説明

IDカード作成システム及びIDカード作成方法

【課題】申請者の精神的負担とIDカードの誤交付を防止することができるIDカード作成システムを提供する。
【解決手段】撮影装置2は、申請者のID番号及び撮影顔画像を入力すると、撮影顔画像及びID番号を顔画像照合装置7に送信する。顔画像照合装置7は、そのID番号に対応する顔画像をファイルサーバ4から受信し、その顔画像と撮影顔画像を照合し、一致度合いを求める。顔画像照合装置7は、両方の顔画像の一致度合いが第1閾値以上である場合に、本人である旨の照合結果を撮影装置2に送信し、両方の顔画像の一致度合いが第2敷地未満である場合に、別人である旨の照合結果を撮影装置2に送信する。撮影装置2は、本人である旨の照合結果を撮影装置2が受信すると、ID番号及び個人情報をIDカード作成装置3に送信し、IDカード作成装置3がそれに従ってIDカードを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、社員証、免許証、身分証明書といったIDカードを作成するIDカード作成システム及びIDカード作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、社員証、免許証、身分証明書、パスポート、外国人登録証、キャッシュカード、クレジットカード、会員証、医療カード及び学生証といったIDカードが普及している。このIDカードの表面には、識別情報としてのID番号、登録者本人の顔画像が印字・印刷されているほか、登録者本人の氏名、住所といった個人情報も印字・印刷されている。このようなIDカードを作成するシステムとして、撮影装置で撮影・入力した顔画像とともにID番号及び個人情報をIDカードに印字・印刷するシステムが知られている。
【0003】
また、最近では、各登録者の個人情報及び顔画像をファイルサーバ等に蓄積しておき、その蓄積されたデータベースの中から個人情報及び顔画像をIDカード作成装置に送信することにより、IDカードの再交付等の手続きを行うIDカード作成システムも開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−181970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、悪意ある者が登録者になりすまして、再交付の申請を行うことがある。その場合には、IDカードの発行人は、ファイルサーバに蓄積された個人情報や顔画像を閲覧することによって申請者が登録者本人であるか、それとも登録者をなりすました者かを確認することになる。しかし、発行人が申請者の顔とファイルサーバの顔画像を念入りに比較すると、申請者に精神的負担を与えることがある。一方、そのような精神的負担を軽減するために、申請者の顔と顔画像の比較を念入りに行わないと、悪意のある者に対してIDカードを誤交付してしまう虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、申請者の精神的負担とIDカードの誤交付を防止することができるIDカード作成システム及びIDカード作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るIDカード作成システムは、申請者の顔画像を撮影する撮影装置と、IDカードを作成するIDカード作成装置と、識別番号とその識別番号に対応付けられた顔画像を記憶した記憶部を有するファイルサーバと、2つの顔画像を照合する顔画像照合装置と、を備え、前記撮影装置が、申請者の識別番号を入力する入力手段と、申請者の顔画像を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により入力された顔画像を前記入力手段により入力された識別番号に対応付けて前記顔画像照合装置に送信する第1の送信手段とを備え、前記顔画像照合装置が、前記第1の送信手段により送信された識別番号に対応する顔画像を前記ファイルサーバから受信する受信手段と、前記受信手段により受信された顔画像と前記第1の送信手段により送信された顔画像を照合する照合手段と、前記照合手段による照合結果を識別番号に対応付けて前記撮影装置に送信する第2の送信手段と、を備え、前記撮影装置が、前記第2の送信手段により送信された照合結果によって、前記IDカード作成装置によるIDカードの作成を決める決定手段を更に備えるという構成を採った。
【0007】
以上の発明において、前記決定手段は、前記第2の送信手段により送信された照合結果が本人を表す場合に、前記入力手段により入力した識別番号と、前記画像入力手段により入力した顔画像とを前記IDカード作成装置に送信し、前記IDカード作成装置は、前記決定手段により送信された識別番号及び顔画像に従ってIDカードを作成することが好ましい。
【0008】
また、前記撮影装置は、表示部を具備し、前記決定手段は、前記第2の送信手段により送信された照合結果が別人を表す場合に、前記表示部にエラー表示をさせることが好ましい。
【0009】
また、前記照合手段が、前記受信手段により受信された顔画像と前記第1の送信手段により送信された顔画像との一致度合いを求め、求めた一致度合いが第1閾値以上である場合に、本人であることを表す照合結果を出すことが好ましい。
【0010】
好ましくは、前記顔画像照合装置は、第2の表示部及び入力部を具備し、前記照合手段が、求めた一致度合いが前記第1閾値未満である場合に、前記受信手段により受信された顔画像と前記第1の送信手段により送信された顔画像とを前記第2の表示部に表示させ、両方の顔画像の比較結果を前記入力部により入力する。
【0011】
好ましくは、前記照合手段が、前記入力部により入力した比較結果が一致を表す場合に、本人であることを表す照合結果を出す。
【0012】
好ましくは、前記照合手段が、前記入力部により入力した比較結果が不一致を表す場合に、求めた一致度合いが第2閾値未満(但し、前記第2閾値<前記第1閾値)であるときに、別人であることを表す照合結果を出す。
【0013】
好ましくは、前記顔画像照合装置は、前記照合手段によって別人の照合結果が出された場合に、前記第2の表示部にエラー表示をさせる手段を備える。
【0014】
好ましくは、前記照合手段が、前記入力部により入力した比較結果が不一致を表す場合に、求めた一致度合いが前記第2閾値以上であるときに、前記第1の送信手段により送信された識別番号に対応する別の顔画像を前記ファイルサーバから受信し、その別の顔画像と前記第1の送信手段により送信された顔画像を照合する。
【0015】
