説明

X線画像診断装置

【課題】X線画像診断装置において、下肢等のように直接線を検出する部分を含む部位を透視・撮影する場合に、診断に適した画像を提供すること。
【解決手段】X線画像診断装置10は、患者の所定部位に向かってX線を照射するX線照射装置と、X線を受像する受像装置と、患者を載置する天板と、天板の長軸方向の一方の向きを移動方向とし、前記移動方向の位置毎のX線条件の下で受像装置が得るデータを基に画像を生成する画像処理回路52と、画像上に複数の関心領域を設定する関心領域設定部611及び関心領域分割部612と、複数の関心領域を構成する各関心領域の補正係数をそれぞれ演算するプロファイル生成部613及び補正係数演算部614と、各関心領域内の輝度値群に対して、各関心領域に対応する補正係数を用いてそれぞれ補正を行なうことにより画像の画像レベルを演算する画像レベル演算部615と、画像レベルを基にX線条件を求め、X線条件によってX線照射装置を制御する透視条件決定部616及び透視実行部617と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、造影血管のDA(digital angiography)画像を表示するX線画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
循環器X線診断システムとしてのX線画像診断装置は、カテーテルを用いた治療(IVR:interventional radiology)をサポートする装置として利用されている。冠状動脈の狭窄性疾患に対するカテーテルを用いた治療(PCI:percutaneous coronary intervention)や検査では、下肢動脈の狭窄性疾患を併発している場合があるため、一連の冠状動脈造影や治療の後に、下肢動脈の造影確認が行なわれる場合がある。
【0003】
一般に、患者を一方向から透視・撮影(DA撮影)する方法では、患者の体厚の変化(照射野の移動方向の位置)に対応して、各フレームの透視画像の画像レベルを透視中一定に保つABC(auto brightness control)制御を採用する場合がある。ABC制御は、あるフレームの透視画像の画像レベルとその透視画像を生成するために採用した透視条件とを基に、次のフレームの透視条件を求めることで透視条件を制御するものであり、透視画像を適切な画質に維持し、もって撮影画像を適切な画質に維持しようとするものである。ABC制御では、通常、各フレームの照射野内の中心に、画像レベルの測定用の関心領域を設けるため、患部が照射野を外れる場合、透視画像及び撮影画像の画質は適切にならないことがある。
【0004】
下肢動脈の透視・撮影を行なう場合、下肢に注目しているため、必ずしも患部が関心領域の中心にないことがある。特に両足を同一画面にいれるような場合、関心領域の中央に下肢の中央(両足の間)が位置するので、下肢の中央の直接線の検出の影響によって骨の部分の透視画像が黒くなりすぎてしまい適切な画質の透視画像を取得することができない。また、照射野が、患者の体厚が薄い足先まで移動するとABC制御によって管電圧が極端に下がってしまい、骨のコントラストが強く行き出てくることになり、先まで流れて薄くなった造影剤と骨のコントラストの分離がし難くなる。その場合、透視画像、ひいては撮影画像が視覚的に見難くなる。
【0005】
従来は、こうした問題に対して、関心領域の位置を撮影プログラム毎に変更するとか、両足の中央に補償物体を置くことで直接線の検出を避けることで、適切な画質の透視画像及び撮影画像を得ることを行なっている。
【0006】
なお、本発明に関連する技術文献として、以下のような特許文献が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−148866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、患者の両脚間に遮蔽物を配置することは、オペレータ側の手間となる。また、下肢の右側(左側)等の透視・撮影を実行する場合、関心領域の端に直接線の検出の影響が現れるので、患者の両脚間に遮蔽物を配置することでは適切な画質の透視画像及び撮影画像を得ることはできない。
【0009】
本発明は、上述のような事情を考慮してなされたもので、ABC制御を採用して、下肢等のように直接線を検出する部位を一方向から透視・撮影する場合に、診断に適した画像を提供できるX線画像診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るX線画像診断装置は、上述した課題を解決するために、被検体に向かってX線を照射するX線照射手段と、前記X線を受像する受像手段と、前記被検体を載置する載置手段と、前記載置手段の長軸方向の一方の向きを移動方向とし、前記移動方向の位置毎のX線条件の下で前記受像手段が得るデータを基に画像を生成する画像生成手段と、前記画像上に複数の関心領域を設定する設定手段と、前記複数の関心領域を構成する各関心領域の補正係数をそれぞれ求める補正係数演算手段と、前記各関心領域内の輝度値群に対して、前記各関心領域に対応する前記補正係数を用いてそれぞれ補正を行なうことにより前記画像の画像レベルを演算する画像レベル演算手段と、前記画像レベルを基に前記X線条件を求め、前記X線条件によって前記X線照射手段を制御するX線条件制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るX線画像診断装置によると、透視条件のフィードバック制御を採用して、下肢等のように直接線を検出する部位を透視・撮影する場合に、診断に適した画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態のX線画像診断装置のハードウェア構成を示す概略図。
