説明

Gリッチなアルギン酸含有組成物

【課題】 生体由来の液体と接触して安定に高粘度化しうる液状組成物を提供する。
【解決手段】 M/G比が1.0以下であるアルギン酸誘導体と、リン酸及びその塩、及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及びその塩から選択される1つ以上の化合物とを含有する液状組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的Gリッチなアルギン酸誘導体と、リン酸及びその塩、及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及びその塩から選択される1つ以上の化合物を含有する液状の組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルギン酸は2種類のウロン酸、即ち、D−マンヌロン酸(M)とL−グルロン酸(G)、から構成される直鎖状多糖類であり、マンヌロン酸のホモポリマー画分(MM画分)、グルロン酸のホモポリマー画分(GG画分)、及びマンヌロン酸とグルロン酸がランダムに配列した画分(MG画分)が任意に結合した複雑なブロック共重合体である。アルギン酸のゲル化能力やゲル強度は、MとGの量的比率及び配列の仕方で大きく影響され、G比率が高い場合にはゲル強度が高くなることが知られている(FRAGRANCE JOURNAL 1999-4, 76−84)。また、分子量の影響に関しては、M/G比、濃度、G含量が同じ場合、分子量が大きくなるにつれてゲル化能力やゲル強度が高くなることも知られている。
【0003】
涙液、汗、生体局所の分泌液等の生体由来の流体には、Caイオンが平均約0.1〜3mM含有されていることから、涙液と接触したときゲル化しうるアルギン酸ナトリウム含有の持続性眼科製剤が提案されている(journal of controlled release 44(1997) 201-208)。しかし、酢酸緩衝液は局所刺激性や刺激臭があるので、適用時の不快感が強いという問題がある。さらに、緩衝能のあるpH域が狭い(酸性側)ので、組成物中に、安定化や可溶化のためにpHが制限される薬物を配合できない。
【0004】
また、アルギン酸とリン酸緩衝液を含有した液に、カルテオロールを配合したゲル点眼剤(international journal of pharmaceutics 207 (2000) 109-116)が提案されている。さらに、アルギン酸とムチンとトリス塩酸緩衝液を含有した液の粘度に対するカルシウムイオンの影響も開示されている(Carbohydrate Research 284(1996)85-99)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アルギン酸の高粘度化(増粘度化)特性はその組成や媒質による影響を受ける。たとえば、液状組成物の媒質として広範囲に用いられるリン酸緩衝剤やトリス塩酸緩衝剤中では、アルギン酸の種類により、患部適用後に高粘度化(増粘度化)しなかったり、水溶液中での高粘度化よりも劣ることがあり、安定的に高粘度化する製剤の作成が困難である。その結果、高粘度化による有効成分の徐放化を予測することが難しいという問題があった。
【0006】
さらに、アルギン酸は上記のように、2種類のウロン酸、即ち、D−マンヌロン酸(M)とL−グルロン酸(G)、から構成される直鎖状多糖類であり、マンヌロン酸のホモポリマー画分(MM画分)、グルロン酸のホモポリマー画分(GG画分)、及びマンヌロン酸とグルロン酸がランダムに配列した画分(MG画分)が任意に結合した複雑なブロック共重合体である。アルギン酸のゲル化能力やゲル強度は、MとGの量的比率及び配列の仕方で大きく影響され、G比率が高い場合にはゲル強度が高くなることが知られている(FRAGRANCE JOURNAL 1999-4, 76−84)。
【0007】
また、アルギン酸含有製剤では、その性質がpHや塩濃度等の外的要因のみならず、アルギン酸のM、Gの構成比率、ブロックコポリマーの組成等、アルギン酸自身の性質とも関係しており、生体に適用したときの高粘度化の有無、程度が不確実であった。このように、従来は、アルギン酸の特性に基いて生体の適用部位で目的の粘度まで安定的に高粘度化される、安定な品質のアルギン酸含有組成物を得ることが困難であった。
【0008】
