説明

LED三角警告板

【課題】信号形状を自在に変更し得ると共に、ソーラーエネルギーを利用して繰り返し充電し、ICタブを利用して夜間の作業現場を遠隔管理し得る直立安定型の新規な防水性且つ携帯可能のLED三角警告板を提供する。
【解決手段】LED付き三角警告板1の頂角部分の斜辺の連結を、着脱自在に連結すると共に、両底角の斜辺と底辺との連結を、摩擦的に180度回動自在且つ固定自在に連結して、特定形状の記号、文字が容易に形成し得る如く構成し、更に其の第二脚部3の上面にソーラーパネルSとICタブTbとを、又其の下面に磁性体を装着して三角板消費電力を充電し、作業現場の遠隔管理を可能とし、更には、内部に鏡面を備えた透明カバー及び方形鍔型の被磁性体を当該三角板と併用することに依り、その防水効果、信号輝度、並びに直立安定性を向上させる様に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、夜間の交通整理、交通事故現場又は土木現場等で使用し得るLED三角警告板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、夜間の交通事故等における二次的事故を防ぐ為に、乗用車等では、赤色反射三角板の携帯が法的に義務付けられている。
然しながら、事故現場での実際の使用時、特に雨天、濃霧等の気象条件下では、甚だ識別又は確認が難しく、晴天の場合でも、対向車の強力なヘッドライトの照射に依って赤色反射光は打ち消され、場合に依っては、二次的事故に繋がり兼ねない危険性があった。そこで此の様な三角警告板にも、輝度の高い赤色LEDを装着して、夜間の事故車の位置又は状況を確実に表示し且つ確認させるべく、種々な赤色LED付き三角警告装置が提案される傾向にあり、更に最近ではこの種三角板の底辺と斜辺との連結点を軸として後者を自在に折り畳むと同時に、適当な角度で固定させて種々な幾何学的形状の警告灯を形成し、通行車又は通行人の注意を一層強く換気させる様にしたLED付き三角警告板が提案されている。
【特許文献1】 実用新案登録第3055441号
【特許文献2】 特開2002−309523
【特許文献3】 実用新案登録第3118546号
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
然しながら、特許文献1の技術は、LED付き三角板の底辺が、収納ケースに固定され、其の斜辺は、前記底辺の一端に軸支された一方の斜辺の他端に回動自在に固着されたものであるから、三角形状の信号を形成する場合には、正確且つ容易に形成することが出来たとしても、他の形状の信号を形成する場合には、底辺に固定された斜辺の多端上で他の斜辺を所望角度に固定しなければならないので、単なる回動自在の連結手段の接触摩擦力だけでは、使用回数に比例して、其の斜辺の重力に打勝つ事が難しくなり、遂には全く摩擦による固定維持が出来なくなる欠点を有している。
【0004】
一方、特許文献2の技術は、此の様な単純な連結手段の摩擦力に依る底辺上での幾何学的信号形成の難しさを改善するために、底辺と斜辺との連結手段を、ボルト及びナットの単純な連結手段に代えた上で、その緊締の強弱の加減で、底辺に対する両斜辺の回動及び固定を可能とし、これ等斜辺の動作に依り適宜形成される幾何学的形状、記号、又は文字等の特異な光信号に依って、通行車輌や通行人の注意を強く喚起して交通事故を防止する様に構成した事を特徴とするので、一応所期の目的を達成し得るが、信号形状の変更毎に、前記連結手段を緩めたり締めたりせねばならない煩雑さが存在していた。
【0005】
そこで本出願人は、特許文献3に於いて、この種信号形状を変更し得る折り畳み式LED三角板を電力省エネ型の回路とすると同時に、夫々の斜辺と底辺との連結手段を、これ等両辺間に特殊な摩擦面を有する一対の対面型接触部辺を介在させた強力な緩み止め緊締手段で連結し、当該斜辺えの負荷時には回動自在で、負荷釈放時には、其の場所で固定自在となる様に構成したLED三角板を提案し、一応、この種信号形状変更型LED三角板の欠点を改善する事に成功した。
