説明

アウターロータ型ブラシレスモータ

【課題】質量が軽減され、ロック電流の小さいアウターロータ型ブラシレスモータを提供する。
【解決手段】アウターロータ型ブラシレスモータ1は、ステータコア3と、ステータコア3に装着されるステータコイル4とを有するステータ2と、ステータ2の外側に回転自在に配置されたロータ5とを備える。ステータコイル4は、密度ρ1が2.5[g/mm]以上3.0[g/mm]以下であるとともに、ステータ2のステータコア3を形成する磁性材料の密度ρ0に対し、密度ρ1は0.2×ρ0≦ρ1≦0.5×ρ0の関係にあり、かつ、比電気抵抗が2.5×10−8[Ω・m]以上3.0×10−8[Ω・m]以下の金属製の線材から形成される導体部と、導体部の外周面に被覆された合成樹脂からなる絶縁部とを有する導線を各ティース3bの周りに集中巻きにて巻回され形成される複数の巻線を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アウターロータ型ブラシレスモータに関し、特にそのステータコアに装着されるステータコイルに関する。
【背景技術】
【0002】
アウターロータ型ブラシレスモータは、ステータと、ステータの径方向外側に回転自在に配置されたロータとを備える。ステータは、ステータコアと、ステータコアに装着されるステータコイルとを有し、ステータコアは、磁性材料から形成され、円環形状のステータコア本体と、ステータコア本体の外周面から半径方向外側に放射状に一体突出し、円周方向等ピッチに形成された複数のティースとを有する。また、ステータコイルは、ステータコアの各ティースに集中巻きにて巻装された複数の巻線を有する。
【0003】
ロータは、円筒形状に形成され、ステータの外側に各ティースに対向して配置されたロータヨークと、ティースに対向しロータヨークの内壁に円周方向等ピッチに取り付けられた複数のマグネットとを有する。
【0004】
上記のようにアウターロータ型ブラシレスモータは、ステータの半径方向外側にロータを配置しているため、ステータの半径方向内側にロータを配置するインナーロータ型に比べ、ロータヨークの円周長さが長くなる。そのため、ロータヨークに取り付けるマグネットの体積を多くとることができ、モータの出力性能を高くすることができる。また、アウターロータ型ブラシレスモータのロータは、上述のようにステータの半径方向外側に回転自在に配置されており、ロータはインナーロータ型に比べ外径が大きい。そのため、ロータのイナーシャは大きくなり、ロータに生じるトルクリップルが小さくなる。
【0005】
さらに、インナーロータ型ブラシレスモータは、ロータヨークの外壁にマグネットを取り付ける構造であるに対し、アウターロータ型ブラシレスモータは、ロータヨークの内壁にマグネットを取り付ける構造である。そのため、インナーロータ型ブラシレスモータでは、ロータの回転によりマグネットがロータヨークから離脱しないための特別の対策を採る必要があるが、アウターロータ型ブラシレスモータでは、そのような対策を特段採る必要がなく、ロータの製作を簡易な構造で行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
このように、アウターロータ型ブラシレスモータは、インナーロータ型ブラシレスモータに比べ多くの利点を有するため、その利点が活かされる用途として、例えば、自動車のラジエターの冷却用のファンモータなど、様々な用途において自動車用電装品として用いられている。
【特許文献1】特開2008−259364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
自動車用電装品として自動車に搭載されるモータは、自動車の燃費向上のためモータ質量の軽量化が強く求められており、アウターロータ型ブラシレスモータについても、モータ質量の軽量化の必要性は高い。
【0008】
モータを駆動させる制御電流をモータに供給するためのモータ駆動用ドライバが、モータに接続され、このドライバがモータとともに動作する。このドライバには、モータに過剰な電流が供給することとなったときに、ドライバ自身の破損を防止するため保護素子が備えられている。
【0009】