本発明は、アルギン酸が有する優れた特性を有効に利用した液状組成物を提供することを目的とするものである。さらには、製造過程から使用時までは低粘度であって取り扱いやすく、生体の目的部位への適用が容易である一方、投与後、生体の分泌液等と接触した時点で速やかに高粘度化する組成物を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決するために研究を重ね、ある種の緩衝剤による、アルギン酸のカルシウムイオン存在下での高粘度化(ゲル化)の阻害を、適切にアルギン酸を選択することにより回避しうることを見出した。とりわけリン酸緩衝剤やトリス緩衝剤は液状組成物に汎用される重要な成分であることから、そのような阻害作用は、生体由来の流体と接触して高粘度化するという特徴を有するアルギン酸含有液状組成物の品質の安定性に大きく影響する。本発明者らは、一定のM/G比のアルギン酸を用いることにより、リン酸及びトリス緩衝剤の存在下でゲル化効果が充分に発揮されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明はM/G比が1.0以下であるアルギン酸誘導体と、リン酸、リン酸の塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及びその塩から選択される1つ以上の化合物を含有する液状組成物を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1図は、粘度測定のための円すい−平板形回転粘度計の基本的な構造を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の液状組成物は、水性、アルコール性等、液性にはこだわらないが、水性液剤であることが好ましい。
本発明の液状組成物の用途としては、生体由来の流体と接触するものであればよく、医薬品、医薬部外品、化粧品などに用いることができる。
本発明の液状組成物は、生体由来の流体に含有される生理的濃度のCaイオンと接触したとき、アルギン酸の高粘度化効果を保持してゲル化するので、適用された患部に薄く投与することができ、適用後の官能性が良好である。また、適用部位で滞留するので、薬物等の有効成分が持続的に作用することとなり、結果的に薬物の生物学的利用率の向上にも有用である。
【0012】
本明細書中、本発明の液状組成物が「滞留」するとは、生体に適用されたとき、適用部位により長時間とどまることを意味する。その結果、有効成分の作用はより長時間にわたって持続される。
また、本発明の液状組成物の「高粘度化」とは、生体由来の流体と接触したとき、接触前の粘度よりも高い粘度に達することや増粘度化することを意味する。本明細書中、「ゲル化」なる用語は「高粘度化」と相互変換可能に用いられている。ここで、「生体由来の流体」とは、生体が分泌あるいは産生する液状物質を指し、各種の腺から分泌される粘液や漿液等の分泌液を含み、例えば、涙、鼻汁、膣液、直腸粘膜液、耳漏、唾液、汗、漿液等、生体局所の分泌液、血液等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
本発明の液状組成物は、適用前の状態では粘度が低く、生体由来の流体と接触した場合には、その場で急速に高粘度化が起こり、最初の組成物よりも実質的に高い粘度となり、長時間その場に滞留する。従って、適用時に不快なべたつき感がなく、官能性が改善されており、また、ろ過、分注等の製造工程での取り扱いも容易であるという特徴を有する。
【0014】
本発明の液状組成物には、リン酸系又はトリス系の緩衝液中で、生体に適用したとき、生体由来の流体と接触して高粘度化し適用部位に長時間滞留することを条件として任意のアルギン酸誘導体を用いることができる。
「アルギン酸誘導体」とは、アルギン酸の塩、エステル、エーテル等が包含される。本発明の液状組成物に用いることができるアルギン酸誘導体としてはアルギン酸、アルギン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノール塩、アンモニウム塩等のアルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸エステル等が挙げられるが、これらに限定されない。アルギン酸塩は水溶性のものが好ましく、特に、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムは水溶性でもあり、市販されており入手が容易であるため、好ましい。例えば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム塩及びアルギン酸カリウム塩は、紀文フードケミファ(株)、君津化学工業(株)、富士化学工業(株)、Kelco社(UK)、Sigma社(US)、PRONOVA biopolymer社(ノルウェー)より市販されている。
【0015】
例えば、アルギン酸(M/G比=0.5)の0.2%水溶液のゲル化に必要なCaイオン濃度は、約0.2mM以上であるが、涙液、汗、生体局所の分泌液等の生体由来の流体は、Caイオンを平均約0.1〜3mM含有しているので、Caイオンを補充しなくても、これらの流体とアルギン酸を接触させればゲル化する。しかしながら、アルギン酸のゲル化能力や生成したゲルの性質は、マンヌロン酸とグルロン酸の比(M/G比)や、ブロック共重合体を構成しているMM画分、GG画分、MG画分の割合に依存して変化するものであり、目的の高粘度化や滞留性を安定的に達成するには、単に接触させるだけでは不十分である。
