説明

III族窒化物結晶を成長させるための高圧ベッセル、ならびに高圧ベッセルおよびIII族窒化物結晶を用いてIII族窒化物結晶を成長させる方法

【課題】III族窒化物結晶性インゴットのアンモノサーマル成長のための方法を提供する。
【解決手段】III族窒化物結晶性材料を形成する方法であって、(a)実質的に酸素と水とを含まない鉱化剤をアンモノサーマル成長反応器1の反応チャンバーに提供することと、(b)該チャンバーを排気することと、(c)該III族窒化物結晶性材料を成長させる前に、バックエッチングされたシード結晶性材料11を提供することと、(d)該チャンバー内で該III族窒化物結晶性材料を成長させることとを含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、発明者Tadao Hashimoto、Edward Letts、およびMasanori Ikariの米国仮特許出願第61/058,910号(名称「High−Pressure Vessel For Growing Group III Nitride Crystals And Method Of Growing Group III Nitride Crystals Using High−Pressure Vessel And Group III Nitride Crystal」、2008年6月4日出願)の優先権の利益を主張し、この出願の全内容は、以下において全部が述べられるかのように本明細書に参考として援用される。
【0002】
この出願は、また、以下の米国特許出願:
Kenji Fujito、Tadao Hashimoto、およびShuji NakamuraによるPCT特許出願第US2005/024239号(名称「METHOD FOR GROWING GROUP III−NITRIDE CRYSTALS IN SUPERCRITICAL AMMONIA USING AN AUTOCLAVE」、2005年7月8日出願、代理人整理番号30794.0129−WO−01(2005−339−1));
Tadao Hashimoto、Makoto Saito、およびShuji Nakamuraによる米国特許出願第11/784,339号(名称「METHOD FOR GROWING LARGE SURFACE AREA GALLIUM NITRIDE CRYSTALS IN SUPERCRITICAL AMMONIA AND LARGE SURFACE AREA GALLIUM NITRIDE CRYSTALS」、2007年4月6日出願、代理人整理番号30794.179−US−U1(2006−204))であって、この出願は、Tadao Hashimoto、Makoto Saito、およびShuji Nakamuraによる米国仮特許出願第60/790,310号(名称「A METHOD FOR GROWING LARGE SURFACE AREA GALLIUM NITR IDE CRYSTALS IN SUPERCRITICAL AMMONIA AND LARGE SURFACE AREA GALLIUM NITRIDE CRYSTALS」、2006年4月7日出願、代理人整理番号30794.179−US−P1(2006−204))の優先権の利益を米国特許法第119条第(e)項の下で主張する、出願;
Tadao Hashimoto、およびShuji Nakamuraによる米国特許出願第60/973,602号(名称「GALLIUM NITRIDE BULK CRYSTALS AND THEIR GROWTH METHOD」、2007年9月19日出願、代理人整理番号30794.244−US−P1(2007−809−1));
Tadao Hashimotoによる米国特許出願第11/977,661号(名称「METHOD FOR GROWING GROUP III−NITRIDE CRYSTALS IN A MIXTURE OF SUPERCRITICAL AMMONIA AND NITROGEN, AND GROUP III−NITRIDE CRYSTALS GROWN THEREBY」、2007年10月25日出願、代理人整理番号30794.253−US−U1 (2007−774−2));
Tadao Hashimoto、Edward Letts、およびMasanori Ikariによる米国特許出願第61/067,117号(名称「METHOD FOR PRODUCING GROUP III−NITRIDE WAFERS AND GROUP III−NITRIDE WAFERS」、2008年2月25日出願、代理人整理番号62158−30002.00);
に関連し、これらの出願の全ては、参照により本明細書に援用される。
【0003】
(発明の分野)
本発明は、III族窒化物結晶を成長させるために使用される高圧ベッセルに関し、このIII族窒化物結晶は、高圧アンモニア内における窒化ガリウム、窒化ボロン、窒化インジウム、窒化アルミニウム、およびそれらの固溶体のような、BAlGaInl−x−y−zN(0=x,y,z=1)として表現される。本発明は、また、III族窒化物結晶を成長させる方法および成長したIII族窒化物結晶に関する。
【背景技術】
【0004】
(注記:本特許出願は、角括弧内の番号、すなわち、[x]によって表示されるようないくつかの刊行物および特許を参照する。これらの刊行物および特許のリストは「参考文献」と題される節に見出すことができる)。
【0005】
窒化ガリウム(GaN)およびその関連するIII族合金は、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)、マイクロ波パワートランジスタおよびソーラーブラインド光検出器のような様々な光学電子回路および電子デバイスのキー材料である。現在、LEDは、携帯電話、インジケータ、ディスプレイに広く用いられ、LDは、データ記憶ディスクデバイスに用いられている。しかしながら、これらのデバイスの大部分は、不均質基板(サファイア、シリコンカーバイド)上でエピタキシャルに成長させられる。なぜならば、GaNウェハーがこれらのヘテロエピタキシャルな基板に比べて非常に高価だからである。III族窒化物のヘテロエピタキシャルな成長は、非常に質の悪い、亀裂が入ったりしているフィルムを生じさせ、このことは、一般的な照明または強力マイクロ波トランジスタ用の高輝度LEDのような、ハイエンドの光学および電子デバイスの実現を妨害する。
【0006】
ヘテロエピタキシーによって引き起こされる基礎的な問題を解決するために、バルクのIII族窒化物結晶インゴットからスライスされた単結晶III族窒化物ウェハーを利用することが有効である。デバイスの大部分にとって、ウェハーの伝導率を制御することが容易で、GaNウェハーはデバイス層との格子/熱的な不整合が最も少ないので、単結晶GaNウェハーが好ましい。しかしながら、高い融解点および高温状態での高い窒素蒸気圧に起因して、GaN結晶インゴットを成長させることは困難であった。融解した高圧高温合成[1(非特許文献1)、2(非特許文献2)]およびナトリウムフラックス[3(非特許文献3)、4(非特許文献4)]などの融解したGaを使用する成長方法が、GaN結晶を成長させるために開発されてきたが、融解したGa内で成長させられた結晶形状は、溶解したGaの低い窒素の溶解度と低い窒素の拡散係数とに起因して、薄い小板となる。
【0007】
アンモノサーマル法は、溶媒として高圧のアンモニアを使用するソルボサーマル法であるが、真のバルクGaNの良好な成長を示した[5−10(非特許文献5、特許文献1−特許文献5)]。この新技術は、大きなGaN結晶インゴットを成長させることが可能であるが、その理由は、液体媒体として使用される高圧のアンモニアがGaN多結晶または金属Gaなどの原材料について高溶解度を有し、溶解した前駆体の速い移送速度が達成可能だからである。
主として、超臨界アンモニア内でGaNを成長させる三つの方法がある。すなわち、[6−10(特許文献1−特許文献5)]に開示されるような、外部加熱を有する単一反応器内のアンモノ塩基性溶液を用いる方法と、[11(特許文献6)]に開示されるような、外部加熱を有するPt裏張りの単一反応器内のアンモノ酸性溶液を使用する方法と、[12(特許文献7)]に開示されるような、高圧反応器内に封入された、封入剤を有する超臨界アンモニアと内部加熱器とを使用する方法とである。後の二つの方法は、反応器の規模を拡大することに不都合がある。アンモノ酸性の方法については、大規模な圧力ベッセルにPt裏張りを使用することは極端に高価である。内部封入剤については、2”を超える封入剤反応器を動作させることは構造的に非常に難しい。従って、塩基性鉱化剤を使用するアンモノサーマル成長が、バルクGaNを大量生産するためには最も実用的な方法である。文献[6、13−16(特許文献1、非特許文献6−9)]に開示されるように、GaNは、超臨界アンモノ塩基性溶液内で逆方向の溶解度を有する。従って、塩基性鉱化剤を使用する従来のアンモノサーマル成長においては、強化剤域に対する温度は、結晶化領域に対する温度よりも低く設定される。この温度設定に加えて、塩基性アンモノサーマル法は、多くの点で、石英および酸化亜鉛のハイドロサーマル成長のような他のソルボサーマル法とは異なっている。この相違に起因して、ソルボサーマル法をIII族窒化物結晶の成長に適用することは簡単ではなく、アンモノサーマル法によってGaNウェハーの大量生産を実現するにはさらなる改良が必要である。
【0008】
第一に、現状技術のアンモノサーマル法[6−10(特許文献1−特許文献5)]は、工業的生産へのスケーラビリティを欠いており、その理由は、高圧ベッセルを構築するために十分大きな超合金を得ることが非常に困難だからである。III族窒化物は、高い融解温度または解離温度を有しているので、結晶成長は、ソルボサーマル法によって成長させられる他の材料よりも比較的高い温度を必要とする。例えば、石英および酸化亜鉛(ZnO)の両者は、ハイドロサーマル法によって約300℃〜400℃において成長させられる。一方、アンモノサーマル法におけるGaNの典型的な成長温度は、450℃〜600℃である[6−10(特許文献1−特許文献5)]。さらに、我々の実験は、高品質の結晶を得るためには、550℃以上における成長が典型的に必要とされることを示した。従って、Rene−41(Haynes R−41または Pyromet 41)、Inconel 720(Pyromet 720)、Inconel 718(Pyromet 718)、およびWaspaloy AのようなNi−Crベースの析出硬化性(または、経年硬化性)超合金がベッセル材料に使用されなければならない。これらの超合金は、小サイズで高密度のグレイン構造を得るために鍛造されるが、このようなグレイン構造は、溶媒が超臨界であることを可能にする条件に対して必要な引張強度を提供する。しかしながら、機能させられるピースの固体寸法(例えば、その厚さ)が大きくなりすぎると、高引張強度に必要なグレイン構造は、鍛造によっては得ることができない。これは、鍛造プロセスの間、鍛造圧は常に表面から加えられ、機能サイズが特定のサイズを超える場合には、材料の内部のグレインサイズが影響を受けない傾向があるからである。鍛造/冷却プロセスの間における亀裂発生は、また、大径ロッドに対して重大である。これらの問題は、Ni−Crベースの析出硬化性超合金の利用可能なサイズを制限する。Rene−41の場合、鋳造状態(すなわち、鍛造されていない)ロッドに対する最大の外径は12インチより大きいが、ロッドに対する利用可能な最大外径は12インチである。
【0009】
アンモノサーマル法をGaNの単一結晶の商業生産に適用することの別の障害は、成長結晶の平凡な品質である。現在、それらの純度、透明度、および構造特性は商業的用途に対して十分ではない。特に、酸素濃度が1020cm−3のオーダーである。Ga空孔を伴う、この高レベルの酸素は、アンモノサーマル法によって成長させられたGaNの褐色がかった色の原因であると考えられる。褐色の結晶は、また、成長面に複数のグレインを見せる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,656,615号明細書
【特許文献2】米国特許第7,132,730号明細書
【特許文献3】米国特許第7,160,388号明細書
【特許文献4】国際公開第07008198号
【特許文献5】国際公開第07117689号
【特許文献6】特開2007−290921号公報
【特許文献7】米国特許第6,398,867号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】S.Porowski,MRS Internet Journal of Nitride Semiconductor,Res.4Sl,(1999)G1.3.
【非特許文献2】T.Inoue,Y.Seki,O.Oda,S.Kurai,Y.YamadaおよびT.Taguchi、Phys.Stat.Sol.(b)、223(2001)p.15
【非特許文献3】M.Aoki,H.Yamane,M.Shimada,S.SarayamaおよびF.J.DiSalvo,J.Cryst.Growth 242 (2002)p.70.
【非特許文献4】T.Iwahashi,F.Kawamura,M.Morishita,Y.Kai,M.Yoshimura,Y.MoriおよびT.Sasaki,J.Cryst Growth 253(2003)p.1.
