説明

IP電話システム、IP電話装置及びファイル転送方法

【課題】 通信相手先のIP電話装置と呼制御処理を行った後にファイル転送を行うこと。
【解決手段】 IPネットワーク104に接続され音声通話機能を有するIP電話装置101及び102と、IP電話装置101及び102に関する情報を登録しIP電話装置101及び102からの要求に応じて当該情報を応答するCA103と、を具備するIP電話システムにおいて、発信側のIP電話装置(101)は、音声通話の指示を受けると呼制御処理によりCA103から取得した着信側のIP電話装置(102)の登録情報を用いて通話処理を行い、その後にファイル転送の指示を受けると呼制御処理により取得した着信側のIP電話装置(102)の登録情報を用いて着信側のIP電話装置に対してファイルを転送する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IPネットワークを介してファイル転送を可能とするIP電話システム、IP電話装置及びファイル転送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、インターネットの急速な普及に伴い、遠隔地の電話装置と低料金での通話や登録会員の有するIP電話装置間における無料通話が可能であるIP電話システムが注目されている。かかるIP電話システムにおいては、発信元のIP電話装置と、発信先のIP電話装置との間でSIP(Session Initiation Protocol)プロトコルなどの呼制御プロトコルにより呼制御を行った後、音声情報をRTP(Realtime Transport Protocol)などの情報転送プロトコルを用いて交換することで双方の使用者間における通話を実現している。
【0003】
一方、近年、デジタルカメラなどのデジタル画像撮像装置の爆発的な普及に伴い、これらを用いて撮影した画像データ等を被写体となった相手先に送信することが行われている。このような画像データ等の送信は、電子メールに当該画像データ等を添付することで行うことが一般的である。
【特許文献1】特開2004−48239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電子メールに画像データ等を添付して送信する場合には、送信完了までに多大な伝送時間を要する場合があり、この場合には実質的に画像データの添付が制限されるという問題がある。
【0005】
一方、現在普及しているIP電話システムを利用して画像データ等を送信することができれば、使用者にとって利便性が向上する。しかし、現在のIP電話システムにおいては、一般的に画像データ等のファイルを転送する機能は存在していない。このため、画像データ等のファイルを転送可能なIP電話システムが要望されている。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みて為されたものであり、通信相手先のIP電話装置と呼制御処理を行った後にファイル転送を行うことができるIP電話システム、IP電話装置及びファイル転送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、IPネットワークに接続され音声通話機能を有するIP電話装置と、IP電話装置に関する情報を登録しIP電話装置からの要求に応じて当該情報を応答するサーバ装置と、を具備するIP電話システムにおいて、発信側のIP電話装置は、音声通話の指示を受けると呼制御処理によりサーバ装置から取得した着信側のIP電話装置の登録情報を用いて通話処理を行い、その後にファイル転送の指示を受けると呼制御処理により取得した着信側のIP電話装置の登録情報を用いて着信側のIP電話装置に対してファイルを転送するようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るIP電話システム、IP電話装置及びファイル転送方法によれば、通信相手先のIP電話装置と呼制御処理を行った後にファイル転送を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の第1の態様に係るIP電話システムは、IPネットワークに接続され音声通話機能を有するIP電話装置と、前記IP電話装置に関する情報を登録し前記IP電話装置からの要求に応じて当該情報を応答するサーバ装置と、を具備するIP電話システムであって、発信側のIP電話装置は、音声通話の指示を受けると呼制御処理により前記サーバ装置から取得した着信側のIP電話装置の登録情報を用いて通話処理を行い、その後にファイル転送の指示を受けると前記呼制御処理により取得した着信側のIP電話装置の登録情報を用いて着信側のIP電話装置に対してファイルを転送する構成を採る。
【0010】
この構成によれば、音声通話の指示に応じて行った呼制御処理により取得した着信側のIP電話装置の登録情報を用いて着信側のIP電話装置に対してファイルを転送する。このため、呼制御処理により取得した着信側のIP電話装置の登録情報を利用して、通信相手先のIP電話装置と呼制御処理を行った後にファイル転送を行うことができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、第1の態様に係るIP電話システムにおいて、前記発信側のIP電話装置は、着信側のIP電話装置に対するファイル転送が終了した後に通話終了の指示を受けた場合には着信側のIP電話装置との間で確立されたコネクションを切断する構成を採る。
【0012】
