説明

Y/C分離回路

【課題】高速に色が動く画像であっても、輝度信号に色信号が残ってドット妨害が発生することを防止する。
【解決手段】ライン相関Y/C分離回路12は入力映像信号のライン相関を求めてライン相関処理輝度信号を得る。フレーム相関Y/C分離回路14は入力映像信号のフレーム相関を求めてフレーム相関処理輝度信号を得る。一方、フレーム非相関による動きの検出結果は、混合比補正回路17に与えられて、混合比が算出される。高域成分検出回路15はフレーム相関処理輝度信号に高域成分が含まれ、ライン相関処理輝度信号に高域成分が含まれていないことを検出すると、混合比補正回路17を制御して、ライン相関処理輝度信号の混合比を高くさせる。ミックス回路16からは動画Y/C分離処理による出力成分が多くなるので、フレーム相関Y/C分離処理によっては分離できない、高速に色が動く画像であっても、出力輝度信号に色成分が残ることを防止してドット妨害を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号の輝度信号と色信号とを分離するY/C分離回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン受像機及びビデオテープレコーダ等においては、輝度信号と色信号との分離(以下、Y/C分離という)性能を向上させるために、絵柄の動きに適応させた3次元のY/C分離回路を採用したものがある。3次元Y/C分離回路は、画面間、例えばフレーム間の演算によって輝度信号と色信号を分離する静画Y/C分離処理と、画面内、例えばライン間の演算によって輝度信号と色信号とを分離する動画Y/C分離処理とを行う。
【0003】
3次元Y/C分離回路については、特許文献1等に詳述されている。
【0004】
3次元Y/C分離回路は、絵柄の動きを、入力された複合映像信号のフレーム差分値(フレーム非相関)の大小によって検出しており、動きの検出結果に応じて、動画Y/C分離処理と静画Y/C分離処理とを適応的に切換えるようになっている。従って、3次元Y/C分離回路においては、動きの検出と動き適応動作とがY/C分離性能を決定する大きな要因となっている。
【0005】
3次元Y/C分離回路の静画Y/C分離処理においては、例えば、NTSC方式の映像信号の色信号がフレーム毎に位相が反転していることを利用して、フレーム間の映像信号の加減算によって輝度信号と色信号との分離を行う。また、3次元Y/C分離回路の動画Y/C分離処理においては、色信号の位相がライン毎に反転していることを利用して、ライン間の映像信号の加減算によって輝度信号と色信号との分離を行う。
【0006】
これらのフレーム相関に応じたY/C分離処理と、ライン相関に応じたY/C分離処理とは、いずれも、演算対象の映像信号同士が同一の絵柄に基づくものである場合に、確実に輝度信号と色信号とを分離することができる。静止画では、前後のフレームの絵柄は同一であり、静画Y/C分離処理は高い分離性能を得ることができる。動画では、比較的大きな絵柄のように、上下のラインの映像信号同士の相関が高い場合には動画Y/C分離性能は高いが、細かい絵柄のように、上下のラインの映像信号同士の相関が低い場合には、動画Y/C分離性能は比較的低くなる。このため、3次元Y/C分離回路では、静画Y/C分離処理がより活用されるように、Y/C分離対象の領域が静画であるか動画であるかの判定及び動き適応動作の設定が行われている。
【0007】
このような3次元Y/C分離回路における動きの判定(フレーム非相関)検出では、輝度の動きを検出する1フレーム非相関検出と、色の動きを検出する2フレーム非相関検出とが行われる。これらの1フレーム非相関及び2フレーム非相関の検出結果を用いて動きの判定が行われる。
【0008】
画像の動きを判定するためには、1フレーム前後の映像信号同士の差分を求めればよい。しかし、色信号は1フレーム前後で位相が反転しており、フレーム前後の映像信号同士の差分には色成分が含まれる。そこで、NTSC方式の色信号の帯域が3.6MHz±1.5MHzであることを利用して、低域成分(例えば2MHz以下)を通過させるローパスフィルタを用い、1フレーム前後の映像信号の差分をローパスフィルタで帯域制限することにより、輝度信号の動きを検出する。
【0009】
しかしながら、帯域制限していることから、1フレーム相関だけでは、細かい絵柄の動き、及び色の動きを検出することができない。そこで、2フレーム前後の映像信号の相関を検出する。2フレーム前後では、色信号は同相であり、2フレーム前後の映像信号の差分を求めることにより、色の動きを検出することができる。
【0010】
しかしながら、動き検出は2フレーム前後で行うのに対し、Y/C分離処理は1フレーム前後の映像信号を用いる。このため、色のみの早い動きを検出することはできない。例えば、輝度に変化がなく色のみが変化して2フレームよりも短い期間で元に戻るような検出不能の早い動きがあった場合には、静止画と判断されて静画Y/C分離処理が行われてしまう。即ち、この場合には、非相関な前後のフレームで演算が行われて、Y/C分離性能が低下してしまう。
【0011】
