説明

アクセル装置

【課題】 アクセルペダルの踏力差を発生するヒステリシス特性を変更可能なアクセル装置を提供する。
【解決手段】 レバー55は、ローラ52を介してペダルアーム51の回動をヒステリシス回転軸41に伝達する。レバー55の端部551に形成されているねじ部552は、ヒステリシス回転軸41の端部411に形成されているねじ孔411aと結合する。レバー55のヒステリシス回転軸41に対する取付角度を変更するとき、ねじ部552に加えられる締付トルクを変更する。このとき、ヒステリシス回転軸41の回転角は、ヒステリシスばね43の端部431と端部432との相対位置の変化に一対一で対応している。したがって、レバー55のヒステリシス回転軸41に対する取付角度を変更すると、ヒステリシスばね43が発生する付勢力を変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者によるアクセルペダルの踏込量に応じて車両の加速状態を制御するアクセル装置が知られている。アクセル装置は、アクセルペダルの回転と連動するロータを備える。ロータに作用する摩擦力はアクセルペダルの回転角度および回転角度の増減状態によって変化する。アクセル装置は、ローラに作用する摩擦量の変化によりアクセルペダルの踏込時に必要な踏力とアクセルペダルの戻し時に必要な踏力とに差が発生するヒステリシス特性を有する。特許文献1には、ロータに付勢力を与えるスプリングのセット長さを変更可能なアクセル装置が記載されている。これにより、特許文献1に記載のアクセル装置では、ロータに作用する摩擦力の経年変化を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−253869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のアクセル装置では、多数の部品を使用してヒステリシス機構を構成している。したがって、構成する部品の寸法がばらつくことによってヒステリシス機構で発生するヒステリシス特性に個体差が生じる。
【0005】
本発明の目的は、アクセルペダルの踏力差を発生するヒステリシス特性を変更可能なアクセル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明によると、アクセル装置は、車体に取り付け可能な支持部材、一端を支持部材に回転可能に支持されるペダル部、第1回転軸、第1戻しばね、回転角検出手段、第2回転軸、第2戻しばね、ヒステリシス機構部、リンク機構部、レバー、および取付角度変更手段を備えている。支持部材は、ペダル部の回転に連動する第1回転軸、第1回転軸に軸平行に設けられる第2回転軸を支持する。回転角検出手段は、支持部材に対する第1回転軸の相対回転角を検出する。第1戻しばねは、運転者の踏込による回転力が伝達されるとアクセル開方向に第1回転軸の回動を許容し、回転力が解除されると第1回転軸の回動をアクセル閉方向に戻す第1付勢力を発生する。第2戻しばねは、運転者の踏込による回転力が伝達されるとアクセル開方向に第2回転軸の回動を許容し、回転力が解除されると第2回転軸の回動をアクセル閉方向に戻す第2付勢力を発生する。ヒステリシス機構部は、第2回転軸に作用する回転力が増大するとき第1回転軸の直前の回転角に対応するアクセル開度を維持するように作用し、第2回転軸に作用する回転力が解除されるとき第1回転軸の直前の回転角に対応するアクセル開度を維持するように作用するヒステリシス特性を発生する。リンク機構部は、第1回転軸の回転角と前記第2回転軸の回転角とが一対一対応に決まるように連動する。
【0007】
レバーは、第2回転軸の一端に接続する。取付角変更手段は、第2回転軸に対するレバーの取付角度を変更可能である。アクセル装置は、取付角度変更手段によりヒステリシス特性を変更する。
【0008】
アクセル装置は、第2回転軸の回転力が増大するとき第1回転軸の直前の回転角に対応するアクセル開度を維持しようとする。これによって、アクセルペダルの踏込時に車両が急加速することを防止する。一方、アクセル装置は、第2回転軸の回転力が解除されるとき第1回転軸の直前の回転角に対応するアクセル開度を維持しようとする。これによって、アクセルペダルの戻し時に車両が急減速することを防止する。ヒステリシス機構部は、このように第1回転軸の直前の回転角に対応するアクセル開度を維持するように作用するヒステリシス特性を発生する。
【0009】
運転者の踏込による第2回転軸の回転力の増減において、第2戻しばねは第2回転軸に対してアクセルの開方向、または閉方向のいずれかの方向に付勢する第2付勢力を発生する。第2付勢力の大きさは、第2戻しばねの両端部の相対位置により決定される。すなわち、第2戻しばねが付勢力を発生しない状態での両端部の相対位置に対する当該両端部の相対位置の変化分から第2付勢力が算出される。また、第2付勢力が作用する第2回転軸の回転角は第2戻しばねの両端部の相対位置の変化分に一対一対応している。請求項1に記載のアクセル装置は、第2回転軸に対するレバーの取付角度を変更する取付角度変更手段を備えている。第2回転軸に対するレバーの取付角度を変更する場合、第2戻しばねの両端部は一定の相対位置となっている。これにより、一定の相対位置となっている両端部を有する第2戻しばねに対してレバーの取付角度を変更する。なお、一定の相対位置となっている両端部として、第2戻しばねが第2付勢力を発生しない相対位置にある両端部が望ましい。アクセルの全閉状態から全開状態までのレバーの可動角度の範囲は、第2回転軸に対するレバーの取付角度を変更するか否かに関わらず、一定である。したがって、第2回転軸に対するレバーの取付角度を変更することにより、レバーの可動角度の範囲での第2戻しばねの両端部の位置が変更される。請求項1に記載のアクセル装置では、第2回転軸に対するレバーの取付角度を変更することにより、ヒステリシス特性を変更することができる。
