説明

アゼチジン化合物およびその医薬用途

【課題】コロニー刺激因子1受容体の阻害剤で、関節リウマチ、多発性硬化症、骨粗しょう症(卵巣摘出後の骨量減少を含む)及び骨溶解、癌(例えば、肺癌、乳癌)の予防又は治療剤の提供。
【解決手段】下記一般式[I]で表されるアゼチジン化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アゼチジン化合物及びその医薬用途に関する。より詳細には、コロニー刺激因子1受容体(colony stimulating factor 1 receptor/CSF−1R)の阻害剤、及び、自己免疫疾患、炎症性疾患、骨粗しょう症、骨溶解、または、癌の予防または治療のための化合物、並びにその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
CSF−1Rは、受容体型チロシンキナーゼの一種であり、そのリガンドは、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)である。
【0003】
CSF−1Rは、通常、単核食細胞系のミエロイド細胞、及び、骨髄中のそれら前駆細胞に発現している。CSF−1Rの活性化は、単球・マクロファージ系細胞の分化、増殖、生存、遊走を刺激する。
また、マクロファージはインターロイキンやリンフォカインなどの炎症性メディエーターを産生し、各種免疫細胞を分化、増殖及び活性化させる。関節リウマチ、多発性硬化症ではこれら免疫細胞が病態に関与する。さらに、炎症性疾患(例えば、炎症性大腸炎、糸球体腎炎、糖尿病性腎炎)においても、これら免疫細胞が病態に関与する。
内因性M−CSFを欠損するOp/opマウスでは、全身的にマクロファージが減少し、コラーゲン誘発関節炎は改善される。また、CSF−1Rの特異的阻害剤であるKi20227は、マウスコラーゲン誘発関節炎における腫脹、骨破壊を改善する。さらにKi20227は、多発性硬化症の動物モデルであるラット実験的自己免疫性脳脊髄炎を改善する。さらに、抗M−CSF抗体は、糖尿病性腎症の動物モデルであるdb/dbマウスの腎臓障害、腎臓機能を改善することが知られている。
【0004】
CSF−1Rの活性化は、破骨細胞前駆細胞から成熟した破骨細胞への分化を促進する。破骨細胞は、骨破壊及び骨吸収を促進し、骨粗しょう症(卵巣摘出後の骨量減少を含む)及び癌に関連する骨溶解において重要な役割を担う。また、Op/opマウスにおいては破骨細胞の減少が認められ、骨密度が増加する。また、Op/opマウスにおいて、移植した癌細胞による骨溶解は正常マウスと比べると改善される。さらに、CSF−1R特異的阻害剤であるKi20227は、ラット転移癌誘発骨吸収を改善する。
【0005】
CSF−1RまたはM−CSFの高発現やCSF−1Rの活性化が、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、子宮体癌、骨髄異形成症、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病などで認められている。
癌関連マクロファージ(TAM)は、乳癌、子宮体癌、腎臓癌、肺癌、子宮頸癌などの癌における、血管新生、浸潤、癌進行に関与し、予後悪化に関与する。M−CSFは、このTAMの制御に重要な役割を有する。そのため、CSF−1R阻害剤は、これら癌に対する直接作用またはTAMを介した作用により、抗癌作用を有すると考えられている。
Op/opマウスにおいて、移植した癌細胞の増殖は正常マウスと比べて抑制される。
【0006】
これらの知見から、CSF−1R阻害剤は、関節リウマチ、多発性硬化症、骨粗しょう症(卵巣摘出後の骨量減少を含む)及び骨溶解、癌(例えば、肺癌、乳癌)の予防または治療に有益であると考えられている。
さらに、糖尿病性腎症の予防または治療に有益であると考えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、新規なCSF−1R阻害剤を提供することを目的とする。また、関節リウマチ、多発性硬化症、骨粗しょう症(卵巣摘出後の骨量減少を含む)及び骨溶解、癌(例えば、肺癌、乳癌)の予防または治療剤を提供することを目的とする。
さらに、糖尿病性腎症の予防または治療剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、下記一般式(I)で示されるアゼチジン化合物がCSF−1R阻害作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は下記態様の発明を提供するものである。
【0010】
[1]下記一般式[I]で示される化合物またはその医薬上許容される塩、あるいはその溶媒和物:
【化1】

[式中、
は、
(1)C1−6アルキル基、または
(2)ハロゲン原子
であり;
nは、0、または1乃至3の整数であり;
は、下記(1)乃至(8)から選ばれる基
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)下記グループAから選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(4)−O−(CHn1−(O)n2−Rb1
(式中、Rb1は、水素原子、または
下記グループAから選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
n1は0または1乃至4の整数、
n2は0または1、
ただし、n2が1の場合、n1は1乃至4の整数である。)、
(5)
【化2】

(式中、YはC1−4アルキル基もしくは水酸基から選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキレン、
b2は、下記グループAから選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されているC1−6アルキル基)、
(6)−CH=CH−C(=O)−Rb3
(Rb3は、下記グループAから選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基)、
(7)−NRb4b5(式中、Rb4およびRb5は、同一または異なって、水素原子またはC1−6アルキル基)、または
(8)式:
【化3】

{式中、
は下記(i)乃至(v)から選ばれる基:
(i) 単結合、
(ii) C1−4アルキル基に置換されてもよいC1−6アルキレン、
(iii)
【化4】

(式中、Yb1およびYb2は同一または異なって、単結合、または
1−4アルキル基、ハロゲン原子もしくは水酸基から選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキレン)、
(iv) −O−(CHn4−C(=O)−、または
(v) −O−(CHn5−O−C(=O)−であり、
n4、およびn5は1乃至4の整数を示し;
環Tは、
(i)非芳香族単環複素環基(非芳香族単環複素環は、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子より独立して選択される1乃至4個のヘテロ原子を有し、環を構成する原子数が3乃至7個である。)、
(ii)芳香族単環複素環基(芳香族単環複素環は、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子より独立して選択される1乃至4個のヘテロ原子を有し、環を構成する原子数が3乃至7個である。)、または、
(iii)C6−10アリール基、
であり;
は、同一または異なって、下記(i)乃至(vii)から選ばれる基:
(i)ハロゲン原子、
(ii)C1−6アルキル基(C1−6アルキルは、同一または異なった1乃至5個の−ORg1または−C(=O)−ORg1で示される置換基を有していてもよい)、
(iii)−C(=O)−ORg2
(iv)−C(=O)−Rg3
(v)−C(=O)−NRg4g5
(vi)−ORg6、または、
(vii)−SO−Rg7であり、
g1、Rg2、Rg4、Rg5、Rg6およびRg7は、同一または異なって、水素原子またはC1−6アルキル基、
g3は水酸基で置換していてもよいC1−6アルキル基であり;
pは、0、または1乃至4の整数である。}
で示される基であり;
は、水素原子または水酸基であり;
は、下記(1)乃至(4)から選ばれる基:
(1)−ORd1(式中、Rd1は水素原子または同一または異なった1乃至5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基)、
(2)ハロゲン原子、
(3)−C(=O)−ORd2(式中、Rd2は水素原子またはC1−6アルキル基)、または
(4)同一または異なった1乃至5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基であり;
mは、0、または1乃至4の整数であり;
は、下記(1)または(2)から選ばれる基:
(1)C1−12アルキル基、または
(2)式:
【化5】

{式中、
は、C1−4アルキル基で置換されてもよいC1−6アルキレンであり;
環Uは、下記(i)乃至(v)から選ばれる基:
(i) C6−10アリール基、
(ii) C3−10シクロアルキル基、
(iii)C8−11スピロ環式シクロアルキルまたはスピロ環式シクロアルケニル基、
(iv) 芳香族単環複素環基(芳香族単環複素環は、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子より独立して選択される1乃至4個のヘテロ原子を有し、環を構成する原子数が3乃至7個である。)、または、
(v)縮合環式複素環基(縮合環式複素環は、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子より独立して選択される1乃至4個のヘテロ原子を有し、環を構成する原子数が8乃至10個である。)であり;
は、同一または異なって、下記(i)乃至(vi)から選ばれる基:
(i) 同一または異なった1乃至5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(ii) C3−6シクロアルキル基、
(iii)−ORS1(式中、RS1は水素原子または同一または異なった1乃至5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−12アルキル基)、
(iv) ハロゲン原子、
(v) −C(=O)−ORS2(式中、RS2は水素原子またはC1−6アルキル基)、または、
(vi) −SRS3(式中、RS3は水素原子またはC1−6アルキル基)であり;
qは0、または1乃至4の整数である}で示される基であり;
グループAは下記の(a)乃至(e)からなる群から選ばれる:
(a) ハロゲン原子、
(b) −ORA1(式中、RA1は水素原子またはC1−6アルキル基)、
(c) −NRA2A3(式中、RA2及びRA3は、同一もしくは異なって、水素原子または同一もしくは異なって、それぞれ
(c1)水酸基、および/または
(c2)−C(=O)−ORA4(式中、RA4は水素原子またはC1−6アルキル基)
で置換されていてもよいC1−6アルキル基)、
(d) −C(=O)−ORA5(式中、RA5は水素原子またはC1−6アルキル基)、
および、
(e) −C(=O)−NRA6A7(式中、RA6及びRA7は、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子または
(e1)水酸基、および/または
(e2)−NRA8A9(式中、RA8及びRA9は、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子またはC1−6アルキル基)
で置換されていてもよいC1−6アルキル基)。]。
【0011】
[2]上記[1]の式[I]におけるRが、
(1)グループAから選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(2)−O−(CHn1−(O)n2−Rb1
(3)式:
【化6】


(4)−CH=CH−C(=O)−Rb3
(5)−NRb4b5、または
(6)式:
【化7】

(各記号およびグループAは上記[1]におけるものと同義である。)
で示される基である、上記[1]に記載の化合物またはその医薬上許容される塩、あるいはその溶媒和物。
【0012】
[3]下記一般式[II]で表される、上記[1]又は[2]記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。
【化8】

(式中、各記号は上記[1]と同義である。)
【0013】
[4]下記一般式[III]で表される、上記[1]又は[2]記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。
【化9】

(式中、各記号は上記[1]と同義である。)
【0014】
[5]下記一般式[II−C]で表される、上記[1]又は[2]記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。
【化10】

(式中、各記号は上記[1]と同義である。)
【0015】
[6]下記一般式[III−B]で表される、上記[1]又は[2]記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。
【化11】

(式中、各記号は上記[1]と同義である。)
【0016】
[7]下記一般式[IV−A]で表される、上記[1]又は[2]記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。
【化12】

(式中、各記号は上記[1]と同義である。)
【0017】
[8]下記式からなる群から選択される、上記[1]又は[2]記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。









