説明

RFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムおよびその方法

【課題】救援活動に利用することが可能なRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムおよびその方法を提供する。
【解決手段】RFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムは、RFID感知素子40に対応した識別コードを有する制御プログラムを含む制御ユニット100と、制御ユニット100と電気的に接続された無線/衛星通信装置200と、制御ユニット100と電気的に接続され、RFID感知素子40の識別信号を取得して、制御ユニット100と、識別コードとを比較するRFID装置300と、制御ユニット100と電気的に接続され、制御ユニット100により制御されてアラームを発する警報装置20と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末の盗難防止および救援のシステムおよびその方法に関し、特に、RFID、GPSおよび携帯通信技術の機能が整合された移動通信端末の盗難防止および救援のシステムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの移動通信端末は、科学技術の進歩に伴い、広く普及している。しかし、携帯電話が軽量で薄型になるに従い、ユーザが携帯電話を不用意に紛失して盗用される危険性も同時に高くなったが、携帯電話を紛失してしまう危険性を低減させる方法は現在のところなかった。
【0003】
一方、携帯電話は社会のすみずみで広く使用されており、ユーザに急難状況が発生して助けが必要となったときに、救援者に対して救難者に関するGPS測位情報を有効に提供して救助活動を行う方法は無かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、GPS測位機能を含む救援機能によりユーザが救援モードを起動すると、移動通信端末を介してGPS測位情報を含む救援信号を救援者へ発信し、救援活動に利用することが可能なRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムおよびその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) RFID感知素子およびもう一つの移動通信端末と組合せて使用するRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムであって、前記RFID感知素子に対応した識別コードを有する制御プログラムを含む制御ユニットと、前記もう一つの移動通信端末との携帯通信ルートを構築する携帯通信モジュールと、GPS信号を受信し、該GPS信号を前記移動通信端末の現在位置に関する経緯度データに変換し、該経緯度データを前記制御ユニットへ伝送して保存するGPSモジュールと、を含み、前記制御ユニットと電気的に接続された無線/衛星通信装置と、前記制御ユニットと電気的に接続され、前記RFID感知素子の識別信号を取得して、前記制御ユニットと、前記識別コードとを比較するRFID装置と、前記制御ユニットと電気的に接続され、前記制御ユニットにより制御されてアラームを発する警報装置と、を備えることを特徴とするRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムを提供する。
【0006】
(2) 前記制御ユニットと電気的に接続されたバックアップ電源装置をさらに備えることを特徴とする(1)に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムを提供する。
【0007】
(3) 前記無線/衛星通信装置は、無線/衛星通信アンテナを有し、前記RFID装置は、RFIDアンテナを有することを特徴とする(2)に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムを提供する。
【0008】
(4) 前記警報装置は、スピーカおよび振動モータを含むことを特徴とする(3)に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムを提供する。
【0009】
(5) 前記もう一つの移動通信端末は、携帯電子機器であり、前記携帯電子機器は、携帯電話、スマートフォンおよびノートブック型コンピュータのうちの1つを含むことを特徴とする(4)に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムを提供する。
【0010】