例えば、周囲との輝度差が小さく、周囲との色が異なる物体が高速に移動する画像や、暗い画面に一瞬光る画像等において、Y/C分離性能が低下してしまう。この場合には、3次元Y/C分離回路から出力される輝度信号成分に色信号成分が含まれてしまい、画面上にドット妨害が現れてしまうという問題点があった。
【0012】
また、動く絵柄が赤や青等の低輝度の絵柄の場合にも、1フレーム前後の差分(輝度低域成分)を検出することはできない。この場合にも、画面上にドット妨害が現れてしまう。
【特許文献1】特開平4−189095号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、輝度信号と色信号との分離処理後の輝度信号に色信号成分が残ることを防止してドット妨害を軽減することができるY/C分離回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様のY/C分離回路は、入力映像信号の画面内相関を利用して前記入力映像信号から第1の輝度信号を分離する第1の分離手段と、入力映像信号の画面間相関を利用して前記入力映像信号から第2の輝度信号を分離する第2の分離手段と、前記第1及び第2の分離手段からの第1及び第2の輝度信号の高域成分を検出し、第1の輝度信号の高域成分が第1の閾値よりも小さく、且つ第2の輝度信号の高域成分が第2の閾値よりも大きいことを検出して検出結果を出力する高域成分検出手段と、入力映像信号の動きを判定して動き判定結果を出力する動き判定手段と、前記動き判定結果に基づいて前記第1及び第2の輝度信号の混合比を求めると共に、求めた混合比を前記高域成分検出手段からの検出結果に基づいて補正する混合比設定手段と、前記混合比設定手段によって設定された混合比で前記第1及び第2の輝度信号を混合して出力輝度信号を出力するミックス手段と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、輝度信号と色信号との分離処理後の輝度信号に色信号成分が残ることを防止してドット妨害を軽減することができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るY/C分離回路を示すブロック図である。なお、図1の回路は輝度信号処理系のみを示したものである。色信号処理系の構成は従来と同様であり、図示を省略する。
【0017】
<第1の実施の形態>
入力映像信号はラインメモリ部11及びフレームメモリ部13に供給される。ラインメモリ部11は入力映像信号を少なくとも1水平期間遅延させるメモリを有する。ラインメモリ部11は、1水平期間前後の映像信号をライン相関Y/C分離回路12に出力するようになっている。フレームメモリ部13は入力映像信号を少なくとも1フレーム期間又は2フレーム期間遅延させることができる。フレームメモリ部13は1フレーム期間前後の映像信号をフレーム相関Y/C分離回路14及び1フレーム差分回路22に出力すると共に、2フレーム期間前後の映像信号を2フレーム差分回路21に出力するようになっている。
【0018】
第1の分離手段としてのライン相関Y/C分離回路12は、画面内の映像信号同士の演算によって、動画Y/C分離処理を行うものである。例えば、ライン相関Y/C分離回路12は、1水平期間前後の映像信号同士を加算することで、入力された映像信号から輝度信号成分を分離する。一方、第2の分離手段としてのフレーム相関Y/C分離回路14は、画面間の映像信号同士の演算によって、静画Y/C分離処理を行うものである。例えば、フレーム相関Y/C分離回路14は、1フレーム期間前後の映像信号同士を加算することで、入力された映像信号から輝度信号成分を分離する。
【0019】
なお、ライン相関Y/C分離回路12は、画面内の処理を行うものであれば、種々の構成を採用することができる。同様に、フレーム相関Y/C分離回路14は、画面間の処理を行うものであれば、種々の構成を採用することができる。例えば、ライン相関Y/C分離回路12は、1水平期間前後の映像信号同士を減算し、減算結果からバンドパスフィルタによって色搬送波帯域の成分(動画時の色信号)のみを分離し、入力された映像信号から、動画時の色信号を減算することで、動画時の輝度信号を求めてもよい。
【0020】
ライン相関Y/C分離回路12からの輝度信号(ライン相関処理輝度信号)は、ミックス回路16に供給されると共に、高域成分検出回路15にも供給されるようになっている。また、フレーム相関Y/C分離回路14からの輝度信号(フレーム相関処理輝度信号)は、ミックス回路16に供給されると共に、高域成分検出回路15にも供給されるようになっている。
【0021】
ミックス回路16は、ライン相関処理輝度信号とフレーム相関処理輝度信号とを、混合比制御信号によって指定された混合比で混合して、出力輝度信号を得るようになっている。例えば、ミックス回路16は、ライン相関処理輝度信号のレベルを動画Yとし、フレーム相関処理輝度信号のレベルを静画Yとして、混合比としてKが指定された場合には、下記(1)式の演算によって出力輝度信号を得る。
【0022】
出力輝度信号=静画Y+(動画Y−静画Y)×K …(1)
なお、ミックス回路16による輝度信号の混合の方法は上記(1)式に限定されるものではない。
【0023】
