説明

p型GaN上のオーム接触構造

【課題】 発光ダイオードのような半導体装置の製造に組み込まれている特定の材料を含む半導体材料上に設けることができる実効的なオーム接触構造を提供する。
【解決手段】 本発明のオーム接触構造は、p型GaNに基づく材料からなる層(225、350、425、550)と、金属接触をもたらすように構成されている金属からなる層(205、305、405、505)と、第1のVI族元素からなるp型II-VI族化合物半導体材料からなり、p型GaNに基づく材料からなる層に隣接して位置する第1の層(220、345、420、545)と、第1のVI族元素とは異なる第2のVI族元素からなるp型II-VI族化合物半導体材料からなり、金属からなる層に隣接して位置する第2の層(220、345、420、545)とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、p型GaN上のオーム接触構造に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体表面上に、特にp型半導体表面上に実効的なオーム接触構造を設けることが、従来の課題であった。これは、主に、オーム接触構造の金属と半導体材料の間に相当な価電子帯が存在することによる。
【0003】
例えば、p-ZnSeのようなp型半導体のオーム接触構造は、半導体上に金を蒸着することにより又は、金属インジウムを使用して金にボンディングワイヤをハンダ付けすることにより従来実施されている。あいにく、金の接点は、p型材料としばしばショットキー障壁を形成し、それによってより高い動作電圧が誘導され、接合点において熱の発生が導かれる。発熱は、装置を故障させることがあるので好ましくない。
【0004】
半導体材料上に実効的なオーム接触構造を設けることに関する欠点に取り組むための幾つかの異なる解決法が提案されている。例えば、p-Zn(S,Se)又はp-ZnSeのようなII-VI族化合物半導体上の低抵抗のオーム接触構造が開示されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1によれば「傾斜接点が、正孔注入に障壁を形成するZnSeとZnTeのヘテロ接合間の価電子帯オフセット(約1eV)を排除する」。
【特許文献1】Fanらの「Group II-VI Compound Semiconductor Light Emitting Devices and an Ohmic Contact therefor」と題する米国特許第5,548,137号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、II-VI族化合物半導体上にオーム接触構造を設けるという問題に取り組んでいるが、ここ数年の間に発光ダイオードのような半導体装置の製造に組み込まれている特定の材料を含む幾つかの他の半導体材料上に実効的なオーム接触構造を設けることがさらに望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のオーム接触構造は、p型GaNに基づく材料の層を含む。II-VI族化合物半導体の第1の層は、p型GaNに基づく材料の層に隣接して配置されている。さらにオーム接触構造は、金属接触をもたらす金属層を含む。異なるII-VI族化合物半導体の第2の層は、金属層に隣接して配置されている。
【0007】
明らかに、幾つかの代替的な実施形態が、上述の実施形態に加えた又は上述の実施形態の代わりの利点及び特徴を示す。そのような代替的な実施形態の全てが、本発明の範囲内に含まれ、添付の特許請求の範囲の記載によって保護されることが意図されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明のオーム接触構造(200、300、400、500)は、p型GaNに基づく材料からなる層(225、350、425、550)を含む。II-VI族化合物半導体からなる第1の層(220、345、420、545)は、p型GaNに基づく材料からなる層に隣接して位置している。さらにオーム接触構造は、金属接触をもたらす金属層(205、305、405、505)を含む。異なるII-VI族化合物半導体からなる第2の層(210、310、410,510)は、金属層に隣接して位置している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の多くの局面は、以下の図面を参照することによって、よりよく理解することができる。図面内の構成要素は、必ずしも縮尺に従っていない。むしろ、本発明の原理を明瞭に図解するために強調される。さらに、図において、幾つかの図面にわたって、対応する部分に同様の参照番号が付されている。
