説明

あと施工アンカー及び既存のコンクリートに対するあと施工アンカー取り付け固定方法

【課題】アンカーの引き抜きに対する十分な強度が得られるあと施工アンカー及び既存のコンクリートに対するあと施工アンカーの取り付け固定方法の提供。
【解決手段】アンカー本体部1は円筒状に形成されていてその先端側にはその周壁に周方向所定間隔のもとに4本のスリット11が軸方向に形成された拡開部1aが形成されると共に、アンカー本体部1の基部側にはナットを螺合可能な雄ねじ部13を有し、拡開ピン2はアンカー本体部1の軸心孔12内に基部側から挿入可能な棒状で、先端部にはアンカー本体部1の先端拡開部1aを拡径する先細り部21を有し、基端部には打ち込み頭部22を有する構造のあと施工アンカーにおいて、アンカー本体部1の外周にはコンクリート5に削孔された下穴51内にねじ込み可能なねじ山14が突出形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒状のアンカー本体部を打設後の既存のコンクリートに削孔された下穴内に挿入し、アンカー本体部の軸心孔に拡開ピンを打ち込むことで、アンカー本体部の先端拡開部を拡径して固定されるあと施工アンカー及び既存のコンクリートに対するあと施工アンカー取り付け固定方法の改良技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のあと施工アンカーとしては、例えば、図10に示すように、円筒状のアンカー本体部101の基端側にナットを螺合可能な雄ねじ部102を有し、先端側には複数本のスリット103が形成された拡開部104を有し、このアンカー本体部101の軸心孔105に拡開ピン106を打ち込むことにより、アンカー本体部101の先端拡開部104を拡径して固定するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−307637号公報
【特許文献2】特許第2888553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来例のあと施工アンカーにあっては、上述のように、円筒状のアンカー本体部101の軸心孔105に拡開ピン106を打ち込むことにより、アンカー本体部101の先端拡開部104を拡径して固定するようにしたものであるが、最近のコンクリートは以前に比べて圧縮強度が大幅に増しているため、アンカー本体部101の先端拡開部をコンクリートの下穴内周面に食い込ませることができず、単に圧接した状態になるだけであるため、アンカーの引き抜きに対する強度が十分ではないという問題があった。
【0005】
本発明の解決しようとする課題は、アンカーの引き抜きに対する十分な強度が得られるあと施工アンカー及び既存のコンクリートに対するあと施工アンカー取り付け固定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、
アンカー本体部と、拡開ピンとで構成され、前記アンカー本体部は円筒状に形成されていてその先端側にはその周壁に周方向所定間隔のもとに複数のスリットが軸方向に形成された拡開部が形成されると共に、前記アンカー本体部の基部側にはナットを螺合可能な雄ねじ部を有し、前記拡開ピンは前記アンカー本体部の軸心孔内に基部側から挿入可能な棒状で、先端部にはアンカー本体部の先端拡開部を拡径する先細り部を有し、基端部には打ち込み頭部を有する構造のあと施工アンカーにおいて、
前記アンカー本体部の外周にはコンクリートに削孔された下穴内にねじ込み可能なねじ山が突出形成されていることを特徴とする手段とした。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のあと施工アンカーにおいて
前記アンカー本体部は鋼材で構成され、少なくともそのねじ山は焼き入れが施されていることを特徴とする手段とした。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のあと施工アンカーにおいて、
前記ねじ山のねじ角度が20°〜27°であることを特徴とする手段とした。
