ICカードおよびその製造方法
【課題】内蔵されたICチップに歪みが生じることなく、かつ、表面が平坦なICカードおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のICカード10は、インレット11を有するモジュール12と、モジュール12を被覆する接着層13と、接着層13を介してモジュール12を挟む第一基材14および第二基材15とを備え、モジュール12はその部位毎にその厚みに応じて異なる厚みを有する粘着層21,22,23を介して、第一基材14の一方の面14aに配され、粘着層21,22,23は第一基材14の外面14b側または第二基材の外面15a側から見て、その両端部がその他の部分よりも細くなっていることを特徴とする。
【解決手段】本発明のICカード10は、インレット11を有するモジュール12と、モジュール12を被覆する接着層13と、接着層13を介してモジュール12を挟む第一基材14および第二基材15とを備え、モジュール12はその部位毎にその厚みに応じて異なる厚みを有する粘着層21,22,23を介して、第一基材14の一方の面14aに配され、粘着層21,22,23は第一基材14の外面14b側または第二基材の外面15a側から見て、その両端部がその他の部分よりも細くなっていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification)用途の情報記録メディアのように、電磁波を媒体として外部から情報を受信し、また外部に情報を送信できるようにしたICカードおよびその製造方法に関し、特に、ベース基材とその一方の面に設けられ互いに接続されたアンテナおよびICチップとからなるインレットを有するモジュールを一対の基材により挟んでなるICカードおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RFID用途の情報記録メディアをキャッシュカードなどのICカードに適用するために、ベース基材とその一方の面に設けられ互いに接続されたアンテナおよびICチップとからなるインレットを有するモジュールを、一対の基材により挟んでなるICカードが提案されている。
図10は、従来のICカードの一例を示す概略断面図である。
この例のICカード100は、ベース基材101とその一方の面101aに設けられ互いに接続されたアンテナ102およびICチップ103とからなるインレット104と、このインレット104を被覆する接着層105と、この接着層105を介してインレット104を挟む一対の基材106A,106Bとから概略構成されている。
【0003】
次に、図11を参照して、このICカード100の製造方法を説明する。
このICカード100を製造するには、まず、接着層105をなすホットメルト接着剤105Aを介して、熱可塑性樹脂からなる基材106Aの一面106aにインレット104を配する。次いで、ホットメルト接着剤105Bを介して、このインレット104に基材106Bを重ねる。次いで、基材106A,106Bの外側から熱圧処理を施し、ホットメルト接着剤105A,105Bを溶融することにより、インレット104、ホットメルト接着剤105A,105Bおよび基材106A,106Bを一体化してICカード100を得る(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図12は、従来のICカードの他の例を示す概略断面図である。
この例のICカード110は、ベース基材111とその一方の面111aに設けられ互いに接続されたアンテナ112およびICチップ113とからなるインレット114と、このインレット114の外縁に配された第一中間基材115と、ICチップ113を挿入するための挿入口116aが設けられ、インレット114および第一中間基材115に重ねられた第二中間基材116と、インレット114、第一中間基材115および第二中間基材116を挟む一対の基材117A,117Bとから概略構成されている。
【0005】
次に、図13を参照して、このICカード110の製造方法を説明する。
このICカード110を製造するには、まず、インレット114の外縁に熱可塑性樹脂からなる第一中間基材115を配する。次いで、接着剤118により、熱可塑性樹脂からなる基材117Aの一面117aにインレット114および第一中間基材115を仮留めする。次いで、挿入口116a内にICチップ113を挿入するようにして、インレット114に熱可塑性樹脂からなる第二中間基材116を重ねるとともに、この第二中間基材116に基材117Bを重ねる。次いで、基材117A,117Bの外側から熱圧処理を施し、第一中間基材115、第二中間基材116および基材117A,117Bを融着することにより、インレット114、第一中間基材115、第二中間基材116および基材117A,117Bを一体化してICカード110を得る(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特表2005−531126号公報
【特許文献2】特表2006−503424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図10に示すように、ICカード100では、ICチップ103の厚みが他の部材に比べて大きいため、インレット104の表面の凹凸が激しいので、ICカード100の表面にも凹凸が生じ、表面が平坦でないという問題があった。また、このようにICカード100に凹凸が生じた状態では、内蔵されているICチップ103に歪みが生じ、ICチップ103が破壊されるおそれがある。さらに、ICカード100では、ホットメルト接着剤を用いているため、この接着剤を溶融してカードを形成する際、接着剤が流動するから、インレット104が所定の位置からずれるという問題があった。
【0007】
また、図12に示すように、ICチップ110では、第二中間基材116に設けた挿入口116a内にICチップ113を挿入しているものの、インレット114の表面に複雑な凹凸がある場合、ICチップ113の厚みを相殺しただけでは、その他の部材による凹凸を相殺することはできないため、依然としてICカード110の表面に凹凸が生じるという問題があった。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、内蔵されたICチップに歪みが生じることなく、かつ、表面が平坦なICカードおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のICカードは、インレットを有するモジュールと、該モジュールを被覆する接着層と、該接着層を介して前記モジュールを挟む第一基材および第二基材と、を備えたICカードであって、前記モジュールはその部位毎にその厚みに応じて異なる厚みを有する粘着層を介して、少なくとも前記第一基材の前記接着層と接する面に配され、前記粘着層は前記第一基材の外面側または第二基材の外面側から見て、その他の部分よりも細くなっている端部を少なくとも一つ有することを特徴とする。
【0010】
本発明のICカードの製造方法は、インレットを有するモジュールと、該モジュールを被覆する接着層と、該接着層を介して前記モジュールを挟む第一基材および第二基材とを備えたICカードの製造方法であって、前記第一基材の一方の面に、前記モジュールの部位毎にその厚みに応じて異なる厚みに粘着剤を塗布または貼付する工程と、前記第一基材の一方の面に前記接着層をなす接着剤を塗布する工程と、前記粘着剤を介して前記第一基材の一方の面に前記モジュールを配する工程と、前記第一基材と前記第二基材によって前記モジュール、前記粘着剤および前記接着剤を挟むように、前記第二基材を配する工程と、前記第一基材および前記第二基材の外側、かつ、これらの一端から前記接着剤の流れ方向に沿って加圧処理する工程と、を備え、前記粘着剤を塗布する工程において、前記粘着剤の端部が前記接着剤の流れ方向を向くように、前記粘着剤を塗布するとともに、前記モジュールの部位毎にその厚みに応じて異なる厚みに、互いに離隔して前記粘着剤を塗布することを特徴とする。
