説明

PPS積層フィルム

【課題】 モータ絶縁用相間紙としてフィルム割れのない加工性に優れた相間紙絶縁用PPS積層フィルムを提供すること。
【解決手段】 二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム(A層)および二軸延伸共重合ポリアリーレンスルフィドフィルム(B層)が交互に積層された積層フィルムであり、該積層フィルムの端裂抵抗伸度が70%以上、端裂抵抗強度が700N/20mm以上であることを特徴とする相間紙絶縁用PPS積層フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2種のポリアリーレンスルフィドが積層された構造を有する積層フィルムに関し、さらに詳しくは、現在自動車メーカーで開発が進んでいるハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などに使用されるカーエアコンコンプレッサーモータ用相間絶縁材として好適に用いられる積層フィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリアリーレンスルフィドフィルムは、優れた耐熱性、難燃性、剛性、耐薬品性、電気絶縁性および低吸湿性などの性質を有しており、特に電気・電子機器、機械部品および自動車部品などに好適に使用されている。
【0003】
近年、ポリパラフェニレンスルフィド(以下、PPSと略称することがある。)に代表されるポリアリーレンスルフィドフィルムは、その電気絶縁性や低吸湿性の高さを活かし、電気絶縁材料への適用が進められている。例えば、(1)二軸延伸したフィルムを電気絶縁材料として用いることが知られている(特許文献1参照)。また、(2)無配向のPPS層に二軸延伸PPS層が接着剤を介することなく積層されている積層体が知られている(特許文献2および特許文献3参照)。また、(3)共重合ポリフェニレンスルフィド積層フィルムを熱ラミネートにより積層した厚物積層フィルムが知られている(特許文献4)。
【0004】
しかしながら、上記の従来のフィルムおよび積層体は、下記の問題点を有している。すなわち、上記(1)項のフィルムは、コイル圧縮、折り曲げ加工の際や、コイル、相間絶縁紙を紐で結びつける際、曲げに対するフィルム伸び、および強度が十分でなくフィルム破れが発生する問題があった。また、上記(2)項の積層体は、フィルムの腰が弱く、挿入性が十分ではなく、また、折り曲げに対する強度が十分でない問題があった。さらに、(3)項の共重合ポリフェニレンスルフィドを接着層として用いた積層フィルムは、フィルム厚みが厚く、腰が強すぎるためコイル折り曲げ加工に追従しにくく、また、紐で締め付けられた際、折り曲げられた部分よりフィルム割れが発生する場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭55-35456号公報
【特許文献2】特開平2-45144号公報
【特許文献3】特許第2956254号公報
【特許文献4】特開2007−098941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、これらの問題点を解消し、モータ絶縁用相間紙として使用しても割れや破れの発生の抑制をはかることができる積層フィルムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の相間紙絶縁用PPS積層フィルムは、上記課題を解決するために次の構成を有する。すなわち、ポリアリーレンスルフィドからなる層(A層)と共重合ポリアリーレンスルフィドからなる層(B層)とが積層された積層フィルムであって、該積層フィルムは二軸延伸されてなり、かつ、該積層フィルムの端裂抵抗伸度が70%以上、端裂抵抗強度が700N/20mm以上であることを特徴とする積層フィルムとするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、モータ絶縁用などの相間絶縁材として用いてもフィルム割れや破れの発生が抑制できる。
【0009】
特に、本発明の積層フィルムは、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などに使用されるカーエアコンコンプレッサーモータ用相間絶縁材として好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の積層フィルムは、ポリアリーレンスルフィドからなる層(A層)および共重合ポリアリーレンスルフィドからなる層(B層)が積層された構造を有している。なお、前記ポリアリーレンスルフィドと前記共重合ポリアリーレンスルフィドとは、一次構造、すなわち化学構造、において同一ではない。本発明で用いるポリアリーレンスルフィドとは、−(Ar−S)−の繰り返し単位を有するホモポリマあるいはコポリマである。Arとしては下記の式(A)〜式(K)などであらわされる単位などがあげられる。