【図2】本実施形態のX線画像診断装置におけるCアーム保持装置の外観構成を示す概略図。
【図3】本実施形態のX線画像診断装置の機能を示すブロック図。
【図4】Z軸方向の第1座標における、X軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイルの例を示す図。
【図5】Z軸方向の第2座標における、X軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイルの例を示す図。
【図6】Z軸方向の第3座標における、X軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイルの例を示す図。
【図7】各関心領域部分の補正係数の演算例を示す図。
【図8】補正されない画像レベルから決定される透視条件で生成される透視画像に基づくX軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイルの例と、補正された画像レベルから決定されるX線条件で生成される透視画像に基づくX軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイルの例とを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るX線画像診断装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本実施形態のX線画像診断装置のハードウェア構成を示す概略図である。図2は、本実施形態のX線画像診断装置におけるCアーム保持装置の外観構成を示す概略図である。
【0015】
図1,図2は、本実施形態のX線画像診断装置10を示す。X線画像診断装置10は、大きくは、Cアーム保持装置11及びDF(digital fluorography)装置12から構成される。
【0016】
Cアーム構造のCアーム保持装置11は、保持装置本体21、ボディフレーム22、天板保持機構23、天板(カテーテルテーブル)24、Cアーム保持機構25、Cアーム26、X線照射装置27、受像装置28、コントローラ30、高電圧供給装置31、駆動機構32及び操作部33を設ける。なお、Cアーム保持装置11は、X線照射装置27が天板24の下方に位置するアンダーチューブタイプである場合を説明するが、X線照射装置27が天板24の上方に位置するオーバーチューブタイプである場合であってもよい。
【0017】
保持装置本体21は、床に対して固定されている。
【0018】
ボディフレーム22は、保持装置本体21に支持される。ボディフレーム22は、天板保持機構23と、Cアーム26を支持するCアーム保持機構25とをそれぞれ支持する。ボディフレーム22は、ボディフレーム22の駆動機構32を介して天板24、天板保持機構23、Cアーム26及びCアーム保持機構25を一体として、保持装置本体21に対して上下動(図2中A方向)及び起倒運動(図2中B方向)可能なように備えられる。
【0019】
天板保持機構23は、ボディフレーム22に支持される。天板保持機構23は、天板保持機構23の駆動機構32を介して天板24を左右動(C−LAT:図2中C方向)、上下動(C−VERT:図2中D方向)及びローリング(ROLL)が可能なように備えられる。
【0020】
天板24は、Z軸方向に長軸を、X軸方向に短軸を有するように天板保持機構23に支持される。天板24は、患者Pを載置可能である。
【0021】
Cアーム保持機構25は、ボディフレーム22に支持される。Cアーム保持機構25は、Cアーム保持機構25の駆動機構32を介してCアーム保持機構25及びCアーム26を一体として、ボディフレーム22の長軸方向(C−LONG:図2中E方向)にスライド可能なように備えられる。
【0022】
Cアーム26は、Cアーム26の駆動機構32を介してCアーム保持機構25との取付け位置を中心に回動(CRA(caudal view)/CAU(cranial view):図2中F方向)及び円弧動(LAO(left anterior oblique view)/RAO(right anterior oblique view):図2中G方向)が可能なように備えられる。Cアーム26は、X線照射装置27と受像装置28とを、患者Pを中心に対向配置させる。
【0023】
X線照射装置27は、Cアーム26の一端に設けられる。X線照射装置27は、X線照射装置27の駆動機構32を介して前後動(図2中H方向)可能なように設けられる。
【0024】
X線照射装置27は、高電圧供給装置31から高電圧電力の供給を受けて、高電圧電力の条件に応じて被検体(患者)Pの所定部位に向かってX線管からX線を照射する。X線照射装置27は、X線管の出射側に、複数枚の鉛羽で構成されるX線照射野絞りや、シリコンゴム等で形成されハレーションを防止するために所定量の照射X線を減衰させる補償フィルタ等を設ける。
【0025】
受像装置28は、Cアーム26の他端であってX線照射装置27の出射側に設けられる。受像装置28は、受像装置28の駆動機構32を介して前後動(図2中I方向)可能なように設けられる。
