説明

GSK3で選択的な阻害作用を示す新規な化合物

本発明は式I
【化1】


[式中、ZはNであり;YはCONR5、NR5CO、SO2NR5、NR5SO2、CH2NR5、NR5、NR5CONR5、CH2CO、CO、OまたはCH2Oであり;XはCHまたはNであり;Pはフェニル、またはN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香環であり、前記フェニル環、または5または6員のヘテロ芳香環は場合によりC、N、OまたはSから選択される1個またはそれ以上の原子を含有する5または6員の飽和、部分的に飽和または不飽和環と縮合しており;QはC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルである]の新規化合物、それらの製造法およびそこで使用される新規中間体、治療的に活性な前記化合物を含有する医薬製剤、並びに治療における前記活性化合物の使用に関し、例えばGSK3で選択的な阻害作用を示す化合物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊離塩基または薬学的に許容しうる塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての式Iの新規化合物、前記化合物を含有する医薬組成物、および治療での前記化合物の使用に関する。本発明はさらに式Iの化合物の製造法、およびその製造で使用される新規中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)は異なる遺伝子によりコード化されるが、触媒ドメイン内で高度に相同である2種の異性体(αおよびβ)からなるセリン/スレオニンプロテインキナーゼである。GSK3は中枢および末梢神経系で高度に発現する。GSK3はタウ、β−カテニン、グリコーゲンシンターゼ、ピルビン酸デヒドロゲナーゼおよび伸長開始因子2b(eIF2b)を含む幾つかの基質をリン酸化する。インシュリンおよび成長因子はプロテインキナーゼBを活性化し、これはセリン9残基でGSK3をリン酸化し、それを不活性化する。
【0003】
アルツハイマー病(AD)痴呆およびタウパシー(taupathy)
ADは認識力の低下、コリン作動性障害、神経細胞の死、神経原線維変化、およびアミロイド−βの沈着からなる老人斑を特徴とする。ADにおけるこれらの事象の順序は不明確であるが、関連があると考えられている。グリコーゲンシンターゼキナーゼ3β(GSK3β)またはタウ(τ)リン酸化キナーゼはAD脳で高リン酸化される部位において神経細胞の微小管結合タンパク質τを選択的にリン酸化する。高リン酸化されたタンパク質τは微小管に対する親和性が低く、対になったらせん状フィラメントとして蓄積し、これはAD脳における神経原線維変化および神経網の糸(neuropil thread)を構成する主な成分である。このことは微小管の脱重合を招き、これにより軸索の枯死および神経症性ジストロフィーが引き起こされる。神経原線維変化はAD、筋萎縮性側索硬化症、Guamのパーキンソン痴呆、大脳皮質基底核変性症、ボクサー痴呆、頭部外傷、ダウン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、進行性核上麻痺、ニーマン−ピック病およびピック病のような疾患で常に見られる。一次海馬培養物にアミロイド−βを加えると、τの高リン酸化およびGSK3β活性の誘導による対になったらせん状フィラメント様状態、続けて軸索輸送の阻害および神経細胞の死が起こる(ImahoriおよびUchidaのJ. Biochem 121:179〜188(1997年))。GSK3βは神経原線維変化を優先的に標識し、AD脳の変化前(pre−tangle)の神経細胞において活性であることが示されている。また、AD患者の脳組織においてGSK3タンパク質濃度は50%まで増加している。さらに、GSK3βは解糖経路の鍵酵素であるピルビン酸デヒド ロゲナーゼをリン酸化し、ピルビン酸のアセチル−Co−Aへの変換を防止する(HoshiらのPNAS 93:2719〜2723(1996年))。アセチル−Co−Aは認知機能に関する神経伝達物質であるアセチルコリンの合成において重要である。したがって、GSK3βの阻害はアルツハイマー病や他の上記疾患に関する進行および認知障害に有益な効果を示し得る。
【0004】
慢性および急性の神経変性疾患
成長因子が関与するPI3K/Akt経路の活性化は神経細胞の生存において主要な役割を果たすことが示されている。この経路の活性化はGSK3βの阻害をもたらす。最近の研究(BhatらのPNAS 97:11074〜11079(2000年))によりGSK3β活性は脳虚血または成長因子欠乏後のような神経変性の細胞および動物モデルにおいて増加することが示されている。例えば、活性部位のリン酸化は一般にアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側策硬化症、ハンチントン病 、HIV痴呆、虚血性脳卒中および頭部外傷のような慢性および急性の神経変性疾患で起こると考えられているタイプの細胞死であるアポトーシスを受けやすい神経細胞において増加した。リチウムは細胞内および脳内のアポトーシスの阻害においてGSK3βの阻害を引き起こす用量で神経を保護した。したがって、GSK3β阻害剤は神経変性疾患の進行を遅らせるのに有用である。
【0005】
双極性障害(BD)
双極性障害(BD)は躁状態および鬱状態を特徴とする。リチウムはその気分安定効果に基づいてBDの治療に使用されている。リチウムの不利点は狭い治療濃度域およびリチウム中毒を引き起こし得る過剰投与の危険性である。リチウムがGSK3を治療的濃度で阻害するという最近の発見はこの酵素が脳におけるリチウムの作用の主要な標的である可能性を高めている(StambolicらのCurr. Biol. 6:1664〜1668(1996年);KleinおよびMeltonのPNAS 93:8455〜8459(1996年))。したがって、GSK3βの阻害は情動障害を有するAD患者だけでなくBDの治療とも治療的に関連がある。
【0006】
統合失調症
GSK3は多様な細胞過程、特に神経系の発達中におけるシグナル伝達カスケードに関与する。Kozlovskyら(Am. J. Psychiatry;157(5):831〜3(2000年5月))は統合失調症患者のGSK3β量が対照被験者に比べて41%低いことを見出した。この研究は統合失調症が神経発達上の病理に関与 し、異常なGSK3調節が統合失調症に影響を与えることを示している。さらに、β−カテニン量の減少が統合失調症を示す患者で報告されている(CotterらのNeuroreport 9:1379〜1383(1998年))。
【0007】
糖尿病
インシュリンは骨格筋においてグリコーゲンシンターゼの脱リン酸化、すなわち活性化によりグリコーゲン合成を刺激する。静止状態下でGSK3は脱リン酸化によりグリコーゲンシンターゼをリン酸化し、不活性化する。GSK3はまた、II型糖尿病患者の筋肉内で過剰発現する(NikoulinaらのDiabetes;49(2):263〜71(2000年2月))。GSK3の阻害はグリコーゲンシンターゼの活性を増大させ、その結果グルコースのグリコーゲンへの変換によりグルコース量が減少する。したがって、GSK3阻害はI型およびII型糖尿病、糖尿病性神経障害、並びに糖尿病関連疾患の治療と治療的に関連がある。
【0008】
脱毛症
GSK3はβ−カテニンをリン酸化し、分解する。β−カテニンはケラトニン合成経路のエフェクターである。β−カテニンの安定化は毛髪発生の増加を引き起こす。GSK3によりリン酸化された部位の突然変異により安定化したβ−カテニンを発現するマウスは新毛髪形態の形成に似たプロセスを経過する(GatらのCell;95(5):605〜14(1998年11月25日))。新しい毛包は通常胚形成においてのみ確認される皮脂腺および皮膚乳頭の形成をもたらす。したがって、GSK3阻害は禿頭症の治療法を提供することができる。
【0009】
経口避妊薬
Vijajaraghavanら(Biol Reprod;62(6):1647〜54(2000年6月))は不動性精子と比べて可動性精子のGSK3は高いことを報告している。免疫細胞化学によりGSK3が鞭毛および精子頭部の前方部分に存在することが明らかになっている。これらのデータはGSK3が精巣上体の運動開始および成熟精子の機能調節の基礎をなす重要な要素であることを示唆している。GSK3の阻害剤は男性の避妊薬として有用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は良好な生物学的利用能を有するだけでなくGSK3で選択的な阻害効果を示す化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明は遊離塩基または薬学的に許容しうる塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての式I
【化1】

[式中、ZはNであり;
YはCONR5、NR5CO、SO2NR5、NR5SO2、CH2NR5、NR5CONR5、CH2CO、COまたはCH2Oであり;
XはCHまたはNであり;
Pはフェニル、または、N、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香環であり、ここで前記フェニル環、または、5または6員のヘテロ芳香環は場合により独立してC、N、OまたはSから選択される原子を含有する5または6員の飽和、部分的に飽和または不飽和環と縮合しており;
QはC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり;
【0012】
RはCHO、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキル(SO2)NR1R2、OC0-6アルキル(SO2)NR1R2、OC1-6アルキル(SO)NR1R2、C1-6アルキル(SO)NR1R2、C0-6アルキルNR1(SO)R2、OC1-6アルキルNR1(SO)R2、C0-6アルキルNR1(SO2)NR1R2、OC1-6アルキルNR1(SO2)R2、C0-6アルキル(SO2)C1-6アルキルNR1R2、OC0-6アルキル(SO2)C1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキル(SO)C1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキル(SO)C1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキルSC1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキルSC1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキルOC1-6アルキル、C1-6アルキルOC1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキルOC1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキルCONR10R11、OC0-6アルキルCONR1R2、OC1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキルNR10(CO)R11、OC1-6アルキルNR1(CO)R2、C0-6アルキルNR11(CO)R10、C0-6アルキルCOR11、OC1-6アルキルCOR1、C0-6アルキルNR10R11、C0-6アルキルO(CO)R11、OC1-6アルキルO(CO)R1、C0-6アルキルC(NR10)NR10R11、C0-6アルキルC(NR11)N(R10)2、OC0-6アルキルC(NR1)NR1R2、C0-6アルキルNR10(CO)OR11、OC1-6アルキルNR1(CO)OR2、C0-6アルキルNR11(CO)OR10、OC1-6アルキルCN、NR1OR2、C0-6アルキル(CO)OR8、OC1-6アルキル(CO)OR1、NR1(CO)NR1R2、NR1(CO)(CO)R2、NR1(CO)(CO)NR1R2、OR12またはSO3R1であり;
R1およびR2は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクロアルキル、C1-6アルキルNR6R7、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、ここで前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールは1個またはそれ以上のAにより置換されてもよく;
R1およびR2は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換され;
【0013】
R3は独立してハロゲン、ニトロ、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR6、OC1-6アルキルOR6、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルOC1-6アルキルNR6R7、NR6OR7、C0-6アルキルCO2R6、OC1-6アルキルCO2R6、C0-6アルキルCONR6R7、OC16アルキルCONR6R7、OC16アルキルNR6(CO)R7、C0-6アルキルNR6(CO)R7、O(CO)NR6R7、NR6(CO)OR7、NR6(CO)NR6R7、O(CO)OR6、O(CO)R6、C0-6アルキルCOR6、OC1-6アルキルCOR6、NR6(CO)(CO)R6、NR6(CO)(CO)NR6R7、SR6、C0-6アルキル(SO2)NR6R7、OC1-6アルキルNR6(SO2)R7、OC06アルキル(SO2)NR6R7、C0-6アルキル(SO)NR6R7、OC1-6アルキル(SO)NR6R7、SO3R6、C0-6アルキルNR6(SO2)NR6R7、C0-6アルキルNR6(SO)R7、OC1-6アルキルNR6(SO)R7、OC0-6アルキルSO2R6、C0-6アルキルSO2R6、C0-6アルキルSOR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、ここで前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
【0014】
R4は独立してハロゲン、ニトロ、CHO、CN、OC16アルキルCN、OR6、OC1-6アルキルOR6、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、NR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、NR6OR7、CO2R6、OC1-6アルキルCO2R6、CONR6R7、OC1-6アルキルCONR6R7、OC1-6アルキルNR6(CO)R7、NR6(CO)R7、O(CO)NR6R7、NR6(CO)OR7、NR6(CO)NR6R7、O(CO)OR6、O(CO)R6、COR6、OC1-6アルキルCOR6、NR6(CO)(CO)R6、NR6(CO)(CO)NR6R7、SR6、(SO2)NR6R7、OC1-6アルキルNR6(SO2)R7、OC0-6アルキル(SO2)NR6R7、(SO)NR6R7、OC1-6アルキル(SO)NR6R7、SO3R6、NR6(SO2)NR6R7、NR6(SO)R7、OC1-6アルキルNR6(SO)R7、OC0-6アルキルSO2R6、SO2R6、SOR6、C3-6シクロアルキル、フェニル、独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香環、または、独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環から選択され、その複素環基は飽和または不飽和であり、ここで前記フェニル環、または、5または6員のヘテロ芳香環、または、5または6員の複素環式環は場合により独立してC、N、OまたはSから選択される原子を含有する5または6員の飽和、部分的に飽和または不飽和環と縮合しており、ここで前記C3-6シクロアルキル、フェニル、独立してN、OまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロ芳香環、または、独立してN、OまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環は場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
mは0、1、2、3または4であり;
nは0、1、2、3または4であり;
R5は水素またはC1-6アルキルであり、
【0015】
R6およびR7は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールおよびC1-6アルキルNR8R9から選択され;
R6およびR7は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換され、ここでCH2基は場合によりCO基に置き換えられ;
R8およびR9は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され;
R8およびR9は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換され;
R10は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC1-6アルキルNR8R9であり;
R11はC1-6アルキルNR8R9であり;
R10およびR11は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換され;
R12は独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環であり、その複素環式環は場合によりAで置換され;ここでR5〜R12で定義されたC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールは1個またはそれ以上のAにより置換されてよく;
Aはハロゲン、ニトロ、オキソ(=O)、CHO、CN、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、CO2R8、CONR6R7、NR6(CO)R6、O(CO)R6、COR6、SR6、(SO2)NR6R7、(SO)NR6R7、SO3R6、SO2R6またはSOR6である]の化合物を提供する。
【0016】
本発明の一態様はZおよびXがNであり;Pがフェニルであり;RがC0-6アルキル(SO2)NR1R2であり;そしてmが0である式Iの化合物に関する。
【0017】
この態様のある実施形態では、C0-6アルキル(SO2)NR1R2のR1およびR2は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成する。
【0018】
この態様の他の実施形態では、前記複素環式環は1個またはそれ以上のNヘテロ原子を含有し、前記複素環式環は場合によりA、好ましくはC1-6アルキルで置換される化合物が提供される。
【0019】
本発明の他の態様はYがCONR5であり;R5が水素であり;QがC1-6アルキルであり;R4がフェニル、独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香環、または、独立してN、OまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環(その複素環基は飽和または不飽和である)、CN、OR6、SO2R6、NR6(CO)R7、(SO2)NR6R7、およびCONR6R7から選択され;nが1であり;そして前記フェニル、5または6員のヘテロ芳香環、または、5または6員の複素環式環が場合によりAで置換される式I の化合物に関する。
【0020】
この態様のある実施形態はAがOR6、C1-6アルキル、オキソ(=O)およびニトロから選択され;そしてR6および/またはR7がC1-6アルキルおよび水素から選択される化合物に関する。
【0021】
本発明の他の見地において、遊離塩基または薬学的に許容しうる塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての次の化合物が提供される:
3−アミノ−N−(2−シアノエチル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−N−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−N−(2−ニトロベンジル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド
3−アミノ−N−(2−メトキシベンジル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−N−(3−モルホリン−4−イルプロピル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−N−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル]−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−N−(2−チエン−2−イルエチル)ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−N−(チエン−2−イルメチル)ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
【0022】
3−アミノ−N−(2−メトキシエチル)−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−N−(3−メトキシプロピル)−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−N−(シアノメチル)−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}ピラジン−2−カルボキサミド二塩酸塩;
3−アミノ−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−N−[2−(1H−ピロール−1−イル)エチル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−N−[2−(メチルスルホニル)エチル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩;
N−[2−(アセチルアミノ)エチル]−3−アミノ−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−N−[2−(2−オキソ−1−イミダゾリジニル)エチル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−N−[2−(アミノスルホニル)エチル]−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩。
【0023】
本発明の他の態様は式Iの化合物の製造において中間体として有用な式XIXa、IV、XXIIの化合物である。
【0024】
遊離塩基または塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての式XIXa
【化2】

