説明

m‐ジアミノベンゼン及びその酸付加物並びに、染色剤におけるその使用

本発明は、下記式(I)の新規なm‐ジアミノベンゼン類:
【化1】


、染色剤へのこれらの使用、並びにこのようなm‐ジアミノベンゼン類を含有した酸化毛髪染色剤に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な酸化染料前駆体、並びに、ケラチン含有繊維(特に人間の頭髪)を染色するための、これら化合物を含有した薬剤に関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的な毛髪染色の分野では、酸化染料が非常に重要なものになっている。この場合、酸化剤の存在下での、特定の顕色物質と特定のカップラー物質との反応によって発色が生じる。特に重要であるのは、顕色剤とカップラーの適当な組み合わせによって自然な色調範囲の着色が得られる毛髪染色剤や、モダンな色調が得られる毛髪染色剤である。人間の頭髪を染色することを目的とした染料については特別な必要条件がある。このような染料は、所望の色及び濃度の着色が達成できるものでなければならない一方、毒物学的な点においても皮膚科学的な点においても危険性のないものでなければならず、しかも、刺激性のないものでなければならない。
【0003】
モダンな色調を生じさせることを目的とした染料の必要条件は、自然な色調範囲をカバーするものとは区別することができ、独特である。主な判定基準は、例えば染色して得られたものの鮮やかさを反映している色堅牢度である。特に青色の領域においては、よく添加されるp‐フェニレンジアミン類(例えばp‐フェニレンジアミン、p‐トルイレンジアミン及び2,5‐ジアミノ‐(2’‐ヒドロキシエチル)‐ベンゼン)と一緒に、非常に澄んだ青の色調を生じさせることが可能な組み合わせは、今日までにまだ見い出されていなかった。例えば2,4‐ジアミノ‐フェノキシ‐エタノール、5‐((2‐ヒドロキシエチル)ジアミノ)‐2‐メトキシ‐アニリン又は1,3‐ジ(2,4‐ジアミノフェノキシ)‐プロパンなどの通常の青色カップラーは、鮮やかな青色の色調を生じさせることができない。というのは、これらは、かなりの赤色成分をもたらすからである。このような赤色成分は、例えばL‐色システムにおいて増加したa‐値によって認識される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえ、本発明の課題は、特に、しばしば使用されるp‐フェニレンジアミン類との組み合わせにおいて鮮やかな青色の色調を生じさせる新規なカップラー化合物、及び、外部からの影響に対して、特に頻繁な洗浄及び日光に対して高い安定性を有した酸化毛髪染色剤を提供することである。
【0005】
驚くべきことに、今ここに、特定のm‐ジアミノベンゼン誘導体が上記の課題を非常にうまく満たすものであることが見い出された。
【課題を解決するための手段】
【0006】
それゆえ、本発明の対象は、下記の式(I):
【0007】
【化1】

【0008】
〔上式にて、nは0≦n≦3の数であり、
HXは、有機又は無機の酸を示し、しかも
Arは、ナフチル基、メチレンジオキシフェニル基、置換されていない又は置換された又はベンゾ縮合した5個又は6個の原子から構成されたヘテロ芳香族基で、特には、ピリジニル残基、フリル残基、チエニル残基、ピロール残基、インドリル残基、イミダゾリル残基又はピラゾリル残基であるか、あるいは、下記式(II)のベンゾ芳香族基:
【0009】
【化2】

【0010】
(上式にて、残基R1〜R5は独立して互いに以下の残基を示す:水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトリル基、カルボンアミド基、アセチルアミノ基、直鎖又は分枝したC1‐C12‐アルキル基、直鎖又は分枝したC1‐C12‐アルコキシ基、直鎖又は分枝したC1‐C12‐アルキルアミノ基、直鎖又は分枝したジ‐(C1‐C6)‐アルキルアミノ基、フェニル基、モルフォリノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、C2‐C4‐ヒドロキシアルキル基、C2‐C4‐ヒドロキシアルコキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメチル基又はメチルスルフォニル基)
である〕
のm‐ジアミノベンゼンである。
【0011】
上記の酸付加物を製造するには、無機酸の他に有機酸を使用することもできる。好ましい酸については、塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸及び酒石酸が挙げられ、特に好ましいのは塩酸及び硫酸である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に挙げた本発明の化合物は特に好ましい。
【0013】
【化3】

【0014】
【化4】

【0015】
【化5】

【0016】
【化6】

【0017】
前記式(I)の本発明の化合物の製造は、クネベナゲル条件下での、下記の一般式(III)のアルデヒドと、2,4‐ジニトロトルエン(IV)との縮合によって行なわれることが好ましく、スチルベン(V)が得られる。このような縮合については、特にS.B Lokhande, D.W. Rangnekar, Ind. J. Chem. 25B, 485-8 (1986)と、B.G. Tiemann e.a., Chem. Mater 1990, 2, 690-695の両方の文献に示されている。ニトロ基並びにスチルベン二重結合の完全な還元によってm‐フェニレンジアミン(I)が得られ、この化合物は、フリーな塩基として、又は好ましくは酸付加物として単離することができる。
【0018】
【化7】

