説明

IP電話装置、IP電話システム、及びIPファクシミリ装置

【課題】 IP電話装置の音声データに関する時刻証明書をユーザ側で容易に取得することができ、さらに取得した時刻証明書を自由に取り扱うことができるようにする。
【解決手段】 音声を録音して録音データを生成する録音手段13と、その録音データまたはそのダイジェストデータに時刻情報を付与して暗号化した時刻証明書を取得する時刻証明書取得手段14と、この時刻証明書取得手段に時刻証明書の取得処理を実行させる操作手段62と、時刻証明書取得手段で取得した時刻証明書を録音データと共に蓄積するデータ蓄積手段16とを有する構成とし、IP電話装置において公証された録音データを容易に取得し、且つその自由な取り扱いを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録音データの記録日時を公証するタイムスタンプ機能を有するIP電話装置、IP電話システム、及びIPファクシミリ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、IP網を介して相手装置と通話音声データを送受するIP電話装置が、低料金で多機能な利点から急速に普及しつつある。また、電話装置においては、留守中あるいは通話中の音声を録音する録音機能を標準的に備えており、その機能の利用頻度も高いものとなっている。
【0003】
また、前記の通話録音機能に関連して、タイムスタンプサーバと時刻公証センタとを連携して、通話時の録音データやファクシミリデータの日時を公証する時刻証明書(タイムスタンプトークン)を発行することができるシステムも知られている(特許文献1参照)。これは、クライアントが、録音データやファクシミリデータに対する時刻証明書を交換機側に設けられたタイムスタンプ取得手段により取得するものである。
【特許文献1】特開2004−194306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、電話装置が一般的に備える録音機能では、内部時計に基づく時刻情報が録音データに付加されるようになっており、この時刻情報から録音の日時をユーザが認識することができるが、この時刻情報には公証力はなく、録音がいつの時点で行われたものかを、明確に且つ厳正な時刻で証明することができないという問題がある。
【0005】
他方、前記の時刻証明書を交換機側において作成するシステムでは、通話及びファクシミリ通信の時刻を公証力をもって証明することができるものの、ここで作成される時刻証明書はサーバに保管され、一般のユーザが必要に応じて簡単に取得して利用することができないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、時刻証明書をユーザ側で容易に取得することができ、さらに取得した時刻証明書を自由に取り扱うことができるように構成されたIP電話装置、IP電話システム、及びIPファクシミリ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために、本発明においては、請求項1に示すとおり、IP網に接続されたIP通信手段を備え、相手装置と通話音声データを送受するIP電話装置において、音声を録音して録音データを生成する録音手段と、前記録音データまたはそのダイジェストデータに時刻情報を付与したものを暗号化したものからなる時刻証明書を取得する時刻証明書取得手段と、この時刻証明書取得手段に時刻証明書の取得処理を実行させる操作手段と、前記時刻証明書取得手段で取得した時刻証明書を前記録音データと共に蓄積するデータ蓄積手段とを有するものとした。
【0008】
これによると、録音データの日時を公証する時刻証明書(タイムスタンプトークン)をユーザ側で容易に取得することができる。
【0009】
この場合、ダイジェストデータは、非可逆性を有する変換方式によるもの、特にハッシュ関数を用いて算出されるハッシュ値が好適である。
【0010】
前記IP電話装置においては、請求項2に示すとおり、前記操作手段が、操作パネル上に配置されたタイムスタンプボタンである構成とすることができる。これによると、簡単な操作で録音データの時刻証明書を取得することができる。
【0011】
前記IP電話装置においては、請求項3に示すとおり、前記時刻証明書取得手段が、前記IP通信手段を用いて外部の時刻認証局に発行要求を行うことでその時刻認証局から時刻証明書を取得する構成とすることができる。これによると、自装置内で時刻証明書を生成取得する場合のように、演算負荷の大きな暗号化の処理を自装置内で行う必要がないため、高速なCPUの採用により製造コストを増大する不都合を避けることができる。
【0012】
前記IP電話装置においては、請求項4に示すとおり、前記時刻証明書取得手段が、前記IP通信手段を用いて外部の時刻配信局から受信した確定時刻に基づいて時刻証明書を生成取得する構成とすることができる。これによると、外部の時刻認証局に発行要求を行う場合のように、認証対象とする録音データまたはそのダイジェストデータを時刻認証局に送る必要がないため、通信負荷を軽減すると共に通信時間により処理が遅くなる不都合を避けることができる。
【0013】
この場合、時刻証明書取得手段は、自身が保持する暗号鍵(秘密鍵)を用いて暗号化の処理を行う。また、IP通信手段を用いて時刻認証局との間で行われる時刻データの交換は、IP網を介して相手装置と通話音声データを送受する通話時に並行して行うことができる。
