説明

テレビジョン受信制御装置

【課題】制御装置であるデジタルテレビ放送受信機が電源OFFの場合や通信に支障をきたした場合でも、被制御装置であるデジタルテレビ放送受信機に対する視聴制限を制御できるテレビジョン受信制御装置を提供する。
【解決手段】テレビジョン受信制御装置(201_1)において、親受信装置(201a)はケーブルテレビ網(10)から放送データDBを受信再生すると共に宅内ネットワークを介して子受信装置201bと通信を行い、子受信装置(201b)はケーブルテレビ網(10)から放送データDBを受信再生すると共に宅内ネットワークを介して親受信装置(201a)と通信を行い、親受信装置(201a)との通信が所定の時間(Tp1)確立されない場合には放送データ(DB)の受信が停止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン放送の受信制限を制御する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルテレビの事業者が提供するサービスの一つとして、ケーブルテレビ網を介して利用者にテレビジョン放送を提供することがある。このサービスにおいて、事業者が利用者に必要とする複数台数の受信端末装置を有料で貸与(レンタル)して、利用者に複数台の受信端末でのテレビジョン放送の視聴を可能にする形態がある。
【0003】
このサービス形態において、複数台数の有料レンタルは利用者にとっては受信端末台数分の料金を課金されるため料金負担が大きい。ケーブルテレビの事業者の中には、複数台数の導入を促すために、2台目以降の受信端末装置のレンタル料金を低く抑える契約体系を設定している場合がある。ちなみに、受信端末装置は、CAS(限定受信)システムで保護される受信方式が導入されており、当該事業者による放送サービス地域範囲においては、ケーブルテレビ回線に接続すればTV視聴ができる。
【0004】
上述のサービス形態において発生しうる問題として、同一利用者により複数台契約された受信端末装置の不正利用がある。例えば、利用者が有料でレンタルした2台の受信端末装置の内の1台を隣人に貸し出し、貸し出した受信端末装置のレンタル料金を隣の家と折半すれば、1加入者あたりのレンタル料金は利用者および隣人のそれぞれが受信端末装置を1台ずつレンタルする場合と比較して低く抑えられる。
【0005】
ケーブルテレビ事業者としては、上述のような受信端末装置の不正利用を認めておらず、2台目以降の受信端末装置の使用制限、特に契約者宅外での視聴禁止を望んでいる。しかしながら、ケーブルテレビ業者は2台の受信端末装置が同一宅内にあるかを判断できず、不正利用防止対策を講ずることができないという問題が存在する。この問題を解決するべく、Bluetoothの様な通信距離の制約が大きい無線接続手段を用いて受信端末装置間の視聴制限を制御する技術(特許文献1)が提案されている。
【0006】
図8に、上述の無線接続手段を用いて受信端末装置間の視聴制限を制御する受信端末装置の構成を示す。制御装置であるデジタルテレビ放送受信機101と、被制御装置であるデジタルテレビ放送受信機102において、複数のデジタルテレビ放送受信機102の視聴制限をデジタルテレビ放送受信機101にて一括制御するためにBluetooth等による無線通信手段を備える。これにより、個々のデジタルテレビ放送受信機にて視聴制限等の設定を行なう必要がなくなり操作の簡略化を図ることができるだけでなく、全てのデジタルテレビの視聴情報を一括で管理することができる。
【特許文献1】特開2004−312505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のデジタルテレビ放送受信機101の電源がOFFになった場合や、電波干渉等により通信に支障をきたした場合に、被制御装置であるデジタルテレビ放送受信機102に対する視聴制限の制御が行えなくなるという問題を有する。本発明は、上述の問題点を鑑みて、制御装置であるデジタルテレビ放送受信機が電源OFFの場合や通信に支障をきたした場合でも、被制御装置であるデジタルテレビ放送受信機に対する視聴制限を制御できるテレビジョン受信制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明は、親受信装置と子受信装置で構成されるテレビジョン受信制御装置であって、