【0019】
上記式(I)のm‐ジアミノベンゼンは、天然及び合成の繊維を染色するための酸化システムにおける染料前駆体として非常に好適である。
【0020】
それゆえ、本発明の更に別の対象は、繊維、特にケラチン繊維、例えば羊毛又は毛髪、特に人間の頭髪を酸化染色するための、上記式(I)のm‐ジアミノベンゼンの使用である。
【0021】
本発明の更に別の対象は、繊維、特にケラチン繊維、例えば羊毛又は毛髪、特に人間の頭髪を酸化染色するための薬剤であり、この薬剤は、適当な染色キャリヤー物質中に上記式(I)のm‐ジアミノベンゼンの少なくとも1種を含有する。
【0022】
この場合において、上記式(I)のm‐ジアミノベンゼンは単独で、あるいは、他の顕色物質及び/又はカップラー物質と組み合わせて添加することができ、この際、上記式(I)のm‐ジアミノベンゼンの添加量は、約0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0023】
酸化製剤において、本発明の化合物との組み合わせで非常に適した顕色物質としては、例えばパラフェニレンジアミン誘導体、パラアミノフェノール誘導体及び4,5‐ジアミノピラゾール誘導体、並びにその塩が挙げられる。特に、下記の化合物が挙げられる。
1,4‐ジアミノベンゼン(p‐フェニレンジアミン)、1,4‐ジアミノ‐2‐メチル‐ベンゼン(p‐トルイレンジアミン)、1,4‐ジアミノ‐2,6‐ジメチル‐ベンゼン、1,4‐ジアミノ‐2,5‐ジメチル‐ベンゼン、1,4‐ジアミノ‐2,3‐ジメチル‐ベンゼン、2‐クロロ‐1,4‐ジアミノ‐ベンゼン、4‐フェニルアミノ‐アニリン、4‐ジメチルアミノ‐アニリン、4‐ジエチルアミノ‐アニリン、4‐〔ジ(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐アニリン、4‐〔(2‐メトキシエチル)アミノ〕‐アニリン、4‐〔(3‐ヒドロキシプロピル)アミノ〕‐アニリン、1,4‐ジアミノ‐2‐(2‐ヒドロキシエチル)‐ベンゼン、1,4‐ジアミノ‐2‐(1‐メチルエチル)‐ベンゼン、1,3‐ビス〔(4‐アミノフェニル)‐(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐2‐プロパノール、1,8‐ビス(2,5‐ジアミノフェノキシ)‐3,6‐ジオキサオクタン、4‐アミノ‐フェノール、4‐アミノ‐3‐メチル‐フェノール、4‐メチルアミノ‐フェノール、4‐アミノ‐2‐(アミノメチル)‐フェノール、4‐アミノ‐2‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕メチル‐フェノール、4‐アミノ‐2‐(メトキシ‐メチル)‐フェノール、4‐アミノ‐2‐(2‐ヒドロキシエチル)‐フェノール、5‐アミノ‐サリチル酸、2,5‐ジアミノ‐ピリジン、2,4,5,6‐テトラアミノ‐ピリミジン、2,5,6‐トリアミノ‐4‐(1H)‐ピリミドン、4,5‐ジアミノ‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)‐1H‐ピラゾール、4,5‐ジアミノ‐1‐(1‐メチルエチル)‐1H‐ピラゾール、4,5‐ジアミノ‐1‐〔(4‐メチルフェニル)メチル〕‐1H‐ピラゾール、1‐〔(4‐クロロフェニル)メチル〕‐4,5‐ジアミノ‐1H‐ピラゾール、4,5‐ジアミノ‐1‐メチル‐1H‐ピラゾール、4,5‐ジアミノ‐3‐メチル‐1‐フェニル‐1H‐ピラゾール、4,5‐ジアミノ‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)‐3‐メチル‐1H‐ピラゾール、1,2‐ビス‐(4,5‐ジアミノ‐1H‐ピラゾール‐1‐イル)‐エタン、1,4‐ビス‐(4,5‐ジアミノ‐ピラゾール‐1‐イル‐メチル)‐ベンゼン、4,5‐ジアミノ‐1‐(2‐メチルフェニル)‐1H‐ピラゾール、4,5‐ジアミノ‐1‐(3‐メチルフェニル)‐1H‐ピラゾール、4,5‐ジアミノ‐1‐(4‐メチルフェニル)‐1H‐ピラゾール、4,5‐ジアミノ‐1‐(2,4‐ジメチルフェニル)‐1H‐ピラゾール、4,5‐ジアミノ‐1‐(2,5‐ジメチルフェニル)‐1H‐ピラゾール、4,5‐ジアミノ‐1‐(2‐エチルフェニル)‐1H‐ピラゾール、4,5‐ジアミノ‐1‐(4‐イソプロピルフェニル)‐1H‐ピラゾール、4,5‐ジアミノ‐1‐(4‐メトキシフェニル)‐1H‐ピラゾール、1‐(4‐アミノ‐フェニル)‐4,5‐ジアミノ‐1H‐ピラゾール、1‐(4‐クロロフェニル)‐4,5‐ジアミノ‐1H‐ピラゾール、4,5‐ジアミノ‐1‐(2‐ピリジニル)‐1H‐ピラゾール、2‐アミノ‐フェノール、2‐アミノ‐6‐メチル‐フェノール及び、2‐アミノ‐5‐メチル‐フェノール、又はこれらの塩。
【0024】
特定のニュアンスを生じさせるために本発明の化合物と組み合わせて添加することができる適した追加のカップラー物質としては、以下のものが挙げられる。
N‐(3‐ジメチルアミノ‐フェニル)尿素、2,6‐ジアミノピリジン、2‐アミノ‐4‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐アニソール、2,4‐ジアミノ‐1‐フルオロ‐5‐メチルベンゼン、2,4‐ジアミノ‐1‐メトキシ‐5‐メチルベンゼン、2,4‐ジアミノ‐1‐エトキシ‐5‐メチルベンゼン、2,4‐ジアミノ‐1‐(2‐ヒドロキシエトキシ)‐5‐メチルベンゼン、2,4‐ジ〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐1,5‐ジメトキシベンゼン、2,3‐ジアミノ‐6‐メトキシピリジン、3‐アミノ‐6‐メトキシ‐2‐(メチルアミノ)‐ピリジン、2,6‐ジアミノ‐3,5‐ジメトキシ‐ピリジン、3,5‐ジアミノ‐2,6‐ジメトキシ‐ピリジン、1,3‐ジアミノベンゼン、2,4‐ジアミノ‐1‐(2‐ヒドロキシエトキシ)‐ベンゼン、2,4‐ジアミノ‐1‐(3‐ヒドロキシプロポキシ)‐ベンゼン、1‐(2‐アミノエトキシ)‐2,4‐ジアミノベンゼン、2‐アミノ‐1‐(2‐ヒドロキシエトキシ)‐4‐メチルアミノベンゼン、2,4‐ジアミノフェノキシ酢酸、3‐〔ジ(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐アニリン、4‐アミノ‐2‐ジ〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐1‐エトキシベンゼン、5‐メチル‐2‐(1‐メチルエチル)‐フェノール、3‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐アニリン、3‐〔(2‐アミノエチル)アミノ〕‐アニリン、1,3‐ジ(2,4‐ジアミノフェノキシ)‐プロパン、ジ(2,4‐ジアミノフェノキシ)‐メタン、1,3‐ジアミノ‐2,4‐ジメトキシベンゼン、2,6‐ビス(2‐ヒドロキシエチル)アミノトルエン、4‐ヒドロキシインドール、3‐ジメチルアミノフェノール、3‐ジエチルアミノフェノール、5‐アミノ‐2‐メチルフェノール、5‐アミノ‐4‐フルオロ‐2‐メチルフェノール、5‐アミノ‐4‐メトキシ‐2‐メチルフェノール、5‐アミノ‐4‐エトキシ‐2‐メチルフェノール、3‐アミノ‐2,4‐ジクロロフェノール、5‐アミノ‐2,4‐ジクロロフェノール、3‐アミノ‐2‐メチルフェノール、3‐アミノ‐2‐クロロ‐6‐メチルフェノール、3‐アミノフェノール、2‐〔(3‐ヒドロキシフェニル)アミノ〕‐アセトアミド、5‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐2‐メチルフェノール、3‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐フェノール、3‐〔(2‐メトキシエチル)アミノ〕‐フェノール、5‐アミノ‐2‐エチルフェノール、2‐(4‐アミノ‐2‐ヒドロキシフェノキシ)‐エタノール、5‐〔(3‐ヒドロキシプロピル)アミノ〕‐2‐メチルフェノール、3‐〔(2,3‐ジヒドロキシプロピル)アミノ〕‐2‐メチルフェノール、3‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐2‐メチルフェノール、2‐アミノ‐3‐ヒドロキシピリジン、5‐アミノ‐4‐クロロ‐2‐メチルフェノール、1‐ナフトール、1,5‐ジヒドロキシナフタレン、1,7‐ジヒドロキシナフタレン、2,3‐ジヒドロキシナフタレン、2,7‐ジヒドロキシナフタレン、2‐メチル‐1‐ナフトールアセテート、1,3‐ジヒドロキシベンゼン、1‐クロロ‐2,4‐ジヒドロキシベンゼン、2‐クロロ‐1,3‐ジヒドロキシベンゼン、1,2‐ジクロロ‐3,5‐ジヒドロキシ‐4‐メチルベンゼン、1,5‐ジクロロ‐2,4‐ジヒドロキシベンゼン、1,3‐ジヒドロキシ‐2‐メチルベンゼン、3,4‐メチレンジオキシフェノール、3,4‐メチレンジオキシアニリン、5‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐1,3‐ベンゾジオクソール、6‐ブロモ‐1‐ヒドロキシ‐3,4‐メチレンジオキシベンゼン、3,4‐ジアミノ安息香酸、3,4‐ジヒドロ‐6‐ヒドロキシ‐1,4(2H)‐ベンゾキサジン、6‐アミノ‐3,4‐ジヒドロ‐1,4(2H)‐ベンゾキサジン、3‐メチル‐1‐フェニル‐5‐ピラゾロン、5,6‐ジヒドロキシインドール、5,6‐ジヒドロキシインドリン、5‐ヒドロキシインドール、6‐ヒドロキシインドール、7‐ヒドロキシインドール及び2,3‐インドリンジオン。