【0010】
本発明の種々の実施形態を、概して、p型GaNに基づく材料上に形成されたオーム接触構造について記載する。ここで、種々の実施形態を示す図に注目する。「上部」及び「底部」のような位置を示す用語は、以下において使用する場合、説明の容易さに関してのみ使用するのであって、本発明の対象範囲を制限することを意図しない。
【0011】
図1は、金属と特定のp型半導体化合物の間の価電子帯の関係を示す。金のような金属は、p型GaNに基づく半導体に対して大きな価電子帯オフセット105を有する。GaNに基づく半導体は、一般式InxAlyGa1-x-yN(ただし0≦x≦1及び0≦y≦1)によって示される。x=0のとき、GaNに基づく半導体はAlyGa1-yNであり、y=0のとき、GaNに基づく半導体はInxGa1-xNである。大きな価電子帯オフセット105は、GaNに基づく半導体上に金属接触が直接形成される場合に、種々の欠点を導く。
【0012】
特定のII-VI族半導体は、大きな価電子帯オフセット105よりも一層小さな金属との価電子帯オフセットを有する。例えば、p型ZnTeは、大きな価電子帯オフセット105よりも相当に小さな金属との価電子帯オフセット125を有する。あいにく、p型GaNに基づく半導体に対するp型ZnTeの価電子帯オフセット115は、依然として大きい。他方、特定の他のII-VI族半導体は、価電子帯オフセット115よりも一層小さなp型GaNに基づく半導体との価電子帯オフセットを有する。例えば、p型ZnSeは、p型ZnSeの価電子帯オフセット115よりも一層小さいp型GaNに基づく半導体との価電子帯オフセット110を有する。
【0013】
金属と、p型ZnSe、p型ZnTe、p型GaNに基づく半導体との間の価電子帯オフセットの関係は、本発明のオーム接触構造を生成するのに利用される。このようなオーム接触構造の種々の例示的な実施形態を以下に開示する。
【0014】
図2は、本発明のオーム接触構造200の第1の例示的な実施形態を示す。オーム接触構造200は、金属層205の形態の金属接触とp型GaNに基づく層225の間に最適な伝導性をもたらす。半導体材料の幾つかの層が、p型GaNに基づく層225と金属層205の間に挟まれている。これらの層で利用される半導体材料は、概して、II-VI族化合物半導体の一群に属する。第1の層の化合物半導体は、一般式XY(XがII族から選択される元素であり、YがVI族から選択される元素である)によって特徴付けられる。第2の層の化合物半導体は、一般式XZ(XがII族から選択される元素であり、ZがVI族から選択されるYとは異なる元素である)によって特徴付けられる。
【0015】
この例示的な実施形態では、第1の層の第1の化合物半導体がII族のZn及びVI族のSeを含み、一方第2の層の化合物半導体がII族のZn及び、VI族から選択された異なる元素をSeとともに含む。
【0016】
p型ZnSeの層220は、GaNに基づく層225の主面上に形成されている。層220は、GaNに基づく層225に対して小さな価電子帯オフセットを有し、したがってGaNに基づく層225と層220の間に良好な導電率もたらされる。
【0017】
p型ZnTeの層210は、金属層205の底部主面に形成されている。層210は、金属に対して小さな価電子帯オフセットを有し、したがって金属層205と層210の間に良好な導電率がもたらされる。
【0018】
層220と層210の間に挟まれた傾斜バンドギャップ領域215は、概して、一般式XYnZ1-n(0<n<1)を利用して記載され、XはII族から選択される元素であり、Y及びZはVI族から選択される異なる2つの元素である。この例示的な実施形態では、p型ZnSexTe1-x(0<x<1)が利用される。傾斜バンドギャップ領域215は、層220と層210の間の価電子帯オフセットを橋渡しする段階的な変化をもたらす。層220に近接する位置において、p型 ZnSexTe1-x(0<x<1)は、1にほぼ等しいxの値を有し、一方、層210に近接する位置において、p型 ZnSexTe1-x(0<x<1)は、0にほぼ等しいxの値を有する。
【0019】
一実施形態では、xが、傾斜バンドギャップ領域215の2つの主面の間で1から0まで直線的に変化し、2つの主面の間の中間領域でx=0.5となる。他方、第2の実施形態では、xは傾斜バンドギャップ領域215の2つの主面の間で1から0まで非直線的に変化する。例えば、2つの主面の間の中間領域でx=0.3となる。