【0026】
受像装置28は、受像装置28は、I.I.(image intensifier)−TV系であり、大きくは、I.I.28a、TVカメラ28b及びA/D(analog to degital)変換回路28cを備える。I.I.28aは、患者Pを透過したX線及び直接入射されるX線を可視光に変換し、さらに、光−電子−光変換の過程で輝度の倍増を行なって感度のよい投影データを形成させる。TVカメラ28bは、CCD(charge coupled device)撮像素子を用いて光学的な投影データを電気信号に変換する。A/D変換回路28cは、TVカメラ28bから出力された時系列的なアナログ信号(ビデオ信号)をデジタル信号に変換する。
【0027】
なお、受像装置28は、平面検出器(FPD:flat panel detector)を含むものであってもよい。受像装置28が平面検出器を含む場合、受像装置28は、2D状に配列された検出素子によりX線を検出して電気信号に変換する。
【0028】
コントローラ30は、図示しないCPU(central processing unit)及びメモリを含んでいる。コントローラ30は、DF装置12からの指示に従って、高電圧供給装置31及び駆動機構32等の動作を制御する。
【0029】
高電圧供給装置31は、コントローラ30の制御に従って、X線照射装置27のX線管に高電圧電力を供給可能である。
【0030】
駆動機構32は、コントローラ30の制御に従って、X線照射装置27、受像装置28、Cアーム26、保持装置本体21、ボディフレーム22、天板保持機構23及びCアーム保持機構25をそれぞれ駆動可能である。
【0031】
操作部33は、X線技師等のオペレータが、コントローラ30に対して種々の指示を与えるスイッチ等によって構成される。
【0032】
DF装置12は、コンピュータをベースとして構成されており、病院基幹のLAN(local area network)等のネットワークNと相互通信可能である。DF装置12は、大きくは、プロセッサとしてのCPU41、メモリ42、HDD(hard disc drive)43、入力装置44、通信制御装置45、投影データ記憶部51、画像処理回路52、画像データ記憶部53及び表示装置54等のハードウェアから構成される。CPU41は、共通信号伝送路としてのバスを介して、DF装置12を構成する各ハードウェア構成要素に相互接続されている。なお、DF装置12は、記録媒体用のドライブ(図示しない)を具備する場合もある。
【0033】
CPU41は、医師及び技師等の検査実施者によって入力装置44が操作等されることにより指令が入力されると、メモリ42に記憶しているプログラムを実行する。又は、CPU41は、HDD43に記憶しているプログラム、ネットワークNから転送され通信制御装置45で受信されてHDD43にインストールされたプログラム、又は記録媒体用のドライブ(図示しない)に装着された記録媒体から読み出されてHDD43にインストールされたプログラムを、メモリ42にロードして実行する。
【0034】
メモリ42は、ROM(read only memory)及びRAM(random access memory)等の要素を兼ね備える構成をもつ記憶装置である。メモリ42は、IPL(initial program loading)、BIOS(basic input/output system)のデータを記憶したり、CPU41のワークメモリやデータの一時的な記憶に用いたりする。
【0035】
HDD43は、磁性体を塗布又は蒸着した金属のHD(hard disk)が着脱不能で内蔵されている構成をもつ記憶装置である。HDD43は、DF装置12にインストールされたプログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(operating system)等も含まれる)や、データを記憶する。また、OSに、検査実施者に対する情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力装置37aによって行なうことができるGUI(graphical user interface)を提供させることもできる。
【0036】
入力装置44としては、オペレータによって操作が可能なキーボード及びマウス等が挙げられ、操作に従った入力信号がCPU41に送られる。入力装置44は、大きくは、メインコンソール及びシステムコンソールによって構成される。
【0037】
通信制御装置45は、各規格に応じた通信制御を行なう。通信制御装置45は、電話回線を通じてネットワークNに接続することができる機能を有している。DF装置12は、通信制御装置45を介してネットワークN網に接続することができる。
【0038】
投影データ記憶部51は、CPU41の制御によって、Cアーム保持装置11のA/D変換回路28cから出力された投影データを記憶する。
【0039】
画像処理回路52は、CPU41の制御によって、投影データ記憶部51に記憶される投影データに対して対数変換処理(LOG処理)行なって必要に応じて加算処理して、透視画像及び撮影画像(DA画像)のデータを生成する。また、画像処理回路52は、画像データ記憶部53に記憶される透視画像及び撮影画像に対して画像処理を施す。画像処理としては、データに対する拡大/諧調/空間ファイルタ処理や、時系列に蓄積されたデータの最小値/最大値トレース処理、及びノイズを除去するための加算処理等が挙げられる。なお、画像処理回路52による画像処理後のデータは、表示装置54に出力されると共に、画像データ記憶部53等の記憶装置に記憶される。
