説明

LED標識灯

【課題】
メンテナンス期間が比較的長く、メンテナンスが容易に行える特に出入口側の路面に設置可能なLED標識灯を提供する。
【解決手段】
LED標識灯1は、複数個の発光ダイオード7および複数個の発光ダイオード7をそれぞれの放射方向が揃うようにして一面8aに直線状に配設している基体8を有するLED体2と、LED体2を収容している筒状の透光性のグローブ3と、発光ダイオード7を点灯する点灯装置4と、点灯装置4を収納している灯体本体5と、LED体2およびグローブ3のそれぞれの両端側を固定するようにして灯体本体5に取り付けられた一対の側面カバー6a,6bとを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空港や道路などにおいて、交通標識などに用いられるLED標識灯に関する。
【背景技術】
【0002】
空港における滑走路や誘導路などの路幅あるいは道路の路肩位置などを表示するため、路辺に沿い地表面上に設置される標識灯がある。この地上形の標識灯は、路上を走行する航空機や自動車の操縦者や運転者へ、路肩などの存在を知らせる作用をなし、路上を安全に誘導する働きをしている。
【0003】
ところで、滑走路や誘導路の出入口側に設置される標識灯は、棒状の発光体が用いられている。すなわち、操縦者に、棒状の発光体を視認させることにより、滑走路や誘導路の出入口を認識させることが行われている。そして、棒状の発光体として蛍光ランプが使用されている(非特許文献1参照。)。
【非特許文献1】灯仕第162号改4、T−2型誘導標識灯仕様書、昭和57年4月12日改正、運輸省航空局
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蛍光ランプを用いた標識灯は、その点灯回路が比較的高電圧回路のため、高度の絶縁性能を要するとともに、熱陰極の予熱回路なども必要で複雑な回路装置を要し、全体的に複雑な構成であるという欠点を有する。また、蛍光ランプは、温度依存性があり、特に低温では点灯始動性の低下や明るさの低下などが見られるという欠点を有する。さらに、標識灯の蛍光ランプは、電球よりは長寿命であるが、数千時間のオーダーである。このため、メンテナンスを比較的短期間で行う必要があり、複雑な構成のためにメンテナンスに手間や時間を要していた。
【0005】
本発明は、メンテナンス期間が比較的長く、メンテナンスが容易に行える特に出入口側の路面に設置可能なLED標識灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のLED標識灯の発明は、複数個の発光ダイオードおよびこの複数個の発光ダイオードをそれぞれの放射方向が揃うようにして一面に直線状に配設している基体を有するLED体と;このLED体を収容している筒状の透光性のグローブと;発光ダイオードを点灯する点灯装置と;この点灯装置を収納している灯体本体と;LED体およびグローブのそれぞれの両端側を固定するようにして灯体本体に取り付けられた一対の側面カバーと;を具備していることを特徴とする。
【0007】
本発明および以下の発明において、特に言及しない限り、各構成は以下による。
【0008】
「発光ダイオードを直線状に配設している」とは、発光ダイオードが基体に直線上に設けられていることに限らず、多少蛇行して設けられていてもよいことを意味する。また、一列に限らず、複数列に設けられていてもよい。
【0009】
発光ダイオードの放射方向は、主として光を放射する方向を示し、ひとつの方向に限定されない。例えば、発光ダイオードは、主として光軸を中心として互いに反対方向に光を放射するように構成されていてもよい。また、発光ダイオードは、その放射方向が基体の長手方向と直交する方向であることが望ましい。また、複数個の発光ダイオードは、基体に等間隔で設けられていることが望ましい。
【0010】
本発明によれば、LED体およびグローブは、一対の側面カバーを介して灯体本体に着脱される。したがって、メンテナンス時、側面カバーを灯体本体から取り外すことにより、LED体およびグローブの組み立てを容易に分解することができて、メンテナンス作業が容易に行える。
【0011】
