説明

VoIP電話システム、VoIP電話装置及びサーバ

【課題】 複数の画像を発呼者側で選択して利用することができ、汎用性を向上することができるVoIP電話システムを提供する。
【解決手段】 指定信号と対応付けられた発呼者画像ファイル名を複数記憶する第1のサーバ41と、該サーバ41に接続され前記発呼者画像情報の一つを指定する操作部を有し発呼時の前記操作部の操作に応じた前記指定信号を前記サーバ41に送信する発呼側のVoIP電話装置11と、前記発呼者画像ファイル名と対応付けられた発呼者画像を複数記憶する第2のサーバ41と、被呼側のVoIP電話装置51とを備え、前記第1のサーバ41は前記発呼側のVoIP電話装置11から受信した指定信号に対応する発呼者画像ファイル名を前記被呼側のVoIP電話装置51へ送信し、前記被呼側のVoIP電話装置51は受信した前記発呼者画像ファイル名に対応する画像を前記第2のサーバ41よりダウンロードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話端末を管理し所定の画像を記憶するメモリを有するサーバと接続されるVoIP(Voice over Internet Protocol)電話装置及びそのVoIP電話装置を備えたVoIP電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及やISDN回線の普及に伴い、発信者側の画像を受信者側の表示画面に表示したり、リアルタイムの画像を表示画面に表示したりする電話装置及びその電話装置を備えた電話システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、上述したインターネットを利用した電話システムとしては、インターネット・プロトコル(Internet Protocol=IP)ネットワークを利用して音声信号を送る技術であるVoIPを用いて電話通信を可能としたVoIP電話システムがある。
【0004】
このVoIP電話システムは、例えば、一般のLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)用の規格であるITU‐T勧告H.323を用いて構成される。
【0005】
通常のアナログ電話システムにおいては、発信者と受信者との間に交換機が介在され、両者間の通話は交換機によって制御される。
【0006】
これに対し、VoIP電話システムでは、発信者と受信者の電話システム端末によって制御される。従って、両者間に介在されるサーバは、両者間の識別や信号中継を司るものであって、アナログ電話システムにおける交換機のような通話制御は行わないのが基本である。
【0007】
一方、VoIP電話システムでは、アナログ電話システムと同様の機能を備えるように考慮されており、発信者との通話を保留したうえで受信者からネットワーク上の他のVoIP電話端末を呼び出し、その通話の転送を可能としている。
【0008】
また、上述したISDN回線は、同時に2つの回線を利用することができ、一方の回線は音声用、他方の回線は画像用として利用することにより所謂TV電話を実現するものである。
【0009】
また、これらの画像配信には、携帯電話の普及に伴い、携帯電話に付属のカメラから撮影した画像を利用したTV電話システムも周知である。
【特許文献1】特開2005−39540号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上述した画像配信が可能な電話装置にあっては、何れの場合においても使用者側から配信される画像は1種類又は撮影カメラで撮影されたリアルタイム画像である。
【0011】
一方、電話装置の使用形態としては、使用者が基本的に所有者本人に特定される携帯電話や一人住い宅に設置の電話装置の場合、使用者が複数人で共用する家庭用(家族用)の電話装置の場合、会社等に設置されて部署毎等で複数人が共用する会社用の電話装置の場合などがある。
【0012】
したがって、リアルタイムで撮影された画像を配信するTV電話の場合を除き、例えば、複数人で共用する電話装置を利用して発呼者側から誰からの発呼であるかを着呼者側で認識させたい場合に、一つの画像しか利用することができないとなるとその利用者が特定されてしまったり、会社のロゴマークを発信するといった限られた画像利用形態しかなく、汎用性が乏しいという問題が生じていた。
【0013】
