説明

アクチュエータおよびタッチパネルディスプレイ装置並びに電子機器

【課題】小型化を図りつつ発生する振動の大きさを確保する上で有利なアクチュエータ、タッチパネルディスプレイ装置並びに電子機器を提供する。
【解決手段】アクチュエータ10は、振動板12と、ハウジング14と、コイル16と、マグネット18と、ヨーク19と、スプリング20と、カバー21と、重量増加部Wとを含んで構成されている。重量増加部材WMはマグネット18の貫通孔1802に収容され固定されている。コイル16のリード部16Bに外部装置から所定の電気信号(電流信号)を供給すると、コイル16による磁界とマグネット18の磁界との磁気相互作用により、コイル16と移動体25の双方が前記軸心方向に相対的に振動することで、振動板12が前記厚さ方向に振動し音響が発生し、同時に、移動体25が前記軸心方向に振動することでその振動はハウジング14に伝達され、ハウジング14が振動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータおよびタッチパネルディスプレイ装置並びに電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯用の電子機器において、ビープ音などの音響(操作音)を発生させるスピーカーや電子機器のケースを振動させる振動発生器が設けられたものがある。
従来、それらスピーカーと振動発生器は別々に設けられていることから、電子機器のケース内でスペースを占有しがちであり、小型化を図る上で不利となる。
そのため、スピーカーの機能と振動発生器の機能を兼ね備えたアクチュエータが提案されている(特許文献1)。
このアクチュエータは、振動板と、振動板が取着されるハウジングと、振動板に取着されたコイルと、コイルの内側に配置されたマグネットと、マグネットを移動可能に支持するスプリングと、マグネットの磁力線をコイルに導く磁気回路を構成する複数の部材(ヨーク部材)と、それらコイル、マグネット、スプリング、ヨークを収容する合成樹脂製のケースとを備え、コイルに所定の電気信号を供給することでコイルとマグネットを相対的に振動させ、振動板を振動させて音響を発生し、かつ、マグネットの振動によりハウジングを振動させるように構成されている。
【0003】
ところで、入力装置ないし入出力装置として用いられるタッチパネルディスプレイ装置は、ソフトウェアによって入力画面を自由に構成できるため、機械的スイッチを用いて構成した入力装置では得られないフレキシビリティを備えており、また、軽量且つコンパクトに構成でき、機械的故障の発生頻度が低いなどの数々の利点を有することから、現在では、比較的大きな各種機械の操作パネルから、非常に小さな携帯機器の入出力装置に至るまで、広く利用されている。
【0004】
多くのタッチパネルディスプレイ装置は、それを操作するユーザの指先が、平坦で滑らかなパネル面に触れるだけであるため、機械的スイッチを用いて構成した入力装置を操作するときに指先に感じるクリック感のような、指先の触覚によるユーザへのフィードバックが存在せず、そのことが装置の操作感を頼りないものにしていた。この点を改善するために、操作するユーザの指先に触覚をフィードバックするようにしたタッチパネルディスプレイ装置が開示されている(特許文献2)。
同公報のタッチパネルディスプレイ装置は、ユーザの指先が接触するタッチパネルを、そのパネル面に対して垂直方向に振動させることによって、ユーザの指先に触覚を発生させるようにしたものである。
【0005】
したがって、上記アクチュエータを上記タッチパネルディスプレイ装置に適用すれば、操作するユーザの指先に触覚を発生させるとともに、例えば、操作音などの音響をも発生させることができる。
【特許文献1】実用新案登録第2570923号公報
【特許文献2】特開2003−288168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した従来のアクチュエータでは、マグネットが振動することでハウジングが振動するため、マグネットの質量が重いほど大きな振動が発生する。
しかしながら、アクチュエータの小型化を図ると、マグネットの体積も小型化されマグネットが軽量化されることから、振動の大きさを確保する上で不利があった。
また、上述した従来のアクチュエータでは、合成樹脂製のケース内にコイル、マグネット、スプリング、複数のヨーク部材を組み込む構成であることから、部品点数が多く、また、組み立てが繁雑であることから小型化、低コスト化を図る上で不利があった。
本発明は、かかる事情に鑑み成されたものであって、本発明の目的は、小型化を図りつつ発生する振動の大きさを確保する上で有利なアクチュエータ、タッチパネルディスプレイ装置並びに電子機器を提供することにある。
また、本発明の目的は、小型化、低コスト化を図る上で有利なアクチュエータを提供することにある。
また、本発明の目的は、操作するユーザの指先に触覚を発生させるとともに音響を発生させることができ、低コスト化、小型化を図る上で有利なタッチパネルディスプレイ装置並びに電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、振動することで音響を発生する振動板と、前記振動板の外縁に取着され前記振動板を支持するハウジングと、前記振動板と前記ハウジングの内側に形成され前記振動板の中央でその厚さ方向に軸心が延在する収容空間と、前記軸心回りに巻回され前記収容空間に臨む前記振動板の面に取着されて前記収容空間に配設されたコイルと、前記収容空間内で前記コイルの半径方向内側の空間またはこの空間の延長上に配置された移動体と、前記移動体を前記収容空間内で前記軸心方向に移動可能に支持するスプリングとを備え、前記コイルに電気信号を供給することで前記コイルと前記移動体を前記軸心方向に相対的に振動させることにより前記振動板を振動させて音響を発生し、かつ、前記移動体の振動により前記ハウジングを振動させるアクチュエータであって、前記移動体に該移動体の重量を増加させる重量増加部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、ディスプレイパネルとその上に配置されたタッチパネルとを有するパネルユニットと、前記タッチパネルに指が接触した際に電気信号を送出する駆動回路と、前記駆動回路の電気信号に基づいて前記パネルユニットを振動させるアクチュエータとを備えたタッチパネルディスプレイ装置であって、振動することで音響を発生する振動板と、前記振動板の外縁に取着され前記振動板を支持するハウジングと、前記振動板と前記ハウジングの内側に形成され前記振動板の中央でその厚さ方向に軸心が延在する収容空間と、前記軸心回りに巻回され前記収容空間に臨む前記振動板の面に取着されて前記収容空間に配設されたコイルと、前記収容空間内で前記コイルの半径方向内側の空間またはこの空間の延長上に配置された移動体と、前記移動体を前記収容空間内で前記軸心方向に移動可能に支持するスプリングとを備え、前記コイルに電気信号を供給することで前記コイルと前記移動体を前記軸心方向に相対的に振動させることにより前記振動板を振動させて音響を発生し、かつ、前記移動体の振動により前記ハウジングを振動させるアクチュエータであって、前記移動体に該移動体の重量を増加させる重量増加部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、ディスプレイパネルとその上に配置されたタッチパネルとを有するパネルユニットと、前記タッチパネルに指が接触した際に電気信号を送出する駆動回路と、前記駆動回路の電気信号に基づいて前記パネルユニットを振動させるアクチュエータとを備えた電子機器であって、振動することで音響を発生する振動板と、前記振動板の外縁に取着され前記振動板を支持するハウジングと、前記振動板と前記ハウジングの内側に形成され前記振動板の中央でその厚さ方向に軸心が延在する収容空間と、前記軸心回りに巻回され前記収容空間に臨む前記振動板の面に取着されて前記収容空間に配設されたコイルと、前記収容空間内で前記コイルの半径方向内側の空間またはこの空間の延長上に配置された移動体と、前記移動体を前記収容空間内で前記軸心方向に移動可能に支持するスプリングとを備え、前記コイルに電気信号を供給することで前記コイルと前記移動体を前記軸心方向に相対的に振動させることにより前記振動板を振動させて音響を発生し、かつ、前記移動体の振動により前記ハウジングを振動させるアクチュエータであって、前記移動体に該移動体の重量を増加させる重量増加部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コイルによる磁界とマグネットの磁界との磁気相互作用により、コイルと移動体の双方が前記軸心方向に相対的に振動する。コイルが前記軸心方向に振動することで振動板が前記厚さ方向に振動しこれにより音響が発生する。同時に、移動体が前記軸心方向に振動することでその振動はハウジングに伝達され、ハウジングが振動する。
したがって、重量増加部により移動体の重量を増加させることで移動体による振動をより大きなものとすることができ、アクチュエータの小型化を図りつつ発生する振動の大きさを確保する上で有利となる。
また、アクチュエータのハウジングとスプリングが一体に形成され、かつ、マグネットとスプリングとハウジングとによりマグネットからの磁力線をコイルに導く磁気回路が構成されていると、従来と比較して複数のヨーク部材が不要となり、部品点数を削減して組み立ての簡素化を図れ、低コスト化および小型化を図る上で有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
次に本発明の実施の形態について説明する。
図1はアクチュエータ10の分解斜視図、図2はアクチュエータ10の断面図である。
図1、図2に示すように、アクチュエータ10は、振動板(コーン)12と、ハウジング14と、コイル16と、マグネット18と、ヨーク19と、スプリング20と、カバー21と、重量増加部Wとを含んで構成されている。
【0010】
振動板12は、上方に凸の断面で形成された環状板部1202と、環状板部1202の中央に配置された円形の中央板部1204と、環状板部1202の内周と中央板部1204の外周を接続する環状凹部1206とを備えている。
本実施の形態では、振動板12はPC(ポリカーボネート)あるいはPET(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂製であり、厚さは例えば0.025mm乃至0.05mm程度であり、厚さ方向に振動することで音響を発生するように構成されている。
【0011】
ハウジング14は、振動板12の外径とほぼ同じ寸法で筒状に形成され、振動板12の環状板部1202の外縁に取着され振動板12を支持している。
そして、振動板12とハウジング14の内側に、振動板12の中央でその厚さ方向に軸心が延在する収容空間Sが形成されている。
ハウジング14は、円筒壁部1402と、円筒壁部1402の軸心方向の一端から半径方向外方に延出されたフランジ部1404とを有し、フランジ部1404は、環状板部1202の外縁に接着剤で固定されている。