【0025】
更に、本発明による染色剤中には、直接性のアニオン性、カチオン性又は中性染料が含有されても良い。好ましいアニオン性染料としては、例えば、6‐ヒドロキシ‐5‐〔(4‐スルホフェニル)アゾ〕‐2‐ナフタレンスルホン酸ジナトリウム塩(CI15985;フードイエローNo.3;FD&CイエローNo.6)、2,4‐ジニトロ‐1‐ナフトール‐7‐スルホン酸ジナトリウム塩(CI10316;アシッドイエローNo.1;フードイエローNo.1)、2‐(インダン‐1,3‐ジオン‐2‐イル)キノリン‐x,x‐スルホン酸(モノスルホン酸とジスルホン酸との混合物)(CI47005;D&CイエローNo.10;フードイエローNo.13:アシッドイエローNo.3)、5‐ヒドロキシ‐1‐(4‐スルホフェニル)‐4‐〔(4‐スルホフェニル)アゾ〕ピラゾール‐3‐カルボン酸トリナトリウム塩(CI19140;フードイエローNo.4;アシッドイエローNo.23)、9‐(2‐カルボキシフェニル)‐6‐ヒドロキシ‐3H‐キサンテン‐3‐オン(CI45350;アシッドイエローNo.73;D&CイエローNo.8)、5‐〔(2,4‐ジニトロフェニル)アミノ〕‐2‐フェニルアミノベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(CI10385;アシッドオレンジNo.3)、4‐〔(2,4‐ジヒドロキシフェニル)アゾ〕‐ベンゼンスルホン酸モノナトリウム塩(CI14270;アシッドオレンジNo.6)、4‐〔(2‐ヒドロキシナフト‐1‐イル)アゾ〕‐ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(CI15510;アシッドオレンジNo.7)、4‐〔(2,4‐ジヒドロキシ‐3‐〔(2,4‐ジメチルフェニル)アゾ〕‐フェニル)アゾ〕‐ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(CI20170;アシッドオレンジNo.24)、4‐ヒドロキシ‐3‐〔(4‐スルホナフト‐1‐イル)アゾ〕‐1‐ナフタレンスルホン酸ジナトリウム塩(CI14720;アシッドレッドNo.14)、6‐ヒドロキシ‐5‐〔(4‐スルホナフト‐1‐イル)アゾ〕‐2,4‐ナフタレン‐ジスルホン酸トリナトリウム塩(CI16255;ポンソウ4R;アシッドレッドNo.18)、3‐ヒドロキシ‐4‐〔(4‐スルホナフト‐1‐イル)アゾ〕‐2,7‐ナフタレンジスルホン酸トリナトリウム塩(CI16185;アシッドレッドNo.27)、8‐アミノ‐1‐ヒドロキシ‐2‐(フェニルアゾ)‐3,6‐ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム塩(CI17200;アシッドレッドNo.33)、5‐(アセチルアミノ)‐4‐ヒドロキシ‐3‐〔(2‐メチルフェニル)アゾ〕‐2,7‐ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム塩(CI18065;アシッドレッドNo.35)、2‐(3‐ヒドロキシ‐2,4,5,7‐テトラヨード‐ジベンゾピラン‐6‐オン‐9‐イル)‐安息香酸ジナトリウム塩(CI45430;アシッドレッドNo.51)、N‐〔6‐(ジエチルアミノ)‐9‐(2,4‐ジスルホフェニル)‐3H‐キサンテン‐3‐イリデン〕‐N‐エチルエタンアンモニウムヒドロキシド、分子内塩、ナトリウム塩(CI45100;アシッドレッドNo.52)、8‐〔(4‐(フェニルアゾ)フェニル)アゾ〕‐7‐ナフトール‐1,3‐ジスルホン酸ジナトリウム塩(CI27290;アシッドレッドNo.73)、2’,4’,5’,7’‐テトラブロモ‐3’,6’‐ジヒドロキシスピロ〔イソベンゾフラン‐1(3H),9’‐〔9H〕キサンテン〕‐3‐オン‐ジナトリウム塩(CI45380;アシッドレッドNo.87)、2’,4’,5’,7’‐テトラブロモ‐4,5,6,7‐テトラクロロ‐3’,6’‐ジヒドロキシスピロ〔イソベンゾフラン‐1(3H),9’〔9H〕キサンテン〕‐3‐オン‐ジナトリウム塩(CI45410;アシッドレッドNo.92)、3’,6’‐ジヒドロキシ‐4’,5’‐ジヨードスピロ‐〔イソベンゾフラン‐1(3H),9’〔9H〕‐キサンテン〕‐3‐オン‐ジナトリウム塩(CI45425;アシッドレッドNo.95)、(2‐スルホフェニル)ジ〔4‐(エチル((4‐スルホフェニル)メチル)アミノ)‐フェニル〕‐カルベニウムジナトリウム塩、ベタイン(CI42090;アシッドブルーNo.9;FD&CブルーNo.1)、1,4‐ビス〔(2‐スルホ‐4‐メチルフェニル)アミノ〕‐9,10‐アントラキノンジナトリウム塩(CI61570;アシッドグリーンNo.25)、ビス〔4‐(ジメチルアミノ)フェニル〕‐(3,7‐ジスルホ‐2‐ヒドロキシナフト‐1‐イル)カルベニウム分子内塩、モノナトリウム塩(CI44090;フードグリーンNo.4;アシッドグリーンNo.50)、ビス〔4‐(ジエチルアミノ)フェニル〕(2,4‐ジスルホフェニル)‐カルベニウム分子内塩、ナトリウム塩(2:1)(CI42045;フードブルーNo.3;アシッドブルーNo.1)、ビス〔4‐(ジエチルアミノ)フェニル〕(5‐ヒドロキシ‐2,4‐ジスルホフェニル)カルベニウム分子内塩、カルシウム塩(2:1)(CI42051;アシッドブルーNo.3)、1‐アミノ‐4‐(シクロヘキシルアミノ)‐9,10‐アントラキノン‐2‐スルホン酸ナトリウム塩(CI62045;アシッドブルーNo.62)、2‐(1,3‐ジヒドロ‐3‐オクソ‐5‐スルホ‐2H‐インドール‐2‐イリデン)‐2,3‐ジヒドロ‐3‐オクソ‐1H‐インドール‐5‐スルホン酸ジナトリウム塩(CI73015;アシッドブルーNo.74)、9‐(2‐カルボキシフェニル)‐3‐〔(2‐メチルフェニル)アミノ〕‐6‐(2‐メチル‐4‐スルホフェニル)アミノ〕キサンチリウム分子内塩、モノナトリウム塩(CI45190;アシッドバイオレットNo.9)、1‐ヒドロキシ‐4‐〔(4‐メチル‐2‐スルホフェニル)アミノ〕‐9,10‐アントラキノンナトリウム塩(CI60730;D&CバイオレットNo.2;アシッドバイオレットNo.43)、ビス{3‐ニトロ‐4‐〔(4‐フェニルアミノ)‐3‐スルホフェニルアミノ〕‐フェニル}‐スルホン(CI10410;アシッドブラウンNo.13)、5‐アミノ‐4‐ヒドロキシ‐6‐〔(4‐ニトロフェニル)アゾ〕‐3‐(フェニルアゾ)‐2,7‐ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム塩(CI20470;アシッドブラックNo.1)、3‐ヒドロキシ‐4‐〔(2‐ヒドロキシナフト‐1‐イル)アゾ〕‐7‐ニトロ‐1‐ナフタレンスルホン酸クロム錯体(3:2)(CI15711;アシッドブラックNo.52)、3‐〔(2,4‐ジメチル‐5‐スルホフェニル)アゾ〕‐4‐ヒドロキシ‐1‐ナフタレンスルホン酸ジナトリウム塩(CI14700;フードレッドNo.1;ポンソウSX;FD&CレッドNo.4)、4‐(アセチルアミノ)‐5‐ヒドロキシ‐6‐〔(7‐スルホ‐4‐〔(4‐スルホフェニル)アゾ〕ナフト‐1‐イル)アゾ〕‐1,7‐ナフタレンジスルホン酸テトラナトリウム塩(CI28440;フードブラックNo.1)、3‐ヒドロキシ‐4‐(3‐メチル‐5‐オクソ‐1‐フェニル‐4,5‐ジヒドロ‐1H‐ピラゾール‐4‐イルアゾ)‐ナフタレン‐1‐スルホン酸ナトリウム塩クロム錯体(アシッドレッドNo.195)が挙げられる。
【0026】
より良好な色調整のため、及び特殊なニュアンスを生じさせるためには、特に、以下の非イオン性の染料が示される。