【0014】
前記IP電話装置においては、請求項5に示すとおり、前記録音手段が、通話時にマイクで収集した送話音声、及び前記IP通信手段にて受信した受話音声を録音する構成とすることができる。これによると、IP電話装置の通話内容を公証する時刻証明書をユーザ側で容易に取得することができる。
【0015】
前記IP電話装置においては、請求項6に示すとおり、前記時刻証明書取得手段が、前記録音データまたはそのダイジェストデータに時刻情報と共に発信者及び受信者を識別する情報を付与したものを暗号化したものからなる時刻証明書を取得する構成とすることができる。これによると、発信者及び受信者を識別する情報も認証対象とすることができる。
【0016】
この場合、発信者及び受信者を識別する情報は、電話番号、IP電話の場合は、IPアドレスである。
【0017】
前記IP電話装置においては、請求項7に示すとおり、前記時刻証明書取得手段が、前記録音データまたはそのダイジェストデータに時刻情報と共に通話の開始時刻及び終了時刻に関する情報を付与したものを暗号化したものからなる時刻証明書を取得する構成とすることができる。これによると、通話の開始時刻及び終了時刻に関する情報も認証対象とすることができる。
【0018】
この場合、通話の開始時刻及び終了時刻は、IP電話装置が備える内部時計に基づくものとすれば良い。
【0019】
前記IP電話装置においては、請求項8に示すとおり、前記録音手段が、非通話時にマイクで収集した音声を録音する構成とすることができる。これによると、遺言や発明アイデアなど、ユーザが必要に応じて録音した録音データの日時を公証することができる。
【0020】
前記IP電話装置においては、請求項9に示すとおり、前記データ蓄積手段が、当該IP電話装置に着脱自在に装着され、他の情報処理装置で読取可能な記憶メディアである構成とすることができる。これによると、PCなどの他の装置で時刻証明書付き音声データの検証を行うなど、取得した時刻証明書を自由に取り扱うことができる。
【0021】
この場合、記憶メディアは、省スペースを図る上でメモリーカードが好適である。
【0022】
前記IP電話装置においては、請求項10に示すとおり、前記時刻証明書取得手段が、前記操作手段の操作に応じて、内部時計に基づく時刻情報が付与された録音データの時刻証明書を取得する構成とすることができる。これによると、内部時計に基づいて録音データに付与された時刻情報を公証力のある時刻に置き換えることができる。
【0023】
前記IP電話装置においては、請求項11に示すとおり、他の装置において録音データまたはそのダイジェストデータに時刻情報を付与したものを暗号化した時刻証明書を解析して、その録音データの時刻の検証を行う検証手段とを有する構成とすることができる。これによると、他の装置で作成された時刻証明書付き音声データの検証を行うことができる。
【0024】
また本発明においては、請求項12に示すとおり、IP網と、当該IP網に接続されたIP通信手段を備え、相互に通話音声データを送受する複数のIP電話装置とを有するIP電話システムにおいて、前記IP電話装置の少なくとも1つが、音声を録音して録音データを生成する録音手段と、前記録音データまたはそのダイジェストデータに時刻情報を付与したものを暗号化したものからなる時刻証明書を取得する時刻証明書取得手段と、この時刻証明書取得手段に時刻証明書の取得処理を実行させる操作手段と、前記時刻証明書取得手段で取得した時刻証明書を前記録音データと共に蓄積するデータ蓄積手段とを備えたものとした。
【0025】
これによると、録音データの日時を公証する時刻証明書(タイムスタンプトークン)をユーザが簡単に取得することができる。
【0026】
前記IP電話システムにおいては、請求項13に示すとおり、前記IP電話装置の少なくとも1つが、前記データ蓄積手段に蓄積された時刻証明書を解析して、前記録音データの時刻の検証を行う検証手段を備えた構成とすることができる。これによると、所定のIP電話装置において作成された時刻証明書付き音声データの検証を自装置または他のIP電話装置で行うことができる。
【0027】
この場合、所定のIP電話装置において作成された時刻証明書付き音声データを他のIP電話装置に送るために、メモリーカードなどの記憶メディアを用いると良い。
【0028】
また、IP電話システムがIP電話装置以外の情報処理装置(例えば、PC)を更に有し、当該情報処理装置が、所定のIP電話装置において作成された時刻証明書付き音声データの検証を解析して録音データの時刻の検証を行う検証手段を備えた構成も可能である。これにより、時刻証明書付き音声データの検証を他の装置で行うことができる。
【0029】
また本発明においては、請求項14に示すとおり、IP網に接続されたIP通信手段を備え、相手装置とファクシミリデータを送受するIPファクシミリ装置において、原稿画像を読み取って画像データを生成する画像読取手段と、前記画像データまたはそのダイジェストデータに時刻情報を付与したものを暗号化したものからなる時刻証明書を取得する時刻証明書取得手段と、この時刻証明書取得手段に時刻証明書の取得処理を実行させる操作手段と、前記時刻証明書取得手段で取得した時刻証明書を画像データと共に蓄積するデータ蓄積手段とを有するものとした。
【0030】
これによると、遺言や発明アイデアなど、ユーザが必要に応じて画像読取手段で原稿を読み取った画像データの日時を公証することができる。
【0031】