【0011】
【化1】

【0012】
(R1,R2は、水素、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基から選ばれた置換基であり、R1とR2は同一でも異なっていてもよい)
本発明に用いるA層を構成するポリアリーレンスルフィドの繰り返し単位としては、上記の式(A)で表される構造式が好ましく、これらの代表的なものとして、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルフィドケトン、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物などが挙げられる。特に好ましいポリアリーレンスルフィドとしては、フィルム物性と経済性の観点から、ポリフェニレンスルフィド(PPS)が好ましく例示され、ポリマーの主要構成単位として下記構造式で示されるポリ−p−フェニレンスルフィド単位を好ましくは95モル%以上、より好ましくは97モル%以上含むことが望ましい。ポリ−p−フェニレンスルフィド単位が95モル%以下では、結晶性やガラス転移温度などが低くなって、耐熱性、電気特性などを損なうことがある。
【0013】
【化2】

【0014】
また、繰り返し単位の、好ましくは5モル%未満であれば共重合可能なスルフィド結合を含有する単位が含まれていても差し支えない。このような繰り返し単位としては、例えば、3官能単位、エーテル単位、スルホン単位、ケトン単位、メタ結合単位、アルキル基等の置換基を有するアリール単位、ビフェニル単位、ターフェニレン単位、ビニレン単位、カーボネート単位などが具体例としてあげられ、このうち1つまたは2つ以上共存させて構成することができる。この場合、該構成単位は、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれの形態でも差し支えない。
【0015】
A層は、上記ポリアリーレンスルフィドを90重量%以上、好ましくは95重量%以上含む樹脂組成物により構成されている。
【0016】
本発明に用いるB層を構成する共重合ポリアリーレンスルフィドとは、好ましくは80モル%以上95モル%以下が主成分としてポリ−p−フェニレンスルフィドユニットで構成されていることが好ましい。かかる主成分が80モル%未満では、耐熱性低下が著しくなる場合があり、95モル%を超えると、共重合ポリアリーレンスルフィドの融点を十分低下できず、端裂伸度を上げることが困難なことがある。
【0017】
共重合単位としては、下記式に示すポリ−m−フェニレンスルフィド単位、
【0018】
【化3】

【0019】
【化4】

【0020】
【化5】

【0021】
(ここでXは、アルキレン、CO、SO単位を示す。)
【0022】
【化6】

【0023】
【化7】

【0024】
(ここでRはアルキル、ニトロ、フェニレン、アルコキシ基を示す。)が挙げられ、好ましい共重合単位は、ポリ−m−フェニレンスルフィド単位である。これらの単位の共重合量は、5モル%以上20モル%以下が好ましく、より好ましくは10モル%以上18モル%以下である。かかる共重合成分が5モル%未満では、二軸配向共重合PPSフィルムと二軸配向PPSフィルムの融点差が十分ではなく、積層フィルムの端裂伸度、界面密着性が低下する場合があり、相間絶縁材として使用した場合、フィルム割れが発生する場合がある。20モル%を超えると、耐熱性の低下が著しくなる場合がある。
【0025】
本発明で用いる共重合ポリアリーレンスルフィドの上記主成分と共重合成分との共重合の態様は特に限定はないが、ランダムコポリマーであることが好ましい。
【0026】
本発明においては、共重合ポリアリーレンスルフィドを構成する共重合体の繰り返し単位の残りの部分においては、さらに他の共重合可能な構成単位で構成されてもよいが、下記式に代表される3官能性フェニルスルフィド単位は、共重合体全体の1モル%以下であることが好ましい。
【0027】
【化8】

【0028】
B層は、上記共重合ポリアリーレンスルフィドを90重量%以上、好ましくは95重量%以上含む樹脂組成物により構成されている。
【0029】
A層を構成するポリアリーレンスルフィドの融点(Tma)とB層を構成する共重合ポリアリーレンスルフィドの融点(Tmb)の差(Tma−Tmb)は、15℃以上が好ましく、さらに好ましくは25℃以上である。融点の差(Tma−Tmb)が10℃未満の場合、積層フィルムの端裂抵抗強度、端裂抵抗伸度、界面密着性を十分高められない場合がある。上記Tma、Tmbの差は、共重合ポリアリーレンスルフィドの融点を適宜調整するにより達成できる。共重合ポリアリーレンスルフィドの融点は、共重合成分のモル比によって適宜調製することができ、例えば、ポリアリーレンスルフィドとしてポリフェニレンスルフィドを用いた共重合ポリフェニレンスルフィドの融点を255℃とする場合は、共重合成分のモル比を10モル%とすることにより得ることができる。
