説明

PLKインヒビターとしてのピリミジン化合物

本発明は式(1)
【化1】


(式中、A、X、Y、Z、Ra、Rb、Rc、R1、R2及びR3は請求項1に定義されたとおりである)の化合物に関する。これらの化合物は過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療における使用に適している。また、本発明は上記性質を有する薬物の製造におけるこれらの化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般式(1) の新規ピリミジン、これらの異性体、これらのピリミジンの調製方法及び医薬組成物としてのそれらの使用に関する。
【化1】

(式中、基A、X、Y、Z、Ra、Rb、Rc、R1、R2及びR3は特許請求の範囲及び明細書に示された意味を有する)
【背景技術】
【0002】
腫瘍細胞は生体による調節及び防除を全部又は一部回避し、制御されない増殖を特徴とする。これは一方では制御タンパク質、例えば、Rb、p16、p21及びp53の損失のためであり、また細胞サイクルの所謂アクセレーター、サイクリン依存性キナーゼの活性化のためである。
モデル生物、例えば、シゾサッカロミセス・ポンベ、ドロソフィラ・メラノガスター又はキセノパス(Xenopus)における研究だけでなく、ヒト細胞における研究はG2期から有糸分裂への遷移がCDK1/サイクリンBキナーゼにより調節されることを示していた(Nurse, 1990)。このキナーゼ(これはまた“有糸分裂促進因子”(MPF)として知られている)は、多くのタンパク質、例えば、核ラミナ、キネシンのような運動タンパク質、コンデンシン及びゴルジ・マトリックス・タンパク質(これらは中心体分離における、核コート、有糸分裂スピンドル装置の構造の分解、染色体凝縮及びゴルジ装置の分解に重要な役割を果たす)をリン酸化し、調節する(Nigg, 2001)。温度感受性CDK-1キナーゼ変異体を有するマウス細胞系は温度上昇及びその後のG2/M期における静止後にCDK-1キナーゼにおける迅速な分解を示す(Th'ngら, 1990)。CDK1/サイクリンBに対するインヒビター、例えば、ブチロラクトンによるヒト腫瘍細胞の治療は、G2/M期における静止及びその後のアポトーシスをもたらす(Nishioら, 1996)。
【0003】
更に、タンパク質キナーゼオーロラBがまた有糸分裂へのエントリー中に必須の機能を有すると記載されていた。オーロラBはSer10でヒストンH3をリン酸化し、それにより染色体凝縮を開始する(Hsu, J.Y.ら, 2000)。しかしながら、G2/M期における特定の細胞サイクル静止がまた、例えば、特定のホスファターゼ、例えば、Cdc25Cの抑制により開始されるかもしれない(Russell及びNurse, 1986)。欠陥Cdc25遺伝子を有する酵母はG2期で静止し、一方、Cdc25の過剰発現は有糸分裂期への早期のエントリーをもたらす(Russell及びNurse, 1987)。更に、G2/M期における静止はまた特定の運動タンパク質、所謂キネシン、例えば、Eg5の抑制(Mayerら, 1999)、又は微小管安定化剤もしくは不安定化剤(例えば、コルチシン、タキソール、エトポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン)(Schiff及びHorwitz, 1980)により開始されるかもしれない。
サイクリン依存性キナーゼ及びオーロラキナーゼに加えて、セリン/スレオニンキナーゼの小ファミリーである、所謂ポロ様キナーゼ(PLK)がまた真核細胞サイクルの調節に重要な役割を果たす。特にPLK-1は有糸分裂期の調節に重要な役割を果たすことがわかった。PLK-1は中心体の成熟、ホスファターゼCdc25Cの活性化だけでなく、後期促進複合体の活性化を担う(Gloverら, 1998, Qianら, 2001)。PLK-1抗体の注射は未形質転換細胞におけるG2静止をもたらし、一方、腫瘍細胞が有糸分裂期中に静止する(Lane及びNigg, 1996)。PLK-1の過剰発現が種々の型の腫瘍、例えば、肺の非小細胞癌腫、扁平上皮癌腫、乳癌及び結腸直腸癌中で実証されていた。それ故、タンパク質のこのカテゴリーはまた増殖性疾患における治療介入に重要な攻撃の位置に相当する(Descombes及びNigg, Embo J, 17;1)。
【0004】
ピリミジンは一般にキナーゼのインヒビターとして知られている。こうして、例えば、ピリミジンは国際特許出願WO 00/53595に坑癌活性を有する活性成分として記載されており、その出願は4位の複素環基及び2位のアニリノ基を有する2,4,5-置換ピリミジンの使用を記載しており、これは順に少なくとも一つのn-プロピル基の長さを有する側鎖を含む。
更に、国際特許出願WO 00/39101は坑癌活性を有する化合物としての2,4,5-置換ピリミジン(これらは2位及び4位で芳香族環又はヘテロ芳香族環(その少なくとも一つが少なくとも一つのn-プロピル基の長さを有する側鎖を含む)と結合されている)の使用を記載している。
更に、国際特許出願WO 97/19065はキナーゼインヒビターとしての2位に3,4-ジアルコキシアニリノ基を有する2,4,5-置換ピリミジンの使用を提案している。
国際特許出願WO 02/04429は5位にシアノ基を有する2,4,5-置換ピリミジン及びそれらの細胞サイクル抑制効果を記載している。
国際特許出願WO 03/063794はIgE及び/又はIgG受容体シグナルカスケードのインヒビターとしての2,4-ピリミジンジアミンの使用を記載している。
坑ウイルス2,4,5-置換ピリミジン(基Rc及びRdが4位の窒素の位置でヘテロ芳香族5員環を形成する)が国際特許出願WO 99/41253により知られている。
2位及び4位に(ヘテロ)アリールを有する2,4,5-置換ピリミジン(WO 00/27825)そしてまた2位又は4位にニトリル基で官能化された(ヘテロ)アリール基を有する2,4,5-置換ピリミジン(EP0945443 A1)が坑ウイルス活性を有すると記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の予防及び/又は治療に使用し得る新規活性物質を示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
今、驚くべきことに、式(1)の化合物(式中、基A、X、Y、Ra、Rb、Rc、R1、R2及びR3は以下に定義されるとおりである)が、特定の細胞サイクルキナーゼのインヒビターとして作用することがわかった。こうして、本発明の化合物は、例えば、特定の細胞サイクルキナーゼの活性と関連し、過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療に使用し得る。
本発明は一般式(1)の化合物(必要によりこれらの互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及び混合物の形態だけでなく、必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩であってもよい)に関する。
【化2】

【0007】
式中、
Xは-NR1a、O又はSを表し、かつ
YはCH又はNを表し、かつ
Zは水素、ハロゲン、C1-3-アルキル、C2-3-アルケニル、C2-3-アルキニル、ハロゲン-C1-3-アルキル、-COH、-C(=O)-C1-3-アルキル、-C(=O)-C2-3-アルケニル、-C(=O)-C2-3-アルキニル、-C(=O)C1-3-アルキル-ハロゲン及び擬ハロゲンを表し、かつ
Aは式(i)又は(ii)
【化3】

【0008】
から選ばれ、かつ
Q1は単環式又は二環式アリール化合物を表し、かつ
Q2は単環式又は二環式ヘテロアリール化合物を表し、かつ
TはN、O又はSを表し、かつ
R1及びR1aは水素又はメチルを表し、かつ
R2は-Cl、-Br、-I、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7及び擬ハロゲンの中から選ばれた基、又はC1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた必要により一置換もしくは多置換されていてもよい基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは夫々互いに独立に水素、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれた基;又は
C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた必要により一置換もしくは多置換されていてもよい基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、水素、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R3は式(iii)-(ix)
【0009】
【化4】

【0010】
から選ばれ、かつ
R4は水素、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれた基を表し、又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-8-アルキル、C2-10-アルケニル、C2-10-アルキニル、C3-8-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、C1-8-アルキル、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R5は水素、ハロゲン、-CF3、C1-3-アルキル又は-OR6を表し、かつ
R6、R7及びR8は夫々の場合に互いに独立に水素又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-5-アルキル、C2-5-アルケニル、C2-5-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環、ヘテロアリール、ハロゲン、-NO2、-OR10、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-C(=O)NR10R11、-NR10R11、-NR10C(=O)R11、-NR10C(=O)OR11、-NR10C(=O)NR11R12、-NR10C(C=O)ONR11R12、-NR10SO2R11、-N=CR10R11、-SR10、-SOR10、-SO2R10、-SO2NR10R11、-NR10SO2NR11R12、-OSO2NR10R11及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
【0011】
Lは結合又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-16-アルキル、C2-16-アルケニル、C2-16-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NO2、-OR10、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-C(=O)NR10R11、-NR10R11、-NR10COR11、-NR10C(=O)OR11、-NR10C(=O)NR11R12、-NR10C(C=O)ONR11R12、-NR10SO2R11、-N=CR10R11、-SR10、-SOR10、-SO2R10、-SO2NR10R11、-NR10SO2NR11R12、-OSO2NR10R11及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
Q3及びQ4は互いに独立に結合又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよい単環式複素環もしくは二環式複素環の中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、メチル、エチル、ハロゲン、-NH2、-OH及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R9は必要により一置換又は多置換されていてもよいC1-16-アルキル、C2-16-アルケニル、C2-16-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NO2、-OR10、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-C(=O)NR10R11、-NR10R11、-NR10COR11、-NR10C(=O)OR11、-NR10C(=O)NR11R12、-NR10C(C=O)ONR11R12、-NR10SO2R11、-N=CR10R11、-SR10、-SOR10、-SO2R10、-SO2NR10R11、-NR10SO2NR11R12、-OSO2NR10R11及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R10、R11及びR12は夫々の場合に互いに独立に水素又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-8-アルキル、C2-8-アルケニル、C2-8-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NH2、-OH及び擬ハロゲンの中から選ばれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
一局面において、本発明は
Xが-NR1a又は酸素を表し、かつ
Aが式(i)又は(ii)
【化5】

【0013】
から選ばれ、かつ
Q1が単環式又は二環式アリール化合物を表し、かつ
Q2が単環式ヘテロアリール化合物を表し、かつ
TがN、O又はSを表し、かつ
R1が水素を表し、かつ
R3が式(iii)
【化6】

【0014】
を表し、かつその他の基が先に定義されたとおりである、一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明は
YがCHを表し、かつ
Q1が単環式アリール化合物を表し、かつ
その他の基が先に定義されたとおりである、一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明は
Rcが水素、-F、-Cl、メチル及びエチルの中から選ばれた基を表し、かつその他の基が先に定義されたとおりである、一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明は
Ra及びRbが夫々の場合に互いに独立に水素又はC1-2-アルキル、C2-アルケニル、C2-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた必要により一置換もしくは多置換されていてもよい基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、水素、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6、-SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
その他の基が先に定義されたとおりである、一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明はまたRa及びRbが水素を表し、かつその他の基が先に定義されたとおりである、一般式(1)の化合物に関する。
【0015】
本発明はまた
Zがハロゲン-C1-3-アルキル、-COH、-C(=O)-C1-3-アルキル、-C(=O)-C2-3-アルケニル、-C(=O)-C2-3-アルキニル、-C(=O)C1-3-アルキル-ハロゲン及び擬ハロゲンを表し、かつ
その他の基が先に定義されたとおりである、一般式(1)の化合物を含む。
別の局面において、本発明は
ZがC1-3-フルオロアルキルを表し、かつ
YがCHを表し、かつ
その他の基が先に定義されたとおりである、一般式(1)の化合物に関する。
一局面において、本発明は医薬組成物としての使用のための一般式(1)の化合物、又はこれらの医薬活性塩に関する。
別の局面において、本発明は坑増殖活性を有する医薬組成物としての使用のための一般式(1)の化合物、又はこれらの医薬活性塩に関する。
必須の局面において、本発明は坑増殖活性を有する医薬組成物としての使用のための一般式(1)の化合物、又はこれらの医薬活性塩に関する。
更に、本発明は坑増殖活性と活性の選択的キナーゼ抑制メカニズムを有する医薬組成物としての使用のための一般式(1)の化合物、又はこれらの医薬活性塩を含む。
一局面において、本発明は坑増殖活性と活性のPLK抑制メカニズムを有する医薬組成物を調製するための一般式(1)の化合物、又はこれらの医薬活性塩の使用に関する。
別の局面において、本発明は必要により通常の賦形剤及び/又は担体と一緒に、一般式(I)の一種以上の化合物、又はこれらの生理学上許される塩を活性物質として含むことを特徴とする、医薬製剤に関する。
別の局面において、本発明は癌、感染症、炎症性疾患及び自己免疫疾患の治療及び/又は予防のための医薬組成物を調製するための一般式(1)の一種以上の化合物の使用に関する。
別の局面において、本発明は一般式(1)
【化7】