【0018】
[9]上記[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物、及び医薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
【0019】
[10]上記[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物を含む、コロニー刺激因子1受容体阻害剤。
【0020】
[11]上記[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物を含む、自己免疫疾患、炎症性疾患、骨粗しょう症、骨溶解、または、癌の治療又は予防剤。
【0021】
[12−1]自己免疫疾患が、関節リウマチ、多発性硬化症、または乾癬から選択される、上記[11]に記載の治療又は予防剤。
[12−2]自己免疫疾患が関節リウマチである、[12−1]に記載の治療又は予防剤。
[12−3]関節リウマチの治療剤が関節の構造的損傷の防止剤である、[12−2]に記載の治療剤。
【0022】
[13]炎症性疾患が、炎症性大腸炎、糸球体腎炎、または糖尿病性腎炎から選択される、上記[11]に記載の治療又は予防剤。
【0023】
[14]癌が、固型癌(前立腺癌、乳癌など)または血液癌(骨髄異形成症、骨髄性白血病など)から選択される、上記[11]に記載の治療又は予防剤。
【0024】
本発明は、さらに下記の態様の発明を提供するものである。
【0025】
[15]上記[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物を含む、関節リウマチ、多発性硬化症、骨粗しょう症、骨溶解、または癌の治療又は予防剤。
【0026】
[16]哺乳動物に対し、医薬上有効量の、上記[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物を投与することを含む、当該哺乳動物におけるコロニー刺激因子1受容体阻害方法。
【0027】
[17−1]哺乳動物に対し、医薬上有効量の、上記[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物を投与することを含む、当該哺乳動物における自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬)、炎症性疾患(例えば、炎症性大腸炎、糸球体腎炎、糖尿病性腎炎)、骨粗しょう症、骨溶解、または、癌(例えば、前立腺癌、乳癌などの固型癌、および骨髄異形成症、骨髄性白血病などの血液癌)の治療又は予防方法。
[17−2]自己免疫疾患が関節リウマチである、[17−1]に記載の治療又は予防方法。
[17−3]関節リウマチの治療方法が関節の構造的損傷の防止方法である、[17−2]に記載の治療方法。
【0028】
[18]コロニー刺激因子1受容体阻害剤を製造するための、上記[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物の使用。
【0029】
[19−1]自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬)、炎症性疾患(例えば、炎症性大腸炎、糸球体腎炎、糖尿病性腎炎)、骨粗しょう症、骨溶解、または、癌(例えば、前立腺癌、乳癌などの固型癌、および骨髄異形成症、骨髄性白血病などの血液癌)の治療又は予防剤を製造するための、上記[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物の使用。
[19−2]自己免疫疾患が関節リウマチである、[19−1]に記載の使用。
[19−3]関節リウマチの治療剤が関節の構造的損傷の防止剤である、[19−2]に記載の使用。
【0030】
[20]下記:
(1)上記[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物、および
(2)他の関節リウマチ治療剤及び/又は予防剤、骨粗しょう症治療剤及び/又は予防剤、糖尿病性腎症の治療剤及び/又は予防剤、および、癌治療剤及び/又は予防剤からなる群より選ばれる1以上の薬剤
を含む、組み合わせ医薬。
【0031】
[21]他の関節リウマチ治療剤及び/又は予防剤が、レフルノミド、メトトレキサート、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキン、タクロリムス、および、インフリキシマブからなる群から選ばれる、上記[20]に記載の組み合わせ医薬。
【0032】
[22]哺乳動物に対し、医薬上有効量の、上記[20]または[21]に記載の組み合わせ医薬を投与することを含む、当該哺乳動物におけるコロニー刺激因子1受容体阻害方法。
【0033】
[23]哺乳動物に対し、医薬上有効量の、上記[20]または[21]に記載の組み合わせ医薬を投与することを含む、当該哺乳動物における自己免疫疾患、炎症性疾患、骨粗しょう症、骨溶解、または、癌の治療又は予防方法。
【0034】
[24]コロニー刺激因子1受容体阻害剤を製造するための、(1)上記[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物、および(2)他の関節リウマチ治療剤及び/又は予防剤、骨粗しょう症治療剤及び/又は予防剤、糖尿病性腎症の治療剤及び/又は予防剤、および癌治療剤及び/又は予防剤からなる群より選ばれる1以上の薬剤の使用。
【0035】
[25]自己免疫疾患、炎症性疾患、骨粗しょう症、骨溶解、または、癌の治療又は予防剤を製造するための、(1)上記[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物、および(2)他の関節リウマチ治療剤及び/又は予防剤、骨粗しょう症治療剤及び/又は予防剤、糖尿病性腎症の治療剤及び/又は予防剤、および癌治療剤及び/又は予防剤からなる群より選ばれる1以上の薬剤の使用。
【0036】
[26]上記[9]に記載の医薬組成物、及び該医薬組成物を自己免疫疾患、炎症性疾患、骨粗しょう症、骨溶解、または、癌から選ばれる疾患の治療及び/又は予防の用途に使用することができることを記載した該医薬組成物に関する記載物を含む、商業パッケージ。
【0037】
[27]上記[20]に記載の組み合わせ医薬、及び該組み合わせ医薬を関節リウマチ、多発性硬化症、骨粗しょう症、骨溶解、癌、または糖尿病性腎症から選ばれる疾患の治療及び/又は予防の用途に使用することができることを記載した該組み合わせ医薬に関する記載物を含む、商業パッケージ。
【0038】
〔定義〕
本明細書における用語の定義は以下のとおりである。
「置換されていてもよい」とは、対象基の置換可能な各々独立した位置に置換されている場合と置換されていない場合(無置換)の両方を含む。ここで、「無置換」とは、対象基の置換可能な位置がすべて水素原子である場合を意味する。
例えば、「グループAより選択される同一又は異なった1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基」とは、C1−6アルキル基の1つ以上の置換可能な位置が、グループAより選択される同一又は異なった1乃至5個の置換基で置換されている場合と置換されていない場合(無置換)の両方を含む。
【0039】
「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等が挙げられる。
【0040】
「C1−4アルキル基」とは、炭素数1乃至4個を有する直鎖または分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等である。
【0041】
「C1−6アルキル基」とは、炭素数1乃至6個を有する直鎖または分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基等が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、3,3−ジメチルブチル基等である。
【0042】
「C1−12アルキル基」とは、炭素数1乃至12個を有する直鎖または分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルプロピル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基等が挙げられる。好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、3,3−ジメチルブチル基、5−メチル−ヘキシル基、4,4−ジメチルペンチル基等である。
【0043】
「C2−6アルケニル基」とは、炭素数2乃至6個を有し、1個以上の二重結合を含む直鎖状または分枝鎖状の不飽和炭化水素基を意味し、例えば、ビニル基、1−メチルビニル基、1−プロペニル基、アリル基、メチルプロペニル基(1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基等)、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、メチルブテニル基(1−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基等)、ペンテニル基、メチルペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。好ましくは、ビニル基、1−メチルビニル基、1−プロペニル基、メチルプロペニル基等である。
【0044】
「C2−6アルキニル基」とは、炭素数2乃至6個を有し、1個以上の三重結合を含む直鎖状または分枝鎖状の不飽和炭化水素基を意味し、例えば、エチニル基、プロピニル基(1−プロピニル基、2−プロピニル基)、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。好ましくは、エチニル基、1−プロピニル基等である。
【0045】
「C1−6アルキレン」とは、直鎖C1−6アルキル由来の2価の基を意味し、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等が挙げられる。好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレン等である。
【0046】
「C2−6アルケニレン」とは、上記「C2−6アルケニル基」由来の2価の基を意味し、例えば、ビニレン、プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン、ヘキセニレン等が挙げられる。好ましくは、ビニレン等である。
【0047】
「C6−10アリール基」とは、炭素数6乃至10個を有する芳香族炭化水素基を意味し、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。好ましくは、フェニル基である。
【0048】
「C3−10シクロアルキル基」とは、炭素数3乃至10個を有する単環状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。特に、C3−6シクロアルキル基(例、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)が好ましい。
【0049】
「C8−11スピロ環式シクロアルキルまたはスピロ環式シクロアルケニル基」とはスピロ[4,4]ノナニル基、スピロ[4,4]ノン−1−エニル基、スピロ[4,5]デカニル基、スピロ[4,5]デカ−6−エニル基、スピロ[5,5]ウンデカニル基、スピロ[5,5]ウンデカ−1−エニル基等である。
【0050】
「芳香族単環複素環基」とは、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子より独立して選択される1乃至4個のヘテロ原子を有し、環を構成する原子数が3乃至7個である単環の芳香族複素環基を意味し、例えば、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサジアゾリル基(1,2,5−オキサジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基)、チアジアゾリル基(1,2,5−チアジアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基)、トリアゾリル基(1,2,3−トリアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基)、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基等が挙げられる。好ましくは、チエニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサジアゾリル基(1,3,4−オキサジアゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基)、トリアゾリル基(1,2,4−トリアゾリル基)、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基等である。
【0051】
「非芳香族単環複素環基」とは、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子より独立して選択される1乃至4個のヘテロ原子を有し、環を構成する原子数が3乃至7個である単環の飽和または部分不飽和の複素環基を意味し、例えば、オキシラニル基、チオラニル基、アジリジニル基、アゼチジニル基、オキセタニル基、ピロリジニル基、ピロリジノ基(1−ピロリジニル基)、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチエニル基、オキサゾリニル基、オキサゾリジニル基、イソオキサゾリニル基、イソオキサゾリジニル基、チアゾリニル基、チアゾリジニル基、イソチアゾリニル基、イソチアゾリジニル基、イミダゾリニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピペリジニル基、ピペリジノ基(1−ピペリジニル基)、モルホリニル基、モルホリノ基(4−モルホリニル基)、チオモルホリニル基、チオモルホリノ基(4−チオモルホリニル基)、ピペラジニル基、ピペラジノ基(1−ピペラジニル基)、テトラヒドロ−1,3−オキサジニル基、ホモモルホリン、ホモピペラジン等が挙げられる。
該基は、1乃至2個のオキソ基を有していてもよい。また、該基がヘテロ原子として硫黄原子を含む場合、該硫黄原子はモノまたはジオキシド化されていてもよい。また、該基がヘテロ原子として窒素原子を含む場合、該窒素原子はN−オキシド化されていてもよく、または四級化されていてもよい。
特に、アジリジニル基、アゼチジニル基、ピロリジニル基、2−オキソピロリジニル基、2−オキソピロリジノ基、オキサゾリジニル基、2−オキソオキサゾリジニル基、イソチアゾリジニル基、1,1−ジオキソイソチアゾリジニル基、イミダゾリジニル基、2−オキソイミダゾリジニル基、2−オキソピペリジニル基、2−オキソピペリジノ基、モルホリニル基、モルホリノ基、2−オキソモルホリノ基、ピペラジニル基、ピペラジノ基、2−オキソピペラジノ基、3−オキソピペラジノ基、ヘキサヒドロ−2−オキソ−1,3−オキサジニル基等が好ましい。
【0052】
「縮合環式複素環基」とは炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子より独立して選択される1乃至4個のヘテロ原子を有し、環を構成する原子数が8乃至10個である縮合環であり、キノリル、1,2−ジヒドロキノリル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリル、ベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾフラニル、ベンゾチエニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチエニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル等が挙げられる。
【0053】
一般式[I]で表される化合物(以下、化合物[I]と略する場合がある。)の各基についての好適な態様を以下に説明する。
【0054】
は、
(1)C1−6アルキル基、または
(2)ハロゲン原子
である。
の好ましい具体例としては、
(1)メチル基、
(2)フッ素原子、塩素原子
等が挙げられる。
nは、0、または1乃至3の整数であり、
nの好ましい具体例としては、
0、または1乃至2の整数
等が挙げられる。
【0055】
の好ましい具体例は、下記(1)乃至(8)から選ばれる基:
(1)水素原子、
(2)フッ素原子または塩素原子、
(3)下記の基から選ばれる1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、イソヘキシル基:
(a)ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子、
(b)水酸基、
(c)−N(C1−6アルキル)、(該アルキルは水酸基で置換していてもよい)、好ましくはジメチルアミノ基、N−メチル−N−(ヒドロキシエチル)アミノ基、
(4)−O−(CHn1−(O)n2−Rb1(式中、n1は0、1または2、n2は0または1、Rb1は水素原子または下記の基から選ばれる1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基:
(a)ハロゲン原子、
(b)−ORA1(RA1は水素原子またはC1−6アルキル基)、好ましくは水酸基、メチルオキシ基、
(c)−NRA2A3(RA2及びRA3は同一もしくは異なって、水素原子、または水酸基、−COOHもしくは−COO−C1−6アルキルで置換されていてもよいC1−6アルキル基)、好ましくはN−メチル−N−(ヒドロキシカルボニルメチル)アミノ基、ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ基、
(d)−C(=O)−ORA5(RA5は水素原子またはC1−6アルキル基)、好ましくはカルボキシル基、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、
(e)−C(=O)−NRA6A7(RA6及びRA7は同一もしくは異なって、水素原子、または水酸基または−NRA8A9(RA8及びRA9は、同一もしくは異なって、水素原子またはC1−6アルキル基)で置換されていてもよいC1−6アルキル基)、好ましくは2−(ジメチルアミノ)エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基)、
(5)
【化13】

(式中、YはC1−4アルキル基に置換されてもよいC1−6アルキレン、好ましくはメチルメチレンまたはメチレン、
b2は、下記の基から選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されているC1−6アルキル基:
(a)ハロゲン原子、
(b)水酸基またはC1−6アルキルオキシ基、好ましくは水酸基またはメチルオキシ基)、
(6)−CH=CH−CO−Rb3(Rb3は水酸基またはC1−6アルキルオキシカルボニル基から選ばれる1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基)、好ましくはRb3が2−ヒドロキシ−3−メチルオキシカルボニルプロピル基、
(7)−NRb4b5(Rb4およびRb5は同一または異なって、水素原子またはC1−6アルキル基)、好ましくはアミノ基、
(8)式
【化14】

(式中、Yは下記(i)乃至(v)から選ばれる基:
(i)単結合、
(ii)C1−4アルキル基に置換されてもよいC1−6アルキレン、好ましくはメチレン、メチルメチレン、プロピレン、
(iii)
【化15】

(Yb1は単結合、またはメチレン、Yb2はエチレン、または水酸基に置換されているプロピレン)、
(iv)−O−(CHn4−C(=O)−(n4は1、2または3)、
(v)−O−(CHn5−O−C(=O)−(n5は2)、
環Tは、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、3−オキソピペラジニル、ピロリジニル、ホモモルホリン、ホモピペラジン、およびアゼチジニルから選ばれる非芳香族単環複素環基、
は、同一または異なって、下記(i)乃至(vi)から選ばれる基:
(i)ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、
(ii)水酸基またはカルボキシル基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくはメチル基)、
(iii)−C(=O)−ORg2(Rg2は水素原子またはメチル基)、
(iv)−C(=O)−Rg3(Rg3は水酸基で置換されているメチル基)、
(v)−ORg6(Rg6は水素原子またはメチル基)、
(vi)−SO−Rg7(Rg7はメチル基)、
pは0または1乃至2の整数)、
で示される基である。
【0056】
は水素原子または水酸基(好ましくは水素原子)である。
【0057】
は、
(1)−ORd1(Rd1は水素原子またはハロゲン原子から選ばれる1乃至3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基))、
(2)ハロゲン原子(好ましくは塩素原子)、
(3)−C(=O)−ORd2(Rd2はメチル基)、または
(4)1乃至5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくはエチル基、トリフルオロメチル基)、さらに好ましくはRはメチルオキシ基である。
【0058】
mは0または1である。
【0059】
は、
1−12アルキル基(好ましくは、5−メチルヘキシル基)、または

【化16】

〔式中、Yはメチレン;
環Uは、
(i)C6−10アリール基(好ましくはフェニル基)、
(ii)C3−10シクロアルキル基(好ましくは、シクロヘキシル基)、
(iii)C8−11スピロ環式シクロアルキルまたはスピロ環式シクロアルケニル基(好ましくは、スピロ〔4.4〕ノナ−1−エニル基)、
(iv)ピリジルまたはチエニルから選ばれる芳香族単環複素環基、または
(v)ベンゾ〔1,3〕ジオキソリル等の縮合環式複素環基〕;
は、同一または異なって、下記(i)乃至(vi)から選ばれる基:
(i)1乃至5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくはエチル基、トリフルオロメチル基)、
(ii)C3−6シクロアルキル基(好ましくはシクロプロピル基)、
(iii)−O−Rs1(Rs1は1乃至5個のハロゲン原子で置換していてもよいC1−6アルキル基、好ましくはトリフルオロメチル基、またはメチル基)、
(iv)ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子)、
(v)−C(=O)−ORs2(Rs2はC1−6アルキル基、好ましくはメチル基)、
(vi)−SRs3(Rs3はC1−6アルキル基、好ましくはメチル基);
qは0または1乃至2の整数(好ましくは1);
である。
【0060】
一般式[I]で表される化合物の好ましい態様として、以下の式で表される化合物が挙げられる。
【化17】

(式中の各記号は、前記式[I]における定義と同義である。)
【0061】
ここで、一般式[II]で表される化合物として、好ましくは一般式[II−A]、[II−B]、[II−C]、[II−D]、[II−E]および[II−F]で表される化合物である。
【化18】

(式中の各記号は、前記式[I]における定義と同義である。)
nが0(ゼロ)である好ましい化合物として下記の化合物が挙げられる。
【化19】

(式中の各記号は、前記式[I]における定義と同義である。)
【0062】
上記式[II−A]、[II−B]、[II−C]、[II−D]、[II−E]および[II−F]で示される化合物において、特に好ましい化合物は下記記号の意義を有するものである。
はC1−6アルキル基(好ましくはメチル基)、またはハロゲン原子(好ましくはフッ素原子または塩素原子)、nは0または1;
は(i)単結合、
(ii)C1−4アルキル基に置換されてもよいC1−6アルキレン、好ましくはメチレン、メチルメチレン、プロピレン、
(iii)
【化20】

(Yb1は単結合、またはメチレン、Yb2はエチレン、水酸基置換プロピレン)、
(iv)−O−(CHn4−C(=O)−(n4は1、2または3)、
(v)−O−(CHn5−O−C(=O)−(n5は2);
環Tは、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、3−オキソピペラジニル、ピロリジニル、およびアゼチジニルから選ばれる非芳香族単環複素環基;
は(i)ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、
(ii)水酸基またはカルボキシル基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくはメチル基)、
(iii)−C(=O)−Rg1(Rg1は水素原子またはメチル基)、
(iv)−C(=O)−ORg3(Rg3は水酸基に置換されたメチル基)、
(v)−ORg6(Rg6は水素原子またはメチル基)、または
(vi)−SO−Rg7(Rg7はメチル基)、
pは0または1乃至2の整数;
は水素原子;
は−ORd1{Rd1は水素原子またはハロゲン原子から選ばれる1乃至3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)}、さらに好ましくはRはメチルオキシ基;
は(i)1乃至5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくはエチル基、トリフルオロメチル基)、
(ii)C3−6シクロアルキル基(好ましくはシクロプロピル基)、
(iii)−O−Rs1(Rs1は1乃至5個のハロゲン原子で置換していてもよいC1−6アルキル基、好ましくはメチル基、トリフルオロメチル基)、
(iv)ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子)、
qは0、1、2である。
【0063】
ここで、一般式[III]で表される化合物として、好ましくは、一般式[III−A]、[III−B]および[III−C]で表される化合物である。
【化21】

(式中の各記号は、前記式[I]における定義と同義である。)
nが0(ゼロ)である好ましい化合物として下記の化合物が挙げられる。
【化22】

(式中の各記号は、前記式[I]における定義と同義である。)
【0064】
上記式[III−A]、[III−B]および[III−C]で示される化合物において、特に好ましい化合物は下記記号の意義を有するものである。
はC1−6アルキル基(好ましくはメチル基)、またはハロゲン原子(好ましくはフッ素原子または塩素原子)、nは0または1;
は水素原子;
は−ORd1{Rd1は水素原子またはハロゲン原子から選ばれる1乃至3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)}、さらに好ましくはRはメチルオキシ基;
は(i)1乃至5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくはエチル基、トリフルオロメチル基)、
(ii)C3−6シクロアルキル基(好ましくはシクロプロピル基)、
(iii)−O−Rs1(Rs1は1乃至5個のハロゲン原子で置換していてもよいC1−6アルキル基、好ましくはメチル基、またはトリフルオロメチル基)、
(iv)ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子)、
qは0または1;
はメチレン、またはエチレン;
b2は下記の基から選ばれる1乃至5個の置換基で置換されているC1−6アルキル基:
(a)ハロゲン原子、
(b)水酸基またはC1−6アルキルオキシ基、好ましくは水酸基またはメチルオキシ基、で示される基である。
【0065】
一般式[I]で表される化合物の好ましい態様として、以下の式で表される化合物が挙げられる。
【化23】