(6) 前記携帯通信モジュールと、前記もう一つの移動通信端末との間では、移動通信プロトコルにより通信を行い、前記移動通信プロトコルは、GSM、GPRS、3GまたはHSDPAであることを特徴とする(5)に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムを提供する。
【0011】
(7) (a)自動的に盗難防止モードおよび救援モードに入ることが可能な移動通信端末の盗難防止および救援のシステムを準備するステップと、(b)(b1)RFID装置により発信されたサーチ信号により、周辺のRFID感知素子のRFID信号をサーチするとともに、制御ユニットの識別コードと比較し、その比較結果が合致した場合、前記RFID感知素子を有するユーザが合法的に使用していると判断し、前記RFID感知素子を追跡するRFID感知素子として設定し、自動的に前記盗難防止モードに入り、比較結果が合致しないと判断した場合、追跡を行わずに前記サーチ信号を定期的に発信し続けてサーチを繰り返すステップと、(b2)無線/衛星通信装置を介してGPS信号を随時受信することにより、前記移動通信端末の現在位置に関する経緯度情報を知ることが可能な移動通信端末のGPS測位を行うステップと、(b3)前記RFID装置により、前記追跡するRFID感知素子が有効感知範囲内にあるか否かを監視し、前記追跡するRFID感知素子が前記有効感知範囲から離れると、前記移動通信端末の盗難防止および救援のシステムの前記制御ユニットは、警報装置へトリガ信号を発信し、前記警報装置が前記制御ユニットにより発せられる前記トリガ信号を受信するとアラームを発するステップと、(b4)前記アラームを発すると同時に、前記移動通信端末の盗難防止および救援のシステムは、異常状況信号およびGPS測位情報をもう一つの移動通信端末へ送信し、前記移動通信端末の盗難防止および救援のシステムが設けられた前記移動通信端末を測位追跡して探し出すために利用し、前記移動通信端末の通信機能を中断させて窃取使用を防止するステップと、(b5)前記移動通信端末の盗難防止および救援のシステムは、盗難防止モード解除信号を受信したか否かを判断し、前記盗難防止モード解除信号を受信したときに、前記盗難防止モードを解除し、前記移動通信端末の通信機能を回復させ、前記盗難防止モードを解除する信号を受信しないときに、前記もう一つの移動通信端末へ前記異常状況信号を発信し続けるステップと、を含む前記移動通信端末の盗難防止および救援のシステムが前記盗難防止モードに入るステップと、(c)(c1)前記制御ユニットは、前記ユーザの操作により発信された救援信号を受信すると前記救援モードに入り、前記移動通信端末の盗難防止および救援のシステムにより前記もう一つの移動通信端末に急難状況信号が送信されるステップと、(c2)救援モード解除信号を受信したか否かを判断し、前記救援モード解除信号が受信されたときに前記救援モードを解除し、前記救援モード解除信号が受信されないときに救援者の前記移動通信端末に前記急難状況信号が送信され続けるステップと、を含む前記移動通信端末の盗難防止および救援のシステムが前記救援モードに入るステップと、を含むことを特徴とするRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援の方法を提供する。
【0012】
(8) ステップ(b1)で行う比較は、組合せて使用する前記RFID感知素子の前記RFID信号と、前記制御ユニット中の制御プログラムの識別コードとを比較するステップであることを特徴とする(7)に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援の方法を提供する。
【0013】
(9) 前記警報装置により前記アラームが発せられたときに、前記ユーザが前記警報装置を解除すると、前記警報装置が前記盗難防止モードに維持され続けることを特徴とする(8)に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援の方法を提供する。
【0014】
(10) 前記異常状況信号は、電子メールまたはショートメッセージサービスであり、前記移動通信端末の現在位置に関する経緯度情報および異常状況に関する情報を含み、前記急難状況信号は、電子メールまたはショートメッセージサービスであり、前記移動通信端末の現在位置に関する経緯度情報および急難状況に関する情報を含み、前記急難状況に関する情報は、強奪情報、誘拐情報および自動車事故情報のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする(9)に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援の方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムおよびその方法は、以下の効果を有する。
