LNG施設のための垂直熱交換器構造
冷媒との間接的熱交換を介して天然ガスを冷却するために1つ又はそれよりも多くの垂直ケトル内コア熱交換器を利用するLNG施設。垂直ケトル内コア熱交換器はプロット空間を節約し、LNG施設内で利用されるコールドボックスのサイズを低減するために使用され得る。加えて、垂直ケトル内コア熱交換器は、コアに対する改良された冷媒アクセス、コア周りの改良された冷媒循環、及び/又は、コアより上の改良された蒸気/液体分離の故に、増大された熱移転効率を示し得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然ガスを液化するための方法及び装置に関する。他の特徴において、本発明は、冷媒と冷却流体との間の間接的熱移転を促進するための改良された方法及び装置に関する。さらに他の特徴において、本発明は、天然ガスを冷却する少なくとも1つの垂直ケトル内コアを利用する天然ガスを液化するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガスの低温液化は、天然ガスを輸送及び貯蔵により便利な形態に変換する手段として普通に実施されている。そのような液化は、天然ガスの容積を約600倍だけ減少し、その結果、大気圧付近で貯蔵され且つ輸送され得る製品が得られる。
【0003】
天然ガスは、パイプラインによって供給源から遠方の市場へ輸送されることが多い。実質的に一定且つ高い負荷率の下でパイプラインを稼働するのが望ましいが、しばしばパイプラインの配送性及び容量は要求を超過し、他の時には、要求がパイプラインの配送性を超過する。要求が供給を超過するピーク又は供給が要求を超過する谷を剃り落とすために、要求が供給を超過するときに超過ガスが送り出され得るよう、超過ガスを貯蔵することが望ましい。そのような手法は将来的な要求ピークが貯槽からの材料で満足されることを可能にする。これを行うための1つの実際的な手段は、ガスを液化状態に変換し、次に、要求に応じて液体を気化することである。
【0004】
候補市場から遠距離によって隔離された供給源からガスを輸送し、且つ、パイプラインも利用可能でないか或いは実際的でないときに、天然ガスの液化はより大きく重要でさえある。これは輸送が外航船によって行われなければならない場合に実際的に当て嵌まる。気相状態での船輸送は一般的に実際的でない。何故ならば、ガスの特定容積を著しく減少するために相当な加圧が求められるからである。そのような加圧は、より高価な貯蔵容器の使用を必要とする。
【0005】
天然ガスを液状で貯蔵し且つ輸送するために、天然ガスは、好ましくは、液化天然ガス(LNP)が近大気蒸気圧を保有する−240°F〜−260°Fに冷却される。天然ガスの液化のための多くのシステムが従来技術に存在し、ガスは、複数の冷却段階を通じてガスを高圧で順次的に通すことによって液化され、然る後、ガスは、液化温度に達するまで連続的に低温に冷却される。冷却は、一般的に、プロパン、ポリピレン、エタン、エチレン、メタン、窒素、二酸化炭素、又は、先行冷媒の組み合わせ(例えば、混合冷媒システム)のような1つ又はそれよりも多くの冷媒を用いた間接熱交換によって達成される。本発明に特に適用可能な液化方法は、最終冷却サイクルのために開放メタンサイクルを利用し、加圧LNG含有流はフラッシュされ、フラッシュされた蒸気(即ち、フラッシュされたガス流)は、引き続き、冷却剤として利用され、再圧縮され、冷却され、処理天然ガス供給流と混合され、且つ、液化されることによって、加圧LNG含有流を生成する。
【0006】
多くのLNG施設は、天然ガス埋蔵地付近の比較的遠隔地に配置される。新しいLNG施設がそのような沿革場所に建造されるとき、LNG施設の主要コンポーネントがより人口集中した地域で製造され、引き続き、最終組立てのためにLNG施設の場所に(普通は外航船によって)輸送される。コストを節約するために、LNG施設のバルクな複雑なコンポーネントは輸送前に建築されるのが望ましいので、LNG施設の場所での建設の殆どは、事前製造された複雑なコンポーネントの比較的簡単な組立てを含む。しかしながら、LNG施設の容積及びサイズが増大するに応じて、特定の複雑なコンポーネントは、現地外で建設し、次に、最終目的地に輸送するには大きくなり過ぎる。1つのそうようなコンポーネントは「コールドボックス」として知られる。
【0007】
コールドボックスは、同様な低温で動作する複数の冷却コンポーネント(例えば、熱交換器、弁、及び、導管)を収容する囲壁である。典型的なコールドボックスにおいて、冷却コンポーネントは囲壁内で組み立てられ、複数の冷却コンポーネントを絶縁するために流動性を有する絶縁体(例えば、膨張パーライトの粒子)によって取り囲まれる。コールドボックスは、各コンポーネントを個別に絶縁するのに対して、複数の冷却コンポーネントを絶縁するためのより一層効率的且つ費用効率的な手段を提供する。
【0008】
上記に暗示されたように、コールドボックスの全てのコンポーネントをより人口集中した地域で組み立て、次に、組み立てられたコールドボックス全体を据付けのために遠隔のLNG施設場所に輸送するのがより一層安価である。しかしながら、LNG施設の容積及びサイズが増大し続けると、コールドボックスのサイズも増加する。事実、幾つかのコールドボックスは今や標準的な外航船で輸送するには大き過ぎる。コールドボックスのサイズ増加の主要な理由は、より大きなLNG施設のより大きな冷却要求の故に、コールドボックス内部に配置される従来的な水平のケトル内コア熱交換器のサイズが増大することである。よって、従来的な水平なケトル内コア値熱交換器を利用する新規に建設される高容積LNG施設は、現地で組み立てられることを要求する。何故ならば、事前組立コールドボックスは、標準的な外航船で輸送するには大き過ぎるからである。
【0009】
従来的な水平なケトル内コア熱交換器によって引き起こされるサイズ/空間問題に加えて、多数の熱移転非効率が、そのような水平なケトル内コア熱交換器と関連付けられ得る。例えば、交換器のコアよりも下に設けられる最小液体冷媒深さは、コアへの液体冷媒の利用性を阻害し得る。また、コアの頂部とシェルの上方ガス状冷媒出口との間の垂直距離は、気相及び液相の冷媒の十分な分離をもたらすには小さ過ぎ得る。コアより上の十分な液体/ガス分離が達成されないとき、上向きに流れるガス状冷媒内に混入される著しい量の液体冷媒が、シェルの上方ガス状冷媒出口から望ましくなく排出し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、より多くのコンポーネントが現地外で製造され、次に、輸送され、LNG施設の場所で組み立てられることを可能にする新規な天然ガス液化システムを提供することが望ましい。
【0011】
再び、コールドボックスの寸法を最小限化する冷却コンポーネントを利用するコールドボックス構造を提供することが望ましい。
【0012】
さらに再び、従来的な水平なケトル内コア熱交換器に関連する非効率を克服する間接的熱交換システムを提供することが望ましい。
【0013】
上記の目的は例示的であり、ここに請求される本発明によって全て達成されることは必要でない。本発明の他の目的及び利点は、記載された記載及び図面から明らかであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
従って、本発明の1つの特徴は、冷媒からの熱を冷却流体に移転する方法に関する。本方法は、(a)冷媒をシェル内に定められる1よりも大きな高さ対幅比を有する内部容積に導入するステップと、(b)冷却流体をシェルの内部容積内に配置されるプレート−フィンコア内に導入するステップと、(c)コア内の冷却流体からの熱を、間接的熱交換を介して、冷媒に移転するステップとを含む。
【0015】
本発明の他の特徴は、天然ガス流を液化するプロセスに関する。本プロセスは、(a)主にプロパン又はプロピレンを含む第一冷媒との間接的熱交換を介して天然ガス流を冷却するステップと、(b)主にエタン又はエチレンを含む第二冷媒との間接的熱交換を介して天然ガスをさらに冷却するステップとを含み、ステップ(a)及び/又は(b)の冷却するステップの少なくとも一部は、少なくとも1つの垂直なケトル内コア熱交換器によって遂行される。
【0016】
本発明のさらなる特徴は、内部容積と、内部容積内に配置される少なくとも1つのコアとを含む熱交換器に関する。シェルは、実質的に円筒形の側壁と、正上方エンドキャップと、正下方エンドキャップとを含む。上方及び下方のエンドキャップは、側壁の概ね両端部に配置される。側壁は、内部容積内へシェル側流体を受容するための流体入口を定める。正上方エンドキャップは、内部容積からの気相シェル側流体を排出するための蒸気出口を定める。正下方エンドキャップは、内部容積からの液相シェル側流体を排出するための液体出口を定める。
【0017】
本発明のさらに他の特徴は、内部容積を定めるシェルと、シェル内に配置されるコアとを含む熱交換器に関する。シェルは、中心側壁軸に沿って延びる実質的に円筒形の側壁内部容積を含む。コアは、複数のコア側通路と、複数のシェル側通路とを定める。コア側通路は、シェルの前記内部容積から流体的に隔離されるのに対し、シェル側通路は、シェルの内部容積との流体連絡をもたらす反対の開放端部を提供する。シェル側通路は、熱交換器が側壁軸と実質的に直立向きに位置付けられるとき、熱サイフォン効果がシェル側通路内に創成されるよう、側壁軸の延長方向と実質的に平行な方向に延びる。
【0018】
本発明のさらに他の特徴は、シェルと、シェル内に配置されるプレート−フィンコアと、支持構造とを含む。シェルは、中心側壁軸に沿って延びる実質的に円筒形の側壁を含み、支持構造は、側壁軸が実質的に直立な垂直構造にシェルを支持するよう構成される。
【0019】
本発明のさらなる特徴は、内部容積を定めるコールドボックスと、内部容積内に配置される複数の垂直ケトル内コア熱交換器とを含む。
【0020】
本発明のさらなる特徴は、1つ又はそれよりも多くの冷媒との間接的熱交換によって天然ガス供給流を冷却するための液化天然ガス施設に関する。液化天然ガス施設は、第一冷媒との間接的熱交換を介して天然ガス流を冷却するための第一冷却サイクルを含む。第一冷却サイクルは、第一垂直ケトル内コア熱交換器を含み、互いに隔離されたケトル側容積互いに流体的に隔離されたケトル側容積と、コア側容積とを定める。ケトル側容積は、第一冷媒を収容するよう構成されるのに対し、コア側容積は、天然ガス流を受容するよう構成される。
【0021】
本発明の好適実施態様が添付の図面を参照して以下に詳細に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、高容量LNG施設における益々大きなコールドボックスの必要に由来する上記の問題に対する解決を探索中に着想された。しかしながら、本発明の少なくとも1つの実施態様は、天然ガス液化の領域外にも用途を見い出し得る。例えば、図1乃至9に描写される垂直ケトル内コア熱交換器設計は、LNGプロセス/施設における使用に良好に適するが、これらの熱交換器は、間接熱移転を要求する多くの他の用途のために望ましいそれらの実施を行う増大された効率を示す。
【0023】
初めに図1を参照すると、発明的な垂直ケトル内コア熱交換器10が、シェル12及びコア14を概ね含むよう例証されている。シェル12は、実質的に円筒形の側壁16と、上方エンドキャップ18と、下方エンドキャップ20とを含む。上方及び下方エンドキャップ18,20は、側壁16の概ね反対端部に結合される。側壁16は、熱交換器10が使用されているときに実質的に直立位置に維持される中心側壁軸22に沿って延在する。シェル12の直立無機を維持するために、如何なる従来的な支持システム23a,bも使用し得る。シェル12は、コア14とシェル側流体(A)とを収容するための内部容積24を定める。側壁16は、シェル側流体供給流(Ain)を内部容積24内に導入するためのシェル側流体入口26を定める。上方エンドキャップ18は、ガス状の/気化したシェル側流体(Av−out)を内部容積24から排出するための蒸気出口28を定めるのに対し、下方エンドキャップ20は液体シェル側流体(AL−out)を内部容積24から排出するための液体出口30を定める。
【0024】
熱交換器10のコア14が、シェル12の内部容積24内に配置され、液体シェル側流体(A)に部分的に浸水される。コア14はコア側流体(B)を受け、コア側流体(B)とシェル側流体(A)との間の間接的熱移転を促進する。コア側流体入口32が、シェル12の側壁16を通じて延在し、コア14の入口ヘッダ34に流体的に結合され、それによって、コア14内へのコア側流体供給流(Bin)の導入を提供する。コア側流体出口36が、コア14の出口ヘッダ38に流体的に結合され、シェル12の側壁16を通じて延在し、それによって、コア14からのコア側流体(Bout)の排出を提供する。
【0025】
図2及び3におそらく最良に例証されているように、コア14は、好ましくは、複数の離間したプレート/フィン分割器を含み、それらの間に流体通路を定める。好ましくは、分割器は、複数の交互する流体隔離されたコア側通路42a,b及びシェル側通路44a,bを定める。図1乃至3を参照すると、コア側及びシェル側通路42,44は、中心側壁軸22の延長方向と実質的に平行な方向に延在するのが好ましい。コア側通路42は、入口ヘッダ34からコア側流体(B)を受け取り、コア側流体(B)を出口ヘッダ38内に排出する。シェル側通路44は、シェル12の内部容積24との流体連絡を提供する対向する開放端部を含む。
【0026】
図3に例証されるように、シェル側流体(A)及びコア側流体(B)は、コア14のシェル側及びコア側通路44,32を通じて対流状に流れる。好ましくは、コア側流体(B)は、コア側通路42を通じて概ね下向きに流れるのに対し、シェル側流体(A)は、シェル側通路44を通じて概ね上向きに流れる。コア14を通じたコア側流体(B)の下向きの流れは、如何なる従来的な手段によっても、例えば、流体(B)をコア側流体入口32(図1)に高圧で機械的にポンピングすることによって提供される。コア14を通じたシェル側流体(A)の上向きの流れは、当該技術分野において「熱サイフォン効果」として知られる特異な機構によってもたらされる。熱サイフォン効果は、直立流れチャネル内の液体の沸騰によって引き起こされる。液体が沸騰し始めるまで、液体が開放端部付き直立の流れチャネル内で加熱されると、結果として生じる蒸気は、自然な浮力の故に、流れチャネルを通じて上昇する。直立流れチャネルを通じた蒸気のこの上昇は、流れチャネルの下方部分内で液体にサイフォン効果を引き起こす。もし流れチャネルの下方開放端部に液体が連続的に供給されるならば、熱サイフォン効果によって、流れチャネルを通じた液体の連続的な上向きの流れがもたらされる。
【0027】
図1乃至3を参照すると、熱交換器10内にもたらされる熱サイフォン効果は、シェル側流体(A)を、コア14を通じて並びにコアの周りに循環する自然対流ポンプとして作用し、それによって、コア14内の間接的熱交換を増大する。熱サイフォン効果は、シェル側流体(A)をコア14のシェル側通路44内で気化させる。最適な熱サイフォン効果を発生するために、コア14の大部分は、液体表面レベル46より下で液体シェル側流体(A)内に浸水されなければならない。シェル側通路44の下方開口への液体シェル側流体(A)の適切な利用性を保証するために、コア14の底部と内部容積24の底部との間に実質的な空間が提供されるのが好ましい。ガス状シェル側流体を排出する蒸気出口28内の混入された液相シェル側流体の適切な分離を保証するために、コア14の頂部と内部容積24の頂部との間に実質的な空間が提供されるのが好ましい。コア14の周りの液体シェル側流体の適切な循環を保証するために、コア14の側部とシェル12の側壁16との間に実質的な空間が提供されるのが好ましい。図1に例証され且つ以下の表1において定量化される寸法及び比率を備える熱交換器10を建設することによって、上述の利点を実現しうる。
【0028】
【表1】
【0029】
図1において、X1は、中心側壁軸22の延長方向に対して垂直に測定された反応ゾーン24の最大幅である。X2は、中心側壁軸22の延長方向に対して垂直に測定されたコア14の最小幅である。Y1は、中心側壁軸22の延長方向と平行に測定された反応ゾーン24の最大高さである。Y2は、中心側壁軸22の延長方向と平行に測定されたコア14の最大高さである。Y3は、中心側壁軸22の延長方向と平行に測定されたコア14の底部と反応ゾーン24の底部との間の最大間隔である。Y4は、中心側壁軸22の延長方向と平行に測定されたコア14の頂部と反応ゾーン24の頂部との間の最大間隔である。
【0030】
本発明の好適な実施態様において、熱交換器10は、垂直ケトル内コア熱交換器であり、コア14は、鑞付けアルミニウム、プレート−フィンコアである。ここにおいて使用されるとき、「ケトル内コア熱交換器」という用語は、シェル側流体とコア側流体との間の間接的熱移転を促進するよう動作可能な熱交換器を意味し、熱交換器は、シェル側流体を受け取るためのシェルと、コア側流体を受け取るためにシェル内に配置されるコアとを含み、コアは、複数の離間されたコア側流体通路を定め、シェル側流体は、コア側通路間に定められる離散的なシェル側通路を通じて自由に循環される。ケトル内コア熱交換器とシェル及び管熱交換器との間の1つの際立った特徴は、シェル及び管熱交換器は管間に離散的なシェル側通路を有さないことである。ケトル内コア熱交換器の離散的なシェル側通路は、それが熱サイフォン効果を最大限に利用することを可能にする。ここにおいて使用されるとき、「垂直ケトル内コア熱交換器」という用語は、中心側壁軸に沿って延在する実質的に円筒形の側壁を含むシェルを有するケトル内コア熱交換器を意味し、中心側壁軸22は実質的に直立位置に維持される。
【0031】
図4及び5を今や参照すると、代替的な垂直ケトル内コア熱交換器100が、シェル102と、第一コア104と、第二コア106とを概ね含むものとして例証されている。熱交換器100の2つの別個のコア104,106は、シェル側流体(A)と2つの別個のコア側流体(B1及びB2)との間の同時の間接的熱移転を許容する。動作中に両方のコア104,106が液体シェル側流体(A)内に部分的に浸水されるよう、コア104,106は隣り合って配置されるのが好ましい。二重コア熱交換器100のシェル102及びコア104,106は、好ましくは、図1乃至3の単一コア熱交換器10を参照して上記に記載されたものと同様に構成される。
【0032】