(式中の各記号は、前記式[I]における定義と同義である。)
nが0(ゼロ)である好ましい化合物として下記の化合物が挙げられる。
【化24】

(式中の各記号は、前記式[I]における定義と同義である。)
【0066】
上記式[IV]、[IV−A]および[IV−B]で示される化合物において、特に好ましい化合物は下記記号の意義を有するものである。
はC1−6アルキル基(好ましくはメチル基)、またはハロゲン原子(好ましくはフッ素原子または塩素原子)、nは0または1;
は水素原子;
は−ORd1{Rd1は水素原子またはハロゲン原子から選ばれる1乃至3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくは、メチル基、エチル基)}、さらに好ましくはRはメチルオキシ基;
は(i)1乃至5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基(好ましくはエチル基、トリフルオロメチル基)、
(ii)C3−6シクロアルキル基(好ましくはシクロプロピル基)、
(iii)−O−Rs1(Rs1は1乃至5個のハロゲン原子で置換していてもよいC1−6アルキル基、好ましくはトリフルオロメチル基、メチル基)、
(iv)ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子)、
qは0または1;
b1は水酸基、またはカルボキシル基から選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基;
n1は0;
n2は0
である。
【0067】
本発明の化合物を表記する際には、ピリジン環、ベンゼン環、T環、U環等に結合する結合鎖が環の周囲を横切って表示される場合は、該環を構成する原子で、結合可能ないずれかの原子と結合していることを意図する。
例えば、
【化25】

上記表記は下記態様を表すが、これらに限定されるものではない。
【化26】

【0068】
一般式[I]で表される化合物(以下、本発明化合物ともいう)の医薬上許容される塩とは、本発明化合物と無毒の塩を形成するものであればいかなる塩でもよく、例えば、無機酸との塩、有機酸との塩、無機塩基との塩、有機塩基との塩、アミノ酸との塩等が挙げられる。
無機酸との塩として、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等との塩が挙げられる。
有機酸との塩として、例えば、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、グルコン酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。
無機塩基との塩として、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
有機塩基との塩として、例えば、メチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、グアニジン、ピリジン、ピコリン、コリン、シンコニン、メグルミン等との塩が挙げられる。
アミノ酸との塩として、例えば、リジン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
自体公知の方法に従って、一般式[I]で表される化合物と、無機塩基、有機塩基、無機酸、有機酸、又はアミノ酸とを反応させることにより、各々の塩を得ることができる。
【0069】
「溶媒和物」とは、一般式[I]で表される化合物又はその医薬上許容される塩に、溶媒の分子が配位したものであり、水和物も包含される。溶媒和物は、医薬上許容される溶媒和物が好ましい。例えば、一般式[I]で表される化合物又はその医薬上許容される塩の水和物、エタノール和物、ジメチルスルホキシド和物等が挙げられる。具体的には、一般式[I]で表される化合物の半水和物、1水和物、2水和物又は1エタノール和物、或いは一般式[I]で表される化合物のナトリウム塩の1水和物又は2塩酸塩の2/3エタノール和物等が挙げられる。
自体公知の方法に従って、その溶媒和物を得ることができる。
【0070】
また、一般式[I]で表される化合物においては、種々の「異性体」が存在する。例えば、幾何異性体としてE体及びZ体が存在し、また、不斉炭素原子が存在する場合は、これらに基づく立体異性体としての鏡像異性体及びジアステレオマーが存在する。また、軸不斉が存在する場合は、これらに基づく立体異性体が存在する。場合によっては互変異性体が存在し得る。従って、本発明の範囲にはこれらすべての異性体及びそれらの混合物が包含される。
【0071】
また、一般式[I]で表される化合物は、1つ以上の同位元素(例えば、H、14C、35S等)で標識されていてもよい。また、一般式[I]で表される化合物のいずれか1つまたは2つ以上のHをH(D)に変換した重水素変換体も一般式[I]で表される化合物に包含される。
【0072】
一般式[I]で表される化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物としては、実質的に精製された、一般式[I]で表される化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物が好ましい。さらに好ましくは、80%以上の純度に精製された、一般式[I]で表される化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物である。
【0073】
本発明においては、一般式[I]で表される化合物のプロドラッグもまた、有用な薬剤となり得る。「プロドラッグ」とは、化学的又は代謝的に分解し得る基を有し、生体に投与された後、例えば、加水分解、加溶媒分解、又は、生理的条件下で分解することによって、元の化合物に復元して本来の薬効を示す本発明化合物の誘導体であり、共有結合によらない複合体、及び、塩も考えられる。プロドラッグは、例えば、経口投与における吸収改善のため、或いは、標的部位へのターゲティングのために利用される。修飾部位としては本発明化合物中の水酸基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基などの反応性の高い官能基が挙げられる。
水酸基の修飾基として具体的には、アセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基、ピバロイル基、パルミトイル基、ベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、ジメチルカルバモイル基、ジメチルアミノメチルカルボニル基、スルホ基、アラニル基、フマリル基等が挙げられる。また、ナトリウム塩化した3−カルボキシベンゾイル基、2−カルボキシエチルカルボニル基等が挙げられる。
カルボキシル基の修飾基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ピバロイルオキシメチル基、カルボキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、1−(アセチルオキシ)エチル基、1−(エチルオキシカルボニルオキシ)エチル基、1−(イソプロピルオキシカルボニルオキシ)エチル基、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル基、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基、ベンジル基、フェニル基、o−トリル基、モルホリノエチル基、N,N−ジエチルカルバモイルメチル基、フタリジル基等が挙げられる。
アミノ基の修飾基として具体的には、tert−ブチル基、ドコサノイル基、ピバロイルメチルオキシ基、アラニル基、ヘキシルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基、3−メチルチオ−1−(アセチルアミノ)プロピルカルボニル基、1−スルホ−1−(3−エチルオキシ−4−ヒドロキシフェニル)メチル基、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルオキシカルボニル基、テトラヒドロフラニル基、ピロリジルメチル基等が挙げられる。
【0074】
「医薬組成物」としては、1つ以上の医薬活性成分と1つ以上の医薬上許容される担体との混合物、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等の経口剤、或いは外用剤、坐剤、注射剤、点眼剤、経鼻剤、経肺剤等の非経口剤等の加工された製剤などが挙げられる。
【0075】
本発明医薬組成物は、医薬製剤の技術分野において自体公知の方法に従って、例えば一般式[I]で表される化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物を、少なくとも1種以上の医薬上許容される担体等と、適宜、適量混合等することによって、製造される。該医薬組成物中の一般式[I]で表される化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物の含量は、剤形、投与量等により異なるが、例えば、組成物全体の0.1乃至100重量%、好ましくは0.1乃至70重量%である。
該「医薬上許容される担体」としては、製剤素材として慣用の各種有機又は無機担体物質が挙げられ、例えば、固形製剤における賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤等、或いは液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等が挙げられる。更に必要に応じて、保存剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の添加物が用いられる。
「賦形剤」としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、トウモロコシデンプン、デキストリン、微結晶セルロース、結晶セルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴム等が挙げられる。
「崩壊剤」としては、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロース等が挙げられる。
「結合剤」としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、結晶セルロース、白糖、デキストリン、デンプン、ゼラチン、カルメロースナトリウム、アラビアゴム等が挙げられる。
「流動化剤」としては、例えば、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
「滑沢剤」としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
「溶剤」としては、例えば、精製水、エタノール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。
「溶解補助剤」としては、例えば、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
「懸濁化剤」としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、カルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プロピレングリコール、ポビドン、メチルセルロース、モノステアリン酸グリセリン等が挙げられる。
「等張化剤」としては、例えば、ブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、D−マンニトール等が挙げられる。
「緩衝剤」としては、例えば、リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
「無痛化剤」としては、例えば、ベンジルアルコール等が挙げられる。
「保存剤」としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸等が挙げられる。
「抗酸化剤」としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸等が挙げられる。
「着色剤」としては、例えば、食用色素(例:食用赤色2号若しくは3号、食用黄色4号若しくは5号等)、β−カロテン等が挙げられる。
「甘味剤」としては、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム等が挙げられる。
【0076】
本発明医薬組成物は、ヒトはもちろんのこと、ヒト以外の哺乳動物(例:マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、サル等)に対しても、経口的又は非経口的(例:局所、直腸、静脈投与等)に投与することができる。投与量は、投与対象、疾患、症状、剤形、投与ルート等により異なるが、例えば、成人の関節リウマチ患者(体重:約60kg)に経口投与する場合の投与量は、有効成分である本発明化合物として、1日あたり、通常約1mg乃至1gの範囲である。これらの量を1回乃至数回に分けて投与することができる。
【0077】
一般式[I]で表される化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物は、コロニー刺激因子1受容体を阻害することから、以下の疾患の治療剤または予防剤の有効成分として用いることができる:
(a)関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬などの自己免疫疾患
(b)炎症性大腸炎、糸球体腎炎、糖尿病性腎炎などの炎症性疾患
(c)骨粗しょう症(卵巣摘出後の骨量減少を含む)及び骨溶解、
(d)癌(例えば前立腺癌、乳癌などの固型癌、または骨髄異形成症、骨髄性白血病などの血液癌)。
「関節リウマチ」には「関節の構造的損傷」が含まれ、「関節リウマチの治療」には「関節の構造的損傷の防止」が含まれる。
【0078】
「コロニー刺激因子1受容体を阻害する」とは、コロニー刺激因子1受容体としての機能を特異的に阻害してその活性を消失若しくは減弱することを意味し、例えば、後述する試験例1の条件に基づいて、コロニー刺激因子1受容体の機能を特異的に阻害することを意味する。「コロニー刺激因子1受容体を阻害する」として、好ましくは、「ヒトコロニー刺激因子1受容体を阻害する」である。「コロニー刺激因子1受容体阻害剤」として、好ましくは、「ヒトコロニー刺激因子1受容体阻害剤」である。
【0079】
上記一般式[I]で表される化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物を、医薬分野で行われている一般的な方法で、1又は複数の他の薬剤(以下、併用薬剤ともいう)と組み合わせた組み合わせ医薬として使用(以下、併用ともいう)することができる。
【0080】
上記組み合わせ医薬中の一般式[I]で表される化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物、及び併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、配合剤として投与してもよいし、両製剤を同時に又は一定の間隔をおいて別々に投与してもよい。また、本発明の医薬組成物及び併用薬剤とからなるキットとしてもよい。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、疾患、症状、剤形、投与ルート、投与時間、組み合わせ等により適宜選択することができる。併用薬剤の投与形態は、特に限定されず、本発明化合物又はその塩、或いはその溶媒和物と併用薬剤とが組み合わされていればよい。
【0081】
併用薬剤としては、例えば、
(1)関節リウマチの治療剤及び/又は予防剤
(2)骨粗しょう症の治療剤及び/又は予防剤
(3)癌の治療剤及び/又は予防剤
(4)糖尿病性腎症の治療剤及び/又は予防剤
等が挙げられ、これら1乃至3剤と一般式[I]で表される化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物とを組み合わせて用いることができる。
【0082】
「関節リウマチの治療剤及び/又は予防剤」としては、例えば、レフルノミド、メトトレキサート、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキン、タクロリムス、インフリキシマブなどが挙げられる。
【0083】
次に、本発明の実施に用いる化合物の製造方法の一例を説明する。しかしながら、本発明化合物の製造方法はこれらに限定されるものではない。
本発明化合物を製造するに際し、必要に応じて官能基に保護基を導入し、後工程で脱保護を行う;官能基を前駆体として各工程に処し、しかるべき段階で所望の官能基に変換する;各製法及び工程の順序を入れ替えるなどの工夫により効率よい製造方法を実施してもよい。
また、各工程において、反応後の処理は、通常行われる方法を行えばよく、単離精製は、必要に応じて結晶化、再結晶、蒸留、分液、シリカゲルクロマトグラフィー、分取HPLC等の慣用される方法を適宜選択し、また組み合わせて行えばよい。
各工程で得られる化合物は、場合によっては、単離精製せず次の工程に進むことができる。
【0084】
なお、製造方法 実施例中、略号は以下の通りである。
p−トルエンスルホニル基(Ts)、
メタンスルホニル基(Ms)、
tert−ブチルジメチルシリル基(TBDMS)
トリメチルシリル基(TMS)
トリエチルシリル基(TES)
トリフルオロメタンスルホニルオキシ基(OTf)
tert−ブトキシカルボニル基(Boc)

リチウムジイソプロピルアミド(LDA)
水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(WSC・HCl)
1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール 一水和物(HOBt・HO)
テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)
N−ブロモコハク酸イミド(NBS)

ジメチルスルホキシド(DMSO)
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
テトラヒドロフラン(THF)
【0085】
製造方法1
【化27】

〔式中、
は水素原子;
はハロゲン、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、好ましくはブロモ、ヨウ素などの脱離基;
はハロゲン、メタンスルホニルオキシ、好ましくはクロロ、ブロモなどの脱離基、または、水酸基;
Mは亜鉛、ホウ素、すずなどを含む金属反応置換基、たとえば、ハロゲノ亜鉛、ボロン酸、トリアルキルすずなど。好ましくはハロゲノ亜鉛、特に好ましくはZnI、ZnBr;
はアミンの保護基であり、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基;
Yは水酸基、ハロゲン等、好ましくは水酸基;
bxは各種反応により置換基Rに変換できる置換基またはR
および、R、R、R、R、mおよびnは前記式[I]における定義と同義である。〕
【0086】
上記方製造方法1における各工程は下記のとおり行われる。
【0087】
第1工程
(1)例えばXがハロゲンやメタンスルホニルオキシ等の脱離基である場合:
化合物[Va]を溶媒中、塩基存在下で、[Vb]と結合反応させることにより、化合物[Vc]を得ることができる。反応に用いる溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメチルオキシエタン、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、酢酸メチル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合して使用することができる。本反応における好ましい溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミドである。
反応に用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、LDA、カリウム tert−ブトキシド、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、好ましくは炭酸カリウムである。
【0088】
(2)Xが水酸基である場合:
化合物[Va]を溶媒中、アゾジカルボン酸ジエステル(例えば、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル)とトリフェニルホスフィンの存在下で、[Vb]と光延(Mitsunobu)反応させることにより、化合物[Vc]を得ることができる。反応に用いる溶媒は、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合して使用することができる。本反応における好ましい溶媒は、テトラヒドロフランである。
【0089】
第2工程
化合物[Vc]を溶媒中、金属触媒および配位子の存在下または非存在下で、[Vd]と根岸(Negishi)カップリングさせることにより、化合物[Ve]を得ることができる。反応に用いる溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメチルオキシエタン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合して使用することができる。本反応における好ましい溶媒は、テトラヒドロフランである。反応に用いる金属触媒としては、パラジウム、ニッケルを有するものが挙げられるが、好ましくはパラジウムであり、特に好ましくはビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドおよび酢酸パラジウム(II)である。
反応に用いる配位子としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメチルオキシビフェニル等のホスフィンが挙げられる。好ましくは2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメチルオキシビフェニルである。
金属触媒の使用量は化合物[Vc]1モルに対し、通常約0.001乃至1モルであり、好ましくは約0.01乃至0.2モルである。
【0090】
反応温度は、通常約室温乃至120℃で、好ましくは室温乃至50℃である。反応時間は、通約30分乃至2日間で、好ましくは約1乃至24時間である。
なお、実施例中の室温は1〜40℃を意味する。
【0091】
化合物[Vd]の使用量は、化合物[Vc]1モルに対し、通常約1乃至5モルであり、好ましくは約1乃至3モルである。
【0092】
第3工程
常法のアミン脱保護反応で、化合物[Ve]のPを除去することにより、化合物[Vf]を得ることができる。脱保護反応は、採用される保護基に応じた公知の方法で行えばよい。
例えばPがtert−ブトキシカルボニル基である場合、クロロホルム、THF、ジオキサン、酢酸エチル、エタノール、水等の単独又は混合溶媒中、HCl、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等の酸で処理をすればよい。
【0093】
第4工程
常法のアミド結合生成反応で、化合物[Vf]を溶媒中、縮合剤の存在下、[Vg]と反応させることにより、化合物[Vh]を得ることができる。
反応に用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメチルオキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合して使用することができる。本反応における好ましい溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミドである。
反応に用いる縮合剤としては、水溶性カルボジイミド(WSC・HCl:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、カルボニルジイミダゾール(CDI)が挙げられる。必要に応じて、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール 一水和物(HOBt・HO)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)等を加えても良い。本反応における好ましい縮合剤は、水溶性カルボジイミド(WSC・HCl:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)および1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール 一水和物(HOBt・HO)の混合である。
【0094】
第5工程
化合物[Vh]を溶媒中、各種官能基変換反応により、化合物[I]を得ることができる。
【0095】
(1)RがORb1の場合〔式中、Rb1は前記式[I]における定義と同義である。〕:
例えば、化合物[Vh](式中、Rbxが水酸基の場合)から下記エーテル生成反応を行ない、その後、官能基変換をすればよい。たとえば、下記スキームの方法等により製造できる。
〔式中、
Xはハロゲン、メタンスルホニルオキシ、好ましくはクロル、ブロモなどの脱離基
およびpは前記式[I]における定義と同義である。〕
【化28】