この構成によれば、着信側のIP電話装置に対するファイル転送が終了した後に通話終了の指示を受けた場合に着信側のIP電話装置との間で確立されたコネクションが切断される。このため、通話終了の指示に応じて着信側のIP電話装置との間で確立されたコネクションを確実に切断することができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、第1の態様に係るIP電話システムにおいて、前記発信側のIP電話装置は、着信側のIP電話装置に対するファイル転送が終了する前に通話終了の指示を受けた場合には当該ファイル転送が終了するまで着信側のIP電話装置との間で確立されたコネクションを維持する構成を採る。
【0014】
この構成によれば、着信側のIP電話装置に対するファイル転送が終了する前にオンフックにより通話終了の指示を受けた場合も当該ファイル転送が終了するまで着信側のIP電話装置との間で確立されたコネクションを維持する。このため、ファイル転送の終了を待たずにオンフックして通話を終了することができる。
【0015】
本発明の第4の態様に係るIP電話装置は、IPネットワーク上の他のIP電話装置と音声通話を行うための呼制御処理を行うIP電話制御部と、前記IP電話制御部による呼制御処理により取得した他のIP電話装置の登録情報を用いてファイルを当該他のIP電話装置に転送するファイル転送部と、を具備する構成を採る。
【0016】
この構成によれば、音声通話を行うための呼制御処理により取得した他のIP電話装置の登録情報を用いて着信側のIP電話装置に対してファイルを転送する。このため、呼制御処理により取得した他のIP電話装置の登録情報を利用して、通信相手先のIP電話装置と呼制御処理を行った後にファイル転送を行うことができる。
【0017】
本発明の第5の態様は、第4の態様に係るIP電話装置において、前記ファイル転送部は、前記IP電話制御部による通話処理中にファイル転送の指示を受けると前記他のIP電話装置の登録情報を用いてファイルを転送する構成を採る。
【0018】
この構成によれば、他のIP電話装置との通話処理中にファイル転送の指示を受けると他のIP電話装置の登録情報を用いてファイルを転送する。このため、通話中に、呼制御処理により取得した他のIP電話装置の登録情報を利用してファイル転送を行うことができる。
【0019】
本発明の第6の態様は、第4の態様に係るIP電話装置において、前記IP電話制御部は、前記ファイル転送部によるファイル転送が終了した後に通話終了の指示を受けた場合には前記他のIP電話装置との間で確立されたコネクションを切断する構成を採る。
【0020】
この構成によれば、他のIP電話装置に対するファイル転送が終了した後に通話終了の指示を受けた場合に他のIP電話装置との間で確立されたコネクションが切断される。このため、通話終了の指示に応じて他のIP電話装置との間で確立されたコネクションを確実に切断することができる。
【0021】
本発明の第7の態様は、第4の態様に係るIP電話装置において、前記IP電話制御部は、前記ファイル転送部によるファイル転送が終了する前に通話終了の指示を受けた場合においては当該ファイル転送が終了するまで前記他のIP電話装置との間で確立されたコネクションを維持する構成を採る。
【0022】
この構成によれば、他のIP電話装置に対するファイル転送が終了する前に通話終了の指示を受けた場合には当該ファイル転送が終了するまで他のIP電話装置との間で確立されたコネクションが維持される。このため、ファイル転送の終了を待たずに通話を終了することができる。
【0023】
本発明の第8の態様に係るIP電話装置は、IPネットワーク上のIP電話装置と呼制御処理をして音声通話を行い音声通話中にファイル転送の指示を受けるとファイル転送終了まで音声パケットの送受信を停止するIP電話制御部と、前記IP電話制御部による呼制御処理により取得した他のIP電話装置の登録情報を用いてファイルを当該他のIP電話装置に転送するファイル転送部と、を具備する構成を採る。
【0024】
この構成によれば、IP電話制御部は、IPネットワーク上のIP電話装置と呼制御処理をして音声通話を行い、音声通話中にファイル転送の指示を受けるとファイル転送終了まで音声パケットの送受信を停止するので、ファイル転送のためのデータ送信を集中して送信し、相手との通信トラフィックを軽減して、ファイル転送の効率を向上させることができる。
【0025】
本発明の第9の態様に係るファイル転送方法は、IPネットワーク上の他のIP電話装置と音声通話を行うための呼制御処理により取得した他のIP電話装置の登録情報を用いて通話処理を行い、その後にファイル転送の指示を受けると前記呼制御処理により取得した前記他のIP電話装置の登録情報を用いてファイルを当該他のIP電話装置に転送するものである。
【0026】
本発明の第10の態様は、第9の態様に係るファイル転送方法において、前記他のIP電話装置に対するファイル転送を終了した後に通話終了の指示を受けた場合には前記他のIP電話装置との間で確立されたコネクションを切断するものである。
【0027】
本発明の第11の態様は、第9の態様に係るファイル転送方法において、前記他のIP電話装置に対するファイル転送が終了する前に通話終了の指示を受けた場合には当該ファイル転送が終了するまで前記他のIP電話装置との間で確立されたコネクションを維持するものである。
【0028】
本発明の第12の態様は、第9の態様に係るファイル転送方法において、音声通話中にファイル転送の指示を受けるとファイル転送終了まで音声パケットの送受信を停止し前記呼制御処理により取得した前記他のIP電話装置の登録情報を用いてファイルを当該他のIP電話装置に転送するものである。
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施の形態に係るIP電話システムが適用されるネットワークの構成を示す図である。
【0031】