図6及び7を今や参照すると、代替的な垂直ケトル内コア熱交換器200が、シェル202と、第一コア204と、第二コア206と、第三コア208とを概ね含むように例証されている。熱交換器200の3つの別個のコア204,206,208は、シェル側流体(A)と3つの別個のコア側流体(B1,B2,B39との間の同時の間接的熱移動を許容する。動作中に全てのコア204,206,208が液体シェル側流体(A)内に部分的に浸水されるよう、コア204,206,208は隣り合って配置されるのが好ましい。三重コア熱交換器200のシェル102及びコア204,206,208は、好ましくは、図1乃至3の単一コア熱交換器10を参照して上記に記載されたものと同様に構成される。
【0033】
図8を今や参照すると、代替的な垂直ケトル内コア熱交換器300が、段階付きシェル302と、コア304とを概ね含むように例証されている。段階付きシェル302は、実質的に円筒形の狭い上方区画306と、実質的に円形の広い下方区画308と、上方及び下方区画306,308を接続する概ね切頭円錐形の移行区画310とを含む。広い下方区画306の最大幅(X1)の狭い上方区画304の最大幅(X3)に対する比率は、少なくとも約1.1:1、より好ましくは、少なくとも約1.25:1、最も好ましくは、1.5:1〜2:1の範囲内であるのが好ましい。熱交換器300の段階付きシェル302は、シェル302の上方出口を通じた蒸気の排出の前に蒸気/液体分離を許容するために、コア304の上により垂直な空間をもたらす。加えて、熱交換器300の構造は、装置の重心を下げる。
【0034】
図9を今や参照すると、代替的な垂直ケトル内コア熱交換器400が、段階付きシェル402と、コア404とを概ね含むように例証されている。段階付きシェル402は、実質的に円筒形の狭い下方区画406と、実質的に円筒形の広い上方区画408と、下方及び上方区画406,408を接続する概ね切頭円錐形の移行部410とを概ね含むように例証されている。広い上方区画406の最大幅(X1)の狭い下方区画404の最大幅(X4)に対する比率は、少なくとも約1:1.1、より好ましくは、少なくとも約1.25:1、最も好ましくは、1.5:1〜2:1の範囲内であるのが好ましい。熱交換器400の段階付きシェル402は、コア404の上に増大された蒸気/液体分離をもたらす。何故ならば、コア14より上のより大きな断面は、上向きに流れる蒸気の速度を最小限化し、それによって、蒸気が上方蒸気出口を通じて放出される前に、混入された液体が蒸気から「落ちる」のを可能にする。
【0035】
本発明の好適実施態様において、図1乃至9に例証された1つ又はそれよりも多くの垂直ケトル内コア熱交換器構は、冷媒との間接的熱交換を介して天然ガスを冷却する天然ガス液化プロセスで利用される。垂直ケトル内コア熱交換器が、低温天然ガス流に使用されるとき、冷媒はシェル側流体として利用され得るし、冷却を受ける天然ガス流はコア側流体として利用され得る。
【0036】
好ましくは、上記に記載された1つ又はそれよりも多くの垂直ケトル内コア熱交換器構造が、天然ガス流を冷却するカスケード冷却プロセスで利用される。カスケード冷却プロセスは、天然ガス流からの熱エネルギーを冷媒に移転し、究極的には熱エネルギーを環境に移転するために、1つ又はそれよりも多くの冷媒を使用する。本質的には、カスケード冷却システム全体は、天然ガス流が低温から低温に漸進的に冷却されるときに、天然ガス流から熱エネルギーを除去することによって、熱ポンプとして機能する。カスケード冷却プロセスの設計は、熱力学的効率及び資本費用の均衡を含む。熱移転プロセスにおいて、熱力学的不可逆性は、加熱流体と冷却流体との間の温度勾配がより小さくなるに応じて低減されるが、そのような小さな温度勾配を得ることは、熱移転地域の量の著しい増大、様々なプロセス機器に対する主要な変更、並びに、流速とアプローチ及び出口温度との両方が所要冷却/加熱デューティと適合するようなそのような機器を通じる流速の適切な選択を必要とする。
【0037】
ここにおいて使用されるとき、「開放サイクルカスケード冷却プロセス」という用語は、少なくとも1つの閉塞冷却サイクルと、1つの開放冷却サイクルとを含みカスケード冷却プロセスを意味し、開放サイクルで利用される冷媒/冷却剤の沸点は、閉塞サイクルで利用される冷却剤又は複数の冷却剤の沸点よりも低く、圧縮開放サイクル冷媒/冷却剤を凝縮する冷却デューティの一部は、1つ又はそれよりも多くの閉塞サイクルによってもたらされる。本発明において、主にメタンを含む流れが、開放サイクルにおいて冷媒/冷却剤として利用される。この主にメタンを含む流れは、処理済み天然ガス供給流に起源し、圧縮開放メタンサイクルガス流を含み得る。ここにおいて使用されるとき、「主に」、「主として」、「専ら」、及び、「主要部分において」という用語は、流体流の特定成分の存在を記載するために使用されるときには、流体流が少なくとも50モールパーセントの定まった成分を含むことを意味する。例えば、「主に」メタンを含む流れ、「主として」メタンを含む流れ、「専ら」メタンから成る流れ、或いは、メタンの「主要部分」から構成される流れは、少なくとも50モールパーセントのメタンを含む流れを意味する。
【0038】
天然ガスを液化する最も効率的且つ効果的な手段の1つは、膨張型例冷却と組み合わされた最適化されたカスケード型稼働を介してである。そのような液化プロセスは、多段階プロパンサイクル、多段階エタン又はエチレンサイクル、及び、供給ガスの一部をメタン源として利用し且つ天然ガス流をさらに冷却し圧力を近大気圧に減少するためにその内部に多段階膨張サイクルを含む開放端部メタンサイクルを通じる通路を介してガス流を順次的に冷却することによる、高圧(例えば、650psia)での天然ガス流のカスケード型冷却を含む。冷却サイクルのシーケンスにおいて、最高の沸点を有する冷媒が利用され、第一に、中間の沸点を有する冷媒が後続し、最終的に、最低の沸点を有する冷媒が後続する。ここにおいて使用されるとき、「上流」及び「下流」という用語は、工場を通じる天然ガスの流路に沿う天然ガス液化工場の様々なコンポーネントの相対的位置を記載するために使用される。
【0039】
様々な前処理ステップが、酸性ガス、メルカプタン、水銀、及び、LNG施設に供給される天然ガス供給流からの水分のような特定の望ましくない成分を除去するための手段を提供する。ここで使用されるとき、天然ガス流は主にメタンで構成され如何なる流れでもよく、メタンの大部分は天然ガス供給流に起源し、そのような供給流は、例えば、少なくとも85モールパーセントのメタンを含み、残りは、エタン、より高い炭化水素、窒素、二酸化炭素、並びに、水銀、硫化水素、及び、メルカプタンのような少量の他の汚染物質である。前処理ステップは、冷却サイクルの上流に配置される、或いは、初期サイクルにおける冷却の早期段階の1つの下流に配置される別個のステップであり得る。以下は、当業者に直ちに知られる幾つかの入手可能な手段の非包括的なリストである。酸性ガス、及び、より少ない範囲で、メルカプタンは、水性アミン含有溶剤を利用する化学反応プロセスを介して日常的に除去される。この処理ステップは、初期サイクル中の第一冷却段階の上流で概ね遂行される。水の大部分は、初期冷却サイクルの上流で、並びに、初期冷却サイクルにおける第一冷却段階の下流でも、ガス圧縮及び冷却に続く二相ガス−液体分離を介して、液体として日常的に除去される。水銀は、水銀吸収剤ベッドを介して日常的に除去される。水及び酸性ガスの残余量は、再生可能な分子篩のような適切に選択された吸収剤ベッドを介して日常的に除去される。
【0040】
前処理された天然ガス供給流は、一般的に、高圧で液化プロセスに供給されるか、或いは、概ね500psiaよりも大きな、好ましくは、約500psia〜約3000psiaの、より好ましくは、約500psia〜約1000psiaの、さらに一層好ましくは、約600psia〜約800psiaの高圧に圧縮される。供給流温度は、典型的には、近周囲から周囲より僅かに上である。代表的な温度範囲は、60°F〜150°Fである。
【0041】
前記のように、天然ガス供給流は、複数の異なる冷媒(好ましくは3つ)によって複数の多段階サイクル又はステップ(好ましくは3段階)において冷却される。段階の数が増大するに応じて、所与サイクルのための全体的な冷却効率は向上するが、この効率の増大には、正味資本費用及びプロセス複雑性の対応する増大が伴う。供給ガスは、好ましくは、比較的高沸点冷媒を利用する第一閉塞冷却サイクル中の有効な数の冷却段階、名目上、2つの、好ましくは、2〜4つの、より好ましくは、3つの段階を通過される。そのような比較的高沸点冷媒は、好ましくは、プロパン、ポリピレン、又は、それらの混合物の大部分で構成され、より好ましくは、冷媒は、少なくとも約75モールパーセントのプロパン、より一層好ましくは、少なくとも90モールパーセントのプロパンを含み、最も好ましくは、冷媒は本質的にプロパンから成る。然る後、処理済み供給ガス流は、より低い沸点を有する冷媒との熱交換における第二閉塞冷却サイクル中の有効な数の、名目上、2つの、好ましくは、2〜4つの、より好ましくは2つ又は3つの段階を通じて流れる。そのようなより低い沸点の冷媒は、好ましくは、エタン、エチレン、又は、それらの混合物の大部分を含み、より好ましくは、冷媒は、少なくとも約75モールパーセントのエチレン、より一層好ましくは、少なくとも90モールパーセントのエチレンを含み、最も好ましくは、冷媒は本質的にエチレンから成る。各冷却段階は、別個の冷却ゾーンを含む。前記されたように、処理済み天然ガス供給流は、好ましくは、第二サイクルの最終段階において、1つ又はそれよりも多くの再循環流(即ち、圧縮開放メタンサイクルガス流)と混合され、それによって、液化流を生成する。第二冷却サイクルの最終段階において、液化流は、大部分で、好ましくは、その全体で凝縮(即ち、液化)され、それによって、加圧LNG含有流を生成する。一般的に、この場所でのプロセス圧力は、第一サイクルの第一段階への前処理済みの供給ガスの圧力よりも僅かに低いだけである。
【0042】
一般的に、天然ガス流は、1つ又はそれよりも多くの冷却段階においてC2+リッチ液体の形成をもたらすよう、そのような量のC2+成分を含有する。この液体は、ガス−液体分離手段、好ましくは、1つ又はそれよりも多くの従来的なガス−液体分離器を介して除去される。一般的に、各段階における天然ガスの順次的冷却は、主としてメタンのガス流及び顕著な量のエタン及びより重い成分を含有する液体流を生成するために、可能な限り多くのC2及びより高い分子重量炭化水素をガスから除去するよう制御される。有効な数のガス/液体分離手段が、C2+成分に富む液体流の除去のために、冷却ゾーンの下流の戦力的な場所に配置される。ガス/液体分離手段、好ましくは、従来的なガス/液体分離器の正確な場所及び数は、天然ガス供給流のC2+組成物、LNG製品の所望BTU含有量、他の用途のためのC2+成分の値、及び、LNG工場及びガス工場稼働の当業者によって日常的に考慮される他の要因のような、稼働パラメータの数に依存する。C2+炭化水素流又は複数流は、単一段階フラッシュ又は分割コラムを介して脱メタン化され得る。後者の場合には、結果として生じるメタンリッチ流は、圧力で液化プロセスに直接的に戻され得る。前者の場合には、このメタンリッチ流は、再加圧され且つ再循環され得るし、或いは、燃料ガスとして利用され得る。C2+炭化水素流もしくは複数流又は脱メタン化C2+炭化水素流は燃料として用いられ得るし、或いは、例えば、特定の化学成分(例えば、C2、C3、C4、及び、C5+)に富む個々の流れを生成するために、1つ又はそれよりも多くの分割ゾーンへ分割することによって、おそらくさらに処理され得る。
【0043】
次に、加圧LNG含有流は、後述されるように第三サイクル内に生成されるフラッシュガス(即ち、フラッシュガス流)との主メタンエコノマイザ内での接触を介して、並びに、近大気圧への加圧LNG含有流の順次的な膨張を介して、第三サイクル又は開放メタンサイクルと呼ばれる段階でさらに冷却される。第三冷却サイクルにおいて冷媒として使用されるフラッシュガスは、好ましくは、メタンの大部分から成り、より好ましくは、フラッシュガス冷媒は、少なくとも75モールパーセントのメタン、さらにより好ましくは、少なくとも90モールパーセントのメタンを含み、最も好ましくは、冷媒は本質的にメタンから成る。近大気圧への加圧LNG含有流の膨張中、加圧LNG含有流は、少なくとも1つの、好ましくは2乃至4の、より好ましくは、3つの膨張を介して冷却され、各膨張は圧力減少手段としてエキスパンダを利用する。適切なエキスパンダは、例えば、ジュールトムソン膨張弁又は水圧エキスパンダのいずれかを含む。分離器を用いたガス−液体生成物の分離が膨張に続く。水圧エキスパンダが利用され且つ適切に利用されるとき、出力の回復に関連するより大きな効率、流れ温度のより大きな減少、並びに、フラッシュ膨張ステップ中のより少ない蒸気の生成は、エキスパンダと関連するより高い資本費用及び稼働費用を相殺するだけに留まらないことが多い。1つの実施態様において、フラッシング前の加圧LNG含有流の追加的な冷却が、先ず、1つ又はそれよりも多くの水圧エキスパンダを介してこの流れの一部をフラッシングすることによって、次に、フラッシング前に加圧LNG含有流の残部を冷却するために前記フラッシュガス流を利用する間接的熱交換手段を介してフラッシングすることによって可能にされる。次に、暖められたフラッシュガス流は、温度及び圧力の見地に基づいて、開放メタンサイクルにおける適切な場所への復帰を介して再循環され、再圧縮される。
【0044】
ここに記載される液化プロセスは、幾つかの種類の冷却のうちの1つを使用し得る。冷却は、(a)間接的熱交換、(b)気化、及び、(c)膨張又は圧力減少を含むが、これらに限定されない。間接的熱交換は、ここにおいて使用されるときには、冷媒が、冷却剤と被冷却物質との間の実際の物理的な接触なしに、被冷却物質を冷却するプロセスを意味する。間接的熱交換手段の具体的な例は、シェル及び管熱交換器において受ける熱交換、ケトル内コア熱交換器、及び、蝋付けアルミニウムプレート−フィン熱交換器を含む。冷媒及び被冷却物質の物理的状態は、システムの供給及び選択される熱交換器の種類に依存して変化し得る。よって、シェル及び管熱交換器は、典型的には、冷却剤が液相にあり且つ被冷却物質が液相又は気相にある場合に、或いは、物質の1つが位相変化を受け、プロセス条件がケトル内コア熱交換器の使用を好まないときに利用される。一例として、アルミニウム及びアルミニウム合金が、コアのための建設の好適材料であるが、そのような材料は指定されたプロセス条件での使用には適さないこともあり得る。冷媒が気相にあり、且つ、被冷却物質が液相又は気相にある場合には、プレート−フィン熱交換器が典型的に利用される。最後に、被冷却物質が液相又は気相にあり、且つ、冷媒が熱交換中に液相から気相への位相変化を受ける場合には、ケトル内コア熱交換器が典型的に利用される。
【0045】
気化冷却は、一定圧力に維持されるシステムを用いた物質の一部の蒸発又は気化による物質の冷却を意味する。よって、気化中、気化する物質の部分は、液相に留まる物質の部分から熱を吸収し、故に、液体部分を冷却する。最後に、膨張又は圧力減少冷却は、ガス、液体、又は、二相システムの圧力が圧力減少手段を通過することによって減少されるときに起こる冷却を意味する。1つの実施態様において、この膨張はジュールトムソン膨張値を意味する。他の実施態様において、この膨張は水圧又はガスエキスパンダのいずれかを意味する。エキスパンダは膨張プロセスから仕事エネルギーを回復するので、膨張直後に、より低いプロセス流温度が可能である。
【0046】
図10に示されるフロー図及び装置は、最適化されたコールドボックス内に配置された1つ又はそれよりも多くの垂直ケトル内コア熱交換器を利用する発明的なLNG施設の好適な実施態様である。図11及び12は、複数の垂直ケトル内コア熱交換器を含む最適化されたコールドボックスの好適実施態様を例証している。当業者は、図10乃至12が概略的であるに過ぎず、従って、成功的な稼働のために商業的工場に必要とされる機器の多くの品目が、明瞭性の故に省略されていることを認識するであろう。そのような品目は、例えば、コンプレッサ制御、流れ及びレベル測定並びに対応するコントローラ温度及び圧力コントロール、ポンプ、モータ、フィルタ、追加的な熱交換器、及び、弁等を含み得る。これらの品目は、標準的な工学的慣行に従って設けられる。
【0047】
図10乃至12の理解を容易化するために、以下の番号付け命名法が利用される。500乃至599に番号付けられる品目は、液化プロセスと直接的に関連するプロセス容器及び機器である。600乃至699に番号付けられる品目は、主にメタン流を含む流れライン又は導管に対応している。700乃至799に番号付けられる品目は、主にエチレン流を含む流れライン又は導管に対応している。800乃至899に番号付けられる品目は、主にプロパン流を含む流れライン又は導管に対応している。
【0048】
図10を参照すると、ガス状プロパンが、ガスタービンドライバ(図示せず)によって駆動される多段階(好ましくは三段階)コンプレッサ518において圧縮される。圧縮の三段階は、好ましくは、単一ユニット内に存在するが、圧縮の各段階は、別個のユニット、又は、単一のドライバによって駆動されるよう機械的に結合される複数のユニットであり得る。圧縮直後、圧縮されたプロパンは導管800を通じて冷却器520に通され、それは冷却器で冷却され且つ液化される。フラッシング前の液化プロパン冷媒の代表的な圧力及び温度は、約100°F及び約190psiaである。冷却器520からの流れは、導管802を通じて膨張弁512として例証される圧力減少手段に通され、液化プロパンの圧力はそこで減少され、それによって、その一部を気化し或いはフラッシングする。次に、結果として得られる二相生成物は、導管804を通じて高段プロパン冷却器502内に流れ、導管652を介して導入されるガス状メタン冷媒、導管600を介して導入される天然ガス供給、及び、導管702を介して導入されるガス状エチレン冷媒は、間接的熱交換手段504,506,508を介してそれぞれ冷却され、それによって、導管654,602,704を介してそれぞれ生成される冷却ガス流を生成する。導管654内のガスは、後続段落でより詳細に議論される主メタンエコノマイザ574に供給され、流れはそこで間接的熱交換手段598を介して冷却される。次に、結果として得られる導管658を介して生成される冷却圧縮メタン循環流は、導管620内で重量(heavies)除去コラム560からの重量減少(即ち、軽く炭化水素リッチな)蒸気流と混合され、エチレン冷却器568に供給される。
【0049】