【0010】
また、請求項1に記載のアクセル装置では、ヒステリシス機構部を構成する部品のばらつきによって発生するヒステリシス特性のばらつきを取付角度変更更手段により変更することができる。したがって、ヒステリシス機構部を構成する部品の設計公差を従来に比べて大きくとることができる。
【0011】
また、これまでヒステリシス特性の検査において不適合であったアクセル装置は、組み直しを必要とすることから、製造工程の工数が増えることとなる。しかしながら、請求項1に記載のアクセル装置では、製造工程の最終段階において取付角度変更手段によりヒステリシス特性を変更することができる。これにより、組み直しのための工数が不要となり、製造コストを低減することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によると、取付角度変更手段は、第2回転軸のねじ孔部、およびねじ孔部のねじ孔に結合されるレバーのねじ軸である。
レバーの第2回転軸と接続する端部にはねじ軸が形成されている。当該ねじ軸は、第2回転軸のねじ孔部に形成されるねじ孔に結合している。したがって、第2回転軸に対するレバーの取付角度を変更する場合、ねじ軸のねじ孔に対する結合状態を変更する。
【0013】
請求項3に記載の発明によると、第2回転軸に対するレバーの取付角度を変更するとき、ねじ軸に加えられる締付トルクを変更する。
レバーのねじ軸は、第2回転軸のねじ孔に結合している。第2回転軸に対するレバーの取付角度を変更するとき、ねじ軸に加えられる締付トルクを変更する。締付トルクを増やすことにより、第2回転軸に対して時計回りの方向に回転し、第2回転軸に対するレバーの取付角度が変更される。一方、締付トルクを減らすことにより、第2回転軸に対して反時計回りの方向に回転し、第2回転軸に対するレバーの取付角度を変更する。したがって、レバーの可動角度の範囲で第2戻しばねの両端部の位置を変更すると、ねじ軸に加えられる締付トルクを変更し、ヒステリシス特性を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態によるアクセル装置の全体を示す部分断面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるアクセル装置の要部拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるアクセル装置の側面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるアクセル装置の側面図であって、カバーを外した場合の側面図である。
【図5】(a)本発明の一実施形態によるアクセル装置のレバーの位置を表す模式的側面図、(b)(a)とは異なるレバーの位置を表す模式的側面図、である。
【図6】本発明の一実施形態によるアクセル装置におけるレバーの締付トルクとレバーの角度との関係を表す模式図である。
【図7】(a)本発明の一実施形態によるアクセル装置におけるヒステリシス機構部でのアクセルペダルの回転角度と荷重の関係を示す模式図、(b)戻り機構部でのアクセルペダルの回転角度と荷重の関係を示す模式図、(c)アクセル装置全体でのアクセルペダルの回転角度と荷重の関係を示す模式図、である。
【図8】(a)本発明の一実施形態によるアクセル装置のヒステリシス機構部でのスプリングセット角度と荷重との関係を示す模式図、(b)アクセル装置全体でのアクセルペダルの回転角度と荷重との関係を示す模式図、である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態によるアクセル装置について図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態によるアクセル装置を図1から図8に示す。
図1に示すようにアクセル装置1は、アクセルペダル10、アクセルペダルロッド15、支持部20を備える。アクセル装置1は、車両に搭載され、運転者によるアクセルペダル10の踏込量に応じて車両の加速状態を制御する。アクセル装置1は、アクセルペダル10の回転角度に関する情報を車両の電子制御装置(ECU)に伝達し、その回転角度情報に基づいてスロットル装置を制御する。これにより、車両の加速状態が制御される。以下、図1から図4までの上側を「上」、図1から図4までの下側を「下」、図1および図2の右側を「右」、図1および図2の左側を「左」として説明する。
【0016】
アクセルペダル10は、アクセルペダルロッド15の一端に設けられる。アクセルペダルロッド15の他端は図1に示すようにカバー25の左側側面から突出する連結部材26の一端にねじ27を用いて固定される。アクセルペダルロッド15は、特許請求の範囲に記載の「ペダル部」に相当する。