【非特許文献5】T.Hashimoto,F.Wu,J.S.Speck,S.Nakamura,Jpn.J.Appl.Phys.46(2007) L889.
【非特許文献6】D.Peters,J.Cryst.Crowth,104 (1990) 411.
【非特許文献7】T.Hashimoto,K.Fujito,B.A.Haskell,P.T.Fini,J.S.Speck,およびS.Nakamura,J.Cryst.Growth 275(2005)e525.
【非特許文献8】M.Callahan,B.G.Wang,K.Rakes,D. Bliss,L.Bouthillette,M.Suscavage, S.Q.Wang,J.Mater.Sci.41(2006)1399.
【非特許文献9】T.Hashimoto,M.Saito,K.Fujito,F.Wu,J.S.Speck,S.Nakamura,J.Cryst.Growth 305 (2007)311.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の限界を考慮すると、本特許は、アンモノサーマル法によってIII族窒化物結晶を生産することに実際に利用できる高圧ベッセルを実現するためのいくつかの新たなアイデアを開示する。本特許は、また、アンモノサーマル法によって成長させられたIII族窒化物結晶の純度、透明度および構造特性を向上させる新たな方法を開示する。
【0013】
本発明は、III族窒化物材料のアンモノサーマル成長での使用に適した新たな高圧ベッセルを開示する。このベッセルは、高圧ベッセルに組み込まれる場合、現在、大きさに限界がある超合金ロッドまたはビレットのような原材料から作られる。可能な最大の高圧ベッセルを得ることができる、複数域の高圧ベッセルが開示される。
【0014】
ベッセルは、ベッセルを密封するための一つ以上のクランプを有し得る。クランプは、クランプ内に放射方向のグレインフローを有する金属または合金から形成される。この構成は、ベッセルが、現在のベッセルよりも大きさがかなり大きくなることを可能にする。
【0015】
高圧ベッセルは、バッフルなどの流動制限デバイスによって少なくとも3つの領域に分割され得る。この実施形態において、ベッセルは、その中で多結晶GaNまたは他の原材料のような強化剤が溶解、または供給される、強化剤領域を有している。ベッセルは、また、その中でIII族窒化物材料がシード材料上に結晶化される、結晶化領域を有している。ベッセルは、また、強化剤領域と結晶化領域との間の緩衝領域、結晶化域および/または強化剤域に隣接してクランプの近傍に一つ以上の冷却域、または両方を有する。
【0016】
本発明は、また、純度、透明度および構造特性が向上された結晶を成長させる新たな処置を開示する。アルカリ金属含有鉱化剤が、高圧ベッセルがアンモニアで充填されるまで、酸素と水分とに最も少なく曝露される状態で満たされる。プロセスステップの間の酸素汚染を低減するいくつかの方法が示される。また、構造特性を改善するためのシード結晶のバックエッチングおよび新しい温度傾斜スキームが開示される。
【0017】
さらに、本発明は、圧力ベッセルの内壁上への多結晶GaNの寄生的な堆積を低減しつつ、選択的に構造特性を改善し、成長速度を低下させることがない、方法を開示する。塩基性鉱化剤を使用するアンモノサーマル成長におけるGaNの逆行する溶解度のために、結晶化領域の温度は、従来、強化剤領域の温度よりも高く設定される。しかしながら、結晶化領域の温度を強化剤領域の温度よりもわずかに低く設定することによって、GaNを成長させることが可能であることを発見した。成長のためのこの「逆の」温度設定を用いることによって、反応器の壁へのGaNの寄生的な堆積を大いに低減させた。さらに、成長した結晶の構造特性が、成長速度を犠牲にすることなく改善された。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
III族窒化物結晶を成長させることに適している円筒形高圧ベッセルであって、主要本体と、該主要本体の各端部上に一つある二つの蓋とを備え、該主要本体は、析出硬化性Ni−Crベースの超合金からなり、垂直方向に沿うその最長の寸法と、2インチより大きいその内径と、4インチより大きいその最小の外径と、該内径の5倍より大きい該主要本体のその垂直方向の長さとを有し、
(a)該高圧ベッセルの内部チャンバーは、流動制限バッフルによって該垂直方向に沿って少なくとも3つの領域に分割されていることと、
(b)結晶化領域は、他の複数の領域の間に位置し、結晶成長の間、該複数の領域間で最高の温度に維持されることと、
(c)該両方の蓋に最も近い領域は、結晶成長の間、他の領域よりも低い温度に維持されることと、
(d)III族含有強化剤によって充填された強化剤領域は、該結晶化領域より上に位置することと
いう特徴をさらに含む、円筒形高圧ベッセル。
(項目2)
(a)上記主要本体は、鍛造された円形ロッドまたは鍛造された中空ロッドから構成され、該鍛造された円形ロッドまたは鍛造された中空ロッドの一次の鍛造圧が、元のビレットの半径方向に沿って該鍛造された円形ロッドまたは該鍛造された中空ロッドに適用されることと、
(b)上記両方の端部上の上記二つの蓋は、クランプによって閉鎖されることと、
(c)該クランプは、析出硬化性Ni−Crベースの超合金の鍛造されたディスクから構成され、該析出硬化性Ni−Crベースの超合金の鍛造されたディスクの一次の鍛造圧が該元のビレットの上記長手方向に沿って適用される、ことと
いう特徴をさらに含む、項目1に記載の円筒形高圧ベッセル。
(項目3)
(a)上記主要本体は、鍛造された円形ロッドまたは鍛造された中空ロッドから構成され、該鍛造された円形ロッドまたは鍛造された中空ロッドの一次の鍛造圧が元のビレットの半径方向に沿って適用される、ことと、
(b)上記両方の端部上の上記二つの蓋は、クランプによって閉鎖されることと、
(c)該クランプは合金鋼で構成され、上記ベッセルは、結晶成長の間、550℃未満のクランプ温度を提供するように構成されていることと
をいう特徴をさらに含む、項目1に記載の円筒形高圧ベッセル。
(項目4)
(a)上記主要本体は、鍛造された円形ロッドまたは鍛造された中空ロッドから構成され、該鍛造された円形ロッドまたは鍛造された中空ロッドのグレインフローが元のビレットの長手方向に沿っている、ことと、
(b)上記両方の端部上の二つの蓋が、クランプによって閉鎖されることと、
(c)該クランプは、析出硬化性Ni−Crベースの超合金のディスクで構成され、該析出硬化性Ni−Crベースの超合金のディスクのグレインフローが該元のビレットの半径方向に沿っている、ことと
いう特徴をさらに含む、項目1に記載の円筒形高圧ベッセル。
(項目5)
一つ以上の緩衝空間が、上記結晶化領域と上記強化剤領域との間の流動制限バッフルによって生成される、項目1〜4のうちのいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶を成長させる円筒形高圧ベッセル。
(項目6)
上記緩衝空間の高さは、上記高圧ベッセルの内径の少なくとも1/5である、項目5に記載のIII族窒化物結晶を成長させる円筒形高圧ベッセル。
(項目7)
上記結晶化領域のための加熱器が550℃より高い温度を提供するように構成されている、項目1〜6のうちのいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶を成長させる円筒形高圧ベッセル。
(項目8)
少なくとも上記高圧ベッセルおよび加熱器は、爆発封じ込め筺体内に収容され、該爆発封じ込め筺体の壁厚が1/2インチを超える、上記項目のうちのいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶を成長させる円筒形高圧ベッセル。
(項目9)
アンモニアが、上記爆発封じ込め筐体の外側から遠隔的に弁を動作させることによって放出される、上記項目のうちのいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶を成長させる円筒形高圧ベッセル。
(項目10)
項目1〜9のいずれか一項に記載の円筒形高圧ベッセルを使用してIII族窒化物シード結晶を成長させる方法であって、
(a)上記強化剤領域内にIII族窒化物シード結晶を装填し、上記強化剤領域内にIII族含有供給源を装填することと、
(b)上記鉱化剤が酸素および水分への最小の曝露を有する態様で該高圧ベッセルの中にアルカリ金属含有鉱化剤を装填することと、
(c)該高圧ベッセルを密封することと、
(d)該高圧ベッセルを1×10−5ミリバールより低い圧力まで排気することと、
(e)該高圧ベッセルをアンモニアで充填することと、
(f)該結晶化領域の温度を500℃より上で傾斜をつけることと、
(g)(f)に記載された温度条件を、結晶を成長させるのに十分な時間の間、維持することと、
(h)アンモニアを放出して、結晶成長を停止させることと、
(i)該高圧ベッセルを密封解除することと
を含む、方法。
(項目11)
ステップ(d)の間、上記高圧ベッセルを加熱することをさらに含む、項目10に記載の円筒形高圧ベッセル内においてIII族窒化物結晶を成長させる方法。
(項目12)
上記鉱化剤は、Li、Na、Kから選択される一つ以上のアルカリ金属であって、上記方法は、
(a)該鉱化剤から表面の酸化物層を除去するステップと、
(b)金属被覆によって該アルカリ金属の新鮮な表面を被覆するステップと、
(c)該高圧ベッセル内に該金属被覆アルカリ金属を装填するステップと
をさらに含む、項目10または11に記載の円筒形高圧ベッセル内においてIII族窒化物を成長させる方法。
(項目13)
上記ステップ(b)はアルカリ金属を融解することと、金属容器内でアルカリ金属を凝固させることとを含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
上記金属被覆がNiである項目12また13に記載の方法。
(項目15)
上記アルカリ金属がNaである項目12〜14のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
項目10に記載のステップ(b)は気密容器を使用することによって実行され、該気密容器は、酸素と水分とが制御された環境において上記鉱化剤で充填され、該容器は該鉱化剤を放出する一方で、上記高圧ベッセルは、加熱によって自己昇圧される、項目10〜15のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
上記高圧ベッセルは、還元ガスで充填され、少なくとも一度、1×10−5ミリバールより低い圧力まで連続的にポンプ排出される、項目10〜16のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
上記高圧ベッセルは、項目17に記載のステップの間、加熱される、項目17に記載の方法。
(項目19)
上記還元ガスは、アンモニアを含有する、項目17または18に記載のIII族窒化物結晶を成長させる方法。
(項目20)
上記還元ガスは、水素を含有する、項目17〜19のいずれか一項に記載のIII族窒化物結晶を成長させる方法。
(項目21)
Ce、Ca、Mg、Al、MnおよびFeのうちの少なくとも一つを含有している添加剤が、上記鉱化剤にさらに添加される、項目10〜20のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
B、In、Zn、SnおよびBiのうちの少なくとも一つを含有する添加剤が、上記鉱化剤にさらに添加される、項目10〜20のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
上記III族窒化物シード結晶は、上記ステップ(f)において、結晶成長を開始させる前にバックエッチングされる、項目10〜20のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
上記III族窒化物シード結晶が、上記強化剤領域の温度を400℃よりも高く維持することによってバックエッチングされ、上記結晶化領域の温度が、項目10に記載の上記ステップ(f)において結晶成長を開始する前に該強化剤領域の温度よりも少なくとも50℃低く維持される、項目23に記載の方法。