2フレーム差分回路21、1フレーム差分回路22、ローパスフィルタ23及び非線形処理/加重平均回路24によって、フレーム非相関を検出する動き判定回路が構成される。
【0024】
1フレーム差分回路22は、1フレーム前後の映像信号同士の差分を求めて出力する。1フレーム差分回路22の出力は、1フレーム非相関成分であり、輝度の動き成分と色成分とが含まれたものである。1フレーム差分回路22の出力はローパスフィルタ23に与えられる。ローパスフィルタ23は、入力された1フレーム非相関成分から例えば2MHz以下の低域成分、即ち、色搬送波帯域を除く成分を通過させる。ローパスフィルタ23からは輝度低域の動き成分が出力されることになる。
【0025】
一方、2フレーム差分回路21は、2フレーム前後の映像信号同士の差分を求めて出力する。2フレーム差分回路21の出力は、2フレーム非相関成分であり、色の動き成分を含む。
【0026】
2フレーム差分回路21の出力及びローパスフィルタ23の出力は非線形処理/加重平均回路24に供給される。非線形処理/加重平均回路24は、入力された1フレーム非相関成分(輝度低域の動き成分)及び2フレーム非相関成分(色の動き成分)を用いて、非相関検出結果を得る。非線形処理/加重平均回路24は、種々の方法によって非相関検出結果を得ることができる。例えば、非線形処理/加重平均回路24は、2入力に夫々所定の重み付けを付して加算することで、非相関検出結果を得るようにしてもよい。また例えば、非線形処理/加重平均回路24は、2入力の平均や最大値を非相関検出結果として出力してもよい。非相関検出結果は動きの度合いを示すものである。
【0027】
非線形処理/加重平均回路24は、2フレーム非相関を利用しており、上述したように、色の早い動きを検出することができない。このため、非線形処理/加重平均回路24からの非相関検出結果をそのまま用いてミックス回路16の混合比を制御すると、色の早い動きによって、輝度信号中に色信号が含まれて出力され、画面上にドット妨害が生じることがある。
【0028】
即ち、低域の動きが小さく、高域の動きが早い画像について、動きの判定が誤判定となり、静画Y/C分離処理が採用されたことで、ドット妨害が生じるものと考えられる。色が高速に動く画像であれば、静画Y/C分離処理ではなく、動画Y/C分離処理の出力の混合比を高くすべきであると考えられる。つまり、このような画像におけるドット妨害の症状は、静画Y/C分離処理の出力の度合いが高くなることで、出力輝度信号中に色信号成分が残ることによって生じるものであり、動画Y/C分離処理では現れない。
【0029】
そこで、本実施の形態においては、出力輝度信号中に色信号成分が残っているか否かを判定し、残っている場合には、動画Y/C分離処理の出力の混合比をより高く設定することで、ドット妨害の発生を軽減するようになっている。
【0030】
出力輝度信号中に色信号成分が残っているか否かは、
判定条件(a)…動画Y/C分離処理の出力に、高い周波数成分が含まれないか又は小さいこと
判定条件(b)…静画Y/C分離処理の出力に、高い周波数成分が含まれるか又は大きいこと
を検出することにより判定可能である。
【0031】
例えば、動画Y/C分離処理の出力及び静画Y/C分離処理の出力の両方に、高い周波数成分が含まれているか又は大きい場合には、出力輝度信号に元々高域成分が含まれていると判断することができ、出力輝度信号中の高域成分は輝度信号高域成分である。動画Y/C分離処理の出力及び静画Y/C分離処理の出力の両方に、高い周波数成分が含まれていないか又は小さい場合には、出力輝度信号にも高域成分が含まれないので、ドット妨害は生じない。
【0032】
これに対し、出力輝度信号中にドット妨害を生じる色成分が含まれる場合には、静画Y/C分離処理の出力にも高い周波数成分が含まれるか又は大きく、一方、動画Y/C分離処理によるライン相関処理輝度信号には色成分(高域成分)含まれない。従って、上記判定条件(a),(b)の両方を満足する場合には、出力輝度信号中にドット妨害を生じる色成分が含まれることが考えられる。
【0033】
そこで、本実施の形態においては、上記判定条件(a),(b)の両方を満足する場合には、高域成分(色成分)を含まない動画Y/C分離処理出力の混合比をより高く設定する。これにより、色が高速に動く画像、或いは暗い画面に一瞬色が表示されるような画像であって、動きの判定に誤判定が生じる場合でも、Y/C分離後の輝度信号に色信号成分が残ることを防止して、ドット妨害を軽減するようにしている。
【0034】
高域成分検出回路15は、上記判定条件(a),(b)の判定を行う。即ち、高域成分検出回路15は、ライン相関処理輝度信号及びフレーム相関処理輝度信号が入力され、ライン相関処理輝度信号及びフレーム相関処理輝度信号の高域成分を検出して、各信号に高域成分が含まれるか否か又はそのレベルの大小を判定する。高域成分検出回路15はライン相関処理輝度信号及びフレーム相関処理輝度信号に含まれている高域成分に応じた補正信号を出力する。
【0035】
なお、高域成分検出回路15は、色搬送波帯域を高域成分として検出してもよく、また、ローパスフィルタ23の阻止帯域を高域成分として検出してもよい。
【0036】