また、フランジ部1404の一部から半径方向外方に突片1406が突設されている。
【0012】
コイル16は、コイル部16Aと、リード部16Bとを備えている。
コイル部16Aは、前記軸心回りに巻回され収容空間S内で振動板12の環状凹部1206の一方の面に取着されて配設され、したがってコイル部16Aの軸心とハウジング14の軸心とは合致している。
すなわち、コイル部16Aは環状凹部1206とほぼ同径で形成されている。
リード部16Bは、コイル部16Aの両端からコイル部16Aを構成する巻線がコイル部16Aの半径外方に延出することで形成され、リード部16Bは、突片1406に取着された端子基板23を介してハウジング14の外部に導かれている。
本実施の形態では、コイル部16Aを構成する巻線は、例えば、直径40μmの銅線であり、保持部材22は、例えば、PC(ポリカーボネート)、アクリル、ABSなどの合成樹脂で形成されている。
【0013】
マグネット18は環板状に形成され、その厚さ方向の一端がN極またはS極の一方に着磁され、他端がN極またはS極の他方に着磁されている。
本実施の形態では、マグネット18は、例えば、ネオジ系焼結磁石で形成されている。
マグネット18の中央には、収容孔1802が形成され、本実施の形態では収容孔1802は厚さ方向に貫通されている。
【0014】
本実施の形態では、重量増加部Wはマグネット18よりも比重の大きな材料で形成された重量増加部材WMで構成されている。このような材料として、例えば、タングステンや真鍮を採用可能である。
重量増加部材WMは、収容孔1802に収容可能な直径を有する円柱状に形成され、本実施の形態では、重量増加部材WMの厚さとマグネット18の厚さとがほぼ等しい寸法で形成されている。
【0015】
ヨーク19は、マグネット18の外径よりも大きな寸法の直径で形成された底壁1902と、底壁1902の外縁から起立された筒状の側壁1904と、側壁1904の先端から半径方向外方に屈曲されたフランジ部1906とを有している。
ヨーク19はスプリング20により、底壁1902の中心がハウジング14の軸心に合致するように支持されている。
スプリング20は、ハウジング14の円筒壁部1402の軸心方向の他端の周方向に等間隔をおいた複数箇所からハウジング14の内周部に延在する複数のアーム部2002で構成されている。
アーム部2002は、図1に示すように、ハウジング14から半径方向内側に延在する第1直線部2002Aと、第1直線部2002Aの先端からハウジング14の内周面に沿いかつ振動板12方向に向かって延在する曲線部2002Bと、曲線部2002Bの先端からハウジング14の半径方向内方に延在しフランジ部1906に連結される第2直線部2002Cとを備えている。
【0016】
マグネット18は、マグネット18の軸心がコイル16の軸心(ハウジング14の軸心)と合致するように位置決めされた状態で底壁1902の中央に載置され接着剤により接着され固定され、マグネット18は筒状の側壁1902の内側に位置している。
また、図2に示すように、振動板12から離れた側のコイル16の端部は、マグネット18の外側でかつ筒状の側壁1904の内側に位置している。すなわち、マグネット18の外周とヨーク19の側壁1904の内周との間に形成された環状の空間にコイル16のコイル部16Aの一部が位置しており、したがって、ヨーク19の底壁1902と側壁1904とによって、マグネット18からの磁力線をコイル16に導く磁気回路が構成され、マグネット18とコイル16との間に生じる磁気相互作用の向上が図られている。
重量増加部材WMは、貫通孔1802に収容され、かつ、重量増加部材WMの軸心がコイル16の軸心と合致するように位置決めされた状態で底壁1902に載置され接着剤により接着され固定されている。
本実施の形態では、マグネット18と、重量増加部材WMと、ヨーク19とによって、特許請求の範囲の移動体25が構成され、この移動体25はスプリング20により収容空間S内で前記軸心方向に移動可能に支持されている。
【0017】
カバー21は、ハウジング14の外径とほぼ同じ寸法の直径で形成された底壁2102と、底壁2102の外縁から起立された側壁2104とを有し、ハウジング14の振動板12と反対側の面の全域を閉塞するようにハウジング14の軸心方向の他端に嵌合されている。
カバー21はステンレスなどの磁性材料で形成されており、コイル16からアーム部2002の間の空間を通ってハウジング14の外方に向かう磁力線を遮蔽している。
【0018】
本実施の形態では、ハウジング14と、ヨーク19と、スプリング20は、マグネット18からの磁力線を効率よく導く磁性材料で形成され、厚さ0.2mm乃至1.0mm程度のステンレス板に曲げまたは絞り、または打ち抜き等によるプレス加工を施すことで一体に形成されており、部品数の削減によるコストの低減化および信頼性の向上が図られている。
なお、ハウジング14、ヨーク19、スプリング20はそれぞれ別体に形成されていてもよく、少なくともヨーク19がマグネット18からの磁力線を効率よく導く磁性材料で形成されていればよい。
なお、本実施の形態では、アーム部18を3つ設けた場合について説明したが、アーム部18は、2つあるいは4つ以上であってもよい。しかしながら、本実施の形態のようにアーム部18を3つ設けた場合には、曲線部2002Bの長さを確保しつつ、移動体25を安定して支持する上で有利である。
【0019】
次にアクチュエータ10の作用効果について説明する。
コイル16のリード部16Bに外部装置から所定の電気信号(電流信号)を供給すると、コイル16から磁界が発生する。このコイル16による磁界とマグネット18の磁界との磁気相互作用により、コイル16と移動体25の双方が前記軸心方向に相対的に振動する。
コイル16が前記軸心方向に振動することで振動板12が前記厚さ方向に振動しこれにより音響が発生する。
同時に、移動体25が前記軸心方向に振動することでその振動はハウジング14に伝達され、ハウジング14が振動する。
振動板12およびマグネット18の振動周波数は、コイル16に供給される電気信号の周波数によって決定される。
したがって、本実施の形態によれば、移動体25に設けた重量増加部Wにより移動体25の重量を増加させることで移動体25による振動をより大きなものとすることができるため、アクチュエータ10の小型化を図りつつ発生する振動の大きさを確保する上で有利となる。
【0020】
図3(A)乃至(C)は重量増加部材WMの変形例を示す説明図である。
図3(A)に示すように、マグネット18の中心に1つの収容孔1802を設けることに加えて、マグネット18の周方向に等間隔をおいて複数の収容孔1802を設けて、複数の収容孔1802にそれぞれ重量増加部材WMを収容してもよい。
この場合には、第1の実施の形態に比較して移動体25の重量を増加させる上で有利となる。
また、図3(B)に示すように収容孔1802はマグネット18の厚さ方向に貫通されていなくてもよい。
この場合には、重量増加部材WMは収容孔1802の底面に取着される。
この実施例では、第1の実施の形態に比較してマグネット18の体積を確保し磁力線を確保する上で有利となる一方、重量増加部材WMの重量を大きくする上で不利がある。
また、図3(C)に示すように、収容孔1802は下部に到るにつれて断面積が大きくなるテーパー面で形成されており、重量増加部材WMは前記テーパー面に嵌合するテーパー面で形成されている。
この場合には、マグネット18の収容孔1802の内周面と重量増加部材WMの外周面とが嵌合するため、マグネット18およびヨーク19に対する重量増加部材WMの取り付け強度を確保する上で有利となる。
【0021】
次に、本発明のアクチュエータ10を電子機器に設けられたタッチパネルディスプレイ装置に適用した場合について説明する。
図4は本実施の形態の電子機器の斜視図である。
本実施の形態では、電子機器はビデオカメラ30である。
ビデオカメラ30は、外装を構成するケース32を有し、ケース32の前面上部には撮影光学系34が組み込まれたレンズ鏡筒36が設けられ、レンズ鏡筒36の後端には撮影光学系34によって導かれた被写体像を撮像する撮像素子(不図示)が組み込まれている。
ケース32の後面、上面、側面には、電源スイッチ、撮影スタート/ストップスイッチ、ズームスイッチなど種々の操作スイッチ3202が設けられている。
ケース32の左側面には、前記撮像素子で撮像した画像を表示するためのタッチパネルディスプレイ装置40がヒンジ42を介して開閉可能にケース32に連結されており、タッチパネルディスプレイ装置40に本発明が適用されている。
【0022】
図5は第1の実施の形態のアクチュエータ10を用いたタッチパネルディスプレイ装置40の分解斜視図、図6はタッチパネルディスプレイ装置40の断面図である。
タッチパネルディスプレイ装置40は、ケース44(特許請求の範囲の筐体に相当)、フレーム46、ディスプレイパネル48、バックライト装置49、タッチパネル50、回路基板62、アクチュエータ10などを有している。
【0023】
ケース44は、矩形板状に形成された第1ケース44Aと、矩形枠状に形成され第1ケース44Aに結合される第2ケース44Bを有しており、第1ケース44Aと第2ケース44Bが結合されることで、ケース44の内部に、フレーム46、ディスプレイパネル48、タッチパネル50、回路基板62、アクチュエータ10が収容保持される。
第1ケース44Aは、長方形状の外壁4402と、外壁4402の四辺から起立された4つの側壁4404とを有している。
外壁4402の一方の短辺寄りの箇所には、複数の放音孔4406が貫通形成されている。
長辺側の2つの側壁4404の内側には、それぞれ取り付け部4408が突設され、各取り付け部4408が外壁4402の反対側に臨む面にはねじ孔4410が形成されている。
【0024】
第2ケース44Bは、第1ケース44Aの外壁4402よりも一回り大きな輪郭の長方形枠状に形成された内壁4420(特許請求の範囲の筐体の枠状の前面に相当)と、内壁4420の四辺から起立された4つの側壁4422とを有し、内壁4420には長方形状の開口4424が形成されている。
内壁4420の内面側には、開口4424に沿って一定の厚さを有し弾性を有するスポンジやゴムなどの材料からなるクッション材4430が接着されている。
短辺側の側壁4422の一方はヒンジ42に連結されている。
第2ケース44Bの4つの側壁4422の内側に第1ケース44Aの4つの側壁4404が収容された状態で、互いに対面する側壁4422、4404箇所には不図示の係合爪と係合溝が形成され、それら係合爪と係合溝が係合することで第1ケース44Aと第2ケース44Bは互いに連結される。
【0025】
フレーム46は板金製であり、第1ケース44Aの4つの側壁4404の内側に収容可能な大きさで形成された長方形板状の本体板部4702を有している。
本体板部4702の4辺の縁部のほぼ中央箇所からはそれぞれ係止片4704が起立されている。
本体板部4702の長辺側の2辺には、第1ケース44Aの取り付け部4408に対応する箇所にそれぞれ取り付け片4706が突設され、各取り付け片4706にはねじ孔4410に対応してねじ挿通孔4708が形成されている。