1‐アミノ‐2‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐5‐ニトロベンゼン(HCイエローNo.5)、1‐(2‐ヒドロキシエトキシ)‐2‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐5‐ニトロベンゼン(HCイエローNo.4)、1‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼン(HCイエローNo.2)、2‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐1‐メトキシ‐5‐ニトロベンゼン、2‐アミノ‐3‐ニトロフェノール、1‐(2‐ヒドロキシエトキシ)‐3‐メチルアミノ‐4‐ニトロベンゼン、2,3‐(ジヒドロキシプロポキシ)‐3‐メチルアミノ‐4‐ニトロベンゼン、2‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐5‐ニトロフェノール(HCイエローNo.11)、3‐〔(2‐アミノエチル)アミノ〕‐1‐メトキシ‐4‐ニトロベンゼンヒドロクロリド(HCイエローNo.9)、1‐〔(2‐ウレイドエチル)アミノ〕‐4‐ニトロベンゼン、4‐〔(2,3‐ジヒドロキシプロピル)アミノ〕‐3‐ニトロ‐1‐トリフルオロメチルベンゼン(HCイエローNo.6)、1‐クロロ‐2,4‐ビス‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐5‐ニトロベンゼン(HCイエローNo.10)、4‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐3‐ニトロ‐1‐メチルベンゼン、1‐クロロ‐4‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐3‐ニトロベンゼン(HCイエローNo.12)、4‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐3‐ニトロ‐1‐トリフルオロメチルベンゼン(HCイエローNo.13)、4‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐3‐ニトロベンゾニトリル(HCイエローNo.14)、4‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐3‐ニトロベンザミド(HCイエローNo.15)、1‐アミノ‐4‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼン(HCレッドNo.7)、2‐アミノ‐4,6‐ジニトロフェノール、2‐エチルアミノ‐4,6‐ジニトロフェノール、4‐アミノ‐2‐ニトロジフェニルアミン(HCレッドNo.1)、1‐アミノ‐4‐〔ジ(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼンヒドロクロリド(HCレッドNo.13)、1‐アミノ‐5‐クロロ‐4‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼン、4‐アミノ‐1‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼン(HCレッドNo.3)、4‐アミノ‐3‐ニトロフェノール、4‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐3‐ニトロフェノール、1‐〔(2‐アミノエチル)アミノ〕‐4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)‐2‐ニトロベンゼン(HCオレンジNo.2)、4‐(2,3‐ジヒドロキシプロポキシ)‐1‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼン(HCオレンジNo.3)、1‐アミノ‐5‐クロロ‐4‐〔(2,3‐ジヒトロキシプロピル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼン(HCレッドNo.10)、5‐クロロ‐1,4‐〔ジ(2,3‐ジヒドロキシプロピル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼン(HCレッドNo.11)、2‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐4,6‐ジニトロフェノール、4‐エチルアミノ‐3‐ニトロ安息香酸、2‐〔(4‐アミノ‐2‐ニトロフェニル)アミノ〕‐安息香酸、2‐クロロ‐6‐メチルアミノ‐4‐ニトロフェノール、2‐クロロ‐6‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐4‐ニトロフェノール、2‐クロロ‐6‐エチルアミノ‐4‐ニトロフェノール、2‐アミノ‐6‐クロロ‐4‐ニトロフェノール、4‐〔(3‐ヒドロキシプロピル)アミノ〕‐3‐ニトロフェノール、2,5‐ジアミノ‐6‐ニトロピリジン、1,2,3,4‐テトラヒドロ‐6‐ニトロキノクザリン、7‐アミノ‐3,4‐ジヒドロ‐6‐ニトロ‐2H‐1,4‐ベンゾキサジン(benzoxazin)(HCレッドNo.14)、1,4‐ビス〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼン、1‐(2‐ヒドロキシエチル)アミノ‐2‐ニトロ‐4〔ジ(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐ベンゼン(HCブルーNo.2)、1‐アミノ‐3‐メチル‐4‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐6‐ニトロベンゼン(HCバイオレットNo.1)、4‐〔エチル‐(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐1‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼンヒドロクロリド(HCブルーNo.12)、4‐〔ジ(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐1‐〔(2‐メトキシエチル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼン(HCブルーNo.11)、1‐〔(2,3‐ジヒドロキシプロピル)アミノ〕‐4‐〔メチル‐(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼン(HCブルーNo.10)、1‐〔(2,3‐ジヒドロキシプロピル)アミノ〕‐4‐〔エチル‐(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼンヒドロクロリド(HCブルーNo.9)、1‐(3‐ヒドロキシプロピルアミノ)‐4‐〔ジ(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼン(HCバイオレットNo.2)、1‐メチルアミノ‐4‐〔メチル‐(2,3‐ジヒトロキシプロピル)アミノ〕‐2‐ニトロベンゼン(HCブルーNo.6)、2‐((4‐アミノ‐2‐ニトロフェニル)アミノ)‐5‐ジメチルアミノ安息香酸(HCブルーNo.13)、1,4‐ジ〔(2,3‐ジヒドロキシプロピル)アミノ〕‐9,10‐アントラキノン、1‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐4‐メチルアミノ‐9,10‐アントラキノン(CI61505;ディスパースブルーNo.3)、2‐〔(2‐アミノエチル)アミノ〕‐9,10‐アントラキノン(HCオレンジNo.5)、1‐ヒドロキシ‐4‐〔(4‐メチル‐2‐スルホフェニル)アミノ〕‐9,10‐アントラキノン、1‐〔(3‐アミノプロピル)アミノ〕‐4‐メチルアミノ‐9,10‐アントラキノン(HCブルーNo.8)、1‐〔(3‐アミノプロピル)アミノ〕‐9,10‐アントラキノン(HCレッドNo.8)、1,4‐ジアミノ‐2‐メトキシ‐9,10‐アントラキノン(CI62015;ディスパースレッドNo.11、ソルベントバイオレットNo.26)、1,4‐ジヒドロキシ‐5,8‐ビス〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐9,10‐アントラキノン(CI62500;ディスパースブルーNo.7、ソルベントブルーNo.69)、1‐〔ジ(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐3‐メチル‐4‐〔(4‐ニトロフェニル)アゾ〕‐ベンゼン(CI11210;ディスパースレッドNo.17)、4‐〔(4‐アミノフェニル)アゾ〕‐1‐〔ジ(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐3‐メチルベンゼン(HCイエローNo.7)、2,6‐ジアミノ‐3‐〔(ピリジン‐3‐イル)アゾ〕‐ピリジン及び、
2‐((4‐アセチルアミノ)フェニル)‐アゾ)‐4‐メチルフェノール(CI11855;ディスパースイエローNo.3)。
【0027】
直接染料のグループからは、特に2‐アミノ‐4,6‐ジニトロフェノール、2‐エチルアミノ‐4,6‐ジニトロフェノール、2‐〔(2‐ヒドロキシエチル)アミノ〕‐4,6‐ジニトロフェノール及び、下記の一般式(VI)の染料:
【0028】
【化8】