【0016】
の化合物(必要によりこれらの互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及び混合物の形態だけでなく、必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩であってもよい)〔式中、
Xは-NR1a、O又はSを表し、かつ
YはCH又はNを表し、かつ
Zは水素、ハロゲン、C1-3-アルキル、C2-3-アルケニル、C2-3-アルキニル、ハロゲン-C1-3-アルキル、-COH、-C(=O)-C1-3-アルキル、-C(=O)-C2-3-アルケニル、-C(=O)-C2-3-アルキニル、-C(=O)C1-3-アルキル-ハロゲン及び擬ハロゲンを表し、かつ
Aは式(i)又は(ii)
【化8】

【0017】
から選ばれ、かつ
Q1は単環式又は二環式アリール化合物を表し、かつ
Q2は単環式又は二環式ヘテロアリール化合物を表し、かつ
TはN、O又はSを表し、かつ
R1及びR1aは水素又はメチルを表し、かつ
R2は-Cl、-Br、-I、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7及び擬ハロゲンの中から選ばれた基、又はC1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた必要により一置換もしくは多置換されていてもよい基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは夫々互いに独立に水素、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれた基;又は
C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた必要により一置換もしくは多置換されていてもよい基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、水素、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R3は式(iii)-(ix)
【0018】
【化9】

【0019】
から選ばれ、かつ
R4は水素、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれた基を表し、又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-8-アルキル、C2-10-アルケニル、C2-10-アルキニル、C3-8-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、C1-8-アルキル、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R5は水素、ハロゲン、-CF3、C1-3-アルキル又は-OR6を表し、かつ
R6、R7及びR8は夫々の場合に互いに独立に水素又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-5-アルキル、C2-5-アルケニル、C2-5-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環、ヘテロアリール、ハロゲン、-NO2、-OR10、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-C(=O)NR10R11、-NR10R11、-NR10C(=O)R11、-NR10C(=O)OR11、-NR10C(=O)NR11R12、-NR10C(C=O)ONR11R12、-NR10SO2R11、-N=CR10R11、-SR10、-SOR10、-SO2R10、-SO2NR10R11、-NR10SO2NR11R12、-OSO2NR10R11及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
【0020】
Lは結合又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-16-アルキル、C2-16-アルケニル、C2-16-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NO2、-OR10、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-C(=O)NR10R11、-NR10R11、-NR10COR11、-NR10C(=O)OR11、-NR10C(=O)NR11R12、-NR10C(C=O)ONR11R12、-NR10SO2R11、-N=CR10R11、-SR10、-SOR10、-SO2R10、-SO2NR10R11、-NR10SO2NR11R12、-OSO2NR10R11及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
Q3及びQ4は互いに独立に結合又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよい単環式複素環もしくは二環式複素環の中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、メチル、エチル、ハロゲン、-NH2、-OH及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R9は必要により一置換又は多置換されていてもよいC1-16-アルキル、C2-16-アルケニル、C2-16-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NO2、-OR10、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-C(=O)NR10R11、-NR10R11、-NR10COR11、-NR10C(=O)OR11、-NR10C(=O)NR11R12、-NR10C(C=O)ONR11R12、-NR10SO2R11、-N=CR10R11、-SR10、-SOR10、-SO2R10、-SO2NR10R11、-NR10SO2NR11R12、-OSO2NR10R11及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R10、R11及びR12は夫々の場合に互いに独立に水素又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-8-アルキル、C2-8-アルケニル、C2-8-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NH2、-OH及び擬ハロゲンの中から選ばれる〕、及び
細胞静止活性物質、細胞傷害活性物質、ステロイド及び抗体の中から選ばれた少なくとも一種のその他の活性物質(必要によりこれらの互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及び混合物の形態だけでなく、必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩であってもよい)
を含むことを特徴とする医薬製剤に関する。
【0021】
定義
本明細書に使用されるように、特にことわらない限り、下記の定義が適用される。
アルキル置換基は夫々の場合に飽和、直鎖又は分岐脂肪族炭化水素基(アルキル基)を意味する。
アルケニル置換基は夫々の場合に少なくとも一つの二重結合を有する直鎖又は分岐、不飽和アルキル基である。
アルキニル置換基は夫々の場合に少なくとも一つの三重結合を有する直鎖又は分岐、不飽和アルキル基を意味する。
ハロアルキルは1個以上の水素原子がハロゲン原子により置換されているアルキル基を表す。ハロアルキルとして、飽和アルキル基と不飽和アルケニル基及びアルキニル基の両方、例えば、-CF3、-CHF2、-CH2F、-CF2CF3、-CHFCF3、-CH2CF3、-CF2CH3、-CHFCH3、-CF2CF2CF3、-CF2CH2CH3、-CF=CF2、-CCl=CH2、-CBr=CH2、-CI=CH2、-C=C-CF3、-CHFCH2CH3及び-CHFCH2CF3が挙げられる。
ハロゲンはフッ素原子、塩素原子、臭素原子及び/又はヨウ素原子を表す。
擬ハロゲンは下記の基:-OCN、-SCN、-CF3及び-CNを意味する。
シクロアルキルは単環式環又は二環式環(その環系は飽和環又は不飽和、非芳香族環であってもよく、これは必要によりまた二重結合を含んでもよい)、例えば、シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、ノルボルニル及びノルボルネニルを意味する。
アリールは6-12個の炭素原子を有する単環式環又は二環式環、例えば、フェニル及びナフチルに関する。
【0022】
ヘテロアリールは1個以上の炭素原子に代えて1個以上の同じ又は異なるヘテロ原子、例えば、窒素原子、硫黄原子又は酸素原子を含む単環式環又は二環式環を意味する。例として、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル及びトリアジニルが挙げられる。二環式ヘテロアリール基の例はインドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キノキサリニル、シノリニル、フタラジニル、キナゾリニル及びベンゾトリアジニル、インドリジニル、オキサゾロピリジニル、イミダゾピリジニル、ナフチリジニル、インドリニル、イソクロマニル、クロマニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ピリドピリジニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、プリニル、ベンゾジオキソリル、トリアジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、プテリジニル、ベンゾチアゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソオキサジニル、ベンゾイソオキサジニル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾイソチアジニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クマリニル、イソクマリニル、クロモニル、クロマノニル、ピリジニル-N-オキサイド、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロキノリノニル、ジヒドロイソキノリノニル、ジヒドロクマリニル、ジヒドロイソクマリニル、イソインドリノニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾオキサゾリノニル、ピロリル-N-オキサイド、ピリミジニル-N-オキサイド、ピリダジニル-N-オキサイド、ピラジニル-N-オキサイド、キノリニル-N-オキサイド、インドリル-N-オキサイド、インドリニル-N-オキサイド、イソキノリル-N-オキサイド、キナゾリニル-N-オキサイド、キノキサリニル-N-オキサイド、フタラジニル-N-オキサイド、イミダゾリル-N-オキサイド、イソオキサゾリル-N-オキサイド、オキサゾリル-N-オキサイド、チアゾリル-N-オキサイド、インドリジニル-N-オキサイド、インダゾリル-N-オキサイド、ベンゾチアゾリル-N-オキサイド、ベンゾイミダゾリル-N-オキサイド、ピロリル-N-オキサイド、オキサジアゾリル-N-オキサイド、チアジアゾリル-N-オキサイド、トリアゾリル-N-オキサイド、テトラゾリル-N-オキサイド、ベンゾチオピラニル-S-オキサイド及びベンゾチオピラニル-S,S-ジオキサイドである。
【0023】
複素環は1個以上の炭素原子に代えてヘテロ原子、例えば、窒素、酸素又は硫黄を有する、5-12個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、非芳香族の単環式環、二環式環又はブリッジされた二環式環に関する。このような複素環基の例はテトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモモルホリニル、ホモピペリジル、ホモピペラジニル、チオモルホリニル-S-オキサイド、チオモルホリニル-S,S-ジオキサイド、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、テトラヒドロチエニル、ホモピペリジニル、ホモチオモルホリニル-S,S-ジオキサイド、オキサゾリジノイル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル-S-オキサイド、テトラヒドロチエニル-S,S-ジオキサイド、ホモチオモルホリニル-S-オキサイド、2-オキサ-5-アザビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ〔3.2.1〕オクタン、3,8-ジアザ-ビシクロ〔3.2.1〕オクタン、2,5-ジアザ-ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン、3,8-ジアザ-ビシクロ〔3.2.1〕オクタン、3,9-ジアザ-ビシクロ〔4.2.1〕ノナン及び2,6-ジアザ-ビシクロ〔3.2.2〕ノナンである。
下記の実施例は本発明を説明するが、その範囲を限定しない。
【実施例】
【0024】
本発明の化合物の調製
本発明の化合物は以下に記載される合成の方法A〜C(一般式(I〜XVI)の置換基は先に示された意味を有する)に従って調製し得る。
クロマトグラフィー:
中間圧力クロマトグラフィー(MPLC)について、ミリポア製シリカゲル(名称:グラヌラ・シリカSi-60A 35-70μm)又はマチェレイ・ナゲル製C-18RP-シリカゲル(名称:ポリゴプレプ100-50 C18)を使用する。
高圧クロマトグラフィー(HPLC)について、ウォーターズ製カラム(名称:XTerra Prep. MS C18、5μM、30*100mm又はシンメトリーC18、5μm、19*100)を使用する。
質量分光分析/UVスペクトロメーター
アギレント製HPLC-MS装置(質量検出器を備えた高性能液体クロマトグラフィー)を使用して、これらのデータを生じる。
その装置はダイオードアレイ検出器(アギレント製G1315B)及び質量検出器(1100LS-MSD SL; G1946D;アギレント)がクロマトグラフィー装置(カラム:ゾルバックスSB-C8、3.5μm、2,1*50、アギレント社)の下流に直列に連結されるようにつくられている。
その装置を0.6ml/分の流量で運転する。分離方法について、勾配を3.5分以内に経過する(勾配の開始:95%の水及び5%のアセトニトリル;勾配の終了:5%の水及び95%のアセトニトリル;夫々の場合に、0.1%のギ酸をその2種の溶媒に添加する)。
出発化合物の調製が記載されない場合、それらは知られており、市販されており、又は既知の化合物又は本明細書に記載された方法と同様にして調製し得る。特にことわらない限り、化合物は遊離塩基の形態である。表中、X1及びX2は一般構造単位への特別な構造断片の結合の位置を表す。
方法A
工程1A
中間体化合物IIIを求核試薬IIによるヘテロ芳香族系I中の脱離基LG、例えば、ハロゲン、擬ハロゲン、メトキシ、好ましくは塩素の置換により調製する。
ダイアグラム1A
【化10】

【0025】
1当量の化合物I及び1〜1.5当量の化合物IIを溶媒、例えば、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジメチルアセトアミド中で撹拌する。
15〜25℃の温度で、2〜2.5当量の塩基、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、N-エチル-N,N-ジイソプロピルアミン又はトリエチルアミンを添加する。その反応混合物を15〜25℃の温度で更に12〜72時間撹拌する。次いで溶媒を蒸留して除き、残渣を水(これは無機酸、例えば、塩酸又は硫酸で1-4のpHに調節されていた)と合わせる。この混合物を有機溶媒、例えば、ジエチルエーテル、酢酸エチル又はジクロロメタンで2〜3回抽出する。合わせた有機抽出液を乾燥させ、溶媒を蒸留して除く。残渣をクロマトグラフィーにより精製する。
工程2A
最終化合物V又はVIIを求核試薬IV又はVIによるヘテロ芳香族系III中の脱離基LG、例えば、ハロゲン、SCN、メトキシ、好ましくは塩素の置換により調製する。
ダイアグラム2A
【0026】
【化11】