【0017】
次に支持部20の構造について図2から図4までを用いて説明する。図2は、図4に示す支持部20のII−II断面図である。図3は、図2のIII矢視図である。図4は、図3において支持部20からカバー25を取り外した状態での側面図である。
【0018】
支持部20は、戻り機構部30、ヒステリシス機構部40、リンク機構部50、「回転角検出手段」としての回転角検出センサ57、ターミナル部60、カバー25等を備えている。図2に示すように、支持部20の外郭は、第1ハウジング21,第2ハウジング22、第3ハウジング23、およびカバー25により形成されている。戻り機構部30は、第1ハウジング21および第3ハウジング23により形成される空間に収容されている。また、ヒステリシス機構部40は、第1ハウジング21および第2ハウジング22により形成される空間に収容されている。戻り機構部30およびヒステリシス機構部40の詳細は後述する。
【0019】
第1ハウジング21は、略平板状の基部211と2つの略有底円筒を上下方向に隣接した形状からなる収容部212から構成されている。第1ハウジング21は、内部に金属がインサートされた樹脂からなる。基部211には、支持部20を「車体」としての車体壁面100に取り付けられるためのボルト孔211aが支持部20の上部に2箇所、支持部20の下部に1箇所形成されている。これにより、図3および図4に示すようにアクセル装置1は、3本のボルト11によって車体壁面100に取り付けられる。
【0020】
第1ハウジング21の収容部212は、基部211に対して車体に取り付けられる側とは反対側、すなわち図2において紙面の手前に設けられる。図2に示すように、収容部212の底部212aは支持部20の右側に位置しており、底部212aのさらに右側にはターミナル部60が隣接する。収容部212は、左方向に2つの開口を有する。収容部212の上部212bは、収容部212の上側の開口を形成する。上部212bの底部212aと接続する側とは反対側の端部212cは、第2ハウジング22の端部221と当接する。また、収容部212の下部212dは、収容部212の下側の開口を形成する。下部212dの底部212aと接続する側とは反対側の端部212eは、第3ハウジング23の端部231と当接する。
【0021】
第2ハウジング22は、図2の右方向に開口を有する断面が略コの字状の有底円筒形状をなしている。第2ハウジング22の開口側の端部221は、前述したように上部212bの端部212cと当接する。これにより、第1ハウジング21および第2ハウジング22によって収容室213が形成される。収容室213には後述するヒステリシス機構部40が収容される。
【0022】
第2ハウジング22には、図4に示すように外縁に第2取付部222を3つ有している。3つの第2取付部222のうち、2つの第2取付部222は第2ハウジング22の上部外縁部に形成されている。また、1つの第2取付部222は、第2ハウジング22の下部外縁に形成されている。第2取付部222は、第1ハウジング21の第1取付部217との締付固定に用いられる。
【0023】
第3ハウジング23は、図2の右方向に開口を有する断面が略コの字状の有底円筒形状をなしている。第3ハウジング23は、第2ハウジング22の下方に第2ハウジング22に隣接するように設けられる。第3ハウジング23の端部231は、前述したように下部212dの端部212eと当接する。これにより、第1ハウジング21および第3ハウジング23により収容室214が形成される。収容室214には戻り機構部30が収容される。第3ハウジング23は、図4に示すように外縁に第3取付部232を2つ有している。第3取付部232には図示しないボルト孔が形成されており、第3ハウジング23は当該ボルト孔を介したボルトにより第1ハウジング21に固定される。
【0024】
次に、戻り機構部30について説明する。
戻り機構部30は、支持部20の下部に位置する。具体的には、第1ハウジング21および第3ハウジング23により形成される収容室214に収容されている。戻り機構部30は、戻し回転軸31、戻しばね32、軸受け33、ロータ34等を備える。戻り機構部30は、アクセルペダル10の踏込によるアクセルペダル10の回転角度に応じて踏込方向とは反対方向にアクセルペダル10に付勢力を作用する。これにより、アクセルペダル10は、運転者がアクセルペダル10を踏み込んでいない場合、所定の回転位置(全閉位置)に保持される。
【0025】
「第1回転軸」としての戻し回転軸31は、支持部20に対して水平方向に設けられる。戻し回転軸31の左側の端部311は、第3ハウジング23に形成されている貫通孔233に挿通されている。貫通孔233の内壁に設けられる軸受け33は、戻し回転軸31の端部311を受ける。貫通孔233に挿通される端部311は、ペダルアーム51の一端を貫通し、アクセルペダルロッド15に接続する連結部材26の一端に固定される。また、戻し回転軸31の右側の端部312は、収容部212の下部212dに当接するロータ34に固定されている。運転者のアクセルペダル10の踏込によりアクセルペダル10が回転する場合、戻し回転軸31はアクセルペダル10の回転角度と同じ角度回転する。また、戻し回転軸31が回転することにより、ロータ34もアクセルペダル10の回転角度と同じ角度回転する。