【0029】
(上式にて、Rは水素、メチル、エチル又はヒドロキシエチルを示す)
も挙げられる。
【0030】
顕色物質とカップラー物質の総濃度は、使用の準備ができた染色剤中に約0.01〜10重量%であることが好ましく、約0.1〜6重量%であることが特に好ましい一方、直接染料の総濃度は0.1〜10重量%で、0.1〜5重量%が特に好ましい。
【0031】
その上、この染色キャリヤー物質中には、酸化防止剤、芳香油、錯体形成剤、湿潤剤、乳化剤、浸透剤、緩衝システム、保存剤、凝縮剤、保護物質及びこの他の化粧用添加剤が含有されても良い。
【0032】
上記の使用の準備ができた酸化毛髪染色剤、並びに使用の準備ができた酸化毛髪染色剤の調製形態は、例えば溶液、特に水性又は水‐アルコール性溶液とすることができる。しかしながら、特に好ましい調製形態は、クリーム、ゲル又はエマルジョンである。これらの調合物は、前記染料成分と、このような調製において一般的な添加物との混合により調製される。
【0033】
溶液、クリーム、エマルジョン又はゲルにおける通常の添加物には、例えば、水、低級脂肪族アルコール(例えばエタノール、プロパノール又はイソプロパノール)、グリセリン、又は1,2‐プロピレングリコールのようなグリコール類等の溶剤、更には、脂肪族アルコール硫酸塩、オキシエチル化脂肪族アルコール硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルベタイン、オキシエチル化脂肪族アルコール、オキシエチル化ノニルフェノール、脂肪酸アルカノールアミド、オキシエチル化脂肪酸エステルのような、アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性界面活性物質の属から選ばれた湿潤剤又は乳化剤、更に、高級脂肪族アルコール、澱粉又はセルロース誘導体のような濃縮剤、更には、ワセリン、パラフィン油及び脂肪酸、並びにカチオン性樹脂、ラノリン誘導体、コレステリン、パントテン酸及びベタインのような、この他の理髪物質が挙げられる。ここに挙げられた成分は、このような目的において一般的な量で使用される。上記染色キャリヤー物質に対して、例えば湿潤剤及び乳化剤では約0.5〜30重量%の濃度で、濃縮剤では約0.1〜25重量%の量で、理髪物質では約0.1〜5重量%の濃度で使用される。
【0034】
使用の準備ができた本発明の前記毛髪染色剤は、使用する直前に、前記染色キャリヤー物質と適当な酸化剤との混合によって製造される。原理的には、この酸化は空気によって(酵素による助けにより又は酵素による助けなしに)行なわれ得る。
【0035】
酸化剤としては、特に過酸化水素又は、尿素、メラミン又はホウ酸ナトリウムによる付加化合物で、1〜12%水溶液、好ましくは6%水溶液の形態のものが挙げられるが、この際、過酸化水素が特に好ましい。
【0036】
この場合において、前記染色キャリヤー物質と酸化剤とは、約5:1〜約1:3の重量比率にて互いに混合され、この際、1:1〜1:2の重量比率が特に好ましい。
【0037】
使用の準備ができた前記の本発明の染色剤のpH値は、好ましくはアルカリ性に調節された染色キャリヤー物質と少なくとも酸性に調節された酸化剤とが混合される際に、染色キャリヤー物質中のアルカリ量及び酸化剤中の酸の量によって、並びにその混合比率によって決定されたpH値に調整される。調合済みの染色剤のpH値は約3〜11であり、好ましくは6〜10.5である。
【0038】
前記染色キャリヤー物質と酸化剤のそれぞれのpH値を調整するには、所望のpH値に応じて、希釈された有機酸又は無機酸、例えばリン酸、アスコルビン酸、クエン酸及び乳酸など、又は、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、2‐アミノ‐2‐メチル‐1‐プロパノール、アンモニア、苛性ソーダ液、苛性カリ液、アミノ酸又はトリス(ヒドロキシメチル)アミノ‐メタンなどのアルカリを使用することができる。
【0039】
前記の染色キャリヤー物質を酸化剤と混合した後、このようにして得られた調合済みの酸化染色剤の、染色処理を行うのに充分な量、一般的には約60〜200gを、毛髪上に塗布する。
【0040】
上記の本発明の染色剤を、約15〜50℃で約10〜45分間、好ましくは40℃で30分間、毛髪に作用させ、それから、当該毛髪を水で濯ぎ流す。必要に応じて、このような濯ぎの後に引き続いて、シャンプーを用いて洗髪し、場合によっては、希釈した弱い有機酸、例えばクエン酸又は酒石酸のような弱い有機酸を用いて再び濯ぎを行う。引き続いて、この毛髪を乾燥させる。
【0041】
以下の実施例は、本発明の対象を更に詳しく説明するためのものであって、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0042】
実施例1:1,3‐ジアミノ‐4‐(2‐フェニルエチル)‐ベンゼン‐二塩酸塩の製造
S.B ロックハンデ、D.W.ラングネカー、Ind.J.Chem.25B、第485〜488頁(1986年)に従って製造された2,4‐ジニトロ‐1‐[(E)‐2‐フェニルエテニル]ベンゼン0.4gを40mlのエタノールに溶解させ、50mgのPd/C(10%品)と混合し、9バールの水素圧力下で4時間水素添加する。引き続いて、この触媒を、珪藻土上での濾過によって除去し、濾液を1.8モルのアルコール性塩酸10mlと混合する。酢酸エステルを添加し、結晶化を行うことにより、250℃を超える融点(分解)を有した生成物0.38gが得られる。
FAB−MS:213[M+H],100%
【0043】
実施例2:1,3‐ジアミノ‐4‐[2‐(4‐メチルフェニル)エチル]‐ベンゼンの製造
S.サラバナン及びP.スリニバサン、Synth.Commun.31(6)、第823〜826頁(2001年)に従って製造された1,3‐ジニトロ‐4‐[2‐(4‐メチルフェニル)エテニル]‐ベンゼン1.4gを、50mlのエタノール中にて0.2gのPd/C(10%品)上で、8バールの水素圧力下にて4時間水素添加する。引き続いて、この触媒を濾別し、残渣を乾燥させるために蒸発濃縮する。10mlのエーテルを添加することによって晶出した茶色がかった油状物が得られる。
収量:1.1gの黄色の生成物
H‐NMR(DMSO‐d):δ=7.15ppm(d,HH=7.8Hz,2H);7.08ppm(d,HH=7.8Hz,2H);6.57ppm(d,HH=7.9Hz,1H);5.91ppm(d,HH=2.1Hz,1H);5.79ppm(dd,HH=7.9Hz,HH=2.1Hz,1H);4.51ppm(s幅広,4H);2.65ppm(m,2H);2.55ppm(m,2H);2.27ppm(s,3H).
【0044】
実施例3:1,3‐ジアミノ‐4‐[2‐(4‐メトキシフェニル)エチル]‐ベンゼン‐二塩酸塩の製造
S.サラバナン及びP.スリニバサン、Synth.Commun.31(6)、第823〜826頁(2001年)に従って製造された1,3‐ジニトロ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシフェニル)エテニル]‐ベンゼン2.86gを、50mlのエタノール中にて0.3gのPd/C(10%品)上で、8バールの水素圧力下にて2時間水素添加する。引き続いて、この触媒を濾別し、濾液を1.8モルのエタノール性塩酸30mlと混合し、引き続いて、乾燥を行うために蒸発濃縮する。30mlの酢酸エチルエステルを添加することによって晶出した茶色がかった油状物が得られる。
収量:2.7gのベージュ色の生成物
H‐NMR(DMSO‐d):δ=9.33ppm(s非常に幅広い,6H);7.35−7.28(シグナル干渉,2H);7.10ppm(d,HH=8.3Hz,2H+シグナル干渉,1H);6.70ppm(d,HH=8.3Hz,2H);2.85ppm(m,2H);2.79ppm(m,2H).
【0045】
実施例4:1,3‐ジアミノ‐4‐[2‐(4‐メトキシフェニル)エチル]‐ベンゼンの製造
実施例3にて得られた1,3‐ジアミノ‐4‐[2‐(4‐メトキシフェニル)エチル]‐ベンゼン‐二塩酸塩1gを、50mlの水中にて飽和炭酸ナトリウム溶液とpHが8になるまで混合する。吸引して取り出し、少量の冷水で洗浄した後、五酸化リン上で真空にて乾燥させる。
収量:融点が187〜189℃である0.8gのベージュ色の生成物
H‐NMR(DMSO‐d):δ=9.10ppm(s,1H);7.05ppm(d,HH=8.4Hz,2H);6.67ppm(d,HH=8.4Hz,2H);6.57ppm(d,HH=8.0Hz,1H);5.91ppm(d,HH=2.1Hz,1H);5.79ppm(dd,HH=8.0Hz,HH=2.1Hz,1H);4.52ppm(s幅広,4H);2.60ppm(m,2H);2.00ppm(m,2H,DMSOによるシグナル干渉).
