説明

アナライトセンサデータの処理

較正を開始すること(60)、較正を更新すること(100)、基準およびセンサアナライトデータの臨床的受容性を評価すること(80)、およびセンサ較正の品質を評価すること(110)を含む、センサアナライトデータを処理するためのシステムおよび方法。初期較正時に、一定期間についてアナライトセンサデータを評価し、センサの安定性を判定する。センサ(10)は、1つまたは複数のマッチするセンサおよび基準アナライトデータ対の較正集合を使用して較正することができる。較正は、新しく受信された基準アナライトデータとともに包含基準に基づき最良の較正に対する較正集合を評価した後に更新することができる。基準およびアナライトデータの臨床的受容性ならびにセンサ較正の品質に基づいてフェールセーフメカニズムが実現される。アナライトセンサ(10)からの推定血液アナライトデータの最適化された、先を見越した、また遡及的な分析を行うアルゴリズムを実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、アナライトセンサデータ処理のためのシステムおよび方法に関する。特に、本発明は、較正の開始、センサデータの変換、較正の更新、受信した基準およびセンサデータの評価、およびアナライトセンサの較正の評価を、遡及的におよび/または先を見越して実行することに関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、膵臓が十分なインスリンを作り出すことができない(タイプ1またはインスリン依存性)および/またはインスリンの効果がない(タイプ2または非インスリン依存性)疾病である。糖尿病状態では、罹病者は高血糖を患い、微小血管の損傷に伴う多数の生理的異常(例えば、腎不全、皮膚潰瘍、または目の硝子体内への出血)を引き起こす可能性がある。血糖降下反応(低血糖)は、インスリンをうっかり過剰摂取することにより、または激しい運動または不十分な食糧摂取の後に正常量のインスリンまたはグルコース低下剤を摂取すると、誘発される場合がある。
【0003】
従来、糖尿病患者は、通常自己血糖測定(SMBG)モニタを携行するが、通常、指が針で刺されたようにちくちく痛む不快な方法を含む。不快であるし、面倒でもあるため、糖尿病患者は、通常、血糖値を1日に2回から4回しか測定しない。不幸にも、これらの時間間隔はバラバラに広がっているため、糖尿病患者は気づくのが遅すぎる可能性があり、血糖上昇または血糖降下状態の危険な副作用を招くこともときにはある。実際、糖尿病患者がタイムリーなSMBG値を取得することがありそうもないだけでなく、糖尿病患者は従来の方法に基づいて自分の血糖値が上昇(より高く)または降下(より低く)しているかを知ることもなく、知識に基づいてインスリン療法の決定を下すことができない。
【非特許文献1】Clarke他、「Evaluating Clinical Accuracy of Systems for Self-Monitoring of Blood Glucose」、Diabetes Care、Volume 10、Number 5、September-October 1987
【非特許文献2】Parkes他、「A New Consensus Error Grid to Evaluate the Clinical Significance of Inaccuracies in the Measurement of Blood Glucose」、Diabetes Care、Volume 23、Number 8、August 2000
【非特許文献3】「Biosensors and the Body」、D. M. Fraser、ed.、1997、pp.1-56 John Wiley and Sons、New YorkのFraser, D. M.「An Introduction to In vivo Biosensing: Progress and problems」
【特許文献1】米国特許第6,558,351号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
連続的におよび/またはリアルタイムで推定グルコース測定結果を糖尿病患者に正確に提供し、糖尿患者が自分の状態を積極的にケアして血糖上昇および血糖降下状態を安全に回避できるようにするシステムおよび方法が必要である。リアルタイムの、および遡及的な推定グルコース測定は、患者および/または医師に正確で有用な出力を与えるために信頼できるデータ処理を行う必要がある。
【0005】
同様に、さまざまな知られているアナライト(例えば、酸素、塩、タンパク質、およびビタミン)に対する実質的に連続的な推定アナライト測定を正確に実施し、先を見越した、および/または遡及的なデータ解析および出力をユーザに提供するシステムおよび方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、センサを遡及的におよび/または先を見越して較正し、センサを初期化し、センサデータを較正済みデータに変換し、時間の経過とともに較正を更新し維持し、受信した基準およびセンサデータの臨床的受容性について評価し、較正統計受容性を評価し、正確で安全なデータ出力を患者および/または医師に提供するシステムおよび方法が実現される。
【0007】
第1の実施形態では、実質的に連続的なアナライトセンサを初期化するための方法を提供し、この方法は、1つまたは複数のセンサデータ点を含む、データストリームをアナライトセンサから受信するステップと、2つ以上の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信するステップと、基準アナライトデータと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングを行うことにより少なくとも2つのマッチするデータ対を提供するステップと、少なくとも2つのマッチングデータ対を含む較正集合を形成するステップと、連続的アナライトセンサの安定性を判別するステップとを含む。
【0008】
第1の実施形態の一態様では、実質的に連続的なアナライトセンサの安定性を判別するステップは、約1分から約6週間までの範囲の所定の期間待つことを含む。
【0009】
第1の実施形態の一態様では、実質的に連続的なアナライトセンサの安定性を判別するステップは、少なくとも2つのマッチするデータ対を評価することを含む。
【0010】
第1の実施形態の一態様では、実質的に連続的なアナライトセンサの安定性を判別するステップは、pH、酸素、次亜塩素酸塩、干渉種、マッチした対の相関、R値、ベースラインドリフト、ベースラインオフセット、および振幅のうちの1つを評価することを含む。
【0011】
第1の実施形態の一態様では、この方法は、さらに、センサの安定性に基づいて聴覚、視覚、または触覚による出力のうちの1つをユーザに供給することを含む。
【0012】
第1の実施形態の一態様では、センサの安定性に基づいて出力を供給するステップは、推定アナライト数値、アナライト濃度の方向トレンド、および推定アナライト値のグラフ表現のうちの少なくとも1つを示すことを含む。
【0013】
第1の実施形態の一態様では、センサデータを受信するステップは、実質的に連続的なグルコースセンサからセンサデータを受信することを含む。
【0014】
第1の実施形態の一態様では、センサデータを受信するステップは、埋め込み型グルコースセンサからセンサデータを受信することを含む。
【0015】
第1の実施形態の一態様では、センサデータを受信するステップは、皮下埋め込み型グルコースセンサからセンサデータを受信することを含む。
【0016】
第1の実施形態の一態様では、基準データを受信するステップは、自己血糖測定検査から基準データを受信することを含む。
【0017】
第1の実施形態の一態様では、基準データを受信するステップは、ケーブル接続を介して基準データをダウンロードすることを含む。
【0018】
第1の実施形態の一態様では、基準データを受信するステップは、無線接続を介して基準データをダウンロードすることを含む。
【0019】
第1の実施形態の一態様では、基準アナライトモニタから基準データを受信するステップは、受信機と一体の基準アナライトモニタから受信機内で内部通信を受信することを含む。
【0020】
第1の実施形態の一態様では、較正集合を形成するステップは、包含基準を使用して少なくとも1つのマッチするデータ対を評価することを含む。
【0021】
第1の実施形態の一態様では、センサデータを受信するステップは、アルゴリズムにより平滑化されたセンサデータを受信することを含む。
【0022】
第1の実施形態の一態様では、センサデータを受信するステップは、受信されたセンサデータをアルゴリズムにより平滑化することを含む。
【0023】
第1の実施形態の一態様では、較正集合を形成するステップは、較正集合内に1から6つまでのマッチするデータ対を含むことを含む。
【0024】
第1の実施形態の一態様では、較正集合を形成するステップは、6つのマッチするデータ対を含むことを含む。
【0025】
第1の実施形態の一態様では、較正集合を形成するステップは、さらに、nを1よりも大きく、較正集合内のマッチするデータ対の個数を表すものとして、nに対する値を決定することを含む。
【0026】
第1の実施形態の一態様では、nに対する値を決定するステップは、受信された基準データ点および信号強度の時間による頻度の関数として決定される。
【0027】
第2の実施形態では、連続的アナライトセンサを初期化するためのシステムを提供し、このシステムは、アナライトセンサから複数の一定時間間隔のセンサデータ点を含むデータストリームを受信する連続的アナライトセンサに動作するように接続されたセンサデータモジュールと、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから取得するように適合された基準入力モジュールと、基準データと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングにより1つまたは複数のマッチするデータ対を形成し、その後1つまたは複数のマッチするデータ対を含む較正集合を形成するプロセッサモジュールと、連続的アナライトセンサの安定性を判別するためにプログラムされているプロセッサモジュールに関連付けられたスタートアップモジュールとを備える。
【0028】
第2の実施形態の一態様では、センサデータモジュールは、センサからセンサデータ点を無線で受信するように適合されている。
【0029】
第2の実施形態の一態様では、スタートアップモジュールは、6時間から6週間までの範囲の所定の期間待つようにプログラムされる。
【0030】
第2の実施形態の一態様では、スタートアップモジュールは、少なくとも2つのマッチするデータ対を評価するようにプログラムされる。
【0031】
第2の実施形態の一態様では、スタートアップモジュールは、pH、酸素、次亜塩素酸塩、干渉種、マッチした対の相関、R値、ベースラインドリフト、ベースラインオフセット、および振幅のうちの1つを評価するようにプログラムされる。
【0032】
第2の実施形態の一態様では、システムは、さらに、プロセッサモジュールに関連付けられ、センサデータの出力を制御するようにプログラムされた出力制御モジュールを備える。
【0033】
第2の実施形態の一態様では、出力制御モジュールは、推定アナライト数値、アナライト濃度の方向トレンド、および推定アナライト値のグラフ表現のうちの少なくとも1つを示す。
【0034】
第2の実施形態の一態様では、センサデータモジュールは、実質的に連続的なグルコースセンサからセンサデータを受信するように構成されている。
【0035】
第2の実施形態の一態様では、センサデータモジュールは、埋め込み型グルコースセンサからセンサデータを受信するように構成されている。
【0036】
第2の実施形態の一態様では、センサデータモジュールは、皮下埋め込み型グルコースセンサからセンサデータを受信するように構成されている。
【0037】
第2の実施形態の一態様では、基準入力モジュールは、自己血糖測定検査から基準データを受信するように構成されている。
【0038】
第2の実施形態の一態様では、基準入力モジュールは、ケーブル接続を介して基準データをダウンロードするように構成されている。
【0039】
第2の実施形態の一態様では、基準入力モジュールは、無線接続を介して基準データをダウンロードするように構成されている。
【0040】
第2の実施形態の一態様では、システムは、さらに、システムと一体化され、基準入力モジュールが基準アナライトモニタから内部通信を受信するように構成されている基準アナライトモニタを備える。
【0041】
第2の実施形態の一態様では、プロセッサモジュールは、包含基準を使用して少なくとも1つのマッチするデータ対を評価するようにプログラムすることを含む。
【0042】
第2の実施形態の一態様では、基準入力モジュールは、アルゴリズムにより平滑化されたセンサデータを受信するように構成されている。
【0043】
第2の実施形態の一態様では、基準入力モジュールは、アルゴリズムにより受信されたセンサデータを平滑化するように構成されている。
【0044】
第2の実施形態の一態様では、較正集合は、1から6つまでのマッチするデータ対を含む。
【0045】
第2の実施形態の一態様では、較正集合は、6つのマッチするデータ対を含む。
【0046】
第2の実施形態の一態様では、較正集合は、nを1より大きいものとしてn個のマッチするデータ対を含む。
【0047】
第2の実施形態の一態様では、nは、受信された基準データ点および信号強度の時間による頻度の関数である。
【0048】
第3の実施形態では、連続的アナライトセンサを初期化するためのコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、1つまたは複数のセンサデータ点を含む、センサデータを受信機を介して実質的に連続的なアナライトセンサから受信するセンサデータ受信モジュールと、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信する基準データ受信モジュールと、基準データと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングにより1つまたは複数のマッチするデータ対を形成するデータマッチングモジュールと、少なくとも1つのマッチするデータ対を含む較正集合を形成する較正集合モジュールと、連続的アナライトセンサの安定性を判別する安定性判別モジュールとを備える。
【0049】
第3の実施形態の一態様では、安定性判別モジュールは、所定の期間待機するシステムを含む。
【0050】
第3の実施形態の一態様では、安定性判別モジュールは、少なくとも2つのマッチするデータ対を評価する。
【0051】
第3の実施形態の一態様では、安定性判別モジュールは、pH、酸素、次亜塩素酸塩、干渉種、マッチした対の相関、R値、ベースラインドリフト、ベースラインオフセット、および振幅のうちの1つを評価する。
【0052】
第3の実施形態の一態様では、このコンピュータシステムは、さらに、センサの安定性に基づいて出力をユーザに供給するインターフェイス制御モジュールを備える。
【0053】
第3の実施形態の一態様では、インターフェイス制御モジュールからの出力は、推定アナライト数値、アナライト濃度の方向トレンドの指示、および推定アナライト値のグラフ表現のうちの少なくとも1つを含む。
【0054】
第3の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、実質的に連続的なグルコースセンサからセンサデータを受信するように適合されている。
【0055】
第3の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、埋め込み型グルコースセンサからセンサデータを受信するように適合されている。
【0056】
第3の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、皮下埋め込み型グルコースセンサからセンサデータを受信するように適合されている。
【0057】
第3の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、自己血糖測定検査からセンサデータを受信するように適合されている。
【0058】
第3の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、ケーブル接続からセンサデータを受信するように適合されている。
【0059】
第3の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、無線接続を介して基準データをダウンロードするように適合されている。
【0060】
第3の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、コンピュータシステムに一体収納された内部基準アナライトモニタから基準データを受信するように適合されている。
【0061】
第3の実施形態の一態様では、較正集合モジュールは、包含基準を使用して少なくとも1つのマッチするデータ対を評価する。
【0062】
第3の実施形態の一態様では、センサデータ受信モジュールは、アルゴリズムにより平滑化されたセンサデータを受信するように適合されている。
【0063】
第3の実施形態の一態様では、コンピュータシステムは、さらに、受信されたセンサデータを平滑化するデータ平滑化モジュールを含む。
【0064】
第3の実施形態の一態様では、較正集合モジュールは、1から6つまでのマッチするデータ対を含む。
【0065】
第3の実施形態の一態様では、較正集合モジュールは、6つのマッチするデータ対を含む。
【0066】
第3の実施形態の一態様では、較正集合は、nを1より大きいものとしてn個のマッチするデータ対を含む。
【0067】
第3の実施形態の一態様では、nは、受信された基準データ点および信号強度の時間による頻度の関数である。
【0068】
第4の実施形態では、実質的に連続的なアナライトセンサを初期化するための方法を提供し、この方法は、1つまたは複数のセンサデータ点を含む、センサデータを実質的に連続的なアナライトセンサから受信することと、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信することと、基準データと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングを行うことにより1つまたは複数のマッチするデータ対を形成することと、少なくとも1つのマッチするデータ対を含む較正集合を形成することと、連続的アナライトセンサの安定性を判別することと、所定のレベルの安定性が判別された後、センサデータを反映する情報を出力することとを含む。
【0069】
第5の実施形態では、連続的アナライトセンサを初期化するためのシステムを提供し、このシステムは、連続的アナライトセンサに動作するようにリンクされ、1つまたは複数のセンサデータ点をセンサから受信するように構成されたセンサデータモジュールと、1つまたは複数の基準データ点を取得するように適合された基準入力モジュールと、センサデータモジュールおよび入力モジュールに関連付けられ、基準データ点と時間がマッチするセンサデータ点とのマッチングを行い少なくとも1つのマッチするデータ対を含む較正集合を形成するようにプログラムされたプロセッサモジュールと、連続的アナライトセンサの安定性を判別するようにプログラムされたプロセッサモジュールおよび所定のレベルは安定性が判別された後にセンサデータを反映する出力情報に関連付けられているスタートアップモジュールとを備える。
【0070】
第6の実施形態では、連続的アナライトセンサを初期化するためのコンピュータシステムを提供し、このシステムは、1つまたは複数のセンサデータ点を含むセンサデータを受信機を介して実質的に連続的なアナライトセンサから受信するセンサデータ受信モジュールと、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信するための基準データ受信モジュールと、基準データと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングにより1つまたは複数のマッチするデータ対を形成するためのデータマッチングモジュールと、少なくとも1つのマッチするデータ対を含む較正集合を形成するための較正集合モジュールと、連続的アナライトセンサの安定性を評価するための安定性判別モジュールとを備える。所定のレベルの安定性が判別された後、センサデータを反映する情報を出力するインターフェイス制御モジュールとを備える。
【0071】
第7の実施形態では、グルコースセンサを初期化するための方法であり、この方法は、1つまたは複数のセンサデータ点を含む、センサデータをグルコースセンサから受信することと、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準グルコースモニタから受信することと、基準データと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングを行うことにより1つまたは複数のマッチするデータ対を形成することと、グルコースセンサが所定のレベルの安定性に到達したかどうかを判定することとを含む。
【0072】
第8の実施形態では、連続的アナライトセンサを初期化するためのシステムを提供し、このシステムは、連続的アナライトセンサに動作するようにリンクされ、1つまたは複数のセンサデータ点をセンサから受信するように構成されたセンサデータモジュールと、1つまたは複数の基準データ点を取得するように適合された基準入力モジュールと、センサデータモジュールおよび入力モジュールに関連付けられ、基準データ点と時間がマッチするセンサデータ点とのマッチングを行い少なくとも1つのマッチするデータ対を含む較正集合を形成するようにプログラムされたプロセッサモジュールと、連続的アナライトセンサの安定性を判別するためにプログラムされているプロセッサモジュールに関連付けられた安定性モジュールとを備える。