【0006】
本発明は、更にこの種LED三角板を改善し、物理的にその投光輝度並びに防水性を高めると同時に、其の充電機能及び信号機能をも効率的に高めることが出来、加えて遠隔的に複数の作業現場、事故現場を集中的に管理して作業効率を向上させると同時に、安全に作業を達成し得るこの種三角板を提供する事を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
此の様な課題を解決する為に、本発明のLED三角板は、その折り畳み収納並びに特殊形状形成機構は、上記本出願人の特許文献3の技術を援用するものであるが、更なる機構として、先ず第一に光信号の輝度及び防水性を高めるための反射板付きの透明三角形状防水袋を併用する様に構成したことを特徴としている。
即ち此の袋は、其の前面が透明な部分で構成され、背面がその内面に鏡面例えばアルミ箔貼着面又は蒸着面を備えた光反射面部分で構成され、発信される光信号が袋後方えは漏洩せずに直進し、しかも雨天時には防水性を発揮する様に構成した事を特徴とする。
【0008】
更に又、当該三角板の信号部三辺の適当場所に、全地球方位測定システム(GPS)用のICタブを取り付けて、人工衛星を介して其の使用場所を表示させ、総括的に夫々の作業現場若しくは事故現場を遠隔的に特定管理するように構成した事を第二の特徴とするものである。
【0009】
又、第三の特徴として、本発明LED三角板は、直立安定用の回動自在の十字状第二脚部の上面に、適当な受光面を有するソーラーパネルを、其の下面に、乾電池に接続し得る充電用端子を設置し、適当な光センサーにより、日照時に充電し、日没時に放電して、光信号を自動的に発信する様に構成した事である。
従って、充電可能な乾電池と光センサーの組合せにより、無人の作業現場または事故現場で、昼間は充電し、日没と同時に自動的に点灯する新規且つ効率的な折り畳み自在で信号形状変更自在のLED三角板を提供することが出来る。
【0010】
加えて、前記ソーラーパネル端子以外の第二脚部下面には、適当な磁性体を装着して、其の重力により、当該三角板の直立安定性を図ると共に、例えば車体又は荷台に吸着させるか、或いは此の様な磁性体を吸着する金属板を適当な形状に形成して携帯し、此の三角板の据付場所に設置して吸着させ、其の直立発信姿勢を安定化する様に構成した事も又、他の特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
斯く如き特徴を備えた本発明のLED付き三角警告板は、特許文献3記載の効果に加え、装着された前記ICタブに依り、作業現場又は事故現場の位置、作業者名、作業内容等を一括して遠隔管理し且つ遠隔指示することが出来る一方、其の防水型透明反射カバーに依って、雨天時でも防水効果は勿論のこと、其の光信号の輝度を弱める事無く放射させて、警告効果を向上させる事が出来る。
【0012】
更に又、直立安定用の第二脚部上面に装着された適当面積のソーラーパネルと充電回路に設けられた光センサーとの作用に依って、其の電力は、日照時には充電され、日没時には放電されて、光信号を自動的に発信し且つ停止する如く構成して、電池交換、信号切り替え等の手間を省き、更には、前記第二脚部下面に装着された重錘を兼ねる磁性体に依り、車体又は荷台上に吸着させるか、或いは此の磁性体を吸着する適当な形状の金属台座に吸着させるかして、悪天候でも車体上、荷台上又は大地上何れに於いても、安定して光信号を送り続けるこが出来る様に構成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を実施するための最良の形態は、先ず最初に本出願人の特許文献3の技術を実施する事を基本とし、此の技術に以下の付加的な技術を追加して、光信号の投光安定化と、悪天候下での投光姿勢の安定化を図ると共に、夫々の信号灯の設置作業位置を遠隔地から確認して、各地の作業を集中的に管理し、夫々の作業効率を上げると同時に、作業員の安全を確保する如く構成したことを特徴とする。即ち
