説明

p38キナーゼ阻害剤として有用な二環性複素環化合物

化学式(I):


により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩はp38阻害剤であり、関節リウマチ、リウマチ性脊椎炎、変形性関節症、通風性関節炎及び他の関節疾患;関節炎症、湿疹、乾癬又は他の炎症性皮膚疾患(例えば日光皮膚炎);結膜炎等の炎症性眼疾患;発熱、疼痛及び他の炎症関連疾患の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は細胞増殖、刺激に対する細胞応答及び細胞死に関与する哺乳動物プロテインキナーゼであるp38マイトジェン活性化プロテインキナーゼの作用を阻害する二環性複素環化合物に関する。特に、本発明はp38マイトジェン活性化プロテインキナーゼの強力な選択的阻害剤である二環性複素環化合物に関する。本発明はp38マイトジェン活性化プロテインキナーゼを阻害するこのような二環性複素環化合物を含有する医薬組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術
マイトジェン活性化プロテイン(「MAP」)キナーゼは表面と核の間のシグナル伝達を媒介する。MAPを活性化及びリン酸化するプロテインキナーゼはマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ(「MKK」)と呼ばれる。このようなMKKの1例はp38 MAPキナーゼ(「p38」)を特異的にリン酸化及び活性化し、MKK3と呼ばれる。米国特許第5,736,381号及び5,804,427号はヒトマイトジェン活性化キナーゼキナーゼアイソフォームを記載している。国際公開第98/00539号はMKK3と相互作用する蛋白質をコードするヒト遺伝子を記載している。
【0003】
Xiaら,Science,270,1326−1331(1995)はp38シグナル伝達経路が前炎症性サイトカインと環境ストレスにより活性化されると記載している。MKK3はPC12細胞における神経成長因子によるアポトーシス等のストレスシグナルの伝達に関与すると記載されている。p38活性の阻害はIL−1やTNF等のサイトカインの産生を阻止し、IL−6やIL−8等の前炎症性サイトカインの産生を抑制することにより急性及び慢性炎症を緩和できると考えられる。特に、p38阻害剤はTNFα及びIL−1βサイトカインの合成を阻止することにより、関節炎等の炎症性疾患を緩和すると考えられる。従って、p38の作用の強力な選択的阻害剤である新規化合物を提供することが望ましい。
【0004】
国際公開第97/22704号はp38基質のリン酸化と活性化を刺激することができるマイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼMEK6を記載している。国際公開第95/314515号、99/00357号及び8/27098号はp38の各種阻害剤を記載している。しかし、各種医薬及び治療用のp38の作用の阻害剤を開発することが依然として大いに必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の概要
化学式(I):
【0006】
【化7】

により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩はp38阻害剤である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の詳細な説明
本発明は
化学式(I):
【0008】
【化8】

[式中、
X及びYは各々独立して−CR−及び−N−から選択され;
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)OH、及び
(4)アルコキシから選択され;
は、
(1)NR
(2)アリール、
(3)ヘテロアリール、
(4)ヘテロシクロアルキル、及び
(5)ORから選択され;
前記ヘテロアリール、アリール及びヘテロシクロアルキルは各々場合によりR、R及びRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
は、
(1)アリール、
(2)ベンジル、
(3)ヘテロアリール、及び
(4)ヘテロシクロアルキルから選択され;
前記ヘテロアリール、アリール及びヘテロシクロアルキルは各々場合によりR、R及びRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)C−Cアルキル、
(3)アルコキシ、
(4)CHO、
(5)CONH
(6)C(O)
(7)C−Cアルキル−OH、
(8)O−C−Cアルキル、
(9)ハロゲン、
(10)アリール、
(11)ヘテロアリール、
(12)ヘテロシクロアルキル、
(13)COR
(14)O−C−Cアルキル−N−C(O)−C−Cアルキル(R)−NH
(15)ヘテロシクロアルキル−C(O)−C−Cアルキル(R)−NH
(16)N(R)(R)、
(17)O−R
(18)N−C(O)−N−ヘテロシクロアルキル、
(19)O−C(O)−N−ヘテロシクロアルキル、
(20)N−C−Cアルキル−N−R、及び
(21)N−C−Cアルキル−O−Rから選択され;
前記ヘテロアリール及びアリールは各々場合によりR、R及びRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
、R及びRは各々独立して、
(1)ハロゲン、
(2)C−Cアルキル、
(3)CN、
(4)OR
(5)アルコキシ、
(6)シクロアルキル、
(7)C=R(R)、
(8)CON(R)(R)、
(9)アリール、
(10)N(R)(R)、
(11)ヘテロアリール、
(12)水素、
(13)C−C−OH、
(14)ヘテロシクロアルキル、
(15)CON−アルキル−CO−R
(16)CON−アルキル−CON(R)(R)、
(17)CON−アルキル−N(R)(R)、
(18)C(=O)R、及び
(19)C(O)から選択され;
前記ヘテロアリール及びアリールは各々場合によりRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)NH−C−Cアルキル、
(4)C−Cアルキル、
(5)C−C−アルキル−ヘテロアリール、
(6)C−C−アルキル−シクロアルキル、
(7)ヘテロアリール、
(8)C−Cアルキル−ヘテロシクロアルキル、
(9)ヘテロシクロアルキル、
(10)C−Cアルキル−NH、及び
(11)C−Cアルキル−OHから選択され;
及びRは各々独立して水素及びアルキルから選択されるか、又はRとRは一緒になってシクロアルキルを形成してもよい]のp38阻害剤化合物又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。
【0009】
本発明の他の態様は化学式Ia:
【0010】
【化9】

[式中、
X及びYは各々独立して−CR−及び−N−から選択され;
は、
(1)水素、
(2)C−Cアルキル、
(3)アルコキシ、
(4)CHO、
(5)CONH
(6)C(O)
(7)C−Cアルキル−OH、
(8)O−C−Cアルキル、
(9)ハロゲン、
(10)アリール、
(11)ヘテロアリール、
(12)ヘテロシクロアルキル、
(13)COR
(14)O−C−Cアルキル−N−C(O)−C−Cアルキル(R)−NH
(15)ヘテロシクロアルキル−C(O)−C−Cアルキル(R)−NH
(16)N(R)(R)、
(17)O−R
(18)N−C(O)−N−ヘテロシクロアルキル、
(19)O−C(O)−N−ヘテロシクロアルキル、
(20)N−C−Cアルキル−N−R、及び
(21)N−C−Cアルキル−O−Rから選択され;
前記ヘテロアリール及びアリールは各々場合によりR、R及びRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
、R及びRは各々独立して、
(1)ハロゲン、
(2)C−Cアルキル、
(3)CN、
(4)OR
(5)アルコキシ、
(6)シクロアルキル、
(7)C=R(R)、
(8)CON(R)(R)、
(9)アリール、
(10)N(R)(R)、
(11)ヘテロアリール、
(12)水素、
(13)C−C−OH、
(14)ヘテロシクロアルキル、
(15)CON−アルキル−CO−R
(16)CON−アルキル−CON(R)(R)、
(17)CON−アルキル−N(R)(R)、
(18)C(=O)R、及び
(19)C(O)から選択され;
前記ヘテロアリール及びアリールは各々場合によりRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)NH−C−Cアルキル、
(4)C−Cアルキル、
(5)C−C−アルキル−ヘテロアリール、
(6)C−C−アルキル−シクロアルキル、
(7)ヘテロアリール、
(8)C−Cアルキル−ヘテロシクロアルキル、
(9)ヘテロシクロアルキル、
(10)C−Cアルキル−NH、及び
(11)C−Cアルキル−OHから選択され;
及びRは各々独立して水素及びアルキルから選択されるか、又はRとRは一緒になってシクロアルキルを形成してもよい]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0011】
本発明の他の態様は化学式Ib:
【0012】
【化10】

[式中、
、R及びRは各々独立して、
(1)ハロゲン、
(2)C−Cアルキル、
(3)CN、
(4)OR
(5)CON(R)(R)、
(6)アリール、
(7)ヘテロアリール、
(8)C=R(R)、
(9)水素、
(10)C−C−OH、
(11)C(=O)R、及び
(12)C(O)から選択され;
前記ヘテロアリール及びアリールは各々場合によりRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)NH−C−Cアルキル、
(4)C−Cアルキル、
(5)C−C−アルキル−ヘテロアリール、
(6)C−C−アルキル−シクロアルキル、
(7)ヘテロアリール、
(8)C−Cアルキル−ヘテロシクロアルキル、
(9)ヘテロシクロアルキル、
(10)C−Cアルキル−NH、及び
(11)C−Cアルキル−OHから選択される]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0013】
本発明の更に他の態様は化学式Ic:
【0014】
【化11】

[式中、
Xは−CR−であり;
は、
(1)水素、
(2)C−Cアルキル、
(3)アルコキシ、
(4)CONH
(5)C(O)
(6)C−Cアルキル−OH、
(7)O−C−Cアルキル、
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)ヘテロシクロアルキル、
(11)COR
(12)O−C−Cアルキル−N−C(O)−C−Cアルキル(R)−NH
(13)ヘテロシクロアルキル−C(O)−C−Cアルキル(R)−NH
(14)N(R)(R)、
(15)O−R
(16)N−C(O)−N−ヘテロシクロアルキル、
(17)O−C(O)−N−ヘテロシクロアルキル、
(18)N−C−Cアルキル−N−R、及び
(19)N−C−Cアルキル−O−Rから選択され;
前記アリール及びヘテロアリールは各々場合によりR、R及びRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
、R及びRは各々独立して、
(1)ハロゲン、
(2)C−Cアルキル、
(3)CN、
(4)OR
(5)アリール、
(6)C=R(R)、
(7)ヘテロアリール、
(8)水素、
(9)C−C−OH、及び
(10)C(=O)Rから選択され;
前記ヘテロアリール及びアリールは各々場合によりRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)NH−C−Cアルキル、
(4)C−Cアルキル、
(5)C−C−アルキル−ヘテロアリール、
(6)C−C−アルキル−シクロアルキル、
(7)ヘテロアリール、
(8)C−Cアルキル−ヘテロシクロアルキル、
(9)ヘテロシクロアルキル、
(10)C−Cアルキル−NH、及び
(11)C−Cアルキル−OHから選択され;
及びRは各々独立して水素及びアルキルから選択されるか、又はRとRは一緒になってシクロアルキルを形成してもよい]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0015】
本発明の他の態様は化学式Id:
【0016】
【化12】