【0027】
(式中、ARYLはアリールを表し、かつHet-ARYLはヘテロアリールを表す)
1当量の化合物III及び1〜3当量の化合物IV又はVIを溶媒、例えば、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド又はN-メチル-2-ピロリジノン中で撹拌する。
15〜40℃の温度で、1〜2当量の無機酸、例えば、硫酸又は塩酸を添加する。その反応混合物を20〜100℃の温度で更に12〜72時間撹拌する。次いで溶媒を蒸留して除き、残渣をクロマトグラフィーにより精製する。
方法B
工程1B
中間体化合物IXを求核試薬VIIIによるヘテロ芳香族系I中の脱離基LG、例えば、ハロゲン、SCN、メトキシ、好ましくは塩素の置換により調製する。
ダイアグラム1B
【化12】

【0028】
1当量の化合物I及び1〜1.5当量の化合物VIIIを溶媒、例えば、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジメチルアセトアミド中で撹拌する。
15〜25℃の温度で、2〜2.5当量の塩基、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、リン酸水素カリウム、N-エチル-N,N-ジイソプロピルアミン又はトリエチルアミンを添加する。その反応混合物を50〜120℃の温度で2〜8時間以上撹拌する。その反応混合物を水(これは無機塩基、例えば、炭酸水素ナトリウム又は炭酸カリウムで8〜9のpHに調節されていた)と合わせる。この混合物を有機溶媒、例えば、ジエチルエーテル又は酢酸エチルで2〜3回抽出する。合わせた有機抽出液を乾燥させ、溶媒を蒸留して除く。残渣を反復結晶化により精製する。
工程2B
中間体化合物X又はXIを求核試薬IV又はVIによるヘテロ芳香族系IX中の脱離基LG、例えば、ハロゲン、SCN、メトキシ、好ましくは塩素の置換により調製する。
ダイアグラム2B
【0029】
【化13】

【0030】
(式中、ARYLはアリールを表し、かつHet-ARYLはヘテロアリールを表す)
1当量の化合物IX及び1〜1.5当量の化合物IV又はVIを溶媒、例えば、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド又はN-メチル-2-ピロリジノン中で撹拌する。
15〜40℃の温度で、0.2〜1当量の酸、例えば、硫酸又は塩酸を添加する。その反応混合物を20〜100℃の温度で更に12〜72時間撹拌する。その反応混合物を水中で撹拌し、得られる沈殿を濾過し、乾燥させる。沈殿をクロマトグラフィー又は結晶化により精製してもよく、又は次の工程で粗生成物として使用してもよい。
工程3B
水素以外の基R10を有する全ての化合物X又はXIは文献により知られている方法により実際の工程3Bの前に基R10が水素を表す化合物に変換される必要がある。基R10が水素を表す化合物X又はXIは最終化合物XIII又はXIVを調製するのに直接使用されてもよく、一方、化合物XIIは化合物X又はXIと反応させられる。
ダイアグラム3B
【0031】
【化14】

【0032】
(式中、ARYLはアリールを表し、かつHet-ARYLはヘテロアリールを表す)
1当量の化合物X又はXI、1〜1.5当量の化合物XII及び1〜3当量の塩基、例えば、トリエチルアミン又はエチルジイソプロピルアミンを溶媒、例えば、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド又はN-メチル-2-ピロリジノン中で撹拌する。
15〜25℃の温度で、1〜1.5当量のカップリング試薬、例えば、N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N-ジイソプロピル-カルボジイミド、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム-テトラフルオロボレート又は1-(3-N,N-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドを添加する。その反応混合物を15〜25℃の温度で更に4〜24時間撹拌する。次いで溶媒を蒸留して除き、残渣をクロマトグラフィーにより精製する。
方法C
工程1C
ヘテロ芳香族系Iにある脱離基LG、例えば、ハロゲン、SCN、メトキシ、好ましくは塩素を求核性基IV又はVIで置換することにより中間体化合物XV又はXVIを調製する。
ダイアグラム1C
【0033】
【化15】

【0034】
(式中、ARYLはアリールを表し、かつHet-ARYLはヘテロアリールを表す)
1当量の化合物I及び1〜3当量の塩基、例えば、トリエチルアミン又はエチルジイソプロピルアミンを溶媒、例えば、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド又はN,N-ジメチルアセトアミド中で撹拌する。-60〜0℃の温度で、0.8〜1.5当量の化合物IV又はVIを添加する。その反応混合物を15〜25℃の温度で12〜72時間撹拌する。次いで溶媒を蒸留して除き、残渣をクロマトグラフィーにより精製する。
工程2C
最終化合物V又はVIIを求核試薬IIによるヘテロ芳香族系XV又はXVIにある脱離基LG、例えば、ハロゲン、SCN、メトキシ、好ましくは塩素の置換により調製する。
ダイアグラム2C
【0035】
【化16】

【0036】
(式中、ARYLはアリールを表し、かつHet-ARYLはヘテロアリールを表す)
1当量の化合物XV又はXVI及び1〜1.5当量の化合物IIを溶媒、例えば、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド又はN-メチル-2-ピロリジノン中で撹拌する。
15〜40℃の温度で、1〜2当量の酸、例えば、硫酸又は塩酸を添加する。その反応混合物を20〜100℃の温度で更に12〜72時間撹拌する。次いで溶媒を蒸留して除き、残渣をクロマトグラフィーにより精製する。
実施例1
2-(2-メトキシ-4-N-プロピルカルバモイル-フェニルアミノ)-4-(2-カルボキシ-3-フルオロ-フェニルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン
【化17】

【0037】
2-(2-メトキシ-4-プロピルカルバモイル-フェニルアミノ)-4-クロロ-5-トリフルオロ-メチル-ピリミジン(方法1)165mg(0.424ミリモル)を1,4-ジオキサン400μlに溶解し、2-アミノ-6-フルオロ-安息香酸72mg(0.466ミリモル)と合わせる。1,4-ジオキサン中のHClの4M溶液106μl(0.424ミリモル)をこの反応混合物に計量して入れる。
50℃で1日後に、溶媒を真空で除く。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、溶離剤はジクロロメタン(これに90%のメタノール及び10%の飽和アンモニア水溶液の混合物18%が添加されていた)である。
収量:白色の固体212mg(0.418ミリモル;98%)
UVmax:318nm
MS(ESI):508(M+H)+
実施例2-10
下記の化合物を実施例1に記載された方法と同様の方法により調製する。2-(2-メトキシ-4-プロピルカルバモイル-フェニルアミノ)-4-クロロ-5-トリフルオロメチルピリミジン及び相当する商業上得られるアニリンを使用する。使用した溶媒は1,4-ジオキサン、N-メチル-2-ピロリジノン又はN,N-ジメチルアセトアミドである。
【0038】
【化18】

【0039】
【化19】

【0040】
実施例11-19
下記の化合物を実施例1に記載された方法と同様の方法により調製する。
相当するアニリンの調製がTetrahedron 2000, 56(37), 7245、Tetrahedron Letters 1992, 33(43), 6453、米国特許第4,307,113号又は方法2-5に記載されている。1,4-ジオキサン又はN,N-ジメチルアセトアミドを溶媒として使用する。
【0041】
【化20】

【0042】
【化21】

【0043】
実施例20-33
下記の化合物を実施例1に記載された方法と同様の方法により調製する。2-(2-メトキシ-4-プロピルカルバモイル-フェニルアミノ)-4-クロロ-5-トリフルオロメチルピリミジン及び相当するアニリン(これは方法6に記載されている)を使用する。
【0044】
【化22】

【0045】
【化23】

【0046】
実施例34-41
下記の化合物を実施例1に記載された方法と同様の方法により調製する。2-(2-メトキシ-4-プロピルカルバモイル-フェニルアミノ)-4-クロロ-5-トリフルオロメチルピリミジン及び相当するアニリン(これは方法7に記載されている)を使用する。
【0047】
【化24】

【0048】
【化25】

【0049】
実施例42-45
下記の化合物を実施例1に記載された方法と同様の方法により調製する。2-(2-メトキシ-4-プロピルカルバモイル-フェニルアミノ)-4-クロロ-5-トリフルオロメチルピリミジン及び相当するアニリン(これは方法6に記載されている)を使用する。
【0050】
【化26】

【0051】
実施例46-48
下記の化合物を実施例1に記載された方法と同様の方法により調製する。2-(2-メトキシ-4-プロピルカルバモイル-フェニルアミノ)-4-クロロ-5-トリフルオロメチルピリミジン及び相当するアニリン(これは方法8に記載されている)を使用する。
【0052】
【化27】

【0053】
実施例49-52
下記の化合物を実施例1に記載された方法と同様の方法により調製する。2-(2-メトキシ-4-プロピルカルバモイル-フェニルアミノ)-4-クロロ-5-トリフルオロメチルピリミジン及び相当するアニリン(これは方法9に記載されている)を使用する。
【0054】
【化28】

【0055】
実施例53-56
下記の化合物を実施例1に記載された方法と同様の方法により調製する。2-(2-メトキシ-4-プロピルカルバモイル-フェニルアミノ)-4-クロロ-5-トリフルオロメチルピリミジン及び相当するアニリン(これは商業上得られ、又はthe Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 1:1979, (9), 2203もしくはJournal of Medicinal Chemistry 1963, 6(5), 471-80に記載されている)を使用する。
【0056】
【化29】

【0057】
実施例57
2-〔2-(2-クロロ-フェノキシ)-4-N-プロピルカルバモイル-フェニルアミノ〕-4-(2-アセチル-フェニルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン
【化30】

【0058】
4-(2-アセチル-フェニルアミノ)-2-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン(方法10)50mg(0.16ミリモル)を1,4-ジオキサン0.2mlに溶解し、4-アミノ-3-(2-クロロ-フェノキシ)-N-プロピル-ベンズアミド塩酸塩(方法11)60mg(0.17ミリモル)と合わせ、50℃で3日間撹拌する。次いで溶媒を真空で除き、C18 RPゲルを担体材料として使用して、粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。生成物を勾配(これは水:アセトニトリル=95%:5%で開始し、20分以内に水:アセトニトリル=5%:95%の最終比まで変化する)で溶離する。
収量:黄色の固体64mg(0.088ミリモル;55%)
MS(ESI):584/586(M+H)+異性体パターン35Cl/37Cl
UVmax:282nm
実施例58-63
下記の化合物を実施例57に記載された方法と同様の方法により調製する。4-(2-アセチル-フェニルアミノ)-2-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン及び相当するアニリン(これは方法11に記載されている)を使用する。
【0059】
【化31】

【0060】
実施例63
2-〔2-メトキシ-4-(4-モルホリン-4-イル-(1,4-トランス-シクロヘキシル)カルバモイル)-フェニルアミノ〕-4-(2-カルバモイル-3-フルオロ-フェニルアミノ)-5-トリフルオロメチル-ピリミジン
【化32】

【0061】
2-(4-カルボキシアミノ-2-メトキシ-フェニルアミノ)-4-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン(方法12)200mg(0.49ミリモル)をN-メチル-2-ピロリジノン0.5mlに溶解し、2-アミノ-6-フルオロ-ベンズアミド83mg(0.54ミリモル)と合わせる。1,4-ジオキサン中のHClの4M溶液120μl(0.49ミリモル)をこの反応混合物に計量して入れる。90℃で16時間後に、その反応混合物を1Nの塩酸水溶液150ml中で撹拌する。沈殿を濾過し、真空で乾燥させる。
この沈殿50mg(0.11ミリモル)、N-エチルジイソプロピルアミン94μl(0.54ミリモル)、TBTU45mg(0.13ミリモル)及び4-(4-アミノ-シクロヘキシル)-モルホリン(方法13)30mg(0.16ミリモル)をテトラヒドロフラン0.4mlに溶解する。
周囲温度で15時間後に、溶媒を真空で除く。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、溶離剤はジクロロメタン(これに90%のメタノール及び10%の飽和アンモニア水溶液の混合物5%が添加されていた)である。
収量:明黄色の固体43mg(0.068ミリモル;62%)
MS(ESI):633(M+H)+
実施例64-71
下記の化合物を実施例63に記載された方法と同様の方法により調製する。相当するアニリンが方法6、14又は15に記載されている。そのアミドの調製に使用したアミンは商業上得られ、又は方法13に記載されている。
【0062】
【化33】

