説明

ICカードの製造方法およびICカードの製造装置

【課題】高い生産効率でICカードを製造することができる製造方法を提供する 。
【解決手段】本発明による製造方法は、アンテナ20として機能するアンテナ用導電体22と、アンテナ用導電体に接続されたICチップ18と、を内蔵したICカードの製造方法である。製造方法は、シート状基材12の一方の面13上におけるシート状基材の幅方向に沿った一側領域13a内にアンテナ用導電体を形成する工程と、シート状基材の一方の面上における一側領域内にICチップを配置するとともに、ICチップとアンテナ用導電体を接続する工程と、シート状基材を長手方向に沿って折り曲げる工程と、を備えている。シート状基材は、一方の面の一側領域と他側領域とが対面するように折り曲げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナとして機能するアンテナ用導電体と、アンテナ用導電体に接続されたICチップと、を内蔵したICカードの製造方法に係り、とりわけ、高い生産効率で安定してICカードを製造することができる製造方法に関する。
【0002】
また、本発明は、アンテナとして機能するアンテナ用導電体と、アンテナ用導電体に接続されたICチップと、を内蔵したICカードの製造装置に係り、とりわけ、高い生産効率で安定してICカードを製造することができる製造装置に関する。
【背景技術】
【0003】
昨今、リーダ・ライタ等の外部装置と非接触でデータの送受信を行うICカードが広く普及している。一般に、ICカードは、接続端子を有するアンテナを内蔵したICカード用基材と、IC回路を有しアンテナに接続されたICモジュールと、を備えている。
【0004】
ICカードは、例えば特許文献1に開示されているように、以下の方法で製造され得る。まず、ICカード用基材を作製する。次に、ICカード用基材を一方の面から切削してアンテナ回路の接続端子を露出させる凹部を形成する。最後に、ICモジュールをアンテナと接続した状態で凹部内に固定する。(例えば、特許文献1)。
【0005】
このようなICカードの需要は拡大される傾向にある。これにともない、高い生産効率で安定してICカードを製造することが最重要課題の一つとなっている。
【特許文献1】特開平9−123654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ICカードに用いられているICチップは非常に小型化されている。したがって、このICチップをアンテナに対して精度良く位置決めすることは困難である。とりわけ、特許文献1に開示されているような、枚葉状のICカード用基材に対してICチップ(ICモジュール)を実装していく場合には、都度、正確な位置決めが要求される。このことはICカードの生産効率を大きく悪化させる要因となる。
【0007】
また、特許文献1に開示された製造方法においては、ICモジュールをICカード用基材に接続および固定する際、通常、超音波接合や接着剤の硬化等、熱を発生させてしまうプロセスが含まれるようになる。そして、ICモジュールの配置位置が、通常、ICモジュールの中心ではない。これらのことから、製造工程の最終段階で局所的に熱が加えられ、結果として、得られたICカードにそりが生じてしまうことがある。
【0008】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、高い生産効率で安定してICカードを製造することができるICカードの製造方法およびICカードの製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるICカードの製造方法は、アンテナとして機能するアンテナ用導電体と、アンテナ用導電体に接続されたICチップと、を内蔵したICカードの製造方法であって、細長いシート状基材の一方の面上における、前記シート状基材の長手方向に直交する幅方向に沿った一側の領域内に、前記アンテナ用導電体を形成する工程と、前記シート状基材の前記一方の面上における前記一側領域内に、前記ICチップを配置するとともに、前記ICチップと前記アンテナ用導電体を接続する工程と、前記一方の面の一側の領域と前記一方の面の他側の領域とが対面するように、前記シート状基材の長手方向に沿って前記シート状基材を折り曲げる工程と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明によるICカードの製造方法の前記ICチップを配置する工程において、前記ICチップと、前記ICチップに接続された接続用導電体と、を有したインターポーザを、前記シート状基材の一方の面上における前記一側領域に配置するとともに、前記接続用導電体を介して前記ICチップと前記アンテナ用導電体とを接続するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明によるICカードの製造方法が、前記折り曲げる工程の前に、前記一方の面上に接着層を形成する工程と、前記折り曲げる工程の後に、前記対面している前記一方の面の前記一側領域と、前記一方の面の前記他側領域と、の間に介在する前記接着層を硬化させる工程と、をさらに備えるようにしてもよい。この場合、前記接着層を形成する工程は、前記アンテナ用導電体を形成する工程と、前記ICチップを配置する工程と、の間に設けられ、前記接着層は前記一方の面の前記一側領域に形成され、形成された接着層には、前記ICチップと接続されるようになる前記アンテナ用導電体の接続端子を露出させる孔が設けられているようにしてもよい。
【0012】
さらに、本発明によるICカードの製造方法が、前記折り曲げられたシート状基材を、前記アンテナ用導電体ごとに打ち抜くまたは切断し、個々のICカードを取り出す工程をさらに備えるようにしてもよい。
【0013】
さらに、本発明によるICカードの製造方法が、前記シート状基材の少なくともいずれかの面上に印刷を施す工程をさらに備えるようにしてもよい。
【0014】
さらに、本発明によるICカードの製造方法において、前記シート状基材には長手方向に沿い等間隔を空けて多数の穴が形成されており、前記シート状基材の多数の穴と、前記多数の穴と同一ピッチでローラーに設けられた突起と、を係合させた状態でローラーを回転させることにより搬送される前記シート状基材に対し、少なくとも前記アンテナ用導電体を形成する工程および前記ICチップを配置する工程が施されていくようにしてもよい。
【0015】
さらに、本発明によるICカードの製造方法が、前記折り曲げ工程の前に、前記シート状基材上に折り曲げ基準線を画定する工程をさらに備え、前記折り曲げ工程において、前記折り曲げ基準線に沿って前記シート状基材を折り曲げるようにしてもよい。
【0016】
さらに、本発明によるICカードの製造方法の前記折り曲げ基準線を画定する工程において、前記シート状基材の長手方向に沿った凹部を前記シート状基材に形成するようにしてもよい。
【0017】
本発明によるICカードの製造装置は、アンテナとして機能するアンテナ用導電体と、アンテナ用導電体に接続されたICチップと、を内蔵したICカードの製造装置であって、細長いシート状基材を、前記シート状基材の長手方向に沿って搬送する手段と、搬送されてきた前記シート状基材の一方の面上における、前記シート状基材の長手方向に直交する幅方向に沿った一側の領域内に、前記アンテナ用導電体を形成する手段と、前記シート状基材の一方の面上における前記一側領域内に、前記ICチップを配置する手段と、前記シート状基材上の前記ICチップと前記アンテナ用導電体とを接続する手段と、前記一方の面の一側の領域と前記一方の面の他側の領域とが対面するように、前記シート状基材の長手方向に沿って前記シート状基材を折り曲げる手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明によるICカードの製造装置において、前記ICチップを配置する手段は、前記ICチップと、前記ICチップに接続された接続用導電体と、を有したインターポーザを前記シート状基材の前記一方の面上における前記一側領域に配置するようになされ、前記接続する手段は、前記接続用導電体を介して前記ICチップと前記アンテナ用導電体とを接続するようにしてもよい。
【0019】
