説明

N−チアゾール−2−イル−ベンズアミド誘導体のプロドラッグ

本発明は、可変基が特許請求の範囲において定義される式Iの化合物に関する。前記化合物は、水溶性が改善されたA2A-受容体リガンドのプロドラッグであり、A2A-受容体が関与する神経および精神疾患の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の化合物はアデノシン2A (A2A)受容体に対して親和性を有するN-チアゾール-2-イル-ベンズアミド誘導体の分類のプロドラッグである。前記化合物はA2A-アンタゴニストに戻り、A2A受容体が関与している神経および精神の障害の治療に有用である。A2A受容体が関与している疾患の例としては、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病、ハンチントン病、てんかん、脳虚血、出血性脳卒中、新生児虚血および低酸素症、くも膜下出血、外傷性脳損傷、心停止に続く脳損傷、およびうつ病および精神病性障害が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
アデノシンは哺乳類生物のニューロンおよびグリアを含む全ての細胞に存在し、種々の重要な生理的過程を調節している。アデノシンの作用にはGタンパク質共役型受容体のファミリーに属する特定の受容体が介在する。4つのアデノシン受容体、A1、A2A、A2BおよびA3がクローニングされ、特性が明らかにされている(非特許文献1)。主要な細胞内シグナル経路は、アデニル酸シクラーゼの阻害を引き起こすA1およびA3受容体、およびそれを活性化するA2AおよびA2B受容体とともにcAMPの形成に関与している(非特許文献2)。
【0003】
全てのアデノシン受容体はCNSに位置している(非特許文献3、非特許文献4)。本明細書における興味の対象である受容体A2Aは主に、ヒトを含む種々の哺乳類の基底核の構成部分、線条体および淡蒼球のようなドーパミンに富んだ領域で見られる。中枢の構成部分として線条体を有する基底核は、運動行動を引き起こすための皮質、視床および辺縁系の情報の統合に関与する(総説として非特許文献5を参照)。
【0004】
線条体のA2AおよびドーパミンD2受容体は、いわゆる線条体からの間接出力路を形成し、運動阻害に関与する、線条体淡蒼球のGABA作用性ニューロンにおいて接近して一緒に局在することがわかっている。A2A受容体は、種々の方法でGABA、ドーパミン、アセチルコリンおよびグルタミン酸の神経伝達を調節することにより、運動行動の制御に寄与している。近年、A2AおよびD2受容体間の相互作用、そして、特にA2Aアンタゴニストの作用に、ドーパミンレベルの減少が関連するパーキンソン病(PD)の治療において大きな関心が持たれている。A2A受容体はD2受容体と持続性におよび拮抗的に相互作用し、刺激における、ドーパミンに対するD2受容体の親和性を減少させる。従って、A2Aアンタゴニストはパーキンソン病の治療に関する単剤療法として有用である。あるいは、臨床的に使用されるドーパミンアゴニストの効果を増強し、ドーパミン性薬剤応答の期間を増加させることができる(例えば: 非特許文献6 ;非特許文献5;非特許文献7参照)。
【0005】
選択的A2A受容体アゴニストおよびアンタゴニストについては、げっ歯類およびヒト以外の霊長類における薬理、行動および神経保護に関する実験において広く記載されている(総説として非特許文献6;非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10参照)。
【0006】
D2およびA2A受容体の緊密な相互作用はカタレプシーのモデルにおいて明確に例証され、D2受容体アンタゴニストならびにA2A受容体アゴニストは、それぞれA2A受容体アンタゴニストおよびD2受容体アゴニストによって妨げられるカタレプシーを誘導する(非特許文献5およびその中の引用文献参照)。
【0007】
A2A受容体アンタゴニストの期待できる抗パーキンソン症候群効果が、最近多くの研究者によって報告されている。例えば、SCH58261 (2-(2-フラニル)-7-(2-フェニルエチル)-7H-ピラゾロ[4,3-e][1,2,4]トリアゾロ [1,5-c]ピリミジン-5-アミン)およびKW-6002 (8-[(1E)-2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル]-1,3-ジエチル-3,7-ジヒドロ-7-メチル-1H-プリン-2,6-ジオン)は両方とも、片側6-OHDA (6-ヒドロキシドーパミン) 破壊マウスおよびラットにおいて、閾値下用量のレボドパにより誘導される反対側回転(contralateral rotations)を増強する(非特許文献11およびその中の引用文献参照)。さらに、KW-6002は、ヒト以外の霊長類においてMPTPによって誘導される運動障害(motor impairment)を、ドーパミンアゴニストL-ドーパを用いる長期治療において通常報告される運動異常を引き起こすことなく、有意に改善する(非特許文献12;非特許文献13;非特許文献14)。
【0008】
従って、A2A受容体アンタゴニストは、運動障害を抑えるだけでなく、細胞の生存を促進することにより、疾患の進行を遅延または停止させることができるので、PD患者の長期投薬のための次世代の薬剤として大きな可能性を示すものである。
【0009】
A2A受容体アンタゴニストによる神経保護効果が、種々の神経変性疾患のインビボおよびインビトロモデルにおいて最近報告されている(非特許文献10および非特許文献15参照)。A2Aアンタゴニストは、MPTP(1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン)処置マウスおよび6-OHDA-破壊ラットにおけるように種々のPDモデルにおいて神経を保護することが示されている。ここで、KW-6002は、線条体におけるドーパミン作用性神経終末の機能的欠失を抑制し、ならびにグリオーシスが通常誘導する周辺変性ニューロン(around degenerating neurons)を抑制する (非特許文献16;非特許文献17; 非特許文献12、非特許文献18)。同様の結果がハンチントン病の実験モデルにおいて得られている。ラットHDモデルにおいては、アデノシンA2A受容体アンタゴニストの使用後に、線条体細胞消失の減少および運動性の変化(motor changes)とともに、キノリン酸またはカイニン酸が誘発する損傷が減少した(非特許文献19;非特許文献20)。さらに、A2A受容体アンタゴニストが新生仔および大人のラットおよびスナネズミにおける虚血後の神経細胞死を減少させることが示されている(非特許文献21;非特許文献22)。A2Aノックアウト動物は、新生仔の低酸素性虚血および一過性の病巣虚血(focal ischemia)から、および3NP(3-ニトロプロピオン酸)誘導性のシナプス前の、神経毒性グルタミン酸の放出から保護されることが報告されている(非特許文献23、非特許文献24、非特許文献25)。グルタミン酸放出による神経変性に対するA2Aアンタゴニストの保護効果は、既に大脳皮質への虚血性障害のラットモデルにおいて示されている(非特許文献26および非特許文献27)。
【0010】
A2Aアンタゴニストによる保護は、bFGF誘導のアストログリオーシスのラットモデル、アミロイドベータペプチド25-35 誘導の脳顆粒細胞(CGCs)における神経毒症状、およびラット器官型スライス培養でのQA誘導の神経細胞死のモデルにおける初代培養の星状膠細胞においても報告されている(非特許文献28;非特許文献29;非特許文献30)。
【0011】
アデノシンは発作の調節に関与しており(非特許文献31)、抗痙攣効果には主にA1が介在している。A2Aアンタゴニストは受容体相互作用を調節することができ(非特許文献32)、従ってA2Aアンタゴニストは、てんかんにおける保護的なA1活性についてを明らかにし得るものである(非特許文献33;非特許文献34)。
【0012】
要するに、A2A受容体アンタゴニストは、損傷に誘導される種々の形態の神経変性から、種々のニューロンを効果的に保護することができる(非特許文献35;非特許文献36)。
アデノシンおよびその類似体は、精神障害の動物モデルにおいて「抑制薬様」の効果を誘導する(非特許文献37;非特許文献38)。さらに、これらの行動欠損(behavioural deficits)が、アデノシンA2A受容体アンタゴニストにより抑えられることが見出された(非特許文献39)。さらなる研究では、アデノシンまたは2-クロロアデノシンでの処置により、一般的に信頼性が高いと考えられているうつ病のもう1つの動物モデルである、マウス強制水泳試験における無動化時間が増加することが示されている(非特許文献40)。
【0013】
4-アミノ[1,2,3]トリアゾロ [4,3-α]キノキサリン類として知られる、A2AおよびA1受容体サブタイプの両者に対して親和性を有するいくつかの化合物が、物質が抗うつ活性を有することを示すラットの強制水泳試験において活性であることが示されている(非特許文献41)。ごく最近、A2A受容体ノックアウトマウスが、野生型の同腹子よりも「抑制薬」の攻撃接種(challenges)に対して感受性が低いことが見出された(非特許文献42)。このデータと一致して、A2A受容体アンタゴニストSCH58261およびKW6002は、マウス尾懸垂試験において全体の無動化時間を減少させた(非特許文献42)。アンタゴニストSCH58261およびZM241385 4-(2-[7-アミノ-2-(2-フリル)[1,2,4]トリアゾロ [2,3-α][1,3,5]トリアジン-5-イルアミノ]-エチル)フェノールが、高い無動化時間を有するとして予め選別されたマウスに投与した場合に無動化を減少させ、さらにSCH58261が、このモデルにおいて、「無力(helplessness)」に関して選択交配したマウスの無動化を減少させることもまた見出された(非特許文献42)。
【0014】
A2Aノックアウトマウスを用いる研究により、これらの動物が、D1およびD2受容体の発現および結合親和性に関しては影響を受けないにもかかわらず、アンフェタミンおよびコカインのような精神刺激薬に対して鈍い応答を示すことが報告されている(非特許文献43)。さらに、A2A受容体の不活化がアンフェタミン誘導性行動感作を選択的に弱めることが示されている(非特許文献44)。さらに、A2Aノックアウトマウスは、驚愕反応の減少および音刺激驚愕反応のPPIを示し(非特許文献45)、これらの測定は抗精神病薬活性を検出するのに頻繁に使用されているものである。これは、選択的なアンタゴニストによるA2A受容体の薬理的遮断が、プレパルスインヒビション(PPI)を完全に抑えるという研究において、さらに支持される(非特許文献46)。MK-801およびアンフェタミンのような精神刺激薬では、A2A KOマウスにおける驚愕反応およびPPIを妨げることはできなかった(非特許文献45)。
【0015】
従って、得られた知見からは、アデノシンA2A受容体アンタゴニストが、中脳線条体(mesostriatal)または中間皮質辺縁系の(mesocorticolimbic)ドーパミン作用経路を特異的に調節することにより、抗うつ薬および/または抗精神病薬特性を有することが示唆される。
【0016】
Bastia等の、非特許文献47には、マウス疼痛モデルにおけるA(1)およびA(2A)アデノシン受容体リガンドの効果の研究が記載されている。A2A受容体と睡眠との関連性に関するいくつかの刊行物も存在する(例えば、非特許文献48、非特許文献49および非特許文献50)。
【0017】
A2A受容体アンタゴニストの異なる用途に関する刊行物の例を以下に挙げる。特許文献1には、不穏下肢症候群(RLS)の治療にA2A受容体アンタゴニストを使用する方法が記載されている。特許文献2では、A2A受容体アンタゴニストの注意欠陥過活動性障害(ADHD)への使用が提唱されている。認識におけるA2A受容体アンタゴニストの有用性は、非特許文献51および非特許文献52において提唱されている。Jacobson K.A.およびGao Zによる総説である非特許文献53は、治療ターゲットとしてのアデノシン受容体に関するものであり、そして、他の刊行物では、A2A受容体アンタゴニストの片頭痛、アルコール乱用およびRLSへの使用が提唱されている。
【特許文献1】米国特許出願第20040138235号明細書
【特許文献2】国際公開第02/055083号パンフレット
【非特許文献1】Fredholm et al, 1994, Pharmac. Rev., 46, 143-156
【非特許文献2】Olah et al, Pharacol. Ther., 2000, 85, 55-75
【非特許文献3】Impagnatiello et al, Emerg. Ther. Targets, 2000, 4, 635-644
【非特許文献4】Rosin et al, J. Comp. Neurol., 1998, 401, 163-186
【非特許文献5】Svenningson et al, Prog. Neurobiol., 1999, 59, 355-396
【非特許文献6】Richardson et al, Trends Pharmacol. Sci., 1997, 18, 338-344
【非特許文献7】Fuxe et al, Parkinsonエs Dis. Adv., 2001, 86, 345-353
【非特許文献8】Ribeiro et al, Prog. Neurobiol., 2003, 68, 377-392
【非特許文献9】Ongini et al, Il Farmaco, 2001, 56, 87-90
【非特許文献10】Wardas, Polish J. Pharmacology, 2003, 54, 313-326
【非特許文献11】Ongini et al, Drug Dev. Res., 2001, 52, 379-386
【非特許文献12】Kanda et al, Ann. Neurol., 1998, 43, 507- 513
【非特許文献13】Grondin et al, Neurology, 1999, 52, 1673-1677
【非特許文献14】Kanda et al, Exp. Neurol., 2000, 162, 321-327
【非特許文献15】Stone TW. Adv. Exp. Med. Biol. 2002, 513, 249-80
【非特許文献16】Ikeda et al, J. Neurochem., 2002, 80, 262-270
【非特許文献17】Hirsch et al, Adv. Neurol., 1999, 80, 9-18
【非特許文献18】Lundblad et al. J. Neurochem. 2003, 84(6), 1398-410
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【非特許文献20】Popoli et al, J. Neurosci., 2002, 22, 1967-1975
【非特許文献21】Gao Y, Phillis JW., Life Sci. 1994, 55(3), PL61-5
【非特許文献22】Monopoli A. et al, Neuroreport, 1998, 9(17), 3955-9
【非特許文献23】Bona E. et al, Neuropharmacology, 1997, 36(9), 1327-38
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【非特許文献25】Blum D. et al, J. Neurosci, 2003, 23, 5361-5369
【非特許文献26】Simpson RE, J Neurochem, 1992, 58, 1683-1690
【非特許文献27】O'Regan MH. et al, Brain Res, 1992, 582, 22-26
【非特許文献28】Brambilla R. et al. Glia. 2003, 43,190-194
【非特許文献29】Dall'Igna OP. et al. Br. J. Pharmacol. 2003, 138:1207-1209
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【非特許文献31】Dragunow M. et al., Epilepsia, 1985, 26: 480-487
【非特許文献32】O’Kane EM., Stone TW., Eur. J. Pharm., 1998, 362: 17-25
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【非特許文献35】Abbracchio MP, Cattabeni F 1999 Ann. NY Acad. Sci. 890: 79-92
【非特許文献36】Ongini E. et al, Ann. NY Acad. Sci., 1997, 825: 30-48
【非特許文献37】Minor et al., Behav. Neurosci., 1994, 108: 265-276
【非特許文献38】Woodson et al., Behav. Neurosci. 1998, 112: 399-409
【非特許文献39】Minor et al., Behav. Brain Res. 2001, 120, 230-212
【非特許文献40】Porsolt et al., Arch. Int. Pharmacodyn. Ther., 1977, 229: 327-336
【非特許文献41】Sarges et al., J. Med. Chem., 1990, 33, 2240-2254
【非特許文献42】El Yacoubi et al., Br. J. Pharmacol. 2001, 134, 68-77
【非特許文献43】Chen et al., Neurosci., 2000, 97, 195-204
【非特許文献44】Chen et al., Neuropsychopharmacol., 2003, 28, 1086-1095
【非特許文献45】Wang et al., Behav. Brain Res., 2003, 143, 201-207
【非特許文献46】Nagel et al., Synapse, 2003, 49, 279-286
【非特許文献47】Neurosci Lett. 2002 Aug 16;328(3):241-4
【非特許文献48】Gallopin T. et al., 2005, Neuroscience 134, 1377-1390
【非特許文献49】Huang Z.L. et al. 2005, Nat. Neurosci 8, 858-859
【非特許文献50】Methippara M.M. et al., 2005, Am.J Physiol Regul.Integr.Comp.Physiol 289, R1715-R1723
【非特許文献51】Prediger R. D. S. et al., Behavioral Pharmacology 2005, Vol 16, No 4, 209-218
【非特許文献52】Prediger R. D. S. et al. Behavioral Brain Research 2005, 159, 197-205
【非特許文献53】Nature Reviews, Drug Discovery, 2006, Vol. 5, 247- 264
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、A2A受容体のアンタゴニストである化合物の水溶性が改善されたプロドラッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
従って、本発明は式I
【0020】
【化1】