【0063】
【化34】

【0064】
実施例72-76
下記の化合物を実施例1に記載された方法と同様の方法により調製する。2-(2-メトキシ-4-プロピルカルバモイル-フェニルアミノ)-4-クロロ-5-トリフルオロメチルピリミジン及びアニリン(これは市販されており、又は方法6、16もしくは17に記載されている)を使用する。
使用した溶媒は1,4-ジオキサン、N-メチル-2-ピロリジノン又はN,N-ジメチルアセトアミドである。
【0065】
【化35】

【0066】
実施例77-122
下記の化合物を実施例63に記載された方法と同様の方法により調製する。相当するアニリンは市販されている。アミドを調製するのに使用したアミンは商業上得られ、又は方法13もしくは18に記載されている。
【0067】
【化36】

【0068】
【化37】

【0069】
【化38】

【0070】
【化39】

【0071】
【化40】

【0072】
【化41】

【0073】
実施例113-119
下記の化合物を実施例57に記載された方法と同様の方法により調製する。4-(2-アセチル-フェニルアミノ)-2-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン及び相当するアニリン(これは方法11又は19に記載されている)を使用する。
【0074】
【化42】

【0075】
【化43】

【0076】
実施例120-144
下記の化合物を実施例63に記載された方法と同様の方法により調製する。相当するアニリンは商業上得られ、又は方法6もしくは20に記載されている。アミドを調製するのに使用したアミンは商業上得られ、又は方法13に記載されている。
【0077】
【化44】

【0078】
【化45】

【0079】
【化46】

【0080】
【化47】

【0081】
方法1
2-(2-メトキシ-4-プロピルカルバモイル-フェニルアミノ)-4-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン
【化48】

【0082】
2,4-ジクロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン5g(21.9ミリモル)を1,4-ジオキサン50mlに溶解し、4-アミノ-3-メトキシ安息香酸-プロピルアミド塩酸塩(Journal of Pharmaceutical Sciences 1989, 78(10), 829-32)5.50g(21.9ミリモル)と合わせる。エチルジイソプロピルアミン7.50ml(43.8ミリモル)をこの反応混合物に添加し、それを周囲温度で2日間撹拌する。次いでその反応混合物を酢酸エチル250mlで希釈し、最初に10%のKHSO4水溶液300ml、次いで飽和NaCl水溶液300mlで洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。
粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、溶離剤はシクロヘキサン:酢酸エチル(75:25)からなる混合物である。
収量:2.30g(5.9ミリモル;27%)
方法2
2-アミノ-6-メチル-ベンズアミド
【化49】

【0083】
2-メチル-6-ニトロ安息香酸5.25g(28.1ミリモル)を塩化チオニル250mlに添加し、3時間還流する。次いで塩化チオニルを真空で除く。残渣2.93g(14.7ミリモル)をTHF50mlに溶解し、0℃に冷却し、32%のアンモニア水溶液44mlと合わせる。この反応混合物を撹拌しながら周囲温度に一夜加熱する。次いでその反応混合物を酢酸エチル100mlで希釈し、飽和NaCl水溶液50mlで3回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。
この反応生成物2.44g(13.5ミリモル)をTHF100mlに溶解し、Pd/木炭(10%のPd)200mgと合わせる。その反応混合物を3バールの水素圧及び周囲温度で16時間水素化する。次いで触媒を濾別し、溶媒を真空で除く。
収量:2.03g(13.5ミリモル;48%)
下記の化合物をこの方法と同様にして調製する。
【化50】

【0084】
方法3
2-メチルアミノ-ベンズアミド
【化51】

【0085】
2-フルオロベンゾニトリル2g(16.5ミリモル)をエタノール中8Mのメチルアミン溶液10ml(80ミリモル)と合わせ、加圧容器中で20時間にわたって100℃で加熱する。次いでその反応混合物を酢酸エチル200mlで希釈し、10%のNaCl溶液160mlで3回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。
この反応生成物1g(7.6ミリモル)を20%の硫酸水溶液20mlと合わせ、80℃で3時間撹拌する。次いでその反応混合物を酢酸エチル200mlで希釈し、10%のNaCl水溶液160mlで3回洗浄する。次いで有機相をMgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、溶離剤はジクロロメタン(これに90%のメタノール及び10%の飽和アンモニア溶液の混合物15%が添加されていた)である。
収量:777mg(5.2ミリモル;32%)
MS(ESI):151(M+H)+
方法4
2-アミノ-6-メチル-安息香酸-N',N'-ジメチル-ヒドラジド
【化52】

【0086】
2-ジメチルアミノ-7-ニトロ-2,3-ジヒドロ-イソインドール-1-オンをthe Journal of the Chemical Society of Pakistan 1985, 7(1), 69-70、WO 03/14315及び米国特許第5716993号に記載されている化合物と同様にして調製する。
2-ジメチルアミノ-7-ニトロ-2,3-ジヒドロ-イソインドール-1-オン240mg(1.1ミリモル)をジメチルホルムアミド70ml及びメタノール50mlに溶解し、Pd/木炭(10%のPd)100mgと合わせる。その反応混合物を3バールの水素圧及び周囲温度で16時間水素化する。次いで触媒を濾別し、溶媒を真空で除く。
収量:204mg(1.0ミリモル;91%)
MS(ESI):194(M+H)+
方法5
2-アミノ-6-トリフルオロメチル-ベンズアミド
【化53】

【0087】
2-フルオロ-6-トリフルオロメチル-ベンゾニトリル100mg(0.5ミリモル)をメタノール中7Mのアンモニア溶液1mlと合わせ、マイクロウェーブ中で20分間にわたって100℃で加熱する。次いで溶媒を真空で除き、粗生成物を濃H2SO4 1mlと合わせ、2.5時間にわたって80℃で加熱する。次いでその反応混合物を氷水中で撹拌し、1MのNaOHで中和し、ジクロロメタン150mlで2回そして酢酸エチル160mlで3回抽出する。有機相をMgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。
粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、溶離剤はジクロロメタン(これに90%のメタノール及び10%の飽和アンモニア水溶液の混合物4%が添加されていた)である。
収量:31mg(0.152ミリモル;30%)
MS(ESI):205(M+H)+
方法6
2-アミノ-N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-6-フルオロ-ベンズアミド
【化54】

【0088】
2-アミノ-6-フルオロ安息香酸500mg(3.2ミリモル)、2-N.N-ジメチルアミノエチルアミン284μl(3.2ミリモル)及びジイソプロピルエチルアミン563μl(3.2ミリモル)をテトラヒドロフラン2mlに溶解し、TBTU1.08ml(3.2ミリモル)と合わせる。この反応混合物を周囲温度で2.5時間撹拌する。次いでその反応混合物を10%の炭酸水素カリウム水溶液100mlと合わせ、酢酸エチル100mlで6回抽出する。次いで有機相をMgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。
粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、溶離剤はジクロロメタン(これに90%のメタノール及び10%の飽和アンモニア水溶液の混合物8%が添加されていた)である。
収量:154mg(21%)
MS(ESI):226(M+H)+
下記の化合物をこの方法と同様にして調製する。2-アミノ-6-フルオロ安息香酸又は2-アミノ-安息香酸及び相当する商業上得られるアミンを使用する。
【0089】
【化55】

【0090】
【化56】

【0091】
方法7
2-アミノ-6-(2-アミノ-エトキシ)-ベンズアミド
【化57】

【0092】
エタノールアミン444μl(7.4ミリモル)を1,4-ジオキサン4mlに溶解し、水素化ナトリウム312mg(7.8ミリモル)と合わせ、周囲温度で30分間撹拌する。2-アミノ-6-フルオロベンゾニトリル1g(7.4ミリモル)をこの反応混合物に計量して入れ、それを周囲温度で6日間撹拌する。次いで溶媒を真空で除く。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、溶離剤はジクロロメタン(これに90%のメタノール及び10%の飽和アンモニア水溶液の混合物10%が添加されていた)である。
精製した中間体生成物434mg(2.5ミリモル)をエタノール中20%の水酸化カリウム溶液5mlに溶解し、90℃で2日間撹拌する。次いで溶媒を真空で除く。
粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、溶離剤はジクロロメタン(これに90%のメタノール及び10%の飽和アンモニア水溶液の混合物20%が添加されていた)である。
収量:164mg(0.841ミリモル;11%)
MS(ESI):196(M+H)+
下記の化合物をこの方法と同様にして調製する。2-アミノ-6-フルオロベンゾニトリル及び相当する商業上得られるアルコールを使用する。
【0093】
【化58】

【0094】
方法8
イソプロピル2-アミノ-ベンゾエート
【化59】

【0095】
アントラニル酸1.0g(7.3ミリモル)をプロパン-2-オール5mlに溶解し、塩化チオニル795μl(10.9ミリモル)と合わせ、3日間還流する。次いで塩化チオニルを真空で除き、残渣を蒸留水50mlに吸収させ、酢酸エチル30mlで3回抽出する。有機相を飽和NaHCO3水溶液20mlで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。
収量:156mg(0.872ミリモル;12%)
MS(ESI):180(M+H)+
下記の化合物をこの方法と同様にして調製する。アントラニル酸及び相当する商業上得られるアルコールを使用する。
【化60】

【0096】
方法9
1-(2-アミノ-フェニル)-プロパン-1-オン
【化61】

【0097】
N-(2-ホルミル-フェニル)-アセトアミド(Angew. Chem., Int. Ed. 2002, 41(16), 3028-31)100mg(0.6ミリモル)をテトラヒドロフラン4mlに溶解し、-78℃に冷却する。次いでこの温度で、ジエチルエーテル中のエチルマグネシウムブロミドの3M溶液406μl(1.2ミリモル)を添加する。この反応混合物を一夜にわたって撹拌しながら周囲温度に上昇させる。次いでその反応混合物を蒸留水30ml中で撹拌し、酢酸エチル10mlで3回抽出する。有機相をMgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、使用した溶離剤はシクロヘキサン:酢酸エチル(1:1)の混合物である。
この中間体生成物93mg(0.5ミリモル)をジクロロメタン6mlに溶解し、酸化マンガン(IV)209mg(2.4ミリモル)と合わせ、周囲温度で3日間撹拌する。次いで過剰の酸化マンガン(IV)をセライトで濾過し、溶媒を真空で除く。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、使用した溶離剤はシクロヘキサン:酢酸エチル(85:15)の混合物である。
この中間体生成物44mg(0.23ミリモル)をエタノール2mlに溶解し、1N塩酸水溶液4mlと合わせ、40℃で2日間撹拌する。次いでその反応混合物を蒸留水30ml中で撹拌し、Na2CO3でpH7に調節し、酢酸エチル10mlで3回抽出する。有機相をMgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。
収量:25mg(0.168ミリモル;28%)
MS(ESI):150(M+H)+
下記の化合物をこの方法と同様にして調製する。N-(2-ホルミル-フェニル)-アセトアミド及び相当する商業上得られるグリニヤール化合物を出発物質として使用する。
【化62】

【0098】
方法10
4-(2-アセチル-フェニルアミノ)-2-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン
【化63】

【0099】
2,4-ジクロロ-5-トリフルオロ-メチル-ピリミジン(J. Org. Chem. 1965, 30(3), 835)4.23g(18.5ミリモル)をテトラヒドロフラン2mlに溶解し、-40℃に冷却し、2-アミノアセトフェノン2.20g(16.0ミリモル)及びN-エチルジイソプロピルアミン7.77ml(44.5ミリモル)と合わせる。周囲温度で3日後に、溶媒を真空で除く。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、使用した溶離剤はジクロロメタンである。
収量:1.38g(4.4ミリモル;24%)
MS(ESI):316/318(M+H)+同位元素分布35Cl/37Cl
方法11
4-アミノ-3-(2-クロロ-フェノキシ)-N-プロピル-ベンズアミド
【化64】