【0020】
図3は、本発明のオーム接触構造300の第2の例示的な実施形態を示す。オーム接触構造300は、金属層305の形態の金属接触とp型GaNに基づく層350の間に最適な導電性をもたらす。半導体材料の幾つかの層が、p型GaNに基づく層350と金属層305の間に挟まれている。これらの層で利用される半導体材料は、概して、II-VI族化合物半導体の一群に属する。第1の層の化合物半導体は、一般式XY(XがII族から選択される元素であり、YがVI族から選択される元素である)によって特徴付けられる。第2の層の化合物半導体は、一般式XZ(XがII族から選択される元素であり、ZがVI族から選択されるYとは異なる元素である)によって特徴付けられる。
【0021】
図2に示す実施形態と同様に、p型ZnSeの層345はGaNに基づく層350の主面上に形成され、p型ZnTeの層310は金属層305の底部主面に形成されている。図2の実施形態は連続した傾斜バンドギャップ領域215を示すが、図3に示す例示的な実施形態は、多くの不連続な層を有するp型半導体の積層体360が組み入れられている。p型半導体の積層体360の不連続な層の第1の組はp型ZnTeから形成され、一方、p型半導体の積層体360の不連続な層の第2の組はp型ZnSeから形成されている。ZnTeの層340、330、320を含む不連続な層の第1の組は、ZnSeの層335、325、315を含む不連続な層の第2の組に組み入れられている。例えば、ZnTeの層320はZnSeの層325と315の間に位置し、一方、ZnSeの層335はZnTeの層340と330の間に位置する。
【0022】
他方、不連続な層の第1の組における各別個の層の厚みは、別個の層がGaNに基づく層350から離れるにつれ増大している。例えば、ZnTeの層340の厚みはZnTeの層330の厚みよりも薄く、このZnTeの層330の厚みはZnTeの層320の厚みよりも薄い。
【0023】
不連続な層の第2の組における各別個の層の厚みは、別個の層がGaNに基づく層350から離れるにつれ減少している。例えば、ZnSeの層335の厚みはZnSeの層325の厚みよりも厚く、このZnSeの層325の厚みはZnSeの層315の厚みよりも厚い。
【0024】
上述の厚みの変化は、一実施形態では線形の関係であり、他の例示的な実施形態では非線形の関係である。さらに他の実施形態では、不連続な層の第1の組における各別個な層の厚みは、別個の層がGaNに基づく層350から離れるにつれ減少し、一方、不連続な層の第2の組における各別個な層の厚みは、別個な層がGaNに基づく層350から離れるにつれ増大する。
【0025】
他の実施形態では、ZnSe及びZnTeの代わりに他の化合物半導体を利用することができる。幾つかの例示的な実施形態を他の図を利用して以下に開示する。
【0026】
図4は、本発明のオーム接触構造400の第3の例示的な実施形態を示す。オーム接触構造400は、金属層405の形態の金属接触とp型GaNに基づく層425の間に最適な導電性をもたらす。半導体材料の幾つかの層が、p型GaNに基づく層425と金属層405の間に挟まれている。種々の層で利用される半導体材料は、II-VI族化合物半導体の一群に属し、概して、式XY(XがII族から選択される元素であり、YがVI族から選択される元素である)によって特徴付けられる。
【0027】
この例示的な実施形態では、第1の化合物半導体はZnOであり、第2の化合物半導体はZnTeである。p型ZnOの層420はGaNに基づく層425の主面上に形成されている。層420は、GaNに基づく層425に対して小さな価電子帯オフセットを有し、したがってGaNに基づく層425と層420の間に良好な導電率がもたらされる。
【0028】
p型ZnTeの層410は金属層405の底部主面に形成されている。層410は金属に対して小さな価電子帯オフセットを有し、したがって金属層405と層410の間に良好な導電率がもたらされる。
【0029】
層420と層410の間に挟まれている傾斜バンドギャップ領域415は、概して、一般式XYnZ1-n(0<n<1)を利用して記載され、XはII族から選択される元素であり、Y及びZはVI族から選択される異なる2つの元素である。この例示的な実施形態では、p型ZnOxTe1-x(0<x<1)が利用される。傾斜バンドギャップ領域415は、層420と層410の間の価電子帯オフセットを橋渡しする段階的な変化をもたらす。層420に近接する位置において、p型ZnOxTe1-x(0<x<1)は、1にほぼ等しいxの値を有し、一方、層410に近接する位置において、p型ZnOxTe1-x(0<x<1)は、0にほぼ等しいxの値を有する。