[式中、
、R及びRは各々独立して、
(1)ハロゲン、
(2)C−Cアルキル、
(3)CN、
(4)OR
(5)CON(R)(R)、
(6)アリール、
(7)ヘテロアリール、
(8)水素、
(9)C−C−OH、
(10)C(=O)R、及び
(11)C(O)から選択され;
前記ヘテロアリール及びアリールは各々場合によりRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)NH−C−Cアルキル、
(4)C−Cアルキル、
(5)C−C−アルキル−ヘテロアリール、
(6)C−C−アルキル−シクロアルキル、
(7)ヘテロアリール、
(8)C−Cアルキル−ヘテロシクロアルキル、
(9)ヘテロシクロアルキル、
(10)C−Cアルキル−NH、及び
(11)C−Cアルキル−OHから選択される]の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書で使用する「アルキル」とは二重結合又は三重結合をもたず、直鎖又は分岐鎖又はその組み合わせであり得る炭素鎖を意味する。従って、C−Cアルキルは直鎖、分岐鎖又はその組み合わせである配置の炭素数1、2、3、4、5又は6の基を表すと定義される。アルキル基の例としてはメチル、エチル、プロピル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル等が挙げられる。「C−Cアルキル」なる用語は炭素原子数4、3、2、1又は0のアルキルを含む。アルキルが末端部分であるとき、炭素原子数0のアルキルは水素原子置換基である。アルキルが架橋部分であるとき、炭素原子数0のアルキルは直接結合である。
【0018】
「アルケニル」なる用語は少なくとも1個の炭素−炭素二重結合をもつ指定炭素原子数の直鎖又は分岐鎖構造及びその組み合わせを意味し、水素を更に炭素−炭素二重結合で置換してもよい。C−Cアルケニルは例えばエテニル、プロペニル、1−メチルエテニル、ブテニル等を含む。
【0019】
「アルキニル」なる用語は少なくとも1個の炭素−炭素三重結合をもつ指定炭素原子数の直鎖又は分岐鎖構造及びその組み合わせを意味する。従って、C−Cアルキニルは直鎖又は分岐鎖配置の炭素数2、3、4、5又は6の基を表すと定義され、従って、C−Cアルキニルは具体的には2−ヘキシニルや2−ペンチニルを含む。
【0020】
本明細書で単独又は組み合わせて使用する「アルコキシ」なる用語はオキシ結合原子に結合したアルキル基とアルキルエーテル基を含み、ここで「アルキル」なる用語は上記に定義した通りであり、「エーテル」なる用語は酸素原子を介して結合した2個のアルキル基を意味する。適切なアルコキシ基の例としてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、メトキシメタン(「ジメチルエーテル」とも言う)、及びメトキシエタン(「エチルメチルエーテル」とも言う)が挙げられる。
【0021】
「シクロアルキル」なる用語はヘテロ原子を含まない炭素環を意味し、単環、二環及び三環式飽和炭素環と、縮合環系を含む。このような縮合環系としては、1個の部分的又は完全に不飽和の環(例えばベンゼン環)が縮合環系(例えばベンゾ縮合炭素環)を形成するものが挙げられる。シクロアルキルはこのような縮合環系(例えばスピロ縮合環系)を含む。シクロアルキルの例としてはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、デカヒドロナフタレニル、アダマンタニル、インダニル、インデニル、フルオレニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル等が挙げられる。同様に、「シクロアルケニル」とはヘテロ原子を含まず、少なくとも1個の非芳香族C−C二重結合を含む炭素環を意味し、単環、二環及び三環式部分飽和炭素環と、ベンゾ縮合シクロアルケンを含む。シクロアルケニルの例としてはシクロヘキセニル、インデニル等が挙げられる。
【0022】
「シクロアルキルオキシ」なる用語は特に指定しない限り、オキシ結合原子に結合したシクロアルキル基を意味する。
【0023】
「アリール」なる用語は特に指定しない限り、少なくとも1個の環が芳香族である7員環までの安定な任意単環又は二環式縮合炭素環を意味する。このようなアリールの例としてはフェニル、ナフチル及びトリルが挙げられる。
【0024】
「アリールオキシ」なる用語は特に指定しない限り、オキシ結合原子を介して結合部位に結合した複数の環系及び単一環系(例えばフェニル又はナフチル)を意味する。
【0025】
「ヘテロ」なる用語は特に指定しない限り、1個以上のO、S又はN原子を意味する。例えば、ヘテロシクロアルキルとヘテロアリールは環内に1個以上のO、S又はN原子(このような原子の混合物も含む)を含む環系を意味する。ヘテロ原子は環炭素原子に置換する。
【0026】
ヘテロシクロアルキルの例としてはアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリニル、ピロリジン−2−オン、ピペリジン−2−オン及びチオモルホリニルが挙げられる。本明細書で使用する「ヘテロシクロアルキル」は隣接又は非隣接原子を介して相互に結合した2個以上のヘテロシクロアルキル基をもつ架橋ヘテロシクロアルキルを含む。
【0027】
本明細書で使用する「ヘテロアリール」なる用語は特に指定しない限り、芳香環を含む安定な単環式5〜7員環又は安定な縮合二環式9〜10員複素環系を意味し、任意環は飽和(例えばピペリジニル)でもよいし、部分飽和でもよいし、不飽和(例えばピリジニル)でもよく、炭素原子と、N、O及びSから構成される群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、窒素及び硫黄ヘテロ原子は場合により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は場合により四級化されていてもよく、上記に定義した複素環の任意のものがベンゼン環に縮合した任意二環式基を含む。複素環は安定な構造が形成される限り、任意ヘテロ原子又は炭素原子に結合することができる。このようなヘテロアリール基の例としては限定されないが、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ピロール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール及び1,2,4−トリアゾールが挙げられる。
【0028】
ヘテロアリールの他の例としてはキノリニル、ピリミジニル、イソキノリニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フリル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、チエニル、ベンゾチエニル、インドリル、インダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリルが挙げられる。
【0029】
「ヘテロアリールオキシ」なる用語は特に指定しない限り、オキシ結合原子を介して結合部位に結合したヘテロアリール基を意味する。
【0030】
ヘテロアリール(C1−6)アルキルの例としては例えばフリルメチル、フリルエチル、チエニルメチル、チエニルエチル、ピラゾリルメチル、オキサゾリルメチル、オキサゾリルエチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、チアゾリルエチル、イミダゾリルメチル、イミダゾリルエチル、ベンズイミダゾリルメチル、オキサジアゾリルメチル、オキサジアゾリルエチル、チアジアゾリルメチル、チアジアゾリルエチル、トリアゾリルメチル、トリアゾリルエチル、テトラゾリルメチル、テトラゾリルエチル、ピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ピリダジニルメチル、ピリミジニルメチル、ピラジニルメチル、キノリニルメチル、イソキノリニルメチル及びキノキサリニルメチルが挙げられる。
【0031】
「アミン」なる用語は特に指定しない限り、第1級、第2級及び第3級アミンを含む。
【0032】
特に指定しない限り、「カルバモイル」なる用語は−NHC(O)OC−Cアルキル及び−OC(O)NHC−Cアルキルの意味で使用する。
【0033】
「ハロゲン」なる用語はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子を含む。
【0034】
「場合により置換」なる用語は置換と非置換の両者を含むという意味である。従って、例えば場合により置換されたアリールとはペンタフルオロフェニル又はフェニル環を表すことができる。更に、置換は任意基で実施することができる。例えば、置換のアリール(C1−6)アルキルはアリール基の置換とアルキル基の置換を含む。
【0035】
ヘテロアリール基の「酸化物」なる用語は通常の周知の化学的意味で使用され、例えば窒素ヘテロ原子のN−オキシドを含む。
【0036】
本明細書に記載する化合物は1個以上の二重結合を含み、従ってシス/トランス異性体及び他の配座異性体を形成する場合がある。本発明はこのような可能な全異性体とこのような異性体の混合物を含む。
【0037】
特に指定する場合又は結合記号(一重線又は二重線)により示す場合を除き、指定基との結合点は右端に記載した基となる。即ち、例えば、フェニルアルキル基はアルキルを介して主構造と結合しており、フェニルはアルキル上の置換基である。
【0038】
本発明の化合物は各種の医薬的に許容可能な塩として有用である。「医薬的に許容可能な塩」なる用語は医薬化学者に自明の塩であり、即ち実質的に非毒性であり、望ましい薬物動態特性、美味しさ、吸収性、分配性、代謝性又は排泄性を提供する塩を意味する。選択する際に同様に重要であり、より実際的な他の因子は得られるバルク薬剤の原料コスト、結晶化が容易であること、収率、安定性、吸湿性及び流動性である。活性成分と医薬的に許容可能なキャリヤーから医薬組成物を簡便に製造することができる。
【0039】
本明細書に記載する化合物は1個以上の不斉中心を含むことができ、従ってジアステレオマー及び光学異性体を形成することができる。本発明はこのような可能な全ジアステレオマーとそのラセミ混合物、その実質的に純粋な分解されたエナンチオマー、可能な全幾何異性体及びその医薬的に許容可能な塩を含む。上記式Iは所定位置に明確な立体配置を示していない。本発明は式Iの全立体異性体とその医薬的に許容可能な塩を含む。更に、立体異性体の混合物と単離された特定立体異性体も含む。このような化合物を製造するために使用される合成工程の過程や、当業者に公知のラセミ化又はエピマー化工程を使用する際には、このような工程の生成物が立体異性体の混合物となる可能性がある。
【0040】
「医薬的に許容可能な塩」なる用語は医薬的に許容可能な非毒性塩基又は酸から製造された塩を意味する。本発明の化合物が酸性である場合には無機塩基や有機塩基等の医薬的に許容可能な非毒性塩基からその対応する塩を簡便に製造することができる。このような無機塩基から誘導される塩としてはアルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(第1及び第2)、第2鉄、第1鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(第1及び第2)、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩が挙げられる。医薬的に許容可能な非毒性有機塩基から誘導される塩としては第1級、第2級及び第3級アミン、並びに環状アミン及び置換アミン(例えば天然及び合成置換アミン)の塩が挙げられる。塩を形成することが可能な他の医薬的に許容可能な非毒性有機塩基としては、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等のイオン交換樹脂が挙げられる。
【0041】
本発明の化合物が塩基性である場合には、無機酸や有機酸等の医薬的に許容可能な非毒性酸からその対応する塩を簡便に製造することができる。このような酸としては例えば酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、琥珀酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。医薬的に許容可能な塩の例としては限定されないが、アミン等の塩基性残基の無機又は有機酸塩;カルボン酸等の酸性残基のアルカリ又は有機塩等が挙げられる。医薬的に許容可能な塩としては例えば非毒性無機又は有機酸から形成される親化合物の慣用非毒性塩又は第4級アンモニウム塩が挙げられる。例えば、このような慣用非毒性塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等の無機酸から誘導される塩と;酢酸、プロピオン酸、琥珀酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、蓚酸、イセチオン酸等の有機酸から製造される塩が挙げられる。
【0042】
本発明の医薬的に許容可能な塩は従来の化学的方法により合成することができる。一般に、このような塩は適切な溶媒又は混合溶媒中で遊離塩基又は酸を化学量論的量又は過剰の所望塩形成無機又は有機酸又は塩基と反応させることにより製造される。
【0043】
本発明の化合物は不斉中心をもつことができ、ラセミ化合物、ラセミ混合物及び個々のジアステレオマーとして存在することができる。光学異性体を含むこのような全異性体が本発明に含まれる。
【0044】
本明細書に記載する発明は式(I)により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーから構成される医薬組成物も含む。
【0045】
本明細書に記載する発明は更に、式(I)により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーから構成される医薬組成物も含む。本発明の医薬組成物は活性成分として式Iに表される化合物(又はその医薬的に許容可能な塩)と、医薬的に許容可能なキャリヤーと、場合により他の治療成分又はアジュバントを含有する。このような他の治療成分としては例えば、i)ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、ii)ロイコトリエン生合成阻害剤、iii)コルチコステロイド、iv)H1受容体アンタゴニスト、v)β2アドレナリン受容体アゴニスト、vi)COX−2選択的阻害剤、vii)スタチン類、viii)非ステロイド性抗炎症薬(「NSAID」)、及びix)M2/M3アンタゴニストが挙げられる。
【0046】
本明細書に記載する発明は更に、関節炎の治療を必要とする哺乳動物患者にこのような治療に有効な量の式(I)により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩を投与することからなる関節炎の治療方法も含む。本明細書に記載する発明は更に、関節炎の治療を必要とする哺乳動物患者にこのような治療に有効な量の式(I)により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩を投与することからなる関節炎の治療方法も含む。本発明は関節炎の治療を必要とする哺乳動物患者に式(I)により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩をCOX−2阻害剤と併用投与又は同時投与することによる関節炎の治療方法を含む。
【0047】
本明細書に記載する発明は更に、サイトカイン疾患の治療を必要とする哺乳動物患者にこのような治療に有効な量の式(I)により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む哺乳動物におけるサイトカイン疾患の治療方法も含む。
【0048】
炎症の治療を必要とする哺乳動物患者に炎症の治療に有効な量の式(I)により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩を投与することからなる哺乳動物患者における炎症の治療方法が特に有用である。
【0049】
特に有用な別の方法は疾患が骨粗鬆症である本明細書に記載するサイトカイン疾患の治療方法である。
【0050】
特に有用な別の方法は疾患が骨粗鬆症以外の骨吸収性疾患である本明細書に記載するサイトカイン疾患の治療方法である。
【0051】
特に有用な更に別の方法は疾患がクローン病である本明細書に記載するサイトカイン疾患の治療方法である。
【0052】
本発明は更に関節炎の治療を必要とする哺乳動物に関節炎の治療に有効な量の式Iの化合物を投与することを含む哺乳動物における関節炎の治療方法にも関する。このような方法は関節リウマチ及び変形性関節症の治療を含む。
【0053】
関節炎の治療のために患者に投与する場合には、使用量は関節炎の種類、患者の年齢及び一般健康状態、投与する特定化合物、薬剤に付随する毒性又は副作用の存在又はレベル、並びに他の因子に応じて変えることができる。適切な用量範囲の代表例は約0.01mg/kg〜約100mg/kgである。但し、投与用量は一般に医師の裁量に委ねられる。
【0054】
本発明は更に、処置を必要とする哺乳動物におけるp38の作用の抑制方法として、疾患状態を改善、予防又は治療するように、p38の前記作用を正常レベルまで、又は場合によっては正常以下のレベルまで抑制するために有効な量の式(I)により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法に関する。
【0055】
式1の化合物は過剰又は無制御なサイトカイン、より具体的にはIL−1、IL−6、IL−8又はTNFにより悪化又は起因する哺乳動物の疾患状態の予防又は治療処置に使用することができる。
【0056】
式Iの化合物はp38の作用を抑制することによりIL−1、IL−6、IL−8又はTNF等のサイトカインを阻害するので、これらの化合物はサイトカインの存在又は活性が関与する疾患(例えば疼痛、関節リウマチ、リウマチ性脊椎炎、変形性関節症、通風性関節炎及び他の関節炎症状)を治療するために有用である。
【0057】
式(I)により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩は過剰又は無制御なTNF産生又は活性による他の疾患状態を治療するためにも有用である。このような疾患としては限定されないが、敗血症、敗血症性ショック、エンドトキシンショック、グラム陰性菌敗血症、毒素性ショック症候群、成人呼吸窮迫症候群、脳マラリア、慢性炎症性肺疾患、珪肺、肺サルコイドーシス、骨吸収性疾患(例えば骨粗鬆症)、再潅流傷害、移植片対宿主拒絶反応、同種移植片拒絶反応、熱病、感染に起因する筋肉痛、感染又は悪性腫瘍続発性悪液質、後天性免疫不全症候群(エイズ)続発性悪液質、エイズ、ARC(エイズ関連症候群)、ケロイド形成、瘢痕組織形成、クローン病、潰瘍性大腸炎、発熱、エイズ及び他のウイルス感染症(例えばサイトメガロウイルス(CMV)、インフルエンザウイルス、並びに帯状疱疹や単純ヘルペスI型及びII型等のヘルペスウイルス科)が挙げられる。
【0058】
式(I)により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩は関節リウマチ、リウマチ性脊椎炎、変形性関節症、通風性関節炎及び他の関節炎症状;関節炎症、湿疹、乾癬又は他の炎症性皮膚疾患(例えば日光皮膚炎);結膜炎等の炎症性眼疾患;発熱、疼痛及び他の炎症関連疾患の治療等の炎症の治療に局所投与しても有用である。
【0059】
式(I)により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩は慢性閉塞性肺疾患や過剰のIL−8活性を特徴とする疾患等の疾患の治療にも有用である。これらの疾患としては乾癬、炎症性腸疾患、喘息、心臓及び腎臓再潅流傷害、成人呼吸窮迫症候群、血栓症並びに糸球体腎炎が挙げられる。
【0060】
従って、本発明は治療を必要とする哺乳動物における乾癬、炎症性腸疾患、喘息、心臓及び腎臓再潅流傷害、成人呼吸窮迫症候群、血栓症並びに糸球体腎炎の治療方法として、前記疾患又は症状の治療に有効な量の式(I)により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法を含む。
【0061】
式(I)により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩はアルツハイマー病の治療にも有用である。従って、本発明は治療を必要とする哺乳動物におけるアルツハイマー病の治療方法として、前記疾患又は症状の治療に有効な量の式(I)の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法を含む。
【0062】
1種以上のサイトカインが関与する疾患の治療のために患者に投与する場合には、使用量は疾患の種類、患者の年齢及び一般健康状態、投与する特定化合物、薬剤に付随する毒性又は副作用の存在又はレベル、並びに他の因子に応じて変えることができる。適切な用量範囲の代表例は約0.01mg/kg〜約100mg/kgである。但し、投与用量は一般に医師の裁量に委ねられる。
【0063】
治療方法は式Iの化合物を非経口送達することにより実施することができる。本明細書で使用する「非経口」なる用語は静脈内、筋肉内又は腹腔内投与を含む。皮下及び筋肉内形態の非経口投与が一般に有利である。本発明は式Iの化合物を皮下、鼻腔内、直腸内、経皮又は膣内送達することにより実施することもできる。
【0064】
式Iの化合物は吸入により投与することもできる。「吸入」とは鼻腔内及び経口吸入投与を意味する。このような投与に適した剤形(例えばエアゾール製剤や定量式インヘラー)は従来技術により製造することができる。
【0065】
本発明は式Iの化合物と医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物にも関する。式Iの化合物を医薬組成物中で第2の治療活性化合物と併用してもよい。
【0066】
使用する医薬キャリヤーは例えば固体、液体又は気体とすることができる。固体キャリヤーの例としてはラクトース、石膏、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアガム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等が挙げられる。液体キャリヤーの例としてはシロップ、落花生油、オリーブ油、水等が挙げられる。気体キャリヤーの例としては二酸化炭素と窒素が挙げられる。
【0067】
同様に、キャリヤー又は希釈剤としてはモノステアリン酸グリセリルやジステアリン酸グリセリル等の当分野で周知の時間遅延材料を単独又はロウと併用してもよい。
【0068】
多様な医薬剤形を使用することができる。固体製剤を経口投与に使用する場合には、製剤は錠剤、ハードゼラチンカチプセル、トローチ又はロゼンジ等の形態とすることができる。固体キャリヤーの量は広い範囲を取るが、一般には約0.025mg〜約1gとなる。液体剤形が経口投与に望ましい場合には、製剤は一般にシロップ、エマルション、ソフトゼラチンカプセル、懸濁液又は溶液の形態である。非経口剤形を使用する場合には、薬剤は固体又は液体形態とすることができ、直接投与するように製剤化してもよいし、再構成に適した形態でもよい。
【0069】
局所剤形も含まれる。局所剤形の例は固体、液体及び半固体である。固体としては散布剤、細粒剤等が挙げられる。液体としては溶液、懸濁液及びエマルションが挙げられる。半固体としてはクリーム、軟膏、ジェル等が挙げられる。
【0070】
式Iの化合物の局所使用量は当然のことながら選択する化合物、症状の種類及び重篤度により異なり、医師の裁量により変えることができる。式Iの化合物の代表的な局所用量は約0.01mg〜約2.0gを1日1〜4回投与し、1〜2回が有利である。
【0071】
局所投与には、活性成分は約0.001%〜約10%w/wとすることができる。
【0072】
本発明の滴剤は滅菌又は非滅菌水溶液又は水性懸濁液又は油溶液又は油性懸濁液とすることができ、適切な水溶液に活性成分を溶かすことにより製造することができ、場合により殺細菌剤及び/又は殺真菌剤及び/又は適切な他の任意防腐剤を添加し、更に場合により界面活性剤を添加する。得られた溶液をその後、濾過により清澄化し、適切な容器に移した後、密閉し、オートクレーブ滅菌又は98〜100℃に30分間維持することにより滅菌する。あるいは、溶液を濾過滅菌し、容器に無菌移送してもよい。滴剤に添加するのに適した殺細菌剤及び殺真菌剤の例としては硝酸フェニル水銀又は酢酸フェニル水銀(0.002%)、塩化ベンズアルコニウム(0.01%)及び酢酸クロルヘキシジン(0.01%)が挙げられる。油溶液の製造に適した溶媒としてはグリセロール、希釈アルコール及びプロピレングリコールが挙げられる。
【0073】
本発明のローションとしては皮膚及び眼球に投与するのに適したものが挙げられる。眼球用ローションとしては場合により殺細菌剤を添加した滅菌水溶液が挙げられ、滴剤の製造方法と同様の方法により製造することができる。皮膚用ローション又は軟膏には更に乾燥を促進し、皮膚を冷却するための物質(例えばアルコールやアセトン)及び/又は保湿剤(例えばグリセロールや油類(例えばひまし油や落花生油))を添加してもよい。
【0074】
本発明のクリーム、軟膏又はペーストは活性成分の外用半固体製剤である。これらの製剤は単独又は水性もしくは非水性液体溶液もしくは懸濁液としての微粉状又は粉末状活性成分を油性又は非油性基剤と混合することにより製造することができる。基剤としては硬質、軟質又は液体パラフィン、グリセロール、蜜蝋、金属石鹸;粘液;天然油(例えばアーモンド油、コーン油、落花生油、ひまし油又はオリーブ油);羊毛脂もしくはその誘導体、又は脂肪酸(例えばステアリン酸又はオレイン酸)とアルコール(例えばプロピレングリコール又はマクロゴール)が挙げられる。製剤はアニオン性、カチオン性又は非イオン性界面活性剤(例えばソルビタンエステル又はそのポリオキシエチレン誘導体)等の適切な任意界面活性剤を添加してもよい。天然ガム類、セルロース誘導体又は無機材料(例えばシリカ)及び他の成分(例えばラノリン)等の懸濁剤も添加してもよい。
【0075】
アッセイ
蛋白質発現及び精製
FLAGエピトープタグを含むマウスp38を銅誘導性メタロチオネインプロモーターの転写制御下にショウジョウバエS2細胞で発現させた。トランスフェクトした細胞を1mM CuSOで4時間処理することにより組換えp38の発現を誘導した。活性組換えマウスp38を作製するために、CuSOで処理したS2細胞を回収前10分間、400mM NaCl、2mM NaVO、及び100μg/Lオカダ酸で刺激した。細胞ペレットをリン酸緩衝食塩水、2mM NaVOで洗浄し、20mM Tris HCl,pH7.5,120mM NaCl,1% Triton X−100,2mM EDTA,20mM NaF,4mM NaVO,2mM Prefabloc SC(Boehringer Mannheim)に溶解させた。細胞溶解液を10分間13,000×gで遠心し、活性化した組換えマウスp38を溶解用緩衝液で予め平衡させた抗FLAG M2樹脂(Kodak)でカラムクロマトグラフィーにより溶解液からイムノアフィニティー精製した。抽出液のロード後、樹脂を溶解用緩衝液10カラム容量、バッファーA(10mM Tris HCl,pH7.5,500mM NaCl,20%グリセロール)10カラム容量及びバッファーB(10mM Tris HCl pH7.5,150mM NaCl,20%グリセロール)10カラム容量で洗浄した。100μg/mL FLAGペプチド(Kodak)を添加したバッファーBで融合蛋白質を溶出した。
【0076】
ATF−2のN末端115アミノ酸を大腸菌でグルタチオン−S−トランスフェラーゼとの融合蛋白質として発現させた。融合蛋白質を標準手順(Pharmacia)に従ってグルタチオンアガロースで精製した。
【0077】
p38キナーゼアッセイ
25mM Hepes,pH7.4,10mM MgCl,20mM β−グリセロールリン酸,2mM DTT,5μM ATP,10μCi[γ−33P]−ATP及び〜2μM GST−ATF2の条件下に96ウェルプレート中100μLの反応容量で30℃で45〜1200分間p38キナーゼアッセイを実施した。DMSO 2μLで希釈した化合物の系列希釈液を各反応液に加えた。各阻害剤滴定の阻害剤非含有対照として各反応プレートの最終列にDMSO 2μLを加えた。100mM EDTAと15mMピロリン酸ナトリウムを含有する等容量の停止溶液を添加することにより反応を停止した。PVDFフィルタープレート(MAIPNOB50,Millipore)をメタノールで予め湿潤し、停止溶液で洗浄した。1回の反応からの50μLアリコートを減圧下にフィルターにアプライし、フィルターを75mMリン酸で2回洗浄した。フィルタープレートをシンチレーションカウンター(Top Count,Packard)で計数し、各化合物濃度の阻害百分率を求めた。
【0078】
TNF−α放出アッセイ
ヘパリンナトリウムを抗凝血剤として使用して健常ボランティアから静脈穿刺により採血した。Lymphocyte Separation Medium(ICN)を製造業者の仕様書に従って使用して末梢血単核球(PBMC)を単離した。単離したPBMCをHBSSで3回洗浄し、RPMI+5%自己ヒト血清中細胞2×10個/mLの密度まで希釈した。阻害剤の系列希釈液50μLを96ウェル組織培養プレートのウェルに加えた後にPBMC 100μLを加え、更に400ng/mL LPSを添加したRPMI完全培地50μLを加えた。化合物を添加せずにLPSを添加した対照ウェル(最大刺激対照)と、化合物を添加せずにLPSを添加した対照ウェル(バックグウンド対照)も各滴定に加えた。細胞を37℃,5% COの加湿インキュベーターで16時間インキュベートした。その後、上清を回収し、市販試薬(R&D,Inc)を使用してTNF−α濃度をイムノアッセイにより定量した。
【0079】
本発明の化合物は上記アッセイで10μM未満の結果を示し、有効であることが実証された。有利な化合物の結果は1μM未満であった。より有利な化合物の結果は0.1μM未満であった。更に有利な化合物のアッセイ結果は0.01μM未満であった。
【0080】
本明細書で使用する略語は特に指定しない限り、以下の通りである。
Bu=ブチル
Bn=ベンジル
BOC=t−ブチルオキシカルボニル
BOP=ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス/ジメチルアミノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスファート
DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド
DME=1,2−ジメトキシエタン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMAP=4−ジメチルアミノピリジン
EDC=1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOAc=酢酸エチル
Eq.=当量
HOBt,HOBT=ヒドロキシベンズトリアゾール
HPLC=高圧液体クロマトグラフィー
LAH=水素化アルミニウムリチウム
LCMS=液体クロマトグラフィー−質量分析計
LHMDS=リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
MeOH=メタノール
MHz=メガヘルツ
MS(ES)=質量分析計−電子スプレー
NMP=N−メチルピロリジノン
Ph=フェニル
Pr=プロピル
TBAF=弗化テトラブチルアンモニウム
TEA=トリエチルアミン
THF=テトラヒドロフラン
TMEDA=N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン
TLC=薄層クロマトグラフィー
Tetrakis=テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム。
【0081】
本発明の化合物は下記一般スキーム及び実施例に記載する手順に従って製造することができる。以下のスキーム及び実施例は本発明の範囲を更に記載するが、限定するものではない。特に定義する場合又はそうでないことが当業者に自明である場合を除き、置換基は上記式における置換基と同一である。
【0082】
本明細書に記載する化合物合成手順は1段階以上の保護基操作段階及び精製(例えば再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(TLC)、ラジアルクロマトグラフィー及び高圧クロマトグラフィー(HPLC))段階を含むことができる。生成物はプロトン及び炭素13核磁気共鳴法(H及び13C NMR)、赤外及び紫外分光法(IR及びUV)、X線結晶解析法、元素分析法並びにHPLC及び質量分析法(LC−MS)等の化学分野で周知の各種技術を使用して特性決定することができる。保護基操作法、精製法、構造確認法及び定量法は化学合成分野の当業者に周知である。
【0083】
当然のことながら、下記スキームに記載する化合物に存在する官能基は当業者に利用可能な標準官能基変換技術を使用して本発明に記載する所望化合物を提供するように更に適宜操作することができる。
【0084】
当業者に自明の他の変形又は変更も本発明の範囲及び教示に含まれる。本発明は特許請求の範囲の記載以外には限定されない。
【0085】
【化13】