【0009】
また、請求項4記載の発明は、
アンカー本体部と、拡開ピンとで構成され、前記アンカー本体部は円筒状に形成されていてその先端側にはその周壁に周方向所定間隔のもとに複数のスリットが軸方向に形成された拡開部が形成されると共に、前記アンカー本体部の基部側にはナットを螺合可能な雄ねじ部を有し、前記アンカー本体部の外周にはコンクリートに削孔された下穴内にねじ込み可能なねじ山が突出形成され、前記拡開ピンは前記アンカー本体部の軸心孔内に基部側から挿入可能な棒状で、先端部にはアンカー本体部の先端拡開部を拡径する先細り部を有し、基端部には打ち込み頭部を有する構造のあと施工アンカーの取り付け固定方法であって、
既存のコンクリートに前記アンカー本体部の外径より大径で前記ねじ山の外径より小径の下穴を開ける工程と、
前記アンカー本体部の雄ねじ部に螺合したナットをスパナなどの工具で回転させることによりアンカー本体部を下穴内にねじ込む工程と、
前記アンカー本体部の軸心孔内に拡開ピンを打ち込むことによりアンカー本体のスリットが形成された拡開部を径方向に拡開して下穴の内周面に圧接させることによりアンカー本体部を下穴内に固定する工程と、
からなることを特徴とする手段とした。
【0010】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載のあと施工アンカーの取り付け固定方法において、
前記アンカー本体部の雄ねじ部に螺合するナットとして袋ナットを用いることを特徴とする手段とした。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、上述のように、アンカー本体部と、拡開ピンとで構成され、アンカー本体部は円筒状に形成されていてその先端側にはその周壁に周方向所定間隔のもとに複数のスリットが軸方向に形成された拡開部が形成されると共に、アンカー本体部の基部側にはナットを螺合可能な雄ねじ部を有し、拡開ピンはアンカー本体部の軸心孔内に基部側から挿入可能な棒状で、先端部にはアンカー本体部の先端拡開部を拡径する先細り部を有し、基端部には打ち込み頭部を有する構造のあと施工アンカーにおいて、アンカー本体部の外周にはコンクリートに削孔された下穴内にねじ込み可能なねじ山が突出形成されている構成としたことで、既存のコンクリートに形成された下穴内にアンカー本体部を挿入し、アンカー本体部の雄ねじ部に螺合したナットをスパナなどの工具で回転させることにより、ねじ山を下穴の内周部に食い込ませて雌ねじを形成しながらアンカー本体部を下穴内に容易にねじ込むことができる。
そして、アンカー本体部の軸心孔内に拡開ピンを打ち込むことによりアンカー本体のスリットが形成された拡開部を径方向に拡開させることにより、拡開部におけるねじ山が下穴の内周面に圧接して更に深く食い込むことにより、アンカー本体部を下穴内に固定させることができる。
このように、ねじ山を利用してアンカー本体部を下穴内にねじ込むことにより、小さな力で下穴内にねじ込むことができる。
また、アンカー本体部の外周に突出形成されたねじ山が下穴の内周面を削りながらねじ込まれるとともに、拡開部のねじ山がさらに深く食い込んだ状態で固定されるため、アンカーの引き抜きに対する十分な強度が得られるようになるという効果が得られる。
さらに、アンカー本体部はねじ山が下穴の内面を削りながらねじ込まれるため、使用後はブラケットなどを固定した雄ねじ部にダブルナットを噛ませ、スパナなどの工具で半時計方向に回すことにより、アンカー本体部を容易に下穴から抜き取ることができるようになるという効果が得られる。
【0012】
また、アンカー本体部は鋼材で構成され、ねじ山は焼き入れが施されることで、コンクリートに削孔された下穴にアンカー本体部をねじ込ませる際に、下穴の内周面にねじ山を容易に食い込ませて楽にねじ込むことができる。
【0013】
また、ねじ山14のねじ角度を20°〜27°とすることで、作業性を悪化させることなく、アンカー本体部を下穴の所定深さまでねじ込むことができるようになる。
【0014】
