計算値:294.12、測定値:294.10。
【0239】
実施例5
3−[1−(4−イソプロピルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル]安息香酸
【化33】

3−[1−(4−イソプロピルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル]安息香酸(5−3)は、反応スキーム5に示されるように合成される。
【0240】
【化34】

【0241】
実施例5a: 3−[1−(4−イソプロピルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル]安息香酸(5−3)
【化35】

1−ヨード−4−イソプロピルベンゼン(5−1)(123mg、0.5ミリモル)、アジ化ナトリウム(34mg、0.52ミリモル)、3−エチニル安息香酸(5−2)(73mg、0.5ミリモル)、CuI(10mg)、MeNHCH2CH2NHMe(11μL)、Et3N(51mg、0.5ミリモル)、アスコルビン酸ナトリウム(10mg)、DMSO−H2O(v/v 5:1、1.5mL)の混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、1M HCl 2mLを添加する。得られた混合物を酢酸エチル(100mL)中に注ぎ、水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物をシリカゲルで精製して(ヘキサン中0〜100%酢酸エチル)、3−[1−(4−イソプロピルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル]安息香酸(5−3)を白色固体として得る。1H NMR(DMSO−d6)d(ppm)9.42(s,1H)、8.53(dd,J=1.6,1.6Hz,1H)、8.20(ddd,J=8.0,1.6,1.2Hz,1H)、7.95(ddd,J=8.0,1.6,1.2Hz,1H)、7.89(dm,J=8.8Hz,2H)、7.64(dd,J=8.4,8.0Hz,1H)、7.51(dm,J=8.8Hz,2H)、3.00(7重線,J=6.8Hz,1H)、1.26(d,J=6.8Hz,6H)。HPLC−MS:C181732(M+H+)についての計算値:308.13、測定値:308.10。
【0242】
適当な出発物質を使用して上記実施例に記載の方法を繰り返すことにより、表1において同定される式(I)で示される下記化合物が得られる。
【0243】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【表1−10】

【表1−11】

【表1−12】

【表1−13】

【表1−14】

【0244】
アッセイ
下記アッセイに従って、またはEP1688138に記載のもの(該アッセイ方法について出典明示により本明細書の一部を構成するものとする)のような当該技術分野で公知の方法を使用して、Gタンパク質共役受容体120(GPR120)を調節する化合物の適性を試験する。
【0245】
GPR120発現細胞の産生
ヒトGPR120安定細胞株をHEK293細胞で産生した。GPR120(受入番号BC101175)をプロミスカスGタンパク質、Gα16と融合させる。製造者の使用説明書に従ってFugene6を使用して発現プラスミドをHEK293細胞にトランスフェクトする。薬剤選択後に安定細胞株を産生する。
【0246】
FLIPRアッセイ
FLIPR(蛍光イメージングプレートリーダー、Molecular Devices)アッセイを行って、GPR120発現細胞におけるアゴニスト誘発カルシウム動員を測定する。FLIPRアッセイ前日に、HEK293−GPR120−Ga16細胞を、ポリ−D−リジン被覆黒色壁透明底384ウェルプレート(Falcon)に、1%のFBSを添加したDMEM 40μl中、25,000細胞/ウェルで播く。該細胞を加湿インキュベーター中にて37℃で一夜インキュベートする。FLIPRアッセイ当日に培地を吸引する。細胞を、Fluo−4 NM染料(Invitrogen cat# F36205)を含有する50μl/ウェルのアッセイバッファー(HBSS、20mM HEPES、2.5mMプロベネシド、pH7.4)と一緒に37℃で45分間インキュベートし、次いで、室温で30分間平衡化する。化合物をDMSOに溶解し、アッセイバッファーで所望の濃度に希釈する。FLIPR装置にて化合物(12.5μl/ウェル)の添加直後に蛍光出力を測定する。
【0247】
反応開始からの蛍光強度の変化を使用してEC50値を算出した。一般的に、本発明の化合物は、5μM以下、例えば、0.001μM〜5μMのEC50値を有する。いくつかの実施例では、本発明の化合物は、0.1μM〜5μMのEC50値を有するが、一方、他の実施例では、0.5μM〜5μMのEC50値を有する。他の実施例では、本発明の化合物は、2μM以下、例えば、0.001μM〜2μMのEC50値を有する。表1はまた、各々対応する化合物についてのEC50が生じる範囲を含む:+は、0.001μM〜0.1μMのEC50範囲を示し;++は、0.1μM〜0.25μMのEC50範囲を示し;+++は、0.25μM〜0.50μMのEC50範囲を示し;++++は、0.50μM〜1.0μMのEC50範囲を示し;+++++は、1.0μM〜5.0μMのEC50範囲を示し、++++++は、5.0μMよりも高いEC50範囲を示す。
【0248】
あるアッセイ結果
遊離形態または医薬上許容される塩形態の式(I)で示される種々の化合物は、例えば本明細書に記載のインビトロ試験によって示されるような、薬理学的性質を示す。これらの実験におけるEC50値は、基底応答と最大応答の中間で応答を誘発する当該試験化合物の濃度である。ある実施例では、式(I)で示される化合物は、0.001μM〜5μMのEC50値を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、0.001μM〜4μMのEC50値を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、0.001μM〜3μMのEC50値を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、0.001μM〜2μMのEC50値を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、0.001μM〜1μMのEC50値を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、0.001μM〜0.5μMのEC50値を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、0.001μM〜0.25μMのEC50値を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、0.001μM〜0.1μMのEC50値を有する。
【0249】
遊離形態または医薬上許容される塩形態の式(I)で示される種々の化合物は、例えば本明細書に記載のインビトロ試験によって示されるような、薬理学的性質を示す。これらの実験における効率%は、既知の化合物に対する当該試験化合物の増強%である。ある実施例では、式(I)で示される化合物は、50%〜150%の値の効率%を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、55%〜150%の値の効率%を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、60%〜150%の値の効率%を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、65%〜150%の値の効率%を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、70%〜150%の値の効率%を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、75%〜150%の値の効率%を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、80%〜150%の値の効率%を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、85%〜150%の値の効率%を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、90%〜150%の値の効率%を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、95%〜150%の値の効率%を有する。他の実施例では、式(I)で示される化合物は、100%〜150%の値の効率%を有する。
【0250】
一例に過ぎないが、式(I)で示されるある化合物によるGPR120についてのEC50を下記表2に示す。各化合物についての識別番号は、表1の化合物番号である。
【0251】
【表2】

