説明

NOxの選択的還元用の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ

本発明は、シリカ:アルミナモル比が30未満で、Cu:Al原子比が0.45未満である銅含有レビ沸石モレキュラーシーブであって、最大で10体積%の水蒸気の存在下で約750℃〜約950℃の温度に約1〜約48時間暴露した後で該レビ沸石モレキュラーシーブがその表面積の少なくとも60%を保持する銅含有レビ沸石モレキュラーシーブに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカ:アルミナモル比が30未満で、Cu:Al原子比が0.45未満である銅含有レビ沸石モレキュラーシーブであって、最大で10体積%の水蒸気の存在下で約750℃〜約950℃の温度に約1〜約48時間暴露した後で、前記レビ沸石モレキュラーシーブがその表面積の少なくとも60%を保持する銅含有レビ沸石モレキュラーシーブに関する。
【背景技術】
【0002】
合成ゼオライトと天然ゼオライトの両方が、またこれらによる、アンモニアを用いる酸素存在下での酸化窒素の選択的還元を含む特定の反応の促進が、先行技術によく知られている。ゼオライトは、比較的均一な孔径をもつアルミノケイ酸塩の結晶性材料であり、その孔径はゼオライトの種類やゼオライト格子中に含まれるカチオンの種類と量によるが、直径で約3〜10オングストロームの範囲となる。レビ沸石(levyne)(LEV)は、その二次元的多孔性(国際ゼオライト学会の定義による)によりアクセス可能な、8員環型の気孔(約4.8×3.6オングストローム)をもつ微孔性ゼオライトである。二個の六員環構成単位が4個の環で連結された結果、ケージ状の構造をもっている。
【0003】
レビ沸石はいろいろなテンプレート剤とOH源とを用いて製造できる。これらのいろいろな合成経路の結果、レビ沸石やLZ−132、LZ−133、Nu−3、ZSM−45、ZK20、SSZ−17などの異なる名称のレビ沸石型材料が得られている。最初に、US3,459,676には、1−メチル−1−アゾニア−4−アザビシクロ[2,2,2]オクタンを用いるシリカ:アルミナが4〜11であるZK−20の合成が開示されている。EP91,048とEP91,049には、メチルキヌクリジンを用いるLZ−132とLZ−133の合成が記載されている。EP40,016には、1−アミノアダマンタンまたはメチルキヌクリジンを用いるNu−3(SiO2:Al23比が10〜300)の合成が記載されている。EP107,370とUS4,485,303、US4,086,186、US5,334,367には、ジメチルジエチルアンモニウム、コリンまたはコバルチニウムの塩を用いるZSM−45(SiO2:Al23比が10〜80)の合成が記載されている。Caullettらは、Zeolites、1995,15,139−147にキヌクリジンとメチルアミンを用いるレビ沸石を報告している。Toutoらは、Materials Engineering, 1994, 175−182とMicroporous and Mesoporous Materials, 1998, 247−257に、メチルキヌクリジンを用いるレビ沸石の合成を記載している。井上らは、Microporous and Mesoporous Materials, 2009, 149−154に、コリンヒドロキシドを用いるFAUのレビ沸石への水熱変換を記載している。
【0004】
金属促進性ゼオライトで触媒されると、アンモニアを用いて酸化窒素を還元して窒素とH2Oを形成する反応が、酸素によるアンモニアの酸化にあるいはN2Oなどの望ましくない副生成物の形成に優先して起こりうる。このため、このプロセスは、しばしば酸化窒素の「選択的」触媒還元(「SCR」)と呼ばれ、場合によっては、単に「SCR」プロセスと呼ばれる。
【0005】
このSCRプロセスで用いる触媒は理想的には、広範囲の使用温度条件下で、例えば200℃〜600℃以上の温度条件下で、水熱条件下で、また硫黄化合物の存在下で、好ましい触媒活性を保持する必要がある。実際には、例えば触媒すすフィルター(排ガス処理システム中のすす粒子の除去に必要な部品)の再生の際に、高温の水熱条件に遭遇することが多い。
【0006】
アンモニアでの酸化窒素の選択的触媒還元用の、特に鉄促進性ゼオライト触媒や銅促進ゼオライト触媒などの金属促進性ゼオライト触媒は公知である。鉄促進性ゼオライトベータ(US4,961,917)は、市販の効果的な、アンモニアで酸化窒素を選択的に還元する触媒である。残念ながら、厳しい水熱条件下では、例えば局所的に700℃を超える温度での触媒すすフィルターの再生中に遭遇する水熱条件下では、多くの金属促進性ゼオライトの活性が低下し始めることが明らかとなった。この活性の低下は、多くはゼオライトからのアルミニウムの消失とその結果としてのゼオライト中の金属含有活性中心の消失に原因がある。
【0007】
WO2008/106519には、CHA結晶構造ともち、シリカ:アルミナモル比が15より大きく、銅:アルミニウム原子比が0.25より大きなゼオライトを含む触媒が開示されている。この触媒は、NH4+型のCHAを硫酸銅または酢酸銅により銅交換して製造される。硫酸銅でのイオン交換で得られる触媒の示すNOx変換率は、200℃で45〜59%であり、450℃で約82%である。酢酸銅交換により、熱時効後のNOx変換率が200℃と450℃でそれぞれ70と88%である材料が得られる。これらの材料は、FeBetaと較べて低温性能と水熱安定性に優れる。しかしながら、合成に必要なトリメチルアダマンチルアンモニウムヒドロキシドのコストのために、チャバザイトは依然として高価な材料である。
【0008】
WO2008/132452には、鉄及び/又は銅を加えて、Fe/BetaやCu/Beta、Cu/ZSM−5と較べてNOx変換率が改善された多くのゼオライト材料が開示されている。実施例2には、Cu/Nu−3(レビ沸石型材料の一つ)が、このような材料として示されている。この実施例では、水中での硝酸銅を用いる銅交換に先立ってアンモニウムの交換が行われることが示されている。目標とする3質量%のCu(3.76質量%のCuO)とするため、水中でのイオン交換を複数回行うと記されている。このイオン交換試験の詳細は開示されていない。また、このゼオライトの重要な組成上のパラメーター、例えばSiO2:Al23比またはアルカリ金属含量の詳細が示されていない。上述のように、Nu−3は、広範囲のSiO2:Al23比(10〜300)で製造可能である。実施例6には、この材料が5%の水蒸気中で750℃で24時間熱時効されることが示されている。図5と図6には、フレッシュなCu/Nu−3と熱時効後のCu/Nu−3のSCR性能が、Cu/SAPO−34などの他の材料との比較で示されている。図6には、水熱処理の後で、200℃と450℃でのNOx変換率が熱時効後のチャバザイト型SAPO−34技術と較べて大きく劣ること(200℃のNOx変換率では約75%に対して約60%、450℃では約80%に対して約60%)が示されている。しかしながら、Cu/Nu−3の試験条件については明確に示されていない。
【0009】
Briendらは、SAPO−34が約100℃未満の温度の湿った環境で不安定であり、その構造を失うことを報告している(J. Phys. Chem.、1995、Vol. 99、p 8270−8276)。しかしながら、100℃を超える温度では安定性に問題はない。
【0010】
Poshustaらは、SAPO−34の膜は低温での対湿度安定性が悪いことを観測している(J. Membrane Science, 2001, Vol. 186, p 25−40)。
【0011】