また、IPファクシミリ装置が、録音手段と、この録音手段で生成した録音データを音声認識する音声認識手段とを有し、受信ファクシミリデータの印刷出力のために自装置が備える画像形成手段を用いて、音声認識手段により取得した文字情報が記載された画像データを記録紙に印刷出力するようにしても良い。この場合、時刻証明書取得手段は、録音データに関する時刻証明書を取得する他、音声認識後の文字情報が記載された画像データに関する時刻証明書を取得することも可能である。
【0032】
なお、前記IP電話装置及びIPファクシミリ装置は、固定通信の他、移動体通信によるものも可能である。
【0033】
特に、移動体通信による端末で、GPS受信機能により自装置の位置情報(緯度・経度の情報)を取得する位置情報取得手段を備える場合、時刻証明書取得手段が、録音データまたはそのダイジェストデータに時刻情報と共に位置情報を付与して暗号化した時刻証明書を取得する構成とすると、位置情報も認証対象とすることができる。
【0034】
また、前記IP電話装置は、マイク及びスピーカが接続されたPCで所要のプログラムを実行させることでIP電話機能を実現する、いわゆるIPソフトホンも可能である。
【発明の効果】
【0035】
このように本発明によれば、録音データの日時を公証する時刻証明書(タイムスタンプトークン)をユーザ側で容易に取得することができ、さらに取得した時刻証明書を自由に取り扱うことができるという優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0037】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るIP電話装置を示すブロック図である。このIP電話装置1は、VoIP(voice over internet protocol)技術により音声をIPパケットに変換することによりIP網2を介してIP電話装置(以下、「相手装置」という)3との通話を行う一方、その通話等における音声を録音して生成した録音データを公証するタイムスタンプ機能を有している。IP電話装置1は、IP通信部11、音声処理部12、録音部13、タイムスタンプ取得部14、データ書込部15、メモリーカード16、リーダライタ17、再生部18、検証部19、操作パネル20、主制御部21、メモリ22、スピーカ23、マイク24、スピーカ・マイクI/F25及び操作パネルI/F26を主として備えており、相手装置3の他にIP網2を介して時刻配信局(TA)31、時刻認証局(TSA)32及び認証局(CA)33とそれぞれ接続されており、これら全体としてIP電話システム40が構成されている。
【0038】
上記IP電話システム40において、時刻配信局31は、時刻認証局32に対して標準時に基づく時刻情報41を配信し、時刻認証局32の時刻を認証する。
【0039】
時刻認証局32は、時刻配信局31から時刻の認証を受け、IP電話装置1からのタイムスタンプ要求に応じてタイムスタンプトークン(時刻証明書)42を発行する。このタイムスタンプトークン42は、ユーザから送付されるハッシュ値43に時刻情報等を付与したものを秘密鍵で暗号化して発行(即ち、ディジタル署名として発行)されるものであり、当該ハッシュ値43に対応するユーザの電子データ(録音データ等)がタイムスタンプトークン42に含まれる時刻情報41が示す時刻の状態であること(即ち、その時刻以降に不正に改ざんされていないこと)及びユーザの電子データがその時刻以前に存在していたことの証明を可能とするものである。
【0040】
認証局33は、ネットワーク上の主体と公開鍵を関連付ける公開鍵証明書44を発行することで、公開鍵の正当性を証明する。本実施の形態では、認証局33は、時刻認証局32がタイムスタンプトークン42の発行の際に使用する秘密鍵に対応する公開鍵についての公開鍵証明書44を発行することで、タイムスタンプトークン42の発行元を証明する。これにより、公開鍵の受取人(時刻の検証者)は公開鍵証明書44によって、公開鍵が正当なものであるか否か(即ち、時刻認証局32の公開鍵であるか否か)を確認することができる。また、公開鍵証明書44には認証局33の電子署名を入れることにより公開鍵証明書自体の改ざんを防止可能である。
【0041】
上記IP電話装置1において、IP通信部(IP通信手段)11は、所定の通信プロトコルに従ってIP網2を介した相手装置3との通話に関する音声データの送受信、並びに時刻認証局32及び認証局33とのタイムスタンプ機能に関わるデータ(タイムスタンプ要求、タイムスタンプトークン、公開鍵証明書等)の送受信を実行する。
【0042】
音声処理部12は、送信データ及び受信データのA/D及びD/A変換機能と、所定の音声符号化方式(例えば、ITU−T勧告G.711、G.729等)に基づく音声コーデック機能とを有する。即ち、音声処理部12は、送話音声のアナログ信号をA/D変換するとともに符号化して送信データとする一方、符号化された受信データを復号化するとともにD/A変換して受話音声のアナログ信号を生成する。
【0043】
録音部(録音手段)13は、相手装置3に対して送信する送話音声及び相手装置3から受信する受話音声(通話音声)を録音し、生成した録音データ51をメモリ22に記録する。この録音データ51は、音声処理部12から取得した送信データ及び受信データに基づき種々のファイル形式で生成することが可能であり、再生の際に必要な音質を維持可能な限りにおいて適当な圧縮処理を行うことができる。また、録音の対象となる音声は、通話時の音声に限らず非通話時にマイク24で収集した音声や留守番電話機能により録音された受話音声でもよい。
