説明

HCVNS3プロテアーゼのP1−非エピメリ化ケトアミド阻害剤

C型肝炎ウイルス(HCV)は、非A非B型肝炎(NANBH)、特に血液関連NANBH(BB−NANBH)に主要な病原体として関与するとされている(+)センス一本鎖RNAウイルスである。本発明は、HCVプロテアーゼ阻害活性を有する新規化合物およびそのような化合物を調製するための方法を開示する。別の実施形態において、本発明は、そのような化合物を含む医薬組成物およびHCVプロテアーゼに関連する障害を治療するためにそれを使用する方法を開示する。本発明は、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの阻害剤としての新規大環状化合物をさらに開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規C型肝炎ウイルス(「HCV」)プロテアーゼ阻害剤、1種または複数のそのような阻害剤を含有する医薬組成物、そのような阻害剤を調製する方法、ならびにC型肝炎および関連障害を治療するためにそのような阻害剤を使用する方法に関する。本発明は、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの阻害剤としての新規大環状化合物をさらに開示する。本出願は、2007年3月23日に出願された米国仮特許出願第60/919,731号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)は、非A非B型肝炎(NANBH)、特に血液関連NANBH(BB−NANBH)に主要な病原体として関与するとされている(+)センス一本鎖RNAウイルスである(特許文献1および特許文献2を参照)。NANBHは、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、デルタ肝炎ウイルス(HDV)、サイトメガロウイルス(CMV)およびエプスタイン・バーウイルス(EBV)等の他の種類のウイルスによって誘発される肝疾患、ならびにアルコール依存症および原発性胆汁性肝硬変等の他の形態の肝疾患とは区別されるべきである。
【0003】
最近、ポリペプチドプロセシングおよびウイルス複製に必要なHCVプロテアーゼが同定され、クローン化され、発現された(例えば、米国特許第5,712,145号を参照)。この約3000アミノ酸ポリタンパク質は、アミノ末端からカルボキシ末端へ、ヌクレオカプシドタンパク質(C)、エンベロープタンパク質(E1およびE2)およびいくつかの非構造タンパク質(NS1、2、3、4a、5aおよび5b)を含有する。NS3は、HCVゲノムの約1893ヌクレオチドによってコードされる約68kdaのタンパク質であり、2つの異なるドメイン:(a)約200個のN末端アミノ酸からなるセリンプロテアーゼドメイン、および(b)タンパク質のC末端におけるRNA依存性ATPアーゼドメインを有する。NS3プロテアーゼは、タンパク質配列、全体的な三次元構造および触媒作用の機構の類似性により、キモトリプシンファミリーのメンバーとみなされている。他のキモトリプシン様酵素は、エラスターゼ、第Xa因子、トロンビン、トリプシン、プラスミン、ウロキナーゼ、tPAおよびPSAである。HCV NS3セリンプロテアーゼは、NS3/NS4a、NS4a/NS4b、NS4b/NS5aおよびNS5a/NS5b接合部におけるポリペプチド(ポリタンパク質)のタンパク質分解に関与しており、したがって、ウイルス複製中の4つのウイルスタンパク質の生成に関与している。これは、HCV NS3セリンプロテアーゼを抗ウイルス化学療法の魅力的な標的としてきた。本発明の化合物は、そのようなプロテアーゼを阻害することができる。本発明の化合物は、C型肝炎ウイルス(HCV)ポリペプチドのプロセシングを調節することもできる。
【0004】
約6kdaのポリペプチドであるNS4aタンパク質は、NS3のセリンプロテアーゼ活性のための補因子であることがわかっている。NS3/NS4aセリンプロテアーゼによるNS3/NS4a接合部の自己切断は、他の切断部位が分子間で(すなわち、トランス)処理されている間に分子内で(すなわち、シス)発生する。
【0005】
HCVプロテアーゼの自然切断部位のための分析により、P1におけるシステインおよびP1’におけるセリンの存在、ならびにこれらの残基が、NS4a/NS4b、NS4b/NS5aおよびNS5a/NS5b接合部において厳密に保存されていることが明らかになった。NS3/NS4a接合部は、P1にトレオニンを、P1’にセリンを含有する。NS3/NS4aにおけるCys→Thr置換は、この接合部においてトランスプロセシングよりもシスプロセシングの要求を担うと想定されている。例えば、非特許文献1、非特許文献2を参照されたい。NS3/NS4a切断部位はまた、他の部位よりも突然変異誘発に耐性がある。例えば、非特許文献3を参照されたい。切断部位の上流の領域中の酸性残基は、効率的な切断に必要であることもわかっている。例えば、非特許文献4を参照されたい。
【0006】
報告されているHCVプロテアーゼの阻害剤は、抗酸化物質(特許文献3を参照)、いくつかのペプチドおよびペプチド類似体(特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7を参照)、70アミノ酸ポリペプチドエグリンcに基づく阻害剤(非特許文献8)、ヒト膵分泌性トリプシン阻害剤(hPSTI−C3)およびミニボディレパートリー(MBip)から選択される阻害剤親和性(非特許文献9)、cVE2(「ラクダ化された」可変ドメイン抗体断片)(非特許文献10)ならびにα1−抗キモトリプシン(ACT)(非特許文献11)を含む。C型肝炎ウイルスRNAを選択的に破壊するように設計されたリボザイムが最近開示された(非特許文献12を参照)。
【0007】
1998年4月30日に公開されたPCT公報の特許文献5(Vertex Pharmaceuticals Incorporated)、1998年5月28日に公開された特許文献6(F.Hoffmann−La Roche AG)および1999年2月18日に公開された特許文献7(Boehringer Ingelheim Canada Ltd.)も参照する。
【0008】
HCVは、肝硬変および肝細胞癌の誘発に関係してきた。HCV感染症に罹患している患者の予後は、現在のところ不良である。HCV感染症は、HCV感染症に関連する免疫の不足または寛解により、他の形態の肝炎よりも治療するのが困難である。現在のデータは、肝硬変診断後4年経過時において、50%未満の生存率を示している。切除可能な限局性肝細胞癌と診断された患者は5年生存率が10〜30%であり、一方、切除不可能な限局性肝細胞癌と診断された患者は、5年生存率が1%未満である。
【0009】
式:
【0010】
【化1】

のペプチド誘導体を開示している特許文献8(US6,608,027、譲受人:Boehringer Ingelheim(Canada)Ltd.、2000年10月12日公開)を参照する。
【0011】
HCV NS3プロテアーゼの阻害剤の二環類似体の合成について記載している、非特許文献13を参照する。その中で開示されている化合物は、式:
【0012】
【化2】

を有する。
【0013】
アリルおよびエチル官能基を含有するいくつかのα−ケトアミド、α−ケトエステルおよびα−ジケトンの調製について記載している、非特許文献14も参照する。
【0014】
式:
【0015】
【化3】

のペプチド誘導体[式中、種々の要素は、その中で定義されている]を開示している特許文献9(譲受人:Boehringer Ingelheim Limited、2000年2月24日公開)も参照する。そのシリーズの例示的化合物は、
【0016】
【化4】

である。
【0017】
式:
【0018】
【化5】

のペプチド誘導体[式中、種々の要素は、その中で定義されている]を開示している特許文献10(譲受人:Boehringer Ingelheim Limited、2000年2月24日公開)も参照する。そのシリーズの例示的化合物は、
【0019】
【化6】

である。
【0020】
型:
【0021】
【化7】

のNS3プロテアーゼ阻害剤[式中、種々の部分は、その中で定義されている]を開示している、U.S.6,608,027(Boehringer Ingelheim、Canada)も参照する。
【0022】
C型肝炎の現在の療法は、インターフェロン−α(INFα)ならびにリバビリンおよびインターフェロンとの併用療法を含む。例えば、非特許文献15を参照されたい。これらの療法は、低い持続性奏功率(sustained response rate)および頻繁な副作用を欠点としてもつ。例えば、非特許文献16を参照されたい。現在のところ、HCV感染症に利用可能なワクチンはない。
【0023】
C型肝炎ウイルスのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としての、下記一般式:
【0024】
【化8】

(Rはその中で定義されている)のいくつかの化合物を開示している、2001年10月11日に公開された特許文献11(譲受人:Vertex Pharmaceuticals Inc)をさらに参照する。上述の特許文献11において開示されている特定の化合物は、下記式:
【0025】
【化9】

を有する。
【0026】
PCT公報の特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23、特許文献24、特許文献25、特許文献26、特許文献27、特許文献28および特許文献29は、各種のペプチドおよび/またはC型肝炎ウイルスのNS−3セリンプロテアーゼ阻害剤としての他の化合物を開示している。それらの出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】国際公開第89/04669号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第381216号明細書
【特許文献3】国際公開第98/14181号パンフレット
【特許文献4】国際公開第98/17679号パンフレット
【特許文献5】国際公開第98/17679号パンフレット
【特許文献6】国際公開第98/22496号パンフレット
【特許文献7】国際公開第99/07734号パンフレット
【特許文献8】国際公開第00/59929号パンフレット
【特許文献9】国際公開第00/09558号パンフレット
【特許文献10】国際公開第00/09543号パンフレット
【特許文献11】国際公開第01/74768号パンフレット
【特許文献12】国際公開第01/77113号パンフレット
【特許文献13】国際公開第01/081325号パンフレット
【特許文献14】国際公開第02/08198号パンフレット
【特許文献15】国際公開第02/08256号パンフレット
【特許文献16】国際公開第02/08187号パンフレット
【特許文献17】国際公開第02/08244号パンフレット
【特許文献18】国際公開第02/48172号パンフレット
【特許文献19】国際公開第02/08251号パンフレット
【特許文献20】国際公開第03/062265号パンフレット
【特許文献21】国際公開第05/085275号パンフレット
【特許文献22】国際公開第05/087721号パンフレット
【特許文献23】国際公開第05/087725号パンフレット
【特許文献24】国際公開第05/085242号パンフレット
【特許文献25】国際公開第05/087731号パンフレット
【特許文献26】国際公開第05/058821号パンフレット
【特許文献27】国際公開第05/087730号パンフレット
【特許文献28】国際公開第05/085197号パンフレット
【特許文献29】国際公開第06/026352号パンフレット
【非特許文献】
【0028】
【非特許文献1】Pizziら(1994年)、Proc. Natl. Acad. Sci (USA)91巻、888〜892頁、
【非特許文献2】Faillaら(1996年)、Folding & Design、1巻、35〜42頁
【非特許文献3】Kollykhalovら(1994年)、J. Virol.、68巻、7525〜7533頁
【非特許文献4】Komodaら(1994年)、J. Virol.、68巻、7351〜7357頁
【非特許文献5】Landroら(1997年)、Biochem.、36巻、9340〜9348頁
【非特許文献6】Ingallinellaら(1998年)、Biochem.、37巻、8906〜8914頁
【非特許文献7】Llinas−Brunetら(1998年)、Bioorg. Med. Chem. Lett.、8巻、1713〜1718頁
【非特許文献8】Martinら(1998年)、Biochem、37巻、11459〜11468頁
【非特許文献9】Dimasiら(1997年)、J. Virol.、71巻、7461〜7469頁
【非特許文献10】Martinら(1997年)、Protein Eng.、10巻、607〜614頁
【非特許文献11】Elzoukiら(1997年)、J. Hepat.、27巻、42〜28頁
【非特許文献12】Bio World Today、9巻、217号、4頁(1998年11月10日)
【非特許文献13】A.Marchettiら、Synlett, S1、1000〜1002頁(1999年)
【非特許文献14】W.Hanら、Bioorganic & Medicinal Chem. Lett、(2000年)、10巻、711〜713頁
【非特許文献15】Beremguerら(1998年)、Proc. Assoc. Am. Physicians、110巻、2号、98〜112頁
【非特許文献16】Hoofnagleら(1997年)、N. Engl. J. Med.、336巻、347頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
HCV感染症の新たな治療および療法が必要である。C型肝炎の1つまたは複数の症状の治療または予防または改善において有用な化合物が必要である。
【0030】
C型肝炎の1つまたは複数の症状の治療または予防または改善の方法が必要である。
【0031】
本明細書において提供される化合物を使用して、セリンプロテアーゼ、特にHCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの活性を調節する方法が必要である。
【0032】
本明細書において提供される化合物を使用して、HCVポリペプチドのプロセシングを調節する方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0033】
その多くの実施形態において、本発明は、HCVプロテアーゼの新規クラスの阻害剤、該化合物の1種または複数を含有する医薬組成物、1種または複数のそのような化合物を含む医薬製剤を調製する方法、および1種もしくは複数のそのような化合物または1種もしくは複数のそのような製剤を使用する、HCVの治療もしくは予防またはC型肝炎の症状の1つもしくは複数の改善の方法を提供する。HCVポリペプチドのHCVプロテアーゼとの相互作用を調節する方法も提供される。本明細書において提供される化合物の中でも、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼ活性を阻害する化合物が好ましい。本発明は、構造式I:
【0034】
【化10】

に示される一般構造を有する化合物
[式中、
およびRは、独立に、H、アルキル−、アルケニル−、アルキニル−、シクロアルキル−、シクロアルケニル−、ヘテロアルキル−、ヘテロシクリル−、ヘテロシクロアルケニル、アリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、アリールアルキル−、アリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキル−、ヘテロアリールアルケニル−、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、ヒドロキシル、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、ハロゲン、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、アルケニルアリールおよびアルケニルヘテロアリールであり、ここで、前記アルキル−、アルケニル−、アルキニル、シクロアルキル−、シクロアルケニル−、ヘテロアルキル−、ヘテロシクリル−、ヘテロシクロアルケニル、アリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、アリールアルキル−、アリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキル−およびヘテロアリールアルケニル−のそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、ハロゲンアリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、チオ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、スルファミド、スルホキシド、スルホン、スルホニル尿素、ヒドラジドおよびヒドロキサメートからなる群から独立に選択され、
AおよびMは、同じであっても異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素、アルコキシ、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、−COOR、−CONRから選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−およびヘテロシクロアルケニルアルケニル−のそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは部分で置換されていてもよく、各部分は、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アミノ、アリール、トリハロアルキル、ジハロアルキルおよびモノハロアルキルからなる群から独立に選択され、または
AとMが互いに結合して、上記式I中に示されている部分:
【0035】
【化11】