[式中、Pはフェニルであり、
R1およびR2は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクロアルキル、C1-6アルキルNR6R7、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、ここで前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールは1個またはそれ以上のAにより置換されてよく;
【0025】
R1およびR2は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換され;
R3は独立してハロゲン、ニトロ、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR6、OC1-6アルキルOR6、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルOC1-6アルキルNR6R7、NR6OR7、C0-6アルキルCO2R6、OC1-6アルキルCO2R6、C0-6アルキルCONR6R7、OC1-6アルキルCONR6R7、OC1-6アルキルNR6(CO)R7、C0-6アルキルNR6(CO)R7、O(CO)NR6R7、NR6(CO)OR7、NR6(CO)NR6R7、O(CO)OR6、O(CO)R6、C0-6アルキルCOR6、OC1-6アルキルCOR6、NR6(CO)(CO)R6、NR6(CO)(CO)NR6R7、SR6、C0-6アルキル(SO2)NR6R7、OC1-6アルキルNR6(SO2)R7、OC0-6アルキル(SO2)NR6R7、C0-6アルキル(SO)NR6R7、OC1-6アルキル(SO)NR6R7、SO3R6、C0-6アルキルNR6(SO2)NR6R7、C0-6アルキルNR6(SO)R7、OC1-6アルキルNR6(SO)R7、OC0-6アルキルSO2R6、C0-6アルキルSO2R6、C0-6アルキルSOR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、ここで前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
R6およびR7は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールおよびC1-6アルキルNR8R9から選択され;
R6およびR7は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換され、ここでCH2基は場合によりCO基に置き換えられ;
R8およびR9は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され;
R8およびR9は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換され;
mは0、1、2、3または4であり;
【0026】
R15はスキームI
【化3】

に示した基であり、ここでR16およびR17はヒドロキシであり、そしてBはホウ素であり;
Aはハロゲン、オキソ(=O)、ニトロ、CHO、CN、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、CO2R8、CONR6R7、NR6(CO)R6、O(CO)R6、COR6、SR6、(SO2)NR6R7、(SO)NR6R7、SO3R6、SO2R6またはSOR6である]の化合物。
【0027】
遊離塩基または塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての式XIXa
【化4】

[式中、R1およびR2は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成し、その複素環式環は場合によりAで置換され;
mは0であり;
AはC1-6アルキルである]の化合物。
【0028】
遊離塩基または塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての式IV
【化5】

[式中、YはCONR5、NR5CO、SO2NR5、NR5SO2、CH2NR5NR5CONR5、CH2CO、COまたはCH2Oであり;
XはCHまたはNであり;
ZはNであり;
QはC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり;
【0029】
R4は独立してハロゲン、ニトロ、CHO、CN、OC1-6アルキルCN、OR6、OC1-6アルキルOR6、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、NR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、NR6OR7、CO2R6、OC1-6アルキルCO2R6、CONR6R7、OC1-6アルキルCONR6R7、OC16アルキルNR6(CO)R7、NR6(CO)R7、O(CO)NR6R7、NR6(CO)OR7、NR6(CO)NR6R7、O(CO)OR6、O(CO)R6、COR6、OC1-6アルキルCOR6、NR6(CO)(CO)R6、NR6(CO)(CO)NR6R7、SR6、(SO2)NR6R7、OC1-6アルキルNR6(SO2)R7、OC0-6アルキル(SO2)NR6R7、(SO)NR6R7、OC1-6アルキル(SO)NR6R7、SO3R6、NR6(SO2)NR6R7、NR6(SO)R7、OC16アルキルNR6(SO)R7、OC0-6アルキルSO2R6、SO2R6、SOR6、C3-6シクロアルキル、フェニル、独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香環、または独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環から選択され、その複素環基は飽和または不飽和であり、ここで前記フェニル環、または5または6員のヘテロ芳香環、または5または6員の複素環式環は場合により独立してC、N、OまたはSから選択される原子を含有する5または6員の飽和、部分的に飽和または不飽和環と縮合しており、ここで前記C3-6シクロアルキル、フェニル、独立してN、OまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロ芳香環、または独立してN、OまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環は場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
【0030】
R5は水素またはC1-6アルキルであり、
R6およびR7は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールおよびC1-6アルキルNR8R9から選択され;
R6およびR7は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換され、ここでCH2基は場合によりCO基に置き換えられ;
R8およびR9は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され;
R8およびR9は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換され;
Halはハロゲンであり;
nは0、1、2、3または4であり;
Aはハロゲン、オキソ(=O)、ニトロ、CHO、CN、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、CO2R8、CONR6R7、NR6(CO)R6、O(CO)R6、COR6、SR6、(SO2)NR6R7、(SO)NR6R7、SO3R6、SO2R6またはSOR6である]の化合物。
【0031】
遊離塩基または塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての式IV
【化6】

[式中、YはCONR5であり;
XはNであり;
ZはNであり;
QはC1-6アルキルであり;
R4は独立してCN、OR6、独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香環、または独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環から選択され、その複素環基は飽和または不飽和であり、ここで独立してN、OまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環は場合によりAで置換され;
R5は水素であり;
R6はC1-6アルキルであり;
nは1であり;
Aはオキソ(=O)である]の化合物。
【0032】
遊離塩基または塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての式XXII
【化7】

[式中、ZはNであり;
XはCHまたはNであり;
Pはフェニル、またはN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香環であり、ここで前記フェニル環、または5または6員のヘテロ芳香環は場合により独立してC、N、OまたはSから選択される原子を含有する5または6員の飽和、部分的に飽和または不飽和環と縮合しており;
【0033】
RはCHO、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキル(SO2)NR1R2、OC0-6アルキル(SO2)NR1R2、OC1-6アルキル(SO)NR1R2、C1-6アルキル(SO)NR1R2、C0-6アルキルNR1(SO)R2、OC1-6アルキルNR1(SO)R2、C0-6アルキルNR1(SO2)NR1R2、OC1-6アルキルNR1(SO2)R2、C0-6アルキル(SO2)C1-6アルキルNR1R2、OC0-6アルキル(SO2)C1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキル(SO)C1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキル(SO)C1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキルSC1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキルSC1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキルOC1-6アルキル、C1-6アルキルOC1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキルOC1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキルCONR10R11、OC0-6アルキルCONR1R2、OC1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキルNR10(CO)R11、OC1-6アルキルNR1(CO)R2、C0-6アルキルNR11(CO)R10、C0-6アルキルCOR11、OC1-6アルキルCOR1、C0-6アルキルNR10R11、C06アルキルO(CO)R11、OC1-6アルキルO(CO)R1、C0-6アルキルC(NR10)NR10R11、C0-6アルキルC(NR11)N(R10)2、OC0-6アルキルC(NR1)NR1R2、C0-6アルキルNR10(CO)OR11、OC1-6アルキルNR1(CO)OR2、C0-6アルキルNR11(CO)OR10、OC1-6アルキルCN、NR1OR2、C0-6アルキル(CO)OR8、OC1-6アルキル(CO)OR1、NR1(CO)NR1R2、NR1(CO)(CO)R2、NR1(CO)(CO)NR1R2、OR12またはSO3R1であり;
R1およびR2は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクロアルキル、C1-6アルキルNR6R7、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、ここで前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールは1個またはそれ以上のAにより置換されてよく;
R1およびR2は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換され;
【0034】
R3は独立してハロゲン、ニトロ、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR6、OC1-6アルキルOR6、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR6R7、OC16アルキルNR6R7、OC1-6アルキルOC1-6アルキルNR6R7、NR6OR7、C0-6アルキルCO2R6、OC1-6アルキルCO2R6、C0-6アルキルCONR6R7、OC16アルキルCONR6R7、OC1-6アルキルNR6(CO)R7、C0-6アルキルNR6(CO)R7、O(CO)NR6R7、NR6(CO)OR7、NR6(CO)NR6R7、O(CO)OR6、O(CO)R6、C0-6アルキルCOR6、OC1-6アルキルCOR6、NR6(CO)(CO)R6、NR6(CO)(CO)NR6R7、SR6、C0-6アルキル(SO2)NR6R7、OC1-6アルキルNR6(SO2)R7、OC0-6アルキル(SO2)NR6R7、C0-6アルキル(SO)NR6R7、OC1-6アルキル(SO)NR6R7、SO3R6、C0-6アルキルNR6(SO2)NR6R7、C0-6アルキルNR6(SO)R7、OC1-6アルキルNR6(SO)R7、OC0-6アルキルSO2R6、C0-6アルキルSO2R6、C0-6アルキルSOR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、ここで前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
R6およびR7は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールおよびC1-6アルキルNR8R9から選択され;
R6およびR7は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換され、ここでCH2基は場合によりCO基に置き換えられ;
R8およびR9は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され;
【0035】
R8およびR9は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換され;
R10は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC1-6アルキルNR8R9であり;
R11はC1-6アルキルNR8R9であり;
R10およびR11は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換され;
Aはハロゲン、オキソ(=O)、ニトロ、CHO、CN、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、CO2R8、CONR6R7、NR6(CO)R6、O(CO)R6、COR6、SR6、(SO2)NR6R7、(SO)NR6R7、SO3R6、SO2R6またはSOR6であり;
mは0、1、2、3または4である]の化合物。
【0036】
遊離塩基または塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての式XXII
【化8】

[式中、ZはNであり;
XはNであり;
Pはフェニルであり;
RはC0-6アルキル(SO2)NR1R2であり;
R1およびR2は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してよく;
mは0である]の化合物。
【0037】
さらに本発明の他の見地において、式Iの化合物を製造するための中間体として有用である遊離塩基または塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての次の化合物が提供される:
1−[(4−ブロモフェニル)スルホニル]ピロリジン;
4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニルボロン酸;
4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニルボロン酸;
3−アミノ−6−ブロモ−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−(2−チエン−2−イルエチル)ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−(チエン−2−イルメチル)ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−(2−メトキシエチル)ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−(3−メトキシプロピル)ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−(シアノメチル)ピラジン−2−カルボキサミド;
メチル3−アミノ−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキシレート;
メチル3−{[2,6−ジメトキシ−4−(2−フェニルエトキシ)ベンジル]アミノ}−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキシレートポリスチレン;
3−{[2,6−ジメトキシ−4−(2−フェニルエトキシ)ベンジル]アミノ}−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボン酸ポリスチレン。
【0038】
本明細書および特許請求の範囲で本発明を詳しく説明するために使用される様々な用語の定義を下記に挙げる。
【0039】
疑念を回避するために、本明細書において基が「上記で定義された」、「前記で定義された」、「上記で定義された通りである」または「上記で定義されたような」により限定された場合、その基は最初に記載した最も広い定義およびその基の好ましい定義のそれぞれすべてを包含することは理解されよう。
【0040】
疑念を回避するために、本明細書において「C0-6」は0、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する炭素基を意味することは理解されよう。
【0041】
本明細書で使用される「アルキル」なる用語は直鎖状および分枝鎖状のアルキル基を共に包含する。C1-6アルキルはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシルである。
【0042】
本明細書で使用される「C3-6シクロアルキル」なる用語は3〜6個の炭素原子を有する単環式炭化水素環系を意味する。C3-6シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルである。
【0043】
特に断りがなければ、本明細書で使用される「アルコキシ」なる用語は「アルキル」が上記で定義されたような「アルキル」O基を包含する。C1-6アルコキシはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、i−ペンチルオキシ、t−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシである。
【0044】
本明細書で使用される「アルケニル」なる用語は直鎖状または分枝鎖状アルケニル基を包含するが、2−ブテニルのようなアルケニル基については直鎖形態だけを意味する。C2-6アルケニルはビニル、アリル、プロペニル、i−プロペニル、ブテニル、i−ブテニル、クロチル、ペンテニル、i−ペンテニルまたはヘキセニルであるが、これらに限定されない。
【0045】
本明細書で使用される「アルキニル」なる用語は直鎖状または分枝鎖状アルキニル基を包含するが、2−ブチニルのようなアルキニル基については直鎖形態だけを意味する。C2-6アルキニルはエチニル、プロパルギル、ブチニル、i−ブチニル、ペンチニル、i−ペンチニルまたはヘキシニルであるが、これらに限定されない。
【0046】
特に断りがなければ、本明細書において「アリール」なる用語は少なくとも1個の芳香環を含有する場合により置換される単環式または二環式炭化水素環系を意味する。「アリール」はC5-7シクロアルキル環と縮合して二環式炭化水素環系を形成することができる。「アリール」なる用語の例はフェニル、ナフチル、インダニルまたはテトラリニルである。
【0047】
特に断りがなければ、本明細書においてN、OおよびSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する「ヘテロアリール」および「5または6員のヘテロ芳香環」なる用語はフリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、チアゾリルまたはチエニルを意味するが、これらに限定されない。
【0048】
特に断りがなければ、本明細書において「独立してC、N、OまたはSから選択される原子を含有する5または6員の飽和、部分的に飽和または不飽和環」なる用語はフリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、チアゾリル、チエニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジル、ピペリドニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、シクロヘキシルまたはシクロペンチルを意味するが、これらに限定されない。
【0049】
特に断りがなければ、本明細書において「独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香環」なる用語はフリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、チアゾリル、チエニルまたはイミダゾリルを意味するが、これらに限定されない。
【0050】
特に断りがなければ、本明細書において「独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環」なる用語はイミダゾリジニル、イミダゾリニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジル、ピペリドニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、テトラヒドロピラニルまたはチオモルホリニルを意味するが、これらに限定されない。
【0051】
特に断りがなければ、本明細書において「ハロゲン」なる用語はフッ素、塩素、臭素または沃素である。式中のHalはハロゲンを意味する。
【0052】
本発明は上記で定義されたような式Iの化合物の使用、並びにその塩、溶媒和物およびその塩の溶媒和物に関する。医薬組成物に使用される塩は薬学的に許容しうる塩であるが、他の塩は式Iの化合物の製造において有用である。
【0053】
有機および無機酸を使用して本発明の化合物の非毒性で薬学的に許容しうる酸付加塩、例えば塩酸塩を形成することができる。さらに、十分に酸性である本発明の化合物の適当な薬学的に許容しうる塩はアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、または生理学的に許容しうるカチオンを与える有機塩基との塩である。
【0054】
本発明の特定の化合物は非溶媒和形態だけでなく溶媒和形態、例えば水和形態でも存在できることは理解されよう。本発明は上記の活性を有するこのような溶媒和形態をすべて包含することは理解されよう。
【0055】
幾つかの式Iの化合物はキラル中心および/または幾何異性中心(E−およびZ−異性体)を有することができ、また本発明はGSK3阻害活性を有するこのような光学異性体、ジアステレオ異性体および幾何異性体をすべて包含することは理解されよう。
【0056】
本発明は式Iの化合物のありとあらゆる互変異性体に関することは理解されよう。
【0057】
本発明の目的は治療に使用される式Iの化合物、特にヒトを含む哺乳動物のグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK3)と関係がある症状の予防および/または治療において有用な化合物を提供することである。特に、GSK−3に対して選択的な親和性を示す式Iの化合物である。
【0058】
製造法
本発明の他の見地において、本発明は遊離塩基または薬学的に許容しうる塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての式Iの化合物の製造法を提供する。
このような方法についての次の説明全体を通して、有機合成分野の当業者に容易に理解されるようなやり方で、必要ならば適当な保護基が種々の反応体および中間体に加えられ、その後で除去されることは理解されよう。このような保護基を使用するための慣用の方法および適当な保護基の例は例えばT.W. Green, P.G.M. Wutsの「有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」, Wiley−Interscience, ニューヨーク(1999年)に記載されている。
【0059】
中間体の製造法
中間体(ここでY、X、Z、P、Q、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、A、mおよびnは特に断りがなければ式Iで定義された通りである)の製造法は下記工程からなる:
【化9】