前記親受信装置はケーブルテレビ網と宅内ネットワークとに接続され、当該ケーブルテレビ網を介してケーブルテレビ放送局から送信される放送データを受信再生すると共に、前記宅内ネットワークを介して前記子受信装置と通信を行い、
前記子受信装置は前記ケーブルテレビ網と前記宅内ネットワークに接続され、当該ケーブルテレビ網を介して前記ケーブルテレビ放送局から送信される放送データを受信再生すると共に、前記宅内ネットワークを介して前記親受信装置と通信を行い、前記親受信装置との通信が確立されない場合には前記放送データの受信を停止することを特徴とする。
【0009】
前記子受信装置は前記親受信装置との通信が確認されない時点から所定の時間が経過するまでに前記親受信装置との通信が確立されない場合に放送データの受信を停止することが望ましい。
【0010】
前記子受信装置は、
前記宅内ネットワークを介して前記親受信装置との通信の確認を行う通信手段と、
経過時間を測定するタイマ手段と、
前記ケーブルテレビ網から前記放送データを受信するチューナ手段と、
前記受信した放送データをデコードして映像表示するデコード手段と、
前記チューナ手段に前記放送データを前記デコード手段に転送させ、前記通信手段が前記親受信装置との通信の確認ができない場合には前記タイマ手段に対し経過時間の測定を開始させると共に通信の確認ができた場合には前記タイマ手段に経過時間の測定を停止させ、前記測定された経過時間が第1の所定時間に到達した場合には前記チューナ手段の機能を停止させる第1の制御手段とを備えることが望ましい。
【0011】
前記宅内ネットワークはインターネット網に接続されると共に前記子受信装置は、
前記ケーブルテレビ網から前記放送データを受信するチューナ手段と、
前記受信した放送データをデコードして映像表示するデコード手段と、
前記インターネット網に接続されて時刻情報を出力する時刻サーバと、
前記宅内ネットワークを介して親受信装置との通信の確認を行い、前記インターネット網を介して前記時刻情報サーバから出力される時刻情報に基づいて現時刻を取得する通信手段と、
前記チューナ手段に前記放送データを前記デコード手段に転送させ、前記通信手段が前記親受信装置との通信の確認ができない場合には前記通信手段を介して前記時刻情報サーバから前記親受信装置との通信が確認できない時点の時刻を通信切断時刻として前記時刻情報格納手段に格納し、所定の時間毎に前記通信手段を介して前記時刻情報サーバから出力される時刻情報に基づいて現在時刻を取得し、当該現在時刻と前記通信切断時刻との差分が第2の所定時間に到達した場合には前記チューナ手段の機能を停止させる制御部とを備えることが望ましい。
【0012】
前記宅内ネットワークの通信手段は、IEEE802.3に定義されるLAN、IEEE802.11に定義される無線LAN、Bluetooth、赤外線、および特定省電力無線の何れかであることが望ましい。
【0013】
前記子受信装置は、当該親受信装置が有するアドレス、機器ID、当該子受信装置および当該親受信装置と共有するパスワードの何れかに基づいて、前記宅内ネットワークを介して前記親受信装置を認識することが望ましい。
【0014】
前記子受信装置が前記親受信装置との通信が確認されない時点から所定の時間が経過するまでに当該親受信装置との通信が確立されない場合に前記放送データの受信を停止した後に、当該親受信装置との通信が確立された場合には、当該子受信装置の当該放送データの受信停止を取り消すことが望ましい。
【0015】
前記子受信装置が前記親受信装置との通信が確認されない時点から所定の時間が経過するまでに前記親受信装置との通信が確立されない場合に前記放送データの受信を停止した後に、前記親受信装置との通信が確立された場合には、予め設定されたパスワードが入力されることを条件に当該放送データの受信停止を取り消すことが望ましい。
【0016】
前記子受信装置が前記時刻情報サーバから前記現在時刻の取得は当該子受信装置に電源が投入されるタイミングで行われることが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明のテレビジョン受信制御装置によれば、テレビジョン受信装置がテレビジョン受信制御装置との通信が切断された場合には、一定時間後に視聴機能停止に制御されることにより、テレビジョン受信装置の不正使用を制限できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下に、図1、図2、および図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るテレビジョン受信制御装置について説明する。図1に示すように、テレビジョン受信制御装置201_1はケーブルテレビ放送局202にケーブルテレビ網10で接続されている。テレビジョン受信制御装置201_1は、親受信装置201aと子受信装置201bとを含む。親受信装置201aおよび子受信装置201bはLAN20で互いに接続されており、それぞれ、先述のケーブルテレビのサービス形態における1台目にレンタルされる受信端末装置および2台目以降にレンタルされる受信端末装置に相当する。