が、3、4、5、6、7もしくは8員のシクロアルキル、4〜8員のヘテロシクリル、6〜10員のアリールまたは5〜10員のヘテロアリールのいずれかを形成し、ここで、前記3、4、5、6、7もしくは8員のシクロアルキル、4〜8員のヘテロシクリル、6〜10員のアリールまたは5〜10員のヘテロアリールのそれぞれは、置換されていなくてもよく、またR10で置換されていてもよく、
10は、同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分であり、各部分は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、−COORおよび−CONRからなる群から独立に選択され、
は、H、アルキル−、アルケニル−、アルキニル−、シクロアルキル−、シクロアルケニル−、ヘテロアルキル−、ヘテロシクリル−、ヘテロシクロアルケニル、アリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、アリールアルキル−、アリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキル−、ヘテロアリールアルケニル−、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、ヒドロキシル、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、ハロゲン、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、アルケニルアリールおよびアルケニルヘテロアリールからなる群から独立に選択される、同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分であってよく、ここで、前記アルキル−、アルケニル−、アルキニル、シクロアルキル−、シクロアルケニル−、ヘテロアルキル−、ヘテロシクリル−、ヘテロシクロアルケニル、アリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、アリールアルキル−、アリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキル−およびヘテロアリールアルケニル−のそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、ハロゲンアリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、チオ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、スルファミド、スルホキシド、スルホン、スルホニル尿素、ヒドラジドおよびヒドロキサメートからなる群から独立に選択され、
は、H、アルキル−、アルケニル−、アルキニル−、シクロアルキル−、シクロアルケニル−、ヘテロアルキル−、ヘテロシクリル−、ヘテロシクロアルケニル、アリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、アリールアルキル−、アリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキル−、ヘテロアリールアルケニル−、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、ヒドロキシル、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、ハロゲン、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、アルケニルアリールおよびアルケニルヘテロアリールからなる群から独立に選択される、同じであっても異なっていてもよい1つまたは2つの部分であり、ここで、前記アルキル−、アルケニル−、アルキニル、シクロアルキル−、シクロアルケニル−、ヘテロアルキル−、ヘテロシクリル−、ヘテロシクロアルケニル、アリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、アリールアルキル−、アリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキル−およびヘテロアリールアルケニル−のそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、ハロゲンアリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、チオ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、スルファミド、スルホキシド、スルホン、スルホニル尿素、ヒドラジドおよびヒドロキサメートからなる群から独立に選択され、
Wは
【0036】
【化12】

であり、
Yは
【0037】
【化13】

(式中、RおよびRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、チオフェニルおよびチアゾリルからなる群から独立に選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル、チオフェニルおよびチアゾリルのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ヒドロキシル、トリハロアルキル、ジハロアルキルおよびモノハロアルキルからなる群から独立に選択され、または
およびRは、それらが結合した炭素と一緒になって、3、4、5、6、7および8員のシクロアルキル、4〜8員のヘテロシクリル、3〜8員のシクロアルケニル、4〜8員のヘテロシクロアルケニル、6〜10員のアリールまたは5〜10員のヘテロアリールのいずれかを形成し、ここで、前記3〜8員のシクロアルキル、4〜8員のヘテロシクリル、3〜8員のシクロアルケニル、4〜8員のヘテロシクロアルケニル、6〜10員のアリールまたは5〜10員のヘテロアリールのぞれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキルおよびハロゲンからなる群から独立に選択される)であり、または
Yは−O−Rであり、
Xは、
【0038】
【化14】

アルキル、アルケニルおよびアルキニルからなる群から選択され、ここで、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニルのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキルおよびハロゲンからなる群から独立に選択され、
VおよびRは、水素アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニルからなる群から独立に選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロアルキル、シクロアルキルおよびシクロアルケニルのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ヒドロキシル、トリハロアルキル、ジハロアルキルおよびモノハロアルキルからなる群から独立に選択され、または
【0039】
【化15】


【0040】
【化16】

であり、
nは0〜5であり、
mは0〜4である]
を開示する。
【0041】
代替として、別の実施形態において、Xは、
【0042】
【化17】

[式中、TおよびTは、同じであっても異なっていてもよく、それぞれ独立に、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ハロ、アミノ、アルキルアミノ−、アルキルチオ−、アミドまたはカルバメート尿素から選択される]からなる群から選択してもよい。
【0043】
式Iで表される化合物は、単独で、または本明細書において開示されている1種もしくは複数の他の適切な作用物質と組み合わせて、例えば、HCV、HIV、AIDS(後天性免疫不全症候群)および関連障害等の疾患を治療するため、ならびに、C型肝炎ウイルス(HCV)プロテアーゼの活性を調節し、HCVを予防し、またはC型肝炎の1つもしくは複数の症状を改善するために有用となり得る。そのような調節、治療、予防または改善は、本発明の化合物およびそのような化合物を含む医薬組成物または製剤によって為され得る。理論に限定されることなく、HCVプロテアーゼはNS3またはNS4aプロテアーゼであってよいと考えられている。本発明の化合物は、そのようなプロテアーゼを阻害することができる。本発明の化合物は、C型肝炎ウイルス(HCV)ポリペプチドのプロセシングを調節することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0044】
一実施形態において、本発明は、構造式Iによって表される化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステル[式中、種々の部分は上記で定義された通りである]を開示する。
【0045】
別の実施形態において、式I中、Rはシクロアルキルであり、Rは水素である。
【0046】
別の実施形態において、式I中、Rはシクロプロピルまたはアリルであり、Rは水素である。
【0047】
別の実施形態において、式I中、RおよびRはそれぞれ水素である。
【0048】
別の実施形態において、式I中、Rはアルキルであり、Rは水素である。
【0049】
別の実施形態において、式I中、Rはエチルであり、Rは水素である。
【0050】
別の実施形態において、式I中、Rはシクロアルキルアルキルであり、Rは水素である。
【0051】
別の実施形態において、式I中、Rはシクロプロピルメチルであり、Rは水素である。
【0052】
別の実施形態において、式I中、部分
【0053】
【化18】

中の環は非置換シクロブチルである。
【0054】
別の実施形態において、式I中、部分
【0055】
【化19】

中の環は非置換シクロプロピルである。
【0056】
別の実施形態において、式I中、部分
【0057】
【化20】


【0058】
【化21】

である。
【0059】
別の実施形態において、式I中、部分
【0060】
【化22】


【0061】
【化23】

である。
【0062】
別の実施形態において、式I中、部分
【0063】
【化24】


【0064】
【化25】

である。
【0065】
別の実施形態において、式I中、部分
【0066】
【化26】


【0067】
【化27】

である。
【0068】
別の実施形態において、式I中、部分
【0069】
【化28】


【0070】
【化29】

である。
【0071】
別の実施形態において、式I中、部分
【0072】
【化30】


【0073】
【化31】

である。
【0074】
別の実施形態において、式I中、部分
【0075】
【化32】


【0076】
【化33】

である。
【0077】
別の実施形態において、式I中、部分
【0078】
【化34】

中の環はプロパ−2−イニルシクロプロピルである。
【0079】
別の実施形態において、式I中、部分
【0080】
【化35】

中の環は3−ビニルシクロブチルである。
【0081】
別の実施形態において、式I中、部分
【0082】
【化36】

中の環は3,3−ジフルオロシクロブチルである。
【0083】
別の実施形態において、式I中、部分
【0084】
【化37】

中の環は3−メチレンシクロブチルである。
【0085】
別の実施形態において、式I中、部分
【0086】
【化38】

中の環は3−ヒドロキシルシクロブチルである。
【0087】
別の実施形態において、式I中、部分
【0088】
【化39】

中の環は3−ベンジルオキシシクロブチルである。
【0089】
別の実施形態において、式I中、部分
【0090】
【化40】

中の環は3−シクロブチロン(cyclobutylone)である。
【0091】
別の実施形態において、式I中、部分
【0092】
【化41】

中の環は3−エチルシクロブチルである。
【0093】
別の実施形態において、式I中、部分
【0094】
【化42】

中の環は3−メチルシクロブチルである。
【0095】
別の実施形態において、式I中、部分
【0096】
【化43】

中の環は3−プロピルシクロブチルである。
【0097】
別の実施形態において、式I中、部分
【0098】
【化44】

中の環は2−メチルシクロプロピルである。
【0099】
別の実施形態において、式I中、部分
【0100】
【化45】


【0101】
【化46】

である。
【0102】
別の実施形態において、式I中、部分
【0103】
【化47】


【0104】
【化48】

である。
【0105】
別の実施形態において、式I中、部分
【0106】
【化49】

中の環は3−メチルシクロブチルである。
【0107】
別の実施形態において、式I中、部分
【0108】
【化50】


【0109】
【化51】

である。
【0110】
別の実施形態において、式I中、部分
【0111】
【化52】


【0112】
【化53】

である。
【0113】
別の実施形態において、式I中、部分
【0114】
【化54】


【0115】
【化55】

である。
【0116】
別の実施形態において、式I中、部分
【0117】
【化56】

中の環は2−ビニル−シクロプロピルである。
【0118】
別の実施形態において、式I中、部分
【0119】
【化57】

中の環は2−アリル−シクロプロピルである。
【0120】
別の実施形態において、式I中、部分
【0121】
【化58】

中の環は2−プロパ−2−イニル−シクロプロピルである。
【0122】
別の実施形態において、AとMが互いに結合して、上記式I中に示されている部分:
【0123】
【化59】

が、R10で置換されているシクロプロピルを形成し、ここで、R10は、H、Me、Cl、BrおよびFからなる群から独立に選択される、同じであっても異なっていてもよい1つまたは2つの部分である。
【0124】
別の実施形態において、AとMが互いに結合して、上記式I中に示されている部分:
【0125】
【化60】

が、2個のメチル基で置換されているシクロプロピルを形成する。
【0126】
別の実施形態において、式I中、Rはアルキルである。
【0127】
別の実施形態において、式I中、Rは三級ブチルである。
【0128】
別の実施形態において、式I中、Rはシクロアルキルである。
【0129】
別の実施形態において、式I中、Rはシクロヘキシルである。
【0130】
別の実施形態において、式I中、Rは1−メチルシクロヘキシルである。
【0131】
別の実施形態において、式I中、Rは2−インダニルである。
【0132】
別の実施形態において、式I中、Wは
【0133】
【化61】

である。
【0134】
別の実施形態において、式I中、Yは
【0135】
【化62】

[式中、RおよびRは、独立に、水素またはアルキルである]である。
【0136】
別の実施形態において、式I中、Yは
【0137】
【化63】

[式中、Rは水素であり、Rは三級ブチルである]である。
【0138】
別の実施形態において、式I中、Yは
【0139】
【化64】

[式中、RおよびRはそれぞれメチルである]である。
【0140】
別の実施形態において、式I中、Yは
【0141】
【化65】

[式中、RおよびRは、それらが結合した炭素と一緒になって、シクロヘキシルを形成する]である。
【0142】
別の実施形態において、式I中、Xは
【0143】
【化66】

[式中、Vは三級ブチルである]である。
【0144】
別の実施形態において、式I中、Xは
【0145】
【化67】

[式中、Vはメチルであり、Rはメチルである]である。
【0146】
別の実施形態において、式I中、Xは
【0147】
【化68】

[式中、Vは三級ブチルであり、Rはメチルである]である。
【0148】
別の実施形態において、式I中、Xは
【0149】
【化69】

[式中、各Rはメチルである]である。
【0150】
別の実施形態において、式I中、Xは
【0151】
【化70】

[式中、mは1である]である。
【0152】
別の実施形態において、式I中、Xはアルキルである。
【0153】
別の実施形態において、式I中、Xはメチルである。
【0154】
別の実施形態において、式I中、Yは−O−アルキルである。
【0155】
別の実施形態において、式I中、Yは−O−三級ブチルである。
【0156】
以下に示す、同じ実施形態について複数の変数を表す部分が列挙されているすべての実施形態において、各変数は、互いに独立に選択されるものとしてみなされるべきである。
【0157】
別の実施形態において、本発明は、式:
【0158】
【化71】

の化合物
[式中、可変部分は独立に選択され、さらに、
およびRは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルケニルアルケニル−、シクロアルキルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル−、ヘテロアリールアルケニル−、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、アルコキシカルボニル−、ヒドロキシ、ハロ、アミノであり、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルケニルアルケニル−、シクロアルキルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、アリール、アリールアルキル−、アリールアルケニル−、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル−、ヘテロアリールアルケニル−、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、アルキルオキシカルボニル−、ヒドロキシおよびアミノのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは部分で置換されていてもよく、各部分は、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アミノ、アリール、トリハロアルキル、ジハロアルキルおよびモノハロアルキルからなる群から独立に選択され、
AおよびMは、同じであっても異なっていてもよく、それぞれ独立に、アルコキシ、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、−COOR、−CONRから選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−およびヘテロシクロアルケニルアルケニル−のそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは部分で置換されていてもよく、各部分は、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アミノ、アリール、トリハロアルキル、ジハロアルキルおよびモノハロアルキルからなる群から独立に選択され、または
AとMが互いに結合して、上記に示されている部分:
【0159】
【化72】

が、3、4、5、6、7もしくは8員のシクロアルキル、4〜8員のヘテロシクリル、6〜10員のアリールまたは5〜10員のヘテロアリールのいずれかを形成し、ここで、前記3、4、5、6、7もしくは8員のシクロアルキル、4〜8員のヘテロシクリル、6〜10員のアリールまたは5〜10員のヘテロアリールのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、−COORおよび−CONRからなる群から独立に選択され、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、トリハロアルキル、ジハロアルキル、モノハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、ハロ、アミノ、アルキルオキシカルボニル−、アリールオキシカルボニル−、アリールアルコキシルおよびアルコキシからなる群から独立に選択される、同じであっても異なっていてもよい少なくとも1つの部分であり、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、トリハロアルキル、ジハロアルキル、モノハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヘテロシクリル、アリールアルコキシルおよびアルコキシのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アミノ、アリール、トリハロアルキル、ジハロアルキルおよびモノハロアルキルからなる群から独立に選択され、
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−およびアリールアルケニルからなる群から独立に選択される、同じであっても異なっていてもよい1つまたは2つの部分であり、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−またはアリールアルケニルのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニルおよびアルキニルからなる群から独立に選択され、
Wは
【0160】
【化73】

であり、
Yは
【0161】
【化74】

(式中、RおよびRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、チオフェニルおよびチアゾリルからなる群から独立に選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル、チオフェニルおよびチアゾリルのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ヒドロキシル、トリハロアルキル、ジハロアルキルおよびモノハロアルキルからなる群から独立に選択され、または
およびRは、それらが結合した炭素と一緒になって、3〜8員のシクロアルキル、4〜8員のヘテロシクリル、3〜8員のシクロアルケニル、4〜8員のヘテロシクロアルケニル、6〜10員のアリールまたは5〜10員のヘテロアリールのいずれかを形成し、ここで、前記3〜8員のシクロアルキル、4〜8員のヘテロシクリル、3〜8員のシクロアルケニル、4〜8員のヘテロシクロアルケニル、6〜10員のアリールまたは5〜10員のヘテロアリールのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキルおよびハロゲンからなる群から独立に選択される)であり、または
Yは−O−Rであり、
Xは、
【0162】
【化75】

