説明

しわ改善用化粧料

【課題】従来の化粧料以上に、しわ改善効果、使用感、保湿感及び翌日の肌実感に優れたしわ改善用化粧料を提供する。
【解決手段】成分(a)として鮭類の卵巣膜抽出物と、成分(b)として植物種子より抽出した固体油脂を含有する化粧料であり、好ましくは、さらに成分(c)としてビタミンA及びその誘導体並びにそれらの塩、褐藻抽出物、ヒアルロン酸及びその塩、コラーゲン、ローヤルゼリー、エイジツ抽出物、トゲナシ抽出物、ノバラ抽出物から選ばれる1種又は2種以上を含有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はしわ改善効果、保湿感、使用感及び翌日の肌実感に優れたしわ改善用化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
いつまでも健康で美しい肌を保つことは、特に女性にとって関心の高い問題である。しかし、老化した皮膚は柔軟性や弾力性を失っており、皮膚のしわが増大したり、乾燥した滑らかさのない荒れ肌となったりして、角質細胞剥離現象が認められる。従来、化粧料において優れたしわ改善効果を付与させるために、種々の組成物や方法が提案されてきた。これらのものとしては、例えばローズヒップオイル、クララエキス、スギナエキス、カラスムギエキス、シモツケエキス、西洋キヅタエキス及びクレマチスエキスなどのしわ改善剤及び被膜形成成分を有効成分として含む皮膚外用剤(例えば、特許文献1参照。)や、しわ改善成分を配合したシート状製剤に開口率が大きい織網布や不織布を積層させたしわ伸ばしシート(例えば、特許文献2参照。)などがある。
【0003】
しかしながら、これらはいずれも、しわを改善する効果に充分満足できるものではなく、しわを改善する効果に優れた製剤が望まれていた。
【0004】
また、化粧料などに鮭類の卵巣膜抽出物を配合したもの(例えば、特許文献3〜4参照。)もあるが、いずれもしわを改善する効果については言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−63261号公報
【特許文献2】特開2001−335430号公報
【特許文献3】特許第3981397号公報
【特許文献4】特許第4005113号公報
【特許文献5】特開2011−26273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような従来の問題点を解決するためになされたもので、従来以上にしわ改善効果、保湿感、使用感及び翌日の肌実感に優れたしわ改善用化粧料を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、鮭類の卵巣膜抽出物と共に、植物種子より抽出した固体油脂を化粧料に配合することにより、予見せぬ相乗効果が得られ、従来にないしわ改善効果、保湿感、使用感及び翌日の肌実感に優れたしわ改善用化粧料が得られることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本発明は、成分(a)として鮭類の卵巣膜抽出物と、成分(b)として植物種子より抽出した固体油脂を含有するしわ改善用化粧料であり、好ましくは、さらに成分(c)としてビタミンA及びその誘導体並びにそれらの塩、褐藻抽出物、ヒアルロン酸及びその塩、コラーゲン、ローヤルゼリー、エイジツ抽出物、トゲナシ抽出物、ノバラ抽出物から選ばれる1種又は2種以上を含有するしわ改善用化粧料である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、しわ改善効果、使用感、保湿感及び翌日の肌実感に優れたしわ改善用化粧料を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明で用いられる成分(a)鮭類の卵巣膜抽出物は、通常化粧料原料として用いられるものであればよく、抽出処理によって鮭類の卵巣膜から得られる抽出液、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
【0012】
上記鮭類に属する魚類としては、白ザケ、紅ザケ、銀ザケ、ニジマス、サクラマス、マスノスケ等を挙げることができる。上記鮭類の卵巣膜は、上記鮭類に属する魚類の魚卵外皮であり、卵巣から魚卵を採取した後の外皮のみを水洗することにより得ることができる。本発明の化粧料には、上記水洗後の卵巣膜をミキサー、乳鉢、乳化機等で粉砕した物をそのまま用いてもよく、上記卵巣膜をタンパク分解酵素で処理することにより抽出された成分を用いてもよい。
【0013】
上記卵巣膜をタンパク分解酵素で処理することにより抽出された成分(以下、卵巣膜抽出成分と略記する)を用いる場合、卵巣膜抽出成分は、例えば、次のようにして調製することができる。
【0014】