【0073】
第9の実施形態では、基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容性を評価するための方法を提供し、この方法は、1つまたは複数のセンサデータ点を含む、データストリームをアナライトセンサから受信することと、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信することと、実質的に時間に対応する基準またはセンサデータを使用して基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容性を評価することとを含み、基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方は、実質的に時間に対応する基準データまたはセンサデータからの偏差およびセンサデータおよび基準データのうちの少なくとも一方により示される血糖値に基づくその偏差に関連する臨床リスクについて評価される。
【0074】
第9の実施形態の一態様では、この方法は、さらに、臨床的受容性評価に応じてユーザインターフェイスを介して出力を供給することを含む。
【0075】
第9の実施形態の一態様では、出力を供給するステップは、臨床的受容性評価に基づいてユーザに警告することを含む。
【0076】
第9の実施形態の一態様では、出力を供給するステップは、臨床的受容性評価に基づいてユーザインターフェイスを変更することを含む。
【0077】
第9の実施形態の一態様では、ユーザインターフェイスを変更するステップは、色分けされた情報、トレンド情報、方向情報(例えば、矢印または角度をなす直線)、および/またはフェールセーフ情報を提供することのうちの少なくとも1つを含む。
【0078】
第9の実施形態の一態様では、臨床的受容性を評価するステップは、クラークエラーグリッド、平均絶対差分計算、変化率計算、コンセンサスグリッド、および標準臨床的受容性検定のうちの1つを使用することを含む。
【0079】
第9の実施形態の一態様では、この方法は、さらに、臨床的受容性評価により臨床的受容不可能が決定された場合に追加基準データを要求することを含む。
【0080】
第9の実施形態の一態様では、この方法は、さらに、追加基準データについて臨床的受容性評価ステップを繰り返すことを含む。
【0081】
第9の実施形態の一態様では、この方法は、さらに、臨床的受容性評価ステップの後に基準データと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングを行ってマッチした対を形成するステップを含む。
【0082】
第10の実施形態では、基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容性を評価するためのシステムを提供し、この方法は、複数の一定の時間間隔のセンサデータ点を含む、データストリームをアナライトセンサから受信する手段と、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信する手段と、実質的に時間に対応する基準およびセンサデータを使用して基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容性を評価する手段とを含み、基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方は、実質的に時間に対応する基準データまたはセンサデータからの偏差およびセンサデータおよび基準データのうちの少なくとも一方により示される血糖値に基づくその偏差に関連する臨床リスクについて評価される。
【0083】
第10の実施形態の一態様では、このシステムは、さらに、臨床的受容性評価に応じてユーザインターフェイスを介して出力を供給する手段を含む。
【0084】
第10の実施形態の一態様では、出力を供給する手段は、臨床的受容性評価に基づいてユーザに警告する手段を含む。
【0085】
第10の実施形態の一態様では、出力を供給する手段は、臨床的受容性評価に基づいてユーザインターフェイスを変更する手段を含む。
【0086】
第10の実施形態の一態様では、ユーザインターフェイスを変更する手段は、色分けされた情報、トレンド情報、方向情報(例えば、矢印または角度をなす直線)、および/またはフェールセーフ情報を提供することのうちの少なくとも1つを含む。
【0087】
第10の実施形態の一態様では、臨床的受容性を評価する手段は、クラークエラーグリッド、平均絶対差分計算、変化率計算、コンセンサスグリッド、および標準臨床的受容性検定のうちの1つを使用することを含む。
【0088】
第10の実施形態の一態様では、このシステムは、さらに、臨床的受容性評価により臨床的受容不可能が決定された場合に追加基準データを要求する手段を含む。
【0089】
第10の実施形態の一態様では、このシステムは、さらに、追加基準データについて臨床的受容性評価を繰り返す手段を含む。
【0090】
第10の実施形態の一態様では、このシステムは、さらに、臨床的受容性評価の後に基準データと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングを行ってマッチするデータ対を形成する手段を含む。
【0091】
第11の実施形態では、基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容性を評価するためのコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、実質的に連続的なアナライトセンサから複数の一定時間間隔のセンサデータ点を含むデータストリームを受信するセンサデータ受信モジュールと、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信する基準データ受信モジュールと、実質的に時間に対応する基準およびセンサデータを使用して基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方を評価する臨床的受容性評価モジュールとを備え、基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方は、実質的に時間に対応する基準データまたはセンサデータからの偏差およびセンサデータおよび基準データのうちの少なくとも一方により示される血糖値に基づくその偏差に関連する臨床リスクについて評価される。
【0092】
第11の実施形態の一態様では、このコンピュータシステムは、さらに、臨床的受容性評価に基づいてユーザインターフェイスを制御するインターフェイス制御モジュールを備える。
【0093】
第11の実施形態の一態様では、インターフェイス制御モジュールは、臨床的受容性評価に基づいてユーザに警告する。
【0094】
第11の実施形態の一態様では、インターフェイス制御モジュールは、臨床的受容性評価に基づいてユーザインターフェイスを変更する。
【0095】
第11の実施形態の一態様では、インターフェイス制御モジュールは、色分けされた情報、トレンド情報、方向情報(例えば、矢印または角度をなす直線)、および/またはフェールセーフ情報を提供することのうちの少なくとも1つを提供することによりユーザインターフェイスを変更する。
【0096】
第11の実施形態の一態様では、臨床的受容性評価モジュールは、クラークエラーグリッド、平均絶対差分計算、変化率計算、コンセンサスグリッド、および標準臨床的受容性検定のうちの1つを使用して臨床的受容性を評価する。
【0097】
第11の実施形態の一態様では、インターフェイス制御モジュールは、臨床的受容性評価により臨床的受容不可能が決定された場合に追加基準データを要求する。
【0098】
第11の実施形態の一態様では、インターフェイス制御モジュールは、臨床的受容性評価モジュールを使用して追加基準データを評価する。
【0099】
第11の実施形態の一態様では、コンピュータシステムは、さらに、臨床的に受容可能な基準データと実質的に時間に対応する臨床的に受容可能なセンサデータとのマッチングを行ってマッチする対を形成するデータマッチングモジュールとを備える。
【0100】
第12の実施形態では、基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容性を評価するための方法を提供し、この方法は、1つまたは複数のセンサデータ点を含む、データストリームをアナライトセンサから受信することと、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信することと、実質的に時間に対応する基準およびセンサデータを使用して基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容性を評価し、基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方は、実質的に時間に対応する基準データまたはセンサデータからの偏差およびセンサデータおよび基準データのうちの少なくとも一方により示される血糖値に基づくその偏差に関連する臨床リスクについて評価されることと、臨床的受容可能性評価に応じてユーザインターフェイスを介して出力を供給することとを含む。
【0101】
第13の実施形態では、基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容性を評価するための方法を提供し、この方法は、1つまたは複数のセンサデータ点を含む、データストリームをアナライトセンサから受信することと、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信することと、クラークエラーグリッド、平均絶対差分計算、変化率計算、およびコンセンサスグリッドのうちの1つを使用することを含む、実質的に時間に対応する基準およびセンサデータを使用して基準およびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容可能性を評価することとを含む。
【0102】
第14の実施形態では、基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容性を評価するためのコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、実質的に連続的なアナライトセンサから複数の一定時間間隔のセンサデータ点を含むデータストリームを受信するセンサデータモジュールと、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信する基準入力モジュールと、実質的に時間に対応する基準およびセンサデータを使用して基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容性を評価する臨床モジュールであって、基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方は、実質的に時間に対応する基準データまたはセンサデータからの偏差およびセンサデータおよび基準データのうちの少なくとも一方により示される血糖値に基づくその偏差に関連する臨床リスクについて評価される、臨床モジュールと、臨床的受容可能性評価に基づいてユーザインターフェイスを制御するインターフェイス制御モジュールとを備える。
【0103】
第15の実施形態では、基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容性を評価するためのコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、実質的に連続的なアナライトセンサから複数の一定時間間隔のセンサデータ点を含むデータストリームを受信するセンサデータモジュールと、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信する基準入力モジュールと、実質的に時間に対応する基準およびセンサデータとともに基準およびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方を評価し、クラークエラーグリッド、平均絶対差分計算、変化率計算、コンセンサスグリッド、および標準臨床的受容性検定のうちの1つを使用して臨床的受容不可能性を評価する、臨床モジュールとを備える。
【0104】
第16の実施形態では、基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容性を評価するためのコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、受信機を介して実質的に連続的なアナライトセンサから複数の一定時間間隔のセンサデータ点を含むデータストリームを受信するセンサデータモジュールと、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信する基準入力モジュールと、クラークエラーグリッドを使用して、実質的に時間に対応する基準およびセンサデータを使用して基準およびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容可能性を評価する臨床モジュールと、臨床的受容不可能性を評価する臨床モジュールに応答してユーザインターフェイスを制御するフェールセーフモジュールとを備える。
【0105】
第17の実施形態では、基準データおよびセンサグルコースデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容性を評価するための方法を提供し、この方法は、1つまたは複数のセンサデータ点を含む、データストリームをアナライトセンサから受信することと、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準グルコースモニタから受信することと、実質的に時間に対応する基準およびセンサデータを使用して基準データおよびセンサグルコースデータのうちの少なくとも一方の臨床的受容性を評価し、基準データおよびセンサアナライトデータのうちの少なくとも一方は、実質的に時間に対応する基準データまたはセンサデータからの偏差およびセンサデータおよび基準データのうちの少なくとも一方により示される血糖値に基づくその偏差に関連する臨床リスクについて評価されることと、臨床的受容不可能性を評価する臨床モジュールに応答してユーザインターフェイスを制御するフェールセーフモジュールとを含む。
【0106】
第18の実施形態では、実質的に連続的なアナライトセンサの較正を維持するための方法を提供するが、この方法は、1つまたは複数のセンサデータ点を含む、データストリームをアナライトセンサから受信することと、2つ以上の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信することと、基準アナライトデータと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングを行うことにより少なくとも2つのマッチするデータ対を提供することと、少なくとも2つのマッチングデータ対を含む較正集合を形成することと、較正集合に基づいて変換関数を作成することと、変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータに変換することと、その後、1つまたは複数の追加基準データ点を取得し、1つまたは複数の新しいマッチするデータ対を作成することと、新しいマッチするデータ対が作成された場合に較正集合を評価し、較正集合を評価することは、1)較正集合内のマッチするデータ対が所定の時間範囲にわたっていることを確認すること、2)較正集合内のマッチするデータ対が所定の値よりも古くないことを確認すること、3)較正集合が所定の時間範囲上に実質的に分散する高および低のマッチするデータ対を持つことを確認すること、および4)マッチするデータ対はアナライト値の所定の範囲内にのみ存在することを許容することのうちの少なくとも1つを含むことと、その後、修正が評価に必要な場合に較正集合をそのように修正することとを含む。
【0107】
第18の実施形態の一態様では、較正集合を評価するステップは、さらに、アナライト濃度の変化率を評価すること、マッチするデータ対の中のそれぞれのセンサおよび基準データの一致を評価すること、および生理学的変化を評価することのうちの少なくとも1つを含む。
【0108】
第18の実施形態の一態様では、較正集合を評価するステップは、新しいマッチするデータ対のみを評価することを含む。
【0109】
第18の実施形態の一態様では、較正集合を評価するステップは、較正集合内のマッチするデータ対および新しいマッチするデータ対のすべてを評価することを含む。
【0110】
第18の実施形態の一態様では、較正集合を評価するステップは、較正集合からのマッチするデータ対と新しいマッチするデータ対との組み合わせを評価することを含む。
【0111】
第18の実施形態の一態様では、センサデータを受信するステップは、長期間埋め込み型アナライトセンサからデータストリームを受信することを含む。
【0112】
第18の実施形態の一態様では、センサデータを受信するステップは、アルゴリズムにより平滑化されたデータストリームを受信することを含む。
【0113】
第18の実施形態の一態様では、センサデータストリームを受信するステップは、データストリームをアルゴリズムにより平滑化することを含む。
【0114】
第18の実施形態の一態様では、基準データを受信するステップは、ケーブル接続を介して基準データをダウンロードすることを含む。
【0115】
第18の実施形態の一態様では、基準データを受信するステップは、無線接続を介して基準データをダウンロードすることを含む。
【0116】
第18の実施形態の一態様では、基準アナライトモニタから基準データを受信するステップは、受信機と一体の基準アナライトモニタから受信機内で内部通信を受信することを含む。
【0117】
第18の実施形態の一態様では、基準アナライトモニタは、血液アナライトの自己測定機能を含む。
【0118】
第18の実施形態の一態様では、変換関数を作成するステップは、線形回帰を含む。
【0119】
第18の実施形態の一態様では、変換関数を作成するステップは、非線形回帰を含む。
【0120】
第18の実施形態の一態様では、較正集合を形成するステップは、較正集合内に1から6つまでのマッチするデータ対を含むことを含む。
【0121】
第18の実施形態の一態様では、較正集合を形成するステップは、6つのマッチするデータ対を含むことを含む。
【0122】
第18の実施形態の一態様では、較正集合を形成するステップは、さらに、nを1よりも大きく、較正集合内のマッチするデータ対の個数を表すものとして、nに対する値を決定することを含む。
【0123】
第18の実施形態の一態様では、nに対する値を決定するステップは、受信された基準データ点および信号強度の時間による頻度の関数として決定される。
【0124】
第18の実施形態の一態様では、この方法は、さらに、較正集合の評価からマッチングデータ対の集合を判別し、較正集合を再形成することを含む。
【0125】
第18の実施形態の一態様では、この方法は、さらに、再形成された較正集合を使用して変換関数を再作成するステップを繰り返すことを含む。
【0126】
第18の実施形態の一態様では、この方法は、さらに、再作成された変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータに変換することを含む。
【0127】
第19の実施形態では、実質的に連続的なアナライトセンサの較正を維持するためのシステムを提供するが、このシステムは、複数の一定の時間間隔のセンサデータ点を含む、データストリームをアナライトセンサから受信する手段と、2つ以上の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信する手段と、基準アナライトデータと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングを行うことにより2つ以上のマッチするデータ対を供給する手段と、少なくとも2つのマッチするデータ対を含む較正集合を形成する手段と、較正集合に基づいて変換関数を作成する手段と、変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータに変換する手段と、その後、1つまたは複数の追加基準データ点を取得し、1つまたは複数の新しいマッチするデータ対を作成することと、新しいマッチするデータ対が作成された場合に較正集合を評価する手段であって、較正集合を評価することは、1)較正集合内のマッチするデータ対が所定の時間範囲にわたっていることを確認すること、2)較正集合内のマッチするデータ対が所定の値よりも古くないことを確認すること、3)較正集合が所定の時間範囲上に実質的に分散する高および低のマッチするデータ対を持つことを確認すること、および4)マッチするデータ対はアナライト値の所定の範囲内にのみ存在することを許容することのうちの少なくとも1つを含む、手段と、修正が評価に必要な場合に較正集合をそのように修正する手段とを備える。
【0128】
第19の実施形態の一態様では、較正集合を評価する手段は、さらに、アナライト濃度の変化率を評価する手段、マッチするデータ対の中のそれぞれのセンサおよび基準データの一致を評価する手段、および生理学的変化を評価する手段のうちの少なくとも1つを含む。
【0129】
第19の実施形態の一態様では、較正集合を評価する手段は、1つまたは複数の新しいマッチするデータ対のみを評価する手段を含む。
【0130】
第19の実施形態の一態様では、較正集合を評価する手段は、較正集合内のマッチするデータ対および1つまたは複数の新しいマッチするデータ対のすべてを評価する手段を含む。
【0131】
第19の実施形態の一態様では、較正集合を評価する手段は、較正集合内からのマッチするデータ対および1つまたは複数の新しいマッチするデータ対の組み合わせを評価する手段を含む。
【0132】
第19の実施形態の一態様では、センサデータを受信する手段は、長期間埋め込み型アナライトセンサからセンサデータを受信する手段を含む。