【0016】
本発明の液状組成物には、Gリッチなアルギン酸誘導体を用いる。具体的には、本発明の液状組成物には、アルギン酸誘導体中のマンヌロン酸/グルロン酸比(M/G比)が1.0以下のものを含有しうる。さらに好ましくはM/G比0.8以下、より好ましくは0.6以下のものを用いる。M/G比が低いほど、高粘度化力が高いため、組成物中のアルギン酸の含量を少なくすることができ、製造時の取り扱いが容易であり、しかも投与しやすく使用感にも優れ、好ましい。また、M/G比が1.0以下のアルギン酸誘導体の場合、Caイオン存在下での高粘度化を阻害するリン酸及びその塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及びその塩を含有していても、生体由来の流体と接触すると高粘度化が起こり、配合成分の滞留性が高くなる。また、生体由来の流体と接触したときの高粘度化が高い(増粘作用が強い)ため、通常、高粘度化を阻害する荷電を有する成分などを配合する事も容易であるので、広範な成分を配合した徐放化能が高い製剤を得る事ができる。
各画分の含量は、後述の加水分解法により測定できる。
【0017】
アルギン酸のMM画分の比率としては、0.4以下、好ましく、0.3以下のもの、特に0.2以下のものが好ましい。MM画分の比率が0.4以下のアルギン酸の場合、高粘度化が起こりやすく、短時間で高粘度化が達成されるため、有効成分の滞留性が高くなり、好ましい。なお、比率を表す数値は、M含量が100%のとき1であり、0%のとき0である。
【0018】
アルギン酸のGG画分の比率としては、0.3〜1の範囲が好ましく、0.4−0.8がより好ましく、0.5-0.7が特に好ましい。GG画分の比率が0.3以上のアルギン酸は、高粘度化が起こりやすく、短時間で高粘度化が達成されるため、有効成分の滞留性が高くなり好ましい。なお、比率を表す数値は、G含量が100%のとき1であり、0%のとき0である。
【0019】
本発明の組成物中のアルギン酸誘導体の含有量は、その種類及び配合する成分の種類により適宜決定されるが、通常0.005-5W/V%、好ましくは0.005-1W/V%、更に好ましくは、0.01-0.5W/V%である。M/G比等の他の条件が同一である場合、配合量が少ないと一般的に高粘度化が起りにくく、有効成分の消失速度が速くなる。また、配合量が多いと、溶媒への分散が悪く製造が困難になり、また、適用時の官能性が悪い上、ゲル化時間が早くなりすぎて投与部位への組成物の分散が悪くなる。
【0020】
なお、本発明の液状組成物中のアルギン酸の平均分子量(表示粘度)、M/G比、濃度、さらにはリン酸又はその塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又はその塩の量などを適宜選択することにより、投与局所での滞留時間、即ち有効成分の作用時間を任意に調整しうる。
高粘度化の程度は使用する部位や目的によって決定され、適用前の組成物に比較して数倍〜数千倍の粘度まで、広範囲に及ぶ。
【0021】
本発明の液状組成物に使用されるリン酸又はその塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又はその塩は、局所投与用の液剤の製造に通常使用されているものから適宜選択することができる。使用し得るリン酸又はその塩としては、リン酸水素ニナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸水素ニカリウム、リン酸二水素一カリウム、有機化合物のリン酸塩などが挙げられる。本発明の組成物には、これらを1種又はそれ以上組合わせて用いることができる。また、使用し得るトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又はその塩としては、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(以下、「TRIS」と称する)のスルホン酸塩、酢酸塩、塩酸塩などが挙げられる。本発明の組成物には、これらを1種又はそれ以上を組合わせて用いることができる。
本発明の液状組成物中のこれらのリン酸又はその塩、TRIS又はその塩の濃度は、有効成分や他の添加剤の種類、配合量にも拠るが、生体局所に刺激を生じない濃度であれば良く、製薬的に許容される範囲であれば良い。通常、0.5〜約300mMが好ましく、より好ましくは1〜200mM、さらに好ましくは1〜200mM,特に好ましくは5〜150mMの範囲にするとよい。
【0022】