同図に示すように、本実施の形態に係るIP電話システムにおいては、複数台のIP電話装置(以下、「IP電話」という)101及び102、並びに、CA(Call Agent)103がIPネットワーク104を介して接続されている。なお、同図の構成に限らず、IPネットワーク104上に3台以上のIP電話を接続してIP電話システムを構成してもよい。
【0032】
IP電話101(102)は、IPネットワーク104を介して他のIP電話との間で音声通話が可能な機能を有している。また、FTP(File Transfer Protocol)プロトコルなどのファイル転送プロトコルに準拠してファイルの送受信が可能なサーバ及びクライアントとしての機能を有している。すなわち、他のIP電話に対してFTPプロトコルなどに従ってファイル転送を要求する一方、他のIP電話からFTPプロトコルなどに従ってファイル転送の要求を受けた場合に指定されたファイルを転送する機能を有している。
【0033】
CA103は、IPネットワーク104上に設置されたIP電話におけるIPネットワーク104を介した音声通話を管理する。CA103は、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)サーバとしての機能を備え、IP電話101とIP電話102との間の呼制御を行う。
【0034】
図2は、本実施の形態に係るIP電話101の概略構成を示すブロック図である。なお、IP電話102についても、IP電話101と同様の構成を有する。
【0035】
同図に示すIP電話101において、IP電話制御部201は、IPネットワーク104を介して音声通話を行う際に必要となる全ての動作を制御する。例えば、IP電話制御部201は、SIPプロトコルに代表される呼制御プロトコルに従って、宛先端末との間の呼制御を実行する。呼制御を実行する際、IP電話制御部201は、入力された電話番号に基づいてCA103から宛先端末のURI(Uniform Resource Identifier)を取得し、このURIを用いて不図示のDNSサーバに問い合わせることで宛先端末のIPアドレスを取得する。
【0036】
ファイル送受信部202は、FTPプロトコルなどのファイル転送プロトコルに従ってIPネットワーク104を介してファイルの送信及び受信を行う。ファイル送受信部202がファイルの送受信を行う際に用いるURI及びIPアドレスは、IP電話制御部201から与えられる。ファイル送受信部202によるファイルの送信は、IP電話101の使用者の指示に応じて行われる。以下においては、ファイル送受信部202が使用するファイル転送プロトコルとしてFTPプロトコルを用いて説明するが、他のファイル転送プロトコルを適用することも可能である。例えば、TFTP(Trivial File Transfer Protocol)プロトコルやHTTPプロトコルといったファイル転送プロトコルを適用することが可能である。
【0037】
表示部203は、LCD等の液晶ディスプレイで構成される。表示部203は、本IP電話101の現在のステータスを表示すると共に、IP電話101の使用者の指示に応じて送信対象となるファイル及び受信したファイルを表示する。内部メモリ204は、ファイル送受信部202が送信するファイルや、ファイル送受信部202で受信したファイルを格納する。外部メモリ205は、SDメモリカード(登録商標)等のメモリカードで構成される。後述するカードスロットに着脱可能な構成を採り、内部メモリ204と同様にファイル送受信部202が送信するファイルや、ファイル送受信部202で受信したファイルを格納する。
【0038】
図3は、本実施の形態に係るIP電話101の外観を示す正面図である。なお、IP電話102についても、IP電話101と同様の構成を有する。
【0039】
同図に示すように、IP電話101は、オペレータの音声を受け付ける受話器301を備えている。また、電話番号等の入力を受け付けるテンキー302を備えている。さらに、テンキー302の右側に留守番電話に切り替える留守キー303及び音声を外部出力に切り替えるスピーカキー304を備えている。さらに、テンキー302の上側にファンクションキー305を備えている。ファンクションキー305は、ファイルの転送を指示するファイル転送ボタンを含んでいる。
【0040】
また、IP電話101は、ファンクションキー305の上側に、液晶ディスプレイ等で構成される表示部203を備えている。この表示部203の上側の側面部にIPネットワーク104に接続されるLANとのインターフェイス(LANI/F)306を備えている。さらに、留守キー303やスピーカキー304の右下側の側面部にSDメモリカード(登録商標)等のメモリカードが挿入されるカードスロット307を備えている。
【0041】
このような構成を有する本実施の形態に係るIP電話101を用いて、使用者は、テンキー302で電話番号を入力して通信相手先を指定し、当該通信相手先の使用者と通話を行う。その通話中に、ファイルを記録したメモリカードをカードスロット307に挿入し、メモリカード内のファイルをテンキー302で選択した後、ファンクションキー305のファイル転送ボタンを押下して通話相手に選択したファイルを送信することができる。
【0042】
以下、本実施の形態に係るIP電話システムにおいて、IP電話101がIP電話102と通話を行い、その通話中にファイルを送信する動作について、図4に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0043】
なお、ここでは、送信対象のファイルとして画像データを送信する場合について説明する。例えば、IP電話101の使用者は、SDメモリカード(登録商標)などのメモリカードを記録媒体とするデジタルカメラ等で画像データを撮影し、その画像データが記憶されたメモリカードを本実施の形態に係るIP電話101のカードスロット307に挿入することが考えられる。