また、本発明によるICカードの製造装置が、前記折り曲げる手段の上流側に設けられ前記一方の面上に接着層を形成する手段と、前記折り曲げる工程の下流側に設けられ前記対面している前記一方の面の前記一側領域と前記一方の面の前記他側領域との間に介在する前記接着層を硬化させる手段と、をさらに備えるようにしてもよい。この場合、前記接着層を形成する手段は、前記アンテナ用導電体を形成する手段と、前記ICチップを配置する手段と、の間に設けられ、前記接着層を形成する手段は、記一方の面の前記一側領域に前期接着層を形成し、形成された接着層が、前記ICチップと接続されるようになる前記アンテナ用導電体の接続端子を露出させる孔が含むように、なされているようにしてもよい。
【0020】
さらに、本発明によるICカードの製造装置が、前記折り曲げられたシート状基材を、前記アンテナ用導電体ごとに打ち抜くまたは切断して、個々のICカードを取り出す手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0021】
さらに、本発明によるICカードの製造装置が、前記シート状基材の少なくともいずれの面上に印刷を施す手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0022】
さらに、本発明によるICカードの製造装置が、前記アンテナ用導電体を形成する手段の上流側に設けられ、前記シート状基材の長手方向に沿って所定ピッチで前記シート状基材に穴を形成する手段をさらに備え、前記搬送手段は、前記穴と同一ピッチで複数の突起が形成されたローラーを有し、この突起を前記シート状基材に形成された穴と係合させながら前記シート状基材を搬送するようにしてもよい。
【0023】
さらに、本発明によるICカードの製造装置が、前記シート状基材上に折り曲げ基準線を画定する手段をさらに備え、前記折り曲げる手段は、前記折り曲げ基準線に沿って前記シート状基材を折り曲げるようになされているようにしてもよい。
【0024】
さらに、本発明によるICカードの製造装置において、前記折り曲げ基準線を画定する手段は、前記シート状基材の長手方向に沿った凹部を前記シート状基材に形成するエンボスロールを有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、細長いシート状基材に対して処理を行っていくことにより、ICカードが順次作製されていく。したがって、精度良く高い生産効率でICカードを製造していくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
【0027】
図1乃至図15は本発明によるICカードの製造方法およびICカードの製造装置の一実施の形態を説明するための図である。
【0028】
<ICカード>
まず、主に図1乃至図5を用いて、本発明の製造対象となるICカードの一例を説明する。ここで、図1はICカード10を示す斜視図であり、図2は図1のII−II線に沿った断面図であり、図3はICカードの製造に用いられるインターポーザを示す上面図であり、図4は図2のVI−VI線に沿った断面図である。
【0029】
図1乃至4に示すように、ICカード10は、第1板状部材11aと、第1板状部材11aに積層された第2板状部材11bと、第1板状部材11aおよび第2板状部材11bの間に設けられた非接触通信要素15と、を備えている。このうち、第1板状部材11aおよび第2板状部材11bは、例えば、非導電性のPETや紙等から構成される。第1板状部材11aおよび第2板状部材11bの所望の場所に、所望の文字、模様、パターン9等が印刷されている。一方、非接触通信要素15は、アンテナ20と、アンテナ20に接続されたICチップ18と、を有している。
【0030】
なお、図2は、図1に示すICカード10から第1板状部材11aを取り外した状態を示すICカードの分解図に相当する。
【0031】
このようなICカード10は、図示しない外部装置(リーダ・ライタ等)とアンテナ20を介し非接触で通信することができ、所有者の個人情報等を記録した媒体としてだけなく、いわゆるICタグや共振タグ等として、あるいは、これらの一部をなす部品として用いられ得る。情報保持媒体(データキャリア媒体)として使用される場合、ICチップ18は情報を記録するためのメモリを含み、外部装置(リーダ・ライタ等)により、アンテナ20を介してICチップ18に記録された情報を読み出したり、アンテナ20を介してICチップ18に新たな情報を書き込んだりすることができるようになっている。そして、非接触通信部材10のこのような機能を発現するための回路配線がICチップ18に書き込まれている。
【0032】
このうち、非接触通信要素15についてさらに詳述する。図2乃至図3に示すように、本実施の形態において、非接触通信要素15は、アンテナ20と、アンテナ20に接続されたインターポーザ16と、を有している。
【0033】
図3に示すように、インターポーザ16は、ICチップ18と、ICチップ18と電気的に接続した(導通した)一対の接続用導電体17と、接続用導電体17を支持する支持シート19と、を有している。
【0034】
ICチップ18は、平坦な直方体状に形成されている。図3および図4に示すように、ICチップ18は、略矩形状、さらに詳しくは略正方形状からなり、対向して配置され一対の主面を有している。前記回路配線は、主面のうちの一方の面に書き込まれている。また、図3および図4に示すように、接続用導電体17アンテナ20との接続に用いられる接続電極(バンプ)18aが、回路配線の一つとして前記一方の主面に突設されている。本実施の形態において、ICチップ18は、一方の主面の四隅近傍に配置された4つの接続電極18aを有している。このようなICチップ18の厚さは、例えば100μmから400μmとなっている。また、接続電極18aは、ICチップ18の主面から例えば20μm程度突出している。
【0035】
図3および図4に示すように、四つの接続電極18aの内の二つが一方の接続用導電体17と接触し、他の二つの接続電極18aが他方の接続用導電体17と接触するようにして、ICチップ18が接続用導電体17(支持シート19)上に配置されている。また、図4に示されているように、接続用導電体17(支持シート19)とICチップ18との間に非導電性の接着剤26が設けられている。この接着剤26によって、ICチップ18が接続用導電体19を介して支持シート19上に固定されている。このような構成によって、ICチップ18が接続用導電体17に電気的に接続されるとともに支持シート19に固定されている。ここで、支持シート19は、例えば、非導電性のPETや紙等からなり、接続用導電体17は、例えば、銅やアルミニウムの箔等から構成される。
【0036】
なお、このようなインターポーザの構成は、単なる例示に過ぎず、既知である種々の構成を採用することも可能である。例えば、ICチップ18と接続用導電体17との間の電気的接続は、このような方法に限定されず種々の方法によって実現することができる。例えば、超音波接合による電気的接続であってもよく、あるいは導電性または異方性導電性接着剤を介した電気的接続であってもよい。また、接着剤26の硬化方法も特に限定されず、UV硬化型接着剤や熱硬化型接着剤等の公知の接着剤を採用することができる。
【0037】
次にアンテナ20について説明する。図1乃至図4に示すように、アンテナ20は、一対の端部を有し、略コイル状に形成されたアンテナ用導電体22を有している。図2および図4に示すように、アンテナ用導電体22の一対の端部は、一対の接続端子22a,22aとして、インターポーザ16の接続用導電体17との電気的な接続の実現に用いられる。
【0038】
図4に示すように、アンテナ用導電体22の接続端子22a,22aに異なる接続用導電体17,17の外方端部部分が接触した状態で、インターポーザ16がアンテナ用導電体22(第2板状部材11b)上に配置されている。図4に示すように、本実施の形態においては、第2板状部材11b(アンテナ用導電体22)上に接着層28が形成される。この接着層28を介して、インターポーザ16は第2板状部材11b(アンテナ用導電体22)上に固定されている。また、図4に示すように、接着層28は、アンテナ用導電体22の接続端子22c,22cを露出させるための孔28aを有している。したがって、ICチップ18の接続電極18aと、アンテナ用導電体22の接続端子22aとが確実に面接触するようになる。これにより、ICチップ18とアンテナ20とが、接続用導電体17を介して電気的に接続している(導通している)。
【0039】