また、前記撮影装置は、顔照合をするか否かを表す申請識別情報を入力する申請識別情報入力手段と、前記申請識別情報入力手段により入力された申請識別情報が顔照合をしないことを表す場合に、前記第1の送信手段による送信を行わずに、前記入力手段により入力した識別番号と前記画像入力手段により入力した顔画像とを前記IDカード作成装置に送信する第3の送信手段とを更に備え、前記IDカード作成装置は、前記第3の送信手段により送信された識別番号及び顔画像に従ってIDカードを作成することが好ましい。
【0016】
本発明に係るIDカード作成方法は、申請者の顔画像を撮影する撮影装置と、IDカードを作成するIDカード作成装置と、識別番号とその識別番号に対応付けられた顔画像を記憶した記憶部を有するファイルサーバと、2つの顔画像を照合する顔画像照合装置と、を用いてIDカードを作成するIDカード作成方法であって、前記撮影装置が、申請者の識別番号を入力する入力ステップと、前記撮像装置が、申請者の顔画像を入力する画像入力ステップと、前記撮像装置が、前記画像入力ステップにより入力された顔画像を前記入力ステップにより入力された識別番号に対応付けて前記顔画像照合装置に送信する第1の送信ステップと、前記顔画像照合装置が、前記第1の送信ステップにより送信された識別番号に対応する顔画像を前記ファイルサーバから受信する受信ステップと、前記顔画像照合装置が、前記受信ステップにより受信された顔画像と前記第1の送信ステップにより送信された顔画像を照合する照合ステップと、前記顔画像照合装置が、前記照合ステップによる照合結果を識別番号に対応付けて前記撮影装置に送信する第2の送信ステップと、前記撮影装置が、前記第2の送信ステップにより送信された照合結果によって、前記IDカード作成装置によるIDカードの作成を決める決定ステップとを含むという構成を採った。
【0017】
好ましくは、前記決定ステップは、前記第2の送信ステップにより送信された照合結果が本人を表す場合に、前記撮影装置が前記入力ステップにより入力した識別番号と、前記画像入力ステップにより入力した顔画像とを前記IDカード作成装置に送信するステップを含み、前記IDカード作成装置が、前記決定ステップにより送信された識別番号及び顔画像に従ってIDカードを作成するステップを更に含む。
【0018】
好ましくは、前記決定ステップは、前記第2の送信ステップにより送信された照合結果が別人を表す場合に、前記撮影装置が表示部にエラー表示をするステップを含む。
【0019】
好ましくは、前記照合ステップは、前記顔画像照合装置が、前記受信ステップにより受信された顔画像と前記第1の送信ステップにより送信された顔画像との一致度合いを求めるステップと、求めた一致度合いが第1閾値以上である場合に、本人であることを表す照合結果を前記顔画像照合装置が出すステップと、を含む。
【0020】
好ましくは、前記照合ステップは、求めた一致度合いが前記第1閾値未満である場合に、前記顔画像照合装置が、前記受信ステップにより受信された顔画像と前記第1の送信ステップにより送信された顔画像とを第2の表示部に表示するステップと、前記顔画像照合装置が両方の顔画像の比較結果を前記入力部により入力するステップとを含む。
【0021】
好ましくは、前記照合ステップは、前記入力部により入力した比較結果が一致を表す場合に、本人であることを表す照合結果を前記顔画像照合装置が出すステップを含む。
【0022】
好ましくは、前記照合ステップは、前記入力部により入力した比較結果が不一致を表す場合に、求めた一致度合いが第2閾値未満(但し、前記第2閾値<前記第1閾値)であるときに、別人であることを表す照合結果を前記顔画像照合装置が出すステップを含む。
【0023】
好ましくは、前記照合ステップによって別人の照合結果が出された場合に、前記顔画像照合装置が前記第2の表示部にエラー表示をするステップを更に含む。
【0024】
好ましくは、前記照合ステップは、前記入力部により入力した比較結果が不一致を表す場合に、求めた一致度合いが前記第2閾値以上であるときに、前記顔画像照合装置が前記第1の送信ステップにより送信された識別番号に対応する別の顔画像を前記ファイルサーバから受信するステップと、前記顔画像照合装置が、その別の顔画像と前記第1の送信ステップにより送信された顔画像を照合するステップとを含む。
【0025】
好ましくは、前記撮影装置が、顔照合をするか否かを表す申請識別情報を入力する申請識別情報入力ステップと、前記撮影装置が、前記申請識別情報入力ステップにより入力された申請識別情報が顔照合をしないことを表す場合に、前記第1の送信ステップによる送信を行わずに、前記入力ステップにより入力した識別番号と前記画像入力ステップにより入力した顔画像とを前記IDカード作成装置に送信する第3の送信ステップと、前記IDカード作成装置が、前記第3の送信ステップにより送信された識別番号及び顔画像に従ってIDカードを作成するステップとを更に含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、撮影装置によって一旦撮影された申請者の顔画像が、ファイルサーバの記憶部に記憶された顔画像と顔画像照合装置にて照合されるので、申請者に与える精神的苦痛を軽減することができる。また、顔画像照合装置による両方の顔画像の照合の結果、申請者が本人であると判定されると、IDカードが作成されるので、本人以外にIDカードを交付することを防止することができる。
また、撮影装置とは別の顔画像照合装置にて両方の顔画像の照合が行われるため、撮影装置の処理負担を軽減することができ、撮影装置によって複数の申請者の顔画像を次々に撮影することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0028】
図1は、IDカード作成システム100の全体構成を示したブロック図である。図1に示すように、IDカード作成システム100は、ホストコンピュータ1、撮影装置2、IDカード作成装置3、ファイルサーバ4、登録装置5、照会装置6及び顔画像照合装置7を具備し、IDカード作成システム100を構成する各装置は通信ネットワーク8により接続される。なお、1台のホストコンピュータ1に通信ネットワーク8を介して接続される撮影装置2、IDカード作成装置3、ファイルサーバ4、登録装置5、照会装置6及び顔画像照合装置7の台数は特に限定されない。
【0029】
通信ネットワーク8は、例えば、公衆回線、電話回線、ISDN回線、無線通信回線、専用線、CATV回線といったネットワークである。この通信ネットワーク8は、任意な時に接続が可能であればよく、常時接続されている必要はない。また、通信ネットワーク8は、情報管理の信頼性の観点から、特定のユーザのみアクセス可能なセキュリティを確保していることが望ましい。又は、IDカード作成システム100は、通過する情報を制限するファイアウォール機能を有するプロキシサーバ等を備える構成であってもよい。
【0030】