【0044】
CA103がIPネットワーク104上のIP電話101とIP電話102との呼制御を行うためには、事前にそれぞれのIP電話の情報を登録しておくことが必要となる。したがって、図4に示すように、IP電話101からCA103に対して「Register」メッセージを送出し、CA103からIP電話101に対して「200OK」メッセージを返信する処理が必要となる(ST401、ST402)。同様に、IP電話102からCA103に対して「Register」メッセージを送出し、CA103からIP電話102に対して「200OK」メッセージを返信する処理が必要となる(ST403、ST404)。
【0045】
なお、図4においては、CA103への各IP電話の情報の登録手順については、IP電話102から先に情報を登録する場合について示しているが、これに限定されず、図4に示す例とは逆に、IP電話101から先に情報を登録するようにしてもよい。
【0046】
IP電話101がIP電話102と通話を行う場合、まず、IP電話101は、使用者からIP電話102の電話番号を受け付ける(ダイアル)。IP電話102の電話番号を受け付けると、IP電話101は、CA103に対してIP電話102の登録情報を問い合わせ、IP電話102のURIを取得する。そして、取得したURIに基づいて「INVITE」メッセージを、CA103を介してIP電話102に送出する(ST405、ST406)。このとき、取得されたIP電話102のURIは、IP電話101のIP電話制御部201で保持される。
【0047】
IP電話101から「INVITE」メッセージを受信すると、IP電話102では、呼び出し音が鳴動する(呼び出し)。また、この呼び出し音の鳴動に並行してIP電話102から、CA103を介してIP電話101に対して「180Ringing」メッセージが送出される(ST407、ST408)。この「180Ringing」に応じてIP電話101ではリングバックトーンが出力される(RBT)。
【0048】
そして、IP電話102でオフフックや応答が検出されると(オフフック、応答)、IP電話102から、CA103を介してIP電話101に対して接続許可を示す「200OK」メッセージが送出される(ST409、ST410)。この「200OK」メッセージを受信すると、IP電話101から、CA103を介してIP電話102に対して「ACK」メッセージが送出される(ST411、ST412)。この「ACK」メッセージをIP電話102が受信すると、IP電話101とIP電話102との間で通話可能状態となり、通話が行われる(ST413)。
【0049】
ここでは、通話中にIP電話101の使用者により、メモリカードが挿入された後、そのメモリカード内の送信対象のファイルが選択され、ファイル転送ボタンが押下される。このファイル転送ボタンの押下を検出すると、IP電話101は、IP電話102との間で送信対象のファイルを転送するファイル転送シーケンスに移行する。ファイル転送シーケンスにおいては、IP電話101は、FTPプロトコルに従って指定された送信対象のファイルをIP電話102に対して送信する。このとき、ファイルを転送をしながら通話も可能であり、通話のための音声パケットの送受信とファイル転送シーケンスのデータ送信とは交互に行われる。なお、このファイル転送シーケンスの詳細については後述する。
【0050】
ファイル転送シーケンスにより送信対象のファイルがIP電話102に転送された後、IP電話101において使用者からオンフックなどの通話終了指示を検出すると(通話終了)、IP電話101から、CA103を介してIP電話102に対して回線切断を示す「BYE」メッセージが送出される(ST414、ST415)。この「BYE」メッセージを受信すると、IP電話102から、CA103を介してIP電話101に対して切断許可を示す「200OK」メッセージが送出される(ST416、ST417)。このようにしてIP電話101とIP電話102との間で通話を行い、その通話中にファイルを送信する動作が行われる。
【0051】
ここで、上述のファイル転送シーケンスについて図5及び図6に示すシーケンス図を用いて説明する。図5及び図6は、上述のファイル転送シーケンスについて説明するためのシーケンス図である。
【0052】
ファイルを送信する際、図5に示すシーケンスでは定められたデータパケット毎にデータを送信すると共にこれに応じて200OKを受信するのに対し、図6に示すシーケンスではデータの送信前にデータの送信制御を行うための情報を含むデータコントロールファイルを送信することで複数のデータパケットをまとめて送信する点で相違する。まず、図5を用いて説明し、次に図5と相違する点について図6を用いて説明する。
【0053】
ファイル転送シーケンスに移行する際、IP電話101の使用者により送信対象のファイルが指定された後、ファイル転送ボタンが押下される。使用者によりファイル転送ボタンが押下されると、当該ファイルの送信が開始される(ファイル送信開始)。このとき、ファイル転送ボタンの押下に応じてIP電話101からIP電話102に対して、ファイル送信要求(送信要求コマンド)が送出される(ST501)。このファイル送信要求は、FTPプロトコルに従ってIDに「ftp」と指定し、パスワードに「通信相手(IP電話102)のURI」を指定することで実現される。ここで指定される通信相手のURIは、IP電話101のIP電話制御部201に保持されている。
【0054】