【0086】
式Iの化合物はスキーム1に記載するように合成することができる。THF等の適切な溶媒中で室温にてブチルリチウム2当量をアリール酢酸1に加えることにより適切なジアニオンを生成する。得られたジアニオンを化合物2と反応させて化合物3を得た後に環化前駆体4に変換する。化合物4の環化はピリジン、TMEDA、トルエン、DMF又はNMP等の不活性溶媒中で加熱して化合物5を得ることにより実施することができ、鈴木、スティル及びバックウォルド等の標準Pdカップリング反応等の各種反応条件により化合物6の合成に使用することができる。当分野で公知の方法を使用して式Iの化合物を得ることができる。
【0087】
【化14】

【0088】
あるいは、式Iの化合物はスキーム2に記載するように合成することもできる。化合物4は文献手順(Minato,A.,Tamao,K.,Hayashi,T.,Suzuki,K.,Kumada,M.,Tetrahedron Lett,(1980),21,845;及びAndres,J.I.,Alonso,J.M.,Fernandez,J.,Iturrino,L.,Martinez,P.,Meert,T.F.,Sipido,V.K.,Bioorg Med Chem Lett.(2002),12(24),3573−3577)により製造することができる。化合物5は標準Pdカップリング反応又は置換反応等の数種の公知手順の任意のものにより化合物4から容易に製造することができる。化合物5の脱保護は低温のTHF中、リチウムジイソプロピルアミドやリチウムビス(トリメチルシリル)アミド等の塩基を使用して実施することができ、アニオンをプロピン酸塩でクエンチすると、化合物6が得られる。TMS保護基の脱離は当分野で公知の手順に従って実施することができ、得られた化合物7からスキーム1に記載の手順と同様の手順を使用して化合物8を製造することができる。当分野で公知の方法を使用して化合物8から式Iの化合物を得ることができる。
【0089】
【化15】

【0090】
当分野で公知の方法を使用して化合物8を化合物12に変換することができる。鈴木反応等のPdカップリング法を使用して化合物12を更に化合物13及び14に変換することができる。
【0091】
【化16】

【0092】
スキーム4では、中間体として使用可能な化合物16は上記手順と同様の手順を使用することにより市販出発材料から合成することができる。ニトリル官能基は当分野で公知の方法により複素環部分に変換することができる。例えば、化合物16をトリブチル錫アジドで処理すると、テトラゾール誘導体が得られる。
【0093】
【化17】

【0094】
スキーム5に示すように、ニトリル16の加水分解は当業者に公知の方法により実施することができ、対応するカルボン酸17が得られる。標準ペプチドカップリング反応条件下で酸17をアミドに変換することができる。標準ペプチドカップリング反応条件とは、HOBtの存在下に塩化メチレンやDMF等の適切な溶媒中でEDC、DCC又はBOP等の酸活性化剤を使用してカルボン酸をアミンとカップリングすることを意味する。エステル官能基が所望される場合には、標準ペプチドカップリング反応条件を利用しながら、HOBtの代わりに4−ジメチルアミノピリジンを使用する。あるいは、酸の存在下に酸17と適切なアルコールでエステル形成を行うこともできる。
【0095】
【化18】

【0096】
スキーム6では、市販複素環錫又は複素環ボロン酸を使用して標準Pdカップリング等の各種反応条件を利用することにより中間体20から化合物21を得ることができる。
【0097】
【化19】