ホストコンピュータ1はCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、通信インターフェース等を有したコンピュータであり、更にデータベース11を備えている。データベース11は、ID番号(免許番号、登録番号といった識別番号)及び現在登録中の個人情報(氏名、現住所、生年月日、本籍、電話番号、性別、身体データ等)を対応付けてしている。このデータベース11には、最新の個人情報がID番号に対応付けて格納されている。ホストコンピュータ1は、データベース11に格納される情報の更新や読み出しを制御する。また、ホストコンピュータ1は、登録装置5からID番号及び個人情報を受信した場合に、データベース11に記憶されている個人情報を、受信した個人情報に書き換える機能を有する。
【0031】
ホストコンピュータ1は外部ホストコンピュータ9に対して通信可能とされている。外部ホストコンピュータ9はCPU、RAM、ROM等を有したコンピュータであり、更にデータベース91を備えている。データベース91には、交付可否フラグがID番号毎に対応付けて格納されている。この交付可否フラグは、IDカードの交付を許可するか否かを表す情報(0:交付可、1:交付不可)である。外部ホストコンピュータ9は、ホストコンピュータ1から送信されたID番号に対応する交付可否フラグを読み出し、その読み出した交付可否フラグをホストコンピュータ1に送信し、交付可否フラグがホストコンピュータ1にてID番号と個人情報に対応付けられて一時記憶される。なお、外部ホストコンピュータ9及びデータベース91を設けずに、交付可否フラグをID番号に対応付けてデータベース11に格納し、ホストコンピュータ1がID番号に基づきデータベース11から交付可否フラグを読み取るようにしても良い。
【0032】
ファイルサーバ4はCPU、RAM、ROM等を有したコンピュータであり、更にデータベース41を備えている。データベース41には、個人情報及び顔画像がID番号毎に対応付けてして格納されている。このデータベース41には、1つのID番号に対して現在登録中の個人情報及び顔画像のほかに、過去に登録した個人情報及び顔画像も対応付けて格納されている。ファイルサーバ4は、データベース41に格納される情報の更新や読み出しを制御する。
【0033】
登録装置5はCPU、RAM、ROM、入力装置、表示装置、通信インターフェース等を有したコンピュータであり、ID番号及び新たな個人情報を入力し、入力したID番号及び個人情報をホストコンピュータ1に送信するものである。
【0034】
照会装置6はCPU、RAM、ROM、入力装置、表示装置、通信インターフェース等を有したコンピュータである。照会装置6は、ID番号又は個人情報(例えば、氏名、生年月日、性別等)を入力し、入力したID番号又は個人情報に基づき、ファイルサーバ4に登録されている個人情報、顔画像、申請画像を検索し、その検索結果を表示する。この照会装置6は、申請人がID番号を忘れてしまった場合にその申請者のID番号を確認するために用いられる。
【0035】
図2は、撮影装置2の全体構成を申請者(被写人)とともに示したブロック図である。図2に示すように、撮影装置2は、CPU21、RAM22、記憶部23、通信部25、入力部26、表示部27、カメラ28、光源29、スキャナ20を備える。
【0036】
入力部26は、撮影ボタン、カーソルキー、申請識別情報入力キー、数字入力キー及び各種機能キーを備え、ボタン又はキーの押下操作に対応する操作信号をCPU21に出力する。ここで、申請識別情報とは申請者によるIDカードの交付申請が『新規』の交付申請であるか、『再交付』の申請であるか又は『更新』の申請であるかを表すものであり、申請識別情報入力キーは、『新規』として操作された場合に『新規』を表す申請識別情報をCPU21に出力し、『再交付』として操作された場合に『再交付』を表す申請識別情報をCPU21に出力し、『更新』として操作され場合に『更新』を表す申請識別情報をCPU21に出力する。
【0037】
通信部25は、撮影装置2を通信ネットワーク8に接続するためのインターフェースであり、通信ネットワーク8を介してホストコンピュータ1、IDカード作成装置3、ファイルサーバ4、登録装置5、照会装置6及び顔画像照合装置7と通信を行うための制御を行う。
【0038】
表示部27は液晶ディスプレイといった表示装置であり、CPU21から入力される表示制御信号に従って顔画像等の各種データを表示する。
【0039】
カメラ28は、申請者の顔を結像する光学レンズと、光学レンズによって結像された像を光電変換により電気信号に変換するフォトセンサアレイ(例えば、CCD(Charge Coupled Device)型固体撮像素子、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型固体撮像素子)と、フォトセンサアレイから出力された画像信号を所定分解能(例えば、8ビット)でサンプリングして画像信号をデジタルデータに変換する信号処理回路等とを有し、光学レンズ、フォトセンサアレイ及び信号処理回路によって申請者の顔画像を入力する。
【0040】
光源29は、例えば蛍光灯、ハロゲンランプ又はメタルハライドランプにより構成され、撮影の際に、椅子に着座した申請者に対して光を照射する。
【0041】
スキャナ20は、申請書に沿ってライン状イメージセンサを移動させて、ライン状イメージセンサによって申請書の画像を1ラインごとに光電変換により電気信号に変換し、ライン状イメージセンサから出力された信号を所定分解能(例えば、8ビット)でサンプリングして画像信号をデジタルデータに変換することで、申請書の画像を入力する。
【0042】
CPU21は、記憶部23に記憶されたプログラムに従って、撮影装置2を構成する各部の動作を制御する。例えば、CPU21は、IDカードの作成を申請する申請者のID番号及び申請識別情報を入力部26から入力するとカメラ28を駆動し、カメラ28から入力した顔画像(以下、カメラ28から入力した顔画像を撮影顔画像という。)を申請識別情報とともにID番号に対応付けて記憶部23に書き込む。また、CPU21は、申請者のID番号及び申請識別情報を入力部26から入力するとスキャナ20を駆動し、スキャナ20から入力した申請書画像をID番号に対応付けて記憶部23に書き込む。また、CPU21は、入力したID番号に対応する個人情報及び交付可否フラグをホストコンピュータ1から取得するための制御を行い、ホストコンピュータ1から送信された個人情報及び交付可否フラグをID番号に対応付けて記憶部23に記憶する。また、CPU21は、入力したID番号及び撮影顔画像を対応付けて通信部25により顔画像照合装置7に送信する。また、CPU21は、撮影顔画像に対する照合結果フラグを顔画像照合装置7から受信した場合に、その照合フラグをID番号に対応付けて記憶部23に記憶する。
【0043】