【0030】
B層の厚みは、本発明の積層フィルムの厚みの5%以上を占めることが好ましく、より好ましくは10%以上であり、さらに好ましくは15%以上である。B層の厚みの割合が5%未満の場合、端裂抵抗強度、端裂抵抗伸度、界面密着性を十分高められない場合がある。
【0031】
本発明の積層フィルムは、必要に応じて、熱処理、成形、表面処理、ラミネート、コーティング、印刷、エンボス加工およびエッチングなどの任意の加工を行ってもよい。該加工はB層において好ましく行われる。
【0032】
本発明の積層フィルムは、A層とB層とが交互に積層された積層フィルムであり、積層構成は特に限定されないが、A/Bの2層積層、A/B/A、B/A/Bの3層積層、A/B/A/Bの4層積層、A/B/A/B/A、B/A/B/A/Bの5層積層のような態様が挙げられる。6層以上での積層も無論可能である。積層構成は積層フィルムの厚みにより適宜変更することができる。本発明においては、本願規定の端裂抵抗強度、端裂抵抗伸度を達成する観点から、融点の異なるA層とB層が交互に積層されていることが重要である。
【0033】
本発明の積層フィルムの厚みは、115μm以上、200μm以下が好ましく、より好ましくは115μm以上、180μm以下であり、さらに好ましくは120μm以上、150μm以下である。厚みが上記範囲にあることで、モーターの相間絶縁材として用いる場合、折り曲げによるフィルム破れをより一層抑制することができる。
【0034】
本発明の積層フィルムは、端裂抵抗伸度が70%以上、端裂抵抗強度が700N/20mm以上であることが必要である。なお、端裂抵抗はJIS C2151に準じて試料幅20mm、試験金具Bを用いて測定されるものである。端裂抵抗伸度は好ましくは80%以上であり、より好ましくは、90%以上である。端裂抵抗強度は、好ましくは800N/20mm以上であり、さらに好ましくは、900N/20mm以上である。端裂抵抗伸度が70%未満、端裂抵抗強度が700N/20mm未満の場合、コイル圧縮、折り曲げ加工の際や、コイル、相間絶縁紙を紐で結びつける際、曲げに対するフィルム伸び、および強度が十分でなくフィルム破れが発生しやすい。端裂抵抗伸度、端裂抵抗強度を上記範囲とするためには、A層B層を交互に積層するとともに、積層フィルムの厚みを本願規定の好ましい範囲とし、後述する本願規定の製膜条件により製膜することにより得ることが可能となる。また、B層の積層比率を上記説明した範囲とすれば、簡便である。
【0035】
本発明の積層フィルムの引張破断伸度は、70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。引張破断伸度が70%未満の場合、コイル圧縮、折り曲げ加工の際や、コイル、相間絶縁紙を紐で結びつける際、フィルム破れが発生しやすい。
【0036】
本発明の積層フィルムの揉み試験におけるフィルム破断までの揉み回数は、50回以上であることがコイル圧縮、折り曲げ加工の際や、コイル、相間絶縁紙を紐で結びつける際、フィルム破れを抑制する観点で好ましく、より好ましくは、80回以上であり、さらに好ましくは、100回以上である。揉み回数が50回未満の場合、界面密着性が十分でなく、界面剥離によりコイル圧縮、折り曲げ加工の際や、コイル、相間絶縁紙を紐で結びつける際にフィルム破れが発生しやすい。揉み試験による揉み回数を50回以上とするためには、前述したB層を構成する樹脂の種類の選択、B層の積層厚みを前記好ましい範囲とし、後述する製膜延伸における面積延伸倍率、熱処理条件を別記の好ましい範囲とし、熱ラミネートにおけるラミネート条件を別記の好ましい範囲とすることによって得ることができる。ここでいう揉み回数とは、揉み試験機(例えば、スコット耐揉摩耗試験機(東洋精機製))を用い、幅10mm、長さ200mmのサンプルを荷重2.5kgで測定し、フィルムが破断するまでの回数を求めたものである。この揉み試験におけるフィルム破断までの揉み回数は多いほど望ましいが、積層フィルムの耐熱性、端裂抵抗強度が低下する場合があるので実用的な上限としては200回程度である。
【0037】
本発明積層フィルムにおいてA層とB層との積層方法は特に限定されないが、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物と共重合ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を別々の溶融押出装置に供給し、溶融押出装置と口金出口の間に設けられた合流装置で積層する方法、または、あらかじめ作製したポリアリーレンスルフィド樹脂組成物からなるフィルムと共重合ポリアリーレンスルフィドフィルムを熱ラミネートにより積層する方法、または、A層とB層が積層された2層積層フィルムに別途調製したポリアリーレンスルフィド樹脂組成物からなるフィルムを熱ラミネート法により貼り合わせる方法などが挙げられる。本発明においては、生産性、高い端裂抵抗伸度が得やすい観点より、A層とB層との2層積層フィルムを共押出法により作製し、次にB層側に別途調製したポリアリーレンスルフィド樹脂組成物からなるフィルムを熱ラミネートして、A/B/Aの三層の積層フィルムとする方法が好ましく用いられる。また、本発明の積層フィルムは延伸されているが、延伸は、製膜工程中に延伸されたものであっても、貼り合わせ前のフィルムとして延伸されたものであっても、貼り合わせ後に延伸を行ったものであっても良い。