【0098】
化合物22は上記手順により2,6−ジクロロニコチン酸から合成することができ、当分野で一般に公知の方法を使用して本発明の化合物を製造するための中間体として利用することができる。
【0099】
場合により、例えば置換基の操作により最終生成物を更に修飾してもよい。これらの操作としては限定されないが、当業者に一般に公知の還元、酸化、アルキル化、アシル化、ハロゲン化及び加水分解反応が挙げられる。特に指定しない限り、出発材料及び化合物は市販されているか又は当分野で公知である。
【0100】
場合により、反応を容易にするため又は望ましくない反応生成物を避けるために上記反応スキームの実施順序を変えてもよい。以下、本発明を更に十分に理解できるように実施例を記載する。以下の実施例は単に例証であり、本発明を限定すると解釈すべきではない。
【実施例1】
【0101】
中間体6−クロロ−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オンの製造
【0102】
【化20】

【0103】
ステップ−A
1−(6−クロロピリジン−2−イル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)ブト−3−イン−2−オン
【0104】
【化21】

【0105】
2,6−ジクロロフェニル酢酸(4.1g)のTHF(100mL)溶液に0℃でn−ブチルリチウム(ヘキサン中1.4M,30mL)をゆっくりと加えた。得られた混合物を0℃で30分間撹拌した後、−78℃まで冷却した。この溶液に−78℃で2,6−ジクロロピリジン(2.96g)を加えた後、室温まで昇温し、約1〜3時間撹拌した。混合物を−78℃まで再冷却し、塩化オキサリル(1.9mL)を加えた。得られた混合物を室温まで昇温し、1時間撹拌した。溶液を−78℃まで再冷却し、臭化エチニルマグネシウム(0.5N,44mL)を加えた。混合物を室温までゆっくりと昇温した。反応混合物を0.1N HClでクエンチし、エーテルで抽出した。有機層を分離し、ブライン溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル(ヘキサン/塩化メチレン=3/1)により精製し、所望化合物を黄色がかった固体として得た(0.59g)。
【0106】
H NMR(CDCl,500MHz):δ7.57(t,1H),7.45(d,2H),7.32(t,1H),7.17(d,1H),6.43(d,1H),3.07(s,1H)。MS(ES):324.1(M+H)。
【0107】
ステップ−B
6−クロロ−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0108】
【化22】

【0109】
1−(6−クロロピリジン−2−イル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)ブト−3−イン−2−オン(上記ステップA,102mg)のピリジン(7mL)溶液を90℃まで約1.5時間加熱し、室温まで冷却した。混合物を蒸発させ、シリカゲル(塩化メチレン/アセトン=3/1)により精製し、所望生成物を黄色がかった固体として得た(90mg)。
【0110】
H NMR(CDCl,500MHz):δ8.71(d,1H),7.47(d,2H),7.33(t,1H),7.18(d,1H),7.03(dd,1H),6.86(d,1H),6.72(d,1H)。MS(ES):323.9(M+H)。
【実施例2】
【0111】
6−(2−クロロフェニル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0112】
【化23】

【0113】
6−クロロ−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン(実施例1,54mg)のDME溶液に2−クロロフェニルボロン酸(31mg)、酢酸パラジウム(3.5mg)、トリフェニルホスフィン(8mg)及び2N炭酸ナトリウム(0.32mL)を加えた。混合物を80℃まで12時間加熱した後、室温まで冷却し、酢酸エチル/飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル(塩化メチレン/アセトン=2/1)により精製し、塩化メチレン/アセトン/ヘキサンから再結晶し、標記化合物を黄色がかった固体として得た(28mg)。
【0114】
H NMR(CDCl,500MHz):δ7.70(d,1H),7.64(d,1H),7.61(td,1H),7.57−7.49(m,4H),7.34(t,1H),7.23(dd,1H),7.14(m,1H),6.87(d,1H),6.66(d,1H)。MS(ES):400.2(M+H)。
【0115】
実施例3〜7は上記実施例2に記載した手順と同様の手順を使用して製造した。
【実施例3】
【0116】
1−(2,6−ジクロロフェニル)−6−(2−メチルフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0117】
【化24】

H NMR(CDCl,500MHz):δ7.70(d,1H),7.51(td,1H),7.48(d,2H),7.43−7.30(m,4H),7.20(dd,1H),6.90(d,1H),6.80(d,1H),6.60(d,1H),2.13(s,3H)。MS(ES):380.3(M+H)。
【実施例4】
【0118】
2−[1−(2,6−ジクロロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−6−イル]ベンズアルデヒド
【0119】
【化25】

H NMR(CDCl,500MHz):δ9.94(s,1H),8.14(d,1H),7.87(m,2H),7.57(m,2H),7.47(m,2H),7.31(t,1H),7.15(dd,1H),6.80(t,2H),6.53(dd,1H)。MS(ES):394.3(M+H)。
【実施例5】
【0120】
1−(2,6−ジクロロフェニル)−6−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2H−キノリジン−2−オン=トリフルオロ酢酸塩
【0121】
【化26】

H NMR(CDOD,500MHz):δ8.48(d,1H),7.93(t,1H),7.66(d,2H),7.60−7.40(m,5H),7.32(dd,1H),7.27(t,1H),2.11(s,3H)。MS(ES):398.1(M+H)。
【実施例6】
【0122】
1−(2,6−ジクロロフェニル)−6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン=トリフルオロ酢酸塩
【0123】
【化27】

H NMR(CDOD,500MHz):δ8.83(d,1H),8.02(t,1H),7.80(m,1H),7.70−7.51(m,6H),7.36(m,2H)。MS(ES):402.1(M+H)。
【実施例7】
【0124】
1−(2,6−ジクロロフェニル)−6−(2−フルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0125】
【化28】

H NMR(CDCl,500MHz):δ7.88(d,1H),7.65(m,1H),7.53−7.32(m,6H),7.20(dd,1H),7.05(m,1H),6.85(d,1H),6.69(d,1H)。MS(ES):384.1(M+H)。
【実施例8】
【0126】
1−(2,6−ジクロロフェニル)−6−[2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−2H−キノリジン−2−オン
【0127】
【化29】

【0128】
2−[1−(2,6−ジクロロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−6−イル]ベンズアルデヒド(実施例4,8mg)のメタノール溶液に0℃で水素化ホウ素ナトリウム(2mg)を加え、30分間撹拌した。混合物を濃縮し、シリカゲル(塩化メチレン/アセトン=1/2)により精製し、標記化合物(4mg)を得た。
【0129】
H NMR(CDCl,500MHz):δ7.81(d,1H),7.73(d,1H),7.57(t,2H),7.48−7.28(m,5H),7.22(dd,1H),6.80(d,1H),6.67(d,1H),6.65(d,1H),4.43(abq,2H)。MS(ES):396.1(M+H)。
【実施例9】
【0130】
1−(2,6−ジクロロフェニル)−6−ピロリジン−1−イル−2H−キノリジン−2−オン
【0131】
【化30】

【0132】
ピロリジン(0.5mL)中の6−クロロ−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン(実施例1,15mg)の混合物を90℃まで2.5時間加熱した後、濃縮した。残渣をシリカゲル(塩化メチレン/アセトン=3/1)により精製し、標記化合物を黄色固体として得た(12mg)。
【0133】
H NMR(CDCl,500MHz):δ8.49(d,1H),7.47(d,2H),7.28(t,1H),7.06(m,2H),6.43(d,1H),6.30(d,1H),3.26(m,4H),2.10(m,4H)。MS(ES):359.4(M+H)。
【実施例10】
【0134】
6−(シクロプロピルメトキシ)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0135】
【化31】

【0136】
DMFに懸濁したオイルフリー水素化ナトリウム(24mg)に室温でシクロプロピルメタノール(0.08mL)を加え、30分間撹拌した。この混合物に6−クロロ−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン(実施例1,15mg)を加え、約1〜3時間撹拌した。混合物を酢酸エチル/水で希釈した。有機層を水(3×)、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。蒸発後、残渣をシリカゲル(塩化メチレン/アセトン=3/1)により精製し、標記化合物(15mg)を得た。
【0137】
H NMR(CDCl,500MHz):δ8.65(d,1H),7.45(d,2H),7.29(t,1H),7.06(dd,1H),7.00(d,1H),6.32(d,1H),5.90(d,1H),4.10(d,2H),1.43(m,1H),0.81(m,2H),0.48(m,2H)。MS(ES):360.1(M+H)。
【実施例11】
【0138】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0139】
【化32】

【0140】
標記化合物は実施例1,ステップAで2,6−ジクロロフェニル酢酸の代わりに2,6−ジフルオロフェニル酢酸を使用し、実施例2で2−クロロフェニルボロン酸の代わりに2,4−ジフルオロフェニルボロン酸を使用した以外は実施例1及び2に記載した手順により製造した。
【0141】
H NMR(CDOD,500MHz):δ8.17(dd,1H),7.67(m,1H),7.46(m,1H),7.44(m,1H),7.28(m,2H),7.14(m,3H),6.96(dd,1H),6.88(d,1H)。MS(ES):370.1(M+H)。
【実施例12】
【0142】
4−(2−クロロフェニル)−9−(2,6−ジクロロフェニル)−8H−ピリド[1,2−a]ピラジン−8−オン
【0143】
【化33】

【0144】
標記化合物は実施例1,ステップAで2,6−ジクロロピリジンの代わりに2,6−ジクロロピラジンを使用した以外は実施例1及び2に記載した手順により製造した。
【0145】
H NMR(CDCl,500MHz):δ8.36(s,1H),7.70−7.52(m,8H),7.40(t,1H),7.14(br d,1H)。MS(ES):401.0(M+H)。
【実施例13】
【0146】
3−ブロモ−6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0147】
【化34】

【0148】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン(実施例11,78mg,.211mmol)のCHCl溶液に室温でBr:CHCl(1:1)溶液を加えた。LCMSにより反応が完了したと判断されるまで反応混合物を2〜3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(100%EtOAc)により精製した。
【0149】
H NMR(CDCl)δ:8.18(s,1H),7.48(m,1H),7.42(m,1H),7.12−7.22(m,3H),7.05(m,3H),6.60(d,1H)。
【実施例14】
【0150】
6−(2−クロロフェニル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−8−メトキシ−2H−キノリジン−2−オン
【0151】
【化35】

【0152】
ステップ−A
2,6−ジクロロ−4−メトキシピリジン
【0153】
【化36】

【0154】
2,4,6−トリクロロピリジン(4.5g)のメタノール溶液に室温でナトリウムメトキシド(メタノール中25%,6.8mL)を加えた。混合物を12時間撹拌した後、酢酸エチル/水に注ぎ、分離した。有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。蒸発後、残渣をを結晶化(100%ヘキサン)により精製し、標記化合物を固体として得た(3.1g)。
【0155】
MS(ES):178.3(M+H)。
【0156】
ステップ−B
6−(2−クロロフェニル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−8−メトキシ−2H−キノリジン−2−オン
【0157】
【化37】

【0158】
標記化合物は実施例1,ステップAで2,6−ジクロロピリジンの代わりに2,6−ジクロロ−4−メトキシピリジンを使用した以外は実施例1及び2に記載した手順により製造した。
【0159】
H NMR(CDCl,500MHz):δ7.63−7.49(m,6H),7.46(d,1H),7.31(t,1H),6.70(d,1H),6.31(d,1H),5.86(d,1H),3.70(s,3H)。MS(ES):430.3(M+H)。
【実施例15】
【0160】
6−(2−クロロフェニル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−8−ヒドロキシ−2H−キノリジン−2−オン
【0161】
【化38】

【0162】
6−(2−クロロフェニル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−8−メトキシ−2H−キノリジン−2−オン(実施例14,40mg)の塩化メチレン溶液に−78℃で三臭化ホウ素(0.06mL)を加えた。混合物を室温まで昇温し、12時間撹拌した。2N HClでクエンチした後、混合物を塩化メチレンで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル(塩化メチレン/メタノール=7/1)により精製し、標記化合物(25mg)を得た。
【0163】
MS(ES):416.1(M+H)。
【実施例16】
【0164】
6,8−ビス(2−クロロフェニル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0165】
【化39】

【0166】
標記化合物は実施例1,ステップAで2,6−ジクロロピリジンの代わりに2,4,6−トリクロロピリジンを使用し、実施例2で2−クロロフェニルボロン酸1当量の代わりに2−クロロフェニルボロン酸2当量を使用した以外は実施例1及び2に記載した手順により製造した。
【0167】
MS(ES):512.1(M+H)。
【実施例17】
【0168】
中間体8−ブロモ−6−クロロ−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オンの製造
【0169】
【化40】

【0170】
ステップ−A
4−ブロモ−2,6−ジクロロピリジン
【0171】
【化41】

【0172】
臭化銅(II)(8.2g)のアセトニトリル懸濁液に0℃でアセトニトリル中のt−ブチルニトリル(5.5mL)と4−アミノ−2,6−ジクロロピリジン(5.0g)を加えた。混合物を室温までゆっくりと昇温し、更に12時間撹拌した。混合物を2N HClに注ぎ、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。標記化合物をトルエン/ヘキサン(4.5g)から再結晶した。
【0173】
ステップ−B
8−ブロモ−6−クロロ−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0174】
【化42】

【0175】
標記化合物はステップAで2,6−ジクロロピリジンの代わりに4−ブロモ−2,6−ジクロロピラジン使用した以外は実施例1に記載した手順により製造した。
【0176】
H NMR(CDOD,500MHz):δ9.01(d,1H),7.58(d,2H),7.48(t,1H),7.40(s,1H)7.04(d,1H),6.89(s,1H)。
【実施例18】
【0177】
中間体8−(1−tert−ブチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−6−クロロ−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オンの製造
【0178】
【化43】

【0179】
8−ブロモ−6−クロロ−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン(実施例17,132mg)のTHF溶液に1−t−ブチル−4−(トリメチルスタニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(米国特許第6,809,199号に開示の方法経路,90mg.)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(21mg)を加え、12時間加熱還流した。混合物を濃縮し、シリカゲル(塩化メチレン/アセトン=1/2)より精製し、標記化合物(57mg)を得た。
【0180】
H NMR(CDOD,500MHz):δ9.02(d,1H),7.58(d,2H),7.52(s,1H),7.48(t,1H),7.01(d,1H),6.59(s,2H),3.54(br.s,2H),2.93(br.s,2H),2.33(br.s,2H),1.20(s,9H)。
【実施例19】
【0181】
8−(1−tert−ブチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−6−(2−クロロフェニル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン=塩酸塩
【0182】
【化44】