請求項2に記載のLED標識灯の発明は、請求項1記載のLED標識灯において、配線コネクタを配設し、リード線を介して点灯装置に接続されている中継基板と;を具備し、一方の側面カバーは、配線コネクタがグローブ内に露出するように中継基板を取り付けており、LED体は、配線コネクタに配線されていることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、配線がない他方の側面カバーを灯体本体から取り外すことにより、メンテナンス作業が行える。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、複数個の発光ダイオードが同一方向に揃って光を放射するように基体の一面に直線状に配設されているので、放射光の出射効率が向上するとともに、側面カバーを取り外すことによりメンテナンス作業が容易に行えるので、省力化が図れるLED標識灯を提供することができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、LED体は、一方の側面カバーに配設された中継基板の配線コネクタに配線されているので、配線がない他方の側面カバーを灯体本体から容易に取り外すことができ、LED体およびグローブの組み立てを容易に分解することができる結果、メンテナンス作業を迅速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1ないし図8は、本発明の一実施の形態を示し、図1はLED標識灯であり、(a)は概略上面図、(b)は概略正面図、図2はLED標識灯の概略側面図、図3はLED標識灯の概略正面縦断面図、図4はLED体の概略分解上面図、図5は一方の側板カバーであり、(a)は概略正面図、(b)は(a)のA−A方向の概略断面図、(c)は概略背面図、図6は他方の側板カバーであり、(a)は概略正面図、(b)は(a)のB−B方向の概略断面図、(c)は概略背面図、図7は側面カバーおよびグローブの概略横断面図、図8は側面カバーおよびグローブの概略縦断面図である。
【0017】
図3において、LED標識灯1は、LED体2、グローブ3、点灯装置4、灯体本体5および一対の側面カバー6a,6bを有して構成されている。LED標識灯1は、LED体2がグローブ3に収容され、それらの両端が側面カバー6a,6bに挟持され、側面カバー6a,6bが灯体本体5に固定されている。
【0018】
LED体2は、図4に示すように、発光ダイオード(LED)7、基体8、絶縁体としての放熱シート9および台座10を有して構成されている。発光ダイオード7は、面実装形であり、レンズを備え、主として光軸を中心として互いに反対方向に光を放射するように構成されている。また、発光ダイオード7は、例えば青色光を放射するように形成されている。
【0019】
基体8は、伝熱性を有する金属例えばアルミニウム(Al)からなり、板状の細長い長方形に形成されている。そして、一面8aから発光ダイオード7をねじ止めするための一対のねじ孔11,11が等間隔で形成されている。ねじ孔11,11は、ねじ孔11,11を結ぶ方向が基体8の長手方向と直交する方向となるように設けられている。したがって、複数個の発光ダイオード7は、基体8の一面8aに直線状に配設され、それぞれの放射方向が揃うとともに、基体8の長手方向に沿ってほぼ均等な光を放射することができる。
【0020】
また、基体8には、連結ネジ12,12を挿通するための一対の孔13,13が等間隔で複数箇所に設けられている。孔13,13には、例えばナイロンからなる絶縁スペーサ14が取り付けられている。そして、放熱シート9には、孔12,12に対応する孔15,15が形成され、台座10には、同じく、ねじ孔16,16が設けられている。連結ネジ12,12は、放熱シート9の孔12,12を挿通して、台座10のねじ孔16,16に螺着されている。これにより、発光ダイオード7を実装した基体8は、放熱シート9を介して台座10に固定されている。
【0021】
放熱シート9は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなり、基体8と同形状に形成されている。放熱シート9は、基体8と台座10とを絶縁させるとともに、発光ダイオード7から基体8に伝熱された熱を台座10に伝熱させる。
【0022】
台座10は、伝熱性を有する金属例えばアルミニウム(Al)からなり、基体7および放熱シート8が取り付けられる平面部10aを有し、この平面部10aを除く外面がグローブ3の内面に沿う略円弧状に形成された棒状体である。そして、両端面10b,10bに、それぞれ所定の深さを有する一対のねじ取付け部17,17が設けられている。台座10は、ねじ取付け部17,17に螺着されたネジにより、一対の側面カバー6a,6bに固定される。すなわち、LED体2は、一対の側面カバー6a,6bに固定されている。そして、LED体2は、グローブ3に収容されている。