尚、複数の画像を使い分ける例としては、上述した1台の電話装置を複数人で共用するといった利用形態に限定されず、例えば、1台の電話装置を基本的に一人で利用していても、友人用・家族用・仕事用といったように、複数の画像を使い分けたいといった利用形態も考え得る。
【0014】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、複数の画像を発呼者側で選択して利用することができ、汎用性を向上することができるVoIP電話装置及びVoIP電話装置を利用したVoIP電話システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1に記載の発明は、指定信号と対応付けられた発呼者画像情報を複数記憶するメモリを有するサーバと、該サーバに接続され前記発呼者画像情報の一つを指定する操作部を有し発呼時の前記操作部の操作に応じた前記指定信号を前記サーバに送信するVoIP電話装置とを備え、前記サーバは前記VoIP電話装置から受信した指定信号に対応する発呼者画像情報を前記メモリから呼び出して被呼側の電話装置へ送信することを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の発明は、操作部は複数の指定スイッチを有し、前記VoIP電話装置は前記夫々の指定スイッチに対応した指定信号を前記サーバに送信することを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明は、操作部は管理番号を入力するキーを有し、前記VoIP電話装置は前記管理番号に対応した指定信号を前記サーバに送信することを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明は、VoIP電話装置は短縮ダイヤルの機能を有し、短縮ダイヤル番号に対応した指定信号を前記サーバに送信することを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明は、指定信号と対応付けられた発呼者画像ファイル名を複数記憶する第1のサーバと、該サーバに接続され前記発呼者画像情報の一つを指定する操作部を有し発呼時の前記操作部の操作に応じた前記指定信号を前記サーバに送信する発呼側のVoIP電話装置と、前記発呼者画像ファイル名と対応付けられた発呼者画像を複数記憶する第2のサーバと、被呼側のVoIP電話装置とを備え、前記第1のサーバは前記発呼側のVoIP電話装置から受信した指定信号に対応する発呼者画像ファイル名を前記被呼側のVoIP電話装置へ送信し、前記被呼側のVoIP電話装置は受信した前記発呼者画像ファイル名に対応する画像を前記第2のサーバよりダウンロードすることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明は、被呼者番号と対応付けられた発呼者画像情報を複数記憶するメモリを有するサーバと、該サーバに接続されたVoIP電話装置とを備え、前記サーバは前記VoIP電話装置から受信した被呼者番号に対応する発呼者画像情報を前記メモリから呼び出して被呼側の電話装置へ送信することを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明は、指定信号と対応付けられた発呼者画像情報を複数記憶するメモリを有しVoIP電話装置から受信した指定信号に対応する発呼者画像情報を前記メモリから呼び出して被呼側の電話装置へ送信するサーバに接続され、前記発呼者画像情報の一つを指定する操作部を有し、発呼時の前記操作部の操作に応じた前記指定信号を前記サーバに送信することを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の発明は、操作部は複数の指定スイッチを有し、前記夫々の指定スイッチに対応した指定信号を前記サーバに送信することを特徴とする。
【0023】
請求項9に記載の発明は、操作部は管理番号を入力するキーを有し、前記管理番号に対応した指定信号を前記サーバに送信することを特徴とする。
【0024】
請求項10に記載の発明は、短縮ダイヤルの機能を有し、短縮ダイヤル番号に対応した指定信号を前記サーバに送信することを特徴とする。
【0025】
請求項11に記載の発明は、被呼者番号と対応付けられた発呼者画像情報を複数記憶するメモリを有し、発呼時に前記被呼者番号を送信するVoIP電話装置が接続されたサーバであって、