(1)管理センタを介さず、直接に無線/衛星通信装置からユーザへ異常状況信号を発信するため、ユーザは迅速に対応することができるだけでなく、管理センタにかかるサービス費用を節約することもできる。
(2)完全な盗難防止機能を有し、RFID装置を介して簡便かつ有効にユーザの身分を識別することができる。
(3)本システムにはバックアップ電源装置が装着されているため、窃盗者が移動通信端末の電源を破壊したり除去したりしても、バックアップ電源装置を用いて電力を提供することができるため、盗難防止機能を維持する停電保護機能を得ることができる。
(4)GPS測位機能を含む救援機能は、ユーザが救援モードを起動すると、移動通信端末を介してGPS測位情報を含む救援信号を救援者へ発信し、救援活動に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(第1実施形態)
図1を参照する。図1は、本発明の好適な一実施形態によるRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムを示す模式図である。本体10中には、RFIDを有する移動通信端末を追跡するシステムが設けられ、他の移動通信端末30、RFID感知素子40および人工衛星50と組合せて使用する。
【0018】
RFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムは、制御ユニット100、無線/衛星通信装置200、RFID装置300および警報装置20を含む。無線/衛星通信装置200、RFID装置300および警報装置20は、制御ユニット100と電気的に接続されている。無線/衛星通信装置200は、無線/衛星通信アンテナ201を有し、RFID装置300は、RFIDアンテナ301を有する。
【0019】
本発明の他の実施形態によるRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムは、制御ユニット100と電気的に接続されたバックアップ電源装置500をさらに含む。制御ユニット100に接続された外部電源(本実施形態では携帯電話のバッテリー)が除去されたときに、バックアップ電源装置500を制御ユニット100の電力源として用い、動作を正常に維持することができる。本実施形態において、バックアップ電源装置500は、ボタン型リチウム電池やボタン型アルカリ電池などでもよい。
【0020】
無線/衛星通信装置200は、無線/衛星通信アンテナ201を介して移動通信端末30と、制御ユニット100との通信を行う。無線/衛星通信装置200は、携帯通信モジュールおよびGPSモジュールを含む。
【0021】
携帯通信モジュールは、移動通信端末30との携帯通信ルートを構築し、携帯通信モジュールを介してモデムと電気的に接続されている。このモデムを利用し、携帯通信モジュールは、無線/衛星通信アンテナ201で受信した移動通信端末30の信号に対して復調(demodulation)を行い、移動通信端末30に送信する信号に対して変調(modulation)を行う。
【0022】
本実施形態において、移動通信端末30は、携帯電話、スマートフォン(例えば、パーソナルデジタルアシスタント)、ノートブック型コンピュータなどの携帯電子機器でもよい。携帯通信モジュールは、GSM(Global System for Mobile communications;2G)、GPRS(General Packet Radio Service;2.5G)、第3世代移動通信(3G)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access;3.5G)などの移動通信プロトコルを利用し、移動通信端末30との通信を行う。
【0023】
GPSモジュールは、無線/衛星通信アンテナ201を介して人工衛星50が発生させるGPS信号を随時受信し、このGPS信号を車両の現在位置に関する経緯度データへ変換し、その経緯度データを制御ユニット100へ伝送して保存する。
【0024】
RFID装置300は、RFIDアンテナ301を介し、RFID感知素子40と制御ユニット100との通信を行う。RFID感知素子40は、電池の有無により受動型および能動型の2種類に分けられる。本実施形態では、受動型のRFIDタグを例に説明する。
【0025】
本実施形態では、RFID装置300は、RFIDアンテナ301を介し、RFID感知素子40と制御ユニット100との通信を行う。RFID感知素子40は、電池の有無により受動型および能動型の2種類に分けられる。本実施形態では、受動型のRFIDタグ(RFID tag)を例に説明する。
【0026】