WO2008/118434は、10%の水蒸気中で900℃で1〜16時間水熱処理後にその表面積と気孔体積の少なくとも80%を保持できるレビ沸石材料が、SCRでの利用に好適であると指摘している。しかし、合成データまたは触媒データは開示されていない。
【0012】
WO2010/043891は、レビ沸石(LEV)などの小さな気孔をもつゼオライト(最大で8個の四面体原子の環の大きさをもつもの)が、アンモニアでのNOxの選択的触媒還元において改善された触媒であると指摘している。レビナイトやNu−3、LZ−132、ZK−20が報告されている。大きな結晶サイズは触媒安定性の改善につながると報告されているが、触媒データはCu/チャバザイトに示されているのみである。NOx変換率が200℃と400℃で報告されている。0.5マイクロメータより大きな結晶が請求されている。
【0013】
US4,220,632には、孔径が3〜10オングストロームのNa型またはH型ゼオライトを用いるNH3−SCRプロセスが開示されている。その実施例中には、ゼオライトXやモルデナイト、天然ゼオライトが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】US3,459,676
【特許文献2】EP91,048
【特許文献3】EP91,049
【特許文献4】EP40,016
【特許文献5】EP107,370
【特許文献6】US4,485,303
【特許文献7】US4,086,186
【特許文献8】US5,334,367
【特許文献9】US4,961,917
【特許文献10】WO2008/106519
【特許文献11】WO2008/132452
【特許文献12】WO2008/118434
【特許文献13】WO2010/043891
【特許文献14】US4,220,632
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Zeolites、1995,15,139−147。
【0016】
【非特許文献2】Materials Engineering, 1994, 175−182。
【0017】
【非特許文献3】Microporous and Mesoporous Materials, 1998, 247−257。
【0018】
【非特許文献4】Microporous and Mesoporous Materials, 2009, 149−154。
【0019】
【非特許文献5】J. Phys. Chem.、1995、Vol. 99、p 8270−8276。
【0020】
【非特許文献6】J. Membrane Science, 2001, Vol. 186, p 25−40。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
従って、SCR用途向けの安価で水熱的に安定な触媒を提供することが現在もなお求められている。最新のSCR触媒と同等のSCR性能と安定性を示す安価な触媒が望まれている。また、これらの触媒は広い温度範囲で高活性を示す必要がある。750℃を越える温度での水熱安定性が望ましい。具体的な水熱安定性に関する要件は、排気処理に用いられる触媒システムの構成に依存する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
驚くべきことに、SiO2:Al23比の低いCu/LEV触媒は、Cu含量を注意して制御すると、過酷な水熱処理後においても優れた性能を発揮することがわかった。
【0023】
より安価なテンプレートが使用できるため、Cu/LEVは、Cu/SSZ−13に対して大きなコストダウンを達成する。また、いくつかのシリコアルミノホスフェート組成物に見られる低温安定性の問題が、このアルミノケイ酸塩系組成物には認められない。
【0024】
したがって、本発明は、シリカ:アルミナモル比が30未満である、好ましくは28未満、より好ましくは26未満、より好ましくは23未満であり、Cu:Al原子比が0.45未満である銅含有レビ沸石モレキュラーシーブであって、該銅含有レビ沸石モレキュラーシーブが、最大で10体積%の水蒸気の存在下で約750℃〜約950℃の温度に約1〜約48時間暴露後にその表面積の少なくとも60%を保持しているものに関する。
【0025】
ある好ましい実施様態においては、この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブは、最大で10体積%の水蒸気の存在下で約750℃〜約950℃の温度で約1〜約48時間暴露後に、その表面積の少なくとも70%を、好ましい80%、より好ましくは90%を保持している。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施例1.1で製造されたレビ沸石の化学分析結果を表す図である。
【図2】実施例1.2で製造されたレビ沸石の化学分析結果を表す図である。
【図3】実施例1.3で製造されたレビ沸石の化学分析結果を表す図である。
【図4】実施例1.4で製造されたレビ沸石の化学分析結果を表す図である。
【図5】図5は、体積ベースの空間速度が30,000h-1で測定した、750℃で熱時効後の触媒例A〜Pの200℃でのDeNOx活性(%)とCuO負荷量(質量%)との関係を示す図である。
【図6】図6は、体積ベースの空間速度が30,000h-1で測定した、850℃で熱時効後の触媒例A〜Pの200℃でのDeNOx活性(%)とCuO負荷量(質量%)との関係を示す図である。
【図7】図7は、体積ベースの空間速度が30,000h-1で測定した、750℃で熱時効後の触媒例A〜Pの450℃でのDeNOx活性(%)とCuO負荷量(質量%)との関係を示す図である。
【図8】図8は、体積ベースの空間速度が80,000h-1で測定した、850℃で熱時効後の触媒例A〜Pの450℃でのDeNOx活性(%)とCuO負荷量(質量%)との関係を示す図である。
【図9】図9は、体積ベースの空間速度が30,000h-1で測定した、750℃で熱時効後の触媒例A〜Pの200℃でのDeNOx活性(%)とCu:Al比との関係を示す図である。
【図10】図10は、750℃で熱時効後の触媒例A〜Pの表面積保持率とCuO負荷量(質量%)の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
特記しない場合、本明細書と添付の請求項中においては、単数形の表現は、複数のものを含んでいるものとする。従って、例えば「ある触媒」は、2種以上の触媒の混合物などを含んでいる。
【0028】
モレキュラーシーブは、ゼオライト系ゼオライトであっても非ゼオライト系ゼオライトであってもよく、ゼオライト系と非ゼオライト系モレキュラーシーブは、レビ沸石結晶構造(国際ゼオライト学会ではLEV構造とも呼ばれる)をもつことができる。
【0029】
SiO2/Al23
この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブのシリカ:アルミナモル比は、約4〜約30未満であることが好ましい。この銅含有レビ沸石のシリカ:アルミナモル比は、好ましくは約10〜約30未満であり、より好ましくは約10〜約28の範囲、より好ましくは約15〜約28の範囲、より好ましくは約15〜約26の範囲である。
【0030】
Cu/Al
銅:アルミニウム原子比は約0.2〜約0.45未満であることが好ましい。より好ましくは、銅:アルミニウム比が約0.25〜約0.4である。
【0031】
Cu/H
銅:プロトン原子比は7未満であることが好ましく、4未満であることがより好ましい。より好ましくは、この比率が約0.25〜約4の範囲である。より好ましくは、この銅:アルミニウム比が約0.25〜約2である。このゼオライトのプロトン含量は、Alのモル数−(2×Cu2+)のモル数で計算される。