ファイル送信要求を受信すると、IP電話102からIP電話101に対してファイル送信要求を受信したことを示す「200OK」メッセージが送出される(ST502)。IP電話101でこの「200OK」メッセージを受信することで、IP電話101とIP電話102との間がファイル転送プロトコルによるコネクションが確立される(ST503)。
【0055】
ファイル転送プロトコルによるコネクションが確立されると、IP電話101からIP電話102に対してデータ送信開始を示すコマンド(データ送信要求コマンド)と共にデータが送信される(ST504)。このデータ送信開始を示すコマンドには、例えば、「put」が用いられる。ここで送信されるデータは、予め定められたデータパケット毎に送信される。予め定められたデータパケット分のデータを受信すると、IP電話102からIP電話101に対してその旨を示す「200OK」メッセージが送出される(ST505)。
【0056】
この「200OK」メッセージを受信すると、IP電話101から再度、データ送信開始を示すコマンドと共にデータが送信される(ST506)。予め定められたデータパケット分のデータを受信すると、再度、IP電話102からIP電話101に対してその旨を示す「200OK」メッセージが送出される(ST507)。同様の処理が、送信対象ファイルのデータ送信が完了するまで繰り返される。
【0057】
そして、送信対象のファイルのデータ送信が完了すると、IP電話101からIP電話102に対してデータ送信終了を示すコマンド(終了コマンド)が送信される(ST508)。このデータ送信終了を示すコマンドには、例えば、「quit」が用いられる。このコマンドを受信すると、IP電話102からIP電話101に対してその旨を示す「221GoodBye」メッセージが送出される(ST509)。IP電話101でこの「221GoodBye」メッセージを受信することで、IP電話101とIP電話102との間で確立されていたファイル転送プロトコルによるコネクションが切断される。このようにしてIP電話101の使用者により指定されたファイルがIP電話102に対して転送される。
【0058】
一方、図6に示すファイル転送シーケンスにおいても、図5に示すファイル転送シーケンスと同様に、IP電話101からのファイル転送要求に応じて「200OK」メッセージが応答されることでファイル転送プロトコルによる接続が確立される(ST501〜ST503)。図6に示すファイル転送シーケンスにおいては、この後の処理において図5に示すファイル転送シーケンスと相違する。
【0059】
ファイル転送プロトコルによる接続が確立されると、IP電話101からIP電話102に対してデータの送信前にデータの送信制御を行うための情報を含むデータコントロールファイルが送信される(ST601)。データコントロールファイルには、例えば、まとめて送信されるデータパケットの数量が指定されている。データコントロールファイルを受信すると、IP電話102からIP電話101に対してデータコントロールファイルを受信したことを示す「200OK」メッセージが送出される(ST602)。
【0060】
この「200OK」メッセージを受信すると、IP電話101から、データ送信開始を示すコマンドと共にデータが送信される(ST603)。このデータを送信した後、さらにIP電話101からデータ送信開始を示すコマンドと共にデータが送信される(ST604)。データコントロールファイルで指定されたデータパケットの数量に到達するまでIP電話101からデータ送信開始を示すコマンドと共にデータが送信される。そして、データコントロールファイルで指定された数量だけデータパケットを受信すると、IP電話102からIP電話101に対して「200OK」メッセージが送出される(ST605)。同様の処理が、送信対象ファイルのデータ送信が完了するまで繰り返される。
【0061】
そして、送信対象のファイルのデータ送信が完了すると、IP電話101からIP電話102に対してデータ送信終了を示すコマンド(終了コマンド)が送信される(ST508)。このコマンドを受信すると、IP電話102からIP電話101に対して「221GoodBye」メッセージが送出される(ST509)。IP電話101でこの「221GoodBye」メッセージを受信することで、IP電話101とIP電話102との間で確立されていたファイル転送プロトコルによるコネクションが切断される。このようにしてIP電話101の使用者により指定されたファイルがIP電話102に対して転送される。
【0062】
以下、図4及び図5(図6)に示すシーケンスにおける発信側のIP電話101の動作及び着信側のIP電話102の動作について説明する。図7は、図4及び図5(図6)に示すシーケンスにおける発信側のIP電話101の動作を説明するためのフロー図である。図8は、図4及び図5(図6)に示すシーケンスにおける着信側のIP電話102の動作を説明するためのフロー図である。
【0063】
図7に示すように、発信側のIP電話101は、待機状態において、使用者から電話番号の入力を受け付けるか監視している(ST701)。そして、電話番号の入力を受け付けた場合には、CA103に対して受け付けた電話番号に関する登録情報を問い合わせ、当該電話番号に対応する発信先のIP電話(ここではIP電話102)のURIを取得する。そして、取得したURIに基づいて「INVITE」メッセージを送出する(ST702)。その後、発信先のIP電話102から「200OK」メッセージを受信するか監視する(ST703)。
【0064】
「200OK」メッセージを確認したならば、IP電話101は、「ACK」メッセージをIP電話102に対して送出する(ST704)。なお、予め定められた一定時間の間「200OK」メッセージを確認できない場合には、通話失敗と判断し、処理を終了する。送出した「ACK」メッセージがIP電話102で確認された後、双方のIP電話の使用者間で通話が開始される(ST705)。