【0038】
本発明の積層フィルムの用途は、現在自動車メーカーで開発が進んでいるハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などに使用されるカーエアコンコンプレッサーモータ用相間絶縁材として用いられる。
【0039】
本発明の積層フィルムは、本発明の効果を阻害しない範囲内で、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、脂肪酸エステルおよびワックスなどの有機滑剤など他の成分が添加されてもよい。また、フィルム表面に易滑性や耐磨耗性や耐スクラッチ性等を付与するために、二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルムに、無機粒子や有機粒子などを添加することもできる。そのような添加物としては、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式または乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナおよびジルコニア等の無機粒子、アクリル酸類、スチレン等を構成成分とする有機粒子、ポリアリーレンスルフィドの重合反応時に添加する触媒等によって析出する、いわゆる内部粒子や、界面活性剤などが挙げられる。
【0040】
次いで、本発明の積層フィルムを製造する方法について、ポリアリーレンスルフィド樹脂としてポリ−p−フェニレンスルフィド樹脂を用い、共重合ポリアリーレンスルフィド樹脂としてPPSに少量のm−フェニレンスルフィドを共重合させたポリ−m−フェニレンスルフィド樹脂(以下共重合PPS樹脂と略記する場合がある)を用いた場合の積層フィルムの製造を例にとって説明するが、本発明は、この例に限定されないことは無論である。
【0041】
PPS樹脂の製造方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。硫化ナトリウムとp−ジクロロベンゼンを、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などのアミド系極性溶媒中で高温高圧下で反応させる。必要によって、トリハロベンゼンなどの共重合成分を含ませることもできる。重合度調整剤として、苛性カリやカルボン酸アルカリ金属塩などを添加し、230〜280℃の温度で重合反応させる。重合後にポリマを冷却し、ポリマを水スラリーとしてフィルターで濾過後、粒状ポリマを得る。これを酢酸塩などの水溶液中で30〜100℃の温度で10〜60分間攪拌処理し、イオン交換水にて30〜80℃の温度で数回洗浄、乾燥してPPS粒状ポリマを得る。得られた粒状ポリマを、酸素分圧10トール以下、好ましくは5トール以下でNMPにて洗浄後、30〜80℃の温度のイオン交換水で数回洗浄し、副生塩、重合助剤および未反応モノマ等を分離し、PPS樹脂を得る。上記で得られたポリマには必要に応じて、無機または有機の添加剤等を本発明の目的に支障を与えない程度添加することができる。
【0042】
共重合PPS樹脂の製造方法としては、例えば、次のような方法がある。硫化ナトリウムとp−ジクロロベンゼンおよびm−フェニレンスルフィドを本発明でいう比率で配合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などのアミド系極性溶媒中で重合助剤の存在下、高温高圧下で反応させる。
【0043】
次に、本発明の積層フィルムの製造方法について説明する。上記のPPS樹脂単体か、共重合PPS樹脂を用いる場合には、PPS樹脂と共重合PPS樹脂を別々の溶融押出装置に供給し、個々の樹脂の融点以上に加熱する。加熱により溶融された各樹脂は、溶融押出装置と口金出口の間に設けられた合流装置で溶融状態で単層、または2層あるいは3層に積層され、スリット状の口金出口から押し出される。かかる溶融積層体を冷却ドラム上でPPSのガラス転移点以下に冷却し、実質的に非晶状態の単層、または2層あるいは3層積層シートを得る。積層構成は特に限定されないが、2層積層の場合、PPS層/共重合PPS層の2層積層が好ましく、3層積層の場合、共重合PPS層/PPS層/共重合PPS層の3層積層が好ましい。溶融押出装置は周知の装置が適用可能であるが、1軸または2軸のエクストルーダが簡便であり好ましく用いられる。
【0044】