【0044】
タイムスタンプ取得部(時刻証明取得手段)14は、時刻認証局32からタイムスタンプトークン42を取得するための処理を実行する。このタイムスタンプ取得部14におけるハッシュ値算出部52は、公証を必要とする録音データ51をメモリ22から取得してそのダイジェストデータとしてハッシュ値43を算出し、そのハッシュ値43を時刻認証局32に対して送信してタイムスタンプ要求を行う。
【0045】
データ書込部15は、メモリ22に蓄積された公証を必要とする録音データ51、時刻認証局32から発行されたタイムスタンプトークン42、並びに認証局33から発行された公開鍵を含む公開鍵証明書44をリーダライタ17を介してメモリーカード16に記録するための処理を行う。このとき、録音データ51、タイムスタンプトークン42及び公開鍵証明書44を関連づける情報テーブルを作成することで、それらのデータを異なる記憶装置内で個別に保存しておくことも可能である。或いは、録音データ51、タイムスタンプトークン42及び公開鍵証明書44を統合して一つのデータとして保存することも可能である。
【0046】
メモリーカード(データ蓄積手段)16は、各種データを記憶可能な不揮発性の記憶メディアである。ユーザは、リーダライタ17によってメモリーカード16をIP電話装置1に着脱自在に装着可能であり、これにより、録音データ等をメモリーカード16に記憶する一方、既にメモリーカード16に記憶されている録音データ等の読み出しを行うことができる。このメモリーカード16により、公証された録音データの保管や取り扱いが容易となる。
【0047】
再生部18は、メモリーカード16やメモリ22に記憶された録音データを再生し、スピーカ23から音声出力するための処理を行う。これにより、ユーザは録音データの内容を確認して必要な音声データを検索したり、公証を必要とするか否かを判断したりすることができる。
【0048】
検証部(検証手段)19は、既に公証済みの録音データ及びそれに対応するタイムスタンプトークン42を解析して時刻を検証するための処理を行う。より詳細には、検証部19は、検証対象となる録音データのハッシュ値をハッシュ値算出部52に算出させ、その算出したハッシュ値を検証対象となるタイムスタンプトークンから取り出したハッシュ値と比較する。その比較の結果、2つのハッシュ値が一致した場合には、タイムスタンプトークンの時刻情報が正当であると判断する。このとき、タイムスタンプトークンの正当性は公開鍵証明書に基づき判断することができる。
【0049】
なお、検証部19は、他の情報処理装置において公証済み(時刻証明書付き)の録音データ及びそれに対応するタイムスタンプトークンをメモリーカード16を介して取得し、それらを解析して検証を行うことも可能である。
【0050】
また、IP電話システム40が上記検証部19と同様の機能を有する情報処理装置を備え、当該情報処理装置において同様の検証処理を行う構成も可能である。この場合、公証済みの録音データを記録したメモリーカード16を上記情報処理装置に装着することにより、当該録音データを情報処理装置において読み出して、検証や再生を容易に行うことが可能となる。
【0051】
操作パネル20は、ユーザがIP電話装置1の動作に関する設定入力や各種情報の取得を行うためのものである。図2に示すように、操作パネル20は、各種情報を表示する表示部61と、録音部13に音声の録音を開始させるための録音ボタン62と、ハッシュ値算出部52にタイムスタンプ要求を送出させるためのタイムスタンプボタン(操作手段)63と、ハンドセット64を置いたままハンズフリーでスピーカ23から音声を出力させるためのスピーカボタン65と、留守番電話機能を起動するための留守ボタン66とを備える。ユーザは、通話時の音声や非通話時のメッセージ音声等の録音が必要と判断した場合に録音ボタンを押下して録音を開始することでき、また、録音データ51の公証が必要と判断した場合にはタイムスタンプボタンを押下して公証のための処理を開始することができる。別法として、録音ボタンの押下を必要とせずに通話時の音声を常時録音してメモリ22に保存し、タイムスタンプボタンが押下されると、メモリ22に保存された録音データの公証処理を実行する構成も可能である。
【0052】
また、図3に示すように、操作パネル20の表示部61には、メモリ22またはメモリーカード16に保存される録音データのリストを表示させることができる。各録音データには、その識別に役立つ関連情報が表示される。ここでは、関連情報として録音の「日付」、「時刻」、「タイムスタンプ」及び「通話相手」の情報を表示させた例を示している。「日付」は、各録音データの通話の日付を示し、また、「時刻」は、各録音データの開始及び終了時間を示す。「タイムスタンプ」は、”○”印の有無により各録音データが公証済みか否かを示す。また、「通話相手」は、通話時の録音データの場合には通話相手の電話番号”××−××××−××××”を表示し、非通話時の録音データの場合には、メモ録音であることを意味する”メモ”を表示する。
【0053】
これにより、ユーザは各録音データが公証済みか否かやその属性等を簡易に確認することができ、生成した録音データの取り扱いが容易となる。なお、録音データの関連情報は、上記のものに限らず、録音データとともに種々の情報を予め保存しておき、必要に応じて表示部に表示させることができる。
【0054】