【0096】
(2)例えばR
【化29】

の場合や、R
【化30】

であり、Y
【化31】

等の場合、下記スキームの方法で製造できる。
〔式中、
Xはハロゲン、メタンスルホニルオキシ、好ましくはクロル、ブロモなどの脱離基
およびpは前記式[I]における定義と同義である。〕
【化32】

【0097】
上記製造方法における反応剤[Vg]は、下記スキームの方法で製造される。
【化33】

〔式中、各記号は前記製造方法1における定義と同義である〕
【0098】
製造方法2
【化34】

一般式[I]において、Rが水酸基である製造方法。
〔他の記号は製造方法1において定義したものと同義である〕
【0099】
第1b工程
化合物[Vc]を溶媒中、塩基存在下で、[Vi]と結合反応させることにより、化合物[Vj]を得ることができる。例えばXがブロモである場合、好ましい反応溶媒としてはテトラヒドロフランであり、好ましい塩基はn−ブチルリチウムである。
【0100】
第2b工程
前記製造方法1の第3工程と同様に、常法のアミン脱保護反応で、化合物[Vj]のPを除去することにより、化合物[Vk]を得ることができる。
【0101】
第3b工程
前記製造方法1の第4工程と同様に、常法のアミド結合生成反応で、化合物[Vk]を溶媒中、縮合剤の存在下、[Vg]と反応させることにより、化合物[Vl]を得ることができる。
【0102】
第4b工程
前記製造方法1中、上記第5工程と同様の反応条件で、化合物[Vl]を溶媒中、各種官能基変換反応により、化合物[Ia]を得ることができる。
なお、ピリジン環上の置換基が変換を必要とせず、RbxがRの場合は、本工程は省略される。
【0103】
製造方法3
【化35】

〔式中、Pは水酸基の保護基、好ましくはベンジル系保護基(ベンジル基、エチルベンジル基、メチルオキシベンジル基)であり、他の記号は前記製造方法1における定義と同義である。〕
【0104】
第1c工程
前記製造方法1の第1工程と同様に、例えばXがハロゲンやメタンスルホニルオキシ等の脱離基である場合、化合物[Va]を溶媒中、塩基存在下で、[Vm]と結合反応させることにより、化合物[Vn]を得ることができる。
また、Xが水酸基である場合、化合物[Va]を溶媒中、アゾジカルボン酸ジエステル(例えば、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル)とトリフェニルホスフィンの存在下で、[Vm]と光延(Mitsunobu)反応させることにより、化合物[Vn]を得ることができる。
【0105】
第2c工程
前記製造方法1の第2工程と同様に化合物[Vn]を溶媒中、金属触媒および配位子の存在下で、[Vd]と根岸(Negishi)カップリングさせることにより、化合物[Vo]を得ることができる。
【0106】
第3c工程
前記製造方法1の第3工程と同様に、常法のアミン脱保護反応で、化合物[Vo]のPを除去することにより、化合物[Vp]を得ることができる。
【0107】
第4c工程
前記製造方法1の第4工程と同様に、常法のアミド結合生成反応で、化合物[Vp]を溶媒中、縮合剤の存在下、[Vg]と反応させることにより、化合物[Vq]を得ることができる。
【0108】
第5c工程
常法のフェノール脱保護反応で、化合物[Vq]のPを除去することにより、化合物[Vr]を得ることができる。脱保護反応は、採用される保護基に応じた公知の方法で行えばよい。例えばPがベンジル系保護基である場合、クロロホルム、THF、酢酸エチル、エタノール、メタノール、水等の単独又は混合溶媒中、パラジウム炭素などの触媒存在下、水素添加反応させればよい。
【0109】
第6c工程
前記製造方法1の第1工程と同様に、例えばXがハロゲン、メタンスルホニルオキシ等の脱離基である場合、化合物[Vr]を溶媒中、塩基存在下で、[Vb]と結合反応させることにより、化合物[Vh]を得ることができる。
また、Xが水酸基である場合、化合物[Vr]を溶媒中、アゾジカルボン酸ジエステル(例えば、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル)とトリフェニルホスフィンの存在下で、[Vb]と光延(Mitsunobu)反応させることにより、化合物[Vh]を得ることができる。
【0110】
第7c工程
前記製造方法1中、第5工程と同様の反応条件で、化合物[Vh]を溶媒中、各種官能基変換反応により、化合物[I]を得ることができる。
なお、ピリジン環上の置換基が変換を必要とせず、RbxがRの場合は、本工程は省略される。
【発明の効果】
【0111】
本発明の化合物[I]は、CSF−1R阻害活性を有し、自己免疫疾患、炎症性疾患、骨粗しょう症、骨溶解、または、癌の予防または治療剤として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0112】
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【実施例】
【0113】
実施例1:{3−[4−(4−シクロプロピルベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル]アゼチジン−1−イル}−[4−((S)−2,3−ジヒドロキシプロポキシメチル)ピリジン−2−イル]メタノン
【0114】
(1)4−シクロプロピル−ベンズアルデヒド
【化36】

4−ブロモベンズアルデヒド(94g)のトルエン(470mL)溶液に窒素気流下、フッ化カリウム(95g)、シクロプロピルボロン酸(48g)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(3.6g)を加えた。反応混合物を窒素気流下110℃で24時間攪拌した。反応混合物を、セライトを用いてろ過した。ろ液を減圧濃縮することにより未精製の表題化合物を得た。
【0115】
(2)(4−シクロプロピル−フェニル)−メタノール
【化37】

NaBH(15g)のエタノール(180mL)溶液に窒素気流下、上記(1)で得られた未精製の4−シクロプロピル−ベンズアルデヒドを0℃で加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌した。反応混合物に6N 塩酸(90mL)を0℃で加えた。反応混合物を30分間攪拌後、減圧濃縮した。残渣に水を加え、トルエンで抽出した。溶媒を減圧留去した。得られた残渣を減圧蒸留することにより表題化合物(60g、79%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 7.17 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.01 (2H, d, J = 8.12 Hz), 5.06 (1H, t, J = 5.68 Hz), 4.42 (2H, d, J = 5.57 Hz), 1.91-1.85 (1H, m), 0.94-0.89 (2H, m), 0.64-0.60 (2H, m).
【0116】
(3)1−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−4−ヨード−2−メトキシ−ベンゼン
【化38】

上記(2)で得られた(4−シクロプロピル−フェニル)−メタノール(4.5g)と4−ヨード−2−メトキシフェノール(7.5g)のTHF(40mL)溶液にトリフェニルホスフィン(8.7g)およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(6.5mL)を0℃で加えた。反応液を室温で22時間攪拌した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製することにより表題化合物(5.3g、46%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 7.28 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.21-7.18 (2H, m), 7.08 (2H, d, J = 8.12 Hz), 6.83 (1H, d, J = 8.35 Hz), 4.99 (2H, s), 3.75 (3H, s), 1.94-1.87 (1H, m), 0.96-0.92 (2H, m), 0.68-0.64 (2H, m).
【0117】
(4)3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチル エステル
【化39】

亜鉛(3.0g)と塩化リチウム(1.5g)のTHF(25mL)懸濁液にアルゴン気流下、ジブロモエタン(0.30mL)およびクロロトリメチルシラン(0.44mL)を70℃で加えた。混合物を70℃で10分間攪拌した。その混合物に1−Boc−3−ヨードアゼチジン(9.8g)のTHF(10mL)溶液を室温で滴下した。混合物を室温で1時間攪拌した。その混合物に上記(3)で得られた1−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−4−ヨード−2−メトキシ−ベンゼン(5.3g)のTHF(15mL)溶液およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.49g)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物に飽和NHCl水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1〜4/1)で精製することにより表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 7.29 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.08 (2H, d, J = 8.12 Hz), 6.97 (1H, d, J = 8.35 Hz), 6.90 (1H, d, J = 2.09 Hz), 6.80 (1H, dd, J = 8.35, 1.86 Hz), 4.99 (2H, s), 4.20 (2H, t, J = 8.12 Hz), 3.82 (2H, t, J = 6.84 Hz), 3.77 (3H, s), 3.74-3.69 (1H, m), 1.94-1.88 (1H, m), 1.40 (9H, s), 0.96-0.92 (2H, m), 0.68-0.64 (2H, m).
【0118】
(5)3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン 一塩酸塩
【化40】

上記(4)で得られた全量の3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチル エステルの酢酸エチル(30mL)溶液に4N HCl/酢酸エチル(30mL)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で10分間、室温で30分間攪拌した。反応混合物を氷冷下、攪拌した。析出した固体をろ取、乾燥することにより表題化合物(2.61g、54%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.73 (2H, br s), 7.29 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.09-7.06 (3H, m), 7.00 (1H, d, J = 8.12 Hz), 6.87 (1H, dd, J = 8.23, 1.97 Hz), 5.01 (2H, s), 4.25-4.17 (2H, m), 4.06-4.00 (3H, m), 3.80 (3H, s), 1.94-1.88 (1H, m), 0.96-0.92 (2H, m), 0.67-0.63 (2H, m).
【0119】
(6){3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−(4−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−メタノン
【化41】

上記(5)で得られた3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン 一塩酸塩(5.0g)、4−ヒドロキシメチルピリジン−2−カルボン酸(2.2g)とWSC・HCl(3.3g)とHOBt・HO(2.7g)のDMF(50mL)溶液にトリエチルアミン(3.0mL)を加えた。反応混合物を室温で21時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチル/THF混合溶媒で抽出した。有機層を水、1N NaOH水溶液で洗浄後、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣にヘキサンを加えた。析出した固体をろ取、乾燥することにより表題化合物(4.0g、62%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.54 (1H, d, J = 4.85 Hz), 7.95 (1H, s), 7.45-7.44 (1H, m), 7.30 (2H, d, J = 8.16 Hz), 7.08 (2H, d, J = 8.16 Hz), 6.99-6.97 (2H, m), 6.87 (1H, dd, J = 8.38, 1.98 Hz), 5.52 (1H, t, J = 5.84 Hz), 4.99 (2H, s), 4.97 (1H, t, J = 9.26 Hz), 4.60 (2H, d, J = 5.73 Hz), 4.55 (1H, dd, J = 10.26, 6.29 Hz), 4.45 (1H, t, J = 9.04 Hz), 4.08 (1H, dd, J = 9.92, 6.62 Hz), 3.93-3.85 (1H, m), 3.77 (3H, s), 1.94-1.88 (1H, m), 0.96-0.92 (2H, m), 0.68-0.64 (2H, m).
【0120】
(7)メタンスルホン酸 2−{3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−カルボニル}−ピリジン−4−イルメチル エステル
【化42】

上記(6)で得られた{3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−(4−ヒドロキシメチル−ピリジン−2−イル)−メタノン(4.0g)のクロロホルム(80mL)溶液にトリエチルアミン(3.0mL)およびメタンスルホニルクロリド(1.5mL)を0℃で加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣にヘキサンを加えた。析出した固体をろ取、乾燥することにより表題化合物(4.6g、99%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.66 (1H, d, J = 5.10 Hz), 8.02 (1H, s), 7.57 (1H, dd, J = 5.10, 1.16 Hz), 7.30 (2H, d, J = 7.88 Hz), 7.08 (2H, d, J = 8.12 Hz), 6.99-6.97 (2H, m), 6.87 (1H, dd, J = 8.12, 1.86 Hz), 5.42 (2H, s), 4.99-4.95 (3H, m), 4.56 (1H, dd, J = 9.97, 6.49 Hz), 4.47 (1H, t, J = 9.62 Hz), 4.09 (1H, dd, J = 9.97, 6.49 Hz), 3.94-3.86 (1H, m), 3.77 (3H, s), 3.32 (3H, s), 1.94-1.88 (1H, m), 0.96-0.92 (2H, m), 0.68-0.64 (2H, m).
【0121】
(8){3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシメチル)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【化43】

(R)−(−)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール(0.42mL)のDMF(10mL)溶液にNaH(0.14g)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。その混合物に上記(7)で得られたメタンスルホン酸 2−{3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−カルボニル}−ピリジン−4−イルメチル エステル(0.80g)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去することにより未精製の表題化合物を得た。
【0122】
(9){3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]アゼチジン−1−イル}−[4−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシメチル)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【化44】

上記(8)で得られた未精製の{3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−((R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシメチル)−ピリジン−2−イル]−メタノンのTHF(10mL)溶液に1N 塩酸(5mL)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物に1N NaOH水溶液および飽和NaHCO水溶液を加えた。その混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をプレパラティブ薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=8/1)で精製することにより表題化合物(0.30g、38%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.57 (1H, d, J = 4.87 Hz), 7.94 (1H, s), 7.49 (1H, dd, J = 4.87, 1.16 Hz), 7.30 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.08 (2H, d, J = 8.12 Hz), 6.98 (2H, dd, J = 4.99, 3.13 Hz), 6.87 (1H, dd, J = 8.35, 1.86 Hz), 4.99-4.94 (3H, m), 4.77 (1H, d, J = 5.10 Hz), 4.62 (2H, s), 4.57-4.53 (2H, m), 4.46 (1H, t, J = 9.74 Hz), 4.08 (1H, dd, J = 10.09, 6.38 Hz), 3.93-3.85 (1H, m), 3.77 (3H, s), 3.69-3.62 (1H, m), 3.52 (1H, dd, J = 9.86, 4.52 Hz), 3.42-3.35 (3H, m), 1.94-1.88 (1H, m), 0.95-0.93 (2H, m), 0.68-0.64 (2H, m).
MASS 519(M+1).
【0123】
実施例2:{3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【0124】
(1){3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【化45】

4−ヒドロキシピリジン−2−カルボン酸を用いて、前記実施例1(6)と同様にして得られた{3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−(4−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル)−メタノン(0.45g)とKCO(0.21g)のDMF(8.0mL)懸濁液にトルエン−4−スルホン酸 (R)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル エステル(0.33g)を加えた。反応混合物を100℃で13時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和NaCl水溶液で洗浄後、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製することにより表題化合物(0.27g、49%)を得た。
【0125】
(2){3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−((R)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【化46】