【0032】
100gのゼオライト中のCuのモル数
100gのゼオライト中のCuモル数(モル)は、0.01より大きいことが好ましい。より好ましくは、100gのゼオライト中のCuモル数が約0.02〜約0.046の範囲である。より好ましくは、約0.025〜約0.04の範囲である。
【0033】
高温
この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブは、ある高温に曝される。本発明のこの温度は、約750〜約950℃であり、好ましくは750〜850℃である。
【0034】
750℃の表面積
この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブの表面積が、最大で10体積%の水蒸気の存在下で約750℃〜約950℃の温度で約1〜約48時間、好ましくは約6〜約48時間、より好ましくは約6〜約24時間暴露後に、高温に暴露する前の表面積に対して少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%保持されていることが好ましい。
【0035】
850℃の表面積
最大で10体積%の水蒸気の存在下で約850℃の温度で約1〜約48時間暴露後に、この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブの表面積が、850℃の温度に暴露後に、多くとも80%未満、好ましくは75%未満保持されていることが好ましい。
【0036】
表面積
この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブの、DIN−ISO−9277により求めたラングミュア表面積は、約400〜約900の範囲であることが好ましく、約600〜約900の範囲であることがより好ましい。
【0037】
XRDパターン
X線回折パターンは、4°ソーラースリットとV20可変発散スリットと、エックス線検出器としてシンチレータカウンターを備えたブルカーD4型エンデバー回折計を用いて測定した。測定用試料は、2θを2°〜70°として、0.02°の間隔で測定し、測定時間は通常2秒間である。このX線回折パターンを、M.M. Treacyらにより報告された「ゼオライトの模擬XRD粉末パターン集」に報告されているLEVの位相と比較した。
【0038】
銅(質量%)
この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブの、CuOとして計算されたCu含量は、焼成レビ沸石モレキュラーシーブの総質量に対して好ましくは少なくとも約2質量%であり、より好ましくは少なくとも約2.5質量%である。この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブのCuOとして計算されたCu含量は、絶乾ベースの焼成レビ沸石モレキュラーシーブの総質量に対して、より好ましくは多くて約15質量%であり、より好ましくは多くて約4質量%、より好ましくは多くて約3.5質量%である。したがって、この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブの、CuOとして計算されたCu含量の好ましい範囲は、焼成レビ沸石モレキュラーシーブの総質量に対して約2〜約15質量%であり、より好ましくは約2〜約4質量%、より好ましくは約2.5〜約3.5質量%、より好ましくは約2.5〜約3.25質量%である。すべての質量%の値は、絶乾ベースの値である。
【0039】
フリーの銅
ゼオライト構造中の交換サイトにイオン交換して結合銅のレベルを増加させる銅に加えて、塩の形の交換されていない銅(いわゆるフリーの銅)がレビ沸石モレキュラーシーブ中に存在していてもよい。
【0040】
ナトリウム含量
この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブのナトリウム含量(絶乾ベースでNa2Oとしての値)は、好ましくは30000ppm未満であり、より好ましくは5000ppm未満、より好ましくは1000ppm未満、最も好ましくは100ppm未満である。
【0041】
他の金属
この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブは、一種以上の遷移金属を含んでいてもよい。このレビ沸石モレキュラーシーブが、NOをNO2に酸化できる遷移金属及び/又はNH3を貯蔵することのできる遷移金属を含むことが好ましい。この遷移金属は、好ましくは、FeとCo、Ni、Zn、Y、Ce、Zr、Vからなる群から選ばれる。一般に、FeやCo、Ni、Zn、Y、Ce、Z、Vの適当な供給源はすべて使用可能である。例えば、硝酸塩、シュウ酸塩、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、水酸化物、アセチルアセトネート、酸化物、水和物、及び/又は塩化物や臭化物、ヨウ化物などの塩類があげられる。
また、この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブは、一種以上のランタニドを含んでいてもよい。好ましいランタニド源の一つは、特に硝酸ランタンである。
また、この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブが一種以上の貴金属(例えば、PdやPt)を含んでいてもよい。
【0042】
TOC
この焼成後の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブのTOC含量が、レビ沸石モレキュラーシーブの総質量に対して0.1質量%以下であることが好ましい。
【0043】
熱安定性
この焼成後の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブの、示差熱分析または示差走査熱量分析で求めた熱安定性は、好ましくは約900〜約1400℃の範囲であり、好ましくは約1100〜約1400℃の範囲、より好ましくは約1150〜約1400℃である。熱安定性の測定は、例えばPCT/EP2009/056036の38頁に記載されている。
【0044】
LEV
この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブは、ゼオライト構造コードLEVに記載されるすべての材料を含むことが好ましい。この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブは、アルミノケイ酸塩組成物であることが好ましい。この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブが、ZSM−45またはNu−3であることが最も好ましい。ZSM−45は、コリンまたはジメチルジエチルアンモニウム塩由来のテンプレート剤から結晶化されていることが好ましい。
【0045】
SCR活性
750℃での熱時効