本発明の組成物のpHは、生体局所に刺激を生じないpHであれば良く、約4〜9が好ましい。さらに、5−8.5、特に好ましくは、5−8である。リン酸緩衝剤では、高粘度化が増強される(増粘作用を増強する)ため、pH7以上が特に好ましい。pHの調節にはリン酸又はその塩、又はTRIS又はその塩の緩衝能を利用するが、必要に応じて、当該技術分野で用いられる適当なpH調節剤、他の緩衝剤などを使用してもよい。
【0023】
本発明の液状組成物は、生体に投与したとき、適用部位にそのまま滞留し、あるいは生体由来の流体とアルギン酸誘導体が接触することによって高粘度化して滞留する製剤である。投与の簡便性、投与時の官能性、製造の容易性、並びに製造過程から使用に際する取り扱いの容易性などの要因を考慮して、組成物は低粘度であることが好ましい。通常、35℃で測定した場合の粘度が8000mPa・s以下、好ましくは1000mPa・s 以下であることが望ましい。特に点眼剤又は点鼻剤の場合は、、50mPa・s以下が適当であり、0.5-20mPa・sが好ましく、0.8-10mPa・sがより好ましく、1-5mPa・sが特に好ましい。外用剤の場合には、粘度を8000mPa・s以下、好ましくは1000mPa・s以下、より好ましくは500mPa・s以下に調整する。なお、本発明の組成物が眼粘膜以外の局所及び皮膚に適用される製品であれば、高粘度化の程度が大きいことが望ましい。また、高粘度化により保水性も向上する。
【0024】
これらの粘度値は、既知の円すい−円板回転粘度形を用いる粘度測定方法(第十三改正日本薬局法に記載の、一般試験法、36.粘度測定法、第2法回転粘度計法、「(3)円すい−平板形回転粘度計」の項に記載の方法)による測定値を基準としている。このような低粘度の液状組成物を、投与時に所望の程度までゲル化させるのに必要なアルギン酸誘導体と、リン酸又はその塩、TRIS又はその塩の種類や配合量は、本明細書の記載に従い、当業者が決定することができる。
【0025】
本発明の液状組成物に配合される有効成分としては、効果の持続が期待されている成分であればよく、水溶性物質のみならず難溶性物質も用いることができる。以下、主として本発明の液状組成物が医薬組成物である場合に関して説明するが、当業者ならば、医薬部外品や化粧品である場合も、以下の説明に従って実施可能であることを理解するであろう。
【0026】
液状組成物が医薬組成物である場合、含有させることができる有効成分として、一般的に局所製剤あるいは外用剤に使用される薬物や清涼化剤などが挙げられる。たとえば、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、dl−塩酸メチルエフェドリン、塩酸オキシメタゾリン等の充血除去薬、メチル硫酸ネオスチグミン等の筋調節薬、イプシロン-アミノカプロン酸、アラントイン、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸ニカリウム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化リゾチーム、フルオロメトロン、デキサメタゾン、コーチゾン、プレドニゾロン等の抗炎症薬、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン薬、クロモグリク酸ナトリウム、フマル酸ケトチフェン、アンレキサノクス、ペミロラストカリウム、トラニラスト、フマル酸エメダスチン、メキタジン等の抗アレルギー薬、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等の局所麻酔薬、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール、スルフイソミジンナトリウム、セファロスポリン、エリスロマイシン、セフメノキシム、クロラムフェニコール、ゲンタマイシン、カナマイシン等の抗菌薬、塩酸ピロカルピン、臭化ジスチグミン、硫酸フィゾスチグミン等の縮瞳薬、硫酸アトロピン、塩酸フェニレフリン等の散瞳薬、マレイン酸チモロール、塩酸カルテオロール、塩酸プロプラノロール等の緑内障治療薬、ピレノキシン、グルタチオン等の白内障治療薬、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸トコフェロール、リボフラビン等のビタミン類、L-アスパラギン酸カリウム、L-アスパラギン酸マグネシウム、L-アスパラギン酸マグネシウム・カリウム(等量混合物)、アミノエチルスルホン酸等のアミノ酸類、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸等の多糖類、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネトール、アネトール、リモネン、オイゲノールの清涼化剤などを挙げることが出来る。これらの成分のうち、難溶性成分は、当該技術分野で既知の溶解補助剤、例えば、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤、を用いて可溶化してから使用しても良く、あるいは懸濁させて使用することもできる。これらの成分は、組成物中に0.0001〜10%配合できる。また、アルギン酸誘導体は、保湿作用などを有するため、有効成分にもなりうる。