上記(1)で得た{{3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−((S)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメトキシ)−ピリジン−2−イル]−メタノン(0.27g)のTHF(4.0mL)溶液に1N 塩酸(2.0mL)を加えた。反応混合物を60℃で2時間攪拌した。反応混合物に1N NaOH水溶液(2.0mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。溶媒を減圧留去した。残渣にヘキサン/酢酸エチル(1/1)の混合溶媒を加えた。析出した固体をろ取し、乾燥することにより表題化合物(0.23g、93%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.42 (1H, d, J = 5.64 Hz), 7.49 (1H, d, J = 2.62 Hz), 7.30 (2H, d, J = 8.26 Hz), 7.10-7.07 (3H, m), 6.99-6.97 (2H, m), 6.86 (1H, dd, J = 8.46, 1.81 Hz), 5.04 (1H, d, J = 5.04 Hz), 4.99 (2H, s), 4.95 (1H, t, J = 9.27 Hz), 4.73 (1H, t, J = 5.64 Hz), 4.54 (1H, dd, J = 10.17, 6.55 Hz), 4.44 (1H, t, J = 9.37 Hz), 4.16 (1H, dd, J = 10.17, 3.73 Hz), 4.09-3.99 (2H, m), 3.92-3.79 (2H, m), 3.77 (3H, s), 3.47-3.42 (2H, m), 1.94-1.88 (1H, m), 0.96-0.92 (2H, m), 0.68-0.64 (2H, m).
MASS 505(M+1).
【0126】
実施例3:{3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−(3−ヒドロキシ−2,2−ビス−ヒドロキシメチル−プロポキシメチル)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【0127】
(1){3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−(5−ヒドロキシメチル−2−フェニル−[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシメチル)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【化47】

(5−ヒドロキシメチル−2−フェニル−[1,3]ジオキサン−5−イル)−メタノール(0.66g)のDMF(10mL)溶液にNaH(0.12g)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。その混合物に前記実施例1(7)で得られたメタンスルホン酸 2−{3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−カルボニル}−ピリジン−4−イルメチル エステル(0.7g)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去することにより未精製の表題化合物を得た。
【0128】
(2){3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−(3−ヒドロキシ−2,2−ビス−ヒドロキシメチル−プロポキシメチル)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【化48】

上記(1)で得た未精製の{3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−(5−ヒドロキシメチル−2−フェニル−[1,3]ジオキサン−5−イルメトキシメチル)−ピリジン−2−イル]−メタノンのTHF(10mL)溶液に1N 塩酸(5.0mL)を加えた。反応混合物を室温で24時間攪拌した。反応混合物に1N NaOH水溶液と飽和NaHCO水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)で精製することにより表題化合物(0.33g、44%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.57 (1H, d, J = 4.87 Hz), 7.92 (1H, s), 7.47 (1H, dd, J = 4.99, 1.51 Hz), 7.30 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.08 (2H, d, J = 8.12 Hz), 6.98 (2H, dd, J = 5.10, 3.25 Hz), 6.87 (1H, dd, J = 8.35, 1.86 Hz), 4.99-4.94 (3H, m), 4.57-4.53 (3H, m), 4.45 (1H, t, J = 9.51 Hz), 4.28 (3H, t, J = 5.33 Hz), 4.07 (1H, dd, J = 10.09, 6.61 Hz), 3.93-3.85 (1H, m), 3.77 (3H, s), 3.43-3.41 (8H, m), 1.94-1.88 (1H, m), 0.96-0.92 (2H, m), 0.68-0.64 (2H, m).
MASS 563(M+1).
【0129】
実施例4:{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【0130】
(1)1−(4−エチルベンジルオキシ)−4−ヨード−2−メトキシ−ベンゼン
【化49】

4−ヨード−2−メトキシ−フェノール(90g)のDMF(450mL)溶液にKCO(60g)および4−エチルベンジルクロリド(58g)を室温で加えた。反応混合物を80℃で3時間攪拌した。反応混合物に水(900mL)を加えた。析出した固体をろ取、減圧乾燥した。この固体のヘプタン(520mL)懸濁液を室温で攪拌した。析出した固体をろ取し、減圧乾燥することにより表題化合物(115g、87%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 7.32 (2H, d, J = 8.16 Hz), 7.23-7.18 (4H, m), 6.84 (1H, d, J = 8.38 Hz), 5.01 (2H, s), 3.76 (3H, s), 2.60 (2H, q, J = 7.57 Hz), 1.17 (3H, t, J = 7.61 Hz).
【0131】
(2)3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチル エステル
【化50】

亜鉛(20.7g)と塩化リチウム(10g)のTHF(120mL)懸濁液にアルゴン気流下ジブロモエタン(2mL)およびクロロトリメチルシラン(3mL)を70℃で加えた。混合物を70℃で10分間攪拌した。その混合物に1−Boc−3−ヨードアゼチジン(67g)のTHF(120mL)溶液を室温で滴下した。その混合物を1時間攪拌した。その混合物に上記(1)で得られた1−(4−エチルベンジルオキシ)−4−ヨード−2−メトキシベンゼン(58.1g)のTHF(120mL)溶液およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) ジクロリド(0.49g)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物に飽和NHCl水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製することにより表題化合物(32.4g、52%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 7.29 (2H, d, J = 8.35 Hz), 7.08 (2H, d, J = 8.12 Hz), 6.97 (1H, d, J = 8.12 Hz), 6.90 (1H, d, J = 2.09 Hz), 6.80 (1H, dd, J = 8.35, 1.86 Hz), 4.99 (2H, s), 4.20 (2H, t, J = 8.12 Hz), 3.82 (2H, t, J = 6.84 Hz), 3.77 (3H, s), 3.74-3.69 (1H, m), 1.40 (9H, s), 2.59 (2H, q, J = 7.58 Hz), 1.17 (3H, t, J = 7.54 Hz).
【0132】
(3)3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン メタンスルホン酸塩
【化51】

上記(2)で得られた3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチル エステル(32.4g)のエタノール(160mL)溶液にメタンスルホン酸(6.3mL)を加えた。反応混合物を80℃で3時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチル(320mL)を加えた。析出した固体をろ取、乾燥することにより表題化合物(24.3g、77%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.79 (1H, br s), 8.51 (1H, br s), 7.35 (2H, d, J = 7.65 Hz), 7.23 (2H, d, J = 7.65 Hz), 7.07-7.02 (2H, m), 6.89 (1H, d, J = 8.12 Hz), 5.05 (2H, s), 4.30-4.14 (2H, m), 4.13-3.97 (3H, m), 3.81 (3H, s), 2.62 (2H, q, J = 7.58 Hz), 2.33 (2H, d, J = 3.71 Hz), 1.19 (3H, t, J = 7.54 Hz).
【0133】
(4){3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−(4−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル)−メタノン
【化52】

上記(3)で得られた3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン メタンスルホン酸塩(61.3g)、4−ヒドロキシピリジン−2−カルボン酸(22.8g)、WSC・HCl(36g)およびHOBt・HO(29g)のDMF(300mL)溶液にトリエチルアミン(23mL)を加えた。反応混合物を室温で5時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチル、THF、水を加えた。有機層を飽和NaHCO水溶液、水で洗浄後、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣に酢酸エチル(300mL)を加え、析出した固体をろ取、乾燥することにより表題化合物(51g、78%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 10.89 (1H, s), 8.30 (1H, d, J = 5.29 Hz), 7.37 (1H, s), 7.34 (2H, d, J = 8.16 Hz), 7.22 (2H, d, J = 8.16 Hz), 6.99 (2H, d, J = 8.38 Hz), 6.86 (2H, d, J = 7.72 Hz), 5.01 (2H, s), 4.94 (1H, t, J = 9.59 Hz), 4.53 (1H, dd, J = 10.14, 6.40 Hz), 4.42 (1H, t, J = 9.48 Hz), 4.04 (1H, dd, J = 9.92, 6.62 Hz), 3.91-3.83 (1H, m), 3.78 (3H, s), 2.60 (2H, q, J = 7.72 Hz), 1.17 (3H, t, J = 7.61 Hz).
MASS 419(M+1).
【0134】
実施例5:{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【0135】
{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【化53】

前記実施例4(4)で得られた{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−(4−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル)−メタノン(9.6g)およびKCO(40g)のDMF(90mL)懸濁液に2−ブロモエタノール(9.6mL)を加えた。反応混合物を80℃で11時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣にジイソプロピルエーテルを加えた。析出した固体をろ取、乾燥することにより表題化合物(8.4g、80%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.38 (1H, d, J = 5.51 Hz), 7.69 (1H, d, J = 2.43 Hz), 7.34 (2H, d, J = 7.94 Hz), 7.19 (2H, d, J = 8.16 Hz), 6.91-6.81 (4H, m), 5.11 (2H, s), 5.08 (1H, t, J = 9.70 Hz), 4.69 (1H, dd, J = 10.81, 6.40 Hz), 4.59 (1H, t, J = 9.70 Hz), 4.26 (1H, dd, J = 10.59, 6.62 Hz), 4.20 (2H, t, J = 4.52 Hz), 4.03-3.99 (2H, m), 3.89 (3H, s), 3.86-3.80 (1H, m), 2.64 (2H, q, J = 7.57 Hz), 2.01 (1H, t, J = 6.18 Hz), 1.23 (3H, t, J = 7.57 Hz).
MASS 464(M+1).
【0136】
実施例6:{4−[2−((3R,4R)−3,4−ジヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エトキシ]−ピリジン−2−イル}−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−メタノン
【0137】
(1)メタンスルホン酸 2−(2−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−カルボニル}−ピリジン−4−イルオキシ)−エチル エステル
【化54】

前記実施例5で得られた{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]−メタノン(8.49g)のTHF(45mL)溶液にトリエチルアミン(2.8mL)とメタンスルホニルクロリド(1.5mL)を0℃で加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣にジイソプロピルエーテルを加えた。析出した固体をろ取、乾燥することにより表題化合物(9.5g、97%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ:8.45 (1H, d, J = 5.73 Hz), 7.52 (1H, d, J = 2.65 Hz), 7.34 (2H, d, J = 8.16 Hz), 7.22 (2H, d, J = 8.16 Hz), 7.15 (1H, dd, J = 5.73, 2.65 Hz), 7.05-6.95 (2H, m), 6.87 (1H, dd, J = 8.38, 1.98 Hz), 5.01 (2H, s), 4.96 (1H, t, J = 9.59 Hz), 4.57-4.52 (3H, m), 4.50-4.40 (3H, m), 4.09-4.04 (1H, m), 3.93-3.85 (1H, m), 3.78 (3H, s), 3.26 (3H, d, J = 8.16 Hz), 2.60 (2H, q, J = 7.57 Hz), 1.17 (3H, t, J = 7.61 Hz).
【0138】
(2){4−[2−((3R,4R)−3,4−ジヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エトキシ]−ピリジン−2−イル}−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−メタノン
【化55】

(3R,4R)−ピロリジン−3,4−ジオール 一塩酸塩(2.1g)の1−プロパノール(60mL)/水(2.0mL)混合溶液にNaCO(4.0g)を加えた。混合物を60℃で1時間攪拌した。その混合物に上記(1)で得られたメタンスルホン酸 2−(2−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−カルボニル}−ピリジン−4−イルオキシ)−エチル エステル(6.7g)を加えた。反応混合物を100℃で10時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和NaCl水溶液で洗浄後、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=40/1〜5/1)で精製することにより表題化合物(4.7g、70%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.41 (1H, d, J = 5.57 Hz), 7.47 (1H, d, J = 2.55 Hz), 7.33 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.21 (2H, d, J = 8.35 Hz), 7.09 (1H, dd, J = 5.68, 2.67 Hz), 6.98 (1H, d, J = 10.44 Hz), 6.97 (1H, s), 6.86 (1H, dd, J = 8.35, 2.09 Hz), 5.00 (2H, s), 4.95 (1H, t, J = 9.39 Hz), 4.84 (2H, d, J = 4.41 Hz), 4.53 (1H, dd, J = 10.09, 6.61 Hz), 4.44 (1H, t, J = 9.62 Hz), 4.16 (2H, t, J = 5.68 Hz), 4.06 (1H, dd, J = 10.09, 6.61 Hz), 3.91-3.81 (3H, m), 3.77 (3H, s), 2.85 (2H, dd, J = 9.51, 5.80 Hz), 2.79-2.73 (2H, m), 2.59 (2H, q, J = 7.58 Hz), 2.41 (2H, dd, J = 9.74, 4.17 Hz), 1.17 (3H, t, J = 7.65 Hz).
MASS 548(M+1).
【0139】
実施例7:4−[2−(2−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−カルボニル}−ピリジン−4−イルオキシ)−エチル]−ピペラジン−2−オン
【0140】
4−[2−(2−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−カルボニル}−ピリジン−4−イルオキシ)−エチル]−ピペラジン−2−オン
【化56】

前記実施例6(1)で得られたメタンスルホン酸 2−(2−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−カルボニル}−ピリジン−4−イルオキシ)−エチル エステル(0.4g)の1−プロパノール(5.0mL)溶液に2−ピペラジノン(0.22g)を加えた。反応混合物を100℃で18時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=8/1〜7/1)で精製し、表題化合物(0.3g、76%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.38 (1H, d, J = 5.57 Hz), 7.68 (1H, d, J = 2.55 Hz), 7.35 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.20 (2H, d, J = 8.12 Hz), 6.90-6.82 (4H, m), 5.86 (1H, br s), 5.12 (2H, s), 5.09 (1H, t, J = 9.74 Hz), 4.70 (1H, dd, J = 10.67, 6.72 Hz), 4.60 (1H, t, J = 9.74 Hz), 4.26 (1H, dd, J = 10.67, 6.72 Hz), 4.24 (2H, t, J = 5.33 Hz), 3.90 (3H, s), 3.89-3.81 (1H, m), 3.43-3.40 (2H, m), 3.31 (2H, s), 2.93 (2H, t, J = 5.33 Hz), 2.83 (2H, t, J = 5.45 Hz), 2.65 (2H, q, J = 7.65 Hz), 1.23 (3H, t, J = 7.65 Hz).
MASS 545(M+1).
【0141】
実施例8:{4−[2−((3S,4S)−3,4−ジヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エトキシ]−ピリジン−2−イル}−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−メタノン
【0142】
{4−[2−((3S,4S)−3,4−ジヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エトキシ]−ピリジン−2−イル}−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−メタノン
【化57】

(3S,4S)−ピロリジン−3,4−ジオール 一塩酸塩(0.14g)の1−プロパノール(3.0mL)溶液に4N NaOH水溶液(0.25mL)を加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。その混合物に前記実施例6(1)で得られたメタンスルホン酸 2−(2−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−カルボニル}−ピリジン−4−イルオキシ)−エチル エステル(0.1g)を加えた。反応混合物を100℃で5時間攪拌した。反応混合物に水を加えた。析出した固体をろ取、乾燥することにより表題化合物(0.05g、50%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.41 (1H, d, J = 5.57 Hz), 7.47 (1H, d, J = 2.55 Hz), 7.33 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.21 (2H, d, J = 8.35 Hz), 7.09 (1H, dd, J = 5.68, 2.67 Hz), 6.98 (1H, d, J = 10.44 Hz), 6.97 (1H, s), 6.86 (1H, dd, J = 8.35, 2.09 Hz), 5.00 (2H, s), 4.95 (1H, t, J = 9.39 Hz), 4.84 (2H, d, J = 4.41 Hz), 4.53 (1H, dd, J = 10.09, 6.61 Hz), 4.44 (1H, t, J = 9.62 Hz), 4.16 (2H, t, J = 5.68 Hz), 4.06 (1H, dd, J = 10.09, 6.61 Hz), 3.91-3.81 (3H, m), 3.77 (3H, s), 2.85 (2H, dd, J = 9.51, 5.80 Hz), 2.79-2.73 (2H, m), 2.59 (2H, q, J = 7.58 Hz), 2.41 (2H, dd, J = 9.74, 4.17 Hz), 1.17 (3H, t, J = 7.65 Hz).
MASS 548(M+1).
【0143】
実施例9:{3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−{4−[(R)−2−ヒドロキシ−3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ピリジン−2−イル}−メタノン
【0144】
(1){3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−((R)−1−オキシラニルメトキシ)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【化58】

3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン 一塩酸塩を用いて前記実施例4(4)と同様の方法で得られた{3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−(4−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル)−メタノン(0.78g)のDMSO(15mL)溶液に(R)−(−)−グリシジル ノシラート(0.70g)およびKCO(0.38g)を加えた。反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=97/3)で精製することにより表題化合物(0.83g、94%)を得た。
【0145】
(2){3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−{4−[(R)−2−ヒドロキシ−3−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−プロポキシ]−ピリジン−2−イル}−メタノン
【化59】