アルキル、アルケニルおよびアルキニルからなる群から選択され、ここで、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニルのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキルおよびハロからなる群から独立に選択され、
VおよびRは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニルからなる群から独立に選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロアルキル、シクロアルキルおよびシクロアルケニルのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ヒドロキシル、トリハロアルキル、ジハロアルキルおよびモノハロアルキルからなる群から独立に選択され、または
部分
【0163】
【化76】


【0164】
【化77】

であり、
nは0〜5であり、
mは0〜4である]
を開示する。
【0165】
別の実施形態において、本発明は、式:
【0166】
【化78】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステル[式中、可変部分は独立に選択され、さらに、Rは存在しないか、またはRは、エチル、メチル、プロピル、ビニル、フルオロおよびメチレンからなる群から独立に選択される1つまたは複数の部分であり、
Yは
【0167】
【化79】

(式中、Rは三級ブチルであり、Rは水素である)であり、Xは
【0168】
【化80】

である]
を開示する。
【0169】
別の実施形態において、本発明は、式:
【0170】
【化81】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステル[式中、可変部分は独立に選択され、さらに、Rは存在しないか、またはRは、エチル、プロピル、ビニル、フルオロ、メチレン、ベンジルオキシル、ヒドロキシルおよび
【0171】
【化82】

からなる群から独立に選択される1つまたは複数の部分であり、
Yは
【0172】
【化83】

(式中、RおよびRは、それらが結合した炭素と一緒になって、シクロヘキシルを形成する)であり、Xは
【0173】
【化84】

(式中、Vは三級ブチルである)である]
を開示する。
【0174】
別の実施形態において、本発明は、式:
【0175】
【化85】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステル[式中、可変部分は独立に選択され、さらに、Rは存在せず、
Yは
【0176】
【化86】

(式中、Rは三級ブチルであり、Rは水素である)であり、Xは
【0177】
【化87】

(式中、Vは三級ブチルであり、Rはメチルである)である]
を開示する。
【0178】
別の実施形態において、本発明は、式:
【0179】
【化88】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステル[式中、可変部分は独立に選択され、さらに、Rはフルオロまたはエチルであり、
Yは
【0180】
【化89】

(式中、RおよびRは、それらが結合した炭素と一緒になって、シクロヘキシルを形成する)であり、Xは
【0181】
【化90】

(式中、Vは三級ブチルであり、Rはメチルである)である]
を開示する。
【0182】
別の実施形態において、本発明は、式:
【0183】
【化91】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステル[式中、可変部分は独立に選択され、さらに、Rはフルオロまたはエチルであり、
Yは
【0184】
【化92】

(式中、RおよびRは、それらが結合した炭素と一緒になって、シクロヘキシルを形成する)であり、Xは
【0185】
【化93】

(式中、Vは三級ブチルであり、Rはメチルである)である]
を開示する。
【0186】
別の実施形態において、本発明は、式:
【0187】
【化94】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステル[式中、可変部分は独立に選択され、さらに、Rは、メチル、エチル、フルオロまたはプロピルであり、
Yは−O−R(式中、Rは三級ブチルである)である]を開示する。
【0188】
別の実施形態において、本発明は、式:
【0189】
【化95】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステル[式中、Rは、H、エチル、シクロプロピルまたはシクロプロピルメチルであり、Rは存在しないか、またはRは、エチル、プロピル、メチル、アリル、ビニル、シクロプロピルメチルまたはプロパ−2−イニルであり、Rは三級ブチルまたはシクロヘキシルであり、
Yは
【0190】
【化96】

(式中、RおよびRは、それらが結合した炭素と一緒になって、シクロヘキシルを形成する)であり、Xは
【0191】
【化97】

(式中、Vは三級ブチルである)である]
を開示する。
【0192】
別の実施形態において、本発明は、式:
【0193】
【化98】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステル[式中、可変部分は独立に選択され、さらに、Rは、シクロプロピル、シクロプロピルメチルまたはエチルであり、Rは、メチル、エチル、プロピルまたはメチルであり、Rは、三級ブチル、1−メチルシクロヘキシルまたは
【0194】
【化99】

であり、
Yは
【0195】
【化100】

(式中、RおよびRは、それらが結合した炭素と一緒になって、シクロヘキシルを形成する)であり、Xは
【0196】
【化101】

(式中、Vは三級ブチルであり、Rはメチルである)である]
を開示する。
【0197】
別の実施形態において、本発明は、式:
【0198】
【化102】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステル[式中、可変部分は独立に選択され、さらに、Rはエチルであり、
Yは
【0199】
【化103】

(式中、Rは三級ブチルであり、Rは水素である)であり、Xは
【0200】
【化104】

(式中、Vはメチルであり、Rはメチルである)である]
を開示する。
【0201】
別の実施形態において、本発明は、式:
【0202】
【化105】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステル[式中、Rはシクロプロピルまたは水素であり、Rはエチルまたはプロピルであり、
Yは
【0203】
【化106】

(式中、RおよびRは、それらが結合した炭素と一緒になって、シクロヘキシルを形成する)であり、Xは
【0204】
【化107】

である]
を開示する。
【0205】
別の実施形態において、本発明は、式:
【0206】
【化108】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステル[式中、可変部分は独立に選択され、さらに、Rは、シクロプロピル、エチルまたは水素であり、Rは存在しないか、またはRは、水素、エチル、プロピル、メチル、ビニル、アリル、シクロプロピルメチル、プロパ−2−イニルであり、Rは、三級ブチル、1−メチルシクロヘキシルまたはシクロヘキシルであり、
Yは
【0207】
【化109】

(式中、Rは三級ブチルであり、Rは水素である)であり、Xは
【0208】
【化110】

である]
を開示する。
【0209】
別の実施形態において、本発明は、式:
【0210】
【化111】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステル[式中、可変部分は独立に選択され、さらに、Rはエチルであり、
Yは
【0211】
【化112】

(式中、Rはメチルであり、Rはメチルである)であり、Xはメチルである]
を開示する。
【0212】
優れたHCVプロテアーゼ阻害活性を呈する本発明の代表的な化合物を、本明細書の表2において、HCV連続アッセイにおけるそれらの生物活性(ナノモル、nMのKi値の範囲)とともに後に列挙する。
【0213】
さらなる実施形態において、本発明は、表1中の下記化合物を開示する。
【0214】
【表1−1】

【0215】
【表1−2】

【0216】
【表1−3】

【0217】
【表1−4】

【0218】
【表1−5】

【0219】
【表1−6】

【0220】
【表1−7】

【0221】
【表1−8】

【0222】
【表1−9】

【0223】
【表1−10】

【0224】
【表1−11】

上記および本開示全体を通して使用される場合、下記用語は、別段の指示がない限り、下記意味を有すると理解するものとする。
【0225】
上記および本開示全体を通して使用される場合、下記用語は、別段の指示がない限り、下記意味を有すると理解するものとする。
【0226】
「患者」は、ヒトおよび動物の両方を含む。
【0227】
「哺乳動物」は、ヒトおよび他の哺乳類の動物を意味する。
【0228】
「アルキル」は、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、鎖中に約1〜約20個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約12個の炭素原子を含有する。より好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約6個の炭素原子を含有する。分岐は、メチル、エチルまたはプロピル等の1個または複数の低級アルキル基が、直鎖アルキル鎖に結合していることを意味する。「低級アルキル」は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい、鎖中に約1〜約6個の炭素原子を有する基を意味する。「アルキル」は、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1個または複数の置換基により場合によって置換されていてもよく、各置換基は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、アルキルチオ、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)、カルボキシおよび−C(O)O−アルキルからなる群から独立に選択される。適切なアルキル基の非限定的な例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルを含む。
【0229】
「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有し、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、鎖中に約2〜約15個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は、鎖中に約2〜約12個の炭素原子を有し、より好ましくは、鎖中に約2〜約6個の炭素原子を有する。分岐は、メチル、エチルまたはプロピル等の1個または複数の低級アルキル基が、直鎖アルケニル鎖に結合していることを意味する。「低級アルケニル」は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい、鎖中の約2〜約6個の炭素原子を意味する。「アルケニル」は、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1個または複数の置換基により場合によって置換されていてもよく、各置換基は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、アルコキシおよび−S(アルキル)からなる群から独立に選択される。適切なアルケニル基の非限定的な例は、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブト−2−エニル、n−ペンテニル、オクテニルおよびデセニルを含む。
【0230】
「アルキレン」は、上記で定義されたアルキル基からの水素原子の除去によって得られる二官能基を意味する。アルキレンの非限定的な例は、メチレン、エチレンおよびプロピレンを含む。
【0231】
「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含有し、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、鎖中に約2〜約15個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキニル基は、鎖中に約2〜約12個の炭素原子を有し、より好ましくは、鎖中に約2〜約4個の炭素原子を有する。分岐は、メチル、エチルまたはプロピル等の1個または複数の低級アルキル基が、直鎖アルキニル鎖に結合していることを意味する。「低級アルキニル」は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい、鎖中の約2〜約6個の炭素原子を意味する。適切なアルキニル基の非限定的な例は、エチニル、プロピニル、2−ブチニルおよび3−メチルブチニルを含む。「アルキニル」は、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1個または複数の置換基により場合によって置換されていてもよく、各置換基は、アルキル、アリールおよびシクロアルキルからなる群から独立に選択される。
【0232】
「アリール」は、約6〜約14個の炭素原子、好ましくは約6〜約10個の炭素原子を含む芳香族の単環式または多環式環系を意味する。アリール基は、同じであっても異なっていてもよい、本明細書において定義されている通りの1個または複数の「環系置換基」で場合によって置換されていてよい。適切なアリール基の非限定的な例は、フェニルおよびナフチルを含む。
【0233】
「ヘテロアリール」は、約5〜約14個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含む芳香族の単環式または多環式環系を意味し、ここで、該環原子の1個または複数は、炭素以外の元素、例えば、単独でまたは組合せで、窒素、酸素または硫黄である。好ましいヘテロアリールは、約5〜約6個の環原子を含有する。「ヘテロアリール」は、同じであっても異なっていてもよい、本明細書において定義されている通りの1個または複数の「環系置換基」で場合によって置換されていてよい。ヘテロアリール語幹名(root name)の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、少なくとも窒素、酸素または硫黄原子が、それぞれ環原子として存在していることを意味する。ヘテロアリールの窒素原子は、対応するN−オキシドに場合によって酸化されていてよい。「ヘテロアリール」は、上記で定義された通りのアリールと縮合した上記で定義された通りのヘテロアリールも含み得る。適切なヘテロアリールの非限定的な例は、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリドン(N置換ピリドン類を含む)、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、オキシインドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル等を含む。「ヘテロアリール」という用語は、例えば、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル等の部分飽和のヘテロアリール部分も指す。
【0234】
「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アリールおよびアルキルが前述の通りであるアリール−アルキル−基を意味する。好ましいアラルキルは、低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の非限定的な例は、ベンジル、2−フェネチルおよびナフタレニルメチルを含む。親部分との結合は、アルキルを介する。
【0235】
「アルキルアリール」は、アルキルおよびアリールが前述の通りであるアルキル−アリール−基を意味する。好ましいアルキルアリールは、低級アルキル基を含む。適切なアルキルアリール基の非限定的な例は、トリルである。親部分との結合は、アリールを介する。
【0236】
「シクロアルキル」は、約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含む非芳香族の単環式または多環式環系を意味する。好ましいシクロアルキル環は、約5〜約7個の環原子を含有する。シクロアルキルは、同じであっても異なっていてもよい、上記で定義されている通りの1個または複数の「環系置換基」で場合によって置換されていてよい。適切な単環式シクロアルキルの非限定的な例は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等を含む。適切な多環式シクロアルキルの非限定的な例は、1−デカリニル、ノルボルニル、アダマンチル等を含む。
【0237】
「シクロアルキルアルキル」は、アルキル部分(上記で定義されたもの)を介して親核と連結している上記で定義された通りのシクロアルキル部分を意味する。適切なシクロアルキルアルキルの非限定的な例は、シクロヘキシルメチル、アダマンチルメチル等を含む。
【0238】
「シクロアルキルアルケニル」は、アルケニル部分(上記で定義されたもの)を介して親核と連結している上記で定義された通りのシクロアルキル部分を意味する。
【0239】
「シクロアルケニル」または「シクロアルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有する、約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含む非芳香族の単環式または多環式環系を意味する。好ましいシクロアルケニル環は、約5〜約7個の環原子を含有する。シクロアルケニルは、同じであっても異なっていてもよい、上記で定義されている通りの1個または複数の「環系置換基」で場合によって置換されていてよい。適切な単環式シクロアルケニルの非限定的な例は、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプタ−1,3−ジエニル等を含む。適切な多環式シクロアルケニルの非限定的な例は、ノルボルニレニルである。
【0240】
「シクロアルケニルアルキル」または「シクロアルケニルアルキル」は、アルキル部分(上記で定義されたもの)を介して親核と連結している上記で定義された通りのシクロアルケニルまたはシクロアルケニル部分を意味する。適切なシクロアルケニルアルキルの非限定的な例は、シクロペンテニルメチル、シクロヘキセニルメチル等を含む。
【0241】
「シクロアルケニルアルケニル」または「シクロアルケニルアルケニル」は、アルケニル部分(上記で定義されたもの)を介して親核と連結している上記で定義された通りのシクロアルケニルまたはシクロアルケニル部分を意味する。
【0242】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。フッ素、塩素および臭素が好ましい。
【0243】
「環系置換基」は、例えば、環系上の利用可能な水素を置き換える芳香族または非芳香族の環系と結合している置換基を意味する。環系置換基は、同じであっても異なっていてもよく、それぞれ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アルコキシアルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−C(=N−CN)−NH、−C(=NH)−NH、−C(=NH)−NH(アルキル)、YN−、YN−アルキル−、YNC(O)−、YNSO−および−SONYからなる群から独立に選択され、ここで、YおよびYは、同じであっても異なっていてもよく、水素、アルキル、アリール、シクロアルキルおよびアラルキルからなる群から独立に選択される。「環系置換基」は、環系上の2個の隣接する炭素原子上の2個の利用可能な水素(各炭素上の1個のH)を同時に置き換える単一部分も意味し得る。そのような部分の例は、例えば
【0244】
【化113】