【0030】
一実施形態において、xは傾斜バンドギャップ領域415の2つの主面の間で1から0まで線形に変化し、一方、第2の実施形態では、xは2つの主面の間で1から0まで非直線的に変化する。
【0031】
図5は、本発明のオーム接触構造500の第4の例示的な実施形態を示す。半導体材料の幾つかの層が、p型GaNに基づく層550と金属層505の間に挟まれている。これらの各層は、一般式XY(XがII族から選択される元素であり、YがVI族から選択される元素である)によって特徴付けられる。この第4の例示的な実施形態では、第1の化合物半導体はp型ZnOであり、第2の層の化合物半導体はp型ZnTeである。
【0032】
p型ZnOの層545はGaNに基づく層550の主面上に形成され、p型ZnTeの層510は金属層505の底部主面に形成されている。層545と層510に挟まれているp型半導体の積層体560は多くの不連続な層を有する。p型半導体の積層体560の不連続な層の第1の組はp型ZnTeから形成され、一方、p型半導体の積層体560の不連続な層の第2の組はp型ZnOの層から形成されている。ZnTeの層540、530、520を含む不連続な層の第1の組は、ZnOの層535、525、515を含む不連続な層の第2の組に組み入れられている。例えば、ZnTeの層520はZnOの層525と515の間に位置し、一方、ZnOの層335はZnTeの層540と530の間に位置する。
【0033】
不連続な層の第1の組における各別個の層の厚みは、別個の層がGaNに基づく層550から離れるにつれ増大している。例えば、ZnTeの層540の厚みはZnTeの層530の厚みよりも薄く、このZnTeの層530の厚みはZnTeの層520の厚みよりも薄い。
【0034】
不連続な層の第2の組における各別個の層の厚みは、別個の層がGaNに基づく層550から離れるにつれ減少している。例えば、ZnOの層535の厚みはZnOの層525の厚みよりも厚く、このZnOの層525の厚みはZnOの層515の厚みよりも厚い。
【0035】
上述の厚みの変化は、一実施形態では線形の関係であり、他の例示的な実施形態では非線形の関係である。さらに他の実施形態では、不連続な層の第1の組における各別個な層の厚みは、別個の層がGaNに基づく層550から離れるにつれ減少し、一方、不連続な層の第2の組における各別個な層の厚みは、別個な層がGaNに基づく層550から離れるにつれ増大する。
【0036】
図6は、本発明のオーム接触構造600の第5の例示的な実施形態を示す。オーム接触構造600は、金属層605の形態の金属接触とp型GaNに基づく層625の間に最適な導電性をもたらす。この例示的な実施形態では、金属層605の金属は、例えば金であるインジウム以外の金属である。
【0037】
金属層605とp型GaNに基づく層625の間に挟まれている連続した傾斜バンドギャップ領域615は、概して、一般式GaxIn1-xNy(0≦x≦1及び0≦y≦1)を利用して記載される。傾斜バンドギャップ領域615は、金属層605とp型GaNに基づく層625の間の価電子ギャップオフセットを橋渡しする段階的な変化をもたらす。p型GaNに基づく層625に近接する第1の位置において、バンドギャップp型領域はGaxIn1-xNy(0≦x≦1及び0≦y≦1)を含む。p型GaNに基づく層625及び金属層605の間の中間位置にある第2の位置において、バンドギャップp型領域615はInNのみを含み、x=0及びy=1でGaは排除されている。金属層605に近接する第3の位置において、バンドギャップp型領域はインジウムただ一つの元素を含み、Nはx=0及びy=0で排除されている。インジウムが金属であるため、バンドギャップp型領域615のこの部分は、金属層605と適合する最適な価電子帯をもたらす。
【0038】
一実施形態において、x及びyは、p型GaNに基づく層625に近接して位置する傾斜バンドギャップ領域615の第1の主面と、金属層605に近接して位置するもう一方の主面の間で直線的に変化する。
【0039】
他の実施形態では、x及びyは、p型GaNに基づく層625に近接して位置する傾斜バンドギャップ領域615の第1の主面と、金属層605に近接して位置するもう一方の主面の間で非直線的に変化する。