この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ、好ましくはZSM−45は、水熱的に処理される。この水熱処理の典型的な条件は以下のとおりである。この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを、空間速度が12,500h-1の、10%のH2Oと10%のO2、残りがN2を含むガス流中に置かれたチューブ炉中に、750℃で24時間置く。空間速度(ガスの時間当たりの空間速度)が30,000h-1で測定された、この750℃で熱時効後の200℃でのNO変換率は、好ましくは少なくとも70%であり、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%である。空間速度(ガスの時間当たりの空間速度)が30,000h-1で測定された、750℃で熱時効後の450℃でのNO変換率は、好ましくは少なくとも70%であり、より好ましいは少なくとも75%、より好ましいは少なくとも80%である。空間速度(ガスの時間当たりの空間速度)が80,000h-1で測定された、750℃で熱時効後の200℃でのNO変換率は、好ましくは少なくとも50%であり、より好ましいくは60%、より好ましいは少なくとも65%である。空間速度(ガスの時間当たりの空間速度)が80,000h-1で測定された、750℃で熱時効後の450℃での変換率は、少なくとも65%であることが好ましく、少なくとも70%がより好ましく、少なくとも75%がより好ましい。
【0046】
850℃での熱時効
この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ、好ましくはZSM−45は、水熱的に熱時効される。この水熱処理の典型的な条件は以下のとおりである。この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを、空間速度が12,500h-1で、10%のH20と10%のO2、残りがN2を含むガス流中に置かれた850℃で24時間チューブ炉中に置く。空間速度(ガスの時間当たりの空間速度)が30,000h-1で測定された、この850℃熱時効後の200℃でのNO変換率は、好ましくは少なくとも70%であり、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%である。空間速度(ガスの時間当たりの空間速度)が30,000h-1で測定された、850℃熱時効後の450℃でのNO変換率は、好ましくは少なくとも70%であり、より好ましいは少なくとも75%、より好ましいは少なくとも80%である。空間速度(ガスの時間当たりの空間速度)が80,000h-1で測定された、850℃熱時効後の200℃でのNO変換率は、好ましくは少なくとも50%であり、より好ましいくは60%、より好ましいは少なくとも65%である。空間速度(ガスの時間当たりの空間速度)が80,000h-1で測定された、850℃熱時効後の450℃での変換率は、少なくとも65%であることが好ましく、少なくとも70%がより好ましく、少なくとも75%がより好ましい。
【0047】
この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブの、時間当たりのガス空間速度が30000h-1で求めた200℃での熱時効後のNOx変換率が少なくとも50%であることが好ましい。この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブの、空間速度(時間当たりのガス空間速度)が30000h-1で求めた450℃での熱時効後NOx変換率が少なくとも70%であることが好ましい。この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを、空間速度が12,500h-1で、10%のH2Oと10%のO2、残りがN2を含むガス流中に置かれたチューブ炉中で、750℃で24時間水熱的に熱時効する。時間当たりのガス空間速度が30000h-1で求めた200℃での熱時効後NOx変換率が少なくとも60%であり、450℃での熱時効後NOx変換率が少なくとも75%であることがより好ましく、時間当たりのガス空間速度が30000h-1で求めた200℃での熱時効後のNOx変換率が少なくとも70%であり、450℃での熱時効後のNOx変換率が少なくとも80%であることがより好ましく、時間当たりのガス空間速度が30000h-1で求めた200℃での熱時効後のNOx変換率が少なくとも80%であり、450℃での熱時効後のNOx変換率が少なくとも85%であることが最も好ましい。
【0048】
SCR活性の測定は、文献中に、例えばWO2008/106519に示されている。
【0049】
プロセス
したがって、本発明は、シリカ:アルミナモル比が30未満で、Cu:Al原子比が0.45未満である銅含有レビ沸石モレキュラーシーブであって、最大で10体積%の水蒸気の存在下で約750℃の温度に約1〜約48時間暴露後に、該レビ沸石モレキュラーシーブがその表面積の少なくとも60%を保持するもの製造方法に関する。好ましくは、酢酸銅及び/又は銅イオンのアンモニア性溶液が銅源として用いられる。
【0050】
銅イオンのアンモニア性溶液
Paniasらは、アンモニア水溶液中における2価銅イオンの種類について報告している(Oryktos Ploutos (2000)、116, 47−56)。実際には、弱酸性から強アルカリ性のアンモニア性溶液中に銅が存在すると、2価銅のアミノ錯体Cu(NH342+が主な形態となる。このイオンCu(NH342+は、Cu2+−NH3−H2O系の最も重要なイオンである。このイオンは、pHが5の弱酸性溶液からpHが14の強アルカリ性溶液まで広い範囲で安定である。Cu2+−NH3−H2O系では、pHが12より大きな非常に強アルカリ性溶液中でありまた総アンモニア濃度が0.1M未満である希アンモニア性溶液中でのみ、2価銅のヒドロキシル錯体が形成される。アンモニア性溶液の場合、高酸性水溶液中でのみ、銅は遊離のCu2+イオンの形で存在する。
【0051】
Na+−LEVの合成
LEV構造をもつNa+−ゼオライトの合成は、いろいろな公知の方法(例えば、US4,495,303やEP91,048やEP91,049)で実施できる。
【0052】
濃度
銅イオン交換に用いられる液体銅溶液の銅濃度は、好ましくは約0.001〜約1Mの範囲であり、より好ましくは約0.01〜約0.5Mの範囲、より好ましくは約0.05〜約0.3Mの範囲、より好ましくは約0.05〜約0.2Mの範囲である。
【0053】
液体:固体比
銅交換工程で用いた出発ゼオライトの乾燥質量に対するCu溶液の製造に用いた水と銅塩の質量と定義される液体:固体比は、好ましくは約0.1〜約800の範囲であり、より好ましくは約2〜約80の範囲、より好ましくは約2〜約20の範囲、より好ましくは約2〜約10の範囲、より好ましくは約4〜約8の範囲である。
【0054】
反応温度
銅交換工程の反応温度は、好ましくは約15〜約100℃の範囲であり、より好ましくは約20〜約60℃の範囲である。銅イオンのアンモニア性溶液が銅源として使用される場合、反応温度は好ましくは約20〜約35℃の範囲であり、より好ましくは約20〜約25℃の範囲である。
【0055】
反応物質の添加順序
反応物質のゼオライトと銅源と水は、いかなる順序で添加してもよい。ゼオライトを前もって調整した銅塩または錯体の溶液に添加してもよく、またこの溶液は室温であっても、イオン交換温度にまで前もって加熱されていてもよい。あるいは、ゼオライトを前もって脱イオン水中にスラリー化し、次いで室温のあるいは前もってイオン交換温度に加熱した銅塩または錯体を添加してもよい。また、反応容器にポンプ輸送して酢酸銅溶液に添加できるようにするため、ゼオライト粉末またはフィルターケーキを前もって一定量の水にスラリー化することもできる。また、これは無加熱でも前加熱ででも実施できる。
【0056】
反応時間
イオン交換工程の反応時間は、好ましくは約1秒〜約48時間の範囲であり、より好ましくは約30秒〜約8時間の範囲、より好ましくは約1分〜約5時間の範囲、より好ましくは約10分〜約1時間の範囲である。
【0057】
反応条件
この水溶液を適度に攪拌することが好ましい。上記の攪拌数または回転数の典型的な値は、10〜500rpm(1分当りの回転数)の範囲である。一般に、反応器の大きさが増加するとこの攪拌速度は減少する。
【0058】