(項目25)
上記III族窒化物シード結晶は、上記結晶化領域の温度を400℃より低く維持することによってバックエッチングされ、該結晶化領域の温度は、項目10に記載の上記ステップ(f)において結晶成長を開始させる前に上記強化剤領域の温度より少なくとも50℃高く維持される、項目23に記載の方法。
(項目26)
上記III族窒化物シード結晶は、エッチングガスを含有する環境内において、項目10に記載の上記ステップ(a)の前に、800℃より高い温度で熱的にバックエッチングされ、該エッチングガスはフッ化水素、フッ素、塩化水素、塩素、臭化水素、臭素、ヨウ化水素、ヨウ素、アンモニアおよび水素から選択される、項目23に記載の方法。
(項目27)
上記III族窒化物シード結晶は、1マイクロメートルを超える量だけバックエッチングされる、項目23〜26のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
上記結晶化領域の温度は、項目10に記載の上記ステップ(f)において、結晶成長を開始させる前に、上記強化剤領域の温度より低く維持される、項目10〜27のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
項目28における上記ステップのための持続期間は、1時間を超える、項目28に記載の方法。
(項目30)
アンモノ塩基性の溶液が使用され、上記結晶化領域の温度は、項目10に記載のステップ(g)の間、上記強化剤領域の温度に設定されるか、または該強化剤領域の温度よりも低く設定される、項目10〜29のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
上記結晶化領域と上記強化剤領域との間の温度差は、30℃より小さい、項目30に記載の方法。
(項目32)
円筒形高圧ベッセルを使用してIII族窒化物結晶を成長させる方法であって、該円筒形高圧ベッセルは、一つ以上の流動制限バッフルによって分離される結晶化領域と強化剤領域とを少なくとも有し、該方法は、
(a)該結晶化領域内にIII族窒化物シード結晶を装填し、該強化剤領域内にIII族含有供給源を装填するステップと、
(b)アルカリ金属含有鉱化剤が酸素または水分に最小に曝露される態様で、該高圧ベッセル内に該鉱化剤を装填するステップと、
(c)該高圧ベッセルを密封するステップと、
(d)該高圧ベッセルを1×10−5ミリバールより低い圧力までポンプ排出するステップと、
(e)該高圧ベッセルをアンモニアで充填するステップと、
(f)該結晶化領域の温度を500℃より上で傾斜をつけるステップと、
(g)(f)に記載された該温度条件を、結晶を成長させるのに十分長い間、維持するステップと、
(h)アンモニアを放出して結晶成長を停止させるステップと、
(i)該高圧ベッセルを密封解除するステップと
を含む、方法。
(項目33)
上記ステップ(d)の間、上記高圧ベッセルを加熱することをさらに含む項目32に記載の方法。
(項目34)
一つ以上の流動制限バッフルによって分離される結晶化領域と強化剤領域とを少なくとも有する円筒形高圧ベッセルを使用して、III族窒化物結晶を成長させる方法であって、
(a)鉱化剤としてLi、NaおよびKから選択されるアルカリ金属を使用することと、
(b)該鉱化剤から表面の酸化層を除去することと、
(c)金属被覆によって該アルカリ金属の新鮮な表面を被覆することと、
(d)該アルカリ金属が酸素および水分への最小の曝露を有する態様で、該高圧ベッセル内に該金属被覆アルカリ金属を装填することと、
(e)該結晶化領域内にIII族窒化物シード結晶を装填し、該強化剤領域内にIII族含有供給源を装填することと、
(f)該高圧ベッセルを密封することと、
(g)該高圧ベッセルを1×10−5ミリバールより低い圧力まで排気することと、
(h)該高圧ベッセルをアンモニアで充填させることと、
(i)該結晶化領域の温度を500℃より上で傾斜をつけることと、
(j)(i)に記載された該温度条件を、結晶を成長させるのに十分長い間、維持することと、
(k)アンモニアを放出して結晶成長を停止させることと、
(l)該高圧ベッセルを密封解除することと
を含む、方法。
(項目35)
上記ステップ(c)は、金属容器内において上記アルカリ金属を融解させることと、凝固させることとを含む、項目34に記載の方法。
(項目36)
上記金属被覆がNiである、項目34に記載の方法。
(項目37)
円筒形高圧ベッセルを使用してIII族窒化物結晶を成長させる方法であって、該高圧ベッセルは、一つ以上の流動制限バッフルによって分離される結晶化領域と強化剤領域とを少なくとも有し、該方法は、
(a)該結晶化領域内にIII族窒化物シード結晶を装填し、該強化剤領域内にIII族含有供給源を装填することと、
(b)アルカリ金属含有鉱化剤が酸素または水分に最小に曝露される態様で、該高圧ベッセル内に該鉱化剤を装填することと、
(c)該高圧ベッセルを密封することと、
(d)該高圧ベッセルを1×10−5ミリバールより低い圧力まで排気することと、
(e)該高圧ベッセルを還元ガスによって充填し、連続して該高圧ベッセルを1×10−5ミリバールより小さい圧力まで排気することと、
(f)該高圧ベッセルをアンモニアによって充填することと、
(g)該結晶化領域の温度を500℃より上で傾斜をつけることと、
(h)(g)に記載された該温度条件を、結晶を成長させるのに十分長い間、維持することと、
(i)アンモニアを放出して結晶成長を停止させることと、
(j)該高圧ベッセルを密封解除することと
を含む、方法。
(項目38)
該高圧ベッセルは、上記ステップ(e)の間、加熱される、項目37に記載の方法。
(項目39)
上記還元ガスは、アンモニアを含有する、項目37または38に記載の方法。
(項目40)
上記還元ガスは、水素を含有する、項目37〜39のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
一つ以上の流動制限バッフルによって分離される結晶化領域と強化剤領域とを少なくとも有する円筒形高圧ベッセルを使用する、III族窒化物結晶を成長させる方法であって、
(a)該結晶化領域内にIII族窒化物シード結晶を装填し、該強化剤領域内にIII族含有供給源を装填することと、
(b)アルカリ含有鉱化剤が酸素および水分への最小の曝露を有する態様で、該高圧ベッセルに該鉱化剤を装填することと、
(c)Ce、Ca、Mg、Al、MnおよびFeのうちの少なくとも一つを含有している添加剤を装填することと、
(d)該高圧ベッセルを密封することと、
(e)該高圧ベッセルを1×10−5ミリバールより低い圧力に排気することと、
(f)該高圧ベッセルをアンモニアで充填することと、
(g)該結晶化領域の温度を500℃より上で傾斜をつけることと、
(h)(g)に記載された温度条件を、結晶を成長させるのに十分な時間の間、維持することと、
(i)結晶成長を止めるためにアンモニアを放出することと、
(j)該高圧ベッセルを密封解除することと
を含む、方法。
(項目42)
一つ以上の流動制限バッフルによって分離される結晶化領域と強化剤領域とを少なくとも有する円筒形高圧ベッセルを使用して、III族窒化物結晶を成長させる方法であって、
(a)該結晶化領域内にIII族窒化物シード結晶を装填し、該強化剤領域内にIII族含有供給源を装填することと、
(b)アルカリ含有鉱化剤が酸素および水分への最小の曝露を有する態様で、該高圧ベッセルに該鉱化剤を装填することと、
(c)B、In、Zn、SnおよびBiのうちの少なくとも一つを含有している添加剤を装填することと、
(d)該高圧ベッセルを密封することと、
(e)該高圧ベッセルを1×10−5ミリバールより低い圧力に排気することと、
(f)該高圧ベッセルをアンモニアで充填することと、
(g)該結晶化領域の温度を500℃より上で傾斜をつけることと、
(h)(g)に記載された該温度条件を、結晶を成長させるのに十分な時間の間、維持することと、
(i)アンモニアを放出して結晶成長を停止させることと、
(j)該高圧ベッセルを密封解除することと
を含む、方法。
(項目43)
一つ以上の流動制限バッフルによって分離される結晶化領域と強化剤領域とを少なくとも有する円筒形高圧ベッセルを使用して、III族窒化物結晶を成長させる方法であって、
(a)該結晶化領域内にIII族窒化物シード結晶を装填し、該強化剤領域内にIII族含有供給源を装填することと、
(b)アルカリ含有鉱化剤が酸素および水分への最小の曝露を有する態様で、該高圧ベッセルに該鉱化剤を装填することと、
(c)該高圧ベッセルを密封することと、
(d)該高圧ベッセルを1×10−5ミリバールより低い圧力まで排気することと、
(e)該高圧ベッセルをアンモニアで充填することと、
(f)該強化剤領域の温度を400℃よりも高く維持することによって該シード結晶をバックエッチングすることであって、該結晶化領域の温度は、該強化剤領域の温度よりも少なくとも50℃低く維持される、ことと、
(g)該結晶化領域の温度を500℃より上で傾斜をつけることと、
(h)(g)に記載された該温度条件を、結晶を成長させるのに十分な時間の間、維持することと、
(i)アンモニアを放出して、結晶成長を停止させることと、
(j)該高圧ベッセルを密封解除することと
を含む、方法。
(項目44)
上記シード結晶は、上記ステップ(f)において、1マイクロメートルを超える量だけバックエッチングされる、項目43に記載の方法。
(項目45)
一つ以上の流動制限バッフルによって分離される結晶化領域と強化剤領域とを少なくとも有する円筒形高圧ベッセルを使用して、III族窒化物結晶を成長させる方法であって、
(a)該結晶化領域内にIII族窒化物シード結晶を装填し、該強化剤領域内にIII族含有供給源を装填することと、
(b)アルカリ含有鉱化剤が酸素および水分への最小の曝露を有する態様で、該高圧ベッセルに該鉱化剤を装填することと、
(c)該高圧ベッセルを密封することと、
(d)該高圧ベッセルを1×10−5ミリバールより低い圧力まで排気することと、
(e)該高圧ベッセルをアンモニアで充填することと、
(f)該結晶化領域の温度を400℃よりも高く維持することによって、該シード結晶をバックエッチングすることであって、該結晶化領域の温度は、該強化剤領域の温度よりも少なくとも50℃高く維持される、ことと、
(g)該結晶化領域の温度を500℃より上で傾斜をつけることと、
(h)(g)に記載された該温度条件を、結晶を成長させるのに十分な時間の間、維持することと、
(i)アンモニアを放出して、結晶成長を停止させることと、
(j)該高圧ベッセルを密封解除することと
を含む、方法。
(項目46)
上記シード結晶は、上記ステップ(f)において、1マイクロメートルを超える量だけバックエッチングされる、項目45に記載の方法。
(項目47)
一つ以上の流動制限バッフルによって分離される結晶化領域と強化剤領域とを少なくとも有する円筒形高圧ベッセルを使用して、III族窒化物結晶を成長させる方法であって、
(a)エッチングガスを含有する環境内において800℃より高い温度で、熱的にバックエッチングすることであって、該エッチングガスは、フッ化水素、フッ素、塩化水素、塩素、臭化水素、臭素、ヨウ化水素、ヨウ素、アンモニアまたは水素から選択される、ことと、
(b)該結晶化領域内にIII族窒化物シード結晶を装填し、該強化剤領域内にIII族含有供給源を装填することと、
(c)アルカリ含有鉱化剤が酸素および水分への最小の曝露を有する態様で、該高圧ベッセルに該鉱化剤を装填することと、
(d)該高圧ベッセルを密封することと、
(e)該高圧ベッセルを1×10−5ミリバールより低い圧力まで排気することと、
(f)該高圧ベッセルをアンモニアで充填することと、
(g)該結晶化領域の温度を500℃より上で傾斜をつけることと、
(h)(g)に記載された該温度条件を、結晶を成長させるのに十分な時間の間、維持することと、
(i)アンモニアを放出して、結晶成長を停止させることと、
(j)該高圧ベッセルを密封解除することと
を含む、方法。
(項目48)
上記シード結晶は、上記ステップ(a)において、1マイクロメートルを超える量だけバックエッチングされる、項目47に記載の方法。