この保護素子には、モータが外部からの負荷によりその回転をロックされたときに、高い電流値のロック電流が流れ、この保護装置は、ロック電流の電流値に比例して大型化するとともに高価なものとなる。従って、この保護素子を簡素化するために、モータのロック電流の電流値を下げることが求められる。このロック電流の電流値の低減は、アウターロータ型ブラシレスモータにおいても当然に求められる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、質量が軽減され、ロック電流の小さいアウターロータ型ブラシレスモータを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のアウターロータ型ブラシレスモータは、磁性材料から形成され、円環形状のステータコア本体と、前記ステータコア本体の外周面から半径方向外側に放射状に一体突出し、円周方向等ピッチに形成された複数のティースとを有するステータコアと、前記ステータコアに装着されるステータコイルとを備えるステータと、円筒形状に形成され、前記ステータの外側に前記ティースに対向して配置されたロータヨークと、前記ティースに対向し前記ロータヨークの内壁に円周方向等ピッチに取り付けられた複数のマグネットとを有し、前記ステータに対し回転自在に配置されたロータとを備えるアウターロータ型ブラシレスモータにおいて、前記ステータコイルは、密度ρ1が2.5[g/mm]以上3.0[g/mm]以下であるとともに、前記ステータの前記ステータコアを形成する磁性材料の密度ρ0に対し、前記密度ρ1は0.2×ρ0≦ρ1≦0.5×ρ0の関係にあり、かつ、比電気抵抗が2.5×10−8[Ω・m]以上3.0×10−8[Ω・m]以下の金属製の線材から形成される導体部と、前記導体部の外周面に被覆された合成樹脂からなる絶縁部とを有する導線を、前記ロータが前記ステータに対し回転自在に配置される以前において、放射状に突出した前記ティースの半径方向外側から、互い隣接するティースの間に形成されたスリットに巻線ノズルが挿入され、前記巻線ノズルにより各ティースの周りに集中巻きにて巻回され形成される複数の巻線を有する。
【0012】
さらに、本発明の請求項2においては、前記巻線を形成する導線の前記導体部はアルミニウムを主成分とし、前記ステータコアは鉄を主成分とする。
【発明の効果】
【0013】
このように本発明では、ステータコイルの巻線に用いられている導線の導体部を形成する線材の密度ρ1は、2.5[g/mm]以上3.0[g/mm]以下である。この密度ρ1は、ステータコイルの巻線に用いられている導線の線材として広く用いられている銅の密度の約3分の1以下である。また、その線材の密度ρ1は、ステータコアに用いられる磁性材料の密度ρ0に対しても約半分以下である。
【0014】
そのため、ステータに占めるステータコイルの質量は小さく、密度ρ1の導線を用いることにより、本発明のアウターロータ型ブラシレスモータはモータ全体として軽量化が図られ、その質量が軽減されている。
【0015】
さらに、ステータコイルの巻線に用いられている導線の導体部を形成する線材の比電気抵抗は、2.5×10−8[Ω・m]以上3.0×10−8[Ω・m]以下である。一方、ステータコイルの巻線に用いられている導線の線材として広く用いられている銅の比電気抵抗は、約1.7×10−8[Ω・m]であり、本発明では、銅に対し比電気抵抗の高い線材が用いられている。
【0016】
そのため、本発明の導線により形成されるステータコイルの電気抵抗は、銅の導線により形成されるステータコイルの電気抵抗よりも大きくなり、アウターロータ型ブラシレスモータがロックされたときに流れるロック電流は小さくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、この発明の第1の実施形態を図1および図2に基づいて説明する。図1は、冷却ファンが取り付けられた状態の本実施形態のアウターロータ型ブラシレスモータの側面図を示す。図2は、図1にて断面A−Aにて示す本実施形態のアウターロータ型ブラシレスモータの横断面図を示す。
【0018】
図1に示すように、本実施形態のアウターロータ型ブラシレスモータ1は、例えば、自動車のラジエーター(図示せず)の冷却用ファンモータとして用いられる。このような用途の場合、アウターロータ型ブラシレスモータ1の回転軸6には、冷却ファンFが取り付けられるとともに、自動車のラジエーターシュラウド(図示せず)に取り付けられる。
【0019】