なお、インターポーザ16とアンテナ20との間における固定方法および接続方法は、単なる例示に過ぎず、既知である種々の方法を採用することができる。また、接着層28の硬化方法も特に限定されず、UV硬化型接着剤や熱硬化型接着剤等の公知の接着剤を採用して接着層28を形成することができる。
【0040】
なお、本実施の形態において、アンテナ20がコイル状からなる例を示したが、これに限られない。外部のリーダ・ライタ等との通信に用いられる電磁波の周波数によっては、図5に示されているように、ダイポールアンテナとして機能する一対のアンテナ用導電体22によってアンテナ20が形成されることもある。なお、図5に示す非接触通信要素15(ICカード10)は、アンテナを形成する導電体の形状が異なるだけであって、他は図1乃至図4を用いて説明した非接触通信要素15(ICカード10)と略同一な構成からなっている。
【0041】
<ICカードの製造方法およびICカードの製造装置>
次に、図6乃至図10を主に参照し、ICカードの製造方法およびICカードの製造装置30について説明する。ここで、図6は、ICカードの製造方法およびICカードの製造装置30の全体構成を概略的に示す斜視図である。また、図7は、ICカードの製造方法およびICカードの製造装置30の全体構成を概略的に示す図である。
【0042】
〔ICカードの製造方法の概略構成、および、ICカードの製造方法の概略構成〕
図6および図7に示すように、本実施の形態における、ICカードの製造方法は、帯状に延びるシート状基材12に印刷9を施す工程(工程(b))と、シート状基材12上にシート状基材12の長手方向(図6参照)の沿った折り曲げ基準線25を画定する工程(工程(c))と、シート状基材12の一方の面(以下において、第1面とも呼ぶ)13上における、シート状基材12の長手方向に直交する幅方向(図6参照)に沿った一側の領域13a内にアンテナ用導電体22を形成する工程(工程(d))と、シート状基材12の第1面13上に接着層28を形成する工程(工程(e))と、シート状基材12の第1面13上における一側領域13a内に、ICチップ18を配置するとともに、ICチップ18とアンテナ用導電体22を接続する工程(工程(f))と、第1面13の一側の領域13aと、一側領域13aと幅方向に沿って離間する他側の領域13bと、が対面するように、シート状基材13の長手方向に沿ってシート状基材13を折り曲げる工程(工程(g))と、対面している第1面13の一側領域13と他側領域13bとを接着層28を介して接着する工程(工程(h))と、折り曲げられたシート状基材12を、非接触通信要素15ごとに打ち抜くまたは切断し、個々のICカード10を取り出す工程(工程(i))と、を備えている。また、本実施の形態において、ICカードの製造方法は、供給されるシート状基材12の長手方向に沿って所定ピッチでシート状基材12に穴24を形成する工程(工程(a))を、さらに備えている。
【0043】
一方、図6および図7に示すように、ICカードの製造装置30は、製造方法に対応して、シート状基材12の長手方向に沿って所定ピッチでシート状基材12に穴24を形成する穴形成手段35と、シート状基材12のいずれかの面上に印刷9を施す印刷手段40と、シート状基材12上に折り曲げ基準線25を画定する基準線画定手段45と、シート状基材12の第1面13上における一側領域13a内にアンテナ用導電体22を形成するアンテナ用導電体形成手段50と、シート状基材12の第1面13上に接着層28を形成する接着層形成手段65と、シート状基材12の第1面13上における一側領域13a内にICチップ18を配置する配置手段70と、シート状基材12上のICチップ18とアンテナ用導電体22とを接続する接続手段75と、第1面13の一側領域13aと他側領域13bとが対面するように、折り曲げ基準線25に沿ってシート状基材12を折り曲げる折り曲げ手段80と、対面している第1面13の一側領域13aと他側領域13bとの間に介在する接着層28を硬化させる硬化手段85と、折り曲げられたシート状基材12を、非接触通信要素15ごとに打ち抜くまたは切断して、個々のICカード10を取り出す手段90と、を備えている。また、本実施の形態において、ICカードの製造装置30は、細長く帯状に延びるシート状基材12をシート状基材12の長手方向に沿って搬送する搬送手段95をさらに備えている。そして、このICカード製造装置30においては、搬送手段95によって搬送されるシート状基材12に対して上述した各工程の処理が施され、ICカード10が作製されていくようになっている。
【0044】
以下、ICカードの製造方法の各工程について、各工程で用いられる手段とともに、詳述していく。
【0045】
〔工程(a)〕
図6および図7に示されているように、本実施の形態においては、巻取コア98に巻き取られたシート状の基材12が、シート状基材12の長手方向に沿う方向に繰り出され、穴形成手段35へ送り込まれていく。本実施の形態において、穴形成手段35は打ち抜き装置からなっている。穴形成手段35は、PETや紙等からなるシート状基材12の幅方向の両縁部に、所定のピッチで複数の穴24を一度に形成することができるようになっている。このような穴形手段35によって、巻取コア98から繰り出されてくるシート状基材12に対し、穴24が順次形成されていく。
【0046】
なお、図7に示されているように、搬送手段95は、シート状基材12の搬送経路に沿って設けられた複数の搬送ローラー96を有している。搬送ローラー96は、円筒状のローラー本体96aを有している。また、穴形成手段35よりも下流側に設けられた搬送ローラー96は、ローラー本体96aの外周面に所定ピッチを空けて設けられた複数の突起96aをさらに有している。突起96bのピッチは、穴形成手段35によって形成されたシート状基材12の穴24のピッチと同一となっている。また、搬送ローラー96の突起96bと、穴24とは係合可能となっている。そして、図6および図7に示すように、突起96bと穴24とを係合させた状態で、搬送ローラー96が回転することにより、シート状基材12が強制的に搬送されるようになっている。
【0047】
したがって、穴形成手段35によって一度正確なピッチでシート状基材12に穴を形成してしまえば、その後、シート状基材12の搬送量を正確に制御することができるようになる。また、上述した巻取コア98からのシート状基材12の繰り出しは、搬送ローラー96によるシート状基材12に搬送に連動する。したがって、穴形成手段35によって形成された穴24は、シート状基材12の搬送方向(長手方向と一致)に沿って、正確に等間隔を空けてシート基材12上に配置されるようになる。
【0048】
なお、シート状基材12の搬送量を正確に制御するには、搬送ローラー96の回転量を正確に制御することが必要となる。しかしながら、搬送ローラー96の回転量は、サーボモータ等の公知の手段を用いて、極めて容易かつ正確に制御され得る。
【0049】
このようにして穴形成手段35によって穴24を形成され、搬送手段95によって正確に搬送されていくシート状基材12に対し、以下の各処理が施されていく。
【0050】
〔工程(b)〕
次に、オフセット印刷装置等からなる印刷手段40を用い、シート状基材12に対して印刷柄9を印刷する。本実施の形態においては、シート状基材12の第1面13の裏面(反対側面)となる第2面14に、印刷柄9が印刷されている。
【0051】
印刷柄9は、所望の文字、模様、パターン等であり、特に制限されない。この印刷柄9は、後述するように、最終的に得られるICカード10において露出するようになるものである。とりわけ、本実施の形態においては、第2面14の幅方向に沿った一側の領域14aと、第2面14の幅方向に沿った他側の領域14bと、に印刷柄9が印刷されている。そして、これらの印刷柄は、最終的にICカード10の裏面(第2板状部材11bの面)および表面(第2板状部材11bの面)の柄として露出するようになる。
【0052】
なお、上述したように、シート状基材12に形成された穴24と搬送ローラー96の突起96bとの係合により、シート状基材12の搬送量が正確に制御されている。すなわち、シート状基材12の位置決めを正確に行うことができる。このため、シート状基材12の所望の位置、この場合、後に第1板状部材11aあるいは第2板状部材11bをなすようになるシート状部材12の部分に対し、印刷柄9を印刷することができる。
【0053】
〔工程(c)〕