【0046】
実施例5:1,3‐ジアミノ‐4‐[2‐(4‐(ジメチルアミノ)フェニル)エチル]‐ベンゼン‐三塩酸塩の製造
B.G.シーマン,S.R.マーダー及びJ.W.ペリー、Chem.Mater.1990年、2巻、第690〜695頁に従って製造された4‐[(E)‐2‐(2,4‐ジニトロフェニル)エテニル]‐N,N‐ジメチルアニリン10.03gを200mlのエタノールに溶解させ、1gのPd/C(10%品)上で、9バールの水素圧力下にて7時間水素添加する。引き続いて、この触媒を、珪藻土上での濾過によって除去し、濾液を3モルのエタノール性塩酸200mlと混合する。このようにして得られた溶液を20%の容積となるまで濃縮し、攪拌しながら600mlの酢酸エステルを加えると、この際、生成物が析出する。32%の塩酸100mlから結晶化させ、五酸化リン上で真空にて乾燥させた後に、8.4gの無色の結晶が生じ、この結晶は、250℃以上で分解する。
H‐NMR(DMSO‐d):δ=7.68ppm(d,HH=8.4Hz,2H);7.52ppm(d,HH=8.4Hz,2H);7.27ppm(d,HH=7.5Hz,1H);7.12ppm(s,幅広,1H);6.94ppm(d幅広,HH=7.5Hz,1H);3.10ppm(s,6H);2.90ppm(m,4H).
FAB−MS:256[M+H],100%
元素分析: C1621,x2.89HClx0.79HO:M=374.97
%C %H %N %Cl
計算値: 51.25 6.85 11.21 27.32
実測値: 51.23 6.46 11.26 27.31
【0047】
実施例6:1,3‐ジアミノ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシフェニル)エチル]‐ベンゼン‐二塩酸塩の製造
工程1:1‐{(E)‐2‐[4‐(ベンジロキシ)フェニル]エテニル}‐2,4‐ジニトロベンゼン
2,4‐ジニトロトルエン18.21g(0.1モル)、4‐ベンジロキシ‐ベンズアルデヒド21.23g(0.1モル)及びピロリジン1.8mlを、140mlのジメチルホルムアミド中にて100℃で2時間加熱すると、この反応混合物は濃い茶色に変色する。その後、この反応混合物を室温まで冷却し、210mlのイソプロパノールで希釈し、引き続いて更に1時間、氷で冷却しながら攪拌する。この生成物を取り出し、少量の冷イソプロパノールで後洗浄し、真空中で40℃にて乾燥させる。
収量:21.4gのオレンジ色の生成物(理論値の57%)
元素分析: C2116,M=376.37
%C %H %N
計算値: 6.02 4.29 7.44
実測値: 67.02 4.26 7.26
【0048】
工程2:1,3‐ジアミノ‐4‐[2‐(4‐ヒドロキシフェニル)エチル]‐ベンゼン‐二塩酸塩
前記の生成物5.08g(13.5ミリモル)を125mlのエタノールに溶解させ、500mgのPd/C(10%品)を加え、9バールの水素圧力下で4時間水素添加する。引き続いて、この触媒を、珪藻土上での濾過によって除去する。濾液に32%の塩酸3.7gを攪拌しながら加え、この混合物を減圧下で40℃にて、容積が半分となるまで濃縮すると、結晶化が起こる。このようにして析出した粗生成物を取り出し、15mlの水と32%の塩酸5mlとの混合物から晶出させる。これを取り出して真空下で50℃にて乾燥させると、5.4gのベージュ色の生成物が得られる。
H‐NMR(DMSO‐d):δ=9.33ppm(s,幅広,OH及び水);7.31ppm(d,HH=7.2Hz,2H);7.11ppm(m,3H);6.7ppm(d,HH=8.2Hz,2H);2.85ppm(m,2H);2.79ppm(m,2H).
元素分析: C1416Ox2HCl(0.42%湿気残留)
M=302.48
%C %H %N %Cl
計算値: 55.59 6.04 9.26 23.44
実測値: 55.80 6.00 9.30 23.20
【0049】
実施例7:1,3‐ジアミノ‐4‐[2‐(4‐ピリジニル)エチル]‐ベンゼン‐三塩酸塩
工程1:4‐[(E)‐2‐(2,4‐ジニトロフェニル)エテニル]ピリジン
2,4‐ジニトロトルエン1.4g(7.7ミリモル)、ピリジン‐4‐カルボキシアルデヒド0.82g(7.7ミリモル)及びピロリジン0.2mlを、10mlの丸底フラスコ内に入れ、このフラスコに跳ねよけカバーを設け、家庭用電子レンジ(850ワット)で20秒間照射を行う。その後、冷却し、20mlのアセトンを添加することによって生成物を沈殿させる。これを取り出して真空下で40℃にて乾燥させると、0.9gの生成物(理論値の43%)が生じる。
H‐NMR(DMSO‐d):δ=8.78ppm(d,HH=2.2Hz,1H);8.65ppm(d,HH=6.0Hz,2H);8.58ppm(d,HH=8.6Hz,HH=2.2Hz,1H);8.27ppm(d,HH=8.6Hz,1H);8.27ppm(d,HH=8.6Hz,1H);7.81ppm(d,HH=16.2Hz,1H);7.64ppm(d,HH=6.0Hz,2H);7.54ppm(d,HH=16.2Hz,1H).
工程2:1,3‐ジアミノ‐4‐[2‐(4‐ピリジニル)エチル]‐ベンゼン‐三塩酸塩
工程1で得られた生成物0.3g(1ミリモル)を、20mlのエタノール中にて50mgのPd/C(10%品)上で、9バールの水素圧力下で4時間水素添加する。この触媒を珪藻土上で濾別し、3.3モルのエタノール性塩酸溶液10mlを添加する。生成物を分離するために、減圧下で40℃にてかなりの程度にまで蒸発濃縮させ、10〜15mlの酢酸エチルエステルを添加することによって塩を析出させる。これを取り出して真空下で50℃にて乾燥させると、0.28gのベージュ色の生成物が得られる。
H‐NMR(DMSO‐d):δ=8.88ppm(d,HH=6.5Hz,2H);8.11ppm(d,HH=6.5Hz,2H);7.25ppm(d,HH=8.0Hz,1H);7.09ppm(s,幅広,1H);6.92ppm(d,幅広,HH=8.0Hz,1H);3.24ppm(m,2H);3.00ppm(m,2H).
【0050】
実施例8:1,3‐ジアミノ‐4‐[2‐(3‐ピリジニル)エチル]‐ベンゼン‐三塩酸塩
前記実施例7に記載される合成方法と同様にして、ピリジン‐3‐カルボキシアルデヒドから、対応する1,3‐ジアミノ‐4‐[2‐(3‐ピリジニル)エチル]‐ベンゼン‐三塩酸塩が48%の総収率にて得られる。
H‐NMR(DMSO‐d):δ=9.04ppm(s,1H);8.83ppm(d,HH=5.4Hz,1H);8.69ppm(d,HH=8.1Hz,1H);8.07ppm(dd,HH=5.4Hz,HH=8.1Hz,1H);7.39ppm(d,HH=8.0Hz,1H);7.33ppm(s,1H);7.15ppm(d,HH=8.0Hz,1H);3.20ppm(m,2H);3.04ppm(m,2H).
元素分析: C1315x3HCl(0.89%湿気残留)
M=325.55
%C %H %N %Cl
計算値: 47.96 5.67 12.91 32.67
実測値: 47.60 5.20 12.90 32.50
【0051】
実施例9:酸化毛髪染色剤、塩基性溶液
以下に記載された基本調合物10mlに、表1に挙げられた前記一般式(I)の本発明のカップラー物質0.25ミリモルをそれぞれ溶解させる。
基本調合
80.00g エタノール
100.00g 硫酸ラウリルエーテルナトリウム、28%水溶液
90.00g アンモニア、25%水溶液
3.00g アスコルビン酸
4.00g 亜硫酸ナトリウム
添加して1000.00gとなる水、脱塩したもの
【0052】
同様の方法で、上記の基本調合物10mlに、表1に挙げられた顕色物質0.25ミリモルをそれぞれ溶解させる。
使用する直前にそれぞれ、10gの顕色剤溶液と10gのカップラー溶液とを互いに混合する。この混合物に、引き続いて6%過酸化水素溶液20gを加え、よく混ぜ合わせると、使用の準備ができた染色溶液が得られる。このようにして得られた使用の準備ができた酸化毛髪染色剤を、引き続いて漂白した毛髪に塗布する。40℃で30分間の作用時間の後、この毛髪束を濯ぎ、着色保護シャンプーを用いて洗浄し、乾燥させる。
【0053】
このようにして得られた着色を、ミノルタ‐クロマメータCR−300を用いてL‐色システムについて測定し、この際、Lは明度を示し、+aは赤色成分を示し、−aは緑色成分を示し、+bは黄色成分を示し、−bは青色成分を示している。
以下の表には、L‐システムでの色変化についてのΔE値が示されており、この値は、式
【0054】
【数1】