RFID装置300は、サーチ信号を定期的に発信し、周辺に存在する可能性のあるRFID感知素子40のRFID信号をサーチし、制御ユニット100へ伝送する。制御ユニット100は、サーチしたRFID感知素子40のRFID信号と、制御ユニット100中の制御プログラムの識別コードとを比較する。そして、比較した結果、合致したときにRFID感知素子40が追跡する必要のある目標物であると判断し、自動的に盗難防止モードに入る。合致しない場合は、追跡を行わずにサーチ信号を定期的に発送し、捜索を繰り返す。
【0027】
盗難防止モードへ自動的に入った後、追跡するRFID感知素子が有効感知範囲を離れると、システムは、追跡するRFID感知素子40のRFID信号を正確に受信することができなくなる。この時、制御ユニット100は、警報装置20へトリガ信号を発する。警報装置20は、制御ユニット100が発したトリガ信号を受信すると、アラームを発する。本実施形態において、アラームは、スピーカ(例えば、携帯電話に内蔵されたスピーカ)から発する音声または振動モータにより発生する振動を含み、有効感知範囲は、半径約1メートルである。
【0028】
警報装置20は、手動取消し機能を有し、ユーザは、警報を発生し続けることを選択したり、手動により警報の発生を取消したりしてもよい。制御ユニット100の警報が取消された場合は、盗難防止モードへの自動進入が維持され続ける。
【0029】
警報装置20が作動すると、アラームが発せられると同時に、GPS測位情報を含む異常状況信号が、システムからユーザが設定したもう一つの移動通信端末30へ送信され、盗難防止および救援システムが設けられた移動通信端末を定位追跡して探し出すことができる。また、移動通信端末30を介して本システムが設けられた移動通信端末にシャットダウンメッセージを送出し、本システムが設けられた移動通信端末の通信機能を中断させ(従って、移動通信端末がシャットダウン状態となる)、本システムが設けられた移動通信端末を窃取者が使用し続けることを防ぐ。
【0030】
このように、本システムが設けられた移動通信端末がシャットダウンされた場合、使用するには再起動させなければならない。起動の際には、一般の移動通信端末が有するSIM(Subscriber Identity Module)カードのPINコード認証機能により、本システムが設けられた移動通信端末が窃取者により盗まれて不法に使用されることを有効に防いでもよい。
【0031】
制御ユニット100は、ユーザの操作により救援信号が発信され、救援モードに入る。この際、制御ユニット100は、無線/衛星通信装置200を制御し、無線/衛星通信アンテナ201によりこの救援の急難状況信号を発信し(例えば、ユーザが救援モードを解除しないなど)、ユーザが予め設定した制御ユニット100の救援者に対して急難状況信号を発信し続けて、救援作業に利用する。
【0032】
図2を参照する。図2は、RFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムおよびその方法を示す流れ図である。RFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムおよびその方法は、移動通信端末の盗難防止および救援のシステムが選択的に盗難防止または救援モードに入る移動通信端末の盗難防止および救援のシステムを準備するステップ(600)と、移動通信端末の盗難防止および救援のシステムが盗難防止モードに入るステップ(610)と、移動通信端末の盗難防止および救援のシステムが救援モードに入るステップ(620)とを含む。
【0033】
盗難防止モードへ入るステップ(610)は、移動通信端末のGPS測位を行うステップ(611)と、RFIDが成功したか否かを判断するステップ(612)と、RFIDが成功しないときに異常状況信号を発信し、移動通信端末の通信機能を中断させるステップ(613)と、移動通信端末がシャットダウンされると、盗難防止モードを解除するか否かを判断し続けるステップ(614)と、盗難防止を解除する条件に合致したときに、盗難防止モードを解除するステップ(615)と、を含む。以下、上述のステップをより詳細に説明する。
【0034】
図1および図2を同時に参照する。盗難防止モードが起動されると、移動通信端末のGPS測位を行い、無線/衛星通信装置200を介してGPS信号を随時受信することにより、本システムが設けられた移動通信端末の現在位置に関する経緯度情報を知ることができる。
【0035】
制御ユニット100は、探し出したRFID感知素子40のRFID信号と、制御ユニット100中の制御プログラムの識別コードとを比較する。そして比較結果が合致した場合、RFID感知素子40に必要な追跡目標と判断し、自動追跡盗難防止モードに入る。比較結果が合致しないときは、追跡を行わずに、サーチ信号を定期的に発信し続けてサーチを繰り返す。