冷却器502からのプロパンガスは、導管806を通じてコンプレッサ518に戻される。このガスはコンプレッサ518の高段入口ポートに供給される。残余の液体プロパンは導管808を通過され、圧力は膨張弁514として例証される圧力減少手段を通じる通路によってさらに減少され、然る後、液化プロパンの追加的部分がフラッシュされる。次に、結果として得られる二相流が導管810を通じて中間段間プロパン冷却器522に供給され、それによって、冷却器522のための冷媒をもたらす。冷却器502からの冷却済み供給ガス流は導管602を介して別個の機器510に流れ、気相及び液相はそこで分離される。C3+成分に富み得る液相が導管603を介して除去される。気相は津悪寒604を介して除去され、次に、導管606及び608を介して運搬される2つの別個の流れに分流される。導管605内の流れは、プロパン冷却器522に供給される。導管608内の流れは、熱交換器562への供給となり、究極的には、以下に詳細に議論される重量除去コラム560への剥離ガスとなる。冷却器502からのエチレン冷媒は、導管704を介して冷却器522に導入される。冷却器522内で、ここにおいてメタンリッチ流とも呼ばれる供給ガス流、及び、エチレン冷媒流は、間接的熱移転手段524及び526を介してそれぞれ冷却され、それによって、導管610及び706を介して冷却されたメタンリッチ及びエチレン冷媒流を生成する。プロパン冷媒のこのように気化された部分は分離され、導管811を通じてコンプレッサ518の中段に通される。冷却器522からの液体プロパン冷媒は導管814を介して除去され、膨張弁516として例証される圧力減少手段を横断してフラッシュされ、次に、導管816を介して冷却器/凝縮器528に供給される。
【0050】
図10に例証されるように、メタンリッチ流は、導管610を介して中段プロパン冷却器522から低段プロパン冷却器528に流れる。冷却器528内では、流れは間接的熱交換手段530を介して冷却される。同様に、エチレン冷媒流は、導管706を介して中段プロパン冷却器522から低段プロパン冷却器528に流れる。後者において、エチレン冷媒は、間接的熱交換手段532を介して完全に凝縮され或いはほぼ全体的に凝縮される。気化されたプロパンは低段プロパン冷却器528から除去され、導管820を介してコンプレッサ518の低段入口に戻される。
【0051】
図10に例証されるように、低段プロパン冷却器528から出るメタンリッチ流は、導管612を介して高段エチレン冷却器542に導入される。エチレン冷媒は、導管708を介して低段プロパン冷却器528から出て、好ましくは、分離容器537に供給され、光成分は導管709によって除去され、凝縮されたエチレンは導管710を介して除去される。プロセス中のこの場所でのエチレン冷媒は、概ね約−24°Fの温度及び約285psiaの圧力にある。次に、エチレン冷媒はエチレンエコノマイザ534に流れ、エチレン冷媒は間接的熱交換手段538を介してそこで冷却され、導管711を介して除去され、膨張弁540として例証される圧力減少手段に通され、その直後、冷媒は事前選択された温度及び圧力にフラッシュされ、導管712を介して高段エチレン冷却器542に供給される。蒸気は導管714を介して冷却器542から除去され、エチレンエコノマイザ534に経路指定され、蒸気は間接的熱交換手段546を介して冷媒として機能する。次に、エチレン蒸気は導管716を介してエチレンエコノマイザ534から除去され、エチレンコンプレッサ548の高段入口に供給される。高段エチレン冷却器542内で気化されないエチレン冷媒は、導管718を介して除去され、間接的熱交換手段550を介したさらなる冷却のためにエチレンエコノマイザ534に戻され、導管720を介してエチレンエコノマイザから除去され、膨張弁552として例証される圧力減少手段内でフラッシュされ、その直後に、その結果として得られる二相生成物は、導管722を介して低段エチレン冷却器554に導入される。
【0052】
間接的熱交換手段544内での冷却後、メタンリッチ流は、導管616を介して高段エチレン冷却器542から除去される。次に、この流れは、低段エチレン冷却器554内の間接的熱交換手段556によってもたらされる冷却を介して部分的に凝縮され、それによって、導管618を介して重量除去コラム560に流れる二相流を生成する。前記のように、ライン604内のメタンリッチ流は、導管606及び608を介して流れるよう分流される。ここでは剥離ガスとも呼ばれる導管608の含有物は、先ず、熱交換機562に供給され、この流れは間接的熱交換手段566を介してそこで冷却され、それによって、冷却された剥離ガス流となり、次に、それは導管609を介して重量除去コラム560に流れる。ベンゼン、シクロヘキサン、他の芳香族、及び/又は、より重い炭化水素成分のようなC4+炭化水素の著しい凝縮を含む重量リッチ液体流が、導管614を介して重量除去コラム560から除去され、好ましくは、流れ制御手段597、好ましくは、圧力減少手段としても機能しうる制御弁を介してフラッシュされ、導管617を介して熱交換器562に輸送される。好ましくは、流れ制御手段597を介してフラッシュされる流れは、メタンコンプレッサ583への高段入口ポートでの圧力程度或いはそれよりも大きな圧力にフラッシュされる。フラッシングは、より大きな冷却能力を流れに付与する。熱交換器562において、導管617によって送り出される流れは、間接的熱交換手段564を介して冷却能力をもたらし、導管619を介して熱交換器562から出る。重量除去コラム560において、導管618を介して逆流状に導入される二相流は、導管609を介して導入される冷却された剥離ガス流と接触され、それによって、導管620を介する重量減少蒸気流、並びに、導管614を介する重量リッチ液体流を生成する。
【0053】
導管619内の重量リッチ流は、引き続き液体部分と蒸気部分とに分離され、好ましくは、容器567内でフラッシュされ或いは分割される。いずれの場合においても、重量リッチ液体流が導管623を介して生成され、第二メタンリッチ蒸気流が導管621を介して生成される。図10に例証される好適実施態様において、導管621内の流れは、引き続き導管628を介して送り出される第二流と混合され、混合流はメタンコンプレッサ583の高段入口ポートへ供給される。
【0054】
前記されたように、導管654内のガスは主メタンエコノマイザ574に供給され、流れは間接的熱交換手段598を介してそこで冷却される。結果として得られる導管658内の冷却された圧縮メタン循環又は冷媒流は、好適実施態様において、重量除去コラム560からの重量減少蒸気流と混合され、導管620を介して送り出され、低段エチレン冷却器568に供給される。低段エチレン冷却器568では、この流れは間接的熱交換手段570を介して冷却され且つ凝縮され、低段エチレン冷却器544からの液体排水は導管726を介してエチレン凝縮器568に経路指定される。凝縮器568からの凝縮されたメタンリッチ生成物は、導管622を介して生成される。導管を介して引き出されるエチレン冷却器554からの蒸気、及び、導管728から引き出されるエチレン凝縮器568は結合され、且つ、導管730を介してエチレンエコノマイザ534に経路指定され、蒸気は間接的熱交換手段558を介して冷媒として機能する。次に、流れは導管732を介してエチレンエコノマイザ534からエチレンコンプレッサ548の低段入口に経路指定される。
【0055】
図10に示されるように、エチレンコンプレッサ548の低段側を介して導入される蒸気からのコンプレッサ排水は、導管734を介して除去され、内部段階冷却器571を介して冷却され、導管716内に存在する高段流と一緒の射出のために、導管736を介してコンプレッサ548に戻される。好ましくは、二段階は単一のモジュールであるが、それらはそれぞれ別個のモジュール又は共通のドライバに機械的に結合された複数のモジュールであり得る。コンプレッサ548からの圧縮されたエチレン生成物は、導管700を介して下流の冷却器572に経路指定される。冷却器572からの生成物は、導管702を介して流れ、前記に議論されたように、高段プロパン冷却器502に導入される。
【0056】
導管622内の加圧LNG含有流、好ましくは、全体的に液体流は、好ましくは、約−200〜約−50°Fの範囲内、より好ましくは、約−175〜約−100°Fの範囲内、最も好ましくは、約−150〜約−125°Fの範囲内にある。導管622内の流れの圧力は、好ましくは、約500〜約700psiaの範囲内、最も好ましくは、約550〜約725psiaの範囲内にある。
【0057】
導管622内の流れは、主メタンエコノマイザ574に向けられ、流れは以下に説明される間接的熱交換手段/熱交換器経路576によってさらに冷却される。主メタンエコノマイザ574は、エコノマイザ574内の様々な主にメタンを含む流れの間の熱の間接的熱交換をもたらす複数の熱交換器経路を含むのが好ましい。好ましくは、メタンエコノマイザ574は、1つ又はそれよりも多くのプレート−フィン熱交換器を含む。熱交換器経路576からの冷却された流れは、導管624を介してメタンエコノマイザ574から出る。導管624内の流れの温度は、導管622内の流れの温度よりも少なくとも10°F少ないのが好ましい。最も好ましくは、導管624内の流れの温度は、約−200〜約ないます160°Fの範囲内にある。次に、導管624内の流れの圧力は、膨張弁574として例証される圧力減少手段によって減少され、それはガス流の一部を気化し或いはフラッシュし、それによって、二相流を生成する。次に、膨張弁578からの二相流は、高段メタンフラッシュドラムに通され、二相流はそこで導管626を通じて排出されるフラッシュガス流と導管630を通じて排出される液相流(即ち、加圧LNG含有流)とに分離される。次に、フラッシュガス流は、導管626を介して主メタンエコノマイザ574に移転され、流れは熱交換器経路582内で冷媒として機能し熱交換器経路576内の流れの冷却を助ける。よって、熱交換器経路582内の主にメタンを含む流れは、熱交換器経路576内の主にメタンを含む流れとの間接的熱交換によって、少なくとも部分的に暖められる。暖められた流れは、導管628を介して、熱交換器経路582及びメタンエコノマイザ574から出る。導管628を介して熱交換器経路582から出る暖められた主にメタンを含む流れの温度は、好ましくは、導管624内の流れの温度よりも少なくとも約10°F大きく、導管624内の流れの温度よりも少なくとも25°F大きい。導管628を介して熱交換器経路582から出る流れの温度は、好ましくは、約−50°Fよりも暖かく、より好ましくは、約0°Fよりも暖かく、より一層好ましくは、約25°Fよりも暖かく、最も好ましくは、40〜100°Fの範囲内である。
【0058】
導管630を介して、高段フラッシュドラム580から出る液相流は、第二メタンエコノマイザ587を通じて通され、液体は、間接的熱交換手段588を介して、下流フラッシュ蒸気によってさらに冷却される。冷却された液体は、導管632を介して、第二メタンエコノマイザ587から出て、圧力を減少すると同時に、その第二部分を気化するために、膨張弁591として例証される圧力減少手段を介して膨張され或いはフラッシュされる。次に、この二相流は、中段メタンフラッシュドラム592に通され、流れは、そこで、導管636を通過する気相と導管634を通過する液相に分離される。気相は導管636を通じて第二メタンエコノマイザ587に流れ、蒸気は間接的熱交換器手段589を介して導管630を介してエコノマイザ587に導入される液体を冷却する。導管638は、第二メタンエコノマイザ587内の間接熱交換器手段589と主メタンエコノマイザ574内の熱交換器経路595との間の流れ導管として働く。熱交換器経路595からの暖められた蒸気流は、導管640を介して主メタンエコノマイザ574から出て、メタンコンプレッサ583の中段入口に伝えられる。
【0059】
導管634を介して中段フラッシュドラム592から出る液相は、膨張弁593として例証される圧力減少手段を通過することによって圧力がさらに減少される。再び、液化ガスの第三部分は気化され或いはフラッシュされる。膨張弁593からの二相流は、最終又は低段フラッシュドラム594に通される。フラッシュドラム594内では、気相が分離され、導管644を通じて第二メタンエコノマイザ587に通され、そこでは、気相は間接的熱交換器手段590を介して冷媒として機能し、導管646を介して第二メタンエコノマイザ587から出て、導管は第一メタンエコノマイザ574に接続され、そこでは、蒸気は熱交換器経路596を介して冷媒として機能する。熱交換器経路596からの暖められた蒸気流は、導管648を介して主メタンエコノマイザ574から出て、コンプレッサ583の低段入口に伝えられる。
【0060】
低段フラッシュドラム594からの液化天然ガス生成物は、ほぼ大気圧にあり、導管642を通じてLNG貯蔵タンク599に通される。従来的慣行によれば、貯蔵タンク内の液化天然ガスは、(典型的には外航LNGタンカーを介して)所望場所に輸送され得る。次に、LNGは、従来的な天然ガスパイプラインを介したガス状の輸送のために、陸上LNGターミナルで気化され得る。
【0061】
図10に示されるように、コンプレッサ583の高段、中段、及び、低段は、好ましくは、単一ユニットに結合される。しかしながら、各段階は、別個のユニットとして存在することができ、その場合には、複数ユニットは、単一のドライバによって駆動されるよう、一体に機械的に結合される。低段部分からの圧縮ガスは中段冷却器585を通過し、第二段階の圧縮に先立ち、導管640内の中圧ガスと結合される。コンプレッサ583の中段からの圧縮ガスは、中段冷却器584を通され、第三段階の圧縮に先立ち、導管621及び628を介してもたらされる高圧ガスと結合される。圧縮ガス(即ち、圧縮された開放メタンサイクルガス流)は、導管650を通じて高段メタンコンプレッサから排出され、冷却器586内で冷却され、前記に議論されたように、導管652を介して高圧プロパン冷却器502に経路指定される。流れは間接的熱交換手段504を介して冷却器502内で冷却され、導管654を介して主メタンエコノマイザ574に流れる。主メタンエコノマイザ574に入る圧縮された開放メタンサイクルガス流は、間接的熱交換手段598を通じた流れを介して全体的に冷却を受ける。次に、この冷却された流れは、導管658を介して除去され、エチレン冷却の第一段階の上流の処理済み天然ガス供給流と結合される。
【0062】
図10に例証されるLNG施設は、好ましくは、(波線で描写れた)エチレンコールドボックス598を含む。ここで使用されるとき、「コールドボックス」という用語は、複数のコンポーネントを収容する絶縁され、比較的低温の流体流がその内部で生成される囲壁を意味する。ここで使用されるとき、「エチレンコールドボックス」という用語は、天然ガス流を冷却するために主にエチレン冷媒流がその内部で利用されるコールドボックスを意味する。
【0063】
図10乃至12に概略的に示されるように、エチレンコールドボックス598は、好ましくは、エチレンエコノマイザ534と、高段エチレン冷却器542と、低段エチレン冷却器5454と、エチレン凝縮器568と、エチレン冷却サイクルと関連付けられた様々な導管及び弁とを収容する。図11及び12は、冷却器542,554及び凝縮器568が、図1乃至9を参照して上記に記載された構造を有する垂直ケトル内コア熱交換器であり得る。コールドボックス598内で垂直熱交換器を利用することは、コールドボックス598がより小さなプロット空間を有することを可能にする。加えて、垂直ケトル内コア熱交換器は、上記に議論された増大された熱移転効率をもたらし得る。
【0064】
図11及び12に示されるように、エチレンボックス598は、好ましくは、浄化ガス出口900と、浄化ガス入口902とを含む。エチレンボックス598内に水が蓄積しないことを保証するために、実質的に炭化水素を含まない浄化ガスが、入口900を介してエチレンコールドボックス598内に連続的に導入される。浄化ガスは、コールドボックス598の内部を通じて流れ、出口902を介してコールドボックス598から出る。出口902を介してコールドボックス598から出る浄化ガスは、炭化水素分析器904に運搬される。炭化水素分析器904は、浄化ガス内の炭化水素の存在を検出するよう動作可能である。もし検出器904が浄化ガス内の異常に高い炭化水素濃度を検出するならば、これはエチレンボックス598内に炭化水素漏れがあることを意味する。
【0065】
たった1つのコールドボックス(即ち、エチレンコールドボックス598)が図10のLNG施設中に例証されているが、LNG施設は、垂直ケトル内コア熱交換器を収容する他のコールドボックスを利用し得る。例えば、メタン冷却サイクルの様々なコンポーネントが、メタンコールドボックス内に配置され得る。加えて、図10乃至12は、エチレン冷却器/凝縮器542、544、569が垂直ケトル内コア熱交換器であることを例証しているだけであるが、図10の発明的なLNG施設は、間接的熱移転が求められる様々な他の場所で垂直ケトル内コア変換器を利用し得る。例えば、1つ又はそれよりも多くのプロパン冷却器502、522、528は、図1乃至9を参照して上記に記載された構造を有する垂直ケトル内コア熱交換器を利用し得る。
【0066】
本発明の1つの実施態様において、図10に例証されるLNG生産システムは、従来的なプロセスシミュレーションソフトウェアを使用してコンピュータ上に模擬される。適切なシミュレーションソフトウェアの例は、HyprotechからのHYSYS(TM)、Aspen Technology,Inc.からのAspen Plus(R)、及び、Simulation Sciences Inc.からのPRO/II(R)を含む。
【0067】
上記に記載された本発明の好適な形態は、例証としてのみ使用されるべきであり、本発明の範囲を限定する意味で解釈するために使用されるべきではない。上記に示された例示的な実施態様に対する明らかな変更は、本発明の精神から逸脱することなしに、当業者によって直ちに行われ得る。
【0068】
本発明者は、これによって、以下の請求項に記載されるような本発明の文字通りの範囲の外側にあるが著しく逸脱しない如何なる装置に関して、本発明の合理的な公正な範囲を決定し且つ評価するために均等論に依存する意図を述べる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の原理に従って建設された垂直ケトル内コア熱交換器を示す切欠き側面図である。
【図2】図1の垂直ケトル内コア熱交換器を示す頂部断面図であり、コア内に形成された交互するシェル側通路及びコア側通路をより明瞭に例証するために、コアの頂部が部分的に切り取られている。
【図3】図2中の線3−3に沿って取られた側断面図であり、コアを通じるコア側流体及びシェル側流体の流れの方向を特に例証すると共に、コア内のシェル側流体の沸騰によって引き起こされる熱サイフォン効果を例証している。
【図4】2つの別個のコアを有する代替的なケトル内コア熱交換器を示す切欠き側面図である。
【図5】図4の垂直ケトル内コア熱交換器を示す上断面図であり、シェル内の2つのコアの空間的配置を特に例証している。