前記VoIP電話装置から受信した被呼者番号に対応する発呼者画像情報を前記メモリから呼び出して被呼側の電話装置へ送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載の発明によれば、発呼側のVoIP電話装置によって発呼者画像情報の一つを指定する操作が発呼時に行われた際には、その指定された画像情報がサーバのメモリから呼び出されて発信信号と共に発信されることにより、複数人で1台のVoIP電話装置を使用する場合においてもその使用者を指定した上で画像を送信することができ、1人で1台のVoIP電話装置を使用する際に使用者に応じた画像を送信することができ、汎用性を向上することができる。
【0027】
請求項2に記載の発明によれば、操作部は複数の指定スイッチを有し、夫々の指定スイッチに対応した画像情報が送信されることにより、操作性が向上する。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、操作部は管理番号を入力するキーを有し、管理番号に対応した画像情報が送信されることにより、操作部にテンキーを兼用することができる。
【0029】
請求項4に記載の発明によれば、短縮ダイヤル番号に対応した画像情報が送信されることにより、短縮ダイヤル操作を兼用することができる。
【0030】
請求項5に記載の発明によれば、発呼側のVoIP電話装置が画像指定信号を第1のサーバに送信し、これを受信した第1のサーバは画像指定信号に対応する画像ファイル名を被呼側のVoIP電話装置に送信し、これを受信した被呼側の電話装置は画像ファイル名に対応する画像を第2のサーバより取り込んで表示することにより、複数人で1台のVoIP電話装置を使用する場合においてもその使用者を指定した上で画像を送信することができ、1人で1台のVoIP電話装置を使用する際に使用者に応じた画像を送信することができ、汎用性を向上することができる。
【0031】
請求項6に記載の発明によれば、サーバは被呼者番号と対応付けられた発呼者画像情報を複数記憶するメモリを有し、VoIP電話装置から受信した被呼者番号に対応する発呼者画像情報を前記メモリから呼び出して被呼側の電話装置へ送信することにより、ダイヤル発信操作を兼用することができる。
【0032】
請求項7に記載の発明によれば、VoIP電話装置は、サーバに記憶される発呼者画像情報の一つを指定する操作部を有し、発呼時の前記操作部の操作に応じた前記指定信号を前記サーバに送信することにより、複数人で1台のVoIP電話装置を使用する場合においてもその使用者を指定した上で画像を送信することができ、1人で1台のVoIP電話装置を使用する際に使用者に応じた画像を送信することができ、汎用性を向上することができる。
【0033】
請求項8に記載の発明によれば、操作部は複数の指定スイッチを有し、夫々の指定スイッチに対応した画像情報が送信されることにより、操作性が向上する。
【0034】
請求項9に記載の発明によれば、操作部は管理番号を入力するキーを有し、管理番号に対応した画像情報が送信されることにより、操作部にテンキーを兼用することができる。
【0035】
請求項10に記載の発明によれば、短縮ダイヤル番号に対応した画像情報が送信されることにより、短縮ダイヤル操作を兼用することができる。
【0036】
請求項11に記載の発明によれば、サーバは被呼者番号と対応付けられた発呼者画像情報を複数記憶するメモリを有し、VoIP電話装置から受信した被呼者番号に対応する発呼者画像情報を前記メモリから呼び出して被呼側の電話装置へ送信することにより、複数人で1台のVoIP電話装置を使用する場合においてもその使用者を指定した上で画像を送信することができ、1人で1台のVoIP電話装置を使用する際に使用者に応じた画像を送信することができ、汎用性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
次に、本発明の一実施形態に係るVoIP電話装置及びこれを備えたVoIP電話システムについて、図面を参照して説明する。
【0038】
図1は本発明の電話装置を備えたVoIP電話システムのブロック図、図2は本発明のVoIP電話システムの使用例のシーケンスの説明図である。
【0039】
図1において、会社の敷地内に設置されたルータ1がインターネット網2に接続される。このインターネット網2にはIPセントレックスの通信業者が有するセントレックスサーバ(図示せず)がルータ3を介して接続される。
【0040】