例えば、高域成分検出回路15は、判定条件(a)において第1の閾値を設定し、ライン相関処理輝度信号に含まれる高域成分のレベルが第1の閾値よりも小さいか否かによって、判定条件(a)を満足するか否かを判定してもよい。同様に、高域成分検出回路15は、判定条件(b)において第2の閾値を設定し、フレーム相関処理輝度信号に含まれる高域成分のレベルが第2の閾値よりも大きいか否かによって、判定条件(b)を満足するか否かを判定してもよい。この場合には、高域成分検出回路15は、判定条件(a),(b)の両方を満足した場合には、ライン相関処理輝度信号の混合比を高くするための補正信号を出力する。
【0037】
また、例えば、高域成分検出回路15は、判定条件(a)において第1の閾値を設定し、ライン相関処理輝度信号に含まれる高域成分のレベルが第1の閾値よりも小さいか否かによって、判定条件(a)を満足するか否かを判定し、判定条件(a)を満足する場合には、判定条件(b)のフレーム相関処理輝度信号に含まれる高域成分のレベルに応じた補正信号を出力するようにしてもよい。即ち、この場合には、フレーム相関処理輝度信号に含まれる高域成分のレベルが高くなるほどライン相関処理輝度信号の混合比を高くするための補正信号が得られる。
【0038】
また、例えば、高域成分検出回路15は、判定条件(b)において第2の閾値を設定し、フレーム相関処理輝度信号に含まれる高域成分のレベルが第2の閾値よりも大きいか否かによって、判定条件(b)を満足するか否かを判定し、判定条件(b)を満足する場合には、判定条件(a)のライン相関処理輝度信号に含まれる高域成分のレベルに応じた補正信号を出力するようにしてもよい。
【0039】
更に、高域成分検出回路15は、判定条件(a),(b)において、ライン相関処理輝度信号に含まれる高域成分のレベルとフレーム相関処理輝度信号に含まれる高域成分のレベルとに応じて、補正信号を求めてもよい。この場合の補正信号は、フレーム相関処理輝度信号に含まれる高域成分のレベルが高くなるほどライン相関処理輝度信号の混合比を高くし、ライン相関処理輝度信号に含まれる高域成分のレベルが低くなるほどライン相関処理輝度信号の混合比を低くするものとなる。
【0040】
高域成分検出回路15からの補正信号は混合比設定手段としての混合比補正回路17に与えられる。混合比補正回路17は、非線形処理/加重平均回路24からの非相関検出結果に基づく混合比を発生すると共に、発生した混合比を補正信号に基づいて補正し、混合比制御信号としてミックス回路16に供給するようになっている。例えば、混合比補正回路17は、判定条件(a),(b)を満足したことを示す補正信号が与えられた場合には、補正信号に応じてライン相関処理輝度信号の混合比を高くする混合比制御信号を発生する。また、混合比補正回路17は、例えば、判定条件(a),(b)を満足していないことを示す補正信号が与えられた場合には、非相関検出結果に基づく混合比をそのまま設定するための混合比制御信号を発生する。
【0041】
次に、このように構成された実施の形態の動作について図2の波形図を参照して説明する。図2(a)は入力映像信号を示し、図2(b)はフレーム相関処理輝度信号(フレーム相関Y)を示し、図2(c)はライン相関処理輝度信号(ライン相関Y)を示し、図2(d)は補正信号を示し、図2(e)は非相関検出結果に基づく混合比をそのまま用いた場合の出力輝度信号を示し、図2(f)は本実施の形態における出力輝度信号を示している。
【0042】
動画Y/C分離処理を行うライン相関Y/C分離回路12、静画Y/C分離処理を行うフレーム相関Y/C分離回路14及び動き判定回路の動作は従来と同様である。即ち、入力された入力映像信号はラインメモリ部11及びフレームメモリ部13に与えられる。ラインメモリ部11からはライン相関Y/C分離回路12に1水平期間前後の映像信号が供給される。ライン相関Y/C分離回路12は、1水平期間前後の映像信号を用いて、動画時の輝度信号であるライン相関処理輝度信号を発生してミックス回路16に出力する。
【0043】
一方、フレームメモリ部13からはフレーム相関Y/C分離回路14に1フレーム期間前後の映像信号が供給される。フレーム相関Y/C分離回路14は、1フレーム期間前後の映像信号を用いて、静画時の輝度信号であるフレーム相関処理輝度信号を発生してミックス回路16に出力する。
【0044】
フレームメモリ部13からの1フレーム期間前後の映像信号は1フレーム差分回路22にも与えられる。1フレーム差分回路22は入力された1フレーム期間前後の映像信号の差分を求めてローパスフィルタ23に出力する。ローパスフィルタ23によって、1フレーム期間前後の映像信号の差分から色搬送波帯域の成分が除去され、輝度の低域の動き成分が出力される。
【0045】
フレームメモリ部13からの2フレーム期間前後の映像信号は2フレーム差分回路21に与えられる。2フレーム差分回路21は入力された2フレーム期間前後の映像信号の差分を求める。2フレーム差分回路21の出力は、色の動き成分である。非線形処理/加重平均回路24は、輝度低域の動き成分と色の動き成分が与えられて、所定の非線形処理、加重平均処理等によって、絵柄の動きを検出し、非相関検出結果として出力する。
【0046】