【0040】
画像データ記憶部53は、CPU41の制御によって、画像処理回路52から出力された透視画像及び撮影画像をデータとして記憶する。
【0041】
表示装置54は、CPU41の制御によって、画像処理回路52によって生成される透視画像及び撮影画像のデータに、患者名等の検査情報(パラメータの文字情報及び目盛等)と、後述するフィルミング観念画像及びフィルム経過枚数画像とを合成し、合成信号をD/A(digital to analog)変換後、ビデオ信号として表示する。
【0042】
図3は、本実施形態のX線画像診断装置の機能を示すブロック図である。
【0043】
図2に示すCPU41がプログラムを実行することによって、図3に示すように、X線画像診断装置10は、透視条件決定・透視実行部61、及び撮影条件決定・撮影実行部62として機能する。なお、各部61,62は、X線画像診断装置10の機能として備えられるものとして説明するが、各部61,62の全部又は一部は、X線画像診断装置10にハードウェアとして備えられるものであってもよい。また、各部61,62の全部又は一部は、コントローラ30に備えられるものであってもよい。
【0044】
透視条件決定・透視実行部61は、透視のX線条件(透視条件)のABC制御を採用して、患者Pの体厚の変化(照射野の移動方向の位置)に対応して各フレームの透視画像の画像レベルを透視中一定に保つように、Cアーム保持装置11に透視を実行させる機能を有する。透視条件決定・透視実行部61は、撮影条件決定・撮影実行部62による撮影の場合よりも少ない線量のX線を患者Pに連続的に照射させて動画像を生成する。透視条件決定・透視実行部61による制御によって収集される透視画像のデータは、表示装置54を介して動画像として表示されると共に、画像データ記憶部53に記憶される。
【0045】
ここで、X線条件は、X線管電圧、X線管電流及びX線パルス幅の少なくとも1つである。透視条件決定・透視実行部61は、動画撮影で前のフレームの画像レベルに基づいて、次のフレームの画像レベルを変える。前のフレームの画像レベルが低ければ、透視条件決定・透視実行部61は、次のフレームにおいて、X線管電圧及びX線管電流を増加させ、X線パルス幅を長くする。一方、前のフレームの画像レベルが高ければ、透視条件決定・透視実行部61は、X線管電圧及びX線管電流を低下させ、X線パルス幅を短くする。透視条件決定・透視実行部61によって決定されるフレーム毎の透視条件は、フレームに対応する照射野の位置と対応付けられてメモリ42等の記憶装置に記憶される。
【0046】
透視条件決定・透視実行部61は、関心領域(ROI:region of interest)設定部611、関心領域分割部612、プロファイル生成部613、補正係数(重み係数)演算部614、画像レベル演算部615、透視条件決定部616、及び透視実行部617を有する。
【0047】
関心領域設定部611は、透視実行部617による制御の下で画像処理回路52によって生成される所定フレームに対応する透視画像上に、入力装置44を介してオペレータによって入力される入力信号に従って、画像レベルを計測するための関心領域を設定する機能を有する。なお、オペレータが操作部11を用いてリアルタイムに入力する、関心領域の大きさ及びその位置に従って、関心領域設定部611は、関心領域を変更設定することが可能である。
【0048】
関心領域分割部612は、入力装置44を介してオペレータによって入力される入力信号に従って、関心領域設定部611によって設定される関心領域を分割し、複数の関心領域部分を生成する機能を有する。下肢動脈の透視・撮影では、直接線の検出の影響によってX軸方向(天板24の短軸方向)における画像の輝度値(画素値)の変動が大きいので、本実施形態では、X軸方向に複数の関心領域部分を生成する。なお、関心領域分割部612は、関心領域をX軸方向に3つに等分に分割し、3つの関心領域部分を生成する場合を例にとって説明する。
【0049】
プロファイル生成部613は、透視実行部617による制御の下で画像処理回路52によって連続的に生成される各フレームにそれぞれ対応する複数の透視画像を基に、関心領域設定部611によって設定される関心領域内のZ軸方向の所要座標におけるX軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイルをフレーム毎にそれぞれ生成する機能を有する。
【0050】
図4は、Z軸方向の第1座標(座標La)における、X軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイル(グラフ)の例を示す図であり、図5は、Z軸方向の第2座標(座標Lb)における、X軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイルの例を示す図であり、図6は、Z軸方向の第3座標(座標Lc)における、X軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイルの例を示す図である。
【0051】
図4の左側は、体軸方向がZ軸方向に配置される患者Pと、フレームaに対応する照射野Vaを示している。照射野Va内に、関心領域設定部611によって設定される関心領域Raを示している。また、照射野Va内に、関心領域Ra内のZ軸方向の座標Laを示している。