まず、上記のようにして得られた鮭類の卵巣膜を原料とし、該卵巣膜に対して水を卵巣膜:水=1:1〜1:3の質量比で加えて撹拌、混合し、さらにタンパク分解酵素を卵巣膜の全量に対して1〜3質量%の範囲で添加し、45〜55℃の温度で30分間〜5時間、好ましくは2時間加熱する。このようにすると、上記卵巣膜の成分のうち、上記タンパク分解酵素で分解された成分が水中に溶出し、該成分の水溶液が得られる。
【0015】
次に、上記水溶液に含まれている上記タンパク分解酵素を失活する。上記失活は、例えば、上記水溶液を90℃の温度で5分間加熱することにより行うことができる。
【0016】
次に、上記水溶液を30メッシュ程度の金網で簡易濾過し、未分解の卵巣膜等の粗大物を除去する。そして、得られた濾液に活性炭を添加して、該濾液の脱臭、脱色、脱脂を行う。上記濾液の脱臭、脱色、脱脂は、上記原料としての卵巣膜の全量に対して2〜4質量%の範囲の活性炭を該濾液に添加し、例えば60℃の温度で30分間加熱することにより行うことができる。
【0017】
上記活性炭による脱臭、脱色、脱脂処理後、上記濾液を例えばフィルタープレスにより濾過し、得られた濾液を、減圧下、例えば60℃の温度で濃縮した後、例えば80℃の温度に10分間維持して滅菌する。そして、滅菌後の上記濾液をスプレードライにて乾燥させることにより、上記卵巣膜抽出成分を得ることができる。上記卵巣膜抽出成分は、アミノ酸、ペプチド、ビタミン、ミネラル、糖類、酵素、核酸及びその代謝物、各種成長因子、サイトカイン等を含んでいる。
【0018】
上記(a)鮭類の卵巣膜抽出物の含有量は、特に限定されないが、着色や使用感の観点から、化粧料の総量を基準として、0.0001〜10質量%が好ましく、特に好ましくは0.001〜5質量%である。
【0019】
本発明で用いられる成分(b)植物種子より抽出した固体油脂としては、カカオ脂(Theo
broma cacao (cocoa) seed butter)、シア脂(Butyrospermum parkii (shea butter))、クプアス脂(Theobroma Grandiflorum Seed Butter)、ムルムル脂(Astrocaryum Murumuru Butter)、マンゴー脂(Mangifera indica (mango) seed butter)等が挙げられ、例えば、シア脂、カカオ脂はそれぞれシア、カカオの種子より抽出、精製して得られる。またこれらの植物種子より抽出した固体油脂は1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
上記(b)植物種子より抽出した固体油脂は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、特に好ましくは、シア脂及び/又はカカオ脂を用いることである。
【0021】
上記(b)植物種子より抽出した固体油脂の含有量は、特に限定されないが、経日安定性や使用感の観点から、化粧料の総量を基準として、0.001〜50質量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜20質量%である。
【0022】
本発明のしわ改善用化粧料は、さらに成分(c)ビタミンA及びその誘導体並びにそれらの塩、褐藻抽出物、ヒアルロン酸及びその塩、コラーゲン、ローヤルゼリー、エイジツ抽出物、トゲナシ抽出物、ノバラ抽出物から選ばれる1種又は2種以上を配合することにより、しわ改善効果を更に向上させることができる。
【0023】
ビタミンA類及びそれらの誘導体としては、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、デヒドロレチナール等を挙げることができ、塩としてはこれらのナトリウム塩、カリウム塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。褐藻抽出物の種類は特に制限されるものではなく、また抽出方法は一般的な方法で良いが、効果の面から褐藻をエステル油で抽出したものが最も好ましい。ヒアルロン酸及びコラーゲンはその起源について特に制限はなく、動物由来、微生物由来、合成品のいずれであっても良い。また、天然起源の場合の抽出方法、精製処理方法についても特に制約はない。本発明において、使用されるヒアルロン酸又はその塩の例としては、臍帯、鶏のトサカ、動物の皮膚、眼球ガラス帯や、微生物の培養物を抽出処理に付して得られる分子量10万〜300万のものおよびこれらのナトリウム、カリウム、塩基性アミノ酸塩等が挙げられ、また、コラーゲンの例としては、魚(例えば、鮭、金目鯛、平目、鱈、鰯、鮪等)の皮、浮袋等から得られるもの、または魚鱗を加水分解して得られる魚鱗由来加水分解コラーゲンが好ましい。ローヤルゼリーの抽出方法は、一般的な方法で良いが、効果の面からローヤルゼリーをエタノール溶液で抽出したものが最も好ましい。エイジツ抽出物、トゲナシ抽出物、ノバラ抽出物は、果実部をそのまま又は粉砕後、水又は水と水混和性の有機溶剤との混合溶媒で抽出することにより得ることができる。