【0060】
(i)式II(式中、ZはNであり、XはNまたはCHであり、Halはハロゲンであり、R13は水素、C1-6アルキルであり、またはR13が水素である場合は塩形態、例えばナトリウム塩である)の化合物をハロゲン化して式IIIの化合物を得る工程は、適当なハロゲン化試薬、例えば沃素、臭素、塩素、ハロゲン化物塩、例えばICl、BrClまたはHOCl、または他の適当なハロゲン化試薬、例えばN−ブロモスクシンイミドまたは三臭化リンを使用して行なうことができる。反応は金属または酸、例えばFe、Cu−塩、酢酸または硫酸により触媒したり、または酸化剤、例えば硝酸、過酸化水素または三酸化硫黄により助長したりすることができる。反応は水、酢酸またはクロロホルムのような適当な溶媒中、−70℃〜+100℃の範囲の温度で行なわれる。
【0061】
【化10】

【0062】
(ii)式III(式中、ZはNであり、XはNであり、Halはハロゲンであり、R13はC1-6アルキルである)の化合物をアミド化して式IV(式中、YはCONR5であり、そしてQ、R4およびnは上記で定義された通りである)の化合物を得る工程は、式IIIの化合物を式V
【化11】

(式中、Q、R4、R5およびnは上記で定義された通りである)の化合物のような適当なアミンで処理することにより行なうことができる。反応はニートで、またはN,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレンまたは酢酸エチルのような適当な溶媒を使用して−25℃〜+150℃の範囲の温度で行なわれる。反応は炭酸カリウム、トリエチルアミンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンのような塩基、または、トリメチルアルミニウムまたはp−トルエンスルホン酸のような酸を使用して助長することができる。
【0063】
(iii)式III(式中、R13は水素である)の化合物をアミド化して式IV(式中、YはCONR5であり、そしてR4は特定のカップリング剤に影響されない置換基である)の化合物を得る工程は、式IIIの化合物を1,3−ジイソプロピルカルボジイミド、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、1,1'−カルボニルジイミダゾールまたはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートのようなカップリング試薬で処理するか(この反応は1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物を加えて助長することができる)、または塩化シアヌル、塩化オキサリル、塩化チオニルまたはブロモトリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェートのようなハロゲン化アシル試薬を使用して活性化し、次に0℃〜還流温度の反応温度において塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランのような適当な溶媒中、式V(式中、Q、R4、R5およびnは上記で定義された通りである)の化合物のような
適当なアミンで処理することにより行なうことができる。反応は炭酸カリウムまたはトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミンまたはN−エチル−N,N−ジイソプロピルアミンのような塩基を使用して助長することができる。
【0064】
【化12】

【0065】
(iv)式VI(式中、R14はハロゲン、例えば臭素または塩素、またはCH3(CO)NHであり、そしてP、R3およびmは上記で定義された通りである)の化合物をハロゲン化して式VIIの化合物を得る工程は、式VIの化合物を塩化チオニルまたは塩化オキサリルのようなハロゲン化試薬で処理することにより行なうことができる。反応はニートで、またはテトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミドまたは塩化メチレンのような適当な溶媒中、−20℃〜+60℃の範囲の温度で行なわれる。
【0066】
【化13】

【0067】
(v)式VII(式中、R14はハロゲン、例えば臭素または塩素、またはCH3(CO)NHであり、Halはフッ素、塩素または臭素であり、そしてP、R3およびmは上記で定義された通りである)の化合物をアミド化して式VIII(式中、R14は臭素またはCH3(CO)NHであり、そしてP、R1、R2、R3およびnは上記で定義された通りである)の化合物を得る工程は、式VIIの化合物を適当なアミンHNR1R2と反応させることにより行なうことができる。反応はテトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミドまたは塩化メチレンのような適当な溶媒中、0℃〜+50℃の範囲の温度で行なわれる。
【0068】
【化14】

【0069】
(vi)式IX(式中、P、R3およびmは上記で定義された通りである)の化合物から式XII(式中、P、R1、R2、R3およびnは上記で定義された通りである)の化合物への変換は、式IXの化合物をクロロスルホン酸のようなスルホン化試薬で処理し、次に適当なアミンHNR1R2を加えることにより行なうことができる。反応はニートで、またはテトラヒドロフランまたは塩化メチレンのような適当な溶媒中、+25℃〜還流温度の反応温度で行なわれる。
【0070】
【化15】

【0071】
(vii)式VIII(式中、R14はCH3(CO)NHであり、そしてR1、R2、R3、mおよびPは上記で定義された通りである)の化合物から式XIIの化合物への変換は、塩酸または臭化水素酸のような酸と+25℃〜+110℃の範囲の温度で反応させることにより行なうことができる。
【0072】
【化16】

【0073】
(viii)式XIIの化合物から式VIII(式中、R14は臭素であり、そしてR1、R2、R3、mおよびPは上記で定義された通りである)の化合物への変換は、式XIIの化合物を亜硝酸ナトリウムおよび臭化水素酸で処理し、次に水のような適当な溶媒中、CuBrのような臭化物源を0℃〜+5℃の範囲の温度で加えることにより行なうことができる。
【0074】
【化17】

【0075】
(ix)式XV(式中、R10、R11、R3、mおよびPは上記で定義された通りである)のアミドの生成は、式XIV(式中、R13はC1-6アルキルである)の化合物を適当なアミンHNR10R11で処理することにより行なうことができる。反応はニートで、またはN,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレンまたは酢酸エチルのような適当な溶媒を使用して−25℃〜+150℃の範囲
の温度で行なわれる。反応は炭酸カリウム、トリエチルアミンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンのような塩基、または、トリメチルアルミニウムまたはp−トルエンスルホン酸のような酸を使用して助長することができる。
【0076】
(x)式XIV(式中、R13は水素であり、そしてR3、mおよびPは上記で定義された通りである)の化合物をアミド化して式XVの化合物を得る工程は、式XIVの化合物を1,3−ジイソプロピルカルボジイミド、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、1,1'−カルボニルジイミダゾールまたはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートのようなカップリング試薬で処理するか(この反応は1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物を加えて助長することができる)、または塩化シアヌル、塩化オキサリル、塩化チオニルまたはブロモトリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェートのようなハロゲン化アシル試薬を使用して活性化し、次に適当なアミンHNR10R11で処理することにより行なうことができる。反応はN,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリルまたは塩化メチレンのような適当な溶媒中、場合によりアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミンまたはN−メチルモルホリン、または、炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムのような適当な塩基と共に−25℃〜+150℃の範囲の温度で行なわれる。
【0077】
【化18】

【0078】
(xi)式XVIの化合物を臭素化して式XV(式中、R10、R11、R3、mおよびPは上記で定義された通りである)の化合物を得る工程は、式XVIの化合物を酢酸のような適当な溶媒中、場合により酢酸ナトリウムのような適当な塩基と共に臭素で処理することにより行なうことができる。
【0079】
【化19】

【0080】
(xii)式XVII(式中、R3、mおよびPは上記で定義された通りである)の化合物から式XVIII(式中、R1、R2、R3、m、C1-6アルキルおよびPは上記で定義された通りである)の化合物への変換は、式XVIIの化合物を、トリフェニルホスフィンおよび適当なアジドジカルボキシレート、例えばジエチルアジドジカルボキシレートの存在下で、適当なアルコール、R1R2NC1-6アルキルOHと反応させることにより行なうことができる。反応はテトラヒドロフラン、トルエンまたは塩化メチレンのような適当な溶媒中、0℃〜+60℃の反応温度で行なわれる。
【0081】
【化20】

【0082】
(xiii)式VIII(式中、R14はハロゲン、例えば臭素である)、XVおよびXVIIIの化合物から式XIXa−cの化合物へのボリル化(VIIIからXIXa、XVIIIからXIXbおよびXVからXIXc)(式中、R15、R1、R2、R3、R10、R11、m、C1-6アルキルおよびPは上記で定義された通りであり、R15はスキームI
【化21】

(ここでBはホウ素である)に示した基であり、R16およびR17はC1-6アルコキシまたはヒドロキシであるか、または一緒になってC1-3アルコキシ縮合して5または6員の環状ホウ素−酸素−C2-3アルキル種を形成し、そしてアルコキシ、アリール基、または5または6員の環状ホウ素−酸素−C2-3アルキル種は場合により置換される)は次のものと反応させることにより行なうことができる:
【0083】
a)ブチルリチウムまたはマグネシウムおよび適当なホウ素化合物、例えばホウ酸トリメチルまたはホウ酸トリイソプロピルと。反応はテトラヒドロフラン、ヘキサンまたは塩化メチレンのような適当な溶媒中、−78℃〜+20℃の範囲の温度で行なわれる;または
b)パラジウム触媒、例えば場合により2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニルのような適当なリガンドを含むパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)、パラジウムジフェニルホスフィンフェロセンジクロライドまたは酢酸パラジウム、および適当なホウ素種、例えばビス(カテコラート)ジボロン、ビス(ピナコラート)ジボロンまたはピナコールボランと。式XIXa−cの化合物のダイマー化を促進しない反応条件下で第3級アミン、例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン、または酢酸カリウムのような適当な塩基を使用することができる。反応はジオキサン、トルエンまたはアセトニトリルのような溶媒中、+80℃〜+100℃の温度で行なわれる。
【化22】

【0084】
(xiv)式IIIの化合物から式XX(式中、R13はC16アルキルであり、そしてX、Z、R、R3、Pおよびmは上記で定義された通りである)の化合物への変換は、適当な式XIXa−cの化合物との脱ハロゲン化カップリングにより行なうことができる。反応は式IIIの化合物を適当な式XIXa−cのアリールボロン酸またはボロン酸エステル(ボロン酸またはボロン酸エステルは式VIII(式中、R14はハロゲン、例えば臭素である)、XVおよびXVIIIの化合物と(xiii)に記載した条件を使用して現場で生成することができる)とカップリングさせることにより行なうことができる。反応は場合によりP(t−ブチル)3または2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニルのような適当なリガンドを含むPd(PPh3)4、Pd(dppf)Cl2またはPd(OAc)2のような適当なパラジウム触媒、またはZnおよびナトリウムトリフェニルホスフィントリメタスルホネートと共に木炭上のニッケルまたはNi(dppe)Cl2のようなニッケル触媒を使用して行なうことができる。アルキルアミン、例えばトリエチルアミン、または炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムまたはフッ化セシウムのような適当な塩基を反応で使用することができ、それは+20℃〜+160℃の範囲の温度において油浴またはマイクロ波オーブンを使用してトルエン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン/水またはN,N−ジメチルホルムアミドのような適当な溶媒または溶媒混合物中で行なわれる。
【0085】
【化23】

【0086】
(xv)式XX(式中、R13はC1-6アルキルであり、そしてR、R3、X、Zおよびmは上記で定義された通りである)の化合物から式XXIの化合物への変換は、ホルミルポリスチレン、例えば2−(3,5−ジメトキシ−4−ホルミルフェノキシ)エチルポリスチレンまたは2−(4−ホルミル−3−メトキシフェノキシ)エチルポリスチレンのような適当な固相試薬と、N,N−ジメチルホルムアミドまたは塩化メチレンのような適当な溶媒中、酢酸のような適当な酸およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムのような適当な還元試薬の存在下、0℃〜+50℃の範囲の適当な反応温度で反応させることにより行なうことができる。反応は塩化トリメチルシリルを加えて助長することができる。
【0087】
【化24】