【0052】
ここで、プロファイル生成部613は、座標Laを、関心領域Ra内であって、Z軸方向(天板24の長軸方向)の先頭座標とすることが望ましい。例えば、Z軸方向の一方の向きである、患者Pの胸部からつま先部の向きに下肢全体の透視を実行する場合、プロファイル生成部613は、図4の左側に示すように、座標Laを、関心領域Ra内であって、最もつま先部側の座標とする。一方、Z軸方向の一方の向きである、患者Pのつま先部から胸部の向きに下肢全体の透視を実行する場合、プロファイル生成部613は、図示しないが、座標Laを、関心領域Ra内であって、最も胸部側の座標とする。よって、フレームaの次のフレームの照射野(後述するフレームa´の照射野Va´)がフレームaの照射のVaと比較的離れていたとしても、プロファイル生成部613は、次のフレームの照射野に最も近い座標Laに関してプロファイルFLaを生成する。
【0053】
図4の右側は、Z軸方向の座標Laにおける、X軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイルFLaである。関心領域Raは、関心領域分割部612によって、X軸方向に関心領域部分Ra−1,Ra−2,Ra−3に分割される。
【0054】
図5の左側は、体軸方向がZ軸方向に配置される患者Pと、フレームbに対応する照射野Vbを示している。照射野Vb内に、関心領域設定部611によって設定される関心領域Rbを示している。また、照射野Vb内に、関心領域Rb内のZ軸方向の座標Lbを示している。
【0055】
ここで、プロファイル生成部613は、座標Laの場合と同様に、座標Lbを、関心領域Rb内であって、Z軸方向の先頭座標とすることが望ましい。
【0056】
図5の右側は、Z軸方向の座標Lbにおける、X軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイルFLbである。関心領域Rbは、関心領域分割部612によって、X軸方向に関心領域部分Rb−1,Rb−2,Rb−3に分割される。
【0057】
図6の左側は、体軸方向がZ軸方向に配置される患者Pと、フレームcに対応する照射野Vcを示している。照射野Vc内に、関心領域設定部611によって設定される関心領域Rcを示している。また、照射野Vc内に、関心領域Rc内のZ軸方向の座標Lcを示している。
【0058】
ここで、プロファイル生成部613は、座標La,Lbの場合と同様に、座標Lcを、関心領域Rc内であって、Z軸方向の先頭座標とすることが望ましい。
【0059】
図6の右側は、Z軸方向の座標Lcにおける、X軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイルFLcである。関心領域Rcは、関心領域分割部612によって、X軸方向に関心領域部分Rc−1,Rc−2,Rc−3に分割される。
【0060】
図3に示す補正係数演算部614は、プロファイル生成部613によってフレーム毎に生成されるプロファイルを基に、関心領域部分内の輝度値群に対する補正係数を関心領域部分毎にそれぞれ演算する機能を有する。補正係数演算部614は、プロファイルを関心領域部分毎に分けたプロファイル部分に基づく輝度値群の平均値(合計値)をプロファイル部分毎にそれぞれ求め、最小の平均値との差が閾値以上の他の平均値が存在しない場合、関心領域部分の補正係数を全て“1”とする(補正しない)。一方、補正係数演算部614は、最小平均値との差が閾値以上の他の平均値が存在する場合、最小平均値との差が閾値以上の他の平均値が直接線の検出の影響によって異常値になっていると判断し、最小平均値との差が閾値以上の平均値に相当する関心領域部分の補正係数を“0”以上、“1”未満とする。
【0061】
図7は、各関心領域部分の補正係数の演算例を示す図である。図7の左側の上段のプロファイルは、図4に示すプロファイルと同様のものであり、図7の左側の中段のプロファイルは、図5に示すプロファイルと同様のものであり、図7の左側の下段のプロファイルは、図6に示すプロファイルと同様のものである。
【0062】
図7の上段は、図4に示すプロファイルを基に算出される最小平均値との差が閾値以上の他の平均値が存在しない場合を示している。すなわち、図7の上段は、プロファイルFLaのプロファイル部分FLa−1に基づく輝度値群の最小の平均値と、プロファイルFLaのプロファイル部分FLa−2に基づく輝度値群の平均値との差が閾値未満となり、また、プロファイルFLaのプロファイル部分FLa−1に基づく輝度値群の最小の平均値と、プロファイルFLaのプロファイル部分FLa−3に基づく輝度値群の平均値との差が閾値未満となる場合を示している。図7の上段の場合、補正係数演算部614は、関心領域部分Ra−1,Ra−2,Ra−3の補正係数Wa−1,Wa−2,Wa−3を全て“1.0”とする(補正係数Wa−1=1.0、補正係数Wa−2=1.0、補正係数Wa−3=1.0)。
【0063】