【0055】
に従って算出されたものである。上式において、L、a及びbは、洗浄試験を行う前の測定値であり、L、a及びbは、洗浄試験を行った後の対応する値を示す(説明:算出されたΔE値が大きいほど、色の消失又は色調の変化が大きい)。
【0056】
前記式(I)の本発明の化合物は一般に、p−フェニレンジアミン類と共に非常に澄んだ鋼青色の着色をもたらし、この着色は非常に少ない赤色成分を有している。L‐色空間において、このことは、非常に小さな+a‐値並びに、−bについての高い値であることがわかる。これに対応するL‐値が、表1に要約されている。
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
【表5】

【0062】
【表6】

【0063】
実施例10:酸化毛髪染色剤、クリーム状で塩基性
15.00g セチルステアリルアルコール(50/50)
5.00g グリセリンモノステアレート
2.00g コカミドDEA
10.00g ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、28%水溶液
0.30g アスコルビン酸
0.40g 亜硫酸ナトリウム
4.50g アンモニア、25%水溶液
0.25ミリモル 表2に記載された顕色剤
0.25ミリモル 表2に記載されたカップラー
添加して100.00gとなる水、脱塩したもの
【0064】
上記クリームのpH−値は、10と10.5の間にある。使用する直前に、上記クリームを、6%の過酸化水素溶液100gと混合し、このようにして得られた使用の準備ができた酸化毛髪染色剤を、必要量にて漂白した毛髪上に塗布する。この使用の準備ができた混合物のpH−値は、9.5と10の間にある。40℃にて30分間の作用時間の後、着色保護シャンプーを用いて洗浄し、濯ぎを行い、乾燥させる。
このようにして得られた着色ニュアンス及び色濃度が、表2にまとめられている。
【0065】
【表7】

【0066】
実施例11:洗浄耐久性
実施例10で得られた染色済みの複数の毛髪束のそれぞれについて、1分間シャンプーして乾燥させるのを5回行い、最後の乾燥を行った後、改めてL‐システムにて測定する。L‐値の差異、並びにこのことから得られたΔE‐値が、表3a〜3cに要約されている。
【0067】
【表8】