【0100】
クロロフェノール8.4g(65.3ミリモル)をN,N-ジメチルホルムアミド60mlに溶解し、炭酸カリウム5g(36.2ミリモル)と合わせる。その混合物を55℃に加熱し、N,N-ジメチルホルムアミド20mlに溶解した3-フルオロ-4-ニトロ-N-プロピル-ベンズアミド15g(66.3ミリモル)を添加し、55℃で16時間撹拌する。溶媒を真空で除き、残渣を水100mlと合わせる。生成した結晶を吸引濾過し、乾燥させる。
この中間体生成物14g(41.8ミリモル)をTHF150mlに溶解し、ラネーニッケル1gと合わせる。その反応混合物を周囲温度及び3バールの水素圧で16時間撹拌する。次いで触媒を濾別し、溶媒を真空で除く。残渣をブチルメチルエーテルに吸収させ、イソプロパノール中のHClの5M溶液16ml(80ミリモル)と合わせる。結晶を吸引濾過し、乾燥させる。
収量:13.5g(44.4ミリモル;68%)
MS(ESI):305/307(M+H)+同位元素分布35Cl/37Cl
下記の化合物をこの方法と同様にして調製する。
【0101】
【化65】

【0102】
方法12
2-(4-カルボキシアミノ-2-メトキシ-フェニルアミノ)-4-クロロ-5-トリフルオロメチル-ピリミジン
【化66】

【0103】
4-アミノ-3-メトキシ安息香酸7.36g(44ミリモル)をリン酸塩緩衝剤水溶液(pH6.3)80ml中で懸濁させ、2,4-ジクロロ-5-トリフルオロ-メチル-ピリミジン(これは1,4-ジオキサン240mlに溶解されている)9.5g(44ミリモル)と合わせる。100℃で4時間後に、その反応混合物を0℃で結晶化する。沈殿を濾過し、濾液を酢酸エチル150mlと合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液200mlで2回洗浄する。有機相をMgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。粗生成物をn-ヘキサン10ml中で懸濁させ、還流する。沈殿を濾過し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液48ml中で懸濁させ、1時間にわたって65℃に加熱する。次いでその溶液を0℃で結晶化する。沈殿を濾過し、濾液を1Nの塩酸水溶液で酸性にし、酢酸エチル100mlと合わせる。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空で除く。残渣を酢酸エチルから再結晶する。
収量:330mg(0.95ミリモル、2%)
MS(ESI):348(M+H)+
方法13
4-(4-アミノ-シクロヘキシル)-モルホリン
【化67】

【0104】
ジベンジル-4-モルホリノ-シクロヘキシルアミン
4-ジベンジルシクロヘキサノン3.9g(30ミリモル)をジクロロメタン100mlに溶解し、周囲温度で12時間にわたってモルホリン3.9g(45ミリモル)及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム9.5g(45ミリモル)とともに撹拌する。次いでその混合物を水及び炭酸カリウムと合わせ、有機相を分離し、乾燥させ、溶媒を真空で除く。
粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、使用した溶離剤は酢酸エチル(これに90%のメタノール及び10%の飽和アンモニア水溶液の混合物10%が添加されていた)である。好適な画分を真空で蒸発させる。
収量:6.6g(18ミリモル、60%)シス異性体
2g(5.4ミリモル、18%)トランス異性体
トランス-4-モルホリノ-シクロヘキシルアミン
トランス-ジベンジル-4-モルホリノ-シクロヘキシルアミン7.2g(16.4ミリモル)をMeOH100mlに溶解し、30-50℃でPd/C(10%)1.4gで水素化する。溶媒を真空で除き、残渣をエタノール及び濃HClから結晶化する。
収量:3.9g(15.2ミリモル、93%)
融点:312℃
方法13と同様にして、下記のアミンを調製する。
【化68】

【0105】
方法14
(2-アミノ-6-フルオロ-フェニル)-o-トリル-メタノン
【化69】

【0106】
メチル2-アミノ-6-フルオロ-ベンゾエート
2-アミノ-6-フルオロ安息香酸5g(31.6ミリモル)をメタノール50mlに溶解し、1,4-ジオキサン中のHClの4M溶液7.9ml(31.6ミリモル)と合わせ、周囲温度で10分間撹拌する。その反応混合物を塩化チオニル3.45ml(47.4ミリモル)と滴下して合わせ、3時間還流する。次いでその反応混合物を飽和NaHCO3水溶液150mlで中和し、酢酸エチル100mlで4回抽出する。有機相をMgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。
収量:1.57g(9.3ミリモル、29%)
(2-アミノ-6-フルオロ-フェニル)-メタノール
水素化リチウムアルミニウム676.3mg(17.8ミリモル)を窒素雰囲気下でジエチルエーテル65mlに入れ、0℃に冷却する。ジエチルエーテル65mlに溶解した、メチル2-アミノ-6-フルオロ-ベンゾエート2.01g(11.9ミリモル)を、それに徐々に滴下して添加し、その混合物を0℃で2時間撹拌する。次いでその反応混合物を0℃で蒸留水100mlと滴下して合わせる。水相をジエチルエーテル100mlで2回抽出する。合わせた有機相を飽和NaCl水溶液100mlで1回洗浄し、MgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。
収量:1.44g(10.2ミリモル、86%)
2-アミノ-6-フルオロ-ベンズアルデヒド
(2-アミノ-6-フルオロ-フェニル)-メタノール1.44g(10.2ミリモル)をクロロホルム120mlに溶解し、酸化マンガン(IV)4.43g(51ミリモル)と合わせ、周囲温度で2日間撹拌する。次いで過剰の酸化マンガン(IV)をセライトで濾別し、溶媒を真空で除く。
収量:1.36g(9.78ミリモル、96%)
【0107】
N-(3-フルオロ-2-ホルミル-フェニル)-アセトアミド
2-アミノ-6-フルオロ-ベンズアルデヒド1.37g(9.85ミリモル)を無水酢酸20mlと合わせ、4時間にわたって70℃に加熱する。次いでその反応混合物を蒸留水200ml中で撹拌し、Na2CO3でpH7に抽出し、酢酸エチル50mlで3回抽出する。次いで有機相をMgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、使用した溶離剤はシクロヘキサン:酢酸エチル(80:20)の混合物である。
収量:1.40g(7.73ミリモル、79%)
N-〔3-フルオロ-2-(ヒドロキシル-o-トリル-メチル)-フェニル〕-アセトアミド
N-(3-フルオロ-2-フルオロ-2-ホルミル-フェニル)-アセトアミド100mg(0.83ミリモル)をテトラヒドロフラン4mlに溶解し、-78℃に冷却する。次いでこの温度で、ジエチルエーテル中のo-トリルマグネシウムブロミドの2M溶液1.66ml(3.3ミリモル)を添加する。この反応混合物を一夜撹拌しながら周囲温度に解凍する。次いで反応混合物を蒸留水30ml中で撹拌し、酢酸エチル10mlで3回抽出する。有機相をMgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、使用した溶離剤はシクロヘキサン:酢酸エチル(80:20)の混合物である。
収量:205mg(0.75ミリモル、90%)
N-〔3-フルオロ-2-(2-メチル-ベンゾイル)-フェニル〕-アセトアミド
N-〔3-フルオロ-2-(ヒドロキシル-o-トリル-メチル)-フェニル〕-アセトアミド205mg(0.75ミリモル)をクロロホルム9mlに溶解し、酸化マンガン(IV)652mg(7.5ミリモル)と合わせ、周囲温度で3日間撹拌する。次いで過剰の酸化マンガン(IV)をセライトで濾別し、溶媒を真空で除く。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、使用した溶離剤はシクロヘキサン:酢酸エチル(80:20)の混合物である。
収量:142mg(0.52ミリモル、70%)
(2-アミノ-6-フルオロ-フェニル)-o-トリル-メタノン
N-〔3-フルオロ-2-(2-メチル-ベンゾイル)-フェニル〕-アセトアミド142mg(0.52ミリモル)をエタノール2mlに溶解し、濃塩酸2mlと合わせ、70℃で4時間撹拌する。次いでその反応混合物を蒸留水30ml中で撹拌し、炭酸ナトリウムでpH7に調節し、酢酸エチル10mlで3回抽出する。次いで有機相をMgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。
収量:1.40g(7.73ミリモル、79%)
MS(ESI):230(M+H)+
下記の化合物をこの方法と同様にして調製する。
【化70】

【0108】
方法15
(2-アミノ-フェニル)-〔2-(ピペリジン-イル-1-カルボニル)-フェニル〕-メタノン
【化71】

【0109】
2-アミノベンゾフェノン-2-カルボン酸200mg(0.81ミリモル)、ピペリジン81μl(0.81ミリモル)及びN-エチルジイソプロピルアミン425μl(2.43ミリモル)をテトラヒドロフラン1mlに溶解する。TBTU265mg(0.81ミリモル)をこの反応混合物に添加し、それを周囲温度で一夜撹拌する。次いでその反応混合物を蒸留水20ml中で撹拌し、酢酸エチル5mlで3回抽出する。次いで有機相をAlox Bで濾過し、MgSO4で乾燥させ、溶媒を真空で除く。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、使用した溶離剤はジクロロメタン(これに90%のメタノール及び10%の飽和アンモニア水溶液の混合物2%が添加されていた)である。
収量:89mg(0.29ミリモル、36%)
MS(ESI):309(M+H)+
方法16
2-(1H-イミダゾール-2-イル)-フェニルアミン
【化72】

【0110】
パラジウム/木炭又はラネーニッケルを触媒として使用する、接触水素化により、2-(2-ニトロ-フェニル)-1H-イミダゾール(これは商業上得られる)を2-(1H-イミダゾール-2-イル)-フェニルアミン(米国特許第6376664号)に変換する。
方法17
2-フラン-2-イル-フェニルアミン
【化73】

【0111】
2-ブロモニトロベンゼン500mg(2.43ミリモル)を保護ガス雰囲気下で1,4-ジオキサン7.5mlに溶解し、2Mの炭酸ナトリウム溶液2.5mlと合わせる。次いでフラン-2-ホウ酸560mg(4.86ミリモル)及びテトラキス-(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)283mg(0.243ミリモル)を添加する。その反応混合物を還流条件下で24時間撹拌する。その反応混合物を周囲温度に冷却し、水100mlに添加する。この混合物を酢酸エチル30mlで3回抽出し、合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空で除く。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、使用した溶離剤はシクロヘキサン:酢酸エチル(95:5)の混合物である。
収量:120mg(0.63ミリモル;26%)
MS(ESI):190(M+H)+
2-(2-ニトロ-フェニル)-フラン113mg(0.6ミリモル)をエタノール2mlに溶解し、パラジウム/活性炭(10%のPd)6mgと合わせる。35%のヒドラジン水溶液110μlをこの懸濁液に添加し、その反応混合物を還流条件下で20時間撹拌する。触媒を吸引濾過し、濾液を水25mlと合わせ、pH5に調節する。この混合物を酢酸エチル10mlで3回抽出する。合わせた有機相を乾燥させ、溶媒を真空で除く。
収量:90mg(0.57ミリモル;94%)
MS(ESI):160(M+H)+
2-ピリジン-2-イル-フェニルアミンをこの方法と同様にして調製する。
方法18
4-モルホリン-4-イルメチル-シクロヘキシルアミン
【化74】

【0112】
tert-ブチル(4-ホルミル-シクロヘキシル)-カルバメート2.5g(11.0ミリモル)をDMA25mlに溶解し、モルホリン1ml(11ミリモル)及び酢酸0.7mlと合わせる。この混合物に、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(これはDMA12.5mlに溶解されている)2.40g(11.3ミリモル)を添加する。
その反応混合物を周囲温度で16時間撹拌する。次いでその反応混合物を10%の炭酸水素カリウム溶液250mlに添加し、酢酸エチル100mlで3回抽出する。有機相を合わせ、乾燥させ、次いで溶媒を真空で除く。
残渣をジクロロメタン20ml及びトリフルオロ酢酸20mlに吸収させ、周囲温度で1時間撹拌する。溶媒を真空で除く。
収量:4.22g(9.9ミリモル;90%)(二トリフルオロ酢酸塩)
MS(ESI):199(M+H)+
方法19
4-アミノ-N-(4-モルホリン-4-イル-シクロヘキシル)-3-プロプ-2-インイルオキシ-ベンズアミド
【化75】