pH:酸性添加物の使用
イオン交換工程のpHは、好ましくは約1〜約6の範囲であり、より好ましくは約2〜約6の範囲、より好ましくは約3〜約5.5の範囲である。銅イオンのアンモニア性溶液を銅源として使用する場合、イオン交換工程のpHは、約5〜約14の範囲であり、より好ましくは約6〜約12の範囲、より好ましくは約8〜約11の範囲である。用いる出発原料によっては、pHが上記の値となるようにこの水溶液のpHを調整する必要があろう。酢酸またはアンモニアを用いてpHを上記の値に調整することが好ましく、これは水溶液として添加してもよい。
【0059】
Cu:Al比
酢酸銅を用いる場合、銅交換工程用の銅溶液のCu:Al比は、好ましくは約0.25〜約2の範囲であり、より好ましくは約0.5〜2の範囲、より好ましくは約0.5〜1.5の範囲、より好ましくは約0.5〜約1.2の範囲である。銅イオンのアンモニア性溶液を用いる場合、Cu:Al比は、好ましくは約0.001〜約1の範囲であり、より好ましくは約0.25〜約0.8の範囲、より好ましくは約0.25〜約0.6の範囲、より好ましくは約0.25〜約0.5の範囲である。
【0060】
イオン交換の繰り返し
銅交換工程は、0〜10回繰り返すことができ、好ましくは0〜2回繰り返すことができる。
【0061】
後処理
銅交換工程の後で、本発明の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを含む交換スラリーは、母液から適当に分離される。分離に先立ち、母液の温度を、適当な冷却速度で目標値にまで適当に下げてもよい。この分離は、熟練者には公知のいかなる適当な方法ででも実施できる。このレビ沸石モレキュラーシーブを、熟練者には公知の適当な洗浄剤を用いて少なくとも1回洗浄してもよい。分離と必要なら洗浄の後に、この銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを乾燥し焼成してもよい。
【0062】
形状
本発明のレビ沸石モレキュラーシーブは、粉末または噴霧材料の形で提供できる。一般にこの粉末または噴霧材料は、他の化合物を加えずに、例えば適当な圧縮で成型して所望の形状をもつ成型物に、例えば錠剤や円筒状物、球などにすることができる。
【0063】
例えば、この粉末または噴霧材料を適当な耐火性バインダーと混合するか、この材料に耐火性バインダーを塗布する。例えば、このバインダーがジルコニウム前駆体であってもよい。必要なら適当な耐火性バインダーを混合あるいは塗布した粉末または噴霧材料を、例えば水を用いてスラリー化し、これを適当な耐火性の担体上に塗布してもよい。
【0064】
粒子状触媒充填床として使用するために、あるいは板状物やサドル、チューブなどの成形品として使用するために、本発明のレビ沸石モレキュラーシーブを、押出品やペレット、錠剤、他の適当な形状の粒子などの形状で提供することもできる。
【0065】
触媒
従って、本発明は、基材上に設けられた銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを含む触媒に関する。
【0066】
この基材は、触媒の製造に通常用いられる材料のいずれであっても良く、セラミック製または金属性のハニカム構造を有していることが多い。いずれか適当な基材を、例えば基材の入口面または出口面から延びる微細で平行なガス流路をもち、流路の内部で流体の流動が可能となっているような種類のモノリス基材(フロースルー型ハニカム基材とよばれる)を用いることができる。この基材は、流路が交互にブロックされ、一方向(入口方向)から流路に入るガス流が流路壁面を通過し、他方の方向(出口方向)の流路から出て行く壁面流型フィルター基材であってもよい。また、適当な担体/基材や適当な塗装プロセスが、国際特許出願(出願番号PCT/EP2009/056036)やWO2008/106519に記載されている。PCT/EP2009/056036とWO2008/106519を引用として本明細書に組み込む。
【0067】
SCR/排ガス処理システム
一般に、上述の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブは、モレキュラーシーブ、吸着剤、触媒、触媒支持体またはそのバインダーとして使用できる。触媒としての利用が特に好ましい。
【0068】
また、本発明は、本発明の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブが触媒活性物質として用いられる化学反応の触媒方法に関する。
【0069】
特に、上記触媒は、酸化窒素NOxの選択的還元(SCR)触媒として使用でき、NH3の酸化、特にディーゼルシステムのリークNH3の酸化に、N2Oの分解に、すすの酸化に、予混合圧縮着火(HCCI)エンジンなどの先進の排ガスシステムの排ガス制御に、流体の触媒的クラッキング(FCC)プロセス中の添加物として、有機変換反応の触媒として、あるいは“固定発生源”プロセスの触媒として使用できる。酸化反応で使用するには、他の貴金属成分(例えば、PdやPt)をこの銅チャバザイトに加えることが好ましい。
【0070】
したがって、本発明はまた、適当な還元条件下でNOxを含む流体を本発明の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを含む触媒に接触させて酸化窒素NOxを選択的に還元する方法や、適当な酸化条件下でNH3を含む流体を本発明の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを含む触媒に接触させてNH3を酸化する、特にディーゼルシステムのリークNH3を酸化する方法、適当な分解条件下でN2Oを含む流体を本発明の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを含む触媒に接触させてN2Oを分解する方法、適当な条件下で排ガス流を本発明の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを含む触媒に接触させることによる予混合圧縮着火(HCCI)エンジンなどの先進の排ガスシステム中での排ガスの制御方法、本発明の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブが添加物として用いられる流体触媒クラッキングFCC方法、適当な変換条件下で有機化合物を本発明の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを含む触媒に接触させて有機化合物を変換する方法、本発明の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを含む触媒が用いられる「固定発生源」方法に関する。
【0071】
特に、本発明のレビ沸石モレキュラーシーブを触媒活性物質として用いる酸化窒素の選択的還元は、アンモニアまたは尿素の存在下で行われる。定置型の動力装置にはアンモニアが還元剤として好ましく用いられるが、可動型のSCRシステムには尿素が還元剤として好ましい。通常、SCRシステムがエンジンや車両の設計に組み込まれ、このSCRシステムは通常、以下の主要部品を含んでいる。本発明のレビ沸石モレキュラーシーブを含むSCR触媒;尿素貯蔵タンク;尿素ポンプ;尿素投入システム;尿素噴射器/ノズル;それぞれの制御装置。
【0072】
NOxの還元方法
したがって、本発明はまた、酸化窒素NOxを含むガス流、例えば工業プロセスまたは工業運転中に発生する排ガスと、好ましくはアンモニア及び/又は尿素を含むガス流とを本発明のレビ沸石モレキュラーシーブと接触させて、選択的に酸化窒素NOxを還元する方法に関する。
【0073】