このセントレックスサーバは交換機の機能を備えている。例えば、セントレックスサーバは、IPパケットで送信される発呼要求の信号を受信すると、発呼先に応じてインターネット網2に接続されるVoIP電話装置やインターネット網2に接続されるセントレックスゲートウェイ4を介して公衆回線網5の加入者電話装置(通常の電話装置)6に発呼信号を送信する。セントレックスゲートウェイ4は複数配設され、それぞれ市外局番が異なる地域の局に接続されている。セントレックスサーバは最適な経路となるセントレックスゲートウェイ4を選択する。尚、セントレックスサーバは発呼先が警察署(110)や消防署(119)などの特番の場合には接続は拒否する。
【0041】
一方、ルータ1には、LAN(構内)ゲートウェイ10、複数のVoIP電話装置11,21,31,SIPサーバ41が接続されている。また、他のルータ1には、インターネット網2を介して複数のVoIP電話装置11,21,31及びSIPサーバ41と接続可能な他のVoIP電話装置(D)51が接続されている。
【0042】
VoIP電話装置11,21,31は、例えば、VoIP電話装置(A)11に例示するように、テンキーや各種操作キー等の操作スイッチを備えると共に複数の釦スイッチなどからなる発呼者指定スイッチ12aを備えた操作部12と、モニタなどの表示部13と、各種モード状態の記憶や複数の画像を発呼者指定スイッチ12aに対応して記憶したメモリ14と、これらを制御する制御回路15とを備えている。
【0043】
LANゲートウェイ10は会社と同一市外局番である地域内の局に、インターネット網2を介することなく直接接続される。この接続手続きのときの申請書にLANゲートウェイ10が設置される居所が記入され、この居所が地域内の局のデータベース(図示せず)に接続される。
【0044】
LANゲートウェイ10は、地域内の公衆電話網5を介して加入者電話装置6と接続され、音声データとIPパケットの変換を行う。
【0045】
VoIP電話装置(A)11の制御回路15は、メモリ14に書き込まれたプログラムにより各部を制御する。また、メモリ14は制御回路15の動作に必要な情報を記憶する。表示部13は通話や設定などに係る情報を表示する。入力部21は通話や設定などの操作を行う。
【0046】
VoIP電話装置(B)(C)21,31は、上述したVoIP電話装置(A)11と実質的に同一の構成である。
【0047】
SIPサーバ41は、制御回路41aと、この制御回路41aを介して記憶(保存)・呼び出しが可能な複数の画像を記憶可能なメモリ41bとを備えている。そして発呼者指定スイッチ12aが各々の画像に対応付けられている。
【0048】
上記の構成において、電話をかける場合には、発呼者指定スイッチ12aを操作して発呼者を指定した後、操作部12のテンキー又は短縮登録キー等の電話番号入力により相手先入力をすれば、その相手先に発呼者指定スイッチ12aで指定された画像がSIPサーバのメモリ41bからダウンロードされて発信信号と共に発信される。
【0049】
尚、発呼者指定スイッチ12aに変わり、画像に管理番号を付し、テンキーによって入力された管理番号を指定信号としてサーバに送信することにより画像を特定することもできる。また、短縮ダイヤル等の登録を行った場合には、その登録先を使用する相手は、例えば、会社営業であれば担当者等で特定することができ、一つの短縮ダイヤルに対する実質的な登録先使用者は1人である場合が多いため、短縮ダイヤルと指定信号を関連付けして画像を登録しても良い。同様に相手先電話番号で発呼者を特定できるときは、単に相手先電話番号(被呼者番号)に関連付け発呼者の画像を登録してもよい。このときは呼び出すダイヤル番号で画像を指定することになるので、画像を指定するキーの追加や操作の追加が不要となる。
【0050】
次に、その具体的な画像送信例を図2に基づいて説明する。
【0051】
このシーケンスでは、VoIP電話システムの代表的な呼制御プロトコルとしてSIPサーバ41を用いており、以下に示すメゾット(制御機能)とレスポンスコード(応答)とを用いている。また、ここでは、VoIP電話装置(A)11からVoIP電話装置(D)51を呼び出しているものとして説明する。さらに、SIPサーバ41のメモリ41bには、複数の画像が操作部12の指定と所定のファイル名で関連付けして記憶されているものとする。この際、メモリ41bに記憶されているファイル名は、インターネットのURL方式でフォルダに保存されていると共に、インターネット網2を介してダウンロード可能なJPG(写真画像など)やJIF(絵文字など)形式で保存されている。例えば、操作部12の或るキーが操作されたときにSIPサーバ41が“Yamada”の信号を受信するとすれば、予めメモリ41bに“Yamada”に対応して“yamada.jpg”という画像ファイル名とその画像が記憶される。