(1):従来のLED付き三角板を折り畳み自在とすると共に、信号形状を幾何学的又は記号状に変更自在とした事。
(2):上記三角板を同形の透明カバーで覆うと共に、其の裏面内部を鏡面状に被覆して、其の発信する光信号が後方に洩れる事無く透明な前面を透過して効率よく発信されると同時に、雨天時でも防水効果を発揮できるように構成した事。
(3):上記三角板の回動自在の第二脚部の上面上に、適当な面積のソーラーパネルを装着し、日照時には発電して内蔵する乾電池を充電すると同時に、場合に依っては、光センサー等に依り日没と同時に前記電池を放電して、自動的に光信号を発信する様に構成した事。
(4)前記回動自在の第二脚部の下面に、適当寸法の磁性体を重錘代わりに装着して、此の三角板の直立姿勢を安定化させると同時に、車体ボデー又は荷台等の金属部分に吸着させるか、或いは適当な付随的な金属台座を組み合わせて、その上に三角板を吸着させるかして、車体、地上何れの場所にも安定した姿勢で据付し得る様に構成した事。
(5):当該三角板の適当場所例えば第二脚部上面或いは光信号発信各辺上の適当箇所に、GPS測定用のICタブを取り付けて、夫々の設置或いは作業位置から特定の信号を発信して、人工衛星を介して集中管理部署から遠隔管理し、常に作業場所、作業員の状況を把握して安全且つ正確に作業が遂行出来る様に構成した事。
以下に具体的な好個の実施の態様を図面を参照して詳述する。
【実施例】
【0014】
本発明のLED付き三角板(1)は、本出願人の特許文献3に記載した様に、固定脚(2)(以下第一脚部と記載する)と回動自在の直立姿勢安定脚(3)(以下第二脚部と記載する)とよりなる一対の脚部上に固着された底辺部(A)に、夫々皿ばね付き摩擦固定型連結部材(8)(9)で二個の斜辺部(B)及び(C)の一端を回動自在且つ固定自在に連結し、此の連結された二辺の他端を、ブッシング状の弾性作動型フック(7)で取り外し自在に弾性的に連結すると共に、必要に応じて、前記底辺部(C)の底板(4)内に装着された電源部(10)を、始動スイッチ(11)で作動して、赤色光信号を発信する様に構成した事を基本とするものである。
【0015】
又、これ等底辺、斜辺部(A)(B)(C)は、夫々適当な強度のプラスチック製底板(4)(4)(4)上に、適当数の赤色LEDを装着した基盤(6)(6)(6)が装着され、其の上を断面コの字上の赤色反射板(5)(5)(5)で被覆固着し、上記した様に、夫々の頂点部分を弾性作動型フック(7)及び摩擦固定型連結部材(8)(9)で三角形状に連結形成したものである。
【0016】
更に又、此の底辺部(A)の底板(4)内には、二個の単三電池を収納した電源部(10)と、後述するソーラーパネル(S)用の端子(T)とリード線(14)を介して連結するプラグ(15)の端子(13)とを備え、更に前記電池部に連結し、前記始動スイッチ(11)に依って上記各辺部のLEDと切り替え自在に点灯する照明用白色LED(12)が付設されている。
【0017】
これ等底辺、斜辺部(A)(B)(C)の回路図は、図3及び図4に示されている。
図3の回路は、底辺部(A)のみに所定数のトランジスター(17)、コンデンサー(18)及び抵抗体(19)より成るスイッチ回路を備え、その時定数を特定する事により、並列して接続された各辺のLED群(20)(20)(20)・・・のフラッシュ周期を規定する様構成されている。
斯くの如くして此の回路は、電池電源部(10)から供給される電流が、スイッチ(11)を介してトランジスターのエミッター端子(21)に供給されると、所定周期でLED(20)(20)・・・を同調的にフラッシュさせて発信し、此のスイッチ片が白色LED照明回路(D)の端子(22)に切り替わると、前記赤色LED発光信号部は消灯して、照明用白色LED(12)を点灯し、其の周辺を照明する。
【0018】