等の部分を形成する、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、−C(CH−等である。
【0245】
「ヘテロアルキル」は、炭素および少なくとも1個のヘテロ原子を含有する飽和鎖または不飽和鎖であり、ここで、該鎖原子の1個または複数は、炭素以外の元素、例えば、単独でまたは組合せで、2つのヘテロ原子が隣接していない、窒素、酸素または硫黄である。ヘテロアルキル鎖は、鎖中に2〜15員、好ましくは2〜10員、より好ましくは2〜5員の原子(炭素およびヘテロ原子)を含有する。例えば、アルコキシ(すなわち、−O−アルキルまたは−O−ヘテロアルキル)基がヘテロアルキルに含まれる。ヘテロアルキル鎖は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。好ましい分岐鎖ヘテロアルキルは、1つまたは2つの分岐、好ましくは1つの分岐を有する。好ましいヘテロアルキルは、飽和している。不飽和ヘテロアルキルは、1個もしくは複数の炭素−炭素二重結合および/または1個もしくは複数の炭素−炭素三重結合を有する。好ましい不飽和ヘテロアルキルは、1もしくは2個の二重結合または1個の三重結合、より好ましくは1個の二重結合を有する。ヘテロアルキル鎖は、置換されていなくてもよく、また1〜4個の置換基で置換されていてもよい。好ましい置換ヘテロアルキルは、一、二または三置換されている。ヘテロアルキルは、低級アルキル、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、カルボキシ、単環式アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、スピロ環、アミノ、アシルアミノ、アミド、ケト、チオケト、シアノまたはこれらの任意の組合せで置換されていてよい。
【0246】
「ヘテロシクリル」または「ヘテロシクロアルキル」は、約3〜約10個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含む非芳香族の飽和単環式または多環式環系を意味し、ここで、該環系中の原子の1個または複数は、炭素以外の元素、例えば、単独でまたは組合せで、窒素、酸素または硫黄である。環系中に、隣接する酸素および/または硫黄原子は存在しない。好ましいヘテロシクリルは、約5〜約6個の環原子を含有する。ヘテロシクリル語幹名の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、少なくとも窒素、酸素または硫黄原子が、それぞれ環原子として存在していることを意味する。ヘテロシクリル環中の任意の−NHは、例えば、−N(Boc)、−N(CBz)、−N(Tos)基等として等、保護されて存在することができ、そのような保護も、本発明の一部とみなされる。ヘテロシクリルは、同じであっても異なっていてもよい、本明細書において定義されている通りの1個または複数の「環系置換基」で場合によって置換されていてよい。ヘテロシクリルの窒素または硫黄原子は、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドに場合によって酸化されていてよい。適切な単環式ヘテロシクリル環の非限定的な例は、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ラクタム、ラクトン等を含む。「ヘテロシクリル」は、環系上の同じ炭素原子上の2個の利用可能な水素を同時に置き換える単一部分(例えば、カルボニル)も意味し得る。そのような部分の例は、ピロリドン:
【0247】
【化114】

である。
【0248】
「ヘテロシクリルアルキル」または「ヘテロシクロアルキルアルキル」は、アルキル部分(上記で定義されたもの)を介して親核と連結している上記で定義された通りのヘテロシクリル部分を意味する。適切なヘテロシクリルアルキルの非限定的な例は、ピペリジニルメチル、ピペラジニルメチル等を含む。
【0249】
「ヘテロシクリルアルケニル」または「ヘテロシクロアルキルアルケニル」は、アルケニル部分(上記で定義されたもの)を介して親核と連結している上記で定義された通りのヘテロシクリル部分を意味する。
【0250】
「ヘテロシクロアルケニル」または「ヘテロシクロアルケニル」は、約3〜約15個の環原子、好ましくは約5〜約14個の環原子を含む非芳香族の単環式または多環式環系を意味し、ここで、該環系中の原子の1個または複数は、炭素以外の元素、例えば、単独でまたは組合せで、窒素、酸素または硫黄原子であり、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または炭素−窒素二重結合を含有する。環系中に、隣接する酸素および/または硫黄原子は存在しない。好ましいヘテロシクロアルケニル環は、約5〜約13個の環原子を含有する。ヘテロシクロアルケニル語幹名の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、少なくとも窒素、酸素または硫黄原子が、それぞれ環原子として存在していることを意味する。ヘテロシクロアルケニルは、1個または複数の環系置換基により場合によって置換されていてよく、ここで、「環系置換基」は上記で定義された通りである。ヘテロシクロアルケニルの窒素または硫黄原子は、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドに場合によって酸化されていてよい。適切なヘテロシクロアルケニル基の非限定的な例は、1,2,3,4−テトラヒドロピリジニル、1,2−ジヒドロピリジニル、1,4−ジヒドロピリジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、2−イミダゾリニル、2−ピラゾリニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、ジヒドロフラニル、フルオロジヒドロフラニル、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロチオピラニル等を含む。「ヘテロシクロアルケニル」は、環系上の同じ炭素原子上の2個の利用可能な水素を同時に置き換える単一部分(例えば、カルボニル)も意味し得る。そのような部分の例は、ピロリジノン:
【0251】
【化115】

である。
【0252】
「ヘテロシクロアルケニルアルキル」は、アルキル部分(上記で定義されたもの)を介して親核と連結している上記で定義された通りのヘテロシクロアルケニル部分を意味する。
【0253】
「ヘテロシクロアルケニルアルケニル」は、アルケニル部分(上記で定義されたもの)を介して親核と連結している上記で定義された通りのヘテロシクロアルケニル部分を意味する。
【0254】
本発明のヘテロ原子含有環系において、N、OまたはSに隣接する炭素原子上にヒドロキシル基はなく、同様に、別のヘテロ原子に隣接する炭素上にはN基もS基もないことに留意すべきである。したがって、例えば、環:
【0255】
【化116】

中に、2および5とマークされた炭素と直接結合している−OHはない。
【0256】
例えば、部分:
【0257】
【化117】

等の互変異性形態は、本発明のいくつかの実施形態において均等物とみなされることにも留意すべきである。
【0258】
「アルキニルアルキル」は、アルキニルおよびアルキルが前述の通りであるアルキニル−アルキル−基を意味する。好ましいアルキニルアルキルは、低級アルキニルおよび低級アルキル基を含有する。親部分との結合は、アルキルを介する。適切なアルキニルアルキル基の非限定的な例は、プロパルギルメチルを含む。
【0259】
「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールおよびアルキルが前述の通りであるヘテロアリール−アルキル−基を意味する。好ましいヘテロアラルキルは、低級アルキル基を含有する。適切なアラルキル基の非限定的な例は、ピリジルメチルおよびキノリン−3−イルメチルを含む。親部分との結合は、アルキルを介する。
【0260】
「ヒドロキシアルキル」は、アルキルが先に定義された通りであるHO−アルキル−基を意味する。好ましいヒドロキシアルキルは、低級アルキルを含有する。適切なヒドロキシアルキル基の非限定的な例は、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルを含む。
【0261】
「スピロ環系」は、1個の共通の原子によって連結された2個以上の環を有する。好ましいスピロ環系は、スピロヘテロアリール、スピロヘテロシクロアルケニル、スピロヘテロシクリル、スピロシクロアルキル、スピロシクロアルケニルおよびスピロアリールを含む。適切なスピロ環系の非限定的な例は、
【0262】
【化118】