主制御部21は、上記各部の動作を統括的に制御する。特に、主制御部21は、IP電話装置1のタイムスタンプ機能に関して、上述の録音部13、タイムスタンプ取得部14及び操作パネル20等の動作を制御する。
【0055】
なお、相手装置3は、IP電話装置1のようなタイムスタンプ機能を有する必要はないが、IP電話装置1と同様にVoIP技術により音声をIPパケットに変換して音声通話を実現するための機能を有している。
【0056】
次に、上記第1の実施形態に係るIP電話装置1のタイムスタンプ機能に関する動作について説明する。
【0057】
図4は、図1に示したIP電話装置において公証された録音データを生成するための動作を示すフロー図である。ここでは、通話時にユーザの操作に応じて録音が開始された後、公証の処理を実施する場合について示す。
【0058】
まず、ユーザは、IP電話装置1のハンドセットをとり所定の接続方式(例えば、H.323プロトコル)に従って相手装置3との通話を開始する(ST101)。そこで、ユーザが通話音声の録音が必要であると判断し、録音ボタン62を押下することで(ST102)、録音部13により通話の録音が開始される(ST103)。続いて、ユーザが録音データの公証が必要であると判断し、タイムスタンプボタン63を押下することで(ST104)、主制御部21がタイムスタンプ機能を起動させる。その後、ユーザがハンドセット64を置いて通話が終了すると(ST105)、通話の録音が終了する(ST106)。なお、録音の終了は必ずしも通話の終了後である必要はなく、例えば、通話の途中で再度録音ボタンを押下することにより録音を終了させる構成も可能である。また、ST104におけるタイムスタンプボタン63の押下は、必ずしも録音中に限らず、ユーザが通話の終了後に録音データの公証が必要であると判断した時点で操作することも可能である。
【0059】
録音の終了により録音データ51が生成されると、起動されたタイムスタンプ機能に基づき、タイムスタンプ取得部14は、ハッシュ値算出部52により当該録音データ51のハッシュ値43を算出し(ST107)、そのハッシュ値43についてのタイムスタンプ要求を時刻認証局32に対して送信する(ST108)。時刻認証局32は、そのタイムスタンプ要求を受信し(ST201)、当該要求に応じてタイムスタンプトークン42を生成し(ST202)、そのタイムスタンプトークン42をIP電話装置1に対して送信する(ST203)。
【0060】
そこで、IP電話装置1が時刻認証局32からのタイムスタンプトークン42を受信すると(ST109)、データ書込部15は、メモリ22から公証の対象となる録音データ51を取得し、当該録音データ51、タイムスタンプトークン42及び対応する公開鍵証明書44をメモリーカード16に保存する(ST110)。上記一連の動作により、記録日時を公証された録音データが得られる。
【0061】
なお、公開鍵証明書44は、時刻認証局32がタイムスタンプトークン42を発行する際のディジタル署名の秘密鍵に対応する公開鍵に関するものであり、上記ステップにおいては省略してあるが、IP電話装置1がタイムスタンプトークン42の受信後に認証局33に要求して取得することが可能である。
【0062】
図5は、図4に示したIP電話装置の動作の変更例を示すフロー図である。ここでは、通話時の音声が録音ボタンによらずに常時録音される点において図4に示した動作と異なる。なお、特に言及しない事項については図4の場合と同様である。
【0063】
まず、ユーザが相手装置3との通話を開始すると(ST301)、録音部13により自動的に通話の録音が開始される(ST302)。その後、ユーザが録音データの公証が必要であると判断してタイムスタンプボタン63を押下することで(ST303)、主制御部21がタイムスタンプ機能を起動させる。これにより、録音中のデータが公証対象として指定され、録音データ51が生成された後に公証のための処理が実行される。
【0064】
タイムスタンプボタン63が押下された後のIP電話装置1の動作(ST304〜ST309)及び時刻認証局32の動作(ST401〜403)については、図4に示したIP電話装置1の動作(ST105〜ST110)及び時刻認証局32の動作(ST201〜203)とそれぞれ同様である。
【0065】
上記のような構成により、ユーザが通話途中で(または通話後に)公証を必要とすると気づいたような場合であっても、通話の最初から記録された録音データを公証対象とすることが可能となる。なお、常時録音される通話時の音声を他の記憶装置等に一時的に蓄積し、タイムスタンプボタンの押下により一時的に蓄積された録音データを公証対象としてメモリ22に保存させる構成も可能である。この場合、不必要な録音データは蓄積することなく順次消去可能であり、メモリ22を有効に利用することができる。
【0066】
図6は、本発明の第2の実施形態に係るIP電話装置を示すブロック図である。このIP電話装置101は、図1に示したIP電話装置1と概ね同様の構成を有するが、タイムスタンプ取得部が図1に示した時刻認証局32と同様の機能を有する点において異なる。ここで、図1に示したIP電話装置1と同様の構成要素については同様の符号を付しており、特に言及しない事項については図1のIP電話装置1の場合と同様である。この場合、IP電話システム140には、図1に示したような時刻認証局32は不要となる。
【0067】