【0040】
図7は、本発明のオーム接触構造700の第6の例示的な実施形態を示す。インジウムが、オーム接触構造700の金属接触の金属として利用されている。したがって、代替的な実施形態では、p型GaNに基づく層725に近接して配置されているバンドギャップp型領域715は、オーム接触構造700の上部面に幅広く延伸している。
【0041】
上述の実施形態は、本発明の原則を明瞭に理解するために説明するためだけのものである。多くの変更及び改変が、本発明の開示から実質的に逸脱することなくなされ得る。そのような全ての変更及び改変が本発明の範囲内に含まれる。
【0042】
以下においては、本発明の種々の構成要件の組み合わせからなる例示的な実施態様を示す。
【0043】
1.p型GaNに基づく材料からなる層と、
金属接触をもたらすように構成されている金属からなる層と、
第1のVI族元素からなるp型II-VI族化合物半導体材料からなり、前記p型GaNに基づく材料からなる層に隣接して位置する第1の層と、
前記第1のVI族元素とは異なる第2のVI族元素からなるp型II-VI族化合物半導体材料からなり、前記金属からなる層に隣接して位置する第2の層とからなるオーム接触構造。
【0044】
2.前記第1の層と第2の層の間に挟まれているp型II-VI属化合物半導体材料からなる傾斜バンドギャップ領域をさらに含み、この傾斜バンドギャップ領域の材料が、前記第1のVI族元素及び前記第2のVI族元素からなる1項に記載のオーム接触構造。
【0045】
3.前記p型GaNに基づく材料がInxAlyGa1-x-yNであり、
前記第1の層が、一般式XY(XがII族から選択される元素であり、Yが前記第1のVI族元素である)を有する材料からなり、
前記第2の層が、一般式XZ(XがII族から選択される元素であり、Zが前記第2のVI族元素である)を有する材料からなり、
前記傾斜バンドギャップ領域の材料が、一般式XYnZ1-n(XはII族から選択される元素であり、Yは前記第1のVI族元素であり、Zは前記第2のVI族元素である)を有する2項に記載のオーム接触構造。
【0046】
4.前記傾斜バンドギャップ領域が、a)半導体材料の線形傾斜領域及び、b)半導体材料の非線形傾斜領域の一方を含む3項に記載のオーム接触構造。
【0047】
5.前記第2の層と前記金属からなる層の間の第1の価電子帯オフセットが、前記p型GaNに基づく材料からなる層と前記金属からなる層の間の第2の価電子帯オフセットよりも小さい3項に記載のオーム接触構造。
【0048】
6.前記第1の層が、a)ZnTe、b)ZnSe、c)ZnOのうちの第1のものを含み、
前記第2の層が、a)ZnTe、b)ZnSe、c)ZnOのうちの第2のものを含み、前記第1のものと該第2のものが相違する5項に記載のオーム接触構造。
【0049】
7.第1のVI族元素を含むp型II-VI族化合物半導体材料からなる第1の層と
前記第1のVI族元素と異なる第2のVI族元素を含むp型II-VI族化合物半導体材料からなる第2の層と、
前記第1の層と前記第2の層の間に挟まれているp型半導体の積層体とからなり、このp型半導体の積層体が、
前記第1のVI族元素からなるp型II-VI族化合物半導体材料の第3の層と、
前記第2のVI族元素からなるp型II-VI族化合物半導体材料の第4の層とからなるオーム接触構造。
【0050】
8.p型GaNに基づく材料からなる層と、
金属接触をもたらすように構成されている金属からなる層とからさらになり、
p型II-VI族化合物半導体材料からなる前記第1の層が、前記p型GaNに基づく材料からなる層に隣接して位置し、p型II-VI族化合物半導体材料からなる前記第2の層が、前記金属からなる層に隣接して位置している7に記載のオーム接触構造。
【0051】
9.前記p型GaNに基づく材料がInxAlyGa1-x-yNである8項に記載のオーム接触構造。
【0052】
10.p型II-VI族化合物半導体材料からなる前記第1の層が、一般式XY(XがII族から選択される元素であり、Yが前記第1のVI族元素である)を有し、
p型II-VI族化合物半導体材料からなる前記第2の層が、一般式XZ(XがII族から選択される元素であり、Zが前記第2のVI族元素である)を有し、
p型II-VI族化合物半導体材料からなる前記第3の層が、前記第1の層に隣接して位置し、一般式XZ(XがII族から選択される元素であり、Zが前記第2のVI族元素である)を有し、