【0088】
(xvi)式XXI(式中、R、R3、X、Zおよびmは上記で定義された通りである)の化合物を加水分解して式XXIIの化合物とする工程は、水、テトラヒドロフランまたはこれらの混合物のような適当な溶媒中、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムのような適当な塩基の存在下、+25℃〜還流温度の範囲の適当な反応温度で行なうことができる。
【0089】
最終生成物の製造法
本発明の他の目的は次の工程からなる一般式I(式中、Y、X、Z、P、Q、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、A、mおよびnは特に断りがなければ式Iで定義された通りである)の化合物の製造法である:
【0090】

式IVの化合物を適当なアリール種と脱ハロゲン化カップリング(ここでR3 および R4は反応中に特定の試薬に影響されない置換基である)させて式Iの化合物を得る:
【化25】

【0091】
すなわち、工程Aの脱ハロゲン化カップリングは式IVの化合物を次のものとカップリングさせることにより行なうことができる:
a)金属、例えば銅、ニッケルまたは亜鉛およびニッケル複合体、酸化銅または酢酸パラジウムおよび臭化テトラブチルアンモニウム、並びに炭酸カリウムまたはトリエチルアミンのような塩基の存在下で沃化アリール、臭化アリールまたは塩化アリールのような適当なアリールハロゲンと。反応はN,N−ジメチルホルムアミド、トルエンまたは2−ペンタノールのような適当な溶媒中、20℃〜180℃の温度で行なわれる;または
b)式XIXa−cの化合物のような適当なアリールボロン酸またはボロン酸エステル(ボロン酸またはボロン酸エステルは式VIII(式中、R14はハロゲン、例えば臭素である)、XVおよ
びXVIIIの化合物と(xiii)に記載した条件を使用して現場で生成することができる)と。反応は場合によりP(t−ブチル)3または2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニルのような適当なリガンドを含むPd(PPh3)4、Pd(dppf)Cl2またはPd(OAc)2のような適当なパラジウム触媒、またはZnおよびナトリウムトリフェニルホスフィントリメタスルホネートと共に木炭上のニッケルまたはNi(dppe)Cl2のようなニッケル触媒を使用して行なうことができる。アルキルアミン、例えばトリエチルアミン、または炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムまたはフッ化セシウムのような適当な塩基を反応で使用することができ、それは+20℃〜+160℃の範囲の温度において油浴またはマイクロ波オーブンを使用してトルエン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン/水またはN,N−ジメチルホルムアミドのような適当な溶媒または溶媒混合物中で行なわれる;または
c)Pd(PPh3)4、Pd(PPh3)2Cl2またはPd(dba)3のようなパラジウム触媒、および必要ならば4−t−ブチルカテコール、塩化リチウムまたは炭酸カリウムのような補助試薬の存在下で適当なアリールスタンナンと。 適当な溶媒はトルエン、テトラヒドロフランまたはN,N−ジメチルホルムアミドである。反応は+20℃〜+120℃の範囲の温度で行なわれる。
【0092】