図4の回路は、上記スイッチ回路が各辺部(A)(B)(C)内に接続され、各回路のLEDのフラッシュ周期を同調さす様に構成しているが、これ等スイッチ回路のフラッシュ周期を順次若干遅延さすと底辺部(A)から(C)に向かい流れる様に点滅して一層信号効果を挙げる事が出来るが、回路がやや複雑となり若干コスト高となること上述した通りである。
【0019】
此の様な赤色信号点滅回路は、電源部(10)内に収納されている通常の乾電池(16)に依って付勢される様に構成されているが、必要に応じて、此の電池を充電可能な乾電池に代えて、後述する様に、前記ソーラーパネル(S)で日照時に発電された電力を充電し、日没と同時に放電してLED赤色信号を発信する様に構成する事が出来、しかも此の充電ー放電の切り替えは、此の回路に設けられた光センサーで自動的に行う様に構成するのが有利である。
【0020】
又一方、この種LED三角板(1)は、通常の三角反射板と同様に、其の底部に此れを固定する第一脚部(2)と、その下で(r)方向に回動自在に装着された第二脚部(3)とを備え、前記底辺部(A)を基準として斜辺部(B)(C)により形成される種々な形状の信号部を直立安定化するために、前記第二脚部(3)は、適宜回動されて第一脚部(2)と交差し、特に風圧等に依る前後方向えの転倒を防止するように構成されている。
【0021】
これ等脚部の上には、底辺部(A)の箱状の底板(4)が装着され、其の底板の内側には、電源部(10)、照明用白色LED(12),ソーラーパネル接続用端子(13)等が設けられている外、これ等部分に接続した前記スイッチ回路部及び底辺部LED基板等が収納されており、更に此の底板自体は又赤色反射板(5)に依って被蓋されている。
【0022】
斯くの如き底辺部(A)は又、夫々の両端部に於いて、同様な構造の斜辺部(B)(C)と、後述する皿バネ付き摩擦固定型連結部材(8)(9)に依って回動自在に連結されており、これ等両者の他方の頂点には、弾性作動型フック(7)が取り付けられ、ワンタッチで相互に連結又は分離され得る様に構成されている。
従ってこれ等斜辺部(B)(C)は、前記弾性作動型フック(7)に依る係合を解除される事に依って、前記摩擦固定型連結部材(8)(9)を軸として矢印(α)(α’)(β)(β’)方向に共に180度回動させ、必要に応じて、その間の所望点で固定できる様にされているので、図7に点と線で示す位置に各辺を固定し、三角型、X型、左向き矢印型、右向き矢印型、又はブロック型と種々なLED光信号を造形し発信して、走行車、通行人等の注意を容易且つ確実に喚起さす事が出来る。
【0023】
此の様な各種光信号を発信させる為に本発明に於いては、底辺部(A)及び此れに対して回動し固定する斜辺部(B)(C)を、夫々のリード線(図示せず)により、底板(4)及び赤色反射板(5)内で防水接続し、電源部(10)から底辺内の基板(6)を経て左右斜辺部内の基板(6)(6)に通電し、所望形状のLED赤色信号を発信する様に構成されている。
【0024】
斯くの如く電気的、機械的に連結されたLED三角板(1)の各連結部材(7)(8)(9)は、何れか一点の部材が固定連結用の弾性作動型フックで、他の二点のそれが回動自在の摩擦固定型連結部材で構成されねばならないが、これ等の取り付け位置は限定されるものではなく、例えば弾性作動型フック部材が、斜辺部(B)(C)間の連結部材(7)であっても良く、底辺及び斜辺(A)(B)又は(C)間の連結部材(8)又は(9)であっても差し支えない。
然しながら、以下の説明上、これ等の連結部材の内(7)を弾性作動型フックとし、(8)(9)のそれを夫々摩擦固定型連結部材として説明する。
【0025】
図6の(A)は、この弾性作動型フック(7)の詳細を示しているが、この部材は硬質塩化ビニールの如き安価な合成樹脂より成るのが好ましく、釣り針の戻り止めの如き突起(25)と割り溝(28)とを胴部(24)に備えた平頭付きブッシング状の部片として例示している。
【0026】