の化合物であって、
式中、Zが式II
【0021】
【化2】

で表される基であるか、またはZが式IIa
【0022】
【化3】

を有する基であり、
式中、R1〜R4が水素、ハロゲン、C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシから独立して選択され;
R5がC1-8-アルキル、C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキル、C3-8-シクロアルキルおよびC1-6-アルキル-フェニルからなる群から選択され;
R8およびR9が水素、ハロゲンおよびC1-6-アルキルからなる群から独立して選択され;
*がBに連結する原子を表し;
Aが溶媒和基(solvating group)であり;
Bが連結部分または結合である、
前記の化合物またはその薬学的に許容される付加塩に関する。
【0023】
別の態様において、本発明は上記のように定義される式Iを有する化合物に関し、この化合物は生理的条件下で、一般式V
【0024】
【化4】

を有し、式中、R1〜R5およびR8〜R9が化合物Iに関する本明細書中の定義と同一の意味を有する化合物に戻る。
【0025】
第三の態様において、本発明は、上記のように定義される式Iを有する化合物を、A2A-受容体が関与する疾患治療用の薬剤の製造に使用する方法に関する。
【0026】
第四の態様において、本発明は、上記のように定義される式Iを有する化合物を含む医薬調合物に関する。
【0027】
別の態様において、本発明は、上記のように定義される式Iを有する化合物の治療的に許容される量の投与を含む、A2A-受容体が関与する疾患を治療する方法に関する。
【0028】
<本発明の詳細な説明>
国際公開第2005/039572号明細書には、アデノシン2A(A2A)受容体に対して親和性を有するN-チアゾール-2-イル-ベンズアミド誘導体が記載されている。本発明者は今回、A2AアンタゴニストとしてA2A受容体に対して高い親和性を有する一部のN-チアゾール-2-イル-ベンズアミド誘導体が、低い水溶性によって特徴付けられること、そしてこれらの化合物を水溶性が顕著に改善された生物学的に可逆的なプロドラッグとして製造できることを見出した。
【0029】
潜在的な薬剤候補品における水溶性の低さは、これらの薬剤への開発を大幅に妨げるものである。例えば、薬剤候補品の前臨床の毒性および安全性試験では、高い暴露レベルを得るために用量の段階的な増加が必要とされ、従って、これらの試験は、薬剤候補品の低溶解性によって妨げられてしまうおそれがある。
【0030】
生物学的に可逆的なプロドラッグとしての薬剤の誘導体化は、その作用部位に辿り着くために薬剤に関する種々の障壁を克服するための手段である(全般的な参照に関しては、「Design of Pro-drugs, ed. H. Bundgaard, Elsevier, Amsterdam, 1985」、「Ettmayer P. et al., J. Med. Chem., 2004, 47: 2393-2404」を参照)。水溶性としての不溶性薬剤の誘導体化、生物学的に可逆的なプロドラッグは、このコンセプトの一例を示すものである(Fleisher D. et al., Advanced Drug Delivery Reviews, 1996, 19: 115-130)。一部の薬剤または薬剤候補品は、その溶解性およびバイオアベイラビリティーを改善するために、リンカーを介するか(例えば、「Varia S.A. and Stella V.J. J. Pharm. Sci. 1984, 73:8, 1080-87」)または薬剤もしくは薬剤候補品への直接の連結(例えば、「Chan H. O. et al. Pharmaceutical Research 1998, 15:7, 1012-18」参照)によるかのいずれかにより、アミノ酸またはリン酸のエステルとして誘導体化されてきた。同様に、グルコース抱合体が吸収特性を増加させるものとして示されてきた(Mizuma T. et al Biochemical Pharmacology 1992, 43:9, 2037-39)。また、A2Aアンタゴニストは以前にプロドラッグとして誘導体化されている(Sauer R. et al J. Med. Chem 2000, 43, 440-48)。
【0031】
従って、本発明は上記のように定義される式Iを有する化合物に関する。
【0032】
特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、式中、R1が水素またはC1-6-アルコキシ、例えばメトキシである、前記の化合物に関する。本発明はまた、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、式中、R2が水素、ハロゲン、例えば、フルオロ、クロロまたはブロモ、C1-6-アルキル、例えば、C1-3-アルキル、例えばメチル、およびC1-6-アルコキシ、例えばメトキシからなる群から選択される、前記の化合物に関する。本発明はまた、R3が水素である、本明細書において定義される式Iを有する化合物に関する。本発明はさらに、R4が水素またはハロゲン、例えばフルオロまたはクロロである、本明細書において定義される式Iを有する化合物に関する。
【0033】
別の特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、式中、R1〜R4が水素、ハロゲン、例えばフルオロ、クロロもしくはブロモ、C1-6-アルキル、例えば、C1-3-アルキル、例えばメチル、またはC1-6-アルコキシ、例えばメトキシから独立して選択される、前記化合物に関する。
【0034】
別の実施態様において、R1およびR3は水素およびC1-6-アルコキシ、例えば、C1-3-アルコキシ、例えばメトキシからなる群から独立して選択される。本発明の1つの実施態様は、本明細書において定義され、R1およびR3が水素である式Iを有する化合物に関する。別の実施態様においては、R1およびR3のうちの一方または両方がC1-6-アルコキシ、例えば、C1-3-アルコキシ、例えばメトキシであるのに対し、R2およびR4の両方が水素である。
【0035】
本発明はまた、R2およびR4が水素、ハロゲン、例えばクロロもしくはフルオロ、およびC1-6-アルキル、例えば、C1-3-アルキル、例えばメチルからなる群から独立して選択されることを特徴とする本発明の化合物に関する。別の実施態様において、R2およびR4はハロゲン、例えばフルオロもしくはクロロ、およびC1-6-アルキル、例えば、C1-3-アルキル、例えばメチルからなる群から独立して選択され、R1およびR3は水素である。別の実施態様においては、R2およびR4の両方が水素である。
【0036】
別の特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、式中、R1がC1-6 アルコキシ、例えば、C1-3 アルコキシ、例えばメトキシであり、R4がハロゲン、例えばフルオロもしくはクロロ、およびC1-6-アルキル、例えば、C1-3-アルキル、例えばメチルからなる群から選択される、前記化合物に関する。本発明はまた、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、式中、R1がC1-6 アルコキシ、例えば、C1-3 アルコキシ、例えばメトキシであり、そして、R4がハロゲン、例えばフルオロもしくはクロロ、またはC1-6-アルキル、例えば、C1-3-アルキル、例えばメチルであり、そしてR2およびR3が水素である、前記化合物に関する。
【0037】
別の特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、式中、R1がC1-6-アルコキシ、例えば、C1-3-アルコキシ、例えばメトキシであり、R2がハロゲン、例えばフルオロもしくはクロロ、およびC1-6-アルキル、例えば、C1-3-アルキル、例えばメチルからなる群から選択される、前記化合物に関する。
別の特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、式中、R1がC1-6-アルコキシ、例えば、C1-3-アルコキシ、例えばメトキシであり、R2 およびR4がハロゲン、例えばフルオロもしくはクロロ、およびC1-6-アルキル、例えば、C1-3-アルキル、例えばメチルからなる群から独立して選択される、前記化合物に関する。
【0038】
別の特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、式中、R5がC1-8-アルキル、好ましくはC3-8-アルキル、より好ましくはβ位で分岐しているC4-8-アルキル、C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキル、好ましくはC3-8-シクロアルキル-メチル、C3-8-シクロアルキル、およびC1-6-アルキル-フェニル、好ましくはメチルフェニルからなる群から選択される、前記化合物に関する。本発明の別の実施態様において、R5はβ位で分岐しているC4-8-アルキル、例えばネオペンチルまたはイソブチルである。
【0039】
特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、式中、R8〜R9が水素、ハロゲン、好ましくはフルオロもしくはクロロ、およびC1-6-アルキル、例えば、C1-3-アルキル、好ましくはメチルからなる群から独立して選択される、前記化合物に関する。
【0040】
別の特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義され、R8およびR9の両方が水素である式Iを有する化合物に関する。
【0041】
式Iの化合物もまた本発明の範囲内であり、前記化合物は式IIを持つZを有する式Iで表される化合物の群から選択され、
R1 = R2 = R3 = R4 = R8 = R9 = HおよびR5 = ネオペンチル;
R1 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R2 = ClおよびR5 = シクロペンチルメチル;
R1 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R2 = BrおよびR5 = ネオペンチル;
R1 = R3 = R8 = R9 = H, R2 = R4 = FおよびR5 = ネオペンチル;
R1 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R2 = FおよびR5 = ネオペンチル;
R1 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R2 = メチルおよびR5 = ネオペンチル;
R1 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R2 = メトキシおよびR5 = ネオペンチル;
R2 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R1 = メトキシおよびR5 = イソプロピル;
R2 = R3 = R8 = R9 = H, R1 = メトキシ, R4 = ClおよびR5 = フェニルメチル;
R2 = R3 = R8 = R9 = H, R1 = メトキシ, R4 = ClおよびR5 = シクロペンチル;
R1 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R2 = FおよびR5 = イソブチル;または
R1 = R3 = R8 = R9 = H, R2 = R4 = ClおよびR5 = ネオペンチル
である。
【0042】
好ましい実施態様において、本発明は、式IIを持つZを有する式Iの化合物であって、R1 = R2 = R3 = R4 = R8 = R9 = HおよびR5 = ネオペンチルである化合物に関する。別の実施態様において、本発明は、式IIを持つZを有する式Iの化合物であって、R1 = R3 = R8 = R9 = H、R2 = R4 = FおよびR5 = ネオペンチルである化合物に関する。
【0043】
別の実施態様において、本発明は、式IIを持つZを有する式Iの化合物であって、R1 = R3 = R8 = R9 = H, R2 = R4 = FおよびR5 = ネオペンチルである化合物に関する。本発明はまた、式IIを持つZを有する式Iの化合物であって、R1 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R2 = FおよびR5 = ネオペンチルである化合物に関する。
【0044】
本明細書で示される場合に、溶媒和基Aは、前記化合物Iの水溶性を、本明細書に定義され式Vを有する対応化合物と比較して改善できる基である。本明細書に記載されるように、化合物IのBは連結部分または結合である。
【0045】
本発明はまた、本発明化合物であって、式Iの前記プロドラッグのA-B-構造体が、本明細書に定義される式Vを有する対応化合物と比較した場合に改善された水溶性を化合物Iに付与することができ、そして式Vを有する化合物を放出するために、式IのA-B-構造体において、1個またはそれ以上の結合が生理的条件下で切断される、前記の本発明化合物に関する。
【0046】
本発明の別の実施態様において、式IのA-B-は、リン酸モノメチルエニルエステル[すなわち、例えば、以下の式Iの化合物におけるA-B-のようなリン酸のモノメチルエニルエステル:「リン酸モノ-{2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル」]であり、そして、式IのZは、例えば、本明細書において定義される式IIを有する基である。
【0047】
別の特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、式中、Aが少なくとも2個の官能基を含む化合物から選択される溶媒和基であり、前記の官能基のうちの1個がイオン性官能基であり、そして前記官能基のうちの他方がBへの結合を形成できる官能基であるか;またはAが適当な数のヒドロキシ官能基およびBへの結合を形成できる官能基を含む化合物から選択される、前記の式Iを有する化合物に関する。
【0048】
本発明はまた、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、式中、AがN-非置換アミノ酸またはN-モノ-、N-ジ-もしくはN-トリ置換アミノ酸、ジアミン、モノ-、ジ-もしくはトリ-ホスフェートまたはこれらのエステル、および/またはこれらの塩、スルホン酸またはその塩、ジカルボン酸またはその塩、O-もしくはN-グリコシド、アルジトールおよびケトールを包含するポリアルコール、あるいはこれらの組み合わせ、例えばグリコシル化アミノ酸またはグリコシル化ホスフェートからなる群から選択される溶媒和基である、前記の式Iを有する化合物に関する。
【0049】
別の特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、式中、AがN-非置換アミノ酸、N-モノ-もしくはN-ジ置換アミノ酸(例えば、20個の天然に存在する生体アミノ酸またはそれらのN-モノ-もしくはジアルキル化アナログ、4-カルボキシ-ピペリジン、またはα-メチルバリンからなる群から選択される)、モノホスフェートモノエステル、またはこれらの塩から選択される溶媒和基であるか、またはAがポリアルコール(例えばグリセロール)または炭水化物(例えばグルコース)である、前記の式Iを有する化合物に関する。
【0050】
別の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、Bが式III、IVまたはIVa
【0051】
【化5】