式XXIIの化合物を適当なアミンでアミド化する(ここでR3 および R4は反応中に特定の試薬に影響されない置換基である):
【化26】

【0093】
すなわち、式XXIIの化合物のアミド化は、式XXIIの化合物を1,3−ジイソプロピルカルボジイミド、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、1,1'−カルボニルジイミダゾールまたはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートのようなカップリング試薬で処理するか(この反応は1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物を加えて助長することができる)、または塩化シアヌル、塩化オキサリル、塩化チオニルまたはブロモトリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェートのようなハロゲン化アシル試薬を使用して活性化し、次に式Vの化合物のような適当なアミンで処理し、次に固相部分を0℃〜還流温度の反応温度において塩化メチレンまたはクロロホルムのような適当な溶媒中、トリフルオロ酢酸のような適当な酸で処理することにより切断して式(I)の化合物を得ることにより行なうことができる。
【0094】
式Iの化合物の塩酸塩は式Iの化合物を0℃〜+25℃の範囲の温度において塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルまたは塩化メチレン/メタノール混合物のような適当な溶媒中、塩酸で処理することにより得ることができる。
【実施例1】
【0095】
1−[(4−ブロモフェニル)スルホニル]ピロリジン
ピロリジン(2.5g、35.2ミリモル)を0℃で塩化メチレン(10mL)中における塩化4−ブロモベンゼンスルホニル(4.5g、17.6ミリモル)の溶液に加えた。混合物を2時間攪拌し、水酸化ナトリウム水溶液(1M、5mL)を加え、攪拌をさらに10分間続けた。有機相を分離し、塩化メチレン(40mL)で希釈し、HCl水溶液(1M、10mL)および水(2×10mL)で洗浄した。有機相を乾燥(硫酸ナトリウム)し、溶媒を蒸発させた。表題化合物を5.0g(収率98%)の白色の固体として単離した:1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.65 (m, 4 H), 3.20 (m, 4 H), 1.74 (m, 4 H);13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 135.93, 132.17, 128.84, 127.39, 47.84, 25.13;MS (ES) m/z 290および292 (M++1)。
【実施例2】
【0096】
4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニルボロン酸
n−ブチルリチウム(20mL、31ミリモル)を窒素雰囲気下、無水テトラヒドロフラン(10mL)中における1−[(4−ブロモベンゼンスルホニル)ピロリジン(3.0g、10.3ミリモル)およびホウ酸トリイソプロピル(7.2mL、30.9モル)の冷却(−78℃)溶液に30分間にわたって滴加した。反応混合物を−78℃で1時間攪拌し、その後温度を3時間にわたって室温にした。シリカゲルを加え、溶媒を蒸発させた。塩化メチレン(100%)〜塩化メチレン/エタノール(1:1)のグラジエント溶媒を使用するシリカゲルカラム上のクロマトグラフィーにより処理して1.85g(収率70%)の表題化合物を白色の固体として得た:1H NMR (CD3OD, 400 MHz) δ 7.90 (d, J = 7 Hz, 2 H), 7.75 (d, J = 8 Hz, 2 H), 3.21 (m, 4 H), 1.72 (m, 4 H);13C NMR (CDCl3/CD3OD (1:1), 100 MHz) ( 136.79, 133.50, 125.48, 47.19, 24.30;MS (ES) m/z 256 (M++1)。
【実施例3】
【0097】
4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニルボロン酸
ホウ酸トリイソプロピル(0.64mL、2.8ミリモル)を窒素雰囲気下、−78℃で無水テトラヒドロフラン(7mL)中における1−[(4−ブロモフェニル)スルホニル]−4−メチルピペラジン(0.602g、1.9ミリモル;Keasling, H. H.らのJ. Med. Chem., 8, 548〜550(1965年)に記載されている)の溶液に加え、次にn−ブチルリチウム(1.4mL、2.2ミリモル)を滴加した。得られた混合物を−78℃で2時間、室温でさらに16時間攪拌した。水(2.0mL)を加え、混合物を30分間攪拌し、蒸発乾固した。残留物を予めシリカに吸着させ、溶離剤として塩化メチレン/メタノール(9:1〜1:9)を使用するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物を水から再結晶して311mg(収率58%)の表題化合物を白色の結晶として得た:融点215〜218℃;1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ 8.47 (br s, 2 H), 8.05 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.73 (d, J = 8 Hz, 2 H), 3.77 (m, 2 H), 3.40 (m, 2 H), 3.13 (m, 2 H), 2.71 (s, 3 H), 2.65 (m, 2 H);13C NMR (DMSO−d6, 100 MHz) ( 133.7, 133.3, 124.7, 49.8, 41.6, 41.4; MS (TSP) m/z 285 (M++1)。
【実施例4】
【0098】
3−アミノ−6−ブロモ−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)ピラジン−2−カルボキサミド
1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.68g、3.5ミリモル)を0℃でアセトニトリル(25mL)中における2−モルホリン−4−イルエタンアミン(0.422g、3.2ミリモル)、3−アミノ−6−ブロモピラジン−2−カルボン酸(0.64g、3.0ミリモル;Ellingson, R. C.;Henry, R. L.のJ. Am. Chem. Soc., 2798〜2800(1949年)に記載されている)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.48g、3.5ミリモル)の攪拌懸濁液に一度に加えた。冷却浴を取り外し、攪拌を室温で7時間続けた。固体をろ過し、アセトニトリルで洗浄し、塩化メチレン/メタノール/トリエチルアミン(95:5:0.1)を使用するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して0.68g(収率69%)の表題化合物を得た:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ8.53 (m, 1 H), 8.34 (s, 1 H), 8.68 (br s, 2 H), 3.57 (t, J = 5 Hz, 4 H), 3.37 (q, J = 7 Hz, 2 H), 2.47 (q, J = 7 Hz, 2 H), 2.40 (m, 4 H);MS (ES) m/z 330および332(M++1)。
【実施例5】
【0099】
3−アミノ−6−ブロモ−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]ピラジン−2−カルボキサミド
ヒスタミンを使用して表題化合物を実施例4に記載のようにして製造した。収率:18%:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ11.87 (br s, 1 H), 8.80 (m, 1 H), 8.34 (s, 1 H), 7.72 (br s, 2 H), 7.55 (s, 1 H), 6.83 (s, 1 H), 3.49 (q, J = 7 Hz, 2 H), 2.75 (t, J = 7 Hz, 2 H);MS (ES) m/z 311および313(M++1)。
【実施例6】
【0100】
3−アミノ−6−ブロモ−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]ピラジン−2−カルボキサミド
3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロパン−1−アミンを使用して表題化合物を実施例4に記載のようにして製造した。収率:67%:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ8.72 (m, 1 H), 8.34 (s, 1 H), 7.71 (br s, 2 H), 7.65 (s, 1 H), 7.20 (s, 1 H), 6.88 (s, 1 H), 3.98 (t, J = 7 Hz, 2 H), 3.24 (q, J = 6 Hz, 2 H), 1.95 (5重項, J = 7 Hz, 2 H);MS (ES) m/z 325および327(M++1)。
【実施例7】
【0101】
3−アミノ−6−ブロモ−N−(2−チエン−2−イルエチル)ピラジン−2−カルボキサミド
アセトニトリル(5mL)中における3−アミノ−6−ブロモピラジン−2−カルボン酸(0.50g、2.3ミリモル;Ellingson, R. C.;Henry, R. L.のJ. Am. Chem. Soc., 2798〜2800(1949年)に記載されている)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.41g、2.7ミリモル)の溶液をアセトニトリル(5mL)中における2−チエン−2−イルエタンアミン(0.32g、2.5ミリモル)の攪拌溶液に加え、次に1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.52g、2.7ミリモル)およびアセトニトリル(1.5mL)を加えた。得られた混合物を室温で一晩攪拌し、溶媒を蒸発させた。残留物をアセトニトリルから、次にメタノールから再結晶して0.5g(収率66%)の表題化合物を得た:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ8.73 (t, J = 6 Hz, 1 H), 8.34 (s, 1 H), 7.71 (br s, 2 H), 7.34 (dd, J = 5, 1 Hz, 1 H), 6.95 (d, J = 3 Hz, 1 H), 6.91 (m, 1 H), 3.50 (q, J = 7 Hz, 2 H), 3.05 (t, J = 7 Hz, 2 H);MS (ES) m/z 327および329(M++1)。
【0102】
次の実施例8〜12の化合物を実施例7に記載のようにして合成した。
【実施例8】
【0103】
3−アミノ−6−ブロモ−N−(チエン−2−イルメチル)ピラジン−2−カルボキサミド
出発物質:1−チエン−2−イルメタンアミン。メタノールから再結晶することにより精製して表題化合物を得た。収率:73%:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ9.20 (t, J = 6 Hz, 1 H), 8.35 (s, 1 H), 7.72 (br s, 2 H), 7.37 (dd, J = 5, 1 Hz, 1 H), 7.01 (dd, J = 3, 1 Hz, 1 H), 6.95 (dd, J = 5, 3 Hz, 1 H), 4.59 (d, J = 6 Hz, 2 H);MS (ES) m/z 313および315(M++1)。
【実施例9】
【0104】
3−アミノ−6−ブロモ−N−(2−メトキシエチル)ピラジン−2−カルボキサミド
出発物質:2−メトキシエチルアミン。メタノールから再結晶することにより精製して表題化合物を得た。収率:77%:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ8.51 (s, 1 H), 8.36 (s
, 1 H), 7.73 (br s, 2 H), 3.45 (s, 4 H), 3.27 (s, 3 H);MS (ES) m/z 275および277(M++1)。
【実施例10】
【0105】
3−アミノ−6−ブロモ−N−(3−メトキシプロピル)ピラジン−2−カルボキサミド
出発物質:2−メトキシプロピルアミン。メタノールから再結晶することにより精製して表題化合物を得た。収率:42%:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ; 8.64 (m, 1 H), 8.33 (s, 1 H), 7.70 (br s, 2 H), 3.37 (t, J = 6 Hz, 2 H), 3.31 (t, J = 7 Hz, 2 H), 3.24 (s, 3 H), 1.75 (5重項, J = 7 Hz, 2 H);MS (ES) m/z 289および291(M++1)。
【実施例11】
【0106】
3−アミノ−6−ブロモ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]ピラジン−2−カルボキサミド
出発物質:1−(3−アミノプロピル)−2−ピロリジノン。塩化メチレン/メタノール/トリエチルアミン(98:2:0.1)を使用するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して表題化合物を得た。収率:89%:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ8.65 (s, 1 H), 8.36 (s, 1 H), 7.73 (br s, 2 H), 3.36 (m, 2 H), 3.22 (m, 4 H), 2.23 (m, 2 H), 1.93 (m, 2 H), 1.70 (m, 2 H);MS (ES) m/z 342および344(M++1)。
【実施例12】
【0107】
3−アミノ−6−ブロモ−N−(シアノメチル)ピラジン−2−カルボキサミド
出発物質:アミノアセトニトリル。メタノールから再結晶することにより精製して表題化合物を得た。収率:47%:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ9.21 (t, J = 6 Hz, 1 H), 8.41 (s, 1 H), 7.70 (br s, 2 H), 4.25 (d, J = 6 Hz, 2 H)。
【実施例13】
【0108】
3−アミノ−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩
n−ブチルリチウム(1.6mL、2.6ミリモル)を窒素雰囲気下、無水テトラヒドロフラン(10mL)中におけるホウ酸トリイソプロピル(0.6mL、2.6ミリモル)および1−[(4−ブロモフェニル)スルホニル]ピロリジン(0.251g、0.86ミリモル)の冷却溶液(−78℃)に10分間にわたって滴加した。得られた混合物を−78℃で1時間攪拌し、混合物を室温まで加温した。HCl水溶液(3M、1.4mL、4.3ミリモル)を加え、混合物を10分間攪拌し、次に炭酸ナトリウム(0.9g、8.6ミリモル)を加え、攪拌をさらに20分間続けた。3−アミノ−6−ブロモ−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)ピラジン−2−カルボキサミド(0.20g、0.61ミリモル)およびテトラヒドロフラン(4mL)を加え、次にPd(dppf)Cl2(28mg、0.03ミリモル)を加え、得られた混合物を65℃で17時間加熱した。混合物を室温まで戻し、溶媒を蒸発させた。得られた残留物をメタノール中で懸濁し、シリカを加え、溶媒を蒸発させた。溶離剤として塩化メチレン/メタノール/トリエチルアミン(95:5:0.1)を使用するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して遊離塩基を得、それを次に温メタノールに溶解し、HCl(1M、ジエチルエーテル中)で処理した。生成した沈殿物をろ過し、真空下で乾燥して72mg(収率26%)の表題化合物を黄色の固体として得た:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ11.24 (br s, 1 H), 9.28 (m, 1 H), 8.98 (s, 1 H), 8.49 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.83 (d, J = 8 Hz, 2 H), 3.97 (m, 2 H), 3.87 (d, J = 12 Hz, 2 H), 3.78 (m, 2 H), 3.55 (d, J = 12 Hz, 2 H), 3.15 (m, 6 H), 1.65 (m, 4 H);MS (ES) m/z 461 (M++1)。
【実施例14】
【0109】
3−アミノ−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩
3−アミノ−6−ブロモ−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]ピラジン−2−カ
ルボキサミドを使用して表題化合物を実施例13に記載のようにして製造した。分取用HPLC(カラム:C18、19×100mm、溶離剤:水+0.1%TFA/アセトニトリル、50/20〜50/50)により精製し、次に塩基(メタノール中)をHCl(1M、ジエチルエーテル中)で処理した。生成した沈殿物をろ過し、真空下で乾燥して表題化合物を黄色の固体として得た。収率:4%:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ8.96 (m, 1 H), 8.42 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.87 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.68 (br s, 2 H), 6.97 (br s, 1 H), 3.56 (m, 2 H), 3.18 (m, 4 H), 2.81 (m, 2 H), 1.66 (m, 4 H);MS (ES) m/z 442 (M++1)。
【実施例15】
【0110】
3−アミノ−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩
3−アミノ−6−ブロモ−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]ピラジン−2−カルボキサミドを使用して表題化合物を実施例13に記載のようにして製造した。塩化メチレン/メタノール/トリエチルアミン(95:5:0.1)を使用するシリカ上のカラムクロマトグラフィーにより精製して遊離塩基を得、それを次にメタノールに溶解し、HCl(1M、ジエチルエーテル中)で処理した。さらにジエチルエーテルを加え、生成した沈殿物をろ過し、真空下で乾燥して表題化合物を黄色の固体として得た。収率:18%:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ9.21 (s, 1 H), 9.06 (m, 1 H), 8.96 (s, 1 H), 8.43 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.85 (m, 3 H), 7.70 (s, 1 H), 4.27 (t, J = 7 Hz, 2 H), 3.36 (q, J = 7 Hz, 2 H), 3.17 (m, 4 H), 2.14 (5重項, J = 7 Hz, 2 H), 1.65 (m, 4 H);MS (ES) m/z 456 (M++1)。
【実施例16】
【0111】
3−アミノ−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−N−(2−チエン−2−イルエチル)ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩
ホウ酸トリイソプロピル(0.82mL、3.6ミリモル)を窒素雰囲気下、-78℃で無水テトラヒドロフラン(15mL)中における1−[(4−ブロモフェニル)スルホニル]−4−メチルピペラジン(0.38g、1.2ミリモル;Keasling, H. H.らのJ. Med. Chem., 8, 548〜550(1965年)に記載されている)の攪拌溶液に加え、次にn−ブチルリチウム(2.4mL、3.6ミリモル)を10分間にわたって滴加した。得られた混合物を室温まで加温し、周囲温度でさらに10分間攪拌した。HCl水溶液(3M、1.9mL、6.0ミリモル)を加え、混合物を10分間攪拌し、次に炭酸ナトリウム(1.26g、11.9ミリモル)を加えた。3−アミノ−6−ブロモ−N−(2−チエン−2−イルエチル)ピラジン−2−カルボキサミド(0.272g、0.83ミリモル)およびPd(dppf)Cl2(39mg、0.05ミリモル)を加え、得られた混合物を65℃で1時間加熱した。溶媒を蒸発させ、得られた残留物を塩化メチレン/水に溶解し、水相を酢酸エチルで抽出した。合一した有機相を蒸発させ、メタノールを加え、不溶の物質をろ過した。溶媒を蒸発させ、残留物を溶離剤として塩化メチレン/メタノール/トリエチルアミン(98:2:0.1)を使用するシリカゲルカラムにより精製した。粗生成物をメタノールから再結晶することにより精製して遊離塩基を得、それをHCl(1.0M、ジエチルエーテル中、0.6ミリモル)で処理した。生成した沈殿物をろ過し、真空下で乾燥して25mg(収率6%)の表題化合物を黄色の固体として得た:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ10.55 (br s, 1 H), 9.05 (m, 1 H), 8.99 (s, 1 H), 8.46 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.82 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.37 (d, J = 5 Hz, 1 H), 6.98 (m, 2 H), 3.83 (m, 2 H), 3.58 (m, 2 H), 3.46 (m, 2 H), 3.13 (m, 4 H), 2.75 (s, 3 H), 2.67 (m, 2 H);MS (ES) m/z 487 (M++1)。
【実施例17】
【0112】
3−アミノ−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−N−(チエン−2−イルメチル)ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩
3−アミノ−6−ブロモ−N−(チエン−2−イルメチル)ピラジン−2−カルボキサミドを使用して表題化合物を実施例16に記載のようにして製造した。収率:46%:1H NMR (DMSO
−d6, 400 MHz) δ10.9 (br s, 1 H), 9.56 (t, J = 6 Hz, 1 H), 8.99 (s, 1 H), 8.48 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.81 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.38 (d, J = 4 Hz, 1 H), 7.05 (s, 1
H), 6.97 (dd, J = 5, 4 Hz, 1 H), 4.68 (d, J = 6 Hz, 2 H), 3.81 (d, J = 12 Hz, 2
H), 3.44 (d, J = 12 Hz, 2 H), 3.15 (m, 4 H), 2.72 (s, 3 H);MS (ES) m/z 473 (M++1)。
【実施例18】
【0113】
3−アミノ−N−(2−メトキシエチル)−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩
3−アミノ−6−ブロモ−N−(2−メトキシエチル)ピラジン−2−カルボキサミドを使用して表題化合物を実施例16に記載のようにして製造した。収率:44%:1H NMR (DMSO−d6,
400 MHz) δ11.0 (br s, 1 H), 8.98 (s, 1 H), 8.92 (s, 1 H), 8.46 (d, J = 8 Hz, 2
H), 7.82 (d, J = 8 Hz, 2 H), 3.82 (d, J = 13 Hz, 2 H), 3.50 (s, 3 H), 3.45 (d, J = 13 Hz, 2 H), 3.28 (s, 3 H), 3.15 (m, 2 H), 2.72 (m, 6 H);MS (ES) m/z 435 (M++1)。
【実施例19】
【0114】
3−アミノ−N−(3−メトキシプロピル)−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩
ホウ酸トリイソプロピル(0.82mL、3.6ミリモル)を窒素雰囲気下、−78℃で無水テトラヒドロフラン(15mL)中における1−[(4−ブロモフェニル)スルホニル]−4−メチルピペラジン(0.380g、1.2ミリモル;Keasling, H. H.らのJ. Med. Chem., 8, 548〜550(1965年)に記載されている)の攪拌溶液に加え、次にn−ブチルリチウム(2.4mL、3.6ミリモル)を10分間にわたって滴加した。得られた混合物を室温まで加温し、周囲温度でさらに10分間攪拌した。HCl(3M、1.9mL、6.0ミリモル)を加え、混合物をさらに10分間攪拌し、次に炭酸ナトリウム(1.26g、11.9ミリモル)を加えた。30分後に3−アミノ−6−ブロモ−N−(3−メトキシプロピル)ピラジン−2−カルボキサミド(0.24g、0.83ミリモル)およびPd(dppf)Cl2(39mg、0.05ミリモル)を加え、得られた混合物を65℃で22時間加熱した。反応混合物を蒸発させ、残留物をNaHCO3(飽和水溶液)/酢酸エチルに溶解し、水相を酢酸エチルで抽出し、合一した有機相を蒸発させた。粗生成物を溶媒として塩化メチレン/メタノール/トリエチルアミン(9:1:0.1)を使用するシリカゲルカラムにより精製した。生成物をシリカからメタノールで溶離し、溶媒を蒸発させて遊離塩基を得た。塩基をメタノール(10mL)に溶解し、混合物をHCl(1.0M、ジエチルエーテル中、1mL)で処理し、次にジエチルエーテル(5mL)を加えた。生成した沈殿物をろ過し、40℃で真空乾燥して70mg(収率19%)の表題化合物を黄色の固体として得た:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ11.02 (br s, 1 H), 8.97 (s, 2 H), 8.46 (d, J = 9 Hz, 2 H), 7.82 (d, J = 9 Hz, 2 H), 3.82 (d, J = 13 Hz, 2 H), 3.41 (m, 6 H), 3.27 (s, 3 H), 3.15 (m, 2 H), 2.72 (m, 5 H), 1.81 (m, 2 H);MS (ES) m/z 449 (M++1)。
【実施例20】
【0115】
3−アミノ−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩
3−アミノ−6−ブロモ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]ピラジン−2−カルボキサミドを使用して表題化合物を実施例19に記載のようにして製造した。収率:22%:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ;11.12 (br s, 1 H), 9.07 (t, J = 6Hz, 1 H), 9.00 (s, 1 H), 8.52 (d, J = 8Hz, 2 H), 7.80 (d, J = 8Hz, 2 H), 3.82 (d, J = 12Hz, 2 H), 3.40 (m, 4 H), 3.27 (m, 4 H), 3.16 (m, 2 H), 2.73 (m, 5 H), 2.25 (t, J = 8Hz, 2 H), 1.93 (t, J = 7Hz, 2 H), 1.72 (t, J = 7Hz, 2 H);MS (ES) m/z 502 (M++1)。
【実施例21】
【0116】
3−アミノ−N−(シアノメチル)−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}ピラジン−2−カルボキサミド二塩酸塩
3−アミノ−6−ブロモ−N−(シアノメチル)ピラジン−2−カルボキサミドを使用して表題化合物を実施例19に記載のようにして製造した。収率:19%:1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ10.49 (br s, 1 H), 9.50 (t, J = 6Hz, 1 H), 9.05 (s, 1 H), 8.49 (d, J = 8Hz, 2 H), 7.84 (m, 1 H), 7.83 (d, J = 8Hz, 2 H), 4.36 (d, J = 6Hz, 2 H), 3.83 (d, J = 12Hz, 2 H), 3.36 (m, 2 H), 3.16 (m, 2 H), 2.74 (s, 3 H), 2.66 (m, 2 H);MS (ES) m/z 416 (M++1)。
【実施例22】
【0117】
3−アミノ−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−N−[2−(1H−ピロール−1−イル)エチル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩
トリエチルアミン(0.57mL、4.13ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド/アセトニトリル(1:1、5mL)中における3−アミノ−6−ブロモ−2−ピラジンカルボン酸(0.30g、1.38ミリモル;Ellingson, R. C.;Henry, R. L.のJ. Am. Chem. Soc., 2798〜2800(1949年)に記載されている)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(0.486g、1.51ミリモル)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.204g、1.51ミリモル)の混合物に加えた。室温で0.5時間攪拌した後、2−(1H−ピロール−1−イル)−1−エタンアミン(0.182g、1.65ミリモル)を加え、得られた混合物を室温で一晩攪拌した。約10mLの水を加え、沈殿が生成した。その沈殿物をろ過し、水で洗浄して0.21g(収率50%)の明褐色の固体を得た:MS (ESP) m/z 310, 312(M++1)。
前記工程からの固体(0.16g、0.516ミリモル)を[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]ボロン酸(0.220g、0.77ミリモル)、炭酸ナトリウム(0.164g、1.55ミリモル)およびPd(dppf)Cl2(0.013g、1.5ミリモル)と一緒にテトラヒドロフラン/水(5:1、5mL)に溶解した。得られた混合物を70℃で一晩攪拌した(N2−雰囲気)。混合物をシリカ上で蒸発させ、溶離剤としてトルエン/アセトニトリル(1:2〜1:4)を使用するシリカ上で精製して黄色の固体を得、それを40℃で真空乾燥した。生成物を塩化メチレン/メタノール混合物(9:1)に溶解し、ジエチルエーテル中の塩酸(0.28mL、1M)を加えた。沈殿物をジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥して69mg(収率23%)の表題化合物を得た:1H NMR (DMSO−d6) δ8.94 (s, 1 H), 8.90 (t, J = 6 Hz, 1 H), 8.43 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.82 (d, J = 8 Hz, 2 H), 6.79 (t, J = 2 Hz, 2 H), 6.01 (t, J = 2 Hz, 2 H), 4.12 (t, J = 7 Hz, 2 H), 3.83 (d, J = 12 Hz, 2 H), 3.63 (4重項, J = 6 Hz, 2 H), 3.44 (d, J = 12 Hz, 2 H), 3.15 (m, 2 H), 2.73 (m, 5 H);13C NMR (DMSO−d6) δ165.8, 154.5, 144.8, 140.8, 135.9, 133.3, 127.9, 126.1, 124.6, 120.7, 107.8, 51.5, 47.6, 43.0, 41.8;MS (ESP) m/z 470 (M++1)。
【0118】
次の実施例23〜26の化合物を実施例22に記載のようにして合成した。
【実施例23】
【0119】
3−アミノ−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−N−[2−(メチルスルホニル)エチル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩
出発物質:2−アミノエチルメチルスルホン塩酸塩。表題化合物を溶離剤としてトルエン/アセトニトリルのグラジエント溶媒(1:0〜1:2)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し、塩酸塩を生成した。収率:18%:1H NMR (D2O) δ8.43 (s, 1 H), 7.89 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.74 (d, J = 8 Hz, 2 H), 3.97 (d, J = 14 Hz, 2 H), 3.89 (t, J = 6 Hz, 2 H), 3.63 (m, 4 H), 3.29 (m, 2 H), 3.25 (s, 3 H), 2.94 (s, 3 H), 2.88 (t, J = 12 Hz, 2 H);13C NMR (D2O) δ166.3, 163.3, 143.4, 133.5, 128.4,
125.9, 53.1, 53.0, 43.5, 43.1, 10.9, 33.0;MS (ESP) m/z 483 (M++1)。
【実施例24】
【0120】
N−[2−(アセチルアミノ)エチル]−3−アミノ−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩
出発物質:N−アセチルエチレンジアミン。表題化合物を溶離剤としてトルエン/アセトニトリルのグラジエント溶媒(1:0〜0:1)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し、塩酸塩を生成した。収率:25%:1H NMR (D2O) δ8.42 (s, 1 H), 7.93 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.74 (d, J = 8 Hz, 2 H), 3.96 (d, J = 13 Hz, 2 H), 3.64 (d, J = 13 Hz, 2 H), 3.43 (m, 4 H), 3.28 (m, 2 H), 2.93 (s, 3 H), 2.87 (s, 2 H), 2.02 (s, 3 H);13C NMR (D2O) δ174.6, 166.1, 152.2, 141.1, 139.9, 136.6, 133.3, 128.2, 125.8, 52.7, 43.3, 42.9, 39.1, 38.7, 22.1;MS (ESP) m/z 462 (M++1)。
【実施例25】
【0121】
3−アミノ−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−N−[2−(2−オキソ−1−イミダゾリジニル)エチル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩
出発物質:1−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オントリフルオロ酢酸(McKay, A.F., Paris, G.Y., Kreling, M.E.のJ. Amer.Chem. Soc., 79, 5276(1957年))。表題化合物を溶離剤としてクロロホルム/メタノールのグラジエント溶媒(98:2〜4:1)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し、塩酸塩を生成した。収率:4%:1H NMR (D2O) δ8.56 (s, 1 H), 8.06 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.83 (d, J = 8 Hz, 2 H), 3.98 (d, J = 14 Hz, 2 H), 3,65 (m, 4 H), 3.57 (t, J = 5 Hz, 2 H), 3.45 (m, 4 H), 3.28 (m, 2 H), 2.93 (s, 3 H), 2.86 (m, 2 H);MS (ESP) m/z 489 (M++1)。
【実施例26】
【0122】
3−アミノ−N−[2−(アミノスルホニル)エチル]−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩
出発物質:2−アミノエタンスルホン酸アミド塩酸塩。最終化合物を溶離剤としてトルエン/アセトニトリルのグラジエント溶媒(1:0〜0:1)を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し、塩酸塩を生成した。収率:黄色の固体として21%の表題化合物:1H NMR (DMSO−d6) δ9.13 (t, J = 6 Hz, 1 H), 8.99 (s, 1 H), 8.42 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.77 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.03 (s, 2 H), 3.74 (4重項, J = 6 Hz, 2 H), 3.28 (m, 2 H), 2.95 (br s, 4 H), 2.45 (br s, 4 H), 2.20 (br s, 3 H);MS (ESP) m/z 484(M++1)。
【実施例27】
【0123】
メチル3−アミノ−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキシレート
4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニルボロン酸(0.33g、1.29ミリモル)、メチル3−アミノ−6−ブロモピラジン−2−カルボキシレート(0.25g、1.08ミリモル;H. EllingsonのJ. Amer. Chem. Soc., 2798(1949年)に記載されている)、K3PO3(3M、1.1mL、3.2ミリモル)およびPd(dppf)Cl2(0.044g、54μモル)をエチレングリコールジメチルエーテル/水(1.5:0.5mL)中に懸濁し、マイクロ波オーブンにおいて160℃で10分間加熱した。反応を3回繰り返した。合一した生成物混合物をシリカゲルと一緒に蒸発させ、粗生成物を溶離剤としてヘプタン/酢酸エチルのグラジエント溶媒を使用するシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して0.96g(収率82%)の表題化合物を得た:MS (ES) m/z 363 (M++1)。
【実施例28】
【0124】
メチル3−{[2,6−ジメトキシ−4−(2−フェニルエトキシ)ベンジル]アミノ}−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキシレートポリスチレン
N,N−ジメチルホルムアミド/酢酸(98:2、20mL)中のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.6g、12.2ミリモル)および塩化トリメチルシリル(1.17mL、9.18ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(60mL)中におけるメチル3−アミノ−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキシレート(4.4g、12.2ミリモル)および2−(3,5−ジメトキシ−4−ホルミルフェノキシ)エチルポリスチレン(12g、0.51ミリモル/g)の混合物に加えた。混合物を3時間振騰し、ろ過した。ポリスチレン樹脂をN,N−ジメチルホルムアミドで3回、塩化メチレンで3回洗浄した。この操作をN,N−ジメチルホルムアミド/酢酸(98:2、20mL)中のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.6g、12.24ミリモル)、塩化トリメチルシリル(1.17ml、9.18ミリモル)およびメチル3−アミノ−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキシレート(12g、0.51ミリモル/g)を使用して繰り返し、振騰を18時間続けた。ポリスチレン樹脂をN,N−ジメチルホルムアミドで3回、塩化メチレンで3回、そしてメタノールで3回洗浄した。その樹脂を真空下で乾燥して12.5gの表題化合物を得た。
分析:表題化合物(50mg)を塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸(濃度95%)で30分間処理し、ろ過し、その溶媒をMSにより分析した:MS (ESI) 363 m/z (M++1)(出発物質に相当する)。
【実施例29】
【0125】
3−{[2,6−ジメトキシ−4−(2−フェニルエトキシ)ベンジル]アミノ}−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボン酸ポリスチレン
水酸化リチウム水溶液(4M、10mL)をテトラヒドロフラン(100mL)中におけるメチル3−[[2,6−ジメトキシ−4−(2−フェニルエトキシ)ベンジル]アミノ]−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキシレートポリスチレン(12g、0.51ミリモル/g)の懸濁液に加えた。混合物を17時間振騰した。ろ過し、樹脂をN,N−ジメチルホルムアミド/水(4:1)で3回、N,N−ジメチルホルムアミド/酢酸(98:2)で3回、そしてメタノールで3回洗浄し、その樹脂を乾燥して11.8gの表題化合物を得た。
分析:表題化合物(50mg)を塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸(濃度95%)で30分間処理し、ろ過し、その溶媒をMSにより分析した:MS (ESI) 349 m/z (M++1)。
【実施例30】
【0126】
3−アミノ−N−(2−シアノエチル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド
3−アミノプロパンニトリル(36mg、0.51ミリモル)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(0.164g、0.51ミリモル)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(69mg、0.51ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中の3−[[2,6−ジメトキシ−4−(2−フェニルエトキシ)ベンジル]アミノ]−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボン酸ポリスチレン(0.50g、0.51ミリモル/g、0.255ミリモル)に加えた。混合物を5分間振騰し、その後ジイソプロピルエチルアミン(0.133mL、0.765ミリモル)を加えた。混合物を18時間振騰し、ろ過し、N,N−ジメチルホルムアミドで洗浄し、そして塩化メチレンで3回洗浄した。樹脂を塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸(濃度95%)で30分間処理することにより生成物を単離し、ろ過した。溶液を蒸発させ、分取用HPLC(カラム:XTerra C8 19×300mm、溶離剤: アセトニトリル/水のグラジエント溶媒(20:80〜80:20))により精製して1mg(収率1%)の表題化合物を得た:1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ8.70 (s, 1 H), 8.01 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.93 (d, J = 8 Hz, 2 H), 3.79 (m, 2 H), 3.30 (m, 4 H), 2.79 (t, J = 6 Hz, 2 H), 1.80 (m, 4 H);MS (ESI) 401 m/z (M++1)。
【0127】
次の実施例31〜35の化合物を実施例30に記載のようにして合成した。
【実施例31】
【0128】
3−アミノ−N−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホ
ニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド
出発物質:β−アラニンアミド。収率:2%:1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ8.60 (s, 1 H), 8.03 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.85 (d, J = 8 Hz, 2 H), 3.64 (t, J = 6 Hz, 2 H), 3.20 (m, 4 H), 2.50 (t, J = 6 Hz, 2 H), 1.72 (m, 4 H);MS (ESI) 419 m/z (M++1)。
【実施例32】
【0129】
3−アミノ−N−(2−ニトロベンジル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド
出発物質:1−(2−ニトロフェニル)メタンアミン。収率:1.8%:1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ8.80 (s, H), 8.70 (s, H), 8.12 (d, J = 7 Hz, 1 H), 8.04 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.90 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.73 (dd, J = 8 Hz, 1 H), 7.50 (m, 1 H), 7.66 (m, 1 H), 4.94 (d, J = 7 Hz, 2 H), 3.30 (m, 4 H), 1.8 (m, 4 H);MS (ESI) 483 m/z (M++1)。
【実施例33】
【0130】
3−アミノ−N−(2−メトキシベンジル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド
出発物質:1−(2−メトキシフェニル)メタンアミン。収率:1.6%:1H NMR (CDCl3, 400
MHz) δ8.64 (s, 1 H), 8.01 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.89 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.31(d,
J = 7 Hz, 2 H), 6.94 (m, 2 H), 4.68 (d, J = 6 Hz, 2 H), 3.94 (m, 3 H), 3.41 (m,
1 H), 3.27 (m, 4 H), 1.8 (m, 4 H);MS (ESI) 468 m/z (M++1)。
【実施例34】
【0131】
3−アミノ−N−(3−モルホリン−4−イルプロピル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド
出発物質:3−モルホリン−4−イルプロパン−1−アミン。収率:1.4%:1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ8.67 (s, 1 H), 8.02 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.94 (d, J = 8 Hz, 2 H), 3.66 (t, J = 5 Hz, 4 H), 3.58 (m, 2 H), 3.30 (m, 4 H), 2.49 (t, J = 7 Hz, 2 H), 2.48 (m, 4 H), 1.85 (t, J = 7 Hz, 2 H), 1.79 (m, 4 H);MS (ESI) 475 m/z (M++1)。
【実施例35】
【0132】
3−アミノ−N−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル]−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド
出発物質:3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロパン−1−アミン。収率:3.8%:1H
NMR (CD3OD, 400 MHz) δ8.77 (s, 1 H), 8.24 (d, J =8 Hz, 2 H), 7.05 (d, J =8 Hz,
2H), 3.54 (t, J =7 Hz, 2 H), 3.36 (m, 4 H), 3.32 (m, 4 H), 2.56 (d, J =7 Hz, 4 H), 2.28 (s, 3 H), 2.09 (s, 1 H), 1.90 (m, 2 H), 1.84 (m, 4 H);MS (ESI) 488 m/z
(M++1)。
【0133】
医薬組成物
本発明の一態様によれば、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3が関与する症状の予防および/または治療に使用される遊離塩基または薬学的に許容しうる塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての式Iの化合物を含有する医薬組成物が提供される。
【0134】
本組成物は経口投与に適した形態、例えば錠剤であり、注射剤の場合は無菌の液剤または懸濁剤である。一般に、上記組成物は薬用担体または希釈剤を使用して慣用の方法で製造することができる。ヒトを含む哺乳動物の治療における式Iの化合物の適当な1日量は経口投与では約0.01〜250mg/kg体重であり、非経口投与では約0.001〜250mg/kg体重である。活性成分の典型的な1日量は広い範囲内で変動し、関連する兆候、投与経路、患者の年齢、体重および性別のような様々な要因に応じて決まり、医師により決定され得る。
【0135】
式Iの化合物、または薬学的に許容しうる塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物はそのままで使用することができるが、通常は式Iの化合物/塩/溶媒和物(活性成分)を薬学的に許容しうる希釈剤または担体と一緒に含有する医薬組成物の形態で投与される。投与方法に応じて、医薬組成物は0.05〜99重量%、例えば0.10〜50重量%の活性成分を含有するが、すべての重量百分率は全組成物に基づいている。
【0136】
希釈剤または担体には水、水性ポリエチレングリコール、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖(例えばラクトース)、ペクチン、デキストリン、スターチ、トラガカント、微結晶性セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースまたはカカオ脂がある。
【0137】
本発明の組成物は錠剤または注射剤の形態であってよい。錠剤はさらに崩壊剤を含有してもよく、そして/または被覆されていてもよい(例えば腸溶コーチングで、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなコーチング剤で被覆することができる)。
【0138】
本発明はさらに前記で定義されたような式Iの化合物、または薬学的に許容しうる塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物を薬学的に許容しうる希釈剤または担体と混合することからなる本発明の医薬組成物の製造法を提供する。
【0139】
本発明の医薬組成物の例は前記で定義されたような本発明の化合物、または薬学的に許容しうる塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物および滅菌水、および必要ならば最終組成物のpHを約pH5にする水酸化ナトリウムまたは塩酸、さらに場合により溶解を補助する界面活性剤を含有する注射液である。
【0140】
水に溶解した遊離塩基または薬学的に許容しうる塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての式Iの化合物を含有する溶液:
〔表1〕
溶液 mg/mL
化合物X 5.0% w/v
純 水 100%まで
【0141】
医学的用途
驚くべきことに、遊離塩基または薬学的に許容しうる塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての本発明で定義された化合物はグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK3)を阻害するのに適していることがわかった。したがって、本発明の化合物はグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3活性が関与する症状の予防および/または治療において有用であると考えられる、すなわち本化合物はこのような予防および/または治療の必要なヒトを含む哺乳動物でGSK3の阻害作用を引き起こすために使用することができる。
GSK3は中枢および末梢神経系や他の組織で高度に発現する。したがって、本発明の化合物は中枢および末梢神経系のグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3が関与する症状の予防および/または治療に適していると考えられる。特に、本発明の化合物はとりわけ痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭型痴呆パーキンソン型、Guamのパーキンソン痴呆複合、HIV痴呆、神経原線維変化病と関連する疾患およびボクサー痴呆と関連する症状の予防および/または治療に適していると考えられる。
【0142】
他の症状は筋委縮性側索硬化症、大脳皮質基底核変性症、ダウン症候群、ハンチントン病、脳炎後パーキンソン症候群、進行性核上麻痺、ピック病、ニーマン−ピック病、卒中、頭部外傷および他の慢性神経変性疾患、双極性疾患、情動障害、うつ病、統合失調症、認知障害、脱毛症、避妊薬療法、I型およびII型糖尿病、糖尿病性神経障害、並びに糖尿病関連疾患から選択される。
【0143】
さらに他の症状は前痴呆状態、軽度の認知障害、加齢による記憶障害、加齢による認識力低下、非痴呆性認知障害、軽度の認識力低下、軽度の神経認識力低下、高齢期の健忘症、記憶障害および認知障害、血管性痴呆、レビー小体痴呆および男性型脱毛症から選択される。
【0144】
本発明の一態様は痴呆およびアルツハイマー病の予防および/または治療に関する。
本発明の他の態様はI型およびII型糖尿病、糖尿病性神経障害、並びに糖尿病関連疾患の予防および/または治療に関する。
特定の疾患の治療的または予防的処置に必要な投与量は、必然的に、治療する患者、投与経路および治療する病気の程度に応じて変動する。
【0145】
本発明は、また、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3が関与する症状を予防および/または治療するための薬剤の製造における前記で定義されたような式Iの化合物の使用に関する。
本明細書において、特にそれに反する断りがなければ、「治療」なる用語は「予防」もまた包含する。「治療的」および「治療的に」なる用語は適宜に解釈される。
本発明はまた、治療的に有効な量の前記で定義されたような式Iの化合物を治療および/または予防の必要なヒトを含む哺乳動物に投与することからなるグリコーゲンシンターゼキナーゼ−3が関与する症状を治療および/または予防する方法を提供する。
【0146】
非医学的用途
治療用薬剤におけるそれらの使用の他に、遊離塩基または薬学的に許容しうる塩、溶媒和物またはその塩の溶媒和物としての式Iの化合物はまた、新規治療剤を探索する一環としてネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラットおよびマウスのような実験動物でGSK3に関連する活性の阻害効果を評価するための試験管内および生体内試験システムの開発および標準化における薬理学的ツールとして有用である。
【0147】
薬理試験
シンチレーション近接GSK3βアッセイによるATP競合の測定
GSK3βシンチレーション近接アッセイ
競合実験は底が透明なマイクロタイタープレート(Wallac社製、フィンランド)において10種の異なる濃度の阻害剤を使用して二連で行なった。1mUの組換えヒトGSK3β(ダンディー大学、英国)、12 mMのモルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)、pH7.0、0.3mMのEDTA、0.01%β−メルカプトエタノール、0.004%Brij35(天然界面活性剤)、0.5%グリセロールおよび0.5μgのBSAを含有するアッセイ緩衝液(25μl)にビオチン化ペプチド基質のビオチン−Ala−Ala−Glu−Glu−Leu−Asp−Ser−Arg−Ala−Gly−Ser(PO3H2)−Pro−Gln−Leu(AstraZeneca社製、ルンド)を1μMの最終濃度で加えた。0.04μCiの[γ−33P]ATP(Amersham社製、英国)および非標識ATPを1μMの最終濃度および25μlのアッセイ容量で加えて反応を開始した。室温で20分間インキュベートした後、5mMのEDTA、50μMのATP、0.1%トリトンX−100および0.25mgのストレプトアビジン被覆シンチレーション近接アッセイ(SPA)ビーズ(Amersham社製、英国)を含有する25μlの停止溶液を加えることにより各反応を終了させた。6時間後、放射活性を液体シンチレーションカウンター(1450 MicroBeta Trilux、Wallac社製)において測定した。GraphPad Prism(米国)を使用して阻害曲線を非線形回帰により分析した。種々の化合物の阻害定数(Ki)を計算するために使用したGSK3βに対するATPのKm値は20μMである。
【0148】
次の略語を使用した:
MOPS モルホリンプロパンスルホン酸
EDTA エチレンジアミン四酢酸
BSA ウシ血清アルブミン
ATP アデノシントリホスフェート
SPA シンチレーション近接アッセイ
GSK3 グリコーゲンシンターゼキナーゼ3
【0149】
結果
本発明の化合物の典型的なKi値は約0.001〜約10,000nMの範囲である。他のKi値は約0.001〜約1000nMの範囲である。さらにKi値は約0.001nM〜約300nMの範囲である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離塩基または薬学的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物としての式I
【化1】