IP電話装置101のタイムスタンプ取得部114において、ハッシュ値算出部52は、公証を必要とする録音データ51のダイジェストデータとしてハッシュ値43を算出し、また、タイムスタンプユニット127は、そのハッシュ値43に時刻情報等を付与し、秘密鍵128によりディジタル署名を行うことでタイムスタンプトークン142を発行する。
【0068】
このとき、時刻配信局31は、タイムスタンプユニット127に対して標準時に基づく時刻情報41を配信し、時刻認証局32の時刻を認証する。認証局33は、タイムスタンプユニットがタイムスタンプトークン142の発行の際に使用する秘密鍵128に対応する公開鍵についての公開鍵証明書144を発行することで、タイムスタンプトークン142の発行元を証明する。また、データ書込部は、メモリ22に蓄積された公証を必要とする録音データ51、タイムスタンプユニットから発行されたタイムスタンプトークン142、並びに認証局33から発行された公開鍵を含む公開鍵証明書144をリーダライタ17を介してメモリーカード16に記録するための処理を行う。
【0069】
図7は、図6に示したIP電話装置において公証された録音データを生成するための動作を示すフロー図である。ここでは、図4の場合と同様に通話時にユーザの操作に応じて録音が開始された後、公証の処理を実施する場合について示す。
【0070】
まず、ユーザは、IP電話装置のハンドセットをとり所定の接続方式(例えば、H.323プロトコル)に従って相手装置3との通話を開始する(ST501)。そこで、ユーザが録音ボタン62を押下することで(ST502)、録音部13により通話の録音が開始される(ST503)。続いて、ユーザが録音中にタイムスタンプボタン63を押下することで(ST504)、タイムスタンプユニット127が時刻配信局31に対して時刻送出要求を送信する(ST505)。時刻配信局31は、その時刻送出要求を受信することで(ST601)、当該要求に応じて現在の時刻情報41をIP電話装置101に対して送信する(ST602)。そこで、時刻配信局31からの時刻情報41を受信し(ST506)、その後、ユーザがハンドセットを置いて通話が終了すると(ST507)、通話の録音が終了する(ST508)。なお、録音の終了は必ずしも通話の終了後である必要はなく、例えば、通話の途中で再度録音ボタンを押下することにより終了させる構成も可能である。また、ST504におけるタイムスタンプボタン63の押下は、必ずしも録音中に限らず、ユーザが通話の終了後に録音データの公証が必要であると判断した時点で操作することも可能である。
【0071】
録音の終了により録音データ51が生成されると、タイムスタンプ取得部114は、ハッシュ値算出部52により当該録音データ51のハッシュ値43を算出し(ST509)、そのハッシュ値43に時刻情報等を付与し、秘密鍵128によりディジタル署名を行うことでタイムスタンプトークン142を生成する(ST510)
そこで、データ書込部15は、タイムスタンプ取得部114により生成されたタイムスタンプトークン142を取得し、また、メモリ22から公証の対象となる録音データ51を取得し、当該タイムスタンプトークン142及び録音データ51を公開鍵証明書144とともにメモリーカード16に保存する(ST511)。上記一連の動作により、記録日時を公証された録音データが得られる。
【0072】
なお、公開鍵証明書144は、タイムスタンプユニット127がタイムスタンプトークン142を発行する際のディジタル署名の秘密鍵に対応する公開鍵に関するものであり、上記ステップにおいては省略してあるが、タイムスタンプトークン142を生成する際に認証局33に要求して取得することが可能である。
【0073】
図8は、図7に示したIP電話装置の動作の変更例を示すフロー図である。ここでは、通話時の音声が録音ボタンによらずに常時録音される点において図7に示した動作と異なる。なお、特に言及しない事項については図7の場合と同様である。
【0074】
まず、ユーザが相手装置3との通話を開始すると(ST701)、録音部13により自動的に通話の録音が開始される(ST702)。その後、通話途中でユーザが公証を必要とすると判断してタイムスタンプボタン63を押下することで(ST703)、主制御部21がタイムスタンプ機能を起動させる。これにより、録音中のデータが公証対象として指定され、録音データ51が生成された後に公証のための処理が実行される。
【0075】
タイムスタンプボタン63が押下された後のIP電話装置1の動作(ST704〜ST709)及び時刻配信局31の動作(ST801、ST802)については、図7に示したIP電話装置1の動作(ST505〜ST511)及び時刻配信局31の動作(ST601、ST602)とそれぞれ同様である。
【0076】
図9は、本発明の第3の実施形態に係るIP電話装置を示すブロック図である。このIP電話装置201は、図1に示した第1の実施形態に係るIP電話装置1と概ね同様の構成を有するが、公証の対象となる録音データに関連情報が付加される点において異なる。ここでは、図1に示したIP電話装置1と同様の構成要素については同様の符号を付し、また、簡単のため要部のみを示している。省略した構成要素及び特に言及しない事項については、図6のIP電話装置1の場合と同様である。
【0077】