p型II-VI族化合物半導体材料からなる前記第4の層が、前記第3の層に隣接して位置し、一般式XY(XがII族から選択される元素であり、Yが前記第1のVI族元素である)を有する9項に記載のオーム接触構造。
【0053】
11.p型II-VI族化合物半導体材料からなる前記第2の層と前記金属からなる層の間の第1の価電子帯オフセットが、前記p型GaNに基づく材料からなる層と前記金属からなる層の間の第2の価電子帯オフセットよりも小さい10項に記載のオーム接触構造。
【0054】
12.前記第1の層が、a)ZnTe、b)ZnSe、c)ZnOのうちの第1のものを含み、
前記第2の層が、a)ZnTe、b)ZnSe、c)ZnOのうちの第2のものを含み、前記第1のものと該第2のものが相違する11項に記載のオーム接触構造。
【0055】
13.前記p型半導体の積層体が複数の層を有し、該複数の層が、
それぞれ前記第1のVI族元素を含む前記p型II-VI族化合物半導体からなる層の第1の組と、
それぞれ前記第2のVI族元素を含む前記p型II-VI族化合物半導体からなる層の第2の組とからなり、
前記層の第1の組のそれぞれが、前記層の第2の組のそれぞれに組み入れられている12項に記載のオーム接触構造。
【0056】
14.前記層の第1の組の各別個の層の層厚が、その別個の層が前記p型GaNに基づく材料から離れるにつれ増大し、
前記層の第2の組の各別個の層の層厚が、その別個の層が前記p型GaNに基づく材料から離れるにつれ減少する13項に記載のオーム接触構造。
【0057】
15.前記金属からなる層が、金、パラジウム、白金の1つを含む14項に記載のオーム接触構造。
【0058】
16.p型InAlGaNからなる第1の層と、
金属接触をもたらすように構成されている金属からなる第2の層と、
前記第1の層と前記第2の層の間に挟まれている材料からなる傾斜バンドギャップ領域とからなるオーム接触構造。
【0059】
17.前記傾斜バンドギャップ領域の材料がGaxIn1-xNy(0≦x<1及び0≦y≦1)からなる16項に記載のオーム接触構造。
【0060】
18.前記傾斜バンドギャップ領域の材料が、
前記第1の層に隣接して位置するInGaNからなる第1のサブ領域と、
前記第2の層に隣接して位置するInからなる第2のサブ領域と、
前記第1のサブ領域と前記第2のサブ領域の間に位置するInNからなる第3のサブ領域とを含む16項に記載のオーム接触構造。
【0061】
19.金属からなる前記第2の層の金属がインジウムとは異なる18項に記載のオーム接触構造。
【0062】
20.金属からなる前記第2の層の金属がインジウムである18項に記載のオーム接触構造。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】金属と特定のp型半導体化合物の間の価電子帯の関係を示す図である。
【図2】本発明のオーム接触構造の第1の例示的な実施形態を示す図である。
【図3】本発明のオーム接触構造の第2の例示的な実施形態を示す図である。
【図4】本発明のオーム接触構造の第3の例示的な実施形態を示す図である。
【図5】本発明のオーム接触構造の第4の例示的な実施形態を示す図である。
【図6】本発明のオーム接触構造の第5の例示的な実施形態を示す図である。
【図7】本発明のオーム接触構造の第6の例示的な実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
200、300、400、500 オーム接触構造
225、350、425、550 p型GaNに基づく材料からなる層
205、305、405、505 金属からなる層
210、310、410、510 第2の層
215、415 傾斜バンドギャップ領域
220、345、420、545 第1の層
335、535 第3の層
340、540 第4の層
360、560 p型半導体の積層体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
p型GaNに基づく材料からなる層(225、350、425、550)と、
金属接触をもたらすように構成されている金属からなる層(205、305、405、505)と、
第1のVI族元素からなるp型II-VI族化合物半導体材料からなり、前記p型GaNに基づく材料からなる層に隣接して位置する第1の層(220、345、420、545)と、
前記第1のVI族元素とは異なる第2のVI族元素からなるp型II-VI族化合物半導体材料からなり、前記金属からなる層に隣接して位置する第2の層(210、310、410、510)と
からなるオーム接触構造(200、300、400、500)。