【0024】
上記(c)ビタミンA及びその誘導体並びにそれらの塩、褐藻抽出物、ヒアルロン酸及びその塩、コラーゲン、ローヤルゼリー、エイジツ抽出物、トゲナシ抽出物、ノバラ抽出物の配合量は、特に限定されないが、乳化安定性や使用感の観点から、化粧料の総量を基準として、0.0001〜20質量%が好ましく、特に好ましくは0.01〜10質量%である。
【0025】
本発明のしわ改善用化粧料は、使用感の観点から水中油型乳化化粧料であることが好ましい。
【0026】
本発明の化粧料には、上記の各成分以外に、通常化粧料に用いられる油剤、粉体(顔料、色素、樹脂)、界面活性剤、粘剤、樹脂、防腐剤、香料、紫外線吸収剤(有機系、無機系を含む。UV−A、Bのいずれに対応していても構わない)、溶媒、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分、保湿剤、塩類、酸化防止剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤等の成分を適宜配合することができる。
【0027】
油剤としては、通常化粧料に用いられる揮発性及び不揮発性の油剤、溶剤、並びに樹脂等が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体のいずれであっても構わない。油剤の例としては、本発明で用いられる成分(b)植物種子より抽出した固体油脂以外に、例えばイソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、高級アルコール、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリル、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、キャンデリラロウ、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス等のロウ、ミンク油、ヤシ油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂、ポリエチレンワックス、エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー、エチレンプロピレンポリマー等が挙げられる。
【0028】
粉体の例としては、赤色104号、赤色102号、赤色226号、赤色201号、赤色202号、黄色4号、黒色401号等の色素、青色1号アルミニウムレーキ、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色5号アルミニウムレーキ、黄色203号バリウムレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等が挙げられ、またこれらを従来公知の表面処理、例えば、N−アシル化リジン処理、アミノ酸処理、親水性高分子処理、油剤処理、シリコーン処理、金属石鹸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等を施したものを使用することも可能である。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)に特に制限はない。粉体の大きさとしては、5nm〜100μmの範囲に入るものが好ましく、さらに好ましくは10nm〜25μmである。これらの粉体は単独で処理しても、混合物を形成し、それをまとめて処理しても構わない。また、混合物の色を肌色等に調整したものを処理することも可能である。さらに、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等の紫外線散乱成分を使用することで紫外線防御機能を有する処理粉体とすることも可能である。
【0029】
界面活性剤としては、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤を用いることができる。より詳しくは脂肪酸石鹸、α−アシルスルホン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、スルホコハク酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、ラウリン酸アルカノールアミド、POE(ポリオキシエチレン、以下同じ)ソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコ
ーン等のノニオン性界面活性剤、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等の両性界面活性剤が挙げられる。また、サポニン、糖系界面活性剤等の天然系界面活性剤を用いることもできる。
【0030】
粘剤、樹脂の例としては、ポリアクリル酸ナトリウム、セルロースエーテル、アルギン酸カルシウム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体、窒素置換アクリルアミド系ポリマー、カチオン化ガーガム等のカチオン系ポリマー、ジメチルアクリルアンモニウム系ポリマー、POE/POP(ポリオキシプロピレン、以下同じ)共重合体、ポリビニルアルコール、プルラン、デオキシリボ核酸及びその塩、コンドロイチン硫酸等の酸性ムコ多糖類及びその塩、タマリンド種子多糖類、寒天、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、ガーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、ヒアルロン酸及びその塩、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン、セルロース、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコール、合成ラテックス等が挙げられる。
【0031】
防腐剤としては、例えば安息香酸、安息香酸ナトリウム、ウンデシレン酸、サリチル酸、ソルビン酸又はその塩、デヒドロ酢酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル等の有機酸及びその誘導体、イソプロピルメチルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジン、クレゾール、チモール、パラクロロフェノール、フェニルエチルアルコール、フェニルフェノール、フェニルフェノールナトリウム、フェノキシエタノール、フェノキシジグリコール、フェノール、ベンジルアルコール等のフェノール類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルイソキノリウム、臭化ドミフェノン等の4級アンモニウム塩、茶エキス、ヒノキチオール、リンゴエキス等の植物抽出液、また、クロラミンT、クロルヘキシジン、ジンクピリチオン等を挙げることができる。
【0032】
有機系紫外線吸収剤の例としては、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、サリチル酸オクチル、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエタノールアミン、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
【0033】
溶媒の例としては、精製水、環状シリコーン、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、次世代フロン等が挙げられる。
【0034】
天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス等を挙げることができる。
【0035】
本発明の化粧料は、通常の方法によって製造することができ、ローション、乳液、クリーム、エッセンス、ジェル、パック等の基礎化粧料、ファンデーション、口紅等のメイクアップ化粧料、シャンプー、リンス、ヘアトリートメント、ヘアクリーム、ヘアトニック、ヘアリクイド、セットジェル、ヘアムース、セットローション、ヘアスプレー、育毛剤等の毛髪化粧料、及び入浴剤等として適用することができる。
【実施例】
【0036】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、配合量は全て質量%である。
【0037】
(実施例1〜6、比較例1〜3 クリーム)
表1に示す組成のクリームを調製し、しわ改善効果、使用感、保湿感及び翌日の肌実感に関して評価を行った。
【0038】
【表1】

【0039】
(調製方法)
1.成分(1)〜(8)を80℃にて、混合、溶解する(a)。
2.成分(9)〜(22)を80℃にて、混合、溶解する(b)。
3.(a)に(b)を添加して攪拌し、冷却後、クリームを得た。
【0040】
<しわ改善効果確認試験>
しわを気にしている女性20名(30〜50才)を被験者とし、1日2回(朝、夜)、しわの気になる部分に使用させる方法で確認した。塗布後1ヶ月後の肌の状態について、しわ改善度合いを指標として、やや有効以上の人が5人以下を×、6〜10人を△、11〜15人を○、16〜20人を◎として評価した。