この部材(7)の連結操作に於いて、先ず第一にこの部材は、前記LED三角板の一斜辺部(C)の赤色反射板(5)側から、三角板頂点の相互連結孔内に圧入され、割り溝(28)の弾性作用で、前記連結孔の内径よりも大きい戻りとめ突起(25)が、図示の如く赤色反射板(5)を突き抜け、相対する一斜辺部(B)の底板(4)の箱部(H)の貫通孔(26)内に進入する。
そこで矢印(F)(F′)方向から、前記底板(4)の箱部(H)を圧迫すると、割り溝(28)が(f)(f’)方向に圧縮され、戻り止め突起(25)が貫通孔(26)を貫通し、底板(4)の箱部(H)を(H’)の位置に挟持して斜辺部(C)に重なった状態で相互に連結される。
【0027】
斯くの如く結合された斜辺部(B)(C)を釈放して所望の記号、文字又は図形の光信号を造成する場合には、先ず前記フック部材(7)の割り溝先端(27)を(f)(f’)方向に圧迫し、その外周を縮小させて戻りとめ突起(25)の外周も又、斜辺部(B)の底板箱部(H’)の孔内径よりも細くして、戻りとめ突起(25)の肩部からこの底板箱部(H‘)を外し、元の(H)の状態に戻して取り外した後、以下に記載する如く、その他端に連結された摩擦固定型連結部材(8)又は(9)を、固定底辺(A)に対して所望位置にまで回動し且つ固定して、所望形状、所望記号等を造形し、その光信号を発信する。
【0028】
即ち、図6(B)に示す如く、この部材(8)又は(9)は、耐摩耗性が高くしかも相対する面が租面を持つた一対の高硬度金属板(29)(29)と、一枚の皿ばね(33)と、一対のダブルナット(34)(34)と、一本の締め付けボルト(31)との組み合わせより成り、場合に依っては、前記一対の高硬度金属板(29)(29)間に、適当な弾性を持ち、耐摩耗性で摩擦性の高い少なくとも一枚の皮革合成樹脂、ゴム板等を間挿した部材で構成され、上記一対の高硬度金属板(29)(29)は、通常(s)(s’)で示す如く、当該LED三角板(1)の斜辺部(A)の反射板(5)の底板(4)及び斜辺部(B)の底板(4)間に固着された構造より成るものである。
【0029】
この様な構造に依ってこの連結部材の締め付けボルト部(31)は、底辺部(A)の反射板(5)(固定面)と、斜辺部(C)の底板(4)(可動面)間とを、前記一対の高摩擦性の高硬度金属板(29)(29)を介して貫通し、皿ばね(33)、ダブルナット(34)(34)及びボルト部(32)に依って強固に緊締し、ボルト胴部(30)上で対面状に重ねられた上記金属板の租面(35)(35)の高い摩擦力に依り、前記固定面に対する可動面の自由な回動を阻止する様に構成されている。
【0030】
この様な構造に依り、上記LED三角板(1)の斜辺(B)(C)は、その底辺部(A)に対する所定以上の力、即ち前記粗面(35)(35)の摩擦力以上の可動面(4)に加わる力に依ってのみ回動し、それ以下の場合は、固定面に対して回動せず固定しているので、図5の(α)(α′)(β)(β′)の方向に、底辺部(A)に対して180度まで、自由に回動させ且つ固定さす事が可能となり、図7に示す各種図形、文字、信号を造形する事が出来、これ等造形体に従って種々な光信号を発信する事が出来る。
【0031】
この様なLED三角板の光信号は、図6(C)のボルト(37)、挟み板(38)、ワッシャー(40)及び蝶ネジ(41)より成る従来型緊締部材(8)又は(9)を使用する事も出来るが、この場合、前記挟み板(38)は、高硬度の材質のものとすると共に、図6(B)に示す様に、粗面を持つ二枚板とし、プラスチック製底板(B)及び(C)側(可動部側)の接触面(42)は、夫々適所で固着し、ワッシャー(40)も又スプリングワッシャー等の弾力性の強いものを利用するのが有利である。
但しこの手段に於いては、両斜辺の緊締、弛緩並びに回動の回数即ち文字又は記号信号の造形回数が多くなると、両接触面の固定力(摩擦力)が弱まり、遂には固定しきれなくなるので、挟み板(38)又はワッシャー(40)或いは蝶ナット(41)を度々新しいものと取り替えねばならない不便が発生する。
【0032】