の化合物。
式中、ZはNであり;
YはCONR5、NR5CO、SO2NR5、NR5SO2、CH2NR5、NR5CONR5、CH2CO、COまたはCH2Oであり;
XはCHまたはNであり;
Pはフェニル、または、N、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香環であり、ここで該フェニル環、または、5または6員のヘテロ芳香環は場合により独立してC、N、OまたはSから選択される原子を含有する5または6員の飽和、部分的に飽和または不飽和環と縮合しており;
QはC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり;
RはCHO、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキル(SO2)NR1R2、OC0-6アルキル(SO2)NR1R2、OC1-6アルキル(SO)NR1R2、C1-6アルキル(SO)NR1R2、C0-6アルキルNR1(SO)R2、OC1-6アルキルNR1(SO)R2、C0-6アルキルNR1(SO2)NR1R2、OC1-6アルキルNR1(SO2)R2、C0-6アルキル(SO2)C1-6アルキルNR1R2、OC0-6アルキル(SO2)C1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキル(SO)C1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキル(SO)C1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキルSC1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキルSC1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキルOC1-6アルキル、C1-6アルキルOC1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキルOC1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキルCONR10R11、OC0-6アルキルCONR1R2、OC1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキルNR10(CO)R11、OC1-6アルキルNR1(CO)R2、C0-6アルキルNR11(CO)R10、C0-6アルキルCOR11、OC1-6アルキルCOR1、C0-6アルキルNR10R11、C0-6アルキルO(CO)R11、OC1-6アルキルO(CO)R1、C0-6アルキルC(NR10)NR10R11、C0-6アルキルC(NR11)N(R10)2、OC0-6アルキルC(NR1)NR1R2、C0-6アルキルNR10(CO)OR11、OC1-6アルキルNR1(CO)OR2、C0-6アルキルNR11(CO)OR10、OC1-6アルキルCN、NR1OR2、C0-6アルキル(CO)OR8、OC1-6アルキル(CO)OR1、NR1(CO)NR1R2、NR1(CO)(CO)R2、NR1(CO)(CO)NR1R2、OR12またはSO3R1であり;
R1およびR2は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクロアルキル、C1-6アルキルNR6R7、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、ここで該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールは1個またはそれ以上のAにより置換されてもよく;
R1およびR2は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換され;
R3は独立してハロゲン、ニトロ、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR6、OC1-6アルキルOR6、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルOC1-6アルキルNR6R7、NR6OR7、C0-6アルキルCO2R6、OC1-6アルキルCO2R6、C0-6アルキルCONR6R7、OC1-6アルキルCONR6R7、OC1-6アルキルNR6(CO)R7、C0-6アルキルNR6(CO)R7、O(CO)NR6R7、NR6(CO)OR7、NR6(CO)NR6R7、O(CO)OR6、O(CO)R6、C0-6アルキルCOR6、OC1-6アルキルCOR6、NR6(CO)(CO)R6、NR6(CO)(CO)NR6R7、SR6、C0-6アルキル(SO2)NR6R7、OC1-6アルキルNR6(SO2)R7、OC0-6アルキル(SO2)NR6R7、C0-6アルキル(SO)NR6R7、OC1-6アルキル(SO)NR6R7、SO3R6、C0-6アルキルNR6(SO2)NR6R7、C0-6アルキルNR6(SO)R7、OC1-6アルキルNR6(SO)R7、OC0-6アルキルSO2R6、C0-6アルキルSO2R6、C0-6アルキルSOR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、ここで該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のAで置換されてよく;
R4は独立してハロゲン、ニトロ、CHO、CN、OC1-6アルキルCN、OR6、OC1-6アルキルOR6、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、NR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、NR6OR7、CO2R6、OC1-6アルキルCO2R6、CONR6R7、OC1-6アルキルCONR6R7、OC1-6アルキルNR6(CO)R7、NR6(CO)R7、O(CO)NR6R7、NR6(CO)OR7、NR6(CO)NR6R7、O(CO)OR6、O(CO)R6、COR6、OC1-6アルキルCOR6、NR6(CO)(CO)R6、NR6(CO)(CO)NR6R7、SR6、(SO2)NR6R7、OC1-6アルキルNR6(SO2)R7、OC0-6アルキル(SO2)NR6R7、(SO)NR6R7、OC1-6アルキル(SO)NR6R7、SO3R6、NR6(SO2)NR6R7、NR6(SO)R7、OC1-6アルキルNR6(SO)R7、OC0-6アルキルSO2R6、SO2R6、SOR6、C3-6シクロアルキル、フェニル、独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香環、または、独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環から選択され、その複素環基は飽和または不飽和であり、ここで該フェニル環、または5または6員のヘテロ芳香環、または5または6員の複素環式環は場合により独立してC、N、OまたはSから選択される原子を含有する5または6員の飽和、部分的に飽和または不飽和環と縮合しており、ここで該C3-6シクロアルキル、フェニル、独立してN、OまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロ芳香環、または独立してN、OまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環は場合により1個またはそれ以上のAで置換され;
mは0、1、2、3または4であり;
nは0、1、2、3または4であり;
R5は水素またはC1-6アルキルであり、
R6およびR7は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールおよびC1-6アルキルNR8R9から選択され;
R6およびR7は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換されてもよく、ここでCH2基は場合によりCO基に置き換えられてもよく;
R8およびR9は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され;
R8およびR9は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換されてもよく;
R10は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC1-6アルキルNR8R9であり;
R11はC1-6アルキルNR8R9であり;
R10およびR11は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環を形成し、その複素環式環は場合によりAで置換されてもよく;
R12は独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環であり、その複素環式環は場合によりAで置換されてもよく;ここでR5〜R12で定義されたC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールは1個またはそれ以上のAにより置換されてもよく;
Aはハロ、オキソ(=O)、ニトロ、CHO、CN、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、CO2R8、CONR6R7、NR6(CO)R6、O(CO)R6、COR6、SR6、(SO2)NR6R7、(SO)NR6R7、SO3R6、SO2R6またはSOR6である。
【請求項2】
ZおよびXはNであり;Pはフェニルであり;RはC0-6アルキル(SO2)NR1R2であり;そしてmは0である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
C0-6アルキル(SO2)NR1R2のR1およびR2は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成する請求項2記載の化合物。
【請求項4】
複素環式環は1個またはそれ以上のNヘテロ原子を含有し、該複素環式環は場合によりA、好ましくはC1-6アルキルで置換される請求項3記載の化合物。
【請求項5】
YはCONR5であり;R5は水素であり;QはC1-6アルキルであり;R4はフェニル、独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香環、または、独立してN、OまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環(この複素環基は飽和または不飽和であってもよい)、CN、OR6、SO2R6、NR6(CO)R7、(SO2)NR6R7およびCONR6R7から選択され;nは1であり;そして該フェニル、または、5または6員の複素環式環は場合によりAで置換される請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物。
【請求項6】
AはOR6、C1-6アルキル、オキソ(=O)およびニトロから選択され;そしてR6および/またはR7はC1-6アルキルおよび水素から選択される請求項5記載の化合物。
【請求項7】
遊離塩基または薬学的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物としての次の化合物:
3−アミノ−N−(2−シアノエチル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−N−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−N−(2−ニトロベンジル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド
3−アミノ−N−(2−メトキシベンジル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−N−(3−モルホリン−4−イルプロピル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−N−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル]−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−N−(2−チエン−2−イルエチル)ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−N−(チエン−2−イルメチル)ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−N−(2−メトキシエチル)−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−N−(3−メトキシプロピル)−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]ピラジン−2−カルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−N−(シアノメチル)−6−{4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニル}ピラジン−2−カルボキサミド二塩酸塩;
3−アミノ−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−N−[2−(1H−ピロール−1−イル)エチル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−N−[2−(メチルスルホニル)エチル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩;
N−[2−(アセチルアミノ)エチル]−3−アミノ−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−N−[2−(2−オキソ−1−イミダゾリジニル)エチル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩;
3−アミノ−N−[2−(アミノスルホニル)エチル]−6−[4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル]−2−ピラジンカルボキサミド塩酸塩。
【請求項8】
活性成分として治療的に有効な量の請求項1〜7の何れか1項に記載の化合物を薬学的に許容しうる担体または希釈剤と一緒に含有する医薬製剤。
【請求項9】
グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3が関与する症状の予防および/または治療に使用される請求項8記載の医薬製剤。
【請求項10】
治療に使用される請求項1〜7の何れか1項に記載の化合物。
【請求項11】
グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3が関与する症状を予防および/または治療するための薬剤の製造における請求項1〜7の何れか1項に記載の化合物の使用。
【請求項12】
痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭型痴呆パーキンソン型、Guamのパーキンソン痴呆複合、HIV痴呆、神経原線維変化病に関連する疾患およびボクサー痴呆を予防および/または治療するための薬剤の製造における請求項1〜7の何れか1項に記載の化合物の使用。
【請求項13】
予防および/または治療はアルツハイマー病のためである請求項12記載の使用。
【請求項14】
筋委縮性側索硬化症、大脳皮質基底核変性症、ダウン症候群、ハンチントン病、脳炎後パーキンソン症候群、進行性核上麻痺、ピック病、ニーマン−ピック病、卒中、頭部外傷および他の慢性神経変性疾患、双極性疾患、情動障害、うつ病、統合失調症、認知障害、脱毛症および避妊薬療法、I型およびII型糖尿病、糖尿病性神経障害および糖尿病関連疾患を予防および/または治療するための薬剤の製造における請求項1〜7の何れか1項に記載の化合物の使用。
【請求項15】
予防および/または治療はI型およびII型糖尿病、糖尿病性神経障害および糖尿病関連疾患のためである請求項14記載の化合物の使用。
【請求項16】
前痴呆状態、軽度の認知障害、加齢による記憶障害、加齢による認識力低下、非痴呆性認知障害、軽度の認識力低下、軽度の神経認識力低下、高齢期の健忘症、記憶障害および認知障害、血管性痴呆、レビー小体痴呆、前頭側頭型痴呆および男性型脱毛症を予防および/または治療するための薬剤の製造における請求項1〜7の何れか1項に記載の化合物の使用。
【請求項17】
治療的に有効な量の請求項1〜7の何れか1項に記載の式Iの化合物を、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3が関与する症状の予防および/または治療の必要なヒトを含む哺乳動物に投与することからなる該症状を予防および/または治療する方法。
【請求項18】
治療的に有効な量の請求項1〜7の何れか1項に記載の式Iの化合物を、痴呆、アルツハイマー病、パーキンソン病、前頭側頭型痴呆パーキンソン型、Guamのパーキンソン痴呆複合、HIV痴呆、神経原線維変化病に関連する疾患およびボクサー痴呆の予防および/または治療の必要なヒトを含む哺乳動物に投与することからなる該疾病を予防および/または治療する方法。
【請求項19】
予防および/または治療はアルツハイマー病のためである請求項18記載の方法。
【請求項20】
治療的に有効な量の請求項1〜7の何れか1項に記載の式Iの化合物を、筋委縮性側索硬化症、大脳皮質基底核変性症、ダウン症候群、ハンチントン病、脳炎後パーキンソン症候群、進行性核上麻痺、ピック病、ニーマン−ピック病、卒中、頭部外傷および他の慢性神経変性疾患、双極性疾患、情動障害、うつ病、統合失調症、認知障害、脱毛症および避妊薬療法、I型およびII型糖尿病、糖尿病性神経障害、並びに糖尿病関連疾患の予防および/または治療の必要なヒトを含む哺乳動物に投与することからなる該疾病を予防および/または治療する方法。
【請求項21】
予防および/または治療はI型およびII型糖尿病、糖尿病性神経障害、並びに糖尿病関連疾患のためである請求項18記載の方法。
【請求項22】
治療的に有効な量の請求項1〜7の何れか1項に記載の式Iの化合物を、前痴呆状態、軽度の認知障害、加齢による記憶障害、加齢による認識力低下、非痴呆性認知障害、軽度の認識力低下、軽度の神経認識力低下、高齢期の健忘症、記憶障害および認知障害、血管性痴呆、レビー小体痴呆、前頭側頭型痴呆および男性型脱毛症の予防および/または治療の必要なヒトを含む哺乳動物に投与することからなる該疾病を予防および/または治療する方法。
【請求項23】
式IVの化合物を適当なアリール種と脱ハロゲン化カップリングさせて式I
【化2】