【0011】
前記第一基材の一方の面に接着剤を塗布する工程において、前記接着剤を複数条に塗布することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のICカードは、インレットを有するモジュールと、該モジュールを被覆する接着層と、該接着層を介して前記モジュールを挟む第一基材および第二基材と、を備え、モジュールが、その部位毎にその厚みに応じて異なる厚みを有する粘着層を介して、少なくとも第一基材の接着層と接する面に配され、粘着層が第一基材の外面側または第二基材の外面側から見て、その他の部分よりも細くなっている端部を少なくとも一つ有するので、モジュールが第一基材と第二基材の間にて撓むことなく、これらの基材とほぼ平行に配され、かつ、モジュールと、第一基材および第二基材との間における粘着層以外の領域には、接着層が形成されているから、ICカードの表面にはモジュールの凹凸に起因する凹凸が存在しない。したがって、ICカードの表面は平坦面をなしている。また、モジュールが撓むことにより、ICチップに歪みが生じることがないので、この歪みによってICチップが破壊されることもない。ゆえに、本発明のICカードは長期間安定に使用することができる。
【0013】
本発明のICカードの製造方法によれば、粘着剤を塗布または貼付する工程において、粘着剤の端部が接着剤の流れ方向を向くように、粘着剤を塗布し、かつ、モジュールの部位毎にその厚みに応じて厚みを変え、粘着剤を互いに離隔して設けるので、第一基材および第二基材の間にて、モジュールをより安定に、これらの基材に対して平行に配することができるとともに、加圧処理する工程において、接着剤をモジュールと第一基材との間に隙間無く流動させることができる。したがって、第一基材と第二基材の間において、モジュール全体が接着剤に被覆されたICカードを作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のICカードおよびその製造方法の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0015】
(ICカード)
図1は、本発明に係るICカードの一実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
図1中、符号10はICカード、11はインレット、12はモジュール、13は接着層、14は第一基材、15は第二基材、16はベース基材、17はアンテナ、18はICチップ、19は電子部品、20は接続部、21,22,23は粘着層をそれぞれ示している。
【0016】
この実施形態のICカード10は、インレット11を有するモジュール12と、このモジュール12を被覆する接着層13と、この接着層13を介してモジュール12を挟む第一基材14および第二基材15と、モジュール12と第一基材14の間に設けられた粘着層21,22,23とから概略構成されている。
また、モジュール12は、その部位毎に、その厚みに応じて異なる厚みを有する粘着層21,22,23を介して、第一基材14の接着層13と接する面(以下、「一方の面」と言う。)14aに配されている。また、粘着層21,22,23は、第一基材14の他方の面(以下、「外面」と言うこともある。)14b側または第二基材15の外面15a側から見て、その両端部がその他の部分よりも細い紡錘形をなしている。
さらに、粘着層21,22,23は、互いに離隔して、モジュール12の部位毎に、その第一基材14の一方の面14aと対向する側の面の一部に設けられている。
そして、モジュール12と第一基材14との間における粘着層21,22,23以外の領域には、接着層13が形成されている。
【0017】
インレット11は、ベース基材16と、その一方の面16aに設けられ互いに接続されたコイル状のアンテナ17およびICチップ18とから概略構成されている。
モジュール12は、このインレット11と、電子部品19と、これらを接続する導線などからなる導電材20とから概略構成されている。
また、モジュール12は、インレット11を構成する部材や電子部品19の厚みが異なるため、その表面または裏面は凹凸をなしている。
【0018】
接着層13をなす接着剤としては、使用前は液状であり、加熱、紫外線照射、電子線照射などの外的条件を加えることにより硬化する接着剤が用いられる。このような接着剤としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂が挙げられる。また、外的条件を加えなくても主剤と硬化剤の反応によって硬化する2液硬化型接着剤も用いられる。
熱硬化型樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル系反応樹脂などが挙げられる。
【0019】
紫外線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化性ウレタンアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリウレタン樹脂、紫外線硬化性エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化性イミドアクリレート樹脂などが挙げられる。
電子線硬化性樹脂としては、電子線硬化性アクリル樹脂、電子線硬化性ウレタンアクリレート樹脂、電子線硬化性ポリエステルアクリレート樹脂、電子線硬化性ポリウレタン樹脂、電子線硬化性エポキシアクリレート樹脂、カチオン硬化型樹脂などが挙げられる。
2液硬化型接着剤としては、ポリエステル樹脂とポリイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの混合物、ウレタンとポリイソシアネートとの混合物などが挙げられる。
【0020】
このような接着剤の具体例としては、主剤(商品名:アロンマイティAP−317A、東亞合成社製)と硬化剤(商品名:アロンマイティAP−317B、東亞合成社製)からなる2液混合型エポキシ系接着剤、主剤(商品名:MLT2900、イーテック社製)と硬化剤(商品名:G3021−B174、イーテック社製)からなる2液混合型ウレタン系接着剤などが挙げられる。
【0021】
第一基材14および第二基材15としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂からなる基材;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂からなる基材;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレンなどのポリフッ化エチレン系樹脂からなる基材;ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂からなる基材;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロンなどのビニル重合体からなる基材;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂からなる基材;ポリスチレンからなる基材;;ポリカーボネート(PC)からなる基材;;ポリアリレートからなる基材;;ポリイミドからなる基材;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙などの紙からなる基材などが用いられる。これらの基材の中でも、機械的強度、寸法安定性、耐溶剤性の点からポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などからなる基材が好ましく、透明性、加工適性、コストの点からポリエチレンテレフタレート(PET)またはグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)からなる基材がより好ましい。