【0065】
通話が開始されると、IP電話101は、使用者がメモリカードに格納されたファイルを通話相手に転送するか判断する。具体的には、まず、カードスロット307にメモリカードが挿入されるか判断する(ST706)。メモリカードが挿入された場合には、テンキー302等を使用して送信対象ファイルが選択されるか判断する(ST707)。送信対象ファイルが選択された場合には、ファイル転送ボタンが選択されるか判断する(ST708)。
【0066】
なお、ST706でメモリカードが挿入されない場合又はST707で送信対象ファイルが選択されない場合には、IP電話101は、処理を後述するST713にスキップし、通話が終了したか判断する。また、ST708でファイル転送ボタンが選択されない場合には、選択されるまで監視動作を継続する。
【0067】
ファイル転送ボタンが選択された場合には、IP電話101は、IP電話102に対してファイル送信要求を送出する(ST709)。ファイル送信要求を送出する際、IP電話101のファイル送受信部202は、IP電話制御部201の指示の下、FTPプロトコルに従ってIDに「ftp」と指定すると共に、パスワードに「IP電話102のURI」に指定する。これにより、呼制御処理で取得した通信相手の情報を用いてFTPプロトコルによるファイルの送信先を指定することが可能となる。
【0068】
ファイル送信要求を送出した後、IP電話101は、IP電話102から「200OK」メッセージを受信するか監視する(ST710)。「200OK」メッセージを確認したならば、IP電話102に対してファイルデータを送信する(ST711)。なお、予め定められた一定時間の間「200OK」メッセージを確認できない場合には、ファイル転送失敗と判断し、IP電話101は、処理を後述するST713にスキップし、通話が終了したか判断する。
【0069】
ファイルデータを送信している間、IP電話101は、ファイルデータの送信終了を監視している(ST712)。そして、ファイルデータの送信終了を検出した場合には、IP電話101は、通話終了を監視する(ST713)。さらに、オンフックにより通話終了を検出した場合には、IP電話101は、IP電話102に対して「BYE」メッセージを送出する(ST714)。その後、IP電話102から「200OK」メッセージを受信するか監視する(ST715)。「200OK」メッセージを確認したならば、IP電話101は、IP電話102との通信を切断し、上述の通話中にファイルを転送する処理を終了する。このようにしてIP電話101の使用者により指定されたファイルがIP電話102に対して送信される。
【0070】
一方、図8に示すように、着信側のIP電話102は、待機状態において、発信側のIP電話(ここでは、IP電話101)から「INVITE」メッセージを受信するか監視している(ST801)。そして、「INVITE」メッセージを受信した場合には、呼出信号を鳴動し、使用者からオフフック等の応答を受け付けるか判断する(ST802)。使用者からオフフック等の応答を受け付けた場合には、IP電話102は、IP電話101に対して「200OK」メッセージを送出する(ST803)。なお、使用者からオフフック等の応答を受け付けない場合には、ST802の監視動作を継続する。
【0071】
IP電話101に対して「200OK」メッセージを送出した後、IP電話102は、IP電話101から「ACK」メッセージを受信するか監視する(ST804)。IP電話102において「ACK」メッセージを確認すると、双方のIP電話の使用者間で通話が開始される(ST805)。なお、IP電話101から「ACK」メッセージを受信しない場合には、ST804の監視動作を継続する。
【0072】
通話が開始されると、IP電話102は、IP電話101からファイルが転送されるか判断する。具体的には、IP電話101からファイル送信要求を受信するか判断する(ST806)。ファイル送信要求を確認したならば、IP電話102は、「200OK」メッセージをIP電話101に対して送出する(ST807)。この「200OK」メッセージがIP電話101で受信されると、IP電話101からファイルデータが送信されてくるので、IP電話102は、このファイルデータを受信する(ST808)。
【0073】
ファイルデータを受信している間、IP電話102は、ファイルデータの受信終了を監視している(ST809)。そして、ファイルデータの受信終了を検出した場合には、IP電話102は、IP電話101から「BYE」メッセージを受信するか判断する(ST810)。「BYE」メッセージを確認した場合には、IP電話102は、IP電話101に対して「200OK」メッセージを送出する(ST811)。「200OK」メッセージを送出したならば、IP電話102は、IP電話101との通信を切断し、上述の通話中にファイルの転送を受ける処理を終了する。このようにしてIP電話101の使用者により指定されたファイルがIP電話102において受信される。
【0074】
このように本実施の形態に係るIP電話システムによれば、発信側のIP電話装置(IP電話101)において、音声通話の指示に応じて行った呼制御処理により取得した着信側のIP電話装置(IP電話102)の登録情報(URI)を用いて着信側のIP電話装置(IP電話102)に対してファイルを転送する。このため、呼制御処理により取得した着信側のIP電話装置(IP電話102)の登録情報を利用して、通信相手先のIP電話装置と呼制御処理を行った後にファイル転送を行うことができる。
【0075】