【0068】
このΔE‐値は、測定耐性の範囲における洗浄‐及び乾燥サイクル後の差異が、視覚によって実際的に見えないか否かを示している。
【0069】
実施例12:直接染料を含有した酸化毛髪染色剤(塩基性)
32.20g セチルステアリルアルコール+セテアレス20
10.12g グリセリンステアレート、植物性
(Th.ゴールドシュミット社のテギンTB)
3.68g ラノリンアルコール
4.00g グリコールジステアレート
5.60g ナトリウムラウリルエーテルスルフェート
0.92g ナトリウム‐ココイル‐イセチオネート
0.20g エチレンジアミノテトラアセテート
0.60g アスコルビン酸
0.80g 亜硫酸ナトリウム
0.38g 1,4‐ジアミノ‐2‐メチルベンゼン‐スルフェート(1:1)
0.66g 1,4‐ジアミノ‐2‐(2‐ヒドロキシエチル)‐ベンゼン‐
スルフェート(1:1)
0.46g 4,5‐ジアミノ‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)‐1H‐
ピラゾール‐スルフェート(1:1)
0.54g 4‐アミノ‐3‐メチル‐フェノール
0.54g 1,3‐ジアミノ‐4‐(2‐フェニルエチル)‐ベンゼン‐
二塩酸塩(1a)
0.26g 1,3‐ジアミノ‐ベンゼン
0.36g 3‐アミノ‐フェノール
0.42g 5‐アミノ‐2‐メチル‐フェノール
0.60g 2‐クロロ‐6‐(エチルアミノ)‐4‐ニトロ‐フェノール
9.00g アンモニア、25%水溶液
添加して200.00gとなる水、脱塩したもの
【0070】
上記クリームのpH−値は9.8である。使用する直前に、6%又は9%の過酸化水素溶液100gと混合する。このようにして得られた使用の準備ができた酸化毛髪染色剤は、9.4又は9.2のpH−値を有している。この使用の準備ができた酸化毛髪染色剤を、染色を行うのに十分な量にて毛髪上に塗布し、40℃にて30分間の作用時間の後、水で濯ぎ、着色保護シャンプーを用いて洗浄し、濯ぎを行い、乾燥させる。
このようにして得られたL‐値及び着色ニュアンスが、表4にまとめられている。
【0071】
【表9】

【0072】
いずれの毛髪も、濃い茄子色に染色され、50%のグレイ部分が染色されていない人間の毛髪の場合には、完全にグレイ部の被覆がなされ、完全に一様の染色が達成される。過酸化水素の高い割合を使用することにより元に戻った有意な差異は確認されていない。
【0073】
本願明細書中の百分率はいずれも、特にとこわりのない限り、重量パーセントを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式(I):
【化1】


〔上式にて、nは0≦n≦3の数であり、
HXは、有機又は無機の酸を示し、しかも
Arは、ナフチル基、メチレンジオキシフェニル基、置換されていない又は置換された又はベンゾ縮合した5個又は6個の原子から構成されたヘテロ芳香族基;又は下記式(II)のベンゾ芳香族基:
【化2】


(上式にて、残基R1〜R5は独立して互いに以下の残基を示す:水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトリル基、カルボンアミド基、アセチルアミノ基、直鎖又は分枝したC1‐C12‐アルキル基、直鎖又は分枝したC1‐C12‐アルコキシ基、直鎖又は分枝したC1‐C12‐アルキルアミノ基、直鎖又は分枝したジ‐(C1‐C6)‐アルキルアミノ基、フェニル基、モルフォリノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、C2‐C4‐ヒドロキシアルキル基、C2‐C4‐ヒドロキシアルコキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメチル基又はメチルスルフォニル基)
である〕
のm‐ジアミノベンゼン。
【請求項2】
前記式(I)中の残基Arが、ピリジニル残基、フリル残基、チエニル残基、ピロール残基、インドリル残基、イミダゾリル残基又はピラゾリル残基であることを特徴とする請求項1に記載のm‐ジアミノベンゼン。
【請求項3】
1,3‐ジアミノ‐4‐(2‐フェニルエチル)‐ベンゼン‐二塩酸塩、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(4‐メチルフェニル)‐エチル〕‐ベンゼン、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(1‐ナフチル)エチル〕‐ベンゼン‐二塩酸塩、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(4‐メトキシフェニル)エチル〕‐ベンゼン‐二塩酸塩、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(4‐メトキシフェニル)エチル〕‐ベンゼン、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(4‐ヒドロキシフェニル)エチル〕‐ベンゼン‐二塩酸塩、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(2‐ヒドロキシフェニル)エチル〕‐ベンゼン、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(4‐(ジメチルアミノ)‐フェニル)エチル〕‐ベンゼン‐三塩酸塩、4‐〔2‐(4‐シアノフェニル)エチル〕‐1,3‐ジアミノ‐ベンゼン‐二塩酸塩、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(4‐ピリジニル)エチル〕‐ベンゼン‐三塩酸塩、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(3‐ピリジニル)エチル〕‐ベンゼン‐三塩酸塩、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(4‐ビフェニル)エチル〕‐ベンゼン‐二塩酸塩、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(2,4‐ジメトキシフェニル)エチル〕‐ベンゼン、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(4‐ヒドロキシ‐3‐メトキシフェニル)エチル〕‐ベンゼン、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(3,4,5‐トリヒドロキシフェニル)エチル〕‐ベンゼン、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル)エチル〕‐ベンゼン、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(2‐チエニル)エチル〕‐ベンゼン、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(2‐フリル)エチル〕‐ベンゼン、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(5‐メチル‐2‐フリル)エチル〕‐ベンゼン、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(1H‐インドール‐3‐イル)エチル〕‐ベンゼン、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(1‐メチル‐1H‐インドール‐3‐イル)エチル〕‐ベンゼン及び、1,3‐ジアミノ‐4‐〔2‐(2‐ピリジニル)エチル〕‐ベンゼン‐三塩酸塩から成るグループより選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載のm‐ジアミノベンゼン。
【請求項4】
前記請求項1〜3のいずれか1項に記載のm‐ジアミノベンゼンの少なくとも1種を、適当な染色キャリヤー物質中に含有することを特徴とする繊維の酸化染色用薬剤。
【請求項5】
前記のm‐ジアミノベンゼンを0.01〜20重量%の量にて含有することを特徴とする請求項4に記載の薬剤。
【請求項6】
更に追加して、少なくとも1種の顕色物質及び/又はカップラー物質及び/又は直接染料を含有することを特徴とする請求項4又は5に記載の薬剤。
【請求項7】
使用する前に、酸化剤と混合することを特徴とする前記請求項4〜6のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項8】
前記酸化剤が過酸化水素であることを特徴とする請求項7に記載の薬剤。
【請求項9】
毛髪染色剤であることを特徴とする前記請求項4〜8のいずれか1項に記載の薬剤。
【請求項10】
繊維を酸化染色するための、前記請求項1〜3のいずれか1項に記載のm‐ジアミノベンゼンの使用。

【公表番号】特表2007−509863(P2007−509863A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−537079(P2006−537079)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009794
【国際公開番号】WO2005/051889
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(591011627)ウエラ アクチェンゲゼルシャフト (64)
【氏名又は名称原語表記】WELLA AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】