次いで、このようにして得られた非晶状態の単層、または2層あるいは3層積層シートを、PPSのガラス転移点以上、冷結晶化温度以下の範囲で、従来公知の逐次二軸延伸機や同時二軸延伸機により二軸延伸した後、熱処理を行い二軸延伸フィルムを得る。延伸方法としては、逐次二軸延伸法(長手方向に延伸した後に幅方向に延伸を行う方法などの一方向ずつの延伸を組み合わせた延伸法)、同時二軸延伸法(長手方向と幅方向を同時に延伸する方法)、又はそれらを組み合わせた方法を用いることができる。ここでは、最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法を用いる。まず、未延伸シートを加熱ロール群で加熱し、長手方向(MD方向)に3〜4倍、好ましくは3.0〜3.4倍、さらに好ましくは、3.0〜3.3倍に1段もしくは2段以上の多段で延伸する(MD延伸)。前記好ましいMD延伸倍率で延伸することにより、本願規定の引張破断伸度、端裂抵抗強度、端裂抵抗伸度、界面密着性を得ることが可能となる。延伸温度は、Tg(PPSのガラス転移温度)〜(Tg+40)℃、好ましくは(Tg+5)〜(Tg+30)℃の範囲である。その後20〜50℃の冷却ロール群で冷却する。
【0045】
MD延伸に続く幅方向(TD方向)の延伸方法としては、例えば、テンターを用いる方法が一般的である。このフィルムの両端部をクリップで把持して、テンターに導き、幅方向の延伸を行う(TD延伸)。延伸温度はTg(PPSのガラス転移温度)〜(Tg+40)℃が好ましく、より好ましくは(Tg+5)〜(Tg+30)℃の範囲である。延伸倍率は3〜4倍、好ましくは3.0〜3.6倍、さらに好ましくは3.0〜3.5倍の範囲が好ましい。前記好ましいTD延伸倍率で延伸することにより、本願規定の引張破断伸度、端裂抵抗強度、端裂抵抗伸度、界面密着性を得ることが可能となる。
【0046】
次に、この延伸フィルムを緊張下で熱固定する。熱固定温度は、共重合PPSの融点−10℃以上が好ましく、より好ましくは共重合PPSの融点以上、さらに好ましくは共重合PPSの融点+10℃以上であることが、界面密着性の観点から好ましい。また、同熱固定は、前記熱固定の前に、160〜220℃、好ましくは180〜220℃であらかじめ熱固定することが本願所定の引張破断伸度、端裂抵抗強度、端裂抵抗伸度を得る上で好ましい。
【0047】
熱固定時間は1〜30秒、好ましくは5〜15秒である。続いてフィルムを幅方向に弛緩処理する。弛緩率は、0.1〜8%であることが好ましく、より好ましくは2〜5%の範囲である。
【0048】
さらに、フィルムを室温まで、必要ならば、長手および幅方向に弛緩処理を施しながら、フィルムを冷やして巻き取り、目的とするフィルムを得る。
【0049】
上記方法で得られた二軸延伸PPSフィルム単膜(貼り合わせ後A層となる)、とPPS/共重合PPSのA/B2層積層フィルムをA/B/Aとなるように配置し、熱ラミネートを行う。ラミネート温度は、好ましくは240〜265℃、より好ましくは245〜265℃、さらに好ましくは250〜265℃である。ここでいうラミネート温度とは、熱圧着ロールの表面温度であり、非接触式温度計あるいは接触式温度計で測定することができる。また、熱圧着ロールの材質には、特に限定はないが、金属ロール、セラミックロール、ゴム材質ロールなどを用いることができる。ラミネート圧力は、面圧が1〜20kg/cmが好ましく、より好ましくは5〜20kg/cmであり、さらに好ましくは、10〜20kg/cmである。ラミネート速度は、0.1〜10m/分が好ましく、より好ましくは0.5〜5m/分であり、さらに好ましくは1〜7m/分である。熱圧着ロールからの剥離後は、PPSのガラス転移点以下で直ちに冷却することが、積層フィルムの平面性と端裂抵抗伸度を得る上で好ましい態様である。
【0050】
熱ラミネートで用いるPPS/共重合PPSのA/B2層積層フィルムのB層および二軸延伸PPSフィルム単膜の接着層側にコロナ放電処理やプラズマ処理を施すことも本発明の好ましい態様に含まれる。コロナ放電処理時の雰囲気ガスとしては、空気(EC処理)、酸素(OE処理)、窒素(NE処理)、炭酸ガス(CE処理)等から選ばれる少なくとも1種のガスが挙げられる。これらのうち、経済性の観点からはEC処理を用いることが好ましく、接着性向上の観点からはNE処理、またはCE処理で表面処理することが好ましく、本発明においてはNE処理で表面処理することが接着性向上の観点からより好ましい。
【0051】
また、本発明においては、積層フィルムの取り扱い性および加工性を向上させるために、各層に不活性粒子を添加することができる。ここで言う不活性粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタンおよび酸化亜鉛などの無機フィラーおよび300℃で溶融しない有機の高分子化合物(例えば、架橋ポリスチレン等)の粒子等を挙げることができる。
【0052】
[特性の測定方法]
(1)引張破断伸度