また、アンカー本体部の雄ねじ部に螺合するナットとして袋ナットを用いることにより、通常のナットを用いる場合に比べ、アンカー本体部を下穴内にねじ込んだ後のナットの脱却作業を容易かつ迅速に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明実施例1のあと施工アンカーを示す平面図である。
【図2】本発明実施例1のあと施工アンカーを示す正面図である。
【図3】本発明実施例1のあと施工アンカーを示す底面図である。
【図4】本発明実施例1のあと施工アンカーを示す背面図である。
【図5】本発明実施例1のあと施工アンカーを示す拡大左側面図である。
【図6】本発明実施例1のあと施工アンカーを示す拡大右側面図である。
【図7】図2のS7−S7線における横断面図である。
【図8】本発明実施例1のあと施工アンカーの既存のコンクリートに対する取付工程(イ)〜(ニ)を示す説明図である。
【図9】本発明実施例1のあと施工アンカーの既存のコンクリートに対する取付工程(ホ)〜(チ)を示す説明図である。
【図10】従来のあと施工アンカーを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0017】
まず、この実施例1のあと施工アンカーを図1〜8に基づいて説明する。
このあと施工アンカーは、アンカー本体部1と、拡開ピン2と、アンカー本体ねじ込み用治具を構成する袋ナット3と、を備えている。
【0018】
アンカー本体部1は、軸心孔12を有する円筒状に形成されていてその先端側にはその周壁に周方向所定間隔のもとに4本のスリット11が軸方向に形成された拡開部1aが形成されている。
そして、図7の断面図に示すように、先端側の軸心孔12は、複数の段部を介して先端に行くに従って次第に小径となる先細り部12aが形成されている。
また、アンカー本体部1の基部側には締結ナットを螺合可能な雄ねじ部13が形成されている。
【0019】
また、アンカー本体部1の先端側の外周には右ねじのねじ山14が突出形成されている。
このねじ山14のねじ角度はとしては、20°〜27°に設定されている。なお、このねじ角度の設定理由については後述する。
そして、アンカー本体部1と拡開ピン2は鋼材で構成され、いずれも焼き入れが施されている。
【0020】
袋ナット3は、図8に示すように、アンカー本体部1を下穴内にねじ込むための治具を構成するもので、スパナなどの工具を係合可能な外形を有し、アンカー本体部1の雄ねじ部13の基端部に螺合可能な雌ねじ部31と、雄ねじ部13の基端面に当接する天板部32とを備える。
【0021】
この実施例1のあと施工アンカーの既存のコンクリートに対する取り付け工程を図8の(イ)〜(ニ)、図9の(ホ)〜(チ)に基づいて説明する。
(イ)まず、打設後の既存のコンクリート5にコンクリートドリル6で下穴51を削孔する。なお、この下穴51の内径は、アンカー本体部1の外径より大径でねじ山14の外径より小径とする。例えば、アンカー本体部1の外径が20mm、ねじ山14の外径が23mmの場合、21mmの下穴51を削孔する。
(ロ)次に、ブロワー、吸じん機7などで下穴51内からコンクリートの切り粉を除去する。
(ハ)次に、下穴51内にアンカー本体部1を挿入し、アンカー本体部1の雄ねじ部13に螺合した袋ナット3をスパナなどの工具で回転させることにより、ねじ山14を下穴51の内周面に食い込ませて雌ねじ52を形成しながらアンカー本体部1を下穴51内にねじ込む。
(ニ)アンカー本体部1の雄ねじ部13に螺合した袋ナット3を抜き取る。
(ホ)アンカー本体部1の軸心孔12内に拡開ピン2をハンマー等で打ち込んでアンカー本体1のスリット11が形成された拡開部1aを径方向に拡開させることにより、拡開部1aにおけるねじ山14が下穴51の内周面に圧接して更に深く食い込ませることにより、アンカー本体部1を下穴51内に強固に固定する。
(へ)以上のような手順で下穴51内に固定したアンカー本体部1の雄ねじ部13にナット8でブラケット9などを取り付け固定する。
(ト)使用後はブラケット9などを固定した雄ねじ部13にダブルナット10を噛ませ、スパナなどの工具で半時計方向に回すことにより、アンカー本体部1を下穴51から抜き取る。