【図6】3つの別個のコアを有する代替的な垂直ケトル内コア熱交換器を示す切欠き側面図である。
【図7】図6の垂直ケトル内コア熱交換器を示す上断面図であり、シェル内の3つのコアの空間的配置を特に例証している。
【図8】狭い上方区画及び広い下方区画を有するシェルを利用する代替的な垂直ケトル内コア熱交換器を示す切欠き側面図である。
【図9】広い上方区画及び狭い下方区画を有するシェルを利用する代替的な垂直ケトル内コア熱交換器を示す切欠き側面図である。
【図10】天然ガス流を冷却するために少なくとも1つの垂直ケトル内コア熱交換器を利用するLNG生産のためのカスケード冷却プロセスを示す簡略されたフロー図である。
【図11】図10のLNG施設内で利用され得るエチレンコールドボックスを示す切欠き側面図であり、コールドボックス内に配置された垂直ケトル内コア熱交換器の構造を特に例証している。
【図12】図11のエチレンコールドボックスを示す切欠き上面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然ガスを液化するための方法及び装置に関する。他の特徴において、本発明は、冷媒と冷却流体との間の間接的熱移転を促進するための改良された方法及び装置に関する。さらに他の特徴において、本発明は、天然ガスを冷却する少なくとも1つの垂直ケトル内コアを利用する天然ガスを液化するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガスの低温液化は、天然ガスを輸送及び貯蔵により便利な形態に変換する手段として普通に実施されている。そのような液化は、天然ガスの容積を約600倍だけ減少し、その結果、大気圧付近で貯蔵され且つ輸送され得る製品が得られる。
【0003】
天然ガスは、パイプラインによって供給源から遠方の市場へ輸送されることが多い。実質的に一定且つ高い負荷率の下でパイプラインを稼働するのが望ましいが、しばしばパイプラインの配送性及び容量は要求を超過し、他の時には、要求がパイプラインの配送性を超過する。要求が供給を超過するピーク又は供給が要求を超過する谷を剃り落とすために、要求が供給を超過するときに超過ガスが送り出され得るよう、超過ガスを貯蔵することが望ましい。そのような手法は将来的な要求ピークが貯槽からの材料で満足されることを可能にする。これを行うための1つの実際的な手段は、ガスを液化状態に変換し、次に、要求に応じて液体を気化することである。
【0004】
候補市場から遠距離によって隔離された供給源からガスを輸送し、且つ、パイプラインも利用可能でないか或いは実際的でないときに、天然ガスの液化はより大きく重要でさえある。これは輸送が外航船によって行われなければならない場合に実際的に当て嵌まる。気相状態での船輸送は一般的に実際的でない。何故ならば、ガスの特定容積を著しく減少するために相当な加圧が求められるからである。そのような加圧は、より高価な貯蔵容器の使用を必要とする。
【0005】
天然ガスを液状で貯蔵し且つ輸送するために、天然ガスは、好ましくは、液化天然ガス(LNP)が近大気蒸気圧を保有する−240°F〜−260°Fに冷却される。天然ガスの液化のための多くのシステムが従来技術に存在し、ガスは、複数の冷却段階を通じてガスを高圧で順次的に通すことによって液化され、然る後、ガスは、液化温度に達するまで連続的に低温に冷却される。冷却は、一般的に、プロパン、ポリピレン、エタン、エチレン、メタン、窒素、二酸化炭素、又は、先行冷媒の組み合わせ(例えば、混合冷媒システム)のような1つ又はそれよりも多くの冷媒を用いた間接熱交換によって達成される。本発明に特に適用可能な液化方法は、最終冷却サイクルのために開放メタンサイクルを利用し、加圧LNG含有流はフラッシュされ、フラッシュされた蒸気(即ち、フラッシュされたガス流)は、引き続き、冷却剤として利用され、再圧縮され、冷却され、処理天然ガス供給流と混合され、且つ、液化されることによって、加圧LNG含有流を生成する。
【0006】
多くのLNG施設は、天然ガス埋蔵地付近の比較的遠隔地に配置される。新しいLNG施設がそのような沿革場所に建造されるとき、LNG施設の主要コンポーネントがより人口集中した地域で製造され、引き続き、最終組立てのためにLNG施設の場所に(普通は外航船によって)輸送される。コストを節約するために、LNG施設のバルクな複雑なコンポーネントは輸送前に建築されるのが望ましいので、LNG施設の場所での建設の殆どは、事前製造された複雑なコンポーネントの比較的簡単な組立てを含む。しかしながら、LNG施設の容積及びサイズが増大するに応じて、特定の複雑なコンポーネントは、現地外で建設し、次に、最終目的地に輸送するには大きくなり過ぎる。1つのそうようなコンポーネントは「コールドボックス」として知られる。
【0007】
コールドボックスは、同様な低温で動作する複数の冷却コンポーネント(例えば、熱交換器、弁、及び、導管)を収容する囲壁である。典型的なコールドボックスにおいて、冷却コンポーネントは囲壁内で組み立てられ、複数の冷却コンポーネントを絶縁するために流動性を有する絶縁体(例えば、膨張パーライトの粒子)によって取り囲まれる。コールドボックスは、各コンポーネントを個別に絶縁するのに対して、複数の冷却コンポーネントを絶縁するためのより一層効率的且つ費用効率的な手段を提供する。
【0008】
上記に暗示されたように、コールドボックスの全てのコンポーネントをより人口集中した地域で組み立て、次に、組み立てられたコールドボックス全体を据付けのために遠隔のLNG施設場所に輸送するのがより一層安価である。しかしながら、LNG施設の容積及びサイズが増大し続けると、コールドボックスのサイズも増加する。事実、幾つかのコールドボックスは今や標準的な外航船で輸送するには大き過ぎる。コールドボックスのサイズ増加の主要な理由は、より大きなLNG施設のより大きな冷却要求の故に、コールドボックス内部に配置される従来的な水平のケトル内コア熱交換器のサイズが増大することである。よって、従来的な水平なケトル内コア値熱交換器を利用する新規に建設される高容積LNG施設は、現地で組み立てられることを要求する。何故ならば、事前組立コールドボックスは、標準的な外航船で輸送するには大き過ぎるからである。
【0009】
従来的な水平なケトル内コア熱交換器によって引き起こされるサイズ/空間問題に加えて、多数の熱移転非効率が、そのような水平なケトル内コア熱交換器と関連付けられ得る。例えば、交換器のコアよりも下に設けられる最小液体冷媒深さは、コアへの液体冷媒の利用性を阻害し得る。また、コアの頂部とシェルの上方ガス状冷媒出口との間の垂直距離は、気相及び液相の冷媒の十分な分離をもたらすには小さ過ぎ得る。コアより上の十分な液体/ガス分離が達成されないとき、上向きに流れるガス状冷媒内に混入される著しい量の液体冷媒が、シェルの上方ガス状冷媒出口から望ましくなく排出し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、より多くのコンポーネントが現地外で製造され、次に、輸送され、LNG施設の場所で組み立てられることを可能にする新規な天然ガス液化システムを提供することが望ましい。
【0011】
再び、コールドボックスの寸法を最小限化する冷却コンポーネントを利用するコールドボックス構造を提供することが望ましい。
【0012】
さらに再び、従来的な水平なケトル内コア熱交換器に関連する非効率を克服する間接的熱交換システムを提供することが望ましい。
【0013】
上記の目的は例示的であり、ここに請求される本発明によって全て達成されることは必要でない。本発明の他の目的及び利点は、記載された記載及び図面から明らかであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
従って、本発明の1つの特徴は、冷媒からの熱を冷却流体に移転する方法に関する。本方法は、(a)冷媒をシェル内に定められる1よりも大きな高さ対幅比を有する内部容積に導入するステップと、(b)冷却流体をシェルの内部容積内に配置されるプレート−フィンコア内に導入するステップと、(c)コア内の冷却流体からの熱を、間接的熱交換を介して、冷媒に移転するステップとを含む。
【0015】
本発明の他の特徴は、天然ガス流を液化するプロセスに関する。本プロセスは、(a)主にプロパン又はプロピレンを含む第一冷媒との間接的熱交換を介して天然ガス流を冷却するステップと、(b)主にエタン又はエチレンを含む第二冷媒との間接的熱交換を介して天然ガスをさらに冷却するステップとを含み、ステップ(a)及び/又は(b)の冷却するステップの少なくとも一部は、少なくとも1つの垂直なケトル内コア熱交換器によって遂行される。
【0016】
本発明のさらなる特徴は、内部容積と、内部容積内に配置される少なくとも1つのコアとを含む熱交換器に関する。シェルは、実質的に円筒形の側壁と、正上方エンドキャップと、正下方エンドキャップとを含む。上方及び下方のエンドキャップは、側壁の概ね両端部に配置される。側壁は、内部容積内へシェル側流体を受容するための流体入口を定める。正上方エンドキャップは、内部容積からの気相シェル側流体を排出するための蒸気出口を定める。正下方エンドキャップは、内部容積からの液相シェル側流体を排出するための液体出口を定める。
【0017】
本発明のさらに他の特徴は、内部容積を定めるシェルと、シェル内に配置されるコアとを含む熱交換器に関する。シェルは、中心側壁軸に沿って延びる実質的に円筒形の側壁内部容積を含む。コアは、複数のコア側通路と、複数のシェル側通路とを定める。コア側通路は、シェルの前記内部容積から流体的に隔離されるのに対し、シェル側通路は、シェルの内部容積との流体連絡をもたらす反対の開放端部を提供する。シェル側通路は、熱交換器が側壁軸と実質的に直立向きに位置付けられるとき、熱サイフォン効果がシェル側通路内に創成されるよう、側壁軸の延長方向と実質的に平行な方向に延びる。
【0018】
本発明のさらに他の特徴は、シェルと、シェル内に配置されるプレート−フィンコアと、支持構造とを含む。シェルは、中心側壁軸に沿って延びる実質的に円筒形の側壁を含み、支持構造は、側壁軸が実質的に直立な垂直構造にシェルを支持するよう構成される。
【0019】
本発明のさらなる特徴は、内部容積を定めるコールドボックスと、内部容積内に配置される複数の垂直ケトル内コア熱交換器とを含む。
【0020】
本発明のさらなる特徴は、1つ又はそれよりも多くの冷媒との間接的熱交換によって天然ガス供給流を冷却するための液化天然ガス施設に関する。液化天然ガス施設は、第一冷媒との間接的熱交換を介して天然ガス流を冷却するための第一冷却サイクルを含む。第一冷却サイクルは、第一垂直ケトル内コア熱交換器を含み、互いに隔離されたケトル側容積互いに流体的に隔離されたケトル側容積と、コア側容積とを定める。ケトル側容積は、第一冷媒を収容するよう構成されるのに対し、コア側容積は、天然ガス流を受容するよう構成される。
【0021】
本発明の好適実施態様が添付の図面を参照して以下に詳細に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明は、高容量LNG施設における益々大きなコールドボックスの必要に由来する上記の問題に対する解決を探索中に着想された。しかしながら、本発明の少なくとも1つの実施態様は、天然ガス液化の領域外にも用途を見い出し得る。例えば、図1乃至9に描写される垂直ケトル内コア熱交換器設計は、LNGプロセス/施設における使用に良好に適するが、これらの熱交換器は、間接熱移転を要求する多くの他の用途のために望ましいそれらの実施を行う増大された効率を示す。
【0023】
初めに図1を参照すると、発明的な垂直ケトル内コア熱交換器10が、シェル12及びコア14を概ね含むよう例証されている。シェル12は、実質的に円筒形の側壁16と、上方エンドキャップ18と、下方エンドキャップ20とを含む。上方及び下方エンドキャップ18,20は、側壁16の概ね反対端部に結合される。側壁16は、熱交換器10が使用されているときに実質的に直立位置に維持される中心側壁軸22に沿って延在する。シェル12の直立無機を維持するために、如何なる従来的な支持システム23a,bも使用し得る。シェル12は、コア14とシェル側流体(A)とを収容するための内部容積24を定める。側壁16は、シェル側流体供給流(Ain)を内部容積24内に導入するためのシェル側流体入口26を定める。上方エンドキャップ18は、ガス状の/気化したシェル側流体(Av−out)を内部容積24から排出するための蒸気出口28を定めるのに対し、下方エンドキャップ20は液体シェル側流体(AL−out)を内部容積24から排出するための液体出口30を定める。
【0024】
熱交換器10のコア14が、シェル12の内部容積24内に配置され、液体シェル側流体(A)に部分的に浸水される。コア14はコア側流体(B)を受け、コア側流体(B)とシェル側流体(A)との間の間接的熱移転を促進する。コア側流体入口32が、シェル12の側壁16を通じて延在し、コア14の入口ヘッダ34に流体的に結合され、それによって、コア14内へのコア側流体供給流(Bin)の導入を提供する。コア側流体出口36が、コア14の出口ヘッダ38に流体的に結合され、シェル12の側壁16を通じて延在し、それによって、コア14からのコア側流体(Bout)の排出を提供する。
【0025】
図2及び3におそらく最良に例証されているように、コア14は、好ましくは、複数の離間したプレート/フィン分割器を含み、それらの間に流体通路を定める。好ましくは、分割器は、複数の交互する流体隔離されたコア側通路42a,b及びシェル側通路44a,bを定める。図1乃至3を参照すると、コア側及びシェル側通路42,44は、中心側壁軸22の延長方向と実質的に平行な方向に延在するのが好ましい。コア側通路42は、入口ヘッダ34からコア側流体(B)を受け取り、コア側流体(B)を出口ヘッダ38内に排出する。シェル側通路44は、シェル12の内部容積24との流体連絡を提供する対向する開放端部を含む。
【0026】
図3に例証されるように、シェル側流体(A)及びコア側流体(B)は、コア14のシェル側及びコア側通路44,32を通じて対流状に流れる。好ましくは、コア側流体(B)は、コア側通路42を通じて概ね下向きに流れるのに対し、シェル側流体(A)は、シェル側通路44を通じて概ね上向きに流れる。コア14を通じたコア側流体(B)の下向きの流れは、如何なる従来的な手段によっても、例えば、流体(B)をコア側流体入口32(図1)に高圧で機械的にポンピングすることによって提供される。コア14を通じたシェル側流体(A)の上向きの流れは、当該技術分野において「熱サイフォン効果」として知られる特異な機構によってもたらされる。熱サイフォン効果は、直立流れチャネル内の液体の沸騰によって引き起こされる。液体が沸騰し始めるまで、液体が開放端部付き直立の流れチャネル内で加熱されると、結果として生じる蒸気は、自然な浮力の故に、流れチャネルを通じて上昇する。直立流れチャネルを通じた蒸気のこの上昇は、流れチャネルの下方部分内で液体にサイフォン効果を引き起こす。もし流れチャネルの下方開放端部に液体が連続的に供給されるならば、熱サイフォン効果によって、流れチャネルを通じた液体の連続的な上向きの流れがもたらされる。
【0027】
図1乃至3を参照すると、熱交換器10内にもたらされる熱サイフォン効果は、シェル側流体(A)を、コア14を通じて並びにコアの周りに循環する自然対流ポンプとして作用し、それによって、コア14内の間接的熱交換を増大する。熱サイフォン効果は、シェル側流体(A)をコア14のシェル側通路44内で気化させる。最適な熱サイフォン効果を発生するために、コア14の大部分は、液体表面レベル46より下で液体シェル側流体(A)内に浸水されなければならない。シェル側通路44の下方開口への液体シェル側流体(A)の適切な利用性を保証するために、コア14の底部と内部容積24の底部との間に実質的な空間が提供されるのが好ましい。ガス状シェル側流体を排出する蒸気出口28内の混入された液相シェル側流体の適切な分離を保証するために、コア14の頂部と内部容積24の頂部との間に実質的な空間が提供されるのが好ましい。コア14の周りの液体シェル側流体の適切な循環を保証するために、コア14の側部とシェル12の側壁16との間に実質的な空間が提供されるのが好ましい。図1に例証され且つ以下の表1において定量化される寸法及び比率を備える熱交換器10を建設することによって、上述の利点を実現しうる。
【0028】
【表1】
【0029】
図1において、X1は、中心側壁軸22の延長方向に対して垂直に測定された反応ゾーン24の最大幅である。X2は、中心側壁軸22の延長方向に対して垂直に測定されたコア14の最小幅である。Y1は、中心側壁軸22の延長方向と平行に測定された反応ゾーン24の最大高さである。Y2は、中心側壁軸22の延長方向と平行に測定されたコア14の最大高さである。Y3は、中心側壁軸22の延長方向と平行に測定されたコア14の底部と反応ゾーン24の底部との間の最大間隔である。Y4は、中心側壁軸22の延長方向と平行に測定されたコア14の頂部と反応ゾーン24の頂部との間の最大間隔である。
【0030】
本発明の好適な実施態様において、熱交換器10は、垂直ケトル内コア熱交換器であり、コア14は、鑞付けアルミニウム、プレート−フィンコアである。ここにおいて使用されるとき、「ケトル内コア熱交換器」という用語は、シェル側流体とコア側流体との間の間接的熱移転を促進するよう動作可能な熱交換器を意味し、熱交換器は、シェル側流体を受け取るためのシェルと、コア側流体を受け取るためにシェル内に配置されるコアとを含み、コアは、複数の離間されたコア側流体通路を定め、シェル側流体は、コア側通路間に定められる離散的なシェル側通路を通じて自由に循環される。ケトル内コア熱交換器とシェル及び管熱交換器との間の1つの際立った特徴は、シェル及び管熱交換器は管間に離散的なシェル側通路を有さないことである。ケトル内コア熱交換器の離散的なシェル側通路は、それが熱サイフォン効果を最大限に利用することを可能にする。ここにおいて使用されるとき、「垂直ケトル内コア熱交換器」という用語は、中心側壁軸に沿って延在する実質的に円筒形の側壁を含むシェルを有するケトル内コア熱交換器を意味し、中心側壁軸22は実質的に直立位置に維持される。
【0031】
図4及び5を今や参照すると、代替的な垂直ケトル内コア熱交換器100が、シェル102と、第一コア104と、第二コア106とを概ね含むものとして例証されている。熱交換器100の2つの別個のコア104,106は、シェル側流体(A)と2つの別個のコア側流体(B1及びB2)との間の同時の間接的熱移転を許容する。動作中に両方のコア104,106が液体シェル側流体(A)内に部分的に浸水されるよう、コア104,106は隣り合って配置されるのが好ましい。二重コア熱交換器100のシェル102及びコア104,106は、好ましくは、図1乃至3の単一コア熱交換器10を参照して上記に記載されたものと同様に構成される。