【0036】
システムが自動追跡盗難防止モードに入ると、RFID装置300を介して定期的に追跡するRFID感知素子40が有効感知範囲内にあるか否かを監視し、追跡するRFID感知素子40が有効感知範囲から離れた場合、移動通信端末の盗難防止および救援のシステムは、追跡するRFID感知素子40の識別コードを正確に受取ることができなくなる。この時、制御ユニット100は、警報装置20へトリガ信号を発信する。警報装置20は、制御ユニット100が発したトリガ信号を受信すると、アラームを発する。
【0037】
ユーザが移動通信端末を不用意に紛失したり、どこかに置き忘れて有効感知範囲から所定値だけ離れてRFID感知素子が有効に感知されなくなると、警報装置20がアラームを発し、移動通信端末を紛失したか置き忘れられたことをユーザに警告する。本実施形態において、このアラームは、スピーカから発せられた音声であるか、振動モータによる振動であり、感知距離の所定値は1メートルである。
【0038】
ユーザは、追跡して移動通信端末を探し出した後、手動によりアラームをシャットダウンし、移動通信端末盗難防止および救援のシステムは、再び移動通信端末の追跡盗難防止モードへ自動的に入る。
【0039】
警報装置20が作動すると、アラームが同時に発せられる同時に、システムによりGPS測位情報を含む異常状況信号を、ユーザが設定したもう一つの移動通信端末30へ発信し、盗難防止および救援システムが設けられた移動通信端末の位置を測位追跡して探し出し、移動通信端末の通信機能を中断し(すなわち、移動通信端末をシャットダウンする)、窃取使用されることを防ぐ。
【0040】
システムは、依然としてRFID装置300を介して正確なRFID感知素子40を有するユーザの身分を識別する。識別が成功した場合、盗難防止モードを解除し、そうでない場合はユーザが設定したもう一つの移動通信端末30へ異常状況信号を発信し続ける。また制御ユニット100も盗難防止解除信号を受信したか否かを判断し、盗難防止解除信号を受信した場合、盗難防止モードを解除し、移動通信端末が電源供給を回復した場合に、ユーザのもう一つの移動通信端末30へ異常状況信号を発信し続ける。
【0041】
救援モードへの進入が選択されると(ステップ620)、制御ユニット100は、ユーザの操作により発信された救援信号を受信するステップ(621)と、救援者に急難状況信号を発信するステップ(622)と、救援モードを解除するか否かを判断するステップ(623)と、救援モードを解除すると判断した場合に救援モードを解除するステップ(624)と、を含む。以下、上述のステップをさらに詳細に説明する。
【0042】
ユーザが操作して発信した救援信号を受信すると、制御ユニット100は、救援モードを起動させる。移動通信端末の盗難防止および救援のシステムが、救援信号を受信すると、救援者へ急難状況信号を送信する。救援モード解除信号がユーザにより発信されると、救援モードが解除され、急難状況信号が救援者に発信され続ける。
【0043】
図1および図2を同時に参照する。図1および図2に示すように、本発明の好適な一実施形態によるRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムが盗難防止モードに入ると、無線/衛星通信装置200は、無線/衛星通信アンテナ201によりGPS信号を随時受信し、移動通信端末の現在位置に関する経緯度情報に変換し、その経緯度情報を制御ユニット100へ伝送して保存する。RFID装置300を介して定期的にRFIDアンテナ301からサーチ信号を発信し、制御ユニット100中に保存した識別コードに合致するRFID感知素子40が周囲にあるか否かをサーチする。
【0044】
制御ユニット100が識別コードに合致したRFID感知素子40を正確に識別できない場合、制御ユニット100は、無線/衛星通信装置200を介して無線/衛星通信アンテナ201からもう一つの移動通信端末30へ異常状況信号を送信する。この時、ユーザは、もう一つの移動通信端末30に表示された情報に基づいて迅速に対応することができる。
【0045】
例えば、ユーザは移動通信端末が窃取された可能性があることを知った場合、もう一つの移動通信端末30が受信したGPS測位情報を含む異常状況信号に基づいて、窃取された移動通信端末の現在位置を有効に知るためにサーチを行ってもよい。
【0046】
本実施形態において、異常状況信号は、電子メール(E−mail)またはショートメッセージサービス(Short Message Service:SMS)でもよい。この異常状況信号は、移動通信端末の現在位置に関する経緯度情報および異常状況に関する情報を含む。
【0047】