を有する連結部分であり、
R6-7が水素またはC1-6-アルキルから独立して選択され、*がZに連結する原子を示し、#がAに連結する原子を示す、
前記の化合物に関する。
【0052】
特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、Bが式IIIまたはIVを有する連結部分である前記の化合物に関する。
【0053】
本発明の別の実施態様は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、Zが式II
【0054】
【化6】

を有する基であり、*がBに連結する原子を示し、R1〜R5およびR8〜R9が本明細書において定義されるとおりである、
前記の化合物に関する。
【0055】
別の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、Bが式IIIまたはIV
【0056】
【化7】

を有する連結部分であり、*がZに連結する原子を示し、#がAに連結する原子を示し、好ましくはZが式IIを有する基である、
前記の化合物に関する。
【0057】
特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、Zが式IIを有する基であり、Bが式IIIまたはIVを有する連結部分であり、ただし、Bが式IIIを有する連結部分である場合には、Aがカルボニル基もしくはヘテロカルボニル基を介して、またはアセタールもしくはケタールとして連結していることを条件とし;そして、Bが式IVを有する連結部分である場合には、Aが窒素原子もしくは酸素原子を介して連結することを条件とし;R6-7が水素およびC1-6-アルキル、好ましくはメチルから独立して選択され;そして、*がZに連結する原子を示し、#がAに連結する原子を示す、前記の化合物に関する。
【0058】
さらに別の特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、Bが式IIIまたはIVを有する連結部分であり、そして、R6およびR7の両方が水素であるか、またはR6が水素でありR7がメチルである、前記の化合物に関する。
【0059】
さらに別の特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、Bが式IIIまたはIVを有する連結部分であり、そしてR6-7が水素である、前記の化合物に関する。
【0060】
別の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、Bが式IVa
【0061】
【化8】

を有する連結部分であり、ただし、Aが窒素または酸素原子を介して連結することを条件とし;
R6-7が水素またはC1-6-アルキル、例えばC1-3-アルキル、好ましくはメチルから独立して選択され、ただし、R6およびR7が両方とも水素ではないことを条件とし;
そして、*がZに連結する原子を示し、#がAに連結する原子を示す、
前記の化合物に関する。
【0062】
さらに別の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、Bが式IVaを有する連結部分であり、R6が水素であり、そしてR7がメチルである前記の化合物に関する。
【0063】
さらに別の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、Bが結合であり、ただし、Aがアノマー炭素原子を介して連結する炭水化物であることを条件とする、前記の化合物に関する。
【0064】
さらに特定の実施態様において、本発明は、本明細書において定義される式Iを有する化合物であって、Zが式IIを有する基であり、Bが結合であり、ただし、Aがアノマー炭素原子を介して連結する炭水化物であることを条件とする、前記の化合物に関する。
【0065】
特に、本発明は上記のように定義される式Iを有する化合物であって、化合物の1個またはそれ以上の結合が、生理的条件下で例えば酵素的にまたは化学的に分解され、この分解において、式V
【0066】
【化9】

を有し、式中、R1〜R5およびR8〜R9が式Iに関して本明細書で定義されるものと同一の意味を有する化合物が遊離する、前記の式Iを有する化合物に関する。
【0067】
好ましい実施態様において、本明細書において定義される式Iを有する本発明化合物は、生理的条件下で、一般式式Vを有するA2A受容体アンタゴニストに戻り、これは好ましくは200 nM未満、より好ましくは50 nM未満、そして最も好ましくは10 nM未満のヒトA2A結合親和性(Ki)を有する。
【0068】
広い態様において、本発明は、生理的条件下で、一般式Vを有するA2A受容体リガンドに戻り、好ましくは200 nM未満、より好ましくは50 nM未満、そして最も好ましくは10 nM未満のヒトA2A結合親和性(Ki)を有する、本明細書において定義される式Iを有する化合物に関する。
【0069】
特定の態様において、本明細書において定義される式Iを有する化合物は、対応する化合物Vと比較して少なくとも2倍、または少なくとも5倍、または少なくとも10倍、または少なくとも20倍高い水溶性を有する。
【0070】
上述されるようなR1〜R5およびR8〜R9に関して本明細書に記載される式Iの種々の実施態様がまた、式Vにも適用されることは理解されることである。化合物Iの特定の実施態様において、Vは以下:
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
5-クロロ-2-メトキシ-4-(2-メチル-ベンゾイルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
5-クロロ-4-(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-2-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-イソブチリルアミノ-2-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド; および
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジクロロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド、またはこれらの塩、
からなる群から選択される。
【0071】
本発明の特定の化合物は、以下:
アミノ-酢酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル,
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)
-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)
-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-2-メトキシ-4-(2-メチル-ベンゾイルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-2-メトキシ-4-(2-メチル-ベンゾイルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-4-(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-2-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-4-(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-2-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(2S, 3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-)-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(2S,3S)-2-アミノ-)-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(S)- ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(S)-ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ) ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(S)- ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ) ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(S)-ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(S)-ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、(S)-ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
アミノ-2-メチル-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル, 例えば、2-アミノ-2-メチル-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-2-メチル-プロピオン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-2-メチル-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-イソブチリルアミノ-2-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(3-エチル-ヘキサノイルアミノ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-2-メトキシ-4-(2-メチル-ベンゾイルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-4-(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-2-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
3-アミノ-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-メチルアミノ-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル、例えば (S)-2-メチルアミノ-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-2,3-ジメチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル、例えば(R,S)-2-アミノ-2,3-ジメチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-ジメチルアミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル、例えば(2S, 3S)-2-ジメチルアミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
リン酸モノ-{2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル;
リン酸モノ-{2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル;
リン酸モノ-{2-[(E/Z)-3,5-ジクロロ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル;
リン酸モノ-{2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル;
炭酸 2,3-ジヒドロキシ-プロピルエステル 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル、例えば(R,S)-炭酸 2,3-ジヒドロキシ-プロピルエステル 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-{3-[3,4,5-トリヒドロキシ-6-((R)-ヒドロキシメチル)-テトラヒドロ-ピラン-2-イルオキシメチル]-3H-チアゾール-2-イリデン}-ベンズアミド、例えば4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-{3-[(1S,3S,4S,5R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-((R)-ヒドロキシメチル)-テトラヒドロ-ピラン-2-イルオキシメチル]-3H-チアゾール-2-イリデン}-ベンズアミド; および
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-[3-(3,4,5-トリヒドロキシ-6-ヒドロキシメチル-テトラヒドロ-ピラン-2-イル)-3H-チアゾール-2-イリデン]-ベンズアミド、例えば4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-[3-((2R,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-ヒドロキシメチル-テトラヒドロ-ピラン-2-イル)-3H-チアゾール-2-イリデン]-ベンズアミド、
からなる群から選択される、式Iの化合物またはその塩である。
【0072】
本発明の1つの実施態様は、本発明の化合物を、A2A受容体が関連する疾患、例えば本明細書に記載される疾患の治療用薬剤の製造に使用する方法に関する。
【0073】
別の態様は、本発明化合物を、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、てんかん、脳虚血、出血性脳卒中、新生児虚血および低酸素症、くも膜下出血、外傷性脳損傷、心停止に続く脳損傷(brain damage following cardiac arrest)、うつ病、不穏下肢症候群(RLS)、乱用、例えば、アルコール乱用、片頭痛、傾眠、ナルコレプシー、疼痛、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、神経変性疾患、認識欠損(cognitive deficits)、記憶障害および精神障害、例えば統合失調症
からなる群から選択される疾患または障害を治療するための、または認識の増強のための、または神経保護としての薬剤の製造に使用する方法に関する。
【0074】
本発明はまた、RLS、うつ病、認識欠損および記憶障害からなる群から選択される状態のパーキンソン病を有する患者における治療用の薬剤の製造に本発明化合物を使用する方法に関する。
【0075】
本発明はさらに、治療的に許容される量の本発明化合物の投与を含む、A2A受容体が関与する疾患または障害を治療または予防する方法に関する。
【0076】
特に、本発明は、治療的に許容される量の本発明化合物の投与を含む、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、てんかん、脳虚血、出血性脳卒中、新生児虚血および低酸素症、くも膜下出血、外傷性脳損傷、心停止に続く脳損傷、うつ病、傾眠、ナルコレプシー、疼痛、注意欠陥過活動性障害(ADHD)および精神障害、例えば統合失調症からなる群から選択される疾患または障害の治療方法に関する。
特に、本発明は、治療的に許容される量の本発明化合物の投与を含む、パーキンソン病を治療または予防する方法に関する。
【0077】
本発明の別の実施態様は、本発明の化合物を、単剤療法として初期パーキンソン病の対症療法に使用する方法に関する。本発明はさらに、本発明の化合物を進行性パーキンソン病において、パーキンソン病用の別の薬剤、例えばレボドパに対する補助薬として使用し、それによりドーパミン作動薬応答の期間を増加させる方法に関する。
【0078】
本発明の別の態様は、式V
【0079】
【化10】