(項目49)
一つ以上の流動制限バッフルによって分離される結晶化領域と強化剤領域とを少なくとも有する円筒形高圧ベッセルを使用して、III族窒化物結晶を成長させる方法であって、
(a)該結晶化領域内にIII族窒化物シード結晶を装填し、該強化剤領域内にIII族含有供給源を装填することと、
(b)アルカリ含有鉱化剤が酸素および水分への最小の曝露を有する態様で、該高圧ベッセルに該鉱化剤を装填することと、
(c)該高圧ベッセルを密封することと、
(d)該高圧ベッセルを1×10−5ミリバールより低い圧力まで排気することと、
(e)該高圧ベッセルをアンモニアで充填することと、
(f)該結晶化領域の温度を、結晶成長を開始させる前に1時間より長く該強化剤領域の温度より低く維持することと、
(g)該結晶化領域の温度を500℃より上で傾斜をつけることと、
(h)(g)に記載された該温度条件を、結晶を成長させるのに十分な時間の間、維持することと、
(i)アンモニアを放出して、結晶成長を停止させることと、
(j)該高圧ベッセルを密封解除することと
を含む、方法。
(項目50)
アンモノ塩基性の溶液が使用され、上記結晶化領域の温度が、上記強化剤領域の温度に設定されるか、または該強化剤領域の温度よりも低く設定される、項目32〜49のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
上記結晶化領域と上記強化剤領域との間の温度差は、30℃より小さい、項目50に記載の方法。
(項目52)
項目10〜51のいずれか一項に記載の方法によって成長させられる単結晶GaN。
(項目53)
項目52に記載の単結晶GaNに等価な単結晶GaN。
(項目54)
項目52または53に記載の単結晶GaNからスライスされる単結晶GaNウェハー。
(項目55)
III族窒化物結晶性インゴットのアンモノサーマル成長のための反応器であって、
(a)チャンバーを画定する本体と、
(b)該反応器の端部を密封する第一のクランプであって、該第一のクランプは、該クランプの半径方向のグレインフローを有する金属または合金から形成される、第一のクランプと
を備える、反応器。
(項目56)
III族窒化物結晶性インゴットのアンモノサーマル成長のための反応器であって、
(a)チャンバーを画定する本体と、
(b)該反応器の強化剤領域を加熱する第一の加熱器と、
(c)該反応器の結晶化領域を加熱する第二の加熱器と、
(d)緩衝領域および端部領域から選択される第三の領域と、
(e)検定によって、該強化剤領域から該結晶化領域を分離するか、または該反応器の端部領域から該結晶化領域を分離する、少なくとも一つのバッフルと
を備え、該検定は、
存在する場合、複数のバッフルによって画定される該緩衝領域は、第一の端部バッフルと、該第一のバッフルとの間に一つ以上の選択的なバッフルを有する対向の端部バッフルとを備え、該第一の端部バッフルから該複数の対向の端部バッフルまでの距離は、該反応器の内径の少なくとも1/5であることと、
該反応器は、該端部領域が存在する場合、該端部領域に第一のクランプをさらに備えていることと
を含む、反応器。
(項目57)
上記第三の領域は、緩衝領域である、項目56に記載の反応器。
(項目58)
上記第三の領域は、端部領域である、項目56に記載の反応器。
(項目59)
上記反応器は、上記端部領域をさらに備える、項目57に記載の反応器である
(項目60)
上記端部領域の上記クランプは、該クランプ内に半径方向のグレインフローを有する金属または合金から形成される、項目58または59に記載の反応器。
(項目61)
上記クランプは、超合金から形成される、項目55〜60のいずれか一項に記載の反応器。
(項目62)
上記超合金は、Ni−Cr超合金を含む、項目55〜61のいずれか一項に記載の反応器。
(項目63)
上記クランプは、高強度鋼から形成される、項目55〜60のいずれか一項に記載の反応器。
(項目64)
上記第一の加熱器は、上記反応器が超臨界アンモニア内において逆行する溶解度を有するガリウム窒化物結晶を成長させるように構成される場合、該反応器の結晶化領域内において該反応器の温度の近くであるが、該温度よりも高くない温度に該反応器の該強化剤領域を維持するように構成される、項目55〜63のいずれか一項に記載の反応器。
(項目65)
上記第一の加熱器は、上記強化剤領域を、上記結晶化領域の温度よりも約30℃以下だけ
高く維持するように構成される、項目64に記載の反応器。
(項目66)
上記反応器の第二の端部を密封する第二のクランプをさらに備える、項目55〜65のいずれか一項に記載の反応器。
(項目67)
III族窒化物結晶性インゴットのアンモノサーマル成長のための反応器であって、
(a)チャンバーを画定する本体と、
(b)カプセル材料内の鉱化剤であって、該カプセル材料は、該反応器内の成長条件下において破裂可能である酸素と水とが浸透しない材料である、カプセル材料内の鉱化剤と
を備える、反応器。
(項目68)
上記カプセル材料は、上記鉱化剤上の金属または合金の被覆であって、該鉱化剤は、上記反応器内の結晶成長条件において、軟化または融解する、項目67に記載の反応器。
(項目69)
上記カプセル材料は、上記反応器内の結晶成長条件下で破裂する水と酸素とが透過しない容器を備える、項目67に記載の反応器。
(項目70)
上記容器によって画定され、上記カプセル材料を含有するチャンバーは、結晶成長条件下で該反応器内の圧力よりも低い圧力を有する、項目69に記載の反応器。
(項目71)
III族窒化物結晶性材料を形成する方法であって、
(a)実質的に酸素と水とを含まない鉱化剤をアンモノサーマル成長反応器の反応チャンバーに提供することと、
(b)該チャンバーを排気することと、
(c)該チャンバー内で該III族窒化物結晶性材料を成長させることと
を含む、方法。
(項目72)
上記反応チャンバー内に酸素ゲッターを提供することをさらに含む、項目71に記載の方法。
(項目73)
ガリウム窒化物結晶性材料を形成する方法であって、
(a)反応器の強化剤領域内において多結晶GaNを含む強化剤を加熱することと、
(b)該反応器の結晶化領域においてシード材料を加熱することと、
(c)アルカリ鉱化剤によって超臨界アンモニア内に該多結晶GaNを溶解させることと、
(d)該溶解されたGaNをシード材料上に堆積させて、該ガリウム窒化物結晶性材料を成長させることと
を含み、
(e)該強化剤領域の温度は、該結晶化領域の温度よりも高いが、その近くである、方法。
(項目74)
上記強化剤領域の温度は、上記シード材料上に上記溶解されたGaNを堆積させる行為の間、上記結晶化領域の温度よりも約30℃以下だけ高い、項目73に記載の方法。
(項目75)
上記結晶性材料を成長させる行為の前に、上記強化剤をバックエッチングすることをさらに含む、項目71〜74のうちのいずれか一項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0018】
ここで、図面を参照し、図面において全体を通して同様の参照番号が対応する部品を示している。
【図1】図1は、本発明における高圧ベッセルの概略図である。図面において各番号は以下を表示する。1.高圧ベッセル2.蓋3.クランプ4.ガスケット5.結晶化領域用の加熱器(または複数の加熱器)6.溶解領域用の加熱器(または複数の加熱器)7.流動制限バッフル(または複数の流動制限バッフル)8.強化剤バスケット9.強化剤10.シード結晶11.流動制限バッフル(または複数の流動制限バッフル)12.爆発封じ込め筺体13.バルブ14.排気チューブ15.バルブ動作用デバイス
【図2】図2は、鉱化剤および添加剤に依存する呈色を含む写真である。
【図3】図3は、Mg添加剤によるGaN結晶の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(概観)
本発明は、アンモノサーマル法によるIII族窒化物結晶の大量生産に適した高圧ベッセルを達成する設計を提供する。利用可能なNi−Crベースの析出硬化性超合金の制限された大きさによって、ベッセルの大きさを最大化するために革新的な設計が提示される。また、品質が向上したIII族窒化物結晶を成長させる方法が提示される。
【0020】
一つの例において、本発明は、III族窒化物結晶インゴットのアンモノサーマル成長用の反応器を提供する。反応器は、チャンバーを画定する本体と、反応器の端部を密封する第一のクランプとを有しており、第一のクランプは、クランプ内に放射方向のグレインフローを有する金属または合金から形成される。
【0021】
別の例では、III族窒化物結晶インゴットのアンモノサーマル成長用の反応器は、チャンバーを画定する本体と、反応器の強化剤(nutrient)領域を加熱する第一の加熱器と、反応器の結晶化領域を加熱する第二の加熱器と、緩衝領域および端部領域から選択される第三の領域と、結晶化領域を強化剤領域から、または結晶化領域を反応器の端部領域から分離する少なくとも一つのバッフルとを備え、バッフル領域は、これが存在する場合には、第一の端部バフルとそれとの間に一つ以上の任意のバッフルを有する対向の端部バッフルとを備え、第一の端部バッフルから複数の対向端部バッフルまでの距離は反応器の内径の少なくとも1/5であり、反応器は、端部領域が存在する場合、端部領域に第一のクランプを備えている。
【0022】
本明細書において説明される複数の反応器のうちの任意の反応器は、端部に単一の開口を有し得る。代替的に、本明細書において説明される複数の反応器のうちの任意の反応器は、2つ以上の開口を有し得、反応器本体の各端部に1つの開口がある。反応器は、概して円筒形であり得、または、反応器は、球形または半球形等の別の形状に形成され得る。
【0023】
本明細書において議論されるような反応器は、緩衝領域および/または1つ以上の冷却端部領域を有し得る。
【0024】
端部領域に配置されるクランプのような反応器用のクランプは、クランプ内に放射方向のグレインフローを有する金属または合金から形成される。クランプは、Ni−Cr超合金等の超合金から形成され得る。代替的に、クランプは、高強度鋼から形成され得る。
【0025】
反応器は、第一の加熱器を有し得、この第一の加熱器は、反応器が、超臨界アンモニア内において逆行する溶解度を有するガリウム窒化物結晶を成長させるように構成される場合、反応器の強化剤領域を、反応器の結晶化領域における反応器温度に近いがその温度より高い温度に維持するように構成される。
【0026】
反応器は、第一の加熱器が、強化剤領域を結晶化領域の温度よりも約20℃以下だけ高い温度に維持するように構成され得る。
【0027】
任意の反応器は、反応器の第二の端部を密封する第二のクランプを有し得る。第二のクランプは、上記の第一のクランプと同一であり得る。
【0028】
クランプは、二つまたは三つ以上の部品で形成され得ることにより、クランプが反応器から分解され得るか、取り外され得る。部品は、クランプと同一の材料から形成されるボルトによって一体に保持され得る。
【0029】
III族窒化物結晶インゴットのアンモノサーマル成長用の反応器は、チャンバーを画定する本体と、封入剤内の鉱化剤とを有し得、封入剤は、反応器内の成長条件下において破裂可能である、酸素と水とが浸透できない材料である。
【0030】
以下においてさらに詳細に議論されるように、封入剤は、反応器内の結晶成長条件下において軟化または融解する、鉱化剤上の金属被覆または合金被覆であり得る。
【0031】
封入剤は、代替的に、または付加的に、反応器内の結晶成長条件下において破裂する、酸素と水とが浸透できない容器を備え得る。
【0032】
容器はチャンバーを有し得、このチャンバーは、封入剤を含み、結晶成長条件下において反応器内の圧力よりもかなり低い圧力を有し、その結果、容器にかかる圧力は、反応器が動作圧力および動作温度に達すると、容器の降伏強度を超過する。
【0033】
本明細書において開示される複数の反応器のうちの任意の反応器は、アンモノ塩基性の超臨界溶液、またはアンモノ酸性の超臨界溶液を用いて動作し得る。したがって、鉱化剤は、塩基性または酸性であり得る。そのような鉱化剤は、当該分野において周知である。
【0034】
III族窒化物結晶材料を形成する方法も、また、本明細書において開示される。この方法は、