【0113】
3-フルオロ-4-ニトロ-安息香酸クロリド6.09g(30ミリモル)をジクロロメタン36mlに溶解し、0℃に冷却する。この溶液に、4-(4-アミノシクロヘキシル)-モルホリン5.52g(30ミリモル)(これはジクロロメタン10mlに溶解され、トリエチルアミン4.65g(45ミリモル)と合わされる)を0℃で添加する。0℃で16時間後に、その反応混合物を水に注ぐ。沈殿を吸引濾過し、乾燥させる。
収量:4.74g(13.5ミリモル;45%)
MS(ESI):352(M+H)+
3-フルオロ-N-(4-モルホリン-4-イル-シクロヘキシル)-4-ニトロ-ベンズアミド17.6g(0.05ミリモル)及びプロパルギルアルコール9g(0.16ミリモル)をDMF150mlに入れ、炭酸カリウム10gと合わせる。この反応混合物を70℃で35時間撹拌する。
溶媒の半分を真空で除く。次いでその反応混合物を10%の炭酸カリウム溶液に添加する。得られる沈殿を濾過し、乾燥させる。
収量:17.5g(13.5ミリモル;90%)
MS(ESI):388(M+H)+
N-(4-モルホリン-4-イル-シクロヘキシル)-4-ニトロ-3-プロプ-2-インイルオキシ-ベンズアミド38.7g(0.1モル)を酢酸エチル400ml及びメタノール25mlに溶解する。この溶液に、塩化スズ(II)・3H2O 75gを添加する。その混合物を50℃で16時間撹拌する。次いでそれを周囲温度に冷却し、濃アンモニア水溶液80mlを添加する。
沈殿を吸引濾過し、捨てる。濾液を真空で蒸発させる。この残渣をアセトニトリルから再結晶する(1g:20ml)。副生物を沈殿させ、これをまた捨てる。濾液を1-クロロブタン30mlと合わせ、10℃に冷却する。得られる沈殿を濾過し、乾燥させる。
収量:15.4g(0.04ミリモル;43%)
MS(ESI):358(M+H)+
下記の化合物をこの方法と同様にして調製する。また必要により、ニトロ基の還元をPd/C又はラネーニッケルで行なってもよい。
【0114】
【化76】

【0115】
方法20
4-(2-アミノ-ベンゾイル)-ベンゾニトリル
【化77】

【0116】
ヘキサン中のn-ブチルリチウムの1.6M溶液3.43ml(5.50ミリモル)を乾燥THF10mlと合わせ、-80℃に冷却する。THF10ml中の4-ブロモベンゾニトリル1g(5.94ミリモル)の溶液を30分の期間にわたってそのブチルリチウム溶液に滴下して添加する。その反応混合物を-80℃で更に30分間撹拌した後、THF10mlに溶解した2-ニトロベンズアルデヒド0.42g(2.75ミリモル)を滴下して添加する。その添加後に、その混合物を-80℃で更に2時間撹拌する。次いで飽和塩化アンモニウム溶液を添加する。有機相を分離し、水洗し、乾燥させる。溶媒を真空で除く。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する。使用した担体材料はシリカゲルであり、使用した溶離剤はシクロヘキサン:酢酸エチル(2:1)の混合物である。
収量:0.59(2.32ミリモル;42%)
MS(ESI):255(M+H)+
4-(2-アミノ-ベンゾイル)-ベンゾニトリルをもたらすその他の合成工程を方法9と同様にして行なってもよい。
下記の化合物をこの方法と同様にして調製する。
【0117】
【化78】