【0026】
「第1戻しばね」としての戻しばね32は、金属部材を螺旋状に形成したねじりばねである。ねじりばねは、ねじりばねの中心軸に対する両端部の角度(以下、「スプリングセット角度」という)に応じて付勢力を発生する。具体的には、付勢力を発生しない状態での両端部の角度(以下、「自由角度」という)と両端部を近づけた場合の両端部とねじりばねの中心軸とにより形成される角度(以下、「付勢力発生角度」という)との差から当該ねじりばねの付勢力が算出される。第1実施形態の戻しばね32は、付勢力発生角度を有する状態で戻り機構部30に設けられる。
【0027】
戻しばね32は、図2に示すように螺旋形状の内部に戻し回転軸31を軸方向に沿って収容する。戻しばね32の端部321は第3ハウジング23の内底壁234に形成されている嵌合孔234aに嵌合する。戻しばね32のもう一方の端部322は、ロータ34に接続される。
【0028】
ロータ34は、略円筒状をなしている。ロータ34には戻し回転軸31が接続する。ロータ34と接続する戻し回転軸31の外側には、戻しばね32の端部322がロータ34に接続される。これにより、戻し回転軸31が回転すると、ロータ34が回転するとともに、戻しばね32の端部322が戻し回転軸31の回転方向に移動する。ロータ34の端部341は、第1ハウジング21の収容部212の底部212aに当接する。ロータ34は、端部341の内壁にS極とN極のマグネット342をそれぞれ1つずつ対角線上に有している。マグネット342は、ロータ34の回転に合わせて回転する。
【0029】
回転角検出センサ57は、ロータ34に隣接して設けられる。回転角検出センサ57は、ロータ34の内部に突出する突出部571を有している。突出部571には、図示しないホールICが突出部571の対角上に1個ずつ合計2個設けられる。回転角検出センサ57は、2つのホールICを用いてロータ34の回転角度を検出する。具体的には、運転者のアクセルペダル10の踏込によりアクセルペダル10が回転する場合、アクセルペダル10の回転角度と同じ角度ロータ34が回転する。このとき、ロータ34の内壁に設けられているマグネット342も同じ角度回転する。これにより、突出部571周辺の磁界が変化する。回転角検出センサ57のホールICは、磁界の変化を電気信号に変換する。当該電気信号は、ターミナル部60のコネクタ61を経由して車両に搭載されている電子制御装置(以下、「ECU」という)に伝達される。これにより、ECUは、アクセルペダル10の回転位置を検出可能である。このように,回転角検出センサ57は、アクセルペダル10の回転位置を検出するのに用いられる。
【0030】
次にヒステリシス機構部40について説明する。
ヒステリシス機構部40は、支持部20の上部に位置する。具体的には、ヒステリシス機構部40は、第1ハウジング21および第2ハウジング22により形成される収容室213に収容されている。ヒステリシス機構部40は、ヒステリシス回転軸41、ペダルロータ42、ヒステリシスばね43、軸受け45等を備える。ヒステリシス機構部40は、運転者がアクセルペダル10を踏み込む場合に必要な踏力とアクセルペダル10の踏み込みを解除する場合に必要な踏力とに差を設ける。これにより、運転者によるアクセルペダル10の操作性が向上する。
【0031】
「第2回転軸」としてのヒステリシス回転軸41は、支持部20に対して水平方向に設けられる。ヒステリシス回転軸41の左側の端部411は、第2ハウジング22に形成される貫通孔223に挿通される。第2ハウジング22から突出する端部411には、左方向に開口を有するねじ孔411aが形成される。ねじ孔411aは、後述するリンク機構部50のレバー55に形成されるねじ部552と結合する。また、ヒステリシス回転軸41の右側の端部412は、第1ハウジング21の底部212aに形成されている凹部215に挿入される。貫通孔223および凹部215のそれぞれ内壁にはヒステリシス回転軸41を受けるための軸受け45が設けられる。ヒステリシス回転軸41は、レバー55の回転に連動して回転する。このとき、ヒステリシス回転軸41の外壁に当接しているペダルロータ42もヒステリシス回転軸41の回転角度と同じ角度で回転する。
【0032】
ペダルロータ42は、2つの径が異なる中空円柱を軸方向に接続した形状をなしている。ペダルロータ42の内部にはヒステリシス回転軸41が挿通される。ペダルロータ42の大径部421は、ヒステリシス回転軸41の端部411側に設けられる。大径部421の第2ハウジング22側の壁面421aには、環状の第2摩擦板424が設けられる。第2摩擦板424は、第2ハウジング22の内底壁224に当接する。これにより、ペダルロータ42は、第2摩擦板424を介して第2ハウジング22と摺動可能である。また、大径部421の第1ハウジング21側の壁面421bには小径部422が接続する。また、壁面421bにおいて接続する小径部422の径外方向には、傾斜面を有するはす歯425が周方向に複数形成されている。はす歯425は、ロータ44の第2ハウジング22側の壁面441に複数形成されているはす歯442と当接する。ペダルロータ42の小径部422は、ヒステリシス回転軸41の第1ハウジング21側に設けられている。小径部422の第1ハウジング21側には、ロータ44が設けられる。