実質的に酸素と水とを含まない鉱化剤をアンモノサーマル成長反応器の反応チャンバーに提供することと、
チャンバーを排気することと、
チャンバー内においてIII族窒化物結晶材料を成長させることと
を含む。
【0035】
本明細書において開示される任意の方法は、反応チャンバー内に酸素ゲッターを提供することを含み得る。
【0036】
ガリウム窒化物結晶材料を形成する方法は、
反応器の強化剤領域内において多結晶GaNを含む強化剤を加熱することと、
反応器の結晶化領域においてシード材料を加熱することと、
超臨界アンモニア内に多結晶GaNを溶解させることと、
溶解したGaNをシード材料上に堆積させて、ガリウム窒化物結晶材料を成長させることと
を含み得、
強化剤領域の温度は、結晶化領域の温度より高いがその温度に近い、方法である。
【0037】
そのような方法において、溶解したGaNをシード材料上に堆積させる行為の間、強化剤領域と結晶化領域との間の温度差は、約50℃以下、約40℃以下、約30℃以下、約25℃以下、約20℃以下、約15℃以下または約10℃以下であり得る。
【0038】
本明細書において議論される任意の方法は、結晶化材料を成長させる行為の前に、強化剤をバックエッチングすることをさらに含み得る
反応器および方法が、以下においてさらに詳細に議論される。
【0039】
(技術説明)
鍛造される材料に大きさの制限が存在するので、今日では、析出硬化性Ni−Crベースの超合金のような様々な金属または合金の大径のロッドを得ることは不可能であり、この析出硬化性Ni−Crベースの超合金から、III族窒化物結晶材料のアンモノサーマル成長に適した圧力ベッセルが製造され得る。例えば、鋳造R−41ビレットの最大径は17インチであり、このビレットは、反応器の作製前に、直径12インチのロッドに鍛造される(例えば、円形に鍛造され、このとき、鍛造圧が半径方向に沿って加えられる)。これが、最新技術における鍛造ロッドの最大径であり、高圧ベッセルの最大の外径が12インチ近くであり得ることを意味する。しかしながら、鍛造された金属または合金から高圧ベッセル用のクランプを形成することがまた必要であるので、この最大径が既存の方法を用いて実現されることは不可能である。
【0040】
この規模の高圧ベッセルに対しては、カバー荷重(すなわち、アンモノサーマル結晶成長において存在する状態で蓋に加えられる力)が増加することに起因して、クランプ型の閉鎖がより安全で、より実用的である。ねじ型のクロージャは、ねじキャップがカバー荷重を保持するために非常に多くのねじ山を必要とするので、2インチよりも大きい内径を有する高圧ベッセルに対しては実用的でない。
【0041】
しかしながら、クランプの直径は高圧ベッセルの外径よりも大きくなければならないので、高圧ベッセルの最大の外径は、クランプの直径によって制限される。例えば、R−41を使用すると、12インチのクランプの直径は、結果的に、4インチ〜6インチの外径と2インチ〜3インチの内径とを有する高圧ベッセルとなる。そのような高圧ベッセルによってGaNの2インチのウェハーを製造することが可能であるが、生産性は水素化物気相エピタキシー(HVPE)のような他の成長法に匹敵するほどには大きくない。
【実施例】
【0042】
(実施例1)
上記の問題を解決するために、より大きいクランプを得るためのいくつかの方法を探究し、本発明者らは、長手方向に沿って鋳造状態ビレットを鍛造することによって、例えば、析出硬化性Ni−Crベースの超合金、または他の金属若しくは合金を用いて大径のディスクを生産することが可能であることを発見した。この方法によって、17インチの鋳造状態ビレットを長手方向に沿って鍛造し、20インチの直径で1フィートの厚さのディスクを形成する。鍛造プロセスによって、通常、材料の引張強度を決定する指向性微細構造(グレインフロー)を生成する。
【0043】
本体および蓋を構築するための円形ロッドのグレインフローは、一般に、長手方向に沿うが、一方、クランプを構築するためのディスクのグレインフローは、半径方向に沿う。軸方向のグレインフローではなく半径方向のグレインフローを有するディスクは、使用中に反応器本体に蓋を確実にクランプするために十分な引張強度を有しないと思われるかもしれないが、この差は、高圧ベッセルが十分な安全率によって設計される限り、高圧ベッセルの信頼性に有意な影響を有しない。この方法によって、本発明者らは、11.5”の外径と、4.75”の内径と、47.5”を超える高さとを有する高圧ベッセルを設計した。高圧ベッセルの高さが大きいので、反応容器内にチャンバーを形成するために両端部から孔をあける必要がある。従って、高圧ベッセルは2つの蓋、すなわち、各端部に一つの蓋を必要とし得る。この例におけるクランプの直径は20”であり、厚さは12”であり、このことは、結晶成長の間、蓋を保持するための十分な強度を保証する。このような大きいクランプは、二つ以上のクランプ部分から形成され得、最終的なクランプを形成するために、これらのクランプ部分を、例えば、一緒にボルト締めする。
【0044】
上記で議論された反応器のような大きな反応器によって、反応器内で成長する、より大きな直径の結晶の品質を向上させるためのより優れた機会が提供される。高温のアンモニアを高圧容器内に循環させ、熱を伝える。好ましい温度分布を確立するために、流動制限のバッフルを使用し得る。従来のアンモノサーマル反応器と異なり、底部領域(図1における11)を冷却するために、本発明の高圧ベッセルに流動制限バッフルを装備し得る。このようにして、シールおよびクランプの周辺の温度を、信頼性を向上させるために、結晶化領域の温度よりも低く維持する。さらに、この温度分布により、底部の蓋へのGaNの不必要な沈着を防ぐ。
【0045】
大きな反応器の設計により、大きな緩衝領域を、結晶化領域と強化剤領域との間に組み込むことも可能である。この緩衝領域は、複数のバッフルを備え得、一つのバッフルにおける孔または開口を、隣接するバッフルにおける孔または開口と中心をずらしている。
【0046】
これらのバッフルにより、緩衝領域内での平均滞留時間が増加し、一方で、バッフル間の領域を通過するアンモニアに、比較的停滞した流動の領域と渦流の他の領域とを提供する。また、より大きい直径の反応器内における強化剤領域から結晶化領域までの平均流速は、より小さい直径の反応器内における強化剤領域から結晶化領域までの平均流速よりも小さくあり得る。
【0047】
強化剤領域により低い温度を、そして結晶化領域により高い温度を提供して、例えば、超臨界アンモニア内のGaNの逆行の溶解度を利用するように構成される反応器のための強化剤領域のための加熱器に主にまたは専ら、隣接して緩衝領域を配置し得る。または、緩衝領域を、超臨界アンモニアのより早い段階での加熱および冷却を提供するために、結晶化域のための加熱器を越えて延ばし得、その結果、アンモニア溶液は、溶液がシード材料に出会うときに、所望の温度にある可能性をより高くする。
【0048】
過飽和状態のアンモニアの、緩衝域における滞留時間の増加を伴う、結晶化領域に供給されるアンモニアの流動をより遅くすることにより、実施例3に示されるように成長速度が増加し得る。
【0049】
高圧ベッセルの大きさを増加させるにつれて、全体の内部容積が大きくなる。従って、起こりうる爆発の危険を軽減することが重要である。この実施例における等価な爆発エネルギーは、9ポンドのTNTと同等と評価される。この実施例において、本発明者らは、1/2インチの厚みの鋼製壁(図1における12)を有する爆発封じ込め筺体を設計した。高圧ベッセル内のアンモニアが、高圧バルブ(図1における13)の遠隔操作によって放出され得ることが重要である。機械的な、電気的な、または空気式の方法のいずれかによってバルブを遠隔操作し得る。
【0050】
(実施例2)
大径の高圧ベッセルを実現する別の方法は、クランプ材料として高強度鋼を使用することである。高強度鋼(例えば、4140)に対する最大の実用的な温度は550℃であるが、利用可能な最大の大きさは、12インチの外径を有する高圧ベッセル用のクランプを製作するのに十分大きい。この場合、さらなる注意がクランプ温度を制御するために必要である。アンモニアの流動を妨げるための一つ以上のバッフルを有する反応器における端部領域により、アンモニアを端部領域内で冷却することを可能にし、その領域における反応器温度を低下させ、そして、クランプを、そうでなければクランプを形成するために使用され得ないような高強度鋼のような材料から形成することを可能にする。また、鋼は塩基性アンモニアによる腐食の影響を受けやすいので、適切な耐腐食被覆が、アンモニア漏れに備えて望ましい。
【0051】
(実施例3)
この実施例において、結晶化領域と強化剤領域との間に一つ以上の緩衝領域を有することによる成長速度の向上を実証するために、1インチの内径を有する高圧ベッセルを使用する。実施例1、2と異なり、この高圧ベッセルは、一つの側にだけ開放端を有する。高圧ベッセルのチャンバーを、いくつかの領域に分割する。底部から上部までに、結晶化領域、緩衝領域、および強化剤領域が存在した。GaN結晶を2つの緩衝領域と、5つの緩衝領域と、8つの緩衝領域とによって成長させ、各条件における成長速度を比較した。最初に、高圧ベッセルに、4gのNaNHを装填し、55mmの長さの脚を有する流動制限バッフル(第一のバッフル)からシード結晶を浮遊させた。緩衝領域を生成するために、18mmの脚を有する2つの流動制限バッフル、18mmの脚を有する5つの流動制限バッフル、または10mmの脚を有する流動制限バッフルを第一のバッフルの上部に置いた(すなわち、18mmの高さを有する緩衝領域を初めの二つの条件に対して生成し、10mmの高さを有する緩衝領域を最後の条件に対して生成した)。バッフルの全てが、中央に1/4”の孔を有し、全開口は約14%であった。この例におけるバッフル孔は、互いに中心がずれていなかった。これらのバッフルの上部に、10gの多結晶GaNを含有するNiバスケットを置き、高圧ベッセルを蓋で密封した。これらの装填ステップの全てを、窒素が充填されたグローブボックス内で実行した。グローブボックス内の酸素および水分の濃度が1ppm未満であるように維持した。その後、高圧ベッセルを、ベッセルをポンプダウンし、およびベッセルにNHを供給することが可能であるガス/真空システムに接続した。最初に、高圧ベッセルをターボ分子ポンプによってポンプダウンして、1×10−5ミリバール未満の圧力を達成した。この実施例における実際の圧力は、二つ、五つおよび八つの緩衝領域を伴う条件に対して、それぞれ、2.0×10−6ミリバール、2.4×10−6ミリバールおよび1.4×10−6ミリバールであった。このようにして、高圧ベッセルの内壁上に残存する酸素および水分を除去した。この後に、高圧ベッセルを、液体窒素によって冷却し、NHを高圧ベッセル内に濃縮した。約40gのNHを高圧ベッセル内に満たした。高圧ベッセルの高圧バルブを閉じた後に、容器を二つのゾーン炉へ移動した。高圧ベッセルを、結晶化域について575℃まで加熱し、強化剤域に対して510℃まで加熱した。7日後に、アンモニアを放出し、高圧ベッセルを開放した。二つ、五つおよび八つの緩衝領域を伴う条件に対する成長速度は、それぞれ65マイクロメートル/日、131マイクロメートル/日、および153マイクロメートル/日であった。成長速度は、結晶化領域と強化剤領域との間における緩衝領域の数の増加とともに増加した。成長速度が向上した一つの理由は、アンモニアの対流が緩衝領域の増加につれてより遅くなったからである。もう一つの理由は、強化剤領域と結晶化領域との間の熱交換を制限することによって、より大きな温度差を生成するからである。従って、バッフルの開口を調節すること、バッフルにおける孔の位置を変更すること、緩衝領域の高さを調節することは、成長速度に同様の効果を及ぼすことが期待される。成長速度を効果的に向上させるために、緩衝領域の高さを高圧ベッセルの内径の1/5よりも大きく維持し、その結果、十分な空間が生成されて、アンモニアの停滞/渦流を助長することが望ましい。
【0052】
(技術説明)
ここで、アンモノサーマル法によって成長させられるGaNの純度、透明度および構造特性を向上させるためのいくつかの方法が示される。次の実施例は、前述の実施例と同様に、権利が主張される発明のさらなる原理を説明することを支援する。