斯くてこの種LED三角板(1)は、必要に応じてその二斜辺部(B)又は(C)の交点に取り付けられた連結部材(7)をワンタッチで取り外し、これ等何れか一方又は双方を矢印(α)(α′)又は(β)(β′)の方向に所定角度回動して前記三角型、X型、矢印型、等々の信号、記号、文字或いは形状を回動造形し、且つ固定して、その光信号で警告又は報知する事が出来、その信号の特異性の為に、走行車又は通行人の注意を強く喚起する事が出来る。
【0033】
更に、斯くの如きLED付き三角板(1)は、全天候型でしかも長期使用型の土木現場用製品を除き、乗用車等の備品として使用する場合には、製造原価と当該三角板の使用頻度等を考慮して、総じてやや防水性に欠ける経済的な構造と成っているので、本発明の三角板に於いては、光信号発射面が透明で、その背面の内側には鏡面又はアルミ面を蒸着するか或いは貼着した反射面(R)を備えたプラスチックカバー(Cv)を、多湿現場或いは濃霧、雨天下等で当該三角板と組合せて使用し、その防水性と発信信号の輝度増強用とに使用する様に配慮されている。
【0034】
このカバー(Cv)は、図5に示す如く、所定厚みの三角形状の前面が透明なプラスチック袋より成り、当該三角板の斜辺(B)又は(C)に相当する部分にチャック(43)を備え、そのほぼ全面が開口して、組み立てられた当該三角板(1)全体をこの袋内に収納する様に構成されており、点灯時には全面の透明膜を透過して光信号を直進させると同時に、四方に拡散する光を袋内面の鏡面に依って前面方向に反射させ、光信号の輝度を補足的に増強するように形成されている。
勿論、このカバーの使用は、雨天のみに使用するのではなく、濃霧、晴天の場合も又使用することが出来るが、その使用は三角形型信号の発信時のみに限定される事言うまでも無い所である。
又、三角板の底辺(A)下に設けられた第一脚部(2)のサポート(2‘)は、前記カバー(C)の下端(44)の近辺に設けられた開口内を挿通して、内部の三角板本体を支承しているので、第二脚部(3)は、その内側のカバー底辺の切り抜き部分内を、自由に360に360度(f)方向に回動して、適当な角度で第一脚部と交差して、安定的に三角板を支承する事が出来る様に形成されている。
【0035】
更にトラック又はワゴン車等の広い荷台又は車室を備えた車では、図8に示す如き比較的底辺の広い鉄等の磁性体吸着板より成る金属台(F)を、荷台若しくは車室の適当な場所に設置し、その方形溝部(H)に当該三角板の両脚部(2)(3)を挿入し、その下部に設けられた磁性体(Mg)をこの溝内に吸着させて点灯し、荷台上又は車室内から通行車又は通行人に、その位置又は事故状況を告知、警告する様に構成する事が出来る。
勿論、磁性体(Mg)を、直接車体上に吸着させる事も出来るが、車体表面は曲面である上に、取り外しに際して、塗装を剥離する場合もあるのであまり好ましくない。
特に荷台に据え付けられた警告板の三辺(A)(B)(C)の信号は、比較的遠方まで到達し得るので効果的であり、その据え付け場所を特定しておけば、比較的重質の台部(S)と比較的幅広いフランジ部(b)に依って、安定して取り付けることが出来、ボルト等で固定すれば、荷台等の適当な場所に適宜安定して据え付け得る利益がある。
又、第一脚部(2)及び第二脚部(3)を交差させたままで三角板を図8Bの如く当該金属台(F)上に吸着させ、適当場所、例えば大地等に設備することも出来るが、此の場合には前記溝(H)には、直交する溝(H’)を備えていなければならない。
【0036】
更に又図2に示す様に、本発明のLED付き三角板の適当な場所、例えば第2脚部(3)の一端上に取り付けられたユビキタスICタブ(Tb)は、夫々が発信する電波を特定して、例えば道路作業車又は高速道路事故対策車等、(A)(B)(C)・・・・に搭載させ、図9(A)に示す如く、夫々の作業場で此れを使用させ、発信する各三角板の特定電波を、人工衛星(As)を介するか或いは直接、管理事務所(O)に送信させて、その作業位置、作業又は事故状況を逐次報告さすと共に、又事務所では、人工衛星から送られてくる全地球方位測定システムの電波により、地図(M)上にこれ等情報を表示し、作業者(A1)(B1)(C1)・・・の位置、その作業状況を特定して把握し、必要に応じて適当な指示命令を伝達するように構成する事が出来、例えば土木作業、交通事故処理作業、交通取り締まり作業等の現場に於いて、極めて有功にこの器具又はシステムを利用する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】 本発明のLED付き三角警告板の正面斜視図である。