スピロ[4.5]デカン、
【0263】
【化119】

8−アザスピロ[4.5]デカ−2−エンおよび
【0264】
【化120】

スピロ[4.4]ノナ−2,7−ジエンを含む。
【0265】
「アシル」は、種々の基が前述の通りであるH−C(O)−、アルキル−C(O)−またはシクロアルキル−C(O)−基を意味する。親部分との結合は、カルボニルを介する。好ましいアシルは、低級アルキルを含有する。適切なアシル基の非限定的な例は、ホルミル、アセチルおよびプロパノイルを含む。
【0266】
「アロイル」は、アリール基が前述の通りであるアリール−C(O)−基を意味する。親部分との結合は、カルボニルを介する。適切な基の非限定的な例は、ベンゾイルおよび1−ナフトイルを含む。
【0267】
「アルコキシ」は、アルキル基が前述の通りであるアルキル−O−基を意味する。適切なアルコキシ基の非限定的な例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびn−ブトキシを含む。親部分との結合は、エーテル酸素を介する。別のアルコキシと直接連結しているアルコキシは、「アルコキシアルコキシ」である。
【0268】
「アリールオキシ」は、アリール基が前述の通りであるアリール−O−基を意味する。適切なアリールオキシ基の非限定的な例は、フェノキシおよびナフトキシを含む。親部分との結合は、エーテル酸素を介する。
【0269】
「アラルキルオキシ」は、アラルキル基が前述の通りであるアラルキル−O−基を意味する。適切なアラルキルオキシ基の非限定的な例は、ベンジルオキシおよび1−または2−ナフタレンメトキシを含む。親部分との結合は、エーテル酸素を介する。
【0270】
「アルキルチオ」または「チオアルコキシ」は、アルキル基が前述の通りであるアルキル−S−基を意味する。適切なアルキルチオ基の非限定的な例は、メチルチオおよびエチルチオを含む。親部分との結合は、硫黄を介する。
【0271】
「アリールチオ」は、アリール基が前述の通りであるアリール−S−基を意味する。適切なアリールチオ基の非限定的な例は、フェニルチオおよびナフチルチオを含む。親部分との結合は、硫黄を介する。
【0272】
「アラルキルチオ」は、アラルキル基が前述の通りであるアラルキル−S−基を意味する。適切なアラルキルチオ基の非限定的な例は、ベンジルチオである。親部分との結合は、硫黄を介する。
【0273】
「アルコキシカルボニル」は、アルキル−O−CO−基を意味する。適切なアルコキシカルボニル基の非限定的な例は、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルを含む。親部分との結合は、カルボニルを介する。
【0274】
「アリールオキシカルボニル」は、アリール−O−C(O)−基を意味する。適切なアリールオキシカルボニル基の非限定的な例は、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルを含む。親部分との結合は、カルボニルを介する。
【0275】
「アラルコキシカルボニル」は、アラルキル−O−C(O)−基を意味する。適切なアラルコキシカルボニル基の非限定的な例は、ベンジルオキシカルボニルである。親部分との結合は、カルボニルを介する。
【0276】
「アルキルスルホニル」は、アルキル−S(O)−基を意味する。好ましい基は、アルキル基が低級アルキルであるものである。親部分との結合は、スルホニルを介する。
【0277】
「アリールスルホニル」は、アリール−S(O)−基を意味する。親部分との結合は、スルホニルを介する。
【0278】
「置換されている」という用語は、指定された原子上の1個または複数の水素が、示されている基からの選択物で置き換えられている(但し、現状下で指定された原子の正常な価数を超えない)ことおよび置換が安定化合物をもたらすことを意味する。置換基および/または変数の組合せは、そのような組合せが安定化合物をもたらす場合にのみ容認できる。「安定化合物」または「安定構造」は、反応混合物から有用な純度までの単離および効果的な治療剤への配合に耐え抜くのに十分強固な化合物を意味する。
【0279】
「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」という用語は、置換基、化合物、組合せ剤等の数を示す場合、文脈に応じて、存在しているかまたは添加される少なくとも1つおよび最大数までの化学的および物理的に容認できる置換基、化合物、組合せ剤等を指す。そのような技術および知識は、当業者の技量の範囲内で周知である。
【0280】
「場合によって置換されている」という用語は、規定の基、ラジカルまたは部分での場合による置換を意味する。
【0281】
化合物についての「単離された」または「単離形態で」という用語は、合成過程もしくは天然源またはこれらの組合せから単離された後の前記化合物の物理的状態を指す。化合物についての「精製された」または「精製形態で」という用語は、本明細書に記載されているかまたは当業者に周知の精製過程(1つまたは複数)から得られた後の、本明細書に記載されているかまたは当業者に周知の標準的な分析技術によって特徴付け可能となるのに十分な純度の前記化合物の物理的状態を指す。
【0282】
本明細書中の本文、スキーム、実施例および表における価数を満たしていない任意の炭素またはヘテロ原子は、価数を満たす水素原子(複数可)を有すると想定されていることにも留意すべきである。
【0283】
化合物中の官能基が「保護されている」と称される場合、これは、化合物が反応に付される際に、保護部位における望ましくない副反応を防止するために、該基が修飾された形態であることを意味する。適切な保護基は、当業者によって、および例えばT. W. Greeneら、Protective Groups in organic Synthesis(1991年)、Wiley、New York等の標準的な教科書の参照によって認識される。
【0284】
本発明による任意の構成要素または化合物において任意の変数(例えば、アリール、複素環、R等)が複数回出現する場合、各出現時におけるその定義は、その他すべての出現時におけるその定義とは独立している。
【0285】
本明細書において使用される場合、「組成物」という用語は、規定量の規定成分を含む生成物および規定量の規定成分の組合せに直接的または間接的に起因する任意の生成物を包含することを意図されている。
【0286】
本発明による化合物のプロドラッグおよび溶媒和物も、本明細書において企図されている。「プロドラッグ」という用語は、本明細書において用いられる場合、対象への投与時に、代謝過程または化学過程による化学変換を受けて、本発明による化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物を生じさせる薬物前駆体である化合物を表す。プロドラッグについての考察は、T. HiguchiおよびV. Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987年)、A.C.S. Symposium Seriesの14巻、ならびにBioreversible Carriers in Drug Design(1987年)、Edward B. Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressにおいて提供されており、これらはいずれも、参照により本明細書中に援用される。
【0287】
「溶媒和物」は、本発明の化合物の、1個または複数の溶媒分子との物理的結合を意味する。この物理的結合は、水素結合を含む様々な程度のイオン結合および共有結合を伴う。いくつかの事例において、例えば1個または複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合、溶媒和物は単離が可能である。「溶媒和物」は、液相および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例は、エタノレート(ethanolates)、メタノレート(methanolates)等を含む。「水和物」は、溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0288】
「有効量」または「治療有効量」は、CDK(複数可)を阻害し、それによって所望の治療効果、改善効果、阻害効果または予防効果をもたらすのに有効な、本発明の化合物または組成物の量を記述するように意図されている。
【0289】
本発明による化合物は、やはり本発明の範囲内である塩を形成することができる。本明細書における本発明による化合物への言及は、別段の指示がない限り、その塩への言及を含むものと理解される。「塩(複数可)」という用語は、本明細書において用いられる場合、無機酸および/または有機酸と形成された酸性塩ならびに無機塩基および/または有機塩基と形成された塩基性塩を表す。加えて、本発明による化合物が、ピリジンまたはイミダゾール等であるがこれらに限定されない塩基性部分およびカルボン酸等であるがこれらに限定されない酸性部分の両方を含有する場合、両性イオン(「内塩」)が形成され得、本明細書において使用される場合、「塩(複数可)」という用語内に含まれる。薬学的に許容される(すなわち、非毒性で生理的に許容される)塩が好ましいが、他の塩も有用である。本発明の化合物の塩は、例えば、本発明による化合物を、塩が沈殿するもの等の媒質中または水性媒質中、当量等、ある量の酸または塩基と反応させ、続いて凍結乾燥することによって形成できる。
【0290】
例示的な酸付加塩は、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳、樟脳スルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシレートとしても知られる)等を含む。さらに、塩基性医薬化合物からの薬学的に有用な塩の形成に適していると概してみなされる酸については、例えば、P. Stahlら、Camille G.(編)、Handbook of Pharmaceutical Salts. Properties, Selection and Use.(2002年)、Zurich: Wiley−VCH、S. Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences (1977年)、66巻、1号、1〜19頁、P. Gould、International J. of Pharmaceutics (1986年)、33巻、201〜217頁、Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996年)、Academic Press、New York、およびThe Orange Book(Food & Drug Administration、Washington, D.C.、同局のウェブサイト上にて)で考察されている。これらの開示は、参照により本明細書中に援用される。
【0291】
例示的な塩基性塩は、アンモニウム塩、ナトリウム、リチウムおよびカリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウムおよびマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミン等の有機塩基(例えば、有機アミン)との塩、およびアルギニン、リシン等のアミノ酸との塩を含む。塩基性窒素含有基は、ハロゲン化低級アルキル(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、塩化、臭化およびヨウ化エチル、ならびに塩化、臭化およびヨウ化ブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルおよび硫酸ジブチル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、塩化、臭化およびヨウ化ラウリル、ならびに塩化、臭化およびヨウ化ステアリル)、アラルキルハロゲン化物(例えば、臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)等の作用物質によって四級化することができる。
【0292】
そのような酸塩および塩基塩はすべて、本発明による範囲内の薬学的に許容される塩であることを意図されており、すべての酸塩および塩基塩は、本発明による目的のために、対応する化合物の遊離形態と同等であるとみなされる。
【0293】
本化合物の薬学的に許容されるエステルは、下記の群を含む:(1)ヒドロキシ基のエステル化によって得られるカルボン酸エステル、ここで、該エステル分類のカルボン酸部の非カルボニル部分は、直鎖または分岐鎖のアルキル(例えば、アセチル、n−プロピル、t−ブチルまたはn−ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えば、ハロゲン、C1〜4アルキルもしくはC1〜4アルコキシで場合によって置換されているフェニル、またはアミノ)から選択され、(2)アルキル−またはアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル)等のスルホン酸エステル;(3)アミノ酸エステル(例えば、L−バリルまたはL−イソロイシル);(4)ホスホン酸エステルおよび(5)一、二または三リン酸エステル。リン酸エステルは、例えば、C1〜20アルコールもしくはその反応性誘導体によって、または2,3−ジ(C6〜24)アシルグリセロールによってさらにエステル化されてもよい。
【0294】
本発明による化合物ならびにその塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグは、それらの互変異性形態で(例えば、アミドまたはイミノエーテルとして)存在し得る。そのような互変異性形態はすべて、本明細書において本発明の一部として企図されている。
【0295】
鏡像異性形態(不斉炭素の不在下であっても存在し得る)、回転異性形態、アトロプ異性体およびジアステレオマー形態を含む、種々の置換基上の不斉炭素によって存在し得る化合物等、本化合物のすべての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体等)(化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグならびにプロドラッグの塩および溶媒和物の立体異性体を含む)は、位置異性体(例えば、4−ピリジルおよび3−ピリジル等)と同様に、本発明の範囲内に企図されている。本発明による化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体が実質的になくてもよく、また、例えばラセミ体としてまたは他のすべてのもしくは他の選択された立体異性体と混合されていてもよい。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsによって定義されている通りのSまたはR配置を有し得る。「塩」、「溶媒和物」、「プロドラッグ」等の用語の使用は、本発明の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ体またはプロドラッグの塩、溶媒和物およびプロドラッグに等しく当てはまることを意図されている。
【0296】
式Iの化合物の多形形態ならびに式Iの化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグの多形形態は、本発明に含まれることを意図されている。
【0297】
本明細書において考察されている治療用途に対する本発明による化合物の有用性は、各化合物自体に、または例えばすぐ次の段落で説明されている通りの本発明による1種もしくは複数の化合物の組合せ(1つまたは複数)に適用可能であることを理解すべきである。同じ理解は、そのような化合物(1種または複数)を含む医薬組成物(複数可)およびそのような化合物(1種または複数)を伴う治療方法(複数可)にも当てはまる。
【0298】
本発明による化合物は、薬理学的特性を有し得、特に、本発明による化合物は、HCVプロテアーゼの阻害剤であってよく、本発明による各化合物自体または1種または複数の化合物を、本発明内から選択される1種または複数の化合物と組み合わせてよい。化合物(複数可)は、例えば、HCV、HIV、AIDS、後天性免疫不全症候群および関連障害等の疾患を治療するため、ならびに、C型肝炎ウイルス(HCV)プロテアーゼの活性を調節、HCVを予防またはC型肝炎の1つもしくは複数の症状を改善するために有用となり得る。
【0299】
本発明による化合物は、HCVプロテアーゼに関連する障害を治療するための薬剤の製造に使用でき、例えば、その方法は、本発明による化合物と薬学的に許容される担体とを密接に接触させるステップを含む。
【0300】
別の実施形態において、本発明は、有効成分として本発明の化合物(1つまたは複数)を含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、概して、少なくとも1種の薬学的に許容される担体希釈剤、賦形剤または担体(本明細書においては、担体物質と総称する)をさらに含む。それらのHCV阻害活性により、そのような医薬組成物は、C型肝炎および関連障害を治療する上での有用性を有する。
【0301】
さらに別の実施形態において、本発明は、有効成分として本発明の化合物を含む医薬組成物を調製するための方法を開示する。本発明の医薬組成物および方法において、有効成分は、典型的には、意図されている投与形態、すなわち、経口錠剤、カプセル(固体充填、半固体充填または液体充填のいずれか)、構成用の粉末、経口ゲル、エリキシル剤、分散性顆粒、シロップ、懸濁液等に対して適切に選択された、通常の薬務に合致する適切な担体物質と混合して投与される。例えば、錠剤またはカプセルの形態の経口投与の場合、活性薬物成分は、ラクトース、デンプン、スクロース、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、マンニトール、エチルアルコール(液体形態)等の任意の経口非毒性の薬学的に許容される不活性担体と組み合わせてよい。その上、望ましい場合または必要な場合、適切な結合剤、滑剤、崩壊剤および着色剤を混合物中に組み込んでもよい。粉末および錠剤は、約5〜約95パーセントが本発明の組成物で構成されていてよい。
【0302】
適切な結合剤は、デンプン、ゼラチン、天然糖、コーン甘味料、アカシア等の天然および合成ガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールならびにワックスを含む。滑剤の中でも、これらの剤形での使用について挙げることができるのは、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等である。崩壊剤は、デンプン、メチルセルロース、グァーガム等を含む。
【0303】
必要に応じて、甘味剤および香味剤ならびに保存料が含まれていてもよい。上記の用語、すなわち崩壊剤、希釈剤、滑剤、結合剤等のいくつかについて、下記でより詳細に考察する。
【0304】
さらに、本発明の組成物は、任意の1種または複数の構成成分または有効成分の速度制御放出を提供し、治療効果、すなわちHCV阻害活性等を最適化するために、持続放出形態で配合することができる。持続放出に適した剤形は、活性成分を含浸した様々な崩壊速度もしくは制御放出ポリマーマトリックスの層を含有し、錠剤形態に成形された層状の錠剤、またはそのような含浸もしくはカプセル化された多孔質ポリマーマトリックスを含有するカプセルを含む。
【0305】
液体形態製剤は、溶液、懸濁液およびエマルションを含む。例として言及され得るのは、非経口注射または甘味料の添加用の水または水−プロピレングリコール溶液ならびに経口溶液、懸濁液およびエマルション用の鎮静剤(pacifiers)である。液体形態製剤は、鼻腔内投与用の溶液も含み得る。
【0306】
吸入に適したエアロゾル製剤は、不活性圧縮ガス、例えば窒素等の薬学的に許容される担体と組み合わせられていてよい、粉末形態の溶液および固体を含み得る。
【0307】
坐薬を調製するためには、ココアバター等の脂肪酸グリセリドの混合物等、低融点ワックスを最初に融解し、撹拌または同様に混合することによって、有効成分をその中に均質に分散させる。その後、融解された均質混合物を好都合なサイズの鋳型中に注ぎ、冷却させ、それによって凝固させる。
【0308】
使用直前に、経口または非経口投与いずれか用の液体形態製剤に変換されることを意図されている固体形態製剤も含まれる。そのような液体形態は、溶液、懸濁液およびエマルションを含む。
【0309】
本発明による化合物は、経皮的に送達可能であってもよい。経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/またはエマルションの形態をとってよく、この目的のために当該技術分野において慣例的であるように、マトリックスまたは貯蔵型の経皮パッチに含まれていてよい。
【0310】
本発明による化合物は、経口、静脈内、鼻腔内、髄腔内または皮下投与してよい。
【0311】
本発明による化合物は、単位剤形の形態の製剤も含み得る。そのような形態において、製剤は、適量の、例えば所望の目的を達成するために有効な量の活性成分を含有する適切にサイズ決定された単位用量に細分される。
【0312】
単位用量の製剤における本発明の活性組成物の量は、概して、特定の用途により、約1.0ミリグラム〜約1,000ミリグラム、好ましくは約1.0〜約950ミリグラム、より好ましくは約1.0〜約500ミリグラム、典型的には約1〜約250ミリグラムで変動または調整できる。用いられる実際の用量は、患者の年齢、性別、体重および治療されている状態の重症度に応じて変動し得る。そのような技術は、当業者に周知である。
【0313】
概して、有効成分を含有するヒト経口剤形は、1日当たり1または2回投与することができる。投与の量および頻度は、担当医の判断によって調節される。経口投与用に概して推奨される日用量レジメンは、単回量または分割量で、1日当たり約1.0ミリグラム〜約1,000ミリグラムの範囲であってよい。
【0314】
いくつかの有用な用語を以下に記載する。
【0315】
カプセル−有効成分を含む組成物を収容または収納するための、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、または変性したゼラチンもしくはデンプンで作られた特殊な容器または封入体を指す。ハードシェルカプセルは、典型的に、比較的高いゲル強度の骨および豚皮ゼラチンの混和物で作られる。カプセル自体は、少量の色素、不透明化剤、可塑剤および保存料を含有し得る。
【0316】
錠剤−有効成分を適切な希釈剤とともに含有する圧縮または成形された固体剤形を指す。錠剤は、湿式造粒、乾式造粒または凝縮によって得られた混合物または顆粒の圧縮によって調製することができる。
【0317】
経口ゲル−親水性の半固体マトリックス中に分散または可溶化された有効成分を指す。
【0318】
構成用の粉末は、有効成分と水またはジュース中に懸濁させることができる適切な希釈剤とを含有する粉末混和物を指す。
【0319】
希釈剤−組成物または剤形の大部分を通常占める物質を指す。適切な希釈剤は、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトール等の糖類;コムギ、トウモロコシ、コメおよびジャガイモに由来するデンプン類;ならびに微結晶性セルロース等のセルロース類を含む。組成物中の希釈剤の量は、全組成の約10〜約90重量%、好ましくは約25〜約75%、より好ましくは約30〜約60重量%、より一層好ましくは約12〜約60%の範囲であってよい。
【0320】
崩壊剤−組成物が粉々になる(崩壊する)のを助け、薬剤を放出するために組成物に添加される材料を指す。適切な崩壊剤は、デンプン類;カルボキシメチルデンプンナトリウム等の「冷水可溶性の」加工デンプン類;イナゴマメ、カラヤ、グァー、トラガカントおよび寒天等の天然および合成ガム;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体;クロスカルメロースナトリウム等の微結晶性セルロースおよび架橋微結晶性セルロース;アルギン酸およびアルギン酸ナトリウム等のアルギン酸塩;ベントナイト等の粘土;ならびに発泡性混合物を含む。組成物中の崩壊剤の量は、組成物の約2〜約15重量%、より好ましくは約4〜約10重量%の範囲であってよい。
【0321】
結合剤−粉末を一緒に結合または「接着」し、顆粒を形成することによってそれらを粘着性にし、したがって製剤中で「接着剤」としての役割を果たす物質を指す。結合剤は、希釈剤または増量剤中で既に利用可能な粘着強度を添加する。適切な結合剤は、スクロース等の糖類;コムギ、トウモロコシ、コメおよびジャガイモに由来するデンプン類;アカシア、ゼラチンおよびトラガカント等の天然ガム;アルギン酸、アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸アンモニウムカルシウム等の海藻の誘導体;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系材料;ポリビニルピロリドン;ならびにケイ酸アルミニウムマグネシウム等の無機物を含む。組成物中の結合剤の量は、組成物の約2〜約20重量%、より好ましくは約3〜約10重量%、より一層好ましくは約3〜約6重量%の範囲であってよい。
【0322】
滑剤−錠剤、顆粒等が、圧縮された後、摩擦または摩耗を減少させることによって鋳型または金型から放出できるようにするために、剤形に添加される物質を指す。適切な滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸カリウム等のステアリン酸金属塩;ステアリン酸;高融点ワックス;ならびに塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールおよびd’l−ロイシン等の水溶性滑剤を含む。滑剤は、顆粒の表面上およびそれらと錠剤圧迫部分との間に存在していなくてはならないため、通常、圧縮前の最終ステップで添加される。組成物中の滑剤の量は、組成物の約0.2〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2%、より好ましくは約0.3〜約1.5重量%の範囲であってよい。
【0323】
グライダント(glident)−固化を防止し、顆粒の流動特性を向上させ、それによって流れを平滑かつ均一にする材料。適切なグライダントは、二酸化ケイ素およびタルクを含む。組成物中のグライダントの量は、全組成の約0.1%〜約5重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%の範囲であってよい。
【0324】
着色剤−組成物または剤形に着色を提供する賦形剤。そのような賦形剤は、食品グレードの色素を含んでよく、食品グレードの色素は、粘土または酸化アルミニウム等の適切な吸着剤に吸着される。着色剤の量は、組成物の約0.1〜約5重量%、好ましくは約0.1〜約1%で変動し得る。
【0325】
バイオアベイラビリティ−標準物質または対照と比較した場合の、投与された剤形から体循環中へ有効薬物成分または治療部分が吸収される速度および程度を指す。
【0326】
錠剤を調製するための従来の方法は公知である。そのような方法は、直接圧縮および凝縮によって生成される顆粒の圧縮等の乾式法または湿式法または他の特殊な手順を含む。例えば、カプセル、坐薬等、他の投与用形態を作製するための従来の方法も周知である。
【0327】
本発明による別の実施形態は、例えば、C型肝炎等の疾患の治療のための、上記で開示した本発明の化合物または医薬組成物の使用を開示する。その方法は、治療有効量の本発明の化合物または医薬組成物を、そのような疾患(1つまたは複数)に罹患しており、そのような治療を必要とする患者に投与するステップを含む。
【0328】
さらに別の実施形態において、本発明の組成物は、抗ウイルス剤および/または免疫調節剤との組合せでヒトにおけるHCVの治療に使用することができる。そのような抗ウイルス剤および/または免疫調節剤の例は、イントロン、ペグイントロン、リバビリン等を含む。説明的な例は、リバビリン((式L、Schering−Plough Corporation製、Madison、New Jersey)およびLevovirin(商標)(ICN Pharmaceuticals製、Costa Mesa、California)、VP50406(商標)(Viropharma,Incorporated製、Exton、Pennsylvania)、ISIS14803(商標)(ISIS Pharmaceuticals製、Carlsbad、California)、Heptazyme(商標)(Ribozyme Pharmaceuticals製、Boulder、Colorado)、VX497(商標)(Vertex Pharmaceuticals製、Cambridge、Massachusetts)、Thymosin(商標)(SciClone Pharmaceuticals製、San Mateo、California)、Maxamine(商標)(Maxim Pharmaceuticals、San Diego、California)、ミコフェノール酸モフェチル(Hoffman−LaRoche製、Nutley、New Jersey)、インターフェロン(例えば、インターフェロン−アルファ、PEG−インターフェロンアルファ複合体等)等を含むがこれらに限定されない。「PEG−インターフェロンアルファ複合体」は、PEG分子と共有結合しているインターフェロンアルファ分子である。例示的なPEG−インターフェロンアルファ複合体は、ペグインターフェロンアルファ−2a(例えば、Pegasys(商標)の商標名で販売されているもの等)の形態のインターフェロンアルファ−2a(Roferon(商標)、Hoffman La−Roche製、Nutley、New Jersey)、ペグインターフェロンアルファ−2b(例えば、PEG−Intron(商標)の商標名で販売されているもの等)の形態のインターフェロンアルファ−2b(Intron(商標)、Schering−Plough Corporation製)、インターフェロンアルファ−2c(Berofor Alpha(商標)、Boehringer Ingelheim製、Ingelheim、Germany)または自然発生的なインターフェロンアルファのコンセンサス配列の決定によって定義されている通りのコンセンサスインターフェロン(Infergen(商標)、Amgen製、Thousand Oaks、California)を含む。
【0329】
先に述べた通り、本発明は、本発明の化合物の互変異性体、回転異性体、鏡像異性体および他の立体異性体も含む。したがって、当業者であれば理解するように、本発明の化合物のいくつかは、適切な異性形態で存在し得る。そのような変形は、本発明による範囲内となることが企図されている。
【0330】
本発明による別の実施形態は、本明細書において開示されている化合物を作製する方法を開示する。化合物は、当該技術分野において公知であるいくつかの技術によって調製できる。例示的な手順は、下記反応スキームにおいて概説する。例証は、添付の特許請求の範囲において定義される本発明による範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。代替的な機構経路および類似構造は、当業者には明らかである。
【0331】
下記の説明スキームでは数種の代表的な本発明の化合物の調製を記載しているが、天然および非天然両方のアミノ酸のいずれかの適切な置換は、そのような置換に基づく所望の化合物の形成をもたらすことを理解すべきである。そのような変形は、本発明による範囲内となることが企図されている。
【実施例】
【0332】
以下に記載する手順には、下記の略語が使用される。
【0333】
略語
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
EtOAc:酢酸エチル
AcOH:酢酸
NMM:N−メチルモルホリン
DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル
MeOH:メタノール
EtOH:エタノール
EtO:ジエチルエーテル
DMSO:ジメチルスルホキシド
HOBt:N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
DCM:ジクロロメタン
DCC:1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
Bn:ベンジル
Bz:ベンゾイル
Et:エチル
Ph:フェニル
iBoc:イソブトキシカルボニル
iPr:イソプロピル
BuまたはBu:tert−ブチル
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
Cp:シルコペンチルジエニル
Ts:p−トルエンスルホニル
Me:メチル
Msまたはメシル:メタンスルホニル
HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
DMAP:4−N,N−ジメチルアミノピリジン
Bop:ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ヘキサフルオロホスフェート
PCC:クロロクロム酸ピリジニウム
DIBAL−H:水素化ジイソプロピルアルミニウム
rtまたはRT:室温
quant.:定量的収率
hまたはhr:時間
min:分
TFA:トリフルオロ酢酸
TLC:薄層クロマトグラフィー
Aq.:水溶液
:阻害定数
Sat’d:飽和
TFE:トリフルオロエタノール
pTSA:パラトルエンスルホン酸
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
PAP:4−フェニルアゾフェノール
HMC:7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリン
Np:ニトロフェノール
DTT:ジチオトレイトール
MOPS:3−[N−モルホリノ]プロパンスルホン酸
TBTU:2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート
目的化合物の調製のための一般的スキーム
(調製実施例1)
【0334】
【化121】