冷却ファンFは、樹脂から形成され、略有底円筒形状のファンボス部F1と、ファンボス部F1の外周面から半径方向外側に一体に突出形成した複数のフィンF2とを備える。ファンボス部F1の中央には中空円環形状の取り付け部F3が形成されており、取り付け部F3の内側に回転軸6が挿入されるとともに、回転軸6のねじ部6bにねじ12が締め付け固定されることにより、冷却ファンFは回転軸6に対しで軸方向に固定されている。
【0020】
回転軸6には平面形状の面取り部6aが設けられているとともに、中空円環形状の取り付け部F3の内壁にも面取り部6aに対応する平面部F3mが形成されており、面取り部6aと平面部F3が互いに当接することにより、冷却ファンFは回転軸6に対し、回転方向(円周方向)に固定されている。
【0021】
アウターロータ型ブラシレスモータ1は、ハウジング7と、ハウジング7に取り付けられたステータ2と、ステータ2に対し回転自在に配置されたロータ5とを備える。ハウジング7は、アルミニウムにて略円盤形状に形成され、ハウジング7の外周側面の3箇所にはラジエータシュラウド(図示せず)への取り付けのための3つのフランジ7aが一体形成されている。また、フランジ7aには、ラジエータシュラウド(図示せず)への取り付けに用いられるボルト(図示せず)を挿通させるためのボルト挿通孔7bが形成されている。
【0022】
ステータ2は、磁性材料である薄板の鋼板を積層し形成されたステータコア3と、ステータコア3に装着されたステータコイル4とを備える。ステータコア3は、略円環形状のステータコア本体3aと、ステータコア本体3aの外周面から半径方向外側に放射状に一体突出し、円周方向等ピッチに形成された複数のティース3bとを有する。また、ステータコア3のティース3bの外壁には樹脂製のインシュレータ9が取り付けられている。なお、実施形態では、ティースの数は、「12」である。また、磁性材料である薄板の鋼板は、鉄を主成分としており、その密度ρ0は、約7.8[g/cm]である。
【0023】
ステータコイル4は複数の巻線4aを有し、巻線4aは導線4bが各ティース3bの周りに、インシュレータ9を介してそれぞれ集中巻きにて巻回され形成される。複数の巻線4aの数はティースと同数の「12」である。また、巻線4aは、導電4bが各ティース3bの周りに「53回」巻き回されて形成されており、いわゆるターン数は、それぞれ「53」である。
【0024】
ブラケット7の略中心には、円環形状の凸部11がステータ2に向けて一体形成されている。この凸部11の内部に軸受け10が圧入され固定されており、この軸受け10の内部に回転軸6が圧入され固定されることにより、回転軸6は、ブラケット7に固定されたステータ2に対し回転自在に軸支される。
【0025】
ロータ5は、円筒形状のロータヨーク5aと、ロータヨーク5aの内壁に取り付けられた複数のマグネット5bと、ロータヨーク5aの一端に一体形成された底部5bとを有し、ロータ5の形状は、略有底円筒形状に形成されている。なお、複数のマグネット5bは、円筒形状のロータヨーク5aの内壁に円周方向等ピッチに取り付けられている。
【0026】
ロータ5のロータヨーク5aは、ステータ2の外側にティース3bに対向して配置される。また、ロータ5の底部5bの中央には、中空円環形状のボス部5cが形成されており、回転軸6の外壁とボス部5cの内壁とが圧入固定されることで、ロータ5は回転軸6に対し固定される。なお、本実施形態では、複数のマグネットの数は「8」である。
【0027】
上記のように、回転軸6は、ブラケット7に固定されたステータ2に対し回転自在に軸支されているため、回転軸6に固定されたロータ5は、回転軸6を介してステータ2に対し回転自在に配置される。
【0028】
次に、各巻線4aを形成する導線4bについて、図3に基づき説明する。図3は、導線の断面図である。導線4bは、金属性の線材から形成され、断面形状が円形状の導体部4cと、導体部4cの外周面に被覆された合成樹脂からなる絶縁部4dとを有する。
【0029】
本実施形態では、巻線4aを形成する導体部4cはアルミニウムを主成分とし、その密度ρ1は、約2.7[g/mm]である。なお、導体部4cの密度ρ1は、約2.7[g/mm]に限定されないことは言うまでもなく、望ましくは2.5[g/mm]以上3.0[g/mm]以下であればよい。また、本実施形態では、導体部4cの外周面に被服された絶縁部4dの組成は、ポリアミドイミド樹脂である。
【0030】
さらに、本実施形態のアルミニウムを主成分とする導体部4cの比電気抵抗は、温度20℃において、約2.78×10−8[Ω・m]である。なお、導体部4cの比電気抵抗は、約2.78×10−8[Ω・m]に限定されないことは言うまでもなく、望ましくは温度20℃において、2.5×10−8[Ω・m]以上3.0×10−8[Ω・m]以下であればよい。