【0183】
8−(1−tert−ブチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−6−クロロ−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン(57mg)のDME溶液に2−クロロフェニルボロン酸(38mg)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(14mg)及び2N炭酸ナトリウム(0.36mL)を加えた。混合物を80℃まで2〜3時間加熱した後、室温まで冷却し、酢酸エチル/飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル(100%アセトン)により精製した。遊離塩基を塩化メチレンに溶かし、HCl(エチルエーテル中1N)3当量を加え、HCl塩(26mg)を得た。
【0184】
H NMR(CDOD,500MHz)遊離塩基として:δ7.70(d,1H),7.64(d,1H),7.61(td,1H),7.57−7.49(m,4H),7.34(t,1H),7.23(dd,1H),7.14(m,1H),6.87(d,1H),6.66(d,1H),3.37(s,2H),2.77(m,2H),2.29(s,2H),1.12(s,9H)。MS(ES):537.1(M+H)。
【実施例20】
【0185】
8−(1−tert−ブチルピペリジン−4−イル)−6−(2−クロロフェニル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0186】
【化45】

【0187】
8−(1−tert−ブチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−6−(2−クロロフェニル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン=塩酸塩(実施例19,24mg)のメタノール/酢酸エチル=1/5溶液に酸化白金(9mg)を加えた。溶液を水素(1気圧)下に1時間水素化した。混合物をセライトで濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル(塩化メチレン/メタノール/2Nアンモニア=10/1/0.2)により精製し、標記化合物を得た。
【0188】
H NMR(CDOD,500MHz):δ7.92(d,1H),7.72−7.58(m,6H),7.47(t,1H),6.91(s,1H),6.83(d,1H),6.67(s,1H),3.32(m,2H),2.57(m,1H),2.30(m,2H),1.89(m,2H),1.60(m,2H),1.11(s,9H)。
【実施例21】
【0189】
8−(1−tert−ブチルピペリジン−4−イル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0190】
【化46】

【0191】
標記化合物は実施例19で2−クロロフェニルボロン酸の代わりに2,4−ジフルオロフェニルボロン酸を使用した以外は実施例19及び20に記載した手順により製造した。
【0192】
H NMR(CDOD,500MHz):δ8.15(dd,1H),7.71(m,1H),7.59(m,2H),7.47(t,1H),7.30(m,2H),6.95(s,1H),6.85(d,1H),6.68(s,1H),3.47(m,2H),2.76(m,3H),2.07(m,2H),1.73(m,2H),1.29(s,9H)。MS(ES):541.4(M+H)。
【実施例22】
【0193】
8−(1−tert−ブチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−6−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2H−キノリジン−2−オン=塩酸塩
【0194】
【化47】

【0195】
標記化合物は2−クロロフェニルボロン酸の代わりに4−フルオロ−2−メチルフェニルボロン酸を使用した以外は実施例19に記載した手順により製造した。
【0196】
H NMR(CDOD,500MHz)遊離塩基として:δ7.90(d,1H),7.59(d,2H),7.47(m,2H),7.23(m,2H),7.13(s,1H),6.80(d,1H),6.66(s,1H),6.56(s,1H),3.41(s,2H),2.81(m,2H),2.32(s,2H),2.14(s,3H),1.12(s,9H)。MS(ES):535.5(M+H)。
【実施例23】
【0197】
8−(1−tert−ブチルピペリジン−4−イル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−6−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2H−キノリジン−2−オン=塩酸塩
【0198】
【化48】

【0199】
標記化合物は8−(1−tert−ブチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−6−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2H−キノリジン−2−オン=塩酸塩(実施例22)から実施例20に記載した手順により製造した。
【0200】
H NMR(CDOD,500MHz)遊離塩基として:δ7.91(d,1H),7.54−7.46(m,2H),7.28−7.13(m,5H),6.87(d,1H),6.81(s,1H),3.22(m,2H),2.63(m,1H),2.30(m,2H),2.16(s,3H),1.92(m,2H),1.63(m,2H),1.14(s,9H)。
【実施例24】
【0201】
8−(1−tert−ブチルピペリジン−4−イル)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(2,6−ジクロロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0202】
【化49】

【0203】
標記化合物は実施例19で2−クロロフェニルボロン酸の代わりに2−クロロ−4−フルオロフェニルボロン酸を使用した以外は実施例19及び20に記載した手順により製造した。
【0204】
H NMR(CDOD,500MHz):δ7.97(d,1H),7.73(dd,1H),7.59(m,2H),7.47(t,1H),7.40(m,2H),6.97(s,1H),6.84(d,1H),6.69(s,1H),3.48(m,2H),2.82(m,3H),2.07(m,2H),1.81(m,2H),1.30(s,9H)。
【実施例25】
【0205】
中間体8−(1−tert−ブチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−6−クロロ−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オンの製造
【0206】
【化50】

【0207】
標記化合物は実施例17 ステップBで2,6−ジクロロフェニル酢酸の代わりに2,6−ジフルオロフェニル酢酸を使用した以外は実施例17及び18に記載した手順により製造した。MS(ES):429.3(M+H)。
【実施例26】
【0208】
8−(1−tert−ブチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)−6−(2−クロロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0209】
【化51】

【0210】
標記化合物は実施例19に記載した手順により製造した。
【0211】
H NMR(CDOD,500MHz):δ7.88(d,1H),7.70−7.52(m,5H),7.16(m,3H),6.93(s,1H),6.79(d,1H),6.58(s,1H),3.39(s,2H),2.79(m,2H),2.34(s,2H),1.13(s,9H)。MS(ES):505.2(M+H)。
【実施例27】
【0212】
8−(1−tert−ブチルピペリジン−4−イル)−6−(2−クロロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)〜2H−キノリジン−2−オン
【0213】
【化52】

【0214】
標記化合物は実施例20に記載した手順により製造した。
【0215】
H NMR(CDOD,500MHz):δ7.91(d,1H),7.72−7.53(m,6H),7.15(m,2H),6.92(s,2H),6.83(d,1H),3.32(m,2H),2.68(m,1H),2.53(m,2H),1.98(m,2H),1.70(m,2H),1.20(s,9H)。MS(ES):507.4(M+H)。
【実施例28】
【0216】
8−(1−tert−ブチルピペリジン−4−イル)−6−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0217】
【化53】

【0218】
標記化合物は2−クロロフェニルボロン酸の代わりに2−クロロ−4−フルオロフェニルボロン酸を使用した以外は実施例19及び20に記載した手順により製造した。
【0219】
H NMR(CDOD,500MHz):δ7.96(d,1H),7.70(dd,1H),7.55(m 2H),7.41(m,1H),7.14(m,2H),6.93(s,2H),6.83(d,1H),3.63(m,2H),2.99(m,2H),2.89(m,1H),2.13(m,2H),1.87(m,2H),1.38(s,9H)。MS(ES):525.4(M+H)。
【実施例29】
【0220】
8−(1−tert−ブチルピペリジン−4−イル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0221】
【化54】

【0222】
標記化合物は2−クロロフェニルボロン酸の代わりに4−フルオロ−2−メチルフェニルボロン酸を使用した以外は実施例19及び20に記載した手順により製造した。MS(ES):505.4(M+H)。
【実施例30】
【0223】
3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−4−フルオロベンゾニトリル
【0224】
【化55】

【0225】
ステップ−A:3−(ブロモメチル)−4−フルオロベンゾニトリル
【0226】
【化56】

【0227】
4−フルオロ−3−メチルベンゾニトリル(15.0g,111mmol)のCCl(600mL)溶液にN−ブロモスクシンイミド(23.7g,133mmol)と過酸化ベンゾイル(5.38g,22.2mol)を加えた。混合物に太陽灯(250W)を照射し、温和に還流させた。30分間照射後にTLCにより反応が完了したと判断された。反応混合物を冷却し、セライトで濾過した。濾液を減圧濃縮し、茶色油状物を得た。粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、所望生成物17.7gを得た。
【0228】
H NMR(CDCl)δ:7.78(d,1H),7.65(m,1H),7.20(t,1H),4.48(s,2H)。
【0229】
ステップ−B:3−[(6−ブロモピリジン−2−イル)メチル]−4−フルオロベンゾニトリル
【0230】
【化57】

【0231】
3−(ブロモメチル)−4−フルオロベンゾニトリル(上記ステップA,17.7g,83.3mmol)のTHF溶液を0℃まで冷却した後、Zn/THF溶液(124.4mmol)160mLを加えた。0℃で45分間撹拌後、反応混合物をを周囲温度で更に20分間撹拌した。この反応混合物に2,6−ジブロモピリジン(19.73g,83.3mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(5.00g,4.30mmol)を加え、TLCにより反応が完了したと判断されるまで90℃まで1.5時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトで濾過し、濃縮した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/塩化メチレン)により精製し、標記化合物(8.34g)を得た。
【0232】
H NMR(CDCl)δ:7.82(d,1H),7.68(m,1H),7.42(t,1H),7.26(d,1H),7.20(t,1H),9.96(d,1H),4.18(s,2H)。
【0233】
ステップ−C:3−{[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4−フルオロベンゾニトリル
【0234】
【化58】

【0235】
3−[(6−ブロモピリジン−2−イル)メチル]−4−フルオロベンゾニトリル(上記ステップB,8.34g,28.6mmol)のトルエン(300mL)溶液に(2,4−ジフルオロフェニル)ボロン酸(8.15g,34.4mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.65g,1.40mmol)、エタノール(30mL)、及び2M NaCO(30mL)を加えた。得られた混合物を95℃まで2時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、セライトで濾過し、減圧濃縮した。粗残渣をEtOAcに溶かし、HO、ブライン(2×)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、標記化合物を白色固体として得た(7.03g)。
【0236】
H NMR(CDCl)δ:8.00(q,1H),7.68(m,3H),7.57(m,1H),7.18(m,2H),7.02(m,1H),6.90(m,1H),4.25(s,2H)。
【0237】
ステップ−D:3−[1−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−2−オキソ−4−(トリメチルシリル)ブト−3−イン−1−イル]−4−フルオロベンゾニトリル
【0238】
【化59】

【0239】
3−{[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル]メチル}−4−フルオロベンゾニトリル(上記ステップC,30.0g,92.3mmol)のTHF(700mL)溶液に−78℃でLiHMDS(276mL,276mmol,THF中1M溶液)をカニューレで加えた。1時間15分間−78℃で撹拌後、3−(トリメチルシリル)プロプ−2−イン酸エチル(4.01mL,21.37mmol)を加えた。反応混合物を−78℃て1時間撹拌し、0℃まで3時間昇温した。反応混合物をNHCl水溶液でクエンチし、酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を合わせて0.5N HCl、水、ブライン(2×)で洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮し、黒色油状物を得た。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(100% CHCl)により精製し、標記化合物(40.0g)を得た。
【0240】
H NMR(CDCl)δ:7.85(m,2H),7.75(m,2H),7.53(m,1H),7.30(m,1H),7.01(m,2H),6.94(d,1H),0.08(s,9H)。
【0241】
ステップ−E:3−{1−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−2−オキソブト−3−イン−1−イル}−4−フルオロベンゾニトリル
【0242】
【化60】

【0243】
3−[1−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−2−オキソ−4−(トリメチルシリル)ブト−3−イン−1−イル]−4−フルオロベンゾニトリル(上記ステップD,40g,89.0mmol)のTHF(750mL)溶液に0℃でTBAF(133mL,133.6mmol)を加えた。0℃で15分間撹拌後、反応混合物をNHCl水溶液に注ぎ、EtOAc(2×)で抽出した。有機層を合わせてHO、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/塩化メチレン)により精製し、標記化合物(24g)を得た。H NMR(CDCl)δ:7.80(q,1H),7.72(m,3H),7.51(d,1H),7.31(t,1H),7.04(m,1H),6.97(m,1H),6.60(d,1H),3.14(s,1H)。
【0244】
ステップ−F:3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−4−フルオロベンゾニトリル
【0245】
【化61】

【0246】
3−{1−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−2−オキソブト−3−イン−1−イル}−4−フルオロベンゾニトリル(上記ステップE,24g,63.8mmol)のNMP溶液を90℃まで30分間加熱した。LCMS分析により反応が完了したと判断されたら反応混合物を氷水(4L)に注いだ。12時間撹拌後、固体沈殿を濾取した。固体をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc/MeOH)により精製した。水性濾液をEtOAcで抽出した。有機層をHO(4×)、ブライン(2×)で洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc/MeOH)を使用して粗残渣を精製した。合計7.8gの標記化合物が得られた。
【0247】
H NMR(CDOD)δ:8.19(d,1H),7.92(m,1H),7.85−7.79(m,1H),6.60(m,1H),7.50−7.43(m,2H),7.31(m,2H),7.18(d,1H),6.96(d,1H),6.88(d,1H)。
【実施例31】
【0248】
3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−4−フルオロ安息香酸
【0249】
【化62】

【0250】
3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−4−フルオロベンゾニトリル(実施例30,7.8g,19.7mmol)をジオキサン(200mL)と2N KOH(200mL)に溶かした溶液を60℃まで16時間加熱し、70℃まで4時間加熱した後に、LCMSにより反応が完了したと判断された。全溶媒を減圧除去し、粗残渣をHOに溶かした。水層をエーテルで抽出した。有機層を捨てた。水層を1N HClでpH3.5〜4.0まで酸性化し、固体沈殿を形成した。水溶液を12時間室温で撹拌し、固体沈殿を濾取した。固体を水洗し、風乾し、標記化合物(6.67g)を得た。
【0251】
H NMR(CDOD)δ:8.79(m,1H),8.23(m,1H),8.04(m,1H),7.84(m,1H),7.72(m,1H),7.50(m,2H),7.40−7.32(m,4H)。
【実施例32】
【0252】
3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−4−フルオロ安息香酸メチル
【0253】
【化63】

【0254】
3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−4−フルオロ安息香酸(実施例31,15mg,0.04mmol)のMeOH(2mL)溶液に0℃で塩化オキサリルを滴下した。反応混合物を周囲温度まで12時間昇温した。混合物を濃縮し、粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(100% EtOAc)により精製した。
【0255】
H NMR(CDOD)δ:8.19(d,2H),8.07−8.02(m,1H),7.67(m,1H),7.41(m,2H),7.37(m,2H),7.17(d,1H),6.96(d,1H),6.89(d,1H),3.91(s,3H)。
【実施例33】
【0256】
3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−4−フルオロベンズアミド
【0257】
【化64】