ASTM−D882に規定された次の方法に従って、インストロンタイプの引張試験機(オリエンテック社製AMF/RTA-100)を用いて、幅10mmのサンプルフィルムをチャック間長さ50mmとなるようにセットし、25℃の温度で、65%RHの雰囲気条件下で引張速度300mm/分で引張試験を行う。
【0053】
引張破断伸度は、フィルム長手方向および幅方向についてそれぞれn=5で測定し、平均したものを用いる。
【0054】
測定装置:オリエンテック(株)製フイルム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−100”
試料サイズ:幅10mm×長さ150mm
引張り速度:300mm/分
測定環境:室温
(2)端裂抵抗強度、伸度
JISC2151(1990)に準じて試料幅20mm、試験金具B(V字切り込みタイプ)、長さ300mm、引張り速度200mm/分、23℃の条件で測定を行う。
【0055】
端裂抵抗強度、伸度は、フィルムの長手方向および幅方向についてそれぞれ9枚の試料を用意して測定し、算術平均した。
【0056】
(3)融点
JIS K7121−1987に従って示差走査熱量計として、セイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いて、試料5mgをアルミニウム製受皿上、室温から350℃まで昇温速度20℃/分で昇温する。同試料を取り出し急冷したのち、室温から350℃まで昇温速度20℃/分で昇温し、そのとき、観測される融解の吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)とする。
【0057】
積層フィルムの各層を構成する樹脂の融点を測定する場合には、予め積層フィルムの厚み方向に水平に切り出した超薄切片を偏光顕微鏡にて厚み構成を調べておき、その各層に対応する分のみを削り取って融点測定に供する。
【0058】
(4)成形テスト
フィルム長手方向に300mm、幅方向に20mmとなるようにフィルムを切り出し、モータ挿入用サンプルを作成した。このサンプルをエナメル線の間に挿入し、エナメル部分をプレスしてエナメル線部分の成型を行った後、エナメル線とフィルムを紐で縛りモータを完成させた。この時にフィルムサンプルの割れの発生状態を評価する。
【0059】
目視でフィルム割れの発生したものを不良品とし、不良品発生率は次の基準で評価される。なお、加工個数は各試料100個ずつとする。
◎:不良率が0%
○:不良率が0%を超え5%以下
△:不良率が6%を超え20%以下
×:不良率が20%を超える。
【0060】
(5)溶融粘度
フローテスターCFT−500(島津製作所製)を用いて、口金長さを10mm、口金径を1.0mmとして、予熱時間を5分に設定して、310℃で測定する。剪断速度1000/sでの溶融粘度は、剪断速度500〜1000/sおよび1000〜2000/sでの溶融粘度をそれぞれn=2で測定し、両対数プロット上で直線近似して得られる相関線の剪断速度1000/sでの値とする。
【0061】
(6)揉み試験
スコット耐揉摩耗試験機(東洋精機製)を用いて、JIS−K−6328にしたがって測定する。サンプルサイズは幅10mm、長さ200mm、荷重2.5kgで測定し、目視でフィルムが破断するまでの回数を求める。以下の基準で判定した。
◎:100回以上
○:80回以上100回未満
△:50回以上80回未満
×:50回未満。
【実施例】
【0062】
(実施例1)
(1)共重合PPS樹脂の製造
オートクレ−ブに100モルの硫化ナトリウム9水塩、45モルの酢酸ナトリウムおよび25リットルのN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略称する。)を仕込み、撹拌しながら徐々に220℃の温度まで昇温して、含有されている水分を蒸留により除去した。脱水の終了した系内に、主成分モノマとして91モルのp−ジクロベンゼン、副成分モノマとして10モルのm−ジクロロベンゼン、および0.2モルの1,2,4−トリクロルベンゼンを5リットルのNMPとともに添加し、170℃の温度で窒素を3kg/cmで加圧封入後、昇温し、260℃の温度にて4時間重合した。重合終了後冷却し、蒸留水中にポリマーを沈殿させ、150メッシュ目開きを有する金網によって、小塊状ポリマーを採取した。このようにして得られた小塊状ポリマーを90℃の蒸留水により5回洗浄した後、減圧下120℃の温度にて乾燥して、溶融粘度が1000ポイズであり、融点が255℃の共重合PPS樹脂を得た。次いで、平均粒径1.2μmの炭酸カルシウム粉末0.3重量%を添加し均一に分散配合して、320℃の温度にて30mmφ2軸押出機によりガット状に押出し、融点255℃の共重合PPSのペレットを得た。
【0063】
(2)PPS樹脂の製造
主成分モノマとして101モルのp−ジクロベンゼンを用い、副成分モノマを用いないこと以外は全て上記(1)のメタ体共重合PPSの製造と同様に実施して、PPS樹脂を製造した。なお、PPS樹脂の溶融粘度は、3000ポイズであり、融点は280℃であった。
【0064】
(3)製膜