RAM22は、CPU21によって実行されるプログラムをプログラム格納エリアに展開する。また、RAM22は、プログラムの実行時に生じる処理結果等のデータをワークエリアに一時的に記憶する。例えば、RAM22は、カメラ28にて入力された顔画像を一時的に記憶する。
【0044】
記憶部23は、プログラムやデータ等が記憶されている記録媒体を有しており、この記録媒体は、磁気的、光学的記録媒体若しくは半導体メモリで構成されている。この記録媒体は、記憶部23に固定的に設けられるもの若しくは着脱自在に装着するものであり、システムプログラム、当該システムに対応する各種処理プログラム及び各種処理プログラムで処理されたデータを記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読取可能なプログラムコードの形態で格納され、当該プログラムコードに従った動作がCPU21の制御下にて逐次実行される。なお、記憶部23が記憶するプログラム又はデータは、その一部又は全部を他の機器から通信ネットワーク8を介して受信して記憶するような構成にしてもよい。
【0045】
この記憶部23は、IDカードの作成に関するデータとしてID番号毎にカード作成管理ファイル24を記憶する。図4に示すように、カード作成管理ファイル24は、ID番号、申請識別情報、撮影顔画像、申請書画像、個人情報、撮影フラグ、照合結果フラグ、更新フラグ、交付可否フラグ及びファイリングフラグからなる。ID番号は、入力部26から入力した情報である。申請識別情報は、入力部26から入力した情報である。撮影顔画像は、カメラ28から入力した画像である。申請書画像は、スキャナ20から入力した画像である。個人情報は、ホストコンピュータ1から取得した個人情報である。撮影フラグは、カメラ28によって申請者を撮影したか否か(0:『未撮影』、1:『撮影済み』)を表す情報である。照合結果フラグは、申請者本人であるか否か(0:『別人』、1:『本人』)を表す情報である。更新フラグは、ホストコンピュータ1のデータベース11の個人情報が更新されたか否か(0:『更新未完』、1:『更新完了』)を表す情報である。交付可否フラグは、ホストコンピュータ1から受信した交付可否フラグである。ファイリングフラグは、ファイルサーバ4によってデータベース41中の顔画像、個人情報等を追加記憶したか否か(0:『未ファイル』、1:『ファイル完了』)を表す情報である。
【0046】
図3は、顔画像照合装置7の全体構成を示したブロック図である。図3に示すように、顔画像照合装置7は、CPU71、RAM72、記憶部73、入力部74、表示部75、通信部76を備える。
【0047】
入力部74は、カーソルキー、数字入力キー、一致入力キー、不一致入力キー及び各種機能キーを備え、これらキーの押下操作に対応する操作信号をCPU71に出力する。
【0048】
通信部76は、顔画像照合装置7を通信ネットワーク8に接続するためのインターフェースであり、通信ネットワーク8を介してホストコンピュータ1、撮影装置2、IDカード作成装置3、ファイルサーバ4、登録装置5及び照会装置6と通信を行うための制御を行う。
【0049】
表示部75は液晶ディスプレイといった表示装置であり、CPU21から入力される表示制御信号に従って顔画像等の各種データを表示する。
【0050】
CPU71は、記憶部73に記憶されたプログラムに従って、顔画像照合装置7を構成する各部の動作を制御する。例えば、CPU71は、ID番号及び撮影顔画像を撮影装置2から受信した場合に、その識別番号に対応する顔画像をファイルサーバ4から取得するための制御を行う。また、CPU71は、通信部76によりファイルサーバ4から直近の顔画像を受信したら、その受信した顔画像と撮影顔画像を照合して両方の顔画像の一致度合い(一致度合いの数値が大きくなるにつれて、より一致していることを表す。)を求める。また、CPU71は、その一致度合いが第1閾値以上であるか否かを判定するとともに、第2閾値(第2閾値<第1閾値)以上であるか否かを判定する。また、CPU71は、一致度合いが第1閾値以上である場合には、本人であることを表す照合結果フラグ(1:『本人』)を通信部76により撮影装置2に送信する。また、CPU71は、一致度合いが第2閾値未満である場合には、別人であることを表す照合結果フラグ(0:『別人』)を通信部76により撮影装置2に送信する。また、一致度合いが第2閾値以上第1閾値未満である場合であって、一致を表す比較結果が入力部74により入力されたときには、CPU71は、本人であることを表す照合結果フラグ(1:『本人』)を通信部76により撮影装置2に送信する。また、一致度合いが第2閾値以上第1閾値未満である場合であって、不一致を表す比較結果が入力部74により入力されたときには、CPU71は、ファイルサーバ4から次の顔画像を受信し、その顔画像と撮影顔画像の照合を同様に行う。
【0051】
RAM72は、CPU71によって実行されるプログラムをプログラム格納エリアに展開する。また、RAM72は、プログラムの実行時に生じる処理結果等のデータをワークエリアに一時的に記憶する。例えば、RAM72は、撮影装置2から受信した撮影顔画像及びID番号を対応付けて一時記憶するとともに、ファイルサーバ4から受信した顔画像もID番号に対応付けて一時記憶する。
【0052】
記憶部73は、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体を有しており、この記録媒体は、磁気的、光学的記録媒体若しくは半導体メモリで構成されている。この記憶部73は、顔画像の照合に関するデータとしてID番号毎に照合管理ファイル77を記憶する。図5に示すように、照合管理ファイル77は、ID番号、カウンタN、照合結果フラグ、各照合における一致度合いからなる。ID番号は、撮影装置2から受信したID番号である。カウンタNは、ファイルサーバ4から受信した顔画像と撮影顔画像の照合回数を表す。照合結果フラグは、ファイルサーバ4から受信した顔画像と撮影顔画像の照合により申請者本人であるか否か(0:『別人』、1:『本人』)を表す情報である。顔画像の一致度合いは、CPU71により顔画像と撮影顔画像を照合するたびに求められて記憶される。
【0053】
図1において、IDカード作成装置3は、撮影装置2から、IDカードの作成に必要な印刷データ(ID番号、顔画像、個人情報のデータ)を受信して、印刷データに従ってIDカードを作成する。例えば、IDカード作成装置3は、IDカードにID番号、顔画像及び個人情報を印刷するとともに、IDカードに内蔵されたICチップにID番号及び個人情報を書き込む。このIDカード作成装置3は、各種機能キーを有する入力部、操作パネル、記憶部(何れも図示略)等を備えている。
【0054】