本発明で用いられる「酸化窒素NOx」は、窒素の酸化物をさし、特に一酸化二窒素(N2O)、一酸化窒素(NO)、三酸化二窒素(N23)、二酸化窒素(NO2)、四酸化二窒素(N24)、五酸化二窒素(N25)、過酸化窒素(NO3)をさす。
【0074】
本発明のレビ沸石モレキュラーシーブを含む触媒、または本発明により得られうるあるいは得られたレビ沸石モレキュラーシーブを用いて還元されるこれらの酸化窒素は、いずれのプロセスで得られるガス流、例えば排ガス流であってもよい。特に、アジピン酸や硝酸、ヒドロキシルアミン誘導体、カプロラクタム、グリオキサール、メチルグリオキサール、グリオキシル酸を製造する工程で、あるいは窒素含有材料を燃焼する工程で得られる排ガス流があげられる。
【0075】
特に、化学量論的な燃焼に必要な量より多く空気を用いる燃焼条件で、即ち希薄燃焼条件で運転している内燃機関の、特にディーゼルエンジンの排ガスからの酸化窒素NOxの除去に、本発明のレビ沸石モレキュラーシーブを含む触媒または本発明により得られうるあるいは得られたレビ沸石モレキュラーシーブを使用することが好ましい。
【0076】
したがって、本発明はまた、化学量論的な燃焼に必要な量より多く空気を用いる燃焼条件で、即ち希薄燃焼条件で運転している内燃機関の、特にディーゼルエンジンの排ガスからの酸化窒素NOxを除去する方法であって、本発明のレビ沸石モレキュラーシーブを含む触媒または本発明により得られうるあるいは得られたレビ沸石モレキュラーシーブが触媒活性物質として用いられる方法に関する。NOxの選択的還元とは、N2が主生成物となり、N2Oなどの副生成物が最小限となっていることが必要であることを意味する。
【0077】
排ガス処理システム
本発明は、場合によってはアンモニア及び/又は尿素を含む排ガス流と、支持体上に形成された、上記プロセスで得られうるあるいは得られた銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを含む触媒と、触媒すすフィルターとディーゼル酸化触媒とからなる排ガス処理システムに関する。
【0078】
触媒すすフィルターは上記触媒の上流にあっても下流にあってもよい。ディーゼル酸化触媒は上記触媒の上流にあることが好ましい。上記ディーゼル酸化触媒と上記触媒すすフィルターが、上記触媒の上流にあることが好ましい。
好ましくはNOを含むディーゼルエンジンからの排気を排気システムの下流の位置に導き、ここで還元剤を加え、排気流と加えられた還元剤を上記触媒に導くことが好ましい。
【0079】
例えば、触媒すすフィルターとディーゼル酸化触媒と還元剤がWO2008/106519に記載されており、この文献を引用として本明細書に含める。
【0080】
以下、実施例をもって、本発明の方法と材料を説明する。
【実施例】
【0081】
1. レビ沸石試料の水熱合成
1.1 SiO2:Al23が31の試料の水熱合成
US4,495,303に記載の方法で、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシドをテンプレートとし、水酸化ナトリウムをOHの供給源として用いてレビ沸石を結晶化させた。この材料を濾別乾燥し、600℃で焼成して、Na型のレビ沸石を製造した(実施例1)。
化学分析の結果、この材料のSiO2:Al23比が31であり、絶乾ベースで0.11質量%のNa2Oを含むことがわかった。XRDは、純粋なレビ沸石が得られたことを示した(図1参照)。
【0082】
1.2 SiO2:Al23が29の試料の水熱合成
US4,495,303の方法で、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシドをテンプレートとして用いてレビ沸石を結晶化させた。この材料を濾別乾燥し、600℃で焼成して、Na型のレビ沸石を製造した(実施例2)。
化学分析の結果、この材料のSiO2:Al23比が29であり、絶乾ベースで0.88質量%のNa2Oを含むことがわかった。XRDは、純粋なレビ沸石が得られたことを示した(図2参照)。
【0083】
1.3 SiO2:Al23比が26の試料の水熱合成
US4,495,303の方法で、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシドをテンプレートとして用いてレビ沸石を結晶化させた。この材料を濾別乾燥し、600℃で焼成して、H型のレビ沸石を製造した(実施例3)。
化学分析の結果、この材料のSiO2:Al23比が31であり、絶乾ベースで<0.01質量%のNa2Oを含むことがわかった。XRDは、純粋なレビ沸石が得られたことを示した(図3参照)。
【0084】
1.4 SiO2:Al23比が22の試料の水熱合成
US4,495,303の方法で、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシドをテンプレートとし、水酸化ナトリウムをOHの供給源として用いてレビ沸石を結晶化させた。この材料を濾別乾燥し、600℃で焼成して、Na型のレビ沸石を製造した(実施例4)。
化学分析の結果、この材料のSiO2:Al23比が22であり、絶乾ベースで0.81質量%のNa2Oを含むことがわかった。XRDは、純粋なレビ沸石が得られたことを示した(図4参照)。
【0085】
2. 実施例1と2と4の試料のアンモニウム交換
2.1 試薬と懸濁液の調整
以下の出発原料を用いた。
硝酸アンモニウム
脱イオン水
それぞれ1.1節と1.2節と1.4節に記載の実施例1と2と4のナトリウムレビ沸石。
【0086】
2.2 イオン交換条件と化学分析
交換条件の詳細を表1に示す。ジャケット付きの4L攪拌ガラス反応器中で、適当量の硝酸アンモニウムを脱イオン水に溶解し、60℃に加熱して硝酸アンモニウムの0.125M溶液を調整した。次いでアルカリ型レビ沸石をこの硝酸アンモニウム水溶液に添加した。試験中、このスラリーを250rpmで攪拌した。この交換スラリーの体積を、上記のように液体:固体比で10:1に保った。この交換スラリーを1時間60℃に維持し、次いでブフナー漏斗と適当な濾紙で(特に冷却することなく)熱濾過した。このフィルターケーキを、1Lの脱イオン水で、洗浄水の電気伝導度が200μS・cm-1となるまで数回洗浄した。すべてのフィルターケーキ試料を、室温の洗浄水で洗った。表1に、得られた生成物の化学分析結果を示す。
【0087】
【表1】

【0088】
3 銅交換
3.1 試薬と懸濁液の調整
以下の出発原料を用いた。
酢酸銅一水和物
脱イオン水
NH4型レビ沸石(実施例1−NH4、実施例2−NH4、実施4−NH4)とH型レビ沸石(実施例3)
【0089】
3.2 イオン交換条件と化学分析
表2に、実施例a〜pの調整の際のイオン交換の重要な合成パラメーターを示す。銅含有実施例a〜fは、実施例4−NH4から調整した。銅含有実施例g〜kは、実施例3のH型レビ沸石から調整した。銅含有実施例lは、実施例2−NH4から調整した。銅含有実施例m〜pは、実施例1−NH4から調整した。
【0090】
ジャケット付きのガラス反応器中で、酢酸銅一水和物を適当量の脱イオン水に溶解して酢酸銅溶液を調整した。この溶液を撹拌下で60℃に加熱し、所要量の母剤のNH4型またはH型レビ沸石を加えた。通常、液体:固体比として20を用いたが、実施例Hでは、液体:固体比が10であった。60℃の温度に1時間保持した。1時間イオン交換後、熱いままスラリーをブフナー漏斗でろ過した。次いでこのフィルターケーキを脱イオン水で、洗浄水の電気伝導度が200μS・cm-1となるまで洗浄した。試料を室温の洗浄水で洗った。得られた粉末を120℃の炉中で16時間乾燥させた。表2はまた、得られるすべての生成物のCuOとNa2Oの負荷量を示している。すべての値は、絶乾ベースでの値である。次いで、Cu:Al比とCu:H比を計算した。