【0023】
グローブ3は、透光性の乳白ポリカーボネート(PC)樹脂からなり、円筒状に形成されている。その長手寸法は、図3に示すように、LED体2の基体8よりも幾分長くなっている。LED体2は、側面カバー6a,6bに固定されているときに、台座10の円弧状外面がグローブ3の下部側内面に近接するようにしてグループ3に収容されている。グローブ3内の上部側には、空間18が形成されている。
【0024】
点灯装置4は、灯体本体5の上部体19に収納されている。点灯装置4は、後述するように、LED体2に一方の側面カバー6bを通して配線している。点灯装置4は、給電されると、発光ダイオード7に電流を供給して発光ダイオード7を点灯させる。また、点灯装置4は、図2に示すように、上部体19の外面に設けた切換スイッチ20の切り換えに応じて、発光ダイオード7を定格(全光)点灯または調光点灯させるように形成されている。
【0025】
灯体本体2は、図3に示すように、上部体19、下部体21およびアーム金具22により構成されている。上部体19は、アルミ鋳物からなり、正面視逆台形の有底の略箱状に形成されている。そして、その底面19aに点灯装置4の回路部品などを配設している。上部体19は、下部体21の一端側21aに図示しないネジにより固定されている。
【0026】
下部体21は、アルミ鋳物からなり、外面にねじ孔形成用の凸部23を有する略円筒状に形成されている。そして、他端側21bから内部に略円筒状の可折接手24が挿入するようにして、可折接手24に取り付けられている。下部体21は、回転されて位置決めされた後、ボルト25により可折接手24に固定されている。
【0027】
アーム金具22は、アルミニウム(Al)からなり、長方形の筒状(角パイプ)に形成され、下面中央部に上部体19の内部に連通する図示しない開口を有しており、下面が上部体19に図示しないネジにより固定されている。前記開口を通して、上部体19の内部に配設している点灯装置4の出力線(リード線)がアーム金具22の他端側22bまで導入されている。
【0028】
そして、アーム金具22は、長手方向の両端側22a、22bにおいて、連結金具26,26を皿ネジ27,27で取り付けている。そして、連結金具26,26は、ボルト28A,28により側面カバー6a,6bを取り付けている。すなわち、側面カバー6a,6bは、灯体本体5に取り付けられている。
【0029】
側面カバー6aは、伝熱性の金属例えばアルミニウム(Al)からなり、図5に示すように、前面下部側29aが突出している側面視略L形、前面視略楕円形の部材に形成されている。すなわち、前面下部側29aには、灯体本体5のアーム金具22が挿入される深さが相対的に大きい長方形の凹部30が形成され、前面上部側29bには、グローブ3が嵌合される深さが相対的に小さい円状の溝部31が形成されている。凹部30の底面30aは、図5(b)に示すように、アーム金具22を充分に載置して支持できる大きさとなっている。
【0030】
側面カバー6aの背面29cには、短幅方向の中心であって長手方向に沿う長方形状の凹部32が形成され、さらにその凹部32の底面32aに凹部32よりも幾分小さい長方形状の凹部33が形成されている。そして、凹部33の底面33aから前面下部側29aの凹部30に連通する円形の貫通孔34が形成されている。
【0031】
また、図5(c)に示すように、凹部32を挟んで背面29cから凹部30に連通する一対の貫通孔35,35が形成されている。さらに、凹部32を挟んで背面29cから溝部30の内側の前面上部側29bに貫通する一対の貫通孔36,36が形成されている。貫通孔35,35は、連結金具26,26の後述するねじ孔に対応して設けられ、貫通孔36,36は、LED体2の台座10のねじ取付け部17,17に対応して設けられたものである。
【0032】
また、前面上部側29bには、図5(a)に示すように、円状の溝部31の中心部に比較的大きい皿状の凹部37が形成されている。そして、背面29cには、図5(c)に示すように、凹部32を挟んで後述する側板をねじ止めするための一対のねじ孔38,38が設けられている。
【0033】