【0027】
本発明の液状組成物には、必要に応じて、酢酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液等の緩衝剤を加えてもよい。これらの緩衝剤は、製剤の安定化や刺激性の低下に有用な場合がある。
【0028】
さらに本発明の組成物には、本発明の目的に反しないかぎり、通常、当該技術分野で用いられる他の成分を、必要に応じて含有させることができる。
そのような成分として、通常、水性等の液状組成物に用いられる添加剤、例えば、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸カリウム、塩酸クロロヘキシジン等の保存剤、エデト酸Na等の安定化剤、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の増粘剤、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン、ショ糖,ブドウ糖等の等張化剤、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン等の等張剤、塩酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤が挙げられる。
【0029】
本発明の液状組成物は、滞留性が向上されており、また、生体由来の流体(局所で分泌される分泌液を含む)、たとえば、涙液、鼻汁、膣液、直腸粘膜液、耳漏、汗、漿液、血液等により、詳しくは、それらに含有されるカルシウムイオンとの相互作用によって高粘度化されるので、そのような作用を妨げない限り任意の剤形であってよい。
従って、本発明の組成物は医薬品、医薬部外品、化粧品など、広範な用途を有する。
本発明の液状組成物が医薬品である場合、それは、点眼剤、点鼻剤、口腔用剤、膣用剤、座剤、外用剤等の形をとりうる。本発明の組成物は、適用部位で涙液、鼻粘膜液、唾液、膣液、直腸粘液、汗、漿液等の分泌液や血液と接触してゲル化し、該部位で有効成分を持続的に作用させるものであることから、分泌液や血液が存在している部位で用いられる製剤に適している。
【0030】
特に好ましい適用部位は局所の粘膜(眼粘膜、角膜、鼻粘膜、口腔粘膜、直腸粘膜、膣粘膜など)又は皮膚である。特に、局所の粘膜に適用することが好ましい。好ましい製剤の一例は点眼薬や洗眼薬等の点眼剤及び点鼻剤、及び口腔粘膜適用製剤である。点鼻剤は、スプレー剤として使用しても良い。
特に点眼剤の場合、滞留性が向上しているので、涙液中の薬物の濃度が維持され、薬理効果が持続することから、抗菌薬、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、充血除去薬などが配合された点眼剤が好ましく、特に、抗菌点眼薬、アレルギー用点眼薬、抗炎症用点眼薬が好ましい。また、高粘度化により、眼表面の保護効果が得られると共に、眼表面の水分保持量が高くなるため、人工涙液型点眼薬も好ましい。
また、高粘度化により、効果の持続性が発揮されるため、組成物中の有効成分を減量化でき、有効成分による刺激や副作用を軽減することができる。
【0031】
さらに、l-メントール、d-メントール、dl-メントール、α-カンフル、dl-カンフル、d-ボルネオール、ベルガモント油、クールミント、ウイキョウ油、ハッカ油、ユーカリ油、ゲラニオール等の清涼化剤を配合したとき、その清涼化効果が持続し、官能性が向上されるので、添加量を少なくしても所望の効果が発揮されるので、清涼化剤を含有する組成物としても好ましい。組成物として、点眼剤、点鼻剤、外用剤が好ましく、これらの清涼化剤の配合量は、通常、組成物中に0.0001〜1%、好ましくは0.0001〜0.5%の範囲であり、点眼剤の場合は、0.0001〜0.1%、好ましくは、0.0001〜0.05%、点鼻剤の場合は、0.0001〜0.1%、好ましくは、0.0001〜0.05%、外用剤の場合は、0.001〜1%、好ましくは、0.001〜0.5%である。
【0032】
本発明の液状組成物は、M/G比が1.0以下であるため、広範囲のpHで、生体由来の液体と接触して高粘度化する。従って、本発明の組成物は薬物安定性に優れており、また、適用前には低粘度であっても、生体局所の分泌液等と接触して十分に高粘度化されることから、低粘度で製剤化することができ、投与時の粘度が低く、ネバネバ感が少なく大変使用感が優れている。
【実施例】
【0033】