【0053】
(実施例4)
この実施例において、1インチの内径を有する高圧ベッセルを、アンモニア充填の前の高真空ポンピングによるアンモノサーマル成長のステップを実証するために用いた。実施例1、2と異なり、この高圧ベッセルは一つの側にだけ開放端を有している。Niバスケット内に保持される10gの多結晶GaN強化剤と、0.3mmの厚さの単一の結晶質GaNシードと、3つの流動制限バッフルとを含む全ての必要な原料および内部構成要素を、高圧ベッセルとともにグローブボックスの中に装填した。グローブボックスを、窒素と、酸素と、水分とで充填し、濃度を1ppm未満に維持する。鉱化剤は酸素および水分と反応性があるので、鉱化剤を常にグローブボックス内に保存する。4gのNaNHを鉱化剤として使用した。鉱化剤を高圧ベッセルの中に装填した後に、3つのバッフルを、シードおよび強化剤とともに装填した。高圧ベッセルを密封した後に、それをグローブボックスから取り出した。その後、高圧ベッセルを、容器をポンプダウンし、および容器にNHを供給することが可能であるガス/真空システムに接続した。高圧ベッセルを、110℃において加熱し、ターボ分子ポンプによって排気して、1×10−5ミリバール未満の圧力を達成した。アンモニア充填前の実際の圧力は、2.0×10−6ミリバールであった。このようにして、高圧ベッセルの内壁上に残存する酸素および水分を除去した。この後に、高圧ベッセルを、液体窒素によって冷却し、NHを高圧ベッセル内で濃縮した。約40gのNHで高圧ベッセル内を満たした。高圧ベッセルの高圧バルブを閉じた後に、容器を二つのゾーン炉へと移動した。高圧ベッセルを、加熱した。結晶化領域を575℃に維持し、強化剤域を510℃に維持した。7日後に、アンモニアを放出し、高圧ベッセルを開放した。成長した結晶は、濃い茶色を示し(図2における一番上の試料)、二次イオン質量分析(SIMS)によって測定される酸素濃度は、1.2〜2.8×1020cm−3であった。この実施例において、高圧ベッセルのポンピングと加熱とは、酸素還元に寄与しなかった。これは、NaNH鉱化剤が、次の実施例に示されるように、有意な量の酸素/水分を含んでいるからである。鉱化剤の酸素/水分含有量を最小化した後においては、高圧ベッセルのポンピングおよび加熱は、プロセスにおける酸素供給源の可能性を最小にするために必要である。
【0054】
(実施例5)
この実施例において、1インチの内径を有する高圧ベッセルを、アンモニア充填の前の高真空ポンピングによるNa鉱化剤を使用するアンモノサーマル成長のステップを実証するために用いた。実施例1、2と異なり、高圧ベッセルは一つの側にだけ開放端を有している。Niバスケット内に保持される10gの多結晶GaN強化剤と、0.3mmの厚さの単一の結晶質GaNシードと、6つの流動制限バッフルとを含む全ての必要な原料および内部構成要素を、高圧ベッセルとともにグローブボックスの中に装填した。グローブボックスは、窒素と、酸素と、水分とで充填し、濃度を1ppm未満に維持する。鉱化剤は酸素および水分と反応性があるので、鉱化剤を常にグローブボックス内に保存する。2.3gのNaキューブを鉱化剤として使用した。Naの表面を、酸化物層を除去するために「剥離した」。しかしながら、グローブボックス内においてさえ、フレッシュな表面は数秒で変色したが、このことは、Na表面の瞬間的な酸化を示した。鉱化剤を高圧ベッセルの中に装填した後に、6つのバッフルをシードおよび強化剤とともに装填した。高圧ベッセルを密封した後に、それを、グローブボックスから取り出した。その後、高圧ベッセルを、容器をポンプダウンし、および容器にNHを供給することが可能であるガス/真空システムに接続した。高圧ベッセルを、室温で、ターボ分子ポンプによって排気して、1×10−5ミリバール未満の圧力を達成した。アンモニア充填前の実際の圧力は、1.5×10−6ミリバールであった。このようにして、高圧ベッセルの内壁上に残存する酸素および水分を除去した。この後に、高圧ベッセルを、液体窒素によって冷却し、NHを高圧ベッセル内で濃縮した。約40gのNHを高圧ベッセル内に満たした。高圧ベッセルの高圧バルブを閉じた後に、容器を2つのゾーン炉へと移動した。高圧ベッセルを加熱した。結晶化領域を575℃に維持し、強化剤域を510℃に維持した。7日後に、アンモニアを放出して高圧ベッセルを開放した。成長した結晶の呈色が向上した(図2における上から2番目の試料)。二次イオン質量分析(SIMS)によって測定される酸素濃度は、0.7×1019cm−3〜2.0×1019cm−3であったがこれは、実施例4における試料よりも1桁以上低いレベルであった。高圧ベッセルをポンピングするとともに、低い酸素/水分含有量を有する鉱化剤を使用することは、結晶における酸素濃度を最小にするために重要であることが示される。
【0055】
(実施例6)
実施例5において示されたように、鉱化剤の酸素/水分含有量を減少させることは、GaNの純度を改善するために極めて重要である。実施例5において説明したように、Na表面はグローブボックス内においてさえ急速に酸化される。従って、Naまたはアルカリ金属鉱化剤の露出表面を減少させることが重要である。Naの酸化を、Ni坩堝内でNaを融解することによって低減した。加熱板を、実施例5において言及されたグローブボックス内に導入して、酸素と水分とを制御した環境下でNi坩堝を加熱した。Naの表面酸化物層を除去した後に、それを加熱板上において加熱されたNi坩堝内に置いた。Naを融解する場合には、その表面は完全に坩堝の底および壁に接触している。Naの露出表面を最小にするために、Ni箔をNaの上面に設置した。Ni坩堝はオートクレーブに取り付けることができるほど十分に小さく、Niは成長環境内において安定であるので、Naを含むNi坩堝を直接的に高圧ベッセル内に装填することができる。このようにして、Naの表面のほとんどをNiで覆い、その結果、Naの酸化を最小化する。超臨界アンモニア内で安定である任意の金属を、坩堝材料として使用することができる。典型的な金属は、Ni、V、Mo、Ni−Cr超合金、その他を含む。
【0056】
(実施例7)
アルカリ金属のフレッシュな表面を被覆する別の方法は、中空の金属チューブによってアルカリ金属塊を穿孔することである。このようにして、アルカリ金属の側壁を、自動的にチューブの内壁で被覆し、結果として、環境に曝される表面積を低減する。例えば、Ni箔で挟まれたスラブ形状のNaは、スラブの上部表面または底部表面を切断した直後にNi箔を付着させることによって調整し得る。スラブの側壁を被覆していないが、Naスラブを通してNiチューブで穿孔することによって、側壁をNiに付着させ、上部表面と底部表面とをNi箔で被覆したNa塊を生成することができる。このようにして、アルカリ金属鉱化剤の酸素/水分含有量を大いに低減することができる。
【0057】
(実施例8)
高圧ベッセルが大きくなると、グローブボックス内の高圧ベッセルに鉱化剤を装填することが不可能である。従って、酸素/水分への鉱化剤の曝露を回避するために、代替処置をとる必要がある。一つの方法は、高圧下で亀裂が入る気密容器を使用することである。ここで、プロセスについての一つの実施例がある。鉱化剤をグローブボックス内の気密容器の中に装填する。アルカリ金属を使用する場合、実施例6において説明されたように、アルカリ金属を融解し、凝固し得る。その後、高圧ベッセルに、環境下において気密容器と、全ての他の必要な部品および材料とを装填する。高圧ベッセルを密封した後に、残存する酸素/水分を排気するために、ポンプダウンし、加熱する。アンモニアが、高圧ベッセル内に充填し、高圧ベッセルを加熱して結晶を成長させる。アンモニアの内部圧力が気密容器の亀裂圧力を超過すると、鉱化剤をアンモニアの中に放出する。このようにして、鉱化剤を酸素と水分とに曝露することなく、アンモニアに付加し得る。
【0058】
(実施例9)
さらに酸素濃度を低減するために、高圧ベッセルを密封した後で、かつ、アンモニアを充填する前に、高圧ベッセル内の酸素を除去することが効果的である。一つの実用的な処置は、高圧ベッセル内に低減ガスをポンプ注入し、充填することである。アンモニアおよび水素等の低減ガスは、高圧ベッセル内の残存酸素と反応し、水蒸気を形成する。従って、低減プロセスを向上させるために、高圧ベッセルを加熱することがさらに効果的である。
【0059】
(実施例10)
この実施例において、酸素ゲッターとしてのCe添加によるアンモノサーマル成長ステップを実証するために、1インチの内径を有する高圧ベッセルを使用した。実施例1、2と異なり、この高圧ベッセルは一つの側に開放端を有している。Niバスケット内に保持される5gの多結晶GaN強化剤と、0.4mmの厚さの単一の結晶質GaNシードと、6つの流動制限バッフルとを含む全ての必要な原料および内部構成要素を、高圧ベッセルともにグローブボックスの中に装填した。グローブボックスを、窒素と、酸素と、水分とによって充填し、濃度を1ppm未満に維持した。鉱化剤は酸素および水分と反応性があるので、鉱化剤を常にグローブボックス内に保存する。2.4gのNaを鉱化剤として使用した。鉱化剤を高圧ベッセルの中に装填した後に、6つのバッフルをシードおよび強化剤とともに装填した。その後、0.4gのCe粉末を添加した。高圧ベッセルを密封した後に、それをグローブボックスから取り出した。高圧ベッセルを、ベッセルをポンプダウンし、およびベッセルにNHを供給することが可能であるガス/真空システムに接続した。高圧ベッセルを、ターボ分子ポンプによって排気して、1×10−5ミリバール未満の圧力を達成した。アンモニア充填前の実際の圧力は、2.6×10−6ミリバールであった。このようにして、高圧ベッセルの内壁上に残存する酸素および水分を除去した。この後に、高圧ベッセルを、液体窒素によって冷却し、NHを高圧ベッセル内で濃縮した。約40gのNHを高圧ベッセル内に満たした。高圧ベッセルの高圧バルブを閉じた後に、ベッセルを2つのゾーン炉へと移動した。高圧ベッセルを加熱した。最初に、炉を、結晶化領域に対して510℃に維持し、強化剤領域を24時間の間、550℃に維持した。この逆の温度設定が、実施例15において示された結晶の品質を向上させることに有益であることを発見した。その後、結晶化領域および強化剤領域に対する温度を、成長のために575℃および510℃に設定した。4日後に、アンモニアを放出し、高圧ベッセルを開放した。成長した結晶は、黄色がかった色を示したが(図2における中央の試料)、それは透明度の向上を示した。
【0060】
Ceの代わりに0.1gのCa塊を添加した場合、成長した結晶は、わずかに褐色がかった半透明であったが(図2における一番下の試料)、このことは透明度の向上を示した。同様の結果が、Al、MnまたはFeを含有する酸素ゲッターを添加することによって期待され得る。
【0061】
(実施例11)
この実施例において、界面活性剤としてのB添加によるアンモノサーマル成長ステップを実証するために、1インチの内径を有する高圧ベッセルを使用した。実施例1、2と異なり、この高圧ベッセルは一つの側に開放端を有している。Niバスケット内に保持される5gの多結晶GaN強化剤と、0.4mmの厚さの単一の結晶質GaNシードと、6つの流動制限バッフルとを含む全ての必要な原料および内部構成要素を、高圧ベッセルともにグローブボックスの中に装填した。グローブボックスを、窒素と酸素と水分とを充填し、濃度を1ppm未満に維持する。鉱化剤は酸素および水分と反応性があるので、鉱化剤を常にグローブボックス内に保存する。2.4gのNaを鉱化剤として使用した。鉱化剤を高圧ベッセルの中に装填した後に、6つのバッフルをシードおよび強化剤とともに装填した。その後、0.1gのBN小板を添加した。高圧ベッセルを密封した後に、それを、グローブボックスから取り出した。高圧ベッセルを、ベッセルをポンプダウンし、ベッセルにNHを供給することが可能であるガス/真空システムに接続した。高圧ベッセルを、ターボ分子ポンプによって排気し、1×10−5ミリバール未満の圧力を達成した。アンモニア充填前の実際の圧力は、1.8×10−6ミリバールであった。このようにして、高圧ベッセルの内壁上に残存する酸素および水分が除去された。この後に、高圧ベッセルを、液体窒素によって冷却し、NH3を高圧ベッセル内で濃縮した。約40gのNHが高圧ベッセル内に満たされた。高圧ベッセルの高圧バルブが閉じられた後に、ベッセルをは2つのゾーン炉へと移動した。高圧ベッセルを、加熱した。最初に、炉を、結晶化領域に対して510℃に維持し、強化剤領域を24時間の間、550℃に維持した。この逆の温度設定が、実施例15において示された結晶の品質を向上させることに有益であることが発見された。その後、結晶化領域および強化剤領域に対する温度を、成長のために575℃および510℃に設定した。4日後に、アンモニアを放出し、高圧ベッセルを開放した。成長した結晶は、茶色がかった色を示したが(図2における下から2番目の試料)、それは透明度の向上を示した。また、構造特性が、従来のアンモノサーマル成長によるもの[5]と比較して、向上していた。(002)および(201)平面からのX線ロッキングカーブの半値全幅(FWHM)は、それぞれ295および103arcsecであった。これらの数は、参考文献[5]において報告される結晶の約5分の1である。In、Zn、Sn、Biを含有する界面活性剤を添加することによって同様の結果が期待し得る。