【0032】
図6及び7を今や参照すると、代替的な垂直ケトル内コア熱交換器200が、シェル202と、第一コア204と、第二コア206と、第三コア208とを概ね含むように例証されている。熱交換器200の3つの別個のコア204,206,208は、シェル側流体(A)と3つの別個のコア側流体(B1,B2,B39との間の同時の間接的熱移動を許容する。動作中に全てのコア204,206,208が液体シェル側流体(A)内に部分的に浸水されるよう、コア204,206,208は隣り合って配置されるのが好ましい。三重コア熱交換器200のシェル102及びコア204,206,208は、好ましくは、図1乃至3の単一コア熱交換器10を参照して上記に記載されたものと同様に構成される。
【0033】
図8を今や参照すると、代替的な垂直ケトル内コア熱交換器300が、段階付きシェル302と、コア304とを概ね含むように例証されている。段階付きシェル302は、実質的に円筒形の狭い上方区画306と、実質的に円形の広い下方区画308と、上方及び下方区画306,308を接続する概ね切頭円錐形の移行区画310とを含む。広い下方区画306の最大幅(X1)の狭い上方区画304の最大幅(X3)に対する比率は、少なくとも約1.1:1、より好ましくは、少なくとも約1.25:1、最も好ましくは、1.5:1〜2:1の範囲内であるのが好ましい。熱交換器300の段階付きシェル302は、シェル302の上方出口を通じた蒸気の排出の前に蒸気/液体分離を許容するために、コア304の上により垂直な空間をもたらす。加えて、熱交換器300の構造は、装置の重心を下げる。
【0034】
図9を今や参照すると、代替的な垂直ケトル内コア熱交換器400が、段階付きシェル402と、コア404とを概ね含むように例証されている。段階付きシェル402は、実質的に円筒形の狭い下方区画406と、実質的に円筒形の広い上方区画408と、下方及び上方区画406,408を接続する概ね切頭円錐形の移行部410とを概ね含むように例証されている。広い上方区画406の最大幅(X1)の狭い下方区画404の最大幅(X4)に対する比率は、少なくとも約1:1.1、より好ましくは、少なくとも約1.25:1、最も好ましくは、1.5:1〜2:1の範囲内であるのが好ましい。熱交換器400の段階付きシェル402は、コア404の上に増大された蒸気/液体分離をもたらす。何故ならば、コア14より上のより大きな断面は、上向きに流れる蒸気の速度を最小限化し、それによって、蒸気が上方蒸気出口を通じて放出される前に、混入された液体が蒸気から「落ちる」のを可能にする。
【0035】
本発明の好適実施態様において、図1乃至9に例証された1つ又はそれよりも多くの垂直ケトル内コア熱交換器構は、冷媒との間接的熱交換を介して天然ガスを冷却する天然ガス液化プロセスで利用される。垂直ケトル内コア熱交換器が、低温天然ガス流に使用されるとき、冷媒はシェル側流体として利用され得るし、冷却を受ける天然ガス流はコア側流体として利用され得る。
【0036】
好ましくは、上記に記載された1つ又はそれよりも多くの垂直ケトル内コア熱交換器構造が、天然ガス流を冷却するカスケード冷却プロセスで利用される。カスケード冷却プロセスは、天然ガス流からの熱エネルギーを冷媒に移転し、究極的には熱エネルギーを環境に移転するために、1つ又はそれよりも多くの冷媒を使用する。本質的には、カスケード冷却システム全体は、天然ガス流が低温から低温に漸進的に冷却されるときに、天然ガス流から熱エネルギーを除去することによって、熱ポンプとして機能する。カスケード冷却プロセスの設計は、熱力学的効率及び資本費用の均衡を含む。熱移転プロセスにおいて、熱力学的不可逆性は、加熱流体と冷却流体との間の温度勾配がより小さくなるに応じて低減されるが、そのような小さな温度勾配を得ることは、熱移転地域の量の著しい増大、様々なプロセス機器に対する主要な変更、並びに、流速とアプローチ及び出口温度との両方が所要冷却/加熱デューティと適合するようなそのような機器を通じる流速の適切な選択を必要とする。
【0037】
ここにおいて使用されるとき、「開放サイクルカスケード冷却プロセス」という用語は、少なくとも1つの閉塞冷却サイクルと、1つの開放冷却サイクルとを含みカスケード冷却プロセスを意味し、開放サイクルで利用される冷媒/冷却剤の沸点は、閉塞サイクルで利用される冷却剤又は複数の冷却剤の沸点よりも低く、圧縮開放サイクル冷媒/冷却剤を凝縮する冷却デューティの一部は、1つ又はそれよりも多くの閉塞サイクルによってもたらされる。本発明において、主にメタンを含む流れが、開放サイクルにおいて冷媒/冷却剤として利用される。この主にメタンを含む流れは、処理済み天然ガス供給流に起源し、圧縮開放メタンサイクルガス流を含み得る。ここにおいて使用されるとき、「主に」、「主として」、「専ら」、及び、「主要部分において」という用語は、流体流の特定成分の存在を記載するために使用されるときには、流体流が少なくとも50モールパーセントの定まった成分を含むことを意味する。例えば、「主に」メタンを含む流れ、「主として」メタンを含む流れ、「専ら」メタンから成る流れ、或いは、メタンの「主要部分」から構成される流れは、少なくとも50モールパーセントのメタンを含む流れを意味する。
【0038】
天然ガスを液化する最も効率的且つ効果的な手段の1つは、膨張型例冷却と組み合わされた最適化されたカスケード型稼働を介してである。そのような液化プロセスは、多段階プロパンサイクル、多段階エタン又はエチレンサイクル、及び、供給ガスの一部をメタン源として利用し且つ天然ガス流をさらに冷却し圧力を近大気圧に減少するためにその内部に多段階膨張サイクルを含む開放端部メタンサイクルを通じる通路を介してガス流を順次的に冷却することによる、高圧(例えば、650psia)での天然ガス流のカスケード型冷却を含む。冷却サイクルのシーケンスにおいて、最高の沸点を有する冷媒が利用され、第一に、中間の沸点を有する冷媒が後続し、最終的に、最低の沸点を有する冷媒が後続する。ここにおいて使用されるとき、「上流」及び「下流」という用語は、工場を通じる天然ガスの流路に沿う天然ガス液化工場の様々なコンポーネントの相対的位置を記載するために使用される。
【0039】
様々な前処理ステップが、酸性ガス、メルカプタン、水銀、及び、LNG施設に供給される天然ガス供給流からの水分のような特定の望ましくない成分を除去するための手段を提供する。ここで使用されるとき、天然ガス流は主にメタンで構成され如何なる流れでもよく、メタンの大部分は天然ガス供給流に起源し、そのような供給流は、例えば、少なくとも85モールパーセントのメタンを含み、残りは、エタン、より高い炭化水素、窒素、二酸化炭素、並びに、水銀、硫化水素、及び、メルカプタンのような少量の他の汚染物質である。前処理ステップは、冷却サイクルの上流に配置される、或いは、初期サイクルにおける冷却の早期段階の1つの下流に配置される別個のステップであり得る。以下は、当業者に直ちに知られる幾つかの入手可能な手段の非包括的なリストである。酸性ガス、及び、より少ない範囲で、メルカプタンは、水性アミン含有溶剤を利用する化学反応プロセスを介して日常的に除去される。この処理ステップは、初期サイクル中の第一冷却段階の上流で概ね遂行される。水の大部分は、初期冷却サイクルの上流で、並びに、初期冷却サイクルにおける第一冷却段階の下流でも、ガス圧縮及び冷却に続く二相ガス−液体分離を介して、液体として日常的に除去される。水銀は、水銀吸収剤ベッドを介して日常的に除去される。水及び酸性ガスの残余量は、再生可能な分子篩のような適切に選択された吸収剤ベッドを介して日常的に除去される。
【0040】
前処理された天然ガス供給流は、一般的に、高圧で液化プロセスに供給されるか、或いは、概ね500psiaよりも大きな、好ましくは、約500psia〜約3000psiaの、より好ましくは、約500psia〜約1000psiaの、さらに一層好ましくは、約600psia〜約800psiaの高圧に圧縮される。供給流温度は、典型的には、近周囲から周囲より僅かに上である。代表的な温度範囲は、60°F〜150°Fである。
【0041】
前記のように、天然ガス供給流は、複数の異なる冷媒(好ましくは3つ)によって複数の多段階サイクル又はステップ(好ましくは3段階)において冷却される。段階の数が増大するに応じて、所与サイクルのための全体的な冷却効率は向上するが、この効率の増大には、正味資本費用及びプロセス複雑性の対応する増大が伴う。供給ガスは、好ましくは、比較的高沸点冷媒を利用する第一閉塞冷却サイクル中の有効な数の冷却段階、名目上、2つの、好ましくは、2〜4つの、より好ましくは、3つの段階を通過される。そのような比較的高沸点冷媒は、好ましくは、プロパン、ポリピレン、又は、それらの混合物の大部分で構成され、より好ましくは、冷媒は、少なくとも約75モールパーセントのプロパン、より一層好ましくは、少なくとも90モールパーセントのプロパンを含み、最も好ましくは、冷媒は本質的にプロパンから成る。然る後、処理済み供給ガス流は、より低い沸点を有する冷媒との熱交換における第二閉塞冷却サイクル中の有効な数の、名目上、2つの、好ましくは、2〜4つの、より好ましくは2つ又は3つの段階を通じて流れる。そのようなより低い沸点の冷媒は、好ましくは、エタン、エチレン、又は、それらの混合物の大部分を含み、より好ましくは、冷媒は、少なくとも約75モールパーセントのエチレン、より一層好ましくは、少なくとも90モールパーセントのエチレンを含み、最も好ましくは、冷媒は本質的にエチレンから成る。各冷却段階は、別個の冷却ゾーンを含む。前記されたように、処理済み天然ガス供給流は、好ましくは、第二サイクルの最終段階において、1つ又はそれよりも多くの再循環流(即ち、圧縮開放メタンサイクルガス流)と混合され、それによって、液化流を生成する。第二冷却サイクルの最終段階において、液化流は、大部分で、好ましくは、その全体で凝縮(即ち、液化)され、それによって、加圧LNG含有流を生成する。一般的に、この場所でのプロセス圧力は、第一サイクルの第一段階への前処理済みの供給ガスの圧力よりも僅かに低いだけである。
【0042】
一般的に、天然ガス流は、1つ又はそれよりも多くの冷却段階においてC2+リッチ液体の形成をもたらすよう、そのような量のC2+成分を含有する。この液体は、ガス−液体分離手段、好ましくは、1つ又はそれよりも多くの従来的なガス−液体分離器を介して除去される。一般的に、各段階における天然ガスの順次的冷却は、主としてメタンのガス流及び顕著な量のエタン及びより重い成分を含有する液体流を生成するために、可能な限り多くのC2及びより高い分子重量炭化水素をガスから除去するよう制御される。有効な数のガス/液体分離手段が、C2+成分に富む液体流の除去のために、冷却ゾーンの下流の戦力的な場所に配置される。ガス/液体分離手段、好ましくは、従来的なガス/液体分離器の正確な場所及び数は、天然ガス供給流のC2+組成物、LNG製品の所望BTU含有量、他の用途のためのC2+成分の値、及び、LNG工場及びガス工場稼働の当業者によって日常的に考慮される他の要因のような、稼働パラメータの数に依存する。C2+炭化水素流又は複数流は、単一段階フラッシュ又は分割コラムを介して脱メタン化され得る。後者の場合には、結果として生じるメタンリッチ流は、圧力で液化プロセスに直接的に戻され得る。前者の場合には、このメタンリッチ流は、再加圧され且つ再循環され得るし、或いは、燃料ガスとして利用され得る。C2+炭化水素流もしくは複数流又は脱メタン化C2+炭化水素流は燃料として用いられ得るし、或いは、例えば、特定の化学成分(例えば、C2、C3、C4、及び、C5+)に富む個々の流れを生成するために、1つ又はそれよりも多くの分割ゾーンへ分割することによって、おそらくさらに処理され得る。
【0043】
次に、加圧LNG含有流は、後述されるように第三サイクル内に生成されるフラッシュガス(即ち、フラッシュガス流)との主メタンエコノマイザ内での接触を介して、並びに、近大気圧への加圧LNG含有流の順次的な膨張を介して、第三サイクル又は開放メタンサイクルと呼ばれる段階でさらに冷却される。第三冷却サイクルにおいて冷媒として使用されるフラッシュガスは、好ましくは、メタンの大部分から成り、より好ましくは、フラッシュガス冷媒は、少なくとも75モールパーセントのメタン、さらにより好ましくは、少なくとも90モールパーセントのメタンを含み、最も好ましくは、冷媒は本質的にメタンから成る。近大気圧への加圧LNG含有流の膨張中、加圧LNG含有流は、少なくとも1つの、好ましくは2乃至4の、より好ましくは、3つの膨張を介して冷却され、各膨張は圧力減少手段としてエキスパンダを利用する。適切なエキスパンダは、例えば、ジュールトムソン膨張弁又は水圧エキスパンダのいずれかを含む。分離器を用いたガス−液体生成物の分離が膨張に続く。水圧エキスパンダが利用され且つ適切に利用されるとき、出力の回復に関連するより大きな効率、流れ温度のより大きな減少、並びに、フラッシュ膨張ステップ中のより少ない蒸気の生成は、エキスパンダと関連するより高い資本費用及び稼働費用を相殺するだけに留まらないことが多い。1つの実施態様において、フラッシング前の加圧LNG含有流の追加的な冷却が、先ず、1つ又はそれよりも多くの水圧エキスパンダを介してこの流れの一部をフラッシングすることによって、次に、フラッシング前に加圧LNG含有流の残部を冷却するために前記フラッシュガス流を利用する間接的熱交換手段を介してフラッシングすることによって可能にされる。次に、暖められたフラッシュガス流は、温度及び圧力の見地に基づいて、開放メタンサイクルにおける適切な場所への復帰を介して再循環され、再圧縮される。
【0044】
ここに記載される液化プロセスは、幾つかの種類の冷却のうちの1つを使用し得る。冷却は、(a)間接的熱交換、(b)気化、及び、(c)膨張又は圧力減少を含むが、これらに限定されない。間接的熱交換は、ここにおいて使用されるときには、冷媒が、冷却剤と被冷却物質との間の実際の物理的な接触なしに、被冷却物質を冷却するプロセスを意味する。間接的熱交換手段の具体的な例は、シェル及び管熱交換器において受ける熱交換、ケトル内コア熱交換器、及び、蝋付けアルミニウムプレート−フィン熱交換器を含む。冷媒及び被冷却物質の物理的状態は、システムの供給及び選択される熱交換器の種類に依存して変化し得る。よって、シェル及び管熱交換器は、典型的には、冷却剤が液相にあり且つ被冷却物質が液相又は気相にある場合に、或いは、物質の1つが位相変化を受け、プロセス条件がケトル内コア熱交換器の使用を好まないときに利用される。一例として、アルミニウム及びアルミニウム合金が、コアのための建設の好適材料であるが、そのような材料は指定されたプロセス条件での使用には適さないこともあり得る。冷媒が気相にあり、且つ、被冷却物質が液相又は気相にある場合には、プレート−フィン熱交換器が典型的に利用される。最後に、被冷却物質が液相又は気相にあり、且つ、冷媒が熱交換中に液相から気相への位相変化を受ける場合には、ケトル内コア熱交換器が典型的に利用される。
【0045】
気化冷却は、一定圧力に維持されるシステムを用いた物質の一部の蒸発又は気化による物質の冷却を意味する。よって、気化中、気化する物質の部分は、液相に留まる物質の部分から熱を吸収し、故に、液体部分を冷却する。最後に、膨張又は圧力減少冷却は、ガス、液体、又は、二相システムの圧力が圧力減少手段を通過することによって減少されるときに起こる冷却を意味する。1つの実施態様において、この膨張はジュールトムソン膨張値を意味する。他の実施態様において、この膨張は水圧又はガスエキスパンダのいずれかを意味する。エキスパンダは膨張プロセスから仕事エネルギーを回復するので、膨張直後に、より低いプロセス流温度が可能である。
【0046】
図10に示されるフロー図及び装置は、最適化されたコールドボックス内に配置された1つ又はそれよりも多くの垂直ケトル内コア熱交換器を利用する発明的なLNG施設の好適な実施態様である。図11及び12は、複数の垂直ケトル内コア熱交換器を含む最適化されたコールドボックスの好適実施態様を例証している。当業者は、図10乃至12が概略的であるに過ぎず、従って、成功的な稼働のために商業的工場に必要とされる機器の多くの品目が、明瞭性の故に省略されていることを認識するであろう。そのような品目は、例えば、コンプレッサ制御、流れ及びレベル測定並びに対応するコントローラ温度及び圧力コントロール、ポンプ、モータ、フィルタ、追加的な熱交換器、及び、弁等を含み得る。これらの品目は、標準的な工学的慣行に従って設けられる。
【0047】
図10乃至12の理解を容易化するために、以下の番号付け命名法が利用される。500乃至599に番号付けられる品目は、液化プロセスと直接的に関連するプロセス容器及び機器である。600乃至699に番号付けられる品目は、主にメタン流を含む流れライン又は導管に対応している。700乃至799に番号付けられる品目は、主にエチレン流を含む流れライン又は導管に対応している。800乃至899に番号付けられる品目は、主にプロパン流を含む流れライン又は導管に対応している。
【0048】
図10を参照すると、ガス状プロパンが、ガスタービンドライバ(図示せず)によって駆動される多段階(好ましくは三段階)コンプレッサ518において圧縮される。圧縮の三段階は、好ましくは、単一ユニット内に存在するが、圧縮の各段階は、別個のユニット、又は、単一のドライバによって駆動されるよう機械的に結合される複数のユニットであり得る。圧縮直後、圧縮されたプロパンは導管800を通じて冷却器520に通され、それは冷却器で冷却され且つ液化される。フラッシング前の液化プロパン冷媒の代表的な圧力及び温度は、約100°F及び約190psiaである。冷却器520からの流れは、導管802を通じて膨張弁512として例証される圧力減少手段に通され、液化プロパンの圧力はそこで減少され、それによって、その一部を気化し或いはフラッシングする。次に、結果として得られる二相生成物は、導管804を通じて高段プロパン冷却器502内に流れ、導管652を介して導入されるガス状メタン冷媒、導管600を介して導入される天然ガス供給、及び、導管702を介して導入されるガス状エチレン冷媒は、間接的熱交換手段504,506,508を介してそれぞれ冷却され、それによって、導管654,602,704を介してそれぞれ生成される冷却ガス流を生成する。導管654内のガスは、後続段落でより詳細に議論される主メタンエコノマイザ574に供給され、流れはそこで間接的熱交換手段598を介して冷却される。次に、結果として得られる導管658を介して生成される冷却圧縮メタン循環流は、導管620内で重量(heavies)除去コラム560からの重量減少(即ち、軽く炭化水素リッチな)蒸気流と混合され、エチレン冷却器568に供給される。