上記(1)で得た{3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−((R)−1−オキシラニルメトキシ)−ピリジン−2−イル]−メタノン(0.45g)のアセトニトリル(4.0mL)/水(1.0mL)混合溶液に1−メチルピペラジン(1.0mL)を加えた。反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=9/1)で精製することにより表題化合物(0.43g、80%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.41 (1H, d, J = 5.80 Hz), 7.49 (1H, d, J = 2.55 Hz), 7.29 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.10-7.07 (3H, m), 6.99-6.97 (2H, m), 6.86 (1H, dd, J = 8.35, 1.86 Hz), 4.99 (2H, s), 4.98-4.93 (2H, m), 4.54 (1H, dd, J = 10.20, 6.49 Hz), 4.44 (1H, t, J = 9.51 Hz), 4.13 (1H, dd, J = 9.74, 2.78 Hz), 4.08-3.98 (3H, m), 3.92-3.84 (1H, m), 3.77 (3H, s), 2.46-2.25 (10H, br m), 2.13 (3H, s), 1.94-1.88 (1H, m), 0.96-0.92 (2H, m), 0.68-0.64 (2H, m).
MASS 587(M+1).
【0146】
実施例10:{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−3−ヒドロキシ−アゼチジン−1−イル}−ピリジン−2−イル−メタノン
【0147】
(1)4−ブロモ−1−(4−エチル−ベンジルオキシ)−2−メトキシ−ベンゼン
【化60】

4−ブロモ−2−メトキシ−フェノール(7.0g)とエチルベンジルクロリド(5.6g)のDMF(35mL)溶液にKCO(5.7g)を加えた。反応混合物を80℃で1時間攪拌した。反応混合物に水を加えた。析出した固体をろ取、乾燥することにより表題化合物(11g、99%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 7.33 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.22 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.12 (1H, d, J = 2.32 Hz), 7.03 (1H, dd, J = 8.58, 2.32 Hz), 6.97 (1H, d, J = 8.58 Hz), 5.02 (2H, s), 3.77 (3H, s), 2.60 (2H, q, J = 7.58 Hz), 1.17 (3H, t, J = 7.65 Hz).
【0148】
(2)3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−3−ヒドロキシ−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチル エステル
【化61】

上記(1)で得られた4−ブロモ−1−(4−エチル−ベンジルオキシ)−2−メトキシ−ベンゼン(1.2g)のTHF(6.0mL)溶液にアルゴン雰囲気下、−78℃で1.6N n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(2.8mL)を滴下した。混合物を−78℃で30分間攪拌した。その混合物に1−Boc−アゼチジン−3−オン(0.64g)のTHF(6.0mL)溶液を−78℃で10分間かけて滴下した。反応混合物を室温まで昇温し、14時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜1/1)で精製することにより表題化合物(0.88g、57%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 7.34 (2H, d, J = 7.88 Hz), 7.22 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.04-7.00 (2H, m), 6.96 (1H, dd, J = 8.35, 2.09 Hz), 6.22 (1H, s), 5.03 (2H, s), 4.06-3.97 (4H, m), 3.77 (3H, s), 2.60 (2H, q, J = 7.58 Hz), 1.40 (9H, s), 1.18 (3H, t, J = 7.54 Hz).
【0149】
(3)3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−3−オール 塩酸塩
【化62】

上記(2)で得られた3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−3−ヒドロキシ−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチル エステル(0.88g)の酢酸エチル(4.0mL)溶液に4N HCl/酢酸エチル溶液(4.0mL)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で3時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加えた。析出した固体をろ取、乾燥することにより表題化合物(0.53g、71%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 9.23 (1H, br s), 9.01 (1H, br s), 7.34 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.22 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.14 (1H, s), 7.09-6.99 (2H, m), 6.58 (1H, s), 5.08-5.06 (2H, m), 4.32-4.26 (2H, m), 4.06-4.01 (2H, m), 3.81 (3H, s), 2.60 (2H, q, J = 7.65 Hz), 1.17 (3H, t, J = 7.54 Hz).
【0150】
(4){3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−3−ヒドロキシ−アゼチジン−1−イル}−ピリジン−2−イルメタノン
【化63】

上記(3)で得られた3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−3−オール 塩酸塩(0.50g)、2−ピリジンカルボン酸(0.070g)とWSC・HCl(0.12g)とHOBt・HO(0.092g)のDMF(3.0mL)溶液にトリエチルアミン(0.070mL)を加えた。反応混合物を室温で15時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣にクロロホルム/ヘキサン混合溶媒を加えた。析出した固体をろ取、乾燥することにより表題化合物(0.15g、74%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.64-8.61 (1H, m), 8.01-7.95 (2H, m), 7.56-7.53 (1H, m), 7.34 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.22 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.11 (1H, s), 7.02-7.01 (2H, m), 6.31 (1H, s), 5.03 (2H, s), 4.80 (1H, d, J = 11.59 Hz), 4.68 (1H, d, J = 10.67 Hz), 4.34 (1H, d, J = 11.59 Hz), 4.19 (1H, d, J = 10.67 Hz), 3.78 (3H, s), 2.60 (2H, q, J = 7.58 Hz), 1.17 (3H, t, J = 7.54 Hz).
MASS 419(M+1).
【0151】
実施例11:[4−(2−ヒドロキシエトキシ)ピリジン−2−イル]−{3−[3−メトキシ−4−(スピロ[4.4]−ノン−1−エン−2−イルメトキシ)フェニル]アゼチジン−1−イル}−メタノン
【0152】
(1)[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−アゼチジン−1−イル]−{4−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−ピリジン−2−イル}−メタノン
【化64】

前記実施例5と同様にして得られた{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−{4−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−ピリジン−2−イル}−メタノン(1.5g)のTHF(5mL)/メタノール(5mL)溶液に10%パラジウム炭素(50%含水)(0.15g)を加えた。反応混合物を水素雰囲気下、室温で22時間攪拌した。反応混合物を、セライトを用いてろ過した。ろ液を減圧濃縮することにより未精製の表題化合物を得た。
【0153】
(2)[4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−アゼチジン−1−イル]−メタノン
【化65】

上記(1)で得られた未精製の[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−アゼチジン−1−イル]−{4−[2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−エトキシ]−ピリジン−2−イル}−メタノンのTHF(5.0mL)溶液に1N 塩酸(5.0mL)を加えた。反応混合物を室温で13時間攪拌した。反応混合物に1N NaOH水溶液と飽和NaHCO水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=9/1)で精製することにより表題化合物(0.70g、75%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.87 (1H, s), 8.42 (1H, d, J = 5.57 Hz), 7.49 (1H, d, J = 2.55 Hz), 7.10 (1H, dd, J = 5.68, 2.67 Hz), 6.92 (1H, d, J = 1.86 Hz), 6.78-6.73 (2H, m), 4.94 (2H, t, J = 9.28 Hz), 4.52 (1H, dd, J = 10.20, 6.49 Hz), 4.43 (1H, t, J = 9.51 Hz), 4.14 (2H, t, J = 4.87 Hz), 4.04 (1H, dd, J = 10.09, 6.61 Hz), 3.88-3.80 (1H, m), 3.77 (3H, s), 3.74 (2H, q, J = 4.72 Hz).
【0154】
(3)[4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]−{3−[3−メトキシ−4−(スピロ[4.4]ノン−1−エン−2−イルメトキシ)−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−メタノン
【化66】

上記(2)で得られた[4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]−[3−(4−ヒドロキシ−3−メトキシ−フェニル)−アゼチジン−1−イル]−メタノン(0.090g)と2−ブロモメチルスピロ[4.4]−1−ノネン(0.056g)のDMF(3.0mL)溶液にKCO(0.043g)とヨウ化カリウム(0.0010g)を加えた。反応混合物を室温で13時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣にジエチルエーテルを加えた。析出した固体をろ取、乾燥することにより表題化合物(0.054g、43%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.42 (1H, d, J = 5.80 Hz), 7.49 (1H, d, J = 2.55 Hz), 7.10 (1H, dd, J = 5.68, 2.67 Hz), 6.97-6.92 (2H, m), 6.86 (1H, dd, J = 8.35, 1.86 Hz), 5.57 (1H, s), 4.98-4.93 (2H, m), 4.55 (1H, t, J = 5.10 Hz), 4.51 (2H, s), 4.45 (1H, t, J = 9.62 Hz), 4.14 (2H, t, J = 4.75 Hz), 4.06 (1H, dd, J = 10.09, 6.61 Hz), 3.92-3.84 (1H, m), 3.78 (3H, s), 3.74 (2H, q, J = 5.02 Hz), 2.34 (2H, t, J = 6.49 Hz), 1.74 (2H, t, J = 7.19 Hz), 1.62-1.56 (4H, br m), 1.52-1.43 (4H, br m).
MASS 479(M+1)
【0155】
実施例12:{3−[3−メトキシ−4−(スピロ[4.4]ノン−1−エン−2−イルメトキシ)−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−{4−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ピリジン−2−イル}−メタノン
【0156】
(1)メタンスルホン酸 2−(2−{3−[3−メトキシ−4−(スピロ[4.4]ノン−1−エン−2−イルメトキシ)−フェニル]−アゼチジン−1−カルボニル}−ピリジン−4−イルオキシ)−エチル エステル
【化67】

前記実施例11(3)で得られた[4−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]−{3−[3−メトキシ−4−(スピロ[4.4]ノン−1−エン−2−イルメトキシ)−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−メタノン(0.040g)のクロロホルム(3.0mL)溶液にトリエチルアミン(0.028mL)およびメタンスルホニルクロリド(0.014mL)を加えた。反応混合物を室温で30分攪拌した。反応混合物に水を加えた。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去することにより未精製の表題化合物を得た。
【0157】
(2){3−[3−メトキシ−4−(スピロ[4.4]−1−ノネン−2−イルメトキシ)フェニル]アゼチジン−1−イル}−{4−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]ピリジン−2−イル}−メタノン
【化68】

上記(1)で得られた未精製のメタンスルホン酸 2−(2−{3−[3−メトキシ−4−(スピロ[4.4]ノン−1−エン−2−イルメトキシ)−フェニル]−アゼチジン−1−カルボニル}−ピリジン−4−イルオキシ)−エチル エステルのエタノール(3.0mL)溶液に1−メチルピペラジン(1.0mL)を加えた。反応混合物を80℃で2時間攪拌した。溶媒を減圧留去した。残渣をプレパラティブ薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=5/1)で精製することにより表題化合物(0.034g、73%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.42 (1H, d, J = 5.80 Hz), 7.49 (1H, d, J = 2.55 Hz), 7.10 (1H, dd, J = 5.68, 2.67 Hz), 6.96 (1H, d, J = 2.09 Hz), 6.93 (1H, d, J = 8.12 Hz), 6.86 (1H, dd, J = 8.35, 1.86 Hz), 5.57 (1H, s), 4.98-4.93 (2H, m), 4.56-4.53 (1H, m), 4.51 (2H, s), 4.45 (1H, t, J = 9.62 Hz), 4.14 (2H, t, J = 4.75 Hz), 4.06 (1H, dd, J = 10.09, 6.61 Hz), 3.92-3.84 (1H, m), 3.78 (3H, s), 3.74 (2H, q, J = 5.02 Hz), 2.34 (2H, t, J = 6.49 Hz), 1.74 (2H, t, J = 7.19 Hz), 1.62-1.55 (4H, m), 1.52-1.43 (4H, m).
MASS 561(M+1).
【0158】
なお、2−ブロモメチル−スピロ[4,4]ノン−1−エンは以下のようにして合成した。
【化69】

【0159】
実施例13:[4−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ピリジン−2−イル]−{3−[4−(4−エチルベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル]−アゼチジン−1−イル}−メタノン
【0160】
(1)4−アリルピリジン−2−カルボン酸 エチルエステル
【化70】

4−クロロピリジン−2−カルボン酸 エチルエステル(0.37g)とアリルトリブチルすず(IV)(0.86mL)のトルエン(5.0mL)溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.12g)を加えた。反応混合物を窒素雰囲気下120℃で12時間攪拌した。反応混合物の溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/2)で精製することにより表題化合物(0.28g、73%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.66 (1H, d, J = 5.10 Hz), 8.00-7.99 (1H, m), 7.32-7.31 (1H, br m), 6.00-5.90 (1H, m), 5.23-5.12 (2H, m), 4.49 (2H, q, J = 7.19 Hz), 3.47 (2H, d, J = 6.72 Hz), 1.46 (3H, t, J = 7.19 Hz).
【0161】
(2)4−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ピリジン−2−カルボン酸 エチルエステル
【化71】

上記(1)で得られた4−アリルピリジン−2−カルボン酸 エチルエステル(0.28g)のアセトニトリル(9.0mL)/水(3.0mL)混合溶液に4−メチルモルホリン N−オキシド(0.34g)と4% 四酸化オスミウム水溶液(0.40mL)を加えた。反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物に過剰量の飽和Na水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール=10/1)で精製することにより表題化合物(0.25g、77%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.65 (1H, d, J = 4.85 Hz), 8.03-8.01 (1H, m), 7.38-7.37 (1H, br m), 4.48 (2H, q, J = 7.06 Hz), 4.07-4.00 (1H, br m), 3.75-3.72 (1H, m), 3.56-3.53 (1H, m), 2.91-2.82 (2H, m), 2.42 (1H, d, J = 4.41 Hz), 2.03 (1H, t, J = 5.51 Hz), 1.45 (3H, t, J = 7.06 Hz).
【0162】
(3)4−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ピリジン−2−カルボン酸
【化72】

上記(2)で得られた4−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ピリジン−2−カルボン酸 エチルエステル(0.040g)のメタノール(1.0mL)溶液に1N NaOH水溶液(1.0mL)を加えた。反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物を6N 塩酸でpH5に調整した。溶媒を減圧留去することにより未精製の表題化合物を得た。
【0163】
(4)[4−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ピリジン−2−イル]−{3−[4−(4−エチルベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル]−アゼチジン−1−イル}−メタノン
【化73】

上記(3)で得られた未精製の4−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ピリジン−2−カルボン酸、実施例4と同様にして得られた3−[4−(4−エチルベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル]−アゼチジン 塩酸塩(0.057g)、WSC・HCl(0.036g)およびHOBt・HO(0.029g)のDMF(1.5mL)懸濁液にトリエチルアミン(0.035mL)を加えた。反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物に1N 塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和NaHCO水溶液および飽和NaCl水溶液の順で洗浄後、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣にヘキサン/酢酸エチル混合溶媒を加えた。析出した固体をろ取、乾燥することにより表題化合物(0.29g、35%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.48 (1H, d, J = 4.85 Hz), 7.87 (1H, br s), 7.38 (1H, dd, J = 4.85, 1.54 Hz), 7.34 (2H, d, J = 7.94 Hz), 7.22 (2H, d, J = 7.94 Hz), 6.99 (2H, d, J = 8.16 Hz), 6.87 (1H, dd, J = 8.38, 1.98 Hz), 5.01 (2H, s), 4.96 (1H, t, J = 9.37 Hz), 4.71 (1H, d, J = 5.29 Hz), 4.66 (1H, t, J = 5.62 Hz), 4.55 (1H, dd, J = 10.26, 6.73 Hz), 4.45 (1H, t, J = 9.48 Hz), 4.07 (1H, dd, J = 10.03, 6.51 Hz), 3.92-3.85 (1H, m), 3.78 (3H, s), 3.67 (1H, td, J = 9.04, 5.37 Hz), 3.38-3.32 (1H, m), 3.29-3.23 (1H, m), 2.89 (1H, dd, J = 13.67, 3.75 Hz), 2.61-2.59 (3H, m), 1.17 (3H, t, J = 7.61 Hz).
MASS 476(M+1).
【0164】
実施例14:{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−(5−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ペンチル)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【0165】
(1)4−(3−クロロ−プロピル)−ピリジン
【化74】