【0091】
表2に示す化学分析から、小さなSiO2:Al23比の変動で、表4に示す触媒性能に大きな影響を与えることがわかる。
【0092】
【表2】

【0093】
4. 触媒の製造(触媒例A〜P)
試験の前に、まず粉末を押出品として調整した。ある典型的な製造方法では、ステファン・ヴェルケ社の混合機(型番:0ZDe042/4s)中で、混合速度が80rpmで、20gの乾燥粉末に18gの水を添加した。この混合物を均一となるまで混合した。これには約10分間を要した。次いで、0.5gのポリエチレンオキシド(PEO)を添加し、均一となるまで2分間混合した。混合物にバインダーとして2.5質量%のPEOを添加した。次いで、2gの水をゆっくりと添加し、このペーストを約5分間混合して均一化させた。次いで、このペーストを、2mm径の押出孔をもち、長さが10cmの自作プレス中でプレスした。得られた押出品を120℃で5時間乾燥し、540℃で5時間焼成した。この押出品をペレット状に切断し、ふるいにかけて大きさが0.5〜1mmのペレットを分離した。この部分を反応器中での試験に用いた。用いたふるいは、レッチェ社より調達した(500μmのふるい(S/N04025277)と1mmのふるい(S/N04009529)、両方とも直径が200mmで高さが25mm)。得られた触媒をフレッシュな状態と呼ぶが、これはなんら水熱処理を行っていないことを意味する。
【0094】
触媒例は、表2に記載の銅含有粉末と同じ品名をもつ。具体的にいうと、表3と表4の触媒例Aは、第4節に述べたように表2の実施例aから得た触媒である。表3には表面積データを、表4には触媒データを示す。
【0095】
5. 熱時効
熱時効反応器は、長さが500mmで内径が18mmである1mm厚のスチールチューブ(ブールマングループ製、グレード:1.4841)であった。ニッケルマントル系の炉を用いて反応器を目標反応温度に加熱した。この加熱は試料の位置にある内部熱電対で追跡した。スチール製蒸気発生器中で、150℃で制御された量の水を加熱して水蒸気を発生させ、スタチックミキサー中で他のガスと混合した。次いで、このガスと水蒸気とを予熱機に通して目標温度とした。
【0096】
チューブ炉中で、空間速度が12,500h-1の、10%のH2Oと10%のO2、残りがN2を含むガス流中で、第4節に述べたようにして調整した押出品を、750℃で24時間または850℃で6時間水熱的に熱時効させた。750℃での熱時効は、軽度の水熱処理と考えた。850℃での熱時効は、重度の水熱処理と考えた。
【0097】
表3に、触媒例A〜Pのフレッシュな状態と熱時効後の状態での表面積の値を示す。表4に、同じ触媒例のフレッシュな状態と熱時効後の状態での触媒データを示す。
【0098】
【表3】

【0099】
【表4−1】

【0100】
【表4−2】

【0101】
6. 触媒試験(触媒例A〜P)
以下の反応器セットを用いて、第4節及び5節で得られた熱時効後の触媒試料(750℃と850℃で熱時効後の状態)のNOxの選択的触媒還元活性を評価した。
【0102】
反応器は、長さが500mmで内径が18mmである1mm厚のスチールチューブ(ブールマングループ製、グレード:1.4841)であった。銅マントル系の炉を用いて反応器を目標反応温度に加熱した。この加熱は試料の位置にある内部熱電対で追跡した。
【0103】
この反応器に5mlの試料を入れ、試料の各末端をシリカウール製のプラグで固定する。空の反応器内に不活性なシリカ系材料(セラムテク社製品:#1.080001.01.00.00;0.5〜1mm、試料の底に45g、上に108g)を充填して試料の高さを制御した。
【0104】
500ppmのNOと500ppmのNH3、10%のO2、5%の水蒸気を含み、残りがHeである入口混合ガスを形成した。スチール製蒸気発生器で、150℃で制御された量の水を加熱して水蒸気を発生させ(ブールマン社、グレード:1.4541、寸法:内径が6mmで長さが900mm)、スタチックミキサー中で残りのガスと混合した。次いで、この混合ガスを、250℃に設定した予熱機とスタチックミキサーに通し、次いで前段落に記載のSCR反応器に投入した。
【0105】
定常状態条件下で出口でのNOxとNH3とN2O濃度をFTIR分光計により測定して、そのDeNOx活性を測定した。試料は、反応温度が200と450℃で測定した。また、これらを、体積ベースでの時間当たりのガス空間速度が30,000と80,000h-1で試験した。NO変換率は、(NO出口濃度(ppm)/NO入口濃度(ppm))×100として計算した。また、N2O生成量を濃度(ppm)で示した。
【0106】
図5〜9は、上記の空間速度で反応温度が200と450℃での、熱時効後の状態の触媒例A〜PのDeNOx活性を示す。すべての試料のN2Oの生成量は、200℃で11ppm未満であり、450℃では37ppm未満であった。
【0107】
図5には、体積ベースの空間速度が30,000h-1で測定した、750℃で熱時効後の触媒例A〜Pの200℃でのDeNOx活性(%)とCuO負荷量(質量%)との関係を示す。
【0108】
図6には、体積ベースの空間速度が30,000h-1で測定した、850℃で熱時効後の触媒例A〜Pの200℃でのDeNOx活性(%)とCuO負荷量(質量%)との関係を示す。
【0109】
図7には、体積ベースの空間速度が30,000h-1で測定した、750℃で熱時効後の触媒例A〜Pの450℃でのDeNOx活性(%)とCuO負荷量(質量%)との関係を示す。
【0110】
図8は、体積ベースの空間速度が80,000h-1で測定した、850℃で熱時効後の触媒例A〜Pの450℃でのDeNOx活性(%)とCuO負荷量(質量%)との関係を示す。
【0111】
図9には、体積ベースの空間速度が30,000h-1で測定した、750℃で熱時効後の触媒例A〜Pの200℃でのDeNOx活性(%)とCu:Al比との関係を示す。
【0112】
図10には、750℃で熱時効後の触媒例A〜Pの表面積保持率とCuO負荷量(質量%)の関係を示す。
【0113】
比較例1:市販のFeBeta
市販のFeBetaを、比較材料として用いた。この材料の組成は、SiO2:Al23比が36で、1.9質量%のFe23を含む。
【0114】
比較例2: Cu/ZSM−5
ZSM−5は、ゼオリスト社より購入し、銅交換後に比較材料として用いた。CBV2314出発原料の組成は、SiO2:Al23比が23で、Na2O含量が0.05質量%であった。第3節に詳細に述べたような銅交換法を行った。なお、その際の銅濃度は0.1 Mで液体:固体比は10:1であった。得られた生成物の組成は、SiO2:Al23比が24で、CuOが3.28質量%、Na2Oが<0.01質量%であった。
【0115】
比較例3:熱時効
第4節に記載のようにして比較例1と2から触媒を調整し、第5節に記載のようにして水熱による熱時効を行った。両触媒は750℃で、10%水蒸気中で体積ベースの空間速度が12,500h-1で24時間熱時効した。
【0116】
比較例4:触媒試験
次いで、熱時効後の触媒を、第6節に記載のようにして、体積ベースの空間速度が30,000と80,000h-1で試験した表5に、熱時効後のFe/Betaと熱時効後のCu/ZSM−5両方のDeNOx活性を示す。
【0117】
【表5】

【0118】
8.先行技術との比較