【0033】
小径部422に外接するロータ44は環状に形成されている。前述したように、ロータ44の第2ハウジング22側の壁面441にははす歯442が複数形されている。一方、ロータ44の第1ハウジング21側の壁面443には、環状の第1摩擦板423が設けられている。第1摩擦板423は、第1ハウジング21の内底壁216に当接している。これにより、ロータ44は、第1摩擦板423を介して第1ハウジング22と摺動可能である。
【0034】
「第2戻しばね」としてのヒステリシスばね43は、ペダルロータ42の径外方向に設けられている。ヒステリシスばね43は、戻しばね32と同じくねじりばねである。ヒステリシスばね43を形成する金属線の線径は、戻しばね32の線径より大きい。また、本実施形態のヒステリシスばね43は、付勢力が発生する付勢力発生角度を有する状態でヒステリシス機構部40に設けられる。
【0035】
ヒステリシスばね43の端部431は、第2ハウジング22の内底壁224に形成されている嵌合孔224aに嵌合する。ヒステリシスばね43のもう一方の端部432は、ロータ44に形成されている貫通孔444に挿通される。
【0036】
次にリンク機構部50について説明する。リンク機構部50は、図4に示すようにペダルアーム51、ローラ52、レバー55などから構成される。リンク機構部50は、戻し回転軸31の回転運動をヒステリシス回転軸41に伝達する。
【0037】
ペダルアーム51は、金属から形成されている。図4に示すように、ペダルアーム51の端部511は戻し回転軸31に固定される。ペダルアーム51の端部512は、ローラ52に摺動可能に当接する。また、ペダルアーム51は、アクセルペダル10の回転角度を規制する。具体的には、ペダルアーム51の戻し回転軸31を中心とする回転方向には全閉ストッパ225および全開ストッパ226が第2ハウジング22から突出して形成されている。アクセルペダル10が踏み込まれておらず全閉位置である場合、ペダルアーム51は全閉ストッパ225に当接する(図4の実線参照)。このとき、戻り機構部30の戻しばね32は、前述したように自由角度ではなく、ペダルアーム51を戻し回転軸31を中心として図4の反時計回りに回転させる付勢力を有している。しかしながら、ペダルアーム51は全閉ストッパ225に当接するため、これ以上回転しない。また、図4の破線で示したようにアクセルペダル10が踏み込まれて全開位置である場合、ペダルアーム51は全開ストッパ226に当接する。これにより、ペダルアーム51はこれ以上戻し回転軸31を中心とする時計回りに回転しない。なお、全閉ストッパ225および全開ストッパ226は、第2ハウジング22にインサートされている金属を含む樹脂により形成される。
【0038】
ローラ52は、レバー55の一端に回転可能に設けられている。ローラ52は、ペダルアーム51の戻し回転軸31を中心とした動きに合わせてペダルアーム51に摺動する。
【0039】
レバー55は、前述したようにローラ52を回転可能に支持する。レバー55は、ローラ52を介してペダルアーム51の回動をヒステリシス回転軸41に伝達する。図2に示すように、レバー55のローラ52が設けられている側とは反対側の端部551にはねじ部552が形成されている。「ねじ軸」としてのねじ部552は、ヒステリシス回転軸41の端部411に形成されているねじ孔411aと結合する。レバー55では、ねじ部552のねじ孔411aへの締め込み具合を変更することにより、レバー55のヒステリシス回転軸41への取付角度を変更する。詳細は後述する。
【0040】
カバー25は、図2および図3に示すように支持部20の左側に取り付けられる。カバー25の内部には、リンク機構部50が収容される。また、カバー25には連結部材26が突出するための貫通孔251が形成されている。戻し回転軸31に接続する連結部材26は、貫通孔251に挿通され、図2に示すようにカバー25の外部に突出する。カバー25は、リンク機構部50、戻り機構部30、ヒステリシス機構部40に異物が侵入することを防ぐ。
【0041】
次に図5および図6に基づいて、ヒステリシス回転軸41に対するレバー55の取付角度を変更する場合のヒステリシス特性の変更について説明する。
図5には、図4と同様に支持部20を左側面からみた模式図を示す。図5(a)には、ヒステリシスばね43が自由角度のとき、レバー55の位置が直線241上にあるときのレバー55の位置、およびアクセルペダル10が全閉状態のときのレバー55とペダルアーム51との位置関係を示す。以下、図5(a)のレバー55とヒステリシス機構部40との関係の状態をパターン1とする。アクセルペダル10が全閉状態のとき、ペダルアーム51は全閉ストッパ225に当接する。このとき、ペダルアーム51に摺動しながら回転するレバー55は直線24上に位置する。図5(a)におけるヒステリシスばね43が自由角度のときのレバー55は、前述したように直線241上に位置する。これにより、パターン1において、アクセルペダル10が全閉状態のとき、アクセルペダル10に作用する付勢力は、端部551の中心551aを角の頂点として直線24と直線241とが形成する角度θ1とヒステリシスばね43のばね定数との積になる。