【0041】
<使用感、保湿感及び翌日の肌実感の評価方法>
専門評価パネラー20名により、使用感(伸びのよさ、濃厚感)、保湿感(しっとり感)、翌日の肌実感(はり、やわらかさ)について5段階評価し、更にその平均点から下記基準により判定した。
【0042】
5段階評価
5点:非常に良い
4点:良い
3点:普通
2点:やや悪い
1点:悪い
【0043】
判定
◎:平均点が4.5点以上
○:平均点が3.5点以上4.5点未満
△:平均点が2.5点以上3.5点未満
×:平均点が2.5点未満
【0044】
表1に示すとおり、本発明の化粧料はしわ改善効果及び使用感(伸びのよさ、濃厚感)、保湿感(しっとり感)、翌日の肌実感(例えば、肌のはり、やわらかさ)に優れたものであることは明らかである。
【0045】
(実施例7 乳液)
成分名 配合量(質量%)
(1)ステアリン酸 1.0
(2)ステアリン酸グリセリンエステル 2.0
(3)セチルアルコール 1.0
(4)コレステロール 0.5
(5)流動パラフィン 3.0
(6)メチルポリシロキサン 3.0
(7)スクワラン 3.0
(8)エチルパラベン 微 量
(9)鮭類の卵巣膜抽出物 3.0
(10)カカオ脂 3.0
(11)シア脂 1.0
(12)褐藻抽出物 0.5
(13)レチノール 0.1
(14)アシルグルタミン酸塩 0.5
(15)キサンタンガム 0.5
(16)グリセリン 2.0
(17)ジプロピレングリコール 3.0
(18)水酸化カリウム 適 量
(19)エデト酸二ナトリウム 0.01
(20)精製水 残 量
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計 100.0
【0046】
(調製方法)
1.成分(1)〜(13)を80℃にて、混合、溶解する(a)。
2.成分(14)〜(20)を80℃にて、混合、溶解する(b)。
3.(a)に(b)を添加して攪拌し、冷却後、乳液を得た。
【0047】
(実施例8 化粧水)
成分名 配合量(質量%)
(1)エタノール 10.0
(2)POE(60)硬化ヒマシ油 0.5
(3)鮭類の卵巣膜抽出物 0.5
(4)シア脂 0.01
(5)パルミチン酸レチノール 0.01
(6)グリセリン 3.0
(7)1,3−ブチレングリコール 2.0
(8)ジプロピレングリコール 3.0
(9)ポリエチレングリコール1500 1.0
(10)水酸化ナトリウム 適 量
(11)リン酸塩 微 量
(12)メチルパラベン 微 量
(13)エデト酸四ナトリウム 0.01
(14)精製水 残 量
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計 100.0
【0048】
(調製方法)
1.成分(1)〜(5)を混合、溶解する(a)。
2.成分(6)〜(14)を混合、溶解する(b)。
3.(b)に(a)を添加して攪拌し、化粧水を得た。
【0049】
(実施例9 クリーム)
成分名 配合量(質量%)
(1)ステアリン酸 1.0
(2)モノイソステアリン酸ソルビタン 1.0
(3)ステアリルアルコール 3.0
(4)ベヘニルアルコール 1.0
(5)オレイルアルコール 0.5
(6)コレステロール 0.5
(7)フィトステロール 0.2
(8)スクワラン 1.0
(9)ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0
(10)メチルシクロポリシロキサン 3.0
(11)エチルパラベン 微 量
(12)カカオ脂 5.0
(13)シア脂 5.0
(14)褐藻抽出物 1.0
(15)SEPIPULS 265(*) 1.0
(16)鮭類の卵巣膜抽出物 2.0
(17)ヒアルロン酸 1.0
(18)コラーゲン 1.0
(19)エイジツ抽出物 1.0
(20)キサンタンガム 0.1
(21)グリセリン 7.0
(22)1,3−ブチレングリコール 5.0
(23)ジイソプロパノールアミン 適 量
(24)エデト酸二カリウム 0.05
(25)精製水 残 量
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計 100.0
(*)SEPPIC社製アクリルアミド・アクリル酸アンモニウム共重合体
【0050】
(調製方法)
1.成分(1)〜(14)を80℃にて、混合、溶解する(a)。
2.成分(16)〜(25)を80℃にて、混合、溶解する(b)。
3.(a)に(b)を添加して攪拌し、冷却する(c)。
4.(c)に成分(15)を添加し、攪拌後、クリームを得た。
【0051】
(実施例10 サンスクリーン)
成分名 配合量(質量%)
(1)エタノール 10.0
(2)メトキシケイ皮酸オクチル 7.0
(3)POE/POP(*)変性ジメチルポリシロキサン 2.0
(4)微粒子酸化チタン 5.0