で表される化合物(Vは化合物Iに関して本明細書において定義されるR1〜R5およびR8〜R9を含む)を、RLS、統合失調症、乱用、例えばアルコール乱用、片頭痛、疼痛、傾眠、ナルコレプシー、ADHD、神経変性障害および認識欠損、記憶障害からなる群から選択される疾患を治療するための、または認識の増強のための、または神経保護としての薬剤の製造に使用する方法に関する。
【0080】
本発明はまた、RLS、うつ病、認識欠損および記憶障害からなる群から選択される状態のパーキンソン病を有する患者における治療用の薬剤の製造に、上記で定義されるような化合物Vを使用する方法に関する。
【0081】
本発明の別の実施態様は、本明細書において定義される化合物Vを、earlyパーキンソン病の単剤療法としての対症療法に使用する方法に関する。本発明はさらに、本発明の化合物を進行性パーキンソン病において、パーキンソン病用の別の薬剤、例えばレボドパ(L-ドーパ)に対する補助薬として使用し、それによりドーパミン作動薬応答の期間を増加させる方法に関する。
【0082】
本明細書で化合物Vの医薬用途に関して記載される本発明の特定の実施態様において、化合物Vは以下:
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
5-クロロ-2-メトキシ-4-(2-メチル-ベンゾイルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
5-クロロ-4-(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-2-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-イソブチリルアミノ-2-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド; および
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジクロロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド、または、これらの塩、
からなる群から選択される。
【0083】
本明細書に使用される場合に、治療という語句には、場合によって予防または治療または緩和が含まれる。
【0084】
本発明の化合物の使用について言及する場合に、化合物が例えば塩の形態であり得ることは理解されることである。
【0085】
一般式IおよびVの化合物はこれらのエナンチオマーとして存在することができ、このようなエナンチオマーもまた本発明に包含される。明細書および特許請求の範囲を通して、式Vを有する特定の化合物への参照は、特に記載のない限りラセミ体を表す。
【0086】
C1-6-アルキルという語句は、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチル-2-プロピルおよび2-メチル-1-プロピルのような1〜6個の炭素原子を有する分岐のまたは非分岐のアルキル基を表す。C1-8-アルキルという語句は、同様に、1〜8個の炭素原子を有する分岐のまたは非分岐のアルキル基を表す。
【0087】
C3-8-シクロアルキルという語句は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のような3〜8個のC原子を有する単環式または二環式の炭素環を表す。
【0088】
ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
【0089】
C1-6-アルコキシ、C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキルという語句は、C1-6-アルキルおよびC3-8-シクロアルキル基が上記で定義されるような基を表す。
本発明化合物の酸付加塩は、非毒性の酸で形成される薬学的に許容される塩である。前記有機塩の例としては、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビス-メチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、桂皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸およびテオフィリン酢酸、ならびに8-ハロテオフィンリン、例えば8-ブロモテオフィリンを用いる塩が挙げられる。前記無機塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸および硝酸を用いる塩が挙げられる。
【0090】
本発明化合物の塩基付加塩は、非毒性の塩基で形成される薬学的に許容される塩である。このような塩基付加塩の例には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)を用いる塩、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム)を用いる塩、アンモニウム塩、有機アミンを用いる塩等が含まれる。
【0091】
溶媒和基という語句は、上述のような式Vを有する化合物と連結した際に、式Vを有する化合物の水溶性を改善することができる任意の基を意味する。
【0092】
連結部分という語句は、式Iを有するプロドラッグの生理条件下での変換において、式Vを有する化合物が放出されることを特徴とする、上記で定義されるようなAおよびZの連結に寄与し得る任意の構造体を意味する。
【0093】
生理学的条件という語句は、生存している哺乳類生物において遭遇し得る一連の化学的または酵素的条件を意味する。このような化学的または酵素的条件の例としては、胃腸管、すなわち、胃、腸管腔の、および腸壁における、血液中での、または種々の組織または器官、例えば肝臓中での化学的または酵素的条件が挙げられる。
【0094】
アミノ酸という語句は、カルボン酸官能基およびアミノ官能基を含む化学化合物、例えば環状アルキルアミン、または窒素原子を含む芳香環を含有する化学化合物を意味する。
【0095】
ジアミンという語句は、Bへの結合を形成できるアミノ官能基、およびイオン性アミノ官能基を含む化合物を意味する。
【0096】
ヘテロカルボニルという語句は、カルボニル基の同等物、例えば、二重結合を介して酸素以外のヘテロ原子と連結した炭素原子、または二重結合を介して酸素原子と連結したヘテロ原子、例えばリンまたは硫黄を意味する。
【0097】
EおよびZが「反対の:entgegen」および「一緒に:zusammen」という標準的な意味を有する(E/Z)という語句は、幾何が不明である純粋な二重結合立体異性体、または任意の比率にある立体異性体の混合物を意味する。
本発明の医薬調合物は、適当な経路、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤等の形態で経口により、または注射用溶液の形態で非経口により投与することができる。このような調合物を製造するためには、本技術分野において公知の方法を使用することができ、そして本技術分野において通常用いられる薬学的に許容されるキャリアー、希釈剤、賦形剤またはその他の添加剤を使用することができる。
【0098】
都合よくは、本発明の化合物は、前記化合物を約0.01〜100 mgの量で含む単位剤形(unit dosage form)で投与される。1日あたりの全用量は、通常約0.05〜500 mg、最も好ましくは約0.1〜50 mgの範囲における本発明活性化合物である。
【0099】
本発明の医薬調合物は本技術分野において慣用の方法によって製造することができる。
例えば:錠剤は、活性成分を通常の佐剤および/または希釈剤と混合し、引き続いて該混合物を慣用の打錠機で圧縮することにより製造することができる。佐剤または希釈剤の例には、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、ラクトース、増粘剤(gums)等が含まれる。このような目的のために通常使用されるその他の佐剤または添加剤、例えば着色剤、香料(flavourings)、防腐剤等も、活性成分と適合することを条件として使用することができる。
注射用溶液は、活性成分および可能な添加剤を、注射用溶液、好ましくは滅菌水の一部分に溶解させ、該溶液を所望の容量に調節し、該溶液を滅菌して適当なアンプルまたはバイアルに充填することにより製造することができる。本技術分野において通常使用される適当な添加剤、例えば等張化剤、防腐剤、抗酸化剤等を添加することができる。
本発明の製剤化のための典型的な処方例は以下のとおりである。
1) 遊離塩基または遊離酸として計算して5.0 mgの本発明化合物を含む錠剤:
化合物1 5.0 mg
ラクトース 60 mg
メイズスターチ 30 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 2.4 mg
微晶質セルロース 19.2 mg
クロスカルメロースナトリウムタイプA 2.4 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.84 mg
2) 遊離塩基または遊離酸として計算して0.5 mgの本発明化合物を含む錠剤:
化合物1 0.5 mg
ラクトース 46.9 mg
メイズスターチ 23.5 mg
ポビドン 1.8 mg
微晶質セルロース 14.4 mg
クロスカルメロースナトリウムタイプA 1.8 mg
ステアリン酸マグネシウム 0.63 mg
3) 1ミリリットルあたり以下を含むシロップ剤:
化合物1 25 mg
ソルビトール 500 mg
ヒドロキシプロピルセルロース 15 mg
グリセロール 50 mg
メチル-パラベン 1 mg
プロピル-パラベン 0.1 mg
エタノール 0.005 mL
フレーバー 0.05 mg
サッカリンナトリウム 0.5 mg
水で1 mLに
4) 1ミリリットルあたり以下を含む注射用溶液:
化合物1 0.5 mg
ソルビトール 5.1 mg
酢酸 0.05 mg
サッカリンナトリウム 0.5 mg
水で1 mLに。
【0100】
本発明の化合物は、以下に概要を示す方法によって製造することができる:
a)式VIII
【0101】
【化11】

を有する化合物であって、式中、ZおよびBが上述のものと同一の意味を有し、A’がAが適当に保護された形態にあり、そしてAが上述のとおりである、前記化合物の脱保護によって、上述の式Iを有する化合物を放出すること。
【0102】
式VIIIを有する化合物の脱保護は、当業者に公知の標準的な方法によって行うことができる。これには、式VIIIを有する化合物であって、前記の適当な保護基が酸に不安定である化合物の、適当な温度下での適当な溶剤中における適当な酸、すなわち、例えば20〜40℃のジエチルエーテル中のHCl、または20〜40℃のジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸を用いる処理、それに続く、溶剤および過剰な酸の蒸発、による脱保護が含まれる。あるいは、式VIIIを有する化合物であって、前記の適当な保護基が塩基に不安定である化合物の脱保護には、20〜40℃でのメタノール中における適当な塩基、例えばナトリウムメトキシドでの処理、それに続く、適当な酸、例えば酸性イオン交換樹脂での中和が含まれる。
b)式I
【0103】
【化12】

を有する化合物であって、式中、ZおよびBが上述のとおりであり、そしてAがN-非置換またはN-モノ置換アミノ酸である化合物を、適当な温度、例えば室温で、適当な溶剤、例えばメタノール(MeOH)中において、還元剤、例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaCNBH4)の存在下で、アルキル化剤、例えばアルデヒドと反応させること。
【0104】
式VIIIを有する化合物は、以下に概要を示す方法により製造することができる:
a)式V
【0105】
【化13】

を有する化合物であって、式中、R1〜R5およびR8〜R9 が上述のとおりである化合物を、塩基性条件下で化合物A’-B-E(式中、A’はAが適当に保護された形態であり、AおよびBは上記のように定義され、Eは、B中のラベル*を有する原子に連結し、そしてEは脱離基、例えばクロリドである)と反応させること。
【0106】
式Vを有する化合物の化合物A’-B-Eとの反応は、当業者に公知の標準的な方法によって行うことができる。これには、適当な温度、例えば20〜60℃での、適当な溶剤、例えばジメチルホルムアミド(DMF)中における、適当な塩基、例えば水素化ナトリウム(NaH)、あるいは、60℃でのテトラヒドロフラン(THF)中における1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン(DBU)を用いる反応、それに続くA’-B-Eの付加による、式Vを有する化合物の脱プロトン化が含まれる。
【0107】
b)式VII
【0108】
【化14】

を有し、R1〜R5およびR8〜R9 が上述のとおりである化合物を、化合物A’-H(A’はAが適当に保護された形態であり、Aは上記のように定義され、そしてHはプロトンである)と反応させること。
【0109】
式VIIを有する化合物の化合物A’-Hとの反応は、当業者に公知の標準的な方法によって行うことができる。これには、適当な溶剤、例えばTHF中における、適当な塩基、例えばジイソプロピルエチルアミンとの反応、それに続く適当な温度、例えば20〜50℃での式VIIを有する化合物の付加による、あるいは、適当な温度、例えば-78℃〜20℃での、適当な溶剤、例えばジクロロメタン中における、適当な触媒、例えばトリフルオロスルホン酸銀(AgOTf)の存在下での、化合物A’-Hの式VIIを有する化合物との反応による、化合物A’-Hの脱プロトン化が含まれる。
【0110】
c)式V
【0111】
【化15】

を有し、R1〜R5およびR8〜R9 が上述のとおりである化合物を、化合物A’-E(式中、A’はAが適当に保護された形態であり、Aは上記のように定義され、Eは脱離基、例えばクロリドである)と反応させること。
【0112】
式Vを有する化合物の化合物A’-Eとの反応は、当業者に公知の標準的な方法によって行うことができる。これには、適当な温度、例えば-78℃〜-20℃での、適当な溶剤、例えばジクロロメタン中における、適当な触媒、例えばAgOTfの存在下での、化合物A’-Eの式Vを有する化合物との反応が含まれる。
【0113】
式Vを有する化合物は、以下に概要を示す一般的な方法に従って製造することができる。
【0114】
式VI
【0115】
【化16】