次に、シート状基材12に折り曲げ基準線25が画定される。ここで、折り曲げ基準線とは、下流側の折り曲げ工程(工程(g))でシート状基材12を折り曲げる際に、折り曲げ起点となる幅方向の位置を通過する長手方向に沿った線である。ここでは、長手方向に沿った断面の曲げ剛性(ヤング率×断面二次モーメント)を、幅方向に沿った他の位置に比べて小さくなるようにする断面形状をシート状基材に付与(形成)することにより、付与した位置に折り曲げ基準線25を画定している。
【0054】
本実施の形態において、基準線形成手段45はエンボスロール46を有している。そして、このエンボスロール46によって、シート状基材12の幅方向の中心に長手方向に沿った凹部を形成する。これにより、シート状基材12の幅方向両端部に力を付与して幅方向に沿って均一な曲げモーメントを加えた場合、この凹部からなる折り曲げ基準線25に沿って、シート状基材12が折れ曲がるようになる。
【0055】
なお、長手方向の沿った凹部を形成することによって、折り曲げ基準線25を画定する例を示したが、これに限られない。例えば、長手方向に沿って間隔を空けて貫通孔をシート状基材12に形成することにより、言い換えると、いわゆるミシン目を長手方向に沿ってシート状基材12に形成することにより、折り曲げ基準線25を画定することもできる。あるいは、長手方向に沿って間隔を空けて凹部をシート状基材12に形成することにより、折り曲げ基準線25を画定することもできる。
【0056】
〔工程(d)〕
次に、シート状基材12の第1面13の一側の領域13a(より厳密には、シート状基材12の第1面13における折り曲げ基準線25よりも幅方向に沿って一側に位置する領域13a)に、アンテナ用導電体22を形成する。
【0057】
ここで、図8を用いて、アンテナ用導電体22の形成方法の一例について、アンテナ用導電体形成手段50とともに詳述する。
【0058】
図示する例においては、まず、供給されるシート状基材12上に熱可塑性接着剤供給手段51から熱可塑性接着剤52が供給される。次に、シート状基材12上の熱可塑性接着剤52が乾燥装置53により乾燥される。その後、例えばアルミニウムや銅等の金属箔からなるシート状導電体54が、シート状基材12上に熱可塑性接着剤52を介して配置されていく。このとき、シート状基材12上の熱可塑性接着剤52は乾燥しているため、シート状導電体31は熱可塑性接着剤32によってシート状基材12上に接着固定されていない。
【0059】
その後、熱可塑性接着剤52を介してシート状導電体54を積層されたシート状基材12が、加熱打抜手段60へと送り込まれていく。加熱打抜手段60は、互いに対して対向して配置された加熱打抜ロール61および受けロール64を有している。送り込まれてくるシート状基材12は、加熱打抜ロール61と受けロール64との間を通過する。加熱打抜ロール61は電熱ヒータ等の加熱機構を内蔵した金属製ローラー等からなっている。加熱打抜ロール61は、作製されるべきアンテナ用導電体22の輪郭に対応した打抜刃62と、打抜刃62間に設けられ、シート状導電体54のアンテナ用導電体22をなすべき部分と対面する伝熱体63と、を有している。
【0060】
シート状部材12がシート状導電体54とともに加熱打抜ロール61と受けロール64との間に送り込まれると、加熱打抜ロール61の打抜刃86が、シート状導電体54および熱可塑性接着剤52を貫通してシート状基材12まで切り込む。すなわち、シート状導電体54および熱可塑性接着剤52が、打抜刃62によって、所望のパターンで打ち抜かれる。また同時に、シート状導電体54および熱可塑性接着剤52の打ち抜かれた部分は、打抜刃62間の伝熱体63に当接して加熱される。この加熱によって、熱可塑性接着剤52が溶融し、打ち抜かれた所望パターンの導電体が熱可塑性接着剤52を介してシート状基材12上に接着固定される。これにより、シート状基材12上に所望の形状を有したアンテナ用導電体22を形成することができる。なお、シート状基材12上に接着されていないシート状導電体54の不要部分54aは、分離されて回収される。
【0061】
このような製造方法によれば、上述したように、シート状基材12上に設けられたアンテナ用導電体22と、アンテナ用導電体22をシート状基材12上に接着する熱可塑性接着剤52との輪郭が一致する。また、アンテナ用導電体22および熱可塑性接着剤52はシート状基材12に対して切り立った状態となり、さらに、アンテナ用導電体22と熱可塑性接着剤52との両側部は、シート状基材12に対して略直交する同一平面によって形成される。加えて、アンテナ用導電体22および熱可塑性接着剤52の輪郭に沿ってシート状基材12に切り込み28が形成される。したがって、このような方法によって得られるアンテナ20においては、アンテナ用導電体22が所望のパターンで精度良くシート状基材12上に転写されており、予定した共振周波数を有する良好な通信特性がもたらされる。
【0062】
なお、以上のような例において、アンテナ用導電体形成手段50は、熱可塑性接着剤供給手段51と、乾燥装置53と、加熱打抜手段60と、を有している。しかしながら、このような態様に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、図8に点線で示しているように、加熱打抜ロール61の打抜刃62間の不要部分54aに対応する部分(打抜刃62間の伝熱体63が設けられていない部分)に吸引吐出孔61aを設けてもよい。この場合、打ち抜き時に吸引して、シート状基材12およびシート状導電体54を加熱打抜ロール61に向けて固定することができる。また、打ち抜き後にエアを吐出して、シート状基材12およびシート状導電体54の加熱打抜ロール61からの分離を促進することもできる。また、加熱打抜ロール61および受けロール64を加熱打抜台および受け台に変更することもできる。
【0063】
さらに、打抜刃62がシート状導電体54と熱可塑性接着剤52とを打ち抜く例を示したが、これに限られず、シート状導電体54だけを打ち抜くようにしてもよい。このような構成においても、少なくともアンテナ用導電体22の両側部はシート状基材12に切り立つようになる。したがって、最終的に得られるアンテナ20は良好な通信特性を有するようになる。
【0064】
また、そもそも、上述した導電性箔の転写によるアンテナ用導電体の形成方法および形成手段50は、単なる例示であって、これに限定されるものではない。例えば、アンテナ用導電体形成手段50として、シート状基材12上に積層された銅やアルミニウム等からなる導電性箔にエッチングを施して所望の形状にパターニングするエッチング装置や、銀ペースト等の導電性インキをシート状基材12に印刷する印刷装置等を、用いることができる。このような導電体形成手段および図8に示す導電体形成手段50のいずれにおいても、コイル状のアンテナを構成するアンテナ用導電体22だけでなく、略バー状のアンテナ(図5参照)等、種々の形状を有するアンテナ用導電体22をシート状基材12上に形成することができる。
【0065】
なお、上述したように、シート状基材12に形成された穴24と搬送ローラー96の突起96bとの係合により、シート状基材12の搬送量が正確に制御されている。すなわち、シート状基材12の位置決めを正確に行うことができる。このため、シート状基材12の所望の位置、この場合、後に第2板状部材11bをなすようになるシート状部材12の部分に、アンテナ用導電体22を形成することができる。
【0066】
〔工程(e)〕
次に、接着層形成手段65を用いて、シート状基材12上に接着層28を形成する。接着層形成手段65として、ディスペンサやスクリーン印刷機を用いることができる。
【0067】
本実施の形態においては、図6および図9から理解できるように、シート状基材12の第1面13の一側の領域13a(より厳密には、シート状基材12の第1面13における折り曲げ基準線25よりも幅方向に沿って一側に位置する領域13a)に、接着層形成手段65から接着剤を供給する。そして、シート状基材12のうち、最終的に第2板状部材11bを形成するようになる領域に、接着層28が形成される。
【0068】
上述したように、また、図9に示すように、接着剤が供給されるべき位置には、アンテナ用導電体22が形成されている。そして、本実施の形態においては、シート状基材12のうちアンテナ用導電体22の一対の接続端子22a,22aが形成された領域には、接着剤が供給されないようになっている。すなわち、図9に示すように、形成された接着層28は、アンテナ用導電体22の接続端子22aを露出させる孔28aを有するようになる。