いま、図2(a)に示す映像信号が入力されるものとする。図2(a)の映像信号は、例えば、低輝度の絵柄の変化が少ない白黒画像に、色が一瞬出現したような映像を示している。また、図2のA,B期間は高周波成分をエンベロープによって示している。図2(a)の実線は輝度信号成分を示し、破線は色信号成分を示している。図2(a)に示す映像信号は、輝度の低域成分のレベルは十分に小さい。そして、期間Aにおいて、比較的高いレベルの輝度高域成分が生じている。また、期間Bにおいては、比較的高いレベルの色成分が含まれる。この色成分は、期間Bのみに一瞬生じたものであり、2フレーム差分回路21によっては検出不能で、期間Bにおいても2フレーム差分回路21からの色の動き成分は十分に小さい。このため、非線形処理/加重平均回路24からは、図2(a)の映像信号を静画と判定した非相関検出結果が出力される。
【0047】
図2(b)はこの場合のフレーム相関Y/C分離回路14の出力を示している。フレーム相関Y/C分離回路14は、1フレーム相関を求めている。B期間は例えば2フレーム期間よりも短い期間であり、フレーム相関Y/C分離回路14に入力された2フレームの映像信号のうち前フレームの映像信号のレベルは十分に小さく、B期間内の後フレームの映像信号は十分なレベルである。この場合には、フレーム相関Y/C分離回路14からはA,B期間の両方においてレベルが高く、他の期間のレベルが低いフレーム相関処理輝度信号が得られる。
【0048】
図2(c)はライン相関Y/C分離回路12の出力を示している。例えば、ライン相関Y/C分離回路12は、搬送色帯域を通過させるバンドパスフィルタの出力の1ライン前後の差分によって動画時の色成分を求め、入力映像信号から色信号を減算することで動画時の輝度信号を求める。B期間が例えば2水平期間よりも長い期間であれば、ライン相関Y/C分離回路12からはB期間の色成分が除去された輝度信号成分が出力される。
【0049】
高域成分検出回路15はライン相関処理輝度信号とフレーム相関処理輝度信号との高域成分を検出する。図2(b),(c)に示すように、A期間においては、ライン相関処理輝度信号及びフレーム相関処理輝度信号の両方の高域成分のレベルが十分に高く、判定条件(a),(b)は同時に満足されない。また、A,B期間以外の期間においては、ライン相関処理輝度信号及びフレーム相関処理輝度信号の両方の高域成分のレベルは十分に低く、この場合にも判定条件(a),(b)は同時に満足されない。
【0050】
これに対し、B期間においては、ライン相関処理輝度信号の高域成分のレベルは十分に小さく、フレーム相関処理輝度信号の高域成分のレベルは十分に大きい。従って、B期間については判定条件(a),(b)を同時に満足し、高域成分検出回路15は、B期間のみに、ライン相関処理輝度信号の混合比を高くするための補正信号(図2(d))を出力する。
【0051】
混合比補正回路17は、補正信号を用いて非相関検出結果を補正する。即ち、この場合には、混合比補正回路17は、B期間以外の期間において非相関検出結果に基づく混合比をそのまま設定すると共に、B期間においては非相関検出結果に基づく混合比に対してライン相関処理輝度信号の混合比を高くするように設定した混合比制御信号を出力する。
【0052】
仮に、混合比補正回路17が非相関検出結果に基づく混合比をそのままミックス回路16に設定した場合には、ミックス回路16において全期間に渡ってフレーム相関処理輝度信号が高い混合比で出力されることになり、出力輝度信号にはB期間に含まれる色信号成分が除去されずに残ったままとなる(図2(e)参照)。
【0053】
これに対し、本実施の形態においては、ミックス回路16は混合比補正回路17からの補正された混合比制御信号によって指示された混合比で、ライン相関処理輝度信号とフレーム相関処理輝度信号とを混合し、出力輝度信号として出力する。この場合には、図2(f)に示すように、B期間におけるレベルが十分に低減された出力輝度信号が得られる。
【0054】
このように本実施の形態においては、ライン相関処理輝度信号の高域成分とフレーム相関処理輝度信号の高域成分とを検出することで、輝度信号に色信号成分が除去されずに残って出力されてしまうことを判定する。そしてこのような判定結果が得られた場合には、ライン相関処理輝度信号の混合比を高くするように混合比制御信号を補正する。これにより、色が高速に動く場合等においてもドット妨害が発生することを防止することができる。例えば、暗い画像中において一瞬色が表示される場合におけるドット妨害等を軽減することができる。即ち、本実施の形態においては、相関のない絵柄を用いたフレーム相関Y/C分離処理によって発生するドット妨害を、動画Y/C分離処理に切換えるか又は動画Y/C分離処理による出力の混合比を高くすることで除去している。
【0055】
なお、上記実施の形態においては、判定条件(b)として、静画相関Y/C分離処理の出力の高域成分を検出して判定を行った。この判定条件(b)に代えて、ミックス回路16からの出力輝度信号に、高い周波数成分が含まれるか又は大きいことを判定条件(b)’として用いてよい。判定条件(a),(b)’の両方を満足するか否かによって、補正信号を生成する。なお、この場合には、ミックス回路16の出力を用いて、ライン相関処理輝度信号とフレーム相関処理輝度信号との混合比を決定するので、他のミックス回路や遅延回路等が必要となる。