(5)酸化亜鉛 5.0
(6)メチルシクロポリシロキサン 10.0
(7)ジメチルポリシロキサン 5.0
(8)シア脂 1.5
(9)鮭類の卵巣膜抽出物 0.5
(10)パルミチン酸レチノール 0.1
(11)褐藻抽出物 0.5
(12)精製水 残 量
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計 100.0
(*)ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン
【0052】
(調製方法)
1.成分(2)〜(11)を80℃にて、混合、溶解する(a)。
2.成分(12)を80℃にて、攪拌する(b)。
3.(a)に(b)を添加して攪拌し、冷却する(c)。
4.(c)に成分(1)を添加し、攪拌後、サンスクリーンを得た。
【0053】
(実施例11 美容液)
成分名 配合量(質量%)
(1)鮭類の卵巣膜抽出物 5.0
(2)カカオ脂 0.5
(3)エタノール 8.0
(4)ジプロピレングリコール 7.0
(5)ポリエチレングリコール4000 4.0
(6)キサンタンガム 0.1
(7)メチルセルロース 0.05
(8)ローヤルゼリー 0.5
(9)エデト酸二カリウム 0.02
(10)精製水 残 量
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計 100.0
【0054】
(調製方法)
1.成分(1)〜(3)を50℃に加熱し、均一溶解する(a)。
2.成分(4)〜(10)を混合し、溶解する(b)。
3.(b)に(a)を添加して攪拌し、冷却後、美容液を得た。
【0055】
(実施例12 美白ジェル)
成分名 配合量(質量%)
(1)鮭類の卵巣膜抽出物 1.0
(2)カカオ脂 5.0
(3)パルミチン酸レチノール 0.3
(4)褐藻抽出物 0.5
(5)オレイルアルコール 2.0
(6)ステアリルアルコール 2.0
(7)ミリスチン酸オクチルドデシル 2.0
(8)フィトステロール 0.5
(9)POE(60)硬化ヒマシ油 0.5
(10)アスコルビン酸グルコシド 2.0
(11)ノバラ抽出物 0.5
(12)トゲナシ抽出物 0.5
(13)エイジツ抽出物 0.5
(14)ヒアルロン酸 1.0
(15)グリセリン 5.0
(16)ポリエチレングリコール1000 1.0
(17)ソルビトール 2.0
(18)マルチトール 2.0
(19)ジイソプロパノールアミン 適 量
(20)水酸化カリウム 適 量
(21)カルボキシビニルポリマー 0.1
(22)SIMULGEL EG(*) 0.1
(23)エデト酸二ナトリウム 0.04
(24)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(25)精製水 残 量
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
計 100.0
(*)SEPPIC社製アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体
【0056】
(調製方法)
1.成分(1)〜(8)を80℃にて、混合、溶解する(a)。
2.成分(9)〜(25)を80℃にて、混合、溶解する(b)。
3.(a)に(b)を添加して攪拌し、冷却し、美白ジェルを得た。
【0057】
実施例7〜12の化粧料を試料とし、上記最終処方における評価を行った結果、しわ改善効果、使用感、保湿感及び翌日の肌実感のいずれにおいても優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)鮭類の卵巣膜抽出物及び(b)植物種子より抽出した固体油脂を含有することを特徴とするしわ改善用化粧料。
【請求項2】
さらに、(c)ビタミンA及びその誘導体並びにそれらの塩、褐藻抽出物、ヒアルロン酸及びその塩、コラーゲン、ローヤルゼリー、エイジツ抽出物、トゲナシ抽出物、ノバラ抽出物から選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1に記載のしわ改善用化粧料。
【請求項3】
成分(b)が、シア脂及び/又はカカオ脂である請求項1又は2に記載のしわ改善用化粧料。

【公開番号】特開2013−67580(P2013−67580A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206720(P2011−206720)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(306018365)クラシエホームプロダクツ株式会社 (188)
【出願人】(501195223)株式会社日本バリアフリー (26)
【Fターム(参考)】