を有し、R1〜R4およびR8〜R9 が上述のとおりである化合物の、R5が上記のように定義されるカルボン酸R5-COOHまたはカルボン酸クロリドR5-COClとのカップリング。
【0116】
式VIを有する化合物のカルボン酸R5-COOHとのカップリングは、当業者に公知の標準的な方法によって行うことができる。これには、適当な極性または非極性溶剤、例えば、N-メチルピロリジノン(NMP)または1,2-ジクロロエタン中における、20〜80℃の温度での、ウロニウム塩カップリング試薬およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の存在下におけるカップリングが含まれる。式VIを有する化合物のカルボン酸クロリドR5-COClとのカップリングは、当業者に公知の標準的な方法によって行うことができる。これには、適当な溶剤、例えば1,2-ジクロロエタン中における、20〜60℃の温度での、適当な塩基、例えばピリジンの存在下における、式VIを有する出発物質のカルボン酸クロリドR5-COClとのカップリングが含まれる。
【0117】
式VIを有する化合物は、以下に概説するような当業者に公知の標準的な方法によって製造した。適当に置換された4-ニトロ安息香酸クロリドは市販のものを利用することができ、または対応するカルボン酸のオキサリルクロリドもしくはスルホニルクロリドでの塩素化により製造し、そして、20〜60℃の適当な温度で、適当な塩基、例えばピリジンの存在下において、適当な溶剤、例えば1,2-ジクロロエタン中で、適当に置換された2-アミノチアゾールと結合させた。その後、当業者に公知の方法、例えば、適当な溶剤、例えばエタノールにおいて水素および適当な触媒、例えば10% Pd/Cを用いる接触水素化によって、生成物を対応するアニリンに還元した。あるいは、20〜60℃の適当な温度で、適当な塩基、例えばDIPEAの存在下において、適当な溶剤、例えば1,2-ジクロロエタン中で、適当な添加剤、例えば1-ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下において、カルボジイミドカップリング試薬、例えば1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチル-カルボジイミドヒドロクロリドの存在下で、適当に置換された4-アミノ安息香酸を適当に置換された2-アミノチアゾールと結合させた。
【0118】
化合物A’-B-E(式中、A’は適当に保護されたアミノ酸であり、Eは塩素であり、Bは式IIIを有する構造であり、Eはラベル*を有する原子に連結し、そしてR6-7は水素である)を以下に概説するような当業者に公知の方法によって製造した。適当にNが保護されたおよび側鎖が保護されたアミノ酸を、適当な溶剤、例えば混合した水およびエタノール中において、適当な塩基、例えば炭酸セシウムを用いて、あるいは適当な溶剤混合物、例えば水およびジクロロメタンの混合物中において、硫酸水素テトラブチルアンモニウムを用いて鹸化した。形成されたアミノ酸塩を次に、適当な温度、例えば室温で、適当な溶剤、例えばジメトキシエタン中において、あるいは適当な温度、例えば室温で、適当な溶剤混合物、例えば、水およびジクロロメタンの混合物中における相間移動条件下で、適当な試薬、例えばブロモクロロメタンまたはクロロメチレンクロロスルホン酸と反応させた。
【0119】
化合物A’-B-E(式中、A’は適当に保護されたポリアルコールであり、Eは塩素であり、Bは式IVを有する構造であり、Eがラベル*を有する原子に連結し、そしてR6-7は水素である)を以下に概説するような当業者に公知の方法によって製造した。適当に保護されたポリアルコールを、20〜60℃の適当な温度で、適当な塩基、例えばピリジンの存在下において、適当な溶剤、例えばクロロホルム中で、適当に置換されたクロロアルキルクロロホルメートと反応させた。
【0120】
R1〜R4およびR8〜R9が上述のとおりである式VIIの化合物を、当業者に公知の標準的な方法により製造した。これには、適当な温度、例えば20〜60℃での、適当な溶剤、例えばDMFにおける、適当な塩基、例えばNaHの存在下での、R1〜R5およびR8〜R9が上述のとおりである式Vを有する化合物のクロロメチルクロロホルメートとの反応が含まれる。
【0121】
あるいは、R1〜R4およびR8〜R9が上述のとおりである式VIIの化合物は、適当な温度、例えば20〜60℃での、適当な溶剤、例えばDMFにおける、適当な塩基、例えばNaHの存在下での、式Vの化合物(式中、R1〜R5およびR8〜R9は上述のとおりである)の物質ClCH2-E(式中、Eは適当な脱離基、例えば臭素またはクロロスルホネートである)との反応によって製造することができる。
【実施例】
【0122】
<分析方法>
分析LC-MSデータは、イオンスプレー源を装備したPE Sciex API 150EX装置およびShimadzu LC-8A/SLC-10A LCシステムで得た。カラム:粒子サイズ3.5 μmの 30 X 4.6 mm Waters Symmetry C18 カラム;溶剤系:A = 水/トリフルオロ酢酸 (100:0.05) および B = 水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸 (5:95:0.03);方法:4分間で90% A から100% Bまで、そして流速2 mL/分の直線的勾配による溶出。または、(方法B):MUXエレクトロスプレー源を装備した4チャンネルのMicromass社製LCT 装置、Micromass Waters社製MUX-2488 UV検出器、Sedex 754 4-チャンネルLT-ELS-検出器、4つの注入バルブを装備したCTC Analytics社製HTS-PALオートサンプラーおよび4つのWaters社製1525バイナリーHPLCポンプ上で。カラム: 粒子サイズ3.5 μmの 30 X 4.6 mm Waters Symmetry C18 カラム;溶剤系:A = 水/トリフルオロ酢酸 (100:0.05) および B = 水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸 (5:95:0.03);方法: 4分間で90% A から100% Bまでおよび流速2 mL/分の直線的勾配による溶出。純度はUV (254 nm) およびELSD トレース(trace)の積分(integration)により決定した。保持時間 (RT) は分で表す。
【0123】
1H NMRスペクトルはBruker Avance DRX500装置を用いて500.13 MHzで、またはBruker AC 250装置を用いて250.13 MHzで記録した。特に記載がない場合は、重水素置換ジメチルスルホキシド(99.8%D)を溶剤として使用した。TMSを内部参照標準として使用した。化学シフトはppm値で表す。以下の略語:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、qui=クインテット、h=ヘプテット、dd=ダブルダブレット、dt=ダブルトリプレット、dq=ダブルカルテット、tt=トリプレットのトリプレット、 m=マルチプレット、br s = ブロードなシングレットおよびbr =ブロードなシグナル、をNMRシグナルの多重度に対して使用した。
【0124】
Kieselgel 60タイプのカラムクロマトグラフィーシリカゲルには、40〜60 メッシュASTMを使用した。
【0125】
<実施例1 中間体の製造>
クロロメチレンクロロスルホン酸は、「Binderup, E. and Hansen, E.T. Synthetic Communications 1984, 14, 857-64」に記載されているように製造した。
【0126】
<式A’-B-Eを有する化合物の製造>
Aが適当に保護されたモノホスフェートであり、Eが塩素であり、Bが式IIIを有する構造であり、Eが*のラベルを有する原子に連結し、そしてR6-7が水素である化合物A’-B-Eを、「J.P.Krise et al. J. Med. Chem. 1999, 42, pp. 3094-3100」に記載されるとおりに製造した。(ジ-tert-ブチルクロロメチルホスフェート)。
【0127】
化合物A’-B-Eであって、式中、A’が、Nがブロックされた、そして場合により側鎖が保護されたアミノ酸であり、Eが塩素であり、Bが式IIIを有する構造であり、Eがラベル*を有する原子に連結し、そしてR6-7が水素である前記化合物A’-B-Eは、「P. Gomes et al. Synthetic Communications, 2003, 33, (10), pp.1683-1693」に記載されるとおりに、あるいは「Harada, N. et al. in Synthetic Communications, 1994, 24, 767-772」に記載されるとおりに製造した(N-がブロックされたアミノ酸クロロメチレンエステル)。
【0128】
以下を同様に製造した:
3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロピオン酸クロロメチルエステル:
1H NMR (D6-DMSO): 1.37 (s, 9H); 2.54 (t, 2H); 3.18 (dt, 2H); 5.83 (s, 2H); 6.88 (br t, 1H)。
(S)-2-tert-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ-プロピオン酸クロロメチルエステル:
1H NMR (D6-DMSO): 1.35 (s, 9H);1.40 (s, 3H); 2.74-2.82 (3H); 4.35-4.66 (1H); 5.84-5.94 (2H)。
(R,S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2,3-ジメチル-酪酸クロロメチルエステル:
1H NMR (D6-DMSO): 0.82 (d, 3H); 0.89 (d, 3H); 1.29 (s, 3H); 1.36 (s, 9H); 1.99 (m, 1H); 5.85 (br s, 2H); 7.19 (br, 1H)。
(R,S)-炭酸クロロメチルエステル 2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチルエステル:
(R,S)-(2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イル)-メタノール(8 mmol)をクロロホルム(100 mL)に溶解し、ピリジン(8 mmol)を添加した。クロロメチルクロロホルメート(15 mmol)を滴加し、反応混合物を常温で4時間撹拌した。反応混合物を水で洗浄し、有機相をMgSO\-\-4で乾燥し、そして蒸発させた。粗製生成物をシリカにおけるフラッシュクロマトグラフィーにより、溶離剤としてヘプタンにおける10%酢酸エチルを用いて精製した。
収率:30%
1H NMR (D6-DMSO): 1.28 (s, 3H); 1.34 (s, 3H); 3. 72 (dd, 1H); 4.05 (dd, 1H); 4.18 (m, 1H); 4.30-4.35 (m, 2H); 5.93 (s, 2H)。
【0129】
<構造VIIを有する中間体の製造>
1i N-(3-クロロメチル-3H-チアゾール-2-イリデン)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンズアミド
NaH(20 mmol)をDMF(100 mL)に懸濁し、4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド(17 mmol)を添加して、常温で1.5時間撹拌し、その後、クロロメチレンクロロホルメート(51 mmol)を添加して、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶剤を蒸発により除去し、粗製反応生成物を酢酸エチルおよび水の間で分配させた。有機相をNH\-4Cl(飽和水溶液)で2回、水で1回洗浄し、MgSO
収率:86%
1H NMR (D6-DMSO): 1.05 (s, 9H); 2.26 (s, 2H); 6.30 (s, 2H); 7.18 (d, 1H); 7.75 (d, 1H); 7.92 (d, 2H); 9.75 (s, 1H)。
LC/MS (m/z) 402 (MH+)。
【0130】
<構造VIを有する中間体の製造>
【0131】
1a: 4-アミノ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
2-アミノチアゾール(100 mmol)を1,2-ジクロロエタン(200 mL)に懸濁し、ピリジン(100 mmol)を添加した。混合物を少量ずつ1,2-ジクロロエタン(500 mL)における4-ニトロ安息香酸クロリド(150 mmol)の懸濁液に少しずつ添加し、60℃で一晩撹拌した。反応混合物を冷却し、ろ過した。ろ液を1,2-ジクロロエタンで洗浄し、減圧下で乾燥することにより4-ニトロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドを得た。
収率:96%
1H NMR (D6-DMSO): 7.33 (d, 1H); 7.60 (d, 1H); 8.26-8.41 (4H); 12.96 (br s, 1H)。
【0132】
4-ニトロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド(28 mmol)を無水EtOH(400 mL)に懸濁し、酢酸エチル(200 mL)および氷酢酸(50 mL)を添加し、引き続いて10% Pd/C(0.5 g)を添加した。混合物を3 barのH2で72時間水素化した。水素化混合物をろ過し、溶剤を減圧下で除去した。粗製生成物にNaHCO3(飽和)および酢酸エチルを添加し、残った固体留分をろ過により除去し、減圧下で乾燥した。液相を分離し、有機相をブライン(brine)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過して、蒸発させることにより固体を得た。固体留分を合わせた。
収率:83% (全体で80%)。
1H NMR (D6-DMSO): 5.93 (s, 2H); 6.50 (d, 2H); 7.18 (d, 1H); 7.49 (d, 1H); 7.84 (d, 2H); 12.05 (br s, 1H)。
【0133】
1b: 4-アミノ-3-メチル-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
4-ニトロ-3-メチル-安息香酸(83 mmol)を1,2-ジクロロエタン(500 mL)およびジメチルホルムアミド(DMF)(5 mL)にアルゴン雰囲気下で懸濁した。オキサリルクロリド(ジクロロメタン中に2M、62.3 mL)を該懸濁液を撹拌しながらゆっくりと添加した。室温で1時間撹拌した後に、溶剤を減圧下での蒸発により除去し、反応混合物を1,2-ジクロロエタン(400 mL)に再溶解させた。1,2-ジクロロエタンにおける2-アミノチアゾール(83 mmol)およびピリジン(83 mmol)の懸濁液を少量ずつ添加した。反応混合物を50℃で一晩撹拌した。溶剤を減圧下で除去し、固体を酢酸エチル(500 mL)およびNaHCO3(飽和)(500 mL)に再懸濁した。固体をろ過により除去し、液相を分離した。有機相をNaHCO3(飽和)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして蒸発させた。粗製生成物を酢酸エチルから再結晶化させ、生成物画分を合わせることにより4-ニトロ-3-メチル-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドを得た。
収率:76%。
1H NMR (D6-DMSO): 2.58 (s, 3H); 7.33 (d, 1H); 7.60 (d, 1H); 8.10 (d, 2H); 8.20 (d, 2H); 12.92 (br s, 1H)。
4-ニトロ-3-メチル-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド(63 mmol)を無水EtOH(200 mL)に懸濁し、酢酸エチル(200 mL)および氷酢酸(100 mL)、引き続いて10% Pd/C(1 g)を添加した。混合物を3 barのH2で一晩水素化した。水素化混合物をろ過し、溶剤を減圧下で除去した。粗製生成物にNaHCO3(飽和)および酢酸エチルを添加し、残った固体留分をろ過により除去し、減圧下で乾燥した。液相を分離し、有機相をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして蒸発させることによって、生成物を固体として得た。
収率:95%(全体で72%)
1H NMR (D6-DMSO): 2.09 (s, 3H); 5.71 (s, 2H); 6.63 (d, 1H); 7.17 (d, 1H); 7.39 (d, 1H); 7.69-7.81 (m, 2H); 11.96 (br s, 1H)。
【0134】
以下の化合物を同様に製造した:
【0135】
1c: 4-アミノ-3-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
収率:17%
1H NMR (D6-DMSO): 3.85 (s, 3H); 5.59 (s, 2H); 6.67 (d, 1H); 7.19 (d, 1H); 7.48-7.65 (3H); 12.17 (br s, 1H)。
【0136】
1d: 4-アミノ-3-フルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
4-ニトロ-3-フルオロ安息香酸(535 mmol)をトルエン(500 mL)およびテトラヒドロフラン(THF)(75 mL)に溶解した。SOCl2(930 mmol)を添加し、混合物を65℃で5時間加熱した。反応混合物を冷却し、溶剤を蒸発により除去した。残渣を1,2-ジクロロエタンに再溶解させた。機械的に撹拌しながら、1,2-ジクロロエタン(1L)における2-アミノチアゾール(480 mmol)およびDIPEA(370 mmol)の懸濁液に、この溶液を温度を45℃に維持して滴加した。添加が完了したら、反応混合物を60℃で1.5時間加熱し、その後、室温に冷却して、一晩撹拌した。反応混合物をろ過し、固体を1,2-ジクロロエタンで洗浄し、減圧下で乾燥することにより、4-ニトロ-3-フルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドを得た。
収率:35%
1H NMR (D6-DMSO): 7.34 (d, 1H); 7.61 (d, 1H); 8.10 (m, 1H); 8.23 (m, 1H); 8.31 (m, 1H); 13.00 (br, 1H)。
4-ニトロ-3-フルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド(7.5 mmol)をEtOH(無水、60 mL)に懸濁し、酢酸エチル(30 mL)、氷酢酸(5 mL)および10 % Pd/C(300 mg)を添加し、混合物を3 barのH\-2下で12日間水素化した。反応混合物をろ過し、蒸発させ、そして酢酸エチル(100 mL)および(飽和、60 mL)に再溶解させた。水性相をNaOH(1M)で塩基性のpHに調節し、相を分離した。有機相をブラインで洗浄し、MgSO\-4で乾燥し、ろ過し、そして蒸発させた。
収率:85%(全体で30%)
1H NMR (D6-DMSO): 6.00 (s, 2H); 6.80 (t, 1H); 7.21 (d, 1H); 7.51 (d, 1H); 7.74 (m, 1H); 7.81 (m, 1H); 12.19 (s, 1H)。
【0137】
1e: 4-アミノ-3-クロロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
4-アミノ-3-クロロ-安息香酸メチルエステル(21.6 mmol)を還流下で、EtOH(1M、25 ml)およびNaOH(1M, 25 ml)において2時間鹸化した。有機溶剤を蒸発させ、pHを4に調節した。生成物をろ過により除去し、水で洗浄し、減圧下で乾燥することによって、4-アミノ-3-クロロ-安息香酸を得た。
収率:92%
1H NMR (D6-DMSO): 6.15 (s, 2H); 6.79 (d, 1H); 7.59 (dd, 1H); 7.71 (d, 1H); 12.37 (br s, 1H)。
4-アミノ-3-クロロ-安息香酸(19.8 mmol)をDMF(10 mL)および1,2-ジクロロエタン(80 mL)に溶解した。DIPEA(19.8 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチル-カルボジイミドヒドロクロリド(19.8 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(19.8 mmol)および2-アミノチアゾール(19.8 mmol)を添加し、反応混合物を60℃で一晩撹拌した。体積を減圧下で減少させ、水(60 mL)を添加した。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相をNH4Cl(飽和水溶液)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして蒸発させた。粗製生成物をシリカにおけるフラッシュクロマトグラフィーにより、勾配溶出(ヘプタン/酢酸エチル)を用いて精製した。
収率:42%(全体で39%)
1H NMR (D6-DMSO): 6.19 (s, 2H); 6.83 (d, 1H); 7.21 (d, 1H); 7.52 (d, 1H); 7.83 (dd, 1H); 8.07 (d, 1H), 12.24 (br s, 1H)。
【0138】
1f: 4-アミノ-3-ブロモ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
4-アミノ-安息香酸(100 mmol)をDMF(50 mL)に溶解し、N-ブロモスクシンイミド(100 mmol)を添加した。常温で18時間撹拌し、その後反応混合物を水(100 mL)に加えた。生成物をろ過により除去し、水で洗浄し、減圧下で乾燥することにより4-アミノ-3-ブロモ-安息香酸を得た。
収率:70%
1H NMR (D6-DMSO): 6.10 (s, 2H); 6.78 (d, 1H); 7.63 (dd, 1H); 7.89 (d, 1H); 12.39 (br s, 1H)。
4-アミノ-3-ブロモ-安息香酸(18.5 mmol)をDMF(10 mL)および1,2-ジクロロエタン(80 mL)に溶解した。DIPEA(18.5 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチル-カルボジイミドヒドロクロリド(18.5 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(18.5 mmol)および2-アミノチアゾール(18.5 mmol)を添加し、反応混合物を60℃で一晩撹拌した。体積を減圧下で減少させ、水(60 mL)を添加した。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相をNH4Cl(飽和水溶液)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして蒸発させた。粗製生成物をシリカにおけるフラッシュクロマトグラフィーにより、勾配溶出(ヘプタン/酢酸エチル)を用いて精製した。
収率:33%(全体で23%)
1H NMR (D6-DMSO): 6.14 (s, 2H); 6.82 (d, 1H); 7.21 (d, 1H); 7.51 (d, 1H); 7.86 (dd, 1H); 8.22 (d, 1H); 12.24 (br s, 1H)。
【0139】
1g: 4-アミノ-5-クロロ-2-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
4-アミノ-5-クロロ-2-メトキシ-安息香酸(19.8 mmol)をDMF(10 mL)および1,2-ジクロロエタン(80 mL)に溶解した。DIPEA(19.8 mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチル-カルボジイミドヒドロクロリド(19.8 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(19.8 mmol)および2-アミノチアゾール(19.8 mmol)を添加し、反応混合物を60℃で一晩撹拌した。減圧下で体積を減少させ、水(60 mL)を添加した。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相をNH4Cl(飽和水溶液)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして蒸発させた。粗製生成物を酢酸エチルから再結晶化させた。
収率:32%
1H NMR (D6-DMSO): 3.94 (s, 3H); 6.30 (s, 2H); 6.56 (s, 1H); 7.23 (d, 1H); 7.49 (d, 1H); 7.76 (s, 1H); 11.05 (br s, 1H)。
【0140】
以下の化合物を同様に製造した:
【0141】
1h: 4-アミノ-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
収率:27%
LC/MS (m/z) 256 (MH+); RT = 1.9 (方法A)。
【0142】
<実施例2 式Vを有するA2Aリガンドの製造>
実施例
【0143】
2a: 4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド
1 mmolの4-アミノ-3-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドあたり1.2 mmolのピリジンを含む、1,2-ジクロロエタン/DMFにおける4-アミノ-3-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドの0.2 Mストック溶液200μLに、0.05 mmolの3,3-ジメチル-酪酸クロリドを添加した。反応混合物を常温で2時間インキュベートした。分取HPLC-MSにより精製を行った。
1H NMR (D6-DMSO): 1.03 (s, 9H); 2.35 (s, 2H); 3.95 (s, 3H); 7.26 (d, 1H); 7.56 (d, 1H); 7.71 (dd, 1H); 7.79 (d, 1H); 8.19 (d, 1H); 9.14 (s, 1H); 12.55 (br s, 1H)。
LC/MS (m/z) 348 (MH+); RT = 2.68 (方法A)。
【0144】
以下の化合物を同様に製造した:
【0145】
2b: 4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
LC/MS (m/z) 318 (MH+); RT = 2.54 (方法A)。
【0146】
2c: 4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
LC/MS (m/z) 332 (MH+); RT = 2.44 (方法A)。
【0147】
2d: 3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
LC/MS (m/z) 397 (MH+); RT = 2.85 (方法A)。
【0148】
2e: 4-イソブチリルアミノ-2-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
LC/MS (m/z) 320 (MH+); RT = 2.20 (方法A)。
【0149】
2f: 3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
LC/MS (m/z) 322 (MH+); RT = 2.41 (方法A)。
【0150】
2g: 4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
LC/MS (m/z) 336 (MH+); RT = 2.74 (方法A)。
【0151】
2h: 4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
LC/MS (m/z) 354 (MH+); RT = 2.5 (方法A)。
【0152】
2i: 5-クロロ-4-(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-2-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
LC/MS (m/z) 381 (MH+); RT = 3.09 (方法A)。
【0153】
2j: 5-クロロ-2-メトキシ-4-(2-メチル-ベンゾイルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
LC/MS (m/z) 403 (MH+); RT = 3.15 (方法A)。
【0154】
2k: 3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
LC/MS (m/z) 365 (MH+); RT = 2.92 (方法A)。
【0155】
2l: 3,5-ジクロロ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド:
反応混合物をマイクロ波オーブンにおいて120℃で2.5時間加熱した。
LC/MS (m/z) 387 (MH+); RT = 2.76 (方法A)。
【0156】
<式Iを有する化合物の製造に関する方法の概要>
実施例:
【0157】
3a: アミノ-酢酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0158】
【化17】