図7の中段は、図5に示すプロファイルを基に算出される最小平均値との差が閾値以上の他の平均値が存在する場合を示している。プロファイルFLbのプロファイル部分FLb−1に基づく輝度値群の最小の平均値と、プロファイルFLbのプロファイル部分FLb−2に基づく輝度値群の平均値との差が閾値以上の異常値となり、また、プロファイルFLbのプロファイル部分FLb−1に基づく輝度値群の最小の平均値と、プロファイルFLbのプロファイル部分FLb−3に基づく輝度値群の平均値との差が閾値未満となる場合を示している。図7の中段の場合、補正係数演算部614は、関心領域部分Rb−1,Rb−2,Rb−3の補正係数Wb−1,Wb−2,Wb−3のうち関心領域部分Rb−2の補正係数Wb−2のみを“1.0”未満にする(例えば、補正係数Wb−1=1.0、補正係数Wb−2=0.5、補正係数Wb−3=1.0)。下肢全体の透視を実行する場合、X軸方向の中心付近が直接線の検出の影響によって異常に輝度値が大きいと予想される。
【0064】
図7の下段は、図6に示すプロファイルを基に算出される最小平均値との差が閾値以上の他の平均値が存在する場合を示している。プロファイルFLcのプロファイル部分FLc−3に基づく輝度値群の最小の平均値と、プロファイルFLcのプロファイル部分FLc−2に基づく輝度値群の平均値との差が閾値以上の異常値となり、また、プロファイルFLcのプロファイル部分FLc−3に基づく輝度値群の最小の平均値と、プロファイルFLcのプロファイル部分FLc−1に基づく輝度値群の平均値との差が閾値未満となる場合を示している。図7の下段の場合、補正係数演算部614は、関心領域部分Rc−1,Rc−2,Rc−3の補正係数Wc−1,Wc−2,Wc−3のうち関心領域部分Rc−2の補正係数Wc−2のみを“1.0”未満にする(例えば、補正係数Wc−1=1.0、補正係数Wc−2=0.5、補正係数Wc−3=1.0)。
【0065】
図3に示す画像レベル演算部615は、関心領域部分内の輝度値群に対して補正係数演算部614によってフレーム毎に算出される関心領域部分毎の補正係数をそれぞれ乗じて関心領域内の補正輝度値群を求め、関心領域内の補正輝度値群を用いて関心領域内の明るさを表す画像レベルを演算する機能を有する。例えば、画像レベル演算部615は、関心領域内の補正輝度値群の平均値を画像レベルとして演算する。図4、図7を用いて説明すると、画像レベル演算部615は、照射野Vaの透視画像のデータを基に、関心領域部分Ra−1内の全ての輝度値群に対して補正係数wa1(1.0)を乗じ、関心領域部分Ra−2内の全ての輝度値群に対して補正係数wa2(1.0)を乗じ、関心領域部分Ra−3内の全ての輝度値群に対して補正係数wa3(1.0)を乗じ、関心領域Ra内の補正輝度値群を求める。同様に、図5、図7を用いて説明すると、画像レベル演算部615は、照射野Vbの透視画像のデータを基に、関心領域部分Rb−1内の全ての輝度値群に対して補正係数wb1(1.0)を乗じ、関心領域部分Rb−2内の全ての輝度値群に対して補正係数wb2(0.5)を乗じ、関心領域部分Rb−3内の全ての輝度値群に対して補正係数wb3(1.0)を乗じ、関心領域Rb内の補正輝度値群を求める。同様に、図6、図7を用いて説明すると、画像レベル演算部615は、照射野Vcの透視画像のデータを基に、関心領域部分Rc−1内の全ての輝度値群に対して補正係数wc1(1.0)を乗じ、関心領域部分Rc−2内の全ての輝度値群に対して補正係数wc2(0.5)を乗じ、関心領域部分Rc−3内の全ての輝度値群に対して補正係数wc3(1.0)を乗じ、関心領域Rc内の補正輝度値群を求める。
【0066】
透視条件決定部616は、画像レベル演算部615によってフレーム毎に算出される画像レベルが予め設定される基準画像レベルと略一致するように、次のフレームの照射野に照射する透視条件を決定する機能を有する。透視条件決定部616によって決定された透視条件は、照射野Vの位置と共にメモリ42等の記憶装置に記憶される。透視条件決定部616は、図4に示すフレームaに関する照射野Vaの透視画像を基に画像レベル演算部615によって算出される画像レベルが予め設定される基準画像レベルと略一致するように、フレームaの次のフレームの照射野(後述するフレームa´の照射野Va´)に照射する透視条件を決定する。同様に、透視条件決定部616は、図5に示すフレームbに関する関心領域Rbの透視画像を基に画像レベル演算部615によって算出される画像レベルが予め設定される基準画像レベルと略一致するように、フレームbの次のフレームの照射野(後述するフレームb´の照射野Vb´)に照射する透視条件を決定する。同様に、透視条件決定部616は、図6に示すフレームcに関する関心領域Rcの透視画像を基に画像レベル演算部615によって算出される画像レベルが予め設定される基準画像レベルと略一致するように、フレームcの次のフレームの照射野(後述するフレームc´の照射野Vc´)に照射する透視条件を決定する。
【0067】
図8は、画像レベルから決定されるX線条件で生成される透視画像に基づくX軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイルの例と、画像レベルから決定される透視条件で生成される透視画像に基づくX軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイルの例とを示す図である。
【0068】
図8の左側は、体軸方向がZ軸方向に配置される患者Pと、フレームaの次のフレームa´、フレームbの次のフレームb´、及び、フレームcの次のフレームc´に対応する照射野Va´,Vb´,Vc´をそれぞれ示している。照射野Va´,Vb´,Vc´内に、関心領域設定部611によって設定される関心領域Ra´,Rb´,Rc´をそれぞれ示している。また、照射野Va´,Vb´,Vc´内に、関心領域Ra´,Rb´,Rc´内のZ軸方向の所要座標La´,Lb´,Lc´をそれぞれ示している。