また、本体板部4702には、回路基板60を収容するための矩形状の回路基板収容開口4610が形成され、また、回路基板収容開口4610に並んでアクチュエータ10を収容するための円形のアクチュエータ収容開口4612が形成されている。
【0026】
回路基板62は、回路基板収容開口4610よりも一回り小さい矩形板状を呈し、その両面に電子部品が実装されている。
回路基板62の一辺には取り付け片6202が突設され、取り付け片6202にはねじ挿通孔6204が形成されている。
【0027】
ディスプレイパネル48は、例えば、液晶表示パネルで構成され、第2ケース44Bの内側に収容可能な大きさの長方形板状に形成されている。
ディスプレイパネル48は、一方の面が表示面4802として形成され、他方の面4804には、ディスプレイパネル48を他方の面4804から照明するバックライト装置49が一体的に結合されている。
【0028】
タッチパネル50はシート状に形成され、表示面4802の全域を覆った状態で表示面4802に接着されることで、タッチパネル50とディスプレイパネル48とが一体に結合されている。すなわち、タッチパネル50とディスプレイパネル48とバックライト装置49とによってパネルユニット54が構成されている。
したがって、パネルユニット54の表面は、タッチパネルディスプレイ装置40を操作しようとするユーザが指先を接触させるパネル面5402をなしている。
【0029】
タッチパネルディスプレイ装置40の組み立ては次のようになされる。
まず、第1ケース44Aの上にフレーム46を載置するとともに、フレーム46の回路基板収容開口4610上に回路基板62を位置させる。
その状態で、ねじ4720を回路基板62のねじ挿通孔6204、フレームのねじ挿通孔4708を挿通してねじ孔4410に螺合するとともに、他のねじ4720をフレームのねじ挿通孔4708を挿通してねじ孔4410に螺合する。
これにより、第1ケース44Aにフレーム46と回路基板62が組み付けられる。
次に、アクチュエータ10のカバー21を、パネルユニット54の裏面5404(パネル面と反対側の面)の所定箇所に両面粘着テープTにより接着し取着する。
次に、アクチュエータ10が取着されたパネルユニット54の裏面をフレーム46の本体板部4702上に載置し、アクチュエータ10をアクチュエータ収容開口4612に収容させ、パネルユニット54の4つの側面にフレーム46の4つの係止片4704をそれぞれ当て付ける。
その状態で、第2ケース44Bを第1ケース44Aの内側に挿入し、第2ケース44Bと第1ケース44Aとを結合する。
この状態でパネルユニット54は、第1ケース44Aと第2ケース44Bの間に位置する。
詳細には、パネルユニット54の各側面がフレーム46の各係止片4704に当て付けられることで、パネルユニット54はその厚さ方向と直交する方向に移動不能に支持され、また、パネルユニット54の裏面がフレーム46の本体板部4702上に当て付けられ、かつ、パネルユニット54のパネル面がクッション材4430に弾接されることで、パネルユニット54はクッション材4430が弾性変形された状態で内壁4420とフレーム46の本体板部4702で挟持されることになる。
【0030】
次に、ビデオカメラ30の制御系の構成について説明する。
図7はビデオカメラ30の制御系の構成を示すブロック図である。
図中、引用符号60は、タッチパネルディスプレイ装置40を装備したビデオカメラ30の制御システムであり、タッチパネルディスプレイ装置40の制御機構及び電子回路は、この制御システム60の制御下にある。
タッチパネルディスプレイ装置40の制御機構及び電子回路には、パネルユニット54のタッチパネル50に接続したタッチパネル回路62と、パネルユニット54のディスプレイパネル48に接続したLCD駆動回路64と、アクチュエータ10を駆動制御するアクチュエータ駆動制御機構66とが含まれている。
【0031】
タッチパネル回路62は、一般的なタッチパネルに付随している回路であり、タッチパネルから得られる信号を処理することによって、パネル面5402のユーザの指先が接触している位置を表す信号を発生させる。
LCD駆動回路64は、一般的な液晶ディスプレイパネルに付随している回路であり、制御システム60から受取るLCD制御信号に従って、ディスプレイパネル48を駆動して視覚表示を行う。
【0032】
アクチュエータ駆動制御機構66は、中央処理装置及びメモリを備えたワンチップコンピュータと電子回路とで構成されており、制御システム60から制御信号を受取るためのインターフェース68を含んでいる。制御システム60から受取る制御信号は、出力タイミング信号と波形選択信号とを含むものである。
アクチュエータ駆動制御機構66はメモリ70を備えており、このメモリ70には、複数の波形の夫々に対応した、波形生成に必要なデータ(波形データ)が格納されている。アクチュエータ駆動制御機構66は更に、波形生成機構72と、ミキシング回路74と、パワーアンプ76とを備えている。
【0033】
波形生成機構72は、ソフトウェアにより構成された機構であって、波形選択信号により指定された波形に対応したデータをメモリ70から読出し、その読出した波形データに従って波形を生成する。
ミキシング回路74は、波形生成機構72が生成した波形を有する出力信号を、出力タイミング信号により指定された期間に亘って送出すると共に、制御システム60から供給される音響信号も出力信号として送出するものであり、しかも、それら信号を個別に送出するのではなく、それらを混合して1つの出力信号として送出するようにしたものである。
また、パワーアンプ76は、ミキシング回路74の出力信号を増幅して、アクチュエータ10へアクチュエータ駆動信号として供給するものである。従って、アクチュエータ駆動制御機構66は、アクチュエータ駆動信号に音響信号を重畳させる手段としての機能を持ったものである。
【0034】
波形生成機構72で生成される波形は振動波形であり、その振幅、周期、及び波形は、一定のものもあれば変化するものもある。メモリ70に格納されている波形データには、振幅及び周期に関するデータも含まれている。
そして、メモリ70に格納されている複数の波形に対応した波形データのうちから、波形選択信号により指定された波形の波形データが読出され、その波形を有するアクチュエータ駆動信号がアクチュエータ10へ供給される。
これにより、アクチュエータ10が振動し、ハウジング14から両面粘着テープTを介してパネルユニット54に振動が伝達されることで、パネルユニット54は、そのアクチュエータ駆動信号の波形に従って振動することになる。
そして、このパネルユニット54の振動が、パネルユニット54のパネル面5402に触れているユーザの指先に、その駆動信号の波形に応じた触覚を発生させる。従って、換言するならば、アクチュエータ駆動制御機構66は、パネルユニット54を駆動して複数の所定の振動パターンのうちから選択した振動パターンで振動させるものであり、また、それら複数の所定の振動パターンは、パネルユニット54のパネル面5402に接触しているユーザの指先に互いに異なった触覚を発生させるものである。
【0035】
また、制御システム60がアクチュエータ駆動制御機構66へ音響信号を送出したときには、その音響信号もアクチュエータ駆動信号に重畳されてアクチュエータ10へ供給される。
ただし、波形生成機構72が生成する波形と、そこに重畳される音響信号とでは、周波数帯域が異なる。
波形生成機構72が生成する波形は、ユーザの指先に触覚を発生させることを目的としたものであるため、ユーザの指先に鋭敏に感知させることを目的として、振動周波数を60Hz〜200Hz程度にしている。
一方、音響信号の周波数は、概ね800Hz〜1600Hz程度である。そのため、タッチパネルディスプレイ装置40が音響を発したときに、ユーザの指先がパネルユニット54のパネル面に触れていても、指先に発生する触覚はそれほど大きくない。
なお、アクチュエータ10に供給する駆動信号および音響信号を生成する回路は、上述した構成に限定されるものではなく、従来公知の様々な信号発生回路を採用可能である。
また、本実施の形態では、アクチュエータ駆動信号およびアクチュエータ駆動信号に重畳された音響信号によって特許請求の範囲の電気信号が構成され、タッチパネル回路62、制御システム60、アクチュエータ駆動制御機構66によって特許請求の範囲の駆動回路が構成されている。
【0036】
したがって、上述したタッチパネルディスプレイ装置40およびビデオカメラ30によれば、アクチュエータ10を用いることにより、タッチパネルディスプレイ装置40を操作するユーザの指先に触覚を発生させるようにすることができるとともに、アクチュエータ10によって音響を出力させることができることは無論のこと、タッチパネルディスプレイ装置40に用いたアクチュエータ10の小型化を実現しつつ、アクチュエータ10によってより大きな振動を発生できることから、タッチパネルディスプレイ装置40、ビデオカメラ30の小型化を図りつつタッチパネルディスプレイ装置40を操作するユーザの指先に確実に触覚を発生させることができ操作性を向上する上で有利となる。
また、アクチュエータ10を用いてタッチパネルディスプレイ装置40の小型化を図ることにより、モバイル型の電子機器の入出力装置としても非常に有利となる。
【0037】
次に、アクチュエータ10に供給するアクチュエータ駆動信号の条件について説明する。
アクチュエータ10によって振動と音響を発生させる際、指先で振動を感じるタイミングと、耳で音響を感じるタイミングとの間に大きな時間差があると、ユーザーが違和感を感じることになる。したがって、振動と音響の時間差はなるべく小さくすることが必要となる。
一方、アクチュエータ10に対するアクチュエータ駆動信号の供給時間が長いほど消費電力が増大するため、アクチュエータ駆動信号の供給時間を抑制することが必要となる。
そのため、ユーザーに対して違和感を感じさせず、かつ、アクチュエータ駆動信号の供給時間を削減することが必要となる。
発明者らは次に示すような実験結果に基づいてアクチュエータ駆動信号の最適な供給時間の条件を見出した。
【0038】
すなわち、アクチュエータ10に供給するアクチュエータ駆動信号の回数を変えながら、パネルユニット54のパネル面5402に生じる変位を測定器により測定した。
図8乃至図13は、アクチュエータ駆動信号S1の波形と、パネルユニット54のパネル面5402の変位量を示す測定器の出力波形S2を示す波形図である。
図8乃至図13において、横軸は時間軸であり20ms/div、縦軸は電圧でありアクチュエータ駆動信号S1については5V/div、測定器の出力波形S2については0.1V/divである。
また、アクチュエータ駆動信号S1は交流信号であり、その振幅は8Vp−pであり、周波数は210Hzである。
アクチュエータ10(コイル16)に供給される1周期分のアクチュエータ駆動信号S1を1回と数えた場合、図8乃至図13はアクチュエータ駆動信号S1の供給回数(BURST回数)がそれぞれ1回、2回、3回、4回、8回、16回の場合をそれぞれ示しており、アクチュエータ駆動信号S1の供給回数が増すにつれて変位量が大きく、かつ、振動している時間が長くなっている。