IDカード作成システム100の動作及びこのIDカード作成システム100を用いたIDカード作成方法について説明する。ここで、図6は、撮影装置2において実行される処理を示すフローチャートであり、図7は、顔画像照合装置7において実行される処理を示すフローチャートである。
【0055】
まず、申請者が自身のID番号、申請識別情報(新規、更新又は再交付)、個人情報等を申請書に記入する。そして、発行人が申請書の記入内容に従ってID番号、申請識別情報、個人情報等を登録装置5で登録すると、ID番号、申請識別情報、個人情報等が登録装置5にて一時記憶される。申請識別情報が『再交付』でない場合には、登録装置5は、一時記憶したID番号、申請識別情報、個人情報等をホストコンピュータ1に送信する。
【0056】
また、発行人が申請書の記入内容を入力するために撮影装置2の入力部26を操作することによって、撮影装置2のCPU21が申請者のID番号及び申請識別情報を入力部26から入力し、そのID番号に申請識別情報を対応付けて記憶部23のカード作成管理ファイル24に記録する(ステップSA1)。次に、発行人が申請書をスキャナ20にセッティングすると、スキャナ20によって申請書の画像が読み取られ、撮影装置2のCPU21がスキャナ20から申請書画像を入力し、入力した申請書画像をID番号に対応付けて記憶部23のカード作成管理ファイル24に記録する(ステップSA3)。この時点では、CPU21は、カード作成管理ファイル24の撮影フラグ、照合結果フラグ、更新フラグ、交付可否フラグ、ファイリングフラグを『0』にセットする。
【0057】
次に、発行人が入力部26を操作することによって、カメラ28によって申請者の顔画像が撮影され、CPU21がカメラ28から入力した撮影顔画像をID番号に対応付けて記憶部23のカード作成管理ファイル24に記録する(ステップSA5)。更に、CPU21は、カード作成管理ファイル24の撮影フラグを『1:撮影終了』にセットする。
【0058】
次に、CPU21は、顔画像の照合が必要であるか否かを判定する(ステップSA7)。具体的には、CPU21がカード作成管理ファイル24の申請識別情報を読み、申請識別情報が『再交付』である場合にCPU21が顔照合を必要と判定し(ステップSA7:Yes)、申請識別情報が『新規』又は『再交付』である場合にCPU21が顔照合を不要と判定する(ステップSA7:No)。
【0059】
顔画像の照合が不要である場合(ステップSA7:No)、CPU21がカード作成管理ファイル24の照合結果フラグを『1:本人』にセットする(ステップSA9)。そして、CPU21の処理がステップSA19に移行する。
【0060】
一方、顔画像の照合が必要である場合(ステップSA7:Yes)、CPU21が記憶部23に記録されたID番号とそれに対応付けられた撮影顔画像、申請識別情報及び申請書画像を通信部25によって顔画像照合装置7に送信し(ステップSA13)、照合結果フラグを顔画像照合装置7から受信したか否かを判定する(ステップSA15)。一方、顔画像照合装置7においては、CPU71は、通信部76によってID番号、撮影顔画像、申請識別情報及び申請書画像を受信すると(ステップSB1:Yes)、そのID番号に撮影顔画像、申請識別情報及び申請書画像を対応付けて照合管理ファイル77に記録する(ステップSB3)。この時点では、CPU71は、照合管理ファイル77の照合結果フラグを『0』にセットする。
【0061】
次に、CPU71は、照合管理ファイル77のカウンタNを『0』にセットする(ステップSB5)。そして、顔画像照合装置7のCPU71は、照合管理ファイル77のID番号を通信部76によってファイルサーバ4に送信する。ファイルサーバ4は、受信したID番号に対応する直近の顔画像をデータベース41から読み出す。そして、ファイルサーバ4が読み出した顔画像を顔画像照合装置7に送信し、顔画像照合装置7のCPU71が通信部76によりその顔画像を受信する(ステップSB7)。一方、データベース41に直近の顔画像がない場合には、ファイルサーバ4は顔画像を送信しない。
【0062】
次に、CPU71は、ファイルサーバ4から直近の顔画像を受信したか否かを判定する(ステップSB9)。ここで、ファイルサーバ4に直近の顔画像がない場合には(ステップSB9:No)、顔画像照合装置7のCPU71の処理がステップSB25に移行し、ファイルサーバ4に直近の顔画像がある場合には(ステップSB9:Yes)、顔画像照合装置7のCPU71の処理がステップSB11に移行する。
【0063】
ステップSB11においては、顔画像照合装置7のCPU71が撮影顔画像を直近の顔画像と照合し、両方の顔画像の一致度合いを求め、その一致度合いを照合管理ファイル77に記憶する。次に、CPU71は一致度合いが第1閾値以上であるか未満であるかを判定する(ステップSB13)。一致度合いが第1閾値以上である場合には(ステップSB13:Yes)、CPU71が照合管理ファイル77の照合結果フラグを『1:本人』にセットし(ステップSB27)、CPU71の処理がステップSB31に移行する。
【0064】
一方、一致度合いが第1閾値未満である場合には(ステップSB13:No)、CPU71がID番号、個人情報、撮影顔画像、直近の顔画像及び一致度合いを表示部75に表示させる(ステップSB15)。そして、発行人が表示部75に表示された両方の顔画像を比較する。そして、発行人は両方の顔画像が一致すると判定した場合には、両方の顔画像が一致することを表す比較結果を入力部74で入力するので、CPU71が入力部74からその比較結果を入力し(ステップSB17:Yes)、CPU71が照合管理ファイル77の照合結果フラグを『1:本人』にセットし(ステップSB27)、CPU71の処理がステップSB31に移行する。一方、発行人は両方の顔画像が一致しないと判定した場合には、両方の顔画像が一致しないことを表す比較結果を入力部74で入力するので、CPU71が入力部74からその比較結果を入力し(ステップSB17:No)、CPU71の処理がステップSB19に移行する。
【0065】
ステップSB19においては、CPU71は一致度合いが第2閾値(但し、第2閾値<第1閾値)以上であるか未満であるかを判定する。一致度合いが第2閾値以上である場合には(ステップSB19:Yes)、CPU71の処理がステップSB21に移行し、一致度合いが第2閾値未満である場合には(ステップSB19:No)、CPU71が照合管理ファイル77の照合結果フラグを『0:別人』にセットし(ステップSB29)、CPU71の処理がステップSB31に移行する。ステップSB21においては、CPU71は顔照合の継続をするか否かの入力が入力部74になされたか否かを判定する。ここで、発行人が顔照合継続するよう入力部74を操作した場合には(ステップSB21:Yes)、CPU71の処理がステップSB23に移行し、発行人が顔照合を打ち切るよう入力部74を操作した場合には(ステップSB21:No)、CPU71が照合管理ファイル77の照合結果フラグを『0:別人』にセットし(ステップSB29)、CPU71の処理がステップSB31に移行する。