【0052】
発呼者(UserA)は、発呼者指定スイッチ12aを操作して発呼者を指定(例えば、山田)した後、操作部12のテンキー又は短縮登録キー等の電話番号入力により相手先(UserB)入力をすると、SIPサーバ41に対して“INVITE”のFromに操作部12の指定に対応する発呼者名等が付加された発呼先発信信号が出力される。
【0053】
この際のFromは、例えば、From:“Yamada”<050XXXX1234@example.co.jp>といった具合になる。また、管理番号が20であればFrom:050XXXX1234#20@example.co.jp、短縮番号が7であればFrom:050XXXX1234#7@example.co.jpといった具合になる。
【0054】
SIPサーバ41は、発呼者に対してレスポンスコード407の“Proxy Authe”を発呼者に通知応答する。
【0055】
これにより、“INVITE”メゾットに対する最終応答受信の“ACK”メゾットをSIPサーバ41に送信する。
【0056】
次の発呼者(UserA)からの“INVITE”セッション要求に対し、SIPサーバ41からのレスポンスコード100の“Trying(試行中)”の通知応答を受けて、SIPサーバ41に対して“INVITE”メゾットを着呼者(UserB)に送信する。
【0057】
ここでの“INVITE”メゾットでは、以下に示すようなフォーマットのAlert−Infoヘッダを付加する。
【0058】
Alert-Info:<file://SIPサーバのIPアドレス/フォルダ名/画像ファイル名>
例;Alert-Info:<file://example.co.jp/photo/yamada.jpg>
この “yamada.jpg”はSIPサーバ41がUserAから受信した信号“Yamada”に対応してメモリ41bから呼び出した画像ファイル名である。メモリ41bに上述した(指定された)画像ファイル名が記憶されていればAlert−Infoヘッダで指定された画像ファイル名に対応する画像が着呼者(UserB)にダウンロードされると共にVoIP電話装置(D)51の表示部(図示せず)にその画像が表示される。また、これと同時にその表示中であることのレスポンスコード100の“Trying(試行中)”と、呼び出し中としてのレスポンスコード180の“Ringing”(呼び出し音)”とがSIPサーバ41及び発呼者に送信される。
【0059】
そして、着呼者側での画像表示が終わると、受信操作によって発呼側と着呼側での通話が可能となる。
【0060】
尚、専用の発呼者指定スイッチ12aを設けず、例えば、テンキーを利用して管理番号(例えば#001、#002、#003・・・)で画像を管理した場合には、上述したFromは以下のようになり、発呼の際にはその画像管理番号は電話番号としては無視される。尚、Alert−Infoヘッダは同じである。
【0061】
例;From:<050XXXX1234#001@example.co.jp>
このように、本発明のVoIP電話システムによれば、複数の画像を使用者や使用形態に関連付けして記憶し、発呼の際に画像を指定することができるので、汎用性を向上することができる。
【0062】
尚、画像情報(発呼者から受信する画像指定信号(Yamada)と、これに対応する画像ファイル名(yamada.jpg)と画像)は、SIPサーバ41のメモリ41b以外に他のサーバのメモリに保存してもよく、また、画像を指定する各VoIP電話装置11,21,31のメモリ(14)に保存しても良い。
【0063】
上述の実施例では、発呼側の電話装置が画像指定信号をSIPサーバに送信し、これを受信したSIPサーバは画像指定信号に対応する画像ファイル名を被呼側の電話装置に送信し、これを受信した被呼側の電話装置は画像ファイル名に対応する画像をSIPサーバ(あるいは他のサーバ、あるいは自装置)より取り込んで表示させた。この方法は現在のVoIPの動作を大きく変更しなくてもよい方法である。しかしながら、画像指定信号を受信したSIPサーバがこれに対応する画像を被呼側の電話装置に送信し、これを被呼側の電話装置が表示させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明のVoIP電話システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のVoIP電話システムのシーケンスの説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1…ルータ