【0039】
図14はアクチュエータ駆動信号の回数(BURST回数)とパネルユニット54のパネル面5402の変位量の関係を示す線図であり、図14は図8乃至図13の測定結果に基づいて作成されている。
図14に示すように、アクチュエータ駆動信号の回数(BURST回数)が2回以上であれば、パネルユニット54のパネル面5402の変位量はほぼ上限値に到達している。このことから、アクチュエータ駆動信号の回数(BURST回数)が2回以上あれば、その回数の多少に関係なくほぼ同等の強さで振動を確実に指先に与えることができることになる。
また、ユーザーの指先がパネル面5402に接触した際に発生させるビープ音などの音響信号は、一般的にその発生時間が0.3sec程度である。
音響信号を0.3sec間発生させた後に振動を発生させた場合、音響の発生から振動を感じるまでの間の時間差が0.3sec生じるため、ユーザーは違和感を覚える。このような違和感を与えないためには、振動を発生させた後に音響を発生させることが好ましい。
また、前述したようにアクチュエータ駆動信号(電気信号)は交流信号であり、その周波数が200Hz程度の場合、コイル16に供給されるアクチュエータ駆動信号の回数が5回以下であれば、言い換えると、アクチュエータ10からの振動発生時間が25msec程度以下であれば、振動を発生させた後に音響を発生させたときに、振動と音響との間の時間差を感じさせることがない。
以上のことから、アクチュエータ駆動信号の周波数が200Hz程度の場合、ハウジング14を振動させるためにコイル16に供給されるアクチュエータ駆動信号S1の回数を2回以上5回以下とすると、振動を確実に指先に与えることは無論のこと、音響と振動の時間差による違和感を与えることを防止でき、使用感の向上を図る上で有利となり、しかも、アクチュエータ駆動信号の供給時間を抑えることにより消費電力の低減を図る上で有利となる。
【0040】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は第1の実施の形態の変形例であり、重量増加部材WMをマグネット18が振動板12に臨む端面に取着した点が第1の実施の形態と異なっている。
図15は第2の実施の形態のアクチュエータ10の要部を示す斜視図、図16は図15の断面図である。なお、以下の実施の形態において、第1の実施の形態と同一または同様の箇所、部材には同一の符号を付して説明する。
図15、図16に示すように、マグネット18は円盤状に形成され、マグネット18の軸心がコイル16の軸心と合致するように位置決めされた状態で底壁1902に載置され接着剤により接着され固定されている。
重量増加部材WMはマグネット18よりも一回り小さい直径を有する円盤状に形成され、重量増加部材WMの軸心がコイル16の軸心と合致するように位置決めされた状態でマグネット18が振動板12に臨む端面に載置され接着剤により接着され固定されている。
第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0041】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は第1の実施の形態の変形例であり、重量増加部材WMをマグネット18とヨーク19の底壁1902の間に取着した点が第1の実施の形態と異なっている。
図17は第3の実施の形態のアクチュエータ10の要部を示す斜視図、図18は図17の断面図である。
図17、図18に示すように、マグネット18は円盤状に形成され、重量増加部材WMはマグネット18と同じ寸法の直径を有する円盤状に形成されている。
重量増加部材WMはその軸心がコイル16の軸心と合致するように位置決めされた状態でヨーク19の底壁1902に載置され接着剤により接着され固定されている。
マグネット18はその軸心がコイル16の軸心と合致するように位置決めされた状態で重量増加部材WMが振動板12に臨む端面に載置され接着剤により接着され固定されている。
第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0042】
(第4の実施の形態)
次に第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は第1の実施の形態の変形例であり、重量増加部材WMを環板状に形成してヨーク19の底壁1902の間に取着した点が第1の実施の形態と異なっている。
図19は第4の実施の形態のアクチュエータ10の要部を示す斜視図、図20は図19の断面図である。
図19、図20に示すように、マグネット18は円盤状に形成されている。
重量増加部材WMはヨーク19の底壁1902の直径よりも若干小さい寸法の外径を有する環板状に形成され、中央にマグネット18が収容可能な寸法の内径を有する孔W1が形成されている。
重量増加部材WMはその軸心がコイル16の軸心と合致するように位置決めされた状態でヨーク19の底壁1902に載置され接着剤により接着され固定されている。
マグネット18は孔W1内に収容されるとともに、その軸心がコイル16の軸心と合致するように位置決めされた状態でヨーク19の底壁1902に載置され接着剤により接着され固定されている。
第4の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0043】
(第5の実施の形態)
次に第5の実施の形態について説明する。
第5の実施の形態は第1の実施の形態の変形例であり、重量増加部材WMを環板状に形成してヨーク19のフランジ部1906の下面に取着した点が第1の実施の形態と異なっている。
図21は第5の実施の形態のアクチュエータ10の要部を示す斜視図、図22は図21の断面図である。
図21、図22に示すように、マグネット18は円盤状に形成されている。
重量増加部材WMは環板状に形成され、ヨーク19の側壁1904の外径よりも若干大きい寸法の内径の孔W1を有し、その軸心がコイル16の軸心と合致するように位置決めされた状態で接着剤によりフランジ部1906の下面に取着されている。
第5の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0044】
(第6の実施の形態)
次に第6の実施の形態について説明する。
第6の実施の形態は、ヨーク19の部分によって重量増加部Wを構成したものである。
図23は第6の実施の形態のアクチュエータ10の要部を示す斜視図、図24は図23のAA線断面図である。
図23、図24に示すように、マグネット18は円盤状に形成され、マグネット18はその軸心がコイル16の軸心と合致するように位置決めされた状態でヨーク19の底壁1902に載置され接着剤により接着され固定されている。
ヨーク19のフランジ部1906の周方向に等間隔をおいた複数箇所に屈曲部1910がそれぞれフランジ部1906の半径方向外側に形成され、各屈曲部1910は互いに等しい重量となるように構成されている。各屈曲部1910は、スプリング20の第2直線部2002がフランジ部1906に接続された部分の間の箇所にそれぞれ形成されている。
本実施の形態では、これら屈曲部1910によって重量増加部Wが構成されている。
また、本実施の形態では、ヨーク19と屈曲部1910が曲げまたは絞り、または打ち抜き等によるプレス加工を施すことにより一体に形成されており、部品数の削減によるコストの低減化および信頼性の向上が図られている。
したがって、第6の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0045】
(第7の実施の形態)
次に第7の実施の形態について説明する。
第7の実施の形態は、第6の実施の形態の変形例である。
図25は第7の実施の形態のアクチュエータ10の要部を示す斜視図、図26は図25のAA線断面図である。
図25、図26に示すように、第7の実施の形態では、収容空間Sに配設される各種部材のレイアウト上、第6の実施の形態に比べて屈曲部1910を、フランジ部1906よりも底壁1902方向に変位させて形成したものである。
また、本実施の形態においても、第6の実施の形態と同様に、ヨーク19と屈曲部1910が曲げまたは絞り、または打ち抜き等によるプレス加工を施すことにより一体に形成されており、部品数の削減によるコストの低減化および信頼性の向上が図られている。
したがって、第7の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0046】
(第8の実施の形態)
次に第8の実施の形態について説明する。
図27は第8の実施の形態のアクチュエータ10の要部を示す斜視図、図28は図27の平面図である。
マグネット18は円柱部1810と、3つの膨出部1812とを備えている。
円柱部1810は、底壁1902上に接着剤により取着されている。
円柱部1810は、その厚さ方向の一部がコイル部16Aの半径方向内側の空間に位置し、残りの部分が前記空間の延長上に位置している。
膨出部1812は、マグネット18の前記残りの部分の外周面で周方向に等間隔をおいた3箇所からコイル16の半径方向外方に平行する方向に膨出形成されている。
それら膨出部1812は、フランジ部1906から側壁1904にわたって形成された切り欠き1920に収容されている。
本実施の形態では、膨出部1812により重量増加部Wが構成され、第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
【0047】
(第9の実施の形態)
次に第9の実施の形態について説明する。
第9の実施の形態では、ハウジング14、ヨーク19、スプリング20がそれぞれ別体で構成されている。
図29は第9の実施の形態のアクチュエータ10の構成を示す分解斜視図、図30はアクチュエータ10の断面図である。
ハウジング14は、円筒壁部1402と、円筒壁部1402の軸心方向の一端から半径方向外方に延出されたフランジ部1404と、円筒壁部1402の軸心方向の他端を閉塞する底壁部1410とを有している。
本実施の形態では、ハウジング14はステンレスなどの磁性材料で形成されている。
【0048】
スプリング20は、フランジ部1404の外径よりも若干小さい寸法の直径を有する外側環板部2010と、外側環板部2010の周方向に間隔をおいた箇所から内側に突設された複数のアーム部2012とを備えている。
また、本実施の形態では、外側環板部2010とアーム部2012とは外側環板部2010の軸心と直交する同一平面上を延在している。
アーム部2012は、外側環板部2010から半径方向内側に延在する第1直線部2012Aと、第1直線部2012Aの先端から外側環板部2010の内周に沿って延在する曲線部2012Bと、曲線部2012Bの先端から外側環板部2010の半径方向内方に延在する第2直線部2012Cとを備えている。
ハウジング14およびスプリング20はそれらの軸心が合致するように位置決めされて、ハウジング14のフランジ部1404の上面とスプリング20の外側環板部2010の下面とが接着剤により接着されている。