【0258】
3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−4−フルオロベンゾニトリル(実施例30)のジオキサン/2N KOH溶液を60℃まで1時間加熱した。溶液を濃縮し、逆相HPLC(HO中10−100%アセトニトリル,Kromisil,C8,30×100mm)により精製し、標記化合物を得た。
【0259】
H NMR(CDOD)δ:8.80(m,1H),8.11(m,1H),7.90(m,2H),7.73(m,1H),7.61(d,1H),7.50(d,1H),7.44(m,1H),7.33(m,3H)。
【実施例34】
【0260】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[2−フルオロ−5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2H−キノリジン−2−オン
【0261】
【化65】

【0262】
3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−4−フルオロ安息香酸(実施例31,1.0g,2.53mmol)のCHCl(20mL)溶液に0℃でトリエチルアミン(511mg,5.06mmol)とクロロギ酸エチル(409mg,3.79mmol)を加えた。混合物を周囲温度まで昇温し、更に1時間撹拌した。反応混合物をNHCl水溶液でクエンチし、CHClで抽出し、0.5N HCl(1×)、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗混合物をCHClに溶かし、カニューレでヒドラジン溶液(CHCl 10mL中ヒドラジン25.3mmol)に加えた。10分間室温で撹拌後、反応混合物を減圧濃縮し、固体を得た。粗固体をMeOHとエーテル/EtOAc(1/1)で洗浄し、不純物を除去した。得られた固体にMeOH(5mL)とオルト酢酸トリメチル(20mL)を加え、110℃まで2時間加熱した。LCMSにより反応が完了したと判断されたら混合物を減圧濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc/MeOH)により精製し、標記化合物を黄色がかった固体として得た(450mg)。
【0263】
H NMR(CDOD)δ:8.19(m,2H),8.07(m,1H),7.68(m,1H),7.49(m,1H),7.41(m,1H),7.33(m,2H),7.21(d,1H),6.91(d,1H),6.89(d,1H),2.62(s,3H)。
【実施例35】
【0264】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[2−フルオロ−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2H−キノリジン−2−オン
【0265】
【化66】

【0266】
3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−4−フルオロ安息香酸(実施例31,400mg,1.01mmol)のCHCl(5mL)溶液に塩化オキサリル(190mg,1.50mmol)と触媒量のDMFを0℃で加えた。0℃で15分後に氷浴を除去し、反応混合物を周囲温度まで昇温した。LCMSにより反応が完了したと判断されたら全揮発分を減圧除去した。粗残渣をCHClに溶かし、カニューレでヒドラジン溶液(CHCl 3mL中ヒドラジン10.1mmol)に加えた。10分間撹拌後、反応混合物を減圧濃縮し、固体を得た。粗材料をMeOH(1mL)とオルトギ酸トリエチル(4mL)に溶かし、120℃まで1.5時間加熱した。LCMSにより反応が完了したと判断されたら混合物を減圧濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc/MeOH)により精製し、標記化合物を黄色がかった固体として得た(46mg)。
【0267】
H NMR(CDOD)δ:9.01(d,1H),8.24(m,1H),8.20(dd,1H),8.13(m,1H),7.70(m,1H),7.52(m,1H),7.44(m,1H),7.33(m,2H),7.22(d,1H),6.97(d,1H),6.90(d,1H)。
【実施例36】
【0268】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[2−フルオロ−5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)フェニル]−2H−キノリジン−2−オン
【0269】
【化67】

【0270】
3−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−4−フルオロ安息香酸(実施例31,50mg,0.12mmol)のアセトニトリル(1.2mL)溶液にEDC(48mg,0.25mmol)とHOBt(34mg,0.25mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、N’−ヒドロキシエタンイミドアミド(46.6mg,0.63mmol)を加えた。反応混合物を90℃まで18時間加熱した後、室温まで冷却した。混合物をEtOAcで希釈し、NHCl水溶液、0.5N HCl、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(100% EtOAc)により精製し、標記化合物を黄色がかった固体として得た(15mg)。
【0271】
H NMR(CDOD)δ:8.28(m,1H),8.20(d,1H),8.15(m,1H),7.68(m,1H),7.50(m,1H),7.42(m,1H),7.30(m,2H),7.22(d,1H),6.98(d,1H),6.90(d,1H),2.43(s,3H)。
【実施例37】
【0272】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3,5−ジフルオロベンゾニトリル
【0273】
【化68】

【0274】
ステップ−A:メタンスルホン酸4−ブロモ−2,6−ジフルオロベンジル
【0275】
【化69】

【0276】
(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)メタノール(24.8g,112.1mmol)のCHCl(400mL)溶液にTEA(22.68g,224.28mmol)と塩化メチルスルホニル(12.84mL,156.9mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、NHCl水溶液でクエンチし、EtOAcで希釈した。有機層を1N HCl(2×)、HO、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、所望化合物を得た。
【0277】
H NMR(CDCl)δ:7.20(d,2H),5.28(s,2H),3.08(s,3H)。
【0278】
ステップ−B:5−ブロモ−2−(ブロモメチル)−1,3−ジフルオロベンゼン
【0279】
【化70】

【0280】
メタンスルホン酸4−ブロモ−2,6−ジフルオロベンジル(上記ステップA)のDMF(400mL)溶液にLiBr(28.8g,335mmol)を加え、90℃まで45分間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、EtOAcで希釈した。有機層を水(5×)、ブライン(2×)で洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮し、茶色油状物を得た。粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl/ヘキサン)により精製し、標記化合物(24g)を得た。
【0281】
H NMR(CDCl)δ:7.14(d,2H),4.48(s,2H)。
【0282】
ステップ−C:2−ブロモ−6−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロベンジル)ピリジン
【0283】
【化71】

【0284】
5−ブロモ−2−(ブロモメチル)−1,3−ジフルオロベンゼン(上記ステップB,18.5g,65.17mmol)のTHF(400mL)溶液に0℃でZn/THF溶液(Zn 5g/100mL,76.46mmol)100mLを加えた。混合物を室温まで昇温し、30分間撹拌した。この反応混合物に2,6−ジブロモピリジン(15.44g,65.17mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(7.51g,6.51mmol)を加え、90℃まで1時間加熱した。反応をLCMSによりモニターした。室温まで冷却後、反応混合物ををNHCl水溶液でクエンチし、EtOAcで希釈した。有機層を水(3×)、ブライン(3×)で洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮し、黄色油状物を得た。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物(16g)を得た。
【0285】
H NMR(CDCl)δ:7.44(t,1H),7.34(d,1H),7.11(d,2H),6.98(d,1H),4.14(s,2H)。
【0286】
ステップ−D:2−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロベンジル)−6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン
【0287】
【化72】

【0288】
2−ブロモ−6−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロベンジル)ピリジン(上記ステップC,7.41g,20.53mmol)のトルエン(200mL)溶液に(2,4−ジフルオロフェニル)ボロン酸(3.89g,24.63mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.37g,2.05mmol)、エタノール(20mL)及び2M NaCO(20mL)を加えた。反応が完了するまで反応混合物を90℃まで加熱した。混合物を室温まで冷却し、濃縮した。粗残渣をEtOAc/水(1:1)で希釈し、1N HCl(2×)、ブライン(3×)で洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、標記化合物(7.23g)を得た。
【0289】
H NMR(CDCl)δ:8.09(q,1H),7.66(m,2H),7.14(m,3H),7.01(m,1H),6.90(m,1H),4.26(s,2H)。
【0290】
ステップ−E:4−{[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル]メチル}−3,5−ジフルオロベンゾニトリル
【0291】
【化73】

【0292】
2−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロベンジル)−6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(上記ステップD,7.32g,18.5mmol)をDMF溶液(DMF 200mLと水2mL)に溶かした溶液にZn(CN)(1.74g,14.8mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(842mg,0.92mmol)、及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(1.23g,2.22mmol)を加え、120℃まで1時間加熱した(LCMSによりモニター)。反応混合物を周囲温度まで冷却後、混合物をHOで希釈し、EtOAc(3×)で抽出した。有機層を合わせて水(4×)、ブライン(3×)で洗浄し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、標記化合物(6.1g)を得た。
【0293】
H NMR(CDCl)δ:7.95(q,1H),7.70(m,2H),7.28(m,2H),7.16(d,1H),6.99(m,1H),6.90(m,1H),4.33(s,2H)。
【0294】
ステップ−F:4−[1−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−2−オキソ−4−(トリメチルシリル)ブト−3−イン−1−イル]−3,5−ジフルオロベンゾニトリル
【0295】
【化74】

【0296】
4−{[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル]メチル}−3,5−ジフルオロベンゾニトリル(上記ステップE,6.10g,17.83mmol)のTHF(200mL)溶液に−78℃でリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(53.49mL,THF中1.0M)を加えた。1時間15分間−78℃で撹拌後、3−(トリメチルシリル)プロプ−2−イン酸エチル(4.01mL,21.37mmol)を反応混合物に加えた。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し続け、LMCSにより反応が完了したと判断されるまで−20℃まで昇温した。反応混合物をNHCl水溶液でクエンチし、EtOAc(3×)で抽出した。有機層を合わせて1N HCl(1×)、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/塩化メチレン)により精製し、標記化合物(7.0g)を得た。
【0297】
H NMR(CDCl)δ:7.87(q,1H),7.74(t,1H),7.53(d,1H),7.35(m,2H),7.07(m,1H),7.01(t,1H),6.61(d,1H),0.08(s,9H)。
【0298】
ステップ−G:4−{1−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−2−オキソブト−3−イン−1−イル}−3,5−ジフルオロベンゾニトリル
【0299】
【化75】

【0300】
4−[1−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−2−オキソ−4−(トリメチルシリル)ブト−3−イン−1−イル]−3,5−ジフルオロベンゾニトリル(上記ステップF,7.00g,15.02mmol)のTHF(200mL)溶液に0℃で弗化テトラブチルアンモニウム水和物(22.5mL,THF中1.0M)を加えた。0℃で10分間撹拌後、反応混合物をEtOAc(3×)で希釈し、NHCl水溶液、HO、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/塩化メチレン)を使用して粗残渣を精製し、標記化合物(5.31g)を得た。
【0301】
H NMR(CDCl)δ:7.86(m,1H),7.76(m,1H),7.54(d,1H),7.35(m,2H),7.08(m,1H),7.01(m,1H),6.61(d,1H),3.12(s,1H)。
【0302】
ステップ−H:4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3,5−ジフルオロベンゾニトリル
【0303】
【化76】

【0304】
4−{1−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル]−2−オキソブト−3−イン−1−イル}−3,5−ジフルオロベンゾニトリル(上記ステップG,2.4g,6.07mmol)のテトラメチルエチルジアミン溶液を反応が完了するまで110℃まで加熱した。混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc)により精製し、標記化合物を黄色がかった固体として得た(0.91g)。H NMR(CDOD)δ:8.21(d,1H),7.69(m,1H),7.61(m,2H),7.49(m,1H),7.31(m,2H),7.18(d,1H),6.99(d,1H),6.89(d,1H)。
【実施例38】
【0305】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3,5−ジフルオロ安息香酸
【0306】
【化77】

【0307】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3,5−ジフルオロベンゾニトリル(実施例37,400mg,1.02mmol)をジオキサン(50mL)と2N KOH(50mL)に溶かした溶液を90℃まで24時間加熱した(LCMSによりモニター)。全溶媒を減圧除去し、粗残渣を水に溶かした。水層をエーテル(3×)で抽出し、エーテル層を捨てた。水層を1N HClでpH〜4まで酸性化し、固体沈殿を得た。固体を濾取し、HOで洗浄し、標記化合物(350mg)を得た。H NMR(CDOD)δ:8.25(d,1H),7.75(m,2H),7.68(m,1H),7.52(m,1H),7.30(m,2H),7.22(d,1H),7.05(d,1H),6.96(d,1H)。
【実施例39】
【0308】
1−[2,6−ジフルオロ−4−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0309】
【化78】

【0310】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3,5−ジフルオロ安息香酸(実施例38,152mg,0.37mmol)のCHCl(3.7mL)溶液に0℃で塩化オキサリル(0.047mL,0.55mmol)と触媒量のDMFを加えた。10分間0℃で撹拌後、混合物を周囲温度まで昇温した。LCMS分析により反応が完了したと判断されたら反応混合物を減圧濃縮した。残渣をCHCl(3.7mL)に溶かし、カニューレでヒドラジン溶液(CHCl 1mL中ヒドラジン0.1mL)に加えた。10分間室温で撹拌後、反応が完了したら減圧濃縮して固体を得、メタノール(1mL)とオルトギ酸トリエチル(2mL)に加え、110℃まで2時間加熱した。LCMSにより反応が完了したと判断されたら全揮発分を減圧除去した。粗材料を逆相クロマトグラフィーとシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc/MeOH)により精製し、標記化合物を黄色がかった固体として得た(10mg)。
【0311】
H NMR(CDOD)δ:9.11(s,1H),8.21(d,1H),7.85(m,2H),7.68(m,1H),7.50(m,1H),7.31(m,2H),7.22(d,1H),7.00(d,1H),6.89(d,1H)。
【実施例40】
【0312】
1−[2,6−ジフルオロ−4−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0313】
【化79】

【0314】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3,5−ジフルオロ安息香酸(実施例38,204mg,0.49mmol)のCHCl(1.5mL)溶液に0℃で塩化オキサリル(93mg,0.74mmol)と触媒量のDMFを加えた。0℃で5分間撹拌後、反応混合物を室温まで昇温し、更に30分間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、トルエン(2×)と共沸させた。粗材料をCHCl(1.5mL)に溶かし、ヒドラジン(50mmol)の0℃ CHCl(2mL)溶液に加えた。15分間撹拌後に、LCMSにより反応が完了したと判断されたら、反応混合物を濃縮して固体を得、トルエン(2×)と共沸させた。粗材料をオルト酢酸トリメチル(5mL)とメタノール(2mL)に溶かし、120℃まで1.5時間加熱した。全揮発分を減圧除去し、粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(100% EtOAc)により精製した。
【0315】
H NMR(CDOD)δ:8.22(d,1H),7.82(m,2H),7.68(m,1H),7.49(m,1H),7.31(m,2H),7.23(d,1H),7.00(d,1H),6.90(d,1H),2.67(s,3H)。
【実施例41】
【0316】
1−[4−(5−アミノ−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2,6−ジフルオロフェニル]−6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0317】
【化80】