【0019】
親受信装置201aおよび子受信装置201bは、ケーブルテレビ網10を介して、ケーブルテレビ放送局202と接続されている。そして親受信装置201aおよび子受信装置201bは、ケーブルテレビ放送局202から送信される放送データDBを受信して、同放送データDBで配信されているコンテンツを再生する。また、親受信装置201aと子受信装置201bとは、LAN(Local Area Network)20により構築される宅内ネットワークで相互に接続され、子受信装置201bが親受信装置201aと接続されている場合に、子受信装置201bはケーブルテレビ放送局202からの放送データの受信および再生機能が有効になる。
【0020】
次に、図2を参照して、テレビジョン受信制御装置201_1を構成する親受信装置201aおよび子受信装置201bについて説明する。親受信装置201aは、チューナ301、制御部302a、通信部303、およびデコーダ304を含む。チューナ301は、ケーブルテレビ放送局202から受信した放送データを制御部302aに転送する。制御部302aはチューナ301からの放送データDBをデコーダ304に転送する。制御部302aはさらに、通信部303を介して子受信装置201bと通信を行う。
【0021】
通信部303は、MAC(Media Access Control)レイヤでのパケット通信行う為にMACアドレスADを格納し、LAN20を通じて他の機器との通信を行う。デコーダ304は制御部302aから入力される放送データDBのデコードおよびデコードされた放送データDBの映像表示を行う。
【0022】
子受信装置201bは、親受信装置201aにおいて、制御部302aaが制御部302abに交換されると共に、タイマ308およびアドレス格納部310が追加されて構成されている。アドレス格納部310は、親受信装置201aの通信部303のMACアドレスADを格納している。タイマ308は経過時刻の測定を行い、電源が切られている間も内蔵電池から電源供給を受けて動作し、制御部302bからの制御により経過時間の測定開始および0値へのリセットを行う。
【0023】
制御部302bは、制御部302aと同様に、通信部303を介して親受信部201aと通信を行う。制御部302bは、通信の際にアドレス格納部310に格納されているMACアドレスADを有する通信相手と通信しているかの確認を行い、上記MACアドレスADを有する通信相手と通信していなければタイマ308を起動させる。
【0024】
制御部302bは、タイマ308の値(以降、「タイマ値T」)が所定値(以降、「所定タイマ値Tp1」)に達すると、チューナ308を停止させる。制御部302bは、タイマ308の起動中に親受信装置201aとの通信を確認した場合には、タイマ値Tを0に戻す(リセットする)。所定タイマ値Tp1の一例としては、48時間が考えられる。これは、親受信装置201aが電源OFFになり子受信装置201bが通信を確認できない場合でも、親受信装置201aは2日に1回は電源がつけられるであろうという想定に基づくものである。なお、所定タイマ値Tp1として、48時間以外の値に適宜設定できることは言うまでもない。
【0025】
図3を参照して、子受信装置201bが契約者の家(以降、「契約家401」)の隣の家(以降、「隣家402」)に持ち出された場合のシステム状態について説明する。同図において点線で示すように、子受信装置201bは本来ケーブルテレビ放送業者との契約に基づき、契約者の家(以降、「契約家401」)に設置されてケーブルテレビ網10を介してケーブルテレビ放送局202と接続される。子受信装置201bは、さらに、親受信装置201aともLAN20で接続される。
【0026】