【0069】
なお、上述したように、シート状基材12に形成された穴24と搬送ローラー96の突起96bとの係合により、シート状基材12の搬送量が正確に制御されている。すなわち、アンテナ用導電体22が形成されたシート状基材12の位置決めを正確に行うことができる。このため、このような孔28aを含む接着層28を正確に形成することができる。
【0070】
ところで、上述したように、接着層28をなすようになる接着剤の種類は、特に限定されるものではなく、既知の接着剤を種々採用することができる。ただし、導電性の接着剤を用いる場合には、アンテナ用導電体22のコイル部分を短絡させてしまわないように、接着層28をパターニングしなければならない。
【0071】
〔工程(f)〕
次に、シート状基材12の第1面13の一側の領域13a(より厳密には、シート状基材12の第1面13における折り曲げ基準線25よりも幅方向に沿って一側に位置する領域13a)に、インターポーザ16を配置する。そして、インターポーザ16の接続用導電体17をアンテナ用導電体22の接続端子22aと電気的に接続させる(導通させる)。
【0072】
(インターポーザの作製)
ここでまず、主に図10を参照して、インターポーザの製造方法の一例について説明する。
【0073】
図10に示すように、まず、非導電性の紙やPET等からなり帯状に延びる支持シート19が、その長手方向に沿うようにして連続的に供給され、一対のニップローラー112,112間へと送られる。同時に、アルミや銅等の箔からなり帯状に延びる接続用導電体シート104が、その長手方向に沿うようにして連続的に供給され、一対のニップローラー112,112間へと送られる。この間、支持シート19と接続用導電体シート104との間に図示しない加圧接着タイプの接着剤が塗布される。その後、支持シート19と接続用導電体シート104とが一対のニップローラー112,112によって圧着されることにより、支持シート19と接続用導電体シート104とは互いに接着固定され、接続用導電体シート104が支持シート19上に積層される。
【0074】
なお、図示する例において、接続用導電体シート104の幅は支持シート19の幅よりも狭くなっている。そして、接続用導電体シート104は支持シート19の幅方向の中央に配置されている。この結果、支持シート19の幅方向両縁部は、接続用導電体シート104に覆われておらず、露出している。
【0075】
また、図10に示すように、支持シート19の幅方向の両縁部には、支持シートの長手方向に沿って等間隔をあけるようにして、複数の穴106が列状に形成されている。この穴106は、例えば、上述した穴形成手段35を用いて支持シート19に形成され得る。
【0076】
次に、支持シート19上に積層された接続用導電体シート104が、その幅方向略中心部を長手方向に沿って切断されていく。具体的には、図10に示すように、接続用導電体シート104を積層された非導電体シート22が切断手段116へ、搬送ローラー114によって搬送される。搬送されてきた支持シート19上の接続用導電体シート104に切断手段116を押し当てることにより、接続用導電体シート104が切断される。これにより、接続用導電体シート104の送り方向に直交する幅方向の略中央にスリット108が搬送方向(長手方向)に沿って形成される。このようにして、接続用導電体シート104は一対に分断される。なお、このスリット108の幅はICチップ18の電極18a,18a間の離間間隔より小さくなっている(図4参照)。また、切断手段116による切断はいわゆるハーフカットであり、切断手段116の刃先は接続用導電体シート104を貫通して支持シート19まで入り込むが、接続用導電体シート104と支持シート19との積層体の全厚みを切り込まない。したがって、接続用導電体シート104のみが分断され、支持シート19は分断されることはない。このようにして、帯状に延びる支持シート19と、支持シート19上に設けられ支持シート19の長手方向に延びて互いに離間する一対の接続用導電体シート104と、を有する導電体形成済シート102が形成される。なお、切断手段116として、例えば、カッターや旋盤用の切削バイト等を用いることができる。
【0077】
次に、ディスペンサやスクリーン印刷機等からなる接着剤供給手段118によって、導電体形成済シート102上へ接着剤26が供給される。その後、塗布された接着剤26を挟むようにして、ICチップ18が導電体形成済シート102上へ配置される。このとき、ICチップ18の各接続電極18aがそれぞれ異なる接続用導電体シート104上に配置されるように、ICチップ18が導電体形成済シート102に対して位置決めされる。このようにして、接着剤26を介し、ICチップ18は接続用導電体シート104上に仮固定された状態となる。
【0078】
なお、支持シート19および導電体形成済シート102を搬送する搬送ローラー114は、円筒状のローラー本体114aと、ローラー本体114aの外周面に所定ピッチを空けて設けられた複数の突起114aと、を有している。突起114bのピッチは、支持シート19に形成された穴106のピッチと同一となっている。また、搬送ローラー114の突起114bと、穴106とは係合可能となっている。そして、図10に示すように、突起114bと穴106とを係合させた状態で、搬送ローラー114が回転することにより、支持シート19および導電体形成済シート102が強制的に搬送されるようになっている。このため、支持シート19および導電体形成済シート102の搬送量を正確に制御することができ、支持シート19および導電体形成済シート102の位置決めを正確に行うことができる。したがって、シート状基材12の所望の位置に対し、接着剤の供給、ICチップの配置、さらには後に説明する接着剤の加熱処理、断裁処理を施すことができる。
【0079】
次に、固定手段120により、ICチップ18が接続用導電体シート104に向けて押圧されながら、ICチップ18と接続用導電体シート104との間に介在する接着剤26が硬化させられる。これにより、ICチップ18が接続用導電体シート104上に固定される。また同時に、ICチップ18の接続電極18aと接続用導電体シート104との間に介在する接着剤26を押し退け、ICチップ18の接続電極18aが接続用導電体シート104に接触して電気的に接続される。
【0080】
接着剤26は、一例として、非導電性の熱硬化性樹脂から構成され得る。この場合、接着剤供給手段118により、接着剤26が導電体形成済シート102のスリット108を跨いで両側の接続用導電体シート104上に塗布されたとしても、一対の接続用導電体シート104,104同士を導通させてしまうことはない。また、固定手段120は、用いられる接着剤の種類によって決定され、熱硬化性樹脂からなる接着剤(熱硬化型接着剤)を採用する場合には、加熱機構を有する押圧装置を用いることができる。この固定手段120を用いて、ICチップ18の接続電極18aと接続用導電体シート104とを接触させる、すなわち、電気的に接続させる(導通させる)とともに、その状態において熱硬化性樹脂からなる接着剤を加熱して硬化させることができる。
【0081】
なお、用いられる接着剤26は非導電性接着剤に限られず、異方性導電性接着剤や通常の導電性接着剤を用いることができる。ただし、導電性接着剤を用いる場合には、一対の接続用導電体シート104,104同士を導通させてしまわないように塗布しなければならない。また、用いられる接着剤26は熱硬化性樹脂からなる接着剤に限られず、熱可塑性樹脂やUV硬化性樹脂からなる接着材を用いることができる。ただし、熱硬化性樹脂以外の接着剤を用いる場合には、用いられる接着剤を硬化させることができるよう固定手段120を選択しなければならない。例えば、熱可塑性樹脂からなる接着剤26を用いる場合、固定手段120は接着剤26を迅速に硬化させるために接着剤26を冷却する機能を有していることが好ましい。また、UV硬化性樹脂からなる接着剤26を用いる場合、固定手段120は接着剤26を硬化させるために接着剤26にUV光を照射する機能を有している必要がある。
【0082】