【0318】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3,5−ジフルオロ安息香酸(実施例38,50mg,0.12mmol)のCHCl溶液に0℃で塩化オキサリル(22mg,0.18mmol)と触媒量のDMFを加えた。10分後に反応混合物を氷浴から取り出し、室温で20分間撹拌した。LCMS分析により反応が完了したと判断されたら、反応混合物を減圧濃縮した。この粗残渣をCHClに溶かし、カニューレで0℃のヒドラジン溶液(CHCl 1mL中1.2mmolヒドラジン)に加えた。0℃で10分後に、反応混合物を室温まで昇温した。反応混合物を減圧濃縮して固体を得、メタノール(1mL)と臭化シアン(126mg,1.2mmol)に加え、90℃まで2時間加熱した。LCMSにより反応が完了したと判断されたら混合物を減圧濃縮した。粗材料を逆相クロマトグラフィーにより精製し、標記化合物(5.4mg)を得た。
【0319】
H NMR(CDOD)δ:8.20(d,1H),7.62−7.72(m,3H),7.48(m,1H),7.21−7.34(m,2H),7.21(d,1H),7.00(d,1H),6.88(d,1H)。
【実施例42】
【0320】
1−[2,6−ジフルオロ−4−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)フェニル]−6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0321】
【化81】

【0322】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3,5−ジフルオロ安息香酸(実施例38,50mg,0.12mmol)のNMP(1.2mL)溶液に室温でEDC(46mg,0.24mmol)とHOBT(24mg,0.18mmol)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した後にN’−ヒドロキシエタンイミドアミドを加えた。反応混合物を90℃まで6時間加熱すると、LCMSにより生成物の80%変換が判明した。反応混合物をNHClでクエンチし、EtOAc(3×)で抽出した。有機層を合わせて0.5N HCl、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(100% EtOAc)により精製し、標記化合物(9mg)を得た。
【0323】
H NMR(CDOD)δ:8.22(d,1H)δ 7.89(m,2H),7.70(m,1H),7.49(m,1H),7.30(m,2H),7.21(d,1H)3 6.99(d,1H),6.89(d,1H),2.48(s,3H)。
【実施例43】
【0324】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3,5−ジフルオロベンズアミド
【0325】
【化82】

【0326】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3,5−ジフルオロ安息香酸(実施例38)のNMP溶液にEDC、HOBT及び水酸化アンモニウムを加えた。反応の完了後、混合物を濃縮し、逆相クロマトグラフィー(HO中10−100% ACN,Kromisil,C8,30×100mm)により精製し、標記化合物を得た。
【0327】
H NMR(CDOD)δ:8.21(d,1H),7.68(m,3H),7.45(m,1H),7.31(m,2H),7.17(d,1H),6.99(d,1H),6.88(d,1H)。
【実施例44】
【0328】
1−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0329】
【化83】

【0330】
標記化合物は4−{[6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン−2−イル]メチル}−3,5−ジフルオロベンゾニトリルの代わりに2−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロベンジル)−6−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジンから実施例37、ステップF、G及びHに記載した手順により製造した。
【0331】
H NMR(CDOD)δ:8.19(dd,1H),7.68(m,1H),7.48(m,1H),7.42(m,2H),7.26−7.34(m,2H),7.18(d,1H),6.90(d,1H),6.88(d,1H)。
【実施例45】
【0332】
1−(4−アセチル−2,6−ジフルオロフェニル)−6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0333】
【化84】

【0334】
1−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン(30mg,0.067mmol)のトルエン(1.4mL)溶液にトリブチル(1−エトキシビニル)スタナンとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(7.74mg,0.007mmol)を加え、90℃まで1.5時間加熱した。反応混合物を冷却し、セライトで濾過し、THFで希釈した。混合物に2N HClを加え、20分間撹拌して反応を完了させた。粗混合物をHOとEtOAcで希釈した。有機層をHO、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。粗残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、標記化合物(7.9mg)を得た。
【0335】
H NMR(CDOD)δ:8.20(d,1H),7.75(m,2H),7.68(m,1H),7.48(m,1H),7.32(m,2H),7.18(d,1H),6.98(d,1H),6.90(d,1H),2.68(s,3H)。
【実施例46】
【0336】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3,5−ジフルオロ−N−メチルベンズアミド
【0337】
【化85】

【0338】
標記化合物は水酸化アンモニウムの代わりに塩酸メチルアミンとトリエチルアミン2当量を使用し、シリカゲル(塩化メチレン/メタノール)により精製した以外は実施例43に記載した手順により製造した。
【0339】
H NMR(CDOD)δ:8.20(d,1H),7.69(m,1H),7.61(m,2H),7.48(m,1H),7.31(m,2H),7.17(d,1H),6.98(d,1H),6.88(d,1H),2.96(s,3H)。
【実施例47】
【0340】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3,5−ジフルオロ−N,N−ジメチルベンズアミド
【0341】
【化86】

【0342】
標記化合物は水酸化アンモニウムの代わりに塩酸ジメチルアミンとトリエチルアミン2当量を使用し、シリカゲル(塩化メチレン/メタノール)により精製した以外は実施例43に記載した手順により製造した。
【0343】
H NMR(CDOD)δ:8.20(d,1H),7.69(m,1H),7.49(m,1H),7.24(m,5H),6.98(d,1H),6.90(d,1H),2.96(d,6H)。
【実施例48】
【0344】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[2,6−ジフルオロ−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル]−2H−キノリジン−2−オン
【0345】
【化87】

【0346】
標記化合物は水酸化アンモニウムの代わりにピロリジンを使用し、シリカゲル(塩化メチレン/メタノール)により精製した以外は実施例43に記載した手順により製造した。
【0347】
H NMR(CDOD)δ:8.20(d,1H),7.69(q,1H),7.49(m,1H),7.31(m,4H),7.20(d,1H),6.98(d,1H),6.90(d,1H),3.64(m,4H),1.95−2.05(m,4H)。
【実施例49】
【0348】
1−(2,6−ジフルオロ−4−ピリミジン−5−イルフェニル)−6−(4−フルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0349】
【化88】

【0350】
1−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン(実施例44,74mg,0.17mmol)のトルエン(5mL)溶液にピリミジン−5−イルボロン酸(42mg,0.34mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(196mg,0.017mmol)、EtOH(0.5mL)及び2N NaCO(0.5mL)を加え、90℃まで12時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却後、混合物を濃縮した。粗残渣をEtOAcに溶かし、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/EtOAc/MeOH)を使用して粗材料を精製し、標記化合物を得た。
【0351】
H NMR(CDOD)δ:9.20(m,3H),8.32(d,1H),7.65(m,2H),7.62(d,2H),7.48(m,1H),6.40(m,2H),7.20(d,1H),6.90(d,1H),6.86(d,1H)。
【実施例50】
【0352】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(ヒドロキシメチル)−2H−キノリジン−2−オン
【0353】
【化89】

【0354】
ステップ−A
(2,6−ジクロロピリジン−3−イル)メタノール
2,6−ジクロロニコチン酸(10g)のMeOH(300mL)溶液に0℃で塩化オキサリル(5.5mL)を滴下した。反応が完了するまで混合物を60℃まで2〜3時間加熱した。濃縮後、残渣をエーテルに溶かし、0℃で水素化アルミニウムリチウム(2.3g)をゆっくりと加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、水(2.3mL)を滴下して過剰の水素化アルミニウムリチウムをクエンチした。得られた混合物に15% NaOH(2.3mL)をゆっくりと加え、水(6.9mL)を加え、0℃で更に1時間撹拌した。スラッシ溶液をセライトで濾過し、エーテルで洗浄した。濾液を濃縮し、標記化合物(6.5g)を得た。
【0355】
H NMR(CDCl)δ:7.90(d,1H),7.33(d,1H),4.79(s,2H)。
【0356】
ステップ−B
3−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2,6−ジクロロピリジン
【0357】
【化90】

【0358】
(2,6−ジクロロピリジン−3−イル)メタノール(上記ステップA,6.3g)のDMF溶液に0℃でイミダゾール(3.06g)と塩化t−ブチルジメチルシリル(6.02g)を加えた。混合物を室温まで昇温し、1時間撹拌した後、水に注いだ。溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を水(5×)、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、標記化合物(8.7g)を得た。
【0359】
H NMR(CDCl)δ:7.89(d,1H),7.32(d,1H),4.74(s,2H),0.98(s,9H),0.16(s,6H)。
【0360】
ステップ−C
3−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2−クロロ−6−(2,6−ジフルオロベンジル)ピリジン
【0361】
【化91】

【0362】
3−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2,6−ジクロロピリジン(上記ステップB,8.5g)のTHF溶液に臭化2,6−ジフルオロベンジル亜鉛(90mL,THF中0.5M)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2g)を加え、反応が完了するまで2〜3時間加熱還流した。混合物を室温まで冷却し、セライトで濾過した。濾液を酢酸エチルで希釈し、1N NaOH、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、標記化合物を得た。
【0363】
ステップ−D
3−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−6−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン
【0364】
【化92】

【0365】
粗3−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2−クロロ−6−(2,6−ジフルオロベンジル)ピリジン(上記ステップC)のDME溶液に2,4−ジフルオロフェニルボロン酸(6.5g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2g)及び2N NaCO(40mL)を加え、反応が完了するまで90℃まで2〜3時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、セライトで濾過した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル(100%塩化メチレン)により精製し、標記化合物(4.81g)を得た。
【0366】
MS(ES):462.3(M+H)。
【0367】
ステップ−E
1−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル]ブト−3−イン−2−オン
【0368】
【化93】

【0369】
3−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−6−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(上記ステップD,4.63g)のTHF溶液に−78℃でリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(22.0mL,THF中1.0M)を加えた。−78℃で30分間撹拌後、3−(トリメチルシリル)プロプ−2−イン酸エチル(2.2mL)を加えた。混合物を0℃まで昇温し、反応が完了するまで2〜3時間撹拌した。反応混合物を0.1N HClでクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をTHFに溶かし、0℃のTBAF(25mL,THF中1N)を加え、1時間撹拌した。溶液を水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル(100%塩化メチレン)により精製し、標記化合物(1.08g)を得た。
【0370】
MS(ES):400.2(M+H)。
【0371】
ステップ−F
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(ヒドロキシメチル)−2H−キノリジン−2−オン
【0372】
【化94】

【0373】
1−(2,6−ジフルオロフェニル)−1−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2−イル]ブト−3−イン−2−オン(上記ステップE,1.0g)のTMEDA溶液を反応が完了するまで110℃まで加熱した。混合物を濃縮し、シリカゲル(100%アセトン)により精製し、標記化合物を黄色固体として得た(0.46g)。
【0374】
H NMR(CDOD)δ:8.08(d,1H),7.69(d,1H),7.61(m,1H),7.51(m,1H),7.34(m,2H),7.24(d,1H),7.15(m,2H),6.89(d,1H),4.22(abq,2H)。MS(ES):400.2(M+H)。
【実施例51】
【0375】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−メチル−2H−キノリジン−2−オン
【0376】
【化95】

【0377】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(ヒドロキシメチル)−2H−キノリジン−2−オン(実施例50,40mg)のMeOH溶液に水素雰囲気下で触媒量のPd/Cを1時間加えた。混合物をセライトで濾過し、濾液を濃縮した。残渣を逆相HPLCにより精製し、標記化合物をTFA塩として得た(14mg)。
【0378】
H NMR(CDOD)δ:8.58(d,1H),7.93(d,1H),7.66(m,3H),7.40(m,3H),7.25(m,2H),2.23(s,2H)。
【実施例52】
【0379】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(メトキシメチル)−2H−キノリジン−2−オン
【0380】
【化96】

【0381】
オイルフリー水素化ナトリウムのTHF懸濁液に0℃でヨードメタン(0.06mL)と6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(ヒドロキシメチル)−2H−キノリジン−2−オン(実施例50,40mg)を加えた。混合物を室温まで昇温し、反応が完了するまで2〜3時間撹拌した。混合物を水でクエンチし、酢酸エチル、ブラインで抽出し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル(100%アセトン)により精製し、標記化合物(22mg)を得た。
【0382】
MS(ES):414.2(M+H)。
【実施例53】
【0383】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−7−カルボン酸
【0384】
【化97】

【0385】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(ヒドロキシメチル)−2H−キノリジン−2−オン(実施例50,100mg)の溶液にジョーンズ試薬(0.5mL,硫酸中4N;Bowers,Halsall,Jones,and Lemin,J.Chem.Soc,(1953),2548−2560に開示されている手順と同様の手順を使用して製造)を0℃で加えた。反応が完了するまで混合物を0℃で2〜3時間撹拌した後、イソプロパノール(1mL)でクエンチした。10分間(緑色溶液)撹拌後、混合物をセライトで濾過し、濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈し、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、標記化合物(87mg)を得た。
【0386】
H NMR(CDOD)δ:8.33(d,1H),8.01(d,1H),7.59(m,2H),7.39(d,1H),7.30(m,2H),7.19(m,2H),7.09(d,1H)。MS(ES):414.2(M+H)。
【実施例54】
【0387】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−7−カルボン酸メチル
【0388】
【化98】

【0389】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−7−カルボン酸(実施例53,21mg)のTHF/MeOH(1/1)溶液に室温でEDC(20mg)とHOBt(10mg)を加えた。2時間撹拌後、混合物を酢酸エチルで希釈し、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル(塩化メチレン/メタノール=20/1)により精製し、標記化合物(12mg)を得た。
【0390】
H NMR(CDCl)δ:7.73(d,1H),7.60(d,1H),7.45(m,1H),7.34(m,1H),7.18(m,1H),7.13(m,1H),7.07(m,3H),6.89(d,1H),3.71(s,3H)。MS(ES):428.2(M+H)。
【実施例55】
【0391】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−7−カルボキサミド
【0392】
【化99】