【0022】
ベース基材16としては、少なくとも表層部には、ガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたもの、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたものや、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合基材や、ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン−ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材や、あるいはこれらにマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理、オゾン処理、または各種易接着処理などの表面処理を施したものなどの公知のものから選択して用いられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートまたはポリイミドからなる電気絶縁性のフィルムまたはシートが好適に用いられる。
【0023】
アンテナ17は、ベース基材16の一方の面16aにポリマー型導電インクを用いて所定のパターン状にスクリーン印刷により形成されてなるものか、もしくは、導電性箔をエッチングしてなるもの、金属メッキしてなるものである。
【0024】
ポリマー型導電インクとしては、例えば、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などの導電微粒子が樹脂組成物に配合されたものが挙げられる。
樹脂組成物としては、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂、浸透乾燥型樹脂、溶剤揮発型樹脂などの公知のものが用いられる。
【0025】
ICチップ18としては、特に限定されず、アンテナ17を介して非接触状態にて情報の書き込みおよび読み出しが可能なものであれば、非接触型ICタグや非接触型ICラベル、あるいは非接触型ICカードなどのRFIDメディアに適用可能なものであればいかなるものでも用いられる。
【0026】
電子部品19としては、ベース基材とこれに実装された電池、ダイオード、アンテナなどからなるものが挙げられる。
【0027】
粘着層21,22,23をなす粘着剤としては、液体と固体の両方の性質を有し、常に濡れた状態にあり、流動性が低く、それ自体の形状を保持する粘着剤が用いられる。このような粘着剤としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、ホットメルト粘着剤などが挙げられる。
粘着剤の具体例としては、フィルム両面テープ(商品名:No705、寺岡製作所社製)、両面テープ(商品名:TL−85F−12、リンテック社製)などが挙げられる。
【0028】
この実施形態のICカード10は、モジュール12が、その部位毎に、その厚みに応じて異なる厚みを有する粘着層21,22,23を介して、第一基材14の一方の面14aに配され、粘着層21,22,23は、第一基材14の外面14b側または第二基材15の外面15a側から見て、その両端部がその他の部分よりも細い紡錘形をなしているので、モジュール12が第一基材14と第二基材15の間にて撓むことなく、これらの基材とほぼ平行に配され、かつ、モジュール12と、第一基材14および第二基材15との間における粘着層21,22,23以外の領域には、接着層13が形成されているから、ICカード10の表面にはモジュール12の凹凸に起因する凹凸が存在しない。したがって、ICカード10の表面は平坦面をなしている。また、モジュール12が撓むことにより、ICチップ18に歪みが生じることがないので、この歪みによってICチップ18が破壊されることもない。さらに、接着層13をなす接着剤として、ホットメルト接着剤を用いていないので、カードを形成する際、接着剤の流動によりモジュール12が所定の位置からずれることがなく、モジュール12は所定の位置に配される。ゆえに、ICカード10は長期間安定に使用することができる。
【0029】
なお、この実施形態では、粘着層21,22,23が、第一基材14の外面14b側または第二基材15の外面15a側から見て、その両端部がその他の部分よりも細い紡錘形をなしているICカード10を例示したが、本発明のICカードはこれに限定されない。本発明のICカードにあっては、粘着層は第一基材の外面側または第二基材の外面側から見て、その他の部分よりも細くなっている端部を少なくとも一つ有していればよい。
すなわち、図2に示すように、本発明のICカードにおける粘着層は、粘着層24のように、第一基材14の外面14b側または第二基材15の外面15a側から見て、その両端部がその他の部分よりも細い楕円形をなしていてもよい。また、本発明のICカードにおける粘着層は、粘着層25のように、第一基材14の外面14b側または第二基材15の外面15a側から見て、その両端部がその他の部分よりも細い紡錘形をなしていてもよい。また、本発明のICカードにおける粘着層は、粘着層26のように、第一基材14の外面14b側または第二基材15の外面15a側から見て、その一端部がその他の部分よりも細い涙形(一端部が丸く、他端部が尖っている形状)をなしていてもよい。さらに、粘着層は、第一基材の外面側または第二基材の外面側から見て、菱形、三角形などをなしていてもよい。
【0030】
また、この実施形態では、モジュール12と第一基材14の間に、粘着層21,22,23が設けられたICカード10を例示したが、本発明のICカードはこれに限定されない。本発明のICカードにあっては、モジュールと第二基材の間にも、モジュールの部位毎にその厚みに応じて異なる厚みを有する粘着層を設けてよい。
さらに、この実施形態では、モジュール12の部位毎に、粘着層21,22,23を1つずつ設けたICカード10を例示したが、本発明のICモジュールはこれに限定されない。本発明のICカードにあっては、図2に示すように、モジュールの部位毎に、複数の粘着層を設けてもよい。このように、粘着層を複数設ければ、第一基材および第二基材の間にて、モジュールをより安定に、これらの基材に対して平行に配することができる。
【0031】
そして、この実施形態では、粘着層21,22,23が、その両端部を第一基材14の長手方向に対して斜めにして設けられたICカード10を例示したが、本発明のICカードはこれに限定されない。本発明のICカードにあっては、図2に示す粘着層25のように、粘着層が、その両端部を第一基材または第二基材の長手方向に対して平行にして設けられていてもよい。
【0032】
(ICカードの製造方法)
次に、図3〜図8を参照して、本発明のICカードの製造方法について説明する。