このようにして、帯状に延びる支持シート19と、支持シート19上に設けられ、支持シート19の長手方向に延びて互いに離間する一対の接続用導電体シート104,104と、接続用導電体シート104上に設けられるとともに、一対の接続用導電体シート104,104とそれぞれ電気的に接続させられた一対の接続電極18a,18aを有する複数のICチップ18と、を備えたインターポーザ付シート100を製造することができる。そして、このインターポーザ付シート100をICチップ18毎に、例えば図10における二点鎖線に沿って、断裁または切断することにより、一対の接続用導電体17,17と、一対の接続用導電体17,17にそれぞれ電気的に接続させられた一対の接続電極18a,18aを有するICチップ18と、を備えたインターポーザ16を得ることができる。
【0083】
ただし、このようなインターポーザ16の作製方法は例示に過ぎず、種々の変更が可能である。
【0084】
例えば、上述したアンテナ用導電体22の形成方法と同様にして、接続用導電体17を支持シート19上に形成することができる。具体的には、支持シート19上に導電性箔を所望のパターンで転写する方法(図8に示す方法)や、支持シート19上に積層された導電性箔にエッチングを施して所望の形状にパターニングする方法、支持シート19上に銀ペースト等の導電性インクを印刷する方法等が挙げられる。これらの方法を用いた場合、図11に示すように、帯状に延びる支持シート19の幅方向に離間して対をなす接続用導電体17を、支持シート19の長手方向に沿って連続して多数対配置することもできる。すなわち、帯状に延びる支持シート19と、支持シート19上に設けられ支持シート19の長手方向に沿って配置された多数対の接続用導電体17と、を有する導電体形成済シート102aを製造することができる。そして、この導電体形成済シート102aから得られるインターポーザ付シート100aは、図12に示すように、帯状に延びる非支持シート19と、支持シート19上に設けられ、支持シート19の長手方向に沿って配置された多数対の接続用導電体17と、接続用導電体17上に設けられるとともに、各対の接続用導電体17,17とそれぞれ電気的に接続させられた一対の接続電極18a,18aを有する複数のICチップ18と、を備える。
【0085】
(配置および接続)
シート状基材12の第1面13上における一側領域13a内にICチップ18を配置する配置手段70は、図7に示す例において、移動自在に構成された吸着ノズル71を有している。この吸着ノズル71により、インターポーザ16を吸着してシート状基材12上まで搬送し、その後、接着層28を介してシート状基材12上に配置する。このとき、インターポーザ16の各接続用導電体17が、それぞれ異なるアンテナ用導電体の接続端子22aと対面するように、インターポーザ16がシート状基材12(アンテナ用導電体22)に対して位置決めされる。このようにして、接着層28を介し、インターポーザ16はシート状基材12(アンテナ用導電体22)上に仮固定された状態となる。
【0086】
なお、上述したように、シート状基材12に形成された穴24と搬送ローラー96の突起96bとの係合により、シート状基材12の搬送量が正確に制御されている。すなわち、シート状基材12の位置決めを正確に行うことができる。このため、シート状基材12の所望の位置にインターポーザを正確に位置決めして配置することができる。
【0087】
図7に示すように、本実施の形態において、シート状基材12上のICチップ18とアンテナ用導電体22とを接続する接続手段75は、超音波ホーン76と、超音波ホーン76に接続された押圧部材77と、を有している。押圧部材77は、搬送ローラー96上のシート状基材12に対して進退可能となっている。そして、押圧部材77は、シート状部材12に向けて接近し、インターポーザ16に当接することができる。このとき、インターポーザ16の接続用導電体17をアンテナ用導電体22の接続端子22aに向けて押圧する。この状態で、超音波ホーン76が押圧部材77に超音波振動させる。これにより、インターポーザ16の接続用導電体17とアンテナ用導電体22の接続端子22aが面接触するとともに、インターポーザ16の接続用導電体17とアンテナ用導電体22の接続端子22aとが超音波接合される。この結果、接続用導電体17を介したICチップ18とアンテナ20との電気的接続(導通)が確保される。このようにして、アンテナ20とアンテナ20に接続されたICチップ18とを有する非接触通信要素15が、シート状基材12上に製造されていく。
【0088】
とりわけ、本実施の形態においては、接着層28には孔28aが形成されており、この穴28からアンテナ用導電体22の接続端子22aが露出している。したがって、アンテナ用導電体22の接続端子22aとインターポーザ16の接続用導電体17との間の電気的接続を極めて確実に確保することができる。この結果、所望の機能を有した非接触通信要素15を安定して製造することができる。
【0089】
〔工程(g)〕
次に、折り曲げ手段80により、シート状基材12を折り曲げ基準線25に沿って折り曲げる。本実施の形態において、折り曲げ手段80は、複数の折り曲げローラー81を有している。そして、シート状基材12の第1面13の一側領域13aと、一側領域13aと幅方向に沿って離間する他側領域13bと、が重なり合うようにして、折り曲げローラー81によって、シート状基材12が折り曲げられる。上述したように、本実施の形態において、折り曲げ基準線25は、シート状基材12の幅方向中心を通り長手方向に延びている。したがって、シート状基材12は幅が半分となるように折り畳まれていく。また、シート状基材12上に配置された非接触通信要素15は、シート状基材12の一側の領域と他側の領域とによって、両面から覆い隠されるようになる。
【0090】
〔工程(h)〕
次に、硬化手段85を用いて、対面している第1面13の一側領域13と他側領域13bとを接着層28を介して接着する。硬化手段85は、接着層28を硬化させる機能を有しており、用いられる接着層28の硬化方法に応じて適宜構成される。例えば、接着層28が熱硬化性樹脂を含む場合には、硬化手段85は加熱機構を有するように構成され得る。また、接着層28がUV光硬化性樹脂を含む場合には、硬化手段85はUV光を照射し得るように構成される。また、いずれの場合においても、折り畳まれたシート状基材12を両側から押圧しながら、接着層28を硬化させることができれば好ましい。この場合、第1面13の第1面13の一側領域13と他側領域13bとが密着するようになるので、結果として、厚さの薄いICカード10を製造することができるようになる。
【0091】
〔工程(i)〕
次に、取り出し手段90を用いて、折り曲げられたシート状基材12を、非接触通信要素15ごとに打ち抜くまたは切断する。これにより、シート状基材12から第1板状部材11aおよび第2板状部材11bが形成され、一枚のICカード10が得られる。このような取り出し手段90としては、打ち抜き等の公知な手段を用いることができる。
【0092】
<作用効果>
以上のようにして、ICカードが順次得られていく。
【0093】
このような本実施の形態においては、帯状に延びるシート状の基材12に対して順次処理を施していく。そして、最終的に、帯状に延びるシート状基材12をカードサイズで打ち抜くまたは切断することにより、ICカードが順次得られていく。このような製造方法によれば、種々の工程における位置決めの負担を軽減することができる。したがって、生産効率を大幅に向上させることができる。また、シート状基材12に対して局所的に熱を生じさせる工程がない。したがって、得られたICカード10に発生するそり等の不具合を防止することができる。これらのことより、本実施の形態によれば、高い生産効率で安定してICカードを製造することができる。
【0094】
また、本実施の形態によれば、搬送ローラー96の突起96bとシート状基材12の穴24とを係合させて搬送ローラー96を回転することにより、シート状基材12を搬送している。そして、このようにして搬送されるシート状基材12に対して種々の処理が施されていく。したがって、搬送ローラー96の回転量を制御することにのみによって、シート状基材12を正確に位置決めすることができる。これにより、高品質のICカード10を極めて容易かつ効率的に製造することができる。
【0095】
さらに、本実施の形態によれば、シート状基材12の第1面13上に接着層28を形成した後に、シート状基材12の第1面13上にインターポーザ16を配置している。そして、接着層28を硬化させることによって、シート状基材12を折り畳んだ状態に固定すると同時に、インターポーザ16をアンテナ用導電体20に対して固定するようになっている。したがって、ICカード10をさらに効率的に製造することができる。