【0042】
次に、レバー55において、ねじ部552のねじ孔411aへの締付トルクを小さくする。これにより、ヒステリシスばね43が自由角度の状態でのレバー55の位置が中心551aを中心として反時計回りに回転する。図5(a)の状態からねじ部552のねじ孔411aへの締付トルクを小さくすることにより、レバー55が回転した状態が、図5(b)である。
【0043】
図5(b)には、ヒステリシスばね43が自由角度のとき、レバー55の位置が直線242上にあるときのレバー55の位置、およびアクセルペダル10が全閉状態のときのレバー55とペダルアーム51との位置関係を示す。以下、図5(b)のレバー55とヒステリシス機構部40との関係の状態をパターン2とする。アクセルペダル10が全閉状態のとき、レバー55は直線24上に位置している。これは、図5(a)と同じ位置である。一方、図5(b)におけるヒステリシスばね43が自由角度のときのレバー55は、直線242上に位置する。これにより、パターン2において、アクセルペダル10が全閉状態のとき、アクセルペダル10に作用する付勢力は、端部551の中心551aを角の頂点として直線24と直線242とが形成する角度θ2とヒステリシスばね43のばね定数との積になる。
【0044】
図5に示すように、角度θ2は角度θ1に比べて大きい。したがって、アクセルペダル10が全閉状態のとき、アクセルペダル10に作用する付勢力は、パターン1に比べてパターン2の方が大きくなる。
【0045】
図5では、アクセルペダル10が全閉状態のときのアクセルペダル10に作用する付勢力について説明したが、アクセルペダル10が全開状態のときのアクセルペダル10に作用する付勢力についても同様である。アクセルペダル10の全閉状態から全開状態までの回転角度θの角度範囲θ0は、パターン1およびパターン2では変化しない。したがって、パターン1での全開状態のアクセルペダル10に作用する付勢力は、角度θ1および角度範囲θ0との合計値とヒステリシスばね43のばね定数とから算出される。また、パターン2での全開状態のアクセルペダル10に作用する付勢力は、角度θ2および角度範囲θ0の合計値とヒステリシスばね43のばね定数とから算出される。前述したように角度θ2は、角度θ1に比べて大きいことから、全開状態のアクセルペダル10に作用する付勢力は、パターン1に比べてパターン2の方が大きくなる。
【0046】
図6にレバー55のねじ部552のねじ孔411aへの締付トルクと「初期レバー角度」との関係を表す。ここで、「初期レバー角度」とは、アクセルペダル10が全閉状態のときのレバー55の位置とヒステリシスばね43が自由角度のときのレバー55の位置が中心551aを角の頂点として形成する角度をいう。
前述のパターン1を締付トルクの調節可能範囲の最大値とすると、初期レバー角度の調節可能範囲の最小値の角度θ1となる。一方、パターン2を締付トルクの調節可能範囲の最小値とすると、初期レバー角度の調節可能範囲の最小値の角度θ2となる。レバー55のねじ孔411aへの締付トルクを減少させると初期レバー角度は小さくなり、アクセルペダル10に作用する付勢力も小さくなる。
【0047】
(作用)
次にアクセル装置1の作用について図7を用いて説明する。図7(a)は、ヒステリシス機構部40におけるアクセルペダル10の回転角度θに対する回転角度θを維持するために必要な荷重Fを示したグラフである。荷重Fは運転者がアクセルペダル10の回転角度θを維持するために必要な踏力となる。また、図7(b)は、戻り機構部30におけるアクセルペダル10の回転角度θに対する回転角度θを維持するために必要な荷重Fを示したグラフである。また、図7(c)は、図7(a)および(b)で示した荷重Fの合計を表したグラフである。
【0048】
運転者がアクセルペダル10を踏み込んでいない場合、アクセルペダル10は所定の位置にある。すなわち、アクセルペダル10は、ペダルアーム51が当接している全閉ストッパ225により回転が規制される。この位置をアクセルペダル10の回転角度θ=0度とする(図7(a)〜(c)の横軸の原点に相当)。
【0049】
運転者がアクセルペダル10を踏み込むと、アクセルペダル10の回転角度θは大きくなる。すなわち、図7のグラフにおいて横軸の値が大きくなる。このとき、ヒステリシス機構部40では、ヒステリシスばね43のばね定数とアクセルペダル10の回転角度θxに対応するヒステリシスばね43の付勢力発生角度とから算出される荷重に、第1摩擦板423と第1ハウジング21との摩擦力、および第2摩擦板424と第2ハウジング22との摩擦力を加えた荷重Fxが発生する。ヒステリシス機構部40において、ペダルロータ42に形成されているはす歯425とロータ44に形成されているはす歯442とが傾斜面同士で当接しながら噛み合っている。運転者がアクセルペダル10を踏み込むことで、ペダルロータ42とロータ44との間隔が大きくなり、第1摩擦板423と第1ハウジング21との摩擦力および第2摩擦板424と第2ハウジング22との摩擦力が増加する。これにより、第1摩擦板423の第1ハウジング21側の面、および第2摩擦板424の第2ハウジング22側の面には、アクセルペダル10の回転角度θxに応じた大きさの摩擦力が作用する。したがって、ヒステリシス機構部40においては、アクセルペダル10を踏み込む場合、ヒステリシスばね43単体の付勢力より大きい荷重Fxが必要となる(図7(a)参照)。一方、戻り機構部30において、アクセルペダル10の回転角度θxに対応した付勢力が発生する(図7(b)参照)。