【0062】
(実施例12)
この実施例において、酸化ゲッターとしてのMg添加によるアンモノサーマル成長ステップを実証するために、1インチの内径を有する高圧ベッセルを使用した。実施例1、2と異なり、この高圧ベッセルは一つの側に開放端を有している。Niバスケット内に保持される5gの多結晶GaN強化剤と、0.4mmの厚さの単一の結晶質GaNシードと、6つの流動制限バッフルとを含む全ての必要な原料および内部構成要素を、高圧ベッセルともにグローブボックスの中に装填した。グローブボックスを、窒素と、酸素と、水分とによって充填し、濃度を1ppm未満に維持した。鉱化剤は酸素および水分と反応性があるので、鉱化剤を常にグローブボックス内に保存する。2.4gのNaを鉱化剤として使用した。実施例6において説明されたように、Naを、Ni坩堝内で溶解し、Ni箔によってキャップし、凝固させた。0.1gのMgを、Ni箔の上面上のNi坩堝内に添加した。Ni坩堝を高圧ベッセルの中に装填後、6つのバッフルをシードおよび強化剤とともに装填した。高圧ベッセルを密封した後に、それを、グローブボックスから取り出した。高圧ベッセルを、ベッセルをポンプダウンし、およびベッセルにNHを供給することが可能であるガス/真空システムに接続した。高圧ベッセルを、ターボ分子ポンプによって排気し、1×10−5ミリバール未満の圧力を達成した。アンモニア充填前の実際の圧力は、1.4×10−7ミリバールであった。このようにして、高圧ベッセルの内壁上に残存する酸素および水分を除去した。この後に、高圧ベッセルを、液体窒素によって冷却し、NHを高圧ベッセル内で濃縮した。約40gのNHを高圧ベッセル内に満たした。高圧ベッセルの高圧バルブを閉じた後に、ベッセルを2つのゾーン炉へと移動した。高圧ベッセルを、加熱した。最初の24時間の間、強化剤領域に対する炉のみをオンにし、550℃に維持し、一方、結晶化領域に対する炉をシードの表面をエッチングし戻すためにオフのままに維持した。この逆の温度設定は、実施例15に示されるように結晶の品質を向上させるために有益であることが発見された。その後、結晶化領域および強化剤領域に対する温度を、成長のために590℃および575℃に固定した。9日後に、アンモニアを放出し、高圧ベッセルを開放した。成長した結晶は、図3に示されるように、ほとんど透明であることを示した。このように、プロセスにおける酸素汚染を低減することは、結晶の透明度の向上に非常に有効である。
【0063】
(実施例13)
シード結晶を、通常、ワイヤーソーによってバルクのGaNをスライスし、次に研磨することによって準備する。このようなスライスおよび研磨プロセスによって生成されるシードの表面には損傷層が存在する。GaNの構造特性を向上させるために、この損傷層を除去する必要がある。さらに、シード表面に物理的または化学的に吸着された不純物は、バックエッチングによって除去され得る。この実施例において、アンモノサーマル高圧ベッセル内におけるシードのバックエッチングを実証するために、1インチの内径を有する高圧ベッセルを使用した。実施例1、2と異なり、この高圧ベッセルは一つの側に開放端を有している。GaNシード結晶を、結晶化領域の温度を強化剤領域の温度よりも低く設定することによってバックエッチングした。Niバスケット内に保持される10gの多結晶GaN強化剤と、0.4mmの厚さの単一の結晶質GaNシードと、6つの流動制限バッフルとを含む全ての必要な原料および内部構成要素を、高圧ベッセルともにグローブボックスの中に装填した。グローブボックスを、窒素と、酸素と、水分とによって充填し、濃度を1ppm未満に維持する。鉱化剤は酸素および水分と反応性があるので、鉱化剤を常にグローブボックス内に保存する。4gのNaNHを鉱化剤として使用した。鉱化剤を高圧ベッセルの中に装填した後に、6つのバッフルをシードおよび強化剤とともに装填した。高圧ベッセルを密封した後に、それを、グローブボックスから取り出した。その後、高圧ベッセルを、ベッセルをポンプダウンし、およびベッセルにNHを供給することが可能であるガス/真空システムに接続した。高圧ベッセルを、125℃で加熱し、ターボ分子ポンプによって排気して、1×10−5ミリバール未満の圧力を達成した。アンモニア充填前の実際の圧力は、1.8×10−6ミリバールであった。このようにして、高圧ベッセルの内壁上に残存する酸素および水分を除去した。この後に、高圧ベッセルを、液体窒素によって冷却し、NHを高圧ベッセル内で濃縮した。約40gのNHを高圧ベッセル内に満たした。高圧ベッセルの高圧バルブを閉じた後に、ベッセルを2つのゾーン炉へと移動した。高圧ベッセルを、加熱した。炉を、結晶化領域に対してオフにされた状態で維持し、強化剤領域を550℃に維持した。結晶化領域において測定された実際の温度は、366℃であった。濃度勾配に起因するシード上のGaN沈着を回避するために、50℃を超える温度差を維持することが非常に重要である。24時間後に、アンモニアを放出し、高圧ベッセルを開放した。シード結晶を36マイクロメートルまでバックエッチングし、これは、スライスおよび研磨プロセスによって生成される損傷層を除去するのに十分である。
【0064】
(実施例13)
GaNは約400℃より高温において逆行する溶解度を有し、その溶解度は約400℃より低温では温度に通常の(すなわち、正の)従属を有する。従って、結晶化域を400℃よりも低温に設定し、結晶化域の温度を他の域の温度よりも高く維持することによってシード結晶をバックエッチングすることが可能である。濃度勾配に起因するシード上へのGaN沈着を回避するために、強化剤領域の温度を結晶化領域よりも少なくとも50℃低く維持することが重要である。
【0065】
(実施例14)
シード結晶を、通常、ワイヤーソーによってバルクのGaNをスライスし、次に研磨することによって準備する。このようなスライスおよび研磨プロセスによって生成されるシードの表面には損傷層が存在する。GaNの構造特性を向上させるために、この損傷層を除去する必要がある。さらに、シード表面上に物理的または化学的に吸着された不純物は、バックエッチングによって除去され得る。この実施例において、シード結晶をアンモノサーマル成長の前に、別個の反応器内においてバックエッチングした。約0.4mmの厚さを有するシード結晶が、アンモニアと、塩化水素と、水素と、窒素とを流動させ得る。この実施例において、シード結晶を、塩化水素と、水素と、窒素との混合物内でエッチングした。塩化水素、水素、および窒素の流量はそれぞれ25sccm、60sccm、および1.44slmであった。エッチング速度は、800℃、985℃、1000℃、および1050℃に対して、7マイクロメートル/時、21マイクロメートル/時、35マイクロメートル/時、および104マイクロメートル/時であった。従って、800℃より高温でのバックエッチングは、表面層を有意に除去する。
【0066】
(実施例15)
我々は、初期の温度傾斜の間の逆の温度条件を利用することによって、成長した結晶の構造特性が向上されることを発見した。この実施例において、成長の初期段階における逆の温度設定の効果を実証するために、1インチの内径を有する高圧ベッセルを使用した。実施例1、2と異なり、この高圧ベッセルは一つの側に開放端を有している。Niバスケット内に保持される10gの多結晶GaN強化剤と、0.4mmの厚さの単一の結晶質GaNシードと、6つの流動制限バッフルとを含む全ての必要な原料および内部構成要素を、高圧ベッセルともにグローブボックスの中に装填した。グローブボックスを、窒素と、酸素と、水分とによって充填し、濃度を1ppm未満に維持する。鉱化剤は酸素および水分と反応性があるので、鉱化剤を常にグローブボックス内に保存する。4gのNaNHを鉱化剤として使用した。鉱化剤を高圧ベッセルの中に装填した後に、3つのバッフルをシードおよび強化剤とともに装填した。高圧ベッセルを密封した後に、それを、グローブボックスから取り出した。その後、高圧ベッセルを、ベッセルをポンプダウンし、ベッセルにNHを供給することが可能であるガス/真空システムに接続した。高圧ベッセルを、120℃で加熱し、ターボ分子ポンプによって排気して、1×10−5ミリバール未満の圧力を達成した。アンモニア充填前の実際の圧力は、1.5×10−6ミリバールであった。このようにして、高圧ベッセルの内壁上に残存する酸素および水分を除去した。この後に、高圧ベッセルを、液体窒素によって冷却し、NHを高圧ベッセル内で濃縮した。約40gのNHを高圧ベッセル内に満たした。高圧ベッセルの高圧バルブを閉じた後に、ベッセルを2つのゾーン炉へと移動し、加熱した。炉を、結晶化領域に対して510℃に維持し、強化剤領域を6時間の間、550℃に維持した。その後、結晶化領域および強化剤領域に対する温度を、成長のために575℃および510℃に設定した。7日後に、アンモニアを放出し、高圧ベッセルを開放した。成長した結晶は約1mmの厚さを有していた。構造特性が、従来のアンモノサーマル成長によるもの[5]と比較して、向上されていた。(002)および(201)平面からのX線ロッキングカーブの半値全幅(FWHM)は、それぞれ169arcsecおよび86arcsecであった。
【0067】
(実施例16)
本発明者らは、成長の間、結晶化温度を強化剤温度よりもわずかに低く設定することが、反応器の内面上での多結晶GaNの寄生的な堆積を有意に減少させることを発見した。GaNは、参考文献[6、13〜16]に開示されているように、臨界超過溶液内において逆行する溶解度を有しているが、我々は、GaN結晶成長が、逆の温度条件さえあれば生じることを発見した。さらに、成長した結晶の構造特性は、成長速度を犠牲にすることなく向上された。
【0068】
成長の間の逆の温度設定の効果を実証するために、1インチの内径を有する高圧ベッセルを使用した。実施例1、2と異なり、この高圧ベッセルは一つの側に開放端を有している。Niバスケット内に保持される10gの多結晶GaN強化剤と、0.47mmの厚さの単一の結晶質GaNシードと、6つの流動制限バッフルとを含む全ての必要な原料および内部構成要素を、高圧ベッセルともにグローブボックスの中に装填した。グローブボックスを、窒素と、酸素と、水分とによって充填し、濃度を1ppm未満に維持する。鉱化剤は酸素および水分と反応性があるので、鉱化剤を常にグローブボックス内に保存する。実施例6において説明されたように、Ni坩堝内で凝固させられ、Ni箔で覆われた2.6gのNaを鉱化剤として使用した。Ni坩堝を高圧ベッセルの中に装填した後に、6つのバッフルをシードおよび強化剤とともに装填した。高圧ベッセルを密封した後に、それを、グローブボックスから取り出した。その後、高圧ベッセルを、ベッセルをポンプダウンし、およびベッセルにNHを供給することが可能であるガス/真空システムに接続した。高圧ベッセルを、ターボ分子ポンプによって排気し、1×10−5ミリバール未満の圧力を達成した。アンモニア充填前の実際の圧力は、9.5×10−8ミリバールであった。このようにして、高圧ベッセルの内壁上に残存する酸素および水分を除去した。この後に、高圧ベッセルを、液体窒素によって冷却し、NHを高圧ベッセル内で濃縮した。約44gのNHを高圧ベッセル内に満たした。高圧ベッセルの高圧バルブを閉じた後に、ベッセルを2つのゾーン炉へと移動し、加熱した。最初の24時間の間、炉を、結晶化域および強化剤域に対して360℃および570℃において傾斜させ、維持した。実施例15において説明されたように、この逆の温度設定がシードのバックエッチングを保証する。その後、結晶化域を535℃まで加熱し、約10分間の間、維持し、強化剤領域を570℃から540℃まで24時間で冷却した。強化剤領域の徐冷が初期の成長段階におけるGaNの突然の析出を低減することが、期待される。強化剤領域の温度が540℃なった後、この逆の温度設定(すなわち、結晶化領域に対して535℃、強化剤領域に対して540℃)をさらに3日間維持した。その後、アンモニアを放出し、高圧ベッセルを開放した。成長した結晶は、約1.2mmの厚さを有していた。平均の成長速度は、0.183mm/日であった。構造特性が、従来のアンモノサーマル成長によるもの[5]と比較して、向上された。(002)および(201)平面からのX線ロッキングカーブの半値全幅(FWHM)は、それぞれ56arcsecおよび153arcsecであった。また、寄生的な堆積は約0.3gであったが、これは、従来の温度設定に比べて50%を超える低減であった。