側面カバー6bは、以下の点を除き、側面カバー6aと同等に形成されている。すなわち、図6(a)および図6(b)に示すように、凹部33の底面33aから凹部37に貫通する貫通孔39が形成されている。また、凹部33の底面33aに一対のねじ孔40,40が形成され、さらに凹部32の底面32aに一対のねじ孔41,41が形成されている。一対のねじ孔40,40は、後述する中継基板を取り付けるためのものであり、一対のねじ孔41,41は、後述する中継基板カバーを取り付けるためのものである。また、貫通孔39は、中継基板に配設された配線コネクタを挿通させるためのものである。凹部33から凹部30に貫通している貫通孔34は、中継基板に配設された中継コネクタを貫通させるためのものである。
【0034】
なお、凹部32,33および貫通孔35,36は、ボルトやネジの頭部がそれらから突出しないように設計されている。また、側面カバー6aに設けた貫通孔34および皿状の凹部37は、側面カバー6bとの共用化を図るために設けたものであり、側面カバー6aでは実用しなく、設けなくてもよいものである。
【0035】
一対の側面カバー6a,6bは、LED体2およびグローブ3を固定するとともに、一対の連結金具26,26を介して灯体本体5のアーム金具22に取り付けられている。まず、側面カバー6a,6bのアーム金具22への取付けについて説明する。
【0036】
連結金具26,26は、ステンレス(SUS)からなり、直方体に形成され、アーム金具22内に収納されている。そして、図8に示すように、アーム金具22への設置面(下面)から背面(上面)に貫通するねじ孔42が形成され、長手方向の一方の側面から他方の側面に貫通するねじ孔43が形成されている。図中、ねじ孔42およびねじ孔43は、それぞれ1個が記載されているが、ねじ孔42は、連結金具26の幅方向に等間隔で3個形成され、ねじ孔43は、幅方向のねじ孔42,42間にそれぞれ1個、合計2個形成されている。
【0037】
そして、アーム金具22の一端側22aおよび他端側22bには、それぞれ連結金具26のねじ孔42に対応する皿孔44が3個形成されている。この皿孔44から皿ネジ27を連結金具26のねじ孔42に締結する。こうして、アーム金具22の両端側22a,22bに、それぞれ連結金具26が配置(固定)されている。
【0038】
そして、アーム金具22の他端側22bに他方の側面カバー6bが取り付けられる。この前に、側面カバー6bには、中継基板45および中継基板カバー46が取り付けられる。中継基板45は、例えば紙フェノール材やガラスエポキシ材からなり、側面カバー6bの凹部33に配設される大きさの長方形に形成され、中継コネクタ47および配線コネクタ48を配設している。基板カバー45は、例えばアルミニウム板からなり、凹部32に配設される大きさの長方形に形成されている。
【0039】
中継基板46は、中継コネクタ47および配線コネクタ48を側面カバー6bの貫通孔34および貫通孔39にそれぞれ挿通するようにして、凹部33内に挿入され、ネジ49,49をねじ孔40,40に螺着することにより、凹部33の底面33aに固定される。この後、例えばシリコーンからなり、凹部32とほぼ同等の大きさの長方形に形成されたパッキン50と、基板カバー46とが凹部32内に挿入される。そして、ネジ51,51をねじ孔41,41に螺着することにより、基板カバー46は、パッキン50を介して凹部32の底面32aに固定される。これにより、中継基板45が配設されている凹部33内を水密にすることができる。
【0040】
そして、アーム金具22の他端側22bに導入された点灯回路4の出力線の先端に取り付けられたコネクタ(図示しない。)をOリング52の内側に通して、側面カバー6bの凹部30内に突出した中継コネクタ47に接続する。この後、Oリング52を凹部30に挿入し、側面カバー6bを移動してアーム金具22の他端側22bを凹部30に挿入させる。そして、2本のボルト28を貫通孔35,35に挿入し、連結金具26のねじ孔43,43に完全に螺着する。これにより、側面カバー6bは、アーム金具22の他端側22bに取り付けられる。
【0041】
側面カバー6aは、側面カバー6bの場合と同様にして、アーム金具22の一端側22aに取り付けることができる。この前に、LED体2およびグローブ3を側面カバー6a,6bを取り付けられるようにする。
【0042】
LED体2をグローブ3に収容し、基体8から導出されたリード線の先端に取り付けられたコネクタ(図示しない。)をOリング53の内側に通し、側面カバー6bの皿状の凹部37内に突出している配線コネクタ48に接続する。これにより、LED体2の発光ダイオード7は、中継基板45を介して点灯装置4に接続される。この後、Oリング53を溝部31に嵌め込み、さらにグローブ3の他端側3bを溝部31に嵌め込むようにする。