3−ピリジン−4−イル−プロパン−1−オール(3.1g)のピリジン(8mL)溶液に、4−メチル−ベンゼンスルホニルクロリド(5.0g)を0℃で加えた。反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮した。残渣に飽和NaHCO水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製することにより表題化合物(2.1g、61%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.52 (2H, dd, J = 4.41, 1.54 Hz), 7.14 (2H, dd, J = 4.41, 1.54 Hz), 3.53 (2H, t, J = 6.40 Hz), 2.79 (2H, t, J = 7.50 Hz), 2.11 (2H, tt, J = 7.50, 6.40 Hz).
【0166】
(2)2−(3−ピリジン−4−イル−プロピル)−マロン酸ジエチルエステル
【化75】

NaH(0.4g)のDMF(8mL)懸濁液に、マロン酸ジエチルエステル(0.16g)を0℃で加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。その混合物に上記(1)で得られた4−(3−クロロ−プロピル)−ピリジン(1.2g)のDMF(4mL)溶液を加えた。反応混合物を80℃で10時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和NaCl水で洗浄後、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製することにより表題化合物(1.3g、60%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.49 (2H, dd, J = 4.23, 1.61 Hz), 7.10 (2H, dd, J = 4.43, 1.61 Hz), 4.25-4.14 (4H, m), 3.34 (1H, t, J = 7.45 Hz), 2.64 (2H, t, J = 7.76 Hz), 1.97-1.91 (2H, m), 1.72-1.66 (2H, m), 1.26 (6H, t, J = 7.05 Hz).
【0167】
(3)2−(3−ピリジン−4−イル−プロピル)−プロパン−1、3−ジオール
【化76】

LiAlH(0.34g)のTHF(10mL)懸濁液に、上記(2)で得られた2−(3−ピリジン−4−イル−プロピル)−マロン酸ジエチルエステル(1.23g)のTHF(5mL)溶液を0℃で加えた。反応混合物を室温で3時間、50℃で2時間攪拌した。反応混合物に0℃で水(0.34mL)、4N NaOH水溶液(0.34mL)、水(1mL)の順に加えた。混合物を室温で30分間攪拌した。セライトとNaSOを加えた。混合物をセライトを用いてろ過した。ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=9/1)で精製することにより表題化合物(0.21g、24%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.48 (2H, dd, J = 4.43, 1.61 Hz), 7.10 (2H, dd, J = 4.43, 1.61 Hz), 3.82 (2H, dd, J = 10.68, 3.83 Hz), 3.67 (2H, dd, J = 10.68, 7.25 Hz), 2.62 (2H, t, J = 7.76 Hz), 2.29 (2H, br s), 1.83-1.75 (1H, m), 1.73-1.65 (2H, m), 1.36-1.30 (2H, m).
【0168】
(4)4−[5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ペンチル]−ピリジン
【化77】

上記(3)で得られた2−(3−ピリジン−4−イル−プロピル)−プロパン−1、3−ジオール(0.208g)のDMF(3mL)溶液にイミダゾール(0.218g)とtert−ブチルジメチルクロロシラン(0.401g)を加えた。反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製することにより表題化合物(0.43g、96%)を得た。
【0169】
(5)4−[5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ペンチル]−ピリジン−1−オキシド
【化78】

上記(4)で得られた4−[5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ペンチル]−ピリジン(0.43g)のクロロホルム(5.0mL)溶液にメチルトリオキソレニウム(VII)(0.0030g)と30%過酸化水素水(0.21mL)を加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌した。反応混合物に二酸化マンガン(IV)を適量加えた。混合物を1時間攪拌した。混合物に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を減圧留去することにより未精製の表題化合物を得た。
【0170】
(6)4−[5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ペンチル]−ピリジン−2−カルボニトリル
【化79】

上記(5)で得られた未精製の4−[5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ペンチル]−ピリジン 1−オキシド(0.43g)のクロロホルム(5mL)溶液にトリメチルシリルシアニド(0.17mL)とN,N−ジメチルカルバモイルクロリド(0.12mL)を加えた。反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物に飽和NaHCO水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製することにより表題化合物(0.40g、87%)を得た。
【0171】
(7)4−(5−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ペンチル)−ピリジン−2−カルボン酸
【化80】

上記(6)で得られた4−[5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−ペンチル]−ピリジン−2−カルボニトリル(0.089g)に6N 塩酸(2.0mL)を加えた。反応混合物を110℃で12時間攪拌した。溶媒を減圧溜去することにより未精製の表題化合物を得た。
【0172】
(8){3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−[4−(5−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ペンチル)−ピリジン−2−イル]−メタノン
【化81】

上記(7)で得られた未精製の4−(5−ヒドロキシ−4−ヒドロキシメチル−ペンチル)−ピリジン−2−カルボン酸を用いて、前記実施例13(4)と同様の方法で表題化合物(0.074g、80%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.44 (1H, dd, J = 4.94, 0.71 Hz), 7.96 (1H, d, J = 1.01 Hz), 7.34 (2H, d, J = 8.26 Hz), 7.20-7.16 (3H, m), 6.88-6.81 (3H, m), 5.11 (2H, s), 5.08 (1H, t, J = 9.67 Hz), 4.69 (1H, dd, J = 10.58, 6.35 Hz), 4.60 (1H, t, J = 9.67 Hz), 4.26 (1H, dd, J = 10.38, 6.35 Hz), 3.89 (3H, s), 3.86-3.80 (3H, m), 3.69-3.65 (2H, m), 2.71-2.61 (4H, m), 2.27 (2H, br s), 1.79-1.68 (3H, m), 1.37-1.31 (2H, m), 1.23 (3H, t, J = 7.66 Hz).
MASS 519(M+1).
【0173】
実施例15:[4−(3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−ピリジン−2−イル]−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−メタノン
【0174】
(1)4−ブト−3−エニル−ピリジン−2−カルボニトリル
【化82】

4−メチル−ピリジン−2−カルボニトリル(2.0g)のTHF(60mL)溶液に、LDAの2.0M ヘプタン/THF/エチルベンゼン溶液(10.2mL)を−78℃で加えた。混合物を−78℃で2時間攪拌した。その混合物にアリルブロミド(2.4g)を−78℃で加えた。反応混合物を−78℃で2.5時間、室温で12時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製することにより表題化合物(0.34g、12%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.59 (1H, dd, J = 5.07, 0.66 Hz), 7.53 (1H, dd, J = 1.54, 0.66 Hz), 7.33 (1H, dd, J = 5.07, 1.76 Hz), 5.83-5.73 (1H, m), 5.06-5.01 (2H, m), 2.78 (2H, t, J = 7.61 Hz), 2.44-2.38 (2H, m).
【0175】
(2)4−(3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−ピリジン−2−カルボニトリル
【化83】

上記(1)で得られた4−ブト−3−エニル−ピリジン−2−カルボニトリル(0.17g)のアセトン(4mL)/水(2mL)混合溶液に、4−メチルモルホリン N−オキシド(0.37g)と4% 四酸化オスミウム水溶液(0.67g)を加えた。反応混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物に飽和Na水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和NaCl水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=15/1)で精製することにより表題化合物(0.15g、72%)を得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ: 8.60 (1H, d, J = 5.07 Hz), 7.57 (1H, d, J = 1.54 Hz), 7.38 (1H, dd, J = 5.07, 1.76 Hz), 3.73-3.68 (2H, m), 3.52-3.48 (1H, m), 2.96-2.88 (1H, m), 2.83-2.75 (1H, m), 2.33 (1H, br s), 1.87 (1H, br s), 1.84-1.71 (2H, m).
【0176】
(3)[4−(3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−ピリジン−2−イル]−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−メタノン
【化84】

上記(2)で得られた4−(3,4−ジヒドロキシ−ブチル)−ピリジン−2−カルボニトリル(0.069g)を用いて、実施例14と同様の方法により表題化合物(0.13g、90%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.49 (1H, d, J = 4.85 Hz), 7.84 (1H, d, J = 0.88 Hz), 7.37 (1H, dd, J = 4.96, 1.65 Hz), 7.34 (2H, d, J = 7.94 Hz), 7.22 (2H, d, J = 8.16 Hz), 7.00-6.98 (2H, m), 6.87 (1H, dd, J = 8.38, 1.98 Hz), 5.01 (2H, s), 4.96 (1H, t, J = 9.48 Hz), 4.59-4.42 (4H, m), 4.07 (1H, dd, J = 10.03, 6.73 Hz), 3.92-3.85 (1H, m), 3.78 (3H, s), 3.41-3.22 (3H, m), 2.85-2.66 (2H, m), 2.60 (2H, q, J = 7.57 Hz), 1.82-1.73 (1H, m), 1.59-1.50 (1H, m), 1.17 (3H, t, J = 7.50 Hz).
MASS 491(M+1).
【0177】
実施例16:[4−(1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−エチル)−ピリジン−2−イル]−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−メタノン
【0178】
(1)ジフルオロピリジン−4−イル酢酸エチルエステル
【化85】

リフォーマツキー試薬の調製
亜鉛(4.9g)と塩化リチウム(3.2g)のTHF(60mL)懸濁液にアルゴン雰囲気下、1,2−ジブロモエタン(0.65mL)とクロロトリメチルシラン(0.95mL)を70℃で加えた。混合物を70℃で20分間、室温で2時間攪拌した。その混合物にブロモジフルオロ酢酸エチル(11mL)を0℃で10分間かけて滴下した。反応混合物を0℃で30分間、室温で1時間攪拌することによりリフォーマツキー試薬を調製した。
ピリジン N−オキシド(5.1g)のTHF(90mL)溶液にアルゴン雰囲気下、N,N−ジメチルカルバモイルクロリド(5.0mL)を加えた。混合物を室温で20分間攪拌後、先に調製したリフォーマツキー試薬を室温で10分間かけて滴下した。反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製することにより表題化合物を得た。
【0179】
(2)2,2−ジフルオロ−2−ピリジン−4−イル−エタノール
【化86】

上記(1)で得られたジフルオロピリジン−4−イル酢酸エチルエステル(0.59g)のエタノール(10mL)溶液にNaBH(0.11g)を0℃で加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧留去した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和NaHCO水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)で精製することにより表題化合物(0.082g、1%)を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.73 (2H, dd, J = 4.41, 1.62 Hz), 7.53 (2H, dd, J = 4.52, 1.51 Hz), 5.71 (1H, t, J = 6.26 Hz), 3.88 (2H, td, J = 13.91, 6.26 Hz).
【0180】
(3)4−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1,1−ジフルオロエチル]−ピリジン
【化87】

上記(2)で得られた2,2−ジフルオロ−2−ピリジン−4−イル−エタノール(0.15g)のDMF(3.0mL)溶液にイミダゾール(0.076g)とtert−ブチルジメチルクロロシラン(0.15g)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)で精製することにより表題化合物を得た。
【0181】
(4)4−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1,1−ジフルオロ−エチル]−ピリジン−1−オキシド
【化88】

上記(3)で得られた4−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1,1−ジフルオロエチル]−ピリジン(0.14g)のクロロホルム(3mL)溶液にメチルトリオキソレニウム(VII)(0.0010g)と30%過酸化水素水(0.11mL)を加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌した。その混合物に酸化マンガン(IV)を加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒を減圧留去することにより未精製の表題化合物を得た。
【0182】
(5)4−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1,1−ジフルオロ−エチル]−ピリジン−2−カルボニトリル
【化89】

上記(4)で得られた未精製の4−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1,1−ジフルオロ−エチル]−ピリジン 1−オキシドから前記実施例14(6)と同様の方法により、表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.94 (1H, d, J = 5.10 Hz), 8.26 (1H, s), 7.91 (1H, dd, J = 5.10, 1.62 Hz), 4.16 (2H, t, J = 13.10 Hz), 0.77 (9H, s), -0.02 (6H, t, J = 3.13 Hz).
【0183】
(6)[4−(1,1−ジフルオロ−2−ヒドロキシ−エチル)−ピリジン−2−イル]−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−メタノン
【化90】

上記(5)で得られた4−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1,1−ジフルオロ−エチル]−ピリジン−2−カルボニトリルを用いて、前記実施例14と同様の方法により、表題化合物を得た。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ: 8.78 (1H, d, J = 5.10 Hz), 8.06 (1H, s), 7.68 (1H, dd, J = 5.10, 1.62 Hz), 7.34 (2H, d, J = 8.12 Hz), 7.22 (2H, d, J = 7.88 Hz), 7.00-6.98 (2H, m), 6.88 (1H, dd, J = 8.23, 1.97 Hz), 5.76 (1H, t, J = 6.26 Hz), 5.01-4.97 (3H, m), 4.58 (1H, dd, J = 10.09, 6.61 Hz), 4.48 (1H, t, J = 9.62 Hz), 4.11 (1H, dd, J = 10.09, 6.61 Hz), 3.92 (3H, td, J = 13.62, 6.34 Hz), 3.78 (3H, s), 2.60 (2H, q, J = 7.65 Hz), 1.17 (3H, t, J = 7.54 Hz).
MASS 483(M+1).
【0184】
結晶化例
上記実施例1と同様にして{3−[4−(4−シクロプロピル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]アゼチジン−1−イル}−[4−((S)−2,3−ジヒドロキシ−プロポキシメチル)−ピリジン−2−イル]−メタノンを合成し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=9/1)で精製した。溶媒を減圧留去した。残渣に酢酸エチル/ヘプタンの混合溶媒を加えた。析出した固体を濾取し、減圧乾燥した。得られた固体(32g)のメタノール(160mL)溶液に活性炭(3.2g)を加えた。混合物を80℃で3時間加熱攪拌した。活性炭を濾去した。ろ液を減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル(320mL)を加えた。この混合物を100℃で2時間加熱攪拌した。この混合物にヘプタン(320mL)を加えた。この懸濁液を氷冷下で1時間攪拌した。析出した固体を濾取し、減圧乾燥することにより粗晶を得た。
得られた粗晶(0.1g)を95℃のオイルバス中で酢酸エチル(2.0mL)に溶解させた。その溶液をオイルバス中で攪拌しながら室温まで徐々に冷却した。冷却中、固体が析出した。その懸濁液を、室温で一晩攪拌した。析出した固体を濾取した。得られた固体を室温で減圧乾燥することにより結晶(0.078g)を得た。
【0185】
上記実施例6と同様にして{{4−[2−((3R,4R)−3,4−ジヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エトキシ]−ピリジン−2−イル}−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−イル}−メタノンを合成し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=15/1〜7/1)で精製した。溶媒を減圧留去した。残渣(38g)にエタノール(400mL)を加えた。この混合物に活性炭(3.8g)を加えた。この混合物を90℃で1時間加熱攪拌した。活性炭を濾去した。ろ液を減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル(400mL)を加えた。この懸濁液を80℃で2時間攪拌した。その懸濁液を室温まで冷却した後、析出した固体を濾取した。得られた固体を減圧乾燥することにより粗晶を得た。得られた粗晶(0.1g)を120℃のオイルバス中で酢酸イソブチル(0.3mL)に溶解させた。その溶液をオイルバス中で攪拌しながら室温まで徐々に冷却した。冷却中、固体が析出した。その懸濁液を、室温で一晩攪拌した。析出した固体を濾取した。得られた固体を室温で減圧乾燥することにより結晶(0.089g)を得た。
【0186】
上記実施例7と同様にして4−[2−(2−{3−[4−(4−エチル−ベンジルオキシ)−3−メトキシ−フェニル]−アゼチジン−1−カルボニル}−ピリジン−4−イルオキシ)−エチル]−ピペラジン−2−オンを合成し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=96/4)で精製した。溶媒を減圧留去した。残渣(38g)にエタノール(190mL)を加えた。この混合物に80℃で水(380mL)を加えた。この混合物を80℃で2時間加熱攪拌した。その混合物を室温まで冷却した後、析出した固体を濾取した。得られた固体の酢酸エチル(730mL)懸濁液を70℃で2時間加熱攪拌した。その懸濁液を室温まで冷却した後、析出した固体を濾取した。得られた固体を減圧乾燥することにより粗晶を得た。得られた粗晶(0.1g)を75℃のオイルバス中でTHF(0.6mL)に溶解させた。その溶液をオイルバス中で攪拌しながら室温まで徐々に冷却した。冷却中、固体が析出した。その懸濁液を、室温で一晩攪拌した。析出した固体を濾取した。得られた固体を室温で減圧乾燥することにより結晶(0.063g)を得た。
【0187】
上記実施例1乃至16と同様にして、表1−1乃至表1−42の化合物を得た。
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【表1−10】