【0066】
ステップSB23ではCPU71がカウンタNに『1』を加算し、CPU71の処理がステップSB7に戻る。ステップSB7ではCPU71は再びID番号をファイルサーバ4に送信することで、ファイルサーバ4から次に直近の顔画像を受信する。以上のように、ファイルサーバ4から受信した顔画像と撮影顔画像が一致すると判定されるまで(ステップSB13:Yes、又は、ステップSB17:Yes)、ファイルサーバ4から受信した顔画像と撮影顔画像が一致しないと判定されるまで(ステップSB19:No)、又は、発行人が顔画像と撮影顔画像の照合を打ち切るまで(ステップSB21:No)、CPU21はステップSB7〜ステップSB23の処理を繰り返す。CPU71がステップSB7〜ステップSB23の処理を繰り返していると、ファイルサーバ4のデータベース41の顔画像の全ての照合が済むので、ファイルサーバ4から顔画像照合装置7に顔画像が送信されず、上述したようにCPU71の処理がステップSB9からステップSB25に移行する。
【0067】
ステップSB25ではCPU71はカウンタNが『0』であるか否かを判定する。ステップSB7〜ステップSB23の処理が一回でも繰り返されると、カウンタNが『0』でないので、CPU71が照合管理ファイル77の照合結果フラグを『0:別人』にセットし(ステップSB29)、CPU71の処理がステップSB31に移行する。一方、ステップSB7〜ステップSB23の処理が一回も繰り返されないと、カウンタNが『0』であるので、CPU71が照合管理ファイル77の照合結果フラグを『1:本人』にセットし(ステップSB15)、CPU71の処理がステップSB31に移行する。
【0068】
ステップSB31ではCPU71は照合管理ファイル77の照合結果フラグにより本人であるか否かを判定する。照合結果フラグが『1』である場合には、CPU71が表示部75に表示信号を出力することで、本人でない旨が警報として表示部75に表示される(ステップSB33)。照合結果フラグが『0』である場合には、CPU71が登録装置5にID番号を指定して更新指示を行う(ステップSB35)。
【0069】
更新指示を受けた登録装置5は、一時記憶したID番号、申請識別情報、個人情報等をホストコンピュータ1に送信する。そして、ホストコンピュータ1はその個人情報及び顔画像をID番号に対応付けてデータベース11の更新を行う。
【0070】
ステップSB33の後又はステップSB35の後、CPU71は照合結果フラグをID番号に対応付けて撮影装置2に送信する(ステップSB37)。撮影装置2においては、CPU21が顔画像照合装置7から通信部25を介して受信すると(ステップSA15:Yes)、CPU21が、受信した照合結果フラグをカード作成管理ファイル24に記録し(ステップSA17)、CPU21の処理がステップSA19に移行する。ここで、受信した照合結果フラグが『0:別人』である場合には、CPU21がカード作成管理ファイル24の照合結果フラグを『0:別人』にセットし、受信した照合結果フラグが『1:本人』である場合には、CPU21がカード作成管理ファイル24の照合結果フラグを『1:本人』にセットする。
【0071】
ステップSA19では、CPU21はカード作成管理ファイル24の照合結果フラグが『1:本人』であるか否かを判定する。照合結果フラグが『0:別人』であると(ステップSA19:No)、CPU21が表示部27に表示信号を出力することで、本人でない旨が警報として表示部27に表示され(ステップSA29)、撮影装置2の処理が終了する。
【0072】
一方、照合結果フラグが『1:本人』であると(ステップSA19:Yes)、CPU21がID番号をホストコンピュータ1に送信し、ホストコンピュータ1がそのID番号に対応する交付可否フラグを外部ホストコンピュータ9から受信する。更に、ホストコンピュータ1はそのID番号に対応する個人情報がデータベース11上で更新されたか否かを判定し、更新した場合にはその旨をID番号、個人情報及び交付可否フラグとともに撮影装置2に送信し、更新していない場合にはその旨をID番号とともに撮影装置2に送信する。そして、撮影装置2のCPU21は、更新した旨をホストコンピュータ1から受信した場合にはカード作成管理ファイル24の更新フラグを『1:更新完了』にセットするとともに、受信した個人情報及び交付可否フラグもカード作成管理ファイル24に記録する。一方、CPU21は、更新していない旨をホストコンピュータ1から受信した場合にはカード作成管理ファイル24の更新フラグを『0:更新未完』にセットする。
【0073】
そして、CPU21は更新フラグが『1:更新完了』であるか、『0:更新未完』であるかを判定する(ステップSA21)。更新フラグが『0:更新未完』である場合には(ステップSA21:No)、CPU21が再びID番号をホストコンピュータ1に送信し、個人情報の更新をホストコンピュータ1に確認する。
【0074】
一方、更新フラグが『0:更新完了』である場合には(ステップSA21:Yes)、撮影装置2のCPU21はカード作成管理ファイル24の交付可否フラグが『0:交付不可』であるか、『1:交付可』であるかを判定する(ステップSA23)。
【0075】
交付可否フラグが『0:交付不可』である場合には(ステップSA23:No)、CPU21が表示部27に表示信号を出力することで、交付不可である旨が警報として表示部27に表示され(ステップSA31)、撮影装置2の処理が終了する。
【0076】
一方、カード作成管理ファイル24の交付可否フラグが『1:交付可』である場合には(ステップSA23:Yes)、CPU21がID番号と、そのID番号に対応する撮影顔画像及び個人情報をIDカード作成装置3に送信する(ステップSA25)。IDカード作成装置3は、ID番号とそれに対応付けられた個人情報及び顔画像のデータを撮影装置2から受信すると、ID番号、顔画像及び個人情報を用いてIDカードを作成する。ここでは、IDカード作成装置3は、IDカードにID番号、顔画像及び個人情報を印刷するとともに、IDカードに内蔵されたICチップにID番号及び個人情報を書き込む。
【0077】
次に、撮影装置2のCPU21がID番号と、そのID番号に対応する撮影顔画像及び個人情報をファイルサーバ4に送信する(ステップSA27)。ファイルサーバ4は、ID番号とそれに対応付けられた個人情報及び顔画像を撮影装置2から受信すると、その個人情報及び顔画像をID番号に対応付けてデータベース41に追加書き込みする。
【0078】