【0133】
第19の実施形態の一態様では、センサデータを受信する手段は、アルゴリズムにより平滑化されたセンサデータを受信する手段を含む。
【0134】
第19の実施形態の一態様では、センサデータを受信する手段は、受信センサデータをアルゴリズムにより平滑化する手段を含む。
【0135】
第19の実施形態の一態様では、基準データを受信する手段は、ケーブル接続を介して基準データをダウンロードする手段を含む。
【0136】
第19の実施形態の一態様では、基準データを受信する手段は、無線接続を介して基準データをダウンロードする手段を含む。
【0137】
第19の実施形態の一態様では、基準アナライトモニタから基準データを受信する手段は、受信機と一体の基準アナライトモニタから受信機内で内部通信を受信する手段を含む。
【0138】
第19の実施形態の一態様では、基準データを受信する手段は、自己血液アナライト測定から受信する手段を含む。
【0139】
第19の実施形態の一態様では、変換関数を作成する手段は、線形回帰を実行するための手段を含む。
【0140】
第19の実施形態の一態様では、変換関数を作成する手段は、非線形回帰を実行するための手段を含む。
【0141】
第19の実施形態の一態様では、較正集合を形成する手段は、較正集合内に1から6つまでのマッチするデータ対を含めることを含む。
【0142】
第19の実施形態の一態様では、較正集合を形成する手段は、較正集合内に6つのマッチするデータ対を含めることを含む。
【0143】
第19の実施形態の一態様では、較正集合を形成する手段は、さらに、nを1よりも大きく、較正集合内のマッチするデータ対の個数を表すものとして、nに対する値を決定することを含む。
【0144】
第19の実施形態の一態様では、nに対する値を決定する手段は、受信された基準データ点および信号強度の時間による頻度の関数として決定される。
【0145】
第19の実施形態の一態様では、このシステムは、さらに、較正集合の評価からマッチングデータ対の集合を判別し、較正集合を再形成する手段を備える。
【0146】
第19の実施形態の一態様では、このシステムは、さらに、再形成された較正集合を使用して変換関数を作成するセットを繰り返す手段を含む。
【0147】
第19の実施形態の一態様では、このシステムは、さらに、再作成された変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータに変換する手段を含む。
【0148】
第20の実施形態では、実質的に連続的なアナライトセンサの較正を維持するためのコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、実質的に連続的なアナライトセンサから複数の一定時間間隔のセンサデータ点を含むデータストリームを受信するセンサデータ受信モジュールと、2つ以上の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信する基準データ受信モジュールと、基準データと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングにより2つ以上のマッチするデータ対を形成するデータマッチングモジュールと、少なくとも2つのマッチするデータ対を含む較正集合を形成する較正集合モジュールと、較正集合を使用して変換関数を作成する変換関数モジュールと、変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータに変換するセンサデータ変換モジュールと、新しいマッチするデータ対が供給された場合に較正集合を評価する較正評価モジュールであって、較正集合を評価することは、1)較正集合内のマッチするデータ対が所定の期間にわたっていることを確認すること、2)較正集合内のマッチするデータ対が所定の値よりも古くないことを確認すること、3)較正集合が所定の時間範囲上に実質的に分散する高および低のマッチするデータ対を持つことを確認すること、および4)マッチするデータ対はアナライト値の所定の範囲内にのみ存在することを許容することのうちの少なくとも1つを含む、較正評価モジュールとを備え、変換関数モジュールは、較正評価モジュールによって必要な修正の変換関数を再作成するようにプログラムされる。
【0149】
第20の実施形態の一態様では、評価較正モジュールは、さらに、アナライト濃度の変化率、マッチするデータ対の中のそれぞれのセンサおよび基準データの一致、および生理学的変化のうちの少なくとも1つを評価する。
【0150】
第20の実施形態の一態様では、評価較正モジュールは、新しいマッチするデータ対のみを評価する。
【0151】
第20の実施形態の一態様では、評価較正モジュールは、較正集合内のマッチするデータ対および新しいマッチするデータ対のすべてを評価する。
【0152】
第20の実施形態の一態様では、評価較正モジュールは、較正集合からのマッチするデータ対および新しいマッチするデータ対の組み合わせを評価する。
【0153】
第20の実施形態の一態様では、センサデータ受信モジュールは、長期間埋め込み型アナライトセンサからデータストリームを受信する。
【0154】
第20の実施形態の一態様では、センサデータ受信モジュールは、アルゴリズムにより平滑化されたデータストリームを受信する。
【0155】
第20の実施形態の一態様では、センサデータ受信モジュールは、データストリームを平滑化するプログラミングを含む。
【0156】
第20の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、ケーブル接続を介して基準データをダウンロードする。
【0157】
第20の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、無線接続を介して基準データをダウンロードする。
【0158】
第20の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、受信機と一体の基準アナライトモニタから受信機内で内部通信を受信する。
【0159】
第20の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、自己血液アナライト測定から基準データを受信する。
【0160】
第20の実施形態の一態様では、変換関数モジュールは、線形回帰を実行するプログラミングを含む。
【0161】
第20の実施形態の一態様では、変換関数モジュールは、非線形回帰を実行するプログラミングを含む。
【0162】
第20の実施形態の一態様では、較正集合モジュールは、較正集合内に1から6つまでのマッチするデータ対を含む。
【0163】
第20の実施形態の一態様では、較正集合モジュールは、較正集合内に6つのマッチするデータ対を含む。
【0164】
第20の実施形態の一態様では、較正集合モジュールは、さらに、nを1よりも大きく、較正集合内のマッチするデータ対の個数を表すものとして、nに対する値を決定するプログラミングを含む。
【0165】
第20の実施形態の一態様では、nに対する値を決定するプログラミングは、受信された基準データ点および信号強度の時間による頻度の関数としてnを決定する。
【0166】
第20の実施形態の一態様では、データマッチングモジュールは、さらに、較正評価に基づいて較正集合を再形成するプログラミングを含む。
【0167】
第20の実施形態の一態様では、変換関数モジュールは、さらに、再形成された較正集合に基づいて変換関数を再作成するプログラミングを含む。
【0168】
第20の実施形態の一態様では、センサデータ変換モジュールは、さらに、再作成された変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータに変換するプログラミングを含む。
【0169】
第21の実施形態では、グルコースセンサの較正を維持するための方法を提供し、この方法は、1つまたは複数のセンサデータ点を含む、データストリームをアナライトセンサから受信することと、2つ以上の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信することと、基準アナライトデータと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングを行うことにより少なくとも2つのマッチするデータ対を提供することと、少なくとも2つのマッチングデータ対を含む較正集合を形成することと、較正集合に基づいて変換関数を作成することと、その後、1つまたは複数の追加基準データ点を取得し、1つまたは複数の新しいマッチするデータ対を作成することと、新しいマッチするデータ対が作成された場合に較正集合を評価し、較正集合を評価することは、1)較正集合内のマッチするデータ対が所定の時間範囲にわたっていることを確認すること、2)較正集合内のマッチするデータ対が所定の値よりも古くないことを確認すること、3)較正集合が所定の時間範囲上に実質的に分散する高および低のマッチするデータ対を持つことを確認すること、および4)マッチするデータ対はアナライト値の所定の範囲内にのみ存在することを許容することのうちの少なくとも1つを含むこととを含む。
【0170】
第22の実施形態では、グルコースセンサの較正を維持するためのコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、実質的に連続的なアナライトセンサから複数の一定時間間隔のセンサデータ点を含むデータストリームを受信するセンサデータモジュールと、2つ以上の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信する基準入力モジュールと、基準データと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングにより2つ以上のマッチするデータ対を形成し、その後2つ以上のマッチするデータ対を含む較正集合を形成するプロセッサモジュールと、新しいマッチするデータ対が供給された場合に較正集合を評価する較正評価モジュールであって、較正集合を評価することは、1)較正集合内のマッチするデータ対が所定の期間にわたっていることを確認すること、2)較正集合内のマッチするデータ対が所定の値よりも古くないことを確認すること、3)較正集合が所定の時間範囲上に実質的に分散する高および低のマッチするデータ対を持つことを確認すること、および4)マッチするデータ対はアナライト値の所定の範囲内にのみ存在することを許容することのうちの少なくとも1つを含む、較正評価モジュールとを備え、変換関数モジュールは、較正評価モジュールによって必要な修正の変換関数を再作成するようにプログラムされる。
【0171】
第23の実施形態では、アナライトセンサの較正の品質を評価するための方法を提供し、この方法は、1つまたは複数のセンサデータ点を含む、データストリームをアナライトセンサから受信することと、2つ以上の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信することと、基準アナライトデータと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングを行うことにより少なくとも2つのマッチするデータ対を提供することと、少なくとも2つのマッチングデータ対を含む較正集合を形成することと、較正集合に基づいて変換関数を作成することと、アナライトセンサから追加センサデータを受信することと、変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータに変換することと、データ関連付け関数を使用して較正集合の品質を評価することを含む。
【0172】
第23の実施形態の一態様では、センサデータを受信するステップは、アルゴリズムにより平滑化されたデータストリームを受信することを含む。
【0173】
第23の実施形態の一態様では、センサデータを受信するステップは、データストリームをアルゴリズムにより平滑化することを含む。
【0174】
第23の実施形態の一態様では、センサデータを受信するステップは、実質的に連続的なグルコースセンサからセンサデータを受信することを含む。
【0175】
第23の実施形態の一態様では、センサデータを受信するステップは、埋め込み型グルコースセンサからセンサデータを受信することを含む。
【0176】
第23の実施形態の一態様では、センサデータを受信するステップは、皮下埋め込み型グルコースセンサからセンサデータを受信することを含む。
【0177】
第23の実施形態の一態様では、基準データを受信するステップは、自己血糖測定検査から基準データを受信することを含む。
【0178】
第23の実施形態の一態様では、基準データを受信するステップは、ケーブル接続を介して基準データをダウンロードすることを含む。
【0179】
第23の実施形態の一態様では、基準データを受信するステップは、無線接続を介して基準データをダウンロードすることを含む。
【0180】
第23の実施形態の一態様では、基準アナライトモニタから基準データを受信するステップは、受信機と一体の基準アナライトモニタから受信機内で内部通信を受信することを含む。
【0181】
第23の実施形態の一態様では、データ関連付け関数に基づいて較正集合の品質を評価するステップは、線形回帰、非線形回帰、順位相関、最小平均二乗による曲線の当てはめ、平均絶対偏差、および平均絶対相対差分のうちの1つを実行することを含む。
【0182】
第23の実施形態の一態様では、データ関連付け関数に基づいて較正集合の品質を評価するステップは、線形最小二乗回帰を実行することを含む。
【0183】
第23の実施形態の一態様では、データ関連付け関数に基づいて較正集合の品質を評価するステップは、データ関連付けのしきい値を設定することを含む。
【0184】
第23の実施形態の一態様では、データ関連付けに基づいて較正集合の品質を評価するステップは、線形最小二乗回帰を実行することを含み、しきい値ホールドを設定するステップは、R値のしきい値0.79を含む。
【0185】
第23の実施形態の一態様では、この方法は、さらに、較正集合の品質に応じてユーザインターフェイスに出力を供給することを含む。
【0186】
第23の実施形態の一態様では、出力を供給するステップは、較正の品質に応じてユーザにアナライト値を表示することを含む。
【0187】
第23の実施形態の一態様では、出力を供給するステップは、較正の品質への依存を警告することを含む。
【0188】
第23の実施形態の一態様では、出力を供給するステップは、較正の品質に応じてユーザインターフェイスを変更することを含む。
【0189】
第23の実施形態の一態様では、出力を供給するステップは、色分けされた情報、トレンド情報、方向情報(例えば、矢印または角度をなす直線)、および/またはフェールセーフ情報を提供することのうちの少なくとも1つを含む。
【0190】
第24の実施形態では、アナライトセンサの較正の品質を評価するためのシステムを提供し、このシステムは、複数の一定の時間間隔のセンサデータ点を含む、データストリームをアナライトセンサから受信する手段と、2つ以上の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信する手段と、基準アナライトデータと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングを行うことにより2つ以上のマッチするデータ対を供給する手段と、少なくとも2つのマッチするデータ対を含む較正集合を形成する手段と、較正集合に基づいて変換関数を作成する手段と、変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータに変換する手段と、データ関連付け関数に基づいて較正集合の品質を評価する手段とを含む。
【0191】
第24の実施形態の一態様では、センサデータを受信する手段は、アルゴリズムにより平滑化されたセンサデータを受信する手段を含む。
【0192】
第24の実施形態の一態様では、センサデータを受信する手段は、受信センサデータをアルゴリズムにより平滑化する手段を含む。
【0193】
第24の実施形態の一態様では、センサデータを受信する手段は、実質的に連続的なグルコースセンサからセンサデータを受信する手段を含む。
【0194】
第24の実施形態の一態様では、センサデータを受信する手段は、埋め込み型グルコースセンサからセンサデータを受信する手段を含む。
【0195】
第24の実施形態の一態様では、センサデータを受信する手段は、皮下埋め込み型グルコースセンサからセンサデータを受信する手段を含む。
【0196】
第24の実施形態の一態様では、基準データを受信する手段は、自己血糖測定検査から基準データを受信する手段を含む。
【0197】
第24の実施形態の一態様では、基準データを受信する手段は、ケーブル接続を介して基準データをダウンロードする手段を含む。
【0198】
第24の実施形態の一態様では、基準データを受信する手段は、無線接続を介して基準データをダウンロードする手段を含む。
【0199】
第24の実施形態の一態様では、基準アナライトモニタから基準データを受信する手段は、受信機と一体の基準アナライトモニタから受信機内で内部通信を受信する手段を含む。
【0200】
第24の実施形態の一態様では、データ関連付け関数に基づいて較正集合の品質を評価する手段は、線形回帰、非線形回帰、順位相関、最小平均二乗による曲線の当てはめ、平均絶対偏差、および平均絶対相対差分のうちの1つを実行する手段を含む。
【0201】
第24の実施形態の一態様では、較正集合の品質を評価する手段は、線形最小二乗回帰を実行する手段を含む。
【0202】
第24の実施形態の一態様では、較正集合の品質を評価する手段は、データ関連付けのしきい値を設定する手段を含む。
【0203】
第24の実施形態の一態様では、較正集合の品質を評価する手段は、線形最小二乗回帰を実行する手段を含み、しきい値ホールドを設定する手段は、R値のしきい値0.71を含む。
【0204】
第24の実施形態の一態様では、このシステムは、さらに、較正集合の品質に応じてユーザインターフェイスに出力を供給する手段を備える。
【0205】
第24の実施形態の一態様では、出力を供給する手段は、較正の品質に応じてユーザにアナライト値を表示する手段を含む。
【0206】
第24の実施形態の一態様では、出力を供給する手段は、較正の品質への依存を警告する手段を含む。
【0207】
第24の実施形態の一態様では、出力を供給する手段は、較正の品質に応じてユーザインターフェイスを変更する手段を含む。
【0208】
第24の実施形態の一態様では、出力を供給する手段は、色分けされた情報、トレンド情報、方向情報(例えば、矢印または角度をなす直線)、および/またはフェールセーフ情報を提供することのうちの少なくとも1つを含む。
【0209】
第25の実施形態では、アナライトセンサの較正の品質を評価するためのコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、実質的に連続的なアナライトセンサから複数の一定時間間隔のセンサデータ点を含むデータストリームを受信するセンサデータ受信モジュールと、2つ以上の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信する基準データ受信モジュールと、基準データと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングにより2つ以上のマッチするデータ対を形成するデータマッチングモジュールと、少なくとも2つのマッチするデータ対を含む較正集合を形成する較正集合モジュールと、較正集合を使用して変換関数を作成する変換関数モジュールと、変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータに変換するセンサデータ変換モジュールと、データ関連付け関数に基づいて較正集合の品質を評価する品質評価モジュールとを備える。
【0210】
第25の実施形態の一態様では、センサデータ受信モジュールは、アルゴリズムにより平滑化されたセンサデータを受信する。
【0211】
第25の実施形態の一態様では、コンピュータシステムは、さらに、センサデータ受信モジュールから受信されたセンサデータをアルゴリズムにより平滑化するデータ平滑化モジュールを備える。
【0212】
第25の実施形態の一態様では、センサデータ受信モジュールは、実質的に連続的なグルコースセンサからセンサデータを受信するように適合されている。
【0213】
第25の実施形態の一態様では、センサデータ受信モジュールは、埋め込み型グルコースセンサからセンサデータを受信するように適合されている。
【0214】
第25の実施形態の一態様では、センサデータ受信モジュールは、皮下埋め込み型グルコースセンサからセンサデータを受信するように適合されている。
【0215】
第25の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、自己血糖測定検査から基準データを受信するように適合されている。
【0216】
第25の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、ケーブル接続を介して基準データをダウンロードするように適合されている。
【0217】
第25の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、無線接続を介して基準データをダウンロードするように適合されている。
【0218】
第25の実施形態の一態様では、基準データ受信モジュールは、受信機と一体の基準アナライトモニタから基準データを受信するように適合されている。
【0219】
第25の実施形態の一態様では、品質評価モジュールは、線形回帰、非線形回帰、順位相関、最小平均二乗による曲線の当てはめ、平均絶対偏差、および平均絶対相対差分のうちの1つを実行して較正集合品質を評価する。
【0220】
第25の実施形態の一態様では、品質評価モジュールは、線形最小二乗回帰を実行する。
【0221】