また、スプリング20の外側環板部2010の上面が振動板12の外縁に接着剤で接着され、第1の実施の形態と同様に、振動板12とハウジング14の内側に、振動板12の中央でその厚さ方向に軸心が延在する収容空間Sが形成されている。
マグネット18は、第1の実施の形態と同様に、環板状に形成され、その厚さ方向の一端がN極またはS極の一方に着磁され、他端がN極またはS極の他方に着磁されている。
マグネット18の中央には、収容孔1802が形成され、本実施の形態では収容孔1802は厚さ方向に貫通されている。
重量増加部Wは第1の実施の形態と同様にマグネット18よりも比重の大きな材料で形成された重量増加部材WMで構成されている。
重量増加部材WMは、収容孔1802に収容可能な直径を有する円柱状に形成され、本実施の形態では、重量増加部材WMの厚さとマグネット18の厚さとがほぼ等しい寸法で形成されている。
【0049】
ヨーク19は、マグネット18の外径よりも大きな寸法の直径で形成された底壁1902と、底壁1902の外縁から起立されコイル16のコイル部16Aの外径よりも若干大きい内径の筒状の側壁1904と、側壁1904の先端から半径方向外方に屈曲されたフランジ部1906とを有している。
第1の実施の形態と同様に、ヨーク19はマグネット18からの磁力線を効率よく導く磁性材料で形成されており、磁性材料としては例えばニッケル(Ni)と鉄(Fe)の合金であるパーマロイなどを用いることができる。
ヨーク19は、フランジ部1906の上面をスプリング20の第2直線部2012Cの先端の下面に当て付けて底壁1902の中心が外側環板部2010の軸心と合致するように位置決めされた状態で、フランジ部1906の上面が第2直線部2012Cの先端の下面に接着剤により接着され固定されている。
マグネット18はその軸心が底壁1902の軸心と合致するように位置決めされ底壁1902に接着剤により接着されている。
重量増加部材WMは、貫通孔1802に収容され、かつ、重量増加部材WMの軸心が底壁1902の軸心と合致するように位置決めされ底壁1902に接着剤により接着されている。
したがって、マグネット18、重量増加部材WM、ヨーク19は、それらの軸心がハウジング14の軸心に合致するようにスプリング20により支持されている。
【0050】
本実施の形態では、マグネット18と、重量増加部材WMと、ヨーク19とによって、特許請求の範囲の移動体25が構成され、この移動体25はスプリング20により収容空間S内で前記軸心方向に移動可能に支持されている。
また、図30に示すように、振動板12から離れた側のコイル16の端部は、マグネット18の外側でかつ筒状の側壁1904の内側に位置している。すなわち、マグネット18の外周とヨーク19の側壁1904の内周との間に形成された環状の空間にコイル16のコイル部16Aの一部が位置しており、したがって、ヨーク19の底壁1902と側壁1904とによって、マグネット18からの磁力線をコイル16に導く磁気回路が構成され、マグネット18とコイル16との間に生じる磁気相互作用の向上が図られている。
また、本実施の形態では、ハウジング14の底壁部1410によって、コイル16からアーム部2012の間の空間を通ってハウジング14の外方に向かう磁力線の遮蔽が図られているため、第1の実施の形態に比較してカバー21が不要となり、部品コストの低減を図る上で有利となる。
【0051】
このような第9の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、移動体25に設けた重量増加部Wにより移動体25の重量を増加させることで移動体25による振動をより大きなものとすることができるため、アクチュエータ10の小型化を図りつつ発生する振動の大きさを確保する上で有利となる。
また、第9の実施の形態では、ハウジング14、ヨーク19、スプリング20をそれぞれ別体で構成したので、ハウジング14、ヨーク19、スプリング20の設計の自由度を確保する上で有利となる。
【0052】
(第10の実施の形態)
なお、第1乃至第8の実施の形態では、ハウジング14とスプリング20が一体に形成されている場合について説明したが、このようにハウジング14とスプリング20が一体に形成されていると、小型化、低コスト化を図る上で有利となる。
以下、ハウジング14とスプリング20が一体に形成された第10および第11の実施の形態について説明する。
図31はアクチュエータ10の分解斜視図、図32はアクチュエータ10の断面図、図33(A)はスプリング20の平面図、(B)は(A)のAA線断面図である。
図31、図32に示すように、アクチュエータ10は、振動板(コーン)12と、ハウジング14と、コイル16と、マグネット18と、スプリング20とを備えている。
【0053】
振動板12は、上方に凸の断面で形成された環状板部1202と、環状板部1202の中央に配置された円形の中央板部1204と、環状板部1202の内周と中央板部1204の外周を接続する環状凹部1206とを備えている。
本実施の形態では、振動板12はPC(ポリカーボネート)あるいはPET(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂製であり、厚さは例えば0.025mm乃至0.05mm程度であり、厚さ方向に振動することで音響を発生するように構成されている。
【0054】
ハウジング14は、振動板12の外径とほぼ同じ寸法で筒状に形成され、振動板12の環状板部1202の外縁に取着され振動板12と協働してその内側に収容空間Sを形成している。
ハウジング14の軸方向の一端は環状板部1202の外縁に接着剤で固定され、ハウジング14の一端寄りの箇所には切り欠き1430が設けられている。
【0055】
コイル16は、コイル部16Aと、リード部16Bとを備えている。
コイル部16Aは、振動板12の厚さ方向を通る軸線回りに巻回され収容空間S内で振動板12の環状凹部1206の一方の面に取着されて配設されている。
すなわち、コイル部16Aは環状凹部1206とほぼ同径で形成されている。
リード部16Bは、コイル部16Aの両端からコイル部16Aを構成する巻線がコイル部16Aの半径外方に延出することで形成され、リード部16Bは、切り欠き1430に係合される絶縁材料からなる保持部材22を介してハウジング14の外部に導かれている。
本実施の形態では、コイル部16Aを構成する巻線は、例えば、直径40μmの銅線であり、保持部材22は、例えば、PC(ポリカーボネート)、アクリル、ABSなどの合成樹脂で形成されている。
【0056】
マグネット18は、収容空間S内でコイル16の内側に配置されている。
マグネット18は円盤状に形成されており、軸線方向の一端がN極またはS極の一方に着磁され、軸線方向の他端がN極またはS極の他方に着磁されている。
本実施の形態では、マグネット18は、例えば、ネオジ系焼結磁石で形成されている。
なお、質量を増加させるための錘をマグネット18に取着することで、マグネット18が発生する振動の大きさを増大させることができる。錘としては、比重の大きな材料が好ましく、例えば、タングステンを採用することができる。
【0057】
スプリング20は、マグネット18を収容空間S内で前記軸線方向に移動可能に支持するものであり、前記軸線方向に弾性を有している。
スプリング20は、ハウジング14の軸方向の他端の周方向に等間隔をおいた複数箇所からハウジング14の内周部に延在する複数のアーム部2002と、それら複数のアーム部2002の先端を接続する載置板部2004とを備えている。
マグネット18は、マグネット18の軸線がコイル16の軸線と合致するように位置決めされた状態で載置板部2004に載置され固定されている。
アーム部2002は図33(A)に示すように、ハウジング14から半径方向内側に延在する第1直線部2002Aと、第1直線部2002Aの先端からハウジング14の内周面に沿いかつ振動板12方向に向かって延在する曲線部2002Bと、曲線部2002Bの先端からハウジング14の半径方向内方に延在し載置板部2004に連結される第2直線部2002Cとを備えている。
本実施の形態では、アーム部18を3つ設けた場合について説明したが、アーム部18は、2つあるいは4つ以上であってもよい。しかしながら、本実施の形態のようにアーム部18を3つ設けた場合には、曲線部2002Bの長さを確保しつつ、載置板部2004を安定して支持する上で有利である。
【0058】
ハウジング14とスプリング20は、マグネット18からの磁力線を効率よく導く磁性材料で形成され、厚さ0.2mm乃至1.0mm程度のステンレス板に曲げ加工を施しかつ打ち抜くことで一体に形成されている。
なお、マグネット18とスプリング20とハウジング14とによりマグネット18からの磁力線をコイル16に導く磁気回路24が構成されている。
【0059】
次にアクチュエータ10の作用効果について説明する。
コイル16のリード部16Bに外部装置から所定の電気信号(電流信号)を供給すると、コイル16から磁界が発生する。このコイル16による磁界とマグネット18の磁界との磁気相互作用により、コイル16とマグネット18の双方が前記軸線方向に相対的に振動する。
コイル16が前記軸線方向に振動することで振動板12が前記厚さ方向に振動しこれにより音響が発生する。
同時に、マグネット18が前記軸線方向に振動することでその振動はハウジング14に伝達され、ハウジング14が振動する。
振動板12およびマグネット18の振動周波数は、コイル16に供給される電気信号の周波数によって決定される。
したがって、本実施の形態のアクチュエータ10によれば、ハウジング14とスプリング20が一体に形成され、かつ、マグネット18とスプリング20とハウジング14とによりマグネット18からの磁力線をコイル16に導く磁気回路24が構成されているため、従来と比較して複数のヨーク部材が不要となり、部品点数を削減して組み立ての簡素化を図れ、低コスト化および小型化を図る上で有利となる。
また、従来のアクチュエータでは、例えば、スプリングを合成樹脂製のケースにインサート成形によって組み込んでいるために製造コストがかかるの対して、本実施の形態のアクチュエータ10ではインサート成形が不要であり低コスト化を図る上で有利となる。
また、本実施の形態では、ハウジング14の収容空間Sにコイル16とマグネット18が収容されていることからハウジング14によってマグネット18の漏れ磁束を防止してコイル16により多くの磁力線を導くことができ、したがって、コイル16およびマグネット18をより強く振動させる上で有利となっている。
【0060】
次に、本発明のアクチュエータ10を電子機器に設けられたタッチパネルディスプレイ装置に適用した場合について説明する。
図34は本実施の形態の電子機器の斜視図である。
本実施の形態では、電子機器はビデオカメラ30である。
ビデオカメラ30は、外装を構成するケース32を有し、ケース32の前面上部には撮影光学系34が組み込まれたレンズ鏡筒36が設けられ、レンズ鏡筒36の後端には撮影光学系34によって導かれた被写体像を撮像する撮像素子(不図示)が組み込まれている。
ケース32の後面、上面、側面には、電源スイッチ、撮影スタート/ストップスイッチ、ズームスイッチなど種々の操作スイッチ3202が設けられている。