(式中、Y、X、Z、P、Q、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、A、mおよびnは式Iで定義された通りである)の化合物を得ることからなる請求項1記載の式Iの化合物の製造法。
【請求項24】
式XXIIの化合物を反応させて式I
【化3】

(式中、Y、X、Z、P、Q、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、A、mおよびnは式Iで定義された通りである)の化合物を得ることからなり、その反応は式XXIIの化合物をカップリング剤またはハロゲン化アシル試薬で処理して活性化し、次に適当なアミンで処理し、その固相部分を適当な溶媒中、適当な酸で処理して切断することにより行なわれ、また反応温度は0℃〜還流温度である請求項1記載の式Iの化合物の製造法。
【請求項25】
遊離塩基または塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物としての式XIXa
【化4】

の化合物。
式中、Pはフェニルであり、
R1およびR2は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクロアルキル、C1-6アルキルNR6R7、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、ここで該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールは1個またはそれ以上のAにより置換されてもよく;
R1およびR2は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換されてもよく;
R3は独立してハロゲン、ニトロ、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR6、OC1-6アルキルOR6、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルOC1-6アルキルNR6R7、NR6OR7、C0-6アルキルCO2R6、OC1-6アルキルCO2R6、C0-6アルキルCONR6R7、OC1-6アルキルCONR6R7、OC1-6アルキルNR6(CO)R7、C0-6アルキルNR6(CO)R7、O(CO)NR6R7、NR6(CO)OR7、NR6(CO)NR6R7、O(CO)OR6、O(CO)R6、C0-6アルキルCOR6、OC1-6アルキルCOR6、NR6(CO)(CO)R6、NR6(CO)(CO)NR6R7、SR6、C0-6アルキル(SO2)NR6R7、OC1-6アルキルNR6(SO2)R7、OC0-6アルキル(SO2)NR6R7、C0-6アルキル(SO)NR6R7、OC1-6アルキル(SO)NR6R7、SO3R6、C0-6アルキルNR6(SO2)NR6R7、C0-6アルキルNR6(SO)R7、OC1-6アルキルNR6(SO)R7、OC0-6アルキルSO2R6、C0-6アルキルSO2R6、C0-6アルキルSOR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、ここで該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のAで置換されてもよく;
R6およびR7は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールおよびC1-6アルキルNR8R9から選択され;
R6およびR7は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換されてもよく、ここでCH2基は場合によりCO基に置き換えられてよく;
R8およびR9は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され;
R8およびR9は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換されてもよく;
mは0、1、2、3または4であり;
R15はスキームI
【化5】

に示した基であり、ここでR16およびR17はヒドロキシであり、そしてBはホウ素であり;
Aはハロゲン、オキソ(=O)、ニトロ、CHO、CN、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ
、C0-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、CO2R8、CONR6R7、NR6(CO)R6、O(CO)R6、COR6、SR6、(SO2)NR6R7、(SO)NR6R7、SO3R6、SO2R6またはSOR6である。
【請求項26】
R1およびR2は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成し、その複素環式環は場合によりAで置換されてもよく;
mは0であり;
AはC1-6アルキルである、
遊離塩基または塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物としての請求項25記載の化合物。
【請求項27】
遊離塩基または塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物としての
4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニルボロン酸;
4−[(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル]フェニルボロン酸
である化合物。
【請求項28】
遊離塩基または塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物としての式IV
【化6】

の化合物。
式中、YはCONR5、NR5CO、SO2NR5、NR5SO2、CH2NR5NR5CONR5、CH2CO、COまたはCH2Oであり;
XはCHまたはNであり;
ZはNであり;
QはC1-6アルキル、C2-6アルケニルまたはC2-6アルキニルであり;
R4は独立してハロゲン、ニトロ、CHO、CN、OC1-6アルキルCN、OR6、OC1-6アルキルOR6、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、NR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、NR6OR7、CO2R6、OC1-6アルキルCO2R6、CONR6R7、OC1-6アルキルCONR6R7、OC1-6アルキルNR6(CO)R7、NR6(CO)R7、O(CO)NR6R7、NR6(CO)OR7、NR6(CO)NR6R7、O(CO)OR6、O(CO)R6、COR6、OC1-6アルキルCOR6、NR6(CO)(CO)R6、NR6(CO)(CO)NR6R7、SR6、(SO2)NR6R7、OC1-6アルキルNR6(SO2)R7、OC0-6アルキル(SO2)NR6R7、(SO)NR6R7、OC1-6アルキル(SO)NR6R7、SO3R6、NR6(SO2)NR6R7、NR6(SO)R7、OC1-6アルキルNR6(SO)R7、OC0-6アルキルSO2R6、SO2R6、SOR6、C3-6シクロアルキル、フェニル、独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香環、または、独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環から選択され、その複素環基は飽和または不飽和であってよく、ここで該フェニル環、または、5または6員のヘテロ芳香環、または、5または6員の複素環式環は場合により独立してC、N、OまたはSから選択される原子を含有する5または6員の飽和、部分的に飽和または不飽和環と縮合してもよく、ここで該C3-6シクロアルキル、フェニル、独立してN、OまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を有する5または6員のヘテロ芳香環、あるいは独立してN、OまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環は場合により1個またはそれ以上のAで置換されてもよく;
R5は水素またはC1-6アルキルであり、
R6およびR7は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールおよびC1-6アルキルNR8R9から選択され;
R6およびR7は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換されてもよく、ここでCH2基は場合によりCO基に置き換えられてもよく;
R8およびR9は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され;
R8およびR9は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換されてもよく;
Halはハロゲンであり;
nは0、1、2、3または4であり;
Aはハロゲン、オキソ(=O)、ニトロ、CHO、CN、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、CO2R8、CONR6R7、NR6(CO)R6、O(CO)R6、COR6、SR6、(SO2)NR6R7、(SO)NR6R7、SO3R6、SO2R6またはSOR6である。
【請求項29】
YはCONR5であり;
XはNであり;
QはC1-6アルキルであり;
R4は独立してCN、OR6、独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香環、または、独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環から選択され、その複素環基は飽和または不飽和であってもよく、ここで独立してN、OまたはSから選択される1または2個のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環は場合によりAで置換されてもよく;
R5は水素であり;
R6はC1-6アルキルであり;
nは1であり;
Aはオキソ(=O)である、
遊離塩基または塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物としての請求項28記載の化合物。
【請求項30】
遊離塩基または塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物としての次の化合物:
3−アミノ−6−ブロモ−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−(2−チエン−2−イルエチル)ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−(チエン−2−イルメチル)ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−(2−メトキシエチル)ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−(3−メトキシプロピル)ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]ピラジン−2−カルボキサミド;
3−アミノ−6−ブロモ−N−(シアノメチル)ピラジン−2−カルボキサミド。
【請求項31】
遊離塩基または塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物としての式XXII
【化7】

の化合物。
式中、ZはNであり;
XはCHまたはNであり;
Pはフェニル、または、N、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香環であり、ここで該フェニル環、または、5または6員のヘテロ芳香環は場合により独立してC、N、OまたはSから選択される原子を含有する5または6員の飽和、部分的に飽和または不飽和環と縮合してよく;
RはCHO、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキル(SO2)NR1R2、OC0-6アルキル(SO2)NR1R2、OC1-6アルキル(SO)NR1R2、C1-6アルキル(SO)NR1R2、C0-6アルキルNR1(SO)R2、OC1-6アルキルNR1(SO)R2、C0-6アルキルNR1(SO2)NR1R2、OC1-6アルキルNR1(SO2)R2、C0-6アルキル(SO2)C1-6アルキルNR1R2、OC0-6アルキル(SO2)C1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキル(SO)C1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキル(SO)C1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキルSC1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキルSC1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキルOC1-6アルキル、C1-6アルキルOC1-6アルキルNR1R2、OC1-6アルキルOC1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキルCONR10R11、OC0-6アルキルCONR1R2、OC1-6アルキルNR1R2、C0-6アルキルNR10(CO)R11、OC1-6アルキルNR1(CO)R2、C0-6アルキルNR11(CO)R10、C0-6アルキルCOR11、OC1-6アルキルCOR1、C0-6アルキルNR10R11、C0-6アルキルO(CO)R11、OC1-6アルキルO(CO)R1、C0-6アルキルC(NR10)NR10R11、C0-6アルキルC(NR11)N(R10)2、OC0-6アルキルC(NR1)NR1R2、C0-6アルキルNR10(CO)OR11、OC1-6アルキルNR1(CO)OR2、C0-6アルキルNR11(CO)OR10、OC1-6アルキルCN、NR1OR2、C0-6アルキル(CO)OR8、OC1-6アルキル(CO)OR1、NR1(CO)NR1R2、NR1(CO)(CO)R2、NR1(CO)(CO)NR1R2、OR12またはSO3R1であり;
R1およびR2は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクロアルキル、C1-6アルキルNR6R7、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、ここで該C1-6
アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルヘテロシクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールは1個またはそれ以上のAにより置換されてよく;
R1およびR2は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換されてもよく;
R3は独立してハロゲン、ニトロ、CHO、C0-6アルキルCN、OC1-6アルキルCN、C0-6アルキルOR6、OC1-6アルキルOR6、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR6R7、O
C1-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルOC1-6アルキルNR6R7、NR6OR7、C0-6アルキルCO2R6、OC1-6アルキルCO2R6、C0-6アルキルCONR6R7、OC1-6アルキルCONR6R7、OC1-6アルキルNR6(CO)R7、C0-6アルキルNR6(CO)R7、O(CO)NR6R7、NR6(CO)OR7、NR6(CO)NR6R7、O(CO)OR6、O(CO)R6、C0-6アルキルCOR6、OC1-6アルキルCOR6、NR6(CO)(CO)R6、NR6(CO)(CO)NR6R7、SR6、C0-6アルキル(SO2)NR6R7、OC1-6アルキルNR6(SO2)R7、OC0-6アルキル(SO2)NR6R7、C0-6アルキル(SO)NR6R7、OC1-6アルキル(SO)NR6R7、SO3R6、C0-6アルキルNR6(SO2)NR6R7、C0-6アルキルNR6(SO)R7、OC1-6アルキルNR6(SO)R7、OC0-6アルキルSO2R6、C0-6アルキルSO2R6、C0-6アルキルSOR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され、ここで該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールは場合により1個またはそれ以上のAで置換されてもよく;
R6およびR7は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールおよびC1-6アルキルNR8R9から選択され;
R6およびR7は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換されてもよく、ここでCH2基は場合によりCO基に置き換えられてもよく;
R8およびR9は独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリールおよびC0-6アルキルヘテロアリールから選択され;
R8およびR9は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換されてもよく;
R10は水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、C0-6アルキルアリール、C0-6アルキルヘテロアリールまたはC1-6アルキルNR8R9であり;
R11はC1-6アルキルNR8R9であり;
R10およびR11は一緒になってN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5または6員の複素環式環を形成してもよく、その複素環式環は場合によりAで置換されてもよく;
Aはハロゲン、オキソ(=O)、ニトロ、CHO、CN、OR6、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C0-6アルキルC3-6シクロアルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、C0-6アルキルNR6R7、OC1-6アルキルNR6R7、CO2R8、CONR6R7、NR6(CO)R6、O(CO)R6、COR6、SR6、(SO2)NR6R7、(SO)NR6R7、SO3R6、SO2R6またはSOR6であり;
mは0、1、2、3または4である。
【請求項32】
XはNであり;
Pはフェニルであり;
RはC0-6アルキル(SO2)NR1R2であり;
R1およびR2は一緒になって独立してN、OまたはSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する置換された5または6員の複素環式環を形成してよく;
mは0である、
遊離塩基または塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物としての請求項31記載の化合物。
【請求項33】
遊離塩基または塩、溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物としての次の化合物:
メチル3−{[2,6−ジメトキシ−4−(2−フェニルエトキシ)ベンジル]アミノ}−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボキシレートポリスチレン;
3−{[2,6−ジメトキシ−4−(2−フェニルエトキシ)ベンジル]アミノ}−6−[4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)フェニル]ピラジン−2−カルボン酸ポリスチレン。
【請求項34】
請求項1〜7の何れか1項に記載の式Iの化合物の製造における請求項25〜33の何れか1項に記載の中間体の使用。

【公表番号】特表2006−512337(P2006−512337A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−560225(P2004−560225)
【出願日】平成15年12月15日(2003.12.15)
【国際出願番号】PCT/SE2003/001957
【国際公開番号】WO2004/055009
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】