【0096】
<変形例>
上述した実施の形態に関し、本発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。以下、変形例の一例について説明する。
【0097】
〔変形例1〕
上述した実施の形態において、穴24がシート状基材12の幅方向両縁部に長手方向に沿って形成される例を示したが、これに限られない。シート状基材12のいずれかの幅方向縁部のみに穴24が形成されるようにしてもよいし、シート状基材12の縁部以外の位置に穴24が形成されるようにしてもよい。また、ICカードの製造装置30から穴形成手段35を省くことも可能である。この場合、穴24が既に形成されたシート状基材12を準備し、巻取コア98から供給するようにしてもよい。
【0098】
同様に、図10に示すインターポーザ16の製造方法において、支持シート19上において穴106が形成される位置は特に限定されない。また、支持シート19に穴106を形成する工程を、インターポーザの作製方法に含めるようにしてもよい。
【0099】
〔変形例2〕
また、上述した実施の形態において、シート状基材12の第2面14に印刷を施す例を示したが、これに限られない。例えば、透明性を有するシート状基材12を用い、第1面13に印刷を施すようにしてもよい。この場合、シート状基材12は、印刷柄9の保護層としての機能も有するようになる。また、当然に、印刷の必要がなければ、印刷を施す工程を省くこともできる。
【0100】
〔変形例3〕
さらに、上述した実施の形態において、シート状基材12の幅方向中心を通る折り曲げ基準線25をシート状基材12に形成する例を示したが、これに限られない。例えば、折り曲げ基準線25がシート状基材12の幅方向中心を通らなくてもよい。
【0101】
〔変形例4〕
さらに、上述した実施の形態において、孔28aを有する接着層28がシート状基材12のアンテナ用導電体22が形成されている面(第1面)13に形成される例を示したが、これに限られない。例えば、接着層28をシート状基材12の第2面14に形成するようにしてもよい。また、接着層28の孔28aは必須ではない。さらに、接着剤をシート状基材12上に供給することに代え、シート状の接着剤をシート状基材12に積層して接着層を形成してもよい。
【0102】
〔変形例5〕
さらに、上述した実施の形態において、接続手段75により、インターポーザ16の接続用導電体17をアンテナ用導電体22の接続端子22aと超音波接合する例を示したが、これに限られない。例えば、インターポーザ16の接続用導電体17とアンテナ用導電体22の接続端子22aとをかしめることによって電気的に接合するようにしてもよい。
【0103】
また、例えば、接続手段85を用いてインターポーザ16をアンテナ用導電体22に向けて正確に押圧することにより、インターポーザ16の接続用導電体17をアンテナ用導電体22の接続端子22aに接触させながら接着層28を硬化させ、インターポーザ16とアンテナ20との導通を確保することができる。このような場合、接続手段85を省略することができる。
【0104】
〔変形例6〕
上述した実施の形態の各工程の順序を適宜変更することもできる。例えば、折り曲げ基準線25を画定する工程は、折り曲げ工程の前であれば、いつでも行うことができるし、さらには、他の工程と並行して行うこともできる。
【0105】
〔変形例7〕
さらに、上述した実施の形態においては、ICチップ18を有するインターポーザ16を用いて、ICカード10を作製する例を示したが、これに限られない。インターポーザを用いず、ICチップ18をシート状基材12上に直接配置して、ICカード10を作製するようにしてもよい。
【0106】
このようにして作製されるICカードの例を図13乃至図15に示す。なお、図13乃至図15において、図1乃至図12に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
【0107】
図13乃至図15に示す例において、アンテナ用導電体22は、上述した接続端子22a,22aに加えて、さらに一対の第2の接続端子22b,22bを有している。そして、ICチップ18の接続電極18aが異なる第2の接続端子22b,22bと接触するようにして、ICチップ18がシート状基材12(アンテナ用導電体22)上に配置されている。
【0108】
このようなICチップ18は、上述したインポーザ16と同様にして、シート状基材12上に配置され得る。したがって、図14に示すように、アンテナ用導電体22とICチップ18との間に接着層28が介在する。この接着層28によって、ICチップ18がアンテナ用導電体22を介してシート状基材12上に固定されている。また、インターポーザ16をアンテナ用導電体22に接続する方法と同様にして、ICチップ18をアンテナ用導電体22に超音波接続することができる。
【0109】
図示する例においては、このようにして、ICチップ18がアンテナ用導電体22に電気的に接続されるとともにシート状基材12に固定されている。なお、上述した図5に示すICカード10において、アンテナ用導電体22上にインターポーザ16が配置および接続されているが、これに代えて、アンテナ用導電体22上にICチップ18が配置および接続されていてもよい。
【0110】
一方、図13に示すように、接続端子22a,22a上には、ブリッジ部材125が設けられている。図15に示すように、ブリッジ部材125は、非導電性のシート(ブリッジ基材)125bと、シート125b上に配置され、アンテナ用導電体22と電気的に接続されるブリッジ用導電体125aと、を有している。ブリッジ部材125のブリッジ基材125bは、シート状基材12と同様に、例えばPETや紙等からなる。また、ブリッジ用導電体125aは、銅やアルミニウム等から構成される。
【0111】
上述したインターポーザ16をシート状基材12上に配置する方法と同様にして、このようなブリッジ部材125をシート状基材12上に配置することができる。また、上述したインターポーザ16の接続用導電体17をアンテナ用導電体22の接続端子22aに電気的に接続する方法と同様にして、ブリッジ部材125のブリッジ用導電体125aをアンテナ用導電体22の接続端子22aに電気的に接続することができる。また、上述した接続用導電体22aを支持シート19上へ形成する方法と同様にして、ブリッジ用導電体125aをブリッジ基材125b上へ形成することができる。
【0112】
なお、図15に示す例においては、接着層28に上述した孔28aが形成されていないが、孔28aを設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】図1は、本発明の製造対象となるICカードの一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】図3は、図1に示されたICカードに用いられたインターポーザを示す上面図である。
【図4】図4は、図2のVI−VI線に沿った断面図である。
【図5】図5は、図2に対応する図であって、本発明の製造対象となるICカードの他の例を示す斜視図である。
【図6】図6は、本発明によるICカードの製造方法およびICカードの製造装置の一実施の形態の全体構成を概略的に示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明によるICカードの製造方法およびICカードの製造装置の一実施の形態の全体構成を概略的に示す図である。
【図8】図8は、アンテナ用導電体の作製方法の一例を説明するための図である。
【図9】図9は、図6の部分拡大図である。
【図10】図10は、インターポーザの作製方法の一例を説明するための図である。
【図11】図11は、導電体形成済シートの他の例を示す斜視図である。
【図12】図12は、インターポーザ付シートの他の例を示す斜視図である。
【図13】図13は、図2に対応する図であって、ICカードの他の例を示す斜視図である。
【図14】図13のXVI−XVI線に沿った断面図である。
【図15】図13のXV−XV線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0114】
10 ICカード
10a ICカード
12 シート状基材
13 一方の面(第1面)
13a 一側の領域
13b 他側の領域
14 他方の面(第2面)
15 非接触通信要素
16 インターポーザ