【0049】
冷却器502からのプロパンガスは、導管806を通じてコンプレッサ518に戻される。このガスはコンプレッサ518の高段入口ポートに供給される。残余の液体プロパンは導管808を通過され、圧力は膨張弁514として例証される圧力減少手段を通じる通路によってさらに減少され、然る後、液化プロパンの追加的部分がフラッシュされる。次に、結果として得られる二相流が導管810を通じて中間段間プロパン冷却器522に供給され、それによって、冷却器522のための冷媒をもたらす。冷却器502からの冷却済み供給ガス流は導管602を介して別個の機器510に流れ、気相及び液相はそこで分離される。C3+成分に富み得る液相が導管603を介して除去される。気相は津悪寒604を介して除去され、次に、導管606及び608を介して運搬される2つの別個の流れに分流される。導管605内の流れは、プロパン冷却器522に供給される。導管608内の流れは、熱交換器562への供給となり、究極的には、以下に詳細に議論される重量除去コラム560への剥離ガスとなる。冷却器502からのエチレン冷媒は、導管704を介して冷却器522に導入される。冷却器522内で、ここにおいてメタンリッチ流とも呼ばれる供給ガス流、及び、エチレン冷媒流は、間接的熱移転手段524及び526を介してそれぞれ冷却され、それによって、導管610及び706を介して冷却されたメタンリッチ及びエチレン冷媒流を生成する。プロパン冷媒のこのように気化された部分は分離され、導管811を通じてコンプレッサ518の中段に通される。冷却器522からの液体プロパン冷媒は導管814を介して除去され、膨張弁516として例証される圧力減少手段を横断してフラッシュされ、次に、導管816を介して冷却器/凝縮器528に供給される。
【0050】
図10に例証されるように、メタンリッチ流は、導管610を介して中段プロパン冷却器522から低段プロパン冷却器528に流れる。冷却器528内では、流れは間接的熱交換手段530を介して冷却される。同様に、エチレン冷媒流は、導管706を介して中段プロパン冷却器522から低段プロパン冷却器528に流れる。後者において、エチレン冷媒は、間接的熱交換手段532を介して完全に凝縮され或いはほぼ全体的に凝縮される。気化されたプロパンは低段プロパン冷却器528から除去され、導管820を介してコンプレッサ518の低段入口に戻される。
【0051】
図10に例証されるように、低段プロパン冷却器528から出るメタンリッチ流は、導管612を介して高段エチレン冷却器542に導入される。エチレン冷媒は、導管708を介して低段プロパン冷却器528から出て、好ましくは、分離容器537に供給され、光成分は導管709によって除去され、凝縮されたエチレンは導管710を介して除去される。プロセス中のこの場所でのエチレン冷媒は、概ね約−24°Fの温度及び約285psiaの圧力にある。次に、エチレン冷媒はエチレンエコノマイザ534に流れ、エチレン冷媒は間接的熱交換手段538を介してそこで冷却され、導管711を介して除去され、膨張弁540として例証される圧力減少手段に通され、その直後、冷媒は事前選択された温度及び圧力にフラッシュされ、導管712を介して高段エチレン冷却器542に供給される。蒸気は導管714を介して冷却器542から除去され、エチレンエコノマイザ534に経路指定され、蒸気は間接的熱交換手段546を介して冷媒として機能する。次に、エチレン蒸気は導管716を介してエチレンエコノマイザ534から除去され、エチレンコンプレッサ548の高段入口に供給される。高段エチレン冷却器542内で気化されないエチレン冷媒は、導管718を介して除去され、間接的熱交換手段550を介したさらなる冷却のためにエチレンエコノマイザ534に戻され、導管720を介してエチレンエコノマイザから除去され、膨張弁552として例証される圧力減少手段内でフラッシュされ、その直後に、その結果として得られる二相生成物は、導管722を介して低段エチレン冷却器554に導入される。
【0052】
間接的熱交換手段544内での冷却後、メタンリッチ流は、導管616を介して高段エチレン冷却器542から除去される。次に、この流れは、低段エチレン冷却器554内の間接的熱交換手段556によってもたらされる冷却を介して部分的に凝縮され、それによって、導管618を介して重量除去コラム560に流れる二相流を生成する。前記のように、ライン604内のメタンリッチ流は、導管606及び608を介して流れるよう分流される。ここでは剥離ガスとも呼ばれる導管608の含有物は、先ず、熱交換機562に供給され、この流れは間接的熱交換手段566を介してそこで冷却され、それによって、冷却された剥離ガス流となり、次に、それは導管609を介して重量除去コラム560に流れる。ベンゼン、シクロヘキサン、他の芳香族、及び/又は、より重い炭化水素成分のようなC4+炭化水素の著しい凝縮を含む重量リッチ液体流が、導管614を介して重量除去コラム560から除去され、好ましくは、流れ制御手段597、好ましくは、圧力減少手段としても機能しうる制御弁を介してフラッシュされ、導管617を介して熱交換器562に輸送される。好ましくは、流れ制御手段597を介してフラッシュされる流れは、メタンコンプレッサ583への高段入口ポートでの圧力程度或いはそれよりも大きな圧力にフラッシュされる。フラッシングは、より大きな冷却能力を流れに付与する。熱交換器562において、導管617によって送り出される流れは、間接的熱交換手段564を介して冷却能力をもたらし、導管619を介して熱交換器562から出る。重量除去コラム560において、導管618を介して逆流状に導入される二相流は、導管609を介して導入される冷却された剥離ガス流と接触され、それによって、導管620を介する重量減少蒸気流、並びに、導管614を介する重量リッチ液体流を生成する。
【0053】
導管619内の重量リッチ流は、引き続き液体部分と蒸気部分とに分離され、好ましくは、容器567内でフラッシュされ或いは分割される。いずれの場合においても、重量リッチ液体流が導管623を介して生成され、第二メタンリッチ蒸気流が導管621を介して生成される。図10に例証される好適実施態様において、導管621内の流れは、引き続き導管628を介して送り出される第二流と混合され、混合流はメタンコンプレッサ583の高段入口ポートへ供給される。
【0054】
前記されたように、導管654内のガスは主メタンエコノマイザ574に供給され、流れは間接的熱交換手段598を介してそこで冷却される。結果として得られる導管658内の冷却された圧縮メタン循環又は冷媒流は、好適実施態様において、重量除去コラム560からの重量減少蒸気流と混合され、導管620を介して送り出され、低段エチレン冷却器568に供給される。低段エチレン冷却器568では、この流れは間接的熱交換手段570を介して冷却され且つ凝縮され、低段エチレン冷却器544からの液体排水は導管726を介してエチレン凝縮器568に経路指定される。凝縮器568からの凝縮されたメタンリッチ生成物は、導管622を介して生成される。導管を介して引き出されるエチレン冷却器554からの蒸気、及び、導管728から引き出されるエチレン凝縮器568は結合され、且つ、導管730を介してエチレンエコノマイザ534に経路指定され、蒸気は間接的熱交換手段558を介して冷媒として機能する。次に、流れは導管732を介してエチレンエコノマイザ534からエチレンコンプレッサ548の低段入口に経路指定される。
【0055】
図10に示されるように、エチレンコンプレッサ548の低段側を介して導入される蒸気からのコンプレッサ排水は、導管734を介して除去され、内部段階冷却器571を介して冷却され、導管716内に存在する高段流と一緒の射出のために、導管736を介してコンプレッサ548に戻される。好ましくは、二段階は単一のモジュールであるが、それらはそれぞれ別個のモジュール又は共通のドライバに機械的に結合された複数のモジュールであり得る。コンプレッサ548からの圧縮されたエチレン生成物は、導管700を介して下流の冷却器572に経路指定される。冷却器572からの生成物は、導管702を介して流れ、前記に議論されたように、高段プロパン冷却器502に導入される。
【0056】
導管622内の加圧LNG含有流、好ましくは、全体的に液体流は、好ましくは、約−200〜約−50°Fの範囲内、より好ましくは、約−175〜約−100°Fの範囲内、最も好ましくは、約−150〜約−125°Fの範囲内にある。導管622内の流れの圧力は、好ましくは、約500〜約700psiaの範囲内、最も好ましくは、約550〜約725psiaの範囲内にある。
【0057】
導管622内の流れは、主メタンエコノマイザ574に向けられ、流れは以下に説明される間接的熱交換手段/熱交換器経路576によってさらに冷却される。主メタンエコノマイザ574は、エコノマイザ574内の様々な主にメタンを含む流れの間の熱の間接的熱交換をもたらす複数の熱交換器経路を含むのが好ましい。好ましくは、メタンエコノマイザ574は、1つ又はそれよりも多くのプレート−フィン熱交換器を含む。熱交換器経路576からの冷却された流れは、導管624を介してメタンエコノマイザ574から出る。導管624内の流れの温度は、導管622内の流れの温度よりも少なくとも10°F少ないのが好ましい。最も好ましくは、導管624内の流れの温度は、約−200〜約ないます160°Fの範囲内にある。次に、導管624内の流れの圧力は、膨張弁574として例証される圧力減少手段によって減少され、それはガス流の一部を気化し或いはフラッシュし、それによって、二相流を生成する。次に、膨張弁578からの二相流は、高段メタンフラッシュドラムに通され、二相流はそこで導管626を通じて排出されるフラッシュガス流と導管630を通じて排出される液相流(即ち、加圧LNG含有流)とに分離される。次に、フラッシュガス流は、導管626を介して主メタンエコノマイザ574に移転され、流れは熱交換器経路582内で冷媒として機能し熱交換器経路576内の流れの冷却を助ける。よって、熱交換器経路582内の主にメタンを含む流れは、熱交換器経路576内の主にメタンを含む流れとの間接的熱交換によって、少なくとも部分的に暖められる。暖められた流れは、導管628を介して、熱交換器経路582及びメタンエコノマイザ574から出る。導管628を介して熱交換器経路582から出る暖められた主にメタンを含む流れの温度は、好ましくは、導管624内の流れの温度よりも少なくとも約10°F大きく、導管624内の流れの温度よりも少なくとも25°F大きい。導管628を介して熱交換器経路582から出る流れの温度は、好ましくは、約−50°Fよりも暖かく、より好ましくは、約0°Fよりも暖かく、より一層好ましくは、約25°Fよりも暖かく、最も好ましくは、40〜100°Fの範囲内である。
【0058】
導管630を介して、高段フラッシュドラム580から出る液相流は、第二メタンエコノマイザ587を通じて通され、液体は、間接的熱交換手段588を介して、下流フラッシュ蒸気によってさらに冷却される。冷却された液体は、導管632を介して、第二メタンエコノマイザ587から出て、圧力を減少すると同時に、その第二部分を気化するために、膨張弁591として例証される圧力減少手段を介して膨張され或いはフラッシュされる。次に、この二相流は、中段メタンフラッシュドラム592に通され、流れは、そこで、導管636を通過する気相と導管634を通過する液相に分離される。気相は導管636を通じて第二メタンエコノマイザ587に流れ、蒸気は間接的熱交換器手段589を介して導管630を介してエコノマイザ587に導入される液体を冷却する。導管638は、第二メタンエコノマイザ587内の間接熱交換器手段589と主メタンエコノマイザ574内の熱交換器経路595との間の流れ導管として働く。熱交換器経路595からの暖められた蒸気流は、導管640を介して主メタンエコノマイザ574から出て、メタンコンプレッサ583の中段入口に伝えられる。
【0059】
導管634を介して中段フラッシュドラム592から出る液相は、膨張弁593として例証される圧力減少手段を通過することによって圧力がさらに減少される。再び、液化ガスの第三部分は気化され或いはフラッシュされる。膨張弁593からの二相流は、最終又は低段フラッシュドラム594に通される。フラッシュドラム594内では、気相が分離され、導管644を通じて第二メタンエコノマイザ587に通され、そこでは、気相は間接的熱交換器手段590を介して冷媒として機能し、導管646を介して第二メタンエコノマイザ587から出て、導管は第一メタンエコノマイザ574に接続され、そこでは、蒸気は熱交換器経路596を介して冷媒として機能する。熱交換器経路596からの暖められた蒸気流は、導管648を介して主メタンエコノマイザ574から出て、コンプレッサ583の低段入口に伝えられる。
【0060】
低段フラッシュドラム594からの液化天然ガス生成物は、ほぼ大気圧にあり、導管642を通じてLNG貯蔵タンク599に通される。従来的慣行によれば、貯蔵タンク内の液化天然ガスは、(典型的には外航LNGタンカーを介して)所望場所に輸送され得る。次に、LNGは、従来的な天然ガスパイプラインを介したガス状の輸送のために、陸上LNGターミナルで気化され得る。
【0061】
図10に示されるように、コンプレッサ583の高段、中段、及び、低段は、好ましくは、単一ユニットに結合される。しかしながら、各段階は、別個のユニットとして存在することができ、その場合には、複数ユニットは、単一のドライバによって駆動されるよう、一体に機械的に結合される。低段部分からの圧縮ガスは中段冷却器585を通過し、第二段階の圧縮に先立ち、導管640内の中圧ガスと結合される。コンプレッサ583の中段からの圧縮ガスは、中段冷却器584を通され、第三段階の圧縮に先立ち、導管621及び628を介してもたらされる高圧ガスと結合される。圧縮ガス(即ち、圧縮された開放メタンサイクルガス流)は、導管650を通じて高段メタンコンプレッサから排出され、冷却器586内で冷却され、前記に議論されたように、導管652を介して高圧プロパン冷却器502に経路指定される。流れは間接的熱交換手段504を介して冷却器502内で冷却され、導管654を介して主メタンエコノマイザ574に流れる。主メタンエコノマイザ574に入る圧縮された開放メタンサイクルガス流は、間接的熱交換手段598を通じた流れを介して全体的に冷却を受ける。次に、この冷却された流れは、導管658を介して除去され、エチレン冷却の第一段階の上流の処理済み天然ガス供給流と結合される。
【0062】
図10に例証されるLNG施設は、好ましくは、(波線で描写れた)エチレンコールドボックス598を含む。ここで使用されるとき、「コールドボックス」という用語は、複数のコンポーネントを収容する絶縁され、比較的低温の流体流がその内部で生成される囲壁を意味する。ここで使用されるとき、「エチレンコールドボックス」という用語は、天然ガス流を冷却するために主にエチレン冷媒流がその内部で利用されるコールドボックスを意味する。
【0063】
図10乃至12に概略的に示されるように、エチレンコールドボックス598は、好ましくは、エチレンエコノマイザ534と、高段エチレン冷却器542と、低段エチレン冷却器5454と、エチレン凝縮器568と、エチレン冷却サイクルと関連付けられた様々な導管及び弁とを収容する。図11及び12は、冷却器542,554及び凝縮器568が、図1乃至9を参照して上記に記載された構造を有する垂直ケトル内コア熱交換器であり得る。コールドボックス598内で垂直熱交換器を利用することは、コールドボックス598がより小さなプロット空間を有することを可能にする。加えて、垂直ケトル内コア熱交換器は、上記に議論された増大された熱移転効率をもたらし得る。
【0064】
図11及び12に示されるように、エチレンボックス598は、好ましくは、浄化ガス出口900と、浄化ガス入口902とを含む。エチレンボックス598内に水が蓄積しないことを保証するために、実質的に炭化水素を含まない浄化ガスが、入口900を介してエチレンコールドボックス598内に連続的に導入される。浄化ガスは、コールドボックス598の内部を通じて流れ、出口902を介してコールドボックス598から出る。出口902を介してコールドボックス598から出る浄化ガスは、炭化水素分析器904に運搬される。炭化水素分析器904は、浄化ガス内の炭化水素の存在を検出するよう動作可能である。もし検出器904が浄化ガス内の異常に高い炭化水素濃度を検出するならば、これはエチレンボックス598内に炭化水素漏れがあることを意味する。
【0065】
たった1つのコールドボックス(即ち、エチレンコールドボックス598)が図10のLNG施設中に例証されているが、LNG施設は、垂直ケトル内コア熱交換器を収容する他のコールドボックスを利用し得る。例えば、メタン冷却サイクルの様々なコンポーネントが、メタンコールドボックス内に配置され得る。加えて、図10乃至12は、エチレン冷却器/凝縮器542、544、569が垂直ケトル内コア熱交換器であることを例証しているだけであるが、図10の発明的なLNG施設は、間接的熱移転が求められる様々な他の場所で垂直ケトル内コア変換器を利用し得る。例えば、1つ又はそれよりも多くのプロパン冷却器502、522、528は、図1乃至9を参照して上記に記載された構造を有する垂直ケトル内コア熱交換器を利用し得る。
【0066】
本発明の1つの実施態様において、図10に例証されるLNG生産システムは、従来的なプロセスシミュレーションソフトウェアを使用してコンピュータ上に模擬される。適切なシミュレーションソフトウェアの例は、HyprotechからのHYSYS(TM)、Aspen Technology,Inc.からのAspen Plus(R)、及び、Simulation Sciences Inc.からのPRO/II(R)を含む。
【0067】
上記に記載された本発明の好適な形態は、例証としてのみ使用されるべきであり、本発明の範囲を限定する意味で解釈するために使用されるべきではない。上記に示された例示的な実施態様に対する明らかな変更は、本発明の精神から逸脱することなしに、当業者によって直ちに行われ得る。
【0068】
本発明者は、これによって、以下の請求項に記載されるような本発明の文字通りの範囲の外側にあるが著しく逸脱しない如何なる装置に関して、本発明の合理的な公正な範囲を決定し且つ評価するために均等論に依存する意図を述べる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の原理に従って建設された垂直ケトル内コア熱交換器を示す切欠き側面図である。
【図2】図1の垂直ケトル内コア熱交換器を示す頂部断面図であり、コア内に形成された交互するシェル側通路及びコア側通路をより明瞭に例証するために、コアの頂部が部分的に切り取られている。