前記(1)および(2)で得られた共重合PPS樹脂およびPPS樹脂を、それぞれ180℃の温度で3時間、1mmHgの減圧下で乾燥後、別々のエクストルーダに供給し、溶融状態で口金上部にある二重管型の積層装置で2層になるように導き、続いてTダイ型口金から吐出させ、25℃の温度の冷却ドラムで急冷し、実質的に共重合PPS/PPSの未延伸2層積層シートを得た。次いで、得られた各積層シートを、表面温度95℃の複数の加熱ロールに接触走行させ、加熱ロールの次に設けられた周速の異なる30℃の冷却ロールとの間で長手方向に3.3倍延伸した。このようにして得られた1軸延伸シートを、テンターを用いて長手方向と直交方向に100℃の温度で3.5倍に延伸し、続いて温度200℃で1段目熱処理行い、続いて265℃で2段目熱処理を行い、引き続き、260℃の弛緩処理ゾーンで横方向に5%弛緩処理を行った後、室温まで冷却した後、フィルムエッジを除去し、共重合PPS(B層)/PPS(A層)(20/55μm)の二軸延伸2層積層フィルムを得た。
【0065】
また、PPS樹脂のみを上記製膜条件により別途製膜、熱処理して厚み50μmの二軸延伸PPSフィルム(後述の積層工程でA層となる)を得た。
【0066】
(4)積層
上記製膜方法で得られたA/B2層積層フィルムのB層側に前記二軸延伸PPSフィルムをA/B/Aのように配置し、熱ラミネートした。ラミネート条件は、加熱ロールとして金属ロール(ハードクロムロール)を255℃の温度に加熱し、ニップロールはフッ素ゴムロールを用いて220℃に加熱した。また、ラミネート圧は、20kg/cm、ラミネート速度は、1m/分の条件で行った。ラミネート後は直ちに冷却して巻き取った。上記のようにして得られた厚み125μmの3層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
【0067】
(実施例2)
実施例1のA/B2層積層フィルムの厚みA層/B層=18/47μmとした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸2層積層フィルムを作製した。
【0068】
得られた二軸延伸2層積層フィルムと実施例1で用いた厚み50μmの二軸延伸PPSフィルムを実施例1と同様にして熱ラミネートを行い、厚み115μmの3層積層フィルムを得た。得られた3層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
【0069】
(実施例3)
実施例1のA/B2層積層フィルム厚みをA層/B層=32/68μmとした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸2層積層フィルムを作製し、また、実施例1において二軸延伸PPSフィルム厚みを100μmとする以外は、実施例1と同様にして二軸延伸PPSフィルムを作製した。
【0070】
得られた二軸延伸2層積層フィルムと二軸延伸PPSフィルムを実施例1と同様にして熱ラミネートを行い、厚み200μmの3層積層フィルムを得た。得られた3層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
【0071】
(実施例4)
実施例1の共重合PPS樹脂において、m−ジクロロベンゼンの仕込みを10モルから5モルに変更した以外は、実施例1と同様にして溶融粘度が2000ポイズであり、融点が267℃の共重合PPS樹脂を作製した。
【0072】
得られた共重合PPS樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法で125μmの3層積層フィルムを作製した。
【0073】
(実施例5)
実施例1のA/B2層積層フィルム厚みをA層/B層=10/65μmとした以外は、実施例1と同様にして3層積層フィルムを作製した。得られた3層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
【0074】
(比較例1)
実施例1で用いたPPS樹脂単体を用い、フィルム厚みを125μmとする以外は実施例1と同様にして二軸延伸PPSフィルムを作製した。
【0075】
この二軸延伸PPSフィルムの評価結果を表1に示す。
【0076】
(比較例2)
実施例1で用いたPPS樹脂単体のみを用いる以外は実施例1と同様にして厚み50μmの未延伸PPSフィルムを作製した。
【0077】
また、比較例1の厚みを38μmとする以外は比較例1と同様にして二軸延伸PPSフィルムを作製した。
【0078】
得られた二軸延伸PPSフィルム、未延伸PPSフィルムを二軸延伸PPSフィルム/未延伸PPSフィルム/二軸延伸PPSフィルムとなるように設置し、実施例1と同様にして熱ラミネートした。得られた厚み125μmの3層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
【0079】
(比較例3)