第25の実施形態の一態様では、品質評価モジュールは、データ関連付け関数のしきい値を設定する。
【0222】
第25の実施形態の一態様では、品質評価モジュールは、線形最小二乗回帰を実行し、データ関連付け関数のしきい値は、R値のしきい値として少なくとも0.79を含む。
【0223】
第25の実施形態の一態様では、このコンピュータシステムは、さらに、較正集合の品質に基づいてユーザインターフェイスを制御するインターフェイス制御モジュールを備える。
【0224】
第25の実施形態の一態様では、インターフェイス制御モジュールは、較正集合の品質に応じてユーザにアナライト値を表示する。
【0225】
第25の実施形態の一態様では、インターフェイス制御モジュールは、較正集合の品質に基づいてユーザに警告する。
【0226】
第25の実施形態の一態様では、インターフェイス制御モジュールは、較正集合の品質に基づいてユーザインターフェイスを変更する。
【0227】
第25の実施形態の一態様では、インターフェイス制御モジュールは、色分けされた情報、トレンド情報、方向情報(例えば、矢印または角度をなす直線)、および/またはフェールセーフ情報のうちの少なくとも1つを供給する。
【0228】
第26の実施形態では、アナライトセンサの較正の品質を評価するための方法を提供し、この方法は、1つまたは複数のセンサデータ点を含む、データストリームをアナライトセンサから受信することと、2つ以上の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信することと、基準アナライトデータと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングを行うことにより少なくとも2つのマッチするデータ対を提供することと、少なくとも2つのマッチングデータ対を含む較正集合を形成することと、較正集合に基づいて変換関数を作成することと、アナライトセンサから追加センサデータを受信することと、変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータに変換することと、線形回帰、非線形回帰、順位相関、最小平均二乗による曲線の当てはめ、平均絶対偏差、および平均絶対相対差分からなるグループから選択されたデータ関連付け関数に基づいて較正集合の品質を評価することとを含む。
【0229】
第27の実施形態では、アナライトセンサの較正の品質を評価するための方法を提供し、この方法は、1つまたは複数のセンサデータ点を含む、データストリームをアナライトセンサから受信することと、2つ以上の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信することと、基準アナライトデータと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングを行うことにより少なくとも2つのマッチするデータ対を提供することと、少なくとも2つのマッチングデータ対を含む較正集合を形成することと、較正集合に基づいて変換関数を作成することと、アナライトセンサから追加センサデータを受信することと、変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータに変換することと、データ関連付け関数を使用して較正集合の品質を評価することと、較正集合の品質に応じてユーザインターフェイスに出力を供給することとを含む。
【0230】
第28の実施形態では、アナライトセンサの較正の品質を評価するためのコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、実質的に連続的なアナライトセンサから複数の一定時間間隔のセンサデータ点を含むデータストリームを受信するセンサデータモジュールと、2つ以上の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信する基準入力モジュールと、基準データと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングにより2つ以上のマッチするデータ対を形成し、その後2つ以上のマッチするデータ対を含む較正集合を形成するプロセッサモジュールと、較正集合を使用して変換関数を作成する変換関数モジュールと、変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータに変換するセンサデータ変換モジュールと、線形回帰、非線形回帰、順位相関、最小平均二乗による曲線の当てはめ、平均絶対偏差、および平均絶対相対差分からなるグループから選択されたデータ関連付けに基づいて較正集合の品質を評価する品質評価モジュールとを備える。
【0231】
第29の実施形態では、アナライトセンサの較正の品質を評価するためのコンピュータシステムを提供し、このコンピュータシステムは、実質的に連続的なアナライトセンサから複数の一定時間間隔のセンサデータ点を含むデータストリームを受信するセンサデータモジュールと、2つ以上の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信する基準入力モジュールと、基準データと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングにより2つ以上のマッチするデータ対を形成し、その後2つ以上のマッチするデータ対を含む較正集合を形成するプロセッサモジュールと、較正集合を使用して変換関数を作成する変換関数モジュールと、変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータに変換するセンサデータ変換モジュールと、データ関連付けに基づいて較正集合の品質を評価する品質評価モジュールと、較正集合の品質に基づいてユーザインターフェイスを制御するフェールセーフモジュールとを備える。
【0232】
第30の実施形態では、グルコースセンサの較正の品質を評価するための方法を提供し、この方法は、1つまたは複数のセンサデータ点を含む、センサデータをグルコースセンサから受信することと、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準グルコースモニタから受信することと、実質的に時間に対応するセンサデータにマッチした基準グルコースデータにより1つまたは複数のマッチするデータ対を供給することと、少なくとも1つのマッチするデータ対を含む較正集合を形成することと、データ関連付けに基づいて較正集合の品質を評価することとを含む。
【0233】
第31の実施形態では、実質的に連続的なアナライトセンサを初期化するための方法を提供し、この方法は、実質的に連続的なアナライトセンサから、少なくとも1つのセンサデータ点を含むデータストリームを受信することと、基準アナライトモニタから、少なくとも1つの基準データ点を含む基準データを受信することと、基準データ点と実質的に時間に対応するセンサデータ点とのマッチングを行うことにより少なくとも1つのマッチするデータ対を提供することと、実質的に連続的なアナライトセンサの安定性を判別することとを含む。
【0234】
第31の実施形態の一態様では、実質的に連続的なアナライトセンサの安定性を判別するステップは、約1分から約6週間までの範囲の一定期間にわたって実質的に連続的なアナライトセンサがホストの組織と平衡状態になるようにするステップを含む。
【0235】
第31の実施形態の一態様では、実質的に連続的なアナライトセンサの安定性を判別するステップは、少なくとも1つのマッチするデータ対を評価することを含む。
【0236】
第31の実施形態の一態様では、実質的に連続的なアナライトセンサの安定性を判別するステップは、pH、酸素、次亜塩素酸塩、干渉種、マッチした対の相関、R値、ベースラインドリフト、ベースラインオフセット、および振幅からなるグループから選択された少なくとも1つの特性を評価することを含む。
【0237】
第31の実施形態の一態様では、この方法は、さらに、実質的に連続的なアナライトセンサの安定性に基づいて聴覚的出力、視覚的出力、または触覚的出力からなるグループから選択された少なくとも1つの出力をユーザに供給するステップを含む。
【0238】
第31の実施形態の一態様では、少なくとも1つの出力を供給するステップは、推定アナライト数値、アナライト濃度の方向トレンド、および推定アナライト値のグラフ表現のうちの少なくとも1つを示すことを含む。
【0239】
第31の実施形態の一態様では、出力は、ユーザインターフェイス上に表示される。
【0240】
第31の実施形態の一態様では、実質的に連続的なアナライトセンサからデータストリームを受信するステップは、実質的に連続的なグルコースセンサからセンサデータを受信することを含む。
【0241】
第31の実施形態の一態様では、基準データを受信するステップは、自己血糖測定検査から基準データを受信することを含む。
【0242】
第32の実施形態では、連続的アナライトセンサを初期化するためのシステムを提供し、アナライトセンサから複数の一定時間間隔のセンサデータ点を含むデータストリームを受信する連続的アナライトセンサに動作するように接続されたセンサデータモジュールと、少なくとも1つの基準データ点を含む基準データを基準アナライトモニタから取得するように適合された基準入力モジュールと、基準データ点と実質的に時間に対応するセンサデータ点とのマッチングを行うことにより少なくとも1つのマッチするデータ対を形成するプロセッサモジュールと、連続的アナライトセンサの安定性を判別するためにプログラムされているプロセッサモジュールに関連付けられたスタートアップモジュールとを備える。
【0243】
第32の実施形態の一態様では、スタートアップモジュールは、連続的アナライトセンサがホストの組織内に挿入されてから連続的アナライトセンサの安定性を判別するまでの約6時間から約6週間までの範囲の期間待つようにプログラムされる。
【0244】
第32の実施形態の一態様では、スタートアップモジュールは、少なくとも1つのマッチするデータ対を評価するようにプログラムされる。
【0245】
第32の実施形態の一態様では、スタートアップモジュールは、pH、酸素、次亜塩素酸塩、干渉種、マッチした対の相関、R値、ベースラインドリフト、ベースラインオフセット、および振幅からなるグループから選択された少なくとも1つの特性を評価するようにプログラムされる。
【0246】
第32の実施形態の一態様では、モジュールは、さらに、プロセッサモジュールに関連付けられ、センサデータの出力を制御するようにプログラムされた出力制御モジュールを含む。
【0247】
第32の実施形態の一態様では、出力制御モジュールは、推定アナライト数値、アナライト濃度の方向トレンド、および推定アナライト値のグラフ表現のうちの少なくとも1つを示す。
【0248】
第32の実施形態の一態様では、出力制御モジュールは、ユーザインターフェイスに情報を出力する。
【0249】
第32の実施形態の一態様では、センサデータモジュールは構成され、第32の実施形態の一態様では、基準入力モジュールは、自己血糖測定検査から基準データを受信するように構成されている。
【0250】
第32の実施形態の一態様では、スタートアップモジュールは、安定性の判別後に、アナライトセンサデータの表示を初期化するように構成されている。
【0251】
第31の実施形態のいずれかの態様による初期化のための方法を使用するグルコースセンサが実現される。
【0252】
第32の実施形態のいずれかの態様によるシステムを含むグルコースセンサが実現される。
【0253】
図1から12Bのいずれか1つ、または複数の実施例のうちのいずれか1つを参照しつつ本明細書で実質的に説明されているようなバイオセンサが実現される。
【0254】
図1から12Bのいずれか1つ、または複数の実施例のうちのいずれか1つを参照しつつ本明細書で実質的に説明されているようなグルコースセンサが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0255】
以下の説明および実施例では、開示されている発明の例示的ないくつかの実施形態を詳細に説明する。当業者であれば、その範囲に含まれる本発明のさまざまな改変形態および変更形態があることを理解するであろう。したがって、特定の例示的な実施形態の説明は、本発明の範囲を限定するものとみなされないであろう。
【0256】
定義
好ましいいくつかの実施形態を理解しやすくするために、いくつかの用語を以下で定義する。
【0257】
本明細書で使用されているような「アナライト」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、分析可能な生体液(例えば、血液、間質液、脳脊髄液、リンパ液、または尿)中の物質または化学成分を意味する。アナライトは、自然発生する物質、人工的物質、代謝産物、および/または反応生成物を含むことができる。いくつかの実施形態では、センサヘッド、デバイス、および方法による測定用のアナライトは、アナライトである。しかし、限定はしないが、非カルボキシプロトロンビン、アシルカルニチン、アデニンホスホリボシル転移酵素、アデノシンデアミナーゼ、アルブミン、アルファフェトプロテイン、アミノ酸組成(アルギニン(クレブス回路)、ヒスチジン/ウロカニン酸、ホモシステイン、フェニルアラニン/チロシン、トリプトファン)、アンドレノステンジオン、アンチピリン、アラビニトール光学異性体、アルギナーゼ、ベンゾイルエクゴニン(コカイン)、ビオチニダーゼ、ビオプテリン、c反応性タンパク質、カルニチン、カルノシナーゼ、CD4、セルロプラスミン、ケノデオキシコール酸、クロロキン、コレステロール、コリンエステラーゼ、共役1-βヒドロキシコール酸、コルチゾール、クレアチンキナーゼ、クレアチンキナーゼMMアイソザイム、サイクロスポリンA、d-ペニシラミン、デエチルクロロキン、デヒドロエピアンドロステロンサルフェイト、DNA(アセルチ化多型、アルコール脱水素酵素、アルファ1-アンチトリプシン、嚢胞性線維症、Duchenne/Becker型筋ジストロフィー、アナライト-6-リン酸脱水素酵素、ヘモグロビンA、ヘモグロビンS、ヘモグロビンC、ヘモグロビンD、ヘモグロビンE、ヘモグロビンF、D-Punjab、ベータサラセミア、B型肝炎ウイルス、HCMV、HIV-1、HTLV-1、レーバー遺伝性視神経障害、MCAD、RNA、PKU、三日熱マラリア原虫、性分化、21-デオキシコルチゾール)、デスブチルハロファントリン、ジヒドロプテリジン還元酵素、ジフテリア/破傷風抗毒素、赤血球アルギナーゼ、赤血球プロトポルフィリン、エステラーゼD、脂肪酸/アシルグリシン、遊離β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、遊離赤血球ポルフィリン、遊離チロキシン(FT4)、遊離トリヨードサイロニン(FT3)、フマリルアセトアセターゼ、ガラクトース/gal-1-リン酸、ガラクトース-1-リン酸ウリジル転移酵素、ゲンタマイシン、アナライト-6-リン酸脱水素酵素、グルタチオン、グルタチオンペロキシダーゼ、グリココール酸、グリコシル化血色素、ハロファントリン、ヘモグロビン異型、ヘキソスアミン酵素A、ヒト赤血球カルボニックアンヒドラーゼI、17-アルファ-ヒドロキシプロゲステロン、ヒポキサンチンホスホリボシル転移酵素、免疫反応性トリプシン、乳酸塩、鉛、リポタンパク質((a)、B/A-1、β)、リゾチーム、メフロキン、ネチルミシン、フェノバルビトン、フェニトイン、フィタン/プリスタン酸、プロゲステロン、プロラクチン、プロリダーゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、キニーネ、リバーストリヨードサイロニン(rT3)、セレン、血清膵リパーゼ、シソミシン、ソマトメジンC、特異抗体(アデノウイルス、抗核抗体、アンチゼータ抗体、アルボウイルス、オーエスキー病ウイルス、デング熱ウイルス、メジナ虫、単包条虫、赤痢アメーバ、エンテロウイルス、ジアルジアデュオデナリサ、ヘリコバクターピロリ、B型肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIV-1、IgE(アトピー性疾患)、インフルエンザウイルス、ドノバンリーシュマニア、レプトスピラ属、はしか/おたふく風邪/風疹、ハンセン菌、肺炎マイコプラズマ、ミオグロビン、回旋糸状虫、パラインフルエンザウイルス、熱帯熱マラリア原虫、ポリオウイルス、緑膿菌、呼吸器合胞体ウイルス、リケッチア(草原熱)、マンソン住血吸虫、トキソプラズマ原虫、梅毒トレポネーマ、クルーズトリパノソーマ/ランゲル、水疱性口内炎ウイルス、バンクロフト糸状虫、黄熱病ウイルス)、特異性抗原(B型肝炎ウイルス、HIV-1)、スクシニルアセトン、スルファドキシン、テオフィリン、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、チロキシン(T4)、サイロキシン結合グロブリン、痕跡元素、トランスフェリン、UDP-ガラクトース-4-エピメラーゼ、尿素、ウロポルフィリノーゲンIシンターゼ、ビタミンA、白血球、および亜鉛プロトポルフィリンなどの他のアナライトも考えられる。血液または間質液中に自然に発生する塩、糖、タンパク質、脂肪、ビタミン、およびホルモンも、いくつかの実施形態のアナライトの構成要素となりうる。アナライトは、生体液、例えば、代謝産物、ホルモン、抗原、抗体などの中に自然に存在しうる。それとは別に、アナライト、例えば、造影剤、放射性同位体、化学剤、フルオロカーボンを使用する人工血液、または薬物または薬剤成分、限定はしないが、インスリン、エタノール、大麻(マリファナ、テトラヒドロカナビノール、ハシシ)、吸入抗原(亜酸化窒素、亜硝酸アミル、亜硝酸ブチル、クロロヒドロカーボン、炭化水素)、コカイン(クラックコカイン)、興奮誘発剤(アンフェタミン、メタンフェタミン、リタリン、サイラート、プレリュディン、ディドレックス、プレステート、ボラニル、サンドレックス、プラン)、抑制剤(バルビツール酸系催眠薬、メタカロン、精神安定剤、例えばバリウム、リブリウム、ミルタウン、セラックス、イクエニル、トランキシーンなど)、幻覚剤(フェンシクリジン、リセルグ酸、メスカリン、ペヨーテ、サイロシビン)、麻薬(ヘロイン、コデイン、モルヒネ、アヘン、メペリジン、パーコセット、パーコダン、タシオネックス、フェンタニール、ダルボン、タルウィン、ローモーチル)、デザイナードラッグ(フェンタニール類似物、メペリジン、アンフェタミン、メタンフェタミン、およびフェンシクリジン、例えばエクスタシー)、蛋白同化ステロイド、およびニコチンなどを体内に取り込むことができる。薬物および薬剤成分の代謝産物も、アナライトと考えられる。神経系統に影響を及ぼす薬および体内で生成されるその他の化学薬品、例えば、アスコルビン酸、尿酸、ドーパミン、ノルアドレナリン、3-メトキシチラミン(3MT)、3,4-ジヒドロキシフェニール酢酸(DOPAC)、ホモバニリン酸(HVA)、5-ヒドロキシトリプタミン(5HT)、および5-ヒドロキシインドール酢酸(FHIAA)などのアナライトも分析可能である。
【0258】
本明細書で使用されているような「動作可能なように接続される」および「動作可能なようにリンクされる」という言い回しは、広義であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、コンポーネント間で信号を伝送できるようにする方法、例えば、有線または無線で、他の(複数の)コンポーネントにリンクされた1つまたは複数のコンポーネントを含む。例えば、1つまたは複数の電極を使用して、試料内のアナライトの量を検出し、その情報を信号に変換することができ、その後、信号は、電子回路手段に伝送することができる。この場合、電極は、電子回路に「動作可能なようにリンクされる」。
【0259】
本明細書で使用されているような「EEPROM」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、通常電圧よりも高い電圧を印加することにより繰り返し消去および再プログラミング(例えば、書き込み)可能なユーザ修正可能読み取り専用メモリ(ROM)である、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリを含む。
【0260】
本明細書で使用されているような「SRAM」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、電力が供給されている限りデータビットを保持するスタティックランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。
【0261】
本明細書で使用されているような「A/Dコンバータ」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、アナログ信号をデジタル信号に変換するハードウェアを含む。
【0262】
本明細書で使用されているような「マイクロプロセッサ」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、コンピュータを駆動する基本命令に応答し基本命令を処理する論理回路を使用して算術論理演算を実行するように設計されているコンピュータシステムまたはプロセッサを含む。
【0263】
本明細書で使用されているような「RFトランシーバ」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、信号を送信および/または受信するための無線周波送信機および/または受信機を含む。
【0264】
本明細書で使用されているような「ジッタ」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、回路および/または環境効果により引き起こされる遍在する雑音を原因とする可能性のある波形タイミングの不確定性またはバラツキを含み、ジッタは、振幅、位相タイミング、または信号パルスの幅に見られる。
【0265】