ステップ1.1
【0335】
【化122】

(1−ブロモメチル−2−クロロ−エトキシメチル)−ベンゼン(1b)
C. J. MichejdaおよびR. W. Comnick(J. Org. Chem.、1975年、40巻、1046〜1050頁)によって記載されている手順に従って調製した。臭化ベンジル(1.0当量、64.3mL、d1.438)およびエピクロロヒドリン(50g、42.2mL、d1.183)の混合物を、触媒量の塩化水銀(I)(90mg)で処理し、150℃まで12時間加熱した。高真空(1.0mmHg)下、105〜110℃(160℃の油浴)における蒸留によって生成物(95g、69%)が得られた。
【0336】
ステップ1.2
【0337】
【化123】

3−ベンジルオキシ−シクロブタン−1,1−ジカルボン酸ジエチルエステル(1c)
C. J. MichejdaおよびR. W. Comnick(J. Org. Chem.、1975年、40巻、1046〜1050頁)によって記載されている手順に従って調製した。添加漏斗およびコンデンサを装着した火炎乾燥フラスコを、水素化ナトリウム(1.01当量、7.1gの鉱油中60%懸濁)および乾燥1,4−ジオキサン(400mL)で満たした。混合物を氷冷し、添加漏斗にマロン酸ジエチル(30g、26.7mL、d1.055)を満たし、30分間かけて添加した。冷却浴を除去し、混合物を30分間撹拌した。二ハロゲン化物1b(0.97当量、45g)を20分間かけて添加した。混合物を、室温で30分間、105℃で36時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、水素化ナトリウムを少量ずつ添加した(1.5当量、3×3.5g=10.5gの鉱油中60%懸濁)。混合物を105℃で48時間加熱した。混合物を冷却し、1:1エーテル/ヘキサン(1L)で希釈した。混合物を水(4×200mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ロータバップ中で濃縮した。高真空(1mmHg)下、蒸留によって生成物を精製した。150〜170℃で画分を収集すると2つの層を形成した。より重い層が生成物(18g、35%)であった。
【0338】
ステップ1.3
【0339】
【化124】

3−ヒドロキシ−シクロブタン−1,1−ジカルボン酸ジエチルエステル(1d)
60mLのエタノール中のベンジルエーテル1c(3.0g)の溶液を、二水酸化パラジウム(20mol%、1.37gの20%Pd(OH)炭素)で処理した。混合物を50psiで3時間水素化し、その後、ジクロロメタン(200mL)で希釈した。セライトのパッドに通すろ過によって固体を除去した。ろ液をロータバップ中で濃縮し、生成物をシリカゲル(Biotage40−Mカラム、勾配:ヘキサン中0〜40%酢酸エチル)上で精製し、生成物(1.52g、72%)を無色油として得た。
【0340】
ステップ1.4
【0341】
【化125】

3−オキソ−シクロブタン−1,1−ジカルボン酸ジエチルエステル(1e)
200mLのジクロロメタン中のアルコール1d(3.0g)の溶液を、デス・マーチン・ペルヨージナン(1.2当量、7.06g)で処理した。混合物を室温で2時間撹拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(100mL)の添加によって反応物をクエンチした。混合物を20分間撹拌し、続いて、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)を添加した。混合物を20分間さらに撹拌し、酢酸エチル(500mL)で抽出した。水層を酢酸エチル(250mL)で逆抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×80mL)およびブライン(80mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ロータバップ中で濃縮した。生成物をシリカゲル(Biotage75−Mカラム、勾配:ヘキサン中0〜30%酢酸エチル)上で精製し、生成物(5.14g、96%)を無色油として得た。
【0342】
ステップ1.5
【0343】
【化126】

3−メチレン−シクロブタン−1,1−ジカルボン酸ジエチルエステル(1f)
火炎乾燥フラスコを、無水雰囲気下、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(2.2当量、8.43g)および乾燥THF(100mL)で満たした。得られた異種混合物を氷冷し、続いて、60mLの乾燥THF中のカリウムtert−ブトキシド(2.2当量、2.65g)の溶液を10分間かけて添加した。冷却浴を除去し、混合物を室温で1時間撹拌した。得られた鮮黄色溶液を氷冷し、40mLのTHF中のケトン1e(2.3g)の溶液を滴下添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。水(100mL)の添加によって反応物をクエンチした。混合物を500mLの1:1エーテル/ヘキサンで抽出した。有機層を水(2×80mL)およびブライン(80mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ロータバップ中で濃縮した。生成物をシリカゲル(Biotage40−Mカラム、勾配:ヘキサン中0〜15%エチルエーテル)上で精製し、生成物(1.72g、76%)を無色油として得た。
【0344】
ステップ1.6
【0345】
【化127】

3−メチル−シクロブタン−1,1−ジカルボン酸エチルエステル(1g)
80mLのエタノール中のアルケン1f(1.7g、8.011mmol)の溶液を、パラジウム炭素(10mol%、850mgの10%Pd/C)で処理した。混合物を50psiで2時間水素化した。混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、セライトのパッドに通すろ過によって固体を除去した。ろ液をロータバップ中でほぼ濃縮乾固させた。混合物の体積をエタノールで20mLに調整し、溶液を0℃まで冷却した。1M KOH水溶液(1.0当量、8.0mLの1M溶液)を添加し、混合物を室温で20時間撹拌した。混合物をロータバップ中で濃縮し、残留物を水(50mL)とエーテル(50mL)とに分配した。ブライン(5mL)を添加してエマルションを破壊した。水層をエーテル(2×30mL)で洗浄し、その後、氷冷した。1M HCl水溶液を混合物が酸性(pH2)になるまで添加した。得られた混合物をジクロロメタン(3×80mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ロータバップ中で濃縮し、生成物(1.09g、73%)を無色油として得た。
【0346】
ステップ1.7
【0347】
【化128】

1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−メチル−シクロブタンカルボン酸エチルエステル(1h)
60mLのトルエン中の酸1h(1.05g、5.639mmol)の溶液を、DPPA(1.05当量、1.28mL、d1.273)およびトリエチルアミン(1.05当量、0.82mL、d0.726)で処理した。混合物を、50℃まで2時間、その後、110℃でさらに2時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、ベンジルアルコール(1.3当量、0.76mL、d1.045)で処理した。反応混合物を95℃でさらに24時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(500mL)で希釈し、1M HCl水溶液(2×40mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×40mL)およびブライン(40mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ロータバップ中で濃縮した。残留物をシリカゲル(Biotage40−Mカラム、勾配:ヘキサン中0〜35%酢酸エチル)上でクロマトグラフィーにかけ、生成物(1.3g、80%)を無色油として得た。
【0348】
ステップ1.8
【0349】
【化129】

1−アミノ−3−メチル−シクロブタンカルボン酸エチルエステル(1i)
30mLのエタノール中のN−Cbzアミン1h(600mg)の溶液を、二水酸化パラジウム(30mol%、430mgの20%二水酸化パラジウム炭素)で処理した。混合物を50psiで2時間水素化した。混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、ろ過によって固体を除去した。ろ液をロータバップ中で濃縮し、微量のエタノールをトルエンと共沸させて除去した。粗生成物(320mg、99%)をさらに精製することなく使用した。
【0350】
ステップ1.9
【0351】
【化130】

1−{[3−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3,3−ジメチル−ブチリル)−6,6−ジメチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メチル−シクロブタンカルボン酸エチルエステル(1k)
5mLの乾燥ジクロロメタンおよび5mLの乾燥DMF中の酸1j(632mg)の溶液を0℃で撹拌し、HATU(1.4当量、787mg)で処理した。20mLの1:1 DCM/DMF中のアミン1i(1.2当量、323mg)の溶液、続いてN−メチルモルホリン(4当量、0.75mL、d0.920)を添加した。反応混合物を終夜撹拌した(温度0〜25℃)。すべての揮発物をロータバップ中で除去し、残留物を300mLの酢酸エチルに溶解した。有機層を、水(40mL)、1M HCl水溶液(40mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(40mL)およびブライン(40mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ロータバップ中で濃縮した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage40−Sカラム、勾配:ヘキサン中0〜30%アセトン)によって精製し、生成物(690mg、80%)を透明油として得た。
【0352】
ステップ1.10
【0353】
【化131】

{1−[2−(1−ヒドロキシメチル−3−メチル−シクロブチルカルバモイル)−6,6−ジメチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニル]−2,2−ジメチル−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1l)
水素化ホウ素リチウム(2.5当量、73mg)を、30mLの乾燥THF中のエチルエステル1k(680mg)の溶液に添加した。TLC(酢酸エチル/ヘキサン、3:7)によって測定した場合、すべての出発材料が消費されるまで、混合物を室温で撹拌した。3時間後、混合物を冷却し(0℃)、飽和塩化アンモニウム水溶液を慎重に添加して、ガス発生が停止するまで過剰な水素化ホウ素リチウムをクエンチした。混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(40mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(3×100mL)に溶かした。合わせた有機層を1M HCl水溶液(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ロータバップ中で濃縮した。残留物をシリカゲル(Biotage40−Sカラム、勾配:ヘキサン中20〜60%酢酸エチル上でクロマトグラフし、生成物(340mg、56%)を無色固体として得た。
【0354】
ステップ1.11
【0355】
【化132】

{1−[2−(1−ホルミル−3−メチル−シクロブチルカルバモイル)−6,6−ジメチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニル]−2,2−ジメチル−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1m)
20mLのジクロロメタン中のアルコール1l(330mg)の溶液を、デス・マーチン・ペルヨージナン(1.3当量、390mg)で処理した。混合物を室温で2時間撹拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)の添加によって反応物をクエンチした。混合物を10分間撹拌し、続いて、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(30mL)を添加した。混合物をさらに15分間撹拌した。混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ロータバップ中で濃縮し、生成物を黄色がかった泡状物として得た。粗生成物(303mg、93%)をさらに精製することなく使用した。
【0356】
ステップ1.12
【0357】
【化133】