まず、図3に示すように、第一基材34の一方の面34aに、端部が接着剤の流れ方向を向くように、かつ、後述のモジュール32の部位毎にその厚みに応じて異なる厚みになるように、粘着剤41,42,43を互いに離隔して塗布または貼付する(粘着剤を塗布または貼付する工程)。
【0033】
なお、この実施形態のICカードの製造方法において、接着剤の流れ方向とは、第一基材34と、後述の第二基材35とを貼り合わせて、ICカードを形成するために、熱圧処理する際に接着剤が流動する方向のことである。この実施形態では、第一基材34の長手方向に沿って接着剤を塗布するので、この塗布する方向は、接着剤の流れ方向とほぼ同じになっている。
【0034】
次いで、図4に示すように、第一基材34の一方の面34aに、第一基材34の長手方向に沿って、接着剤33を複数条に塗布する(接着剤を塗布する工程)。
【0035】
次いで、図5に示すように、粘着剤41,42,43を介して、第一基材34の一方の面34aの所定位置にモジュール32を配する。
次いで、図6に示すように、第一基材34と第二基材35によってモジュール32、粘着剤41,42,43および接着剤33を挟むように、第二基材35を配する(モジュールを挟持する工程)。
【0036】
次いで、図7に示すように、第一基材34の外面34b側および第二基材35の外面35a側から、かつ、第一基材34の一端34cおよび第二基材35の一端35cから接着剤33の流れ方向に沿って、第一基材34、第二基材35、モジュール32、粘着剤41,42,43および接着剤33から構成される積層体を熱圧加圧処理および接着剤を硬化させる処理たとえば加熱、紫外線照射、電子線照射、エージング〔放置して時間とともに硬化反応をさせていくこと〕処理する(加圧および接着剤硬化処理する工程)ことによって、接着剤33を硬化させて、前記の積層体が一体化してなるICカードが得られる。
【0037】
この加圧処理する工程において、上記の積層体を加熱、加圧するには、図7に示すように、加圧ロール51,51により、第一基材34の外面34b側および第二基材35の外面35a側から、積層体を加圧する。
この加圧処理により、例えば、図8に示すように、第一基材34の一方の面34aに塗布した接着剤33が、図9に示すように、第一基材34の一端34cおよび第二基材35の一端35cから、第一基材34の2つの長辺および第二基材35の2つの長辺、並びに、第一基材34の他端34dおよび第二基材35の他端35dに向かって広がり、最終的に接着剤33によってモジュール32全体が被覆された状態となる。
【0038】
また、この実施形態のICカードの製造方法は、粘着剤を塗布または貼付する工程において、第一基材34の一方の面34aに、端部が接着剤の流れ方向を向くように、かつ、後述のモジュール32の部位毎にその厚みに応じて異なる厚みになるように、粘着剤41,42,43を互いに離隔して塗布するので、第一基材34および第二基材35の間にて、モジュール32をより安定に、これらの基材に対して平行に配することができるとともに、加圧処理する工程において、接着剤33を粘着剤41,42,43の間にも隙間無く流動させることができ、結果として、接着剤33をモジュール32と第一基材34との間に隙間無く流動させることができる。したがって、第一基材34と第二基材35の間において、モジュール32全体が接着剤33に被覆されたICカードが得られる。
この実施形態のICカードの製造方法では、接着剤を塗布する工程において、第一基材34の一方の面34aに、第一基材34の長手方向に沿って、接着剤33を複数条に塗布するので、モジュール32と、第一基材34および第二基材35との間に、接着剤33をより均一に行き渡らせることができる。したがって、モジュール32と、第一基材34および第二基材35との接着不良を防止することができる。
【0039】
なお、この実施形態では、接着剤を塗布する工程において、第一基材34の一方の面34aに、第一基材34の長手方向に沿って、接着剤33を複数条に塗布しているが、本発明のICカードの製造方法はこれに限定されない。本発明のICカードの製造方法にあっては、内蔵されるモジュールの大きさや表面の凹凸の程度などに応じて、接着剤の塗布量は適宜調整される。
【0040】
また、この実施形態では、第一基材34と第二基材35の一対の基材によって、1つのモジュール32を挟んでICカードを製造する場合を例示したが、本発明のICカードの製造方法はこれに限定されない。本発明のICカードの製造方法にあっては、大面積の一対の基材の間に、多数のモジュールを整列して配し、多数のモジュールが内蔵された大面積のカードを形成し、このカードを内蔵されたモジュール毎に分割して、ICカードを製造してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係るICカードの一実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】本発明に係るICカードを構成する粘着層を示す概略平面図である。
【図3】本発明に係るICカードの製造方法を示す概略斜視図である。
【図4】本発明に係るICカードの製造方法を示す概略斜視図である。
【図5】本発明に係るICカードの製造方法を示す概略斜視図である。
【図6】本発明に係るICカードの製造方法を示す概略斜視図である。
【図7】本発明に係るICカードの製造方法を示す概略斜視図である。
【図8】本発明に係るICカードの製造方法を示す概略斜視図である。
【図9】本発明に係るICカードの製造方法を示す概略斜視図である。
【図10】従来のICカードの一例を示す概略断面図である。
【図11】従来のICカードの製造方法の一例を示す概略断面図である。
【図12】従来のICカードの他の例を示す概略断面図である。
【図13】従来のICカードの製造方法の他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0042】
10・・・ICカード、11・・・インレット、12,32・・・モジュール、13・・・接着層、14,34・・・第一基材、15,35・・・第二基材、16・・・ベース基材、17・・・アンテナ、18・・・ICチップ、19・・・電子部品、20・・・接続部、21,22,23・・・粘着層、33・・・接着剤、41,42,43・・・粘着剤。
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification)用途の情報記録メディアのように、電磁波を媒体として外部から情報を受信し、また外部に情報を送信できるようにしたICカードおよびその製造方法に関し、特に、ベース基材とその一方の面に設けられ互いに接続されたアンテナおよびICチップとからなるインレットを有するモジュールを一対の基材により挟んでなるICカードおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RFID用途の情報記録メディアをキャッシュカードなどのICカードに適用するために、ベース基材とその一方の面に設けられ互いに接続されたアンテナおよびICチップとからなるインレットを有するモジュールを、一対の基材により挟んでなるICカードが提案されている。
図10は、従来のICカードの一例を示す概略断面図である。
この例のICカード100は、ベース基材101とその一方の面101aに設けられ互いに接続されたアンテナ102およびICチップ103とからなるインレット104と、このインレット104を被覆する接着層105と、この接着層105を介してインレット104を挟む一対の基材106A,106Bとから概略構成されている。
【0003】
次に、図11を参照して、このICカード100の製造方法を説明する。