【0031】
本実施形態では、導体部4cの外径D2は、約0.9[mm]である。絶縁部4dの膜圧が約20[μm]であるため、導体部4cに絶縁部4dを被覆した導線4bの外径D1は、約0.92[mm]である。なお、導体部4cの外径D2および導線4bの外径D1は、上記の数値に限定されないことは言うまでもなく、本発明の趣旨を変更しない程度にて変更可能である。また、本実施形態では、断面の形状が略円形状の導線を用いたが、これに限られず、断面の形状が略方形状の導線であってもよい。このように断面の形状が略方形状の導線を用いることにより、いわゆる巻線の占積率を増加させることができる。
【0032】
次に、図4に基づきステータコア3に設けられた各ティース3bへの導線4bの巻装方法について説明する。図4に示すように、ロータ5がステータ2に対し回転自在に配置される以前に、導線4bは、ステータコア3に設けられた各ティース3bに集中巻きにて巻き回される。
【0033】
上述のように、ステータコア3のティース3bの外壁には樹脂製のインシュレータ9が取り付けられており、インシュレータ9を介し、インシュレータ9の外側からティース3bの周りに導線4bが巻き回される。
【0034】
ステータコア本体3aの外周面から半径方向外側に突出した各ティース3bの互いに隣接するティース3b、3bの間にはスリット3cが形成される。このスリット3cにティース3bの半径方向外側から巻線ノズル12が挿入され、巻線ノズル12が一つのティース3bの周りを旋回し、旋回しつつ巻線ノズル12から送り出される導線4bにより巻線4aが集中巻きにて形成される。
【0035】
一つのティース3bへの巻線4aの巻装が終了すると、巻線ノズル12は、巻線4aの巻装が完了したティース3bに隣接するティース3bへの巻線4aの巻装を行う。この工程を、本実施形態では、この巻装工程を12回繰り返すことにより、12あるティース3bへの巻線4aの巻装を行い、これらの巻線4aによりステータコイル4が形成される。
【0036】
次に、本発明の実施形態におけるアウターロータ型ブラシレスモータの作用効果について説明する。上述のように本発明の実施形態では、ステータコイル4の巻線4aに用いられている導線4bの導体部4cを形成する線材の密度ρ1は、約2.7[g/mm]である。一方、ステータコイルの巻線に用いられている導線の線材として広く用いられている銅の密度ρ2は、約8.9[g/mm]である。
【0037】
導線4bの外周に形成されている合成樹脂の絶縁部4dの質量は、導体部4cの質量に比して非常に小さい。そのため、本実施形態の導線4bの質量は、銅を線材として使用した線材の質量に対し、約3分の1以下である。
【0038】
そのため、本実施形態のアウターロータ型ブラシレスモータ1では、導線4bを使用することにより、銅を線材として使用した場合の導線に比してステータコイルの質量を約20%低減させることができる。
【0039】
一方、本実施形態のステータコア3に用いられる鉄を主成分とする鋼板の密度ρ0は約7.8[g/mm]であり、鋼板の密度ρ0に対する導線4bの導体部4cを形成する線材の密度ρ1約半分以下である(ρ1≦0.5×ρ0)。なお、上述のように導体部4cに用いられる線材の密度ρ1は、望ましくは2.5[g/mm]以上3.0[g/mm]以下であればよいことから、鋼板の密度ρ0に対する線材の密度ρ1の値aは、望ましくは、0.2×ρ0≦ρ1≦0.5×ρ0の関係であればよく、さらに望ましくは、鋼板の密度ρ0に対する線材の密度ρ1の値aは、0.3×ρ0≦ρ1≦0.4×ρ0の関係であればよい。
【0040】
このように、本実施形態のステータコア3に用いられる鉄を主成分とする鋼板の密度ρ0は、鋼板の密度ρ0に対する導線4bの導体部4cを形成する線材の密度ρ1約半分以下であり、ステータ2の質量に占めるステータコイル4の質量の割合小さくなる。以上のように、線材の密度ρ1の導線4bにてステータコイル4を形成することにより、本発明のアウターロータ型ブラシレスモータ1は、モータ全体として軽量化が図られ、線材として銅を用いた場合に比べ、その質量が大幅に軽減されている。
【0041】
さらに、ステータコイルの巻線に用いられている導線の導体部を形成する線材の比電気抵抗は、約2.78×10−8[Ω・m]である。一方、ステータコイルの巻線に用いられている導線の線材として広く用いられている銅の比電気抵抗は、約1.7×10−8[Ω・m]であり、本発明では、銅に対し比電気抵抗の高い線材が用いられている。