【0118】
生物学的性質
DNA染色、続いてFACS分析により実証されるように、本発明の化合物によりもたらされる増殖の抑制はとりわけ細胞サイクルのG2/M期における細胞の静止により媒介される。細胞は、使用される細胞の型に応じて、プログラムされた細胞死滅が開始される前にこの細胞サイクル期の時間の特定の長さにわたって静止する。細胞サイクルのG2/M期における静止は、例えば、特定の細胞サイクルキナーゼの抑制により開始されてもよい。本発明の一般式Iの化合物、それらの異性体及びこれらの生理学上許される塩は、それらの生物学的性質に基づいて、過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患を治療するのに適している。
このような疾患として、例えば、ウイルス感染症(例えば、HIV及びカポージ肉腫);炎症性疾患及び自己免疫疾患(例えば、大腸炎、関節炎、アルツハイマー病、腎炎及び創傷治癒);細菌、菌類及び/又は寄生虫感染症;白血病、リンパ腫及び充実性腫瘍;皮膚疾患(例えば、乾癬);骨疾患;心血管疾患(例えば、再狭窄及び肥大)が挙げられる。それrはまた増殖している細胞(例えば、毛髪細胞、腸細胞、血液細胞及び始原細胞)を放射線、UV治療及び/又は細胞静止治療により生じるDNA損傷(Davisら, 2001)から保護するのに有益である。
【0119】
例えば、下記の癌が本発明の化合物で治療し得るが、これらに限定されない:脳腫瘍、例えば、聴神経鞘腫、星状細胞腫、例えば、毛様細胞性星状細胞腫、原線維性星状細胞腫、原形質性星状細胞腫、大円形細胞性星状膠腫、未分化星状細胞腫及びグリア芽細胞腫、脳リンパ腫、脳転移、下垂体腫瘍、例えば、プロラクチノーマ(prolactinoma)、HGH(ヒト成長ホルモン)産生腫瘍及びACTH産生腫瘍(副腎皮質刺激ホルモン)、頭蓋咽頭腫、髄芽細胞腫、髄膜腫及び乏突起膠腫;神経腫瘍、例えば、栄養神経系の腫瘍、例えば、交感神経芽細胞腫、神経節神経腫、パラガングリオーマ(クロム親和性細胞腫、クロム親和性腫瘍)及び頚動脈小体腫瘍、末梢神経系の腫瘍、例えば、切断神経腫、神経繊維腫、ノイリノーマ(神経鞘腫、シュワン鞘腫)及び悪性シュワン鞘腫だけでなく、中枢神経系、例えば、脳の腫瘍及び骨髄腫瘍;腸癌、例えば、直腸、結腸、肛門、小腸及び十二指腸の癌腫;眼瞼腫瘍、例えば、基底細胞腫又は基底細胞癌;膵臓癌即ち膵臓の癌;膀胱癌即ち膀胱の癌;肺癌(気管支癌)、例えば、小細胞気管支癌(燕麦細胞癌)及び非小細胞気管支癌、例えば、扁平上皮癌、腺癌及び大細胞気管支癌;乳癌、例えば、乳癌、例えば、浸潤性腺管癌、膠様癌、小葉侵食癌、管状癌、腺のう癌及び乳頭状癌;非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えば、バーキットリンパ腫、低悪性非ホジキンリンパ腫(NHL)及び菌状息肉症;子宮癌もしくは子宮内膜癌又は子宮体癌;CUP症候群(未知の原発性の癌);卵巣癌又は卵巣癌腫、例えば、粘液性、子宮内膜の、又はしょう液性の癌;胆嚢癌、例えば、クラトスキン(Klatskin)腫瘍;精巣癌、例えば、精上皮腫及び非精上皮腫;リンパ腫(リンパ肉腫)、例えば、悪性リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えば、慢性リンパ性白血病、白血性細網内症、免疫細胞腫、プラスマ細胞腫(多発性ミエローマ)、免疫芽細胞腫、バーキットリンパ腫、T-ゾーン菌状息肉腫、大細胞退生リンパ芽細胞腫及びリンパ芽細胞腫;喉頭癌、例えば、声帯の腫瘍、声門上、声門及び声門下の咽頭腫瘍;骨の癌、例えば、骨軟骨腫、軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液繊維腫、骨腫、類骨骨腫、骨芽細胞腫、好酸球性肉芽腫、巨細胞腫、軟骨肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、細網肉腫、軽質細胞腫、巨細胞腫瘍、線維性形成異常、若年性骨のう胞及び動脈瘤の骨のう胞;頭部及び首の腫瘍、例えば、唇、舌、口の床、口腔、歯肉、口蓋、唾液腺、喉、鼻腔、副鼻腔、喉頭及び中耳の腫瘍;肝臓癌、例えば、肝細胞癌(HCC);白血病、例えば、急性白血病、例えば、急性リンパ性/リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML);慢性白血病、例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML);胃癌、例えば、乳頭状腺癌、管状腺癌及び粘液性腺癌、印環細胞癌腫、扁平腺癌、小細胞癌及び未分化癌腫;メラノーマ、例えば、表在性、結節性、悪性のほくろの、また先端のメラノーマ;腎臓癌、例えば、腎臓細胞癌もしくは副腎腫又はグラービッツ腫瘍;食道癌即ち食道の癌腫;陰茎癌;前立腺癌;咽頭癌即ち咽頭の癌腫、例えば、鼻咽頭癌、中咽頭癌及び下咽頭癌;網膜芽細胞腫又は膣癌;扁平上皮癌、腺癌、in situ癌腫、悪性メラノーマ及び肉腫;甲状腺癌、例えば、乳頭状、のう胞状また延髄の甲状腺癌だけでなく、退生癌腫;棘細胞癌、類表皮癌及び皮膚の扁平上皮癌;胸腺腫、尿道の癌及び外陰部の癌。
【0120】
新規化合物はまた必要によりその他の“技術水準”化合物、例えば、その他の坑腫瘍物質、細胞傷害物質、細胞増殖インヒビター、坑脈管形成物質、ステロイド又は抗体と組み合わせて上記疾患の予防、短期治療又は長期治療に使用し得る。
一般式(1)の化合物は、それら自体で、又は本発明のその他の活性物質と組み合わせて、必要によりまたその他の薬理学的活性物質と組み合わせて使用されてもよい。
本発明の化合物と組み合わせて投与し得る化学治療薬として、ホルモン、ホルモン類似体及び坑ホルモン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルベストラント、メゲストロールアセテート、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、アミノグルテチミド、シプロテロンアセテート、フィナステリド、ブセレリンアセテート、フルドロコルチンゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロゲステロン、オクトレオチド)、アロマターゼインヒビター(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、ボロゾール、エキセメスタン、アタメスタン)、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト(例えば、ゴセレリンアセテート、ルプロリド)、成長因子(成長因子、例えば、“血小板由来成長因子”及び“肝細胞成長因子”)のインヒビター(インヒビターは、例えば、“成長因子”抗体、“成長因子受容体”抗体及びチロシンキナーゼインヒビター、例えば、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ及びトラスツズマブである);坑代謝産物(例えば、坑葉酸塩、例えば、メトトレキセート、ラルチトレキセド、ピリミジン類似体、例えば、5-フルオロウラシル、カペシタビン及びゲムシタビン、プリン及びアデノシン類似体、例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン及びペントスタチン、シタラビン、フルダラビン);坑腫瘍抗生物質(例えば、アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン及びイダルビシン、マイトマイシン-C、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ストレプトゾシン);白金誘導体(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン);アルキル化剤(例えば、エストラムスチン、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イフォスファミド、テモゾロミド、ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン及びロムスチン、チオテパ)、坑有糸分裂剤(例えば、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン及びビンクリスチン;並びにタキサン、例えば、パクリタキセル、ドセタキセル);トポイソメラーゼインヒビター(例えば、エピポドフィロトキシン、例えば、エトポシド及びエトポフォス、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、ミトキサントロン)及び種々の化学治療薬、例えば、アミフォスチン、アナグレリド、クロドロナト、フィルグラスチン、インターフェロンアルファ、ロイコボリン、リツキシマブ、プロカルバジン、レバミソール、メスナ、ミトタン、パミドロネート及びポルフィマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
PLK-1キナーゼアッセイ
N末端でGSTに結合された組換えヒトPLK1酵素をバキュロウイルス(Sf21)で感染された昆虫細胞から単離する。精製をグルタチオンセファロースカラムによるアフィニティークロマトグラフィーにより行なう。
Sf-900 II無血清昆虫細胞培地(ライフ・テクノロジーズ)200ml中の4x107 のSf21細胞(スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda))をスピナーフラスコ中に接種する。27℃及び70rpmにおける72時間のインキュベーション後に、1x108 のSf21細胞を新しいスピナーフラスコ中の合計180mlの培地に接種する。更に24時間後に、組換えバキュロウイルス懸濁液20mlを添加し、細胞を72時間にわたって27℃で70rpmで培養する。回収3時間前に、オカダ酸を添加し(カルビオケム、最終濃度0.1μM)、その懸濁液を更にインキュベートする。細胞数を測定し、細胞を遠心分離(5分間、4℃、800rpm)により除去し、PBS(NaCl 8g/l、KCl 0.2g/l、Na2HPO4 1.44g/l、KH2PO4 0.24g/l)で1回洗浄する。再度遠心分離した後、ペレットを液体窒素中でフラシュ凍結する。次いでペレットを迅速に解凍し、氷冷溶解緩衝液(50mM HEPES pH7.5、10mM MgCl2、1mM DTT、5μg/mlのロイペプチン、5μg/mlのアプロチニン、100μM NaF、100μM PMSF、10mM β-グリセロールホスフェート、0.1mM Na3VO4、30mM 4-ニトロフェニルホスフェート)中で再懸濁して1x108の細胞/17.5mlを得る。細胞を30分間にわたって氷で溶解する。遠心分離(4000rpm、5分間)による細胞デブリの除去後に、透明な上澄みをグルタチオンセファロースビーズ(上澄み50ml当り1mlの再懸濁され、洗浄されたビーズ)と合わせ、その混合物を30分間にわたって4℃で回転ボード上でインキュベートする。次いでビーズを溶解緩衝液で洗浄し、組換えタンパク質を溶離緩衝液1ml/再懸濁されたビーズ1ml(溶離緩衝液:100mM Tris/HCl pH=8.0、120mM NaCl、20mM 還元されたグルタチオン(シグマG-4251)、!0mM MgCl2、1mM DTT)でビーズから溶離する。タンパク質濃度をブラッドフォードアッセイにより測定する。
【0122】
アッセイ
下記の成分を96ウェルの丸底皿(グレイナー・バイオ-ワン、PSミクロタイタ・プレートNo.650101)のウェル中で合わせる。
−6%のDMSO、0.5mg/mlのカゼイン(シグマC-5890)、60mM β-グリセロホスフェート、25mM MOPS pH=7.0、5mM EGTA、15mM MgCl2、1mM DTT中の可変濃度(例えば、300μMで開始し、1:3に希釈)の試験すべき化合物10μl
−基質溶液(25mM MOPS pH=7.0、15mM MgCl2、1mM DTT、2.5mM EGTA、30mMβ-グリセロホスフェート、0.25mg/mlのカゼイン)20μl
−酵素希釈液(25mM MOPS pH=7.0、15mM MgCl2、1mM DTT中の酵素原液の1:100希釈液)20μl
−ATP溶液(ガンマ-P33-ATP1ml当り1.11x106のBqを含むATP45μM)10μl。
ATP溶液を添加することによりその反応を開始し、穏やかに振とうしながら(IKAシュトラーMTS2で650rpm)30℃で45分間続ける。その反応をウェル当り125μlの氷冷5%TCAの添加により停止し、少なくとも30分間にわたって氷上でインキュベートする。沈殿をフィルタープレート(96ウェルミクロタイタフィルタープレート:ユニフィルター-96、GF/B;パッカード;No.6005177)に回収することにより移し、次いで1%のTCAで4回洗浄し、60℃で乾燥させる。ウェル当り35μlのシンチレーション溶液(レディ-セーフ;ベックマン)の添加後に、プレートをシーリングテープで閉じてシールし、沈殿したP33の量をワラック・ベータカウンターで測定する。
通常のグラフパッドソフトウェア(レーベンブルグ-マーカード・アルゴリスムス)を使用して、測定したデータを評価する。
本発明の化合物の活性を培養されたヒト腫瘍細胞についての細胞傷害試験、かつ/又は、例えば、ヒーラS3細胞についてのFACS分析で測定する。両方の試験方法で、化合物が良好〜非常に良好な活性、例えば、ヒーラS3細胞傷害試験で5μモル/L以下、一般に1μモル/L未満のEC50値を示す。
【0123】
培養されたヒト腫瘍細胞についての細胞傷害の測定
培養されたヒト腫瘍細胞について細胞傷害を測定するために、子宮頸部癌腫瘍細胞系ヒーラS3(ATCCから得られた)の細胞をハムのF12培地(ライフ・テクノロジーズ)及び10%のウシ胎児血清(ライフ・テクノロジーズ)中で培養し、対数増殖期で回収する。次いでヒーラS3細胞をウェル当り1000の細胞の密度で96ウェルプレート(コスター)に入れ、インキュベーター中で一夜インキュベートし(37℃及び5%のCO2で)、一方、夫々のプレートで6ウェルに培地単独を入れる(培地対照として3ウェル、還元されたアラマーブルー試薬とのインキュベーションのための3ウェル)。活性物質を種々の濃度で細胞に添加する(DMSOに溶解;DMSO最終濃度:0.1%)(夫々の場合に、3回反復測定として)。72時間のインキュベーション後に、アラマーブルー試薬(アキュメド・インターナショナル)20μlを夫々のウェルに添加し、細胞を更に5-7時間にわたってインキュベートする。対照として、還元されたアラマーブルー試薬20μlを3ウェルの夫々に添加する(アラマーブルー試薬(これは30分間にわたってオートクレーブ処理される))。インキュベーション後に、個々のウェル中のアラマーブルー試薬の色の変化をパーキン・エルマー蛍光分光光度計(励起530nm、発光590nm、スリット15、積分時間0.1)で測定する。反応したアラマーブルー試薬の量は細胞の代謝活性に相当する。相対的細胞活性を対照(インヒビターを使用しないヒーラS3細胞)の%として計算し、細胞活性を50%抑制する活性物質濃度(IC50)を誘導する。これらの値を三つの個々の測定の平均から計算する(ダミー値(培地対照)の修正を伴う)。
【0124】
FACS分析
ヨウ化プロピジウム(PI)は二本鎖DNAに化学量論的に結合し、こうして細胞のDNA含量に基づいて細胞サイクルのG1期、S期、及びG2/M期における細胞の比率を測定するのに適している。G0期及びG1期の細胞は二倍体DNA含量(2N)を有し、一方、G2期又は有糸分裂期の細胞は4N DNA含量を有する。
PI染色のために、例えば、1X106のヒーラS3細胞を75cm2の細胞培養フラスコに接種し、24時間後に0.1%のDMSOを対照として添加し、又はその物質を種々の濃度(0.1%のDMSO中)で添加する。細胞を24時間にわたってその物質又はDMSOとともにインキュベートし、その後に細胞をPBSで2回洗浄し、次いでトリプシン/EDTAで脱着する。細胞を遠心分離し(1000rpm、5分、4℃)、細胞ペレットをPBSで2回洗浄し、その後に細胞をPBS0.1ml中で再懸濁させる。次いで細胞を16時間にわたって4℃で、又は2時間にわたって-20℃で80%のエタノールで固定する。固定された細胞を遠心分離し(1000rpm、5分、4℃)、PBSで洗浄し、次いで再度遠心分離する。細胞ペレットをPBS中0.25%のトリトンX-100 2ml中で再懸濁させ、氷の上で5分間インキュベートし、その後にPBS5mlを添加し、その混合物を再度遠心分離する。細胞ペレットをPI染色溶液(0.1mg/mlのRNaseA(シグマ、No.R-4875)、10μg/mlのヨウ化プロジウム(シグマ、No.P-4864)、PBS中で1回)中で再懸濁させる。細胞を20分間にわたって暗所で染色緩衝液とともにインキュベートし、その後にFACSスキャンのためにサンプル測定容器に移す。DNA測定をアルゴンレーザー(500mW、放出488nm)、及びDNAセル・クエスト・プログラム(BD)を備えた、FACSアナライザーで行なう。対数PI蛍光をバンド-パスフィルター(BP585/42)で測定する。ベクトン・ディキンソン製ModFit LTプログラムを使用して個々の細胞サイクル期の細胞集団を定量する。
【0125】
また、本発明の化合物をその他の腫瘍細胞について試験する。例えば、これらの化合物は全ての種類の組織(例えば、胸部(MCF7);結腸(HCT116)、頭部及び首(FaDu)、肝臓(HepG2)、肺(NCI-H460)、胃(NCI-N87)、膵臓(BxPC-3)、前立腺(DU145))、肉腫(例えば、SK-UT-1B、Saos-2)の癌腫、白血病及びリンパ腫(例えば、HL-60、THP-1、Raji、Jurkat、GRANTA-519)並びにその他の腫瘍(例えば、メラノーマ(BRO)、グリオーマ(U-87MG))に有効であり、このような指示に使用し得る。これは全ての種類の腫瘍型の治療についての本発明の化合物の広い適用可能性の証拠である。
一般式(I)の化合物はそれら自体で、又は本発明のその他の活性物質と連係して、また必要によりその他の薬理学上活性な物質と連係して使用し得る。好適な製剤として、例えば、錠剤、カプセル、座薬、溶液、特に注射用の溶液(s.c.、i.v.、i.m.)及び注入用の溶液、エリキシル剤、エマルション又は分散可能な粉末が挙げられる。一種以上の医薬上活性な化合物の含量は全体としての組成物の0.1〜90重量%、好ましくは0.5〜50重量%の範囲、即ち、以下に明記される用量範囲を得るのに充分である量であるべきである。明記される用量は、必要により、1日に数回与えられてもよい。
好適な錠剤は、例えば、一種以上の活性物質を既知の賦形剤、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース、崩壊剤、例えば、トウモロコシ澱粉又はアルギン酸、バインダー、例えば、澱粉又はゼラチン、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム又はタルク及び/又は放出を遅延するための薬剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、又はポリ酢酸ビニルと混合することにより得られてもよい。錠剤はまた数層を含んでもよい。
【0126】
被覆錠剤は錠剤と同様にして製造されたコアーを錠剤被覆に通常使用される物質、例えば、コリドン又はセラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖で被覆することにより調製されてもよい。遅延放出を得、又は不適合性を防止するために、コアーはまた幾つかの層からなってもよい。同様に、錠剤被覆物は、おそらく錠剤について上記された賦形剤を使用して、遅延放出を得るための幾つかの層からなってもよい。
本発明の活性物質又はこれらの組み合わせを含むシロップ又はエリキシル剤は更に甘味料、例えば、サッカリン、シクラメート、グリセロール又は糖及び風味増強剤、例えば、風味料、例えば、バニリン又はオレンジエキスを含んでもよい。それらはまた懸濁アジュバント又は増粘剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、湿潤剤、例えば、脂肪アルコールとエチレンオキサイドの縮合生成物、又は防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエートを含んでもよい。
【0127】
注射及び注入のための溶液は必要により乳化剤及び/又は分散剤を使用して、通常の方法で、例えば、等張剤、防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエート、又は安定剤、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸の金属塩の添加により調製され、例えば、水が希釈剤として使用される場合、有機溶媒が必要により溶媒和剤又は溶解助剤として使用され、注射バイアルもしくはアンプル又は注入びんに移されてもよい。
一種以上の活性物質又は活性物質の組み合わせを含むカプセルは、例えば、活性物質を不活性担体、例えば、ラクトース又はソルビトールと混合し、それらをゼラチンカプセルに詰めることにより調製されてもよい。
好適な座薬は、例えば、この目的に用意された担体、例えば、中性脂肪もしくはポリエチレングリコール又はこれらの誘導体と混合することによりつくられてもよい。
使用し得る賦形剤として、例えば、水、医薬上許される有機溶媒、例えば、パラフィン(例えば、石油留分)、植物油(例えば、落花生油又はゴマ油)、一官能性又は多官能性アルコール(例えば、エタノール又はグリセロール)、担体、例えば、中性鉱物粉末(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高度に分散されたケイ酸及びケイ酸塩)、糖(例えば、蔗糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、使用済み亜硫酸塩液、メチルセルロース、澱粉及びポリビニルピロリドン)及び滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
製剤は通常の方法、好ましくは経口もしくは経皮経路、最も好ましくは経口経路により投与される。経口投与のために、錠剤は、勿論、上記担体は別として、種々の添加剤、例えば、澱粉、好ましくはジャガイモ澱粉、ゼラチン等と一緒に添加剤、例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムを含んでもよい。更に、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクが錠剤化方法のために同時に使用されてもよい。水性懸濁液の場合、活性物質が上記賦形剤に加えて種々の風味増強剤又は着色剤と合わされてもよい。
非経口使用のために、好適な液体担体を含む活性物質の溶液が使用されてもよい。
静脈内使用のための用量は時間当り1-1000mg、好ましくは時間当り5-500mgである。
しかしながら、体重、投与の経路、薬物に対する個々の応答、その製剤の性質及び薬物が投与される時間又は間隔に応じて、明記された量から逸脱することが時々必要であるかもしれない。こうして、或る場合には、上記最小量より少ない量を使用することが充分であるかもしれず、一方、その他の場合には上限が超えられてもよい。多量を投与する場合、それらを1日にわたって広げられる幾つかの一層少ない用量に分けることが推奨されるかもしれない。
下記の製剤実施例は本発明を説明し、その範囲を限定しない。
【0128】
医薬製剤の実施例
A) 錠剤 錠剤当り
活性物質 100mg
ラクトース 140mg
トウモロコシ澱粉 240mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
500mg
微粉砕された活性物質、ラクトース及びトウモロコシ澱粉の一部を一緒に混合する。その混合物を篩分け、次いで水中ポリビニルピロリドンの溶液で湿らせ、混錬し、湿式造粒し、乾燥させる。顆粒、残りのトウモロコシ澱粉及びステアリン酸マグネシウムを篩分け、一緒に混合する。その混合物を圧縮して好適な形状及びサイズの錠剤を製造する。
【0129】
B) 錠剤 錠剤当り
活性物質 80mg
ラクトース 55mg
トウモロコシ澱粉 190mg
微結晶性セルロース 35mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ナトリウムカルボキシメチル澱粉 23mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
400mg
微粉砕された活性物質、トウモロコシ澱粉の一部、ラクトース、微結晶性セルロース及びポリビニルピロリドンを一緒に混合し、その混合物を篩分け、残りのトウモロコシ澱粉及び水で処理して顆粒を形成し、これを乾燥させ、篩分ける。ナトリウムカルボキシメチル澱粉及びステアリン酸マグネシウムを添加し、混合し、その混合物を圧縮して好適なサイズの錠剤を形成する。
C) アンプル溶液
活性物質 50mg
塩化ナトリウム 50mg
注射用の水 5ml
活性物質を水にそれ自体のpH又は必要により5.5〜6.5のpHで溶解し、塩化ナトリウムを添加してそれを等張性にする。得られた溶液を濾過して発熱物質を除き、濾液を無菌条件下でアンプルに移し、次いでこれらを滅菌し、融着によりシールする。アンプルは活性物質5mg、25mg及び50mgを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)の化合物(必要によりこれらの互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及び混合物の形態だけでなく、必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩であってもよい)。
【化1】