このICカード100を製造するには、まず、接着層105をなすホットメルト接着剤105Aを介して、熱可塑性樹脂からなる基材106Aの一面106aにインレット104を配する。次いで、ホットメルト接着剤105Bを介して、このインレット104に基材106Bを重ねる。次いで、基材106A,106Bの外側から熱圧処理を施し、ホットメルト接着剤105A,105Bを溶融することにより、インレット104、ホットメルト接着剤105A,105Bおよび基材106A,106Bを一体化してICカード100を得る(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図12は、従来のICカードの他の例を示す概略断面図である。
この例のICカード110は、ベース基材111とその一方の面111aに設けられ互いに接続されたアンテナ112およびICチップ113とからなるインレット114と、このインレット114の外縁に配された第一中間基材115と、ICチップ113を挿入するための挿入口116aが設けられ、インレット114および第一中間基材115に重ねられた第二中間基材116と、インレット114、第一中間基材115および第二中間基材116を挟む一対の基材117A,117Bとから概略構成されている。
【0005】
次に、図13を参照して、このICカード110の製造方法を説明する。
このICカード110を製造するには、まず、インレット114の外縁に熱可塑性樹脂からなる第一中間基材115を配する。次いで、接着剤118により、熱可塑性樹脂からなる基材117Aの一面117aにインレット114および第一中間基材115を仮留めする。次いで、挿入口116a内にICチップ113を挿入するようにして、インレット114に熱可塑性樹脂からなる第二中間基材116を重ねるとともに、この第二中間基材116に基材117Bを重ねる。次いで、基材117A,117Bの外側から熱圧処理を施し、第一中間基材115、第二中間基材116および基材117A,117Bを融着することにより、インレット114、第一中間基材115、第二中間基材116および基材117A,117Bを一体化してICカード110を得る(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特表2005−531126号公報
【特許文献2】特表2006−503424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図10に示すように、ICカード100では、ICチップ103の厚みが他の部材に比べて大きいため、インレット104の表面の凹凸が激しいので、ICカード100の表面にも凹凸が生じ、表面が平坦でないという問題があった。また、このようにICカード100に凹凸が生じた状態では、内蔵されているICチップ103に歪みが生じ、ICチップ103が破壊されるおそれがある。さらに、ICカード100では、ホットメルト接着剤を用いているため、この接着剤を溶融してカードを形成する際、接着剤が流動するから、インレット104が所定の位置からずれるという問題があった。
【0007】
また、図12に示すように、ICチップ110では、第二中間基材116に設けた挿入口116a内にICチップ113を挿入しているものの、インレット114の表面に複雑な凹凸がある場合、ICチップ113の厚みを相殺しただけでは、その他の部材による凹凸を相殺することはできないため、依然としてICカード110の表面に凹凸が生じるという問題があった。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、内蔵されたICチップに歪みが生じることなく、かつ、表面が平坦なICカードおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のICカードは、インレットを有するモジュールと、該モジュールを被覆する接着層と、該接着層を介して前記モジュールを挟む第一基材および第二基材と、を備えたICカードであって、前記モジュールはその部位毎にその厚みに応じて異なる厚みを有する粘着層を介して、少なくとも前記第一基材の前記接着層と接する面に配され、前記粘着層は前記第一基材の外面側または第二基材の外面側から見て、その他の部分よりも細くなっている端部を少なくとも一つ有することを特徴とする。
【0010】
本発明のICカードの製造方法は、インレットを有するモジュールと、該モジュールを被覆する接着層と、該接着層を介して前記モジュールを挟む第一基材および第二基材とを備えたICカードの製造方法であって、前記第一基材の一方の面に、前記モジュールの部位毎にその厚みに応じて異なる厚みに粘着剤を塗布または貼付する工程と、前記第一基材の一方の面に前記接着層をなす接着剤を塗布する工程と、前記粘着剤を介して前記第一基材の一方の面に前記モジュールを配する工程と、前記第一基材と前記第二基材によって前記モジュール、前記粘着剤および前記接着剤を挟むように、前記第二基材を配する工程と、前記第一基材および前記第二基材の外側、かつ、これらの一端から前記接着剤の流れ方向に沿って加圧処理する工程と、を備え、前記粘着剤を塗布する工程において、前記粘着剤の端部が前記接着剤の流れ方向を向くように、前記粘着剤を塗布するとともに、前記モジュールの部位毎にその厚みに応じて異なる厚みに、互いに離隔して前記粘着剤を塗布することを特徴とする。
【0011】
前記第一基材の一方の面に接着剤を塗布する工程において、前記接着剤を複数条に塗布することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のICカードは、インレットを有するモジュールと、該モジュールを被覆する接着層と、該接着層を介して前記モジュールを挟む第一基材および第二基材と、を備え、モジュールが、その部位毎にその厚みに応じて異なる厚みを有する粘着層を介して、少なくとも第一基材の接着層と接する面に配され、粘着層が第一基材の外面側または第二基材の外面側から見て、その他の部分よりも細くなっている端部を少なくとも一つ有するので、モジュールが第一基材と第二基材の間にて撓むことなく、これらの基材とほぼ平行に配され、かつ、モジュールと、第一基材および第二基材との間における粘着層以外の領域には、接着層が形成されているから、ICカードの表面にはモジュールの凹凸に起因する凹凸が存在しない。したがって、ICカードの表面は平坦面をなしている。また、モジュールが撓むことにより、ICチップに歪みが生じることがないので、この歪みによってICチップが破壊されることもない。ゆえに、本発明のICカードは長期間安定に使用することができる。
【0013】
本発明のICカードの製造方法によれば、粘着剤を塗布または貼付する工程において、粘着剤の端部が接着剤の流れ方向を向くように、粘着剤を塗布し、かつ、モジュールの部位毎にその厚みに応じて厚みを変え、粘着剤を互いに離隔して設けるので、第一基材および第二基材の間にて、モジュールをより安定に、これらの基材に対して平行に配することができるとともに、加圧処理する工程において、接着剤をモジュールと第一基材との間に隙間無く流動させることができる。したがって、第一基材と第二基材の間において、モジュール全体が接着剤に被覆されたICカードを作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のICカードおよびその製造方法の最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0015】
(ICカード)