【0393】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−7−カルボン酸(実施例53,21mg)のTHF溶液に室温でEDC(20mg)、HOBt(10mg)及び水酸化アンモニウム(0.1mL)を加えた。2時間撹拌後、混合物を酢酸エチルで希釈し、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲル(塩化メチレン/メタノール=20/1)により精製し、標記化合物(17mg)を得た。
【0394】
H NMR(CDCl)δ:7.71(d,1H),7.54(d,1H),7.45(m,1H),7.37(m,1H),7.17−7.03(m,5H),6.88(d,1H)。MS(ES):413.2(M+H)。
【実施例56】
【0395】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−7−カルボアルデヒド
【0396】
【化100】

【0397】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−(2,6−ジフルオロフェニル)−7−(ヒドロキシメチル)−2H−キノリジン−2−オン(実施例52,21mg)の溶液に室温でデス・マーチン・ペルヨージナン(30mg)を加え、12時間撹拌した。混合物を濃縮し、シリカゲル(塩化メチレン/メタノール=20/1)により精製し、標記化合物(8mg)を得た。
【0398】
H NMR(CDCl)δ:9.40(s,1H),7.71(d,1H),7.58(d,1H),7.54(m,1H),7.45(m,1H),7.30(m,1H),7.24(m,1H),7.08(m,3H),6.89(d,1H)。MS(ES):398.2(M+H)。
【0399】
実施例57〜71は上記実施例37〜実施例48に記載した手順と同様の手順を使用して製造した。
【実施例57】
【0400】
3−フルオロ−4−[6−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]安息香酸メチル
【0401】
【化101】

H NMR(CDOD)δ:8.26(d,1H),7.98(d,1H),7.88(d,1H),7.65(m,2H),7.50(t,1H),7.40(m,3H),7.10(d,1H),6.89(m,2H),3.98(s,3H)。
【実施例58】
【0402】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3−フルオロ−N−メチルベンズアミド
【0403】
【化102】

MS(ES):409.1(M+H)。
【実施例59】
【0404】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3−フルオロ安息香酸
【0405】
【化103】

MS(ES):396.05(M+H)。
【実施例60】
【0406】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[2−フルオロ−4−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル]−2H−キノリジン−2−オン
【0407】
【化104】

MS(ES):410.2(M+H)。
【実施例61】
【0408】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド
【0409】
【化105】

MS(ES):439.2(M+H)。
【実施例62】
【0410】
4−[6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]−3−フルオロ安息香酸メチル
【0411】
【化106】

MS(ES):410.2(M+H)。
【実施例63】
【0412】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[2−フルオロ−4−(ピロリジン−1−イルカルボニル)フェニル]−2H−キノリジン−2−オン
【0413】
【化107】

MS(ES):449.2(M+H)。
【実施例64】
【0414】
1−[4−(アゼチジン−1−イルカルボニル)−2−フルオロフェニル]−6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0415】
【化108】

MS(ES):435.1(M+H)。
【実施例65】
【0416】
1−(4−アセチル−2−フルオロフェニル)−6−(2,4−ジフルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0417】
【化109】

MS(ES):394.1(M+H)。
【実施例66】
【0418】
1−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0419】
【化110】

MS(ES):432.0(M+H)。
【実施例67】
【0420】
1−(4−アセチル−2,6−ジフルオロフェニル)−6−(4−フルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0421】
【化111】

H NMR(CDCl,500MHz):δ7.94(d,1H),7.65(d,2H),7.50(m,2H),7.33(t,2H),7.15(dd,1H),6.94(d,1H),6.80(d,1H),6.55(dd,1H),2.66(s,3H)。
【実施例68】
【0422】
1−[2,6−ジフルオロ−4−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−6−(4−フルオロフェニル)−2H−キノリジン−2−オン
【0423】
【化112】

MS(ES):420.1(M+H)。
【実施例69】
【0424】
3,5−ジフルオロ−4−[6−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]ベンゾニトリル
【0425】
【化113】

MS(ES):377.3(M+H)。
【実施例70】
【0426】
3,5−ジフルオロ−4−[6−(2−フルオロフェニル)−2−オキソ−2H−キノリジン−1−イル]ベンゾニトリル
【0427】
【化114】

MS(ES):377.2(M+H)。
【実施例71】
【0428】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[2−メトキシ−5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−2H−キノリジン−2−オン
【0429】
【化115】

MS(ES):446.2(M+H)。
【実施例72】
【0430】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[2−メトキシ−5−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)フェニル]−2H−キノリジン−2−オン
【0431】
【化116】

【実施例73】
【0432】
6−(2,4−ジフルオロフェニル)−1−[2−フルオロ−5−(5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)フェニル]−2H−キノリジン−2−オン
【0433】
【化117】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(I):
【化1】

[式中、
X及びYは各々独立して−CR−及び−N−から選択され;
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)OH、及び
(4)アルコキシから選択され;
は、
(1)NR
(2)アリール、
(3)ヘテロアリール、
(4)ヘテロシクロアルキル、及び
(5)ORから選択され;
前記ヘテロアリール、アリール及びヘテロシクロアルキルは各々場合によりR、R及びRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
は、
(1)アリール、
(2)ベンジル、
(3)ヘテロアリール、及び
(4)ヘテロシクロアルキルから選択され;
前記ヘテロアリール、アリール及びヘテロシクロアルキルは各々場合によりR、R及びRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)C−Cアルキル、
(3)アルコキシ、
(4)CHO、
(5)CONH
(6)C(O)
(7)C−Cアルキル−OH、
(8)O−C−Cアルキル、
(9)ハロゲン、
(10)アリール、
(11)ヘテロアリール、
(12)ヘテロシクロアルキル、
(13)COR
(14)O−C−Cアルキル−N−C(O)−C−Cアルキル(R)−NH
(15)ヘテロシクロアルキル−C(O)−C−Cアルキル(R)−NH
(16)N(R)(R)、
(17)O−R
(18)N−C(O)−N−ヘテロシクロアルキル、
(19)O−C(O)−N−ヘテロシクロアルキル、
(20)N−C−Cアルキル−N−R、及び
(21)N−C−Cアルキル−O−Rから選択され;
前記ヘテロアリール及びアリールは各々場合によりR、R及びRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
、R及びRは各々独立して、
(1)ハロゲン、
(2)C−Cアルキル、
(3)CN、
(4)OR
(5)アルコキシ、
(6)シクロアルキル、
(7)C=R(R)、
(8)CON(R)(R)、
(9)アリール、
(10)N(R)(R)、
(11)ヘテロアリール、
(12)水素、
(13)C−C−OH、
(14)ヘテロシクロアルキル、
(15)CON−アルキル−CO−R
(16)CON−アルキル−CON(R)(R)、
(17)CON−アルキル−N(R)(R)、
(18)C(=O)R、及び
(19)C(O)から選択され;
前記ヘテロアリール及びアリールは各々場合によりRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)NH−C−Cアルキル、
(4)C−Cアルキル、
(5)C−C−アルキル−ヘテロアリール、
(6)C−C−アルキル−シクロアルキル、
(7)ヘテロアリール、
(8)C−Cアルキル−ヘテロシクロアルキル、
(9)ヘテロシクロアルキル、
(10)C−Cアルキル−NH、及び
(11)C−Cアルキル−OHから選択され;
及びRは各々独立して水素及びアルキルから選択されるか、又はRとRは一緒になってシクロアルキルを形成してもよい]により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項2】
化学式Ia:
【化2】

[式中、
X及びYは各々独立して−CR−及び−N−から選択され;
は、
(1)水素、
(2)C−Cアルキル、
(3)アルコキシ、
(4)CHO、
(5)CONH
(6)C(O)
(7)C−Cアルキル−OH、
(8)O−C−Cアルキル、
(9)ハロゲン、
(10)アリール、
(11)ヘテロアリール、
(12)ヘテロシクロアルキル、
(13)COR
(14)O−C−Cアルキル−N−C(O)−C−Cアルキル(R)−NH
(15)ヘテロシクロアルキル−C(O)−C−Cアルキル(R)−NH
(16)N(R)(R)、
(17)O−R
(18)N−C(O)−N−ヘテロシクロアルキル、
(19)O−C(O)−N−ヘテロシクロアルキル、
(20)N−C−Cアルキル−N−R、及び
(21)N−C−Cアルキル−O−Rから選択され;
前記ヘテロアリール及びアリールは各々場合によりR、R及びRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
、R及びRは各々独立して、
(1)ハロゲン、
(2)C−Cアルキル、
(3)CN、
(4)OR
(5)アルコキシ、
(6)シクロアルキル、
(7)C=R(R)、
(8)CON(R)(R)、
(9)アリール、
(10)N(R)(R)、
(11)ヘテロアリール、
(12)水素、
(13)C−C−OH、
(14)ヘテロシクロアルキル、
(15)CON−アルキル−CO−R
(16)CON−アルキル−CON(R)(R)、
(17)CON−アルキル−N(R)(R)、
(18)C(=O)R、及び
(19)C(O)から選択され;
前記ヘテロアリール及びアリールは各々場合によりRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)NH−C−Cアルキル、
(4)C−Cアルキル、
(5)C−C−アルキル−ヘテロアリール、
(6)C−C−アルキル−シクロアルキル、
(7)ヘテロアリール、
(8)C−Cアルキル−ヘテロシクロアルキル、
(9)ヘテロシクロアルキル、
(10)C−Cアルキル−NH、及び
(11)C−Cアルキル−OHから選択され;
及びRは各々独立して水素及びアルキルから選択されるか、又はRとRは一緒になってシクロアルキルを形成してもよい]により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項3】
化学式Ib:
【化3】

[式中、
、R及びRは各々独立して、
(1)ハロゲン、
(2)C−Cアルキル、
(3)CN、
(4)OR
(5)CON(R)(R)、
(6)アリール、
(7)ヘテロアリール、
(8)C=R(R)、
(9)水素、
(10)C−C−OH、
(11)C(=O)R、及び
(12)C(O)から選択され;
前記ヘテロアリール及びアリールは各々場合によりRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)NH−C−Cアルキル、
(4)C−Cアルキル、
(5)C−C−アルキル−ヘテロアリール、
(6)C−C−アルキル−シクロアルキル、
(7)ヘテロアリール、
(8)C−Cアルキル−ヘテロシクロアルキル、
(9)ヘテロシクロアルキル、
(10)C−Cアルキル−NH、及び
(11)C−Cアルキル−OHから選択される]により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項4】
化学式Ic:
【化4】

[式中、
Xは−CR−であり;
は、
(1)水素、
(2)C−Cアルキル、
(3)アルコキシ、
(4)CONH
(5)C(O)
(6)C−Cアルキル−OH、
(7)O−C−Cアルキル、
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)ヘテロシクロアルキル、
(11)COR
(12)O−C−Cアルキル−N−C(O)−C−Cアルキル(R)−NH
(13)ヘテロシクロアルキル−C(O)−C−Cアルキル(R)−NH
(14)N(R)(R)、
(15)O−R
(16)N−C(O)−N−ヘテロシクロアルキル、
(17)O−C(O)−N−ヘテロシクロアルキル、
(18)N−C−Cアルキル−N−R、及び
(19)N−C−Cアルキル−O−Rから選択され;
前記アリール及びヘテロアリールは各々場合によりR、R及びRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
、R及びRは各々独立して、
(1)ハロゲン、
(2)C−Cアルキル、
(3)CN、
(4)OR
(5)アリール、
(6)C=R(R)、
(7)ヘテロアリール、
(8)水素、
(9)C−C−OH、及び
(10)C(=O)Rから選択され;
前記ヘテロアリール及びアリールは各々場合によりRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)NH−C−Cアルキル、
(4)C−Cアルキル、
(5)C−C−アルキル−ヘテロアリール、
(6)C−C−アルキル−シクロアルキル、
(7)ヘテロアリール、
(8)C−Cアルキル−ヘテロシクロアルキル、
(9)ヘテロシクロアルキル、
(10)C−Cアルキル−NH、及び
(11)C−Cアルキル−OHから選択され;
及びRは各々独立して水素及びアルキルから選択されるか、又はRとRは一緒になってシクロアルキルを形成してもよい]により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項5】
化学式Id:
【化5】

[式中、
、R及びRは各々独立して、
(1)ハロゲン、
(2)C−Cアルキル、
(3)CN、
(4)OR
(5)CON(R)(R)、
(6)アリール、
(7)ヘテロアリール、
(8)水素、
(9)C−C−OH、
(10)C(=O)R、及び
(11)C(O)から選択され;
前記ヘテロアリール及びアリールは各々場合によりRから選択される1個以上の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)NH−C−Cアルキル、
(4)C−Cアルキル、
(5)C−C−アルキル−ヘテロアリール、
(6)C−C−アルキル−シクロアルキル、
(7)ヘテロアリール、
(8)C−Cアルキル−ヘテロシクロアルキル、
(9)ヘテロシクロアルキル、
(10)C−Cアルキル−NH、及び
(11)C−Cアルキル−OHから選択される]により表される化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項6】
下式:
【化6】








により表される請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項7】
不活性キャリヤーと有効量の請求項1に記載の化合物を含有する医薬組成物。
【請求項8】
有効量の請求項7に記載の組成物を投与する段階を含む疼痛の治療方法。
【請求項9】
有効量の請求項7に記載の組成物を投与する段階を含む関節リウマチ、リウマチ性脊椎炎、変形性関節症又は通風性関節炎の治療方法。
【請求項10】
有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を含む敗血症、敗血症性ショック、エンドトキシンショック、グラム陰性菌敗血症、毒素性ショック症候群、成人呼吸窮迫症候群、脳マラリア、慢性炎症性肺疾患、珪肺、肺サルコイドーシス、骨吸収性疾患、骨粗鬆症、再潅流傷害、移植片対宿主拒絶反応、同種移植片拒絶反応、熱病、感染に起因する筋肉痛、感染もしくは悪性腫瘍続発性悪液質、後天性免疫不全症候群(エイズ)続発性悪液質、エイズ、ARC(エイズ関連症候群)、ケロイド形成、瘢痕組織形成、クローン病、潰瘍性大腸炎、発熱又はウイルス感染症の治療方法。
【請求項11】
有効量の請求項1に記載の化合物を投与する段階を含む関節炎症、湿疹、乾癬、炎症性皮膚疾患、炎症性眼疾患又は発熱の治療方法。

【公表番号】特表2009−504658(P2009−504658A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526149(P2008−526149)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/030962
【国際公開番号】WO2007/021710
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】