ケース32の左側面には、前記撮像素子で撮像した画像を表示するためのタッチパネルディスプレイ装置40がヒンジ42を介して開閉可能にケース32に連結されており、タッチパネルディスプレイ装置40に本発明が適用されている。
【0061】
図35は第10の実施の形態のアクチュエータ10を用いたタッチパネルディスプレイ装置40の分解斜視図、図36はタッチパネルディスプレイ装置40の断面図である。
タッチパネルディスプレイ装置40は、ケース44(特許請求の範囲の筐体に相当)、フレーム46、ディスプレイパネル48、バックライト装置49、タッチパネル50、回路基板62、アクチュエータ10などを有している。
【0062】
ケース44は、矩形板状に形成された第1ケース44Aと、矩形枠状に形成され第1ケース44Aに結合される第2ケース44Bを有しており、第1ケース44Aと第2ケース44Bが結合されることで、ケース44の内部に、フレーム46、ディスプレイパネル48、タッチパネル50、回路基板62、アクチュエータ10が収容保持される。
第1ケース44Aは、長方形状の外壁4402と、外壁4402の四辺から起立された4つの側壁4404とを有している。
外壁4402の一方の短辺寄りの箇所には、複数の放音孔4406が貫通形成されている。
長辺側の2つの側壁4404の内側には、それぞれ取り付け部4408が突設され、各取り付け部4408が外壁4402の反対側に臨む面にはねじ孔4410が形成されている。
【0063】
第2ケース44Bは、第1ケース44Aの外壁4402よりも一回り大きな輪郭の長方形枠状に形成された内壁4420(特許請求の範囲の筐体の枠状の前面に相当)と、内壁4420の四辺から起立された4つの側壁4422とを有し、内壁4420には長方形状の開口4424が形成されている。
内壁4420の内面側には、開口4424に沿って一定の厚さを有し弾性を有するスポンジやゴムなどの材料からなるクッション材4430が接着されている。
短辺側の側壁4422の一方はヒンジ42に連結されている。
第2ケース44Bの4つの側壁4422の内側に第1ケース44Aの4つの側壁4404が収容された状態で、互いに対面する側壁4422、4404箇所には不図示の係合爪と係合溝が形成され、それら係合爪と係合溝が係合することで第1ケース44Aと第2ケース44Bは互いに連結される。
【0064】
フレーム46は板金製であり、第1ケース44Aの4つの側壁4404の内側に収容可能な大きさで形成された長方形板状の本体板部4702を有している。
本体板部4702の4辺の縁部のほぼ中央箇所からはそれぞれ係止片4704が起立されている。
本体板部4702の長辺側の2辺には、第1ケース44Aの取り付け部4408に対応する箇所にそれぞれ取り付け片4706が突設され、各取り付け片4706にはねじ孔4410に対応してねじ挿通孔4708が形成されている。
また、本体板部4702には、回路基板60を収容するための矩形状の回路基板収容開口4610が形成され、また、回路基板収容開口4610に並んでアクチュエータ10を収容するための円形のアクチュエータ収容開口4612が形成されている。
【0065】
回路基板62は、回路基板収容開口4610よりも一回り小さい矩形板状を呈し、その両面に電子部品が実装されている。
回路基板62の一辺には取り付け片6202が突設され、取り付け片6202にはねじ挿通孔6204が形成されている。
【0066】
ディスプレイパネル48は、例えば、液晶表示パネルで構成され、第2ケース44Bの内側に収容可能な大きさの長方形板状に形成されている。
ディスプレイパネル48は、一方の面が表示面4802として形成され、他方の面4804には、ディスプレイパネル48を他方の面4804から照明するバックライト装置49が一体的に結合されている。
【0067】
タッチパネル50はシート状に形成され、表示面4802の全域を覆った状態で表示面4802に接着されることで、タッチパネル50とディスプレイパネル48とが一体に結合されている。すなわち、タッチパネル50とディスプレイパネル48とバックライト装置49とによってパネルユニット54が構成されている。
したがって、パネルユニット54の表面は、タッチパネルディスプレイ装置40を操作しようとするユーザが指先を接触させるパネル面5402をなしている。
【0068】
タッチパネルディスプレイ装置40の組み立ては次のようになされる。
まず、第1ケース44Aの上にフレーム46を載置するとともに、フレーム46の回路基板収容開口4610上に回路基板62を位置させる。
その状態で、ねじ4720を回路基板62のねじ挿通孔6204、フレームのねじ挿通孔4708を挿通してねじ孔4410に螺合するとともに、他のねじ4720をフレームのねじ挿通孔4708を挿通してねじ孔4410に螺合する。
これにより、第1ケース44Aにフレーム46と回路基板62が組み付けられる。
次に、アクチュエータ10のハウジング14のスプリング20側の端部を、パネルユニット54の裏面5404(パネル面と反対側の面)の所定箇所に両面粘着テープTにより接着し取着する。
次に、アクチュエータ10が取着されたパネルユニット54の裏面をフレーム46の本体板部4702上に載置し、アクチュエータ10をアクチュエータ収容開口4612に収容させ、パネルユニット54の4つの側面にフレーム46の4つの係止片4704をそれぞれ当て付ける。
その状態で、第2ケース44Bを第1ケース44Aの内側に挿入し、第2ケース44Bと第1ケース44Aとを結合する。
この状態でパネルユニット54は、第1ケース44Aと第2ケース44Bの間に位置する。
詳細には、パネルユニット54の各側面がフレーム46の各係止片4704に当て付けられることで、パネルユニット54はその厚さ方向と直交する方向に移動不能に支持され、また、パネルユニット54の裏面がフレーム46の本体板部4702上に当て付けられ、かつ、パネルユニット54のパネル面がクッション材4430に弾接されることで、パネルユニット54はクッション材4430が弾性変形された状態で内壁4420とフレーム46の本体板部4702で挟持されることになる。
【0069】
次に、ビデオカメラ30の制御系の構成について説明する。
図37はビデオカメラ30の制御系の構成を示すブロック図である。
図中、引用符号60は、タッチパネルディスプレイ装置40を装備したビデオカメラ30の制御システムであり、タッチパネルディスプレイ装置40の制御機構及び電子回路は、この制御システム60の制御下にある。
タッチパネルディスプレイ装置40の制御機構及び電子回路には、パネルユニット54のタッチパネル50に接続したタッチパネル回路62と、パネルユニット54のディスプレイパネル48に接続したLCD駆動回路64と、アクチュエータ10を駆動制御するアクチュエータ駆動制御機構66とが含まれている。
【0070】
タッチパネル回路62は、一般的なタッチパネルに付随している回路であり、タッチパネルから得られる信号を処理することによって、パネル面5402のユーザの指先が接触している位置を表す信号を発生させる。
LCD駆動回路64は、一般的な液晶ディスプレイパネルに付随している回路であり、制御システム60から受取るLCD制御信号に従って、ディスプレイパネル48を駆動して視覚表示を行う。
【0071】
アクチュエータ駆動制御機構66は、中央処理装置及びメモリを備えたワンチップコンピュータと電子回路とで構成されており、制御システム60から制御信号を受取るためのインターフェース68を含んでいる。制御システム60から受取る制御信号は、出力タイミング信号と波形選択信号とを含むものである。
アクチュエータ駆動制御機構66はメモリ70を備えており、このメモリ70には、複数の波形の夫々に対応した、波形生成に必要なデータ(波形データ)が格納されている。アクチュエータ駆動制御機構66は更に、波形生成機構72と、ミキシング回路74と、パワーアンプ76とを備えている。
【0072】
波形生成機構72は、ソフトウェアにより構成された機構であって、波形選択信号により指定された波形に対応したデータをメモリ70から読出し、その読出した波形データに従って波形を生成する。
ミキシング回路74は、波形生成機構72が生成した波形を有する出力信号を、出力タイミング信号により指定された期間に亘って送出すると共に、制御システム60から供給される音響信号も出力信号として送出するものであり、しかも、それら信号を個別に送出するのではなく、それらを混合して1つの出力信号として送出するようにしたものである。
また、パワーアンプ76は、ミキシング回路74の出力信号を増幅して、アクチュエータ10へアクチュエータ駆動信号として供給するものである。従って、アクチュエータ駆動制御機構66は、アクチュエータ駆動信号に音響信号を重畳させる手段としての機能を持ったものである。
【0073】
波形生成機構72で生成される波形は振動波形であり、その振幅、周期、及び波形は、一定のものもあれば変化するものもある。メモリ70に格納されている波形データには、振幅及び周期に関するデータも含まれている。
そして、メモリ70に格納されている複数の波形に対応した波形データのうちから、波形選択信号により指定された波形の波形データが読出され、その波形を有するアクチュエータ駆動信号がアクチュエータ10へ供給される。
これにより、アクチュエータ10が振動し、ハウジング14から両面粘着テープTを介してパネルユニット54に振動が伝達されることで、パネルユニット54は、そのアクチュエータ駆動信号の波形に従って振動することになる。
そして、このパネルユニット54の振動が、パネルユニット54のパネル面5402に触れているユーザの指先に、その駆動信号の波形に応じた触覚を発生させる。従って、換言するならば、アクチュエータ駆動制御機構66は、パネルユニット54を駆動して複数の所定の振動パターンのうちから選択した振動パターンで振動させるものであり、また、それら複数の所定の振動パターンは、パネルユニット54のパネル面5402に接触しているユーザの指先に互いに異なった触覚を発生させるものである。
【0074】
また、制御システム60がアクチュエータ駆動制御機構66へ音響信号を送出したときには、その音響信号もアクチュエータ駆動信号に重畳されてアクチュエータ10へ供給される。
ただし、波形生成機構72が生成する波形と、そこに重畳される音響信号とでは、周波数帯域が異なる。
波形生成機構72が生成する波形は、ユーザの指先に触覚を発生させることを目的としたものであるため、ユーザの指先に鋭敏に感知させることを目的として、振動周波数を60Hz〜200Hz程度にしている。
一方、音響信号の周波数は、概ね800Hz〜1600Hz程度である。そのため、タッチパネルディスプレイ装置40が音響を発したときに、ユーザの指先がパネルユニット54のパネル面に触れていても、指先に発生する触覚はそれほど大きくない。
なお、アクチュエータ10に供給する駆動信号および音響信号を生成する回路は、上述した構成に限定されるものではなく、従来公知の様々な信号発生回路を採用可能である。