酢酸(1−{[3−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3,3−ジメチル−ブチリル)−6,6−ジメチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボニル]−アミノ}−3−メチル−シクロブチル)−シクロプロピルカルバモイル−メチルエステル(1n)
アルデヒド1m(0.708mmol)の溶液を、シクロプロピルイソシアニド(1.8当量、0.100mL、d0.8)および酢酸(1.8当量、0.066mL、d1.049)で処理した。混合物を終夜撹拌した。すべての揮発物をロータバップ中で除去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage25−Mカラム、勾配:ヘキサン中5〜40%アセトンによって精製し、生成物(360mg、94%)を白色固体として得た。
【0358】
ステップ1.13
【0359】
【化134】

(1−{2−[1−(シクロプロピルカルバモイル−ヒドロキシ−メチル)−3−メチル−シクロブチルカルバモイル]−6,6−ジメチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニル}−2,2−ジメチル−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1o)
水酸化リチウム一水和物(2.0当量、50mg)を、15mLのTHF/水の2:1混合物中の酢酸塩1n(350g)の溶液に添加した。混合物を1時間撹拌し、TLC分析(アセトン/ヘキサン、2:8)は、すべての出発材料が消費されたことを示した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(30mL)で希釈し、酢酸エチル(3×60mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧濃縮し、生成物(325mg、100%)を無色固体として得て、これをさらに精製することなく使用した。
【0360】
ステップ1.14
【0361】
【化135】

{1−[2−(1−シクロプロピルアミノオキサリル−3−メチル−シクロブチルカルバモイル)−6,6−ジメチル−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニル]−2,2−ジメチル−プロピル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1)
10mLのジクロロメタン中のヒドロキシアミド1o(0.592mmol)の溶液を、デス・マーチン・ペルヨージナン(1.5当量、376mg)で処理した。混合物を室温で1時間撹拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)の添加によって反応物をクエンチした。混合物を10分間撹拌し、続いて、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(30mL)を添加した。混合物をさらに15分間撹拌した。混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、ロータバップ中で濃縮した。生成物をシリカゲル(Biotage35−Mカラム、勾配:ヘキサン中0〜40%アセトン)上で精製し、生成物(300mg、93%)を白色固体として得た。
【0362】
(調製実施例2)
【0363】
【化136】

ステップ2.1
【0364】
【化137】

CCl(350mL)中のプロパンジオール2aの溶液を、塩化チオニル(12.5mL、20g)で処理し、室温で10分間撹拌し、2時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、アセトニトリル(200mL)および水(350mL)で希釈し、過ヨウ素酸(161g、0.663mol)および三塩化ルテニウム(365mg)によって0℃で処理した。反応混合物を1時間撹拌し、真空濃縮した。残留物を500mLの水で希釈し、EtOAc(500mL)中に抽出した。有機層を水およびチオ硫酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄し、有機層を無色にした。有機層を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、真空濃縮し、次の反応においてそのまま使用した。
【0365】
ステップ2.2
【0366】
【化138】

乾燥DME中の(ベンズヒドリリデン−アミノ)−酢酸エチルエステル(6.00g、22.4mmol)の溶液を、2b(3.4g、22.3mmol)および水素化ナトリウム(鉱油中60%懸濁液、2.00g、50.00mmol)で処理し、4時間加熱還流した。反応混合物を真空濃縮し、HCl水溶液(1M)で希釈し、室温で3時間撹拌した。反応混合物をNaOH水溶液で塩基性化し、EtOAc(300mL)中に抽出した。合わせた有機混合物を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、真空濃縮し、次のステップにおいてそのまま使用した。
【0367】
ステップ2.3
【0368】
【化139】

CHCl(15mL)中のアミン2c(1.7g、8.80mmol)の溶液をジ−tert−ブチルジカーボネート(2.11g、9.68mmol)で処理し、室温で12時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、クロマトグラフィーによって精製し、H NMRによって相対立体化学を分析した。
【0369】
ステップ2.4
【0370】
【化140】

THF(200mL)中のエステル2d(44.0g、0.172mol)の溶液を0℃まで冷却し、LiBH(8.35g、0.38mol)で処理し、室温で48時間撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、すべてのLiBHがクエンチされるまで、1M HCl水溶液で慎重にクエンチした。反応混合物をHCl水溶液(500mL)で希釈し、EtOAc(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層を、飽和NaHCO水溶液(3×300mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、真空濃縮し、クロマトグラフィー(SiO)によって精製し、34gの無色油(92%)である2eを得た。
【0371】
ステップ2.5
【0372】
【化141】

塩化メチレン(250mL)中の2e(16g、74.32mmol)の溶液を、デス・マーチン・ペルヨージナン(38.2g、90mmol)で処理し、室温で4時間撹拌した。反応物は、暗桃色になり、ゆっくり褐色を帯びた。これを250mLのNa水溶液および250mLの飽和NaHCOでクエンチした。水層をEtOAc(600mL)でさらに抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、真空濃縮し、クロマトグラフィー(SiO2、EtOAc/ヘキサン)によって精製し、アルデヒド2fを黄色油(収量9.1g、56%)として得た。
【0373】
ステップ2.6
【0374】
【化142】

化合物2f(0.5g、2.3mmol)をEtOAc(10mL)に溶解した。これをシクロプロピルイソニトリル(236mg、3.5mmol)および酢酸(207mg、3.5mmol)で処理した。混合物を室温で終夜撹拌し、真空濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフ(SiO、EtOAc/Hex)によって精製し、0.4gの2gを無色固体として得て、次のステップにおいて使用した。
【0375】
ステップ2.7
【0376】
【化143】

化合物2g(0.4g、1.18mmol)を2mLのメタノールに溶解し、2mLの飽和KCO溶液で処理した。混合物を室温で2時間撹拌し、その後、濃縮した。残留物をHOで処理し、EtOAc中に抽出した。有機層を1M HClで洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮し、0.45gの2hを得た。
【0377】
ステップ2.8
【0378】
【化144】

化合物2h(117mg、0.39mmol)を4M HCl(ジオキサン中4M溶液、5mL)で処理し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、残留物をトルエンで処理し、濃縮し、粗生成物2iを得て、これをさらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
【0379】
ステップ2.9
【0380】
【化145】

化合物2j(2.58g、6.53mmol)を乾燥ジクロロメタンに溶解し、トリエチルアミンおよびイソシアネート2k(1.74g、6.53mmol)によって0℃で処理した。混合物を0℃で終夜撹拌した。これをEtOAcで希釈し、1N HClおよびブラインで洗浄した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサン)によって精製し、1.8gの2lを得た。
【0381】
ステップ2.10
【0382】
【化146】

化合物2l(1.8g、2.8mmol)をメタノールに溶解した。これをPd/C(10%w/w)で処理し、Parr(登録商標)装置中で水素化した。反応混合物をセライトのプラグに通してろ過し、濃縮し、粗生成物2m(80%収率)を得た。
【0383】
ステップ2.11
【0384】
【化147】

1:1 DMF/DCM中の化合物2m(60mg、0.112mmol)の溶液を0℃まで冷却し、2i(31mg、0.13mmol)、NMM(31□l、0.28mmol)およびHATU(64mg、0.168mmol)で処理した。混合物を0℃で終夜維持した。これをEtOAcで希釈し、1N HCl、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮し、粗生成物2nを得て、さらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
【0385】
ステップ2.12
【0386】
【化148】

化合物2n(80mg、0.11mmol)を乾燥ジクロロメタン(5.00mL)に溶解し、デス・マーチン試薬(71mg、0.168mmol)で処理した。混合物を室温で1時間撹拌し、反応物を飽和NaHCOおよび飽和Naでクエンチした。反応混合物をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。YMC−ジオールカラム上でのHPLCを使用してジアステレオマーをさらに分離し、所望の生成物である2を得た。
【0387】
本発明は、新規HCVプロテアーゼ阻害剤に関する。この有用性は、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼを阻害するその能力において明示することができる。そのような実証のための一般的手順を、下記インビトロアッセイによって説明する。
【0388】
HCVプロテアーゼ阻害活性のアッセイ
分光光度アッセイ
HCVセリンプロテアーゼの分光光度アッセイは、R. Zhangら、Analytical Biochemistry、270巻(1999年)、268〜275頁によって記載されている手順に従うことにより、本発明の化合物に対して実施することができ、その開示は、参照により本明細書中に援用される。発色性エステル基質の分解に基づくアッセイは、HCV NS3プロテアーゼ活性の連続モニタリングに適している。この基質は、そのC末端カルボキシル基が4種の異なる発色団アルコール(3−もしくは4−ニトロフェノール、7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリンまたは4−フェニルアゾフェノール)の1つによってエステル化された、NS5A−NS5B結合配列(Ac−DTEDVVX(Nva)、ここでX=AまたはP)のP側に由来する。以下で説明するのは、これら新規の分光光度的なエステル基質の合成、特徴付けおよびハイスループットスクリーニングへの適用、ならびにHCV NS3プロテアーゼ阻害剤の詳細な動力学的評価である。
【0389】
材料および方法
材料
アッセイ関連緩衝液用の化学試薬は、Sigma Chemical Company(St.Louis、Missouri)から入手する。ペプチド合成用の試薬は、Aldrich Chemicals、Novabiochem(San Diego、California)、Applied Biosystems(Foster City、California)およびPerseptive Biosystems(Framingham、Massachusetts)製のものであった。ペプチドは、手動でまたは自動ABIモデル431A合成器(Applied Biosystems製)で合成する。UV/VIS分光計モデルLAMBDA12はPerkin Elmer(Norwalk、Connecticut)製であり、96ウェルUVプレートはCorning(Corning、New York)から入手した。予熱ブロックはUSA Scientific(Ocala、Florida)製であってよく、96ウェルプレートボルテクサーはLabline Instruments(Melrose Park、Illinois)製である。モノクロメーター付きSpectramax Plusマイクロタイタープレートリーダーは、Molecular Devices(Sunnyvale、California)から入手する。
【0390】
酵素調製
組換え型ヘテロ二量体HCV NS3/NS4Aプロテアーゼ(系統1a)は、既に公開されている手順(D. L. Saliら、Biochemistry、37巻(1998年)、3392〜3401頁)を使用することによって調製する。タンパク質濃度は、アミノ酸分析によって事前に定量化された組換え型HCVプロテアーゼ標準物質を使用するBiorad色素法によって決定される。アッセイ開始前に、Biorad Bio−Spin P−6プレパックカラムを利用して、酵素保存緩衝液(50mMのリン酸ナトリウムpH8.0、300mMのNaCl、10%グリセロール、0.05%ラウリルマルトシドおよび10mMのDTT)をアッセイ緩衝液(25mMのMOPS pH6.5、300mMのNaCl、10%グリセロール、0.05%ラウリルマルトシド、5μMのEDTAおよび5μMのDTT)と交換する。
【0391】
基質合成および精製
基質の合成は、R. Zhangら(前掲書)によって報告されている通りに行い、標準プロトコール(K. Barlosら、Int. J. Pept. Protein Res.、37巻(1991年)、513〜520頁)を使用してFmoc−Nva−OHを2−クロロトリチルクロリド樹脂に固定することによって開始する。その後、Fmoc化学を使用し、手動または自動ABIモデル431ペプチド合成器のいずれかで、ペプチドを構築する。N−アセチル化および完全に保護されたペプチド断片は、ジクロロメタン(DCM)中の10%酢酸(HOAc)および10%トリフルオロエタノール(TFE)によって30分間またはDCM中の2%トリフルオロ酢酸(TFA)によって10分間のいずれかで、樹脂から切断する。合わせたろ液およびDCM洗浄液を共沸蒸発させ(またはNaCO水溶液によって繰り返し抽出し)、切断に使用した酸を除去する。DCM相をNaSOで乾燥させ、蒸発させる。
【0392】
標準的な酸−アルコールカップリング手順(K. Holmberら、Acta Chem. Scand.、B33巻(1979年)、410〜412頁)を使用して、エステル基質を構築する。ペプチド断片を無水ピリジン(30〜60mg/ml)に溶解し、これに10モル当量の発色団および触媒量(0.1当量)のパラ−トルエンスルホン酸(pTSA)を添加した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、3当量)を添加して、カップリング反応を開始する。生成物形成をHPLCによってモニターすると、室温で反応の12〜72時間後に完了することがわかる。ピリジン溶媒を真空蒸発させ、トルエンとの共沸蒸発によってさらに除去する。ペプチドエステルをDCM中の95%TFAで2時間脱保護し、無水エチルエーテルで3回抽出して、過剰な発色団を除去する。脱保護された基質を、30%〜60%アセトニトリル勾配(6カラム体積を使用)を用いるC3またはC8カラム上での逆相HPLCによって精製する。HPLC精製後の全収率は、約20〜30%となり得る。分子量は、エレクトロスプレーイオン化質量分析によって確認することができる。基質は、乾燥下、乾燥粉末形態で保存する。
【0393】
基質および生成物のスペクトル
基質および対応する発色団生成物のスペクトルは、pH6.5のアッセイ緩衝液中で得る。吸光係数は、複数の希釈度を使用して、1cmキュベット中、最適オフピーク波長(3−NpおよびHMCには340nm、PAPには370nm、ならびに4−Npには400nm)で決定する。最適オフピーク波長は、基質と生成物との間の吸光度における最大分数差分(生成物OD−基質OD)/基質OD)を生じさせる波長として定義される。
【0394】
プロテアーゼアッセイ
HCVプロテアーゼアッセイは、96ウェルマイクロタイタープレート中の200μl反応混合物を使用し、30℃で実施する。アッセイ緩衝液条件(25mMのMOPS pH6.5、300mMのNaCl、10%グリセロール、0.05%ラウリルマルトシド、5μMのEDTAおよび5μMのDTT)を、NS3/NS4Aヘテロ二量体(D. L. Saliら、同書))用に最適化する。典型的には、緩衝液、基質および阻害剤の150μl混合物をウェルに入れ(DMSOの最終濃度≦4%v/v)、30℃で約3分間プレインキュベートさせる。その後、アッセイ緩衝液中の予熱したプロテアーゼ(12nM、30℃)50μlを使用して、反応を開始する(最終体積200μl)。モノクロメーターが装備されたSpectromax Plusマイクロタイタープレートリーダーを使用し(遮断フィルターを利用するプレートリーダーによって許容される結果を得ることができる)、適切な波長(3−NpおよびHMCには340nm、PAPには370nm、ならびに4−Npには400nm)における吸光度の変化について、アッセイの全体(60分)にわたってプレートをモニターする。非酵素的加水分解の対照として、Nvaと発色団との間のエステル結合のタンパク質分解的切断を、無酵素のブランクに対して適切な波長でモニターする。基質の動力学パラメーターの評価は、30倍の基質濃度範囲(約6〜200μM)にわたって実施する。初期速度は線形回帰を使用して測定され、運動定数は、非線形回帰分析(Mac Curve Fit 1.1、K.Raner)を使用してミカエリス・メンテン式にデータを当てはめることによって得られる。代謝回転数(kcat)は、酵素が十分に活性であると仮定して算出する。
【0395】
阻害剤および不活性化剤の評価
競合阻害剤であるAc−D−(D−Gla)−L−I−(Cha)−C−OH(27)、Ac−DTEDVVA(Nva)−OHおよびAc−DTEDVVP(Nva)−OHの阻害定数(K)は、競合阻害動力学を表す再構成したミカエリス・メンテン式:v/v=1+[I]/(K(1+[S]/K))[式中、vは阻害されていない初期速度であり、vは任意の所与の阻害剤濃度([I])での阻害剤の存在下における初期速度であり、[S]は使用された基質濃度である]に従って、v/v対阻害剤濃度([I])をプロットすることにより、固定濃度の酵素および基質で実験的に決定される。線形回帰を使用して、得られたデータを当てはめ、得られた傾斜1/(K(1+[S]/K)を使用して、K値を算出する。
【0396】
優れたHCVプロテアーゼ阻害活性を呈する本発明の代表的な化合物を、以下の表2において、HCV連続アッセイにおけるそれらの生物活性(ナノモル、nMのKi値の範囲)とともに列挙する:カテゴリーA≦500nM;カテゴリーB>500nMおよび≦1000nM;カテゴリーC>1000nMおよび≦5000nM;カテゴリーD>5000nMおよび≦10,000nM;カテゴリーE>10,000nM。
【0397】
【表2−1】