【0043】
そして、図7に示すように、2本のボルト54を貫通孔36,36に挿入し、LED体2の台座10のねじ取付け部17,17に完全にねじ込む。これにより、LED体2は、側面カバー6bに固定される。この後、図8に示すように、側面カバー6aの凹部30にOリング55を挿入し、側面カバー6aの溝部31にOリング56を嵌め込み、側面カバー6aを移動してアーム金具22の一端側22aを凹部30に挿入させ、溝部31にグローブ3の一端側3aを嵌め込む。
【0044】
そして、2本のボルト28Aを側面カバー6aの貫通孔35,35に挿入して、連結金具26のねじ孔43,43に螺着するとともに、2本のボルト54Aを貫通孔36,36に挿入して、LED体2の台座10のねじ取付け部17,17にねじ込む。これにより、一対の側面カバー6a,6bは、アーム金具22の両端側22a,22bに取り付けられ、LED体2は、発光ダイオード7がグローブ3の頂上側を向くようにして一対の側面カバー6a,6bに固定され、グローブ3は、一対の側面カバー6a,6bに挟持されて固定される。
【0045】
そして、一対の側面カバー6a,6bは、それぞれの背面29cに側板57a,57bがそれぞれ被され、ねじ孔38,38にネジ58A,58Bが螺着されて固定されるものである。灯体本体5のアーム金具22内は、Oリング52,55により水密にされ、グローブ3内は、Oリング53,56により水密にされる。また、アーム金具22には、複数のねじ孔59が形成されており、図1(b)に示すように、ねじ孔59に螺着されたネジ60により、防塵板61が取り付けられている。
【0046】
次に、本発明の一実施の形態の作用について述べる。
【0047】
点灯装置5が給電されると、LED体2の発光ダイオード7が点灯し、発光ダイオード7から青色光が放射される。発光ダイオード7は、光軸を中心として互いに反対方向に光を放射するように構成され、複数個の発光ダイオード7のそれぞれの放射方向が揃うようにかつ等間隔で基体8に直線状に配設されているので、発光ダイオード7からの放射光は、主としてグローブ3の長手方向の両側から出射されるとともに、グローブ3の長手方向に亘ってほぼ均一に出射される。
【0048】
LED標識灯1は、発光ダイオード7からの放射光が主としてグローブ3の長手方向の両側から出射され、グローブ3の周回方向に亘って出射されないので、放射光の出射効率が向上している。また、例えば空港の滑走路や誘導路または道路の出入口において、操縦士や運転者がグローブ3の長手方向を視認するようにLED標識灯1を設置することにより、操縦者や運転者は、当該出入口を良好に確認することができる。LED標識灯1の設置方向は、灯体本体5の下部体21を可折接手24において回転させることにより行うことができる。
【0049】
そして、発光ダイオード7が点灯すると、発光ダイオード7が発熱し、LED体2の基体8に伝熱される。基体8に伝熱された熱は、放熱シート9から台座10に伝熱される。ここで、基体8および台座10は、伝熱性を有する金属例えばアルミニウム(Al)により形成され、放熱シート9は、伝熱性を有する例えばポリエチレンテレフタレート樹脂から形成されているので、発光ダイオード7からの熱は、迅速に台座10に伝熱される。
【0050】
そして、台座10をボルト54,54Aにより固定している一対の側面カバー6a,6bは、伝熱性を有する金属例えばアルミニウム(Al)により形成されているとともに、外気に露出しているので、台座10に伝熱した熱は、一対の側面カバー6a,6bに迅速に伝熱され、灯体本体5の外部空間(外気)に放出される。これにより、基体8に配設された発光ダイオード7は、グローブ3内に水密に設けられていても、その温度上昇が抑制されるようになる。この結果、発光ダイオード7の発光効率の低下を抑制することができるとともに、発光ダイオード7を長寿命化することができる。
【0051】
そして、LED標識灯1は、通常、定期点検が行われる。また、例えば発光ダイオード7が寿命になったり、発光ダイオード7に開放や短絡が発生したりしてLED体2に不具合が発生することがある。また、グローブ3に飛散物が当たって、グローブ3が傷つくことがある。このような場合には、臨時的に、メンテナンス作業が行われる。
【0052】