本明細書で使用されているような「生データ信号」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、アナライトセンサからの測定されたアナライトに直接関係するアナログまたはデジタル信号を含む。一実施例では、生データ信号は、アナライト濃度を表すアナログ信号(例えば、電圧または電流)からA/Dコンバータにより変換される「カウント」数単位のデジタルデータである。
【0266】
本明細書で使用されているような「カウント」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、デジタル信号の測定単位を含む。一実施例では、カウント数単位で測定された生データ信号は、直接電圧に関係し(A/Dコンバータにより変換)、これは直接電流に関係する。
【0267】
本明細書で使用されているような「アナライトセンサ」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、アナライトを定量化するために使用できるメカニズム(例えば、酵素的または非酵素的)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、酸素およびグルコースを過酸化水素とグルコン酸に変換する反応を触媒するグルコース酸化酵素(GOX)を含む膜を使用する。
GOX+グルコース+O2→グルコン酸+H202+還元されたGOX
【0268】
代謝されたそれぞれのグルコース分子について、共反応剤O2と生成物H2O2に比例変化があるため、電極を使用して共反応剤または生成物のいずれかの電流変化を監視し、グルコース濃度を決定することができる。
【0269】
本明細書で使用されているような「ホスト」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、哺乳類、特に人間を含む。
【0270】
本明細書で使用されているような「マッチするデータ対」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、実質的に時間に対応するセンサデータ(例えば、1つまたは複数のセンサデータ点)とマッチする基準データ(例えば、1つまたは複数の基準アナライトデータ点)を含む。
【0271】
本明細書で使用されているよう「クラークエラーグリッド」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、1)基準グルコース測定の値、2)センサグルコース測定の値、3)この2つの値の相対的差、および4)この差の臨床的有意性を考慮して、基準血糖値とセンサ生成血糖値との差の臨床的有意性を評価するエラーグリッド分析を含む。参照により内容全体が本明細書に組み込まれている、Clarke他、「Evaluating Clinical Accuracy of Systems for Self-Monitoring of Blood Glucose」、Diabetes Care、Volume 10、Number 5、September-October 1987を参照されたい。
【0272】
本明細書で使用されているような「コンセンサスエラーグリッド」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、特定のレベルの臨床リスクを2つの時間対応グルコース測定結果の間の可能な誤差に割り当てるエラーグリッド分析を含む。コンセンサスエラーグリッドは、偏差により課されるリスクの程度を表す複数のゾーンに分割される。参照により内容全体が本明細書に組み込まれている、Parkes他、「A New Consensus Error Grid to Evaluate the Clinical Significance of Inaccuracies in the Measurement of Blood Glucose」、Diabetes Care、Volume 23、Number 8、August 2000を参照されたい。
【0273】
本明細書で使用されているような「臨床的受容性」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、患者に対する不正確のリスクの判定を含む。臨床的受容性では、時間に対応するグルコース測定(例えば、グルコースセンサからのデータおよび基準グルコースモニタからのデータ)とセンサおよび/または基準データにより示されるグルコース値に基づいてその偏差に伴うリスク(例えば、糖尿病患者の意思決定に対する)との間の偏差を考慮する。臨床的受容性の一例は、センサ測定結果と標準基準測定結果とを比較したときの標準クラークエラーグリッドの「A」と「B」の領域内で測定されたアナライト値の所定の集合の85%とすることができる。
【0274】
本明細書で使用されているような「R値」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、データの相関を要約する従来の一方法を含む、つまり、データが回帰により直線に当てはめられた場合にどのような残差(例えば、二乗平均平方根偏差)が予測されるかのステートメントである。
【0275】
本明細書で使用されているような「データ関連付け」および「データ関連付け関数」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、データおよび特に特定の曲線との相関または特定の曲線からの偏差の統計分析を含む。データ関連付け関数は、データ関連付けを示すために使用される。例えば、本明細書で説明されているようなその較正集合を形成するデータを数学的に分析し、変換関数を定義する曲線(例えば、直線または直線の集合)との相関または曲線からの偏差を判別することができ、この相関または偏差は、データ関連付けである。データ関連付け関数は、データ関連付けを決定するために使用される。データ関連付け関数のいくつかの実施例は、限定はしないが、線形回帰、非線形マッピング/回帰、順位(例えば、ノンパラメトリック)相関、最小平均二乗による曲線の当てはめ、平均絶対偏差(MAD)、および平均絶対相対差分を含む。このような一実施例では、線形回帰の相関係数は、変換関数を形成する較正集合のデータ関連付けの量および較正の品質を示す。
【0276】
本明細書で使用されているような「較正の品質」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、変換関数を作成するために使用される較正集合内のマッチするデータ対の統計的関連付けを含む。例えば、R値を較正集合について計算し、その統計データ関連付けを決定することができ、0.79よりも大きいR値では、統計的に許容可能な較正品質であると判定するが、0.79よりも小さいR値では、統計的に許容可能でない較正品質であると判定する。
【0277】
本明細書で使用されているような「実質的に」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、指定される大半を含むが必ずしも全部含むわけではないことを意味する。
【0278】
本明細書で使用されているような「一致」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、一致する、同じである、または合致していることの質または状態を含む。一実施例では、一致は、順位相関を使用して決定することができる。
【0279】
本明細書で使用されているような「合致」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、一致しているもしくは調和していること、および/または不一致がないことを含む。
【0280】
本明細書で使用されているような「連続的(または継続的)アナライト感知」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、アナライト濃度の監視が、連続的に、継続的に、および/または間欠的に(ただし、定期的に)実行される期間、例えば、約5分から10分おきの間隔を含む。
【0281】
本明細書で使用されているような「センサヘッド」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、特定のアナライトの検出の役割を持つ監視装置の領域を含む。一実施例では、センサヘッドは、非導電体、作用電極(陽極)、本体上のある位置に電気化学的反応面および本体の他の位置に電子的接続手段を形成する本体内を通過し、本体内に固定される基準電極および対極(陰極)、および本体に貼り付けられ、電気化学的反応面を覆う感知膜を備える。対極は、作用電極よりも広い電気化学的反応面積を持つ。センサの一般的動作時に、生物試料(例えば、血液または間質液)またはその一部が酵素(例えば、グルコース糖酸化酵素)に(直接または1つまたは複数の膜または領域を通過した後)接触し、生物試料の反応(またはその一部)の結果、反応生成物が形成され、これにより、生物試料内のアナライト(例えば、グルコース)レベルを判定することができる。いくつかの実施形態では、感知膜は、さらに、酵素領域(例えば、および酵素層)、および電解質相(例えば、以下で詳述される電解質含有液を含む自由流体相)を含む。
【0282】
本明細書で使用されているような「電気化学的反応面」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、電気化学的反応が起こる電極の表面を含む。作用電極の場合、検出されるアナライトの酵素触媒反応により生成される過酸化水素により、測定可能な電子電流が生じる(例えば、アナライト酸化酵素を使用してアナライトを検出すると、副産物としてH2O2過酸化物が発生し、H2O2は、作用電極の表面と反応して2個の陽子(2H+)、2個の電子(2e-)、および1個の酸素分子(O2)を発生し、これにより、検出される電子電流が発生する)。対極の場合、還元可能な化学種、例えばO2は、電極表面で還元され、作用電極により生じる電流と平衡する。
【0283】
本明細書で使用されているような「電子接続」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、センサヘッド電極を機械(例えば、ピンおよびソケット)またはハンダ付けなどでデバイスの電子回路とインターフェイスするために使用可能である、当業者に知られている任意の電子接続を含む。
【0284】
本明細書で使用されているような「感知膜」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、2つ以上の領域からなり、数ミクロン以上の厚さの材料で作られる透過膜または半透膜を含み、酸素を透過することができ、注目するアナライトを透過するか、または透過しないようにすることができる。一実施例では、感知膜は、固定化されたグルコース酸化酵素を含み、グルコースの濃度を測定するため電気化学反応を発生させることができる。
【0285】
本明細書で使用されているような「バイオインターフェイス膜」という用語は、広義語であり、通常の意味で使用され、限定はしないが、2つ以上の領域からなり、数ミクロン以上の厚さの材料で作られる透過膜を含み、これをセンサ本体に被せるように配置し、ホスト細胞(例えば、マクロファージ)が感知膜への近接を達成し、それによって感知膜を損傷すること、または障壁細胞層を形成し組織-デバイス間インターフェイスを挟んだアナライトの輸送を妨げることを防止することができる。
【0286】
以下の開示では、省略記号として、EqおよびEqs(当量)、mEq(ミリグラム当量)、M(モルの)、mM(ミリモルの)、μM(マイクロモルの)、N(標準)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、μmol(マイクロモル)、nmol(ナノモル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、μg(マイクログラム)、Kg(キログラム)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、dL(デシリットル)、μL(マイクロリットル)、cm(センチメートル)、mm(ミリメートル)、μm(マイクロメートル)、nm(ナノメートル)、hおよびhr(時)、min.(分)、sおよびsec.(秒)、℃(摂氏)が適用される。
【0287】
概要
好ましいいくつかの実施形態は、注目するアナライト、またはアナライトの濃度または存在を示す物質の濃度を測定するアナライトセンサの使用に関する。いくつかの実施形態では、センサは、連続的デバイス、例えば、皮下、経皮、または血管内デバイスである。いくつかの実施形態では、デバイスは、複数の間欠的血液試料を分析することができる。アナライトセンサは、酵素測定、化学的測定、物理的測定、電気化学的測定、分光測定、旋光測定、熱量測定、放射性測定などのアナライト感知の任意の方法を使用できる。
【0288】
アナライトセンサは、侵襲性のある、侵襲性の少ない、および非侵襲性のセンサ手法を含む任意の知られている方法を使用し、注目するアナライトの濃度を示す出力信号を供給する。出力信号は、通常、デバイスを使用している可能性がある患者または医師などのユーザに注目するアナライトの有用な値を供給するために使用される生信号である。したがって、適切な平滑化、較正、および評価方法を生信号および/またはシステムに全体として適用し、関連するおよび許容可能な推定アナライトデータをユーザに供給することができる。
【0289】
センサ
好ましいいくつかの実施形態において有用なアナライトセンサは、注目するアナライトの濃度を測定することができるデバイスであればどのようなものでもよい。例示的な一実施形態は以下で説明されるが、これは、埋め込み型グルコースセンサを使用する。しかし、本明細書で説明されているデバイスおよび方法は、アナライトの濃度を検出し、アナライトの濃度を表す出力信号を供給することができるデバイスであればどのようなデバイスにも適用可能であることは理解されるであろう。
【0290】
図1は、一実施形態のグルコースセンサの分解斜視図である。埋め込み型グルコースセンサ(10)は、電流測定電気化学センサ技術を使用して、血糖値を測定する。この例示的な実施形態では、本体(12)およびヘッド(14)は、電極(16)およびセンサ電子回路を収納するが、これらについては図2を参照しつつ詳しく説明する。3本の電極(16)は、センサ電子回路(図2)に動作可能なように接続され、感知膜(17)およびバイオインターフェイス膜(18)により覆われ、これらは、クリップ(19)により取り付けられる。他の実施形態では、電極の本数は、3本よりも少なくすることも多くすることもできる。
【0291】
ヘッド(14)から突き出ている3本の電極(16)は、プラチナ作用電極、プラチナ対極、および銀/塩化銀基準電極を含む。電極の上端は、感知膜と電極との間に配置された自由流体相である電解質相(図に示されていない)と接触する。感知膜(17)は、電解質相を覆う、酵素、例えば、グルコース酸化酵素を含む。次に、バイオインターフェイス膜(18)は、感知膜(17)を覆い、少なくとも一部は、感知膜(17)の環境応力亀裂を引き起こす可能性のある外力からセンサを保護するために使用される。
【0292】
例示されている実施形態では、作用電極で測定される化学種により生成される電流の平衡を保つため対極が用意される。グルコース酸化酵素ベースのグルコースセンサの場合、作用電極で測定される化学種は、H2O2である。グルコース酸化酵素は、以下の反応に従って酸素とグルコースを過酸化水素とグルコン酸に変換する反応を触媒する。
GOX+グルコース+O2→グルコン酸+H202+還元されたGOX
【0293】
代謝されるそれぞれのグルコース分子について生成物H2O2の比例変化があるため、H2O2の変化を監視してグルコース濃度を決定できる。作用電極によるH2O2の酸化は、周囲の酸素、酵素生成H2O2、または対極の還元可能化学種の還元により平衡される。グルコース酸化酵素反応から生成されるH202は、さらに、作用電極の表面で反応し、2個の陽子(2H+)、2個の電子(2e-)、および1個の酸素分子(O2)を発生する(例えば、「Biosensors and the Body」、D. M. Fraser、ed.、1997、pp.1-56 John Wiley and Sons、New YorkのFraser, D. M.「An Introduction to In vivo Biosensing: Progress and problems」を参照。)
【0294】
一実施形態では、ポテンショスタットを使用して、(複数の)電極で(複数の)電気化学的反応を測定する(図2を参照)。ポテンショスタットは、作用電極と基準電極との間に定電位を印加して電流値を発生する。作用電極で発生する(そして、回路を通り対電極に流れる)電流は、H2O2の拡散流束に比例する。したがって、ユーザの身体内のグルコースの濃度を表す生信号が発生し、したがって、この信号を使用して、本明細書の別のところで説明されているような意味のあるグルコース値を推定することができる。
【0295】
上述のような酵素グルコースセンサの問題の1つは、非グルコース反応律速現象である。例えば、酸素がグルコースの量に比較して不足している場合、酵素反応は、グルコースではなく酸素により制限される。したがって、出力信号は、グルコース濃度ではなく酸素濃度を示す。
【0296】
図2は、一実施形態のセンサ電子回路を例示するブロック図である。この実施形態では、ポテンショスタット(20)が図に示されており、これは、電流値を取得するため電極(16)に動作するように接続され(図1)、電流を電圧に変換する抵抗器(図に示されていない)を含む。A/Dコンバータ(21)は、アナログ信号をカウント数にデジタイズして処理する。したがって、その結果得られるカウントの生データ信号は、ポテンショスタット(20)により測定される電流に直接関係する。
【0297】
マイクロプロセッサ(22)は、EEPROM(23)およびSRAM(24)を収納する中央制御ユニットであり、センサ電子回路の処理を制御する。他の実施形態では、本明細書で説明されているように、マイクロプロセッサ以外のコンピュータシステムを使用してデータを処理する。いくつかの他の実施形態では、特定用途向け集積回路(ASIC)を、センサの中央処理の一部または全部に使用することができる。EEPROM(23)は、半永久的なデータ記憶機能を備え、センサIDおよびデータ信号を処理するために必要なプログラミングなどのデータを格納する(例えば、後述のようなデータ平滑化のためのプログラミング)。SRAM(24)は、システムのキャッシュメモリに使用され、例えば、最近のセンサデータを一時的に格納するために使用される。
【0298】
電池(25)は、マイクロプロセッサ(22)に動作するように接続され、センサに必要な電力を供給する。一実施形態では、電池は、リチウム二酸化マンガン電池であるが、適切なサイズおよび容量であればどのような電池でも使用できる(例えば、AAA、ニッケルカドミウム、亜鉛炭素、アルカリ、リチウム、ニッケル金属水素化物、リチウムイオン、亜鉛空気、亜鉛酸化水銀、銀亜鉛、または密閉)。いくつかの実施形態では、複数の電池を使用してシステムに電力を供給することができる。水晶振動子(26)は、マイクロプロセッサ(22)に動作するように接続され、コンピュータシステムのシステム時間を全体として維持する。
【0299】
RFトランシーバ(27)は、マイクロプロセッサ(22)に動作可能なように接続され、センサデータをセンサから受信機に送信する(図4および5を参照)。RFトランシーバがここに示されているが、他の実施形態は、受信機への有線接続を含み、無線接続を含まない。さらに他の実施形態では、例えば、受信機は、誘導結合を介して経皮的に電力の供給を受ける。水晶振動子(28)は、RFトランシーバからのデータ伝送の同期をとるためのシステム時間を供給する。トランシーバ(27)は、一実施形態では、送信機の代わりに使用できる。
【0300】
データ平滑化
通常、アナライトセンサは、上記の図1および2を参照しつつ詳しく説明されているように、ユーザのアナライト濃度を示す生データ信号を発生する。しかし、上述のグルコースセンサは、注目するアナライトの濃度を示す生データ信号出力を供給することができる多数のアナライトセンサの一例にすぎないことはよく知られている。そのため、データ平滑化、較正、評価、およびその他のデータ処理を含む、好ましい実施形態のデバイスおよび方法を、出力信号を発生することができるアナライトセンサから得られる生データに適用することができることは理解されるであろう。
【0301】
アナライトセンサから受信された生データ信号は、データの品質を低下させる、信号雑音を含むことがわかっている。そのため、例えば、平滑化アルゴリズムを使用して、信号ジッタを減らすことによりセンサ内の信号対雑音比を改善しやすくできることが知られている。従来のデータ平滑化アルゴリズムの一実施例は、特に高周波雑音を低減するのに適している有限インパルス応答フィルタ(FIR)を含む(Steil他の米国特許第6,558,351号を参照)。他のアナライトセンサでは、例えば、発見的および移動平均型アルゴリズムを使用して、データ信号内の信号ジッタのデータ平滑化を達成している。
【0302】
一時的低周波非アナライト関係信号変動を減衰させることにより信号雑音を低減することも有利である(例えば、一過性虚血ならびに/または酸素および/または他の生理学的効果を欠いているためセンサ機能を妨げる体位効果の長い一時的期間)。
【0303】
一実施形態では、一時的低周波非アナライト関係信号雑音のこの減衰は、再帰型フィルタを使用して達成される。毎回の計算で新しい入力データ集合を使用する従来の非再帰型(例えば、FIR)フィルタとは対照的に、再帰型フィルタは、移動平均を入力として使用する方程式である、つまり、再帰型フィルタは、次のフィルタ処理される出力の一部として前の平均を含む。再帰型フィルタは、少なくとも一部はその計算効率がよいため有利である。
【0304】
図3は、一実施形態の生データ信号のデータ平滑化を例示するグラフである。この実施形態では、再帰型フィルタは、デジタル無限インパルス応答フィルタ(IIR)フィルタとして実装され、その出力は、以下の方程式に示されているように6回の加算と7回の乗算を使用して計算される。
【0305】
【数1】

【0306】