以上のように、撮影装置2によって一旦撮影された申請者の顔画像が、ファイルサーバ4のデータベース41に記憶された顔画像と顔画像照合装置7にて照合されるので、申請者に与える精神的苦痛を軽減することができる。また、両方の顔画像の照合が顔画像照合装置7にて行われるので、撮影装置2の処理負担を軽減することができ、複数の申請人の顔画像を撮影装置2によって次々に撮影することができる。
【0079】
また、両方の顔画像が一致すると顔画像照合装置7にて判定された場合に(ステップSB13:Yes、ステップSB17:Yes)、IDカードが作成されたり、データベース11,41が更新されたりするので、本人以外にIDカードを交付することを防止することができるとともに、個人情報が改変されることも防止することができる。
【0080】
また、申請者の撮影顔画像がファイルサーバ4のデータベース41に記憶された複数の顔画像と顔画像照合装置7にて照合されるので、本人確認の精度が向上する。申請者の撮影顔画像が何回か照合された結果、撮影顔画像が何れの顔画像にも一致しないと顔画像照合装置7によって判定された場合、更に撮影顔画像と登録された顔画像の両方が表示されるので、申請者に知られずに申請者の本人確認を行うことができ、申請者の精神的負担を軽減することができる。
【0081】
なお、上記実施形態では、撮影装置2にて申請者のID番号が入力されたが、申請者の仮ID番号が入力されても良い。この場合、発行人が登録装置5又は照会装置6にて申請者の個人情報からID番号を引き出し、そのID番号を仮ID番号に対応付ければ良い。
【0082】
また、複数の申請人についてIDカードを発行しようとする場合、撮影装置2が複数の申請人についてステップSA1〜ステップSA5の処理を行い、その後複数の申請人についてステップSA7〜ステップSA17の処理を行い、その後複数の申請人についてステップSA19〜ステップSA31の処理を行っても良い。また、複数の申請人についてIDカードを発行しようとする場合、顔画像照合装置7が複数の申請人についてステップSB1〜ステップSB3の処理を行い、その後複数の申請人についてステップSB5〜ステップSB29の処理を行い、その後複数の申請人についてステップSB31〜ステップSB37の処理を行っても良い。つまり、撮影装置2がステップSA1〜ステップSA31の処理を申請人ごとに並行して行い、顔画像照合装置7がステップSB1〜ステップSB37を申請人ごとに並行しても行うようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】IDカード作成システムの構成を示す図。
【図2】IDカード作成システムを構成する撮影装置の構成を示すブロック図。
【図3】IDカード作成システムを構成する顔画像照合装置の構成を示すブロック図。
【図4】撮影装置の記憶部に記憶されるIDカード作成管理ファイルのデータ構成を示した図面である。
【図5】顔画像照合装置の記憶部に記憶される照合管理ファイルのデータ構成示した図面である。
【図6】撮影装置において実行される処理を示すフローチャート。
【図7】顔画像照合装置において実行される処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0084】
1 ホストコンピュータ
2 撮影装置
3 IDカード作成装置
4 ファイルサーバ
5 登録装置
6 照会装置
7 顔画像照合装置
8 通信ネットワーク
9 外部ホストコンピュータ
11 データベース
21 CPU
22 RAM
23 記憶部
25 通信部
26 入力部
27 表示部
28 カメラ
41 データベース
71 CPU
72 RAM
73 ROM
74 入力部
75 表示部
76 通信部
91 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
申請者の顔画像を撮影する撮影装置と、IDカードを作成するIDカード作成装置と、識別番号とその識別番号に対応付けられた顔画像を記憶した記憶部を有するファイルサーバと、2つの顔画像を照合する顔画像照合装置と、を備え、
前記撮影装置が、
申請者の識別番号を入力する入力手段と、
申請者の顔画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により入力された顔画像を前記入力手段により入力された識別番号に対応付けて前記顔画像照合装置に送信する第1の送信手段とを備え、
前記顔画像照合装置が、
前記第1の送信手段により送信された識別番号に対応する顔画像を前記ファイルサーバから受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された顔画像と前記第1の送信手段により送信された顔画像を照合する照合手段と、
前記照合手段による照合結果を識別番号に対応付けて前記撮影装置に送信する第2の送信手段と、を備え、
前記撮影装置が、前記第2の送信手段により送信された照合結果によって、前記IDカード作成装置によるIDカードの作成を決める決定手段を更に備えることを特徴とするIDカード作成システム。
【請求項2】
前記決定手段は、前記第2の送信手段により送信された照合結果が本人を表す場合に、前記入力手段により入力した識別番号と、前記画像入力手段により入力した顔画像とを前記IDカード作成装置に送信し、
前記IDカード作成装置は、前記決定手段により送信された識別番号及び顔画像に従ってIDカードを作成することを特徴とする請求項1に記載のIDカード作成システム。
【請求項3】
前記撮影装置は、表示部を具備し、
前記決定手段は、前記第2の送信手段により送信された照合結果が別人を表す場合に、前記表示部にエラー表示をさせることを特徴とする請求項1又は2に記載のIDカード作成システム。
【請求項4】
前記照合手段が、
前記受信手段により受信された顔画像と前記第1の送信手段により送信された顔画像との一致度合いを求め、求めた一致度合いが第1閾値以上である場合に、本人であることを表す照合結果を出すことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のIDカード作成システム。
【請求項5】
前記顔画像照合装置は、第2の表示部及び入力部を具備し、
前記照合手段が、求めた一致度合いが前記第1閾値未満である場合に、前記受信手段により受信された顔画像と前記第1の送信手段により送信された顔画像とを前記第2の表示部に表示させ、両方の顔画像の比較結果を前記入力部により入力することを特徴とする請求項4に記載のIDカード作成システム。
【請求項6】
前記照合手段が、前記入力部により入力した比較結果が一致を表す場合に、本人であることを表す照合結果を出すことを特徴とする請求項5に記載のIDカード作成システム。
【請求項7】
前記照合手段が、前記入力部により入力した比較結果が不一致を表す場合に、求めた一致度合いが第2閾値未満(但し、前記第2閾値<前記第1閾値)であるときに、別人であることを表す照合結果を出すことを特徴とする請求項5又は6に記載のIDカード作成システム。