【請求項2】
前記第1の層と第2の層の間に挟まれているp型II-VI属化合物半導体材料からなる傾斜バンドギャップ領域(215、415)をさらに含み、この傾斜バンドギャップ領域の材料が、前記第1のVI族元素及び前記第2のVI族元素からなる請求項1に記載のオーム接触構造。
【請求項3】
前記p型GaNに基づく材料がInxAlyGa1-x-yNであり、
前記第1の層が、一般式XY(XがII族から選択される元素であり、Yが前記第1のVI族元素である)を有する材料からなり、
前記第2の層が、一般式XZ(XがII族から選択される元素であり、Zが前記第2のVI族元素である)を有する材料からなり、
前記傾斜バンドギャップ領域の材料が、一般式XYnZ1-n(XはII族から選択される元素であり、Yは前記第1のVI族元素であり、Zは前記第2のVI族元素である)を有する請求項2に記載のオーム接触構造。
【請求項4】
前記傾斜バンドギャップ領域が、a)半導体材料の線形傾斜領域及び、b)半導体材料の非線形傾斜領域の一方を含む請求項3に記載のオーム接触構造。
【請求項5】
前記第1の層と前記第2の層の間に挟まれているp型半導体の積層体(360、560)をさらに含み、このp型半導体の積層体が、
前記第1のVI族元素からなるp型II-VI族化合物半導体材料の第3の層(335、535)と、
前記第2のVI族元素からなるp型II-VI族化合物半導体材料の第4の層(340、540)とからなる請求項1に記載のオーム接触構造。
【請求項6】
前記p型GaNに基づく材料がInxAlyGa1-x-yNであり、
p型II-VI族化合物半導体材料からなる前記第1の層が、一般式XY(XがII族から選択される元素であり、Yが前記第1のVI族元素である)を有し、
p型II-VI族化合物半導体材料からなる前記第2の層が、一般式XZ(XがII族から選択される元素であり、Zが前記第2のVI族元素である)を有し、
p型II-VI族化合物半導体材料からなる前記第3の層が、前記第1の層に隣接して位置し、一般式XZ(XがII族から選択される元素であり、Zが前記第2のVI族元素である)を有し、
p型II-VI族化合物半導体材料からなる前記第4の層が、前記第3の層に隣接して位置し、一般式XY(XがII族から選択される元素であり、Yが前記第1のVI族元素である)を有する請求項5に記載のオーム接触構造。
【請求項7】
前記第1の層が、a)ZnTe、b)ZnSe、c)ZnOのうちの第1のものを含み、
前記第2の層が、a)ZnTe、b)ZnSe、c)ZnOのうちの第2のものを含み、前記第1のものと該第2のものが相違し、
前記p型半導体の積層体が複数の層を有し、該複数の層が、
それぞれ前記第1のVI族元素を含む前記p型II-VI族化合物半導体からなる層の第1の組と、
それぞれ前記第2のVI族元素を含む前記p型II-VI族化合物半導体からなる層の第2の組とからなり、
前記層の第1の組のそれぞれが、前記層の第2の組のそれぞれに組み入れられている請求項6に記載のオーム接触構造。
【請求項8】
p型InAlGaNからなる第1の層(625)と、
金属接触をもたらすように構成されている金属からなる第2の層(605)と、
前記第1の層と前記第2の層の間に挟まれている材料からなる傾斜バンドギャップ領域(615)とからなるオーム接触構造(600)。
【請求項9】
前記傾斜バンドギャップ領域の材料がGaxIn1-xNy(0≦x<1及び0≦y≦1)からなる請求項8に記載のオーム接触構造。
【請求項10】
前記傾斜バンドギャップ領域の材料が、
前記第1の層に隣接して位置するInGaNからなる第1のサブ領域と、
前記第2の層に隣接して位置するInからなる第2のサブ領域と、
前記第1のサブ領域と前記第2のサブ領域の間に位置するInNからなる第3のサブ領域とを含む請求項8に記載のオーム接触構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−96308(P2007−96308A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−260085(P2006−260085)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(506200186)アバゴ・テクノロジーズ・イーシービーユー・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド (154)
【Fターム(参考)】