本発明の好適な一実施形態において、RFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムが救援モードである場合、ユーザは、本システムが設けられた移動通信端末が各種急難状況に遭遇した際(例えば、強奪、誘拐、自動車事故など)、ユーザの操作により制御ユニット100から救援信号を発信して無線/衛星通信装置200を制御し、無線/衛星通信アンテナ201を介してこの救援の急難状況信号を発信し、ユーザが救援モードを解除しない場合、急難状況信号をユーザが予め設定した制御ユニット100の救援者へ発信し続け、救援活動に利用する。
【0048】
本実施形態において、急難状況信号は、電子メールまたはショートメッセージサービスでもよい。急難状況信号は、移動通信端末の現在位置に関する経緯度情報および急難状況に関する情報を含む。この急難状況に関する情報は、強奪情報、誘拐情報および自動車事故情報を含む。
【0049】
例えば、救援者が急難状況信号を受信した後、各種電子地図の表示機能を備える装置やインターネットに接続された装置を介し、急難状況信号が提供する情報に基づいて、車両の現在位置の電子地図情報または衛星写真地図情報を調べ、救援作業に利用してもよい。
【0050】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の好適な一実施形態によるRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムを示す模式図である。
【図2】本発明の好適な一実施形態によるRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援の方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
10 本体
20 警報装置
30 移動通信端末
40 RFID感知素子
50 人工衛星
100 制御ユニット
200 無線/衛星通信装置
201 無線/衛星通信アンテナ
300 RFID装置
301 RFIDアンテナ
500 バックアップ電源装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFID感知素子およびもう一つの移動通信端末と組合せて使用するRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステムであって、
前記RFID感知素子に対応した識別コードを有する制御プログラムを含む制御ユニットと、
前記もう一つの移動通信端末との携帯通信ルートを構築する携帯通信モジュールと、GPS信号を受信し、該GPS信号を前記移動通信端末の現在位置に関する経緯度データに変換し、該経緯度データを前記制御ユニットへ伝送して保存するGPSモジュールと、を含み、前記制御ユニットと電気的に接続された無線/衛星通信装置と、
前記制御ユニットと電気的に接続され、前記RFID感知素子の識別信号を取得して、前記制御ユニットと、前記識別コードとを比較するRFID装置と、
前記制御ユニットと電気的に接続され、前記制御ユニットにより制御されてアラームを発する警報装置と、を備えることを特徴とするRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステム。
【請求項2】
前記制御ユニットと電気的に接続されたバックアップ電源装置をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステム。
【請求項3】
前記無線/衛星通信装置は、無線/衛星通信アンテナを有し、
前記RFID装置は、RFIDアンテナを有することを特徴とする請求項2に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステム。
【請求項4】
前記警報装置は、スピーカおよび振動モータを含むことを特徴とする請求項3に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステム。
【請求項5】
前記もう一つの移動通信端末は、携帯電子機器であり、
前記携帯電子機器は、携帯電話、スマートフォンおよびノートブック型コンピュータのうちの1つを含むことを特徴とする請求項4に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステム。
【請求項6】
前記携帯通信モジュールと、前記もう一つの移動通信端末との間では、移動通信プロトコルにより通信を行い、
前記移動通信プロトコルは、GSM、GPRS、3GまたはHSDPAであることを特徴とする請求項5に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援のシステム。