IP電話装置201のタイムスタンプ取得部14において、ハッシュ値算出部52は、公証を必要とする録音データ51のダイジェストデータとしてハッシュ値43を算出する一方、主制御部21より当該録音データ51の関連情報253を取得する。この関連情報253は、通話の際にローカルな時計(内部時計)254より得られた通話開始時刻及び通話終了時刻の情報、並びに通話の際にIP通信部11より得られた発信者番号及び受信者番号の情報(発信者及び受信者を識別する情報)からなる。また、ハッシュ値算出部52は、算出したハッシュ値43及び取得した関連情報253を併合し、それらを時刻認証局32に対して送信してタイムスタンプ要求を行う。そこで、時刻認証局32は、そのハッシュ値43及び関連情報253を併合したデータに時刻情報41を付与し、タイムスタンプトークン242を発行する。データ書込部15は、メモリ22に蓄積された公証を必要とする録音データ51、時刻認証局32から発行されたタイムスタンプトークン242、並びに認証局33から発行された公開鍵を含む公開鍵証明書44をリーダライタ17を介してメモリーカード16に記録するための処理を行う。
【0078】
なお、別法として、ハッシュ値算出部52が、録音データ51及び関連情報253を併合して当該併合データのハッシュ値を算出し、当該ハッシュ値に対して、時刻認証局32にタイムスタンプトークンを発行させる構成も可能である。
【0079】
また、上記のように公証の対象となる録音データに関連情報を付加する構成は、図6に示した第2の実施形態に係るIP電話装置についても同様に適用可能である。この場合、タイムスタンプボタンが操作されると、その操作に応じて時刻配信局から取得した時刻情報(確定時刻)に基づいて、内部時計に基づく時刻情報が付与された録音データを公証対象とした時刻証明書を取得することができる。
【0080】
図10は、本発明の第4の実施形態に係るIPファクシミリ装置を示すブロック図である。このIPファクシミリ装置301は、図1に示した第1の実施形態に係るIP電話装置1と概ね同様の構成を有するが、ファクシミリ機能が付加された点及び録音データに加えてファクシミリの画像データを公証の対象とする点において異なる。ここで、図1に示したIP電話装置1と同様の構成要素については同様の符号を付しており、また、特に言及しない事項については図1のIP電話装置1の場合と同様である。
【0081】
IPファクシミリ装置301は、図1に示したIP電話装置1の構成に加え、原稿を読み取りファクシミリ通信用の画像データを生成する原稿読取部(画像読取手段)334と、A/D及びD/A変換機能及び画像コーデック機能を有し、画像データについて画像の合成、縮小及び回転など所定の画像処理を行う画像処理部335と、画像処理後の画像データに基づき所定の記録紙上に画像を形成するための処理を行う画像形成部336と、録音データ51の音声認識処理を実行して文字情報データを生成する音声認識部337とをさらに備える。
【0082】
このIPファクシミリ装置301において、録音データ51の公証処理は、図1のIP電話装置1の場合と同様に実行可能である。また、画像データ340の公証の処理は、次のように実行される。
【0083】
まず、相手側のファクシミリ装置から受信した画像データを画像処理部335により処理した後、公証対象の画像データ340としてメモリ22に蓄積する。そこで、タイムスタンプ取得部14において、ハッシュ値算出部52は、公証を必要とする画像データ340を取得してそのダイジェストデータとしてハッシュ値343を算出し、当該ハッシュ値43を時刻認証局32に対して送信してタイムスタンプ要求を行う。そこで、時刻認証局32は、そのハッシュ値343に時刻情報を付与し、タイムスタンプトークン42を発行する。データ書込部15は、メモリ22に蓄積された公証を必要とする画像データ340、時刻認証局32から発行されたタイムスタンプトークン42、並びに認証局33から発行された公開鍵を含む公開鍵証明書44をリーダライタ17を介してメモリーカード16に記録するための処理を行う。これにより、記録日時を公証された画像データが得られる。
【0084】
なお、公証対象となる画像データ340は、上記のように相手側のファクシミリ装置から受信した画像データに限らず、例えば、原稿読取部334で読み取って生成した画像データや、音声認識部337により録音データ51の音声認識処理を行って得た文字情報データでもよい。また、画像データ340と録音データ51を併合したデータを公証対象とし、当該併合データのハッシュ値に対して、時刻認証局32にタイムスタンプトークンを発行させる構成も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明にかかるIP電話装置、IP電話システム、及びIPファクシミリ装置は、録音データの日時を公証する時刻証明書をユーザ側で容易に取得することができ、さらに取得した時刻証明書を自由に取り扱うことができるという優れた効果を奏するものであり、録音データの記録日時を公証するタイムスタンプ機能を有するIP電話装置、IP電話システム、及びIPファクシミリ装置などとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るIP電話装置を示すブロック図
【図2】図1のIP電話装置の外観を示す平面図
【図3】図1のIP電話装置における録音データリストの表示例を示す図
【図4】図1のIP電話装置において公証された録音データを生成するための動作を示すフロー図
【図5】図4のIP電話装置動作の変更例を示すフロー図
【図6】本発明の第2の実施形態に係るIP電話装置を示すブロック図
【図7】図6のIP電話装置において公証された録音データを生成するための動作を示すフロー図
【図8】図7に示したIP電話装置の動作の変更例を示すフロー図