(チ)アンカー本体部1を抜き取った後の下穴51にモルタルMを詰めて埋める。
【0022】
次に、この実施例1の効果を説明する。
【0023】
本発明では、上述のように、アンカー本体部1は円筒状に形成されていてその先端側にはその周壁に周方向所定間隔のもとに4本のスリット11が軸方向に形成された拡開部1aが形成されると共に、アンカー本体部1の基部側にはナットを螺合可能な雄ねじ部13を有し、拡開ピン2はアンカー本体部1の軸心孔12内に基部側から挿入可能な棒状で、先端部にはアンカー本体部1における軸心孔12の先端先細り部12a内に圧入して先端拡開部1aを拡径する先細り部21を有し、基端部には打ち込み頭部22を有する構造のあと施工アンカーにおいて、アンカー本体部1の外周にはコンクリート5に削孔された下穴51内にねじ込み可能なねじ山14が突出形成されている構成としたことで、既存のコンクリート5に形成された下穴51内にアンカー本体部1を挿入し、アンカー本体部1の雄ねじ部13に螺合した袋ナット3をスパナなどの工具で回転させることにより、ねじ山14を下穴51の内周部に食い込ませて雌ねじ52を形成しながらアンカー本体部1を下穴51内に容易にねじ込むことができる。
そして、アンカー本体部1の軸心孔12内に拡開ピン2を打ち込むことによりアンカー本体1のスリット11が形成された拡開部1aを径方向に拡開させて拡開部1aにおけるねじ山14が下穴51の内周面に圧接して更に深く食い込むことにより、アンカー本体部1を下穴51内に強固に固定させることができる。
このように、ねじ山14を利用してアンカー本体部1を下穴51内にねじ込むことにより、小さな力で下穴51内にねじ込むことができる。
また、アンカー本体部1の外周に突出形成されたねじ山14が下穴51の内周面を削りながらねじ込まれるとともに、拡開部1aのねじ山14がさらに下穴51の内周面に深く食い込んだ状態で固定されるため、アンカーの引き抜きに対する十分な強度が得られるようになるという効果が得られる。
さらに、アンカー本体部1はねじ山14が下穴51の内面を削りながらねじ込まれるため、使用後はブラケットなどを固定した雄ねじ部13にダブルナット10を噛ませ、スパナなどの工具で半時計方向に回すことにより、アンカー本体部1を容易に下穴51から抜き取ることができるようになるという効果が得られる。
【0024】
また、アンカー本体部1は鋼材で構成され、少なくともねじ山14は焼き入れが施されることで、コンクリート5に削孔された下穴51にアンカー本体部1をねじ込ませる際に、下穴51の内周面にねじ山14を容易に食い込ませて楽にねじ込むことができる。
【0025】
また、ねじ山14のねじ角度を20°〜27°とすることで、以下の効果が得られる。
すなわち、ねじ山14のねじ角度を20°未満とすると、下穴51にアンカー本体部1をねじ込む際に、ねじ山14で削り取られた下穴51の内周面のコンクリートくずが下穴51の底に溜まる量が多くなりすぎ、このコンクリートくずが邪魔してアンカー本体部1を所定の深さまでねじ込むことができなくなり、また、ねじ山14のねじ角度が27°を越えると、アンカー本体部1の回転に対する下穴51へのねじ込み量が多くなることから、下穴51に対するアンカー本体部1のねじ込みに強い力が必要になり、作業性を悪化させる。
【0026】
そこで、ねじ山14のねじ角度を20°〜27°とすることで、作業性を悪化させることなく、アンカー本体部1を下穴51の所定深さまでねじ込むことができるようになる。
【0027】
また、アンカー本体部1の雄ねじ部13に螺合するナットとして袋ナット3を用いることにより、通常のナットを用いる場合に比べ、アンカー本体部1を下穴51内にねじ込んだ後の袋ナット3の脱却作業を容易かつ迅速に行うことができるようになる。
【0028】
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても、本発明に含まれる。
【0029】
例えば、実施例では、スリット11を4本形成したが、その本数は任意である。
また、実施例では、ねじ山14のねじ角度を20°〜27°としたが、この角度に限定されるものではない。