【請求項7】
(a)自動的に盗難防止モードおよび救援モードに入ることが可能な移動通信端末の盗難防止および救援のシステムを準備するステップと、
(b)(b1)RFID装置により発信されたサーチ信号により、周辺のRFID感知素子のRFID信号をサーチするとともに、制御ユニットの識別コードと比較し、その比較結果が合致した場合、前記RFID感知素子を有するユーザが合法的に使用していると判断し、前記RFID感知素子を追跡するRFID感知素子として設定し、自動的に前記盗難防止モードに入り、比較結果が合致しないと判断した場合、追跡を行わずに前記サーチ信号を定期的に発信し続けてサーチを繰り返すステップと、(b2)無線/衛星通信装置を介してGPS信号を随時受信することにより、前記移動通信端末の現在位置に関する経緯度情報を知ることが可能な移動通信端末のGPS測位を行うステップと、(b3)前記RFID装置により、前記追跡するRFID感知素子が有効感知範囲内にあるか否かを監視し、前記追跡するRFID感知素子が前記有効感知範囲から離れると、前記移動通信端末の盗難防止および救援のシステムの前記制御ユニットは、警報装置へトリガ信号を発信し、前記警報装置が前記制御ユニットにより発せられる前記トリガ信号を受信するとアラームを発するステップと、(b4)前記アラームを発すると同時に、前記移動通信端末の盗難防止および救援のシステムは、異常状況信号およびGPS測位情報をもう一つの移動通信端末へ送信し、前記移動通信端末の盗難防止および救援のシステムが設けられた前記移動通信端末を測位追跡して探し出すために利用し、前記移動通信端末の通信機能を中断させて窃取使用を防止するステップと、(b5)前記移動通信端末の盗難防止および救援のシステムは、盗難防止モード解除信号を受信したか否かを判断し、前記盗難防止モード解除信号を受信したときに、前記盗難防止モードを解除し、前記移動通信端末の通信機能を回復させ、前記盗難防止モードを解除する信号を受信しないときに、前記もう一つの移動通信端末へ前記異常状況信号を発信し続けるステップと、を含む前記移動通信端末の盗難防止および救援のシステムが前記盗難防止モードに入るステップと、
(c)(c1)前記制御ユニットは、前記ユーザの操作により発信された救援信号を受信すると前記救援モードに入り、前記移動通信端末の盗難防止および救援のシステムにより前記もう一つの移動通信端末に急難状況信号が送信されるステップと、(c2)救援モード解除信号を受信したか否かを判断し、前記救援モード解除信号が受信されたときに前記救援モードを解除し、前記救援モード解除信号が受信されないときに救援者の前記移動通信端末に前記急難状況信号が送信され続けるステップと、を含む前記移動通信端末の盗難防止および救援のシステムが前記救援モードに入るステップと、を含むことを特徴とするRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援の方法。
【請求項8】
ステップ(b1)で行う比較は、
組合せて使用する前記RFID感知素子の前記RFID信号と、前記制御ユニット中の制御プログラムの識別コードとを比較するステップであることを特徴とする請求項7に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援の方法。
【請求項9】
前記警報装置により前記アラームが発せられたときに、前記ユーザが前記警報装置を解除すると、前記警報装置が前記盗難防止モードに維持され続けることを特徴とする請求項8に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援の方法。
【請求項10】
前記異常状況信号は、電子メールまたはショートメッセージサービスであり、前記移動通信端末の現在位置に関する経緯度情報および異常状況に関する情報を含み、
前記急難状況信号は、電子メールまたはショートメッセージサービスであり、前記移動通信端末の現在位置に関する経緯度情報および急難状況に関する情報を含み、
前記急難状況に関する情報は、強奪情報、誘拐情報および自動車事故情報のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項9に記載のRFIDを有する移動通信端末の盗難防止および救援の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−177779(P2009−177779A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−211568(P2008−211568)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(507364573)大葉大學 (2)
【Fターム(参考)】