【0056】
図3は図1の実施の形態に採用可能な高域成分検出回路を示すブロック図である。図3の回路は、補正信号として、上記条件(a),(b)を同時に満足したか否かのみを示す2値の出力を出力するものである。
【0057】
ライン相関処理輝度信号はハイパスフィルタ31Lに与えられ、フレーム相関処理輝度信号はハイパスフィルタ31Fに与えられる。ハイパスフィルタ31L,31Fは、夫々入力された輝度信号の高域成分を通過させる。ハイパスフィルタ31Lからのライン相関処理輝度信号の高域成分は絶対値処理回路32Lに与えられ、ハイパスフィルタ31Fからのフレーム相関処理輝度信号の高域成分は絶対値処理回路32Fに与えられる。絶対値処理回路32L,32Fは、夫々入力された輝度信号高域成分に対する絶対値処理によって高域成分のレベルを求める。
【0058】
絶対値処理回路32L,32Fは夫々求めた高域成分のレベルを固定値比較回路33L,33Fに出力する。固定値比較回路33L,33Fは、夫々入力されたレベルをライン相関処理用の第1の閾値とフレーム相関処理用の第2の閾値と比較する。固定値比較回路33Lは、入力されたレベルが第1の閾値よりも小さいか否かを判定する。また、固定値比較回路33Fは、入力されたレベルが第2の閾値よりも大きい否かを判定する。
【0059】
固定値比較回路33Lは、判定結果が真であれば、即ち、上記判定条件(a)を満足すると、論理値“1”を出力し、そうでなければ、論理値“0”を出力する。同様に、固定値比較回路33Fは、判定結果が真であれば、即ち、上記判定条件(b)を満足すると、論理値“1”を出力し、そうでなければ、“0”を出力する。固定値比較回路33L,33Fの出力はアンド回路34に与えられる。アンド回路34は、2入力のアンド演算を行って、補正信号を得る。
【0060】
即ち、アンド回路34からは、上記判定条件(a),(b)を同時に満足する場合にのみ、“1”となり他の場合は“0”となる補正信号が得られる。
【0061】
なお、高域成分検出回路としては、ライン相関処理輝度信号の高域成分とフレーム相関処理輝度信号の高域成分とを相互に比較することで、上記判定条件を満足したか否かを求めることも可能である。しかし、ライン相関Y/C分離処理とフレーム相関Y/C分離処理とは相互に独立した処理であり、これらの出力同士を直接比較したとしても、必ずしも良好な判定結果が得られるとは限らない。そこで、図3においては、ライン相関処理輝度信号の高域成分とフレーム相関処理輝度信号の高域成分とを夫々個別の閾値と比較することで、上記判定条件を満足したか否かを判定するようになっている。
【0062】
また、図4は高域成分検出回路の変形例を示すブロック図である。図4の回路は、ハイパスフィルタ31L,31Fに夫々代えてバンドパスフィルタ35L,35Fを採用した点が図3の回路と異なる。
【0063】
バンドパスフィルタ35L,35Fは、夫々入力された輝度信号の色搬送波帯域を通過させる。即ち、ハイパスフィルタ35Lはライン相関処理輝度信号の色搬送波帯域を通過させて絶対値処理回路32Lに与える。また、ハイパスフィルタ35Fはフレーム相関処理輝度信号の色搬送波帯域を通過させて絶対値処理回路32Fに与える。
【0064】
他の作用効果は図3と同様である。
【0065】
なお、図3及び図4において、ハイパスフィルタ31L,31F,35L,35Fとしては、図1のローパスフィルタ23の阻止帯域を通過させるものであってもよい。
【0066】
<第2の実施の形態>
図5は本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。図5において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0067】
本実施の形態は高域成分検出回路が上記判定条件(a),(b)の両方を同時に満足するか否かを示す2値の信号を出力する場合に適用させた例である。即ち、高域成分検出回路としては、図3又は図4に示す回路を採用することができる。
【0068】
本実施の形態は高域成分検出回路15及び混合比補正回路17に夫々代えて高域成分検出回路41及び混合比補正回路43を採用すると共に、スイッチ42を採用した点が第1の実施の形態と異なる。
【0069】
高域成分検出回路41は、図3又は図4と同様の構成を有しており、上記判定条件(a),(b)の両方を同時に満足する場合には“1”となり、他の場合には“0”となる2値の補正制御信号を出力する。この補正制御信号はスイッチ42の制御に用いられる。スイッチ42には補正値が供給されており、スイッチ42は“1”の補正制御信号が与えられると補正値を混合比補正回路43に与えるようになっている。スイッチ42は“0”の補正制御信号が与えられた場合には、補正値を混合比補正回路43に出力しない。
【0070】
混合比補正回路43は、非線形処理/加重平均回路24からの非相関検出結果に基づく混合比を求め、この混合比にスイッチ42からの補正値を加算して、ミックス回路16に設定する混合比を算出する。そして、この混合比を指定するための混合比制御信号をミックス回路16に出力するようになっている。