【表1−11】

【表1−12】

【表1−13】

【表1−14】

【表1−15】

【表1−16】

【表1−17】

【表1−18】

【表1−19】

【表1−20】

【表1−21】

【表1−22】

【表1−23】

【表1−24】

【表1−25】

【表1−26】

【表1−27】

【表1−28】

【表1−29】

【表1−30】

【表1−31】

【表1−32】

【表1−33】

【表1−34】

【表1−35】

【表1−36】

【表1−37】

【表1−38】

【表1−39】

【表1−40】

【表1−41】

【表1−42】

【0188】
H−NMRスペクトルは、CDCl、CDOD又はDMSO−D中、テトラメチルシランを内部標準として測定し、全δ値をppmで示した。
表中の記号は次のような意味である。
s:シングレット(singlet)
d:ダブレット(doublet)
t:トリプレット(triplet)
q:カルテット(quartet)
dd:ダブルダブレット(double doublet)
dt:ダブルトリプレット(double triplet)
dq:ダブルカルテット(double quartet)
ddd:ダブルダブルダブレット(double double doublet)
m:マルチプレット(multiplet)
brs:ブロードシングレット(broad singlet)
brm:ブロードマルチプレット(broad multiplet)
J:カップリング定数(coupling constant)
【0189】
本発明の製剤例としては、例えば下記の製剤が挙げられる。しかしながら、本発明はこれら製剤例によって限定されるものではない。

製剤例1(カプセルの製造)
1)実施例1の化合物 30mg
2)微結晶セルロース 10mg
3)乳糖 19mg
4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
1)、2)、3)及び4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。

製剤例2(錠剤の製造)
1)実施例1の化合物 10g
2)乳糖 50g
3)トウモロコシデンプン 15g
4)カルメロースカルシウム 44g
5)ステアリン酸マグネシウム 1g
1)、2)、3)の全量及び30gの4)を水で練合し、真空乾燥後、整粒を行う。この整粒末に14gの4)及び1gの5)を混合し、打錠機により打錠する。このようにして、1錠あたり実施例1の化合物10mgを含有する錠剤1000錠を得る。
【0190】
試験例1:インビトロにおけるCSF−1R活性阻害作用
被験化合物のCSF−1R活性阻害作用は以下のキナーゼ反応を行い評価した。
野生型ヒトCSF−1R cytoplasmic domain(hCSF−1R,ジーンバンク(Genbank)登録番号NM_005211)の作製では,hCSF−1R cDNAクローン(human cDNA clone(hCSF−1R/pCMV6−XL4)−ORIGENE)を基に,ポリメラーゼ連鎖反応でN末端にHis−Tag配列を付加した改変hCSF−1RcDNAを作成し,トランスファーベクター(pVL1393−BD社)に挿入した。得られた組み換え構築体を大腸菌(DH5α−TOYOBO社)に形質転換した。組み換えクローンを同定し,プラスミドDNAを単離し,DNA塩基配列を分析した。予想塩基配列を持つクローンを発現作業用に選択した。
【0191】
hCSF−1R cytoplasmic domain発現のために,改変hCSF−1R cDNAを含むpVL1393トランスファーベクターを直鎖BD BaculoGold DNA(BD社)とともにSf9昆虫細胞に移入した。昆虫細胞の培養上清を遠心分離し,リコンビナントバキュロウイルスを採取した。
得られたリコンビナントバキュロウイルスをヨトウガ(Spodoptera Frugiperda)卵由来細胞(expres SF+細胞)に感染させ,ウイルス力価を増幅させた。
最終感染用リコンビナントウイルス液はBacPAK Baculovirus Rapid Titer Kit (Clontech)を用いてウイルス力価を決定した。Expres SF+細胞を1.5x10cells/mLの濃度で播種し,最終感染用リコンビナントバキュロウイルス液を感染多重度(MOI)=0.1となるように添加して27度で72時間培養した。培養後,遠心分離により感染細胞を採取した。感染細胞懸濁液を超音波処理により破砕した。His−Tag付加タンパク質をコバルトアフィニティレジン(TALON Superflow,Clontech)を用いて分離した。50mmol/L 2−アミノ−2(ハイドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール(Tris HCl)(pH7.5), 150mmol/L 塩化ナトリウム, 5% グリセロール, 5mmol/L 2−メルカプトエタノール,0.03% ブリッジ 35(Sigma),5mmol/L 1,3−ジアザ−2,4−シクロペンタジエン(Imidazole)を用いてゲルを洗浄した。50mmol/L Tris HCl(pH7.5), 150mmol/L 塩化ナトリウム,5% グリセロール,5mmol/L 2−メルカプトエタノール,0.03% ブリッジ 35,100mmol/L Imidazoleを用いて結合タンパク質を溶離した。His−Tag付加タンパク質を含有する溶離画分をプールし,50mmol/L Tris HCl(pH7.5),150mmol/L 塩化ナトリウム,5% グリセロール,0.03% ブリッジ 35に対して透析し,−80度に保存した。
【0192】
キナーゼ反応には96穴ハーフエリア白プレート(プレート,Corning社 3642)を使用した。プレートにキナーゼ緩衝液(20 mmol/L 3−モルホリノプロパンスルホン酸(pH7.0),10mmol/L 塩化マグネシウム,1mmol/L ジチオスレイトール,0.01% ウシ血清アルブミン)で希釈した20μg/mL ポリ(GT)−ビオチン,500μmol/L ATP溶液,5%ジメチルスルホキシドを含むキナーゼ緩衝液を用いて調製した被験物質溶液をそれぞれ10μL/well添加した。さらに,キナーゼ緩衝液により希釈した8.33ng/mL hCSF−1R酵素を30μL/wellの容量で添加して反応を開始した。ブランクウェルとしてATPのみを加えないウェルを用意した。反応開始からプレートを室温により30分間静置した。プレートにユーロピウムクリプテート付加抗リン酸化チロシン抗体(0.92μg/mL)とストレプトアビジン付加XL665(2.5μg/mL)試薬を含んだ検出用緩衝液(50mmol/L HEPES(pH7.4),100mM EDTA,200mmol/L フッ化カリウム,0.05% ウシ血清アルブミン,0.1% トライトンX−100)を50μL/well添加した。検出用緩衝液の添加から2時間後,各ウェルの蛍光カウントを蛍光マイクロプレートリーダーを用いて測定した。蛍光カウントとしては、337nmで励起させた620nmの蛍光カウント,620nmの蛍光により励起された665nmの蛍光カウントを測定した。
【0193】
測定した蛍光カウントから各ウェルのRatio(665nmでの蛍光カウント/620nmでの蛍光カウントx10000)を算出した。各ウェルのRatioからブランクウェルのRatioの平均を差し引いた値をデータとした。被験物質のIC50値は,溶媒対照を100%としたときの% of control値を算出し,50%を挟む2用量の% of control値から算出した。
【0194】
得られた結果を以下の表2−1乃至表2−7に示す。なお、表中、化合物の阻害活性はIC50(μmol/L)が0.1μmol/L未満を+++、0.1μmol/L以上1μmol/L未満を++、1μmol/L以上を+として表記した。また、CSF−1R IC50(μM)欄における%は、溶媒対照の抑制率を100%としたときの記載した被験物質濃度における抑制率を示す。
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【表2−4】

【表2−5】

【表2−6】

【表2−7】


上記試験例1から明らかなように、本発明化合物は、CSF−1R活性阻害作用を有する。
【0195】
このようなことから、本発明化合物は、CSF−1R活性を抑制する効果を有していることを示している。
従って、本発明化合物は、関節リウマチ、多発性硬化症、骨粗しょう症(卵巣摘出後の骨量減少を含む)及び骨溶解、癌(例えば、肺癌、乳癌)の治療又は予防剤となり得る。
さらに、本発明化合物は糖尿病性腎症の治療又は予防剤となり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式[I]で示される化合物またはその医薬上許容される塩、あるいはその溶媒和物:
【化1】

[式中、
は、
(1)C1−6アルキル基、または
(2)ハロゲン原子
であり;
nは、0、または1乃至3の整数であり;
は、下記(1)乃至(8)から選ばれる基
(1)水素原子、
(2)ハロゲン原子、
(3)下記グループAから選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(4)−O−(CHn1−(O)n2−Rb1
(式中、Rb1は、水素原子、または
下記グループAから選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
n1は0または1乃至4の整数、
n2は0または1、
ただし、n2が1の場合、n1は1乃至4の整数である。)、
(5)
【化2】

(式中、YはC1−4アルキル基もしくは水酸基から選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキレン、
b2は、下記グループAから選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されているC1−6アルキル基)、
(6)−CH=CH−C(=O)−Rb3
(Rb3は、下記グループAから選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基)、
(7)−NRb4b5(式中、Rb4およびRb5は、同一または異なって、水素原子またはC1−6アルキル基)、または
(8)式:
【化3】

{式中、
は下記(i)乃至(v)から選ばれる基:
(i) 単結合、
(ii) C1−4アルキル基に置換されてもよいC1−6アルキレン、
(iii)
【化4】

(式中、Yb1およびYb2は同一または異なって、単結合、または
1−4アルキル基、ハロゲン原子もしくは水酸基から選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキレン)、
(iv) −O−(CHn4−C(=O)−、または
(v) −O−(CHn5−O−C(=O)−であり、
n4、およびn5は1乃至4の整数を示し;
環Tは、
(i)非芳香族単環複素環基(非芳香族単環複素環は、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子より独立して選択される1乃至4個のヘテロ原子を有し、環を構成する原子数が3乃至7個である。)、
(ii)芳香族単環複素環基(芳香族単環複素環は、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子より独立して選択される1乃至4個のヘテロ原子を有し、環を構成する原子数が3乃至7個である。)、または、
(iii)C6−10アリール基、
であり;
は、同一または異なって、下記(i)乃至(vii)から選ばれる基:
(i)ハロゲン原子、
(ii)C1−6アルキル基(C1−6アルキルは、同一または異なった1乃至5個の−ORg1または−C(=O)−ORg1で示される置換基を有していてもよい)、
(iii)−C(=O)−ORg2
(iv)−C(=O)−Rg3
(v)−C(=O)−NRg4g5
(vi)−ORg6、または、
(vii)−SO−Rg7であり、
g1、Rg2、Rg4、Rg5、Rg6およびRg7は、同一または異なって、水素原子またはC1−6アルキル基、
g3は水酸基で置換していてもよいC1−6アルキル基であり;
pは、0、または1乃至4の整数である。}
で示される基であり;
は、水素原子または水酸基であり;
は、下記(1)乃至(4)から選ばれる基:
(1)−ORd1(式中、Rd1は水素原子または同一または異なった1乃至5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基)、
(2)ハロゲン原子、
(3)−C(=O)−ORd2(式中、Rd2は水素原子またはC1−6アルキル基)、または
(4)同一または異なった1乃至5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基であり;
mは、0、または1乃至4の整数であり;
は、下記(1)または(2)から選ばれる基:
(1)C1−12アルキル基、または
(2)式:
【化5】

{式中、
は、C1−4アルキル基で置換されてもよいC1−6アルキレンであり;
環Uは、下記(i)乃至(v)から選ばれる基:
(i) C6−10アリール基、
(ii) C3−10シクロアルキル基、
(iii)C8−11スピロ環式シクロアルキルまたはスピロ環式シクロアルケニル基、
(iv) 芳香族単環複素環基(芳香族単環複素環は、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子より独立して選択される1乃至4個のヘテロ原子を有し、環を構成する原子数が3乃至7個である。)、または、
(v)縮合環式複素環基(縮合環式複素環は、炭素原子以外に窒素原子、酸素原子及び硫黄原子より独立して選択される1乃至4個のヘテロ原子を有し、環を構成する原子数が8乃至10個である。)であり;
は、同一または異なって、下記(i)乃至(vi)から選ばれる基:
(i) 同一または異なった1乃至5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(ii) C3−6シクロアルキル基、
(iii)−ORS1(式中、RS1は水素原子または同一または異なった1乃至5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−12アルキル基)、
(iv) ハロゲン原子、
(v) −C(=O)−ORS2(式中、RS2は水素原子またはC1−6アルキル基)、または、
(vi) −SRS3(式中、RS3は水素原子またはC1−6アルキル基)であり;
qは0、または1乃至4の整数である}で示される基であり;
グループAは下記の(a)乃至(e)からなる群から選ばれる:
(a) ハロゲン原子、
(b) −ORA1(式中、RA1は水素原子またはC1−6アルキル基)、
(c) −NRA2A3(式中、RA2及びRA3は、同一もしくは異なって、水素原子または同一もしくは異なって、それぞれ
(c1)水酸基、および/または
(c2)−C(=O)−ORA4(式中、RA4は水素原子またはC1−6アルキル基)
で置換されていてもよいC1−6アルキル基)、
(d) −C(=O)−ORA5(式中、RA5は水素原子またはC1−6アルキル基)、
および、
(e) −C(=O)−NRA6A7(式中、RA6及びRA7は、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子または
(e1)水酸基、および/または
(e2)−NRA8A9(式中、RA8及びRA9は、同一もしくは異なって、それぞれ水素原子またはC1−6アルキル基)
で置換されていてもよいC1−6アルキル基)。]。
【請求項2】
が、
(1)グループAから選択される同一または異なった1乃至5個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(2)−O−(CHn1−(O)n2−Rb1
(3)式:
【化6】


(4)−CH=CH−C(=O)−Rb3
(5)−NRb4b5、または
(6)式:
【化7】

(各記号およびグループAは請求項1におけるものと同義である。)
で示される基である、請求項1に記載の化合物またはその医薬上許容される塩、あるいはその溶媒和物。
【請求項3】
下記一般式[II]で表される、請求項1又は2記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。
【化8】

(式中、各記号は請求項1と同義である。)
【請求項4】
下記一般式[III]で表される、請求項1又は2記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。
【化9】

(式中、各記号は請求項1と同義である。)
【請求項5】
下記一般式[II−C]で表される、請求項1又は2記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。
【化10】

(式中、各記号は請求項1と同義である。)
【請求項6】
下記一般式[III−B]で表される、請求項1又は2記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。
【化11】

(式中、各記号は請求項1と同義である。)
【請求項7】
下記一般式[IV−A]で表される、請求項1又は2記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。
【化12】

(式中、各記号は請求項1と同義である。)
【請求項8】
下記式からなる群から選択される、請求項1又は2記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。









【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物、及び医薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物を含む、コロニー刺激因子1受容体阻害剤。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物を含む、自己免疫疾患、炎症性疾患、骨粗しょう症、骨溶解、または、癌の治療又は予防剤。
【請求項12】
自己免疫疾患が、関節リウマチ、多発性硬化症、または乾癬から選択される、請求項11に記載の治療又は予防剤。
【請求項13】
自己免疫疾患が関節リウマチである、請求項12に記載の治療又は予防剤。
【請求項14】
関節リウマチの治療剤が関節の構造的損傷の防止剤である、請求項13に記載の治療剤。
【請求項15】
炎症性疾患が、炎症性大腸炎、糸球体腎炎、または糖尿病性腎炎から選択される、請求項11に記載の治療又は予防剤。
【請求項16】
癌が、固型癌または血液癌から選択される、請求項11に記載の治療又は予防剤。

【公開番号】特開2010−285430(P2010−285430A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112258(P2010−112258)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】