また、本実施の形態では、アクチュエータ駆動信号およびアクチュエータ駆動信号に重畳された音響信号によって特許請求の範囲の電気信号が構成され、タッチパネル回路62、制御システム60、アクチュエータ駆動制御機構66によって特許請求の範囲の駆動回路が構成されている。
【0075】
したがって、上述したタッチパネルディスプレイ装置40およびビデオカメラ30によれば、アクチュエータ10を用いることにより、タッチパネルディスプレイ装置40を操作するユーザの指先に触覚を発生させるようにすることができるとともに、アクチュエータ10によって音響を出力させることができることは無論のこと、タッチパネルディスプレイ装置40に用いたアクチュエータ10が小型で低コストに実現できることから、タッチパネルディスプレイ装置40、ビデオカメラ30の小型化、低コスト化を図る上で有利となる。
また、アクチュエータ10を用いてタッチパネルディスプレイ装置40の小型化を図ることにより、モバイル型の電子機器の入出力装置として非常に有利となる。
【0076】
(第11の実施の形態)
次に、第11の実施の形態について説明する。
第11の実施の形態が第10の実施の形態と異なるのは、第10の実施の形態のアクチュエータ10のハウジング14に取り付け片を設けた点であり、その他の構成は第10の実施の形態と同様である。
図38は第11の実施の形態のアクチュエータ10の分解斜視図、図39は第11の実施の形態のアクチュエータ10を用いたタッチパネルディスプレイ装置40の分解斜視図である。
なお、以下の実施の形態において、第10の実施の形態と同一の箇所、部材に同一の符号を付して説明する。
図38に示すように、アクチュエータ10は、第10の実施の形態と同様に、振動板12と、ハウジング14と、コイル16と、マグネット18と、スプリング20とを備えている。
ハウジング14とスプリング20と取り付け片1432は、第10の実施の形態と同様に、マグネット18からの磁力線を効率よく導く磁性材料で形成され、厚さ0.2mm乃至1.0mm程度のステンレス板に曲げ加工を施しかつ打ち抜くことで一体に形成されている。
【0077】
第11の実施の形態では、アクチュエータ10の配設構造が第10の実施の形態と異なっており、その他の構成は第10の実施の形態と同様である。
すなわち、第11の実施の形態では、振動板12に取着されるハウジング14の端部にはハウジング14の半径方向外方に取り付け片1432が突設されており、取り付け片1432にはねじ挿通孔1434が形成されている。
そして、アクチュエータ10を配設するに際して、図39に示すように、フレーム46の取り付け片4606の下面にスペーサ4620を予め取り付けておき、アクチュエータ10をフレーム46の下方に位置させ、ハウジング14をアクチュエータ収容開口4612に挿入し、取り付け片1432の上面をスペーサ4620の下面に当て付け、ねじ4620によりフレーム46と共に取り付け片1432を取り付け部4408に締結することでフレーム46と共にアクチュエータ10が配設される。より詳細には、パネルユニット54は、タッチパネル50が内壁4420(特許請求の範囲の筐体の枠状の前面に相当)に臨むように内壁4420とフレーム46の厚さ方向の一方の面とで挟持され、アクチュエータ10はフレーム46の厚さ方向の他方の面に取着されて配設される。
第11の実施の形態では、第10の実施の形態と異なって、アクチュエータ10とパネルユニット54と離間して配設され、したがって、タッチパネルディスプレイ装置40の裏面5404とアクチュエータ10のハウジング14とは接触していない。
【0078】
第11の実施の形態では、アクチュエータ10のハウジング14がフレーム46に連結されているので、アクチュエータ10の振動がフレーム46を介してパネルユニット54に伝達されやすい。
すなわち、タッチパネルディスプレイ装置40のパネル面5402を指で押圧した際に、タッチパネルディスプレイ装置40の裏面5404がフレーム46に押し付けられるので、フレーム46からの振動がパネルユニット54により伝達されやすくなり、ユーザの指先に鋭敏に感知させる上で有利となり、第11の実施の形態によっても、第10の実施の形態と同様な効果が奏される。
【0079】
なお、ハウジング14とスプリング20が一体に形成された第10および第11の実施の形態を要約すると、次の通りとなる。
すなわち、ハウジングとスプリングが一体に形成されたアクチュエータは、厚さ方向に振動することで音響を発生する振動板と、前記振動板の外縁に取着され前記振動板と協働してその内側に収容空間を形成するハウジングと、前記振動板の厚さ方向を通る軸線回りに巻回され前記収容空間内で前記振動板の一方の面に取着されたコイルと、前記収容空間内で前記コイルの内側に配置されたマグネットと、前記マグネットを前記収容空間内で前記軸線方向に移動可能に支持するスプリングとを備え、前記コイルに電気信号を供給することで前記コイルと前記マグネットを前記軸線方向に相対的に振動させることにより前記振動板を振動させて音響を発生し、かつ、前記マグネットの振動により前記ハウジングを振動させるアクチュエータであって、前記スプリングと前記ハウジングは磁性材料で形成され、前記マグネットと前記スプリングと前記ハウジングとにより前記マグネットからの磁力線を前記コイルに導く磁気回路が構成され、前記スプリングと前記ハウジングは一体成形されていることを特徴とする。
ここで、前記ハウジングは筒状に形成され、前記ハウジングの軸方向の一端は前記振動板の外縁に取着され、前記スプリングは前記ハウジングの軸方向の他端に設けられていることを特徴とする。
また、前記スプリングは、前記収容空間の中央部において前記マグネットが載置され取着される載置板部と、前記載置板部の周方向に間隔をおいた箇所と前記ハウジングの周方向に間隔をおいた箇所とを連結し前記軸線方向に弾性変形可能な複数のアーム部とを有していることを特徴とする。
また、前記アーム部は、前記ハウジングの軸方向の他端から前記ハウジングの軸方向の一端に向けて変位しつつ前記ハウジングの内周面に沿って延在していることを特徴とする。
また、前記アーム部は3つ設けられていることを特徴とする。
また、ハウジングとスプリングが一体に形成されたタッチパネルディスプレイ装置は、ディスプレイパネルとその上に配置されたタッチパネルとを有するパネルユニットと、前記タッチパネルに指が接触した際に電気信号を送出する駆動回路と、前記駆動回路の電気信号に基づいて前記パネルユニットを振動させるアクチュエータとを備えたタッチパネルディスプレイ装置であって、前記アクチュエータは、厚さ方向に振動することで音響を発生する振動板と、前記振動板の外縁に取着され前記振動板と協働してその内側に収容空間を形成するハウジングと、前記振動板の厚さ方向を通る軸線回りに巻回され前記収容空間内で前記振動板の一方の面に取着されたコイルと、前記収容空間内で前記コイルの内側に配置されたマグネットと、前記マグネットを前記収容空間内で前記軸線方向に移動可能に支持するスプリングとを備え、前記駆動回路から前記コイルに電気信号を供給することで前記コイルと前記マグネットを前記軸線方向に相対的に振動させることにより前記振動板を振動させて音響を発生し、かつ、前記マグネットの振動により前記ハウジングを介して前記パネルユニットを振動させるように構成され、前記スプリングと前記ハウジングは磁性材料で形成され、前記マグネットと前記スプリングと前記ハウジングとにより前記マグネットからの磁力線を前記コイルに導く磁気回路が構成され、前記スプリングと前記ハウジングは一体成形されていることを特徴とする。
ここで、前記ハウジングは筒状に形成され、前記ハウジングの軸方向で前記振動板が取着される箇所と反対の箇所が、前記パネルユニットの前記タッチパネルとは反対側に位置する裏面に取着されることで前記アクチュエータが配設されていることを特徴とする。
また、前記タッチパネルディスプレイ装置は筐体を備え、前記筐体の内部に板状のフレームが配設され、前記パネルユニットは、前記タッチパネルが前記筐体の枠状の前面に臨むように前記枠状の前面と前記フレームの厚さ方向の一方の面とで挟持され、前記アクチュエータは前記フレームの厚さ方向の他方の面に取着され前記パネルユニットと離間して配設されていることを特徴とする。
また、ハウジングとスプリングが一体に形成された電子機器は、ディスプレイパネルとその上に配置されたタッチパネルとを有するパネルユニットと、前記タッチパネルに指が接触した際に電気信号を送出する駆動回路と、前記駆動回路の電気信号に基づいて前記パネルユニットを振動させるアクチュエータとを備えた電子機器であって、前記アクチュエータは、厚さ方向に振動することで音響を発生する振動板と、前記振動板の外縁に取着され前記振動板と協働してその内側に収容空間を形成するハウジングと、前記振動板の厚さ方向を通る軸線回りに巻回され前記収容空間内で前記振動板の一方の面に取着されたコイルと、前記収容空間内で前記コイルの内側に配置されたマグネットと、前記マグネットを前記収容空間内で前記軸線方向に移動可能に支持するスプリングとを備え、前記駆動回路から前記コイルに電気信号を供給することで前記コイルと前記マグネットを前記軸線方向に相対的に振動させることにより前記振動板を振動させて音響を発生し、かつ、前記マグネットの振動により前記ハウジングを介して前記パネルユニットを振動させるように構成され、前記スプリングと前記ハウジングは磁性材料で形成され、前記マグネットと前記スプリングと前記ハウジングとにより前記マグネットからの磁力線を前記コイルに導く磁気回路が構成され、前記スプリングと前記ハウジングは一体成形されていることを特徴とする。
【0080】
なお、実施の形態では、タッチパネルディスプレイ装置40をビデオカメラ30に設けた場合について説明したが、タッチパネルディスプレイ装置40を設ける電子機器はビデオカメラに限定されるものではなく、例えば、デジタルスチルなどの撮像装置、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータなど任意である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】第1の実施の形態のアクチュエータ10の分解斜視図である。
【図2】アクチュエータ10の断面図である。
【図3】(A)乃至(C)は重量増加部材WMの変形例を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態の電子機器の斜視図である。
【図5】第1の実施の形態のアクチュエータ10を用いたタッチパネルディスプレイ装置40の分解斜視図である。
【図6】タッチパネルディスプレイ装置40の断面図である。
【図7】ビデオカメラ30の制御系の構成を示すブロック図である。
【図8】アクチュエータ駆動信号S1の波形と、パネルユニット54のパネル面5402の変位量を示す測定器の出力波形S2を示す波形図である。
【図9】アクチュエータ駆動信号S1の波形と、パネルユニット54のパネル面5402の変位量を示す測定器の出力波形S2を示す波形図である。
【図10】アクチュエータ駆動信号S1の波形と、パネルユニット54のパネル面5402の変位量を示す測定器の出力波形S2を示す波形図である。
【図11】アクチュエータ駆動信号S1の波形と、パネルユニット54のパネル面5402の変位量を示す測定器の出力波形S2を示す波形図である。