図1は、本発明に係るICカードの一実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
図1中、符号10はICカード、11はインレット、12はモジュール、13は接着層、14は第一基材、15は第二基材、16はベース基材、17はアンテナ、18はICチップ、19は電子部品、20は接続部、21,22,23は粘着層をそれぞれ示している。
【0016】
この実施形態のICカード10は、インレット11を有するモジュール12と、このモジュール12を被覆する接着層13と、この接着層13を介してモジュール12を挟む第一基材14および第二基材15と、モジュール12と第一基材14の間に設けられた粘着層21,22,23とから概略構成されている。
また、モジュール12は、その部位毎に、その厚みに応じて異なる厚みを有する粘着層21,22,23を介して、第一基材14の接着層13と接する面(以下、「一方の面」と言う。)14aに配されている。また、粘着層21,22,23は、第一基材14の他方の面(以下、「外面」と言うこともある。)14b側または第二基材15の外面15a側から見て、その両端部がその他の部分よりも細い紡錘形をなしている。
さらに、粘着層21,22,23は、互いに離隔して、モジュール12の部位毎に、その第一基材14の一方の面14aと対向する側の面の一部に設けられている。
そして、モジュール12と第一基材14との間における粘着層21,22,23以外の領域には、接着層13が形成されている。
【0017】
インレット11は、ベース基材16と、その一方の面16aに設けられ互いに接続されたコイル状のアンテナ17およびICチップ18とから概略構成されている。
モジュール12は、このインレット11と、電子部品19と、これらを接続する導線などからなる導電材20とから概略構成されている。
また、モジュール12は、インレット11を構成する部材や電子部品19の厚みが異なるため、その表面または裏面は凹凸をなしている。
【0018】
接着層13をなす接着剤としては、使用前は液状であり、加熱、紫外線照射、電子線照射などの外的条件を加えることにより硬化する接着剤が用いられる。このような接着剤としては、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂が挙げられる。また、外的条件を加えなくても主剤と硬化剤の反応によって硬化する2液硬化型接着剤も用いられる。
熱硬化型樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル系反応樹脂などが挙げられる。
【0019】
紫外線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性アクリル樹脂、紫外線硬化性ウレタンアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリエステルアクリレート樹脂、紫外線硬化性ポリウレタン樹脂、紫外線硬化性エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化性イミドアクリレート樹脂などが挙げられる。
電子線硬化性樹脂としては、電子線硬化性アクリル樹脂、電子線硬化性ウレタンアクリレート樹脂、電子線硬化性ポリエステルアクリレート樹脂、電子線硬化性ポリウレタン樹脂、電子線硬化性エポキシアクリレート樹脂、カチオン硬化型樹脂などが挙げられる。
2液硬化型接着剤としては、ポリエステル樹脂とポリイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの混合物、ウレタンとポリイソシアネートとの混合物などが挙げられる。
【0020】
このような接着剤の具体例としては、主剤(商品名:アロンマイティAP−317A、東亞合成社製)と硬化剤(商品名:アロンマイティAP−317B、東亞合成社製)からなる2液混合型エポキシ系接着剤、主剤(商品名:MLT2900、イーテック社製)と硬化剤(商品名:G3021−B174、イーテック社製)からなる2液混合型ウレタン系接着剤などが挙げられる。
【0021】
第一基材14および第二基材15としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂からなる基材;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂からなる基材;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレンなどのポリフッ化エチレン系樹脂からなる基材;ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂からなる基材;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロンなどのビニル重合体からなる基材;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂からなる基材;ポリスチレンからなる基材;;ポリカーボネート(PC)からなる基材;;ポリアリレートからなる基材;;ポリイミドからなる基材;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙などの紙からなる基材などが用いられる。これらの基材の中でも、機械的強度、寸法安定性、耐溶剤性の点からポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などからなる基材が好ましく、透明性、加工適性、コストの点からポリエチレンテレフタレート(PET)またはグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)からなる基材がより好ましい。
【0022】
ベース基材16としては、少なくとも表層部には、ガラス繊維、アルミナ繊維などの無機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたもの、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙などまたはこれらを組み合わせたものや、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて成形した複合基材や、ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン−ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材や、あるいはこれらにマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理、オゾン処理、または各種易接着処理などの表面処理を施したものなどの公知のものから選択して用いられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートまたはポリイミドからなる電気絶縁性のフィルムまたはシートが好適に用いられる。
【0023】
アンテナ17は、ベース基材16の一方の面16aにポリマー型導電インクを用いて所定のパターン状にスクリーン印刷により形成されてなるものか、もしくは、導電性箔をエッチングしてなるもの、金属メッキしてなるものである。
【0024】
ポリマー型導電インクとしては、例えば、銀粉末、金粉末、白金粉末、アルミニウム粉末、パラジウム粉末、ロジウム粉末、カーボン粉末(カーボンブラック、カーボンナノチューブなど)などの導電微粒子が樹脂組成物に配合されたものが挙げられる。