【0071】
次に、このように構成された実施の形態の動作について説明する。
【0072】
いま、上記判定条件(a),(b)を同時に満足しない映像信号が入力されるものとする。即ち、この場合には、従来と同様の動き適応Y/C分離処理を行っても、出力輝度信号に色信号が残ってドット妨害が生じることはない。この場合には、高域成分検出回路41からの補正制御信号は“0”であり、スイッチ42は補正値を混合比補正回路43に出力しない。従って、混合比補正回路43は、非線形処理/加重平均回路24からの非相関検出結果に基づく混合比をそのまま設定するための混合比制御信号を発生する。これにより、ミックス回路16は非相関検出結果に基づく混合比で、ライン相関処理輝度信号及びフレーム相関処理輝度信号を混合して、出力輝度信号を得る。
【0073】
ここで、上記判定条件(a),(b)を同時に満足する映像信号が入力されるものとする。この場合には、高域成分検出回路41からの補正制御信号は“1”であり、スイッチ42は補正値を混合比補正回路43に与える。混合比補正回路43は、非線形処理/加重平均回路24からの非相関検出結果に基づく混合比に補正値を加算し、加算結果の混合比を設定するための混合比制御信号を発生する。
【0074】
補正値として、0<補正値≦1を設定することによって、ライン相関処理輝度信号の混合比を高くすることができる。例えば、補正値としては、「1/2」や「1」等の所定の固定値を設定することができる。なお、補正値として「1」を採用した場合には、非相関検出結果に基づく混合比と補正値との加算値は必ず1を超えるが、設定する混合比は1以下の値であるので、混合比補正回路43は、1を上限とするリミット処理を行った後混合比を決定する。
【0075】
こうして、この場合には、ミックス回路16には、非相関検出結果に基づく混合比よりもライン相関処理輝度信号の混合比を高く設定するための混合比制御信号が入力される。これにより、ミックス回路16からの出力輝度信号は動画処理によるライン相関処理輝度信号の混合比が高くなり、例えば色が高速に動く画像であっても、色が残ってドット妨害が生じることを防止することができる。
【0076】
他の作用及び効果は第1の実施の形態と同様である。
【0077】
なお、本実施の形態においては、補正値として固定値を採用する例を説明したが、補正値は適宜変更してもよいことは明らかである。例えば、高域成分検出回路からライン相関処理輝度信号及びフレーム相関処理輝度信号の高域成分の検出結果に応じてステップ状又は連続的に変化する補正信号が出力される場合には、この補正信号のレベルに応じて変化する補正値を設定するようにしてもよい。
【0078】
<第3の実施の形態>
図6は本発明の第3の実施の形態を示すブロック図である。図6において図5と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0079】
本実施の形態は高域成分検出回路が上記判定条件(a),(b)の両方を同時に満足したことを検出した場合に、ライン相関処理輝度信号の混合比を1にする例である。
【0080】
本実施の形態は混合比補正回路43に代えて混合比出力回路51を採用すると共に、スイッチ52を付加した点が第2の実施の形態と異なる。
【0081】
高域成分検出回路41は、上記判定条件(a),(b)の両方を同時に満足する場合には“1”となり、他の場合には“0”となる2値の補正制御信号を出力する。この補正制御信号はスイッチ52の制御に用いられる。
【0082】
混合比出力回路51は、非線形処理/加重平均回路24からの非相関検出結果に基づく混合比をミックス回路16に設定するための混合比制御信号を発生してミックス回路16に出力するようになっている。
【0083】
本実施の形態においては、ミックス回路16の出力はスイッチ52の端子aに与えられる。スイッチ52の端子bにはライン相関Y/C分離回路12の出力が供給される。スイッチ52は“0”の補正制御信号が与えられると端子aを選択し、“1”の補正制御信号が与えられると端子bを選択して、選択した端子に供給される輝度信号を出力輝度信号として出力するようになっている。
【0084】
次に、このように構成された実施の形態の動作について説明する。
【0085】
本実施の形態においては、混合比出力回路51は、非線形処理/加重平均回路24からの非相関検出結果に基づく混合比をそのまま設定するための混合比制御信号を発生する。ミックス回路16は混合比制御信号に基づく混合比で、ライン相関処理輝度信号とフレーム相関処理輝度信号とを混合してスイッチ52の端子aに出力する。一方、ライン相関Y/C分離回路12からのライン相関処理輝度信号は直接スイッチ52の端子bに供給されている。
【0086】
いま、上記判定条件(a),(b)を同時に満足しない映像信号が入力されるものとする。即ち、この場合には、従来と同様の動き適応Y/C分離処理を行っても、出力輝度信号に色信号が残ってドット妨害が生じることはない。この場合には、高域成分検出回路41からの補正制御信号は“0”であり、スイッチ52は端子aを選択する。これにより、ミックス回路16からの出力輝度信号がそのまま出力される。