〔式中、
Xは-NR1a、O又はSを表し、かつ
YはCH又はNを表し、かつ
Zは水素、ハロゲン、C1-3-アルキル、C2-3-アルケニル、C2-3-アルキニル、ハロゲン-C1-3-アルキル、-COH、-C(=O)-C1-3-アルキル、-C(=O)-C2-3-アルケニル、-C(=O)-C2-3-アルキニル、-C(=O)C1-3-アルキル-ハロゲン及び擬ハロゲンを表し、かつ
Aは式(i)又は(ii)
【化2】

から選ばれ、かつ
Q1は単環式又は二環式アリール化合物を表し、かつ
Q2は単環式又は二環式ヘテロアリール化合物を表し、かつ
TはN、O又はSを表し、かつ
R1及びR1aは水素又はメチルを表し、かつ
R2は-Cl、-Br、-I、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7及び擬ハロゲンの中から選ばれた基、又はC1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた必要により一置換もしくは多置換されていてもよい基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは夫々互いに独立に水素、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれた基;又は
C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた必要により一置換もしくは多置換されていてもよい基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、水素、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R3は式(iii)-(ix)
【化3】

から選ばれ、かつ
R4は水素、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれた基を表し、又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-8-アルキル、C2-10-アルケニル、C2-10-アルキニル、C3-8-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、C1-8-アルキル、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R5は水素、ハロゲン、-CF3、C1-3-アルキル又は-OR6を表し、かつ
R6、R7及びR8は夫々の場合に互いに独立に水素又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-5-アルキル、C2-5-アルケニル、C2-5-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環、ヘテロアリール、ハロゲン、-NO2、-OR10、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-C(=O)NR10R11、-NR10R11、-NR10C(=O)R11、-NR10C(=O)OR11、-NR10C(=O)NR11R12、-NR10C(C=O)ONR11R12、-NR10SO2R11、-N=CR10R11、-SR10、-SOR10、-SO2R10、-SO2NR10R11、-NR10SO2NR11R12、-OSO2NR10R11及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
Lは結合又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-16-アルキル、C2-16-アルケニル、C2-16-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NO2、-OR10、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-C(=O)NR10R11、-NR10R11、-NR10COR11、-NR10C(=O)OR11、-NR10C(=O)NR11R12、-NR10C(C=O)ONR11R12、-NR10SO2R11、-N=CR10R11、-SR10、-SOR10、-SO2R10、-SO2NR10R11、-NR10SO2NR11R12、-OSO2NR10R11及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
Q3及びQ4は互いに独立に結合又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよい単環式複素環もしくは二環式複素環の中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、メチル、エチル、ハロゲン、-NH2、-OH及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R9は必要により一置換又は多置換されていてもよいC1-16-アルキル、C2-16-アルケニル、C2-16-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NO2、-OR10、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-C(=O)NR10R11、-NR10R11、-NR10COR11、-NR10C(=O)OR11、-NR10C(=O)NR11R12、-NR10C(C=O)ONR11R12、-NR10SO2R11、-N=CR10R11、-SR10、-SOR10、-SO2R10、-SO2NR10R11、-NR10SO2NR11R12、-OSO2NR10R11及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R10、R11及びR12は夫々の場合に互いに独立に水素又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-8-アルキル、C2-8-アルケニル、C2-8-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NH2、-OH及び擬ハロゲンの中から選ばれる〕
【請求項2】
Xが-NR1a又は酸素を表し、かつ
Aが式(i)又は(ii)
【化4】

から選ばれ、かつ
Q1が単環式又は二環式アリール化合物を表し、かつ
Q2が単環式ヘテロアリール化合物を表し、かつ
TがN、O又はSを表し、かつ
R1及びR1aが水素を表し、かつ
R3が式(iii)
【化5】

を表し、かつその他の基が先に定義されたとおりである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
YがCHを表し、かつ
Q1が単環式アリール化合物を表し、かつ
その他の基が先に定義されたとおりである、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
Rcが水素、-F、-Cl、メチル及びエチルの中から選ばれた基を表し、かつその他の基が先に定義されたとおりである、請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
Ra及びRbが夫々の場合に互いに独立に水素又はC1-2-アルキル、C2-アルケニル、C2-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた必要により一置換もしくは多置換されていてもよい基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、水素、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6、-SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
その他の基が先に定義されたとおりである、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Ra及びRbが水素を表し、かつ
その他の基が先に定義されたとおりである、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
Zがハロゲン-C1-3-アルキル、-COH、-C(=O)-C1-3-アルキル、-C(=O)-C2-3-アルケニル、-C(=O)-C2-3-アルキニル、-C(=O)C1-3-アルキル-ハロゲン及び擬ハロゲンを表し、かつ
その他の基が先に定義されたとおりである、請求項1から6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
ZがC1-3-フルオロアルキルを表し、かつ
YがCHを表し、かつ
その他の基が先に定義されたとおりである、請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
医薬組成物としての使用のための請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物又はこれらの薬理学上活性な塩。
【請求項10】
坑増殖活性を有する医薬組成物を調製するための請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物又はこれらの医薬活性塩。
【請求項11】
坑増殖活性と活性の選択的キナーゼ抑制メカニズムを有する医薬組成物を調製するための請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物又はこれらの医薬活性塩。
【請求項12】
坑増殖活性と活性のPLK抑制メカニズムを有する医薬組成物を調製するための請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物又はこれらの医薬活性塩。
【請求項13】
必要により通常の賦形剤及び/又は担体と一緒に、請求項1から8のいずれか1項記載の一般式(I)の一種以上の化合物又はこれらの生理学上許される塩を活性物質として含むことを特徴とする、医薬製剤。
【請求項14】
癌、感染症、炎症性疾患及び自己免疫疾患の治療及び/又は予防のための医薬組成物を調製するための請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項15】
一般式(1)の化合物(必要によりこれらの互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及び混合物の形態だけでなく、必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩であってもよい)
【化6】

〔式中、
Xは-NR1a、O又はSを表し、かつ
YはCH又はNを表し、かつ
Zは水素、ハロゲン、C1-3-アルキル、C2-3-アルケニル、C2-3-アルキニル、ハロゲン-C1-3-アルキル、-COH、-C(=O)-C1-3-アルキル、-C(=O)-C2-3-アルケニル、-C(=O)-C2-3-アルキニル、-C(=O)C1-3-アルキル-ハロゲン及び擬ハロゲンを表し、かつ
Aは式(i)又は(ii)
【化7】

から選ばれ、かつ
Q1は単環式又は二環式アリール化合物を表し、かつ
Q2は単環式又は二環式ヘテロアリール化合物を表し、かつ
TはN、O又はSを表し、かつ
R1及びR1aは水素又はメチルを表し、かつ
R2は-Cl、-Br、-I、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7及び擬ハロゲンの中から選ばれた基、又はC1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた必要により一置換もしくは多置換されていてもよい基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは夫々互いに独立に水素、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれた基;又は
C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた必要により一置換もしくは多置換されていてもよい基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、水素、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R3は式(iii)-(ix)
【化8】

から選ばれ、かつ
R4は水素、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれた基を表し、又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-8-アルキル、C2-10-アルケニル、C2-10-アルキニル、C3-8-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、C1-8-アルキル、ハロゲン、-NO2、-OR6、-C(=O)R6、-C(=O)OR6、-C(=O)NR6R7、-NR6R7、-NR6C(=O)R7、-NR6C(=O)OR7、-NR6C(=O)NR7R8、-NR6SO2R7、-N=CR6R7、-SR6、-SOR6、-SO2R6、-SO2NR6R7、-NR6SO2NR7R8、-OSO2NR7R8及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R5は水素、ハロゲン、-CF3、C1-3-アルキル又は-OR6を表し、かつ
R6、R7及びR8は夫々の場合に互いに独立に水素又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-5-アルキル、C2-5-アルケニル、C2-5-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環、ヘテロアリール、ハロゲン、-NO2、-OR10、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-C(=O)NR10R11、-NR10R11、-NR10C(=O)R11、-NR10C(=O)OR11、-NR10C(=O)NR11R12、-NR10C(C=O)ONR11R12、-NR10SO2R11、-N=CR10R11、-SR10、-SOR10、-SO2R10、-SO2NR10R11、-NR10SO2NR11R12、-OSO2NR10R11及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
Lは結合又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-16-アルキル、C2-16-アルケニル、C2-16-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NO2、-OR10、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-C(=O)NR10R11、-NR10R11、-NR10COR11、-NR10C(=O)OR11、-NR10C(=O)NR11R12、-NR10C(C=O)ONR11R12、-NR10SO2R11、-N=CR10R11、-SR10、-SOR10、-SO2R10、-SO2NR10R11、-NR10SO2NR11R12、-OSO2NR10R11及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
Q3及びQ4は互いに独立に結合又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよい単環式複素環もしくは二環式複素環の中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、メチル、エチル、ハロゲン、-NH2、-OH及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R9は必要により一置換又は多置換されていてもよいC1-16-アルキル、C2-16-アルケニル、C2-16-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NO2、-OR10、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-C(=O)NR10R11、-NR10R11、-NR10COR11、-NR10C(=O)OR11、-NR10C(=O)NR11R12、-NR10C(C=O)ONR11R12、-NR10SO2R11、-N=CR10R11、-SR10、-SOR10、-SO2R10、-SO2NR10R11、-NR10SO2NR11R12、-OSO2NR10R11及び擬ハロゲンの中から選ばれ、かつ
R10、R11及びR12は夫々の場合に互いに独立に水素又は必要により一置換もしくは多置換されていてもよいC1-8-アルキル、C2-8-アルケニル、C2-8-アルキニル、C3-10-シクロアルキル、アリール、複素環及びヘテロアリールの中から選ばれた基を表し、一つ以上の置換基が同じであってもよく、又は異なっていてもよく、ハロゲン、-NH2、-OH及び擬ハロゲンの中から選ばれる〕、及び
細胞静止活性物質、細胞傷害活性物質、ステロイド及び抗体の中から選ばれた少なくとも一種のその他の活性物質(必要によりこれらの互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及び混合物の形態、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩であってもよい)
を含むことを特徴とする医薬製剤。

【公表番号】特表2008−505855(P2008−505855A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517246(P2007−517246)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052214
【国際公開番号】WO2005/113515
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】