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
以下の実施例及び試験例における粘度の測定は次の方法で行った。
(1)粘度の測定
粘度は、WO97/28827に記載の円すい一平板形回転粘度計を用いる方法で測定した。この方法は、第十三改正日本薬局法に記載の、一般試験法、36.粘度測定法、第2法回転粘度計法、「(3)円すい−平板形回転粘度計」の項に記載の方法と同様である。粘度の測定は、市販の円すい−平板形回転粘度計と適宜選択されたロータとを用いて測定することができ、例えば、そのような粘度計の例には、E型粘度計[トキメック(TOKIMEC)製、東機産業(日本)から販売]、シンクローレクトリックPC 型(ブルックフィールド、米)、フェランティシャーリー(フェランティ、英)、ロートビスコR (ハーケ、独)、IGK ハイシャーレオメーター(石田技研、日本)、島津レオメーターR (島津製作所、日本)、ワイセンベルグレオゴニオメーター(サンガモ、英)、メカニカルスペクトロメーター(レオメトリックス、米)等がある。これらの市販の粘度計とローターを適宜選択し、披検試料測定毎にJIS Z8809により規定されている石油系の炭化水素油(ニュートン流体)を校正用標準液として適宜調整することにより、35℃における粘度を測定した。
【0034】
円すい一平板形回転粘度計による測定
基本的には、図1に示すように、円すい1と平円板2との間の角度αの隙間に試料を入れ、円すい1又は平円板2を一定の角速度ω若しくはトルクTで回転させ、定常状態に達したときの平円板2又は円すい1が受けるトルク若しくは角速度を測定し、試料の粘度ηを次式により算出する。
η =100×(3α/2πR3)・(T /ω)
η :試料の粘度(mPa ・s)(Pa ・s =103 mPa・s )
α :平円板2と円すい1がなす角度(rad)
π :円周率
R :円すい1の半径(cm)
T :平円板2又は円すい1面に作用するトルク(10-7N・m)
ω :角速度(rad/s)
【0035】
実施例に記載の各組成物の粘度は、E型粘度計の1種であるTVE−20L形粘度計コーンプレートタイプ[トキメック(TOKIMEC)製、東機産業(日本)から販売]を用いて業者の指示に従い、WO97/28827に記載の方法と同様に測定した。
測定条件
TVE−20L形粘度計コーンプレートタイプに付属の標準コーンロータ(図1における円すい1に相当)(α=1°34'、半径(R)=2.4cm)をフルスケール・トルク67.37×10-6 Nm のスプリングを介してモータで回転させる。測定時、粘度計は回転軸が水平面に対して垂直になるように設置する。
被検試料1mlをコーンロータの所定の位置(プレート、図1における平円板2に相当)に載置し、温度が35.0℃になるまで放置する。次いで、装置を回転数20rpm以下で回転させ、6分後に、表示された粘度を読み取る。高精度の測定結果を得るために、被検試料測定前に、JIS Z 8809 により規定されている石油系の炭化水素油(ニュートン流体)を校正用標準液として用い、測定値が標準液の粘度に一致するように調整する。この標準液は、20℃、30℃、40℃における粘度が±0.1%の精度で保証されている。なお、TVE-20L形粘度計コーンプレートタイプ以外の市販の機種を用い、上記と同様にコーンロータを選択して実施し、適宜校正することにより、同等の結果を得ることもできる。
【0036】
被検試料に、塩化カルシウム溶液を添加して測定する場合には、添加前に上記の方法で粘度を測定した後、塩化カルシウム溶液を添加し、添加後の粘度に応じて装置の回転数を減少させ、同じく6分後に表示された粘度を読み取る。
【0037】
(2)M/G比の測定
アルギン酸ナトリウムのM/G比は既知の方法(Carbohydrate Research, 32(1974), 217-225)に記載の方法に準じて測定した。即ち、アルギン酸は、MM画分、GG画分、MG画分で加水分解に対する抵抗性と酸に対する溶解性が異なる。そこで、弱塩酸を用いて、MM画分、GG画分、MG画分と切断されるような条件で分解したのち、各画分を常法に従って分画する。次いで、各画分の糖量をフェノール硫酸法で測定し、下記の式にてM/G比を算出する。
M/G=(MM画分の糖量+(MG画分の糖量/2))/(GG画分の糖量+(MG画分の糖量/2))
【0038】
試験例1 アルギン酸ナトリウム溶液のCaイオンによる高粘度化に対するリン酸緩衝液及びTRIS HCL緩衝液の影響
実験には、M/Gの異なる3種類のアルギン酸ナトリウム(バイオリアクター用ダックアルギン150G,150及び150M、紀文フードケミファ供給)を用いた。これらアルギン酸ナトリウムの性質は下記の通りである。
M/G比 GG画分の比率 MM画分の比率
150G 0.5 0.51 0.17
150 0.8 0.40 0.29