【0087】
ここで、上記判定条件(a),(b)を同時に満足する映像信号が入力されるものとする。この場合には、高域成分検出回路41からの補正制御信号は“1”であり、スイッチ52は端子bを選択する。従って、この場合には、動画処理によって分離されたライン相関処理輝度信号がそのまま出力輝度信号として出力される。これにより、輝度信号に高速に動く色の成分が残ることを防止して、ドット妨害の発生を軽減することができる。
【0088】
他の作用及び効果は第2の実施の形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るY/C分離回路を示すブロック図。
【図2】実施の形態の動作を説明するための波形図。
【図3】図1の実施の形態に採用可能な高域成分検出回路を示すブロック図。
【図4】高域成分検出回路の変形例を示すブロック図。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示すブロック図。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示すブロック図。
【符号の説明】
【0090】
11…ラインメモリ部、12…ライン相関Y/C分離回路、13…フレームメモリ部、14…フレーム相関Y/C分離回路、15…高域成分検出回路、16…ミックス回路、17…混合比補正回路、21…2フレーム差分回路、22…1フレーム差分回路、23…ローパスフィルタ、24…非線形処理/加重平均回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力映像信号の画面内相関を利用して前記入力映像信号から第1の輝度信号を分離する第1の分離手段と、
入力映像信号の画面間相関を利用して前記入力映像信号から第2の輝度信号を分離する第2の分離手段と、
前記第1及び第2の分離手段からの第1及び第2の輝度信号の高域成分を検出し、第1の輝度信号の高域成分が第1の閾値よりも小さく、且つ第2の輝度信号の高域成分が第2の閾値よりも大きいことを検出して検出結果を出力する高域成分検出手段と、
入力映像信号の動きを判定して動き判定結果を出力する動き判定手段と、
前記動き判定結果に基づいて前記第1及び第2の輝度信号の混合比を求めると共に、求めた混合比を前記高域成分検出手段からの検出結果に基づいて補正する混合比設定手段と、
前記混合比設定手段によって設定された混合比で前記第1及び第2の輝度信号を混合して出力輝度信号を出力するミックス手段と、
を具備したことを特徴とするY/C分離回路。
【請求項2】
前記混合比設定手段は、前記高域成分検出手段からの検出結果によって、第1の輝度信号の高域成分が第1の閾値よりも小さく、且つ第2の輝度信号の高域成分が第2の閾値よりも大きいことが示された場合には、前記動き判定結果に基づいて求めた混合比を前記第1の輝度信号の混合比率が高くなるように補正することを特徴とする請求項1に記載のY/C分離回路。
【請求項3】
前記混合比設定手段は、前記動き判定結果に基づいて求めた混合比に所定の補正値を加算することで、前記第1の輝度信号の混合比率が高くなるように補正することを特徴とする請求項2に記載のY/C分離回路。
【請求項4】
入力映像信号の画面内相関を利用して前記入力映像信号から第1の輝度信号を分離する第1の分離手段と、
入力映像信号の画面間相関を利用して前記入力映像信号から第2の輝度信号を分離する第2の分離手段と、
前記第1及び第2の分離手段からの第1及び第2の輝度信号の高域成分を検出し、第1の輝度信号の高域成分が第1の閾値よりも小さく、且つ第2の輝度信号の高域成分が第2の閾値よりも大きいことを検出して検出結果を出力する高域成分検出手段と、
入力映像信号の動きを判定して動き判定結果を出力する動き判定手段と、
前記動き判定結果に基づいて前記第1及び第2の輝度信号の混合比を設定する混合比設定手段と、
前記混合比設定手段によって設定された混合比で前記第1及び第2の輝度信号を混合して出力信号を出力するミックス手段と、
前記高域成分検出手段からの検出結果に基づいて、前記ミックス手段の出力信号と前記第1の分離手段からの第1の輝度信号とのいずれかを出力輝度信号として出力する切換手段と、
を具備したことを特徴とするY/C分離回路。
【請求項5】
前記高域成分検出手段は、
前記第1及び第2の輝度信号の高域成分を検出する第1及び第2のフィルタ手段と、
前記第1及び第2のフィルタ手段の出力を夫々前記第1の閾値及び第2の閾値と比較する第1及び第2の比較手段と、
前記第1及び第2の比較手段の出力のアンド演算を行って2値の検出結果を出力するアンド演算手段と、
を具備したことを特徴とする請求項1に記載のY/C分離回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−134824(P2007−134824A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−324056(P2005−324056)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】