実施例1において、二軸延伸2層積層フィルムおよび二軸延伸PPSフィルムの延伸倍率を3.9×3.6倍とした以外は、実施例1と同様にして3層積層フィルムを製作した。得られた3層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
【0080】
(比較例4)
実施例1のA/B2層積層フィルム厚みをA層/B層=20/55μmとした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸2層積層フィルムを作製し、また、実施例1の二軸延伸PPSフィルム厚みを100μmとした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸PPSフィルムを作製した。
【0081】
得られた二軸延伸2層積層フィルム2枚と二軸延伸PPSフィルムをA/B/A/Bの5層構成となるように配置し、実施例1で示した熱ラミネート条件で熱ラミネートを行い、厚み250μmの5層積層フィルムを得た。得られた3層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例5)
実施例1のA/B2層積層フィルムの厚みA層/B層=16/34μmとした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸2層積層フィルムを作製した。
【0082】
得られた二軸延伸2層積層フィルムと実施例1で用いた厚み50μmの二軸延伸PPSフィルムを実施例1と同様にして熱ラミネートを行い、厚み100μmの3層積層フィルムを得た。得られた3層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
【0083】
(比較例6)
実施例1のA/B2層積層フィルム厚みをA層/B層=5/70μmとした以外は、実施例1と同様にして3層積層フィルムを作製した。得られた3層積層フィルムの評価結果を表1に示す。
【0084】
(比較例7)
実施例1の共重合PPS樹脂において、m−ジクロロベンゼンの仕込みを3モルに変更した以外は、実施例1と同様にして溶融粘度が2500ポイズであり、融点が273℃の共重合PPS樹脂を作製した。
【0085】
得られた共重合PPS樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法で125μmの3層積層フィルムを作製した。
【0086】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の積層フィルムは、現在自動車メーカーで開発が進んでいるハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車などに使用されるカーエアコンコンプレッサーモータ用相間紙絶縁材として好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアリーレンスルフィドからなる層(A層)と共重合ポリアリーレンスルフィドからなる層(B層)とが積層された積層フィルムであって、該積層フィルムは二軸延伸されてなり、かつ、該積層フィルムの端裂抵抗伸度が70%以上、端裂抵抗強度が700N/20mm以上であることを特徴とする積層フィルム。
【請求項2】
該積層フィルムの厚みが115μm〜200μmであることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項3】
二軸延伸ポリアリーレンスルフィドフィルム(A層)を構成するポリアリーレンスルフィドの融点Tma、二軸延伸共重合ポリアリーレンスルフィドフィルム(B層)を構成する共重合ポリアリーレンスルフィドの融点Tmbの差(Tma−Tmb)が15℃以上であることを特徴する請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項4】
共重合ポリアリーレンスルフィドが、ポリ−m−フェニレンスルフィド単位を5モル%以上20モル%以下で共重合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
【請求項5】
揉み試験によるフィルム破断までの揉み回数が50回以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の積層フィルムの片面または両面に、更に前記A層およびB層以外の層が積層されている積層フィルム。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の積層フィルムを用いた相間絶縁材。

【公開番号】特開2011−213109(P2011−213109A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56112(P2011−56112)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】