【0252】
当然のことながら、本明細書に記載の実施例および実施態様は説明の目的のためのみであり、それに照らした種々の変更および変化が当業者には示唆され、本出願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲の範囲内である。本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願は、上記の目的のために出典明示により本明細書の一部を構成するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
nは、0、1、2、3および4から選択され;
Aは、
【化2】

から選択され(ここで、
8は、Hであるか、または、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよいC1-4アルキルおよびフェニルから選択され;
9は、C1-6アルキル、ハロ置換C1-4アルキルおよび−X110から選択され;ここで、X1は、結合またはC1-4アルキレンであり;R10は、C3-8シクロアルキルである);
1は、−COOH、−SO3Hおよびテトラゾリルから選択され;
2は、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから選択され;
3、R4、R5、R6またはR7は、独立して、H、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ置換C1-4アルコキシ、X2OR11、−X2NR1213、−X211、−X2OX311および−X2OX3OR11から選択され;ここで、X2は、結合およびC1-4アルキレンから選択され;X3は、C1-4アルキレンであり;R11は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよい、C1-6アルキル、ヘテロアリールおよびアリールから選択され;R12およびR13は、独立して、HおよびC1-6アルキルから選択されるか;または
3とR4、またはR5とR6は、各々独立して、C1-4アルキルであり、それらが結合している炭素原子と一緒になってフェニル環を形成することができ;ここで、R3とR4またはR5とR6を合わせたフェニルは、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよい]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
式(I)で示される化合物が式(Ia):
【化3】

[式中、
nは、0、1、2、3および4から選択され;
8は、Hであるか、または、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよいC1-4アルキルおよびフェニルから選択され;
9は、C1-6アルキル、ハロ置換C1-4アルキルおよび−X110から選択され;ここで、X1は、結合またはC1-4アルキレンであり;R10は、C3-8シクロアルキルであり;
1は、−COOH、−SO3Hおよびテトラゾリルから選択され;
各R2は、独立して、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから選択され;
3、R4、R5、R6またはR7は、独立して、H、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロ置換C1-4アルコキシ、X2OR11、−X2NR1213、−X211、−X2OX311および−X2OX3OR11から選択され;ここで、X2は、結合およびC1-4アルキレンから選択され;X3は、C1-4アルキレンであり;R11は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、アミノ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよい、C1-6アルキル、ヘテロアリールおよびアリールから選択され;R12およびR13は、独立して、HおよびC1-6アルキルから選択されるか;または
3とR4、またはR5とR6は、各々独立して、C1-4アルキルであり、それらが結合している炭素原子と一緒になってフェニル環を形成することができ;ここで、R3とR4またはR5とR6を合わせたフェニルは、シアノ、アミノ、ヒドロキシル、ニトロ、ハロ、C1-4アルキル、ハロ置換C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよびハロ置換C1-4アルコキシから独立して選択される1〜3個の基で置換されていてもよい]
で示される構造を有する、請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項3】
8がHまたはC1-4アルキルである、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
各R2が独立してハロである、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
各R2が独立してフルオロおよびブロモから選択される、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
式(I)で示される化合物が式(Ib):
【化4】

で示される構造を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
式(I)で示される化合物が式(Ic)または式(Id):
【化5】