FeBetaは、アンモニアを用いるNOxの選択的触媒還元に効果的な触媒であるが、上記の低温での要件を満足せず、ますます厳しくなる環境上の規制を満足するのに必要な水熱安定性を提供する必要がある。WO2008/106519とWO2008/132452とWO2008/118434のすべてで、CuSSZ−13が、FeBetaと較べると低温性能と水熱安定性を向上させるSCR触媒であると示されている。SSZ−13は、Cuでの修飾に先立って母体のゼオライトの製造に高価なテンプレート、トリメチルアダマンチルアンモニウムヒドロキシドが必要であり、このために高コストとなっているチャバザイト技術である。安価なテンプレートを使用できる可能性があるため、レビ沸石は大きなコストダウンを可能とする。WO2008/132452には、FeBetaと較べると性能が改善されているが、CuSSZ−13と較べると200と450℃でのNOx変換能に劣るCuNu−3(レビ沸石型)材料が開示されている。また、メチルキヌクリジンは高価なテンプレートであるため、Nu−3ではコストメリットが得られない。本発明は、WO2008/132452に報告されているCuレビ沸石に見られる性能を改善させるものである。安価なテンプレート(ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド)を使用するため、本発明はまた、低コストでCuSSZ−13と同等の触媒性能と耐久性を与える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカ:アルミナモル比が30未満で、Cu:Al原子比が0.45未満である銅含有レビ沸石モレキュラーシーブであって、最大で10体積%の水蒸気の存在下で約750℃〜約950℃の温度に約1〜約48時間暴露した後で前記レビ沸石モレキュラーシーブがその表面積の少なくとも60%を保持する銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項2】
シリカ:アルミナモル比が28未満である請求項1に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項3】
シリカ:アルミナモル比が26未満である請求項1又は2に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項4】
シリカ:アルミナモル比が23である請求項1〜3のいずれか一項に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項5】
上記シリカ:アルミナモル比が約10〜約28の範囲である請求項1に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項6】
最大で10体積%の水蒸気の存在下で約750℃〜約950℃の温度に約1〜約48時間暴露した後で前記レビ沸石モレキュラーシーブがその表面積の少なくとも70%を保持する請求項1〜5のいずれか一項に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項7】
最大で10体積%の水蒸気の存在下で約750℃〜約950℃の温度に約1〜約48時間暴露した後で前記レビ沸石モレキュラーシーブがその表面積の少なくとも80%を保持する請求項1〜6のいずれか一項に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項8】
最大で10体積%の水蒸気の存在下で約750℃〜約950℃の温度に約1〜約48時間暴露した後で前記レビ沸石モレキュラーシーブがその表面積の少なくとも90%を保持する請求項1〜7のいずれか一項に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項9】
前記銅含有レビ沸石モレキュラーシーブの、30,000h-1のガス空間速度で測定した、時間当たりのNOx変換率が、200℃で少なくとも50%であり、且つ450℃で少なくとも70%である請求項1〜8のいずれか一項に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項10】
銅:プロトン原子比が7未満である請求項1〜9のいずれか一項に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項11】
100gのゼオライト当りのCuのモル数(モル)が0.01より大きい請求項1〜10のいずれか一項に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項12】
前記銅含有レビ沸石モレキュラーシーブの、CuOとして計算されたCu含量が、上記焼成レビ沸石モレキュラーシーブの総質量に対して約2〜約4質量%である請求項1〜11のいずれか一項に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項13】
上記Cu:Al原子比が約0.2〜約0.4である請求項1〜12のいずれか一項に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項14】
上記レビ沸石モレキュラーシーブがZSM−45である請求項1〜13のいずれか一項に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項15】
上記レビ沸石モレキュラーシーブがNu−3である請求項1〜13のいずれか一項に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブ。
【請求項16】
支持体上に形成された、請求項1〜15のいずれか一項に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを含む触媒。
【請求項17】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブの製造方法であって、酢酸銅及び/又は銅イオンアンモニア性溶液を銅源として用いる製造方法。
【請求項18】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の又は請求項16の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを含む触媒の、酸化窒素NOxの選択的還元(SCR)用、NH3の酸化用、N2Oの分解用、すすの酸化用、あるいは先進排ガスシステム中での排ガス制御用触媒として、流体の触媒的クラッキング(FCC)プロセス中の添加物として、有機変換反応の触媒として、あるいは「固定発生源」プロセス中での触媒として使用する方法。
【請求項19】
アンモニアを含む排ガス流と、請求項1〜15のいずれか一項に記載の又は請求項16の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブを含む触媒、触媒すすフィルター及び、ディーゼル酸化触媒とを含む排ガス処理システム。
【請求項20】
窒素酸化物NOxを含むガス流を、請求項1〜15のいずれか一項に記載の又は請求項16の銅含有レビ沸石モレキュラーシーブに接触させることを特徴とする窒素酸化物NOxの選択的還元方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−507321(P2013−507321A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533590(P2012−533590)
【出願日】平成22年10月11日(2010.10.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065150
【国際公開番号】WO2011/045252
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【出願人】(509298447)ビーエーエスエフ、カタリスツ、エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】