【0050】
運転者がアクセルペダル10の踏み込みを解除すると、アクセルペダル10の回転角度θは小さくなる。このとき、図7(a)に示すように、ヒステリシス機構部40では、アクセルペダル10の回転角度θが小さくなる場合、アクセルペダル10の回転角度が大きくなる場合に比べて、アクセルペダル10の回転角度θxを維持するために必要な荷重Fは小さくなる。これは、前述の第1摩擦板423と第1ハウジング21との摩擦力および第2摩擦板424と第2ハウジング22との摩擦力により、ヒステリシスばね43の復元力が相対的に弱められるためである。一方、戻り機構部30において、アクセルペダル10の回転角度θxに対応した付勢力が発生する(図7(b)参照)。
【0051】
上述したヒステリシス機構部40および戻り機構部30におけるアクセルペダル10の回転角度θに対応する荷重Fを合計したグラフが図7(c)である。運転者によるアクセルペダル10の踏み込みによりアクセルペダル10の回転角度θが増加する場合、回転角度θxの大きさに応じてアクセルペダル10の回転角度θxを維持するための荷重Fは増加する。また、運転者がアクセルペダル10の踏み込みを解除する場合、同様に回転角度θxの大きさに応じてアクセルペダル10の回転角度θxを維持するための荷重Fが必要となる。しかしながら、アクセルペダル10の回転角度θが増加する場合と減少する場合を比較すると、同じ回転角度θxであっても回転角度θxを維持するために必要とする荷重Fは異なる。すなわち、回転角度θxにおいて、荷重Fは回転角度θが増加する場合に比べて回転角度θが減少する場合の方が小さい。これにより、運転者がアクセルペダル10を踏み込んだとき、急激にアクセルペダル10の回転角度θが大きくならないため、車両が急激に加速することを防止する。また、運転者がアクセルペダル10の踏み込みを解除した場合、急激にアクセルペダル10の回転角度θが小さくなることはなくなるため、車両が急激に減速することを防止する。
【0052】
本実施形態でのアクセル装置1では、アクセルペダル10の回転角度θに対する荷重Fの大きさを変更するとき、ヒステリシス回転軸41に対するレバー55の取付角度を変更する。アクセル装置1を製作する段階において、製品1ロットの中からアクセル装置1を抜き取り、アクセルペダル10の回転角度θに対する荷重Fの大きさの関係を測定する。このとき、測定された荷重Fの値に基づいてヒステリシス回転軸41に対するレバー55の取付角度を変更する。具体的には、ヒステリシスばね43が自由角度のとき、レバー55のねじ部552のヒステリシス回転軸41のねじ孔411aへの締付トルクを変更する。レバー55のヒステリシス回転軸41に対する取付角度が決定したのち、レバー55をアクセルペダル10が全閉状態となる位置に移動する。これにより、初期レバー角度が決定される。その後、同ロットのアクセル装置に対してもレバー55のねじ部552に加えられる締付トルクを同じように変更することで、1ロット内のアクセル装置のヒステリシス特性を変更する。
【0053】
図8(a)にヒステリシスばね43のスプリングセット角度と荷重Fの関係について示す。
図5(a)のパターン1では、アクセルペダル10の回転によって使用されるヒステリシスばね43のスプリングセット角度は、図8(a)に示す領域になる。一方、図5(b)のパターン2で使用されるスプリングセット角度は、図8(a)に示す領域になる。図8(a)に示すように、パターン1に比べてパターン2の方がスプリングセット角度の最小値は大きくなる。また、スプリングセット角度の最大値もパターン1に比べてパターン2の方が大きくなる。すなわち、アクセルペダル10の踏み込み初期時に必要な踏力はパターン2の方が大きい。また、アクセルペダル10の全開時に必要な踏力もパターン2の方が大きい。なお、使用されるスプリングセット角度の領域はパターン1およびパターン2とも同じ角度範囲である。
【0054】
図8(a)に示したヒステリシスばね43のスプリングセット角度と荷重Fの関係から、図8(b)にはアクセルペダル10の回転角度θに対するアクセルペダル10のそれぞれの回転角度θを維持するために必要な荷重Fとの関係を示した。
図8(b)において、実線はパターン1の場合のアクセルペダル10の回転角度θと荷重Fとの関係、破線はパターン2の場合のアクセルペダル10の回転角度θと荷重Fとの関係を示す。一方、パターン2の場合、アクセルペダル10の全閉状態から全開状態までパターン1に比べて小さな荷重Fでアクセルペダル10を操作する。また、アクセルペダル10の踏み込みを解除する場合も同様である。
【0055】
(効果)
次に一実施形態のアクセル装置1の効果について説明する。