樹脂組成物としては、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂、浸透乾燥型樹脂、溶剤揮発型樹脂などの公知のものが用いられる。
【0025】
ICチップ18としては、特に限定されず、アンテナ17を介して非接触状態にて情報の書き込みおよび読み出しが可能なものであれば、非接触型ICタグや非接触型ICラベル、あるいは非接触型ICカードなどのRFIDメディアに適用可能なものであればいかなるものでも用いられる。
【0026】
電子部品19としては、ベース基材とこれに実装された電池、ダイオード、アンテナなどからなるものが挙げられる。
【0027】
粘着層21,22,23をなす粘着剤としては、液体と固体の両方の性質を有し、常に濡れた状態にあり、流動性が低く、それ自体の形状を保持する粘着剤が用いられる。このような粘着剤としては、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、ホットメルト粘着剤などが挙げられる。
粘着剤の具体例としては、フィルム両面テープ(商品名:No705、寺岡製作所社製)、両面テープ(商品名:TL−85F−12、リンテック社製)などが挙げられる。
【0028】
この実施形態のICカード10は、モジュール12が、その部位毎に、その厚みに応じて異なる厚みを有する粘着層21,22,23を介して、第一基材14の一方の面14aに配され、粘着層21,22,23は、第一基材14の外面14b側または第二基材15の外面15a側から見て、その両端部がその他の部分よりも細い紡錘形をなしているので、モジュール12が第一基材14と第二基材15の間にて撓むことなく、これらの基材とほぼ平行に配され、かつ、モジュール12と、第一基材14および第二基材15との間における粘着層21,22,23以外の領域には、接着層13が形成されているから、ICカード10の表面にはモジュール12の凹凸に起因する凹凸が存在しない。したがって、ICカード10の表面は平坦面をなしている。また、モジュール12が撓むことにより、ICチップ18に歪みが生じることがないので、この歪みによってICチップ18が破壊されることもない。さらに、接着層13をなす接着剤として、ホットメルト接着剤を用いていないので、カードを形成する際、接着剤の流動によりモジュール12が所定の位置からずれることがなく、モジュール12は所定の位置に配される。ゆえに、ICカード10は長期間安定に使用することができる。
【0029】
なお、この実施形態では、粘着層21,22,23が、第一基材14の外面14b側または第二基材15の外面15a側から見て、その両端部がその他の部分よりも細い紡錘形をなしているICカード10を例示したが、本発明のICカードはこれに限定されない。本発明のICカードにあっては、粘着層は第一基材の外面側または第二基材の外面側から見て、その他の部分よりも細くなっている端部を少なくとも一つ有していればよい。
すなわち、図2に示すように、本発明のICカードにおける粘着層は、粘着層24のように、第一基材14の外面14b側または第二基材15の外面15a側から見て、その両端部がその他の部分よりも細い楕円形をなしていてもよい。また、本発明のICカードにおける粘着層は、粘着層25のように、第一基材14の外面14b側または第二基材15の外面15a側から見て、その両端部がその他の部分よりも細い紡錘形をなしていてもよい。また、本発明のICカードにおける粘着層は、粘着層26のように、第一基材14の外面14b側または第二基材15の外面15a側から見て、その一端部がその他の部分よりも細い涙形(一端部が丸く、他端部が尖っている形状)をなしていてもよい。さらに、粘着層は、第一基材の外面側または第二基材の外面側から見て、菱形、三角形などをなしていてもよい。
【0030】
また、この実施形態では、モジュール12と第一基材14の間に、粘着層21,22,23が設けられたICカード10を例示したが、本発明のICカードはこれに限定されない。本発明のICカードにあっては、モジュールと第二基材の間にも、モジュールの部位毎にその厚みに応じて異なる厚みを有する粘着層を設けてよい。
さらに、この実施形態では、モジュール12の部位毎に、粘着層21,22,23を1つずつ設けたICカード10を例示したが、本発明のICモジュールはこれに限定されない。本発明のICカードにあっては、図2に示すように、モジュールの部位毎に、複数の粘着層を設けてもよい。このように、粘着層を複数設ければ、第一基材および第二基材の間にて、モジュールをより安定に、これらの基材に対して平行に配することができる。
【0031】
そして、この実施形態では、粘着層21,22,23が、その両端部を第一基材14の長手方向に対して斜めにして設けられたICカード10を例示したが、本発明のICカードはこれに限定されない。本発明のICカードにあっては、図2に示す粘着層25のように、粘着層が、その両端部を第一基材または第二基材の長手方向に対して平行にして設けられていてもよい。
【0032】
(ICカードの製造方法)
次に、図3〜図8を参照して、本発明のICカードの製造方法について説明する。
まず、図3に示すように、第一基材34の一方の面34aに、端部が接着剤の流れ方向を向くように、かつ、後述のモジュール32の部位毎にその厚みに応じて異なる厚みになるように、粘着剤41,42,43を互いに離隔して塗布または貼付する(粘着剤を塗布または貼付する工程)。
【0033】
なお、この実施形態のICカードの製造方法において、接着剤の流れ方向とは、第一基材34と、後述の第二基材35とを貼り合わせて、ICカードを形成するために、熱圧処理する際に接着剤が流動する方向のことである。この実施形態では、第一基材34の長手方向に沿って接着剤を塗布するので、この塗布する方向は、接着剤の流れ方向とほぼ同じになっている。
【0034】
次いで、図4に示すように、第一基材34の一方の面34aに、第一基材34の長手方向に沿って、接着剤33を複数条に塗布する(接着剤を塗布する工程)。
【0035】
次いで、図5に示すように、粘着剤41,42,43を介して、第一基材34の一方の面34aの所定位置にモジュール32を配する。
次いで、図6に示すように、第一基材34と第二基材35によってモジュール32、粘着剤41,42,43および接着剤33を挟むように、第二基材35を配する(モジュールを挟持する工程)。
【0036】
次いで、図7に示すように、第一基材34の外面34b側および第二基材35の外面35a側から、かつ、第一基材34の一端34cおよび第二基材35の一端35cから接着剤33の流れ方向に沿って、第一基材34、第二基材35、モジュール32、粘着剤41,42,43および接着剤33から構成される積層体を熱圧加圧処理および接着剤を硬化させる処理たとえば加熱、紫外線照射、電子線照射、エージング〔放置して時間とともに硬化反応をさせていくこと〕処理する(加圧および接着剤硬化処理する工程)ことによって、接着剤33を硬化させて、前記の積層体が一体化してなるICカードが得られる。
【0037】
この加圧処理する工程において、上記の積層体を加熱、加圧するには、図7に示すように、加圧ロール51,51により、第一基材34の外面34b側および第二基材35の外面35a側から、積層体を加圧する。
この加圧処理により、例えば、図8に示すように、第一基材34の一方の面34aに塗布した接着剤33が、図9に示すように、第一基材34の一端34cおよび第二基材35の一端35cから、第一基材34の2つの長辺および第二基材35の2つの長辺、並びに、第一基材34の他端34dおよび第二基材35の他端35dに向かって広がり、最終的に接着剤33によってモジュール32全体が被覆された状態となる。