で示される構造を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
(Z)−4−(4−(3−シアノフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(4−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(3−エチル−5−メチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(3−フルオロフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(4−(3−ブロモフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(4−(2,5−ジクロロフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−フェノキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−N−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデン)−4−(2H−テトラゾール−5−イル)アニリン、
(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)−2,3−ジフルオロ安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)−2−フルオロ安息香酸、
(Z)−2−ブロモ−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−フェニル−3−プロピルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−イソプロピル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(3−ヒドロキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(2−ブロモ−5−ヒドロキシフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(3−(2−メトキシエトキシ)フェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−(シクロプロピルメチル)−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−sec−ブチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−(2,2−ジフルオロエチル)−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−フェニル−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸、
(Z)−4−(4−(3−(ベンジルオキシ)フェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(3−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−メトキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(3−メトキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(4−(2−クロロフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(4−(3−クロロフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−メトキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(3−メトキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(2−クロロフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(3−クロロフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−フェニルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)ベンゼンスルホン酸、
(Z)−4−(4−(2,6−ジクロロフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(2,3−ジクロロフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(ナフタレン−1−イル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(ナフタレン−2−イル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(2−ブロモフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(2−アミノフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−ニトロフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−(メチルアミノ)フェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(2−(ジメチルアミノ)フェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(3−ブロモフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(3−エチル−4−(2−ヒドロキシフェニル)チアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(3−シアノフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
(Z)−4−(4−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−3−エチルチアゾール−2(3H)−イリデンアミノ)安息香酸、
3−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]安息香酸、
4−(3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)安息香酸、
3−(3−(3−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)安息香酸、
3−(1−(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)安息香酸、
3−(4−(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(5−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)安息香酸、
3−(4−p−トリル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(4−(4−クロロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(4−(2−フルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(4−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(4−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(4−(4−ブロモフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)安息香酸、
3−(1−(4−イソプロピルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)安息香酸、
3−(4−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−メトキシ安息香酸、
3−(4−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−5−フルオロ安息香酸、
3−(1−(2−フルオロ−4−メチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)安息香酸、
5−(4−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−2−フルオロ安息香酸
および
3−(4−(4−エチルフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−4−フルオロ安息香酸
から選択される請求項1記載の化合物。
【請求項9】
請求項1〜8いずれか1項記載の化合物の治療上有効量および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項10】
請求項1〜8いずれか1項記載の化合物の治療上有効量を含む、GPR120の調節が関係する疾患または障害を治療するための薬剤。
【請求項11】
疾患または障害が糖尿病、肥満症、真性糖尿病、脂質異常症、高脂血症、食欲不振、過食症、内分泌異常、トリグリセリド蓄積症、バルデ・ビードル症候群、ローレンス・ムーン症候群、プラダー・ウィリー症候群(Prader-Labhart-Willi syndrome)および悪液質から選択される、請求項10記載の薬剤。
【請求項12】
GPR120の調節が関係する患者における疾患または障害の治療のための薬剤の製造における請求項1〜8いずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項13】
系または対象体におけるGPR120の調節方法であって、系または対象体におけるGPR120を調節する請求項1〜8いずれか1項記載の化合物もしくはその医薬上許容される塩または医薬組成物の治療上有効量を系または対象体に投与することを含む方法。
【請求項14】
系または対象体が細胞系もしくは組織系またはヒト対象体もしくは動物対象体である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
化合物がGPR120のアゴニストである、請求項13または14記載の方法。
【請求項16】
GPR120の調節が関係する疾患または障害の治療方法であって、該治療を必要とする系または対象体に請求項1〜8いずれか1項記載の化合物もしくはその医薬上許容される塩または医薬組成物の有効量を投与することにより該疾患または障害を治療することを含む方法。
【請求項17】
系または対象体が細胞系もしくは組織系またはヒト対象体もしくは動物対象体である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
疾患または障害が糖尿病、肥満症、真性糖尿病、脂質異常症、高脂血症、食欲不振、過食症、内分泌異常、トリグリセリド蓄積症、バルデ・ビードル症候群、ローレンス・ムーン症候群、プラダー・ウィリー症候群(Prader-Labhart-Willi syndrome)および悪液質から選択される、請求項16または17記載の方法。
【請求項19】
疾患または障害が自己免疫疾患である、請求項16または17記載の方法。
【請求項20】
自己免疫疾患が関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、特発性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血または乾癬である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
化合物がGPR120のアゴニストである、請求項16〜20いずれか1項記載の方法。
【請求項22】
GPR120の調節が関係する疾患または障害を治療するための医学的処置の方法において使用するための請求項1記載の式(I)で示される化合物であって、該疾患または障害が糖尿病、肥満症、真性糖尿病、脂質異常症、高脂血症、食欲不振、過食症、内分泌異常、トリグリセリド蓄積症、バルデ・ビードル症候群、ローレンス・ムーン症候群、プラダー・ウィリー症候群(Prader-Labhart-Willi syndrome)、悪液質、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、特発性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血および乾癬から選択されることを特徴とする、化合物。

【公表番号】特表2011−525534(P2011−525534A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516523(P2011−516523)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2009/048265
【国際公開番号】WO2010/008831
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
【Fターム(参考)】