【0069】
(利点と改良点)
開示された改良点は、アンモノサーマル成長を介して高品質のGaNウェハーの大量生産を可能にする。新しい高圧ベッセル設計を利用することによって、利用可能なNi−Crベースの析出硬化性超合金のサイズ限界を最大にすることができる。成長システムにおける汚染を低減するプロセスが高純度GaNウェハーを保証する。少量の添加剤(例えば、Ce、Ca、Mg、Al、Mn、Fe、B、In、Zn、Sn、Bi)は結晶の品質を改善することを支援する。シード結晶のインサイチュまたはエクスサイチュのバックエッチングは、GaNシードから損傷層および吸着された不純物を除去する効果的な方法である。さらに、成長スキームのための逆の温度設定は、反応器の内面上への多結晶GaNの寄生的な堆積を低減し、構造品質を改善するために有益である。これらの技術は、III族窒化物の結晶とウェハーの品質を改善することに役立つ。
【0070】
(可能な修正)
好ましい実施形態は二域ヒーターを記述するが、加熱域は良好な温度プロフィールを達成するために3つ以上に分割され得る。
【0071】
好ましい実施形態が、例としてGaNの成長を記述するが、他のIII族窒化物結晶が本発明において使用され得る。III族窒化物材料は、III族元素B、Al、Ga、およびInのうちの少なくとも一つを含み得る。
【0072】
好ましい実施形態が、多結晶GaN強化剤の使用を記述するが、金属Ga、アモルファスGaN、ガリウムアミド、ガリウムイミドのような他の形式の原料が本発明において使用され得る。
【0073】
好ましい実施形態に、特定の成長装置が示される。しかしながら、本明細書において記述される条件を満たす他の構成または設計は、これらの例と同じ利益を有する。
【0074】
好ましい実施形態における例は、NHを高温において放出するプロセス段階を説明するが、ねじの噛み付きが生じない限り、高圧ベッセルが冷却された後にNHを放出し得る。
【0075】
好ましい実施形態についての上記の記述は、説明し、記述することの目的にために示されてきた。それは、排他的であること、または開示されたまさにその形式に本発明を限定することを意図してはいない。多くの修正および変更が、上記の教示を考慮して可能である。発明の範囲は、この詳細な説明によって限定されず、むしろ本明細書に添付される特許請求の範囲によって限定されることが意図される。
【0076】
(参考文献)
【0077】
【表1】

【0078】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
III族窒化物結晶性材料を形成する方法であって、
(a)実質的に酸素と水とを含まない鉱化剤をアンモノサーマル成長反応器の反応チャンバーに提供することと、
(b)該チャンバーを排気することと、
(c)該III族窒化物結晶性材料を成長させる前に、バックエッチングされたシード結晶性材料を提供することと、
(d)該チャンバー内で該III族窒化物結晶性材料を成長させることと
を含む、方法。
【請求項2】
一つ以上の流動制限バッフルによって分離された少なくとも結晶化領域と強化剤領域とを有する円筒形高圧ベッセルを使用することを含み、前記方法は、
(a)該結晶化領域内にIII族窒化物シード結晶を装填し、該強化剤領域内にIII族含有供給源を装填することと、
(b)前記鉱化剤が酸素または水分への最小の曝露を有する態様で該高圧ベッセルの中にアルカリ金属含有鉱化剤を装填することと、
(c)該高圧ベッセルを密封することと、
(d)該高圧ベッセルを排気することと、
(e)該高圧ベッセルをアンモニアで充填することと、
(f)該強化剤領域の温度を400℃よりも高く維持することによってバックエッチングすることであって、該結晶化領域の温度が、該強化剤領域の温度よりも少なくとも50℃低く維持される、ことと、
(g)該結晶化領域の温度を500℃より上で傾斜をつけることと、
(h)(g)に記載された温度条件を、結晶を成長させるのに十分な時間の間、維持することと、
(i)アンモニアを放出して、結晶成長を停止させることと、
(j)該高圧ベッセルを密封解除することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シード結晶材料は、請求項2のステップ(f)において1マイクロメートルを超える量だけバックエッチングされる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
一つ以上の流動制限バッフルによって分離された少なくとも結晶化領域と強化剤領域とを有する円筒形高圧ベッセルを使用することを含み、前記方法は、
(a)該結晶化領域内にIII族窒化物シード結晶を装填し、該強化剤領域内にIII族含有供給源を装填することと、
(b)前記鉱化剤が酸素または水分への最小の曝露を有する態様で該高圧ベッセルの中にアルカリ金属含有鉱化剤を装填することと、
(c)該高圧ベッセルを密封することと、
(d)該高圧ベッセルを排気することと、
(e)該高圧ベッセルをアンモニアで充填することと、
(f)該強化剤領域の温度を400℃よりも高く維持することによってバックエッチングすることであって、該結晶化領域の温度が、該強化剤領域の温度よりも少なくとも50℃低く維持される、ことと、
(g)該結晶化領域の温度を500℃より上で傾斜をつけることと、
(h)(g)に記載された温度条件を、結晶を成長させるのに十分な時間の間、維持することと、
(i)アンモニアを放出して、結晶成長を停止させることと、
(j)該高圧ベッセルを密封解除することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記シード結晶材料は、請求項4のステップ(f)において1マイクロメートルを超える量だけバックエッチングされる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
一つ以上の流動制限バッフルによって分離された少なくとも結晶化領域と強化剤領域とを有する円筒形高圧ベッセルを使用することを含み、前記方法は、
(a)エッチングガスを含有する環境内において800℃より高い温度で、熱的にバックエッチングすることであって、該エッチングガスは、フッ化水素、フッ素、塩化水素、塩素、臭化水素、臭素、ヨウ化水素、ヨウ素、アンモニアまたは水素から選択される、ことと、
(b)該結晶化領域内にIII族窒化物シード結晶を装填し、該強化剤領域内にIII族含有供給源を装填することと、
(c)アルカリ含有鉱化剤が酸素および水分への最小の曝露を有する態様で、該高圧ベッセルに該鉱化剤を装填することと、
(d)該高圧ベッセルを密封することと、
(e)該高圧ベッセルを排気することと、
(f)該高圧ベッセルをアンモニアで充填することと、
(g)該結晶化領域の温度を500℃より上で傾斜をつけることと、
(h)(g)に記載された該温度条件を、結晶を成長させるのに十分な時間の間、維持することと、
(i)アンモニアを放出して、結晶成長を停止させることと、
(j)該高圧ベッセルを密封解除することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記シード結晶材料は、請求項6のステップ(a)において1マイクロメートルを超える量だけバックエッチングされる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
一つ以上の流動制限バッフルによって分離される結晶化領域と強化剤領域とを少なくとも有する円筒形高圧ベッセルを使用して、III族窒化物結晶を成長させる方法であって、
(a)該結晶化領域内にIII族窒化物シード結晶を装填し、該強化剤領域内にIII族含有供給源を装填することと、
(b)アルカリ含有鉱化剤が酸素および水分への最小の曝露を有する態様で、該高圧ベッセルに該鉱化剤を装填することと、
(c)該高圧ベッセルを密封することと、
(d)該高圧ベッセルを排気することと、
(e)該高圧ベッセルをアンモニアで充填することと、
(f)該結晶化領域の温度を、結晶成長を開始させる前に1時間より長く該強化剤領域の温度より低く維持することと、
(g)該結晶化領域の温度を500℃より上で傾斜をつけることと、
(h)(g)に記載された該温度条件を、結晶を成長させるのに十分な時間の間、維持することと、
(i)アンモニアを放出して、結晶成長を停止させることと、
(j)該高圧ベッセルを密封解除することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
アンモノ塩基性の溶液が使用され、前記結晶化領域の温度が、前記強化剤領域の温度に設定されるか、または該強化剤領域の温度よりも低く設定される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
結晶材料の成長の間の前記結晶化領域と前記強化剤領域との間の温度差は、20℃より小さい、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記高圧ベッセルのチャンバーは、前記排出するステップの間に、1×10−5ミリバールより低い圧力まで排出される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法によって成長させられる単結晶GaN。
【請求項13】
請求項12に記載の単結晶GaNに等価な単結晶GaN。
【請求項14】
請求項12または13に記載の単結晶GaNからスライスされる単結晶GaNウェハー。
【請求項15】
III族窒化物結晶性材料の成長のための高圧ベッセルであって、
(a)反応チャンバーを画定する反応器本体を備え、
(b)該反応チャンバー内に、(i)バックエッチングされた強化剤と、(ii)シード材料とを備える、高圧ベッセル。
【請求項16】
前記反応チャンバー内にアンモニア溶液をさらに含む、請求項15に記載の高圧ベッセル。
【請求項17】
前記アンモニア溶液は塩基性である、請求項16に記載の高圧ベッセル。
【請求項18】
前記反応チャンバー内にアルカリ鉱化剤をさらに含む、請求項15〜17のいずれか一項に記載の高圧ベッセル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−42567(P2011−42567A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188935(P2010−188935)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【分割の表示】特願2010−548951(P2010−548951)の分割
【原出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(510123264)シックスポイント マテリアルズ, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】