LED標識灯1のメンテナンスを行うには、まず、防塵板61をアーム金具22から取り外し、ネジ58Aを取り外して、側板57aを側面カバー6aから取り外す。そして、側面カバー6aとLED体2の台座10を固定しているボルト54A,54Aを取り外す。この後、側面カバー6aと連結金具26を固定しているボルト28A,28Aを取り外す。このとき、グローブ3を例えば手で支えるようにする。これにより、側面カバー6aは、アーム金具22およびグローブ3から取り外される。
【0053】
そして、グローブ3を長手方向に移動させてLED体2を露出させる。このとき、台座10を支えるようにすると好適であるが、台座10の支持は、側面カバー6bにおけるボルト54,54で十分に保てるものである。そして、LED体2を交換するときには、中継基板45に配設している配線コネクタ48に対するリード線のコネクタの着脱を行って、新品に置き換える。発光ダイオード7を基体8ごと交換するには、基体8と台座10を取り付けているねじ12の着脱を行って、新品に置き換える。また、グローブ3を交換するには、新品を使用するようにする。そして、LED体2をグローブ3に収容して、上述したように、側面カバー6aを連結金具26およびLED体2の台座10に固定させるとともに、グローブ3を一対の側面カバー6a,6bに挟持するようにして固定させる。
【0054】
このように、LED体2は、側面カバー6bに設けられた中継基板45の配線コネクタ48に配線されているので、配線がない側面カバー6aを灯体本体5のアーム金具22から容易に取り外すことができ、側面カバー6a、LED体2およびグローブ3の組み立てを容易に分解することができるとともに、容易に組み立てることができる。この結果、メンテナンス作業を迅速に行うことができて省力化を図ることができる。また、発光ダイオード7は、比較的長寿命であるので、メンテナンス期間を長くすることができ、省力化を図ることができる。
【0055】
なお、中継基板45の定期点検などを行うときには、側面カバー6bにおいて、側板57bを取り外した後、中継基板カバー46および中継基板45を取り外して行う。中継コネクタ47と点灯装置4の出力線のコネクタ、配線コネクタ48とLED体2のリード線のコネクタを取り外し、ボルト28およびボルト54を取り外すことにより、側面カバー6aと同様にして、側面カバー6b、LED体2およびグローブ3を容易に分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施の形態を示すLED標識灯であり、(a)は概略上面図、(b)は概略正面図。
【図2】同じく、LED標識灯の概略側面図。
【図3】同じく、LED標識灯の概略正面縦断面図。
【図4】同じく、LED体の概略分解上面図。
【図5】同じく、一方の側板カバーであり、(a)は概略正面図、(b)は(a)のA−A方向の概略断面図、(c)は概略背面図。
【図6】同じく、他方の側板カバーであり、(a)は概略正面図、(b)は(a)のB−B方向の概略断面図、(c)は概略背面図。
【図7】同じく、側面カバーおよびグローブの概略横断面図。
【図8】同じく、側面カバーおよびグローブの概略縦断面図。
【符号の説明】
【0057】
1…LED標識灯
2…LED体
3…グローブ
4…点灯装置
5…灯体本体
6a,6b…一対の側面カバー
8…基体
9…絶縁体としての放熱シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の発光ダイオードおよびこの複数個の発光ダイオードをそれぞれの放射方向が揃うようにして一面に直線状に配設している基体を有するLED体と;
このLED体を収容している筒状の透光性のグローブと;
発光ダイオードを点灯する点灯装置と;
この点灯装置を収納している灯体本体と;
LED体およびグローブのそれぞれの両端側を固定するようにして灯体本体に取り付けられた一対の側面カバーと;
を具備していることを特徴とするLED標識灯。
【請求項2】
配線コネクタを配設し、リード線を介して点灯装置に接続されている中継基板と;
を具備し、一方の側面カバーは、配線コネクタがグローブ内に露出するように中継基板を取り付けており、LED体は、配線コネクタに配線されていることを特徴とする請求項1記載のLED標識灯。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−9973(P2010−9973A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−168910(P2008−168910)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】