子受信装置201bが非契約家402に設置される場合には、子受信装置201bがケーブルテレビ網10を介してケーブルテレビ放送局202と接続されるのは契約家401に設置される場合と同じである。しかしながら、子受信装置201bは契約家401に設置されている親受信装置201aとはLAN20で接続されない。つまり、子受信装置201bは、MACアドレスADが格納されている親受信装置201aの通信部303にはLAN20で接続されない。
【0027】
図4を参照して、このような、子受信装置201bを他の家に持ち出された場合の、子受信装置201bの主に制御部302bの制御動作について説明する。子受信装置201bに電源が投入されると、子受信装置201bは動作を開始する。
【0028】
まず、ステップS501において、子受信装置201bは親受信装置201aとのLAN20による通信が切断されているか否かが判断される。切断されていると判断された時点で制御は次のステップS502に進む。
【0029】
ステップS502において、タイマ308が起動させられる。つまり、タイマ値Tのカウントが開始される。そして、制御はステップS503に進む。
【0030】
ステップS503において、タイマ動作中も、子受信装置201bの親受信装置との接続が確認される。接続が確認される場合はYesと判断されて、制御はステップS504に進む。
【0031】
ステップS504において、タイマ308がリセット(タイマ値Tが0に)される。そして、制御は上述のステップS501に戻る。
【0032】
一方、上述のステップS503において接続が確認されない、つまりNoと判断される場合、制御はステップS505に進む。
【0033】
ステップS505において、タイマ値Tが所定タイマ値Tp1に達したか否かが判断される。Yesと判断される場合にのみ制御は次のステップS506に進む。
【0034】
ステップS506において、チューナ301が停止させられて、ケーブルテレビ視聴機能が停止される。そして、制御が終了する。
【0035】
上述のように、子受信装置201bが非契約家402に持ち出された場合には、子受信装置201bと親受信装置201aとの通信確立を監視することで、不正使用されている子受信装置201bに対して視聴制限をかけることができる。なお、親受信装置201aと子受信装置201bとが同一の契約家401に適正に設置されている場合であっても、親受信装置201aが電源OFF等での理由で、子受信装置201bが親受信装置201aとの通信が確立できないケースが想定される。この場合、子受信装置201bは正当に使用されているにも関わらず、不当に視聴制限を受けてしまう。
【0036】
このような事態に対しては、タイマ308のタイマ値Tが所定タイマ値Tp1に達するまでの一定期間の間に、子受信装置201bが親受信装置201aとの通信が確認されれば、子受信装置201bに対して視聴制限がかかることなくケーブルテレビ放送の視聴を可能にしている。具体的には、本実施の形態においては所定タイマ値Tp1を48時間に設定しており、親受信装置201aの電源が48時間以内にONにされることによって、ユーザは正当に使用している子受信装置201bに不当な視聴制限を受けることなくケーブルテレビ放送を視聴できる。このように、所定タイマ値Tp1をユーザの使用状態に応じて適切に設定することによって、正当なユーザに対する不当な視聴制限を押さえることができる。
【0037】
(第2の実施の形態)
以下に、図5、図6、および図7を参照して詳述する前に、本発明の第2の実施の形態にかかるテレビジョン受信制御装置の固有の特徴について、上述の実施の形態1にかかるテレビジョン受信制御装置と比較して説明する。第1の実施の形態にかかるテレビジョン受信制御装置201_1は、電源OFF時に経過時刻の測定を行うタイマを有していることが前提に構成されている。しかしながら、近年のテレビジョン受信装置には電源OFF時に経過時刻の測定を行うタイマを有していない機種が存在し、タイマを用いた視聴制限を行うテレビジョン受信制御装置201_1は実現できない。そこで、このようなタイマを有しないテレビジョン受信装置を用いても親受信装置201aとの非接続時間の経過に基づく視聴制限を行えるテレビジョン受信制御装置を本発明の第2の実施の形態として以下に提案する。
【0038】
図5に示すように、本発明の第2の実施の形態におけるテレビジョン受信制御装置201_2は、上述のテレビジョン受信制御装置201_1において、テレビジョン受信制御装置201Bがテレビジョン受信制御装置201cに置き換えられている。さらに、親受信装置201aとテレビジョン受信制御装置201cは、LAN20によってモデム602によって、インターネット網30を介して時刻サーバ603に接続されている。