【0030】
また、実施例では、アンカー本体部1を下穴51内にねじ込むための治具として、袋ナット3を用いたが、通常のナットを用いることもでき、また、雄ねじ部13の基端側にダブルナットを噛ませてアンカー本体部1を回転させることで、袋ナット3に近い効果が得られる。
【0031】
また、コンクリート5に削孔する下穴51の内径は、アンカー本体部1の外径より大径でねじ山14の外径より小径であれば、実施例記載の寸法には限定されない。
【符号の説明】
【0032】
1 アンカー本体部
1a 拡開部
11 スリット
12 軸心孔
12a 先細り部
13 雄ねじ部
14 ねじ山
2 拡開ピン
21 先細り部
22 打ち込み頭部
3 袋ナット
31 雄ねじ部
32 天板部
5 コンクリート
51 下穴
52 雌ねじ
6 コンクリートドリル
7 吸じん機
8 ナット
9 ブラケット
10 ダブルナット
M モルタル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンカー本体部と、拡開ピンとで構成され、前記アンカー本体部は円筒状に形成されていてその先端側にはその周壁に周方向所定間隔のもとに複数のスリットが軸方向に形成された拡開部が形成されると共に、前記アンカー本体部の基部側にはナットを螺合可能な雄ねじ部を有し、前記拡開ピンは前記アンカー本体部の軸心孔内に基部側から圧入可能な棒状で、先端部にはアンカー本体部の先端拡開部を拡径する先細り部を有し、基端部には打ち込み頭部を有する構造のあと施工アンカーにおいて、
前記アンカー本体部の外周にはコンクリートに削孔された下穴内にねじ込み可能なねじ山が突出形成されていることを特徴とするあと施工アンカー。
【請求項2】
請求項1記載の発明において、
前記アンカー本体部は鋼材で構成され、少なくともそのねじ山は焼き入れが施されていることを特徴とする手段とした。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のあと施工アンカーにおいて、
前記ねじ山のねじ角度が20°〜27°であることを特徴とするあと施工アンカー。
【請求項4】
アンカー本体部と、拡開ピンとで構成され、前記アンカー本体部は円筒状に形成されていてその先端側にはその周壁に周方向所定間隔のもとに複数のスリットが軸方向に形成された拡開部が形成されると共に、前記アンカー本体部の基部側にはナットを螺合可能な雄ねじ部を有し、前記アンカー本体部の外周にはコンクリートに削孔された下穴内にねじ込み可能なねじ山が突出形成され、前記拡開ピンは前記アンカー本体部の軸心孔内に基部側から圧入可能な棒状で、先端部にはアンカー本体部の先端拡開部を拡径する先細り部を有し、基端部には打ち込み頭部を有する構造のあと施工アンカーの取り付け固定方法であって、
既存のコンクリートに前記アンカー本体部の外径より大径で前記ねじ山の外径より小径の下穴を開ける工程と、
前記アンカー本体部の雄ねじ部に螺合したナットをスパナなどの工具で回転させることによりアンカー本体部を下穴内にねじ込む工程と、
前記アンカー本体部の軸心孔内に拡開ピンを打ち込むことによりアンカー本体のスリットが形成された拡開部を径方向に拡開して下穴の内周面に圧接させることによりアンカー本体部を下穴内に固定する工程と、
からなることを特徴とするあと施工アンカーの取り付け固定方法。
【請求項5】
請求項4記載のあと施工アンカーの取り付け固定方法において、
前記アンカー本体部の雄ねじ部に螺合するナットとして袋ナットを用いることを特徴とするあと施工アンカーの取り付け固定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−197840(P2012−197840A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61807(P2011−61807)
【出願日】平成23年3月19日(2011.3.19)
【出願人】(594017994)ゼン技研株式会社 (17)
【出願人】(509115960)
【Fターム(参考)】