【0398】
【表2−2】

【0399】
【表2−3】

【0400】
【表2−4】

【0401】
【表2−5】

【0402】
【表2−6】

【0403】
【表2−7】

【0404】
【表2−8】

【0405】
【表2−9】

【0406】
【表2−10】

【0407】
【表2−11】

【0408】
【表2−12】

【0409】
【表2−13】

【0410】
【表2−14】

【0411】
【表2−15】

【0412】
【表2−16】

【0413】
【表2−17】

いくつかの代表的な化合物のKi値(ナノモル)を表3に示す。
【0414】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化149】

に示される一般構造を有する化合物、または前記化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体もしくはラセミ体、または薬学的に許容される前記化合物の塩、溶媒和物もしくはエステル
[式中、
およびRは、独立に、H、アルキル−、アルケニル−、アルキニル−、シクロアルキル−、シクロアルケニル−、ヘテロアルキル−、ヘテロシクリル−、ヘテロシクロアルケニル、アリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、アリールアルキル−、アリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキル−、ヘテロアリールアルケニル−、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、ヒドロキシル、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、ハロゲン、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、アルケニルアリールおよびアルケニルヘテロアリールであり、ここで、前記アルキル−、アルケニル−、アルキニル、シクロアルキル−、シクロアルケニル−、ヘテロアルキル−、ヘテロシクリル−、ヘテロシクロアルケニル、アリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、アリールアルキル−、アリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキル−およびヘテロアリールアルケニル−のそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、ハロゲンアリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、チオ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、スルファミド、スルホキシド、スルホン、スルホニル尿素、ヒドラジドおよびヒドロキサメートからなる群から独立に選択され、
AおよびMは、同じであっても異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素、アルコキシ、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、−COOR、−CONRから選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−およびヘテロシクロアルケニルアルケニル−のそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは部分で置換されていてもよく、各部分は、ハロゲン、ニトロ、アルキル、アミノ、アリール、トリハロアルキル、ジハロアルキルおよびモノハロアルキルからなる群から独立に選択され、または
AとMが互いに結合して、上記式I中に示されている部分:
【化150】

が、3、4、5、6、7もしくは8員のシクロアルキル、4〜8員のヘテロシクリル、6〜10員のアリールまたは5〜10員のヘテロアリールのいずれかを形成し、ここで、前記3、4、5、6、7もしくは8員のシクロアルキル、4〜8員のヘテロシクリル、6〜10員のアリールまたは5〜10員のヘテロアリールのそれぞれは、置換されていなくてもよく、またR10で置換されていてもよく、
10は、同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分であり、各部分は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、−COORおよび−CONRからなる群から独立に選択され、
は、H、アルキル−、アルケニル−、アルキニル−、シクロアルキル−、シクロアルケニル−、ヘテロアルキル−、ヘテロシクリル−、ヘテロシクロアルケニル、アリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、アリールアルキル−、アリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキル−、ヘテロアリールアルケニル−、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、ヒドロキシル、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、ハロゲン、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、アルケニルアリールおよびアルケニルヘテロアリールからなる群から独立に選択される、同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分であってよく、ここで、前記アルキル−、アルケニル−、アルキニル、シクロアルキル−、シクロアルケニル−、ヘテロアルキル−、ヘテロシクリル−、ヘテロシクロアルケニル、アリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、アリールアルキル−、アリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキル−およびヘテロアリールアルケニル−のそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、ハロゲンアリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、チオ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、スルファミド、スルホキシド、スルホン、スルホニル尿素、ヒドラジドおよびヒドロキサメートからなる群から独立に選択され、
は、H、アルキル−、アルケニル−、アルキニル−、シクロアルキル−、シクロアルケニル−、ヘテロアルキル−、ヘテロシクリル−、ヘテロシクロアルケニル、アリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、アリールアルキル−、アリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキル−、ヘテロアリールアルケニル−、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、ヒドロキシル、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、ハロゲン、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、アルケニルアリールおよびアルケニルヘテロアリールからなる群から独立に選択される、同じであっても異なっていてもよい1つまたは2つの部分であり、ここで、前記アルキル−、アルケニル−、アルキニル、シクロアルキル−、シクロアルケニル−、ヘテロアルキル−、ヘテロシクリル−、ヘテロシクロアルケニル、アリール−、ヘテロアリール−、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、ヘテロシクリルアルキル−、ヘテロシクリルアルケニル−、ヘテロシクロアルケニルアルキル−、ヘテロシクロアルケニルアルケニル−、アリールアルキル−、アリールアルケニル−、ヘテロアリールアルキル−およびヘテロアリールアルケニル−のそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、ハロゲンアリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、チオ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミド、エステル、カルボン酸、カルバメート、尿素、ケトン、アルデヒド、シアノ、ニトロ、スルファミド、スルホキシド、スルホン、スルホニル尿素、ヒドラジドおよびヒドロキサメートからなる群から独立に選択され、
Wは
【化151】

であり、
Yは
【化152】

(式中、RおよびRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル−、チオフェニルおよびチアゾリルからなる群から独立に選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル−、シクロアルケニルアルキル−、シクロアルキルアルケニル−、シクロアルケニルアルケニル、チオフェニルおよびチアゾリルのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ヒドロキシル、トリハロアルキル、ジハロアルキルおよびモノハロアルキルからなる群から独立に選択され、または
およびRは、それらが結合した炭素と一緒になって、3、4、5、6、7および8員のシクロアルキル、4〜8員のヘテロシクリル、3〜8員のシクロアルケニル、4〜8員のヘテロシクロアルケニル、6〜10員のアリールまたは5〜10員のヘテロアリールのいずれかを形成し、ここで、前記3〜8員のシクロアルキル、4〜8員のヘテロシクリル、3〜8員のシクロアルケニル、4〜8員のヘテロシクロアルケニル、6〜10員のアリールまたは5〜10員のヘテロアリールのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキルおよびハロゲンからなる群から独立に選択される)であり、または
Yは−O−Rであり、
Xは、
【化153】

アルキル、アルケニルおよびアルキニルからなる群から選択され、ここで、前記アルキル、アルケニルおよびアルキニルのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキルおよびハロゲンからなる群から独立に選択され、
VおよびRは、水素アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニルからなる群から独立に選択され、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルケニル、ヘテロシクリル、ヘテロアルキル、シクロアルキルおよびシクロアルケニルのそれぞれは、置換されていなくてもよく、また同じであっても異なっていてもよい1つまたは複数の部分で置換されていてもよく、各部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミノ、ヒドロキシル、トリハロアルキル、ジハロアルキルおよびモノハロアルキルからなる群から独立に選択され、または
【化154】


【化155】

であり、
nは0〜5であり、
mは0〜4である]。
【請求項2】
がシクロアルキルであり、Rが水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がシクロプロピルまたはアリルであり、Rが水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
およびRがそれぞれ水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
がアルキルであり、Rが水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
がエチルであり、Rが水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
がシクロアルキルアルキルであり、Rが水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
がシクロプロピルメチルであり、Rが水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
部分
【化156】

中の前記環が非置換シクロブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
部分
【化157】

中の前記環が非置換シクロプロピルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
部分
【化158】


【化159】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
部分
【化160】


【化161】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
部分
【化162】


【化163】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
部分
【化164】


【化165】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
部分
【化166】


【化167】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
部分
【化168】


【化169】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
部分
【化170】


【化171】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
部分
【化172】

中の前記環がプロパ−2−イニルシクロプロパニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
部分
【化173】

中の前記環がビニルシクロブタニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
部分
【化174】

中の前記環が3,3−ジフルオロシクロブタニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
部分
【化175】

中の前記環が3−メチレンシクロブタニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
部分
【化176】

中の前記環が3−ヒドロキシルシクロブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
部分
【化177】

中の前記環が3−ベンジルオキシシクロブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
部分
【化178】

中の前記環が3−シクロブチロンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
部分
【化179】

中の前記環が3−エチルシクロブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
部分
【化180】

中の前記環が3−メチルシクロブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
部分
【化181】

中の前記環が3−プロピルシクロブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
部分
【化182】

中の前記環が2−メチルシクロプロピルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項29】
部分
【化183】


【化184】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項30】
部分
【化185】


【化186】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項31】
部分
【化187】

中の前記環が3−メチルシクロブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項32】
部分
【化188】


【化189】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項33】
部分
【化190】


【化191】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項34】
部分
【化192】

中の前記環が
【化193】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項35】
部分
【化194】

中の前記環が2−ビニル−シクロプロピルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項36】
部分
【化195】

中の前記環が2−アリル−シクロプロピルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項37】
部分
【化196】

中の前記環が2−プロパ−2−イニル−シクロプロピルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項38】
AとMが互いに結合して、上記式I中に示されている部分:
【化197】

が、R10で置換されているシクロプロピルまたはシクロペンチルを形成し、ここで、R10は、H、Me、Cl、BrおよびFからなる群から独立に選択される、同じであっても異なっていてもよい1つまたは2つの部分である、請求項1に記載の化合物。
【請求項39】
AとMが互いに結合して、上記式I中に示されている部分:
【化198】

が、2個のメチル基で置換されているシクロプロピルを形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項40】
がアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項41】
が三級ブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項42】
がシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項43】
がシクロヘキシルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項44】
が1−メチルシクロヘキシルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項45】
が2−インダニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項46】
Wが
【化199】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項47】
Yが
【化200】

[式中、RおよびRは、独立に、水素またはアルキルである]である、請求項1に記載の化合物。
【請求項48】
Yが
【化201】

[式中、Rは水素であり、Rは、三級ブチル、シクロヘキシルまたは1−メチルシクロヘキシルである]である、請求項1に記載の化合物。
【請求項49】
Yが
【化202】

[式中、RおよびRはそれぞれメチルである]である、請求項1に記載の化合物。
【請求項50】
Yが
【化203】

[式中、RおよびRは、それらが結合した炭素と一緒になって、シクロヘキシルを形成する]である、請求項1に記載の化合物。
【請求項51】
Xが
【化204】

[式中、Vは三級ブチルである]である、請求項1に記載の化合物。
【請求項52】
Xが
【化205】

[式中、Vはメチルであり、Rはメチルである]である、請求項1に記載の化合物。
【請求項53】
Xが
【化206】

[式中、Vは三級ブチルまたはエチルであり、Rはメチルである]である、請求項1に記載の化合物。
【請求項54】
Xが
【化207】

[式中、各Rはメチルである]である、請求項1に記載の化合物。
【請求項55】
Xが
【化208】

[式中、mは1または2である]である、請求項1に記載の化合物。
【請求項56】
Xがアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項57】
Xがメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項58】
Yが−O−アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項59】
Yが−O−三級ブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項60】
式:
【化209】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステル[式中、
は、水素、シクロプロピル、エチルまたはシクロプロピルメチルであり、
は、水素、エチル、メチル、プロピル、ビニル、アリル、フルオロ、シクロプロピルメチル、プロパ−2−イニル、メチレン、ベンジルオキシル、ヒドロキシルおよび
【化210】

からなる群から独立に選択される1つまたは複数の部分であり、
nは0または1であり、
は、三級ブチル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシルまたは
【化211】

であり、
Yは
【化212】

(式中、RおよびRは、水素、三級ブチルおよびメチルからなる群から独立に選択される、同じであっても異なっていてもよい部分である)であり、
Xは、
アルキル、
【化213】

(式中、Vは、メチル、三級ブチル、エチルまたはイソプロピルである)であり、
はメチルまたは三級ブチルである]。
【請求項61】
式:
【化214】

【化215】

【化216】

【化217】

【化218】

【化219】

【化220】

【化221】

【化222】

【化223】

【化224】

の化合物から選択される化合物、または前記化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体もしくはラセミ体、または薬学的に許容される前記化合物の塩、溶媒和物もしくはエステル。
【請求項62】
有効成分として少なくとも1種の請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項63】
HCVに関連する障害を治療する際に使用するための、請求項62に記載の医薬組成物。
【請求項64】
少なくとも1種の薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項63に記載の医薬組成物。
【請求項65】
少なくとも1種の抗ウイルス剤をさらに含有する、請求項64に記載の医薬組成物。
【請求項66】
少なくとも1種のインターフェロンをまたさらに含有する、請求項65に記載の医薬組成物。
【請求項67】
前記少なくとも1種の抗ウイルス剤がリバビリンであり、前記少なくとも1種のインターフェロンがα−インターフェロンまたはペグインターフェロンである、請求項66に記載の医薬組成物。
【請求項68】
前記ペグインターフェロンがPEG−Intron(商標)ブランドのペグインターフェロンである、請求項67に記載の医薬組成物。
【請求項69】
HCVに関連する障害を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の少なくとも1種の請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物を投与するステップを含む方法。
【請求項70】
前記投与が経口または皮下である、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
HCVに関連する障害を治療する薬剤の製造のための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項72】
HCVに関連する障害を治療するための医薬組成物を調製する方法であって、少なくとも1種の請求項1に記載の化合物と少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを密接に物理的接触させるステップを含む方法。
【請求項73】
精製された形態の、請求項1に記載の化合物。

【公表番号】特表2010−522172(P2010−522172A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554570(P2009−554570)
【出願日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【国際出願番号】PCT/US2008/003652
【国際公開番号】WO2009/008913
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】