【図9】本発明の第3の実施形態に係るIP電話装置を示すブロック図
【図10】本発明の第4の実施形態に係るIPファクシミリ装置を示すブロック図
【符号の説明】
【0087】
1,101,201 IP電話装置
2 IP網
11 IP通信部(IP通信手段)
13 録音部(録音手段)
14,114 タイムスタンプ取得部(時刻証明書取得手段)
16 メモリーカード(データ蓄積手段)
19 検証部(検証手段)
24 マイク
31 時刻配信局(TA)
32 時刻認証局(TSA)
33 認証局(CA)
40,140 IP電話システム
42,142,242 タイムスタンプトークン(時刻証明書)
62 タイムスタンプボタン(操作手段)
301 IPファクシミリ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IP網に接続されたIP通信手段を備え、相手装置と通話音声データを送受するIP電話装置であって、
音声を録音して録音データを生成する録音手段と、前記録音データまたはそのダイジェストデータに時刻情報を付与したものを暗号化したものからなる時刻証明書を取得する時刻証明書取得手段と、この時刻証明書取得手段に時刻証明書の取得処理を実行させる操作手段と、前記時刻証明書取得手段で取得した時刻証明書を前記録音データと共に蓄積するデータ蓄積手段とを有することを特徴とするIP電話装置。
【請求項2】
前記操作手段が、操作パネル上に配置されたタイムスタンプボタンであることを特徴とする請求項1に記載のIP電話装置。
【請求項3】
前記時刻証明書取得手段が、前記IP通信手段を用いて外部の時刻認証局に発行要求を行うことでその時刻認証局から時刻証明書を取得することを特徴とする請求項1に記載のIP電話装置。
【請求項4】
前記時刻証明書取得手段が、前記IP通信手段を用いて外部の時刻配信局から受信した確定時刻に基づいて時刻証明書を生成取得することを特徴とする請求項1に記載のIP電話装置。
【請求項5】
前記録音手段が、通話時にマイクで収集した送話音声、及び前記IP通信手段にて受信した受話音声を録音することを特徴とする請求項1に記載のIP電話装置。
【請求項6】
前記時刻証明書取得手段が、前記録音データまたはそのダイジェストデータに時刻情報と共に発信者及び受信者を識別する情報を付与したものを暗号化したものからなる時刻証明書を取得することを特徴とする請求項5に記載のIP電話装置。
【請求項7】
前記時刻証明書取得手段が、前記録音データまたはそのダイジェストデータに時刻情報と共に通話の開始時刻及び終了時刻に関する情報を付与したものを暗号化したものからなる時刻証明書を取得することを特徴とする請求項5に記載のIP電話装置。
【請求項8】
前記録音手段が、非通話時にマイクで収集した音声を録音することを特徴とする請求項1に記載のIP電話装置。
【請求項9】
前記データ蓄積手段が、当該IP電話装置に着脱自在に装着され、他の情報処理装置で読取可能な記憶メディアであることを特徴とする請求項1に記載のIP電話装置。
【請求項10】
前記時刻証明書取得手段が、前記操作手段の操作に応じて、内部時計に基づく時刻情報が付与された録音データの時刻証明書を取得することを特徴とする請求項1に記載のIP電話装置。
【請求項11】
他の装置において録音データまたはそのダイジェストデータに時刻情報を付与したものを暗号化した時刻証明書を解析して、その録音データの時刻の検証を行う検証手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のIP電話装置。
【請求項12】
IP網と、当該IP網に接続されたIP通信手段を備え、相互に通話音声データを送受する複数のIP電話装置とを有するIP電話システムであって、
前記IP電話装置の少なくとも1つが、音声を録音して録音データを生成する録音手段と、前記録音データまたはそのダイジェストデータに時刻情報を付与したものを暗号化したものからなる時刻証明書を取得する時刻証明書取得手段と、この時刻証明書取得手段に時刻証明書の取得処理を実行させる操作手段と、前記時刻証明書取得手段で取得した時刻証明書を前記録音データと共に蓄積するデータ蓄積手段とを備えたことを特徴とするIP電話システム。
【請求項13】
前記IP電話装置の少なくとも1つが、前記データ蓄積手段に蓄積された時刻証明書を解析して、前記録音データの時刻の検証を行う検証手段を備えたことを特徴とする請求項12に記載のIP電話システム。
【請求項14】
IP網に接続されたIP通信手段を備え、相手装置とファクシミリデータを送受するIPファクシミリ装置であって、
原稿画像を読み取って画像データを生成する画像読取手段と、前記画像データまたはそのダイジェストデータに時刻情報を付与したものを暗号化したものからなる時刻証明書を取得する時刻証明書取得手段と、この時刻証明書取得手段に時刻証明書の取得処理を実行させる操作手段と、前記時刻証明書取得手段で取得した時刻証明書を画像データと共に蓄積するデータ蓄積手段とを有することを特徴とするIPファクシミリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−81526(P2007−81526A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263573(P2005−263573)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】