【0039】
テレビジョン受信制御装置201cは、親受信装置201aに接続されている場合に、ケーブルテレビ放送局202からの放送データDBの受信および再生機能が有効になる。さらに親受信装置201aおよび子受信装置201cはモデム602およびインターネット網を介して時刻サーバ603から時刻情報Itを取得する。
【0040】
次に、図6を参照して、テレビジョン受信制御装置201_2のテレビジョン受信制御装置201cについて説明する。なお、親受信装置201aについては既に述べたとおりであるので説明を割愛する。子受信装置201cは、上述の子受信装置201bにおいて、制御部302b、通信部303、およびタイマ308がそれぞれ制御部302c、通信部303cおよび時刻情報格納部708に置き換えられている。
【0041】
通信部303cは、上述の通信部303による動作に加えて、モデム602とのMACレイヤでのパケット通信を行う。制御部302cは、通信部303cを介しての親受信部201aとの通信時に、通信相手がアドレス格納部310に格納されているMACアドレスADを有するか否かを確認する。当該MACアドレスADを有する通信相手と通信していなければ、制御部302cはモデム602を介して時刻サーバ603と通信を行い、親受信装置201aと通信が切断された時刻の情報を取得する。
【0042】
制御部302cは、取得された時刻の情報に基づいて、親受信装置201aとの通信が切断された通信切断時刻Tbを時刻情報格納部701に格納する。さらに、制御部302cは定期的に時刻サーバ603から現在時刻Tcを取得する。そして、現在時刻Tcと時刻情報格納部701に格納されている通信切断時刻Tbの時間差(△T=Tc−Tb)が所定の値(以降、「所定切断時間Tp2」)に達する(△T≧Tp2)と、制御部302cはチューナ301を停止させる。
【0043】
制御部302cは、現在時刻Tcの取得中に親受信装置201aとの通信を確認した場合には時刻情報格納部701に格納してある通信切断時刻Tbを破棄する。時刻情報格納部701は、制御部302cから入力される通信切断時刻Tbを格納する。
【0044】
次に、図7を参照して、子受信装置201cが非契約家402に持ち出された場合の、子受信装置201cの主に制御部302cに固有の制御動作について重点的に説明する。図7に示すフローチャートは、図7に示したフローチャートにおいて、ステップS502がステップS802に交換され、ステップS505がステップS805およびS806に交換され、ステップS504がステップS804に交換されている。
【0045】
子受信装置201cに電源が投入されて動作が開始すると、まず、ステップS501でテレビジョン受信制御装置201cと親受信装置201aとの接続が切断されているかが確認される。切断されていると判断される場合、制御はステップS802に進む。
【0046】
ステップS802において、親受信装置201aとの通信が切断された通信切断時刻Tbが時刻情報サーバ603から取得される。そして、ステップS503において、子受信装置201cと親受信装置との接続が確立されているか否かが判断される。接続確立が確認された場合には、制御はステップS804に進む。
【0047】
ステップS804において、通信切断時刻Tbが破棄される。そして、制御は上述のステップS501に戻る。一方、ステップS503において、接続が確認されない場合には、制御はステップS805に進む。
【0048】
ステップS805において、時刻情報サーバ603から現在時刻Tcが取得される。そして、制御は次のステップS806に進む。
【0049】
ステップS806において、現在時刻Tcと通信切断時刻Tbの差分△T(Tb―Tc)が所定Tp2の値に到達したか否かが判断される。差分△Tが所定の値Tp2に達していない場合には、制御は上述のステップS503に戻り、引き続き親受信装置201aとの通信接続監視が行われる。一方、差分△Tが所定の値Tp2に達している場合には、ステップS506において、制御部302cはチューナ301を停止させてケーブルテレビ視聴機能を停止させる。そして、制御が終了する。
【0050】