この多項式方程式は、フィルタのサンプルレートと周波数挙動に依存する係数を含む。この例示的な実施形態では、周波数挙動は、40分のサイクル長までの低周波を通し、30秒のサンプルレートに基づく。
【0307】
いくつかの実施形態では、データ平滑化をセンサ内に実装し、平滑化されたデータを受信機に送信し、さらに処理することができる。他の実施形態では、生データをセンサから受信機に送信し、データ平滑化と追加処理をそこで行うことができる。さらに他の実施形態では、センサは受信機と一体であり、したがって、データの送信は不要である。
【0308】
例示的な一実施形態では、センサが埋め込み型グルコースセンサであり、連続的なデータストリームを保証するためにデータ平滑化がセンサ内で実行される。代替的実施形態では、データ平滑化は、センサから受信機に送信することができ、データ平滑化を受信機側で実行することができるが、送信が無線の場合にセンサから受信機への無線送信には送信損失のリスクが伴う可能性がある。例えば、生体内にセンサは実装される実施形態では、生センサ信号は、身体の外部にあるソース(例えば、受信機)に送信される生信号よりも、センサ(生体内)の中でより一貫性が高い可能性がある(例えば、患者が受信機を外してシャワーする場合、センサと受信機との間の通信は途絶える可能性があり、したがって受信機内のデータ平滑化は停止するであろう)。その結果、フィルタ内の複数点データ損失は、平滑化されたデータがデータ損失がなかった場合にそうであったであろう状態に回復するのに、例えば25から40分かかる可能性がある。
【0309】
受信機
図4Aから図4Dは、第1、第2、第3、および第4の実施形態の受信機の概略図である。受信機(40)は、本明細書の別のところで説明されているように、アナライトセンサからのセンサデータを受信し、処理し、表示するために必要なシステムを備える。特に、受信機(40)は、例えば、ページャサイズのデバイスとすることができ、複数のボタン(42)およびバックライトを備えることができる液晶ディスプレイ(LCD)画面(44)を持ちユーザインターフェイスを備える。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェイスは、図5を参照しつつ説明されているようなキーボード、スピーカ、およびバイブレータも備えることができる。
【0310】
図4Aは、受信機がユーザインターフェイス上に推定アナライト値の数値表現を表示する第1の実施形態を例示するが、これについては、本明細書の別のところで詳しく説明している。
【0311】
図4Bは、受信機がユーザインターフェイス上に推定血糖値および1時間分の時間的推移トレンドデータを表示する第2の実施形態を例示するが、これについては、本明細書の別のところで詳しく説明している。
【0312】
図4Cは、受信機がユーザインターフェイス上に推定血糖値および3時間分の時間的推移トレンドデータを表示する第3の実施形態を例示するが、これについては、本明細書の別のところで詳しく説明している。
【0313】
図4Dは、受信機がユーザインターフェイス上に推定血糖値および9時間分の時間的推移トレンドデータを表示する第4の実施形態を例示するが、これについては、本明細書の別のところで詳しく説明している。
【0314】
いくつかの実施形態では、ユーザは、受信機上のトグルボタンを使用して図4Aから4Dに示されている画面の一部または全部を切り替えることができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、自分のユーザインターフェイス上に表示される出力のタイプを対話的に選択することができる。いくつかの実施形態では、センサ出力は、例えば、図6のブロック(69)を参照しつつ説明されているように代替え構成を持つことができる。
【0315】
図5は、一実施形態の受信機電子回路を例示するブロック図である。受信機は、上記の図4Aから4Dを参照しつつ説明されているような構成を含むことができる。代替的に、受信機は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、サーバ(受信機のローカルまたはリモート)などを含む任意の構成をとることができる。いくつかの実施形態では、受信機は、(有線または無線接続を介して)デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、PDA、サーバ(受信機のローカルまたはリモート)などに接続して、受信機からデータをダウンロードするように適合することができる。他のいくつかの実施形態では、受信機は、センサ内に収納するか、または直接接続され、これにより、センサおよび受信機の電子回路が直接協働し、および/またはデータ処理資源を共有するようにできる。したがって、受信機は、その電子回路も含めて、一般に、「コンピュータシステム」と説明することができる。
【0316】
水晶振動子(50)は、連携機能してデータ信号(例えば、RFトランシーバから送信される生データ信号)を受信し、同期をとるRFトランシーバ(51)に動作するように接続される。受信した後、マイクロプロセッサ(52)は、後述のように信号を処理する。
【0317】
マイクロプロセッサ(52)は、EEPROM(53)内に格納される較正アルゴリズムなどの必要な処理を行う中央制御ユニットである。EEPROM(53)は、マイクロプロセッサ(52)に動作するように接続され、半永久的なデータ記憶機能を備え、受信機IDおよびデータ信号を処理するために必要なプログラミングなどのデータを格納する(例えば、較正および本明細書の別のところで説明されているその他のアルゴリズムを実行するためのプログラミング)。いくつかの他の実施形態では、特定用途向け集積回路(ASIC)を、受信機の中央処理の一部または全部に使用することができる。SRAM(54)は、システムのキャッシュメモリに使用され、データ処理に有用である。
【0318】
EEPROM(53)およびSRAM(54)に動作するように接続されているマイクロプロセッサ(52)は、限定はしないが、センサデータ受信モジュール、基準データ受信モジュール、データマッチングモジュール、較正集合モジュール、変換関数モジュール、センサデータ変換モジュール、品質評価モジュール、インターフェイス制御モジュール、および安定性判別モジュールを含む、受信機電子回路の処理を制御するが、これらについては、以下でさらに詳しく説明する。上記の処理はどれも、受信機電子回路(図5)の代わりに、または受信機電子回路を補完する形で、センサ電子回路(図2)内にプログラムし、実行することができる。
【0319】
電池(55)は、マイクロプロセッサ(52)に動作するように接続され、受信機に必要な電力を供給する。一実施形態では、電池は、AAA電池であるが、適切なサイズおよび容量の電池であればどのようなものでも使用できる。いくつかの実施形態では、複数の電池を使用してシステムに電力を供給することができる。水晶振動子(56)は、マイクロプロセッサ(52)に動作するように接続され、コンピュータシステムのシステム時間を全体として維持する。
【0320】
ユーザインターフェイス(57)は、キーボード、スピーカ、バイブレータ、バックライト、LCD、および複数のボタンを備える。ユーザインターフェイス(57)を備えるコンポーネントは、ユーザと対話するために必要な制御機能を備える。例えば、キーボードでは、食事時間、運動、インスリン投与、および基準アナライト値などの自分に関するユーザ情報を入力することができる。例えば、スピーカは、現在の、および/または予測される血糖上昇および血糖降下状態などの状態について可聴信号または警告を発することができる。例えば、バイブレータは、上記のスピーカを参照しつつ説明されているような理由から触覚信号または警告を与えることができる。例えば、バックライトを備え、光量の少ない状態でLCDを読むユーザを補助することができる。例えば、LCDを備え、図4Aから4Dおよび図6を参照しつつ詳しく説明されているような視覚的データ出力をユーザに供給することができる。ボタンは、例えば、トグル選択、メニュー選択、オプション選択、モード選択、およびリセットの機能を備えることができる。
【0321】
パーソナルコンピュータ(PC)comポート(58)および基準アナライトモニタcomポート(59)を含む通信ポートは、受信機と別の、または受信機と一体のシステムと通信できるように用意することができる。PC comポート(58)は、他のコンピュータシステム(例えば、PC、PDA、サーバなど)と通信するための手段を備える。例示的な一実施形態では、受信機は、医師によるレトロスペクティブ分析のため履歴データを医師のPCにダウンロードできる。基準アナライトモニタcomポート(59)は、基準アナライト値を自動的に受信機にダウンロードするため基準アナライトモニタと通信する手段を備える。一実施形態では、基準アナライトモニタは受信機と一体であり、基準アナライトcomポート(59)により、2つの一体システム間の内部通信が可能になる。他の実施形態では、基準アナライトモニタcomポート(59)により、自己血糖測定モニタなどの基準アナライトモニタに無線または有線で接続することができる(例えば、手掌採血試料を測定するため)。
【0322】
アルゴリズム
次に、一実施形態のセンサデータ(60)の初期較正およびデータ出力を例示する流れ図である、図6を参照する。
【0323】
アナライトセンサの較正は、センサデータ信号をユーザにとって意味のある推定アナライト測定結果に変換するデータ処理を含む。そこで、基準アナライト値を使用して、アナライトセンサからのデータ信号を較正する。
【0324】
ブロック(61)で、センサデータモジュールとも呼ばれるセンサデータ受信モジュールは、センサと有線または無線で通信することが可能な受信機を介して、センサから、1つまたは複数の一定の時間間隔のセンサデータ点を含む、センサデータ(例えば、データストリーム)を受信する。上で図3を参照しつつ説明されているように(1つまたは複数の)センサデータ点を平滑化することができる。センサの初期化時に、初期較正に先立って、受信機(例えば、コンピュータシステム)は、センサデータを受信し、格納するが、センサの初期較正および場合によっては安定であることが判定されるまでユーザにデータが表示されないことがある。
【0325】
ブロック(62)では、基準入力モジュールとも呼ばれる基準データ受信モジュールは、1つまたは複数の基準データ点を含む、基準データを基準アナライトモニタから受信する。一実施形態では、基準アナライト点は、自己血液アナライト測定検査からの(例えば、手掌採血検査からの)結果を含むことができる。このような一実施形態では、ユーザは、知られているアナライトセンサを使用してアナライト値(例えば、点)を取得するために自己血液アナライト測定検査を管理し、その後アナライト数値をコンピュータシステムに入力することができる。他のこのような実施形態では、自己血液アナライト測定検査は、受信機(例えば、コンピュータシステム)との有線または無線による接続を含み、これによりユーザが2つのデバイスの間の接続を単純に開始するだけで、基準アナライトデータが自己血液アナライト測定検査と受信機との間で受け渡されるか、またはダウンロードされる。さらに他のこのような実施形態では、自己アナライト測定検査は受信機と一体であり、ユーザは単に血液試料を受信機に送るだけで、受信機はアナライト検査を実行し基準アナライト値を決定する。
【0326】
いくつかの受容性パラメータを、ユーザから受け取った基準値について設定することができる。例えば、一実施形態では、受信機は、約40から約400mg/dLの範囲の基準アナライト値のみを受け付けることができる。有効な基準アナライト値を決定する他の実施例については、図8を参照しつつ詳述する。
【0327】
ブロック(63)で、プロセッサモジュールとも呼ばれるデータマッチングモジュールは、基準データ(例えば、1つまたは複数の基準アナライトデータ点)と実質的に時間に対応するセンサデータ(例えば、1つまたは複数のセンサデータ点)とのマッチングを実行し、1つまたは複数のマッチするデータ対を供給する。一実施形態では、1つの基準データ点と1つの時間に対応するセンサデータ点とのマッチングを行い、マッチするデータ対を形成する。他の実施形態では、複数の基準データ点の平均を取り(例えば、均等または不等重み付き平均、平均値、中央値など)、1つの時間に対応するセンサデータ点とマッチングし、マッチするデータ対を形成する。他の実施形態では、1つの基準データ点と平均を取った複数の時間に対応するセンサデータ点とのマッチングを行い、マッチするデータ対を形成する。さらに他の実施形態では、複数の基準データ点の平均を取り、平均された複数の時間に対応するセンサデータ点とのマッチングを行い、マッチングしたデータ対を形成する。
【0328】
一実施形態では、時間に対応するセンサデータは、基準アナライトデータタイムスタンプ(例えば、基準アナライトデータが取得された時刻)から15±5分後に生じる1つまたは複数のセンサデータ点を含む。この実施形態では、データ平滑化で使用されるフィルタに導入される約10分の遅延および約5分の生理学的タイムラグを考慮するため15分の時間遅延が選択されている(例えば、アナライトセンサの(1つまたは複数の)膜を通りアナライトが拡散するのに要する時間)。代替的実施形態では、時間に対応するセンサ値は、上述の実施形態よりも大きくも小さくもでき、例えば±60分である。センサの時間対応および基準データのバラツキは、例えば、データ平滑化フィルタにより持ち込まれる時間遅延が長かったり、短かったりすることによるものであるか、またはアナライトセンサの構成が生理学的タイムラグを長くしたり短くしたりする場合に生じる可能性がある。
【0329】
センサのいくつかの実用的な実装では、基準アナライトデータは、データが受信機に入力された時刻と異なる時刻に取得することができる。したがって、基準アナライトの「タイムスタンプ」(例えば、基準アナライト値が得られた時刻)は、基準アナライトデータが受信機により取得された時刻と同じでないことに留意されたい。したがって、いくつかの実施形態は、受信機がそれぞれの基準アナライト値に対する正確なタイムスタンプ、つまり、基準値がユーザから実際に得られた時刻を確実に格納するようにするタイムスタンプ要件を含む。
【0330】
いくつかの実施形態では、複数の検査を使用し、所定の期間(例えば、約30分)にわたる個別センサ値に対し基準データ点を使用してもっともマッチする対を評価する。そのような例示的な一実施形態では、基準データ点とセンサデータ点とのマッチングが、5分間隔で行われ、それぞれのマッチする対が評価される。最良相関とのマッチする対は、データ処理のためのマッチする対として選択できる。代替的ないくつかの実施形態では、所定の期間にわたる基準データ点と複数のセンサデータ点の平均とのマッチングを使用して、マッチする対を形成することができる。
【0331】
ブロック(64)では、プロセッサモジュールとも呼ばれる較正集合モジュールは、以下でブロック(67)を参照しつつ詳しく説明するように、基準アナライトデータとセンサアナライトデータとの関係を判定するために使用される1つまたは複数のマッチするデータ対の集合から初期較正集合を形成する。
【0332】
初期較正集合を構成するマッチするデータ対は、所定の基準に従って選択できる。初期較正集合に対する基準は、図10を参照しつつ詳しく説明されている、更新較正集合の基準と同じである場合も、異なる場合もある。いくつかの実施形態では、初期較正集合用に選択された(複数の)データ対の個数(n)は、1である。他の実施形態では、nを受信された基準データ点の頻度の関数として、初期較正集合に対しn個のデータ対が選択される。例示的な一実施形態では、6つのデータ対が初期較正集合を構成する。
【0333】
いくつかの実施形態では、データ対は、特定のアナライトしきい値の範囲内でのみ選択され、例えば、基準アナライト値は、約40から約400mg/dLの範囲である。いくつかの実施形態では、初期較正集合を形成するデータ対は、そのタイムスタンプに従って選択される。いくつかの実施形態では、較正集合は、図10を参照しつつ説明されているように選択される。
【0334】
ブロック(65)では、スタートアップモジュールとも呼ばれる安定性判定モジュールは、一定期間にわたってアナライトセンサの安定性を判定する。アナライトセンサの中には初期不安定性期間を持つものもあり、その期間、アナライトセンサは環境、生理学、またはその他の理由から不安定である。初期センサ不安定性の一例は、アナライトセンサが皮下に埋め込まれる実施形態であり、この例示的な実施形態では、アナライトセンサの安定性は、センサ周辺およびセンサ内への組織成長の成熟度に依存しうる。初期センサ不安定性の他の例は、アナライトセンサが経皮的に埋め込まれる実施形態であり、この例示的な実施形態では、アナライトセンサの安定性は、たとえば電極安定性および/または汗に依存しうる。
【0335】
したがって、いくつかの実施形態では、センサ安定性の判定は、所定の期間待つことを含むことができ(例えば、埋め込み型センサは、組織に対し一定期間を必要とすることが知られており、経皮的センサは、センサとユーザの皮膚との平衡が生じる時間を必要とすることが知られている)、いくつかの実施形態では、所定の待ち期間は約1分から約6週間までの範囲である。いくつかの実施形態では、感度(例えば、アナライト濃度に関するセンサ信号強度)を使用して、センサの安定性を判定することができ、例えば、センサ感度の振幅および/またはバラツキを評価してセンサの安定性を判定することができる。代替的実施形態では、pHレベル、酸素、次亜塩素酸塩、干渉種(例えば、アスコルビン酸、尿素、アセトアミノフェン)、センサデータと基準値との相関(例えば、R値)、ベースラインドリフトおよび/またはオフセットなどの検出を利用して、センサの安定性を判定することができる。例示的な一実施形態では、センサはグルコースセンサであり、センサ安定性を評価するために使用することができる、干渉種(例えば、アスコルビン酸、尿素、アセトアミノフェン)と関連する信号を供給することが知られている。他の例示的な実施形態では、センサは、図1および2を参照しつつ説明されているようなグルコースセンサであり、酸素欠乏がないか対極を監視することができ、これを使用して、センサ安定性または機能性を評価することができる。
【0336】
決定ブロック(66)で、システム(例えば、マイクロプロセッサ)は、アナライトセンサが、上述のような特定の基準に従って十分に安定しているかどうかを判定する。センサが埋め込み型グルコースセンサである一実施形態では、システムは、内側への組織の十分な成長に必要と思われる所定の期間待ち、センサ感度を評価する(例えば、約1分から6週間までの範囲)。他の実施形態では、受信機は、センサヘッド付近の酸素濃度に基づいて十分安定しているかを判定する。さらに他の実施形態では、センサは、ベースラインドリフトおよび/またはオフセットの再評価に基づいて十分安定しているかを判定する。さらに他の代替的実施形態では、システムは、所定の期間(例えば、24時間)にわたるセンサデータストリームの頻度内容を監視することにより安定性を評価し、この代替的実施形態では、許容可能なレベルのグルコース生理機能を反映し、実際のセンサデータと比較される1つのテンプレート(または複数のテンプレート)が用意され、テンプレートと実際のセンサデータとの間の所定の一致の程度がセンサ安定性を示す。十分な安定性を判定するいくつかの実施例がここに示されているが、さまざまな知られている検査およびパラメータを使用することで、好ましいいくつかの実施形態の精神および範囲から逸脱することなくセンサ安定性を判定することができる。
【0337】
センサの安定性が十分であると受信機側で評価しない場合、処理はブロック(61)に戻り、そこで、受信機が上で詳しく説明されているようにセンサデータを受信する。上述のステップは、十分な安定性が判定されるまで繰り返される。
【0338】
センサの安定性が十分であると受信機側で評価した場合、処理はブロック(67)に進み、較正集合を使用してセンサの較正が行われる。
【0339】
ブロック(67)で、変換関数モジュールは、較正集合使用して変換関数を作成する。変換関数は、基準アナライトデータとアナライトセンサデータとの間の関係を実質的に定義する。
【0340】
較正集合から変換関数を作成するために、さまざまな知られている方法を好ましい実施形態とともに使用することができる。一実施形態では、複数のマッチするデータ点が初期較正集合を形成し、図7を参照しつつ説明されているように、初期較正集合上で線形最小二乗回帰が実行される。
【0341】
図7は、例示的な一実施形態における変換関数を作成するために較正集合上で実行される回帰を例示するグラフである。この実施形態では、線形最小二乗回帰は、初期較正集合上で実行される。x軸は、基準アナライトデータを表し、y軸は、センサデータを表す。グラフは、較正集合内のマッチする対(76)の回帰を図にしたものである。回帰では、変換関数を定義する、勾配(72)およびオフセット(74)を計算し(y=mx+b)する。
【0342】
代替的実施形態では、他のアルゴリズムを使用して変換関数を決定することが可能であり、例えば、線形および非線形回帰の形態、例えば、ファジー論理、ニューラルネットワーク、区分線形回帰、多項式当てはめ、遺伝的アルゴリズム、およびその他のパターン認識および信号推定手法を使用できる。
【0343】