【請求項8】
前記顔画像照合装置は、前記照合手段によって別人の照合結果が出された場合に、前記第2の表示部にエラー表示をさせる手段を備えることを特徴とする請求項7に記載のIDカード作成システム。
【請求項9】
前記照合手段が、前記入力部により入力した比較結果が不一致を表す場合に、求めた一致度合いが前記第2閾値以上であるときに、前記第1の送信手段により送信された識別番号に対応する別の顔画像を前記ファイルサーバから受信し、その別の顔画像と前記第1の送信手段により送信された顔画像を照合することを特徴とする請求項7又は8に記載のIDカード作成システム。
【請求項10】
前記撮影装置は、
顔照合をするか否かを表す申請識別情報を入力する申請識別情報入力手段と、
前記申請識別情報入力手段により入力された申請識別情報が顔照合をしないことを表す場合に、前記第1の送信手段による送信を行わずに、前記入力手段により入力した識別番号と前記画像入力手段により入力した顔画像とを前記IDカード作成装置に送信する第3の送信手段とを更に備え、
前記IDカード作成装置は、前記第3の送信手段により送信された識別番号及び顔画像に従ってIDカードを作成することを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載のIDカード作成システム。
【請求項11】
申請者の顔画像を撮影する撮影装置と、IDカードを作成するIDカード作成装置と、識別番号とその識別番号に対応付けられた顔画像を記憶した記憶部を有するファイルサーバと、2つの顔画像を照合する顔画像照合装置と、を用いてIDカードを作成するIDカード作成方法であって、
前記撮影装置が、申請者の識別番号を入力する入力ステップと、
前記撮像装置が、申請者の顔画像を入力する画像入力ステップと、
前記撮像装置が、前記画像入力ステップにより入力された顔画像を前記入力ステップにより入力された識別番号に対応付けて前記顔画像照合装置に送信する第1の送信ステップと、
前記顔画像照合装置が、前記第1の送信ステップにより送信された識別番号に対応する顔画像を前記ファイルサーバから受信する受信ステップと、
前記顔画像照合装置が、前記受信ステップにより受信された顔画像と前記第1の送信ステップにより送信された顔画像を照合する照合ステップと、
前記顔画像照合装置が、前記照合ステップによる照合結果を識別番号に対応付けて前記撮影装置に送信する第2の送信ステップと、
前記撮影装置が、前記第2の送信ステップにより送信された照合結果によって、前記IDカード作成装置によるIDカードの作成を決める決定ステップとを含むことを特徴とするIDカード作成方法。
【請求項12】
前記決定ステップは、前記第2の送信ステップにより送信された照合結果が本人を表す場合に、前記撮影装置が前記入力ステップにより入力した識別番号と、前記画像入力ステップにより入力した顔画像とを前記IDカード作成装置に送信するステップを含み、
前記IDカード作成装置が、前記決定ステップにより送信された識別番号及び顔画像に従ってIDカードを作成するステップを更に含むことを特徴とする請求項11に記載のIDカード作成方法。
【請求項13】
前記決定ステップは、前記第2の送信ステップにより送信された照合結果が別人を表す場合に、前記撮影装置が表示部にエラー表示をするステップを含むことを特徴とする請求項11又は12に記載のIDカード作成方法。
【請求項14】
前記照合ステップは、
前記顔画像照合装置が、前記受信ステップにより受信された顔画像と前記第1の送信ステップにより送信された顔画像との一致度合いを求めるステップと、
求めた一致度合いが第1閾値以上である場合に、本人であることを表す照合結果を前記顔画像照合装置が出すステップと、を含むことを特徴とする請求項11から13の何れか一項に記載のIDカード作成方法。
【請求項15】
前記照合ステップは、
求めた一致度合いが前記第1閾値未満である場合に、前記顔画像照合装置が、前記受信ステップにより受信された顔画像と前記第1の送信ステップにより送信された顔画像とを第2の表示部に表示するステップと、
前記顔画像照合装置が両方の顔画像の比較結果を前記入力部により入力するステップとを含むことを特徴とする請求項14に記載のIDカード作成方法。
【請求項16】
前記照合ステップは、
前記入力部により入力した比較結果が一致を表す場合に、本人であることを表す照合結果を前記顔画像照合装置が出すステップを含むことを特徴とする請求項15に記載のIDカード作成方法。
【請求項17】
前記照合ステップは、
前記入力部により入力した比較結果が不一致を表す場合に、求めた一致度合いが第2閾値未満(但し、前記第2閾値<前記第1閾値)であるときに、別人であることを表す照合結果を前記顔画像照合装置が出すステップを含むことを特徴とする請求項15又は16に記載のIDカード作成方法。
【請求項18】
前記照合ステップによって別人の照合結果が出された場合に、前記顔画像照合装置が前記第2の表示部にエラー表示をするステップを更に含むことを特徴とする請求項17に記載のIDカード作成方法。
【請求項19】
前記照合ステップは、
前記入力部により入力した比較結果が不一致を表す場合に、求めた一致度合いが前記第2閾値以上であるときに、前記顔画像照合装置が前記第1の送信ステップにより送信された識別番号に対応する別の顔画像を前記ファイルサーバから受信するステップと、
前記顔画像照合装置が、その別の顔画像と前記第1の送信ステップにより送信された顔画像を照合するステップとを含むことを特徴とする請求項17又は18に記載のIDカード作成方法。
【請求項20】
前記撮影装置が、顔照合をするか否かを表す申請識別情報を入力する申請識別情報入力ステップと、
前記撮影装置が、前記申請識別情報入力ステップにより入力された申請識別情報が顔照合をしないことを表す場合に、前記第1の送信ステップによる送信を行わずに、前記入力ステップにより入力した識別番号と前記画像入力ステップにより入力した顔画像とを前記IDカード作成装置に送信する第3の送信ステップと、
前記IDカード作成装置が、前記第3の送信ステップにより送信された識別番号及び顔画像に従ってIDカードを作成するステップとを更に含むことを特徴とする請求項11から19の何れか一項に記載のIDカード作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−111992(P2007−111992A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305600(P2005−305600)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】