150M 1.1 0.28 0.35

アルギン酸ナトリウム(M/G=0.5、0.8、1.1)0.2gを、所定のpHに調製された、20mMリン酸緩衝液、25mM TRIS・塩酸緩衝液の各溶液100mlに溶解して調製し、各溶液の粘度をTVE-20L形粘度計コーンプレートタイプを用い、前述の測定方法に従い測定した。
次いで、各溶液1mlに、100mM塩化カルシウム水溶液20μlを添加して混合後直ちに、TV-20形粘度計コーンプレートタイプを用い、前述の測定方法に従い測定した。最終的なカルシウムイオン濃度は1.96mMであり、生理的な濃度(平均約0.4〜2mM)の範囲である。
粘度測定条件:
使用ローター:標準ローター(1°34′、R=24mm)
測定条件 :Caイオン添加前の回転数20rpm、
Caイオン添加後の回転数0.3rpm
試料量 :1mL
測定温度 :35℃
時間:6分間後の測定値を粘度とした。
結果を表1及び表2に示す。
【0039】
表1 Caイオン添加前後におけるリン酸緩衝液中、0.2%アルギン酸ナトリウム溶液の粘度
【表1】

*)測定条件:Caイオン添加前の回転数20rpm、Caイオン添加後の
回転数0.3rpm。
【0040】
表2 Caイオン添加前後におけるTRIS緩衝液中、0.2%アルギン酸ナトリウム溶液の粘度
【表2】

*)測定条件:Caイオン添加前の回転数20rpm、Caイオン添加後の
回転数0.3rpm。
【0041】
表1及び表2から、M/G比が0.5及び0.8のGリッチなアルギン酸を使用すると、リン酸緩衝剤やTRIS緩衝剤中でカルシウムイオンと接触した場合、水を媒質とする対照と比較して、粘度上昇が阻害されないことが分かる。また、リン酸緩衝剤の場合には、pH7以上でゲル化が増強されている。一方、アルギン酸のM/G比が1.1の場合には、リン酸緩衝剤やTRIS緩衝剤中で、カルシウムイオンとの接触による高粘度化が阻害されている。
【0042】
実施例
(1)抗菌性点眼薬の調製
抗菌性点眼薬(実施例1〜実施例6)を表3の処方に従って調製した。得られた点眼剤の塩化カルシウム添加前、及び添加後の粘度を、試験例1に記載の方法に準じて測定したところ、リン酸緩衝剤の代わりに水を用いて調製した対照と比較して、粘度の上昇が認められた。
調製方法:
<1>表3に従いアルギン酸ナトリウム以外の処方成分を秤取し、約60mLの精製水を加え加熱溶解(約60℃)した。
<2>アルギン酸ナトリウムは他の成分を加熱溶解した後、徐々に加えて溶解した。
<3>室温に戻した後、0.1N塩酸又は0.1N水酸化ナトリウムを加えて所定のpHに調整し、精製水を加えて100mLにメスアップした。
<4>平均孔径0.22μmのセルロースアセテート(CA)メンブランでろ過後、点眼ビンに充填した。
【0043】
表3 処方表(w/v%)
【表3】

1)実施例1−3は、M/G比=0.5、実施例4−6は、M/G比=0.8のアルギン酸ナトリウム(前掲)を使用。
【0044】
(2)人工涙液型点眼薬の調製
人工涙液型点眼剤(実施例7〜実施例12)を表4の処方に従って調製した。次いで、得られた点眼剤の塩化カルシウム添加前、及び添加後の粘度を、試験例1に記載の方法に準じて測定した。
調製方法:
<1>表4に従いアルギン酸ナトリウム以外の配合成分を秤取し、約60mLの精製水を加え加熱溶解(約60℃)した。
<2>アルギン酸ナトリウムは他の成分を加熱溶解した後、徐々に加えて溶解した。
<3>冷後、0.1N塩酸又は0.1N水酸化ナトリウムを加えて所定のpHに調整し、精製水を加えて100mlにメスアップした。
<4>平均孔径0.22μmのCAメンブランでろ過後、点眼ビンに充填した。
【0045】
表4 処方表(w/v%)
【表4】

1)実施例7−9は、M/G比=0.5、実施例10−12は、M/G比=0.8のアルギン酸ナトリウム(前掲)を使用。
【0046】
(3)一般用点眼薬
表5の処方に従って点眼薬(実施例13〜実施例16、比較例1、2)を調製した。
調製方法:
<1>表5に従いアルギン酸ナトリウム以外の配合成分を秤取し、約60mLの精製水を加え加熱溶解(約60℃)した。
<2>アルギン酸ナトリウムは他の成分を加熱溶解した後、徐々に加えて溶解した。
<3>冷後、0.1N塩酸又は0.1N水酸化ナトリウムを加えて所定のpHに調整し、精製水を加えてで100mLにメスアップした。
<4>平均孔径0.22μmのCAメンブランでろ過後、点眼ビンに充填した。
同様にして、比較例1、2を調製した。
【0047】
表5 処方表(w/v%)
【表5】

1)実施例13-14は、M/G=0.5、実施例15-16は、M/G=0.8、比較例1、2はM/G=1.1のアルギン酸ナトリウム(前掲)を使用。
【0048】
(4)点眼薬、点鼻薬