NaH(3 mmol)をアルゴン雰囲気中においてフレーム乾燥(flamedried)したフラスコに計り入れ、DMF(12 mL)に懸濁した。4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド(2,5 mmol)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。tert-ブチルカルボニルアミノ-グリシンクロロメチレンエステル(2.5 mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶剤を蒸発させ、生成物をシリカゲルにおけるフラッシュクロマトグラフィーにより、溶離剤としてヘプタン/20%〜50% EtOAcを用いて精製した。
収率:59%
1H NMR (D6-DMSO): 1.02 (s, 9H); 1.33 (s, 9H); 2.22 (s, 2H); 3.73 (d, 2H); 6.24 (s, 2H); 7.00 (d, 1H); 7.27 (t, 1H); 7.57 (d, 1H); 7.69 (d, 2H); 8.12 (d, 2H); 10.03 (s, 1H)。
tert-ブトキシカルボニルアミノ-酢酸 {[4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイル]-チアゾール-2-イル-アミノ}-メチルエステルをHClガスで飽和したエーテル中に懸濁し、15分間反応させた。溶剤を除去し、生成物を減圧下で乾燥した。
収率:100%
1H NMR (D6-DMSO): 1.02 (s, 9H); 2.22 (s, 2H); 3.91 (m, 2H); 6.35 (s, 2H); 7.03 (d, 1H); 7.60 (d, 1H); 7.71 (d, 2H); 8.14 (d, 2H); 8.32 (m, 2H); 10.11 (s, 1H)。
【0159】
以下を同様に製造した:
【0160】
3b: (S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0161】
【化18】

3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-酪酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 493 (MH+); RT = 2.13 (方法B)。
【0162】
3c: 2-(S)-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0163】
【化19】

3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-酪酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 525 (MH+); RT = 2.1 (方法)。
【0164】
3d: 2-(S)-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0165】
【化20】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-酪酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 483 (MH+); RT = 1.92 (方法A)。
【0166】
3e: 2-(S)-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)
-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0167】
【化21】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-酪酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 465 (MH+); RT = 2.14 (方法A)。
【0168】
3f: 2-(S)-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0169】
【化22】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-酪酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 461 (MH+); RT = 1.88 (方法A)。
【0170】
3g: 2-(S)-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0171】
【化23】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-酪酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 447 (MH+); RT = 1.83 (方法A)。
【0172】
3h: 2-(S)-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-2-メトキシ-4-(2-メチル-ベンゾイルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0173】
【化24】

5-クロロ-2-メトキシ-4-(2-メチル-ベンゾイルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-酪酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。LC/MS (m/z) 531 (MH+); RT = 2.2 (方法A)。
【0174】
3i: (S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-4-(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-2-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0175】
【化25】

5-クロロ-4-(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-2-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-酪酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。LC/MS (m/z) 509 (MH+); RT = 2.09 (方法A)。
【0176】
3j: (2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0177】
【化26】

3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(2S,3S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-ペンタン酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 507 (MH+); RT = 2.17(方法B)。
【0178】
3k: (2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0179】
【化27】

3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(2S,3S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-ペンタン酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 539 (MH+); RT = 2.16 (方法A)。
【0180】
3l: (2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0181】
【化28】

3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(2S,3S)-2- tert -ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-ペンタン酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 465 (MH+); RT = 1.88(方法B)。
【0182】
3m: (2S, 3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0183】
【化29】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(2S,3S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-ペンタン酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 497 (MH+); RT = 1.98 (方法A)。
【0184】
3n: (2S, 3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0185】
【化30】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(2S,3S)-2- tert -ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-ペンタン酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 479 (MH+); RT = 1.97(方法B)。
【0186】
3o: (2S, 3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0187】
【化31】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(2S,3S)-2- tert -ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-ペンタン酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 461 (MH+); RT = 1.91 (方法A)。
【0188】
3p: (2S, 3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0189】
【化32】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(2S,3S)-2- tert -ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-ペンタン酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 491 (MH+); RT = 2.05 (方法A)。
【0190】
3q: (S)- ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0191】
【化33】

3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸 1-tert-ブチルエステル 2-クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 525 (MH+); RT = 2.02 (方法A)。
【0192】
3r: (S)-ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0193】
【化34】

3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸 1-tert-ブチルエステル 2-クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 491 (MH+); RT = 2.04(方法B)。
【0194】
3s: (S)-ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ) ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0195】
【化35】

3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸 1-tert-ブチルエステル 2-クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 449 (MH+); RT = 1.93 (方法A)。
【0196】
3t: (S)-ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0197】
【化36】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸 1-tert-ブチルエステル 2-クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 463 (MH+); RT = 1.86(方法B)。
【0198】
3u: (S)-ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0199】
【化37】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸 1-tert-ブチルエステル 2-クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 475 (MH+); RT = 1.9(方法B)。
【0200】
3v: (S)-ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0201】
【化38】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸 1-tert-ブチルエステル 2-クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 459 (MH+); RT = 1.81 (方法A)。
【0202】
3w: 2-アミノ-2-メチル-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0203】
【化39】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-メチル-プロピオン酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 463 (MH+); RT = 1.92 (方法A)。
【0204】
3x: 2-アミノ-2-メチル-プロピオン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0205】
【化40】

3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-メチル-プロピオン酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 437 (MH+); RT = 1.76 (方法A)。
【0206】
3y: 2-アミノ-2-メチル-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0207】
【化41】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-メチル-プロピオン酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 451 (MH+); RT = 1.84(方法B)。
【0208】
3z: ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-イソブチリルアミノ-2-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0209】
【化42】

4-イソブチリルアミノ-2-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよびピペリジン-1,4-ジカルボン酸 1-tert-ブチルエステル 4-クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 461 (MH+); RT = 1.91 (方法A)。
【0210】
4a: ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0211】
【化43】

3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよびピペリジン-1,4-ジカルボン酸 1-tert-ブチルエステル 4-クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 537 (MH+); RT = 2.06 (方法A)。
【0212】
4b: ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(3-エチル-ヘキサノイルアミノ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0213】
【化44】

3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよびピペリジン-1,4-ジカルボン酸 1-tert-ブチルエステル 4-クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 505 (MH+); RT = 2.04(方法B)。
【0214】
4c: ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0215】
【化45】

3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよびピペリジン-1,4-ジカルボン酸 1-tert-ブチルエステル 4-クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 463 (MH+); RT = 1.81 (方法A)。
【0216】
4d: ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0217】
【化46】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよびピペリジン-1,4-ジカルボン酸 1-tert-ブチルエステル 4-クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 473 (MH+); RT = 1.77 (方法A)。
【0218】
4e: ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-2-メトキシ-4-(2-メチル-ベンゾイルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0219】
【化47】

5-クロロ-2-メトキシ-4-(2-メチル-ベンゾイルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよびピペリジン-1,4-ジカルボン酸 1-tert-ブチルエステル 4-クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 543 (MH+); RT = 1.89 (方法A)。
【0220】
4f: ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-4-(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-2-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0221】
【化48】

5-クロロ-4-(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-2-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよびピペリジン-1,4-ジカルボン酸 1-tert-ブチルエステル 4-クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
LC/MS (m/z) 521 (MH+); RT = 1.76(方法B)。
【0222】
4g: 3-アミノ-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0223】
【化49】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-プロピオン酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
1H NMR (D6-DMSO): 1.05 (s, 9H); 2.25 (s, 2H); 2.75 (t, 2H); 3.03 (m, 2H); 6.31 (s, 2H); 7.14 (d, 1H); 7.70 (d, 1H); 7.86 (d, 2H); 9.76 (s, 1H)。
【0224】
4h: (S)-2-メチルアミノ-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0225】
【化50】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(S)-2-tert-ブトキシカルボニル-メチル-アミノ-プロピオン酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
1H NMR (D6-DMSO): 1.05 (s, 9H); 1.42 (d, 3H); 2.26 (s, 2H); 2.54 (m, 3H); 4.20 (m, 1H); 6.42 (m, 2H); 7.16 (d, 1H); 7.76 (d, 1H); 7.86 (d, 2H); 9.83 (br s, 1H)。
【0226】
4i: (R,S)-2-アミノ-2,3-ジメチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド:
【0227】
【化51】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(R,S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2,3-ジメチル-酪酸クロロメチルエステルから製造し、続いて脱保護を行った。
1H NMR (D6-DMSO): 0.83 (d, 3H); 0.85 (d, 3H); 1.05 (s, 9H); 1.43 (s, 3H); 2.04 (m, 1H); 2.25 (s, 2H); 6.42 (dd, 2H); 7.16 (d, 1H); 7.75 (d, 1H); 7.86 (d, 2H); 8.63 (br, 3H); 9.79 (s, 1H)。
【0228】
4j: (2S, 3S)-2-ジメチルアミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル:
【0229】
【化52】