特に、本実施の形態に係るIP電話システムにおいては、発信側のIP電話装置(IP電話101)において、着信側のIP電話装置(IP電話102)との通話処理中にファイル転送の指示を受けると着信側のIP電話装置(IP電話102)の登録情報を用いてファイルを転送する。このため、通話中において呼制御処理により取得した着信側のIP電話装置(IP電話102)の登録情報を利用してファイル転送を行うことができる。
【0076】
また、本実施の形態に係るIP電話システムにおいては、着信側のIP電話装置(IP電話102)に対するファイル転送が終了した後に通話終了の指示を受けた場合に着信側のIP電話装置(IP電話102)との間で確立されたコネクションを切断する。このため、通話終了の指示に応じて着信側のIP電話装置(IP電話102)との間で確立されたコネクションを確実に切断することができる。
【0077】
さらに、本実施の形態に係るIP電話システムにおいては、着信側のIP電話装置(IP電話102)に対するファイル転送が終了する前に通話終了の指示を受けた場合には当該ファイル転送が終了するまで着信側のIP電話装置(IP電話102)との間で確立されたコネクションを維持する。このため、ファイル転送の終了を待たずにオンフックして通話を終了することができる。
【0078】
なお、本実施の形態においては、IP電話101及びIP電話102の間における通話中にファイルを転送し、ファイルの転送が終了した後に通話が終了する場合について説明している。しかし、ファイルのデータ容量の大きさによっては、ファイルの転送終了まで多大な時間を要する場合も考えられる。したがって、通話中にファイルの転送を開始し、通話が終了してもファイルの転送を継続するように制御することは実施の形態として好ましい。このように変更するには、使用者からのオンフック等の通話終了指示があった場合においても、コネクションを維持することで実現可能となる。例えば、オンフック等の通話終了指示に応じて「BYE」メッセージを送出せず、ファイルの転送終了を検出して「BYE」メッセージを送出することで、使用者からのオンフック等の通話終了指示があった場合においても、コネクションを維持することが可能となる。
【0079】
また、本実施の形態においては、ファイル転送シーケンスにおいて、FTPプロトコルに従ってファイルを転送する場合について説明している。しかし、FTPプロトコルの代わりに他のファイル転送プロトコルを適用することが可能である。例えば、HTTPプロトコルに従ってファイルを転送することが考えられる。HTTPプロトコルに従ってファイルを転送する場合には、図5(図6)に示すファイル送信要求(送信要求コマンド)として「request−URI」を用い、データ送信開始を示すコマンド(データ送信要求コマンド)として「POST」が用いることが考えられる。
【0080】
さらに、ファイル転送プロトコルとして、TFTPプロトコルに従ってファイルを転送することが考えられる。TFTPプロトコルは、トランスポート層にTCPを使用するFTPプロトコルと異なり、トランスポート層にUDPを使用する。このため、ファイル転送に先立ってコネクションの確立を行わない。これにより、実際のファイル転送以外のオーバーヘッドを小さくすることができるため、効率の良いファイル転送を実現することが可能となる。
【0081】
また、以上の説明においては、IP電話101及びIP電話102の間で通話中にカードスロット307に挿入されたメモリカード内のファイルを転送する場合について示している。しかし、これに限定されず、通話前からカードスロット307に挿入されたメモリカード内のファイルを転送したり、IP電話101の内部メモリ204内のファイルを転送したりする場合においても適用することができるのは言うまでもない。
【0082】
また、本実施の形態に係るIP電話システムにおいては、IP電話は、単体の装置として存在する場合について説明しているが、これに限定されない。すなわち、接続される通常の電話装置をIP電話として機能させる機能を有する制御アダプタに、通常の電話装置を接続してIP電話を構成してもよい。なお、通常の電話装置とは、IPネットワーク104を介して音声通話をする機能を有しない電話装置のことをいうものとする。
【0083】
また、本実施の形態に係るIP電話システムにおいて、IP電話は、音声通話の装置として説明をしているが、音声だけでなく映像を双方向リアルタイムで送受信するIPテレビ電話であってもよい。
【0084】
また、本実施の形態に関わるIP電話システムでは表示部をIP電話に具備しているが、表示部を分離する構成であってもよい。
【0085】
また、本実施の形態に関わるIP電話システムにおいて、ファイル転送中、通話の呼制御シーケンスは切断せず、通話のための音声パケットの送受信を停止する事でファイル転送のためのデータ送信を集中して送信し、相手との通信トラフィックを軽減して、ファイル転送の効率をあげてもよい。
【0086】
また、本実施の形態に関わるIP電話システムのファイル転送において、ファイルの内容については画像データに限定することなく、任意の内容のファイルであってもよい。
【0087】
また、本実施の形態に関わるIP電話システムでは着信側がオフフックして呼が接続されてからファイル転送を行う場合について説明したが、自動応答の機能を持たせることにより、着信者が不在の場合でもSIPプロトコルの呼制御を確立してファイルを送信できるようにしてもよい。
【0088】
以上の説明におけるIP電話は、総務省が定義し通信事業者が運用するIP電話や、ローカルなネットワーク又は自営網でのTCP/IP等のコンピュータ通信プロトコルによるネットワークで実現されるものも含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明に係るIP電話システム、IP電話装置及びファイル転送方法によれば、発信先のIP電話装置と呼制御を行った後にファイル転送を行うことができ、より利便性に優れたIP電話システムを提供できる点で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施の形態に係るIP電話システムが適用されるネットワークの構成を示す図