上述のように、子受信装置201bと異なりタイマ308を有しない子受信装置201cでも、同様に親受信装置201aが電源OFFになった場合でも、子受信装置201bと同様に一定期間(Tp2)は子受信装置201cでも視聴できる。さらに、子受信装置201cが宅外等に持ち出された場合には、一定時間(Tp2)の経過後には視聴機能停止による不正防止を実現できる。
【0051】
本実施の形態においては、子受信装置201cは親受信装置201aとの通信が切断された時点(S503でNo)から繰り返し時刻情報サーバ603から現在時刻Tcを取得されている。しかしながら、現在時刻Tcは、例えば子受信装置201cが電源ONされるタイミングで時刻情報サーバ603から取得しても良い。
【0052】
子受信装置201bあるいは子受信装置201cが親受信装置201aと通信を行う手段としては、IEEE802.11で定義される無線LANや、Bluetoothや赤外線や特定省電力無線といった無線でも良い。また、有線の場合でもIEEE802.3で定義されるLANに限られるものではない。
【0053】
子受信装置201bあるいは子受信装置201cが親受信装置201aを確認する手段は、親受信装置201aのMACアドレスADに限られるものではない。例えば、IPアドレス、機器IDおよびパスワード等に代表される親受信装置201aを個別に識別できる情報を用いることができる。
【0054】
子受信装置201bあるいは子受信装置201cが親受信装置201aと接続される放送網は、ケーブルテレビ網10に限られるものではない。例えば、電波放送で放送データDBを提供する地上/衛星電波網や、インターネットで放送データDBを提供するインターネット網を用いることができる。
【0055】
子受信装置201bあるいは子受信装置201cが、親受信装置201aとの通信が確認できずに所定の時間(Tp1あるいはTp2)が経過してケーブルテレビ放送の受信機能が停止された状態になった後に、親受信装置201aとの通信が確立された場合には、利用者にパスワードを入力させることで受信機能を起動させてもよい。さらに、ケーブルテレビ放送の受信機能を起動させずに「ケーブルテレビ放送局のサービスマンを呼んでください」の旨を通知するメッセージを表示しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明はケーブルテレビ放送のみならず電波放送を用いたテレビジョン放送やインターネット網を用いたテレビジョン放送の受信制御に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるテレビジョン受信制御装置をケーブルテレビ放送に適応した場合のシステム構成図
【図2】図1に示したテレビジョン受信制御装置の構成を表すブロック図
【図3】図1に示したテレビジョン受信制御装置の子受信装置が非契約家に持ち出された場合のケーブルテレビ放送局とのシステム構成図
【図4】図1に示した子受信装置の不正利用監視処理の動作を表すフローチャート
【図5】本発明の第2の実施の形態にかかるテレビジョン受信制御装置をケーブルテレビ放送に適応した場合のシステム構成図
【図6】図5に示したテレビジョン受信制御装置の構成を示すブロック図
【図7】図5に示した子受信装置の不正利用監視処理の動作を表すフローチャート
【図8】従来のデジタルテレビ放送受信装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0058】
10 ケーブルテレビ網
20 LAN
201_1、201_2 テレビジョン受信制御装置
201a 親受信制御装置
201b、201c 子受信制御装置
202 ケーブルテレビ放送局
301 チューナ
302a、302b、302c 制御部
303、303c 通信部
304 デコーダ
308 タイマ
310 アドレス格納部
401 契約家
402 非契約家
602 モデム
603 時刻サーバ
708 時刻情報格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親受信装置と子受信装置で構成されるテレビジョン受信制御装置であって、
前記親受信装置はケーブルテレビ網と宅内ネットワークとに接続され、当該ケーブルテレビ網を介してケーブルテレビ放送局から送信される放送データを受信再生すると共に、前記宅内ネットワークを介して前記子受信装置と通信を行い、