【0069】
図8の右側は、Z軸方向の座標La´,Lb´,Lc´における、X軸方向の位置と輝度値との関係をそれぞれ示すプロファイルを示す。関心領域Ra´は、関心領域分割部612によって、関心領域部分Ra´−1,Ra´−2,Ra´−3に分割される。同様に、関心領域Rb´は、関心領域分割部612によって、関心領域部分Rb´−1,Rb´−2,Rb´−3に分割され、関心領域Rc´は、関心領域分割部612によって、関心領域部分Rc´−1,Rc´−2,Rc´−3に分割される。
【0070】
補正係数演算部614が、フレームaの関心領域部分Ra−1の補正係数Wa−1を“1.0”と、関心領域部分Ra−2の補正係数Wa−2を“1.0”と、関心領域部分Ra−3の補正係数Wa−3を“1.0”とするので、画像レベル演算部615が算出する関心領域Raの画像レベルは、補正しない場合の関心領域Raの画像レベルと一致する。よって、図8の右側の上段に示すように、補正されたフレームaの画像レベルから決定されるX線条件の下で生成されるフレームa´のプロファイル(図8の右側中破線)は、補正されないフレームaの画像レベルから決定されるX線条件の下で生成されるフレームa´のプロファイル(図8中の右側中実線)と一致する。
【0071】
補正係数演算部614が、フレームbの関心領域部分Rb−1の補正係数Wb−1を“1.0”と、関心領域部分Rb−2の補正係数Wb−2を“0.5”と、関心領域部分Rb−3の補正係数Wb−3を“1.0”とするので、画像レベル演算部615が算出する関心領域Rbの画像レベルは、補正しない場合の関心領域Rbの画像レベルと比較して小さくなる。よって、図8の右側の中段に示すように、補正されたフレームbの画像レベルから決定されるX線条件の下で生成されるフレームb´のプロファイルは、補正されない画像レベルから決定されるX線条件の下で生成されるフレームb´のプロファイルと比較して輝度値が大きくなる。
【0072】
フレームbの場合と同様に、図8の右側の下段に示すように、補正されたフレームcの画像レベルから決定されるX線条件の下で生成されるフレームc´のプロファイルは、補正されない画像レベルから決定されるX線条件の下で生成されるフレームc´のプロファイルと比較して輝度値が大きくなる。
【0073】
補正係数演算部614は、フレームaの場合と同様に、プロファイル生成部613によって生成されるフレームa´のプロファイルを基に、関心領域部分Ra´−1内の輝度値群に対する補正係数、関心領域部分Ra´−2内の輝度値群に対する補正係数、関心領域部分Ra´−3内の輝度値群に対する補正係数をそれぞれ演算する。また、補正係数演算部614は、プロファイル生成部613によって生成されるフレームb´のプロファイルを基に、関心領域部分Rb´−1内の輝度値群に対する補正係数、関心領域部分Rb´−2内の輝度値群に対する補正係数、関心領域部分Rb´−3内の輝度値群に対する補正係数をそれぞれ演算する。また、補正係数演算部614は、透視の実行中に、プロファイル生成部613によって生成されるフレームc´のプロファイルを基に、関心領域部分Rc´−1内の輝度値群に対する補正係数、関心領域部分Rc´−2内の輝度値群に対する補正係数、関心領域部分Rc´−3内の輝度値群に対する補正係数をそれぞれ演算する。
【0074】
図7の中段に示すように、関心領域部分Rb−2に係る補正係数Wb−2を“1.0”未満とし、直接線が検出されたと判断される関心領域部分Rb−2内の輝度値群の平均値が小さくなるように補正を行なと、フレームbの次のフレームb´の照射野Vb´に照射されるX線のX線条件が直接線の検出に引きずられて異常に下げられすぎることを抑えることができる。
【0075】
なお、患者Pの下肢全体等の透視を実行して動画像を表示する場合、上述したように中央の関心領域部分(例えば、関心領域を3つに分割する場合、図5に示す関心領域部分Rb−2)に直接線の検出の影響が現れる。しかし、下肢の右側(左側)等の透視を実行する場合、端の関心領域部分(例えば、関心領域を3つに分割する場合、図5に示す関心領域部分Rb−1,Rb−3)に直接線の検出の影響が現れる。その場合、関心領域部分Rb−2内の座標Lb上の輝度値の最小の平均値と、関心領域部分Rb−1内の座標Lb上の輝度値の平均値との差が閾値以上の異常値となり、また、関心領域部分Rb−2内の座標Lb上の輝度値の最小の平均値と、関心領域部分Rb−3内の座標Lb上の輝度値の平均値との差が閾値以上の異常値となる。よって、補正係数演算部614は、関心領域部分Rb−1,Rb−2,Rb−3の補正係数Wb−1,Wb−2,Wb−3のうち関心領域部分Rb−1の補正係数Wb−1及び関心領域部分Rb−3の補正係数Wb−3のみを“1.0”未満にする(例えば、補正係数Wb−1=0.5、補正係数Wb−2=1.0、補正係数Wb−3=0.5)。
【0076】
透視実行部617は、コントローラ30を介して駆動機構32を制御することによってCアーム26(X線照射装置27及び受像装置28)の位置を固定して天板24をZ軸方向に移動させながら、透視条件決定部616によって決定される透視条件に基づく線量のX線を患者Pに照射させて透視画像を生成・表示する機能を有する。なお、透視実行部617による透視を実行する場合、天板24の位置を固定して、Cアーム26をZ軸方向に移動させてもよい。各部613乃至616は、透視実行部617によって生成されるあるフレームの透視画像を基に次のフレームに適する透視条件を決定し、透視実行部617は、決定された次のフレームに適する透視条件を基に次のフレームの透視を実行する。