【0042】
そのため、本発明の導線により形成されるステータコイルの電気抵抗は、銅の導線により形成されるステータコイルの電気抵抗よりも大きくなり、アウターロータ型ブラシレスモータがロックされたときに流れるロック電流は小さくなる。
【0043】
さらに、アウターロータ型ブラシレスモータ1は、巻線4aが巻き回されるティース3bが半径方向外側に向けて放射状に突出している。一方、インナーロータ型ブラシレスモータは、巻線が巻き回されるティースが半径方向内側に向けて放射状に突出している。そのため、アウターロータ型ブラシレスモータ1では、互い隣接するティース3bの間に形成されたスリット3cに、半径方向外側から巻線ノズルを挿入することが可能である。一方、インナーロータ型ブラシレスモータは、半径方向内側から巻線ノズルを挿入せざるを得ない。
【0044】
半径方向内側から巻線ノズルを挿入する場合に比べ、半径方向外側から巻線ノズルを挿入する場合は、巻線ノズルの可動範囲が広くなり巻線ノズルの取り回しが格段に容易となる。そのため、アウターロータ型ブラシレスモータ1は、インナーロータ型ブラシレスモータに比べステータコア3へのステータコイル4の装着が非常に容易である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】冷却ファンが取り付けられた状態の本実施形態のアウターロータ型ブラシレスモータの側面図を示す。
【図2】図1にて断面A−Aにて示す本実施形態のアウターロータ型ブラシレスモータの横断面図を示す。
【図3】本実施形態の導線の断面図である。
【図4】ステータコアに設けられた各ティースへの導線の巻装方法について説明する図である。
【符号の説明】
【0046】
1 アウターロータ型ブラシレスモータ
2 ステータ
3 ステータコア
3a ステータコア本体
3b ティース
3c スリット
4 ステータコイル
4a 巻線
4b 導線
4c 導体部
5 ロータ
5a ロータヨーク
5b マグネット
6 回転軸
N 巻線ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性材料から形成され、円環形状のステータコア本体と、前記ステータコア本体の外周面から半径方向外側に放射状に一体突出し、円周方向等ピッチに形成された複数のティースとを有するステータコアと、前記ステータコアに装着されるステータコイルとを備えるステータと、
円筒形状に形成され、前記ステータの外側に前記ティースに対向して配置されたロータヨークと、前記ティースに対向し前記ロータヨークの内壁に円周方向等ピッチに取り付けられた複数のマグネットとを有し、前記ステータに対し回転自在に配置されたロータとを備えるアウターロータ型ブラシレスモータにおいて、
前記ステータコイルは、密度ρ1が2.5[g/mm]以上3.0[g/mm]以下であるとともに、前記ステータの前記ステータコアを形成する磁性材料の密度ρ0に対し、前記密度ρ1は0.2×ρ0≦ρ1≦0.5×ρ0の関係にあり、かつ、比電気抵抗が2.5×10−8[Ω・m]以上3.0×10−8[Ω・m]以下の金属製の線材から形成される導体部と、前記導体部の外周面に被覆された合成樹脂からなる絶縁部とを有する導線を、前記ロータが前記ステータに対し回転自在に配置される以前において、放射状に突出した前記ティースの径方向外側から、互い隣接するティースの間に形成されたスリットに巻線ノズルが挿入され、前記巻線ノズルにより各ティースの周りに集中巻きにて巻回され形成される複数の巻線を有することを特徴とするアウターロータ型ブラシレスモータ。
【請求項2】
前記巻線を形成する導線の前記導体部はアルミニウムを主成分とし、前記ステータコアは鉄を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載のアウターロータ型ブラシレスモータ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−130831(P2010−130831A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304331(P2008−304331)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】