上記(2)及び(3)に記載の方法に従い、表6並びに表7の処方によって点眼薬(人工涙液型点眼薬を含む)(実施例17〜実施例28)を調製した。同様に、上記(2)及び(3)に記載の方法に準じて、表7の処方により点鼻薬(実施例29−30)を調製し、点鼻用容器に充填した。
【0049】
表6 処方表(w/v%)
【表6】

1)実施例17−18、実施例22は、M/G比=0.5、実施例19−21、実施例23は、M/G比=0.8のアルギン酸ナトリウム(前掲)を使用。
【0050】
表7 処方表(w/v%)
【表7】

1)実施例24-25、実施例29は、M/G=0.5、実施例26-27、実施例30は、M/G=0.8のアルギン酸ナトリウム(前掲)を使用
2)実施例28は、M/G=0.5のアルギン酸(前掲)を使用
【0051】
試験例2 点眼剤の前眼部滞留性試験
被験者10人に対して、実施例13、15及び比較例1,2の点眼剤を用いて、清涼感の持続性を基準として、前眼部への滞留性試験を行った。
まず、被験者は、任意の片眼に、各試験液2滴を点眼し、点眼後、清涼感が消失するまでの時間を測定し、滞留(持続)時間とした。試験中、被験者は自由にまばたきを行った。
2時間以上間隔をあけて、同側の目に別の試験液2滴を点眼し、清涼感の持続時間を測定した。被験者全てから得た持続時間の平均値を求めた。結果を下記の表7に示す。
【表8】

【0052】
本発明の液状組成物においては、M/G比が1以下のGリッチなアルギン酸誘導体を、リン酸、リン酸の塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及びその塩から選択される1つ以上の化合物を共に用いることで、生体に適用して生体由来の液体と接触させるだけで安定的に高粘度化するので、薬物等の有効成分が局所に滞留し、持続的に放出されるという特徴を有する。
また、生体由来の流体との接触によるアルギン酸の高粘度化が増強されているので、粘度の低い製剤として提供することができ、投時のネバネバ感も少なく使用感が優れている。即ち、投与前には粘度が低く、流動性がよいので適用する部位に一定量を投与する又は塗布することが容易であり、しかも、投与後速やかに高粘度化するので、有効成分が投与部位全体にわたって滞留し、長時間持続的に効果を発揮する。また、保水効果も大いに期待できる。
従って、本発明の組成物は医薬品、医薬部外品などに用いることができ、特に点眼剤、点鼻剤、口腔用剤、膣用剤、座剤、外用剤などに有用である。
【符号の説明】
【0053】
1 円すい
2 平円板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
M/G比が1.0以下であるアルギン酸誘導体と、リン酸及びその塩並びにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン及びその塩から選択される1つ以上の化合物とを含有する液状組成物。
【請求項2】
アルギン酸誘導体を濃度0.001-5W/V%で含有するものである、請求項1に記載の液状組成物。
【請求項3】
35℃における粘度が8000mPa・s以下である請求項1又は2に記載の液状組成物。
【請求項4】
アルギン酸誘導体のGG画分の比率が、0.3以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液状組成物。
【請求項5】
アルギン酸誘導体のMM画分の比率が、0.4以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液状組成物。
【請求項6】
医薬品、医薬部外品及び化粧品から選択されるものである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
点眼剤、点鼻剤、口腔用剤、膣用剤、座剤及び外用剤から選択される、請求項6に記載の液状組成物。
【請求項8】
充血除去薬、筋調節薬、抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、局所麻酔薬、抗菌薬、縮瞳薬、散瞳薬、緑内障治療薬、白内障治療薬、ビタミン類、アミノ酸類、多糖類、清涼化剤から選択される1種以上の成分を含有する、請求項6又は請求項7に記載の液状組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2009−102407(P2009−102407A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20028(P2009−20028)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【分割の表示】特願2002−61655(P2002−61655)の分割
【原出願日】平成14年3月7日(2002.3.7)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】