【図2】 図1の三角警告板の基板電気回路の一態様を示す図面である。
【図3】 図1の三角警告板の背面図である。
【図4】 図1の三角警告板の基板電気回路の他の態様を示す図面である。
【図5】 本発明の三角警告板用の防水並びに光信号補強用のカバーの使用態様を示す一部切断正面図である。
【図6】 本発明の三角警告板の三辺の連結、分離、回動、及び固定の各動作を示す作動関係説明図である。
【図7】 本発明の三角警告板の形成し得る光信号の形状を示す略図である。
【図8】 本発明の三角警告板の吸着補助具とそれ等の組合せ使用を示す説明図である。
【図9】 本発明の三角警告板の使用位置を特定する為のGPS利用説明図である。
【符号の説明】
【0038】
1 本発明のLED付き三角警告板
2 固定脚
3 回動自在の直立姿勢安定脚
4 信号部底板
5 信号部赤色反射板
6 LED基板
7 弾性作動型フック
8 摩擦固定型連結部材
9 摩擦固定型連結部材
10 電源部
11 スイッチ片
12 白色LED
13 ソーラーパネル接続端子
S ソーラーパネル
Tb ICタブ
Mg マグネット
A LED付き三角板底辺部
B LED付き三角板斜辺部
C LED付き三角板斜辺部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3個のプラスチック箱状の反射板付きLED発光信号部より成る直立安定型の三角板であって、其の頂角の連結部は、弾性的に着脱自在で、底角のそれは、夫々の斜辺が180度回動自在且つ固定自在である折り畳み式LED三角警告板に於いて、その底辺発光信号部に固定された第一脚部は、其の下部に、所望面積のソーラーパネルとICタブとを上面に、重錘を兼ねた磁性体を下面に夫々備えた第二脚部を回動自在に軸支し、前記ソーラーパネルは、前記第二脚部下面の接続端子を介して充電可能な電池部と接続し、前記ICタブの発信電波は、当該三角板使用者毎に特定して登録し、此の電波を人工衛星を介するか介せず受信して、三角板の設置使用状況を遠隔的に管理する様に構成した事を特徴とするLED三角警告板。
【請求項2】
前記LED三角警告板の光信号を、基盤回路の適所に設けられた光センサーに依り、日没、日昇時の特定照明度で自動的に切り替え自在にした事を特徴とする請求項1記載のLED三角警告板。
【請求項3】
前面が透明で、背面内部が鏡面化されている請求項1記載のLED三角警告板の組み立て形状と同形のプラスチック三角袋を、組み立てられた当該三角板上から被せて、防水作用及び光信号反射作用を強化する様に構成した事を特徴とするこれ等両者の組合体。
【請求項4】
背部に、請求項1記載のLED三角警告板の第一脚部の形状及び寸法にほぼ等しい長手方向の溝部と、此の溝部の中央で交差する短い幅方向の溝部とを備えた方形鍔状の被磁性体に、前記三角板の第一及び第二脚部が重なったままで、或いは直角に開脚した状態で、前記溝内に吸着し且つ嵌装して、その直立姿勢を一層安定化させる様に構成した事を特徴とするこれ等両者の組合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−213806(P2008−213806A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89391(P2007−89391)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(000243043)
【Fターム(参考)】