【0077】
撮影条件決定・撮影実行部62は、透視条件決定部616によって決定される透視条件に基づく撮影のX線条件(撮影条件)を透視位置毎に決定し、透視条件決定・透視実行部61による透視の場合よりも多い線量のX線を患者Pに単発的に照射させて静止画像を生成・表示する機能を有する。
【0078】
撮影条件決定・撮影実行部62は、撮影条件決定部621及び撮影実行部622を有する。
【0079】
撮影条件決定部621は、透視条件決定部616によって決定され記憶装置に記憶された透視条件を基に、撮影条件を決定する機能を有する。例えば、撮影条件決定部621は、透視条件と撮影条件とを対応付けたテーブルを参照して、透視条件から撮影条件を決定することができる。
【0080】
撮影実行部622は、コントローラ30を介して駆動機構32を制御することによってCアーム26(X線照射装置27及び受像装置28)の位置を固定して天板24をZ軸方向に移動させながら、撮影条件決定部621によって決定される撮影条件に基づく線量のX線を患者Pに照射させて撮影画像を生成・表示する機能を有する。なお、撮影実行部622による撮影を実行する場合、天板24の位置を固定して、Cアーム26をZ軸方向に移動させてもよい。撮影条件決定部621は、撮影実行部622によって生成されるあるフレームの撮影画像を基に次のフレームに適する撮影条件を決定し、撮影実行部622は、決定された次のフレームに適する撮影条件を基に次のフレームの撮影を実行する。
【0081】
本実施形態のX線画像診断装置10によると、透視条件のフィードバック制御を採用して、下肢等のように直接線を検出する部位を透視・撮影する場合に、透視時にX軸方向の領域毎に設定される補正係数に基づく画像レベルを使ってABC制御を行なうことで、診断に適した透視画像・撮影画像を提供できる。
【符号の説明】
【0082】
10 X線画像診断装置
11 Cアーム保持装置
12 DF装置
24 天板
27 X線照射装置
28 受像装置
30 コントローラ
44 入力装置
52 画像処理回路
61 透視条件決定・透視実行部
62 撮影条件決定・撮影実行部
611 関心領域設定部
612 関心領域分割部
613 プロファイル生成部
614 補正係数演算部
615 画像レベル演算部
616 透視条件決定部
617 透視実行部
621 撮影条件決定部
622 撮影実行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に向かってX線を照射するX線照射手段と、
前記X線を受像する受像手段と、
前記被検体を載置する載置手段と、
前記載置手段の長軸方向の一方の向きを移動方向とし、前記移動方向の位置毎のX線条件の下で前記受像手段が得るデータを基に画像を生成する画像生成手段と、
前記画像上に複数の関心領域を設定する設定手段と、
前記複数の関心領域を構成する各関心領域の補正係数をそれぞれ求める補正係数演算手段と、
前記各関心領域内の輝度値群に対して、前記各関心領域に対応する前記補正係数を用いてそれぞれ補正を行なうことにより前記画像の画像レベルを演算する画像レベル演算手段と、
前記画像レベルを基に前記X線条件を求め、前記X線条件によって前記X線照射手段を制御するX線条件制御手段と、
を有することを特徴とするX線画像診断装置。
【請求項2】
前記設定手段は、前記画像を前記載置手段の短軸方向に分割することで前記複数の関心領域を設定する構成とすることを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項3】
前X線条件制御手段は、前記画像レベルを求めた画像の次のフレーム画像を生成するための前記X線条件を求める構成とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線画像診断装置。
【請求項4】
前記補正係数演算手段は、前記画像内の前記長軸方向の所要座標における前記短軸方向の位置と輝度値との関係を示すプロファイルを生成し、前記プロファイルの前記各関心領域内のプロファイル部分を比較することで、前記関心領域毎に、前記補正係数を演算する構成とすることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のX線画像診断装置。
【請求項5】
前記補正係数演算手段は、前記プロファイル部分を基に輝度値の平均値をプロファイル部分毎にそれぞれ求め、最小となる前記平均値との差が閾値以上の平均値が存在する場合、前記平均値のうちの前記最小平均値との差が閾値以上の平均値が存在しない場合よりも補正係数を小さくすることを特徴とする請求項4に記載のX線画像診断装置。
【請求項6】
前記補正係数演算手段は、前記所要座標を、前記移動方向の先頭座標とする構成とすることを特徴とする請求項4又は5に記載のX線画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−98037(P2011−98037A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254038(P2009−254038)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】