(A)ヒステリシス機構部40は、アクセルペダル10の回転角度に応じて図8(b)に示すようなヒステリシス特性を発生する。このとき、所望のヒステリシス特性を発生させる場合、レバー55の端部551に形成されているねじ部552に加えられる締付トルクを変更する。例えば、パターン1から締付トルクを小さくしてパターン2に変更する場合、初期レバー角度は図5および図6に示すように大きくなる。これによって、アクセルペダル10の踏み込み初期時に必要な踏力はパターン1に比べて大きくなる。また、アクセルペダル10の全開時に必要な踏力もパターン1に比べて大きくなる。したがって、図8(b)に示すように、アクセルペダル10の回転角度θ全域にわたって、パターン1よりパターン2の方がアクセルペダル10操作に必要な踏力は大きくなる。このように、ねじ部552に加えられる締付トルクを調整することにより、アクセル装置1が有するヒステリシス特性を調整することができる。
【0056】
(B)従来、アクセル装置のヒステリシス機構は複数の部品から構成されている。これらの部品が組み立てられることにより当該アクセル装置のヒステリシス特性は決定する。しかしながら、個々の部品がもつ設計公差によって多数の部品から組み立てられたアクセル装置のヒステリシス特性には個体差が発生する。第1実施形態のアクセル装置1では、組み立てた後、検査によってヒステリシス特性が所定の範囲内にない場合、ねじ部552に加えられる締付トルクを変更する。これにより、アクセル装置1は、組み立てた後にヒステリシス特性を変更することができる。したがって、アクセル装置1では、部品の公差が大きい場合でも、所定のヒステリシス特性を有することができる。すなわち、ヒステリシス機構部40を構成する部品の設計公差を従来に比べて大きくとることができる。
【0057】
(C)また、ヒステリシス特性の検査において不適合であったアクセル装置は、これまで組み直しにより工程が増えることとなっていた。しかしながら、第1実施形態のアクセル装置1では、製造工程の最終段階においてねじ部552に加えられる締付トルクを変更することにより、ヒステリシス特性を変更することができる。これにより、組み直しの工程が不必要となり、製造コストを低減することができる。
【0058】
(他の実施形態)
(ア)上述の実施形態では、アクセルペダルロッドは、支持部の左側に設けられていた。しかしながら、アクセルペダルロッドが設けられる位置はこれに限定されない。支持部の右側であってもよい。
【0059】
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 ・・・アクセル装置、
15 ・・・アクセルペダルロッド(ペダル部)、
20 ・・・支持部(支持部材)、
31 ・・・戻し回転軸(第1回転軸)、
32 ・・・戻しばね(第1戻しばね)、
40 ・・・ヒステリシス機構部、
41 ・・・ヒステリシス回転軸(第2回転軸)、
411 ・・・端部(ねじ孔部)
411a ・・・ねじ孔、
43 ・・・ヒステリシスばね(第2戻しばね)、
50 ・・・リンク機構部、
55 ・・・レバー、
552 ・・・ねじ部(ねじ軸)、
57 ・・・回転角検出センサ(回転角検出手段)、
100 ・・・車体壁面(車体)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に取付可能な支持部材と、
一端を前記支持部材に回転可能に支持されるペダル部と、
前記支持部材に回動可能に取り付けられ、前記ペダル部の回転に連動する第1回転軸と、
運転者の踏込による回転力が伝達されるとアクセル開方向に前記第1回転軸の回動を許容し、前記回転力が解除されると前記第1回転軸の回動をアクセル閉方向に戻す第1付勢力が作用する第1戻しばねと、
前記支持部材に対する前記第1回転軸の相対回転角を検出する回転角検出手段と、
前記支持部材に回動可能に前記第1回転軸に軸平行に設けられる第2回転軸と、
運転者の踏込による回転力が伝達されるとアクセル開方向に前記第2回転軸の回動を許容し、前記回転力が解除されると前記第2回転軸の回動をアクセル閉方向に戻す第2付勢力が作用する第2戻しばねと、
前記第2回転軸に作用する回転力が増大するとき前記第1回転軸の直前の回転角に対応するアクセル開度を維持するように作用し、前記第2回転軸に作用する回転力が解除されるとき前記第1回転軸の直前の回転角に対応するアクセル開度を維持するように作用するヒステリシス特性を発生するヒステリシス機構部と、
前記第1回転軸の回転角と前記第2回転軸の回転角とが一対一対応に決まるように連動するリンク機構部と、
前記第2回転軸の一端に取り付けられるレバーと、
前記第2回転軸に対する前記レバーの取付角度を変更可能な取付角度変更手段と、
を備え、
前記取付角度変更手段により前記ヒステリシス特性を変更することを特徴とするアクセル装置。
【請求項2】
前記取付角度変更手段は、前記第2回転軸のねじ孔部、および前記ねじ孔部のねじ孔に結合される前記レバーのねじ軸であることを特徴とする請求項1に記載のアクセル装置。
【請求項3】
前記取付角度変更手段は、前記第2回転軸に対する前記レバーの取付角度を変更するとき、前記ねじ軸に加えられる締付トルクを変更することを特徴とする請求項2に記載のアクセル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−250613(P2012−250613A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124431(P2011−124431)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】