【図3】図2中の線3−3に沿って取られた側断面図であり、コアを通じるコア側流体及びシェル側流体の流れの方向を特に例証すると共に、コア内のシェル側流体の沸騰によって引き起こされる熱サイフォン効果を例証している。
【図4】2つの別個のコアを有する代替的なケトル内コア熱交換器を示す切欠き側面図である。
【図5】図4の垂直ケトル内コア熱交換器を示す上断面図であり、シェル内の2つのコアの空間的配置を特に例証している。
【図6】3つの別個のコアを有する代替的な垂直ケトル内コア熱交換器を示す切欠き側面図である。
【図7】図6の垂直ケトル内コア熱交換器を示す上断面図であり、シェル内の3つのコアの空間的配置を特に例証している。
【図8】狭い上方区画及び広い下方区画を有するシェルを利用する代替的な垂直ケトル内コア熱交換器を示す切欠き側面図である。
【図9】広い上方区画及び狭い下方区画を有するシェルを利用する代替的な垂直ケトル内コア熱交換器を示す切欠き側面図である。
【図10】天然ガス流を冷却するために少なくとも1つの垂直ケトル内コア熱交換器を利用するLNG生産のためのカスケード冷却プロセスを示す簡略されたフロー図である。
【図11】図10のLNG施設内で利用され得るエチレンコールドボックスを示す切欠き側面図であり、コールドボックス内に配置された垂直ケトル内コア熱交換器の構造を特に例証している。
【図12】図11のエチレンコールドボックスを示す切欠き上面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒からの熱を冷却流体に移転する方法であって、
(a) 前記冷媒をシェル内に定められる1よりも大きな高さ対幅比を有する内部容積に導入するステップと、
(b) 前記冷却流体を前記シェルの前記内部容積内に配置されるプレート−フィンコア内に導入するステップと、
(c) 前記コア内の前記冷却流体からの熱を、間接的熱交換を介して、前記冷媒に移転するステップとを含む、
方法。
【請求項2】
前記高さ対幅比は、少なくとも約1.25である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ(c)は、前記冷媒の少なくとも一部を気化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ(c)の前記気化するステップは、前記コア内にサイフォン効果を引き起こす、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
(d) 前記シェル内の液相冷媒のレベルを、前記コアの高さの少なくとも50%が前記液相媒体内に浸水される高さに維持するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップ(d)は、前記シェル内の液相冷媒のレベルを、前記コアの高さの75〜95%が前記液相冷媒内に浸水される高度に維持するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップ(a)は、前記冷媒を、前記シェル内の液相冷媒のレベルより上の場所で、前記内部容積内に導入するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
(e) 前記シェルの上方出口から気相冷媒を除去するステップと、
(f) 前記シェルの下方出口から気相冷媒を除去するステップとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記シェルは、中心側壁軸に沿って延びる実質的に円筒形の側壁を含み、前記側壁軸は実質的に直立である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記高さ対幅比は、少なくとも1.25である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記コアは、前記冷却流体を受容する複数のコア側通路を定め、前記コアは、前記冷媒を受容する複数のシェル側通路を定め、前記シェル側通路のそれぞれは、下方冷媒入口と上方冷媒出口との間で概ね上向きに延びる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ステップ(c)は、前記シェル側通路内の前記冷媒の少なくとも一部を気化するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記気化するステップは、前記シェル側通路を通じる前記冷媒の自然な上向きの対流を引き起こす、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記コアは、前記シェルの頂部、底部、及び、側部から離間する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記内部容積は、最大高さ(H)を有し、前記コアは、少なくと0.2Hだけ前記内部容積の前記底部から離間し、前記コアは、少なくとも0.2Hだけ前記内部容積の前記頂部から離間する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記冷却される流体は、主に、メタンを含み、前記冷媒は、主に、プロパン、プロピレン、エタン、エチレン、メタン、又は、二酸化炭素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記冷却流体は、天然ガス流であり、前記冷媒は、主に、プロパン又はエチレンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
天然ガス流を液化するためのプロセスであって、
(a) 主にプロパン又はプロピレンを含む第一冷媒との間接的熱交換を介して前記天然ガス流を冷却するステップと、
(b) 主にエタン又はエチレンを含む第二冷媒との間接的熱交換を介して前記天然ガスをさらに冷却するステップとを含み、
前記ステップ(a)及び/又は(b)の前記冷却するステップの少なくとも一部は、少なくとも1つの垂直なケトル内コア熱交換器によって遂行される、
方法。
【請求項19】
前記ケトル内コア熱交換器は、シェルと、該シェル内に収容されるプレート−フィンコアとを含み、
前記シェルは、中心側壁軸に沿って延びる実質的に円筒形の側壁を含み、
前記熱交換器は、前記側壁が実質的に直立の向きを有するよう位置付けられる、
請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記コアは、複数の概ね上向きに延びるコア側通路と、複数の概ね上向きに延びるシェル側通路とを定め、
前記天然ガス流は、前記コア側通路内に受容され、
前記第一冷媒又は前記第二冷媒は、前記シェル側通路内に受容される、
請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
前記コアは、交互するコア側通路及びシェル側通路を定める、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
前記ステップ(a)及び/又は(b)の冷却するステップは、前記シェル側通路内の前記第一冷媒の少なくとも一部を気化させることによって、熱サイフォン効果をもたらす、請求項20に記載のプロセス。
【請求項23】
前記シェルは、最大高さ(H)を有する内部通路を定め、前記コアは、前記内部容積の頂部から少なくとも0.2Hだけ離間し、前記コアは、前記内部容積の底部から少なくも2Hだけ離間する、請求項19に記載のプロセス。
【請求項24】
前記コアは、前記シェルの前記側壁から離間する、請求項24に記載のプロセス。
【請求項25】
(c) 主にメタンを含む第三冷媒との間接的熱交換を介して前記天然ガス流をさらに冷却するステップをさらに含む、
請求項18に記載のプロセス。
【請求項26】
(d) 前記天然ガス流の少なくとも一部をフラッシングすることによって、気相天然ガスをもたらすステップをさらに含み、
前記ステップ(c)は、前記気相天然ガスの少なくとも一部を前記第三冷媒として使用することを含む、
請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
前記第一冷媒は、主にプロパンを含み、前記第二冷媒は、主にエチレンを含む、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
(e) 前記ステップ(a)及び(b)のプロセスによって生成される液化天然ガスを気化するステップをさらに含む、
請求項18に記載のプロセス。
【請求項29】
請求項18に記載のプロセスによって生成される液化天然ガス生成物。
【請求項30】
請求項18に記載のプロセスを模擬するためにコンピュータを使用するステップを含む、コンピュータシミュレーションプロセス。
【請求項31】
内部容積を定めるシェルと、
前記内部容積内に配置される少なくとも1つのコアとを含み、
前記シェルは、実質的に円筒形の側壁と、正上方エンドキャップと、正下方エンドキャップとを含み、前記上方及び下方のエンドキャップは、前記側壁の概ね両端部に配置され、
前記側壁は、前記内部容積内へシェル側流体を受容するための流体入口を定め、
前記正上方エンドキャップは、前記内部容積からの気相シェル側流体を排出するための蒸気出口を定め、
前記正下方エンドキャップは、前記内部容積からの液相シェル側流体を排出するための液体出口を定める、
熱交換器。
【請求項32】
前記コアは、プレート−フィンコアである、請求項31に記載の熱交換器。
【請求項33】
前記内部容積は、最大高さ(H)と最大幅(W)とを有し、前記内部容積は、1よりも大きいH/W比を有する、請求項31に記載の熱交換器。
【請求項34】
前記コアは、前記内部容積の頂部及び底部から少なくとも0.2Hだけ離間する、請求項33に記載の熱交換器。
【請求項35】
前記流体入口は、前記内部容積の頂部及び底部から少なくとも0.3Hだけ離間する、請求項33に記載の熱交換器。
【請求項36】
前記コアは、最大高さ(h)を有し、前記コア及び前記シェルは、0.75よりも少ないh/H比を有する、請求項33に記載の熱交換器。
【請求項37】
前記h/H比は、0.25〜0.5である、請求項36に記載の熱交換器。
【請求項38】
前記コアは、最小幅(w)を有し、
前記コア及び前記シェルは、0.95よりも少ないw/W比を有する、
請求項33に記載の熱交換器。
【請求項39】
前記側壁は、中心側壁軸に沿って延び、
前記コアは、前記中心側壁軸の延長方向と実質的に平行に流れる2つの流体の間に対流熱交換をもたらす、
請求項31に記載の熱交換器。
【請求項40】
前記コアは、複数のコア側通路と、複数のシェル側通路とを定め、
前記コア側通路及び前記シェル側通路は、互いに流体的に隔離され、
前記シェル側通路は、正下方入口と、正上方出口とを提供し、
前記シェル側通路は、前記正下方入口から前記正上方出口に延びる、
請求項39に記載の熱交換器。
【請求項41】
前記コア側通路及び前記シェル側通路は、前記側壁軸の延長方向と実質的に平行に延びる、
請求項40に記載の熱交換器。
【請求項42】
前記コアは、蝋付けアルミニウム、プレート−フィンコアである、請求項31に記載の熱交換器。
【請求項43】
中心側壁軸に沿って延びる、実質的に円筒形の側壁内部容積を定めるシェルと、
該シェル内に配置されるコアとを含む、
熱交換器であって、
前記コアは、複数のコア側通路と、複数のシェル側通路とを定め、前記コア側通路は、前記シェルの前記内部容積から流体的に隔離され、
前記シェル側通路は、前記シェルの前記内部容積との流体連絡をもたらす反対側の開放端部を提供し、前記シェル側通路は、当該熱交換器が前記側壁軸と実質的に直立向きに位置付けられるとき、熱サイフォン効果が前記シェル側通路内に創成されるよう、前記側壁軸の延長方向と実質的に平行な方向に延びる、
熱交換器。
【請求項44】
前記シェル側通路に進入する如何なる流体も前記端部の1つを通じて進入しなければならないよう、前記複数のシェル側通路は、前記端部でのみ開放する、
請求項43に記載の熱交換器。
【請求項45】
前記コアは、プレート−フィンコアである、請求項43に記載の熱交換器。
【請求項46】
前記コアは、蝋付けアルミニウム、プレート−フィンコアである、請求項43に記載の熱交換器。
【請求項47】
前記内部容積は、前記側壁軸に沿って測定される最大高さ(H)と、前記側壁軸に対して垂直に測定される最大幅(W)とを有し、前記内部容積は、1よりも大きいH/W比を有する、請求項43に記載の熱交換器。
【請求項48】
前記シェルは、正上方エンドキャップと、正下方エンドキャップとを含み、
前記最大高さ(H)は、前記エンドキャップ間で測定され、
前記コアは、前記正上方エンドキャップから少なくとも0.2Hの第一最大距離だけ離間する正上方端部を提供し、
前記コアは、前記正下方エンドキャップから少なくとも0.2Hの第二最大距離だけ離間する正下方端部を提供し、
前記第一及び第二の最大距離は、前記側壁軸の延長方向と実質的に平行に測定される、
請求項47に記載の熱交換器。
【請求項49】
前記第一及び第二の最大距離は、少なくとも2フィートである、請求項48に記載の熱交換器。
【請求項50】
前記コアは、前記側壁軸に沿って測定される最大高さ(H)を有し、前記コア及び前記シェルは、0.75よりも少ないh/H比を有する、請求項47に記載の熱交換器。
【請求項51】
前記シェルは、前記シェルの前記内部容積とそれぞれ連絡する入口と、第一出口と、第二出口とを含み、
前記第一及び第二の出口は、前記側壁軸に沿って互いに離間し、
前記第一及び第二の出口は、前記シェルの概ね両端部に配置される、
請求項43に記載の熱交換器。
【請求項52】
前記入口は、前記側壁内に形成される、請求項51に記載の熱交換器。
【請求項53】
中心側壁軸に沿って延びる実質的に円筒形の側壁を含むシェルと、
該シェル内に配置されるプレート−フィンコアと、
前記側壁軸が実質的に直立な垂直構造に前記シェルを支持するよう構成される支持構造とを含む、
ケトル内コア熱交換器システム。
【請求項54】
前記コアは、蝋付けアルミニウム、プレート−フィンコアである、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記シェルは、前記コアが配置される内部容積を定め、
該内部容積は、前記側壁軸に沿って測定される最大高さ(H)と、前記側壁軸に対して垂直に測定される最大幅(W)とを有し、
前記内部容積は、1よりも大きいH/W比を有する、
請求項53に記載のシステム。
【請求項56】
前記シェルは、正上方エンドキャップと、正下方エンドキャップとを含み、
前記最大高さ(H)は、前記エンドキャップ間で測定され、
前記コアは、前記正上方エンドキャップから少なくとも0.2Hの第一最大距離だけ離間する正上方端部を提供し、
前記コアは、前記正下方エンドキャップから少なくとも0.2Hの第二最大距離だけ離間する正下方端部を提供し、
前記第一及び第二の最大距離は、前記側壁軸の延長方向と実質的に平行に測定される、
請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記第一及び第二の最大距離は、少なくとも2フィートである、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記コアは、前記側壁軸に沿って測定される最大高さ(H)を有し、
前記コア及び前記シェルは、0.75よりも少ないh/H比を有する、
請求項58に記載のシステム。
【請求項59】
前記シェルは、前記シェルの前記内部容積とそれぞれ連絡する入口と、第一出口と、第二出口とを含み、
前記第一及び第二の出口は、前記側壁軸に沿って互いに離間し、
前記第一及び第二の出口は、前記シェルの概ね両端部に配置される、
請求項55に記載のシステム。
【請求項60】
前記入口は、前記側壁内に形成される、請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
内部容積を定めるコールドボックスと、
前記内部容積内に配置される複数の垂直ケトル内コア熱交換器とを含む、
装置。
【請求項62】
前記コールドボックスの前記内部容積内に配置され、且つ、前記ケトル内コア熱交換器を実質的に取り囲む実質的に緩い絶縁材料をさらに含む、
請求項61に記載の装置。
【請求項63】
前記絶縁材料は、パーライトを含む、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記コールドボックスは、浄化ガス入口と、浄化ガス出口とを定め、
前記コールドボックスは、前記浄化ガス入口及び出口を除き、実質的に流体密である、
請求項61に記載の装置。
【請求項65】
炭化水素の存在を検出するよう動作可能な炭化水素モニタをさらに含み、
該炭化水素モニタは、前記浄化ガス出口と流体連絡して配置される、
請求項64に記載の装置。
【請求項66】
1つ又はそれよりも多くの冷媒との間接的熱交換によって天然ガス供給流を冷却するための液化天然ガス施設であって、
該液化天然ガス施設は、
第一冷媒との間接的熱交換を介して前記天然ガス流を冷却するための第一冷却サイクルを含み、
該第一冷却サイクルは、第一垂直ケトル内コア熱交換器を含み、
該第一垂直ケトル内コア熱交換器は、互いに流体的に隔離されたケトル側容積と、コア側容積とを定め、
前記ケトル側容積は、前記第一冷媒を収容するよう構成され、前記コア側容積は、前記天然ガス流を受容するよう構成される、
液化天然ガス施設。
【請求項67】
前記第一冷媒は、主に、プロパン、プロピレン、エタン、エチレン、又は、二酸化炭素を含む、請求項66に記載の施設。
【請求項68】
前記第一冷媒は、主にエチレンを含む、請求項66に記載の施設。
【請求項69】
前記第一冷却サイクルは、前記第一冷媒との間接的熱交換を介して、前記天然ガス流を順次的に冷却するために、複数の垂直ケトル内コア熱交換器を利用する、請求項66に記載の施設。
【請求項70】
前記第一冷却サイクルは、前記複数の垂直ケトル内コア熱交換器を収容するコールドボックスを含む、請求項66に記載の施設。
【請求項71】
前記第一冷媒と異なる組成の第二冷媒との間接的熱交換を介して前記天然ガス流を冷却するための第二冷却サイクルをさらに含む、
請求項66に記載の施設。
【請求項72】
前記第二冷媒は、主に、プロパン、プロピレン、エタン、エチレン、又は、二酸化炭素を含む、請求項71に記載の施設。
【請求項73】
前記第一冷媒は、主にエチレンを含み、
前記第二冷媒は、主にプロパンを含む、
請求項71に記載の施設。
【請求項74】
前記第二冷却サイクルは、前記第一冷却サイクルの上流に配置される、請求項73に記載の施設。
【請求項75】
前記第二冷却サイクルは、第二垂直ケトル内コア熱交換器を含む、請求項71に記載の施設。