(2S, 3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステルヒドロクロリド(3.3 mmol)をMeOH(100 mL)に溶解して、シアノホウ化水素ナトリウム(7.4 mmol)を添加し、引き続きホルムアルデヒド(水中で37%、8.3 mmol)を添加した。室温で1時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、残渣を酢酸エチルおよび水の間に分配した。有機相を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして蒸発させた。粗製生成物をシリカにおけるフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタンにおける40% EtOAcを溶離剤として用いて精製した。
収率:26%
1H NMR (D6-DMSO): 0.73 (d, 3H); 0.77 (t, 3H); 1.05 (s, 9H); 1.28 (m, 1H); 1.57 (m, 1H); 1.75 (m, 1H); 2.13 (s, 6H); 2.25 (s, 2H); 4.30 (d, 1H); 6.32 (m, 2H); 7.13 (d, 1H); 7.75 (d, 1H); 7.86 (d, 2H); 7.92 (s, 1H)。
【0230】
4k: リン酸モノ-{2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル:
【0231】
【化53】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよびリン酸ジ-tert-ブチルエステルクロロメチルエステルから製造し、引き続いて、ジクロロメタンにおける5当量のトリフルオロ酢酸を用いて脱保護を常温で一晩行い、次いで凍結乾燥を行った。
LC/MS (m/z) 464 (MH+); RT = 1.91 (方法A)。
【0232】
4l: リン酸モノ-{2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル
【0233】
【化54】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよびリン酸ジ-tert-ブチルエステルクロロメチルエステルから製造し、引き続いて、ジクロロメタンにおける5当量のトリフルオロ酢酸を用いて脱保護を常温で一晩行い、次いで凍結乾燥を行った。
1H NMR (D6-DMSO): 1.03 (s, 9H); 2.23 (s, 2H); 5.99 (d, 2H); 7.02 (d, 1H); 7.55 (d, 1H); 7.70 (d, 2H); 8.18 (d, 2H); 10.05 (s, 1H)。
【0234】
4m: リン酸モノ-{2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル
【0235】
【化55】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよびリン酸ジ-tert-ブチルエステルクロロメチルエステルから製造し、引き続いて、ジクロロメタンにおける5当量のトリフルオロ酢酸を用いて脱保護を常温で一晩行い、次いで凍結乾燥を行った。
1H NMR (D6-DMSO): 1.04 (s, 9H); 2.32 (s, 2H); 6.01 (d, 2H); 7.06 (d, 1H); 7.59 (d, 1H); 7.98-8.10 (3H); 9.74 (s, 1H)。
【0236】
4n: リン酸モノ-{2-[(E/Z)-3,5-ジクロロ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル
【0237】
【化56】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-クロロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよびリン酸ジ-tert-ブチルエステルクロロメチルエステルから製造し、引き続いて、ジクロロメタンにおける5当量のトリフルオロ酢酸を用いて脱保護を常温で一晩行い、次いで凍結乾燥を行った。
1H NMR (D6-DMSO): 1.08 (s, 9H); 2.26 (s, 2H); 5.92 (d, 2H); 7.04 (d, 1H); 7.69 (d, 1H); 8.18 (s, 2H); 9.81 (s, 1H)。
【0238】
4o: (R,S)-炭酸 2,3-ジヒドロキシ-プロピルエステル 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル:
【0239】
【化57】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドおよび(R,S)-炭酸クロロメチルエステル 2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチルエステルから製造し、引き続いて、保護された生成物のエタノール/水(1:1)溶液を、酸性イオン交換樹脂DOWEX 50 WX2-100の存在下において、30℃で3時間穏やかに振とうすることにより脱保護を行った。混合物をろ過し、蒸発させることにより生成物を得た。
1H NMR (D6-DMSO): 1.05 (s, 9H); 2.26 (s, 2H); 3.28-3.32 (m, 1H); 3.33-3.38 (m, 1H); 3.62-3.70 (m, 1H); 4.02-4.09 (m, 1H); 4.18-4.24 (m, 1H); 6.30 (s, 2H); 7.13 (d, 1H); 7.69 (d, 1H); 7.88 (m, 2H); 9.76 (s, 1H)。
【0240】
4p: 4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-{3-[(1S,3S,4S,5R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-((R)-ヒドロキシメチル)-テトラヒドロ-ピラン-2-イルオキシメチル]-3H-チアゾール-2-イリデン}-ベンズアミド
【0241】
【化58】

N-(3-クロロメチル-3H-チアゾール-2-イリデン)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンズアミド(1.2 mmol)および酢酸 (2R,3R,4S,5R,6R)-4,5-ジアセトキシ-6-アセトキシメチル-2-ヒドロキシ-テトラヒドロ-ピラン-3-イルエステル(1.5 mmol)を、アルゴン雰囲気下においてフレーム乾燥したフラスコ中で混ぜ合わせ、乾燥ジクロロメタン(15 mL)中に懸濁した。混合物を-60℃に冷却し、AgOTf(2.9 mmol)を添加した。反応混合物をゆっくりと-20℃まで加熱して、1時間撹拌し、その後混合物をゆっくりと室温に加熱して、一晩撹拌した。粗製反応混合物を0℃に冷却し、撹拌しながらNaHCO3(飽和水溶液)(15 mL)を添加した。混合物をろ過し、水および酢酸エチルを添加した。有機相を分離し、洗浄液が塩基性になるまでNaHCO3(飽和水溶液)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして蒸発させた。組成生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより、酢酸エチル/ヘプタン(1:1)における1〜10% MeOHの勾配を溶離剤として用いて精製した。
収率:11%。
【0242】
生成物(0.14 mmol)をMeOH(3 mL)に溶解し、NaOMe(0.56 mmol)を添加することによって脱保護を行った。反応混合物を室温で一晩撹拌した。酸性のDOWEX 50Wイオン交換樹脂を添加し、混合物を反応混合物が中和するまで撹拌した。樹脂をろ過により除去し、生成物を溶剤の蒸発によって回収した。単離された生成物はベータ配置を有していた。
収率:98%
1H NMR (D6-DMSO): 1.05 (s, 9H); 2.26 (s, 2H); 2.97-3.18 (4H); 3.49 (m, 1H); 3.62 (m, 1H); 4.51 (d, 1H); 5.74 (d, 1H); 6.07 (d, 1H); 7.10 (d, 1H); 7.71 (d, 1H); 7.85 (d, 2H); 9.84 (s, 1H)。
【0243】
4q: 4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-[3-((2R,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-ヒドロキシメチル-テトラヒドロ-ピラン-2-イル)-3H-チアゾール-2-イリデン]-ベンズアミド
【0244】
【化59】

4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド(1.4 mmol)を、密封容器においてヘキサメチルジシラザン(8.1 mmol)およびクロロトリメチルシラン(1.7 mmol)中に懸濁し、160℃で14時間撹拌した。その後、過剰なシラン化剤を減圧下で除去し、粗製物をさらに精製することなく直接使用した。粗製シラン化生成物および酢酸 (2R,3R,4S,5R,6R)-4,5-ジアセトキシ-6-アセトキシメチル-2-ヒドロキシ-テトラヒドロ-ピラン-3-イルエステル(1.4 mmol)をアルゴン雰囲気下でフレーム乾燥したフラスコにおいて混合し、ジクロロメタン(4 mL)を添加した。混合物を氷上で冷却し、トリメチルシリルトリフレート(1.7 mmol)を添加した。反応混合物を室温に温め、一晩撹拌した。粗製混合物をジクロロメタン(2 mL)で希釈し、冷却したNaHCO3(飽和水溶液)を添加した。酢酸エチルを添加して、相を分離し、有機相を水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして蒸発させた。生成物をシリカにおけるフラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン/酢酸エチル(7:3)における7% MeOHを溶離剤として用いて精製した。
収量:15%。
【0245】
MeOH(3 mL)への懸濁およびNaOMe(4当量)の添加によって精製生成物の脱保護を行った。混合物を室温で一晩撹拌し、その後、反応混合物を中和するために酸性イオン交換樹脂DOWEX 50Wを添加した。中性になったら樹脂をろ過し、生成物を溶剤の蒸発により回収した。
収率:98%
1H NMR (D6-DMSO): 1.04 (s, 9H); 2.25 (s, 2H); 3.27 (m, 1H); 3.45-3.57 (2H); 3.64-3.75 (3H); 6.05 (d, 1H); 7.10 (d, 1H); 7.71 (d, 1H); 7.86 (d, 2H); 9.76 (s, 1H)。
【0246】
<試薬のリスト>
化合物1a〜4qの製造に使用した試薬:
【0247】
【表1】

<実施例3 薬理試験>
式Iを有する化合物の、生理条件下で式Vを有する化合物を放出する能力は、例えば、式Iを有する化合物を哺乳類に投与し、それに続いて、対応する式Vを有する化合物に関して前記哺乳類の血液を解析することによって評価することができる。
【0248】
以下において、式Vを有する化合物を放出するための、式Iを有する化合物の生理条件下での変換についての評価、すなわち、ラットにおけるインビボでのプロドラッグの親化合物への変換の確認に関して一般的な方法を例示する。
【0249】
<ラットにおけるインビボでのプロドラッグの親化合物への変換に関する評価>
用量:生理食塩水に溶解した2 mg/kgのプロドラッグ、または10% HP-ベータシクロデキストリンを経口栄養法(oral gavage)によってカニューレを挿入したSDラットに投与する。
【0250】
血液サンプリング:投与の時間に対する以下の時間点において血液サンプルを採取する:投与前、5分、20分、50分、2時間、4時間、7時間、11時間、15時間および20時間。
【0251】
サンプル調製:実験の終わりに血液サンプルを15000 x gで10分間遠心分離し、その後に血漿を新しいバイアルに移して、定量解析まで-80℃で凍結させる。
【0252】
バイオ解析:血液サンプルをプロドラッグおよび親化合物について解析する。血漿サンプルの解析は、液体クロマトグラフィー分離/タンデムマススペクトメトリー(LC-MS/MS)によって行うことができる。
【0253】
式Vを有する化合物は、以下の方法によりインビトロにおいて特性解析を行うことができる。
【0254】
<A2A有効性試験>
A2a受容体をコードするヒトcDNAのクローニング。
【0255】
ヒト胎児脳RNA(Clonetech社製)をランダムプライマーを用いて逆転写することにより、cDNAを得た。引き続き、前記cDNAを鋳型として、そして、オリゴヌクレオチドTTTACGCGTGGCCATGCCCATCATGGGCTCCTCおよびTTTCTAGAATCAGGACACTCCTGCTCCATCをプライマーとして使用して、増幅のためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行った。増幅は、54℃のアニ−リング温度でPfuポリメラーゼ(Stratagene社, 製造者の推奨に従う)を用いて行った。反応混合物をアガロースゲル電気泳動により解析し、1.2 kbのバンドを切り出してDNAを溶出させた。溶出したDNAを制限酵素MluIおよびXbaIで消化し、同一の酵素で切断したベクター、pCIneoとのライゲーションを行った。DNAを単離し、塩基配列を確認した。CHO細胞に、A2a受容体を発現させるpCIneoクローンを導入し、5 mg/mlまたは10mg/mlのG418の存在下で2〜3週間培養した後に、前記プラスミドが安定に組み込まれた細胞を単離した。
【0256】
上述のA2A受容体を導入したCHO細胞を、10%のFCS、1%のグルタミンおよび1%のペニシリン/ストレプトマイシンおよび1 mg/mLのG418を加えたF12培地 (kaighs改変, Life technologies社製)で培養した。
【0257】
試験を実施する24時間前に、10000細胞/ウェルを、costar社製の96ウェルプレート中のG418を含まない培地に60〜80%コンフルエントになるように播種した。該細胞を、アゴニストの有効性の約80%に相当するNECA (00-9498, 最終濃度75 nM)で刺激した。
【0258】
細胞用培地を除去し、細胞を37℃で予め平衡化したPBSで3回洗浄して、10μLのアクセプタービーズ懸濁液、および10μLの試験化合物または標準化合物の溶液(0-10 μM)とともに、25℃の暗所で30分間インキュベート(振とう器上で)した後に、30μlのドナービーズ懸濁液を添加し、さらに60〜120分間暗所でインキュベーションを行った。プレートを製造者の取扱説明書(アルファスクリーン, Perkin Elmer社製 (Pachard Biosciense))に従って解析した。
【0259】
アクセプタービーズを刺激用緩衝液(5 mM HEPES、pH 7.4のフェノールレッド不含のハンクス平衡塩(Gibco社製)における0.1 % BSA)に懸濁した。ドナービーズを製造者の取扱説明書(アルファスクリーン, Perkin Elmer社製 (Pachard Biosciense))に従って、溶解緩衝液(0.3%のTween 20を加えた刺激用緩衝液およびビオチン化cAMP)に懸濁した。
データを非線形回帰にあてはめ、IC50およびKi値を以下の方程式:
IC50 = ( [ I ]/ (100/(100-%INH))/(1+([ag]/EC50)
および
Ki = IC50/(1-[ag]/EC50)
で計算した。式中、[ I ]は阻害剤濃度であり、[ag]は試験アゴニスト濃度であり、そしてEC50は最大効果の半分を得るために必要なアゴニスト濃度である。
【0260】
<A2A結合試験>
A2A結合試験用の膜の調製
昆虫細胞における発現
DNAをコードするヒトA2aをpCIneoコンストラクトからMluIおよびXbaIによって切り出し、XbaIおよびBssHIIで切断したpFASTBAC2ベクターへのサブクローニングを行った。挿入断片をBac-to-Bac(R)システム(Invitrogen社製)を用いてバキュロベクターに再び組み込んだ。バキュロウイルスの増殖および単離は販売者(Invitrogen社)による記載のとおりに行った。High Five細胞(Invitrogen社製)を27℃において浮遊状態(in suspension)で1*106の密度まで培養し、0.5のMOIで感染させた。細胞を感染の72時間後に回収し、膜を調製した。
【0261】
A2A受容体を発現するHigh Five細胞を、ウルトラタラックスホモジナイザー(ultra Turrax homogenisator)を用いて50 mMのtris-緩衝液(pH7.4)中で均質化した。膜を0.6 mg/mlの濃度に希釈し、膜懸濁液1 mlあたり2Uのアデノシンデアミナーゼ(Roche社)を添加した。溶液は使用する前に37℃で30分間プレインキュベーションを行った。
【0262】
A2A結合試験:
結合試験を96フェルの平底プレートで行い、1ウェルあたり10.6μgのタンパク質を、標準化合物または試験化合物の溶液(最終濃度0〜10 μM)および1 nMの最終濃度の3H-ZM241385(Tocris社からのR1036)と混合することにより開始した。全ての試験化合物をDMSO-ストック(2 mMまたは10 mM)から50 nMのトリス緩衝液に希釈した。反応液(最終容量= 200 μL)を25℃で30分間インキュベートし、ユニフィルターGF/B上で水を用いて洗浄した。フィルターを20分間(37℃)乾燥し、35 μlのMicroscient-0またはOptiphase supermixを添加して、Triluxカウンターで1分間計測した。
データを非線形回帰にあてはめ、IC50およびKi値を以下の方程式:
IC50 = ( [ I ]/ (100/(100-%INH))/(1+([L]/KD)
および
Ki = IC50/(1-[L]/KD)
で計算した。式中、[I]は阻害剤濃度であり、[L]およびKDはそれぞれ放射性追跡子の濃度および解離平衡定数である。
構造Vを有する上述の化合物は、200 nM以下のヒトA2A結合親和性(Ki)を有するA2A受容体アンタゴニストである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