【0038】
また、この実施形態のICカードの製造方法は、粘着剤を塗布または貼付する工程において、第一基材34の一方の面34aに、端部が接着剤の流れ方向を向くように、かつ、後述のモジュール32の部位毎にその厚みに応じて異なる厚みになるように、粘着剤41,42,43を互いに離隔して塗布するので、第一基材34および第二基材35の間にて、モジュール32をより安定に、これらの基材に対して平行に配することができるとともに、加圧処理する工程において、接着剤33を粘着剤41,42,43の間にも隙間無く流動させることができ、結果として、接着剤33をモジュール32と第一基材34との間に隙間無く流動させることができる。したがって、第一基材34と第二基材35の間において、モジュール32全体が接着剤33に被覆されたICカードが得られる。
この実施形態のICカードの製造方法では、接着剤を塗布する工程において、第一基材34の一方の面34aに、第一基材34の長手方向に沿って、接着剤33を複数条に塗布するので、モジュール32と、第一基材34および第二基材35との間に、接着剤33をより均一に行き渡らせることができる。したがって、モジュール32と、第一基材34および第二基材35との接着不良を防止することができる。
【0039】
なお、この実施形態では、接着剤を塗布する工程において、第一基材34の一方の面34aに、第一基材34の長手方向に沿って、接着剤33を複数条に塗布しているが、本発明のICカードの製造方法はこれに限定されない。本発明のICカードの製造方法にあっては、内蔵されるモジュールの大きさや表面の凹凸の程度などに応じて、接着剤の塗布量は適宜調整される。
【0040】
また、この実施形態では、第一基材34と第二基材35の一対の基材によって、1つのモジュール32を挟んでICカードを製造する場合を例示したが、本発明のICカードの製造方法はこれに限定されない。本発明のICカードの製造方法にあっては、大面積の一対の基材の間に、多数のモジュールを整列して配し、多数のモジュールが内蔵された大面積のカードを形成し、このカードを内蔵されたモジュール毎に分割して、ICカードを製造してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係るICカードの一実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図2】本発明に係るICカードを構成する粘着層を示す概略平面図である。
【図3】本発明に係るICカードの製造方法を示す概略斜視図である。
【図4】本発明に係るICカードの製造方法を示す概略斜視図である。
【図5】本発明に係るICカードの製造方法を示す概略斜視図である。
【図6】本発明に係るICカードの製造方法を示す概略斜視図である。
【図7】本発明に係るICカードの製造方法を示す概略斜視図である。
【図8】本発明に係るICカードの製造方法を示す概略斜視図である。
【図9】本発明に係るICカードの製造方法を示す概略斜視図である。
【図10】従来のICカードの一例を示す概略断面図である。
【図11】従来のICカードの製造方法の一例を示す概略断面図である。
【図12】従来のICカードの他の例を示す概略断面図である。
【図13】従来のICカードの製造方法の他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0042】
10・・・ICカード、11・・・インレット、12,32・・・モジュール、13・・・接着層、14,34・・・第一基材、15,35・・・第二基材、16・・・ベース基材、17・・・アンテナ、18・・・ICチップ、19・・・電子部品、20・・・接続部、21,22,23・・・粘着層、33・・・接着剤、41,42,43・・・粘着剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インレットを有するモジュールと、該モジュールを被覆する接着層と、該接着層を介して前記モジュールを挟む第一基材および第二基材と、を備えたICカードであって、
前記モジュールはその部位毎にその厚みに応じて異なる厚みを有する粘着層を介して、少なくとも前記第一基材の前記接着層と接する面に配され、前記粘着層は前記第一基材の外面側または第二基材の外面側から見て、その他の部分よりも細くなっている端部を少なくとも一つ有することを特徴とするICカード。
【請求項2】
インレットを有するモジュールと、該モジュールを被覆する接着層と、該接着層を介して前記モジュールを挟む第一基材および第二基材とを備えたICカードの製造方法であって、
前記第一基材の一方の面に粘着剤を塗布または貼付する工程と、前記第一基材の一方の面に前記接着層をなす接着剤を塗布する工程と、前記粘着剤を介して前記第一基材の一方の面に前記モジュールを配する工程と、前記第一基材と前記第二基材によって前記モジュール、前記粘着剤および前記接着剤を挟むように、前記第二基材を配する工程と、前記第一基材および前記第二基材の外側、かつ、これらの一端から前記接着剤の流れ方向に沿って加圧処理する工程と、を備え、
前記粘着剤を塗布する工程において、前記粘着剤の端部が前記接着剤の流れ方向を向くように、前記粘着剤を塗布するとともに、前記モジュールの部位毎にその厚みに応じて異なる厚みに、互いに離隔して前記粘着剤を塗布することを特徴とするICカードの製造方法。
【請求項3】
前記第一基材の一方の面に接着剤を塗布する工程において、前記接着剤を複数条に塗布することを特徴とする請求項2に記載のICカードの製造方法。
【請求項1】
インレットを有するモジュールと、該モジュールを被覆する接着層と、該接着層を介して前記モジュールを挟む第一基材および第二基材と、を備えたICカードであって、
前記モジュールはその部位毎にその厚みに応じて異なる厚みを有する粘着層を介して、少なくとも前記第一基材の前記接着層と接する面に配され、前記粘着層は前記第一基材の外面側または第二基材の外面側から見て、その他の部分よりも細くなっている端部を少なくとも一つ有することを特徴とするICカード。
【請求項2】
インレットを有するモジュールと、該モジュールを被覆する接着層と、該接着層を介して前記モジュールを挟む第一基材および第二基材とを備えたICカードの製造方法であって、
前記第一基材の一方の面に粘着剤を塗布または貼付する工程と、前記第一基材の一方の面に前記接着層をなす接着剤を塗布する工程と、前記粘着剤を介して前記第一基材の一方の面に前記モジュールを配する工程と、前記第一基材と前記第二基材によって前記モジュール、前記粘着剤および前記接着剤を挟むように、前記第二基材を配する工程と、前記第一基材および前記第二基材の外側、かつ、これらの一端から前記接着剤の流れ方向に沿って加圧処理する工程と、を備え、
前記粘着剤を塗布する工程において、前記粘着剤の端部が前記接着剤の流れ方向を向くように、前記粘着剤を塗布するとともに、前記モジュールの部位毎にその厚みに応じて異なる厚みに、互いに離隔して前記粘着剤を塗布することを特徴とするICカードの製造方法。
【請求項3】
前記第一基材の一方の面に接着剤を塗布する工程において、前記接着剤を複数条に塗布することを特徴とする請求項2に記載のICカードの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−117272(P2008−117272A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301519(P2006−301519)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]