17 接続用導電体
18 ICチップ
18a 接続電極(バンプ)
19 支持シート
20 アンテナ
22 アンテナ用導電体
22a 接続端子
24 穴
25 折り曲げ基準線
28 接着層
28a 孔
30 製造装置
35 穴形成手段
40 印刷手段
45 基準線画定手段
50 アンテナ用導電体形成手段
65 接着層形成手段
70 配置手段
75 接続手段
80 折り曲げ手段
85 硬化手段
90 取り出し手段
95 搬送手段
96 搬送ローラー
96b 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナとして機能するアンテナ用導電体と、アンテナ用導電体に接続されたICチップと、を内蔵したICカードの製造方法であって、
細長いシート状基材の一方の面上における、前記シート状基材の長手方向に直交する幅方向に沿った一側の領域内に、前記アンテナ用導電体を形成する工程と、
前記シート状基材の前記一方の面上における前記一側領域内に、前記ICチップを配置するとともに、前記ICチップと前記アンテナ用導電体を接続する工程と、
前記一方の面の一側の領域と前記一方の面の他側の領域とが対面するように、前記シート状基材の長手方向に沿って前記シート状基材を折り曲げる工程と、を備えた
ことを特徴とするICカードの製造方法。
【請求項2】
前記ICチップを配置する工程において、前記ICチップと、前記ICチップに接続された接続用導電体と、を有したインターポーザを、前記シート状基材の一方の面上における前記一側領域に配置するとともに、前記接続用導電体を介して前記ICチップと前記アンテナ用導電体とを接続する
ことを特徴とする請求項1に記載のICカードの製造方法。
【請求項3】
前記折り曲げる工程の前に、前記一方の面上に接着層を形成する工程と、
前記折り曲げる工程の後に、前記対面している前記一方の面の前記一側領域と、前記一方の面の前記他側領域と、の間に介在する前記接着層を硬化させる工程と、をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1また2に記載のICカードの製造方法。
【請求項4】
前記接着層を形成する工程は、前記アンテナ用導電体を形成する工程と、前記ICチップを配置する工程と、の間に設けられ、
前記接着層は前記一方の面の前記一側領域に形成され、形成された接着層には、前記ICチップと接続されるようになる前記アンテナ用導電体の接続端子を露出させる孔が設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載のICカードの製造方法。
【請求項5】
前記折り曲げられたシート状基材を、前記アンテナ用導電体ごとに打ち抜くまたは切断し、個々のICカードを取り出す工程をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のICカードの製造方法。
【請求項6】
前記シート状基材の少なくともいずれかの面上に印刷を施す工程をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のICカードの製造方法。
【請求項7】
前記シート状基材には長手方向に沿い等間隔を空けて多数の穴が形成されており、
前記シート状基材の多数の穴と、前記多数の穴と同一ピッチでローラーに設けられた突起と、を係合させた状態でローラーを回転させることにより搬送される前記シート状基材に対し、少なくとも前記アンテナ用導電体を形成する工程および前記ICチップを配置する工程が施されていく
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のICカードの製造方法。
【請求項8】
前記折り曲げ工程の前に、前記シート状基材上に折り曲げ基準線を画定する工程をさらに備え、
前記折り曲げ工程において、前記折り曲げ基準線に沿って前記シート状基材を折り曲げる
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のICカードの製造方法。
【請求項9】
前記折り曲げ基準線を画定する工程において、前記シート状基材の長手方向に沿った凹部を前記シート状基材に形成する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のICカードの製造方法。
【請求項10】
アンテナとして機能するアンテナ用導電体と、アンテナ用導電体に接続されたICチップと、を内蔵したICカードの製造装置であって、
細長いシート状基材を、前記シート状基材の長手方向に沿って搬送する手段と、
搬送されてきた前記シート状基材の一方の面上における、前記シート状基材の長手方向に直交する幅方向に沿った一側の領域内に、前記アンテナ用導電体を形成する手段と、
前記シート状基材の一方の面上における前記一側領域内に、前記ICチップを配置する手段と、
前記シート状基材上の前記ICチップと前記アンテナ用導電体とを接続する手段と、
前記一方の面の一側の領域と前記一方の面の他側の領域とが対面するように、前記シート状基材の長手方向に沿って前記シート状基材を折り曲げる手段と、を備えた
ことを特徴とするICカードの製造装置。
【請求項11】
前記ICチップを配置する手段は、前記ICチップと、前記ICチップに接続された接続用導電体と、を有したインターポーザを前記シート状基材の前記一方の面上における前記一側領域に配置するようになされ、
前記接続する手段は、前記接続用導電体を介して前記ICチップと前記アンテナ用導電体とを接続する
ことを特徴とする請求項10に記載のICカードの製造装置。
【請求項12】
前記折り曲げる手段の上流側に設けられ、前記一方の面上に接着層を形成する手段と、
前記折り曲げる工程の下流側に設けられ、前記対面している前記一方の面の前記一側領域と、前記一方の面の前記他側領域と、の間に介在する前記接着層を硬化させる手段と、をさらに備えた
ことを特徴とする請求項10また11に記載のICカードの製造装置。
【請求項13】
前記接着層を形成する手段は、前記アンテナ用導電体を形成する手段と、前記ICチップを配置する手段と、の間に設けられ、
前記接着層を形成する手段は、記一方の面の前記一側領域に前期接着層を形成し、形成された接着層が、前記ICチップと接続されるようになる前記アンテナ用導電体の接続端子を露出させる孔が含むように、なされている
ことを特徴とする請求項12に記載のICカードの製造装置。
【請求項14】
前記折り曲げられたシート状基材を、前記アンテナ用導電体ごとに打ち抜くまたは切断して、個々のICカードを取り出す手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一項に記載のICカードの製造装置。
【請求項15】
前記シート状基材の少なくともいずれの面上に印刷を施す手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項10乃至14のいずれか一項に記載のICカードの製造装置。
【請求項16】
前記アンテナ用導電体を形成する手段の上流側に設けられ、前記シート状基材の長手方向に沿って所定ピッチで前記シート状基材に穴を形成する手段をさらに備え、
前記搬送手段は、前記穴と同一ピッチで複数の突起が形成されたローラーを有し、この突起を前記シート状基材に形成された穴と係合させながら前記シート状基材を搬送する
ことを特徴とする請求項10乃至15のいずれか一項に記載のICカードの製造装置。
【請求項17】
前記シート状基材上に折り曲げ基準線を画定する手段をさらに備え、
前記折り曲げる手段は、前記折り曲げ基準線に沿って前記シート状基材を折り曲げるようになされている
ことを特徴とする請求項10乃至16のいずれか一項に記載のICカードの製造装置。
【請求項18】
前記折り曲げ基準線を画定する手段は、前記シート状基材の長手方向に沿った凹部を前記シート状基材に形成するエンボスロールを有する
ことを特徴とする請求項10乃至17のいずれか一項に記載のICカードの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−84160(P2008−84160A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265449(P2006−265449)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】