を有する化合物であって、
式中、Zが式II
【化2】

で表される基であるか、またはZが式IIa
【化3】

を有する基であり、
式中、R1〜R4が水素、ハロゲン、C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシから独立して選択され;
R5がC1-8-アルキル、C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキル、C3-8-シクロアルキルおよびC1-6-アルキル-フェニルからなる群から選択され;
R8およびR9が水素、ハロゲンおよびC1-6-アルキルからなる群から独立して選択され;
*がBに連結する原子を表し;
Aが溶媒和基であり;そして
Bが連結部分または結合である、
前記の化合物。
【請求項2】
前記化合物の1個またはそれ以上の結合が、生理的条件下で酵素的にまたは化学的に分解され、そしてこの分解において、式V
【化4】

を有し、式中、R1〜R5およびR8〜R9が請求項1におけるものと同一の意味を有する化合物が遊離することを特徴とする、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R5がC1-8-アルキル、例えばC3-8-アルキルまたはβ位で分岐しているC4-8-アルキル、C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキル、例えばC3-8-シクロアルキル-メチル、C3-8-シクロアルキル、およびC1-6-アルキル-フェニル、例えばメチルフェニルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項4】
R5がβ位で分岐しているC4-8-アルキル、例えばネオペンチルまたはイソブチルである、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
R1およびR3が水素およびC1-6-アルコキシ、例えばメトキシからなる群から独立して選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項6】
R1およびR3がC1-6-アルコキシ、例えばメトキシであり、R2およびR4の両方が水素である、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
R2およびR4が水素、ハロゲンおよびC1-6-アルキル、例えばメチルからなる群から独立して選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項8】
R2およびR4がハロゲン、フルオロもしくはクロロおよびC1-6-アルキル、例えばメチルからなる群から独立して選択され、R1およびR3が水素である、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
R8〜R9が水素、ハロゲン、例えばフルオロもしくはクロロ、およびC1-6-アルキル、例えばメチルからなる群から独立して選択されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項10】
R8およびR9の両方が水素であることを特徴とする、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
Zが式IIを有する基である。請求項1〜10のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項12】
式IIを持つZを有する式Iで表される化合物の群から選択され、式中、
R1 = R2 = R3 = R4 = R8 = R9 = HおよびR5 = ネオペンチル;
R1 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R2 = ClおよびR5 = シクロペンチルメチル;
R1 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R2 = BrおよびR5 = ネオペンチル;
R1 = R3 = R8 = R9 = H, R2 = R4 = FおよびR5 = ネオペンチル;
R1 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R2 = FおよびR5 = ネオペンチル;
R1 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R2 = メチルおよびR5 = ネオペンチル;
R1 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R2 = メトキシおよびR5 = ネオペンチル;
R2 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R1 = メトキシおよびR5 = イソプロピル;
R2 = R3 = R8 = R9 = H, R1 = メトキシ, R4 = ClおよびR5 = フェニルメチル;
R2 = R3 = R8 = R9 = H, R1 = メトキシ, R4 = ClおよびR5 = シクロペンチル;
R1 = R3 = R4 = R8 = R9 = H, R2 = FおよびR5 = イソブチル;または
R1 = R3 = R8 = R9 = H, R2 = R4 = ClおよびR5 = ネオペンチル
である、請求項1または2のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項13】
溶媒和基Aが、化合物Iの水溶性を、請求項2に定義される式Vを有する対応化合物と比較して改善できる基である、請求項1〜12のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項14】
式IのプロドラッグのA-B-構造体が、請求項2に定義される式Vを有する対応化合物と比較した場合に改善された水溶性を化合物Iに付与することができ、そして請求項2に定義される対応の式Vを有する化合物を放出するために、化合物IのA-B-構造体において、1個またはそれ以上の結合が生理的条件下で切断される、請求項1〜12のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項15】
Aが少なくとも2個の官能基を含む化合物から選択される溶媒和基であり、前記の官能基のうちの1個がイオン性官能基であり、そして前記官能基のうちの他方がBへの結合を形成できる官能基であるか;またはAが適当な数のヒドロキシ官能基およびBへの結合を形成できる官能基を含む化合物から選択される、請求項1〜14のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項16】
AがN-非置換アミノ酸またはN-モノ-、N-ジ-もしくはN-トリ置換アミノ酸、ジアミン、モノ-、ジ-もしくはトリ-ホスフェートまたはこれらのエステル、および/またはこれらの塩、スルホン酸またはその塩、ジカルボン酸またはその塩、アルドン酸、ケトアルドン酸、O-もしくはN-グリコシド、アルジトールおよびケトールを包含するポリアルコール、あるいはこれらの組み合わせ、例えばグリコシル化アミノ酸またはグリコシル化ホスフェートからなる群から選択される溶媒和基である、請求項1〜15のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項17】
AがN-非置換アミノ酸、またはN-モノ-もしくはN-ジ置換アミノ酸またはこれらの塩、モノホスフェートまたはその塩、ポリアルコール、またはO-もしくはN-グリコシドから選択される溶媒和基であることを特徴とする、請求項16記載の化合物。
【請求項18】
Zが式IIを有する基であり、Bが式IIIまたはIV
【化5】

を有する連結部分であり、式中、R6-7が水素またはC1-6-アルキル、例えばメチルから独立して選択され、*がZに連結する原子を示し、そして#がAに連結する原子を示すことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項19】
Bが式IIIまたはIVを有する連結部分であり、ただし、Bが式IIIを有する連結部分である場合には、Aがカルボニル基もしくはヘテロカルボニル基を介して、またはアセタールもしくはケタールとして連結していることを条件とし;そして、Bが式IVを有する連結部分である場合には、Aが窒素原子もしくは酸素原子を介して連結することを条件とすることを特徴とする、請求項18記載の化合物。
【請求項20】
R6およびR7の両方が水素であるか、またはR6が水素でありR7がメチルであることを特徴とする、請求項18または19のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項21】
Bが式IIIまたはIVを有する連結部分であり、そしてR6-7が水素であることを特徴とする、請求項18または19のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項22】
Bが結合である、請求項1〜17のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項23】
Aがアノマー炭素原子を介して連結する炭水化物である、請求項22記載の化合物。
【請求項24】
Vが以下:
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
5-クロロ-2-メトキシ-4-(2-メチル-ベンゾイルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
5-クロロ-4-(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-2-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
4-イソブチリルアミノ-2-メトキシ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド; および
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジクロロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミド;
からなる群から選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項25】
Vが4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドである、請求項2記載の化合物。
【請求項26】
Vが4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドである、請求項2記載の化合物。
【請求項27】
Vが4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドであることを特徴とする、請求項2記載の化合物。
【請求項28】
Vが4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジクロロ-N-チアゾール-2-イル-ベンズアミドであることを特徴とする、請求項2記載の化合物。
【請求項29】
Zが式IIを有する基であることを特徴とする、請求項13〜28のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項30】
式IのA-B-がリン酸モノメチルエニルエステルである、請求項1〜29のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項31】
以下:
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)
-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-2-メトキシ-4-(2-メチル-ベンゾイルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-4-(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-2-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-)-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ) ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-メチルアミノ-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-2,3-ジメチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル´;
2-ジメチルアミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
炭酸 2,3-ジヒドロキシ-プロピルエステル 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-{3-[3,4,5-トリヒドロキシ-6-((R)-ヒドロキシメチル)-テトラヒドロ-ピラン-2-イルオキシメチル]-3H-チアゾール-2-イリデン}-ベンズアミド; および
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-[3-(3,4,5-トリヒドロキシ-6-ヒドロキシメチル-テトラヒドロ-ピラン-2-イル)-3H-チアゾール-2-イリデン]-ベンズアミド、
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の化合物。
【請求項32】
以下:
アミノ-酢酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)
-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-2-メトキシ-4-(2-メチル-ベンゾイルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-4-(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-2-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(2S, 3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(2S,3S)-2-アミノ-)-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(2S,3S)-2-アミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)- ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)-ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(2-シクロペンチル-アセチルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)- ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ) ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)-ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)-ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)-ピロリジン-2-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-2-メチル-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-2-メチル-プロピオン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
2-アミノ-2-メチル-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-イソブチリルアミノ-2-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-ブロモ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-クロロ-4-(3-エチル-ヘキサノイルアミノ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-3-フルオロ-4-(3-メチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-メチル-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-2-メトキシ-4-(2-メチル-ベンゾイルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
ピペリジン-4-カルボン酸 2-[(E/Z)-5-クロロ-4-(シクロペンタンカルボニル-アミノ)-2-メトキシ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
3-アミノ-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(S)-2-メチルアミノ-プロピオン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(R,S)-2-アミノ-2,3-ジメチル-酪酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
(2S, 3S)-2-ジメチルアミノ-3-メチル-ペンタン酸 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
リン酸モノ-{2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル;
リン酸モノ-{2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル;
リン酸モノ-{2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル;
リン酸モノ-{2-[(E/Z)-3,5-ジクロロ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル;
(R,S)-炭酸 2,3-ジヒドロキシ-プロピルエステル 2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチルエステル;
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-{3-[(1S,3S,4S,5R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-((R)-ヒドロキシメチル)-テトラヒドロ-ピラン-2-イルオキシメチル]-3H-チアゾール-2-イリデン}-ベンズアミド;および
4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-N-[3-((2R,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-ヒドロキシメチル-テトラヒドロ-ピラン-2-イル)-3H-チアゾール-2-イリデン]-ベンズアミド.
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1記載の化合物。
【請求項33】
以下:
- リン酸モノ-{2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3,5-ジフルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル;
- リン酸モノ-{2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル;
- リン酸モノ-{2-[(E/Z)-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-3-フルオロ-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル; および
- リン酸モノ-{2-[(E/Z)-3,5-ジクロロ-4-(3,3-ジメチル-ブチリルアミノ)-ベンゾイルイミノ]-チアゾール-3-イルメチル}エステル.
からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項34】
塩の形態である、請求項1〜33のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項35】
塩が薬学的に許容される付加塩である、請求項34記載の化合物。
【請求項36】
薬剤に使用するための請求項1〜35のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項37】
請求項1〜35のいずれか1つに記載の化合物を、A2A-受容体が関与する疾患治療用の薬剤の製造に使用する方法。
【請求項38】
請求項1〜35のいずれか1つに記載の化合物を、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、てんかん、脳虚血、出血性脳卒中、新生児虚血および低酸素症、くも膜下出血、外傷性脳損傷、心停止に続く脳損傷、うつ病、および精神障害からなる群から選択される疾患治療用の薬剤の製造に使用する方法。
【請求項39】
疾患がパーキンソン病である、請求項37または38のいずれか1つに記載の使用方法。
【請求項40】
請求項1〜35のいずれか1つに記載の化合物を、不穏下肢症候群(RLS)、統合失調症、乱用、例えば、アルコール乱用、片頭痛、傾眠、ナルコレプシー、疼痛、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、神経変性疾患、認識欠損、および記憶障害からなる群から選択される疾患治療用の薬剤の製造に使用する方法。
【請求項41】
請求項1〜35のいずれか1つに記載の化合物を、パーキンソン病を有する患者における以下の状態:RLS、うつ病、認識欠損および記憶障害、のうちの1種またはそれ以上の治療用薬剤の製造に使用する方法。
【請求項42】
請求項1〜35のいずれか1つに記載の化合物を含む医薬調合物。
【請求項43】
請求項1〜35のいずれか1つに記載の化合物の治療上許容される量を投与することを含む、A2A-受容体が関与する疾患を治療する方法。
【請求項44】
請求項1〜35のいずれか1つに記載の化合物の治療上許容される量を投与することを含む、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、てんかん、脳虚血、出血性脳卒中、新生児虚血および低酸素症、くも膜下出血、外傷性脳損傷、心停止に続く脳損傷、うつ病、および精神障害からなる群から選択される疾患を治療する方法。
【請求項45】
請求項1〜35のいずれか1つに記載の化合物の治療上許容される量を投与することを含む、パーキンソン病を治療する方法。
【請求項46】
請求項1〜35のいずれか1つに記載の化合物の治療上許容される量を投与することを含む、不穏下肢症候群(RLS)、統合失調症、乱用、例えば、アルコール乱用、片頭痛、傾眠、ナルコレプシー、疼痛、注意欠陥過活動性障害(ADHD)、神経変性疾患、認識欠損、および記憶障害からなる群から選択される疾患を治療する方法。
【請求項47】
請求項1〜35のいずれか1つに記載の化合物の治療上許容される量を投与することを含む、パーキンソン病を有する患者における以下の状態:RLS、うつ病、認識欠損および記憶障害、のうちの1種またはそれ以上を治療する方法。

【公表番号】特表2008−538772(P2008−538772A)
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508077(P2008−508077)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000212
【国際公開番号】WO2006/114093
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(591143065)ハー・ルンドベック・アクチエゼルスカベット (129)
【Fターム(参考)】