さらに他の代替的実施形態では、変換関数は、2つ以上の異なる最適な変換を含むことができるが、それは、最適な変換はいつでも、例えば、時刻、消費カロリー、運動、または設定しきい値よりも上または下のアナライト濃度などの1つまたは複数のパラメータに依存するからである。このような例示的な一実施形態では、変換関数は、推定グルコース濃度に適合される(例えば、高と低)。例えば、埋め込み型グルコースセンサでは、埋設物の周囲の細胞はグルコースセンサに向かって拡散するときに少なくとも少量のグルコースを消費することが観察されている。グルコース濃度が低いが高いかにかかわらず、細胞が実質的に同じ量のグルコースを消費すると仮定すると、この現象では、比較的高い値の血糖発作時のグルコース濃度に対する影響よりも低血糖発作時のグルコースの濃度に対する影響のほうが大きい。したがって、変換関数は、血糖レベルの感度の差を補正するように適合される。一実装では、変換関数は、推定血糖濃度が特定のしきい値(例えば、150mg/dL)以下である場合に第1の回帰直線が適用され、推定血糖濃度が特定のしきい値(例えば、150mg/dL)以上である場合に第2の回帰直線が適用される2つの異なる回帰直線を含む。他の代替的一実装では、推定血糖値が設定されたしきい値(例えば、150mg/dL)よりも高いまたは低い場合に変換関数を形成する回帰直線の所定のピボットを適用することができ、その場合、ピボットおよびしきい値は、変換関数の実行およびグルコース濃度の範囲のその実行のレトロスペクティブ分析から決定される。他の実装では、変換関数を形成する回帰直線は、臨床的受容性標準に適合するために1つの点を中心として旋回される(例えば、クラークエラーグリッド、コンセンサスグリッド、平均絶対相対差分、またはその他の臨床的費用関数)。ごくわずかの例示的な実装しか説明されていないが、好ましいいくつかの実施形態では多数の実装が考えられ、変換関数は一定期間にわたってセンサデータの感度に影響を及ぼす可能性のある1つまたは複数のパラメータに基づいて適合するように適用される。
【0344】
図6を再び参照すると、ブロック(68)では、センサデータがセンサから連続的に(または間欠的に)受信されるときに、センサデータ変換モジュールが変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータとも呼ばれる実質的にリアルタイムのアナライト値推定に変換する。例えば、図7の実施形態では、受信機に「カウント」単位で供給することができるセンサデータは、mg/dL単位で(複数の)アナライト値を推定するように変換される。つまり、以下のように、与えられた時刻でのオフセット値を生の値(例えば、カウント)から引いて、勾配で除算して、推定アナライト値を取得することができる。
【0345】
【数2】

【0346】
いくつかの代替的実施形態では、センサおよび/または基準アナライト値は、レトロスペクティブ分析のためデータベース内に格納される。
【0347】
ブロック(69)で、出力モジュールがユーザインターフェイスを介してユーザに出力を供給する。出力は、推定アナライト値を表し、これは、上でブロック(68)を参照しつつ詳しく説明されているようにセンサデータを意味のあるアナライト値に変換することにより決定される。ユーザ出力は、例えば、推定アナライト数値、アナライト濃度の方向トレンドの指示、および/または一定期間にわたる推定アナライトデータのグラフ表現の形態とすることができる。推定アナライト値の他の表現も可能であり、例えば、聴覚および触覚に訴えるものがある。
【0348】
図4Aに示されているような例示的な一実施形態は、推定アナライト値は、数値で表される。図4Bから4Dに示されているような他の例示的な実施形態では、ユーザインターフェイスは、所定の期間にわたる推定アナライトデータトレンドをグラフで表す(例えば、それぞれ、1、3、および9時間)。代替的実施形態では、他の期間を表すことができる。
【0349】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェイスは、センサの安定性が確定された後にユーザへのデータ表示を開始する。しかし、いくつかの代替的実施形態では、ユーザインターフェイスは、いくぶん不安定なデータを表示し(例えば、ブロック(66)で十分な安定性を持たない)、これらの実施形態では、受信機は、さらに、センサデータの不安定性を示すものを含むこともできる(例えば、点滅、フェーディング、またはユーザインターフェイス上に表示されるセンサ不安定性の他の表示)。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェイスは、センサデータの安定性のステータスをユーザに通知する。
【0350】
したがって、センサの初期較正の後、および場合によってはセンサデータの安定性の決定の後に、リアルタイムの連続的アナライト情報をユーザインターフェイス上に表示し、ユーザが定期的にまた積極的に、かかりつけの医師が設定した限界内で自分の糖尿病状態を見られるようにできる。
【0351】
代替的実施形態では、変換関数を使用して、将来の時刻におけるアナライト値を予測する。これらの予測値は、血糖値上昇または血糖値低下の近づきつつある出来事をユーザに警告するために使用することができる。さらに、予測値は、タイムラグ(例えば、本明細書の別のところで説明されているような15分のタイムラグ)の補正にも使用することができるため、ユーザに表示される推定アナライト値は、時間遅延推定値ではなく、瞬間の時刻を表す。
【0352】
いくつかの実施形態では、実質的にリアルタイムの推定アナライト値、予測将来推定アナライト値、変化率、および/またはアナライト濃度の方向トレンドを使用して、ユーザの生体系の一状況を制御するために適切な量および時刻も含めて、ユーザへの成分投与を制御する。このような一実施例は、閉ループグルコースセンサおよびインスリンポンプであり、グルコースセンサからのアナライトデータ(例えば、推定血糖値、変化率、および/または方向トレンド)を使用して、血糖値上昇または血糖値降下状態を避けるため糖尿病患者に与えることができるインスリンの量、および投与時間を決定する。
【0353】
次に、一実施形態の基準およびセンサデータ(80)の臨床的受容性を評価するプロセスを示す流れ図である、図8を参照する。いくつかの臨床的受容性検査がここで開示されているが、知られている臨床的標準および方法を本明細書の基準およびアナライトデータの臨床的受容性を評価するために適用することができる。
【0354】
従来のアナライト測定器(例えば、自己血液アナライト測定検査)は、アナライト値に±20%の誤差を生じることが知られている。例えば、アナライト読み取り値の大誤差は、血液アナライト検査の自己管理における患者の誤りにより生じることが知られている。このような例では、グルコース濃度検査のため血液試料を取るときにユーザの指に微量の糖が付着している場合に、測定された血糖値は実際の血糖値よりもかなり高くなる可能性がある。さらに、自己アナライト測定検査(例えば、テストストリップ)は製造誤差の影響を受けていることもときおりあることが知られている。
【0355】
誤差の他の原因は、ユーザが自己検査を定期的に行わない場合、またはユーザが自己検査を定期的に行っているが、適切な時刻にまたは適切なタイムスタンプを使用して基準値を入力しない場合に発生しうる希なことと時間遅延を含む。したがって、有効な入力として受け付けるのに先立って基準アナライト値を受け入れ可能かどうかを確認することが有益と考えられる。したがって、受信機では、有効な基準値として受け入れるのに先立って受信された基準アナライトデータの臨床的受容性を評価する。
【0356】
一実施形態では、基準アナライトデータ(および/またはセンサアナライトデータ)は、実質的に時間に対応するセンサデータ(および/または実質的に時間に対応する基準アナライトデータ)に関して評価され、それにより、基準アナライトおよび/またはセンサアナライトデータの臨床的受容性を決定する。臨床的受容性では、時間に対応するグルコース測定(例えば、グルコースセンサからのデータおよび基準グルコースモニタからのデータ)とセンサおよび/または基準データにより示されるグルコース値に基づいてその偏差に伴うリスク(例えば、糖尿病患者の意思決定に対する)との間の偏差を考慮する。基準およびセンサアナライトデータの臨床的受容性を評価すること、およびそれに依存するユーザインターフェイスを制御することで、臨床的リスクを最小限に抑えることができる。
【0357】
一実施形態では、受信機では、基準データが取得される毎に臨床的受容性を評価する。他の実施形態では、受信機は、上で図6を参照しつつ説明されているように、センサの初期較正および安定化の後に臨床的受容性を評価する。いくつかの実施形態では、受信機は、例えば基準グルコース測定結果が約40から400mg/dLの範囲であると決定した後に、基準アナライトデータの初期事前選別として臨床的受容性を評価する。他の実施形態では、データを事前選別する他の方法を、例えば、基準アナライトデータ値が前の基準アナライトデータ値(例えば、最大変化率よりも下の)に基づいて生理学的に実現可能であるか判定することにより使用することができる。
【0358】
図6を参照しつつ詳細に説明されているような初期較正の後に、センサデータ受信モジュール(61)は、受信機を介して実質的に連続的なセンサデータ(例えば、データストリーム)を受信し、そのデータを推定アナライト値に変換する。本明細書で使用されているように、「実質的に連続的な」は、数分の1秒から例えば1、2、または5分までの範囲にわたる時間間隔で(例えば、時間間隔をあけて)実行した個々の測定のデータストリームを含む十分に広い意味を持つ。センサデータが連続的に変化されるときに、図10を参照しつつ詳細に説明されているように、時折再較正することができる。センサの初期較正および再較正は、基準アナライト値を必要とする。したがって、受信機は、適切な処理のため随時基準アナライトデータを受信することができる。これらの基準アナライト値は、基準アナライト検査誤差に対するフェールセーフとして後述のように臨床的受容性について評価することができる。
【0359】
ブロック(81)では、基準入力モジュールとも呼ばれる基準データ受信モジュールは、基準アナライトデータを基準アナライトモニタから受信する。一実施形態では、基準データは、基準モニタから取得された1つのアナライト値を含む。しかし、いくつかの他の実施形態では、基準データは、ユーザによりインターフェイスに入力され、本明細書の別のところで説明されているような知られている方法により平均されたアナライト値の集合を含む。
【0360】
いくつかの実施形態では、基準データは、時刻、酸素濃度、体位効果、および完全入力環境データなどの環境および生理学的問題に応じて事前選別される。例示的な一実施形態では、センサは埋め込みグルコースセンサを含み、グルコースセンサ内の酸素センサを使用して、グルコース感知に必要な酵素および電気化学的反応を正常に完了させるために十分な酸素が供給されているかを判定する。センサが埋め込み型グルコースセンサを含む例示的な他の実施形態では、対極を「レール効果」について監視することが可能である、つまり、対極に供給される酸素が不十分であり対極が動作(例えば、回路)限界に到達する場合である。さらに例示的な他の実施形態では、患者は、ユーザインターフェイスに、食事時間および/または運動量などのデータを入力するよう求められるが、これは、許容可能な基準データの可能性を判定するために使用することが可能である。
【0361】
上の段落で説明されているように、評価データを使用して、基準アナライト測定に対する最適な時間を評価することができる。それに応じて、ユーザインターフェイスでは、その後、ユーザに、所定の期間内に較正のための基準データ点を供給するよう求めることができる。その結果、受信機では積極的にユーザに対し最適な較正時間の間に要求するため、環境および生理学的制限による誤差の可能性を低減し、較正の一貫性および受容性を高めることができる。
【0362】
ブロック(82)で、臨床モジュールとも呼ばれる臨床的受容性評価モジュールは、新しく受信された基準データおよび/または時間に対応するセンサデータの臨床的受容性を評価する。臨床的受容性を評価するいくつかの実施形態では、前のデータと比較した基準データの変化率が、臨床的許容性について評価される。つまり、多くのアナライトの変化率および加速度(または減速度)は、身体内でいくつかの生理学的制限を有する。したがって、新しいマッチした対が生理学的に実現可能な範囲内にあるかどうかを判定するため、知られている生理学的および/または統計的限界の範囲内にある前のデータからの変化率により示される限界を設定することができる。同様に、いくつかの実施形態では、アナライトの将来の値を予測するアルゴリズムを使用して、予測し、その後、実際の値を時間に対応する予測値と比較し、実際の値が、例えば、予測アルゴリズムに基づく臨床的に受容可能な範囲内にあるかどうかを判定することができる。
【0363】
例示的な一実施形態では、臨床的受容性評価モジュール(82)は、上で図6を参照しつつ説明されているように基準データと実質的に時間に対応する変換済みセンサ値とのマッチングを行い、図9を参照しつつさらに詳しく説明されているようにマッチするデータをクラークエラーグリッド上にプロットする。
【0364】
図9は、例示的な一実施形態の臨床的受容性の評価を示すクラークエラーグリッド上の2つのデータ対のグラフである。クラークエラーグリッドは、もしあればセンサがグルコースセンサである一実施形態において、基準血糖値とセンサグルコース(例えば、推定グルコース)値との食い違いの臨床的受容性を評価するために臨床的受容性評価モジュールにより使用することができる。x軸は、グルコース基準グルコースデータを表し、y軸は、推定グルコースセンサデータを表す。マッチするデータ対は、それぞれその基準およびセンサ値に応じてプロットされる。この実施形態では、クラークエラーグリッドのA領域とB領域内にあるマッチする対は、臨床的に受容可能であるとみなされるが、クラークエラーグリッドのC、D、およびE領域にあるマッチする対は、臨床的に受容可能であるとはみなされない。特に、図9は、クラークエラーグリッドのA領域内にある第1のマッチする対(92)が示されており、したがって、これは、臨床的に受容可能であると考えられる。第2のマッチする対(94)は、クラークエラーグリッドのC領域内にあるように示されており、したがって、これは、臨床的に受容可能でないと考えられる。
【0365】
臨床的受容性を評価するさまざまな他の知られている方法を使用することができる。代替的な一実施形態では、コンセンサスグリッドを使用して、基準およびセンサデータの臨床的受容性を評価する。他の代替的実施形態では、平均絶対差分計算を使用して、基準データの臨床的受容性を評価することができる。他の代替的実施形態では、臨床的受容性は、知られているグリッド(例えば、クラークエラーまたはコンセンサス)などの関連する臨床的受容性検査を使用して、また時刻および/またはアナライト濃度の増加または減少トレンドなどの追加パラメータを含めて、評価することができる。他の代替的実施形態では、変化率計算を使用して、臨床的受容性を評価することができる。さらに他の代替的実施形態では、受信された基準データは実質的にリアルタイムであり、変換関数を使用して基準アナライト値のタイムスタンプに対応する時刻に推定血糖値を推測することができる(これは、本明細書の別のところで説明されているようにセンサデータのタイムラグのため必要になる場合がある)。したがって、推定血糖値およびもしあれば基準アナライト値不一致についてしきい値を設定することができる。
【0366】
再び図8を参照すると、臨床的受容性評価の結果が評価されている。臨床的受容性が受信された基準データにより判定された場合、処理はブロック(84)に進み、較正集合内の受信された基準データを使用して変換関数を場合により再計算する。しかし、臨床的受容性が判定されない場合、以下でブロック(86)を参照しつつ説明されるように、処理はブロック(86)に進み、ユーザインターフェイスを制御する。
【0367】
ブロック(84)で、変換関数モジュールは、受信された基準データを使用して変換関数を場合により再作成する。一実施形態では、変換関数モジュールは、新しく受信された基準データ(例えば、マッチしたセンサデータを含む)を較正集合に追加し、最も古いおよび/または最も合致しないマッチするデータ対を較正集合から移動し、変換関数をそれに応じて再計算する。他の実施形態では、変換関数モジュールは、図10を参照しつつ詳しく説明されているように、包含基準に基づいて最良の較正について較正集合を評価する。
【0368】
ブロック(85)で、センサデータ変換モジュールは、変換関数を使用してセンサデータを継続的に(または間欠的に)、較正済みデータとも呼ばれる推定アナライト値に変換するが、これについては、図6、ブロック(68)を参照しつつ詳しく説明されている。
【0369】
ブロック(86)で、フェールセーフモジュールとも呼ばれるインターフェイス制御モジュールは、受信された基準データの臨床的受容性に基づいてユーザインターフェイスを制御する。評価(ブロック(82))で臨床的受容性が認められた場合、ユーザインターフェイスは通常通り機能することができる、つまり、図6、ブロック(69)を参照しつつ詳しく説明されているようにユーザに対し出力を供給することができる。
【0370】
しかし、基準データが臨床的に受容可能でないと考えられる場合、フェールセーフモジュールはフェールセーフモードの初期段階を開始する。いくつかの実施形態では、フェールセーフモードの初期段階は、推定センサデータがユーザに対し表示されないようにユーザインターフェイスを変更することを含む。いくつかの実施形態では、フェールセーフモードの初期段階は、ユーザに基準アナライト検査を繰り返し、他の基準アナライト値を供給することを求めることを含む。その後、繰り返されたアナライト値は、上でブロック(81)から(83)を参照しつつ説明されているように臨床的受容性について評価される。
【0371】
繰り返されたアナライト検査の結果が臨床的に受容できないと判定された場合、フェールセーフモジュールでは、完全フェールセーフモードを反映するようにユーザインターフェイスを変更することができる。一実施形態では、完全フェールセーフモードは、ユーザインターフェイス上のセンサアナライト表示出力を切断することを含む。他の実施形態では、例えば、色分け情報、トレンド情報、方向情報(例えば、矢印または角度をなす直線)、ゲージ、および/またはフェールセーフ情報を表示することができる。
【0372】
繰り返されたアナライト検査の結果が臨床的に受容可能であると判定された場合、第1のアナライト値は破棄され、繰り返されたアナライト値が受け入れられる。上でブロック(84)を参照しつつ詳しく説明されているように、このプロセスは、ブロック(84)に戻り、変換関数を場合により再計算する。
【0373】
次に一実施形態のマッチするデータ対(100)の包含基準に基づき最良較正に対する較正データを評価するプロセスを示す流れ図である図10を参照する。
【0374】
アナライトセンサの較正は、時間の経過とともに変化する場合がある、つまり、ある時点に適している変換関数は、他の時点には適していない可能性がある(例えば、数時間、数日、数週、または数ヶ月後)。例えば、アナライトセンサが皮下埋め込み型である実施形態では、時間の経過とともに組織内成長の成熟によりアナライトセンサの較正がバラツキを生じる可能性がある。他の例としては、ユーザの生理学的変化(例えば、代謝、干渉する血液成分、ライフスタイルの変化)により、センサの較正にバラツキを生じる可能性がある。したがって、較正集合を再形成し、それにより、包含基準の集合に従って時間の経過とともに変換関数を再計算することを含む連続的較正更新アルゴリズムが開示される。
【0375】
ブロック(101)では、基準入力モジュールとも呼ばれる基準データ受信モジュールは、新しい基準アナライト値(例えば、データ点)を基準アナライトモニタから受信する。いくつかの実施形態では、基準アナライト値は、図6、ブロック(62)を参照しつつ詳しく説明されているように、基準に従って事前選別することができる。いくつかの実施形態では、基準アナライト値は、図8を参照しつつ詳しく説明されているように、臨床的受容性について評価することができる。
【0376】
ブロック(102)で、プロセッサモジュールとも呼ばれるデータマッチングモジュールは、図6、ブロック(63)を参照しつつ詳しく説明されているように、新しい基準データと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングを行うことにより1つまたは複数の更新されたマッチするデータ対を形成する。
【0377】
ブロック(103)で、較正評価モジュールは、較正集合への新しい(1つまたは複数の)マッチした対の包含を評価する。いくつかの実施形態では、受信機は、単に、更新されたマッチするデータ対を較正集合内に追加し、最も古いおよび/または最も合致しないマッチする対を較正集合から移動し、それに応じて変換関数の再計算に進む(ブロック(105))。
【0378】
いくつかの実施形態では、較正評価は、新しいマッチするデータ対のみを評価することを含む。いくつかの実施形態では、較正評価は、既存の較正集合内のマッチするデータ対のすべてを評価することおよび新しいマッチするデータ対を含めることを含み、そのような実施形態では、新しいマッチするデータ対が包含(または除外)について評価されるだけでなく、さらに、較正集合内のデータ対のそれぞれが個別に包含(または除外)について評価される。いくつかの代替的実施形態では、較正評価は、既存の較正集合からのマッチするデータ対の可能なすべての組み合わせを評価すること、およびどの組み合わせが包含基準を最もよく満たすかを判定するため新しいマッチするデータ対を含めることを含む。いくつかの追加される代替的実施形態では、較正評価は、上述の実施形態のうちの少なくとも2つの組み合わせを含む。
【0379】
包含基準は、実質的に最適な較正集合を形成するマッチするデータ対の集合を定義する1つまたは複数の基準を含む。1つの包含基準は、マッチするデータ対(較正集合を構成する)のタイムスタンプが少なくとも設定期間(例えば、3時間)に必ずまたがるようにすることを含む。他の包含基準は、マッチするデータ対のタイムスタンプが設定経過時間(例えば、1週間経過)以内であることを保証することを含む。他の包含基準は、較正集合のマッチする対が実質的に分散された量の高および低の生センサデータ、推定センサアナライト値、および/または基準アナライト値を持つことを保証する。他の基準は、すべての生センサデータ、推定センサアナライト値、および/または基準アナライト値が所定の範囲内にあることを保証することを含む(例えば、血糖値に対し40から400mg/dL)。他の基準は、(1つまたは複数の)マッチする対のタイムスタンプでのアナライト濃度(例えば、センサデータから)の変化率を評価することを含む。例えば、アナライト濃度の変化率が遅いときに得られたセンサおよび基準データは、タイムラグおよびその他の生理学的および非生理学的効果により引き起こされる不正確さの影響を比較的受けにくい可能性がある。他の基準は、それぞれのマッチするデータ対内のそれぞれのセンサおよび基準データの一致を評価することを含み、最も一致するマッチする対を選択することができる。他の基準は、生理学的変化(例えば、皮下埋め込み型アナライトセンサの機能に影響を及ぼす可能性があるユーザの体位のせいで生じる低酸素、または図6を参照しつつ説明されているような他の影響)を評価して、センサ値に生じる誤差の可能性を確認することを含む。較正集合基準の評価は、上述の包含基準のうちの1つ、一部、または全部を評価することを含むことができる。追加の実施形態は、本明細書で明示的に説明されていない追加包含基準を含むことができることが考えられる。