【図2】上記実施の形態に係るIP電話システムを構成するIP電話の概略構成を示すブロック図
【図3】上記実施の形態に係るIP電話の外観を示す正面図
【図4】上記実施の形態に係るIP電話システムにおいて、IP電話間で通話を行い、その通話中に画像データファイルを転送するまでの動作について説明するためのシーケンス図
【図5】図4に示すファイル転送シーケンスの一例を説明するためのシーケンス図
【図6】図4に示すファイル転送シーケンスの一例を説明するためのシーケンス図
【図7】図4及び図5(図6)に示すシーケンスにおける発信側のIP電話の動作を説明するためのフロー図
【図8】図4及び図5(図6)に示すシーケンスにおける着信側のIP電話の動作を説明するためのフロー図
【符号の説明】
【0091】
101、102 IP電話装置(IP電話)
103 CA
104 IPネットワーク
201 IP電話制御部
202 ファイル送受信部
203 表示部
204 内部メモリ
205 外部メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPネットワークに接続され音声通話機能を有するIP電話装置と、前記IP電話装置に関する情報を登録し前記IP電話装置からの要求に応じて当該情報を応答するサーバ装置と、を具備するIP電話システムであって、発信側のIP電話装置は、音声通話の指示を受けると呼制御処理により前記サーバ装置から取得した着信側のIP電話装置の登録情報を用いて通話処理を行い、その後にファイル転送の指示を受けると前記呼制御処理により取得した着信側のIP電話装置の登録情報を用いて着信側のIP電話装置に対してファイルを転送することを特徴とするIP電話システム。
【請求項2】
前記発信側のIP電話装置は、着信側のIP電話装置に対するファイル転送が終了した後に通話終了の指示を受けた場合には着信側のIP電話装置との間で確立されたコネクションを切断することを特徴とする請求項1記載のIP電話システム。
【請求項3】
前記発信側のIP電話装置は、着信側のIP電話装置に対するファイル転送が終了する前に通話終了の指示を受けた場合には当該ファイル転送が終了するまで着信側のIP電話装置との間で確立されたコネクションを維持することを特徴とする請求項1記載のIP電話システム。
【請求項4】
IPネットワーク上の他のIP電話装置と音声通話を行うための呼制御処理を行うIP電話制御部と、前記IP電話制御部による呼制御処理により取得した他のIP電話装置の登録情報を用いてファイルを当該他のIP電話装置に転送するファイル転送部と、を具備することを特徴とするIP電話装置。
【請求項5】
前記ファイル転送部は、前記IP電話制御部による通話処理中にファイル転送の指示を受けると前記他のIP電話装置の登録情報を用いてファイルを転送することを特徴とする請求項4記載のIP電話装置。
【請求項6】
前記IP電話制御部は、前記ファイル転送部によるファイル転送が終了した後に通話終了の指示を受けた場合には前記他のIP電話装置との間で確立されたコネクションを切断することを特徴とする請求項4記載のIP電話装置。
【請求項7】
前記IP電話制御部は、前記ファイル転送部によるファイル転送が終了する前に通話終了の指示を受けた場合においては当該ファイル転送が終了するまで前記他のIP電話装置との間で確立されたコネクションを維持することを特徴とする請求項4記載のIP電話装置。
【請求項8】
IPネットワーク上のIP電話装置と呼制御処理をして音声通話を行い音声通話中にファイル転送の指示を受けるとファイル転送終了まで音声パケットの送受信を停止するIP電話制御部と、前記IP電話制御部による呼制御処理により取得した他のIP電話装置の登録情報を用いてファイルを当該他のIP電話装置に転送するファイル転送部と、を具備することを特徴とするIP電話装置。
【請求項9】
IPネットワーク上の他のIP電話装置と音声通話を行うための呼制御処理により取得した他のIP電話装置の登録情報を用いて通話処理を行い、その後にファイル転送の指示を受けると前記呼制御処理により取得した前記他のIP電話装置の登録情報を用いてファイルを当該他のIP電話装置に転送することを特徴とするファイル転送方法。
【請求項10】
前記他のIP電話装置に対するファイル転送を終了した後に通話終了の指示を受けた場合には前記他のIP電話装置との間で確立されたコネクションを切断することを特徴とする請求項9記載のファイル転送方法。
【請求項11】
前記他のIP電話装置に対するファイル転送が終了する前に通話終了の指示を受けた場合には当該ファイル転送が終了するまで前記他のIP電話装置との間で確立されたコネクションを維持することを特徴とする請求項9記載のファイル転送方法。
【請求項12】
音声通話中にファイル転送の指示を受けるとファイル転送終了まで音声パケットの送受信を停止し前記呼制御処理により取得した前記他のIP電話装置の登録情報を用いてファイルを当該他のIP電話装置に転送することを特徴とする請求項9記載のファイル転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−180393(P2006−180393A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−373827(P2004−373827)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】