2…インターネット網
3…ルータ
4…セントレックスゲートウェイ
5…公衆回線網
6…加入者電話装置
10…LAN(構内)ゲートウェイ
11…VoIP電話端末
12…操作部
12a…発呼者指定スイッチ
13…表示部
14…メモリ
15…制御回路
21…VoIP電話端末
31…VoIP電話端末
41…サーバ(SIPサーバ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指定信号と対応付けられた発呼者画像情報を複数記憶するメモリを有するサーバと、該サーバに接続され前記発呼者画像情報の一つを指定する操作部を有し発呼時の前記操作部の操作に応じた前記指定信号を前記サーバに送信するVoIP電話装置とを備え、前記サーバは前記VoIP電話装置から受信した指定信号に対応する発呼者画像情報を前記メモリから呼び出して被呼側の電話装置へ送信することを特徴とするVoIP電話システム。
【請求項2】
前記操作部は複数の指定スイッチを有し、前記VoIP電話装置は前記夫々の指定スイッチに対応した指定信号を前記サーバに送信することを特徴とする請求項1に記載のVoIP電話システム。
【請求項3】
前記操作部は管理番号を入力するキーを有し、前記VoIP電話装置は前記管理番号に対応した指定信号を前記サーバに送信することを特徴とする請求項1に記載のVoIP電話システム。
【請求項4】
前記VoIP電話装置は短縮ダイヤルの機能を有し、短縮ダイヤル番号に対応した指定信号を前記サーバに送信することを特徴とする請求項1に記載のVoIP電話システム。
【請求項5】
指定信号と対応付けられた発呼者画像ファイル名を複数記憶する第1のサーバと、該サーバに接続され前記発呼者画像情報の一つを指定する操作部を有し発呼時の前記操作部の操作に応じた前記指定信号を前記サーバに送信する発呼側のVoIP電話装置と、前記発呼者画像ファイル名と対応付けられた発呼者画像を複数記憶する第2のサーバと、被呼側のVoIP電話装置とを備え、前記第1のサーバは前記発呼側のVoIP電話装置から受信した指定信号に対応する発呼者画像ファイル名を前記被呼側のVoIP電話装置へ送信し、前記被呼側のVoIP電話装置は受信した前記発呼者画像ファイル名に対応する画像を前記第2のサーバよりダウンロードすることを特徴とするVoIP電話システム。
【請求項6】
被呼者番号と対応付けられた発呼者画像情報を複数記憶するメモリを有するサーバと、該サーバに接続されたVoIP電話装置とを備え、前記サーバは前記VoIP電話装置から受信した被呼者番号に対応する発呼者画像情報を前記メモリから呼び出して被呼側の電話装置へ送信することを特徴とするVoIP電話システム。
【請求項7】
指定信号と対応付けられた発呼者画像情報を複数記憶するメモリを有しVoIP電話装置から受信した指定信号に対応する発呼者画像情報を前記メモリから呼び出して被呼側の電話装置へ送信するサーバに接続され、前記発呼者画像情報の一つを指定する操作部を有し、発呼時の前記操作部の操作に応じた前記指定信号を前記サーバに送信することを特徴とするVoIP電話装置。
【請求項8】
前記操作部は複数の指定スイッチを有し、前記夫々の指定スイッチに対応した指定信号を前記サーバに送信することを特徴とする請求項7に記載のVoIP電話装置。
【請求項9】
前記操作部は管理番号を入力するキーを有し、前記管理番号に対応した指定信号を前記サーバに送信することを特徴とする請求項7に記載のVoIP電話装置。
【請求項10】
短縮ダイヤルの機能を有し、短縮ダイヤル番号に対応した指定信号を前記サーバに送信することを特徴とする請求項7に記載のVoIP電話装置。
【請求項11】
被呼者番号と対応付けられた発呼者画像情報を複数記憶するメモリを有し、発呼時に前記被呼者番号を送信するVoIP電話装置が接続されたサーバであって、
前記VoIP電話装置から受信した被呼者番号に対応する発呼者画像情報を前記メモリから呼び出して被呼側の電話装置へ送信することを特徴とするサーバ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−67639(P2007−67639A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−249235(P2005−249235)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】