【0380】
ブロック(104)で、較正集合の評価により、すでに確定されている較正集合を維持するかどうか、または較正集合を新しいマッチするデータ対で更新(例えば、修正)すべきかどうかを決定する。いくつかの実施形態では、最も古いマッチするデータ対は、新しいマッチするデータ対が含まれた場合に単純に移動される。新しい較正集合は、新しいマッチするデータ対を含める決定を含むだけでなく、いくつかの実施形態では、すでにマッチしているデータ対のどれを較正集合から移動すべきかをも決定することができる。
【0381】
ブロック(105)で、変換関数モジュールは、修正された較正集合を使用して変換関数を再作成する。変換関数の計算は、図6を参照しつつ詳しく説明される。
【0382】
ブロック(106)で、センサデータ変換モジュールが、更新された変換関数を使用してセンサデータを較正済みデータに変換する。生センサデータを推定アナライト値に変換することについては、図6を参照しつつ詳しく説明される。
【0383】
次に、一実施形態の較正(110)の品質を評価するプロセスを示す流れ図である、図11を参照する。較正品質は、較正で使用される変換関数に関連付けられた信頼度および推定されたアナライト値への生センサデータの変換を決定する、較正集合を形成するデータの統計的関連付けを決定することにより評価することができる。
【0384】
一実施形態では、較正品質は、本明細書の別のところで説明されているように、変換関数の初期または更新された計算の後に評価することができる。しかし、較正品質は、データ処理時にいつでも実行することができる。
【0385】
ブロック(111)で、センサデータモジュールとも呼ばれるセンサデータ受信モジュールは、図6を参照しつつ詳しく説明されているように、センサからセンサデータを受信する。
【0386】
ブロック(112)では、基準入力モジュールとも呼ばれる基準データ受信モジュールは、図6を参照しつつ詳しく説明されているように、基準データを基準アナライトモニタから受信する。
【0387】
ブロック(113)で、プロセッサモジュールとも呼ばれるデータマッチングモジュールは、図6を参照しつつ詳しく説明されているように、受信基準データと実質的に時間に対応するセンサデータとのマッチングを行い、1つまたは複数のマッチするデータ対を供給する。
【0388】
ブロック(114)で、プロセッサモジュールとも呼ばれる較正集合モジュールは、図6、8、および10を参照しつつ詳しく説明されているように、1つまたは複数のマッチするデータ対から較正集合を形成する。
【0389】
ブロック(115)で、変換関数モジュールは、図6、8、および10を参照しつつ詳しく説明されているように、較正集合を使用して変換関数を計算する。
【0390】
ブロック(116)で、図6、8、および10を参照しつつ詳しく説明されているように、センサデータ変換モジュールは、受信センサデータを継続的に(または間欠的に)較正済みデータとも呼ばれる推定アナライト値に変換する。
【0391】
ブロック(117)で、品質評価モジュールは、較正の品質を評価する。一実施形態では、較正の品質は、統計的分析を使用して較正集合データの関連付けに基づく。統計的分析は、線形回帰、非線形マッピング/回帰、順位(例えば、ノンパラメトリック)相関、最小平均二乗による曲線の当てはめ、平均絶対偏差(MAD)、および平均絶対相対差分などの知られている費用関数を含むことができる。統計的分析の結果は、システムを較正する際に使用されるデータの関連付けの尺度となる。較正集合内に十分な品質が示されているかどうかを判定するためにデータ関連付けのしきい値を設定できる。
【0392】
他の実施形態では、較正の品質は、ブロック(82)および(83)を参照しつつ説明されているように、較正集合を臨床的受容性について評価することにより判定される(例えば、クラークエラーグリッド、コンセンサスグリッド、または臨床的受容性検定)。例えば、較正集合を形成するマッチするデータ対を、クラークエラーグリッド上にプロットすることができ、それにより、すべてのマッチするデータ対がクラークエラーグリッドのA領域およびB領域内に入る場合に、較正は臨床的に受容可能であると判定される。
【0393】
さらに他の代替的実施形態では、較正の品質は、統計的分析を使用し、その後較正集合を臨床的受容性について評価することにより、最初に較正集合データの関連付けに基づいて判定される。較正集合が統計的検定および/または臨床試験に通らない場合、処理はブロック(115)に戻り、マッチするデータ対の新しい(例えば、最適化された)集合とともに変換関数を再計算する。この実施形態では、処理ループ(ブロック(115)からブロック(117)まで)は、品質評価モジュールが1)臨床的受容性があると判定するか、2)十分な統計的データ関連付けと判定するか、3)臨床的受容性および十分な統計的データ関連付けの両方を判定するか、または4)反復のしきい値を超えるまで繰り返され、その後、処理はブロック(118)に続く。
【0394】
図12Aおよび12Bは、変換関数を形成した較正集合の線形回帰から相関係数を評価することにより変換関数の精度が決定される例示的な一実施形態を示している。この例示的な実施形態では、相関係数から得られるR値に対ししきい値(例えば、0.79)が設定される。
【0395】
図12Aおよび図12Bは、相関係数を使用する例示的な一実施形態のデータ関連付けに基づく較正の品質の評価を示すグラフである。特に、図12Aおよび12Bは、第1および第2の較正集合(それぞれ図12Aおよび12B)上で実行される線形最小二乗回帰の結果をグラフにして示している。x軸は、基準アナライトデータを表し、y軸は、センサデータを表す。このグラフは、変換関数を決定する回帰を図で示したものである。
【0396】
図12Aの第1の較正集合の回帰により形成される回帰直線(したがって変換関数)は、図12Bの第2の較正集合の回帰により形成される回帰直線(したがって変換関数)と同じである。しかし、較正集合内のデータと図12Aの回帰直線との相関は、較正集合内のデータと図12Aの回帰直線との相関と著しく異なる。つまり、図12B内の回帰直線からのデータの偏差は図12A内の回帰直線からのデータの偏差と比べて著しく大きい。
【0397】
相関のこの差を定量化するために、この例示的な実施形態で、最小二乗法を介して直線に当てはめるときにデータの残差(例えば、二乗平均平方根偏差)を要約するためにR値を使用することができる。R値は、以下の式に従って計算することができる。
【0398】
【数3】

【0399】
上記の式の中で、iは、インデックス(1からnまで)であり、xは、基準アナライト値であり、yは、センサアナライト値であり、x-は1/nの基準アナライト値の平均であり、y-は、1/nのセンサアナライト値の平均である。
【0400】
図12Aに示されている例示的な較正集合では、計算されたR値は、約0.99であり、これは、回帰の相関係数として表すこともできる。したがって、較正は、十分なデータ関連付け(したがって、不十分な品質)を示すが、それは、この例示的な実施形態で設定された0.79のしきい値よりも高いからである。
【0401】
図12Bに示されている例示的な較正集合では、計算されたR値は、約0.77であり、これは、回帰の相関係数として表すこともできる。したがって、較正は、不十分なデータ関連付け(したがって、不十分な品質)を示すが、それは、この例示的な実施形態で設定された0.79のしきい値よりも低いからである。
【0402】
図11、ブロック(118)を再び参照すると、フェールセーフモジュールとも呼ばれるインターフェイス制御モジュールは、較正の品質に基づいてユーザインターフェイスを制御する。較正が十分な品質を示している場合、ユーザインターフェイスは通常通り機能することができる、つまり、図6を参照しつつ詳しく説明されているようにユーザに対し出力を供給することができる。
【0403】
しかし、較正の品質が十分であるととみなされない場合、フェールセーフモジュール(118)は、フェールセーフモードの初期段階を開始するが、これは図8を参照しつつ詳しく説明されている。いくつかの実施形態では、フェールセーフモードの初期段階は、推定センサデータがユーザに対し表示されないようにユーザインターフェイスを変更することを含む。いくつかの実施形態では、フェールセーフモードの初期段階は、さらに、ユーザに更新された基準アナライト値を供給することを求めることを含む。更新されたアナライト値は、その後、上述のように処理され、繰り返された基準アナライト検査から得られた更新された変換関数は、もしあれば、統計に基づく正確さについて評価される。
【0404】
更新された評価の結果が再び不十分な品質を示している場合、フェールセーフモジュールは、完全フェールセーフモードを反映するようにユーザインターフェイスを変更するが、これは図8を参照しつつ詳しく説明されている。しかし、更新された評価の結果が十分な品質を示している場合、第1の基準アナライト値は破棄され、繰り返された基準アナライト値が受け入れられ、プロセスは本明細書で説明されているように続く。
【0405】
フェールセーフモードおよび完全フェールセーフモードの初期段階は、例えばユーザインターフェイス制御を含む、図8を参照しつつ説明されてものと類似している可能性がある。さらに、初期と完全フェールセーフモードとの間のさまざまな差分モードは、較正の相対的品質に依存する形で与えることができることは本明細書で考えられている。つまり、較正品質の信頼水準は、エラーバー、±値などを備える複数の異なるユーザインターフェイス画面を制御することができる。類似の画面を、図8を参照しつつ説明されている臨床的受容性の実施形態で実装することができる。
【0406】
本明細書で引用されているすべての関連文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれている刊行物および特許または特許出願が明細書に含まれる開示内容と矛盾する場合、明細書がそのような矛盾する資料に取って代わる、および/または優先することが意図されている。
【0407】
「含む、備える(comprising)」という用語は、「含む、備える(including)」、「含む(containing)」、または「を特徴とする」と同義語であり、包含的または制限がなく、追加、列挙されていない要素または方法ステップを除外しない。
【0408】
明細書および特許請求の範囲で使用されている成分、反応状態など量を表す数値はすべて、「約(about)」という用語によりすべての場合において変更されるものと理解される。したがって、断りのない限り、明細書および添付の特許請求の範囲の中で指定されている数値パラメータは近似値であり、本発明により求められている所望の特性に応じて変化することがある。少なくとも、特許請求の範囲に相当する学説の適用を制限する試みとしてではなく、有効数字の数および通常の丸め方式に照らしてそれぞれ数値パラメータを解釈すべきである。
【0409】
上の説明では、本発明のいくつかの方法および材料を開示している。本発明は、方法および材料の変更とともに製造方法および機器の代替えの影響も受けやすい。このような変更は、本明細書に開示されている発明のこの開示または実施を考察する当業者には明白なことである。したがって、本発明は、本明細書に開示されている特定の実施形態には限定されず、これは添付の特許請求の範囲で実現されるような本発明の真の範囲および精神の範囲内にあるすべての変更および代替えを対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0410】
【図1】一実施形態のグルコースセンサの分解斜視図である。
【図2】一実施形態のセンサ電子回路を示すブロック図である。
【図3】一実施形態の生データ信号のデータ平滑化を示すグラフである。
【図4A】第1の実施形態の受信機の概略図である。
【図4B】第2の実施形態の受信機の概略図である。
【図4C】第3の実施形態の受信機の概略図である。
【図4D】第4の実施形態の受信機の概略図である。
【図5】一実施形態の受信機電子回路を例示するブロック図である。
【図6】一実施形態のセンサデータの初期較正およびデータ出力を示す流れ図である。
【図7】例示的な一実施形態における変換関数を取得するために較正集合上で実行される回帰を示すグラフである。
【図8】一実施形態の基準およびセンサデータの臨床的受容性を評価するプロセスを示す流れ図である。
【図9】例示的な一実施形態の臨床的受容性の評価を示すクラークエラーグリッド上の2つのデータ対のグラフである。
【図10】一実施形態のマッチするデータ対の包含基準に基づき最良較正に対する較正データを評価するプロセスを示す流れ図である。
【図11】一実施形態の較正の品質を評価するプロセスを示す流れ図である。
【図12A】相関係数を使用する例示的な一実施形態のデータ関連付けに基づく較正の品質の評価を示すグラフである。
【図12B】相関係数を使用する例示的な一実施形態のデータ関連付けに基づく較正の品質の評価を示すグラフである。
【符号の説明】
【0411】
10 埋め込み型グルコースセンサ
12 本体
14 ヘッド
16 電極
17 感知膜
18 バイオインターフェイス膜
19 クリップ
20 ポテンショスタット
21 A/Dコンバータ
22 マイクロプロセッサ
23 EEPROM
24 SRAM
25 電池
26 水晶振動子
27 RFトランシーバ
28 水晶振動子
40 受信機
42 ボタン
44 液晶ディスプレイ(LCD)画面
50 水晶振動子
51 RFトランシーバ
52 マイクロプロセッサ
53 EEPROM
54 SRAM
55 電池
56 水晶振動子
57 ユーザインターフェイス
58 パーソナルコンピュータ(PC)comポート
59 基準アナライトモニタcomポート
60 センサデータ
72 勾配
74 オフセット
76、92、94 マッチする対
80 センサデータ
82 臨床的受容性評価モジュール
100 データ対
110 較正

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に連続的なアナライトセンサを初期化する方法であって、
実質的に連続的なアナライトセンサから、少なくとも1つのセンサデータ点を含むデータストリームを受信するステップと、
基準アナライトモニタから、少なくとも1つの基準データ点を含む基準データを受信するステップと、
前記基準データ点と実質的に時間に対応するセンサデータ点とのマッチングを行うことにより少なくとも1つのマッチするデータ対を提供するステップと、
前記実質的に連続的なアナライトセンサの安定性を判定するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記実質的に連続的なアナライトセンサの前記安定性を判定する前記ステップは、約1分から約6週間までの範囲の一定期間にわたって前記実質的に連続的なアナライトセンサがホストの組織と平衡状態になるようにするステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記実質的に連続的なアナライトセンサの安定性を判定する前記ステップは、少なくとも1つのマッチするデータ対を評価することを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記実質的に連続的なアナライトセンサの安定性を判定する前記ステップは、pH、酸素、次亜塩素酸塩、干渉種、マッチした対の相関、R値、ベースラインドリフト、ベースラインオフセット、および振幅からなるグループから選択された少なくとも1つの特性を評価することを含む請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記実質的に連続的なアナライトセンサの前記安定性に基づいて聴覚的出力、視覚的出力、および触覚的出力からなるグループから選択された少なくとも1つの出力をユーザに供給するステップを含む請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの出力を供給する前記ステップは、推定アナライト数値、アナライト濃度の方向トレンド、および推定アナライト値のグラフ表現のうちの少なくとも1つを示すことを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記出力は、ユーザインターフェイス上に表示される請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
実質的に連続的なアナライトセンサからデータストリームを受信する前記ステップは、実質的に連続的なグルコースセンサからセンサデータを受信することを含む請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
基準データを受信する前記ステップは、自己血糖測定検査から基準データを受信することを含む請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
連続的なアナライトセンサを初期化するシステムであって、
前記アナライトセンサから複数の一定時間間隔のセンサデータ点を含むデータストリームを受信する連続的なアナライトセンサに動作するように接続されたセンサデータモジュールと、
少なくとも1つの基準データ点を含む基準データを基準アナライトモニタから取得するように適合された基準入力モジュールと、
基準データ点と実質的に時間に対応するセンサデータ点とのマッチングを行うことにより少なくとも1つのマッチするデータ対を形成するプロセッサモジュールと、
前記連続的アナライトセンサの安定性を判定するようにプログラムされる前記プロセッサモジュールに関連付けられたスタートアップモジュールとを備えるシステム。
【請求項11】
前記スタートアップモジュールは、前記連続的アナライトセンサがホストの組織内に挿入されてから前記連続的アナライトセンサの安定性を判定するまでの約6時間から約6週間までの範囲の期間待つようにプログラムされる請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記スタートアップモジュールは、少なくとも1つのマッチするデータ対を評価するようにプログラムされる請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記スタートアップモジュールは、pH、酸素、次亜塩素酸塩、干渉種、マッチした対の相関、R値、ベースラインドリフト、ベースラインオフセット、および振幅からなるグループから選択された少なくとも1つの特性を評価するようにプログラムされる請求項10から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
さらに、前記プロセッサモジュールに関連付けられ、センサデータの出力を制御するようにプログラムされた出力制御モジュールを備える請求項9から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記出力制御モジュールは、推定アナライト数値、アナライト濃度の方向トレンド、および推定アナライト値のグラフ表現のうちの少なくとも1つを示す請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記出力制御モジュールは、ユーザインターフェイスに情報を出力する請求項14または15に記載のシステム。
【請求項17】
前記センサデータモジュールは、前記実質的に連続的なグルコースセンサからセンサデータを受信するように構成されている請求項10から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記基準入力モジュールは、自己血糖測定検査から基準データを受信するように構成される請求項10から17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記スタートアップモジュールは、安定性の判定後に、アナライトセンサデータの表示を初期化するように構成されている請求項10から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
請求項1から9のいずれか一項に記載の初期化の方法を使用するグルコースセンサ。
【請求項21】
請求項10から19のいずれか一項に記載のシステムを含むグルコースセンサ。
【請求項22】
図1から12Bのいずれか1つ、または複数の実施例のうちのいずれか1つを参照しつつ本明細書で実質的に説明されているようなバイオセンサ。
【請求項23】
図1から12Bのいずれか1つ、または複数の実施例のうちのいずれか1つを参照しつつ本明細書で実質的に説明されているようなグルコースセンサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate


【公表番号】特表2007−501028(P2007−501028A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522016(P2006−522016)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/024263
【国際公開番号】WO2005/011489
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(504016422)デックスコム・インコーポレーテッド (17)
【Fターム(参考)】