【請求項76】
前記第一及び第二の冷却サイクルの下流に配置される開放メタン冷却サイクルをさらに含む、
請求項71に記載の施設。
【請求項1】
冷媒からの熱を冷却流体に移転する方法であって、
(a) 前記冷媒をシェル内に定められる1よりも大きな高さ対幅比を有する内部容積に導入するステップと、
(b) 前記冷却流体を前記シェルの前記内部容積内に配置されるプレート−フィンコア内に導入するステップと、
(c) 前記コア内の前記冷却流体からの熱を、間接的熱交換を介して、前記冷媒に移転するステップとを含む、
方法。
【請求項2】
前記高さ対幅比は、少なくとも約1.25である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ(c)は、前記冷媒の少なくとも一部を気化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップ(c)の前記気化するステップは、前記コア内にサイフォン効果を引き起こす、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
(d) 前記シェル内の液相冷媒のレベルを、前記コアの高さの少なくとも50%が前記液相媒体内に浸水される高さに維持するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップ(d)は、前記シェル内の液相冷媒のレベルを、前記コアの高さの75〜95%が前記液相冷媒内に浸水される高度に維持するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップ(a)は、前記冷媒を、前記シェル内の液相冷媒のレベルより上の場所で、前記内部容積内に導入するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
(e) 前記シェルの上方出口から気相冷媒を除去するステップと、
(f) 前記シェルの下方出口から気相冷媒を除去するステップとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記シェルは、中心側壁軸に沿って延びる実質的に円筒形の側壁を含み、前記側壁軸は実質的に直立である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記高さ対幅比は、少なくとも1.25である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記コアは、前記冷却流体を受容する複数のコア側通路を定め、前記コアは、前記冷媒を受容する複数のシェル側通路を定め、前記シェル側通路のそれぞれは、下方冷媒入口と上方冷媒出口との間で概ね上向きに延びる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ステップ(c)は、前記シェル側通路内の前記冷媒の少なくとも一部を気化するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記気化するステップは、前記シェル側通路を通じる前記冷媒の自然な上向きの対流を引き起こす、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記コアは、前記シェルの頂部、底部、及び、側部から離間する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記内部容積は、最大高さ(H)を有し、前記コアは、少なくと0.2Hだけ前記内部容積の前記底部から離間し、前記コアは、少なくとも0.2Hだけ前記内部容積の前記頂部から離間する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記冷却される流体は、主に、メタンを含み、前記冷媒は、主に、プロパン、プロピレン、エタン、エチレン、メタン、又は、二酸化炭素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記冷却流体は、天然ガス流であり、前記冷媒は、主に、プロパン又はエチレンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
天然ガス流を液化するためのプロセスであって、
(a) 主にプロパン又はプロピレンを含む第一冷媒との間接的熱交換を介して前記天然ガス流を冷却するステップと、
(b) 主にエタン又はエチレンを含む第二冷媒との間接的熱交換を介して前記天然ガスをさらに冷却するステップとを含み、
前記ステップ(a)及び/又は(b)の前記冷却するステップの少なくとも一部は、少なくとも1つの垂直なケトル内コア熱交換器によって遂行される、
方法。
【請求項19】
前記ケトル内コア熱交換器は、シェルと、該シェル内に収容されるプレート−フィンコアとを含み、
前記シェルは、中心側壁軸に沿って延びる実質的に円筒形の側壁を含み、
前記熱交換器は、前記側壁が実質的に直立の向きを有するよう位置付けられる、
請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記コアは、複数の概ね上向きに延びるコア側通路と、複数の概ね上向きに延びるシェル側通路とを定め、
前記天然ガス流は、前記コア側通路内に受容され、
前記第一冷媒又は前記第二冷媒は、前記シェル側通路内に受容される、
請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
前記コアは、交互するコア側通路及びシェル側通路を定める、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
前記ステップ(a)及び/又は(b)の冷却するステップは、前記シェル側通路内の前記第一冷媒の少なくとも一部を気化させることによって、熱サイフォン効果をもたらす、請求項20に記載のプロセス。
【請求項23】
前記シェルは、最大高さ(H)を有する内部通路を定め、前記コアは、前記内部容積の頂部から少なくとも0.2Hだけ離間し、前記コアは、前記内部容積の底部から少なくも2Hだけ離間する、請求項19に記載のプロセス。
【請求項24】
前記コアは、前記シェルの前記側壁から離間する、請求項24に記載のプロセス。
【請求項25】
(c) 主にメタンを含む第三冷媒との間接的熱交換を介して前記天然ガス流をさらに冷却するステップをさらに含む、
請求項18に記載のプロセス。
【請求項26】
(d) 前記天然ガス流の少なくとも一部をフラッシングすることによって、気相天然ガスをもたらすステップをさらに含み、
前記ステップ(c)は、前記気相天然ガスの少なくとも一部を前記第三冷媒として使用することを含む、
請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
前記第一冷媒は、主にプロパンを含み、前記第二冷媒は、主にエチレンを含む、請求項26に記載のプロセス。
【請求項28】
(e) 前記ステップ(a)及び(b)のプロセスによって生成される液化天然ガスを気化するステップをさらに含む、
請求項18に記載のプロセス。
【請求項29】
請求項18に記載のプロセスによって生成される液化天然ガス生成物。
【請求項30】
請求項18に記載のプロセスを模擬するためにコンピュータを使用するステップを含む、コンピュータシミュレーションプロセス。
【請求項31】
内部容積を定めるシェルと、
前記内部容積内に配置される少なくとも1つのコアとを含み、
前記シェルは、実質的に円筒形の側壁と、正上方エンドキャップと、正下方エンドキャップとを含み、前記上方及び下方のエンドキャップは、前記側壁の概ね両端部に配置され、
前記側壁は、前記内部容積内へシェル側流体を受容するための流体入口を定め、
前記正上方エンドキャップは、前記内部容積からの気相シェル側流体を排出するための蒸気出口を定め、
前記正下方エンドキャップは、前記内部容積からの液相シェル側流体を排出するための液体出口を定める、
熱交換器。
【請求項32】
前記コアは、プレート−フィンコアである、請求項31に記載の熱交換器。
【請求項33】
前記内部容積は、最大高さ(H)と最大幅(W)とを有し、前記内部容積は、1よりも大きいH/W比を有する、請求項31に記載の熱交換器。
【請求項34】
前記コアは、前記内部容積の頂部及び底部から少なくとも0.2Hだけ離間する、請求項33に記載の熱交換器。
【請求項35】
前記流体入口は、前記内部容積の頂部及び底部から少なくとも0.3Hだけ離間する、請求項33に記載の熱交換器。
【請求項36】
前記コアは、最大高さ(h)を有し、前記コア及び前記シェルは、0.75よりも少ないh/H比を有する、請求項33に記載の熱交換器。
【請求項37】
前記h/H比は、0.25〜0.5である、請求項36に記載の熱交換器。
【請求項38】
前記コアは、最小幅(w)を有し、
前記コア及び前記シェルは、0.95よりも少ないw/W比を有する、
請求項33に記載の熱交換器。
【請求項39】
前記側壁は、中心側壁軸に沿って延び、
前記コアは、前記中心側壁軸の延長方向と実質的に平行に流れる2つの流体の間に対流熱交換をもたらす、
請求項31に記載の熱交換器。
【請求項40】
前記コアは、複数のコア側通路と、複数のシェル側通路とを定め、
前記コア側通路及び前記シェル側通路は、互いに流体的に隔離され、
前記シェル側通路は、正下方入口と、正上方出口とを提供し、
前記シェル側通路は、前記正下方入口から前記正上方出口に延びる、
請求項39に記載の熱交換器。
【請求項41】
前記コア側通路及び前記シェル側通路は、前記側壁軸の延長方向と実質的に平行に延びる、
請求項40に記載の熱交換器。
【請求項42】
前記コアは、蝋付けアルミニウム、プレート−フィンコアである、請求項31に記載の熱交換器。
【請求項43】
中心側壁軸に沿って延びる、実質的に円筒形の側壁内部容積を定めるシェルと、
該シェル内に配置されるコアとを含む、
熱交換器であって、
前記コアは、複数のコア側通路と、複数のシェル側通路とを定め、前記コア側通路は、前記シェルの前記内部容積から流体的に隔離され、
前記シェル側通路は、前記シェルの前記内部容積との流体連絡をもたらす反対側の開放端部を提供し、前記シェル側通路は、当該熱交換器が前記側壁軸と実質的に直立向きに位置付けられるとき、熱サイフォン効果が前記シェル側通路内に創成されるよう、前記側壁軸の延長方向と実質的に平行な方向に延びる、
熱交換器。
【請求項44】
前記シェル側通路に進入する如何なる流体も前記端部の1つを通じて進入しなければならないよう、前記複数のシェル側通路は、前記端部でのみ開放する、
請求項43に記載の熱交換器。
【請求項45】
前記コアは、プレート−フィンコアである、請求項43に記載の熱交換器。
【請求項46】
前記コアは、蝋付けアルミニウム、プレート−フィンコアである、請求項43に記載の熱交換器。
【請求項47】
前記内部容積は、前記側壁軸に沿って測定される最大高さ(H)と、前記側壁軸に対して垂直に測定される最大幅(W)とを有し、前記内部容積は、1よりも大きいH/W比を有する、請求項43に記載の熱交換器。
【請求項48】
前記シェルは、正上方エンドキャップと、正下方エンドキャップとを含み、
前記最大高さ(H)は、前記エンドキャップ間で測定され、
前記コアは、前記正上方エンドキャップから少なくとも0.2Hの第一最大距離だけ離間する正上方端部を提供し、
前記コアは、前記正下方エンドキャップから少なくとも0.2Hの第二最大距離だけ離間する正下方端部を提供し、
前記第一及び第二の最大距離は、前記側壁軸の延長方向と実質的に平行に測定される、
請求項47に記載の熱交換器。
【請求項49】
前記第一及び第二の最大距離は、少なくとも2フィートである、請求項48に記載の熱交換器。
【請求項50】
前記コアは、前記側壁軸に沿って測定される最大高さ(H)を有し、前記コア及び前記シェルは、0.75よりも少ないh/H比を有する、請求項47に記載の熱交換器。
【請求項51】
前記シェルは、前記シェルの前記内部容積とそれぞれ連絡する入口と、第一出口と、第二出口とを含み、
前記第一及び第二の出口は、前記側壁軸に沿って互いに離間し、
前記第一及び第二の出口は、前記シェルの概ね両端部に配置される、
請求項43に記載の熱交換器。
【請求項52】
前記入口は、前記側壁内に形成される、請求項51に記載の熱交換器。
【請求項53】
中心側壁軸に沿って延びる実質的に円筒形の側壁を含むシェルと、
該シェル内に配置されるプレート−フィンコアと、
前記側壁軸が実質的に直立な垂直構造に前記シェルを支持するよう構成される支持構造とを含む、
ケトル内コア熱交換器システム。
【請求項54】
前記コアは、蝋付けアルミニウム、プレート−フィンコアである、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記シェルは、前記コアが配置される内部容積を定め、
該内部容積は、前記側壁軸に沿って測定される最大高さ(H)と、前記側壁軸に対して垂直に測定される最大幅(W)とを有し、
前記内部容積は、1よりも大きいH/W比を有する、
請求項53に記載のシステム。
【請求項56】
前記シェルは、正上方エンドキャップと、正下方エンドキャップとを含み、
前記最大高さ(H)は、前記エンドキャップ間で測定され、
前記コアは、前記正上方エンドキャップから少なくとも0.2Hの第一最大距離だけ離間する正上方端部を提供し、
前記コアは、前記正下方エンドキャップから少なくとも0.2Hの第二最大距離だけ離間する正下方端部を提供し、
前記第一及び第二の最大距離は、前記側壁軸の延長方向と実質的に平行に測定される、
請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記第一及び第二の最大距離は、少なくとも2フィートである、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記コアは、前記側壁軸に沿って測定される最大高さ(H)を有し、
前記コア及び前記シェルは、0.75よりも少ないh/H比を有する、
請求項58に記載のシステム。
【請求項59】
前記シェルは、前記シェルの前記内部容積とそれぞれ連絡する入口と、第一出口と、第二出口とを含み、
前記第一及び第二の出口は、前記側壁軸に沿って互いに離間し、
前記第一及び第二の出口は、前記シェルの概ね両端部に配置される、
請求項55に記載のシステム。
【請求項60】
前記入口は、前記側壁内に形成される、請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
内部容積を定めるコールドボックスと、
前記内部容積内に配置される複数の垂直ケトル内コア熱交換器とを含む、
装置。
【請求項62】
前記コールドボックスの前記内部容積内に配置され、且つ、前記ケトル内コア熱交換器を実質的に取り囲む実質的に緩い絶縁材料をさらに含む、
請求項61に記載の装置。
【請求項63】
前記絶縁材料は、パーライトを含む、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記コールドボックスは、浄化ガス入口と、浄化ガス出口とを定め、
前記コールドボックスは、前記浄化ガス入口及び出口を除き、実質的に流体密である、
請求項61に記載の装置。
【請求項65】
炭化水素の存在を検出するよう動作可能な炭化水素モニタをさらに含み、
該炭化水素モニタは、前記浄化ガス出口と流体連絡して配置される、
請求項64に記載の装置。
【請求項66】
1つ又はそれよりも多くの冷媒との間接的熱交換によって天然ガス供給流を冷却するための液化天然ガス施設であって、
該液化天然ガス施設は、
第一冷媒との間接的熱交換を介して前記天然ガス流を冷却するための第一冷却サイクルを含み、
該第一冷却サイクルは、第一垂直ケトル内コア熱交換器を含み、
該第一垂直ケトル内コア熱交換器は、互いに流体的に隔離されたケトル側容積と、コア側容積とを定め、
前記ケトル側容積は、前記第一冷媒を収容するよう構成され、前記コア側容積は、前記天然ガス流を受容するよう構成される、
液化天然ガス施設。
【請求項67】
前記第一冷媒は、主に、プロパン、プロピレン、エタン、エチレン、又は、二酸化炭素を含む、請求項66に記載の施設。
【請求項68】
前記第一冷媒は、主にエチレンを含む、請求項66に記載の施設。
【請求項69】
前記第一冷却サイクルは、前記第一冷媒との間接的熱交換を介して、前記天然ガス流を順次的に冷却するために、複数の垂直ケトル内コア熱交換器を利用する、請求項66に記載の施設。
【請求項70】
前記第一冷却サイクルは、前記複数の垂直ケトル内コア熱交換器を収容するコールドボックスを含む、請求項66に記載の施設。
【請求項71】
前記第一冷媒と異なる組成の第二冷媒との間接的熱交換を介して前記天然ガス流を冷却するための第二冷却サイクルをさらに含む、
請求項66に記載の施設。
【請求項72】
前記第二冷媒は、主に、プロパン、プロピレン、エタン、エチレン、又は、二酸化炭素を含む、請求項71に記載の施設。
【請求項73】
前記第一冷媒は、主にエチレンを含み、
前記第二冷媒は、主にプロパンを含む、
請求項71に記載の施設。
【請求項74】
前記第二冷却サイクルは、前記第一冷却サイクルの上流に配置される、請求項73に記載の施設。
【請求項75】
前記第二冷却サイクルは、第二垂直ケトル内コア熱交換器を含む、請求項71に記載の施設。
【請求項76】
前記第一及び第二の冷却サイクルの下流に配置される開放メタン冷却サイクルをさらに含む、
請求項71に記載の施設。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2008−518187(P2008−518187A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537930(P2007−537930)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/036846
【国際公開番号】WO2006/047097
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(503054111)コノコフィリップス カンパニー (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/036846
【国際公開番号】WO2006/047097
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(503054111)コノコフィリップス カンパニー (12)
【Fターム(参考)】
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