【図12】アクチュエータ駆動信号S1の波形と、パネルユニット54のパネル面5402の変位量を示す測定器の出力波形S2を示す波形図である。
【図13】アクチュエータ駆動信号S1の波形と、パネルユニット54のパネル面5402の変位量を示す測定器の出力波形S2を示す波形図である。
【図14】アクチュエータ駆動信号の回数(BURST回数)とパネルユニット54のパネル面5402の変位量の関係を示す線図である。
【図15】第2の実施の形態のアクチュエータ10の要部を示す斜視図である。
【図16】図15の断面図である。
【図17】第3の実施の形態のアクチュエータ10の要部を示す斜視図である。
【図18】図17の断面図である。
【図19】第4の実施の形態のアクチュエータ10の要部を示す斜視図である。
【図20】図19の断面図である。
【図21】第5の実施の形態のアクチュエータ10の要部を示す斜視図である。
【図22】図21の断面図である。
【図23】第6の実施の形態のアクチュエータ10の要部を示す斜視図である。
【図24】図23のAA線断面図である。
【図25】第7の実施の形態のアクチュエータ10の要部を示す斜視図である。
【図26】図25のAA線断面図である。
【図27】第8の実施の形態のアクチュエータ10の要部を示す斜視図である。
【図28】図27の平面図である。
【図29】第9の実施の形態のアクチュエータ10の構成を示す分解斜視図である。
【図30】アクチュエータ10の断面図である。
【図31】第10の実施の形態のアクチュエータ10の分解斜視図である。
【図32】アクチュエータ10の断面図である。
【図33】(A)はスプリング20の平面図、(B)は(A)のAA線断面図である。
【図34】本実施の形態の電子機器の斜視図である。
【図35】第10の実施の形態のアクチュエータ10を用いたタッチパネルディスプレイ装置40の分解斜視図である。
【図36】タッチパネルディスプレイ装置40の断面図である。
【図37】ビデオカメラ30の制御系の構成を示すブロック図である。
【図38】第11の実施の形態のアクチュエータ10の分解斜視図である。
【図39】第11の実施の形態のアクチュエータ10を用いたタッチパネルディスプレイ装置40の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0082】
S……収容空間、W……重量増加部、10……アクチュエータ、12……振動板、14……ハウジング、16……コイル、20……スプリング、24……磁気回路、25……移動体、30……ビデオカメラ、40……タッチパネルディスプレイ装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動することで音響を発生する振動板と、
前記振動板の外縁に取着され前記振動板を支持するハウジングと、
前記振動板と前記ハウジングの内側に形成され前記振動板の中央でその厚さ方向に軸心が延在する収容空間と、
前記軸心回りに巻回され前記収容空間に臨む前記振動板の面に取着されて前記収容空間に配設されたコイルと、
前記収容空間内で前記コイルの半径方向内側の空間またはこの空間の延長上に配置された移動体と、
前記移動体を前記収容空間内で前記軸心方向に移動可能に支持するスプリングとを備え、
前記コイルに電気信号を供給することで前記コイルと前記移動体を前記軸心方向に相対的に振動させることにより前記振動板を振動させて音響を発生し、かつ、前記移動体の振動により前記ハウジングを振動させるアクチュエータであって、
前記移動体に該移動体の重量を増加させる重量増加部が設けられている、
ことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記移動体はマグネットを含んで構成され、
前記重量増加部は前記マグネットに設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記移動体はマグネットを含んで構成され、
前記重量増加部は前記マグネットよりも比重の大きな材料で形成された重量増加部材で構成され、
前記重量増加部材が前記マグネットに装着されている、
ことを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記移動体は、マグネットと、前記マグネットに取着され前記マグネットからの磁力線を前記コイルに導く磁気回路を構成するヨークとを含み、
前記重量増加部は前記ヨークに設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記ヨーク、前記ハウジング、前記スプリングは一体成形されている、
ことを特徴とする請求項4記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記ヨーク、前記ハウジング、前記スプリング、前記重量増加部材は、曲げまたは絞り、または打ち抜き等によるプレス加工により成形されている、
ことを特徴とする請求項4記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記移動体は、マグネットと、前記マグネットに取着され前記マグネットからの磁力線を前記コイルに導く磁気回路を構成するヨークとを含み、
前記ヨークに該ヨークの重量を増加させるための部分が形成され、
前記重量増加部は前記ヨークの部分で構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記ヨークおよび該ヨークの重量を増加させるための部分は、曲げまたは絞り、または打ち抜き等によるプレス加工により成形されている、
ことを特徴とする請求項7記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記移動体はマグネットを含んで構成され、
前記マグネットはその厚さ方向の一部が前記コイルの半径方向内側の空間に位置し、残りの部分が前記空間の延長上に位置し、前記マグネットの残りの部分に、前記コイルの半径方向外方に平行する方向に膨出する膨出部が形成され、
前記重量増加部は前記膨出部で構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記移動体は、マグネットと、前記マグネットからの磁力線を前記コイルに導く磁気回路を構成するヨークとを含み、
前記ヨークは、円形の底壁と、前記底壁の周囲から起立する筒状の側壁とを備え、
前記マグネットは前記底壁の中央に取着されて前記筒状の側壁の内側に位置し、
前記振動板から離れた側の前記コイルの端部は、前記マグネットの外側でかつ前記筒状の側壁の内側に位置している、
ことを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記ハウジングは筒状に形成され、前記ハウジングの軸心方向の一端は前記振動板の外縁に取着され、前記ハウジングの軸心方向の他端に前記収容空間を閉塞するカバーが取着されていることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記コイルに供給される電気信号は交流信号であり、
1周期分の前記電気信号を1回と数えたときに、前記ハウジングを振動させるために前記コイルに供給される電気信号の回数が2回以上5回以下である、
ことを特徴する請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項13】
ディスプレイパネルとその上に配置されたタッチパネルとを有するパネルユニットと、前記タッチパネルに指が接触した際に電気信号を送出する駆動回路と、前記駆動回路の電気信号に基づいて前記パネルユニットを振動させるアクチュエータとを備えたタッチパネルディスプレイ装置であって、
前記アクチュエータは、
振動することで音響を発生する振動板と、
前記振動板の外縁に取着され前記振動板を支持するハウジングと、
前記振動板と前記ハウジングの内側に形成され前記振動板の中央でその厚さ方向に軸心が延在する収容空間と、
前記軸心回りに巻回され前記収容空間に臨む前記振動板の面に取着されて前記収容空間に配設されたコイルと、
前記収容空間内で前記コイルの半径方向内側の空間またはこの空間の延長上に配置された移動体と、
前記移動体を前記収容空間内で前記軸心方向に移動可能に支持するスプリングとを備え、
前記コイルに電気信号を供給することで前記コイルと前記移動体を前記軸心方向に相対的に振動させることにより前記振動板を振動させて音響を発生し、かつ、前記移動体の振動により前記ハウジングを振動させ、
前記移動体に該移動体の重量を増加させる重量増加部が設けられている、
ことを特徴とするタッチパネルディスプレイ装置。
【請求項14】
前記ハウジングは筒状に形成され、前記ハウジングの軸心方向で前記振動板が取着される箇所と反対の箇所が、前記パネルユニットの前記タッチパネルとは反対側に位置する裏面に取着されることで前記アクチュエータが配設されていることを特徴とする請求項13記載のタッチパネルディスプレイ装置。
【請求項15】
前記タッチパネルディスプレイ装置は筐体を備え、前記筐体の内部に板状のフレームが配設され、前記パネルユニットは、前記タッチパネルが前記筐体の枠状の前面に臨むように前記枠状の前面と前記フレームの厚さ方向の一方の面とで挟持され、前記アクチュエータは前記フレームの厚さ方向の他方の面に取着され前記パネルユニットと離間して配設されていることを特徴とする請求項13記載のタッチパネルディスプレイ装置。
【請求項16】
ディスプレイパネルとその上に配置されたタッチパネルとを有するパネルユニットと、前記タッチパネルに指が接触した際に電気信号を送出する駆動回路と、前記駆動回路の電気信号に基づいて前記パネルユニットを振動させるアクチュエータとを備えた電子機器であって、
前記アクチュエータは、
振動することで音響を発生する振動板と、
前記振動板の外縁に取着され前記振動板を支持するハウジングと、
前記振動板と前記ハウジングの内側に形成され前記振動板の中央でその厚さ方向に軸心が延在する収容空間と、
前記軸心回りに巻回され前記収容空間に臨む前記振動板の面に取着されて前記収容空間に配設されたコイルと、
前記収容空間内で前記コイルの半径方向内側の空間またはこの空間の延長上に配置された移動体と、
前記移動体を前記収容空間内で前記軸心方向に移動可能に支持するスプリングとを備え、
前記コイルに電気信号を供給することで前記コイルと前記移動体を前記軸心方向に相対的に振動させることにより前記振動板を振動させて音響を発生し、かつ、前記移動体の振動により前記ハウジングを振動させ、
前記移動体に該移動体の重量を増加させる重量増加部が設けられている、
ことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2007−129678(P2007−129678A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−32749(P2006−32749)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】