前記子受信装置は前記ケーブルテレビ網と前記宅内ネットワークに接続され、当該ケーブルテレビ網を介して前記ケーブルテレビ放送局から送信される放送データを受信再生すると共に、前記宅内ネットワークを介して前記親受信装置と通信を行い、前記親受信装置との通信が確立されない場合には前記放送データの受信を停止することを特徴とするテレビジョン受信制御装置。
【請求項2】
前記子受信装置は前記親受信装置との通信が確認されない時点から所定の時間が経過するまでに前記親受信装置との通信が確立されない場合に放送データの受信を停止することを特徴とする請求項1に記載のテレビジョン受信制御装置。
【請求項3】
前記子受信装置は、
前記宅内ネットワークを介して前記親受信装置との通信の確認を行う通信手段と、
経過時間を測定するタイマ手段と、
前記ケーブルテレビ網から前記放送データを受信するチューナ手段と、
前記受信した放送データをデコードして映像表示するデコード手段と、
前記チューナ手段に前記放送データを前記デコード手段に転送させ、前記通信手段が前記親受信装置との通信の確認ができない場合には前記タイマ手段に対し経過時間の測定を開始させると共に通信の確認ができた場合には前記タイマ手段に経過時間の測定を停止させ、前記測定された経過時間が第1の所定時間に到達した場合には前記チューナ手段の機能を停止させる第1の制御手段とを備える請求項2に記載のテレビジョン受信制御装置。
【請求項4】
前記宅内ネットワークはインターネット網に接続されると共に前記子受信装置は、
前記ケーブルテレビ網から前記放送データを受信するチューナ手段と、
前記受信した放送データをデコードして映像表示するデコード手段と、
前記インターネット網に接続されて時刻情報を出力する時刻サーバと、
前記宅内ネットワークを介して親受信装置との通信の確認を行い、前記インターネット網を介して前記時刻情報サーバから出力される時刻情報に基づいて現時刻を取得する通信手段と、
前記チューナ手段に前記放送データを前記デコード手段に転送させ、前記通信手段が前記親受信装置との通信の確認ができない場合には前記通信手段を介して前記時刻情報サーバから前記親受信装置との通信が確認できない時点の時刻を通信切断時刻として前記時刻情報格納手段に格納し、所定の時間毎に前記通信手段を介して前記時刻情報サーバから出力される時刻情報に基づいて現在時刻を取得し、当該現在時刻と前記通信切断時刻との差分が第2の所定時間に到達した場合には前記チューナ手段の機能を停止させる制御部とを備える請求項2に記載のテレビジョン受信制御装置。
【請求項5】
前記宅内ネットワークの通信手段は、IEEE802.3に定義されるLAN、IEEE802.11に定義される無線LAN、Bluetooth、赤外線、および特定省電力無線の何れかであることを特徴とする請求項1に記載のテレビジョン受信制御装置。
【請求項6】
前記子受信装置は、当該親受信装置が有するアドレス、機器ID、当該子受信装置および当該親受信装置と共有するパスワードの何れかに基づいて、前記宅内ネットワークを介して前記親受信装置を認識することを特徴とする請求項1に記載のテレビジョン受信制御装置。
【請求項7】
前記子受信装置が前記親受信装置との通信が確認されない時点から所定の時間が経過するまでに当該親受信装置との通信が確立されない場合に前記放送データの受信を停止した後に、当該親受信装置との通信が確立された場合には、当該子受信装置の当該放送データの受信停止を取り消すことを特徴とする請求項1に記載のテレビジョン受信制御装置。
【請求項8】
前記子受信装置が前記親受信装置との通信が確認されない時点から所定の時間が経過するまでに前記親受信装置との通信が確立されない場合に前記放送データの受信を停止した後に、前記親受信装置との通信が確立された場合には、予め設定されたパスワードが入力されることを条件に当該放送データの受信停止を取り消すことを特徴とする請求項7に記載のテレビジョン受信制御装置。
【請求項9】
前記子受信装置が前記時刻情報サーバから前記現在時刻の取得は当該子受信装置に電源が投入されるタイミングで行われることを特徴とする請求項4に記載のテレビジョン受信制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−258890(P2008−258890A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−98334(P2007−98334)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】